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第6章 高齢者の生きがい対策の推進

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第6章 高齢者の生きがい対策の推進
中津川市
第6章 高齢者の生きがい対策の推進
第6章 高齢者の生きがい対策の推進
1 生きがいづくりの必要性
① 高齢者本人
高齢者が健康でいきいきといつまでも暮らしていくためには、
生きがいづくり活動が必要です。
核家族化と高齢化の進行により、
高齢者のみの世帯やひとり暮らしの高齢者が増加しています。
このような高齢者は、生活や心身の健康に不安を持つことが多く、要介護状態になる恐れも高く
なります。
生きがいづくり活動は、高齢者が年齢にとらわれることなく自由に生き、主体的に活動し、自
立した生活をしていくために必要不可欠なものとして、益々その重要性を増しています。
② 家族
高齢者が精神的にも身体的にもできるだけ健康で、
いきいきと生活し活動を続けられることは、
家族にとっても望ましいことであり、家族と地域社会とのつながりも強くなります。さらに、地
域住民同士の関係も深まることから、家族にとっての意義や効果もより大きなものとなります。
このため、高齢者が健康なうちはできる限り家庭内で一定の役割を任せたり、地域の人々との
交流や社会的な活動に参加しやすくするための家族への支援についても配慮が必要となります。
③ 地域社会
高齢者の生きがいづくりと健康づくり活動は、身近な地域でいきいきと活動しながら暮らし、
若い世代とともに地域社会を支え、地域全体を活性化する上でも極めて重要なことです。生きが
いと健康づくり活動は、
高齢者がその意欲と能力に応じて社会とのつながりを持ち続けるための
活動として捉え、地域の中にしっかりと定着したとき、地域社会を支える活動として不可欠なも
のとなっていきます。
また、高齢者の生きがいづくりと健康づくり活動は、それぞれの地域特性に対応した、多世代
協働による「まちづくり」活動の一部であるといえます。
このように世代間交流を通じた高齢者の生き方・暮らし方が、既存の形にとらわれず、多様な
形に対応できる地域社会を形成し、
高齢者の生きがいと健康づくり活動そのものが地域社会を創
り、変化させ、さらに活性化していくという極めて大きな意義を持つものとなります。
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2 生きがいづくりの基本目標
(1)生きがいづくりの基本的な目標と課題
① 仲間づくりや外出の促進
生きがいと健康づくり活動は、
まず自主的なグループなどの身近な仲間づくりから始まります。
街中で気軽に立ち寄ることができ、
仲間同士で飾る必要がないコミュニケーションが取れる場所
が数多く確保され、仲間づくりが盛んに行われることが、生きがいと健康づくり活動の第一歩と
なります。
家に閉じこもりがちな高齢者やちょっとしたきっかけさえあれば活動に取り組みたいと思っ
ている高齢者が、活動のための環境整備や情報提供などを最も必要とする人達です。そのような
人達に参加を呼びかけ、少しでも地域社会とのかかわりをもってもらうことが大切です。
② 知識と経験
高齢者が長年にわたって蓄積した知識や経験を生かし、
一定の役割を果たして地域社会に貢献
したい、
あるいは仲間づくりを通して地域社会と何らかの繋がりを持ちたいという意欲を持って
いる人も多く、そのような意欲的な人達に活動の場を提供していくことが極めて重要です。
③ 活動の内容
画一的、惰性的な活動メニューではなく、できるだけ各年齢層ごとにきめ細かく、また個々の
身体的・精神的な状況にも十分配慮し、さらに世代間交流も柔軟に折り込んだ、多種多様で斬新
な活動メニューと機会の提供に努めます。
寝たきりや病弱な人、障害を持った人も生きがいを持ち、地域や友人・隣人とのつながりを保
てるような、生きがいと健康づくり活動に取り組みます。
④ 自主的な活動
生きがいと健康づくり活動の企画・運営については、高齢者自らが行うことが基本です。これ
により活動の喜びが生まれ、意欲的な取り組みが長続きすることになります。誰かが与えるメニ
ューを一方的に受け入れたり、行政に頼りすぎたりせずに、自分たちのことは自分たちで企画し
実行する、という意識と意欲を持つことが重要です。
そのためにも、高齢者による自主的なグループが育成されることが期待されます。
⑤ 社会参加活動
地域社会において一定の役割を持ち、人に役立っているという実感を持つことによって、本当
の喜びがうまれ、活動の満足感を得ることができます。地域社会においても、高齢化の著しい進
展に伴って、後期高齢者や障害を持つ高齢者への支援など、健康な高齢者の活動に期待する度合
いが高まってきています。
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中津川市
第6章 高齢者の生きがい対策の推進
このようなことから、意欲的な高齢者の活動の場として最もふさわしい領域は、地域における
社会参加活動であり、
今後ボランティア活動を含め高齢者による社会参加活動を促進していく必
要があります。
⑥ 生きがいづくりは健康づくりから
高齢者の「生きがい」と「健康づくり」とは密接に関係しており、表裏一体ともいえるもので
す。
「生きがい」は人の生き方にも関わるため難しい面もありますが、
「健康づくり」は誰にとっ
ても必要なものです。このため「健康づくり」を切り口とし、それを生きがいづくりにつなげて
いく工夫も必要です。
高齢者の健康づくりは、各自の健康状態や体力に応じて、自立して日常生活が送れることが目
標となります。高齢者の健康度の新しい評価基準が必要であり、
「疾病」の有無よりも日常生活
における自立機能を重視し、生活動作について「どの程度できるか」を試みようとする考え方も
出ています。
今後は、このような新しい健康評価基準や、高齢者の健康管理手法の確立が必要です。また、
高齢者の身体機能の理解・心理面での配慮ができる質の高い指導者や、ともに支えあう仲間も必
要です。精神・心理面における健康に関しては、閉じこもりがちな高齢者やひとり暮らしの高齢
者、高齢者夫婦のみの世帯などと直接接触する人達が、高齢者の孤独感や不安感の解消をはかる
ようにしていくことが必要です。そのため、地域の果たす役割が大きいと考えられます。
高齢になっても健康の回復・向上のための努力の効果はあることから、健康づくりについての
積極的な取組の必要性を改めて認識していただくことが大切です。
⑦ 仕事と生きがいの関係
市民意向調査結果において、
高齢者の多くが農業を中心に仕事をしていることがわかりました。
高齢者にとって田畑仕事や土いじりは、単なる収入を得るためのものではなく、健康を維持し
たり、生きがいとなるなど生活の中で重要な役割を占めるものとなっています。
今後、高齢者が増加し、農業を含めた就労を希望されたときにいつでも対応できるよう、働く
場の確保が必要です。
⑧ 趣味と生きがいの関係
定年退職後、自分の時間が多くもてるようになります。今までやりたくても時間がなくてでき
なかったこと、これからやりたかったことなどがあります。楽器を演奏する、絵を描く、文章を
書く、短歌・俳句をつくる、陶芸・工芸をする、写真を撮る、料理をするなど自分の得意な分野
や、やりたいことを友人と共に参加したりして楽しみ、趣味を生きがいにすることにより好奇心
や行動力が高まり、地域で活躍できることにつながっていきます。
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3 学習活動の推進
高齢者の生きがい活動について、学習機会や活動機会の充実を望む声が多くなっています。生涯にわ
たって学習することや芸術・文化活動、スポーツ活動などに取り組むことは、健康で心豊かな暮らしを
支える大きな要素の一つといえます。
本市では、これまで各地区において様々な生涯学習や文化活動、スポーツ活動に取り組んでおり、今
後も地域のニーズに即した事業を推進していきます。
(1)高齢者の生涯学習
高齢者が趣味や文化活動、各種講座・教室などに参加し、高齢者の生きがいや健康づくり、仲間
づくりへと結びつけるための事業を各地区で展開しています。
① 高齢者大学の開催
郷土文化や芸能についての講座や市外研修、
健康や人権について等の高齢者向けの教養講座な
どを実施する高齢者大学を開催し、高齢者の生きがいや健康づくり、仲間づくりへの参加へと結
びつけています。
本市では、寿松学園(中央公民館)
、高齢者はなのき大学(坂本公民館)
、生き生きハイスクー
ル(落合公民館)
、阿木公民館、湯舟沢大学(神坂公民館)
、いきがい大学(山口地区)
、喜楽大
学(加子母地区)
、青川フェニックス大学(付知地区)などでこれまでに開催され、高齢者の学
習の場として開催されています。
表 6.1 高齢者大学実施状況(平成 17 年度見込)
中央公民館
坂本公民館
落合公民館
阿木公民館
神坂公民館
寿松学園
健康体操
はなのき
生き生き
ハイスクール
社会見学
歴史教室
湯舟沢
9
6
1
12
125
350
42
40
11
開催回数(回)
15
200
延べ参加者数(人)
40
表 6.2 いきがい大学(山口地区)の実施状況
平成 15 年度 平成 16 年度
開催回数(回)
延べ参加者数(人)
平成 17 年度
(見込み)
8
8
6
162
175
145
26
30
32
参加実人数(人)
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中津川市
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表 6.3 喜楽大学(加子母地区)の実施状況
平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度
開催回数(回)
延べ参加者数(人)
11
11
10
707
494
432
表 6.4 青川フェニックス大学の専門部の実施状況(付知地区:平成 16 年度)
部名
受講者数(人)
謡曲を謡おう
6
絵を描くだるま
6
茶道
5
細密画
7
山野を歩こう
51
伝統行事
2
文章を書く
9
ヨガ
44
琴
6
カラオケ
11
民謡、民踊
16
紙人形
6
和紙はり絵
10
グランドゴルフ
22
表 6.5 小物作り、わら細工づくり 生涯青春事業の実施状況(加子母地区)
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
開催回数(回)
60
57
58
参加実人数(人)
38
40
41
■ 今後の方策
○ 今後も内容の充実と、新しい教室の開催によってさらに参加者の増加が図れるよう検討
していきます。
② 文化活動の充実
文化協会が実施しているサークル活動の充実や技術的な向上を図っています。
文化協会のサークル活動は、専門分野ごとにサークル活動を行っており、平成 16 年度は5部
門にわたって活動しています。
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表 6.6 各部門の実施状況(付知地区:平成 16 年度)
部門名
団体数
延べ会員数(人)
書道部門
10
343
展示部門
9
72
華茶道部門
8
145
芸能部門
11
128
音楽部門
14
244
■ 今後の方策
○ 今後も継続して活動を支援していきます。
○ 窓口相談などにおいて、各サークル活動を紹介し、気軽に参加できる文化・芸術活動の推
進を図ります。
③ 公民館講座の開催
各地区に整備されている公民館において、専門の講師を招くことなどにより、書道や手芸、パ
ソコン、パッチワークなどの各種講座や教室を開催しています。
これまでに各地区で毎週・毎月それぞれの活動を行っており、
「文化祭」や「芸能祭」におい
て各団体が成果を発表しています。
表 6.7 公民館講座の実施状況(付知地区)
平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度
公民館講座 受講者数(人)
IT講習 受講者数(人)
179
135
99
60
57
46
表 6.8 あじさい学級の実施状況(蛭川地区)
平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度
参加実人数(人)
73
69
54
■ 今後の方策
○ 今後も開催要望を把握しながら実施していきます。
○ 文化活動等の発表の場として、
「文化祭」や「芸能祭」の開催を継続していきます。
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(2)スポーツ活動の促進
各地区において、高齢者の健康の維持増進や生きがいづくり、世代間交流を目的とした高齢者ス
ポーツ大会やスポーツ教室を開催しています。
① シルバースポーツ大会の開催(老人クラブ)
健康が維持できるように、日頃から自己の体調管理に努め、仲間とのふれあいを通して、精神
の健全と安定を保持していけるよう、
高齢者が参加するシルバースポーツ大会を年1回開催して
います。
地域の高齢者や市民が参加して軽スポーツなどの運動で競い合うとともに、
仲間同士のふれあ
いや、
保育園児の参加による世代間の交流を合併前には各地区で毎年実施されているところもあ
りましたが、17 年度から市内1ヶ所でシルバースポーツ大会を開催しています。
■ 今後の方策
○ 中津川市老人クラブ連合会が年1回、市内1ヶ所で開催し、仲間同士のふれあいや、保育
園児の参加による世代間の交流を支援しています。
② スポーツ教室等の開催
いつまでも若々しく元気で暮らせるように、体力にあわせたスポーツの振興を図っています。
また、グランドゴルフ、ゲートボール等の軽スポーツ、冬期でも行える種目、健康に関する講
座等の開催を支援しています。
水中運動教室は平成 13 年度から川上地区(坂下、山口を含め)で、福岡地区においては平成
16 年度からを実施しており、教室期間の終了後には自主グループで活動されるようになってい
ます。
軽スポーツについては、ゲートボール協会、ペタンク協会、グランドゴルフ協会など各協会の
支援を行っています。
その他の地区においても、
老人福祉センターや公民館などでスポーツ教室や講座を開催してい
ます。
表 6.9 スポーツ教室の実施状況(福岡地区)
平成 15 年度 平成 16 年度
開催回数(回)
延べ参加者数(人)
平成 17 年度
見込み
6
6
6
52
48
50
■ 今後の方策
○ 各地区の特色を活かしながら、今後も内容の充実と新しい教室開催による参加者の増加が
図れるよう検討していきます。
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(3)学習する場の確保と指導者の育成・確保
高齢者が学習するための場所の確保として、公民館や学校施設、地域施設の利用、生きがい施設
の有効利用などを推進しています。また、生涯学習機器や設備の整備も行っています。
高齢者の研修・集会施設として老人福祉センター、福祉センターなどや、山口の「生きがい作業
所」を提供しています。また、老人クラブ、シルバー人材センターの拠点場所にもなっています。
各種教室の充実には、指導者の確保と育成が欠かせません。高齢者の中から指導者を確保、育成
することが、高齢者にとっての生きがいとなり、事業の推進につながります。
■ 今後の方策
○ 場所の確保としては、身近な地域にある公民館や集会施設、クラブなどを有効に活用して
活動拠点の充実を図ります。
○ 指導者の育成については、リーダー研修などの開催により、老人クラブや各種団体で活動
している方の中から自主活動できるリーダーを確保できるようにします。
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中津川市
第6章 高齢者の生きがい対策の推進
4 地域活動への参加
(1)老人クラブ活動の推進
老人クラブが実施する活動が、活性化するように支援しています。
老人クラブの活動として、文化活動事業、健康増進事業、ふれあい交流事業、環境友愛事業など
市連合会の活動、地区老人クラブにおける地域の特色ある活動が行われています。
■ 今後の方策
○ 老人クラブ連合会については、中津川市老人クラブ連合会を中心として各地区の老人クラ
ブ連合会がクラブ員の意向を十分反映し気軽に参加でき、より魅力ある活動ができるよう活
動補助金などの支援を行います。
○ 転倒予防や閉じこもり予防の講座を実施します。
○ 子ども会等の地域団体との交流を促進し、世代間交流の活動を支援します。
○ 広報誌等により特色ある活動などのPRを行っています。
(2)世代間交流の推進
各地区で園児や児童、生徒と高齢者の交流を支援しています。
これまでに各地区において、竹細工やわら細工の作成指導、昔のおもちゃづくり、魚釣りなど高
齢者が指導者となって地域の子ども達に伝統や文化、技術を伝える機会として、老人クラブ活動や
学校の総合学習、公民館などで開催しています。また軽スポーツなど、高齢者と地域住民や子ども
が一緒に交流を深める行事を行っています。
■ 今後の方策
○ 今後も、学校や老人クラブ、社会福祉協議会等関係機間と十分連携を図りながら地域の特
性を生かし、高齢者が中心となって企画、運営し高齢者の活躍の場として進めていきます。
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(3)高齢者のボランティア活動への支援
高齢者にとってのボランティア活動とは、ボランティアを受けるだけではなく、ボランティアに
参加することも大きな意味を持つものです。ボランティア活動は、高齢者が活動的に過ごすことで
いきいきと健康な生活を送ることが期待できることから、
健康づくり活動の一環として捉えること
ができます。
また、ボランティア活動を行うことで、高齢者同士だけでなく、地域住民とのつながりを持つこ
ともできるようになります。このようなボランティアをきっかけとした地域参加が、福祉のまちづ
くりの前進にもなります。
本市では、平成 18 年1月現在で 62 団体、2,817 人の登録があり、高齢者のボランティア活動と
して、ひとり暮らし高齢者、高齢者世帯等への配食ボランティアや、相談相手、介護ボランティア、
福祉施設清掃ボランティア等の育成・指導にあたっています。
主なボランティア活動としては、以下のような活動があります。
高齢者ふれあいいきいきサロン
・地域の身近なところで高齢者のふれあいの場を設け、様々な楽しいプログラムや仲間づく
りを図り、地域の中での孤立や閉じこもり予防、認知症や寝たきりなどの予防に役立って
います。
・ひとり暮らし高齢者ふれあい食事活動
会食や配食によるふれあい食事交流を図っています。70 歳以上のひとり暮らし高齢者の状
況を把握し、より一層の見守り活動をすすめています。
・地域生活あんしん活動
・地域で高齢者や障害者、子どもが安心して生活できるよう生活環境の改善を図ることを目
的に支援しています。
その他、小学校、中学校の総合学習などに、多くの知識、経験などを生かした講師としても活動
しています。
■ 今後の方策
○ 今後の重点項目に位置づけ、社会福祉協議会の協力によりすすめ、情報や活動の場の提供
および研修会の開催等の支援を促進することで、高齢者の余暇時間の有効活用による生きが
いと互助の精神の育成を図っていきます。
○ これからは、高齢者が受身ではなく、自主性のある参加型活動が必要となります。戦後生
まれの高齢者の退職後の地域活動を支援するため、社会福祉協議会の協力によりボランティ
ア活動への理解と参加をすすめていきます。
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中津川市
第6章 高齢者の生きがい対策の推進
5 就労支援
(1)シルバー人材センター
仕事を持つことは、高齢者の生きがいとして非常に大きなものです。市民意向調査では生きがい
や健康のために仕事を続けている方が多く、
若年者においても高齢となったときに仕事を続けたい
という方が多くなっています。
しかし、高齢者が就労の機会を得ることは難しいため、本市では高齢者の豊かな知識・経験・技
能を生かすことのできる仕事を企業・一般家庭・公共機関から引き受け、健康で働く意欲のある高
齢者に就業の場を提供しています。
シルバー人材センターの運営理念は、次のとおりです。
・地域の高齢者が、自主的にその生活している地域を単位に連携して共に働き、共に助け合
っていくことをめざしています。
・高齢者の就業を促進することにより、高齢者自身の活動的な生活能力を生み出すとともに、
その家族や地域社会に活力を生み出し、ひいてはその活力を地域社会につなげていきま
す。
・働く意欲と能力を持った高齢者であれば、誰でも参加の道を開き、自主的な組織参加と労
働能力を発揮することにより、豊かで積極的な高齢期の生活と社会参加による生きがいの
充実を図ります。
また、
高齢者の雇用就業機会の確保と拡大の促進を目的としたシニアワークプログラムを実施し
ており、技能講習や介護講習などの各種講習会を開催しています。
シルバー人材センターは、平成 17 年度に統合して市内1ヶ所となり、中津川、坂下、加子母、
付知、
福岡、
蛭川に支所が設置されています。
働く意欲のある高齢者が登録することで会員となり、
民間企業や個人・行政などから仕事の依頼があった場合に、会員に仕事を提供するものです。
シルバー人材センターの運営状況は、就業率は福岡地区で 100.0%となるなどおおむね高くなっ
ています。しかし、蛭川地区の就業率が他に比べて低くなっており、就業機会の地域格差が伺えま
す。
表 6.10 シルバー人材センターの状況(平成 16 年度)
地 区
会員数(人)
受注件数(件)
就業実人員(人)
就業率(%)
中津川
325
2,335
284
87.4
坂下
115
344
96
83.5
78
269
58
74.4
付知
214
577
136
63.6
福岡
121
162
171
100.0
蛭川
153
340
47
30.7
1,006
4,207
792
78.7
加子母
計
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■ 今後の方策
○ 今後も会員が平等に活動できるよう幅広い就業の場をシルバー人材センターが提供してい
きます。
○ 地方公共団体からの受注が少ないため、今後は公共事業の受注に努めるとともに、民間か
らの受注も幅広く就業の場の開拓を行っていきます。
○ 高齢者の職業相談事業をこれまで行っていませんが、今後はシルバー人材センターが実施
していきます。
○ 就労支援の窓口としては、高齢者に情報提供するために、企業や関係機関の協力を得なが
ら、地域の高齢者に対して技能講習・介護講習の開催案内と募集、職業相談、無料職業紹介
を行います。
○ 事業主に対しては、求人相談・求人開拓、求職者の情報提供を行います。
6 活動拠点の充実
(1)保健福祉施設等の活用
各地区に整備されている保健福祉施設、福祉センター、介護予防拠点施設(ふれあいセンター、
いきがいサロンなど)を高齢者の活動の拠点として生きがい活動・保健・福祉の一体的な活動を推
進しています。
保健福祉施設、福祉センター、介護予防拠点施設においては、地区ごとに保健事業や講座、教室、
ボランティア団体の活動の場などとして活用されており、地域の活動拠点として浸透しています。
■ 今後の方策
○ 今後も高齢者の活動の場の拡大に向け積極的に行っていきます。
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