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メッセージノート
「メシアの 5 つの論争―その③」
マタイ 9 章 27~34 節
~マタイ福音書連続講解説教 21~
イントロダクション
1) 指導者に判断を丸投げしていたユダヤ社会
 パリサイ人や律法学者が指導者たち(9:3、11、34)
 サンヘドリン(ユダヤ最高議会)から派遣されている調査団である
 調査と報告のやり取りがサンヘドリンとガリラヤを往復している
 メシア運動を判断するサンヘドリン
 観察段階 3 節
 審問段階 11 節
 結審 12:24
 サンヘドリンの判断が、ユダヤの民全体の判断とされた
 それがユダヤの運命を決した
2) 赦されない罪について(12:31、32)
 サンヘドリンが下したメシア拒否の判断(12:24)~「聖霊を冒涜する、赦さ
れない罪(12 章)」:Point of no return へと向かうユダヤ民族
 民衆たちのピラトの下での言葉
 「その人の血は、私たちや子供たちの上にかかってもいい」(マタイ 27:25)
 その 2 世代間にかかわる言葉である
 ユダヤ子孫はすべてのろいの下にあるというのがアンチ・セミニズムの論理
 AD 70 年のエルサレム崩壊とユダヤ民族の世界離散
 約 1900 年間、国を追われて流浪の迫害の中を通り抜けるユダヤ人
 幾度のジェノサイトを潜り抜けてサバイバルしてきた~神のユダヤ人に対す
る計画は頓挫されなかった
 残りのもの(レムナント)ゆえに神のみこころは成し遂げられる
 異邦人が「接木された野生種のオリーブの木」として祝福をいただく結果
 それは計り知れない神の知恵である(ローマ 11:33)
 異邦人クリスチャンの役割
 「異邦人の数が満ちるまで」伝道を進めること
 祝福をいただいて、本来のオリーブの木であるユダヤ人にねたみを起こさせ
ること
 それが主イエスの再臨につながる
ガリラヤで始められた神の国運動は、現在も進行中であることを確認する
Ⅰ
ふたりの盲人のいやし(27~31 節)
1. 彼らの願い
 盲人として限られた情報収集能力
 メシア的奇跡を伝え聞いて、イエスに対する信仰を抱く
 「ダビデの子」=メシア称号
 マイナスの境遇に負けていなかった二人
 人生はフェアでないかもしれないが、チャンスはあなたのもの
2. 確認された信仰
 障害に負けない、執拗な信仰を発揮した二人
 道端で主の注意を引き付ける事はできなかった
 叫びながら主の一団の背後から付いてきた
 家の中にまで入り、主の身元に近づいた
 「わたしにそんなことができると信じるのか」との問い
 ふたりの信仰
 「そうです。主よ。」
 天の御国はイエスの到来によって成就
 旧約聖書預言の千年王国がいまや地上に確立しようとしている
 「神は来て、あなたがたを救われる。
そのとき、盲人の目は開かれ、耳しいた者の耳はあけられる」
(イザヤ 35 章 4~5 節)が成就した
 「あなたがたの信仰のとおりになれ」
3. ふたりにいやしを公言しないよう戒めた理由
 民衆の抱くメシア観が異なるから
 ふたりは「ダビデの子」と呼びかけた
 近隣諸国を従える栄光の王としての概念がそこにある
 イエスご自身はご自分を「人の子」と表現された
 これもメシア称号(ダニエル 7:13)であるが、イスラエルの敵を征服する
王としてのニュアンスは皆無
 受難のしもべとしてのミッションがある
 十字架への時を計っておられる主
 癒しは道端で公然とされず、家の中で個人的に行われた
 ガリラヤ伝道の後半は、信仰のある者にだけ限定されるようになる
 やがて群集から身を隠され、弟子訓練に集中されるようになる
 最終ゴール(十字架)を目指して奉仕を続けられた主
Ⅱ
悪霊につかれたおしの癒し(32~34 節)
1. 連続される主の奉仕
 連続された主の働きが強調される:「見よ」(18,20,32 節)
 何れも、一つの働きの最中に持ち込まれる別件であった
 アポなしで咄嗟の事柄にメシアとしての真価が問われた
2. メシア的奇跡
 悪霊の名を聞きだしてから、それに命じるのが通例
 おしでは名前を聞き出せない
 メシアにしかできない奇跡としてのユダヤ社会の認識
 レプラ患者の癒し(8 章)もその一つである
3. 群集の驚き
 「こんなことは、イスラエルでいまだかつて見たことがない」
 メシア信仰の芽生えである
 驚いた時点で足踏みし、信仰へと育たなかった
 指導者コンプレックスの群集
4. パリサイ人たちの冒涜
 「悪霊どものかしらを使って、悪霊どもを追い出しているのだ」
 赦されることのない冒涜である
 リーダー間でも分裂が起きる(ヨハネ 10:20~21)
 聖霊の明らかな働きを見て、「悪霊」呼ばわりするなら救いに至ることはない
 このリーダーの結論が民の結論~運命となっていく悲劇
結論
ガリラヤで始められた神の国運動は、現在もあなたの周囲に進行中である
1. 私自身がメシア信仰を持って主イエスに近づこう
 「盲人」という不治の障害も、主イエスは癒される方である
 主イエスが聖書の預言するメシアであられるから
 「あなたの信仰のとおりになれ」と主は言われる
 「神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方
であることとを、信じなければならないのです」(へブル 11:6)
2. 私自身がメシア的奇跡の当事者とさせていただこう
 神はユダヤの民を世界の文明の十字路に置かれた
 世の人々はわれわれクリスチャンを注視している
 「神が働いていない限り、あの人がここまで変わることはあり得ない」と人々
に言わしめ、驚かせるほどの御業に与らせていただこう
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