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2015年度夏季国際ボランティア・インターンシップ活動報告

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2015年度夏季国際ボランティア・インターンシップ活動報告
文部科学省【経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援】採択事業
2015 年度 夏季
国際ボランティア・インターンシッププログラム
活動報告書
法政大学グローバル教育センター事務部
グローバルラーニング課
目 次
国際インターンシップ(国際協力)[GLM インスティチュート(GLMi)共催]
魚躬 圭裕
法学部
国際政治学科
3年
フィリピン・ヌエバ・ビスカヤ州
貧困農民の生計向上支援プロジェクト
1
大和 徹郎
経営学部
経営戦略学科
2年
フィリピン・ヌエバ・ビスカヤ州
貧困農民の生計向上支援プロジェクト
3
高野 茜
社会学部
社会政策課学科
1年
フィリピン・ヌエバ・ビスカヤ州
貧困農民の生計向上支援プロジェクト
5
国際インターンシップ(ビジネス)[FPT 大学共催]
関根 真杜
法学部
政治学科
3年
ベトナム・ハノイ
Project Assistant, FPT Strategic Unit 17 ( FSU 17), FPT Software
7
和田 英
国際文化学部
国際文化学科
3年
ベトナム・ハノイ
Project Assistant, MOG Corporation
9
齊藤 成美
経営学部
経営戦略学科
3年
ベトナム・ハノイ
Communication Assistant, FPT Software
13
木谷 充稀
社会学部
社会学科
3年
ベトナム・ハノイ
Project Assistant, MOG Corporation
16
国際インターンシップ(NGO・自治体)[バベジュ・ボヤイ大学(UBB)共催]
葉 念覠
国際文化研究科
国際文化専攻
2年
ルーマニア・クルージュ=ナポカ
日本・アジアからの投資・観光振興のための提案
19
川上 槙.
国際文化学部
国際文化学科
3年
ルーマニア・クルージュ=ナポカ
日本・アジアからの投資・観光振興のための提案
24
佐藤 葉月
社会学部
社会学科
3年
ルーマニア・クルージュ=ナポカ
日本・アジアからの投資・観光振興のための提案
26
天野 姫沙良
社会学部
社会政策課学科
3年
ルーマニア・クルージュ=ナポカ
日本・アジアからの投資・観光振興のための提案
28
国際ボランティア [NICE(日本国際ワークキャンプセンター)共催]
近田 かおり
文学部
英文学科
2年
インドネシア
売春宿街で、子どもの遊び等を企画
30
宮竹 裕子
法学部
国際政治学科
3年
スリランカ
児童養護施設で、子どもとの活動や清掃
34
細井 はるな
国際文化学部
国際文化学科
1年
スリランカ
児童養護施設で、子どもとの活動や清掃
36
加藤 万
法学部
国際政治学科
1年
ベトナム
障害者施設で、家の修復や農作業
39
大石 奈生子
文学部
英文学科
2年
インドネシア
売春宿街で、子どもの遊び等を企画
41
林 優里
経済学部
現代ビジネス学科
2年
ラオス
公民館の建設、地域の若者と文化交流&環境教育
43
福島 七美
経済学部
経済学科
2年
ラオス
公民館の建設、地域の若者と文化交流&環境教育
46
高倉 想
経済学部
国際経済学科
2年
タイ
伝統的な無農薬農業の手伝い
49
鮫島 正隆
経済学部
国際経済学科
2年
タイ
伝統的な無農薬農業の手伝い
51
松井 一樹
国際文化学部
国際文化学科
2年
岩手県紫波町
小中学校で国際理解の授業運営と農作業
53
小嶋 鈴乃
国際文化学部
国際文化学科
1年
石川県小松市
稲刈り、里山整備、フェンスペイント
55
杉山 舞
国際文化学部
国際文化学科
2年
福島県東白川郡塙町
大型灯篭を制作、灯篭祭りを補佐
58
法学部 国際政治学科 3 年
魚躬 圭裕
開始日:2015/8/10
終了日:2015/8/29
派遣先団体:GLM Institute
派遣国・地域:Philippines, State of Nueva Vizcaya
内容:ソーシャルビジネスがコミュニティへ与えるイ
ンパクトを調査する。
(1) 活動内容
始めの 1 週間は法政インターンだけでの活動でした。
昨年GLMiと地元NGOが共同で建設した橋のインパクト
について調査をしました。調査の方法は主にインタビ
ュー形式で、対象は地元住民と議会のメンバー(カウ
ンシル・メンバーと呼ばれる)です。雨期に激しく氾
濫する河川で外との関わりを遮断される同村にとって、
橋の建設は大きな意味を持つものでした。調査によっ
て学校や病院へのアクセスの改善が明らかになりまし
た。
2 週間目以降は GLMi が行う「国際協力塾合宿」のメ
ンバーと合流してソーシャルビジネスのインパクトに
ついて調査を行いました。①有機農業によって付加価
値を持たせ、農民の生活向上を目指すビジネス②低金
利で農機や農業ローンを貸し出すことで農民の生活向
上を目指すビジネス、の 2 つを調査しました。単なる
「ビジネス」や「企業」とは目的や手法が異なるソー
シャルビジネスを見ることで現場とは何かを感じとる
ことが出来ました。
(2) 特筆すべきエピソード
猛威を振るう台風の中、山頂の村に宿泊した経験は
忘れがたいものです。有機野菜を栽培する農家にイン
タビューするために訪れた村で台風に遭遇しました。
山の上という事もあって、並々ならぬ暴風のなか寝泊
りをしました。外にあるトイレの小屋に行くのも命が
けでした。その日の晩御飯は、こともあろうか村に到
着して以来可愛がっていたヤギでした。とても辛いも
のがありましたが、最期の瞬間はしっかりと見届けま
した。必死の抵抗もむなしく、手際よく急所を次々に
突かれていくヤギを目の前にしてどんな感情を抱いた
ら良いのかさえ分りませんでした。生きるためには仕
方ないのだと自分に言い聞かせて見つめる以上のこと
はできませんでした。
もう一つの特筆すべき経験は鶏の屠殺です。農機レ
ンタルビジネスの対象の村に行った日のことです。私
達のために晩御飯を用意してくれるという事で、美味
しいご飯を楽しみにしていた矢先の事でした。私たち
に鶏を絞めさせてくれるというのです。ヤギの件もあ
り、複雑な気持ちもありましたが、屈強な現地の男性
たち言われるがまま鶏を手にしました。死を悟った鶏
はとてもこの小さな体からは想像し得ないような力で
抵抗します。私としても不必要な苦しみは与えたくな
い一心で喉元に一気にナイフを刺し込みました。血の
気を徐々に失いながらも鶏は力を振り絞り暴れます。
力を失ってもなお体は温かく、自分の血の気も引いて
いることに気が付きました。一連の経験は日頃から自
分がいかに食べ物に対して無頓着かつ感謝を忘れてい
たかを痛いほど実感させてくれました。
食べるとは
「そ
ういうこと」であり、長いこと忘れかけていた「いた
だきます」
の意味に想いを馳せる出来事になりました。
(3) 苦労したこと
一番苦労したことはインタビューです。橋の調査に
してもソーシャルビジネスの調査にしても、住民や農
民の真意を聞き出すことの難しさを学びました。そも
そも自分達は遠い国から来た「余所者」であり、ドナ
ーの提供するプログラムで来た「学生」です。そんな
前提をなしに進めることが出来ないことに歯がゆさを
感じました。住民の人達は大概インパクトに対して否
定的なことは言いません。肯定的なことを言えば次の
プロジェクトの恩恵を受けられるかもと考えるからで
す。実際にそうでした。これはどの社会調査にも同じ
ことがいえると学びました。必ずバイアスがかかりま
す。それをいかに最小限にして、いかに情報を引き出
すかはこれから学んでいきたいと感じました。
(4) 身に付いたこと
今回もっとも実感しているのは観察力です。3 週間
いると良くも悪くもいろんな面が見えてきます。特に
人間関係やその土地に関して触れて良いこと悪いこと
など自分を守る意味でも大切なことが見えるようにな
りました。インタビューにおいても聞き出せない情報
は目で観察して補う必要がありました。日本でも「目
は口ほどにものを言う」というように相手の目から読
み取ることは今後何においても必要になると感じまし
た。
(5) 今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
自分が参加した身として感じたのは、
「どんな環境下
でもベストパフォーマンスを発揮できる人」こそ、グ
ローバル人材と呼ばれるにふさわしいということです。
1
ここで言うベストパフォーマンスは目に見える結果は
勿論のこと、自分の状態を把握して管理できることも
指しています。現地でインタビューした日本人スタッ
フの人はまさにそんな人材でした。
また、体調を管理する事も大切だと思います。外国
では日本ほど手厚く守ってもらえないため、自己管理
が非常に大切です。むしろ自己管理が出来ない人はビ
ジネス相手に相応しくないと判断されるともいいます。
「食べる・寝る」はそんな自己管理の基礎であり、最
も重要な部分であることを痛感しました。グローバル
であるためにはそれに対応する体力が必要だと感じま
した。
(6) 後輩へのメッセージ
GLMi のインターンは「求められるものが大きい」イ
ンターンだと思います。自分がどこまで求められるレ
ベルに近づけたかは分りませんが、自分の求めていた
以上を得られたことは確かです。
慣れない地で 3 週間も生活することは決して容易で
はありません。しかし思い切って挑戦できるのは学生
の特権だと挑戦して初めて気が付きました。失敗をし
ても「取り返しがつく」のが学生の特権だと失敗して
初めて気が付きました。大学生に与えられた時間は長
いようで短いです。結果の予想はできても確信できる
のは過ぎてから「だけ」です。
挑戦できるうちに、失敗できるうちに、リスクや時
間やお金を言い訳に無難な道しか選ばなくならないう
ちに、飛び込むべきです。
↑法政インターンの写真
以上
↑調査した橋
2
経営学部 経営戦略学科 2年
大和 徹郎
開始日:2015/8/10
終了日:2015/8/29
派遣先団体:GLMインスティチュート
派遣国・地域:フィリピンヌエバビスカヤ州
内容:ソーシャルビジネス、農村開発、アグリビジネ
スのプロジェクトへの参加。
ている。しかしながら、農機の使用を押し進めると、
それに伴って元々日雇い労働人として雇われていた
人々は職を失うというジレンマが生じる。このエピソ
ードを自分の目で見て、肌で感じたとき国際協力の難
しさを強く感じた。
(1)活動内容
インターン生としての活動はフィリピンでのアクテ
ィビティを軸に、事前・事中・事後の3つに分けられ
る。
事前では、GLMiの通常業務のお手伝い。また、GLMi
主催の国際協力塾合宿の準備として、しおりやネーム
プレートの作成、参加者との連絡をした。さらには国
際協力塾合宿事前研修の準備として協力塾合宿の概要
説明のためのプレゼンの作成やワークショップなどを
考えた。
事中は、2015/8/10〜2015/8/29の間でのフィリピン
滞在中の期間のことを指す。8/10〜8/16までは、イン
ターン生のみでカロロタン村の村人へのインタビュー
を通して、昨年建設された橋によって生まれた影響や
インパクトを調査した。また、GLMiが支援している
SILFOR(Vizcaya Fresh)とARMLEDの2つのプロジェク
トの業務のお手伝いとしてエクセルへのデータ入力な
どをした。日曜日には、マニラのマーケットで野菜販
売の手伝い,加えてマーケットで、カスタマーフロー
や顧客調査を実施し、それらの収集したデータをイン
ターン生間で分析した。8/16~8/29の機関は,GLMi主催
の国際協力塾合宿に参加した。国際協力塾合宿では、
参加者が事前研修のときに決めた調査テーマを
SILFOR(Vizcaya Fresh)とARMLEDの2つのGLMiの支援
しているプロジェクトの調査通して最終プレゼンテー
ションに向けて活動した。
事後では、10月に行われるグローバルフェスタという
イベントにGLMiとして出店するため、それに向けての
発表準備を国際協力塾合宿参加者と共に進めていく。
(3)苦労したこと
フィリピン滞在中、ある村で行われた橋設置事業の
プロジェクトの調査をしたとき、インタビューを行う
ために農家の方々とコミュニケーションをとる必要が
あった。使用する言語は英語であるが、農家全員が英
語を堪能に話せる訳ではないため、相手に合わせた英
語や言い回しを考えながらインタビューなどを進めて
いく必要であった。簡単な英語や言い回しを変えると
それと共にニュアンスが変わってしまい、本当に質問
したいことを元の意味のままで聞くことがなかなか出
来ず苦労した。
(4)身に付いたこと
身に付いたことは、インターン前から目標にしてい
た俯瞰力だ。これは、自分のことに集中して作業をし
ている間でも、自分があたかも鳥になったように周り
を見る力だ。このインターン期間中、常に全体を見る
ように意識をしていた。私は,自分が何かを集中して
やらなければいけないとき、周りのことが見えなくな
る傾向にある。そのため、自分がいかに大変なタスク
(2)特筆すべきエピソード
農家に農業機具を貸し出すARMLEDプロジェクトを視
察したときに聞いたエピソードがある。フィリピンで
は稲作をする際、田植えから稲刈りまで人の手を借り
て行う。そこで農家は日雇い労働人を雇い農作業を進
める。そんな中、フィリピン政府は農家に機械化を進
めており、ARMLEDもまた国などから支援を得て運営し
3
があったとしても、他のメンバーの様子や、合宿全体
の状況を把握するように努めた。常に意識していたた
め、異変のある合宿生達をいち早く発見することがで
きた。また、国際協力塾合宿終了時の参加者の強みを
教え合うワークショップで、他の学生から評価しても
らうことができた。
ないで頂きたい。フィリピンでのインターン直前の通
常業務の手伝いや、事前研修準備は社会に出て必要に
なりうる知識と経験を得ることが出来た。フィリピン
以降のグローバルフェスタに向けた準備では、地道な
作業が多いがその分正確さや基礎的な部分が要求され
る。フィリピン以外でも多くのことが学べるため、何
か新しいことを始めて自分自身のきっかけ作りをした
い人には強くおすすめしたい。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
知識がある人。経験がある人。実力がある人。そし
て何より学ぶことをやめない人。これらのことはグロ
ーバル人材像に限らず他の人たちにも言えることだが、
今回の3週間で出会った人は、このような人が多かっ
た。
フィリピンでの滞在で、
たかが3週間ではあったが、
辛いことが多く,グローバルで働くには日本で働く以
上に大変だということを痛感させられた。しかし、そ
のような状況下で輝いていたのは,自分の居る状況で
ベストを尽くす努力をする人である。国際協力塾合宿
のプログラムで訪問した社会実業家のUniqueaseの中
村さんは、我々にさまざまなことを教えてくれたのだ
が、数日前に社員にお金を盗まれたり、前日に通り魔
に腕を切り付けられたりしながらも笑い話にして、い
まできることを全力でやっている姿は、女性ながら力
強く、かっこ良かった。いかなるシチュエーションで
も自分の持っている力を最大限に発揮する人は、グロ
ーバルに活躍する人なのだと思う。
(6)後輩へのメッセージ
フィリピンで過ごすことになる3週間は、厳しく、
過酷であろう。精神的にも肉体的にもダメージを受け
ることになるだろう。しかし、その痛みを味わってで
も得たいと思える経験をすることができた。参加メン
バーの多くも人生観が変わったと口を揃えて言ってい
た。どうか素晴らしい経験を得られるチャンスを逃さ
4
以上
社会学部 社会政策科学科 1 年
高野 茜
開始日:2015/8/10
終了日:2015/8/29
派遣先団体:GLM Institute
派遣国・地域:フィリピン・ヌエバビスカヤ州
内容:橋建設プロジェクト調査・国際協力塾合宿
(1)活動内容
初めの 1 週間はインターン生のみで橋建設プロジェ
クトの調査を行った。橋というのは JICF(日本国際協
力財団)と CORE(特定非営利活動法人道普請人)と特定
非営利活動法人ジーエルエム・インスティテュート
(GLM Institute)が協力してカロロタンという村に建
てた橋のことであり、その橋が建ってから約 1 年経過
した今と橋が建設される前の村の住民たちの生活の変
化についてインタビューを通して調査した。
その後の 2 週間は国際協力塾合宿のメンバーと一緒
に選んだテーマごとにグループを作って有機野菜を使
って貧困農民の生計を向上させる内容のプロジェクト
と、低価格で農機を貧困農民に貸し出すという内容の
プロジェクトについて調査し、最終日に英語でプレゼ
ンテーションを行った。私たちのグループは「国際協
力のプロジェクトを通じて生じてしまった衝突」とい
うテーマの下、①有機農業をする農家と慣行農業をす
る農家間の衝突、②機械化を進めるプロジェクトと機
械化により職を失ってしまう恐れがある労働者間の衝
突、③プロジェクトスタッフとより多い援助を求める
農民との間の衝突という 3 つの衝突について資料やイ
ンタビューを通して調査した。
(3)苦労したこと
3 週間で最も苦労したのは英語だった。私は今まで
学問としての英語しか経験したことがなく、読むこと
は得意だったが話すことにはあまり自信がなかった。
特に最後の 2 週間は留学経験者が多い国際協力塾合宿
のメンバーも増え、私が英語で話そうとすると文法的
なミスを指摘され、恥ずかしくなってしまい、一時期
堂々と話すことができなかった。しかし、現地の英語
に触れあえる貴重な機会なのに悩んでいたらもったい
ない、失敗していく中で覚えていくだろうと思い、挑
戦し続けたら少し以前より話せるようになった。
(4)身に付いたこと
身についたことはたくさんあるが、最も実感したの
は「発想の転換」だ。苦労したことでも述べたが、英
語 1 つにしても視点を少し変えただけで行動を変える
ことができた。英語だけでなく最終プレゼンテーショ
ンのテーマもそうだった。
「国際協力のプロジェクトを
通じて生じてしまった衝突」というのが私たちのグル
ープのテーマだったが、インタビューしてみると、衝
突がないということが分かり発表の形が見えてこなか
った時があった。そんな時、事務所の方が「逆になぜ
みんなが予想していた衝突がないのか、を中心に考え
れば面白いじゃない?」と提案してくださり、とても
いい発表ができた。このような発想の転換は簡単にで
きるようで意外と難しいということを感じた。
しかし、
最終日には少しその力が身についたと思う。私はフィ
リピンでのインターン中、自分の欠点を浮き彫りにさ
れてしまったインターンだな、と強く感じた。優柔不
断で物事を決めることに他人よりも長い時間を要する
ことや、感情移入しやすいこと、他人に騙されやすい
ことなどが私の欠点だ。しかし、インターンの終わり
が近づくにつれて考え方が変わり、優柔不断なことは
常に最善の選択を求めているということ、感情移入し
やすいということは他人の心に寄り添えるということ、
他人に騙されやすいということは他人を信じることが
(2)特筆すべきエピソード
私は現地でのインターンで食べ物のありがたみを再
認識することができた。フィリピンのマーケットでは
ごく普通に豚や鶏が解体されているのを見たり、地元
の人が屠殺した山羊や鶏の肉を食べるということを経
験したりした。フィリピンの人々は日本よりも生き物
の死を直接的に扱い、心から自然や動物に感謝しなが
ら生きているということを学ぶことができた。初めは
見ていられないほど惨いと思ってしまったが、
「生き物
を食べて生きるということはこういうことなんだ」と
痛感した。
5
できるということだと思うことができた。このように
考え方を少し変えるだけでものの見方や行動を大きく
替えることができるということを学ぶことができた。
インターン中は悩むことも多かったが、最後には自信
をもって終わることができた。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
私はグローバル人材とは 2 つの要素が大切だと感じ
た。1 つ目は知ろうとすること、好奇心だ。現地の生
活・文化・国民性を理解するためには、知ろうとする
ことが最も重要なことの1つだと感じた。私がこのイ
ンターンに参加したのもフィリピンに対する好奇心が
始まりだった。現地でも好奇心は大切だな、と感じる
場面が多くあった。好奇心を持ち、いろんなことを知
ると疑問が出てくる。
その疑問を現地の人に尋ねると、
「自分(あるいは自分の国)に興味を持ってくれたんだ」
と喜んでその疑問に答えてくれる、そのような場面が
多かった。いろんな国や地域を理解する第一歩として
好奇心は大切だと改めて実感した。
2 つ目はすばやく適応する力だ。
私は事前に初めの 1
週間はシャワーがなく冷たい水しか出ないことを聞い
ていた。そのことを事前に知っていて、事前に心の準
備をしていたけれど、やはり 1 番最初はバケツの水を
かぶるということは勇気が必要だった。しかし、すぐ
に慣れることができた。このことはシャワーのことに
限らず、人間関係にも同じことがいえると思う。初め
ての食前の祈りも最初は驚いたが、すぐ慣れることが
できた。現地の文化にすぐに適応できるということは
異文化圏で生活する場合や、異文化を持つ人と関わる
ときにとても重要なスキルだと感じた。
(6)後輩へのメッセージ
大学や事務所がサポートしてくれたので初めて海外
に行く私でも安心して活動することができました。人
生が変わったといっても過言ではない貴重な経験がで
きました。このインターンは異文化理解、パソコンス
キルの向上、有効的なプレゼンテーションをする力、
英語力の向上など 1 度で何度でもおいしいインターン
です。自分の能力をもっと伸ばしたい方は是非チャレ
ンジしてみてください。体調だけには気を付けて、い
ろんなことに積極的にトライしてみてください。
6
以上
法学部 政治学科 3 年
関根 真杜
開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/13
派遣先団体:FPT 大学
派遣国・地域:ベトナム・ハノイ
内容:FPT Software にてビジネスインターンシップ
他にも物事のとらえかたなどの差異があった。
少し苦労したが、たくさんコミュニケーションを
とる中で、少しずつ理解したり、話したりするこ
とによって解決することが
できた。
帰国前日に法大生4人で雨の中世
界遺産のハロン湾に行きました!
(1)活動内容
FPT Software にある部署に所属し、プロジェクトア
シスタントとして約1ヶ月働いた。FPT Software はベ
トナムにおいて最大級の会社であり、日本企業とも取
引を行っている。そのため、日本語から英語や英語か
ら日本語への翻訳作業が不可欠である。また言語だけ
でなく、文化の違いも理解しなくてはならない。その
仲介役としてプロジェクトアシスタントという肩書き
でさまざまなタスクをこなした。
詳しい仕事内容は、翻訳作業が中心であった。また
翻訳作業中に日本のビジネススタイルを伝えることも
おこなった。日本のスタイルをわからずに行ったこと
が、相手の気を悪くさせてしまった経験が過去にあっ
た。その改善点と対応の仕方をまとめて、提示した。
ほかにも、クライアントとの会話をチェックし、より
よい対応を一緒に考えることを行った。また、それら
の事がより簡単に理解出来るようにプレゼンテーショ
ンを行った。
働いていた
会社です!
(2)苦労したこと
特に苦労した事は、ベトナム人との意思疎通が難し
かったこと。なぜなら、ベトナム人の英語は特有のア
クセントがあり、なかなか英語のネイティブでも理解
できないといわれている。ネイティブでない私は、英
語ひとつひとつの単語を理解するだけでも難しかった。
また、私の発音も理解してもらえないことがあり、意
思疎通することにすごく時間がかかった。加えて、仕
事の際はひとつひとつきっちりと理解していなければ
ならず、仕事をするよりも、仕事内容を理解すること
がとても大変であった。
7
(3)身に付いたこと
コミュニケーションスキル。お互いの共通言語は英
語であり、どちらの母語でもない。それ以上に、ベト
ナムには英語を話すことが出来ない人はたくさんいる。
その中でどうやって意思疎通をするか、それを考えて
伝えようとする努力によってスキルが身に付いたとお
もう。例えば、タクシードライバーはたいてい英語を
話せない。その時どうするか。英語を雰囲気で分かっ
てもらったり、場所をジェスチャーで表したりしてみ
た。もちろん確実に着く保証はないが、お互いが努力
して理解できた瞬間はとても嬉しかった。
もう一つは、自分を表現する力である。日本人はよ
く自分を卑下したり、自分の思っている事を言わずに
終わる場面が多い。しかし世界に行けば、皆自分はこ
れだけ凄いと主張する。それは自分に自信を持ってい
て、
自分のことをしっかりと理解しているのだと思う。
だからこそ、私も自分の事を理解し、自分の良さを知
ってもらう努力をするべきだと思った。たくさんの自
信をもった人の中にいたおかげで、少しは自分の意志
や思いや言動に自信をもった人に近づけたのではない
かとおもう。
(4)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
一番大切なことは「多様性」を理解できる人である
と思う。社会には、一つの答えを出す事は難しいとき
がある。そのときに、自分の考えが正しいと思ってし
まうのは本当に正しいのかと思う。個々のバックグラ
ウンドがちがえば、異なった答えも出てくる。それを
柔軟に理解できなければ、さまざまな民族や考えをも
った人がいるグローバル社会で人々と友好的にいきて
いくには難しいと思う。
二つ目は、やはり「言語」だと思う。笑顔が世界の
共通語という人がいる。私も好きなフレーズではある
が、少し理想的なのかなと思う。一緒に笑ったり、表
情で会話する事はたのしい。しかし、それだけでは限
度がある。伝えたいことや聞きたいことその意思疎通
を行うためには共通言語が不可欠である。そして言語
はただの意思疎通のツールだけではないとしばしば感
じる。そこにはその土地の文化や慣習が表されている
ような気がする。例えば年上の人を敬う慣習が根強い
だとか、感謝をたくさんするなどが挙げられる。言語
はその土地の人のバックグラウンドを知ることにおい
ても、重要なツールであるため、言語を学ぶ事はとて
も重要であると思う。
最後に、
「協調性」と「自主性」のバランスだと考え
る。グローバルの世界で生きるには協調性は大切であ
る。皆が自己主張をするだけでは、共通理解は得られ
ないし、逆に争いばかり起こってしまう。だが、協調
性ばかりを気にしていてはグローバル世界の中で埋ま
ってしまう。それゆえに、自己主張も忘れてはいけな
い。自分はどうしたいか、自分はどう思うかというこ
とを適切な方法で適切な度合いで行うことができれば、
ベストだと思う。人のバックグラウンドなどから何が
適切か推測できるようになるためにも、さまざまなひ
とに出会って話すことが大切だと考える。
同じ部署で働いてい
た創価大学の友人と
ベトナムの友人と4
人で遊びました。
(5)後輩へのメッセージ
何か目標を持ってベトナムに来る事をお勧めします。
それは、
仕事面と生活面の両方あるといいと思います。
時間を有効活用しようとすれば、たくさんのことがで
きます。ぜひ、有意義な時間を過ごしてください。
以上
8
国際文化学部 国際文化学科 3 年
和田 英
開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/13
派遣先団体:FPTソフトウェア
派遣国・地域:ベトナム ハノイ
内容:インターンシップ
国際交流を行う機会を設けてくれた。
このように、一か月間毎日予定が入っており、充実し
た生活を送ることができた。
はじめに
私は FPT software の仲介のもと、インタースペース
という日本に本社を置く、ハノイ支部にインターンと
して、約 1 か月間働いた。その会社では、主にアフリ
エイトマーケティングという、ベトナムではまだあま
り市場が開発されていないことを専門とする会社であ
った。
わたしはそこで、オンラインマーケティングについ
て学んだ。というのも、私は将来日本のプロダクトを
世界に売り込むという夢をもち、そのため、マーケテ
ィングについて学ぶ必要があると感じていたためであ
る。そこで注目を置いたのが、ベトナム経済である。
近年著しく成長しており、
中国に続くといわれている。
そこで私はベトナム人の文化、国柄、環境、何より人
のコネクションを持つことで、将来、ベトナムで安い
人件費を利用して、日本のプロダクトを生産する工場
を建てるためには、このインターンは良い投資である
と考えていた。
民族衣装を着ている写真
(1)活動内容
初めの 3 日間は、FPT university の職員のアンディ
という方の家にホームステイをした。
その三日間で彼は、ベトナムのリアルな暮らしや、文
化などを知る機会を与えてくれた。
20 日から、本格的にインタースペースで朝 9 時から夕
方の6時まで平日週 5 日で働いた。
働くなかで、マーケティングはもちろん、日本の企業
とは違う経営スタイルを知る機会にもなり、さらに、
休憩時間は同僚のベトナム人達に普段行かないような
店に連れってもらい会話などを楽しんだ。
他にも上司の方や、自分でアポを取り、いろんな種の
会社などに訪問してお話をする機会を得た。
仕事終わりの夜は、ベトナム人だけではなく、バング
ラデシュ人や台湾人などの様々な人種の人たちと食事
会を開いたりして、国際交流を行った。土日は、FPT
やハノイ国家大学の生徒が trip などを企画しており、
様々な観光地や博物館にも連れってくれた。
そこでも、日本人だけでなく、他の国から来た人達と
ゼブ島から人たちとの写真
9
修了賞いただいたときの写真
アンディとの写真
(3) 苦労したこと
インタースペースでの私の仕事は、この会社の顧客
となるサイトを調べたのち、サイトの人気ランキング
順にまとめ、それを上司に提出して、フィードバック
をもらうというのが一連の作業であった。私が調べる
サイトはどれもベトナムのサイトであるがため、
google 翻訳を使うなどをして、調べなければならない
が、時に、使ったとしても理解に難しく、混乱するこ
とが多々あった。さらに、オンラインマーケティング
用語を詳しくは把握できていなかったため、上司や同
僚が英語でいくら説明してもらっても、日本語ですら
わからないことに
対応することに時間がかかってしまった。インターン
始まる前の事前学習は主に気候や文化などメインにし
ており、業務内容などはあまり把握しておらず、自分
の準備不足を痛感していた。
(2) 特筆すべきエピソード
アンディが語ってくれた話であるが、ベトナム人は
近所付き合いが非常に重要であると話してくれた。時
には、家族よりも大事であると。そして、実際にアン
ディの近所の方のうちに遊びに連れってくれ、お話を
する機会をくれた。私はこの近所付き合いを大切にす
る精神は、どこか懐かしさを感じながら、いずれベト
ナムも日本と同じようにこのような関係が失われてし
まうのではないかと感じた。経済成長進むにつれ、核
家族化が進み、周りへの依存度は少なくなっていくの
ではないかと。しかし、このことからわかる通り、ベ
トナム人の文化はどこか日本的要素を持っていること
が感じられたエピソードでもあった。事実、私がジャ
イカにベトナム人との協働についてお話を伺ったとき
に、ベトナム人と日本人は似ている要素がある。と述
べており、さらには、アジア人はそこまで大きく変わ
らないとまで言っていた。それを聞いたとき、私はお
互いを知る機会や一緒に行動する機会が増えればアジ
ア全体の関係がもっと良好なものなるではないかと考
えさせられた。
職場の人達とピザパーティ
10
職場最終日にプレゼントをいただいてとった写真
韓国人の友人とのごはん
(4) 身に付いたこと
私は今回のインターンシップで主に、主体的に考え
ることを身についた。今の自分は何が必要で、何をや
りたいのかと考え、自ら行動に移る。当たり前のよう
であるが、実際に常に考えるという習慣は自分にはな
かった。
インタースペースで働いているなか、自分の上司に自
分のやりたいことは何かと問いかけられる機会が多か
った。そして、その上司のおかげで、今何が自分に足
りなくて、何をすべきかを考え、その旨をつたえるこ
とで、
より効率よく仕事を学ぶことができ、
何より日々
の充実度が変わった。その重要性に気づくことができ
たのは私にとって大きな収穫であったと考える。
日本に帰ってからも、その常に考える癖を継続して持
ちたい。
バングラデシュ人とのごはん
主体的に動いた例ではベトナム人やアジア人といかに
うまく協働して働くのかを知るために、自ら、ジャイ
カなどに連絡をし、
インタビューする機会さえ設けた。
さらに、上司に、さまざまな会社の協働についてお話
を聞くために約 3 社に連れっていってもらった。
ベトナム人だけではなく、いろんな人種の人たちと、
食事会を設け積極てきに異文化交流を図り、日本のプ
ロダクトを配るなどをして、反応を伺った。
さらに、勤務中にも関わらず、上司にその旨を伝え、
博物館や歴史館を回ったりもした。
先ほどを記した通り、文化を学ぶ。を今回のインター
ンの目的の一つにしていたため、積極的に行動に移し
た。
11
ジャイカの写真
(5) 今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
一般的には、英語が喋れる。コミュニケーション能
力が高い。異文化でも適応することができる人がグロ
ーバル人材だと考えられている。そこは私も同意見で
ある。しかし、それだけでは本当の意味のグローバル
人材ではないと考える。
グローバル化に伴って、様々な文化背景を持つ人々
が交流を行う機会が増えている。
その時に、
自分の文化とは何かと把握してない限り、
異文化交流によって見つけられる価値観の違い、文化
の違いなどを気づく度合いが違うと考える。たとえ国
際交流をしたとしても、ネットで書いてあるようなこ
としか気づくことができない。その点で、私がグロー
バル人材とは、自分の文化とは何か、もちろん国だけ
ではなく、自己の identity を把握すること。それによ
り国家間なのか、それとも personal な違いなのか、理
解することができ、かつ、わずかな文化の違いにも気
づくことができる。
つまり、グローバル人材とは、母国、自分とは何かを
説明できるひとであると考える。
(6) 後輩へのメッセージ
後輩たちには、ベトナムに出発する前に、事前学習を
徹底的に行ってほしい。
何のために行くのか、
そこで、
何を学びたいのか、達成すべき目標はなにか、それを
事前に明確かすることで一か月のこの海外インターン
を充実させると思います。
そして、
常に日本人としての identity の形成をするこ
と意識づけてください。簡単なことではないし、すぐ
にわかることでもないです。しかし。常に意識するこ
とで海外行ったときに外人との大きな違いや小さな違
いに気づけるようになるとおもいます。そうすること
で、文化の違う外人とどううまくやっていきなどもお
のずときづけるのではないでしょうか?
お別れの写真
以上
12
経営学部 経営戦略学科 3 年 13F1007
齊藤 成美
開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/13 年
派遣先団体:FPT Softtware
派遣国・地域:ベトナム・ハノイ
内容:FPT 大学の監修による FPT Corp.での約 1 ヶ月
のインターンシップ
(1)活動内容
最初の 3 日間は FPT 大学が持っている留学生、インタ
ーンシップ生のホームステイ受け入れプログラムにア
プライしたベトナム人家族の家に 2 日間ホームステイ
をした。
受け入れ先の家族はとても優しく親切で朝食、
夕食を用意してくれ一緒に食べた。コミュニケーショ
ンはホームステイ先の高校 3 年生のベトナム人の女の
子を介しておこなった。食事はベトナムの一般的な家
庭料理で家も路地裏にある地元感溢れる場所に位置し
ていたため、リアルなベトナムの暮らしを感じること
ができた。洗濯や部屋の掃除までもホームステイ先の
お母さんが面倒をみてくれ、3 日間のオリエンテーシ
ョン後の空き時間はホームステイ先の高校生の女の子
と繁華街へ出かけ、ベトナムの高校生に人気なフォー
のお店やショッピングモールへ行ったりした。ホーム
ステイが終わり、ハノイ大学の寮にタクシーで戻る時
には、ベトナムに来たらまた泊まりに是非きて欲しい
など、英語でのコミュニケーションが一切とれないな
がらも、楽しく 2 日間過ごすことができた。
寮には、同じ FPT のインターンシッププログラムに参
加している他大生や台湾からのインターン生が住んで
おり、私の派遣先はその台湾人の同じ職場だったため
最初の 2 週間は一緒にバスに乗り通勤した。私たちが
使えるベトナムの交通手段は、バスかモータータクシ
ーかタクシーに限られていたため、時々バスが来ずタ
クシーで向かうこともあった。また、交通渋滞は極め
てひどく信号や交通ルールが整備されていない、かつ
13
モーターバイクが四方八方にちらばり車が常にクラク
ションを鳴らしながら走行していた。道を渡る時も横
断歩道がないあまりか、信号もないのでバイク、車が
激しく走行している道を横切って渡る必要があった。
バスは朝のラッシュアワーは常に混んでいて、道も混
んでいるので30分以内に行ける距離でも1時間以上か
かったりした。
私が派遣された部署はCommunication Affairで社内の
内部ウェブサイトや新規雇用者に対するアプローチを
マネジメントするセクションだった。その中で私がま
かされた仕事は、社内内部の記事を書くためにインタ
ビューに行き記事を仕上げること(英語)
、ベトナムか
ら英語に直した記事の添削、次のプロジェクトに必要
な人材のリクルーティング方法を考えることだった。
記事は、最初に日本の観光スポットについて書き、2
つ目は FPT Software 内で働く日本人の方 3 人へのベト
ナムでの暮らしについてのインタビューを行い、3つ
目は FPT Software 内にある唯一の Hardware セクショ
ンへのインタビューを書いた。英語の添削は基本毎日
行い3−4つ行っていた。Recruit Marketing において
は PP を作り上司に提出した。また、社内でのインター
ン生の紹介のために、私の撮影を行い、いくつかの質
問に答えそれが記事になったりもした。
各週末には、私たちのようなインターン生や留学生の
面倒をみるボランティア団体(Banana Team)と一緒に
マイチャウに一泊 2 日で行き、City Tour、国立公園の
中で一泊泊まりキャンプや次の日には、山に登って有
名な寺院を訪ねたりした。一緒に参加した台湾人や韓
国人、ドイツ人、タイ人など様々な国から来ている学
生と交流を持つことができた。また、最期の出勤日に
は上司の家に招待してもらい、上司の家族と夕飯は一
緒に食べた。
が、それでは一方的にこちらの意見をいっているだけ
で相手も理解しようとしてはくれないことが良く分か
ったので、コミュニケーションを通して、値段交渉を
落ち着いてすることで相手も理解を示してくれるよう
になった。市場にいるベトナム人はほぼ英語が話せな
いので数字や具体的なジェスチャーを使っての意思疎
通であったが、言葉を介さないで思っていることを伝
え合う能力が着いたと思う。1 ヶ月間の日本とは全く
異なる文化や習慣、バックグラウンドを持った人々と
の仕事、生活によって自分自身の考え方や感じ方が日
本にいるとき以上に意識することが出来た。また、人
との新しい関わりが多かったため、自分が他人に与え
る第一印象や性格が人にどう判断されるのかを理解し、
改善点があることを見つけることができた。
最期の金曜日には FPT が所有するゲストハウスでイン
ターンシップを振り返ったプレゼンテーションを行い、
フログラムを達成した表彰を頂いて昼食をみんなで食
べた。
(2)特筆すべきエピソード
金曜日のプレゼンテーションでは上司も聞きに来てく
れ、仕事ぶりについてのコメント等をもらった。自分
が書いた記事がウェブサイトに実際に載り、自分自身
も掲載されたのでとても思い出・経験になった。
(サイ
トの PDF 添付しました。
)
(3)苦労したこと
ベトナム人は英語をほとんどの人が話さないので、タ
クシーなど行き先を告げても理解されないことが多々
あった。また、タクシーに乗っていても外国人だから
わからないだろうと遠回りされたり、市場では高い値
段でしか売ってもらえなかったり等の苦労があった。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」
グルーバル人材像とは自分の理解と相手の理解とのギ
ャップを文化や性格の隔たりを越え埋めようと努力出
来る人材だと感じた。東南アジアというと発展途上の
国で構成された地域であるため、モラル、インフレの
未発達等から生じる先進国からきたというプライドな
どのフィルターがかかり、自分が持っている常識が正
しく、相手がこれまで培ってきた当たり前のこととは
交わらないと考えることが多くあると思う。そのため
予想外のことや、
日本では起こりえないことがあると、
憤りを感じたり、上手くその環境になじめなかったり
することもあるだろうと感じた。だが、グローバル人
材とはそういった環境や今まで自分が慣れ親しんでき
た当たり前のことを、そのまま自分の中に置いておき
ながら新しい文化も同時に共存させ、柔軟に今まで自
分がいた場所にいる時と同じように自分の能力が発揮
できる人が優れたグローバル人材になるのではないか
と思った。受け入れ、共存させると言うことは、自己
が確立されているということだと考えられる。自分を
分析し強みや弱さなども理解している人、すなわちグ
ローバル人材とそうでない人の差と言うよりは、一般
的に相手の違いを受け入れ理解できる能力がある人が
日本でも仕事のできる優れた人材になり得るのだと感
じた。グローバル人材はそこに英語が話せることや、
コミュニケーションを取るときの諦めない気持ちなど
のエッセンスを足された人材だと思う。
(6) 後輩へのメッセージ
私はこのインターンシップを通じて他の国の文化を自
分のなかに受け入れることと同時に日本で培ってきた
常識が通じないときの対処法を一ヶ月という会う間で
少しだけ学ぶことが出来ました。一ヶ月という短い間
なので重要な仕事に関わったり、
大きなプロジェクト、
(4) 身に付いたこと
上記のシチュエーションの時、以前は高圧的な態度を
取って英語で“なぜ”
“おかしい”など抗議をしていた
14
考えているようなクライアントとの交渉に付き添うな
どといったおそらく皆さんが考えているようなことは
任されません。しかし、実際にやってみないと絶対に
分からなかった、気づきがきっと人それぞれあり、そ
れは必ず実になるものだと思います。ベトナムの文化
は中国よりで、びっくりすることも多くありました。
しかし、それにめげずに普段通りの自分で全く異なっ
た文化を持つ国でポジティブに暮らすことの実践とし
て多いに役立ったと思います。休みの間、日本では出
来ないこと、学べないことが学べたのでとても良い経
験になりました。
以上
15
社会学部 社会学科 3 年
木谷 充稀開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/13
派遣先団体:MOG Corporation INTERSPACE
派遣国・地域:ベトナム・ハノイ
内容:インターンシップ
(1)活動内容
ベトナムに到着してからの最初の 3 日間は、FPT 大
学や FPT のオフィスに行き、大学や会社についての概
要、ベトナムの文化、習慣などについてオリエンテー
ションを受け、FPT のスッタフの家でホームステイを
しました。ホームステイ先でも、スッタフの方が、ベ
トナムに関する様々なことや、伝統料理の作り方を丁
寧に教えてくださりました。オリエンテーション期間
が終了すると、ハノイ大学の寮に移動し、本格的にイ
ンターンシップが始まります。
私は、FPT のインターンシッププログラムを経由し
て、INTERSPACE というネット広告事業を取り扱う会社
で勤めることになりました。私の担当は、プロジェク
トアシスタントという役職で、ベトナムにおけるアフ
ィリエイト媒体となりうる Web サイトをサーチすると
いうものでした。私たちのアドバイザーであり、COO
の斎藤さんは、インターンシップをより有意義なもの
にするために、オフィスで働くこと以外に、ベトナム
で活躍する日本人の経営者に面会する機会を何度か作
っていただきました。平日は、インターンシップを行
い、週末は、FPT 大学とハノイ大学の学生が主催する
ベトナム国内の City Tour に参加するプログラム構成
でした。City Tour には、法政大学以外の日本の学生
や様々な国籍の学生が参加していたので、幅広い人々
と交流をすることができました。4 週間のインターン
シップを終える頃に FPT のオフィスに招待され、最終
プレゼンテーションを行い、自分の成果を発表しまし
た。
今回のインターンシップは、働くということだけで
はなく、ベトナムの人々や文化に触れる機会も提供し
て頂き、非常に有意義な 4 週間を過ごすことができた
と思います。
最終プレゼンテーションを終え
(2)特筆すべきエピソード
私は、今回のインターンシップで、ベトナムの人々
の優しさに触れました。特に私のインターンシップ先
のスタッフの方々は、職場で困っている自分を何度も
助けてくれました。その他にも、スーパーでの買い物
や道案内、トラブルに巻き込まれた時の通訳など力に
なってもらいました。
私は、ベトナムの人々に感謝の気持ちを伝えたいと
思い、帰国する際に、日本から持参した折り紙で鶴を
折ってプレゼントすることにしました。
折り紙をお世話になったベトナムの方々にプレゼン
トしたとき、思いのほか大好評でした。日本では、ご
く一般になりがちな折り紙というものが海外では大変
喜んでもらえるものだという日本の魅力を再確認する
ことができました。
INTERSPACE でのお別れ会
16
(3)苦労したこと
私が、ベトナムに行き苦労したと感じることは、交
通です。FPT からバスカードが支給され、ハノイ大学
の寮から職場までバスで通勤することになりました。
ベトナムは、バイク社会です。日本では、考えられな
いような数のバイクが道路を走っています。交通事故
や、交通のトラブルが頻繁に発生している光景を目の
当たりにし、道路を横切ることが恐怖でいっぱいでし
た。ハノイ大学の寮を出た先にある大きな道路を横切
らなければ、バス停にたどり着くことができなかった
ので、
必死にバイクを避けながらバス停に行きました。
バス停に到着したからといって、バスが定刻通りに来
るとは限りません。
交通渋滞によって 30 分以上バスが
遅れてくることもありました。バスが遅れている場合
は、タクシーに乗り、会社まで急いで向かってもらう
ということも多々あったので、会社のオフィスに時間
通りに着くためには、過酷な試練が待ち受けていたよ
うに思えます。
(4)身についたこと
このインターンシップで物事に対する「粘り強さ」
が身に付いたと思います。この粘り強さが身に付いた
背景には、ベトナムでのインターンシップ先の会社の
システムが難解であったことと、ベトナムでの意思疎
通が困難であったことが挙げられます。
私が、約 1 ヶ月間勤めた会社は、ネット広告事業で
あるアフィリエイトを専門とする会社でした。
最初に、
会社のシステムについての説明を英語でスッタフの方
にしてもらいましたが、日本語でも理解することは難
しいというのに、英語での説明は難解に感じました。
仕事のシステムがわからないまま、仕事に取り掛かる
ことはできません。そのため、私は、様々なスタッフ
の方に自分の理解しきれない点についての説明を何度
も求めました。
スッタフの全員が英語を話せるわけではなかったの
と、Japanese English と Vietnamese English には、
発音の違いがあり、私の英語を相手に理解してもらう
のと、相手の英語を聴き取るのに時間を要することが
ありました。そのため、ジェスチャーや、簡単な英語
を使って問いかけてみることに徹しました。あるとき
には、紙とペンを使って筆談することもありました。
スッタフの方々は、私の知りたいと思う気持ちや、熱
意に応えてくれ、丁寧に説明してくれました。意思疎
通が困難である場合にも、粘り強さを持って取り組め
ば困難を乗り越えることができると実感しました。
仕事で分からないことがあって前に進めないときに、
粘り強く積極的にアドバイスを求める姿勢は、大切で
17
す。この身に付いた力を今後の残された学生生活でも
生かしていきたいと思います。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
私のインターンシップ先の INTERSPACE のオフィス
の社員数は、17 名ほどでした。大半がベトナム人とい
う環境で、その指揮官を取っているのは日本人の斎藤
さんでした。彼女は、ベトナム語を話せるわけではあ
りません。しかし、スタッフとの強い絆を持ち、オフ
ィス内に緊張感のある雰囲気を作り出していました。
ベトナム人と会話する際に使う言語は英語でしたが、
斎藤さんが使う英語は、非常に理解しやすい簡単な単
語と構文で構成されていました。また、斎藤さんは、
スタッフに対しての要望がある場合、相手がきちんと
理解するまで何度も説明を試みていました。他人の良
いところを前向きに評価し、常に明るく元気な方であ
ったので、職場の雰囲気はとても居心地が良かったで
す。
斎藤さんの働く姿を見ていて、アジアで働くという
ことを、肌で感じることができたと思います。私が思
うグローバル人材とは、現地の人と対話するためのコ
ミュニケーションツール、自分の実現したいことに対
する熱意、現地の人と信頼関係を作るための人柄の 3
点を持っている人ではないかと強く感じます。
(6)後輩へのメッセージ
自分を成長させたい、レベルアップさせたいと思っ
ている学生は数多くいます。しかし、それを実現させ
ることができる環境をみつけることに不安を抱えてい
る学生も数多くいると思います。私も、その一人でし
た。海外では、日本で当たり前に感じていることや、
日本の常識は通用しません。また、その国のルールや
規則には従わなければなりません。けれども、この経
験は日本にいたら、決してできないことです。海外で
の留学経験やキャリアがなかった自分にとって、ベト
ナムで過ごす日々は、驚きや発見の毎日で刺激的であ
ったと感じています。
このインターンシップのおかげで、日本にいたとき
には、持っていなっかったグローバルな視点を身に付
けるだけでなく、やりきることができたという達成感
と自信を持って帰国できました。自分を成長させる環
境をみつけることに不安を持っている学生は、一度思
い切って海外でのインターンシップをしてみることは
どうでしょうか。きっと、あなたの人生にとって大き
な一歩になることは間違いないと思います。
City Tour 法政大学の仲間たち
以上
18
国際文化研究科・国際文化専攻 修士 2 年
葉 念覠(ヨウ ネンキン)
開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/13
派遣先団体:City Hall, Share Federation
派遣国・地域:Romania・Cluj-Napoca
内容:
(1)Cluj-Napoca にある企業や会社へ見学
(2)留学生にかかわっている組織や担当者また
留学生にインタビュー
(3)Cluj-Napoca のプロモーションビデを作成
(4)都市開発のため、近隣の町や農村でのフィ
ールドワーク
(5)その他
の様子を見せて頂いた。企業秘密のため、敷地内の撮
影は禁じられた。社内と工場内の社員はほとんど現地
の人だった。
見学中、
従業員がきちんと時間を守って、
作業していたことが印象に残っている。社内や工場内
でも必ず制服を着ることに対し、他の訪問先企業に比
べて、日系企業の厳しさとルールを守るなどのイメー
ジは深刻だった。
(1)活動内容
4 週間のインターンシップの活動内容は、下記の 5
点である。
Cluj-Napoca にある企業や会社への訪問(全員)
訪問先企業・会社:Transylvania Evolution、Fujikura、
EBS Romania S.A.
Transylvania Evolution:
City Hall を通じで、担当者の Dragan さんが現在
City Hall と提携している Cluj-Napoca の周辺地域開
発計画について説明して頂いた。特徴としては、民間
企業であるTransylvania Evolutionから提案された当
開発案は、提案以降、官庁側からも重要視され、特に
反論を受けることなくサポートを受けている点である。
Fujikura:
日系の企業として、欧州とルーマニアでの事業展開
の現状、会社の説明をした。プレゼンテーション後、
敷地内の工場を見学した。生産ラインから製品の組み
立て、オフィスでの事務作業、エンジニアリングなど
19
EBS Romania S.A.:前身は地元の IT 企業だった。
2013
年に NTT Data に買収され、現在は NTT グルップの一員
として、現地の IT 業界で活躍している。Fujikura と
違ったのは会社の雰囲気である。日本人の社員がいな
いにもかかわらず、職場には日本文化が溢れていた。
例えば、社内のエレベーターを降りると、すぐ折り紙
の飾りが目に入った。社内でも定期的に日本文化体験
の活動を開催されている。全体的に、仕事の雰囲気は
自由である。
学生にかかわっている組織や担当者また留学生への
インタビュー(個人)
私の修士論文のテーマが留学生の異文化適応のため、
今回のインターンシップ中に、これについてインタビ
ューし、取材をした。特に UBB と Share Federation
を通じて、留学生数名、留学生支援センターとカウン
セラーにインタビューした。私が Cluj-Napoca で滞在
していた時に、アジア系の留学生を見かけることはほ
とんどなかった。私の修士論文は主に台湾籍と中国籍
の留学生を対象として研究している。在日留学生と違
って、現地の留学生はあまりホームシックや適応不良
が現していなかった。去年起こった留学生 2 人の自殺
事件も 15 年ぶりであった。
現地医大のカウンセリングセンターで留学生担当の
精神科医にもインタビューした。また、私は UBB で行
った ERASMUS の留学生のオリエンテーションにも出席
し、多くの留学生と接触できた。彼らに話を聞き、成
果発表会で比較的な視点で発表させて頂いた。
Cluj-Napoca のプロモーションビデを作成(個人の
テーマに合わせて)
私は、European Youth Capital というタイトルに合
わせて、若者の Cluj-Napoca への誘致を進めるような
プロモーションビデオを制作した。私は「How to
attract more Asian international students to
Cluj-Napoca」というテーマでビデオを作製した。ビデ
オを制作する前、UBB の方からジャーナリズムの専門
家にビデオを制作のスキルを教えてもらい、自分でビ
デオのカットと素材を考えた。
・都市開発について勉強するため、近隣の町や農村で
のフィールドワーク(全員)
8 月 28-30 日−Belis
Belis は開発中の村である。当地は多くの観光資源
を持っているが、どのように活用するかは現在の課題
である。
さらに、
住民間で競争意識を持っているため、
利益を共有することは 1 つの難点である。私達は事前
に UBB から当地に関する調査報告を読み、Belis の住
民の考え方を理解した上で、タウンホールで聴講者と
して focus group に参加した。focus group の出席者
の中には、村長、秘書、住民代表と学校関係者も含め、
およそ 10 人であった。focus group の後、UBB の人と
私達全員が集まって、focus group に対する自分の意
見や考え方を言い出すというブレーンストーミングを
行った。内容はターゲットを決め、問題点の判明、解
決方法の提出という 3 つパートであった。UBB の先生
と学生だけではなく、私達が自分の考え方と経験を言
い出せるのは重要な課題である。
9 月 4−6 日− 途中の小町、Rimetea
Rimetea と Belis を比較する。
Rimetea はハンガリー
政府から経済的な援助を受け、近年、ハンガリアン村
と呼ばれる観光名所として、多くの訪問客を集めてき
た。両者の規模は同じ程度だが、Rimetea の方はイン
フラが整備され、観光客に向けの組織的なネットワー
クを持っている。しかし、Rimetea での観光は外部か
ら直接連絡がとれないため、必ず当地の旅行会社を経
由する必要がある。こういうやり方のため、現地の民
宿やレストランの経営者に対して、客源も限られた。
Belis と違ったのは、この村には競争意識がなかった
ことだ。繁盛しているように見えるが、利益は少数の
上位の人に握られているため、下位の人からは苦情が
訴えられている。
ちなみに、Rimetea へ行く途中で、もう 1 つ小さな
町によった。7 キロの婉曲の山道を通って、GPS にも表
示されていない小さな村に訪っていた。この村で最年
少の方は 41 歳である。
住民は自給自足の生活をしてい
20
る。このような村はルーマニアの郊外にたくさん存在
している。しかし、労働人口の流出、低い出生率、高
齢化のため、このような村の消滅はただ時間の問題で
ある。UBB の先生達との会話から、私達はこのような
村を救う価値があるのか、また、自生自滅にさせるの
かということを考えさせた。
・その他
City Hall:
国際的な交流活動の過去の書信と活動記録をレビュ
ー:私は、北京語を理解できるため、姉妹シティーの
寧波市との活動記録を拝見した。両都市間のメールか
ら、
中国とヨーロッパの行政のやり方は異なっている。
そして、書信往来から、姉妹シティーの締結は慎重に
行われた。相手の町を理解するため、しばしばお互い
に訪問しあった。そして、締結後の貿易活動も頻繁に
なった。
カウンセリングミーティングに見学(個人)
:
カウンセリングミーティングは主にルーマニア語で
行っていたので、
話の内容は私には理解できなかった。
しかし、台湾の方と比べると、進行のペースはとても
穏やかであった。政府とその他の参加者は交互に発言
し、真剣に問題を解決するため話し合った態度は台湾
人が学ぶべきことである。
21
Share Federation:
日本風のロゴを作り出す:
Share Federation のデザイナーと協力し、伝統的な
日本文化の写真を提供し、日本風のロゴを作成した。
Cluj European Cultural Capital の代表と面会:
Cluj-Napoca は 2021 年の European Cultural Capital
の候補都市として、多様な活動や調査をした。今回の
面会を通じで、European Cultural Capital をもらえ
るため、事前準備の大変さと市民のニーズに従うのは
重要であると考えた。さらに、このタイトルをもらえ
るため、単なる市民の生活レベルを向上するだけでな
く、全員の意識も凝集するのも大事である。
成果発表会:
発表テーマ:Comparative perspective: international
students in Cluj-Napoca and Japan
4 週間のインタビューした結果をまとめ、アジア系の
留学生として、私の視点から発表した。私が発表した
内容は主に自分の研究内容を加え、インタビューで得
UBB:
日本文化を紹介する発表会:
私達は各自日本文化を紹介した。発表テーマは日本
のハイテクトイ
た結果を比較することである。そして、発表の結論に
基づき、もっとアジア系の留学生が Cluj-Napoca へ留
学にくるため、アジア系の留学生に Cluj-Napoca の魅
了的なところを伝えるプロモーションビデオを制作し
た。
(2)特筆すべきエピソード
・世界遺産に登録された Sighisoara, Biertan
fortified church, Sibiu and Alba Iulia に旅行に行
った。
・Sighisoara, Biertan fortified church, Sibiu and
Alba Iulia:
・Turda salt mine に見に行った。
レと
(3)苦労したこと
映像を作った際に、事前にカットを考え、素材を揃
えること:台湾にいた時に、ビデオをいくつか作った
ことがある。当時のビデオ作成時、自分の意図で作っ
たものだから、時間の余裕もあり、頭の中で大体の構
想もうできていた。それに反して、今回のプロモーシ
ョンビデオは派遣先に突然に出された課題なので、時
間の余裕もなく、何をするのか全く分からなくて、一
時的にパニック状態に陥った。幸いにも、UBB の方か
らジャーナリズムの先生達に手伝って頂いて、最後に
出した結果も想像より良くなった。
Focus group & Brainstorming:台湾で研究アシスタ
ントとして勤めた時に、focus group を企画したこと
があるが、実際に参与したことがない。今回で社会学
自動販売機、日本のお祭りと日本におけるクリスマス
の定番、着物、書道であった。発表会で全員一緒に夏
の浴衣を着用したので、視聴者の皆にインパクトに与
えた。
22
的に focus group に参加させることができ、本当に勉
強になった。その後の brainstorming では UBB の教授
と一緒に話し合い、各々に自分の発想を共有したこと
は、私にとって貴重な経験であり、自分の研究にも役
に立つと考えている。
(4)身に付いたこと
語学力:出発前、英会話の練習が少なかったため、
自然に英語で話すことに自信がなかった。しかし、最
後の成果発表会で、自分が原稿なしで英語の発表をで
きたのは自分も驚いた。深く考えると、普段で英会話
を練習している時に、一旦単語が詰まっていると言葉
が出て来られなくなる。さらに、他のメンバーと違っ
たのは、今回のメンバーの中で、私が唯一の留学生で
あったことだ。インターンシップ中、英語を使う以外
に普段ではメンバーに日本語で会話していた。
つまり、
私はこの 4 週間、自分の母語(北京語)を使うチャンス
がなく、完全に第二、第三言語だけで生活していた。
したがって、彼女達と日本語で交流し、自分の日本語
力も前より上手になってきた。また、現地の先生と学
生に日常会話用のルーマニア語も教えてもらった。英
語、日本語そして簡単なルーマニア語を身につけるこ
とができて本当に良かったと思う。
コミュニケーション力:ルーマニア籍の学生と交流
する際に、ほとんど英語で交流していた。コミュニケ
ーション力高める 1 つのポイントは、聞き手である。
自分が伝いたいことはうまく伝えるのは大事だが、そ
れより、相手が伝えっていることを理解できるのも非
常に重要である。なぜなら、コミュニケーションは片
方ではなく、双方がお互いに理解できることからだ。
例えば、今回のインターンシップ中、常に感じたのは
自分が言っていたことが相手に分かってもらえたが、
相手の答えは私には理解できなかったことである。
プレゼンテーション力:私が原稿なし、英語で発表
できたことである。言語にも関わらず、自分が発表す
る時にいつも原稿書かなければならないタイプである。
しかし、今回でインターンシップを通じで、多くの先
生の授業に影響され、
自分が成果発表を用意しながら、
言いたいポイントを頭の中で構成した。そしたら、頭
の中で印象が残っていたから、後は流暢に話すだけで
ある。このような訓練は就活や発表会にも役に立つ。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
イノベーション:物事に対する、枠に限らずに、新
しいアイデアがアウトプットできることである。現在
の社会が毎日進化しているから、このようなイノベー
ションがないと、すぐ世の中に振り落とされる。
異文化を受け入れる態度:Cluj-Napoca は多文化主
23
義であり、この町において異文化背景を持つ人々に接
触チャンスも多かった。したがって、開放的な姿勢が
なければ、この環境に適応できないと考えている。こ
れから、グローバル化社会に生き続けるため、異文化
を受け入れるという文化的知性(Cultural
intelligence, CQ)は 1 つの要素である。
語学力:多文化の環境において、人と交流する際に、
語学力がなければ、話が続けられない。また、異文化
理解するには、当文化の言語を学ぶのは第一歩という
言い方もある。語学力はうまく現地の言語を話せるだ
けでなく、読む、書くそして聴く能力は整えるべきだ
と考える。
柔軟性:他文化と接触する際に、自文化と他文化のバ
ランスを適切に保つことは重要である。このグローバ
ル化社会で、全ての文化を受け入れることはありえな
い。必ずしも慣れない時がある。その際に、柔軟な姿
勢で適応しにいくのは我々にとって持つべき態度だと
考えている。
(6) 後輩へのメッセージ
私にとって、今回のインターンシップは自分が物事
に対する考え方から、人生観までに変えた重要な思い
出である。出発する前、ずっと自分の年は皆に離れて
いるから、私のこと受け入れてもらえなければ、大丈
夫なのかと悩んでいた。また、自分に対する自信もな
かったである。結局、インターンシップのメンバーも
ずっと私のこと支えて頂き、たくさんの人に出会え、
一緒に遊んで、いい思い出を作った。成果発表も成功
であり、自分に対する自信も増えてきた。今のあなた
がまだ自分の人生に迷っているかもしれないが、この
インターンシップに参加し、必ず答えにたどり着く。
あなたは私が今言っていることが過言と思っているか
もれないが、事実、私はこの場で自分の潜在力を最大
限発揮し、次の目標を見つけた。今はこの目標を目指
して頑張りたいと思っている。このインターンシップ
がなければ、私も成長できなかったと思う。したがっ
て、自分の能力に挑戦してみたいなら、このインター
ンシップはとても良い試煉場だと思う。ぜひチャンス
があったら、挑戦してみてください。
以上
国際文化学部 国際文化学科 3 年
川上 槙
開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/13
派遣先団体:UBB, City hall, and SHARE federation
派遣国・地域:ルーマニア クルージュ=ナポカ
内容:City hall と SHARE でクルージュを旅行地とし
て日本人に広めるための活動
ンションに宿泊し、食事も3食手作りのルーマニア料
理を食べました。周りには大きい湖があるだけで、夜
はライトもあまりないので星をたくさん見ることがで
きます。ルーマニア人いわくルーマニアによくあるあ
りふれた田舎だということでしたが、私にとっては初
めて見るものや新しい体験にあふれていて、とても良
い経験になりました。
(1)活動内容
1.日本語 web ページ作成。SHARE federation で The
European Youth Capital 2015 Cluj の日本語ページを
つくる。今 Cluj が The European Youth Capital でど
んなことを目指しているのか、どんなことをしている
のかなどを大まかに説明するためのページを作りまし
た。
2.ムービー作製。私はクルージュを日本人の若者に旅
行地として PR するためのショートムービーを作りま
した。UBB、SHARE、City hall の協力で、留学生、移
民、観光課、ツーリズムの教授、日系企業など様々な
方とのインタビューをセットアップしてもらいました。
またムービーの撮影・編集に関しては UBB からのサポ
ートがありました。
3.プレゼン×2。UBB で日本文化のプレゼンとこのイ
ンターンシップで学んだこと、問題点と提案(ツーリ
ズムに関して)についてのプレゼンをしました。日本
文化のプレゼンはみんなが楽しめるような形で、ツー
リズムに関してのプレゼンはデータやインタビューで
得た情報なども用い、Cluj を観光地として日本人の若
者にプロモートするために魅力や課題、提案をしまし
た。
4.UBB の教授たち、院生たちとフォーカスグループ体
験。週末のトリップで、UBB と提携しこれから旅行地
として開発していきたい村に行き、学部長や村長を含
めてのフォーカスグループを体験しました。ブレイン
ストーミングをし、課題や提案などをみんなでディス
カッションしました。
(2)特筆すべきエピソード
滞在したのは街でしたが、そこから少し車で行くと
ヒツジが放牧されているような丘が広がっていたり、
藁が積まれた畑が広がっていたりするような自然がた
くさんある場所でした。また道沿いに馬車が走ってい
たり、農作物や手作りのジャムやシロップを売ってい
たり、日本では見ることのできない光景をたくさん見
ることができました。ホテルはないので家族経営のペ
24
(3)苦労したこと
自由度の高さです。自分のやりたいことを自分のや
りたいようにやっていいというのは一見簡単なようで
とても難しかったです。何をどうしたいのか、問題は
何か、それに対してどんな提案が可能であるか、どう
表現するのかなどすべて自分で決めながらインタビュ
ーや撮影、情報収集などをしました。限られた時間で
自分なりにムービーやプレゼンとしてルーマニアでの
経験や学んだこと、自分の考えをまとめていく中で、
自分の知識やスキルの足りなさを痛感しました。また
今回たくさんの人にインタビューをさせてもらいまし
たが、どんな質問をどの人にしたら良いのか、どのよ
うに話を膨らませたら良いのかなど分からないことが
多く、最初の頃は手探りでぎこちないインタビューと
なってしまいました。苦労したことではありますが、
これらの経験は UBB の教授たちと院生たち, SHARE,
City hall のサポートがなければ絶対にできなかった
ことなので、本当に感謝しています。
(4)身に付いたこと
まずは伝えることです。先にも述べましたが、とに
かく自由だったので自分しかどんなことを知りたいの
か、作りたいのか、何が必要なのか分かりません。自
分がどうしたいのか、相手にどうしてほしいのかを言
葉に出してはっきり伝えることが必要でした。普段の
活動をしている時はもちろんですが、なにか助けが欲
しい時にも、自分がどういう状況でどんな助けが欲し
いのかを伝えます。最初は迷惑かもと考えることもあ
りましたが、黙っているほうが相手を混乱させると感
じました。自分が行動を起こさないと何も始まりませ
ん。
次に人とのつながりです。今回のインターンシップ
において本当にたくさんの人にお世話になりました。
インターンシップ先の人も様々な人を紹介してくれま
したが、そうして知り合った人が、さらに知り合いと
つなげてくれることもあり、色々な話や意見を聞くこ
とができました。日本にいてはできなかったこのつな
がりをこれからも大切にしていきたいと思います。
次に現地語の大切さです。インターンシップで関わ
っていた人とは基本的に英語でコミュニケーションを
とっていましたが、生活するうえで関わる人の中には
英語を話さない人もいます。その時に少しでもルーマ
ニア語で簡単な挨拶をすると、相手も笑顔になって言
葉は通じないけど伝えようとしてくれました。また英
語を話せる人であっても覚えたルーマニア語を使って
話すと簡単に距離が縮まると感じました。英語は確か
に便利ですが、過度に頼りすぎないことも大切だと思
いました。
ることと仕事の関係性などを考えたりする良い機会で
した。1 ヶ月間という短い期間ですが、たくさんの人
と出会い、様々な場所に行き、新しい経験をし、学ん
だことは本当に多く、このプログラムに関わったすべ
ての方に感謝しています。このようなプログラムを生
かして、ぜひ行動を起こしてみてください。大学生だ
からこそできる経験やそこでしかできない経験が得ら
れると思います。
以上
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
自分の軸や専門がしっかり確立していて、それをど
こでも発揮できる人だと思いました。もちろんコミュ
ニケーション力や自分と異なる文化や価値観に対する
理解と柔軟性はいうまでもなく重要で、人との信頼を
築くためやお互いを理解するためには不可欠です。そ
の基盤をもとに、どこでも誰に対しても自分の持って
いるものを最大限生かし、結果に結び付けていくこと
のできる人がグローバル人材であると考えます。
(6)後輩へのメッセージ
私は今回のインターンシップを通じ、自分の将来や
りたいことに対して自分に足りないものやもっと学び
たいことがよくわかりました。このプログラムは企業
でインターンをするわけではないので、それとはまた
違った視点で仕事について考えたり、大学で学んでい
25
社会学部 社会学科 3 年
佐藤葉月
開始日:2015/8/17
終了日:2015/9/12
派遣先団体:バベジュ・ボヤイ大学
派遣国・地域:ルーマニア・クルージュ=ナポカ
内容:クルージュ=ナポカ市のプロモーション事業
ドワークを行うことによって、日本との共通点・相違
点がより理解できたと感じる。
(3)苦労したこと
食事や住環境等はまったく問題なく快適に過ごせ
た。苦労した点は2つある。1つは、移動手段である。
移動は主にバベジュ・ボヤイ大学の教授陣の車だった。
自力でバスで行けたのは市役所とシェアフェデレーシ
ョンだけであり、且つバス停は寮から少し離れたとこ
ろにあったため、少々不便であった。寮の前にトラム
の停留所があったが、トラムでの移動方法を結局教わ
れず終わったためほとんど利用できなかった。近くに
売店があったが、調理済みの食べ物がないため、調理
器具のない寮では調理できず、結局教授にほとんど毎
日車でショッピングモールに連れて行ってもらってい
た。寮に調理器具(電子レンジなど)を設置する等改
善余地があると思う。2つ目は、業務内容の認識の違
いだ。大学、シェアフェデレーション、市役所の3つ
が主な協力業務機関だったが、結局何が主な業務でそ
れぞれ何を求めているかということがシェアできてい
なかったため、少し苦労した。また、インターンシッ
プ前に法政大学と協力機関での業務内容についての詰
めが甘かったために、仕事がほとんど一切ない時間が
生まれてしまっていた。それに伴い、最終週はビデオ
完成のためにスケジュール過密になるなどバランスが
取れていなかったように感じる。
(1)活動内容
週によって活動内容が大きく異なった。一週目はル
ーマニアを知るための観光やフィールドワークが主な
活動で、クルージュ=ナポカ周辺の地域を周遊。二週
目は、市役所とシェアフェデレーションに各 2 名ずつ
分かれての業務で、私は市役所での業務となった。三
週目では、グループの入れ替えとなったが、業務内容
は市役所、シェアフェデレーション共にほとんど同じ
で自分のビデオ作りが中心。四週目は最終のインタビ
ューと自分のビデオ、プレゼン作りが業務だった。
(2)特筆すべきエピソード
Belish と Rimetea でのフィールドワーク。週末の
ほとんどはフィールドワークを行った。最初にフィー
ルドワークを行ったのは Belish という田舎町で、クル
ージュ=ナポカから車で 1 時間~1 時間半ほどで行け
る位置にある。ここでは、地元住民や投資家・商業者、
地域のリーダーが集まる地方議会に参加し、会議を聴
いた。その後、主な観光資源である湖や標準的な農家
などを訪問し、問題点とストラテジーを出すための話
し合いを行った。そこでは、日本の町おこしや田舎に
おける問題解決策と Belish を比較し、解決案が多数出
され有意義なものになった。Belish の一番の課題は、
観光客集客と地元住民ネットワークの強化だ。三週目
に訪れた Timetea は、同じくクルージュ=ナポカ周辺
の田舎町だが、ここは観光での成功例であり、ビッグ
マイノリティーであるハンガリー人の町である。私達
はこの町を日本との比較だけではなく、Belish と比較
し、何が違い何故成功したのか、そして将来的な展望
と懸念を話し合った。結論としては、今は観光業が上
手くいっているがこの先何十年後の将来はかなり厳し
くなるという見通しだ。以上2つの地域でのフィール
26
(4)身に付いたこと
身に付いたことは、プレゼン能力と効率化、編集技
術。プレゼンをする機会が多かったので、人前で、且
つ英語で話すことにとても慣れることができた。今ま
で、英語の授業等のプレゼンではラフでも原稿を用意
していたし、声のトーンを変えるなど細かいところま
で工夫する余裕はなかったが、今回のプレゼンでは原
稿無し且つアイコンタクトをしっかりと取り、ジェス
チャーなども加えることができた。ほとんど日本語で
のプレゼンと変わらないレベルだと感じる。次に効率
化と編集技術について。各個人の興味に合わせてビデ
オを作成していたため、インタビューや撮影は個人に
よってスケジュールがバラバラだった。そのため、自
分で段取りを組み計画を立てる必要があった。私は早
い段階から計画を立てることができたために、効率的
でスムーズに製作を進めることができた。ビデオの編
集にはジャーナリズム学部のスタッフが付いてくれた
が、できるだけ自分で編集できるように編集ソフトを
使いできるところは全て自分でやった。一度だけ簡単
なビデオ作成をしたことがあったが、その時よりも編
集技術は格段に向上したと感じる。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」とは
私は 2 点挙げたいと思う。1 つは相手の国や言語、
バックグラウンドに関わらずコミュニケーションが取
れること。もし知らないのであれば、知ろうとする姿
勢が大切だと思う。単に英語や多言語で話せるという
ことは現在のグローバル化においては既に不十分では
ないだろうか。相手の国や文化などを理解し、且つ言
語でもコミュニケーションとれる段階に達することは
今後求められるようになると私は思う。2 つ目は、自
分の能力を異なる場所は状況でも発揮できる人材。も
し、自分に技術や能力があったとしても、国やシチュ
エーションによって左右されるようでは、グローバル
人材と呼べないのではないだろうか。状況に関わらず
自分の力を発揮できるからこそ、グローバルに活躍で
きると思う。
(6)後輩へのメッセージ
まずは何に自分は興味を持っているか自覚すること。
分野や事柄はなんでもいいのでまず何かに興味を持つ
ことをしないと何も始まらない。興味のある分野がで
きた後は、それに関わるイベントや体験プログラム、
交流会などに積極的に参加するべきだ。勿論、それ自
体が自分に有益な情報や体験を与えてくれるが、一番
大切なのは人との繋がりができることである。そこで
出会い交流した人達は、更に上のステップへのコネク
ションや情報を運んできてくれるからである。
つまり、
自分のコミュニティは人と関わり行動することによっ
て無限に広がるということ。
大学在学中だけではなく、
卒業後の将来にも必ず役立つと私は考えている。
もし、
興味のある分野を見つけるのが難しいのなら、目に留
まったイベントや交流会などに片っ端から参加すれば
よいと思う。自分に合わなければやめればいいだけな
ので。中学や高校とは違い、大学ではとにかく自分か
ら動くということをしないと何もせずにあっという間
に 4 年間が過ぎ去るということを忘れないで欲しい。
新しい人のつながりは、あなたに情報・コミュニティ・
コネクション・ワクワクするような体験をもたらして
くれるだろう。
以上
27
社会学部 社会政策科学科
天野 妃沙良
開始日:015/08/17
終了日:2015/09/12
派遣先団体:UBB
派遣国・地域:ルーマニア クルージュ=ナポカ
内容:Cluj-Napoca を PR する映像制作
(1)活動内容
UBB から派遣された2つのインターンシップ先、
SHARE と市役所へ行き、自分の Cluj-Napoca で経験し
たことなどの記事執筆やCluj-NapocaをPRするための
映像制作。SHARE では、主に Cluj で自分が経験したこ
とや驚いたことなどについて日本人としての視点を通
した記事の執筆やいろいろな活動をしている人々にイ
ンタビューをしました。市役所では、Cluj と姉妹都市
関係にあるアジアの国資料や Cluj の産業に関する資
料を読み、議論しました。
Rimetea では、ハンガリー人の方が多く生活してい
る村ということもあり、ハンガリーの文化を多く触れ
られる機会を得ることが出来ました。教会や現地の方
が住まれいるお家にお邪魔させていただき、ルーマニ
ア人が多い地域との違いを比べ見ることが出来ました。
そして、過疎地域に行く機会もあり、その村では41
歳が最小年齢ということで、とても驚いたことを覚え
ていますし、日本の将来の状況を表しているようで危
機感を覚えました。
(2)特筆すべきエピソード
Belish とRimetea での経験はとてもかけがえのない
ものになりました。
Belish は、ルーマニアではよくある感じの田舎町の
ようなのですが、日本ではなかなか体験することので
きない壮大な自然の中で沢山のアクティビティ、例え
ば、クライミング、ボート、サイクリングなどその自
然を十分に生かした経験が出来ました。そして、ルー
マニアの郷土料理などを楽しむこともできました。
(3) 苦労したこと
法政からインターンシップ生として派遣されるのが
初めてということもあり、すべてが確立されてという
状況ではなく、映像制作というゴールが、決まったの
も現地についてからでした。そのため、そのゴールに
対しての認識がそれぞれの団体(SHARE、UBB、市役所)
や人によって、で違っていて、そのズレを解消し同一
の認識に時間を要しましたし、苦労しました。
そして、限られた時間のなかでゴールの映像制作を
するということもとても大変でした。毎日決められた
パンパンなスケジュールの中で、寮に帰って来てから
など、とても限られた時間のなかでやらなければなら
28
ない状況であったこと、そしてその他のプレゼンテー
ションも準備しなければならなかったということはと
ても苦労しました。
生活面では、特に苦労したということはありません
でしたが、生活していた寮に一切調理器具がなかった
ため、毎回お世話をしてくれていた教授の方に送り迎
えを頼まないとモールやスーパーに行けなかったため、
お願いしていたのですが、とても申し訳ないなと感じ
ていました。そして、夏休み中ということで町のあち
こちで工事中だったため、常に混雑していて、公共交
通機関はいつも遅れていました。
(4) 身に付いたこと
とにかく、自分が何をしたいということを自らが
発信していかないとうまく行かない現場だったこと、
そして自分から行動を起こさないとなにも始まらな
かったということもあり、主体性を身に付けること
が出来たのと共に積極性も身についたと思います。
最終目標であった映像制作も自分から行動を起こし
て、映像の素材を自らの足で探しに行き、撮るとい
うことをしていました。そのかいもあり、上記のよ
うなことが身についたと感じています。
そして、この4週間の内に2回 Cluj-Napoca の周
辺の田舎町、Belish と Rimetea という所に行き、少
子高齢化や過疎が進んでいる地域に訪れ、泊まる機
会があったのですが、ルーマニアのリアルな現状を
知ることが出来るとともに、それに対してすべきこ
とやどのように解決策を導きだすかという方法など
の知識を得られました。
(5) 今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
今回派遣された先の大学は、ルーマニア国内でも
屈指の大学ということもあり、
とにかく学生にしろ、
教授陣にしろ、教養のレベルが高かったことを鮮明
に覚えています。そのようなことや視点から、
「グロ
ーバル人材」というものを考えると、ただ語学がで
きるというようなことではなく、いろいろなことを
学ぼうとする積極的な姿勢を持っていることが必要
ではないかと感じました。
そして、
もちろんですが、
自分の国のことをよく理解し紹介できるというスペ
ックも「グローバル人材」として世界に羽ばたいて
いくならば、必要なものだなとルーマニアでの経験
を通して感じました。
29
(6) 後輩へのメッセージ
今回のルーマニアでの経験を通して、自分がどれ
だけ狭い世界で生きていたか、自分の知識や常識が
どれだけ偏っていたかということを知ることができ
ました。そして、前述のようにルーマニアの学生や
教授陣の高い教養レベルに触れることで、自分の目
指すべき姿というのを見つけられました。ルーマニ
アという異国の、多くの日本人にとって未開の地に
行くことはとても勇気のいることですし、自分の母
語ではない言葉を使って自分の意思や希望を伝える
のは、とても骨の折れることです。しかし、一歩踏
み出し挑戦することで得られるものはとても価値の
あるものだと思いますし、もし迷っている方がいる
ならば是非挑戦して欲しいと思います。
以上
文学部 英文学科 2 年
近田 かおり
開始日:2015/8/27
終了日:2015/9/9
派遣先団体:IIWC (Indonesia International Work
Camp)
派遣国・地域:インドネシア・スマラン
内容:売春街として知られているタガルジョ(Tegal
Rejo)に住む子どもと遊ぶ。
披露、物販がある。この売上はタガルジョの子どもの
ために使われる。私たちもステージに上がり、インド
ネシア語での自己紹介と日本の文化を紹介するという
ことで浴衣と法被を披露した。また、妖怪ウォッチの
「ようかい体操」と AKB48 の「恋するフォーチュン
クッキー」を踊り会場を盛り上げた。
8/31
自然と触れ合う活動がしたいということで、一緒に植
物を植えた。メロン・スイカ・唐辛子の中から好きな
種を選んでもらい、土を中に詰めたペットボトルで育
てる。嬉しそうに持ち帰っていたが、毎日水やりをし
てくれるのか不安だ。
(1)活動内容
8/27
ワークキャンプ初日、私たちが2週間暮らすことにな
るタガルジョのキャンプハウスを掃除した。ルールや
家事の分担を決めたり、メンバーとの交流を深めた。
8/28
朝 7:30 に売春婦の方を対象としたエアロビに参加し
た。これは毎週金曜の朝に行われており、40 分に及ぶ。
初めて売春婦の方を見て、幅広い年代や容姿の女性が
働いていることを知った。想像していたが、同年代や
年下の女性がいることに複雑な気持ちになった。彼女
たちやこの村のことをもっと知りたいと思った。
また、この日からタガルジョの子どもたちと本格的な
交流が始まる。たくさんの子がキャンプハウスに遊び
に来てくれて、一緒に村長や IIWC の関係者の家に訪
問し挨拶をした。
9/1
いつものように子どもたちと遊んでいたら、日本語の
書き方を教えてとお願いされた。私が書いたひらがな
の上からペンでなぞるだけではなく、読めるように発
音を書いていて勉強熱心な一面を見ることができた。
さらに、自分の名前やありがとうといった言葉を発音
記号と照らし合わせて書けるようになり感動した。
9/2
学校訪問1日目。タガルジョの子どもも通っている
SDN Jatijajar2 小学校に訪問した。この日は警察の方
による交通安全の教室が開かれた。この企画は IIWC
が警察に何度もお願いしたもので、実現するのは今回
が初めてだ。
9/3
学校訪問 2 日目。
3年生と4年生に図工の教室を開く。
生徒たちはペットボトルを半分に切って亀やタコを作
った。折り紙やカラーペンで装飾して、可愛い作品が
たくさんできた。
8/29
朝にタガルジョを散歩し、そこに暮らす人々の生活様
式を見ることができて面白かった。その後は子どもた
ちと遊んだり、Garakustik に向けて踊りと自己紹介
の練習をした。
8/30
IIWC が年に一度主催しているチャリティーイベント
Garakustik に参加した。Garakustik では歌や踊りの
30
ただ、売春をしている仲間の話を聞くことができた。
この日はタガルジョについてずっと疑問に思っていた
ことをたくさん知ることができた。
9/5
タガルジョにはカラオケが多い。その多くは売春も行
っている。
この日は、
お店の経営者などの協力を得て、
カラオケで売春婦として働いている女性に直接お話し
ができた。さらに営業時間外のカラオケや部屋の中ま
で見せていただけた。
9/6
子どもたちと遠足に出かける。お寺を見るために山を
登った。子どもたちのワクワクしている様子が伝わっ
てきて、私も嬉しくなった。 帰りは元気だった子ども
たちもさすがに疲れていて、バスの中で寝ている姿が
可愛かった。
9/4
SDN Jatijajar2 の校長先生の自宅に招かれた。手料理
を振舞っていただいたり、インドネシアと日本の文化
交流もできた。私たちはインドネシアの伝統衣装ケバ
ヤ、先生は浴衣を体験した。ケバヤは繊細なデザイン
で綺麗な衣装だった。
その後、先生から貴重な話をたくさん聞くことができ
た。タガルジョやそこに住む生徒についてどう思って
いるのかという質問に対し、タガルジョについて周り
から聞いていたが偏見は持たなかったと答えてくれた。
また、タガルジョの子どもの中には父親が不明、戸籍
を持たない子も多く、
通常だと入学を断られるところ、
先生はそのような事情をもつ子を受け入れている。そ
れは彼らの未来が良いものであるように願っているか
らであり、タガルジョ出身の子どもでも他と変わらな
いことを示したいからだ。
この話を聞いたときタガルジョの子どもの顔が思い浮
かんできて、心が痛かった。戸籍をもたないことで他
の子たちとは違う苦労を背負うことになるからだ。将
来の夢を持っている子たちだから、戸籍がないことで
希望した職に就けないことになってほしくない。それ
こそ売春婦にならざるを得ない状況に追い込まれない
でほしい。
帰宅後、私たちはエアロビのときに仲良くなり、カラ
オケで働いている女の子から話を聞くことができた。
その子は売春をしておらず、
歌っているだけだそうだ。
31
9/7
お別れ会。感謝の気持ちとして、日本から持参したお
米で手巻き寿司を作り、ご近所さんに配った。パンケ
ーキも作り、子どもたちにチョコペンでデコレーショ
ンをしてもらう。子どもたちや約2週間過ごした家と
のお別れは本当に寂しいものだ。
9/8
フリーデイ、洞窟の中や川を泳いだり、ジョグジャカ
ルタのナイトマーケットでお買い物をしてインドネシ
アを満喫した。
(4)身に付いたこと
子どもとの接し方が身に付く。最初は子どもが本当に
可愛くて、噛まれたり叩かれたり、子ども同士で喧嘩
していても強く叱ることができなかった。ただ、子ど
もたちにやって良いことと悪いことを区別させるのも
このプログラムの目標なので、それを意識しながら接
するようになる。
悪いことをしたら謝るように注意し、
車やバイクが通ったら Hati hati(危ない)という単語
が口から自然とでるようになった。その他にもインド
ネシア人のキャンプリーダーに子どもとの会話に役立
つインドネシア語も教えてもらえるので、子どもとの
意思疎通が当初よりできるようになった。
また、夕飯のあとはワークキャンプのメンバー全員で
よく話し合いをしていたので、自分の意見を英語で述
べる機会が多い。
英語が上達したのかは分からないが、
英語を話すのが楽しいと思える有意義な時間だった。
9/9
ワークキャンプ最終日、ワークキャンプのメンバーと
この2週間を振り返り、反省や感想を述べた。
(2)特筆すべきエピソード
インドネシアの 90%はイスラム教を信仰しており、宗
教は生活の一部であるように感じた。イスラム教は 1
日 5 回 sholat(お祈り)をしなければならない。私たち
が過ごしたタガルジョも例に漏れず、代表者がお経の
ようなものを村中に聞こえるように読む。毎日決まっ
た時間に 5 回流れるので、時計がなくてもその歌を聞
けば時間が分かるようになる。遊んでいた子どもたち
も夕方にそれが流れると、お祈りをするために家に帰
るのが興味深かった。ただ、早朝 3 時ぐらいにも流れ
るのでそれで起こされることもある。
また、私たちも近所のモスクに入り、お祈りに参加す
る機会があった。子どもたちにお祈りする際に必要な
衣装を着せてもらい、彼女らの動きを真似した。神聖
な空気が流れているように感じて緊張した。
子どもの頃から毎日欠かさずにお祈りしており、しな
い日なんて考えられないとキャンプリーダーが言って
いたのを思い出した。しばしば、日本は無宗教と言わ
れるように自身を無宗教だと自覚する人が多い。その
ため、彼の言ったことがあまり想像できなかったが、
宗教についていろいろと
考えせられる2週間だった。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
ワークキャンプのメンバーには何度も国際ボランティ
アに参加している方がいて、体験談を聞くことができ
た。私と同じ大学生でもこんなに凄い人たちがいるの
だと圧倒された。お互いを尊重しながらも国の壁を越
えて人と関わることができる人が「グローバル人材」
ではないかと今回さまざまな人との交流や体験を通し
て感じた。キャンプリーダーの方も言っていたが、異
なる人種・国籍・文化を尊重することは大切だ。また、
積極的でないとお互いのことを深く知ることはできず、
自分も変わることができないと思った。グローバル化
する社会では積極的でなくてはならない。
(6)後輩へのメッセージ
今回、私は国際ボランティアに初めて参加した。ボラ
ンティアと言われると人のために何かをしてあげると
いう気持ちが絶対あると思う。ただ、誰かに頼まれた
ものではなく、自分で決めて参加したものだからそう
いう気持ちはなくそうと心に決めていた。実際参加し
てみて、子どもたちの笑顔から得るものが多かった。
私も子どもたちと一緒に遊ぶ時間が楽しくて、何かを
してあげるという気持ちではなく、お互いが楽しいと
思える時間を一緒に共有するためにどうしたらいいの
か自然と考えるようになっていた。そのため、タガル
ジョという特殊な村で複雑な事情を抱えている子もい
るなか、彼らが毎日遊びに来たいと思えるような場所
を作ろうと決めた。実際、多くの子と毎日のように顔
を合わせていたので少しでも楽しいと思ってくれたの
かなと感じた。
(3)苦労したこと
初日に IIWC の方からインドネシアのマナーを教えて
いただいた。イスラム教では左手は不浄なものとされ
ているため、
右手の使用を心がける必要がある。
ただ、
物を渡すときに無意識に左手を使ってしまうことがあ
り何度か注意された。また、目上の方がいる前で体育
座りをするのは失礼にあたることやご飯の前を横切っ
てはいけないなどインドネシアのルールに慣れるのに
苦労した。
32
また、異文化の暮らしは毎日が刺激的だった。日本で
はできないような体験や新たな発見がたくさんあり、
良い仲間もできて有意義な2週間だった。ここでしか
できない体験や出会いが必ずある。
以上
33
法学部・国際政治学科 3 年
宮竹 裕子
開始日:2015/8/9
終了日:2015/8/22
派遣先団体:Green Volunteers for Green Future
派遣国・地域:スリランカ・Anuradhapura
内容:児童養護施設での手伝いや村人の農作業の手伝
い
事や生活を共にし、互いに協力してボランティアをす
ることによって、周りと協調して物事に取り組む力、
そして様々な国の人々との話し合いなどを通じて、コ
ミュニケーション能力やこれまで自分のなかには無か
った新たな価値観や、多角的な視点を持つことができ
た。また、ボランティア中は誰が何をするのかを自分
たちで決め、その中で自分は何をすればよいのかを
個々人で素早く判断しなくてはならないことが頻繁に
あった。そこで私は、誰かに頼まれたからするのでは
なく、また、やってあげるというスタンスでもなく、
常に周りに気を配りながら自分にできることは自分で
見つけ、自主的に行動することがボランティアにおい
て非常に大切であるということを学んだ。
(1)活動内容
日本・マカオ・フランス・ウクライナの 4 カ国から
合計 14 名の参加であった。活動内容としては、主に
児童養護施設での手伝いと村人の農作業の手伝いの 2
種類を行った。児童養護施設では、施設内の環境整備
のための鍬を使った掘削作業、施設の子供たちと一緒
に英語の勉強、ゲーム、ダンスなどをした。村人の農
作業の手伝いでは、児童養護施設と同様、鍬を使った
掘削作業や泥を使ったレンガと家の壁の製作の補助を
した。その他、プロジェクターを使用した現地住民と
それぞれの国の知識の共有も行った。さらに、毎晩夕
食後には一人一言の英語でのスピーチがあり、その日
に何があったのか、また、自分はどう思ったのかにつ
いてメンバーと共に共有し話し合った。また、2 週間
のうち 2 日間のフリーデイがあり、世界遺産のシーギ
リヤロックやその他歴史ある様々な寺院を訪れること
ができた。
(4)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
まず、2 週間を通して必要不可欠であった英語を生
かすことのできる能力であると考える。英語で自分の
言いたいことを伝えることができ、また相手の言って
いることを理解することが不自由なくできるのであれ
ば、グローバルの舞台において活躍することができる
と強く感じた。また、相手の国の文化を理解し、尊重
する姿勢を持つことも重要であった。今回、私の訪れ
たスリランカの文化は、食事やトイレなどの面で日本
と大きく異なっていた。その為初めの頃は文化の違い
に戸惑うこともあったが、何日か経ち慣れてくると、
現地の人々との距離も縮まり、以後のボランティア活
動をとても有意義なものにすることができた。
さらに、
常にグループで活動をするため、互いを思い合い、時
には譲り合い、時には助け合うというような柔軟な協
調性も必要であった。
(2)苦労したこと
ワーク中は使用言語が英語であったため、初めの頃
は相手の言っていることを正確に理解することができ
ない部分や、自分の言いたいことを上手く伝えること
ができない部分があったりし、とてももどかしい気持
ちになることが度々あり、自身の英語力の不足さを痛
感した。しかし、まわりのメンバーは、分かりやすい
ようにゆっくり話してくれたり、何が言いたいのかを
一所懸命に理解するようにしてくれたりと、とても優
しかった。また、村人の農作業の手伝いの際には、慣
れない鍬を使った掘削作業で思うように進めることが
できず、苦労をした。自分と村人の作業の迅速さ、正
確さと比べると、自分はあまり貢献できなかったので
はないかと感じ、申し訳ない気持ちに駆られることが
あった。
(5)後輩へのメッセージ
私は今までの大学生活の中でいくつかの国を観光客
として訪れることはありましたが、今回のようにボラ
ンティアをする身として海外を訪れることは初めての
経験でした。もし私がこれまでと同じように観光客と
してスリランカという国を訪れていたのなら、ガイド
ブックに載っている観光地を訪れ、レストランで食事
をし、インターネットと冷房のあるホテルに宿泊して
いたと思います。しかし、今回のボランティアでは全
てのことが未知との出会いでした。私の訪れた
Anuradhapura という地方は人口密度が薄く、教育・
医療・交通等のインフラが不足し、住民の 7 割超が貧
困層でトイレのない泥製の家に住んでいました。もち
ろん、インターネットも冷房もありません。さらにワ
ークにおいては、鍬を使うことも、児童養護施設の子
(3)身についたこと
国も文化も言葉も年齢も違う海外からのボランティ
アメンバーと 2 週間、ベッドを隣り合わせて眠り、食
34
供たちと触れ合うことも、今まで経験したことがあり
ませんでした。その為初めの頃は新しいことの連続と
自分の無力さに戸惑ってしまいましたが、今率直に思
うことは、今回これまでの海外旅行後とは比べ物にな
らない程、数えきれない貴重な経験を得ることができ
た 2 週間であったということです。私はまだ、将来に
対するビジョンがはっきり定まっていない中での参加
でしたが、今回の経験は私の将来に向けてきっと生か
すことができると思います。少しでも興味を持ったの
ならば、それを実行に移すことで、何か新たな発見を
することができると思います。
35
国際文化学部 国際文化学科 1 年
細井はるな
開始日:2015/8/9
終了日:2015/8/22
派遣先団体:Green Volunteers for Green Future
(GV4GF)
派遣国・地域:Sri Lanka(Anuradhapura)
内容:孤児院、村の子どもたちとの交流、レンガ作り、
村人の家のお手伝い
(1)活動内容
私は、スリランカのアヌラーダプラというところか
らバスで 40 分の田舎の村で生活をしました。
メンバー
は日本6人、フランス5人、マカオ 1 人でそのうち男
性は 1 人でした。そしてすでにその場所でボランティ
アをしていた日本女性 2 人、ウクライナ男性 1 人と合
流しました。食事は、現地のリーダーの奥さんが食べ
やすいように辛さ控えめで作って下さり、辛い物が苦
手な私でも美味しく食べることができました。
次に孤児院での活動を紹介します。私たちは女の子
だけがいる孤児院に5日間行きましたが、子どもたち
は本当に笑顔が素敵で、元気いっぱいで、素直な優し
い子たちばかりでした。最初はほとんど英語が通じな
い子どもたちとのコミュニケーションに戸惑うことも
ありましたが、子どもたちも人懐っこく、積極的に現
地の遊びを教えてくれたり、ボールで遊んだり、常に
パワフルだったので本当に楽しかったです。
10 時と 15
時にティータイムがあり、紅茶がとても美味しく、そ
こでの紅茶とお菓子は思い出の味です。
そして最も印象に残っている出来事は、フランスの
2人が子どもたちの頭をかゆそうにしている様子から、
全員の頭にシラミがいることを発見しました。大量に
卵が産みつけられていて、どうにかしないといけない
と思った2人が薬とシャンプーをすぐに買ってきてく
れて、全員の髪をくしでとかしたり、よくシャンプー
をしました。その時の子どもたちの嬉しそうな顔が忘
れられません。これは、ただ待つのではなく子どもた
ちのために即行動した結果であり、他の場面も含めて
海外メンバーの臨機応変な行動力によってさらに意義
ある経験をすることができました。この経験から私た
ち日本人は、言われたことは一生懸命やっていました
が、自ら考え行動したり、発展させることができずに
もどかしさを感じたりしました。
そして後半の1週間は、村のお年寄りの家の壁作り
のお手伝いをしたり、レンガを作ったり、様々な作業
をしました。ただ、季節外れの大雨が続けて降ってし
まい作業ができない日もあり、こちらの生活ではやは
36
り自然の力が大きいことも実感しました。最後のほう
に Cultural day と Farewell party がありました。
Cultural day では、子どもから大人まで村の人たちが
たくさん集まり、一緒にゲームやダンスをしたり、日
本人はソーラン節を練習してみんなの前で披露したり
しました。日本の文化が少しでもスリランカの人たち
に楽しんでもらえたので良かったです。
また、
Farewell
party では、それぞれの国の料理を作り、みんなで話
しながら最後の夜を楽しみました。2週間の感想を一
人ずつ話していく場面では、みんな寂しくて号泣して
しまいました。それくらいこのメンバーは素晴らしか
ったと思いますし。ここでの生活が本当に充実してい
たのだなと思いました。
(2)特筆すべきエピソード
特筆すべきエピソードは、スリランカの自然と人に
ついてです。私たちが生活していた場所が田舎のほう
であったということもありますが、多くの素晴らしい
景色を見ることができました。特に私は、メンバー全
員で広いグラウンドに寝ころび、天の川や流れ星もみ
ることができた満天の星空の光景が忘れられません。
そして生活していた村の人たちは、本当に穏やかで親
切で優しい人たちばかりでした。知らない人でも目が
あえば笑顔で挨拶をしたり、子どもたちはよりフレン
ドリーでした。
(3)苦労したこと
苦労したことは、英語力と生活の違いです。英語力
については、多くの日本人メンバーは最低限のコミュ
ニケーションはなんとか取れていましたが、
「自分の言
いたいことを言う、詳しく説明する」というところで
力不足を感じ、伝えることの難しさを痛感しました。
生活の違いについては、日本のように治安が良く清潔
で、不便なく暮らしていけるところから、不衛生であ
ったり、虫が当たり前のようにたくさんいたり、Wi-Fi
が使えず調べたりできない環境がつらく感じることも
ありました。私自身は、虫は割と平気だったので大丈
夫でしたが、野良犬が多いのが怖かったです。
(4)身についたこと
身についたことは、適応力と自発性です。異国の地
に行ったり、外人と生活すると今までの日本での常識
や日本人の感覚は通用しませんし、カルチャーショッ
クを受けることも多くありました。生活環境や衛生面
も日本と比べてしまうと過酷です。そのような中で、
現地のスタイルに合わせてその時々におかれた現状や、
あるものにうまく適応していくことが求められました。
自発性に関しては、他の国のメンバーの行動力に驚か
され、日本人の控えめな性格では海外では役に立たな
いようにも感じました。それからは自分で考え、でき
るだけ積極的に自分から行動することを心がけていま
した。
異文化を持つメンバーと共に過ごすのは不安に思って
いました。でも無事に終わってみると今までの人生の
中で最も充実していて、多くのことを学び考えさせら
れた濃い2週間でした。この経験を大学1年生ででき
たことは本当に幸せなことだと思います。だから、少
しでもボランティアをしてみたいと思ったり、異文化
を経験してみたいと思ったりする人は迷わず挑戦して
みるべきだと思います。大学生という多くのことを学
んだり経験することができる日々を無駄にしないため
にも、
ぜひ国際ボランティアに挑戦してみてください。
私はこの2週間、新しい経験や学ぶこと、考えさせら
れることが多く、本当に楽しく充実した日々を過ごす
ことができました。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
グローバル人材とは、英語力と柔軟性を持つ人だと
思います。今回、何度も自分の本当に言いたいことが
上手く伝わらなくて悔しい思いをしました。もちろん
誠意をもって一生懸命伝えれば相手も聞いてくれるし、
曖昧であっても理解してくれます。でもコミュニケー
ションツールとして英語を持っていれば、スムーズに
意思疎通が可能になるし、より安心して世界へ出てい
くことができます。ただその時に気持ちと自分自身の
中身も大切だと感じました。気持ちや中身がないと相
手も聞く気にならないかもしれないからです。そして
文化や生活の違いに適応したり、その時々で臨機応変
に行動したりすることが大切だと思いました。相手や
状況を受け入れ、柔軟に物事を考え行動することで、
自身がより異文化を理解することができたり、その時
に何が必要とされているかがわかるからです。グロー
バル人材は、人と人との関わりに重要な言語と、その
場その時に柔軟に適応していく力が必要です。
(6)後輩へのメッセージ
私は今回が初海外でしたが、このボランティアが最
初で本当に良かったと思います。はじめは自分で飛行
機を取ったり、2週間全く知らない土地で、知らない
37
以上
38
法学部 国際政治学科 1 年
加藤万
開始日:2015/8/16
終了日:2015/8/29
派遣先団体:SJVIETNAM
派遣国:ベトナム(ハロン湾近郊)Mai Hoang
内容:バスルームの建設
インも効率よく進めることができた。これはバスル
ームの壁になる建設であり、もしこの土台となる作
業を怠ったことによって建物に入った人がけがなど
をしてしまったらなどと考えると、責任が関わって
くる作業であるから、スピードよりもクオリティを
重視する必要があった。限られた時間でできる限り
の作業をしたが、もう少し多くできたのではないか
という気持ちもあった。
(1)活動内容
今回の大きな目的は新設した施設にまだ作られて
いなかったバスルームの建設であった。いわゆるぼ
っとん便所の形式で、作業はまず穴掘りから始まっ
た。深さ約一メートルもの穴を電動機器なしで掘る
ということで、かなりの力と体力が必要であった。
全員が同時に作業できるような広さではなかったた
め、交代で休憩をはさみながら効率よく進めていっ
た。掘っていく途中に大きな岩だったり木の根がで
てきたりしたが、ハンマーや鎌を使いながら屈強な
ベトナム男たちの力によって乗り越えられた。この
ハンマーで岩を砕く作業が最も大変であり時間がか
かった要因であった。
穴掘りの次は壁づくりであった。レンガを積んで
セメントで固めていくという作業であったが、今ま
でにセメントを作ったことがない私たちのために、
導入としてセメントの作り方を教わりながら道を舗
装した。セメントは土とセメントの元を三対一の割
合で合わせ、ムラがないような色になるまでよく混
ぜていく。しっかりと混ぜ合わせることが重要で灰
色に近い色になるまで混ぜ合わせた。そして山にな
ったセメントの中心に水を流してセメントの柔らか
さになるまで徐々に水を足して混ぜていき、いい具
合になったら完成であるがセメントを作ることに時
間がかかっている面もあった。煉瓦積みで重要だっ
たことは直線のワイヤーに沿って、また煉瓦の高さ
を合わせて並べることであった。セメントの量の調
節や煉瓦の大きさの違いなどもあり、慣れるまで時
間がかかった。慣れてくると仕事もはかどり長いラ
他にも、水だめの水をバケツでリレーしながら全て
ぬいて、そのあと中の掃除をした。体力的にこの作業
が一番大変だった。
また、地域の子供たちとの交流、ゲーム、職業訓練
など多くの笑顔を見ることができた。ベトナムのゲー
ムは痛みを伴うゲームが多く、罰ゲームは必ずあり、
一曲歌わされるのが常であった。日本のゲームと同じ
ゲームもあり、だるまさんが転んだなど馴染み深いゲ
ームをやり万国共通だと感動する面があった。職業訓
39
練は生卵の中身を小さい穴からぬいて中を空洞にして
殻の部分を削ってアートを作り出すものであった。
プロが作るアートはとてもきれいであった。
(3)苦労したこと
ワークや食事などでは何も苦労したことはないが、
私は乗り物酔いが元々ひどかったというのと、ベトナ
ムの交通が激しくハイスピードで進むため移動時間の
バンやバスでつらい思いをした。
(4)身についたこと
ボランティアワークはチームでの作業であるから、
全体をみて他の人がどんな体調状態かや全体の雰囲気
を考えてどう行動すればもっとチームがよくなるか、
他の人の性格など全体のことを考えたあとの言動など
を少しでもできるようになったこと。
元々の環境適応能力にましてさらに能力が上がった
こと。初海外であったが、不安もある中、意外と海外
の地に適応できている自分がいることにまず驚いたこ
とと、さらに二週間の生活、食事や時間のリズムなど
こなしていくうちに適応能力に磨きがかかっていった。
(5)グローバル人材像
物事を決めつけて考えない、両国どちらの味方にも
ならない人。
今回のワークではある日本側のキャンパーの行動や発
言、態度などでベトナムチーム側に誤解や不快感をお
ぼえさせてしまったことがあった。その時に、果たし
てどちらが正解かということは誰にもわからない。文
化の違いや国民性、自分の経験からくる独自の考えな
ど、どんな理由で事が生じたかなどは計り知れない。
では、日本人だから日本側の立場から物事を考えて答
えを決めつけるのか、色々な視点から物事を考えてど
ちらの気持ちもはかり意見を述べなければならない。
ということを今回のワークで学んだ。
(2)特筆すべきエピソード
一日 free day をもらった日に、ハロン湾という世界
遺産に行かせてもらった。湾上に岩があり映画の世界
に入ったような感覚になった。岩でできた空洞はライ
トアップされていて、とてもきれいだった。一日の
free day を頂けることはとても幸せなことであり、そ
してとても充実した一日を過ごせて本当にありがたい
ことであった。
(6)後輩へのメッセージ
絶対楽しいです!初海外でもとても楽しめました。
そして、日本に帰りたくなくなります。無理をせずに
全体のことを考えながらボランティアをしに来たとい
うことを忘れずに相手のために一生懸命ワークをして
ほしいです。
以上
40
文学部 英文学科 2 年
大石 奈生子
開始日:2015 年 8 月 27 日
終了日:2015 年 9 月 10 日
派遣先団体:IIWC
派遣国・地域:インドネシア・タカラジョ(Tegalrejo)
内容:売春街に暮らす子供たちと触れ合う
見本を見せたり、手伝ったりすることでクラス全員が
作品を完成させることができた。
(1)活動内容
私たちが二週間居住した建物の一階部分を地域の子
供たちに開放しており、やって来た子供たちとおもち
ゃで遊んだり、絵を描いて遊んだりした。また、建物
の前の通りでボール遊びをしたり、かけっこをしたり
した。
訪問した小学校の校長先生が私たちを自宅へ招待し、
昼食を振る舞ってくださった。その後日が暮れるまで
現在タカラジョの子供たちが置かれている状況や、子
供たちの教育、
将来についてのお話をしてくださった。
初めて耳にする現状に多くのメンバーが涙を流してい
た。父親を持たない子供は戸籍が持てず、学校にすら
受け入れてもらえないということ、校長先生はそのよ
うな子供を積極的に受け入れていること、現状を打開
する方法はあるはずだから落ち込んではいられないこ
となど、多くのことを教えてくださった。
子供達二十人程と一緒に遠足へ行った。弁当を持参
するように知らせておき、持ってこられない子のため
に前日の夜にわかめおにぎりを作っておいた。当日は
二台のバスで寺に向かった。観光地であった様子で、
多くの観光客で賑わっていた。五つの寺が丘の上に点
在しており、その内の三つを巡った。暑さと急斜面の
せいで多くの子が疲れた様子であったが、年上の子が
年下の子の手を取り、励ましながら坂を登っていたの
が印象的だった。また、丘の上からの景色がとてもき
れいだった。
今回の現地の受け入れ団体である IIWC のオフィス
で例年行われているチャリティイベントに参加し、舞
台で「ようかい体操第一」と「恋するフォーチュンク
ッキー」の二曲のダンスを披露した。また、舞台に上
がり自己紹介をする際に、私を含め数人が持参した日
本の伝統の衣装の浴衣と法被を披露した。
子供たちの協力を得てペットボトルを集め、土と植
物の種を入れてプランテーションを行った。各自で育
てるように言い、家に持って帰ってもらった。子供た
ちに任せきりにするのではなく、継続して様子を伺う
必要があるという意見が出て、次に訪れるワークキャ
ンプ参加者に伝え、お願いする形となった。
地元の小学校を二日にわたり訪問し、一日目は警察
による交通ルールの授業を行い、二日目は工作の授業
を行った。私たち日本人はインドネシア語が話せない
ため言葉によるコミュニケーションを取ることは難し
かった。しかし、工作の授業であったため、作り方の
タカラジョを離れる日、近所の人々に手作りの巻き
ずしを配り、感謝の意を伝えた。子供たちも食べてい
たが、海苔が苦手という子がいた。
41
子供たちにはパンケーキを作り、日本から持ってきた
チョコペンで各自絵を書いて食べてもらった。お別れ
会という形ではあったものの、子供たちは知らない様
子であった。しかし、皆喜んで食べてくれ、最後の時
間を楽しく過ごせた。
(4)身についたこと
異文化を受け入れ、順応する能力
知らないこと・初めて出合う物事に対する探究心
言葉の壁がある中でもコミュニケーションをとる能力
集団の中で生活し、協力し合う能力
(2)特筆すべきエピソード
現地の子供の誕生日会に参加させてもらうことがで
きた。ご飯の上に色とりどりのせんべい・味付けされ
た小魚・大豆を炒めたテンペイをのせた、誕生日に振
舞われる料理をいただいた。子供の誕生日を皆で祝う
風習に参加し、伝統の料理を味わうことができ、非常
に良い経験となった。
(5)
「グローバル人材」像
母国とは全く違う文化を持つ国においてでも環境に
順応し、どんな状況であっても積極的かつ楽しんで活
動を行える人材。
今回このワークキャンプに参加し、日本人リーダーが
環境に順応し、
積極的に文化を受け入れる姿勢を見て、
彼女のような人こそがグローバルな人材と呼ばれるに
ふさわしい人であると実感した。
(6)後輩へのメッセージ
私自身海外での長期滞在は初めてで、飛行機にちゃ
んと乗れるか、現地の食べ物は口に合うか、体調を崩
さないか、などと本当に不安でいっぱいでした。しか
し、いざ現地に行ってみると、そんなことを考えてい
る暇がない程学ぶことや考えるべきこと、楽しいこと
や新たな発見があり、あっという間に時間が過ぎてい
きました。現地に行き、身をもって体験する文化・活
動は格別です。
もちろん大変なことは沢山ありますが、
自分の価値観や考え方に影響を与えるような、刺激的
な体験ができるはずです。ぜひ一度思い切って参加し
てみてください。
チャリティイベントに参加した日、舞台に上がる前
に控室で待機をしていた際に、同じく待機していたバ
ンドグループが嵐の「love so sweet」やその他数曲の
日本の曲を演奏してくれた。彼らが日本の曲を知って
いたこと、そしてその歌声が素晴らしかったことに感
動した。
以上
(3)苦労したこと
私自身は左利きであるが、インドネシアでは食事の
時と握手をするときには必ず右手を使わなければなら
ないという風習があり、二週間意識して右手を使うの
に苦労した。
生活様式、
特にトイレや入浴の方法が日本と異なり、
苦労した。水を浴び、入浴とするマンディは、夜に浴
びたため寒くてなかなか慣れなかった。
公用語がインドネシア語であったため、現地の子供
たちが何を言っているのかが分からず、コミュニケー
ションを図るのが難しかった。
乾燥した気候の中で生活しており、疲れがたまって
きた後半に喉の具合を悪くし、
風邪を引いてしまった。
42
経済学部 現代ビジネス学科 2 年
林 優里
開始日:2015/8/3
終了日:2015/8/15
派遣先団体:AVAN
派遣国・地域:ラオス・バンビエン
内容:施設の建設、子供たちにコンピュータと英語を
教える
(1)活動内容
2 日目に子供たちに英語を教える班とコンピュータ
を教える班に分かれ、毎日の料理の班も決めました。
主に午前中は施設の建設のため、石や土をバケツに入
れて運びました。その後、運んできたものにセメント
を混ぜ、ブロックに塗り、積み重ねていく作業をしま
した。
のちに、
ごみが散らかって異臭がすることから、
ごみ置き場も建設しようということになり、同じ作業
を繰り返しました。午後は、子供たちと触れ合いまし
た。私はコンピュータを教える班だったので、一度も
コンピュータを使ったことのない現地の子にキーボー
ド、マウスなどの名前から教え、電源のつけ方消し方
などを教えました。毎日最初の数十分間はタイピング
のゲームからやってもらいました。そのあとに Word
を使って自己紹介の文章をタイピングし、その子の写
真を撮ってあげて画像を Word に挿入するやり方も教
えました。
最後にはプリントしてプレゼントしました。
それが終わった子にはまた Word で、
今度は表の挿入を
教えました。その後は、Excel に入り基礎的な計算問
題をやりました。生徒がいないときは現地の小さい子
供と外で走り回ったりして遊びました。
(2)特筆したエピソード
~コンピュータチーム~
コンピュータを教えた子はほとんど英語が通じず、言
語の壁を最初は感じましたが、ゆっくり身振り手振り
や、絵を書いたりして通じ合いました。言葉より伝え
たい気持ちが大事なのだと感じました。
~クッキングチーム~
料理が得意ではないのに間違えてクッキングリーダ
ーになってしまい、どうしようかと心配でしたが他の
子たちがサポートしてくれたので助かりました。びっ
くりしたのは、親子丼を作ろうと思って、鶏肉を買っ
てきてほしいと頼んだら、1 羽丸ごと皮だけ取られた
鳥が入っていて、
現地の人がさばいてくれたのですが、
とても見ていられなかったです。その上、骨だらけで
まったく食べられませんでした。醤油も日本のと味が
違うので、日本の味を出すのは難しかったです。
~文化の違い~
文化の違いで韓国人ともめることがありました。異国
の国の人と接するときには言動や行動に注意したほう
がいいなと思いました。
~お寺~
現地のスカートをはいてお寺に行ってきました。
(3)苦労したこと
生活面ではとても苦労
しました。まず、初日
に宿泊施設を見たとき
はびっくりしました。
いたるところに大嫌いな虫がたくさんいました。蛇口
はありますが、そこからは水が出ず、トイレの横に水
43
をためておく所があり、そこから水をくんでトイレを
流したり、シャワーを浴びたりしたのです。最初のこ
ろは、水も冷たいし、虫もたくさんで悲鳴を上げてい
ました。またキッチンは外にあり、すべての食材に虫
がたかっていました。料理は辛いものが多く、食べら
れないものも多かったです。最初は現地の人が手で食
べているのも抵抗がありました。最終的には慣れまし
たが、毎朝おなかが痛くて目が覚めました。現地の人
と同じように生活をするのはとても苦労したことです。
コミュニケーションの面では心配はしていなかったの
ですが、やはり細かなニュアンスなど伝わりきらない
ところがあり、辛かったです。もっと勉強しようと思
えました。
(4)身についたこと
日本で生活している私たちがどれだけ贅沢で、無
駄が多いかを身に染みて感じました。私たちは水も
必要以上に使い、食べ物も食べられるところまでご
みにしてしまっていると思いました。そして、現地
の人の学ぶ意欲と覚える速さはとてつもなくすごか
ったです。日本にいる私たちは学べることが当たり
前だと思っています。学校面倒くさいといってサボ
ることもあります。しかしラオスでは学べることが
当たり前ではない、どんなことでも一生懸命覚えよ
うとする姿が印象に残っています。自分のしっかり
学ぶ意欲をもって頑張ろうとラオスの人たちに思わ
されました。また、どんな時でも周りの人を大切に
し、幸せなラオス人を見て、小さなことで悩んだり
する自分も情けなく思いました。生活面では苦労し
たけれど、どんな環境でも人間すぐ慣れるのだなと
実感しました。今ではどこに行っても生活していけ
る気がします。2 週間続けられたのは何より、現地
の人がとっても温かく優しい、そして頭がいいので
す。いろんなものを作れるし、直せるのです。そん
なラオス人の人たちと 2 週間過ごせたことは一生の
宝物です。来年もぜひ訪ねたいと思います。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
グローバルな人材と聞くと色んな国の言葉が話せて、
たくさんの人と会話して、というイメージでした。も
ちろん言葉が話せることは大事だと思います。でも言
葉はなくても、時間がかかるけど伝えることはできる
のです。そう考えたときにグローバル人材とは、他の
国の生活に入り込んで、その国の人が本当に必要とし
ている助けを知り、助けてあげることだと思います。
どんなに自分の国の文化と違っても否定せず、受け入
れられる人がグローバルな人材だと思います。そして
同時に自分の生まれ育った国についても海外の人に伝
えられる人、日本がどんな国でどんな特徴のある国か
伝えられる人だと思います。
(6)後輩へのメッセージ
私は、ただ海外に行きたいと思い、特に何も考えず
にこのワークキャンプに応募したので、旅行気分でワ
クワクしていたのですが、正直最初の数日間はつらく
て帰りたいと嘆いているほどでした。しかし、この経
験から得るものは一生ものだと思います。自分たちが
普通だと思っている生活に感謝できたのもこの経験を
したからです。そして自分もラオスの人のように温か
い人になりたい、そしてもっと学びたいと思えたのも
この経験からです。この 2 週間で色んな葛藤があった
44
けれど、最後には本当に行ってよかったと思えると思
います。
最終日のパーティーの写真&ラオス人にあげたメッセ
ージ入りの私物
以上
45
経済学部 経済学科 2 年 14C2418 番
福島七美
開始日:2015/8/3
終了日:2015/8/16
派遣先団体:NICE
派遣国・地域:ラオス バンビエン
内容:施設建設、子供たちにコンピュータ、英語教育
(1)活動内容
ラオスの現地の大人や、ボランティアの方々と一緒
に2週間過ごした Youth Center にもう一つ施設を建
てるためのお手伝いをしました。
あと、Youth Center に遊びに来る子供たちのため
に年齢別でクラスを分けて、英語教育をしました。あ
と、10歳以上の子供たちの希望者には、コンピュー
タの Excel と Word を教えました。また、現地の人に日
本食を披露しました。
(2)特筆したエピソード
初めてラオスに着き空港のパスポート検査では、な
かなか通させてもらえず、彼らには英語が通じず大変
でした。
やっと空港から出て、右も左も分からないまま、首
都のビエンチャンまでは距離があったので、ひとまず
タクシーに乗りました。タクシーの運転手にゲストハ
ウスの名前を言うとすぐに連れて行ってくれました。
到着してみると全然違うゲストハウスで、到着初日か
ら色々とハプニングが多かったです。
(3)苦労したこと
私はラオスに行こうと思ったきっかけは、聞いたこ
とのない国に行ってみようと思ったからで、その国に
ついて全然調べて行っていませんでした。
初めてラオスに着いた時はたくさんの衝撃を受けま
した。
まず2週間滞在した Youth Center にはお風呂があ
りませんでした。
その代わりにこのトイレの中でシャワーを浴びます。
46
日本人の人たちといる時間をわざと少なくして、英語
でしか話せない環境に自分を追い込んだりしました。
人間は窮地に立たされると何とかなるもので、つたな
い英語で一生懸命自分の気持ちを伝えました。そうす
ると今まで変な英語で相手に伝わらなかったら嫌だな
と思って話せなかった自分が、積極的に周りの外国人
に話せるようになっていました。
「変われた!」と思え
た瞬間でした。
そのおかげでワークキャンプの仲間とも親しくなれ
たし、現地のラオス人とも仲良くなれて、今では週に
1回 SNS でやりとりをしています。
水はこの右側にある大きな樽で洗います。この水は地
下から汲んできたり、川から汲んできます。ちなみに
この水でトイレも流します。暖かい国といっても私が
行ったのは雨季だったので、雨上りは気温も低く、水
で体を流すのには苦労しました。
就寝時には、持ってきた寝袋で寝るのですが、朝起
きると足や腕が蟻に噛まれていて痛かったです。また
衛星面もまだしっかり整っていない部分もあり、毎朝
5時に腹痛との戦いでした。ですがトイレとシャワー
が同じため、朝にシャワーを浴びている人がいたら、
トイレを我慢しなければいけないので、それは本当に
辛かったです。
(5)クローバル人材とは
怖がらずに一歩が踏み込めるか。ではないかと思いま
す。ボランティアやりたい!でも勇気が出ない。まず
はそこからだと思います。そこで申し込む勇気が出た
ら、クローバルな人材に一歩近づくんじゃないかなと
思います。そこから海外にボランティアへ行く。今度
は、そこで怖がらずに積極的に話せるかどうか。その
一歩を踏みだせるかどうかだと思います。ボランティ
アに行くのは、時間がある人なら誰でも出来ます。し
かしそこで何を得るか、どう自分が成長できるか、自
分は何を現地で残してこれるかが大切だと私は思いま
す。
(4)身に付いたこと
元々人見知りはしないほうですが、今回のこのワー
クキャンプを経験して、更にコミュニケーション能力
が高くなったように感じます。普段日本にいる時に初
対面の人と話をするとき、なにも抵抗なく話をするこ
とが出来ます。ですが今回のワークキャンプに行って
気付いたことは、初対面の外国人にうまく話しかけら
れず、会話が続かないということです。また、すごく
周りの人に流されて自分の意見をはっきり言えなかっ
たりする自分に出会いました。
外国人ばかりではなく、
日本人のボランティアの方も私を入れて4人いました
が、ワークキャンプを1年続けている人や、海外留学
経験のある方で、流暢な英語ではっきりと自分の意見
を言えていました。私は初めは、カルチャーショック
に加えて、積極的になれない、自分の気持ちをうまく
英語で伝えれないということに、かなり不安やいら立
ちを覚えていました。でもそんな気持ちのまま2週間
を過ごしたくなかったので、変わろうと決めました。
(6)後輩へのメッセージ
海外ボランティアに行けば、その国はもちろん世
界から集まってきたボランティアメンバーとも仲良
くなり、世界のあちこちに知り合いが出来て、友達
の輪が広がります。
また、新しい自分に出会うことが出来ます。日本に
いれば絶対に分からない自分発見が海外ではできま
す。さらに、自分の中での価値観が崩壊していく瞬
間があります。その時、なんともいえないすごくい
い刺激を受けます。私はこの瞬間が一番好きです。
今まで当たり前だと思っていたことが、海外では全
く通用しなかったり、反対に向こうでは日常的に当
たり前のことでも日本では考えられなかったり…。
想像するだけでもわくわくしませんか?
この経験をこれを読んでくれたあなたにも早く体験
してほしいです。
4年しかない大学生活。あっという間に過ぎると思
います。是非、新しい自分に出会ってください。
47
以上
48
経済学部 国際経済学科 2 年
高倉 想
開始日:2015/8/21
終了日:2015/9/21
派遣先団体: NICE
派遣国・地域 :タイ
内容:農業
しかったです。
蚊がいっぱいいて眠れなかったのを覚えています。蚊
に刺されるのが嫌で全身寝袋に包まって寝ると今度は
暑くて寝られなくてとにかく大変でした。
飲み水が雨水でした。事前にやった説明会でできるだ
け現地の水は買わないでミネラルウォーターを買った
方がいいと言われていたので不安も多かったのですが
タイでは結局一回もお腹壊さなかったので良かったで
す。むしろ日本の方がお腹壊れます。
夜10時寝 朝7時起きというのが結構辛かったです。
タイスタイルではこの早寝早起きが普通らしく、いつ
も寝るのが遅く起きるのが遅い僕には地獄でした。
事前に分かっていたことなのですが風呂はシャワーが
なく温水も出ない状況でした。なので毎日水風呂だっ
たのですが、その水も汲んだら透明に見えるけれどた
まっているのは濁って見えて初日見たときは衝撃的で
した。
(1) 活動内容
伝統ある有機農業のお手伝いをしたり、現地の子供た
ちとサッカーしたりゲームしたりしました。日本語を
彼らに「こんにちは」
「ありがとう」程度ですが教えま
した。また、オカマとバレーボールするなんて機会も
ありました。一般家庭へのホームステイもしました。
(2) 特筆すべきエピソード
タイに行った初日にタイ語でコードネーム的なのをも
らいました。僕は「小さな稲穂」という意味で「ドン
クラァ」という名前でした。これは他にいた背の高い
日本人と比較されてのことでした。他にも海や蟻や魚
などの名前の人もいました。名前をもらえたことはす
ごくうれしかったです。
帰りの飛行機乗り遅れてしまい帰るのが12時間後く
らいになってしまいました。追加で8000円くらい
とられて何もすることがなく途方に暮れていた時にワ
ークキャンプ一緒に参加していたバンコク住みのタイ
人がタイを案内してくれました。その時にバンコクの
ショッピングモールに連れていってもらってタイパン
ツを買ってくれたのがすごくうれしかったです。
フリーの日には船で少し離れた島に行って海で遊んだ
のですが、その海が日本では考えられないくらい綺麗
で透き通っていました。僕自身泳ぎが得意ではないの
で泳ぐのはあんまり楽しめませんでしたが海の上で空
気の入ったシートのようなもので寝たのですがものす
ごく気持ちよかったです。
(4) 身に付いたこと
言語が通じなくてもジェスチャーとかとにかく伝えよ
うとする意志が大事だと思いました。特に笑顔は大事
だと思いました。
家の中にはヤモリとか虫がたくさんいました。農業の
作業は裸足でやったので毎回足が汚くなりました。日
本にいたころはそういうのがすごく嫌でしたが慣れま
した。
英語のスキルがまだ全然ダメですが前よりは身につい
たと思います。以前は英語を話す機会が全くなく筆記
しかほぼ勉強もしてなかったのです。スピーキングを
学ぶにはその語学を話さなければいけない状況になる
のが一番早く上達すると思いました。
(5) 今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
自分から率先して動ける人のことだと思います。ワー
クキャンプ中何事も自分から行動する人がやはり、人
と接したり作業をしたりするのがうまいなと思いまし
た。
(3) 苦労したこと
機内食や空港で食べた飯が辛すぎるし口に合わないの
で初日から泣きそうになりました。でも、日が経つに
つれてだんだんと慣れていき最終日にはタイのごはん
が大好きになっていました。
特にホームステイなのですが、自分はタイ語が分から
ないし向こうも英語も日本語も分からないのでコミュ
ニケーションを取るのが大変でした。でも、何とか伝
えようとすると微笑んだりしてくれてみんなほんと優
(6) 後輩へのメッセージ
今回は大学を通してボランティア参加しましたが、最
短で行って最短で帰らなきゃいけなくて観光を全くで
きなかったのが難点だと思いました。直で応募した人
たちはみんな観光してから帰っていてすごく羨ましか
ったです。もちろん大学から応募すれば海外に行って
いる間自分の管理をしてもらえたり、同じ大学内で行
49
く国は違うけれど同じような志を持つ仲間に出会えた
りするメリットはあると思います。
自分は大学2年になったにも関わらず、資格の勉強と
かも何もしてなくてなにかし始めなきゃ変わんないな
と思って今回のワークキャンプ参加を決定しました。
実際行ってみて自分の中にある価値観と変わったした
くさん得られるものがありました。なによりまたボラ
ンティア行きたいと思いました。
僕自身具体的にやりたいこととか見つかったわけでは
ないけど視野が大分広がったと思うし今回の経験は必
ず将来役立つと思います。僕みたいに将来やりたいこ
ととか見つかってない人はきっかけをつかみに参加し
てみるのもいいと思います。
以上
50
経済学部 国際経済学科 2 年
鮫島 正隆
開始日:2015/8/21
終了日:2015/9/1
派遣先団体:Dalaa
派遣国:地域 タイ トラン
内容:農作業・漁業・家の修復、建築
トファミリーの家を掃除。夜は現地の人々に日本食を
振る舞った。9 月 1 日、最終日。朝からここ二週間で
一番の雨。少し島を出るのが遅れたが無事港へ到着。
トラン市内にてみんなで昼食をとりお別れ。ワークキ
ャンプ終了。
(1)活動内容
8 月 21 日、11 時にトラン駅に集合の予定だったが
トラン空港に変更。メンバー全員揃い港へ移動し活動
地の島へ。15 時ごろにホストファミリーの家に到着。
少し休憩した後最初のボランティア。最初のワークで
は田畑を耕した。一時間ほどのワークの後帰宅。19 時
過ぎ、初めてのタイでの夕食をとった。初めてのタイ
の家庭料理の味に驚いた 22 日、朝は毎日 6 時起床。
寝坊する人多数。朝食はパンとちまき。朝食後初めて
のオリエンテーション。この日のワークは寺院の周辺
の掃除だった。23 日、初日に耕した田畑に水やり。午
後には別の寺院の掃除もした。夜にホームステイ先の
発表があった。25 日から一泊二日で島の人の家にお邪
魔する。24 日、朝食のあと田畑のお世話。午後は小学
校に行き子供たちと遊んだ。25 日、いつものように午
前中は田畑の世話。昼食の後それぞれのホームステイ
先へ。迎えに来てくれる家族もあった。自分は近所の
バンメンの家だった。一緒にワークキャンプに参加し
ていたタイの学生とペアだった。ゴムの木の栽培をし
ている家庭だった。家庭にもよるが基本的に二日間は
もてなしてもらえる。ワークをしたメンバーもいたが
軽いものだった。26 日、
海に行って漁のお手伝い。夜、
バンメンに感謝の気持ちを伝え帰宅。27、28 日、この
日は 24 日と同じ流れ。子供たちはとても元気。室内
でゲームをしたり外でサッカーをしたりした。29 日、
フリーデイ。メンバー全員船でほかの島へ。海で泳い
で楽しんで過ごした。30 日、朝のオリエンテーション
で Final Evaluation を行った。お世話になったホト
51
(2)特筆すべきエピソード
お湯が出ない。洗い物、洗濯、お風呂すべて雨水。少
し覚悟が必要。
雨が降ると基本ワークは行わない。でも雨はよく降
る。現地の人々はとても時間や仕事にルーズ。あまり
張り切らず現地のリズムに合わせること。
飲み水は基本雨水。衛生的に不安になったが問題は
なかった。子供たちと遊ぶ時間はとても楽しかった。
物価は日本の半分以下。礼拝堂がいくつかあり現地の
宗教も様々。
(3)苦労したこと
やはり洗濯やお風呂は少し抵抗があるかもしれない。
あと飲み水も。どうしてもという人は近くのショップ
で水を大量に購入するしかない。そんなメンバーはい
なかったが。
寝るが早く起きるのが早い。生活リズムが崩れてい
る人は注意。
料理の味も独特。
たまにわけわからないくらい辛い。
少しずつ慣れるが辛いのは要注意。
(6)後輩へのメッセージ
トランでのワークキャンプはとてもゆったりして
いて現地の人の生活をまるまる感じることができ
ます。タイの人々は親切な人ばかりでとくに島の
人々は本当に優しくまたここに来たいと強く感じ
ました。行き当たりばったりなことも多く情報不
足に感じることもあると思いますがそういうとき
に自分が何をすべきか考えさせられます。小さな
島の中で形成されている独特な地域社会なのでそ
こから学ぶこともたくさんあるでしょう。自分に
とってこのトランでの二週間は全てが大きな財産
になりました。皆さんも一つでも多くのことを学
んでやるという姿勢でぜひ楽しんで参加してほし
いです。これを読んでいる人の中にはワークキャ
ンプに参加する目的をまだはっきり持っていない
人もいるかもしれないし参加することを迷ってい
る人もいると思います。そんな人たちこそこのタ
イのワークキャンプに参加してほしいです。必ず
行ってよかった、参加してよかったと思えるワー
クキャンプだと思います。勇気を振り絞って応募
してください。
(4)身に付いたこと
環境への適応力はかなりついた。住めば都ではない
が意外とすぐに慣れる。自分自身潔癖なので少し不安
だったが大丈夫だった。
英語力、というか英語で話す勇気がついた。英語力
自体は大きくは変わってないと思うが英語で積極的に
コミュニケーションをとろうとする力がついた。アジ
ア圏の人々の英語は聞き取りやすいのでとても良い経
験だった。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
ワークキャンプ先ではすでに様々な場所で経験を積
んでいるメンバーも多くいたそうした人たちからたく
さん話を聞いたがどの人にも共通していたのが「クセ
のある」人だった。それぞれワークキャンプを続ける
深い理由や強い思いを持っていた。またコミュニケー
ション能力が高いのも特徴だった。
「グローバル人材」
像と言えるかは分からないが、自分を強く持っていて
目標設計がしっかりしていること、高いコミュニケー
ション能力を持っていることが今のグローバル社会、
様々な国で活動するうえで大事なことなのではと感じ
た。
52
以上
国際文化学部 国際文化学科 2 年
松井 一樹
開始日:2015/8/26
終了日:2015/9/3
派遣先団体:NICE
派遣地域:岩手県紫波町
内容:小中学生への国際理解のための授業運営、農業
体験など
めて強い精神は国境を超えると感じました。また、博
物館から帰る途中にチェコ人男性から聞いたヨーロッ
パの美しいことわざも強く印象に残りました。
他にも学校訪問の際披露してもらった小学生の合唱
や紫波町の美しい景色には国籍問わず参加者誰もが感
動するほどの力がありました。
(1)活動内容
8/26 歓迎パーティー
8/27 水分農業体験、ブドウ農園の葉摘み、空手交流
8/28 被災地(大槌町)復興ツアー、ホームステイ
8/29 ホームステイ、博物館・SL 見学
8/30 ホームステイ、観光、学校訪問打ち合わせ・練
習
8/31 中学校訪問、空手交流
(3)苦労したこと
ワークキャンプで最も苦労したのは
「英会話」
です。
他の日本人メンバーに比べて自分の英語力は乏しく、
なかなかスムーズに伝えたいことを伝えきれませんで
した。特に被災地復興ツアーではガイドの通訳が産休
中でいなかったため、語りべさんの強い想いを英語で
他のメンバーに伝えるのが難しく感じました。
それ以外にも文化的なお話などは単語が出てこずに、
英語で話すのが大変でした。自分の英会話力のなさに
驚きました。
【写真1 中学校訪問の様子】
【写真2 被災地復興ツアーの様子】
9/1 小学校訪問、図書館見学
9/2 水分農業体験、さよならパーティー
9/3 片づけ、帰宅
(4)身についたこと
このキャンプを通して身についた、というよりは再
確認したのがコミュニケーション能力の大切さです。
このキャンプで英会話力が急激に向上したとは思って
いません。しかし、外国の方とコミュニケーションす
る能力は向上したと思います。外国の方とコミュニケ
ーションするのに最も大切なのは語学力でなく広い意
味でのコミュニケーション能力とコミュニケーション
をとろうとする意志だと思います。
共にキャンプに参加したロシア人女性はこう話して
くれました。
「日本に来るまで、日本人は英語を話せず
話そうともしないと思っていた。でもそれは固定観念
にすぎず、実際は他のキャンプメンバーはもちろん、
紫波町の人々も英語や身振り手振りでコミュニケーシ
(2)特筆すべきエピソード
紫波町の皆様が私たちに対してとても温かく受け入
れて下さったこと。そしてそこで触れることのできた
美しい人・景色・考え方。特にホームステイ先の農家
の方は、ステイ中いかに僕らが快適に過ごせるか考え
て下さり、乳頭温泉や平泉の観光にも連れて行って下
さりました。ホームステイは外国人と日本人一人ずつ
がペアとなりました。私とペアになったチェコ人男性
は宮沢賢治博物館に行った際、賢治の「雨ニモマケズ
(Strong In The Rain)
」に感銘を受けていました。改
53
ョンをとろうとしてくれるのね。日本に対する印象は
完全に変わったわ」
。つまりそういうことなのです。学
力的に英会話能力があるだけで、話そうという意志が
なければ宝の持ち腐れ。英語はほとんどわからなくて
もコミュニケーションをとろうという姿勢をみせれば、
少なくとも相手は聞く姿勢を見せてくれます。それと
同じように自分も英語が苦手だとしても相手の話を聞
こうとする姿勢が大切になってきます。
こういったコミュニケーション能力はコミュニケー
ションをとろうとする姿勢を示すだけで英語力よりも
簡単に手に入れられます。しかし、これがコミュニケ
ーションの中では最も大切なのだと改めて感じました。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
私が思う「グローバル人材」像はやはり面と向かっ
た一対一のコミュニケーションの上に立つものと考え
ます。某家電取扱店で見た標語を引用させていただく
と「1 人のお客様を失うことは 100 人のお客様を失う
ことにつながる」とありました。これは国際交流の場
にも言えることだと思います。すなわち「1 人の外国
人の日本に対するイメージの変化は 100 人の外国人の
日本に対するイメージを変えることにつながる」と思
います。
例えば、上記の今回キャンプに参加したロシア人女
性の日本人に対するイメージは良い方向に変わったと
理解していいでしょう。そうすると彼女は帰国後、母
国で日本について尋ねられた時に良いイメージを語る
でしょう。こうして間接的に(ぴったり 100 人かどう
かはさておき)多くの人が日本に対するイメージをい
い方向に変えていきます。こうした連鎖はマスメディ
アなどを通じて得る情報よりも強い印象を人々に与え
うるでしょう。しかしこの現象は悪印象の場合もしか
りなので注意が必要です。
つまり一対一のコミュニケーションでも外国人の日
本に対するイメージに責任を持てる人が「グローバル
人材」に必要な条件だと思います。これは簡単そうに
見えて以外に難しいです。上記の「グローバル人材」
像はキャンプ前から私の考えにありましたが、実際に
コミュニケーションをすると、主に文化や思想の面を
英語で説明するのが困難に感ぜられました。文化や思
想こそ外国人に正確に伝えるべきですが、これらは英
語力はもちろんのこと、自分自身が文化や思想を深く
理解していないと説明出来ません。しかし、困難だか
らといって説明を回避することは出来ないのでなんと
かして相手にある程度の正しい理解をしてもらわなけ
ればなりません。説明は困難かつ面倒ですが、日本人
としての責任なのでしっかりとするべきです。
(6)後輩へのメッセージ
ワークキャンプに限らず国際交流をする方にお願い
したいのは日本人の代表であるという意識を持っても
らいたいということです。
あなたの言動一つで数十人、
数百人もしくは数千人の外国人の日本に対するイメー
ジが変わるかもしれません。それなりの責任感を持っ
て国際交流をしてください。
ただし、恐れる必要はないと思います。私のように
英語力に自信のない方でもワークキャンプは姿勢一つ
で有意義なものにすることが出来ます。相手に対して
心を開いて、意志疎通しようと努力し続けることが大
切です。想いは言語の壁を越えて相手に届きます。
【写真3 集合写真 ブドウ農園にて】
以上
54
国際文化学部 国際文化学科 1 年
小嶋 鈴乃
開始日:2015/9/4
終了日:2015/9/14
派遣先団体:里山自然学校こまつ滝ケ原
派遣国・地域:石川県小松市上麦口町
内容:草刈り、フェンスペイント、地元の方々との交
流パーティーの準備・運営、学童訪問
(1)活動内容
11 日間のワークはつた草狩りとフェンスペイント
がメインでした。前半は天気に恵まれず、ほとんどが
田畑の周りのつた草狩りや神社の雑草とりで、レイン
コートと長靴をはいて作業を行うことが多かったです。
後半は晴れたので、イノシシ除けのフェンスにペイン
トをしました。また、初の試みだという地元で採れた
野菜や米の即売会の運営に参加し、そのあとに地元の
方たちが私たちのために開いてくださった歓迎パーテ
ィーのお手伝いもしました。近くの小学校の学童訪問
をした日もありました。最終日前日には、地元の方た
ちと神社での儀式に参加して、参拝の方法やまつられ
ている神様の話を聞かせていただき、外国人だけでな
く日本人も初めての貴重な体験をたくさんさせていた
だきました。その日の夜は私たちから感謝の気持ちを
込めて、各国の料理を手作りし、地元の方を招待して
交流パーティーをひらきました。
フェンスペイントの様子・ペンキを洗っていると
ころ・即売会 です。
55
(2)特筆するエピソード
最初はプログラムの内容からしてあまりいろんな人
と交流できないかもしれないなと思っていましたが、
さまざまなワークを行うなかで、メンバー同士の交流
はたくさんありました。ワークでは高いフェンスを越
えるときに支えあったり、協力して雑木を切ったり、
ペイントの絵を描くときにアイデアを出し合ったりな
どです。夜は自分の国の文化(食事や交通事情、気候
等)
、好きな音楽、友達や恋愛の話などなど、ほぼ毎日
メンバー全員で話をしました。フランス人のメンバー
に恋愛とファッションのアドバイスをしてもらったこ
とがすごく印象に残っています。フリーデイはみんな
で金沢観光をし、金沢 21 世紀美術館や兼六園、ひがし
茶屋町など色々なところを紹介してまわりました。最
後のカラオケは大盛り上がりでしたし、洋楽にもっと
興味がわきました。
さらに、滞在中は地元の方との交流もとても多かっ
たです。パーティーで、私たちにご自身の仕事のこと
やお子さんのこと、今の夢などたくさんのことを語っ
てくださいました。普段お話しする機会の少ない世代
の方たちだったので、
とても新鮮で貴重な時間でした。
手作りのケーキや押しずしを持ってきてくださる方や、
ご自身は休日なのに、ワークの手伝いをしてくださる
方もいらっしゃいました。また、シャワーを貸してく
ださった方たちもいらっしゃり、ワークキャンプは地
元の方たちの心遣いなしではなしえなかったと思いま
す。
てからはそんなに大変ではなかったです。
(4)身についたこと
食事は当番制、洗濯、掃除はすべて自分たちでおこな
ったので、自律性が身についたと思います。また、た
とえば自分でトイレが汚いなと気が付いたら担当など
はなくても掃除をするなど自主性も身に付きました。
また、たくさんの人との共同生活を通して、たとえ文
化の違いがあっても、相手の気持ちを尊重したり、笑
顔で過ごすことが大事などの基本的なことだけれど、
大切なことに気づきました。帰ってきてからは、以前
よりも周りの人に対して笑顔で接することができるよ
うになりました。アルバイト(塾の講師)でも、生徒に
対して何が必要か、どう接していけばいいのかを深く
考えるようになりました。苦労したことの一つではあ
りましたが、英語が下手だったおかげで、伝えたいこ
とをあいまいなままにしてお互いが納得できないくら
いなら、きちんと自分の気持ちを伝えようというよう
に思うこともできました。
自分が一番得たものは、さまざまな考え方をできるよ
うになったことです。色々な国の文化について、さま
ざまな世代の方の話を聞くことができました。今まで
普通だったことが普通でないことだったり、逆に自分
にとっては驚くようなことが相手には普通のことだっ
たりと、自分の世界が一気に広がりました。
チャリティーT シャツを着た時・学童訪問・各国
料理のひとつ です
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
どんな人とも分け隔てなく接することができる人だ
と思います。今回のワークキャンプに参加して様々な
国籍の人にふれたことで各国の文化を知り、様々な年
齢の人にふれたことでたくさんの価値観や考え方があ
ることを知りました。その中には、自分がなるほどと
思えるものや、自分とは違うなと思うものもありまし
たが、そのように色々な考え方を持つ人に対して分け
隔てなく接することができる人は、そこから学ぶこと
はきっと多いと思うし、どんな人とも先入観や偏見を
持つことなく付き合っていけると思います。また、笑
顔は万国共通の感情表現で、メンバーと笑いあって仲
良くなったり、ありがとうに気持ちを伝えたり、様々
な場面でプラスの方向に力を発揮してくれます。笑顔
で過ごすこともとても大切なことでした。そのような
人が、世界に対して行動していけるグローバル人材だ
と思います。
(3)苦労したこと
一番苦労したのは、英語で話を相手に伝えること
です。とっさに単語が出てこなかったり、文法が
めちゃくちゃだったり、発音がよくなくて「え?」
という顔をされてしまうこととが何度かありまし
た。身振り手振りや、スマホで検索した画像を使
って理解してもらうことはできましたが、逆に相
手の言っていることが聞き取り切れないこともあ
り、英語がもっとできたら、と思う場面が多かっ
たです。
体力的には体力づくりをしていったので、つらいと思
ったことはあまりなかったですが、朝晩と日中の気温
の差と慣れない寝袋での睡眠に最初は苦労しました。
3日間くらいは悪夢を見て目覚めました、
、
、
。
慣れてき
56
雑草取り後、神社の前にて
(6)後輩へのメッセージ
国際ワークキャンプということで、自分とはバックグ
ラウンドの異なる人たちと長い間生活を共にすること
で、お互いの文化の違いに対して大変だなとか、正直
つらいなと思うこともありました。しかし、バックグ
ラウンドは違えど、同じ 10 代、20 代の同世代の仲間
であることには変わりありません。恋愛の話や友達の
話、学校やアルバイトの話などはすごく盛り上がりま
す。日本にもすごく興味をもっていて、たくさん話し
かけてきたり、質問したりしてくれました。そんな中
で、自分たちには共通点はたくさんあるし、共感でき
ることだってとてもたくさんあるのだということがわ
かりました。だから、普段はあまり使わない英語をた
くさん使ってたくさんのことを学ぶいいチャンスだと
思って、笑顔で、仲良くなろうという気持ちを大切に
してください。もちろん、英語の勉強はしっかりやっ
ていくことをお勧めします。
また、滞在は地元の方の力がなくては成り立たないも
のです。私達の見えるところでも、見えないところで
もたくさん協力してくださっています。必ず感謝の気
持ちを忘れないでください。地元の人と仲良くなった
らたくさん話をしてくださるし、
「ありがとう」と言っ
てくださった時はとてもうれしかったです。得られる
ものがたくさんあると思います。楽しむ気持ちをもっ
て、頑張ってください。
以上
57
国際文化学部 国際文化学科 2 年
杉山 舞
開始日:2015/8/2
終了日:2015/8/18
派遣先団体:塙望舎
派遣地域:福島県塙町
内容:大型灯篭を制作・灯篭祭りを補佐
(1)活動内容
福島県の塙町という地域で約 2 週間の集団寝袋生活
だった。はじめは日本人でキャンプステーションの掃
除をしたり、竹を切ったりして日本人同士の交流を深
め、二日後に外国人のメンバーと合流した。それまで
は日本語だったが外国人が来てからは英語に切り替わ
った。ウェルカムパーティをした後、早速班を決めて
それぞれどんな灯篭を作るかのミーティングとプレゼ
ンをした。全員で 16 人のメンバーのうち、私たちの班
は、日本人 2 人、カナダ人、ロシア人の 4 人になり、
地球儀を作ることになった。職人さん達と話し合って
そのあとは詳細を決めた。私たちの班は形が簡単だっ
たので職人さんたちも賛成してくれたが、難しい形は
なるべくやめたほうがいいと思う。私たち地球儀以外
の班も、ふなっしーだったり、ぐでたまだったり、デ
ィズニーキャラクターのニモだったり、あまり形が難
しくないものになった。そのあとは角材と割った竹で
土台を作り、和紙を貼ってペイントをして点灯の確認
作業をした。ほとんど職人さんたちの力を借りずに自
分たちで作業するので問題が起きたり失敗することも
あったが、
そのたびに話し合って今後の方針を決めた。
チームワークが良く、どこの班も同じくらいの速さで
進み、例年よりゆとりをもって完成させることができ
た。例年はワーク時間のほかに残業で夜も作り続けた
り、フリーデイが作れなかったりする年もあったらし
い。
私たちは灯篭づくりのほかにもクッキングチームを
作り、4 人1グループで交代でご飯を作っていた。基
本は日本人が何を作るか決めていたが、スペインやオ
ランダなどいろいろな国から集まってきていたので、
他国の郷土料理を食べることもできた。また、地元の
方々からの好意で、野菜や果物が届く日もあってとて
も感謝していた。福島県の新鮮な野菜や果物を味わう
ことができた。また、外国人と日本人がペアとなって
福島県の塙町やその周辺の町の家庭に 2 泊 3 日のホー
ムステイをした。
私は台湾人の 19 歳の女の子とペアだ
った。
ホストの方々はあまり英語を話さなかったので、
すべてではないができる限り話していることを通訳し
てお互いが楽しめるようにすることができたと思う。
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私たちのホストは、8 年間受け入れを経験していると
ころで、1 日かけて福島や茨城などにドライブへ連れ
て行ってくれた。お城へ行ったり、日本三名瀑の滝を
見に行ったりと日本人にとっても刺激的で楽しかった
2 泊3 日だった。
ホームステイから帰ってきたあとは、
一日フリーデイだったのでみんなで温泉へ行きリラッ
クスした。
全体として、灯篭づくりだけに夢中になるのではな
く、プログラムで浴衣を着る体験ができたり、和太鼓
を教わる体験があったり、地元のお祭りを回ることが
できたりと地域に密着して取り組むワークキャンプだ
った。地域の方々は親切で、フレンドリーだったので
お互い気軽に話しかけることができてとてもいい雰囲
気の町という印象だ。キャンプのメンバーも、助け合
って活動していて、自分がクッキングチームじゃなく
てもみんなで積極的に手伝っていたのでその空気づく
りがとても大事だと思う。誰か特定の人が手伝ってい
るというよりは、みんなまんべんなく料理以外にも洗
濯や準備にとりくんでいた。ただし、一人、イタリア
人の 51 歳で最高年齢だった男性の方が、
みんなと意見
がぶつかり合う機会が多く、キャンプが終わる直前に
先に帰ってしまった。そういう人をなくすことは難し
いけれど、もっとしっかり話し合って改善できたので
はないかというところが反省点だ。しかし、ほかのメ
ンバーとは、グループ同士で固まることもなくみんな
で仲良くなることができた。最後のお別れのときは泣
いてしまうほど密度の濃い 16 日間だった。私は、何人
かと今もSNSで連絡を取り合っている。
(2)特筆すべきエピソード
私が考えるみんなと仲良くなれたきっかけは、毎晩
の夕食後のおしゃべりの時間だと思う。みんなでお酒
を飲みながらゲームをしたり、話し込んだり、寝袋を
外に出して天体観測をしたり、近くのセブンイレブン
まで散歩したり、
みんなでいる時間がとても多かった。
日本人同士と話すときは日本語を使っているときもあ
ったが、途中から日本人とも英語ではなすように改善
した。そのほうが外国人たちが疎外感を感じなくなる
し、自分の語学力の上達にもなった。私の場合、もと
もと語学力があったわけではないが、英語に慣れるこ
とによってだんだん英語を使うことが楽しくなってい
った。
(3)苦労したこと
私が今回のキャンプで苦労したのは、自分がクッキ
ング担当になった時だった。普段自炊をしていないと
メニューが思いつかなかったり、予算がもう使えない
というときにあまりものでご飯を作るといった案を出
す、というのに苦労した。行く前にある程度自分が作
れるレシピをリストアップしておくと、よりスムーズ
に作ることができたのではないかなと思う。
(4)身についたこと
語学力というより、柔軟性が身についた。今回のキ
ャンプでは誰一人英語のネイティブがいなかったので、
あまり間違いなどを気にせずに話すことができた。そ
れはおそらく外国人も同じで、間違っていても意味が
伝われば会話が成立するので、話をよく聞いて、相手
が今何を伝えようとしているのか考えて予測しながら
会話していた。
(5)今回の経験を経て感じる「グローバル人材」像
私の考える「グローバル人材」とは、多国籍が集ま
ってそれぞれ特徴がある中、協調性を持ちつつ、日本
人であることを忘れない人こそがグローバルな人材な
のではないかと考える。なぜなら、確かにみんなが主
張しあっては話ができないが、それは意見を出すのを
やめるとかいう「個をなくす」という意味ではなく、
自分(日本人)の意見を主張しやすくするために協調
性を持つことが大切だということを今回のキャンプで
学んだからである。また、日本人であることを忘れな
いでいれば、自分を強く持つことができるし、相手も
自分を知ろうとしてくれるので相互理解が強まるから
である。言語の壁を超えてお互いの理解を深めること
ができるのが私の理想の「グローバル人材」だ。
(6)後輩へのメッセージ
間違いを恐れずに、
言語の上達よりも相手のことを
理解するつもりで話したほうが、
仲良くなれると思い
ます!このキャンプで一生の仲間を見つけてくださ
い。
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以上
発行
2015 年 10 月
編集
法政大学 グローバル教育センター事務部 グローバルラーニング課
Tel.
03-3264-4088
E-mail
[email protected]
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