...

2003年9月 第336号のPDFをダウンロード(1.0MB)

by user

on
Category: Documents
122

views

Report

Comments

Transcript

2003年9月 第336号のPDFをダウンロード(1.0MB)
News
JIKEN CENTER
自研センターニュース
9
SEPTEMBER 2003
平成15年9月15日発行 毎月1回15日発行(通巻336号)
昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
C
O
N
T
E
N
T
S
テクノセミナー:ホンダ CMSブレーキ ・・・・・・2
リペアリポート:三菱 グランディス インスツルメントパネルの
脱着作業について ・・・・・・・・・・5
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・・9
リサーチング ザ スケルトンズ:スバル レガシィ
(BL5/BP5系)・・10
リペアインフォメーションS:日産 キューブ(Z11) ・・12
指数テーブルマニュアル作業項目の解説 _ 44 _ ・・14
輸入車インフォメーション:メルセデス・ベンツ
Cクラススポーツクーペ(203系)の
合成樹脂部品の補給形態 ・・・・15
ヘッドランプの修理について ・・・・・・・・・16
お客様相談室レポート:比較的質問の多かったQ&A・・18
バリアショット一般公開のお知らせ ・・・・・・18
第16回自研センター「一般提案」結果報告 ・・・19
自研センター来訪者一覧 ・・・・・・・・・・・19
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
別冊 新型車情報:日産 プレサージュ
1 ∼□
8
(U31型系) ・・□
TECHNO SEMINAR
テクノセミナー
ホンダCMSブレーキ
1. はじめに
本田技研工業(株)
は、2003年6月に新しいブレーキシス
テム
「CMSブレーキ」を新型インスパイアに採用しました。こ
乗員拘束力を高めるシートベルト制御や、衝突前のブレー
キ制御による速度低減などにより衝突した場合の被害を軽
減します。
の世界初のブレーキシステムは衝突を未然に防ぐことを主
とする一次安全(アクティブセーフティ)
と衝突時の傷害軽減
を主とする二次安全(パッシブセーフティ)の融合を狙いと
しています。
この「CMSブレーキ」
(CMS:コリジョン・ミティゲー
ションブレーキ・システム)は衝突を予測しその被害を軽
減する「Honda プリクラッシュセーフティテクノロジー」
の第一弾です。
2. 概要
走行状態、前走車との距離や相対速度から追突の危険
性を判断し、警報によりドライバーに回避操作を促すととも
にブレーキを制御して速度の低減を行います。この「CMS」
は、衝突前に自動的にシートベルトを引き込む「E-プリテン
ショナー」
(運転席)
を組み合わせ搭載されました。
「CMS」と「E-プリテンショナー」は、本誌8月号で紹介さ
れたHiDS(Honda インテリジェント・ドライバーサポート・シ
ステム)の車速/車間制御機能(IHCC)でも活用されるミリ
波レーダーで前方およそ100mにわたって車両を検知し、車
間距離、相対速度、予測した自車の進路などから追突の
危険性を判断、警報音や体感警報により、ドライバーに認
知や回避操作を促します。
さらに、ドライバーの踏力不足を補うブレーキアシストと
2
自研センターニュース 2003年9月号
写真1
TECHNO SEMINAR
3. 作動
ブザー音と、メーター内のマルチインフォメーションディスプ
q 一次警報
レイの「BRAKE」表示でドライバーに認知や回避操作をう
フロントグリル内に設けたミリ波レーダーにより、前走車
ながします。
に衝突する危険性がある場合や、車間距離が短い場合に
写真3
写真2
w 二次警報
回避が困難と判断すると「E-プリテンショナー」は強い引
さらに前走車に接近した場合、
「CMS」は軽い0.2Gの自
き込みを行い、ベルトの緩みや衣服のふくらみを抑えて、
動ブレーキングを、
「E-プリテンショナー」は弱く2∼3回シー
衝突時に作動する火薬式シートベルトプリテンショナーの
トベルトの引き込みを行うことにより、ドライバーに体感的
乗員拘束効果を高めます。また「CMS」は0.6Gの強いブレ
に危険を知らせます。またこの時点でドライバーがブレー
ーキングを自動的に行い衝突速度を低減します。また、
「E-
キを踏むと緊急制動と判断し、ブレーキアシストを作動さ
プリテンショナー」は「CMS」が作動していない場合でも、
せ、回避操作を支援します。
ドライバーの急ブレーキによりブレーキアシストが作動する
e 衝突被害軽減
と、シートベルトの引き込みを行います。
図1
q 前走車への接近
w さらに接近
e 追突の回避が困難
前走車
ミリ波レーダーに
より前走車を検知
音と表示
により警報
警報ブザ−
ディスプレイ表示
追突軽減ブレーキ
(CMS)
E-プリテンショナー
q 前走車への接近(追突のおそれがあると判断)
警報ブザ−
ディスプレイ表示
警報ブザ−
ディスプレイ表示
軽いブレーキング
強いブレーキング
シートベルトの
弱い引き込み
シートベルトの
強い引き込み
音と表示により警報
w さらに接近 軽いブレーキングとシートベルトの弱い引き込みによる体感警報 ドライバーに危険
回避操作を促す
e 追突の回避が困難 強いブレーキングとシートベルトの強い引き込みによって
回避操作の支援と追突時の衝撃・被害を軽減
操作支援&被害軽減
自研センターニュース 2003年9月号
3
TECHNO SEMINAR
4. 構成
図2 CMS+E-プリテンショナーシステム構成
蛇角センサー
CMSスイッチ
作動表示警告灯
アクティブ車輪速センサー
CMS制御ECU(IHCC-ECU)
E-プリテンショナー
ミリ波レーダー
VSA-ECU一体型油圧ユニット
E-プリテンショナー制御ECU
ヨーレート/横G
一体型センサー
・ミリ波レーダー
前方およそ100メートル、左右16度の範囲で車両を検知。
・各種センサー
る。また、CMS制御ECUのブレーキ指示に基づいてブ
レーキ油圧ユニットを制御し、ブレーキをかける。
・E-プリテンショナー制御ECU
ヨーレートセンサー、舵角センサー、車輪速センサー、ブ
CMS制御ECUのブレーキ指示信号と電子制御式ブレー
レーキ圧力センサーなどで走行状態を把握。
キアシストの信号に基づき、E-プリテンショナーにシート
・CMS制御ECU
レーダーの情報から得た前走車との距離や相対速度、
ベルト巻き取り指示を出す。
・E-プリテンショナー
各種センサーの情報から予測した自車進路をもとに衝
E-プリテンショナー制御ECUからの指示により、内蔵モ
突危険性を判断し、警報やブレーキ作動の指示を出す。
ーターでシートベルトを巻き取る。火薬式プリテンショナ
「E-プリテンショナー」、VSA、メーターユニットなどと随
時情報のやりとりを行う。
・VSA-ECU一体型油圧ユニット
各種センサーの情報をCMS制御ECU等、他のECUに送
5. 終わりに
ーと一体となっている。
・メーターユニット
CMS制御ECUからの信号を受け、ブザー音とディスプレ
イ表示で警報する。
限界があります。このようなシステムの他エアバッグなどの
CMS+E−プリテンショナーは新型インスパイアの最上級
二次安全(パッシブセーフティ)機能は、ドライバーが常に前
モデル「アバンツァーレ」に標準装備され他のグレードへの
走車や周囲の状況に注意を払い作動しないような運転を
オプション設定はありません。また、このシステムは、
「レー
心がけることが肝要と思われます。
ンキープアシストシステム:LKAS」に続き、ASV(先進安全
しかしながら過密な運転環境の中で多発している大型
自動車)を提唱する国土交通省から新たな認可を取得し
トラックなどの追突事故は重大事故につながるため、この
ています。
ようなシステムが早急に義務づけられることを願いたいも
追突軽減ブレーキ(CMS)は追突を自動で回避したり、
のです。
自動で停止するシステムではありません。機能にはやはり
参考文献:本田技研工業(株)ホームページ/カタログ 撮影:Hondaウェルカムプラザ青山
4
自研センターニュース 2003年9月号
REPAIR REPORT
リペア リポート
三菱 グランディス インスツルメントパネルの
脱着作業について
1.はじめに
三菱グランディス:NA4W系(2003年5月発売)のインスツルメントパネル(以下インパネ)の脱着作業を実際に行いましたので
紹介します。インパネ脱着作業が必要なフロントピラーやダッシュパネルが損傷している事故車修復の参考として下さい。
2.部品構成
自研センターニュース 2003年9月号
5
3. 作業方法
脱着作業はステアリングコラムAssy取外し状態からの作業としています。
作業前
作業後
[脱作業]
q左右フロントピラートリムを取外す
e左側カウルサイドトリムを取外す
クリップ
ナット
クリップ
w左側スカッフプレートを取外す
rコンビネーションメータベゼルを取外す
クリップ
ツメ
コネクタ
クリップ
6
自研センターニュース 2003年9月号
REPAIR REPORT
u左右サイドデフロスタダクトを取外す
tコンビネーションメータAssyを取外す
スクリュー
コネクタ
クリップ
スクリュー
iグローブボックスを取外す
y左右カウルサイドアッパトリムを取外す
スクリュー
ツメ
クリップ
クリップ
ツメ
コネクタ
ボルト
o左右インスツルメントパネルコンソールサイドカバーを取外す
クリップ
クリップ
自研センターニュース 2003年9月号
7
!0インスツルメントパネルアッシュトレイを取外す
!3ラジオを取外す
ボルト
コネクタ
差し込み
スクリュー
!1インスツルメントパネルセンタコンソールを取外す
!4マルチビジョンディスプレイを取外す
差し込み
スクリュー
スクリュー
スクリュー
スクリュー
コネクタ
!2インスツルメントセンタパネルを取外す
!5左右インスツルメントパネルエアアウトレットを取外す
はめ込み
クリップ
ツメ
クリップ
クリップ
ツメ
スクリュー
コネクタ
8
自研センターニュース 2003年9月号
REPAIR REPORT
!6インスツルメントパネルを取外す
表
裏
差し込み
ボルト
ボルト
スクリュー
スクリュー
ボルト
ツメ
スクリュー
コネクタ
コネクタ
スクリュー
[着作業]
パネに関係するすべての機能について作動点検を行い、
取付は取外しと逆の手順で作業を行います。
本体の取付状態(緩み、ガタ)の確認を行います。また、エ
[作動点検]
アバッグ等の重要部品の点検については修理書の指示に
エアコン、ラジオ、メーター類などのスイッチ、ランプ等イン
従って下さい。
4.まとめ
エアバッグについてはインパネについたまま外す作業とし
今回紹介しましたグランディスのインパネはトリム類、グロー
ています。
ブボックス、ラジオ、メータ周りと周辺の付属品を最初に取
他車種同様に、作業前に修理書等の手順書を読み、作業
外し、フロントデッキクロスメンバはボデー側に残してイン
内容を熟知する事で効率のよい作業が行えます。
パネを脱着する方法が採用されています。なお助手席SRS
「構造調査シリーズ」新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元修
No.
車 名
型 式
理の立場から見た車両構造、部品の補修形態、指数項目
とその作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した
「構造調査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新
J-340
ホンダ MDX
YD1
J-341
トヨタ ラウム
NCZ20,25
刊をご案内しますので、ぜひご利用ください。定価は各
1,120円です(税込み、送料別)
。ただし、J-342のみは2,160
ダイムラー・クライスラー
J-342
メルセデス・ベンツ
203745
Cクラススポーツクーペ
円です(税込み、送料別)。
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL
047-328-9111
FAX
047-327-6737
自研センターニュース 2003年9月号
9
Researching The Skeletons
リサーチング ザ スケルトンズ
スバル レガシィ(BL5/BP5系)
この「Researching The Skeletons」は外部から確認する
や構造を十分理解して修理に当たる必要があります。
ことができないフロントサイドメンバおよびリヤサイドメンバ
フロントフレームには超高張力鋼板と差厚鋼板が採用さ
内側のリインホースメント等の位置や板厚を分かり易く紹
れており、フロントフレームサイドフロントCOMPに2枚、クロ
介していくもので、データは実際に自研センターで調査した
ージングプレートには3枚の板厚の異なる鋼板が使用され
内容を記事にしたものです。
ています。
(写真1・2・5・6)
今回はスバル レガシィ
(BL5/BP5系)
を取り上げます。
ボデーには車体軽量化のため、超高張力鋼板(590MPa
先端部のカット位置はスバルのボデー修理書に記載され
ているカット位置です。
級)
を多く使用しているので、メーカー発行のボデー修理書
1.左外側(クロージングプレート付)
1.3mm
2.右外側(クロージングプレート付)
1.7mm
1.7mm
1.5mm
1.5mm
1.3mm
板厚変化部位
板厚変化部位
カット位置
カット位置
板厚変化部位
板厚変化部位
2.4mm
2.4mm
3.左外側(クロージングプレート外し)
4.右外側(クロージングプレート外し)
1.6mm
1.6mm
1.0mm
1.0mm
1.6mm
1.0mm
2.2mm
1.6mm
1.6mm
2.2mm
5.左内側
1.6mm
1.0mm
1.0mm
6.右内側
1.7mm
板厚変化部位
カット位置
10
自研センターニュース 2003年9月号
1.7mm
1.5mm
板厚変化部位
1.5mm
カット位置
1.0mm
Researching The Skeletons
7.セダン リヤ正面(リヤスカートCOMP付)
8.セダン リヤ正面(リヤスカートCOMP外し)
リヤフロアフレームCOMP位置
リヤフロアフレームCOMP位置
9.セダン リヤ真上(リヤフロアパンリヤCOMP付)
10.セダン リヤ真上(リヤフロアパンリヤCOMP外し)
0.8mm
1.5mm
0.8mm
11.セダン真下
12.ワゴン リヤ正面(リヤスカートCOMP付)
リヤフロアフレームCOMP位置
13.ワゴン リヤ正面(リヤスカートCOMP外し)
リヤフロアフレームCOMP位置
自研センターニュース 2003年9月号
11
REPAIR Information S
リペア インフォメーション S
日産 キューブ
(Z11)
日産 キューブの修理に関連する情報を3例ご紹介します。
1.ヘッドランプの取り外しについて
写真1
1)ヘッドランプ取り付けボルトがラジエータグ
リルの裏側に隠れているため、ラジエータ
グリルの取り外しが必要となります。
(写真1)
2)ラジエータグリルは計8個所(丸印部)のつ
めのかん合とターンシグナルのコネクタ2個
所を外せば取り外せます。
(写真2)
ラジエータグリルを取り外すとヘッドランプ
取り付けボルトが確認できます。ボルト止め
2個所とクリップ1個所で取り付けられていま
す。
(写真3)
写真2
3)バンパカバーの一部がヘッドランプ下部に入り込むため、
バンパカバーの取り外しも必要になり、バンパカバーは
ダブルクリップ4個所とボルト4個所を外しクリップのかん
写真4
12
自研センターニュース 2003年9月号
写真3
合を外すことで取り外しができます。
(写真4)
4)ヘッドランプ取り付けボルト2本とクリップのかん合を外
せばヘッドランプは外せます。
(写真5)
写真5
REPAIR Information S
2.バックドア取り外し時の配線縁切りについて
配線縁切りは各車種にそれぞれ特色がありますが、今回
のキューブはどうでしょうか。
(写真6)
写真6
1)バックドアの配線はゴムホースの中に配線を通して室内
へとつながっています。従ってホースを抜いてもコネク
タは見えないので縁切りは出来ません。
(写真7)
写真7
2)
ラッゲージリヤプレートを外し、ラッゲージサイドロアフィ
コネクタとウォッシャーノズルホースの接続部が見えるの
ニッシャー右側を外します。ラッゲージサイドロアフィニ
で、それぞれを外すことでバックドアの配線を縁切りす
ッシャー右側はダブルクリップ2個所とシートベルト1本を
ることが出来ます。
(写真9)
外せば取り外せます。
(写真8)
(注)ラッゲージサイドロアフィニッシャー右側は単体での脱着
3)
ラッゲージサイドロアフィニッシャー右側を取り外すと、
写真8
が可能です。従ってリヤシートの取り外しは不要です。
写真9
コネクタ
ダブルクリップ
シートベルト
ウォッシャーノズルホース
3.補給部品におけるシーリング状況
補給部品のバックドアはシーラーが大変きれいに塗布されております。
(写真10)
写真10
写真11
補給部品の部分拡大
自研センターニュース 2003年9月号
13
指数テーブル マニュアル作業項目の解説
−44−
今回は指数テーブルマニュアル(2002年10月発行)
を
基本に、ボデー系の作業項目『B060 ボンネット脱着』
『B070 ボンネット取替』
『B080 ボンネットヒンジ脱着ま
たは取替』について解説します。
(図1)
図1
B060
B070
B080
ボンネット脱着
ボンネット取替
ボンネットヒンジ脱着または取替
1台
片(両)側
●印の部品はB070の作業範囲
1.基本的な前提条件作業および作業内容
B060*ボンネットヒンジをボデー側に残して脱着を
行う作業
B070*ボンネットヒンジをボデー側に残して取替を
行う作業
B080*ボンネットを取外し、作業可能な状態から行
う作業
2.指数に含まれる主な作業
B060*立付調整
B070*立付調整
*ボンネットに取付く付属品の脱着または取替
前提条件および作業内容
B060 *ボンネットヒンジをボデー側に残して脱着を行う作業
B070 *ボンネットヒンジをボデー側に残して取替を行う作業
B080 *ボンネットを取外し、作業可能な状態から行う作業
主な付属品
指数に含まれる主な作業
・エアインテーク
・オーナメント
・インシュレータ
・シールラバー
・ウォッシャノズル、ホース
・モール
B080*トーションバー(ガスダンパ)の脱着または取
替(必要な車種)
B060 *立付調整
B070 *立付調整
*ボンネットに取付く付属品の脱着または取替
主な付属品
・ エアインテーク ・インシュレータ ・ウォッシャノズル、ホース
・ オーナメント ・シールラバー ・モール
B080 *トーションバーの脱着または取替(必要な車種)
除く作業
B080 *フロントフェンダまたはカウルトップベンチレータルーバの脱着
補 足
B080 *ボンネットヒンジ脱着に際して、カウルトップベンチレータルーバお
よびワイパアームの脱着が必要となる場合、B085にて作成している
B060 、B070
*シーラ塗布に関してはP12〈留意事項〉(4)シーラ塗布を参照
除く作業
*フロントフェンダまたはカウルトップベンチレー
タルーバの脱着
補 足
* 損傷によりボンネットを取替た場合のシーラ塗
B080*ボンネットヒンジ脱着に際して、カウルトップ
布に関しては補修塗装指数(塗り指数)
に含ん
ベンチレータルーバおよびワイパアームの脱
でいます。塗装作業工程でプラサフ塗り後の
着が必要となる場合はB085のカウルトップベ
シーラ塗布を考えています、脱着・取替指数
ンチレータルーバ脱着または取替の作業項
にはこのシーラ作業は含んでいません。
目を使用して下さい。
B060、B070(シーラ塗布に関して)
* 損傷によりボンネットを板金修正または取替の
*損傷によりボンネットを板金修正し、ヘミング
場合、内側に防錆ワックス
(いつまでも固まら
(折り曲げ部の先端)へシーラを塗布する場
ず触るとねばねばするもの)を塗布する作業
合は補修塗装指数の付加指数の1m毎 0.1
は補修塗装指数の付加指数を必要な場合加
(指数)
を必要な場合加算して使用下さい。
14
B060、B070(防錆ワックスに関して)
自研センターニュース 2003年9月号
算して使用下さい。
輸入車インフォメーション
メルセデス・ベンツ Cクラス スポーツクーペ(203系)
の合成樹脂部品の補給形態
現在、自研センターでは輸入車について鋭意指数を作成しておりますが、今月(2003年9月)発行予定の
「構造調査シリーズ」メルセデス・ベンツ Cクラス スポーツクーペ(203745)では下記のようにプラスチック部
品の補給形態を掲載する予定ですので是非ご利用ください。
合成樹脂部品の使用個所
★.ウォータデフレクタツウ
ルーフレッジ
※赤字は塗装済補給
9.パネリング
(ミラーカバー)
6.エアインレット
グリルカバーリング
10.ロックシリンダ・ドアハンドル
3.ラジエータグリルシェル
11.パネリング
(ロッカパネルアウトサイドパネリング)
5.フックカバー
8.ドアレッジ
4.ライセンスプレートベース
品番:203 885 1081
2.レイル
(フロントプロテクティブ
ストリップ)
7.フェンダレッジ
1.フロントバンパパネリング
★.トップオーナメンタルカバー
15.ナンバープレート
ライセンスインサート
品番:203 740 02099999
12.リヤバンパパネリング
13.リヤレイル
(プロテクティブストリップ)
14.リヤフェンダ
プロテクティブストリップ
番号
部品名
材料記号
材料
補給形態
1
フロントバンパパネリング
PP
ポリプロピレン
2
レイル(フロントプロテクティブストリップ)
PP
ポリプロピレン
3
ラジエータグリルシェル
PA-GF
ポリアミド
4
ライセンスプレートベース
PP
ポリプロピレン
未塗装
5
フックカバー
PP
ポリプロピレン
未塗装
6
エアインレットグリルカバーリング
PBT
PBT樹脂
塗装済
7
フェンダレッジ
PUR
ポリウレタン
塗装済
8
ドアレッジ
PUR
ポリウレタン
塗装済
9
パネリング(ミラーカバー)
PC
ポリカーボネート
塗装済
PP
ポリプロピレン
塗装済
10
ロックシリンダ
ドアハンドル
未塗装
塗装済
プラサフ塗装済
11
パネリング(ロッカパネルアウトサイドパネリング)
PUR-RRIM
ポリウレタン-RRIM樹脂
塗装済
12
リヤバンパパネリング
PP
ポリプロピレン
未塗装
13
リヤレイル(プロテクティブストリップ)
PP
ポリプロピレン
塗装済
14
リヤフェンダプロテクティブストリップ
PC-ASA
ポリカーボネート-ASA樹脂
塗装済
15
ナンバープレートライセンスインサート
PUR
ポリウレタン
未塗装
参考資料
番号
部品名
★
ウォータデフレクタツウルーフレッジ
★
トップオーナメンタルカバー
材料記号
AL
_
材料
アルミニウム
_
補給形態
塗装済
塗装済
自研センターニュース 2003年9月号
15
ヘッドランプの修理について
日常の事故では、様々な損傷形態が見受けられますが、
特に日常的に損傷頻度の高い「ヘッドランプ」などは一部
定して以来、一部車種ではありますが現在でも補給部品の
分の損傷にもかかわらずアッセンブリでの取替が多いので
設定がされています。
はないでしょうか?
そこで今回は、軽損傷にも対応できる修理技法について
ご紹介しましょう。
ヘッドランプに関する損傷には以下のケースが考えられ
ます。
ヘッドランプのレンズ部のみ損傷した場合
この場合ヘッドランプをアッセンブリやユニットで取替と
判断されているケースが多いのではありませんか?
このような損傷の場合、チョット工夫(修理)することで再
使用が出来るのでは・・・と考えられませんか?!
ヘッドランプに関する
「修理技法および部品の補給形態」
について以下に紹介します。
この損傷を修理するには2つの方法があります。
1.ヘッドランプレンズ部の補給部品を活用する方法
このヘットランプレンズの補給部品は比較的古くから輸
入車に採用され、多くの車種に設定されています。また、
16
国内メーカーのトヨタ自動車には、ヴィッツに補給部品を設
*最近では、トヨタ プレミオ/アリオンなどに採用されて
います。
部品価格も非常に安価で修理方法も簡単に行えます。
特別な工具や技術も必要なくほとんどが素手で簡単に作業
できます。
*以下にその作業手順と補給部品の設定されている車
種を紹介します。
修理方法
1)損傷したヘッドランプのレンズ部分を取外す。
*レンズの取外し前にモールやシールラバーなどあれ
ば先に外すこと。
(写真1、2参照)
*ヘッドランプユニット側と固定されている部分(はめ込
み部)
を手で浮かすようにして外してゆく。
(写真3、4参
照)
*素手で外しにくい場合は手工具によって傷や折れに注
意して外してゆく。
写真1
写真2
写真3
写真4
自研センターニュース 2003年9月号
2)ヘッドランプレンズが外れたらヘッドランプユニット側の
ガスケット
(シール材)
を外す。
■補給部品一覧(一部車種紹介)
補給部品の情報は、2003年度版(H15/4月)
アジャスタ
*車種構造によりガスケットがレンズ側に付くものがある。
ーパーツガイドをもとに作成しましたが価格や補給形態の
*ガスケットはべたつくことなく容易に外せる物が多い。
変更には十分注意してください。
(写真5、6参照)
(単位:円)
写真5
車種名(モデル名)
ベンツ S W220
(キセノン式)
31,700
43,800
6,210
68,290
45,300
26,700
18,600
118,000
33,000
85,000
W203
48,100
15,400
32,700
62,700
16,300
46,400
76,600
16,300
60,300
設定なし
(F483848∼)
50,200
20,400
29,800
45,300
16,000
29,300
173,700
21,100
152,600
ベンツ A W168
28,100
*11,400
16,700
ベンツ 190
55,700
11,200
44,500
ベンツ SL W129
38,800
21,500
17,300
(キセノン式)
BMW 7
E38
(キセノン式)
BMW 5
E39
(ホワイトレンズ)
(キセノン式/ホワイトレンズ)
BMW 5
BMW 3
E34
E46 4D
51,600
32,000
19,600
191,100
21,100
170,000
71,400
*7,000
64,400
158,000
*7,000
151,000
25,600
49,900
*24,300
59,600
*24,500
35,100
116,000
*24,300
91,700
121,000
*24,500
96,500
*5,850
44,050
設定なし
49,900
(H13/9∼)
*ガスケットはレンズに一体補給(同梱包)
と別補給があ
(キセノン式)
*6,550
106,000
3D
設定なし
VOLVO
S40/V40
設定なし
VOLVO
850
(H6∼)
VOLVO
5)ヘッドランプレンズの取替作業時間はおおよそ正味10分
要。国産(トヨタ自動車)の補給部品紹介。
(写真7、8
127,700
74,500
(H7∼)
*ガスケットが「べたつくタイプ」などは時間の追加が必
36,300
13,600
W126
(キセノン式/F483848∼)
程度で完了。
13,100
10,900
W202
*取外しの逆手順で丁寧にはめ込んでいく。
49,400
141,300
21,100
(H5∼)
4)ヘッドランプレンズを取り付ける。
価格差
54,700
ベンツ C
るので注意。
(レンズ)
52,800
W124
ル材)
を取り付ける。
(Assy)
W140
(H1∼H5)
3)ヘッドランプユニット側を清掃し、新しいガスケット
(シー
補給部品価格
(H7∼)
ベンツ E W210
写真6
補給部品価格
S70/V70
V70(SB5244W)
年式注意
52,300
*16,200
36,100
50,300
*15,900
34,400
52,500
*16,200
36,300
設定なし
VOLVO
S90/V90
49,000
*15,300
33,700
VOLVO
940/960
49,000
*15,300
33,700
VOLVO
S80
52,500
*16,300
36,200
*印の価格にはガスケット(シーリング材)は含まれていない。
引用文献:全国技術アジャスター協会発行「アジャスターパーツガイド」
参照)
写真7
2.ヘッドランプレンズ部を補修塗装する方法
わずかな傷なら簡単な補修とそうで修理できる技法があ
写真8
(あいおい損保社 ビジネス特許取得)
補修塗料メーカーと共同で開発した修理技法です。
ります。
自研センターニュース 2003年9月号
17
Customer Relations Department REPORT
お客様相談室レポート
比較的質問の多かったQ&A
1998年 9月 追加:小型トラック指数
指数テーブルマニュアルについて説明します。
Q
A
1998年10月 追加(補修塗装指数)
指数テーブルマニュアルは、どの年度のもの
2トーン補修塗装指数
でも同じですか?
2000年 4月 追加(脱着取替指数)
指数テーブルマニュアルは、毎年新しいもの
エアロパーツ(脱着の追加)
がその年度の10月に日本アウダテックス(株)か
フロンガス回収(R134aの追加)
ら発行されています。
2000年10月 追加(補修塗装指数)
お客様相談室への質問で、一部利用者の方から古い指
車種別樹脂バンパ補修塗装指数
数テーブルマニュアルを横においてそれについての質問を
2001年10月 追加(脱着取替指数)
いただくことがありますが、新しい指数テーブルマニュアル
作業項目の追加(アウダ工数の指数化
では追加変更されているものが多くあります。指数テーブ
対応)
ルマニュアルも毎年発行され、新年度のものが指数として
qヘッドランプユニット
使用される最新のマニュアルとなっています。
wフロントコンビネ−ションランプ単体
以下に近年の大きな改定・追加項目を紹介します。
eワイパーモータ&ワイパリンクAssy
1996年10月 追 加 指 数 と 補 修 塗 装 指 数 の 改 定
rサンルーフ
(1997年版指数テーブルに掲載)
tリヤコンビネ−ションランプ単体
追加:内板骨格修正指数
yサンルーフヘッドライニング
改定:外板板金修正指数
uクーリングファン単体
改定:補修塗装指数
iテールパイプAssy
q車格係数の廃止
oリヤサスペンション脱着片側分解点
w材料代の表示廃止
検組立調整
eブース加算の設定
r指数表示を0.1単位
1997年 4月 追加(補修塗装指数)
2K塗料
1997年10月 追加:輸入車指数
1997年10月 追加(補修塗装指数)
最新版指数テーブルマニュアルは、過去の指数に関する
すべての変更点を網羅するように編集されています。した
がって最新版をご利用いただければ以前のマニュアルは不
要となります。指数の正しい理解と促進のためにも是非最
新の「指数テーブルマニュアル」をご利用ください。
1ボックス、RV車の対応
バリアショット一般公開のお知らせ
当センターのバリア テスト装置(衝突実験場)は、設備的に高いレベル
のものです。バリア衝突実験の模様を関係業界(団体)各社を始めとした
一般(業界外)の皆様方にも見学いただけるように年5回『バリア ショット
一般公開日』を計画し、毎回多くの方々が見学されています。
バリア ショット一般公開日のご案内資料等用意していますのでご希望
の方は下記まで御連絡ください。なお、9月公開分は既に定員となりまし
たので、締め切らせて頂きます。
総務企画部 1047-328-9111
18
自研センターニュース 2003年9月号
次回公開日の予定
9月25日(木) 午後2∼3時
衝突形態:乗用車のバリア衝突
または車対車衝突を予定
(注)衝突テスト形態は都合で変
更することがあります。
第16回自研センター
結果報告
第16回の自研センター「一般提案」には178点の応募をい
次年度以降も引き続き
「一般提案」の募集を致しますの
ただき、どうも有難うございました。社内の提案委員会に
で奮ってご応募いただけますよう宜しくお願い申し上げま
おきまして、これまで以上に現場アジャスターの視点に重
す。なお、過去に自研センターで紹介したものでも、それ
きを置き、慎重に審査致しました結果、残念ながら一位入
を更に改善したご提案であれば審査の対象とさせていた
選はありませんでしたが、下記の方々の提案が入賞ならび
だいておりますので改善提案につきましてもご遠慮なくご応
に佳作として選ばれました。
募いただければ幸いです。
●入選
第2位
「立会ツール(簡易塗膜厚計)の作成」
東京海上損害調査(株) 今泉 和雄殿 駒谷 修殿
第3位
「JKCカラーコード表の検索ソフトの作成」
ニッセイ同和損害保険調査(株) 冨田 俊久 殿
第3位
「撮影しながら損傷診断」
日本興亜損害調査(株) 青木 純也 殿
●佳作
「エンジンマウント取付部の改善」
ニッセイ同和損害保険調査(株) 小竹 俊雄 殿
「ミッションケース破損対応」
東京海上損害調査(株) 伊藤 利博 殿
「ラジエターアッパーホースクランプの取付向き」
日本興亜損害調査(株) 本田 穂広 殿 「接着工法部位の効率的なパネル剥がし方法」
日本興亜損害調査(株) 尾島 利男 殿
「エンジンマウント取付部の改善」
(株)損保ジャパン調査サービス 中根 豊殿 (順不同)
自研センター来訪者一覧
7月 29日(火)
31日(水)
8月
大同火災損害調査(株)
田場社長
全国アジャスター協会 長堀専務理事
4日(月)
JFEスチール(株)
5日(火)
デュポン(株)高機能塗料事業部 自動車用塗料部 吉武薄板加工技術研究部長 他1名 福井営業課長 他1名
自研センターニュース 2003年9月号
19
http://jikencenter.co.jp/
●編集後記●
今年の夏は結局冷夏に終わってしまった。本当に夏らしい夏を味わえたのは東京でもほんの1週間位だった
でしょうか。暑さに弱い方々にとってはこの上ない夏を過ごされたことでしょう。また炎天下にどうしても戸外で
しなければならない仕事を持っておられる方々にとっても
「ラッキー」な夏だったかもれません。東京電力さん
は電気予報なるコーナーまで作って電力消費の工夫と節約の呼びかけをしましたが、冷夏のせいで冷や汗もか
かずに済んだことはこれまた「ラッキー」
と言えるでしょう。
「東電は冷夏御礼そっといい」
とはある新聞に掲載さ
れた川柳。
一方夏に売れ筋の商品は軒並み大苦戦。特にクーラーや扇風機を中心にした電化製品はさっぱりだったよう
です。折角株価も1万円台の大台に乗せる等持ち直し、その道の専門家から景気回復の兆しの論評も出てい
るところです。この冷夏でまた冷えすぎて株価の具合が悪くならないようになって欲しいものです。また東北、北
海道の米はどうも不作の年のようであります。品種改良が進み冷夏に強くなったとは言え稲も植物は植物。太陽
の溢れんばかりの光と一定の気温が無ければ十分な発育を望めるはずもありません。
世界を見渡しても、欧州各国や台湾では記録的な猛暑。インドは大雨、中国は洪水と干ばつと地球規模で今
年は異常気象のようで、近い将来に何か想像を絶する異変の前触れではないかと思わせる夏でもありました。
人間社会は「やれ改革だ」
「やれ変革だ」
と変わることに躍起となっていますが、大自然はやはり暑い季節は
暑く、寒い季節は寒く。自然の四季は順調に変わらず巡るのが一番良いのかも知れません。
自研センターニュース 2003.9(通巻336号)平成15年9月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 定価336円(消費税込み、送料別途)
C 発行所/株式会社自研センター 〒272-0001 千葉県市川市二俣678-28 Tel(047)328-9111(代表) Fax(047)327-6737
発行人/加田康明 編集人/八束重宣 ⃝
※乱丁、落丁の場合はお取り替えいたします。
本誌の一部あるいは全部を無断で複写、複製、あるいは転載することは、法律で認められた場合を除き、著作者の権利の侵害となりますので、その場合に
は予め、発行人あて、書面で許諾を求めてください。
Fly UP