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第1回倫理審査委員会 H27.5.29

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第1回倫理審査委員会 H27.5.29
院長
副院長
事務部長
看護部長
統括診療部長
臨床研究部長
臨床検査部長
管理課長
経営企画室長 薬剤部長
治験管理室長(塗木)
専門職
庶務班長
倫理審査委員会議事録
平成 27 年 5 月 29 日(金) 17:00~18:00
日 時
平成年月日
場 所
小会議室
出席者
医療分野:副院長、統括診療部長、臨床研究部長、臨床検査部長、治験管理室長、
薬剤部長
医療分野以外:事務部長、経営企画室長、専門職
外部委員:県立加治木養護学校長、善福寺住職
委員会の成否
規程に記名されている委員 12 名のうち 10 名の出席者があり、委員会は成立。
課題に議決権を有する実行人員は 10 名である。
(1) 研究課題名:
「独立行政法人国立病院機構南九州病院
倫理審査規程」の改訂
申請及び説明者: 薬剤部長 北島 久義
(2) 研究課題名:
「日本全国の Mycobacterium avium complex(MAC)感染者臨床分離株
の全ゲノム解析による後ろ向き研究」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明医師 : 呼吸器科 是枝
快泉
(3) 研究課題名:「溶連菌感染後の不随意運動」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明医師 : 神経内科 丸田
恭子
(4) 研究課題名:「薬価基準に収載されている医薬品の薬事法に基づく承認に係る用法等
と異なる用法等に係る投与についての許可(倫理審査)申請書」
申請及び説明医師 : 小児科 佐野 のぞみ
(5) 研究課題名:「非小細胞肺癌患者に対する erlotinib
投与時に皮疹軽減のための
minocycline 併用の有用性を検討するランダム化比較第3相試験」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明医師 : 呼吸器科 是枝 快房
(6) 研究課題名:「プラチナ併用化学療法後に増悪した、扁平上皮癌を除く進行再発非小
1
細胞肺癌に対するドセタキセル+ベバシズマブ併用化学療法の多施設共同第Ⅱ相試
験」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明医師 : 呼吸器科 是枝
快房
(7) 研究課題名:「筋解離術後にリハビリを行い ADL 拡大が見られた一症例」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明者 : 理学療法士 安藤
大輔
(8) 研究課題名:
「外来化学療法室におけるアンケート調査」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明者 : 薬剤部 佐々木 幸作
(9) 研究課題名:「重症心身障害病棟の「患者を見送る会」に立ち会ったスタッフの意識
調査」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明者 : 看護師 下 真美
(10)
研究課題名:
「右片麻痺のある重度精神発達遅滞患者の家族の障害受容に向けた
食事介助場面での関わり」
【審議内容】
:臨床研究実施計画書 他
申請及び説明者 : 看護師 市川 詩乃
議
事
委員長が本研究の医学的妥当性や倫理面について各委員に審査依頼及び申請医に研究課題の
説明を求めた。
委員長
:倫理審査委員会を開催いたします。
1 番目研究課題「独立行政法人国立病院機構南九州病院 倫理審査規程」の改訂こ
とで薬剤部の北島薬剤部長お願いします。
薬剤部長 :独立行政法人国立病院機構南九州病院
倫理審査規程で役職名が変更になった部分
を変えたいと思いますので了解をお願いしたいということで提案しております。
変えるところは第 4 条の 1 番の 1 項研究検査部長が臨床検査部長に変えていただく
ところと、薬剤部長の項目を変えていただきます。それと 15 条になります。同じく
役職名の変更ということで薬剤部長となります。それと附則に追記します。これを
27 年の 4 月 1 日から施行したいということでお願いします。
委員長
:今の改訂の内容はよろしいでしょうか。何かご追加ご質問はありませんでしょうか。
御承認いただける方の挙手をお願いします。
2
(全員一致で承認される。
)
では 2 番目の「日本全国の Mycobacterium avium complex(MAC)感染者臨床分離
株の全ゲノム解析による後ろ向き研究」是枝先生お願いします。
是枝医師 :当施設の主任研究者は私、是枝快泉になります。これは、発端はハンセン病研究セ
ンター感染制御部の星野先生を中心とした、共同研究になります。ここにあげられ
る施設で研究していくことになります。研究の背景、目的と概要の所を読ませてい
ただきます。この Mycobacterium avium complex(MAC)は環境菌であり日本全国
どこにでも存在すると考えられます。しかし肺 MAC 症患者の原因菌の感染源(疫
学的由来)は依然として不明であります。本研究では分担研究者の所属する施設で
あるすでに得られた MAC 菌株を用いて研究を行います。送付された MAC の全ゲ
ノム解析などを行って MAC による土着性があるかどうかの検討を行う。加えて従
来から MAC 分離菌は東日本では M.avium が西日本では M.intracellulare が多いと
言われているんですけど、その原因に菌因子が関与していないかどうかというので
全ゲノム解析を行って検討するという課題です。研究の対象は今、研究の内容でも
お話ししましたが肺 MAC 症患者由来の臨床分離株を使用します。担当研究者の施
設で M.avium と M.intracellulare で treatment naïve ですから未治療例の株を各
20 株ですから 40 株ですね、これを当施設から郵送するということになります。実
施場所ですが喀痰の菌分離はそれぞれの医療施設で行って、菌のクローニングとか
従来法はハンセン病研究センター。全ゲノム解析は宮崎大学とハンセン病研究セン
ターで行います。研究期間は 2020 年の 3 月 31 日までとなっております。次の 7 番
研究等における医学倫理的配慮についてです。個人の人権擁護については、患者の
個人情報というのは医療機関において排除されます。調査票に符号をつけてもらっ
て、申請者たちには符号が付いた調査票のみが送付されます。個人を特定するため
の対応表というのは医療機関が保管する。連結可能、匿名化となります。したがっ
て申請者における個人の特定はできないということになっております。2 番目の研
究等の対象となる者に理解を求め同意を得る方法ですが、本研究は後ろ向き研究で
あって各施設で保存されている連結可能、匿名化されている、菌株を使用するため
研究対象者に対する同意書が必要ではないけれども核施設の IRB の承認を得ること
は必要であると考えられるということで今回、こちらの承認を得たいと出しており
ます。以上で説明を終わります。この研究を承認していただきたいと思います。よ
ろしくお願いします。
委員長
:今の説明で何かご追加ご質問はありませんか。
未治療例の菌株で 20 株ずつということですね。
是枝医師 :理由としては治療が入ったことで菌株が変化するとか菌の遺伝子が変化するという
ことが報告されているので、今回の研究では未治療例のみ行うことになっています。
委員長
:これは細菌検査室との連携になると思いますけど、脇本先生何かご意見はありませ
んか。
3
脇本医師 :菌株をこれから分離、培養されるということですが、その検査をする時点で患者様
からそういう検体としてもし陽性になれば、扱わせてもらいます。との説明はしな
いのですか。
是枝医師 :これは後ろ向き研究ですから今現在、菌株がある検体を使って行うということにな
ります。前向きではないです。
脇本医師 :40 例もないですよ。
是枝医師 :今、検査室に問い合わせていますが多分あると思います。今調査していますが保管
していると思います。
委員長
:40 例ありますか。
是枝医師 :20 例 20 株あると思います。
委員長
:堂免先生何か分からない言葉とかありませんか。
加治木養護学校長:ほとんど分からないです。後ろ向き研究というのはどういう事ですか。
是枝医師 :今、研究しますが、後ろを振り返って今まで経験している患者様を使って研究する
ということですね。
脇本医師 :今までに培養された菌の株を使って。培地に菌を植えてあるので、それが 20 例もあ
るのですかという質問を私がしたのですけど、それを使ってするということで今か
ら新しく培養された検体を使うわけではないということです。
加治木養護学校長:なので同意が必要ないということですか。
委員長
:そうですね。すでにある検体なので。
善福寺住職:一般的に後ろ向きの場合は同意は必要ないのですか。元々ある検体ということは分
かるのですが、それをまた違った方向で研究するわけですから再度必要はないので
すか。
是枝医師 :つけられた資料を使ってするので問題ないと思います。
委員長
:一つは血液ではなくて痰なのでそれもありますね。
善福寺住職:ありがとうございます。
脇本医師 :現実的に今から同意を得ることは患者様が来られない場合も多いので無理なんです
よね。最初に取られた時点でこういう研究用に使わせてもらいますというのは、こ
の研究ではなくて全般的に検査、入院の時に承諾は得ているという形になっていま
す。
善福寺住職:幅広く承諾をとっているということになりますね。
脇本医師 :そうですね。この研究のためだけというわけではないです。
委員長
:脇本先生言われた通り、院内にそういう表示がしてありますから。
他にご質問はありませんか。
それではこの申請に対してご賛同いただける方の挙手をお願いいたします。
(全員一致で承認される)
それでは次の申請議題に行きます。
「溶連菌感染後の不随意運動について」神経内科
の丸田先生説明をお願いします。
4
丸田医師 :症例報告をしたくて、溶連菌感染の後に成人男性で不随意運動という顔とか体全身
に制御できないような運動が出た方のビデオをとらせていただきました。顔とか目
とか全身をビデオ保存しておりました。1 年前に入られて了解を得てビデオ撮影を
させていただいて、口頭で 2 回使わせていただきたいと患者様に申し上げました。
それは極めて珍しい、原因が溶連菌感染で変わった不随意運動だったためにその時
にも 2 回ほど医療従事者、例えば院内の研修会か院外の神経内科の医者だけ、もし
くは内科医だけ。外部に流すことはないので使用させていただいていいですかとい
うのは 2 度口頭で(本人に=)確認したら、いいですよということでした。治療 3
日目で治ってしまって入院の時に短時間取らせて頂いたものがあります。その時は
口頭で言われて治って帰られたのですが、もう一回学会発表をするにあたって院内
の医療従事者だけ、院外の医者だけの会のクローズド。ということでご本人にちゃ
んと他の論文の同意書も踏まえて書いて送って、説明をお電話でしました。返書が
来て、同意が得られました。当然、顔が出ることもお話してあります。部外に流す
ことも、話すこともしませんので使わせてもらえませんかとお願いしたら、よいと
いう同意がありましたので、院内と地方会、研究会のみということ、ドクターまた
は医療従事者だけの会で使わせて頂こうかと考えています。
委員長
:今説明がありましたが、最初口頭で同意が得られたが、あとから文書での同意が得
られたので倫理審査委員会に申請されたということです。
何かご質問、ご追加ありませんか。
塗木医師 :通常、目は隠すけど瞬きとかなら隠しようがないですね。
丸田医師 :本当は目を隠したのが普通ですが、この方は変わっていて口とか目とかあるので、
本人に顔を出してもいいですかと聞いて同意を頂いております。
園田医師 :学会の時に学会の様子をビデオ撮影している先生方がいらっしゃいますが、それだ
けは注意した方がいいですね。
委員長
:学術的な意義が大きいということと非常に珍しい、しかも一過性の不随意運動で貴
重なビデオであると思いますので、今回患者様のご了解が得られたということで。
塗木医師 :撮ったビデオは、媒体はなんですか。
丸田医師 :DVD です。
塗木医師 :それはコピー不可という機能はついていますか。
丸田医師 :コピーはできます。
塗木医師 :DVD はできないですよね。何か特別なことをするとコピーができなくなるのがあり
ますよね。個人でするのは難しいですよね。プロに頼むかしないと。
委員長
:それは丸田先生ですから、保管をしっかりしていただいて。厳重に注意していただ
かないといけないですね。
丸田医師 :ダビングはしないで持って帰ります。
委員長
:この申請に対して賛同いただける方は挙手をお願いいたします。
(全員一致で承認される)
5
次は「薬価基準に収載されている医薬品の薬事法に基づく承認に係る用法等と異な
る用法等に係る投与についての許可(倫理審査)申請書」佐野先生に代わりまして
小児科の岡本先生お願いいたします。
岡本先生 :ミタゾラムという注射液です。麻酔前投与とか鎮静で使われているものですが小児
科では点滴で最近では痙攣の大発作の時に使われていたお薬です。それ自体もミタ
ゾラムの薬価には載っていないのですが 10 年位前から痙攣を止めるために必要と
いうことでわりと使われていました。最近ミダフレッサと言ってこれより 10 倍薄め
たのが注射液で出てきて痙攣大発作で使える様になっているので、そちらを使えば
いいではないかという話もあるのですが、ちょっと今回の症例に関しては痙攣のき
つい患者様で痙攣が起きてしまえばなかなか血管確保が難しくてすぐに投与できな
い患者様が増えてきていますので、そういう患者様に対して点鼻もしくは舌下もし
くは口腔内にお薬を入れて、粘膜からも吸収されますのでそこから痙攣を止めると
いうことをして点滴をとりたい。という症例が出てきていますので今回申請させて
いただきました。後発でできたミダフレッサ使えばいいのではないかという話もあ
るのですがミダフレッサを使うと大人で止めようと思うと 4 ㏄~5 ㏄鼻の中に入れ
るか口の中に入れるかという状況になってミダゾラムだと 0.1 ㏄~0.3 ㏄と 10 分の
1 になるので、その分患者様がおぼれるという状況にならないというところが強み
であるということと、最近海外でハップ錠、お口の中に張るタイプのものが出てき
ていますので、当院でもそういう事を患者様に行いたいということで今回申請しま
した。
委員長
:今ご説明頂きましたけれども投与経路の適用の問題がありますけどミタゾラムの点
鼻、舌下、けいれん重積の治療について使いたいということで今回申請がありまし
た。何かご質問、ご追加ありませんか。同種同効薬はあるのですが量が多すぎて小
児の場合には適用がないのではということです。痙攣発作時です。
善福寺住職:緩和の時の終末期にこの薬が使われたりしませんか。鎮静の時に。
岡本医師 :使っていることがあると思います。
善福寺住職:それは適用になっているのですか。参考までに。
岡本医師 :もともとミダゾラム自体は痙攣の大発作を止めるのに使っていいと載ってはいない
のですが、後発でできたものを 10 倍に薄めたものは適用があって、大発作を止める
のに点滴用として作られているものになります。全く内容は同じものになります。
ただ 10 倍薄めているだけ。それも痙攣を止めるだけで実は終末期に関しては黙って
使っているというと言葉は悪いんですが、おそらくここに書いてあるように集中治
療における人工呼吸中の鎮静ということを拡大解釈して使われている可能性が高い
と思います。なのでそこに関して言われると何か言ってくることもあるかもしれま
せんが。
善福寺住職:子供さんに対しての経路の問題ということになりますね。
委員長
:緊急性と救命というところで必要になると思いますけど。
6
塗木医師 :論文見ても 10 年以上前から出てるんですね。
岡本医師 :出てるんですけど、日本では適用が全く取れない状況が続いていて今回 10 倍量の物
が新発売になった時にそこががけいれん重積になって、こっちがそのまま置いてお
かれた状況になっているというのがあります。
委員長
:一応、参考文献が付けてありますので、実際、使っているということですね。
園田先生何かありませんか。
園田医師 :これを使っていないのですが、参考になります。
経営企画室長:保険請求はしないのですか。
委員長
:実は注記を書いてもらえば通してます。先ほど長倉先生が言われた緩和ケアの場合
もそうなんですけど一応注記を書いてもらって通している。
よろしいでしょうか、この申請に関して承認いただける方の挙手をお願いいたしま
す。
(全員一致で承認される)
それでは続いて課題 5 ですね。
「非小細胞肺癌患者に対する erlotinib 投与時に皮
疹軽減のための minocycline 併用の有用性を検討するランダム化比較第3相試験」
是枝先生よろしくお願いいたします。
是枝医師 :この臨床研究は国立病院機構の共同臨床研究で中央倫理審査会、全国の国立病院の
集まりの倫理審査会ですでに通っているもので、それを各傘下の国立病院機構の参
加を呼び掛けられましてこちらの病院でもこれをしていこうということで事後報告
ですが御承認いただきたく提示いたしました。1 ページ目の目的の所で非小細胞肺
癌患者に対するエルロチニブ投与時に、このエルロチニブというのは商品名タルセ
バといいまして肺がん細胞の EGFR 遺伝子が陽性の患者様には非常に有効性のある
高分子標的薬といわれる抗がん剤です。その投与時によく、ざ瘡様皮疹、ニキビの
ような皮疹が出来たり、乾燥肌になったりするのですがその皮疹軽減のためにミノ
サイクリンという、通常使われている抗生物質です。それを併用することの有用性
並びに安全性について検討するというものです。ざ瘡様皮疹が、エルロチニブ投与
でひどい時は、実際に皮膚科でこのミノサイクリンというのは常に使用されている
お薬です。ですので投与する前というか投与と同時に使ってその皮疹が出るのかど
うなのか、通常と比べて軽くて済むのかというのを確かめる試験です。2 ページ目
の研究のシェーマがありますが、肺がんの方でエルロチニブ使う患者様を 2 つの群
に分けます。これはその研究の元締めの所に登録しましたら、登録というかこれは
ウェブ上で登録するんですけど、自動的に割り振られるくじ引きが行われて、A 群
はエルロチニブにミノサイクリンが投与される。B 群はミノサイクリンを投与しな
い。エルロチニブだけの群という風に割り振られまして、その通りに投与して 8 週
間使って皮疹の状況を確認するという試験です。エルロチニブというお薬、ミノサ
イクリンというお薬はすでに臨床応用されているお薬ですので、安全性については
すでに確認されているお薬です。これをさせていただきたくこの会に提出させてい
7
ただきました。よろしくお願いします。
委員長
:今のご説明に対して何かご質問、ご追加ありませんか。
脇本医師 :ミノサイクリンを 8 週間継続投与ですか。
是枝医師 :はい、その投与群の方はですね。その後も患者様の皮疹がこれで軽減されていると
感じて希望されればその後も投与していいということになっています。非投与群の
方も皮疹が非常にひどくなってミノサイクリンを使わなければいけないと判断され
れば 8 週間から使うということになります。
委員長
:抗がん剤に伴う副作用を軽減させるのに使うお薬ですね。それは実際使っている薬
で、薬自体は市販されている薬でもあります。
塗木医師 :8 週間の間には何か軟膏は使ってもいいのですか。
是枝医師 :軟膏は使ってもいいということです。ただ 1 週間に 1 回 2 週間に 1 回くらいずつ皮
膚の評価をしていきますので、評価をしながら軟膏を使っていくことになります。
脇本医師 :通常 8 週間という間ミノサイクリンを継続投与するということはあまりないと思う
のですが、それは問題ないですか。
是枝医師 :ざ瘡様皮疹の時には長めに、皮疹が治まったとしても切ればまた悪くなるというこ
とで長めに使っております。実際の患者様でも 8 週間以上の投与の方もいます。
委員長
:脇本先生が言われたのは、実は抗生物質は 2 週間までと決められているのですよ。
これはもともとミノマイシンという抗生剤なものですから、ただ結核の患者様でも
結核剤で皮疹が出るので使っています。注記を書けば全然問題なくとおりますし、
皮膚科の先生方はオッケーで出ると思いますけど。
是枝医師 :ちなみにこのミノサイクリンの費用なんですけど、研究期間内は結局病気がないの
にミノサイクリンを投与するので患者様からの負担はできないとのことで、研究費
から支出することになってます。
委員長
:その時は請求しないということですね。
是枝医師 :そうです。今から薬剤部と調整していこうと思います。
委員長
:また医事課の方にも言っておいてください。
善福寺住職:選択基準の 8 番に同意取得時から 12 週以上の生存が可能と判断されている。とあり
ますがだいたいどれくらいの患者様を対象にしているのですか。
是枝医師 :この抗がん剤を使うときには比較的活動性がいい人でないと副作用に耐えられない。
3 カ月以上の方を対象としてやっています。それで 12 週ということです。
善福寺住職:ここで何人くらいいらっしゃいますか。
是枝医師 :比較的多く使っております。EGAFR 遺伝子が陽性の肺癌というのがだいたい 30%
くらいいらっしゃいますので、1 年間で 30 例、40 例くらいはこの薬を使っている
と思います。
善福寺住職:症状が進まれて判定が難しくなるようなことがありそうですが。
是枝医師 :皮膚の症状を目で見た状況と、患者様の自覚、痒みとかそういうものも調べながら
なのでそこまではないと思います。
8
委員長
:あんまり、他の抗がん剤とか末期症状はかぶる場所ではないので判別はしやすいと
思います。
他にはありませんか。今の申請に対して賛同いただける方は挙手をお願いいたしま
す。
(全員一致で承認される)
次も是枝先生です。
「プラチナ併用化学療法後に増悪した、扁平上皮癌を除く進行再
発非小細胞肺癌に対するドセタキセル+ベバシズマブ併用化学療法の多施設共同第
Ⅱ相試験」です。
是枝医師 :これはすでに 2 年前に通して頂いたものですがこれに変更点がありまして、呼吸器
の医者が人事異動で入れ替わりがあったのでその実施する医者の変更を承認してい
ただきたい。ということで出しました。他の研究課題とか内容は全部同じです。
委員長
:実施場所は変わらないのですか。太文字になっていますが。
是枝医師 :下線になっているところだけの変更になります。
委員長
:内容的には通っているものになっていますので。協力研究者の名前だけですね。
是枝医師 :実はこれ以外に呼吸器科で走っている臨床研究があるのですが、すべて協力研究者
の変更しなければならないのですが。
薬剤部長 :変更のある研究課題をリストにしてあります。
是枝医師 :その 4 つの研究課題も同じように協力研究者の名前を変更したい、ということも同
時に承認していただきたいと思います。
委員長
:訂正箇所は一緒ですね。協力研究者を変えるだけです。今の申請に対して賛同いた
だける方の挙手をお願いします。
(全員一致で承認される)
続いて 7 番目です。
「筋解離術後にリハビリを行い ADL 拡大が見られた一症例」と
いうことでリハビリテーション科から安藤さんお願いします。
安藤理学療法士:脳性麻痺患児が両下肢筋解離術後にリハビリ目的で入院し、座位・立位姿勢の
改善、歩行獲得を目的にリハビリを実施しました。退院後に家庭と学校とリハビリ
の連携で ADL の拡大を図った結果、家庭や学校での姿勢に変化が見られ活動範囲の
拡大や学力向上に繋がった為症例報告をしたいと思い申請しました。よろしくお願
いします。
委員長
:研究期間は?
安藤理学療法士:入院前から 3 月までの間の半年間です。
委員長
:終わっているのですね。何かご質問、ご追加ありませんか。症例報告のために審査
をということになりますが。後ろに書いてありますが同意書はご家族の方からです
ね。未成年の患者様ですから。これは何か文書か何かあるのですか。
安藤理学療法士:外来でフォローしていたのですが諸事情がありまして 4 月の初めから外来に来
られていなくて再来週に外来予約をする予定ですのでそこで文書で同意を得ようと
思います。
9
善福寺住職:どこかで発表されるのですか。
安藤理学療法士:鹿児島の小児保健で発表させていただきたいと思っております。
委員長
:何か他にご質問ありませんか。一応、個人情報、プライバシーについては十分に配
慮されて行うということでよろしいでしょうか。
薬剤部長 :同意書は文書をとってからされるということですか。同意書を残して頂くような形
になりますか。
安藤理学療法士:はい。
委員長
:一例だけになりますので先ほどの丸田先生と同じようなものになります。この申請
に対してご賛同いただける方の挙手をお願いします。
(全員一致で承認される)
続いて「外来化学療法室におけるアンケート調査」ということで薬剤部の佐々木さ
んお願いします。
佐々木調剤主任:当院での外来化学療法において近年利用患者が増加傾向にありまして、また開
設から 7,8 年たっており設備面においても老朽化していることも考えられます。そ
こで外来化学療法室利用患者様向けにアンケート調査を踏まえまして現在の外来化
学療法室における問題点を明確にして医療安全と質の向上に努めて業務の改善に貢
献していきたいと思い申請しました。アンケート内容については別紙のとおりとな
っております。個人が特定されないように個人情報の取り扱いには十分注意してお
り、アンケートは無記名となっております。またアンケートファイルは十分に保管
し、得られたデータは収集した時点で破棄したいと思います。同意については研究
の目的等説明した後、口頭で同意を得るようにしています。以上です。この研究を
承認していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
委員長
:今ご説明ありましたが何かご質問、ご追加ありませんか。
塗木医師 :たいしたことではないですが、Q2 のリクライニングチェアーは①ですね。
佐々木調剤主任:すみません。①です。
委員長
:アンケートの文章の 2 行目は忌憚のないご意見ということだと思いますが忌のない
となっていて文字が抜けていますね。訂正をお願いします。
他にはありませんか。
薬剤部長 :文字が読めない、書けない人はだれか代筆は可能ですか。
佐々木調剤主任:〇をしていただくところは記入していただいて、記入できないときは無記入で
提出していただければと思っております。
善福寺住職:アンケート自体には何もないのですが、こういうアンケートをおとりになるってこ
とはすでに問題があるってことですか。
佐々木調剤主任:外来の利用患者数が多くなっていまして、最初のオリエンテーションも十分に
行えていないのではないかとスタッフ間で話し合いになったり、治療スケジュール
や副作用についての説明も十分にできているのか疑問に思うこともありました。ま
た設備面も3床ということでだいぶ手狭なのではないかという話もありましたので、
10
実際患者様のご意見を頂いて狭いというのであれば工夫できることがあれば検討し
たいと思います。
塗木医師 :化学療法は繰り返し行われるものですが、アンケートをする時期はいつですか。同
じ患者様で1回ですか。何回目のどの時期にされるのですか。
佐々木調剤主任:1回です。時期について細かいことはまだ決めてはいないのですが、最初の段
階ではちょっと患者様も外来での最初の治療ということで気持ちも落ち着いていな
いと思いますので、さしあたって言えば2コース目、3コース目予定しております。
塗木医師 :1回だけですよね。
佐々木調剤主任:1回だけです。
委員長
:確かに何コースかした後でないと感想は聞けないでしょうからね。
善福寺住職:外来の化学療法は通常どれくらいの期間ですか。人によってそれぞれだとは思いま
すが。
佐々木調剤主任:お薬にもよりますが2,3回で効果がなくなったり、10数回、20回行う患
者様もいます。
善福寺住職:来られた時、途中、最後と結構印象が変わるような気がしますよね。そういう配慮
も面白いかもしれないですよね。最初は緊張状態が強いと思いますし。
委員長
:確かに患者様の気持ちの状態は違ってくると思いますね。
他にご質問ございませんか。現状に対する患者様の感想をまとめておきたいという
ことで、次に活かしていこうということだと思います。この申請に対して賛同いた
だける方の挙手をお願いします。
(全員一致で承認される)
次は「重症心身障害病棟の「患者を見送る会」に立ち会ったスタッフの意識調査」
ということで看護師の下さんお願いします。
下看護師 : 重症心身障害病棟の一つの病棟に限ってなんですが平均年齢 46 歳という高齢化に
なってきております。必然的に死を現実的に身近に感じていらっしゃって病棟の患
者様で長い方で 40 年以上の入院期間になる方もいらっしゃいます。長年一緒に生活
する仲間の死に直面して不安を抱えている患者様や涙を流して原因を知りたがる患
者様も数名いらっしゃいます。これまではどのように関わればいいのか分からず、
そのような患者様に死に対する思いについてケアを行うことはできておりませんで
した。今回、悲嘆のケアの必要性を感じて漠然とした不安を抱いたまま死について
聞けないでいる患者様の心情を表出できるように「お別れの会」を設けました。今
回は患者様を対象とはしてないのですがその場に立ち会ったスタッフへアンケート
をとって重症心身障害者の死をケアする取り組みについて、どのような思いを抱い
たかというところを、今後のスタッフの関わり方について検討したので事後報告に
なります。院内の症例検討会の方で発表しておりまして、今回、日本重心学会の方
で発表させていただきたいと思い申請しました。
委員長
:すでに研究期間が終わっているもので、院内の症例検討会では報告しているもので
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すが、今回、全国学会で報告するということでこの倫理審査委員会に申請というこ
とになってます。長倉先生、関係あると思いますけど何かご意見ありませんか。
善福寺住職:このような研究をしていただくのは率直にありがたい。とっても大事なことのよう
な気がします。がんの方が多いと思いますけど、若い方もいますし、ただ僕の感想
ですが、デスケースのカンファはあちこちでやりますが死を受け入れるということ
は非常に難しいし、逆に誰も経験していないんですよ。一番必要なことは、謙虚さ
が絶対に必要でどうやって受容したのかしないかという論文はありますが、実際に
は統計で言ってもどうしようもないことで患者様自身が今向かい合っている、それ
を経験していない僕らが寄り添うわけですから、今、ここに書いてあるように、本
人がどれだけ語れるか、自分の周りの仲間の死をどう語れるか。語ってくださった
時には僕はまずはお礼の気持ちがありますね。傾聴すると言いますけど、その前に
いつも感謝すると言います。相当つらい気持ちを話してくださいましたね。という
会話から始めます。その後、傾聴・受容がありますけどそしてあと一つはただ受容
して答えているのではなくて、どうしてそう思ったのかもう少しお話しいただけま
すか。と。実はこれは面接のときのキーワードになります。話してくれてありがと
うが最初。そしてもう少し話して頂けますか。と促進という言葉を学生には使いま
すが、その間に傾聴・受容・共感という言葉があると思います。そして相手がお話
し下さった中からいろいろな会話が出てくるし、それからあと一つは少しシビアで
すが自分自身の性格も問われますね。逆にこういう患者様と向き合うときには、本
にも書いてありますが、あなたはどうなの?ということをよく問われる。患者様は
それを問いたい様な気がします。そのようなこともアンケートの中にあったらうれ
しいな。そしたら僕は住職ですから、皆様が見送った後の家族のケアをしているよ
うなものですね。僕の言い方で言うと、その人がいなくなった家族、もう遺族にな
っていますが、その家族が緩やかに再出発していくための援助ということがお寺の
仕事だと思っているので、その中で死因や様々なことが影響与えていますよね。あ
るいはその人の背景。そういったことも是非考慮に入れた研究をしていただきたい。
同じ病気であっても全然背景が違うし、家族も違うし、人生観も違うし、そういっ
たことも聞いていけるような研究になればいいな。是非、研究なさることを楽しみ
にしております。
下看護師 :すでに文書も出来ていて、これが第 1 番と思っているのでまた今後もしていきたい
と思います。
善福寺住職:また教えてください。
委員長
:他にご質問ありませんか。この分野での重心病棟での取り組みというのは今までな
いので非常に席巻的なものだと思います。
善福寺住職 : 少しいいですか。
「うれしかった言葉
悲しかったことば」という本を知りません
か。これは 37 人の難病の子供たちの母親のインタビューというものです。どんな
言葉がうれしかったですか。どんな言葉が悲しくて嫌でしたか。というもので実は
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僕は大学で医学生と看護学生には絶対買いなさいと言っている本です。それを読ん
だらもう半分くらい亡くなっている子供の母親ですが、それを読むとこんな思いで
いらっしゃったんだとか見えてくるので参考になるかもしれません。
塗木医師 :お別れの会には患者様も何名か参加したのですか。
下看護師 :患者様は 1 回目 6 名、2 回目 5 名です。患者様についての反応は書いてありますが、
名前も明らかにしていませんし、特定されるような事もないです。本当は患者様の
事を書きたかったのですが、ちょっと難しいですね。
塗木医師 :アンケートをして答えられるような立場ではないですよね。
下看護師 :そこが難しいところなので、いずれはそのようにはしていきたいとは思ってはいる
のですが。
委員長
:アンケートの取り方をそれなりに工夫していけば何とか意見が汲み上げられるかも
しれませんね。それでは今の申請に対して賛同いただける方の挙手をお願いいたし
ます。
(全員一致で承認される)
最後になります。
「右片麻痺のある重度精神発達遅滞患者の家族の障害受容に向けた
食事介助場面での関わり」で下看護師お願いします。
下看護師 :発表者ではないのですが、協力研究者になっているので私が代わって発表します。
患者様は 2014 年 1 月に脳塞栓症を発症し右片麻痺となった患者様です。発症 1 か
月後よりリハビリをはじめて、当院に昨年 4 月に入院されております。機能訓練や
日常生活動作の訓練を必要とする回復期にあったって当院では食事動作ができない
というか右手ができない、左手が少しできる状態で来られたのですが利き手の右手
ではスプーンやフォークを持つということはなかなか難しく左手で訓練を始めてき
ました。そのご家族と共に患者様の摂食・嚥下機能訓練を行いました。そこの介助
方法の統一でのセルフケアを獲得する過程において患者様を含めた家族をケアの対
象と捉え障害の受け入れを支援するためにパートナーシップというところで重要性
を考察してそこを 3 年目研修という院内の研修で発表しまして、今回、日本重心学
会の方に発表したいと思い申請いたします。
委員長
:いまご説明ありましたが何かご質問、ご追加ありませんか。これも研究期間は過ぎ
ているわけですが。園田先生何かありませんか。
園田医師 :この方は、もともとは重度の精神発達遅滞があって脳塞栓症を発症したのですよね。
下看護師 :はい。
園田医師 :そこが見えませんでした。とても難しいケースですよね。
下看護師 :はい、そうですね。
委員長
:何か他にありませんか。それでは今の申請に対して賛同いただける方の挙手をお願
いします。
(全員一致で承認される)
以上で倫理審査委員会を終わります。
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