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ハイブリッド(HEV)商用車:日本では小型Hybridトラックの販売拡大

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ハイブリッド(HEV)商用車:日本では小型Hybridトラックの販売拡大
2016/4/5
ハイ ブ リッド(HEV)商用車:日本では小型Hybridトラ ックの販売拡大 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
ハイブリッド(HEV)商用車:日本では小型Hybridトラックの販売拡大
欧米ではNavistar、PACCAR、Freightlinerが中型Hybridトラックを販売
2010.3.31 No.867
HV商用車の日本市場:小型Hybridトラックの出荷台数は2008年に3000台を超える
先行した日野のDutro/Rangerとは構造が異なる三菱ふそうCanter・いすゞELFのHybrid車
ELFは、モーターをエンジンとは別軸に配置、Canterはトランスミッションに組み込み
Navistar、PACCARが中型トラックのHybrid車を販売開始
Daimler:Freightlinerが中型Hybridトラックを販売、Hybridトラック開発拠点を三菱ふそうに集約
Iveco:中型Hybridトラックの実証実験を実施
要 約
日系商用車メーカーのハイブリッドトラックは、小型トラックが中心で、日野のDutro Hybrid、三菱ふそうのCanter
ECO Hybrid、いすゞのELF Hybridが販売中である。また中型トラックのハイブリッド車として日野のRanger
Hybrid、軽トラックのハイブリッド車としてダイハツのHIJET Cargo Hybridが販売されている。
欧米商用車メーカーでは、中型トラックのハイブリッド車を中心に開発が進んでおり、Navistarが2007年11月、
PACCARが2008年夏、Daimlerの子会社Freightlinerが2008年10月に、それぞれ中型ハイブリッドトラックの本格製
造・販売を開始している。
環境性能が重視される中、商用車も主に都市内配送用トラックのハイブリッド車の開発、普及が進んできている。以
下はその概況である。
HV商用車の日本市場:小型Hybridトラックの出荷台数は2008年に3000台を超える
日本でのハイブリッドトラックの本格的な発売が行われたのは、日野の積載量2tクラスのDutro Hybridで、2003年11
月のことであった。その2003年のハイブリッドトラックの日本での出荷台数は240台であった。
その後、日野のRanger Hybrid、いすゞのELF Hybrid、ダイハツのHIJET Cargo Hybrid、三菱ふそうのCanter
ECO Hybrid、が販売開始されるに連れ、出荷台数は増加し、2007年には2000台に達し、2008年には3000台を超
えた。
ハイブリッド商用車の日本での出荷台数
貨物車
普通・小型車
(参考)乗用車
(参考)
年
バス
軽自動車
普通・小型車
軽自動車
2000
0
0
35
12,915
0
2001
2
0
14
25,073
0
2002
3
0
21
15,490
0
2003
240
0
20
42,150
13
2004
1,209
0
35
65,296
0
2005
1,451
18
38
59,756
0
2006
1,658
68
56
88,628
0
2007
2,088
101
78
88,256
0
2008
3,063
63
149
117,826
0
(資料:日本自動車工業会:Japan Automobile Manufacturers Association, Inc.)
http://www.marklines.com/ja/report/rep867_201004
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先行した日野のDutro/Rangerとは構造が異なる、三菱ふそうCanter・いすゞELFのHybrid車
日本におけるハイブリッドトラックの販売で先行した日野のDutro Hybrid/ Ranger Hybridに対して、三菱ふそうの
Canter ECO Hybrid・いすゞELF Hybridは、日野の2モデルとは異なった特徴を持っている。
ハイブリッド用電池に、日野の2つのモデルがニッケル水素電池を採用しているのに対して、CanterとELFは重量あ
たりのエネルギー密度が高いリチウムイオン電池を用いている。またELFは、ハイブリッド用モーターをエンジンと別
軸上に配置するPTO型パラレル・ハイブリッド方式を採用している。
日系商用車メーカーのハイブリッドトラック
積載量4tクラス
積載量2tクラス小型トラック
中型トラック
メーカ
日野
日野
モデル
Ranger Hybrid
Dutro Hybrid
型式
BJG-FC6JKWH
BJG-XKU508M
BJG-FE74BBV
BJG-NMR85AN系
HAD-S320V
パラレル
パラレル
パラレル
PTO型パラレル
パラレル
2008年1月
2009年8月
2009年4月
2007年8月
2007年12月
-
800
600
500
-
8,677,200
4,564,350
5,589,150
4,907,700
2,215,500
標準キャブ、
標準幅、
ハイキャブ、
ー
Hybrid
方式
三菱ふそう
軽トラック
Canter ECO
Hybrid
いすゞ
ダイハツ
HIJET Cargo
ELF Hybrid
Hybrid
最新モ
デルの
発売年
月
発売時
の
国内年
間販売
目標
車両本
体価格
(円:消
4t積載、
カーゴ用・全低床・
バン(架装費用
ロング、
費税込
キャブ付シャシー
標準長、
を含む)、
フルフラットロー、
キャブ&シャシー
INOMAT-Ⅱ
キャブ付シャシー
11.2(5速MT、
11.0(2t)
積載2t以下)
10.0(3t)
重量車モード
重量車モード
平成27年
み)
燃費
11.0
20.0
重量車モード
重量車モード
10・15モード
平成27年
平成27年
平成27年
平成27年
燃費基準
燃費基準
燃費基準
燃費基準
燃費基準+25%
ス
平成17年(新長期)
平成17年(新長期)
適合規
排出ガス規制
排出ガス規制
(km/l)
測定モ
ード
燃費達
成した
基準
7.24(7.5-8t車)
排出ガ
制
排出ガ
ス
認定レ
ベル
平成17年(新長
期)
排出ガス規制
平成17年(新長期)
排出ガス規制
平成17年(新長
期)
排出ガス規制
平成17年重量車
平成17年重量車
平成17年重量車
平成17年重量車
平成17年基準
NOx・PM10%低減
NOx・PM10%低減
NOx・PM10%低減
NOx・PM10%低減
排出ガス75%
レベル
レベル
レベル
レベル
低減レベル
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燃料
低硫黄軽油
低硫黄軽油
低硫黄軽油
(S-50ppm)
(S-50ppm)
(50ppm)
軽油
無鉛レギュラー
リング
標準装備
標準装備
標準装備
ストッ
(シフト操作
(シフト操作
(シフト操作
プ&ス
によって作動)
によって作動)
によって作動)
唯一の日本メーカ
Dutro Hybridは、
モーターをトラン
ーの中型トラックの
2003年11月に世界
スミッションの中に は別軸に搭載され
イブリッド車。
Hybrid車。2008年
初の小型Hybridトラ
組み込んだパラレ る、独自のPTO型パ
(2007年12月に
のモデルチェンジ
ックとして発売され
ル方式。モーター
マイナーチェン
ガソリン
アイド
標準装備
標準装備
(自動停止)
(自動停止)
タート
モーターがエンジンと 軽トラック初のハ
ラレル方式を採用。
プラグイン・ハイブリッ ジ。フロントバン
のシステムを適用し 5000台以上販売さ
発進が可能。
ド車を2011年より投
ている。
2009年4月にモデ 入予定。
特徴
から、Dutro Hybrid た。2009年7月まで、 の駆動力のみで
れている。
パーや装備を充
実させた)。
2009年8月には燃費 ルチェンジ。エン
性能の向上などのマ ジンの出力、ハイ
イナーチェンジが行
ブリッドシステムの
われた。
最適化を図って燃
費性能を向上させ
た。
トヨタとの共同開発。
同型車
発売
注1:
同型車OEM供給によ トヨタもDyna
り、日産アトラス
Hybrid/Toyoace
H43Hybridとして
Hybrid として販売。
2007年9月に発売。
日野のアイドリングストップは車両停止後、シフトレバーをニュートラルに切り替え、パーキングブレーキを引くこ
とでエンジンが停止する。エンジンはクラッチぺダルを踏み込むことで再始動する。
三菱ふそうのアイドリングストップ機能は、ISSスイッチをONにし、サイドブレーキをかけ、シフトレバーをDレンジ
注2: からNレンジに入れるとアイドリングが停止。発進時はDレンジに戻すとエンジンが再始動。(サイドブレーキをか
けなくてもISSは作動するが、サイドブレーキをかけることが安全上の理由で推奨されている)
エンジンとミッション
車両重量
(Kg)
車両総重量
(Kg)
最大積載量
(Kg)
型式
総排気量(c
c)
最高出力
kW(PS)/rmp
Canter ECO
Dutro Hybrid
3543
2356
2900
2356
1010
7928
4521
5065
4521
1470-1480
4400
2000
2000
2000
J05D(J5-ⅡA)
NO4C-UJ
4M42(T3)
4JJ1-TCS
EF-VE
直列4気筒
直列4気筒
直列4気筒
直列4気筒
直列3気筒
4728
4009
2977
2999
659
132(180)/2800
100(136)/2500
96(130)/3200
100(150)/2800
37(50)/5900
Hybrid
ELF Hybrid
HIJET Cargo
Ranger Hybrid
Hybrid
350
(2人乗車時)
最大トルク
N・m(kg・
490(50.0)/1600 392(40.0)/1600
http://www.marklines.com/ja/report/rep867_201004
294(30.0)/1700
375(38.2)/1600 63(6.4)/4000
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m)/rpm
DPR、
DPR、
インタークーラー、
コモンレール、
パラジウムの
コモンレール、
コモンレール、
クールドEGR、
インタークーラ
自己再生の
ターボインター
ターボインター
ターボチャージャー、
ー、
機能があるイ
排出ガス対
クーラー、
クーラー、
再生制御式DPF
ターボチャージ
ンテリジェント
策と
クールEGR
クールEGR
ャー、酸化触
触媒
媒、
後処理装置
触媒化セラミック
フィルター、
DPD
5速INOMAT-Ⅱ(Intelligent
変速機
6速MT
5/6速MT
& Innovative Mechanical
Automatic Transmission)
4速AT(ロック
5/6速自動MT
アップ機能つ
(スムーサーEx)
き)
DPR(Diesel Particulate active Reduction system)システムはディーゼルエンジンの吸気から排気までを協
注1: 調制御するシステム。DPRクリーナーが排出ガスをセラミック壁に通すことでススを回収し、触媒とコモンレール
式燃焼システムとの協調で、走行中にススの燃焼処理を行う。
注2:
注3:
再生制御式DPF(Diesel Particulate Filter)は酸化触媒とセラミックフィルターで構成される。セラミックフィルタ
ーに一定量の粒子状物質(PM)が捕集されると、自動再生によりPMを燃焼除去する。
DPD(Diesel Particulate Defuser)はセラミックフィルターで捕集したPMを、いすゞ独自の排気温度制御によ
り、効率的に燃焼させ、フィルターを再生するシステム。
INOMAT-ⅡとスムーサーExは減速時に、自動的にクラッチを切り、エンジンブレーキによる減速エネルギーの
注4:
回収ロスを防ぐ。
ELFはモーターをエンジンとは別軸に配置、Canterはトランスミッションに組み込み
いすゞのELF Hybridは、ハイブリッド用のモーターをエンジンとは別軸上に配置している。このことで、ハイブリッドシ
ステムの異常時にもエンジンのみで走行可能。また、モーターをフレームの下方に設置することができ、装荷時の自
由度が高まる。また、リチウムイオン電池を国内のハイブリッドトラックで初採用した。
三菱ふそうのCanterは、モーターをトランスミッションの中に組み込んでいる。減速時にクラッチが切れ、減速エネル
ギーを効率的にモーター/ジェネレーターによって回収できる。
日系商用車メーカーのハイブリッドトラックの電動機と電池
■電動機
Ranger Hybrid
最高出力
(kW)
Dutro Hybrid
Canter ECO
ELF
Hybrid
Hybrid
25.5
36
36
35
350
350
200
HIJET
Cargo
Hybrid
9.4
最大トルク
(N・
- 46/1000
m/rpm)
エンジン
モーター
エンジン出力軸
配置
に直結
エンジン出力軸 トランスミッション(INOMAT-Ⅱ)の中に
に直結
組み込んで配置
とは
別軸に
配置
エンジンと
ATの
間に配置
■電池
Canter ECO
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HIJET Cargo
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Ranger Hybrid
Dutro Hybrid
Hybrid
ELF Hybrid
Hybrid
種類
ニッケル水素
ニッケル水素
リチウムイオン
リチウムイオン
ニッケル水素
総セル数
-
40
96
90
30
総電圧(V)
288
288
346
346
216 定格容量(Ah)
-
6.5
5.5
-
6.5
パナソニックEV
パナソニックEV
日立ビークル
日立ビークル
パナソニックEV
エナジー
エナジー
エナジー
エナジー
エナジー
供給会社
Navistar、PACCARが中型トラックのHybrid車を販売開始
日系商用車メーカーが小型ハイブリッドトラックの生産・販売で先行していたが、2007年以降、欧米商用車メーカー
は、中型トラックのハイブリッド車の生産・販売を開始し始めている。
Navistarは、中型ハイブリッドトラックInternational DuraStar Hybridを2007年11月から販売し、PACCARは
KenworthブランドとPeterbiltブランドの中型ハイブリッドトラックを2008年夏から生産。Volvoは、2012年より大型トラ
ックのハイブリッド車を量産する予定。
Navistar:中型ハイブリッドトラックを2007年11月に生産開始
Navistarは、中型(Class6)ハイブリッドトラックInternational DuraStar Hybridの生産を、2007年11月に開始。パラ
レル式のハイブリッドシステムを備え、モーターはクラッチとトランスミッションの間に設置されている。340Vのリチウ
ムイオン電池を搭載。都市内での配送業務で30-40%の燃費改善が図ることができるという。
Electronic Power Take-Off(ePTO)機能(オプション装備)を用いて、エンジンを切り、電力のみで作業を行うこと
ができる。
2008年10月には、より大型のClass7のDuraStar Hybrid tractorも追加した。
資料:Navistar Press Release 2007.11.8、2008.10.13、2009.4.22
注1:Class6は自動車総重量19,501-26,000ポンド、Class7 は同26,001ポンド-33,000ポンドまでのトラック。
注2:
注3:
2005年より開発を続けてきた、別のハイブリッドシステム、油圧式ハイブリッド(Hydraulic Hybrid)車を1台、
UPSに2008年10月に納品した。
Navistarは、アメリカエネルギー庁のプロジェクトでPlug-in electric hybridバスを、2008年12月から開発して
いる。
PACCAR:Kenworthブランドのハイブリッド中.大型トラックを2008年夏より生産
PACCARは、Kenworthブランドの中型トラックT270 Class6とT370 Class7 のハイブリッド車を、Canada、Quebec
州、Thereseの工場で、2008年夏より生産。搭載するディーゼルエンジンはPACCAR PX-6(300h/2600rpm)で、
モーターは最大トルク310ft・lbの性能を持つ。Eaton社と共同開発したハイブリッドシステムは、パラレル式で、モ
ーターはトランスミッション(Eaton 6-speed UltraShift transmission)の中に組み込まれている。
回生ブレーキシステムも備え、340Vのリチウムイオン電池を搭載し、ハイブリッドシステム全体の重量は400ポンド。
PTO(Power Take-Off)を機能させ、電動のみで作業が可能。
資料:Kenworth Press Release 2008.3.26、9.24
注:CoCa-Cola社は米国とカナダで305台のT370 Hybridを運用している。
PACCAR:Peterbiltブランドのハイブリッド中.大型トラックを2008年夏よりカナダで生産
PACCARは、Peterbiltブランドの中型トラックModel 330 Class6とModel 335 Class7のハイブリッド車を、
Canada、Quebec州、Thereseの工場で2008年夏より生産。
Model 330 Hybrid Electric(HE)はEaton社のハイブリッドシステムを用い、PACCAR PX-6エンジン(最大出力
260hp)を搭載している。330HEは、発進・停止の多い都市部での配送用向きで、商用車用の免許なしで運行でき
る(Non-CDL operation)。都市部での走行時に30%の燃費向上が図れるという。
Model 335Hybrid Electricは、ハイブリッドシステムを用いるPTO(Power Take-Off)を機能を持ち、リチウムイオン
電池からの電源のみで作業できる。このため普通車に比べてエンジンを稼動させる時間を1/6に短縮できる(エン
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ジンは4、5分稼動して充電後、停止。このサイクルを繰り返す)。
資料:Peterbilt Press Release 2008.3.26
注:Peterbiltは他にトレーラー車Model 386 Hybridなどのハイブリッドモデルがある。
PACCAR:DAFブランドのハイブリッド7.5tトラックを2008年1月より実地試験
PACCARは、DAFブランドの7.5tトラックLF hybridの実地試験を、欧州各地で2008年1月より実施。Eaton社のパ
ラレル式ハイブリッドシステムを備えている。搭載するディーゼルエンジンはEEV(Enhanced Environmentally
Friendly Vehicles)対応4.5L PACCAR FRで最大出力118kW(160hp)。モーターはクラッチとギアボックスの間に
設置され、回生ブレーキ機能が備わっている。340Vのリチウムイオン電池を搭載し、その重さは約100kg。電池の
みで約2km走行できる。
資料:DAF Press Release 2008.9.23
Volvo:ハイブリッド大型トラックを2012年から少量量産予定
Volvoは大型トラックVolvo FE Hybridの少量量産を、早ければ、2012年より開始する予定(当初は2009年末から
開始予定であったが、金融危機の影響で延期)。
FE Hybridは排気量7LのVolvo MD9ディーゼルエンジンを搭載。スタータも兼ねた120kWのIntegrated Starter
Alternator Motor(I-SAM)を、クラッチとギアボックスの間に設置している。搭載している電池は、600Vのリチウムイ
オン電池。
時速20kmまでは電動で走行し、それ以上のスピードになるとディーゼルエンジンが起動する。回生ブレーキシステ
ムとアイドリングストップ機能も有しており、都市内での走行で15-20%の燃費の改善が図られるという。
資料:Volvo Trucks Press Release 2008.12.10、2009.11.2
Daimler:Freightlinerが中型Hybridトラックを販売、Hybridトラック開発拠点を三菱ふそうに集約
Daimlerは子会社Freightlinerの中型ハイブリッドトラックBusiness Class M2e Hybridを2008年10月に発売。そし
て、子会社の三菱ふそう内に「グローバル・ハイブリッド・センター」を設置し、Daimlerグループのトラック部門のハイ
ブリッド開発拠点を2008年8月に集約。
Daimler:2008年、トラック部門のハイブリッド車開発拠点を日本に集約
Daimlerは、トラック部門のハイブリッド車の開発拠点を、2008年8月、子会社三菱ふそう内に設立した「グローバ
ル・ハイブリッド・センター(GHC)」に集約した。グループ内でMercedes-Benz、Daimler Truck North
America(DTNA)、三菱ふそうの三社に分散していたハイブリッド開発部門を統合することで、情報の一元化・共有
化を図り、開発効率を高める。日米欧で50人の専任エンジニアが配属される(一部は欧米各社に配置)。
Daimlerが2007年11月に掲げた、商用車の燃費向上と排出ガス削減を図る"Shaping Future Transportation"と
いう開発方針の一環。その中でハイブリッド車をディーゼルエンジンの代替技術の主役と位置づけている。
資料:三菱ふそう Press Release 2008.8.27
Daimler:ハイブリッド12tトラックをDHLと2010年末まで実証実験。
Daimlerは、Deusche Post DHLと共同で,ハイブリッド・ディーゼル12tトラックMercedes-Benz Atego BlueTec
Hybridを5台用いた実証実験を行っている(2010年末までの予定)。
このAtego Hybridは、パラレル方式のハイブリッドシステムを採用しており、クラッチとトランスミッションの間にモー
ターを配置し、発進時にモーターのみでの走行が可能。エンジンはEuro5対応の4気筒4.8LのOM924 LAディー
ゼルエンジン。最大出力は160kw(218hp)/2200rpm、最大トルクは810Nm/1200-1600rpm。
モーターは水冷式の交流永久磁石モーターで最大出力44kW、最大トルク420Nm。電池はリチウムイオン電池を用
い、独立した空冷システムを持っている。回生ブレーキ機能も有したHybridシステムによって、Atengo Hybridは従
来車Atengo 1222と比較して300-400kg重量が増えている。通常の利用距離、45万kmまでの使用に耐えるとして
いる。
資料:Daimler Press Release 2009.10.10
注:Daimlerは2009年12月に発表した、2010年の商用車部門の見通しの中で、Atego BlueTec Hybridをさらに50
台供給すると言及(Daimler Press Release 2009.12.29)。
http://www.marklines.com/ja/report/rep867_201004
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Daimler:二つの大型ハイブリッドトラックのプロトタイプ車を2008年のIAAで初披露
Daimlerは2008年9月、ドイツで開かれていた商用車の展示会IAAで2つのハイブリッドトラックのプロトタイプ車を
初披露した。一つは、初の長距離トラックのハイブリッド車であるAxor BlueTec Hybrid truck、もう一つは主に特
装車向けの大型車Econic BlueTec Hybrid with diesel engineである。
資料:Daimler Press Release 2008.9.18
Daimler:第二世代ガソリンPlug-in Hybrid Vanの実証実験を2008年夏に開始
Daimlerは、第二世代Sprinter Plug-in Hybridガソリン車の実証試験を2008年夏よりアメリカ各地で行う。この実証
試験ではLos Angeles, Chicago, Detroit, Washington D.C. で11台のハイブリッド車を用い、ドイツでも2台用い
る。
新型Sprinter Plug-in Hybridは30kmを電池のみで走行可能で、リチウムイオン電池を搭載。パラレル式のHybrid
システムを搭載し、モーターはエンジンとトランスミッションの間に設置されている。ガソリンエンジンは、最大出力
190kW(258hp)の6気筒、排気量3.5Lで最大トルク340Nm/2500-5000rpmの性能を持つ。モーターの性能は、最
大出力71kW、最大トルク280Nm。
100Lのガソリンタンクを車軸の間に置き、175kgのリチウムイオン電池(容量14kWh)を後輪軸の後ろに配置してい
る。このリチウムイオン電池は、エンジンによる発電、ブレーキによる回生エネルギーと電源からの充電(Plug-in)に
よって再充電可能。
FedExとのパリ市街地におけるディーゼル車を用いた実証実験では、エンジンだけに比べてPlug-in Hybrid車は
40%の燃費の改善が図れ、100kmを走るのに10.1Lの燃料消費であったとしている。全行程の62%を電池のみを用
いて走行した。
資料:Daimler Press Release 2008.6.20
注:Sprinter Plug-in Hybridの第一世代車は2004年に公開されたディーゼルエンジン車(モーターの出力は
70kw、電池はニッケル水素電池)。ガソリン車の需要が多いアメリカ市場に対応するため、第二世代車はガソリン
車とした。
Daimler:子会社Freightliner ハイブリッド中型トラックBusiness Class M2e Hybridを販売
Daimlerの子会社Freightlinerは2008年10月、ハイブリッド中型トラックBusiness Class M2e Hybridに5000米ドル
のインセンティブ付販売を同年12月15日まで行うと発表した。同車はEaton社製のパラレル式ハイブリッドシステム
を導入している。
このハイブリッドシステムはリチウムイオン電池と回生ブレーキシステム、そしてPower take-off(ePTO)というモータ
ーのみで作業を行えるシステムを備えている。最大60%の燃料と87%のアイドルタイムを削減できるとしている。
資料:Freightliner News 2008.10.9、その他資料
Iveco:中型Hybridトラックの実証実験を実施
Ivecoは中型ハイブリッドトラックの実証実験を行っており、MANは中型ハイブリッドトラックのコンセプト車を2008年9
月に発表。
Iveco:ハイブリッドの中型トラックの実証試験をCoca-Cola社と行う
Ivecoは、中型トラックEurocargoのパラレル式ディーゼルハイブリッドの試験車1台をCoca-Cola社に納入した、と
2009年3月に発表。これは、Brussels中心部における両社のパイロット事業の一環。同年8月末までCoca-Cola社
は製品の配送を同車で行い、ハイブリッド車の実用可能性について検証する。
Eurocargo Hybridは、同型のディーゼル車に比べて最大30%の燃費の向上が図れる。搭載されているエンジンは
最大118kWのEuro 5対応16バブル4気筒ディーゼルエンジンで、最大44kWのモーター.ジェネレーターと組み合
わされている。モーターだけで発進することが可能。1.9kWhのリチウムイオン電池を搭載し、6AT車。アイドリング
ストップ、回生ブレーキの機能を有している。積載量は200kg従来車より少ない。
資料:Iveco Press Release 2009.3.26
Iveco:ハイブリッドの小型トラックの実証試験をFedEx社と2010年5月まで行う
Ivecoは、10台の小型トラックDailyのディーゼルハイブリッド車をFedEx社に納入し、2010年5月までミラノで実証実
験を行っている。2009年4月に発表した最初の6ヶ月の実験結果によれば、走行距離は平均7900kmで、従来車に
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ハイ ブ リッド(HEV)商用車:日本では小型Hybridトラ ックの販売拡大 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
比べ平均26.5%の燃料削減と7.5tのCO2排出量が削減できたという。このDailyのハイブリッド車はモーターだけで
発進ができ、アイドルストップ機能、回生ブレーキの機能を有している。
資料:Iveco Press Release 2009.4.6
MAN:ハイブリッド12tトラックのコンセプト車を2008年9月発表
MANは、ハイブリッドトラックのコンセプト車TGL Hybridを2008年9月にハノーバーで開かれた第62回IAAにて初
披露した。このハイブリッドトラックは12t車で、長距離走行と定期的な停止を繰り返す輸送業務(Distribution
traffic)向けに開発された。パラレル式のハイブリッド車で、モーターをクラッチとトランスミッションの間に配置し、電
池のエネルギーのみで走行も可能。
欧州EEV規制(Enhanced Environmentally Friendly Vehicles)対応4気筒220HPエンジンと60kWのモーターを
搭載する。アイドリングストップ機能も備え、15%の燃費の改善が図れるとする。MANはTGL Hybridの量産を中期
的な目標としている。
資料:MAN Nutzfahrzeuge Press Release 2008.9.23、その他HP資料
出典:マークラインズ
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