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フラッシュメモリ型携帯音楽プレーヤー

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フラッシュメモリ型携帯音楽プレーヤー
●フラッシュメモリ型携帯音楽プレーヤー●
●iPod nano とは?
iPod nano(写真1)とはアップル社から
発売された、フラッシュメモリを内蔵した
デジタルオーディオプレーヤーです。
iPodnano の一番の魅力は薄さ6.2mm 重
量36.8g で4000曲の音楽や16時間
のビデオ(16GB の場合)を保存できる
ところです。でも、どうして軽量のボディ
で沢山の音楽やビデオが持ち歩けるので
しょうか?iPod nano を解体しながら、その
しくみを探っていきましょう。
●iPod nano 分解
今回は2008年9月発売の最新型 iPod nano 第4世代を分解しました。中身を取り出すと、
リチウムイオンポリマー電池と制御基盤が出てきます。このリチウムイオンポリマー電池はポ
リマーに電解液を含ませてゲル化したものです。ゼリー状の流動性を持つ固体と液体の中間的
な状態になっています。これにより、厚さ 1mm 程度の非常に薄い形状の電池や、箱型以外の任
意の形状の電池を作れるようになり、iPod nano の薄さを実現させています。
制御基盤の表側(図 1)を見ると、電源制御 IC、SoC(System on a Chip)、オーディオ・コー
デック、3軸加速度センサがあります。詳しく見ていきましょう。
電源制御 IC は電源の on/off をコントロールする IC です。SoC は沢山の主要機能を1つのチッ
プに集約させたものです。コンピュータの心臓部に当たる半導体チップのマイクロプロセッサ、
コンピュータ内でデータや プログラムを記憶する装置のメモリ、コンピュータの中で画面表示
を担うビデオチップなどが組み込まれています。1 つのチップに集約させると、チップを組み込
むために必要な面積が劇的に縮小し、消費電力も同等の機能を持つ複数チップによるシステム
と比べて格段に抑えられます。
オーディオ・コーデック IC は高音質・高機能なオーディオ処理を実現する IC で、沢山のデ
ジタルメディアファイルを持ち歩くために重要な役割を担っており、曲やビデオなどのデジタ
ル メディアファイルを、フラッシュメモリに書き込むデータをより多くするために圧縮します。
圧縮とは、データの意味を保ったまま容量を削減する処理のことをいいます。たとえば、
「XXXXXX」という文字列を「X が 6 つある」という意味の「X6」をいう風に置き換えれば、
意味を保ったまま6文字から2文字にすることができ、1/3 の容量に圧縮できます。
また、第4世代の特徴は加速度センサが盛り込まれているところです。加速度センサとは上
下・左右・前後の 3 軸方向に対する速度の加わり方を感知する装置です。この装置を使用する
ことにより、物体が動く方向やスピード、傾きなどの情報を入手できます。自動車のエアバッ
グやカーナビゲーションシステムも、この加速度センサの働きにより衝撃の発生や進行方向を
感知できるのです。iPod nano に使用されている加速度センサは静電容量方式と呼ばれるもので、
おもりと一体となった可動電極と固定電極とで容量を形成し、加速度による変位を容量値の変
化で検出する方式です。この加速度センサにより iPod nano を振ることによって選曲をシャッフ
ルしたり、手の動きに反応するゲームを楽しむことができます。
クリック・ホイールの仕組みを見てみましょう。クリック・ホイールは指で触れて、なぞる
と画面上で選択できます。しかし、手袋などをはめてクリック・ホイールをなぞっても画面選
択できません。なぜでしょうか?それは人の指は導体であるため、タッチホイールに触れると、
静電容量と呼ばれる電気現象が生じ、入力された命令を動作させることを可能としているから
です。これは、iPhone のタッチパネルも同じしくみが利用されています。
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