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経尿道的膀胱結石破砕術について PDF

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経尿道的膀胱結石破砕術について PDF
経尿道的膀胱結石破砕術について
【手術の目的】
尿道から内視鏡を膀胱内に入れて、膀胱内の結石を破砕する手術です。当院では主にホルミウムヤグレ
ーザーを用いて結石を破砕しています。男性の場合、前立腺肥大症の手術(TURP)を同時に行うことも
あります。
【手術方法と術後経過】

麻酔薬を背中から注入する下半身麻酔(脊椎麻酔または硬膜外麻酔)もしくは全身麻酔で手術を行い
ます。

足を開いた体位をとって陰部を消毒したのち、尿道から内視鏡をいれて膀胱内を観察します。生理食
塩水を灌流しながらモニター画面を見て操作します。結石が確認できたところで、レーザーを照射し
て細かく破砕していきます。破砕片をすべて回収したのち、尿道にカテーテルを留置して終了になり
ます。前立腺肥大症の手術を同時に行わなければ、通常翌日にカテーテルを抜去します。手術操作時
間は30~120分程度です。結石の大きさや硬さによって難易度が異なります。

手術当日は禁食となりますので、朝から点滴を開始します。当日に抗生剤の点滴投与を行います。通
常、点滴は手術翌日に終了する予定です。

手術後は翌朝までベッド上安静となります。翌朝から食事・歩行を再開します。尿道のカテーテル
は、血尿の程度をみて抜去します(たいてい手術の翌日に抜去します)。問題なければ術後2日目以
降に退院可能となります。
【合併症について】
手術中
尿道損傷:尿道から内視鏡を挿入する際に起こりうる合併症です。慎重に挿入します。
東京都立大塚病院泌尿器科
膀胱穿孔:レーザーを用いた膀胱結石破砕術ではまれな合併症ですが、万が一膀胱穿孔(膀胱壁に穴があ
くこと)をきたした場合、小さな穿孔では尿道カテーテルを留置して手術を中止し、自然に治癒するのを
待ちます。大きな穿孔では緊急開腹手術になる可能性も考えられます。
手術後
血尿:手術後の血尿はほぼすべての方にみられますが、通常数日で自然軽快します。
発熱(前立腺炎、腎盂腎炎など)
:抗生剤を手術当日に点滴投与します。術前からの尿路感染症と排尿障
害に起因します。敗血症にまで至る頻度は少ないですが、もしも起きた場合には抗生剤投与の追加延長
などの対処が必要になります。
尿道カテーテル留置に伴う痛み・いきみ感:通常手術翌日まで尿道にカテーテルを留置しておきます。痛
みやいきみ感が強いときは鎮痛剤の坐薬などを使います。
尿道狭窄:術中の機械的な尿道損傷や尿路感染に起因するものなどが考えられます。
頭痛、下肢の違和感:麻酔の影響で起こることがあります。多くの方は自然に軽快します。
深部静脈血栓症(肺塞栓症)
:手術中もしくは手術後の臥床中に足の血管内で血液の固まり(血栓)がで
きて、手術後に離床した時にそれが肺へ飛んで肺の血管を詰まらせる病気です。万が一、血栓症が発症し
た場合、抗凝固薬(血栓形成を抑制する)や血栓溶解薬(血栓を積極的に溶かす)を投与するとともに、
1 週間程度安静にする必要があります。程度によっては命に関わることもありますので、弾性ストッキ
ングとフットポンプを両足に装着して予防します。
このほかにも手術に際してあなたの場合は下記のようなご病気があるために、ご病気のない方に比べて
危険(リスク)を伴います。
あなたのほかの病気:
万全の注意を払って手術を行いますが、実際の手術には上記以外の予想し得ない合併症がおきることが
あり得ます。万が一そのような合併症がおきた場合には、迅速に適切な対応をとらせていただきます。
【退院後の生活について】
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一般的に飲水量は多めにしていただきます。食事以外にも1日 1-2L を目安にして下さい。
東京都立大塚病院泌尿器科
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飲酒は1週間控えてください。アルコールは血管を拡張する作用がありますので、再出血を助長する
危険があります。
【手術後の予定】
採取できた結石破砕片はその構成成分を調べます(レーザーで破砕した場合は破砕片がきわめて小さい
ので回収できない場合があります)
。検査結果は1週間ほど要します。退院前もしくは次回の外来で担当
医よりご説明します。結石成分を参考に再発予防のための生活指導を行います。前立腺肥大症などによ
り排尿障害をともなう方や再発を繰り返す方、高尿酸血症(痛風)や酸性尿の方などには、予防的に日頃
からお薬を内服することをお勧めすることがあります。
東京都立大塚病院泌尿器科
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