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三 (農業経営学研究室)

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三 (農業経営学研究室)
一101一
牛小作慣行における家畜商畜主型について
岡山県川上郡旧手荘町における調査より
竹 浪 重
雄③荒 木 彰
三(農業経営学研究室)
Shコgeo TAKENAMI and Shδjo ARAKI
AStudyontheCatt1e−shareLeaseinthecase
in which Cou耐ry Dea1ers are Land16rds
Iはしがき
いたが為めに農地改革後の没落をまぬがれた旧地主階層
家畜小作を畜主と小作人との対極関係においてとらえ
で現在山林地主,或いは農地改革後急激に発展してきた
ようとする場合,当然畜主の性格によつて家畜小作関係
所謂富農,または商業資本と深いつながり一を有する地方
は各々その本質,内容厚び収取関係を異にするものと考
えられる。畜主をその性格別に分類し,その各々につい
政治ボス等で,経済的にも社会的にも村の有力者と目さ
(o)
れる人々である。彼等は何れも保主的勢力を代表するも
て家畜小作関係を瞥見すると次の通りである。
ので,封建遺制の強い山村において旧勢力維持のための
(1)地主:目本農業の展開過程に従って地主そのも
中心勢力たる性格を有するものである。こ一れが畜主とな
のの性格も大きく変化して行つたが,本質的には地主は
つて家畜小作≡と関係する場合,家畜小作は‡地小作を伴.
小作料収得者としての性格をもつ。従つて地主が畜主で
わず,また通常高利貸資本的な金銭憤務も伴わないが,
ある場合の家畜小作は,本質的には土地と結びついた家
一方その根底に封建的な親方・子方的関係を伴うもので
畜小作であり,要するに高率小俸料確保=のための効果的
(1)
な手段としての家畜小作であつたと考えられる。
ある。
(なお畜主が個人でなく,国家,県或いは農協等,また
(2)高利貸資本二その顕現者として地主が兼ねる場’
は会社等で,小作人との間に比較的近代的関係を伴うと
合もあれば,また従来日本農村に普遍的な「地主=商人
みられるものがあるが,その各々についての実態が未だ
明らかでないので,ここでは一応附記しておくにと・どめ
.=金貸の三位一体的」な在村富裕者である場合もあるが,
何れにしても彼等は高利収得者としての性格をもつ。従
つてこ一れらに代表される高利貸資本が家畜小咋と関係を
もつた場合,家畜小作は金銭債務を伴うものとなる。こ
れには け)借金に基くもの,(口)低当流れに基くものの二
(2)
る。)
以上の如く,畜主の性格が異るにつれて家畜小作も自
らその類型を異にするが,対畜主との関係において家畜
小作を分類すると次の通りである。
つがある。
(/)土地小作を伴うもの^
(3)商業資本:高利貸資本に対して農村に存在する
(2)金銭漬務を伴うもの
商業賢本が家畜小作と関係する場合,その代表者は家畜
(5)家畜の取引関係を伴うもの
商である。一彼等は当然利潤取得者としての性格をもち,
(4)親方・子方的関係を伴うもの
この場合家畜小作は当然小作家畜そのものの取引関係を
このように家畜小作を畜主の性格に基いて類型に分け
伴うものとなる。家畜商が畜主である形態の家畜小作は,
一る理由は,先にもふれた如く,畜主の性格が異るにつれ
現在申国地方の山間部和牛生産地帯において最も普遍的
(3)
て,自らその小作関係もそg本質,肉容及ぴ収取関係等
な小作形態であるものと見られている’。
(4)
(更に工業資本が家畜小作と関係する場合があるが,こ
を異にし,従つてその弊害のあらわれ方にも差異が生ず
の場合小作の対象が生産物が工業原料となる用畜に限定
当つても,各々の場合に適切な方策が考えられねばなら
されるので・以下和牛を主体とする本論においてはふれ
ないカ・らである。
ないこととする。)
遇去の家畜小作の大部分が(/)の土地小作を伴う形態
(4)在村有力著 上述せる何れにも属さないけれど
畜主となる者に在村有カ者がある。彼等は山林をもつて
ることとなり,従つて家畜小作解消の方策を検討するに
(6)
のものであつたことは,多くの文献に明らかにされてい
る通りである。名子小作,株小作,刈分小作等に伴うも
本研究は昭和30年度文部省科学試験研究費補助金(課題番号40115)により実施したものの一部である。
・島根農科大学研究報告
一102一
第5号 (195ア)
のも勿論この類型に属する。しかし乍ら農地改革以後地
力の復活,増大をもたらす一つの基盤となつていること
主の消滅.と共にこの型に属する家畜小作は殆んどそのあ
を指摘した。このような(4)の形態の家畜小作の地域性.
とをとどめない。.
については未だ明かでないが,一方(3)の形態の家畜の
次に(2)の金銭憤務を伴う家畜小作も遇去において多
取引関係を伴う家畜小作一すなわち畜主が家畜商であ
く見ちれたようである。しかし乍ら戦後日本経済の混乱
る場合の牛小作は,中国地方山間部の和牛生産地帯にお
期を経て,農村における高利貸資本はその顕現者たる地
いて可成り普遍的であるζとが明かである。家畜の流通
主階層の没落,並びに農村における資本蓄積の不足,或
蔀門をつかさどるべき家畜商が牛小作における畜主とな
いは金利の高騰等の悪条件のために,その勢カが極頃て
つた場合,畜主と云う立場と生産物販売上の優位性とを
弱庫化した。一方家畜申特に牛などは現金化し易い性質
通じて,生産農家に対する発言力は当然大きくなり,こ
もあつて債務g低当に和かれ易いが1現在なお戦前の高
のことは家畜商の既先支配の確立と云う形であらわれて
利貸資本的な畜主 すなわち金銭廣務を伴っことをそ
くる。本稿においては家畜商畜主が支配的である岡山県
の本質とする家畜小作は,申国地方山間部においては余
川上郡の一山村における調査より,特に家畜商畜主の場
りその例をきかない。
合の午小作慣行について,①家畜商の既先支配と牛小作
従つて,現在の家畜小作において最も普遍的なものは
との関係を明らかにすることによつて家畜商の畜主化の
(3)の家畜の取引関係を伴う家畜小作であり,.次いで(4)
要因を探求し,②家畜商畜主の場合の牛小作の弊害を明
の親方・子万的関係を伴う家畜小作である、後者は封建
らかにしヨ更に③牛小作解消の方策にまで立ち入つて考
性の彊く残存している山村において見られ,そこでは畜
察してみたい。
主と小作人とが家畜小作を一つの契機として親方・子方
的関係を創串し,むしろ家畜商等の商業資本を排除する
皿 調査地の概況
傾向が見られ糺我々は昨年島根県中山間部に位置する
牛小作の背景とその特徴
三輝山周辺農村の牛小作慣行において,主として畜主対
小作人め関係カ・らこれを解明し,同地方の牛小作が小作
1 }駿的概況一村の牲格 牛小作の背景
調査地手荘町は岡山県西部の申山間地帯にあり,行政
人の畜主に対する経済的従属を通じて農村における旧勢
区劃から云うと川上郡に属し,同郡の略々申央南寄りに
第
富家村 。
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つ)!、㌢地
図
申 ・
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1
村ノ
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領二 。
200.OqO
五、 、
同山 疹㍉青荘・蒙
島取県
・村 1
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冷
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叡鷹…鹸圖 一、
吟嚢 !
字野火
宵
/”包
、 ・
。/ 2、帆OOO
竹浪重雄㊥荒木彰三:牛小作憤行における家畜商畜主型について
一て03一
位置する(第1図参照)。昭294/手荘町及びその隣接
(2)経営規模が小さいこと
せる高山,大賀の両村合併して現在川上町と称する。旧
手荘町の申心まセ国鉄伯騰線高梁駅より/7粁,井笠鉄道
山林原野が多く,耕地率の低いこ一とは,その凄ま農家
の経営規模の零細なことに通ずる◎経営耕地面積広狭別
(後月郡井原町∼笠岡市)井原駅より/9粁で鉄道の便に
に農家戸数を見ると第2表の通りで,3反未満及び3∼5
は恵まれない。しかし県這が東西と南北に走り,東は成
第2表経営耕地酉積広狭別農家戸数
羽町を経て備中の申心地高梁市へ,南は井原町へ,北は
\ト反未満卜・
広島県神石郡の申心地油木町へ,西は芳井町(後月郡)
へ通じ,その間町道は四通し,殆んど各部落へ自動車を
通ずる道があるニバスは成羽を経て高梁へ通ずる便が極
めて頻繁で,社会的にも,経済的にも高梁市の影響を受
・一/・l/l−/・」/・反以上1計
実数
/83戸
/30
293
全上%
28%
20
45
48
654
7
100.
(注)岡山県市町村勢要覧(昭28)による。
1之ることが大きい。本町の総戸数89ア戸1内農家戸数654
反の零細規模の階層に属する農家の割合が48%におよび
※
戸,.農家率73%,農林業以外に見るべき産業なくユ,純農
/0反以上の階層になると僅かア%に遇ぎない、
村である。
(3)畑地率が高いこと
農業から見た本町の性格とも云えるものは次の通りで
前項の事情は第3表の耕地の利用区分申,/戸当の耕
ある。
第3表耕地の利用区分
(1)山村であること
\1
東西6.0粁,南北9.5粁,標高は最高5/ア米・最低100米,
町の申央やや一北寄りを南茜から北東に向つて本流領家川
が貫流し,途中大竹川,三沢川を併せ,町の北端で成羽
川にそそいでいる。ために土地の起伏甚だしく,急煩斜
畑
畑地率
計
総 数
’剛
/84.5
24/./
425.6
/一戸 当
反
2.8
3.7
6.5
5ア%
(注).前掲岡山県続計年報(昭28)による。
地多く,地形は極めて複雑である。土地面積は第/表の
地面積が6.5反に遇ぎないことから
.・第1表土地面積
\
も容易に首肯しうる。しかも/戸当
耕 地
総面積
\
実数
3,268.0町
全上%
/00%
山林
田1畑1計
/84.5
24/./
425.6 1,996.0
ア
6
13
宅地
原 野
ア57.0
6/
34.ユ5
23
6.5反の耕地中,水田は2.8反に過ぎ
その他
54.9
2
/
ず,畑地率が高く57%である。
(4)特用咋物の重要性が大きいこと
狭い耕地,しカ・も水閏は/戸ヰ均
僅か2.8反で自家用飯米を生産する
に遇きずラ耕種生産による現金収入
(注)岡山県統計年報(昭28年版)による。
通りで,総面積3,268町歩申山林及び原野の占める割合
をあげるためには残る3.7反の畑の利用をおいてない。本
が84%におよび,採草牧野として利用出来るところが多
町における作物作付面積は第4表の通りで,稲作は勿論
い。耕地率は僅か13%に過ぎず,農家は400∼500米の高
耕種部門の根幹をなすものではあるが,作付面積から云
原地帯(七地部落),200∼300米の河川流域に沿う平坦部
(地頭及び領家部落)1及びその間に位する傾斜面(三沢
えば麦作の方がむしろ多く,また現金収入をあげる面か
らいえぱ藷菜作(特に白菜)及び土芸作に見るべきもの
部落)に散在し,極めて山村的性格が強い。
が多い。特に工芸咋はその種類が多様であり,狭1、、耕地
第4表作物 作・付’再積
稲作1麦作
/,600宅■52571
}
/,25/.0
数計
/プ605./
全上%
33%
藷 菜 作I
1内白菜
計
1
一151」
畑
いも作
487ア148ア.ア
/,756.7
36
10
□
一
3/0.7
253.8
3/0.ア
253.8
ア
5
一
/5461
/54.6
3
工’ 芸 作
その他
計」内なたね1ミんにゃ1たばこ 作
36.3
299:4
335.ア
7
(注)昭和29年度農家経済調査集計表(町役場資科)による。但し稲の作句面積は推定概算。
※ 岡山県市町村勢要覧(昭30.刊)による。
35.8105 1;lll;1; 121/
実水田
雑穀f乍
}
^
合計
2,/62,0
2./620
//2.3
ア.3 2,6ア2.7
2,6ア27
//2.3
ア13
2
2
4,834.7
4.8347
/00
島根農科大学研究報告
一104一
を集約的に利用して現金収入をあげるものとして農家経
済においてその重要陸が大きい、
第5号 (/95ア)一
「初メ伯書大山ノ牛市ニテソノ名声ヲ博シタ」と云われ
ている。これによればこの地万に古くカ・ら牛馬預託の慣
(5)白給的性格の彊いこと
行があつたことが明らかである。またこの場合の預託は
耕種の根幹たる稲作について自給的性格の強いことは
恐らくは育成のための預託であつたろうし,牛小f乍発生
師項で述べた通りであるが・麦及び雑穀についても同様
のヶ一スとしても特殊な事例であろう。もとよりかかる
である。一方生産面よりすれぱ,当地方は特に夏季の柴
午小作発生の原因については更に深く追求することが必
草刈及ぴ冬季の落葉かきによる肥料の自給畦が著しく大
要であろうし,またその歴史的発展の要因についての研
きい。夏季の柴草刈は通常9月初旬∼/0月初旬の間に行
究も重要であるが,ここでは一応ふれないことにする。
われ,刈つた柴草は通称ゲロと称せられる堆積にレてわ
さて前節において述べた如き背景のもとに展開されて
き,春先きに柴やろしと称して山より持ち帰り,一部牛
いる本町の午小作慣行について,その特徴をみると次の
の敷草となるが大部分田に入れられ,田ρ肥料は殆んど
通りである。
この柴草でもつてまかなわれる。冬季の落葉かきは通常
(て)普及率が極めて高いこと
/2月∼2月の問に行われ,これは堆肥として,既舎から
出る翫肥と併せて主としそ畑に使われる。このように田,
本町にわける牛小作状況は第6表の通りである。すな
第6表午所有別農家戸数
畑共にその肥料の自給性が彊いが,これは①稲作が白家
所有午
用飯米を生産するに遇ぎないため,購入肥料の使用を許
飼養農家
さないことヨ②畑作にこんにやく,たばこ等堆麗肥を多
く必要とすること,③山村であるため容易に堆既肥材料
の入手が出来ること,④また昔から和午飼養が盛んであ
るこ一と等の理由によるものであろう。
(6)和牛生産が重要な現金収入源となつていること
本町における家畜飼養の概況は第5表の通りである。一
実 数
小作牛飼養農家
早鰹墓尖作1灘表
/46
/5/戸
全上%
36
37%
計
//0
407
27
/00
(注)昭30.1川上町役場調査資料による。
わち和午飼養農家407戸について所有別にその戸数を見
ると,所有午(手午と称す)飼養農家は37%に過ぎず,
第5表家畜飼養戸数及びその頭羽数(昭30)
残りの63%は丸々小作(素預り,その牛を素牛と称す)
\降肉用1乳用牛h豚1緬羊
か,或いは一部所有小作(共有ともいう)の牛飼養農家
飼養戸数
戸
4ア9
飼養頭羽数
頭
53/
山羊1鶏
で,何れにしても小作慣行上にあるもので,その普及率
3 1 4
4 2 6
/8
74
6/6
23
ア6
凋
2,680
は極めて高い。
(2)一部所有小作牛の多いこと
飼養家畜申最も主要なものは和午で,全農家654戸申ア3
前掲表で見られる如く,一部所有小作午飼養農家の割
合が36%を占めて全和牛飼養農家の始を越え,また丸小
%の農家が飼養しており,また全農家/戸当飼養頭数は
作午餌養農家よりもはるかに高い割合を占めているごと
08頭である。前述の如く耕種生産中主穀作は自家消費
第7表 階層別牛所有形態別農家戸数及び同割合
(注)備申酉部地域集約酪農振興計画書,現況説明書による。
にあてられ,耕種による現金収入は主1として藷菜及び工
所有午
芸作物によるが,これらは何れも価格不安定で危険性が
大きく,そう云う点から和牛生産は比較的安定せる,且
\
つまとまつた現金収入源として農家経済において大きな
意味をもつているわけである。
2・本町における牛小作慣行の特徴.
実
古来川上郡の産牛は「高山牛」として知られ,・本町
によれぱ,こ.の附近山林原野が多く,r皆午馬ノ放牧地ニ
シテ此山二放牧セニ牛馬ハ無病健康ナリト称セラレ,」従
ノ多ク」,またそこで生産された牛は高山牛と称せられ、
※「川上郡産牛組合事業経営方法成績」(大正5年)
\、
22戸
27
37
86
5∼7.5反
53
54
52
/59
7.5,/0.0反
52
44
19
//5
/0.0反以上
24^
計
/5/
/46
2
4ア
//0
40ア
5反未満
26%
43
100
全
5∼7.5反
33
34
33
/00
上
7.5∼/0.0反
45
58
/7
/00
%
/0.0反以上
平 均.
5/
つて近辺各村より「此ノ高山村二放牧スベク預託スルモ
\
計
5反未満
3/
に隣接せる高山村(現在川上町の一部)がその発祥の地
※
・と云われる。その沿革についてr岡山県川上郡畜産概況1
数
飼養農家委蟹鵡鑑
2/
こうやまうし
小作牛飼養農家
37
(注)前掲,川上町役場資料による・
45
56一
4
27
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一106二
島根農科大学研究報告
第5号 (/957)
戸となつており,小作午が少数の家畜商畜主に集申され
桁を行うならぱ,これらは(a)牛が必要であるし,また
ていることが推測される。 .
前項に紬いて七地部落に午小作農家の多いととを見た
(b)比較的容易に飼養出来るけれども,(c)購入資金に乏
が,同部落和午飼養農家/34戸(前掲第8表参照)申,上
述の下大竹の家畜商Yに関係のある牛を飼養しているも
条件は何れも非所有的飼養者の存在を許す社会的経済的
基盤をなすものであるカ㌔一方家畜商を代表とする商業
の80戸(60%),うち丸小作30戸,一部所有小作50戸と称
資本が,非飼養的所有者の存在基盤となつて前者と結び
せら’れている。この家畜商Yは当地方最大の家畜商であ
るが,その厩先は七地・三沢の両部落かち隣村大賀村(現
しい農家の存在することを意味する。もつともこれらの
つき,普遍的な牛小作慣行を展開したものと思われる。
在川上町)の各蔀落に亘り,その厩先数(実質的に丸小
ここに牛の非所有的飼養者と非飼養的所有者の両者を
結びつけるものは,三瓶山周辺農村の場合には親方。子
作午或いは一部所有小作牛を飼養させている農家)300
方的関係であつたが,家畜商畜主型の本調査地において
戸と称せられている。本町内ではその地盤を主として七
はそれは家畜商と和牛飼養農家の既先関係であると見る.
地においている関係上,さきにもふれた如く七地におけ
ことが出来る。
る牛小作慣行の普遍化に大きな影饗を与えているものと
家畜商の騒先支配と午小作との関係をみると次の通り
思われる。
である。
以上の如く家畜商Yは家畜商としての力も強く,また
畜主としては巨大畜主で一応別格としても,家畜商Ma
家)確尿の一手段として開始され,緯持されたものであ
・家畜商にとつて牛小作は最初は自已の麗先(取引先農
にしても季荘,大賀に翫先約40戸を有し,丸小作牛/0頭,
ろうが,進んで家畜商の厩先支配が確立されると,午小
一部所有小作午30頭を預けており㌧平川村の家畜商Hiも
作は今度は生産農家搾取の手段と変貌する。家畜商の生
80頭の丸小作牛,一部所有小作牛を有していると云われ
産農家に対する既先支配の確立は,当地方においては通
る。畜主,矧こ家畜商の側から小作牛の頭数を正確にづ
常次のような面を通じて行われる。すなわち
かむことは極めて困難であるが,大体以上の個別興より,
(/)和午購入資金の一部または全部の融通
略々その実態を推測しうる。
(2)飼養嘗理技術に関する指導
(3)生産覆販売上の慶位性
皿 家畜商の麗先支配と牛小作との関係
(4)後既入上の責任ρ遂行 “
等である。以上の各項目についての説明は省略したい。
午小作は午の非所有的飼養者と非飼養的所有者の存在
が,かつての土地小作において地主が土地改良を行い、
を前提とし,両者の間に収益分収の契約のもとに実際に
牛の貸借関係が結ばれることによつて成立する。従つて二
小作人の耕種技術を指導してきたと同様に,畜主が小作
人の和午飼養管理技術を指導していることは,畜産にお
牛小作慣行が普遍的であるためには,農村社会に非所有
ける著しい後進性を物語るものである。
的飼養者と非飼養的所有者の存在を許すところの社会的
さて,これらの諸点を通じて長年月に亘り家蓄商の騎
経済的な基盤が存在しなくてはならない。前章において
先支配が進められると,農家は特定家畜商の助言なしで’
我々は畜主に家畜商が支配的である申国地方の一和牛生
は和午飼養を行うことが不安な状態となり,しかもその
産地である村の性格について述べ,更にそこに展開さ
助言が当家畜商所有の小作牛(一部所有小作牛も含めて)
れている牛小咋慣行の特徴について述べたつ我々は先に
に?いてなされた場合は絶対的なものであり。またその
「三瓶山周辺農村における牛小咋慣行」において,小作
助言を認頃ない場合には小作牛の引揚げは当然のことと
牛飼養農家の経営的分析を行い牛小作成立の要因を考察
して、それに伴う後既入など殆んど不可能となることす
(て)
したが、同様に本調査地め一般的性格の中に当地におけ
ら起り得る。ここにおいて家畜商の生産農家に対する地
る牛小咋慣行を普遍的ならしめる社会的経済的な基盤の
位は一段高いものとなり,麗先支配が確立されるや,こ
一部を認めることが出来る。すなわち,①山村であるこ
うした結びっきが生産農家搾取の基盤となる、従つて家
と ②農家の経営規模が小さいことは一般に農業生産カ
畜商にとつては農家が自作化することは,長年月にわた
が低く農家ρ経済ヵが乏しいこ牛を意味するし,③畑地
率が高いこと,④特用作物の重要性が大きいことは既肥
る既先支配の一郭がくづれ去ることを意味するわけで,
当然家畜商は午小作慣行の積極的緯持勢カとなる。かく
生産用として農業経営上和牛飼養の必要性を大ならしめ
て家畜商畜主型の牛小作憤行においては,牛小作は家畜
るものであり,更に ⑤白給的性格が強いこ一と,⑥和牛
商の既先支配の因となり,果となつて益々再生産される
生産が重要な現金収入源となつていることは比較的和牛
碩向をもつ。
飼養を容易ならしめる条件をなすからである。若干の敷
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一108一
島根農科大学研究報告
Y むすび 一一牛小作解消の方策一一
一般に牛小作慣行は歴史的に.も古く,また農村の封建
性とも結びついて,早急にこれを解消することは困難で
あろう。また牛小作は決して午の小作についてだけの間
※
題ではない。三瓶山周辺でみられた午小作の場含,問題
は零細農にとつて牛小作は特定人と親方・子方的関係を
結ぶにめの一手段であるという点にあつた。すなわち,
「誰某の既となる」ことは,特定人の庇護下に入ること
を意味するものとみられた。本調査地の場含,問題は牛
小作は家畜商の既先支配の一手段であるという点にある。
すなわち特定家畜商と小咋関係を結ぶことは当家畜商の
完全な蟹先支配下に入ることを意味し,しかも小作対象
物件が家畜商本来の取引対象物件であるため,小作午は
厳重な監規下におかれ。また取引の際に極めて苛刻な搾
取をうけることになる。推つてどのような形態の午小1乍
の場倉でも,一般に牛小作解消は農家経済の向上にあり,
そのためには農業生産カの拡充増彊が根本問題であると
は云牟,最初に述べた如く,午小作は畜主の性格の如何
に従つてその本質,内容及び収取関係を異にするから,
牛小作解消について,より具体的にはそれぞれの類型の
場合について適切な方策が考慮されねばならない。
本稿においてとりあげた家畜商畜主型の場合,牛小作
の本質はそれが家畜商の既先支配の手段として利用され
ているという点にある。従つて牛小作解消の方策は生産
農家をして家畜商の騒先支配から脱却せしめることにあ
る。すなわち和牛飼養農家を家畜商と対等の泣置まで引
き上げることこそ,その基本的な間題である。勿論零細
農家にとつて午小作慣1行の「早急なる廃止は客観的に不
(10)
可能」であるとしても,小作農家の地位が向上すれぱ少
くともその収取関係はより改善されるだろう。それは現
在家畜商の厩先支配度の如何によつて,劣部分に相異の
あることからも容易に推察出来ることである。
生産農家をして家畜商の麗先支配から脱却せしめるに
は,その既先支配の確立遇程からみて次の如き方策が考
えられねばならない。
第5号 (/95ア)
は畜産組合等が技術の指導組織,或いは善及組織を確立
して農家に対して技術の湊透をぱかることが必要であり,’
農家もまたこれらの近代的指導組織によつて技術の向上
をはかるべきである。
(3)流通機構の整謄一…生産覆の販売において,出
来るだけ家畜商勢カを排除しなけれぱならない。そのた
めには家畜商の支配下におち入り易い地方小市場につい
ての再検討を行い,更に完全なセリ市によつて生産農家
が家畜商の手を借りずに有利に生産擾の販売が行えるよ
うに流通磯構を整騰することが必要である。、
以上の通り,午小作…解消には種々の困雑があり,生産
農家が自立意識をもつこ一とが先づ必要であるけれども,
農協その他の指導機関も上述せる如く農家の経営に深く
立ち入つた指導が必要である。特に家畜商畜主型牛小作
の場合,生産農家の既先から家畜商勢力を排除するため
には,経営的な指導が必要である。(/956228)
引 用 文 献
(/)宮坂梧朗:産業資本の確立遇程における家畜小俸
制 岡田 温選集別巻:pp.309−39/,/937
渡部牧特殊小作制残存部落の農業経営第6章
pp.88−89.1943
(2)渡部牧:前掲書:PP.89−90
森嘉兵衛:近世奥羽農業経営組織論:PP.26アー
282. /953 ’
(3)小野茂樹:最近におけえ預託午の憤行 畜産の研
究Vo1.5N0.9:pp.7−9./95/
菊地昌典:和午流通過程における馬喰の役割につ
いて 農村研究No.7:pp.55−56,/95ア
(4)宮坂梧朗:前掲書:pp.35卜365
伊藤俊夫:酪農経済論 第2章 乳午預託の一形
態pp.56一ア0./95/
(5)竹浪重雄:三瓶山周辺農村における牛小作慣1行に
ついて 島根農大研究報告No.4:.PP.//8一’
/20./956
(6)宮坂梧朗:前掲書:pp.32卜34ア
(/)国家或いは農協の融資………費金をもたない農家
渡部牧:前掲書:pp.88−89
、に資金を融通することは先ず必要である。しかしこの場
(ア)竹浪重睡:前掲書1pp./26−/2ア
合,役場,農協或いは畜連等に及んでいる家畜商の勢力
(8)菊地昌典:前掲書:P.56
(9)’菱沼達也外:畜産における家畜小作の位置とその
に影響されるこ一となく,民主的な運営が望ましい。
(2)和牛飼養管理技術の向上…一生産農家の和午飼
養管理技術を向上させねぱならない。従来彼等は和午の
解消に関する研究:白p.79,%,1956
飼養管理について家畜商に依存することが極めて大きか
年度農業経済学会報告要旨 pp46−4ア,1956
つたし,このことが家畜商の既先支配の一原因ともなつ
ていたからである。生産農家の技術向上には,農協或い
(9)
※ 馬小作の場合も同様のことがいわれている。
(/0)菱沼達也,菊地昌典:家畜小作について 昭和51
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