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日本の知財経営の課題

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日本の知財経営の課題
「 日本の知財経営の課題 」
- 特許庁長官としての経験から -
2 0 1 3 年 1 2 月 1 日
岩
井
良
行
我が国の特許出願
総R&D費が増加傾向にあった2000年前後から、日本企業の国内特許出願は減少傾向を示している。
【日本の特許出願件数の推移(日本人による出願)】
出願件数
(万件)
総R&D
(兆円)
20
60
総R&D
50
15
特許出願(内国人)
40
30
10
20
5
10
0
0
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
(出典)特許行政年次報告書2010より特許庁作成
(なお、総R&D費については、科学技術研究調査報告書(総務省統計)より作成)
1
日米欧中心から日米欧中韓へシフトする特許出願
企業活動のグローバル化に伴い、全世界の特許出願は増加。特に、海外への出願が顕著に増加。
特に、同じ発明を複数の国へ特許出願する「パテントファミリー」が増えている。
日本企業の国際出願が増加しており、特許出願先の中心は日米欧から日米欧中韓へとシフト。
【日本人の特許出願構造の変化】
【全世界の特許出願件数の推移】
(万件)
191万件
200
180
160
海外出願
50
自国出願
計50.2万件
海外34%
米 8.2万
万
欧 2.3万
中 3.3万
韓 1.8万
17.2 万件
40
7.1 万件
105万件
30
35.6%
20
60
40
海外17%
米 4.0万
4 0万
欧 1.0万
中 0.5万
韓 0.9万
計40.5万件
44.0%
100
80
海外出願
自国出願
140
120
(万件)
60
56.0%
64.4%
33.4 万件
10
自国
83%
33.0 万件
自国
66%
20
0
0
1995
1995
2000
2000
2004
2004
2008 (出願年)
2008
(出願年)
1995
2008
(出願年)
(出典)特許庁作成
2
知的財産を巡る状況
我が国の研究開発費は大きく減少
リーマンショックを契機に我が国企業の研究開発費は急減。
を 機
が
業
究
費 急減
その後も、震災による影響や円高による業績悪化に伴い、引き続き低迷。
対GDP比で見た我が国の研究開発費は リーマンショック後
対GDP比で見た我が国の研究開発費は、リ
マンショック後、世界2位に。
世界2位に
主要国における企業部門の研究開発費の対GDP比
要国 おける企業部門 研究開発費 対
比
企業の研究開発費
(兆円)
13.8 14.0 13.3 13.0 13.6 ▲12%
急減
低迷
12 7
12.7 12.0 11.0 (企業の研究開発費の対GDP比、%)
11.5 11.6 11.8 11.9 12.0 12.0 10.9 10 0
10.0 3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0 4
0.4
0.2
0.0
韓国
日本
米国
ドイツ
フランス
中国
イギリス
韓国 2.8%(2010年)
日本 2.5%(2010年)
米国 2.0%(2009年)
ドイツ 1.9%(2010年)
フランス 1.4%(2010年)
中国 1.2%(2009年)
イギリス 1.1%(2010年)
808182838485868788899091929394959697989900010203040506070809101112
9.0 (年)
00
01
02
03
04
05
06
07
出所:総務省 2011年科学技術研究調査
08
09
10
11
(年度)
(出所)科学技術研究調査(総務省)、国民経済計算(内閣府)、Main Science and Technology Indicators (OECD)
(注)日本:科学技術研究調査(総務省)の企業の研究開発費、国民経済計算(内閣府)のGDPを用いて計算。
日本以外の国:Main Science and Technology Indicators (OECD)
3
知的財産活動費の推移(全体推計値)
知的財産活動費の推移(全体推計値)
(億円)
9000
8000
7000
その他費用
人件費
費
補償費
出願系費用
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
2003
2009
2010
2011
(資料)特許庁「平成24年知的財産活動調査報告書」
4
業種別特許出願件数の推移(2012 年出願件数上位300社)
業種別特許出願件数の推移(2012 年出願件数上位300 社)
13.5
13.0
12 6
12.6
12.3
12.0
出
願 11.5
件
数 10.5
10 5
10.7
(
10 4
10.4
出
願
件
40 数
4.0
10 4
10.4
9.9
9.5
3.0
2.9
2.8
8.5
3.1
3.0
2.9
2.6
2.5
2.5
2.3
2.4
2.3
2.0
1.9
1.8
1.8
1.7
1.6
万
件
3.0 ・
電
気
機
2.0 器
以
外
)
6.5
2.0
1.8
1.8
1.7
2.4
2.6
7.5
2.8
2.6
2.4
28
2.8
27
2.7
2.6
)
万
件
・
電
気
機
器
の
み
5.0
11.8
(
12 5
12.5
6.0
13.2
1.0
5.5
4.5
0.2
2003
0.2
2004
0.3
2005
0.2
2006
0.2
2007
電気機器(87社)
化学(49社)
その他製造業(20社)
鉄鋼・非鉄金属(16社)
繊維・ガラス・土石製品(18社)
0.2
2008
0.2
2009
0.2
2010
0.2
2011
0.2
0.0
2012
輸送用機器(35社)
機械(39社)
精密機器(11社)
非製造業(18社)
大学・研究所・財団等(8社)
(備考)2012年特許出願件数の多い300 社を証券コード協議会の設定する業種に基づいて分類
(資料) 特許庁作成
2013年4月データ取得
5
知的財産を巡る状況
我が国出願人の海外への特許出願
我が国出願人の国際特許出願件数は増加傾向だが、欧米のグローバル出願率には
及ばない。
我が国のビジネスのグローバル展開に合わせ グローバル出願率の向上が必要
我が国のビジネスのグローバル展開に合わせ、グローバル出願率の向上が必要。
我が国出願人の国際特許出願件数の推移
日米欧出願人のグローバル出願率の推移
(件数)
60.0%
50,000
米国
欧州
50.0%
40.0%
40,000
30.0%
日本
20.0%
30,000
10 0%
10.0%
20,000
(年)
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
0.0%
2005
2006
日本
(備考)2012年の国際特許出願件数は暫定値。
2007
2008
米国
2009
2010
(年)
欧州
(備考)グローバル出願率とは、日米欧の各特許庁になされる各年の特許出願のうち、
外国にも特許出願される件数の比率。
6
日本人のグローバル出願率
日本人のグローバル出願率
(%)
55
50
45
47
43
48
46
47
45
47
46
52
53
47
47
40
35
30
25
20
22
2005
24
23
2006
2007
日本
23
2008
米国
27
25
2009
2010
30
2011 (年)
欧州
7
日米欧出願人による海外特許出願状況(特許)
(万件)
20
15
10
5
0
2007 2008 2009 2010 2011
2007 2008 2009 2010 2011
三極内へ(自国除く)
中国へ
韓国へ
2007 2008 2009 2010 2011
五庁以外へ
(万件)
8
(出典)WIPO統計(2012年11月現在)
(注)欧州:EPC加盟国。
・欧州からの出願件数は、各年末時点のEPC加盟国
の出願人による出願件数。
・欧州への出願件数は、欧州特許庁及び各年末時点
のEPC加盟国の各特許庁への出願件数。
(注)2011年における五庁以外への出願件数は未確定
(ブラジルへの出願件数は未定)。
(注)「五庁以外」及び「その他」には、台湾への出願は
含まれていない。
(注)「ASEAN」は シンガポ ル タイ フィリピン
(注)「ASEAN」は、シンガポール、タイ、フィリピン、
マレーシアの件数に限る。
(略表記)伯:ブラジル、露:ロシア、印:インド、
加:カナダ、豪:オーストラリア
6
4
2
0
2007 2008 2009 2010 2011
ASEANへ
伯露印へ
2007 2008 2009 2010 2011
加へ
豪へ
2007 2008 2009 2010 2011
メキシコへ
その他へ
8
新興国における特許出願シェア(ASEAN)
ASEAN諸国における日本企業の特許出願は欧米企業に比べて低調
ASEAN諸国における日本企業の特許出願は欧米企業に比べて低調。
【フィリピン(2010年)】
【マレーシア(2012年)】
Europe: EU countries
その他
Other, 394
394
(12%)
(12%)
【タイ(2012年)】
Europe:
Germany, UK, France, Netherland, Switzerland
欧州: ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、スイス
欧州:EU諸国
その他 1322
Other,
Other
(19%)
Philippines,
フィリピン
166
166(5%)
(5%)
米国
US, 1696
その他
Other, 1109
(16%)
(23%)
欧州 1187
Europe,
(34%)(34%)
1187
日本
Japan, 494
494
(15%)
(15%)
Europe:
as described in DIP Website
欧州: DIP公表の定義による
3,389
日本 2584
Japan,
(39%)
米国
US 961
US,
(14%)
7,027
6,746
マレーシア
Malaysia, 1160
(17%)
欧州 1597
Europe,
Europe
欧州 1024
(23%) Europe,
【シンガポール(2012年)】
日本 1427
Japan,
(15%)
1427
(15%)
9,685
【ベトナム(2011年)】
欧州Germany,
欧州:
ドイ
ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、スイス
イギ
オ
ダ Switzerland
イ
Europe:
UK, France, Netherland,
その他
Other, 1430
米国
3376 (35%)
US, 3376
(35%)
欧州 1509
Europe,
(24%)
(23%)
欧州:
欧州
ドイ Germany
ドイツ
, イギリス
イギ
ベ Belgium,
ギ
イタItaly,
Europe:
, フランス、ベルギー、イタリア、
UK, France,
デンマーク、オランダ、スウェーデン
Denmark, Netherland, Sweden
その他
Other, 1061
日本 894
Japan,
(22%)
(27%)
6,130
3,995
インドネシア
Indonesia, 778
(13%)
タイ 1068
Thailand,
(16%)
※タイは2009年12月24日にPCT発効
【インドネシア(2011年)】
E 欧州:EU諸国+スイス
Europe:
S
Switzerland
it l d
欧州EU +諸国+
イ
その他
Other, 1032
1032 (11%)
(11%)
Singapore,
シンガポール
1081
1081 (11%)
(11%)
(15%)
日本 1252
Japan,
(18%)
米国
US,
1148
(34%)
1148 (34%)
米国
US, 1211
(
(20%)
)
ベトナム
Vietnam, 493
(12%)
欧州 782
Europe,
Europe
(20%)
日本 1202
Japan,
米国
US, 765,
欧州
Europe, 2769
(20%)
(19%)
(29%)
2769 (29%) Source: WIPO Statistics (Philippines), DGIP Website (Indonesia), MYIPO Website (Malaysia), IPOS Website (Singapore), DIP Website (Thailand), NOIP Website (Vietnam)
9
高速鉄道における我が国企業の出願動向
04年川崎重工が中国における在来線高速化プロジェクト向け鉄道車両を中国南車四方と共同受注。
04年川崎重工が中国における在来線高速化プロジ
クト向け鉄道車両を中国南車四方と共同受注
昨年6月中国南車四方は、高速鉄道車両の製造技術について「独自の技術」として米国など5ヶ国・
地域で特許出願。
新興国企業が出願を積極化するなかで 日本企業が海外展開を進めるにあた て 共同受注時の提
新興国企業が出願を積極化するなかで、日本企業が海外展開を進めるにあたって、共同受注時の提
携先との契約、海外における権利取得などの権利保護について十分な対応が求められている。
○中国新幹線問題
2011年6月29日
日本経済新聞
10
産業界における知的財産の活用
我が国インフラ関連企業の低調な海外出願
今後、インフラ産業のグローバル市場は成長が見込まれる。
我が国のインフラ関連企業は、グローバルな知財活動によって収益拡大の可能性。
我が国企業の特許出願件数とグローバル出願率
【非インフラ関連企業】
国内への
出願件数
①
【インフラ関連企業】
海外への グローバル
出願件数
出願率
②
②/①
国内への
出願件数
①
海外への
出願件数
②
グローバル
出願率
②/①
製薬A社
67件
42件
62.7%
通信A社
2,007件
83件
4.1%
製薬B社
49件
23件
46.9%
通信B社
369件
28件
7.6%
化学A社
4,378件
2,260件
51.6%
鉄道A社
248件
2件
0.8%
化学B社
995件
642件
64.5%
鉄道B社
101件
5件
5.0%
機械A社
1,727件
665件
38.5%
建設A社
354件
4件
1.1%
機械B社
217件
92件
42.4%
建設B社
311件
5件
1.6%
(2010年出願のデータ)
11
グローバルな知財マネジメントの状況
我が国企業は、幅広い分野において高い技術力を有し、積極的な技術開発・権利取得を行ってきたものの、
我が国企業は
幅広い分野において高い技術力を有し 積極的な技術開発 権利取得を行ってきたものの
一部の分野では、技術開発・権利取得等において、海外勢が先行している状況。
一定の技術開発・権利取得等が行われている場合でも、事業化を見据えた戦略が描けない、競合他社に対
する権利行使など十分な活用ができないなど、ビジネス上の成功に結びつけられていない事例も散見。
○日米欧中韓への登録割合
電子ペーパー
100%
90%
○特許出願件数は日本勢が過半数を占め、基本特許
も日本が取得。他方、米国勢は電子ペーパー開発
初期に集中的な出願で周辺技術を押さえ、大きな
市場シェアを獲得
市場シェアを獲得。
80%
出
願
件
数
比
率
10件0.9%
145件13.7%
○グロ バルな視点での事業戦略を視野に入れ、漏
○グローバルな視点での事業戦略を視野に入れ、漏
れのない海外出願戦略の構築が重要。
31件1.9%
131件8.1%
11件0.7% 451件4.2%
1件0.1%
1,030件9.6%
,
件
154件1.4%
1,439件13.5%
183件17.2%
70%
713件44.3%
その他
1,345件12.6%
韓国籍
60%
40%
30%
多くがイーインク
が
からの出願
中国籍
50%
欧州国籍
723件68.1%
6,276件58.7%
米国籍
721件44.8%
20%
○米国勢がビジネスを見据えて主要国で特許出願を
行っていたのに対し、日本勢は事業起点型の出願
戦略を活かすことができず、さらに基本技術の海外
への出願も低調であった。
0
0
日本国籍
10%
0%
1980-1989年
1990-1999年
2000-2009年
出願人名
○日米欧中韓への上位登録者
ランキング
件数
1
セイコーエプソン
1,674
2
フィリップス
1,004
3
ブリジストン
855
4
イーインク(台・米)
740
5
富士ゼロックス
568
<イーインク社の戦略>
○電子書籍端末用途に目標を絞ってマイクロカプセル技術に人員と資金を集中
○電子ペーパーを電子書籍端末に組み込むための他企業との共同開発を推進
○コンテンツビジネスを見据えた、パートナー、事業展開地(米国)の選択
12
主要国以外に海外出願する理由/出願しない理由
主要国以外に海外出願しない理由
主要国以外に海外出願する理由
無回答
k そ の他
j権 利 行 使 困 難
i予 算 制 約
h非 重 要 市 場
g 遅 い審 査
f競 合 不 出 願
e五 庁 優 先
d自 国 優 先
c非 重 要 技 術
i そ の他
h出 願 方 針
g権 利 行 使 容 易
f ラ イ セ ン ス収 入
e重 要 市 場
d他 社 牽 制
c共 同 者 の意 向
b提 携 予 定 先
a重 要 技 術
※いずれも複数選択可(三 まで)
※いずれも複数選択可(三つまで)
欧米企業
b短 サ イ ク ル
80
70
60
50
40
30
20
10
0
a実 施 未 定
(%)
80
70
60
50
40
30
20
10
0
無回答
(%)
国内企業
(資料)平成24 年度 特許庁知的財産国際権利化戦略推進事業「報告書」
13
ライセンス供与の意思
ライセンス供与の意思
国内企業
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
A
欧米企業
22.0
B
A ライセンス供与する意志があり、ライセンス供
与を促進する活動を行っている。
B ライセンス供与する意志はあるが、ライセンス
供与を促進する活動を行っていない。
C ライセンス供与する意志はない。
60 8
60.8
45.1
C
23.5
32.9
15.7
n=337
A
n=51
B
C
(資料) 平成24年度 特許庁知的財産国際権利化戦略推進事業「報告書」
14
各国の技術貿易収支
我が国の技術貿易額は、欧米諸国と比較すれば、増加の余地があるのではない
か。
主要国の技術貿易額の推移
15
技術貿易黒字の日米比較
我が国の技術貿易黒字は、主に親子会社間によるもので、第三者間は微増。
一方、米国は、親子会社間・第三者間ともに黒字を拡大。
兆円
技術貿易黒字の推移(日本)
技術貿易収支の推移(日本)
技術貿易黒字の推移(米国)
技術貿易収支の推移(米国)
9
9
6
兆円
第三者からの収益も
含めた、全体の底上
げが必要
この10年で
第三者間取引は
微増
6
親子会社間
倍増
親子会社以外
(第三者間)
3
3
倍増
0
0
2001年
2005年
2010年
2001年
2005年
2010年
「科学技術指標2012」及び「科学技術指標2011」を基に作成
16
国内における特許権所有件数及びその利用率の推移(全体推計値)
1 2 18図 国内における特許権所有件数及びその利用率の推移(全体推計値)
1-2-18図
権利所有件数 (件)
利用率 (%)
1,400,000
100%
90%
1,200,000
19.4%
19.1%
19.6%
21.2%
17.8%
16.3%
28.0%
30.9%
80%
未利用件数
1,000,000
800,000
未利用件数
防衛目的件数
70%
30 8%
30.8%
30 2%
30.2%
29 4%
29.4%
49.7%
50.1%
51.5%
49.8%
54.2%
52.8%
2006
2007
2008
2009
2010
2011(年度)
29.0%
60%
防衛目的件数
50%
600,000
40%
30%
400,000
利用件数
利用件数
20%
200,000
10%
0
2006
2007
2008
2009
2010
2006年度
国内特許権所有件数(件)
0%
2011 (年度)
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
1,036,868
1,086,802
1,136,566
1,199,184
1,255,489
1,346,804
うち利用件数
515,560
544,785
584,994
597,519
681,059
711,773
うち未利用件数
521,308
542,017
551,572
601,665
574,430
635,031
319,828
328,467
334,564
348,028
350,946
415,630
うち防衛目的件数
(資料)特許庁「平成24 年知的財産活動調査報告書」
17
世界の特許出願件数
世界の特許出願件数
(万件)
250
200
150
100
50
非居住者による特許出願
214万件
居住者による特許出願
78
144万件
4割弱が非居
住者による出
願
55
136
89
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011 (出願年)
(備考)PCT 国際出願に基づくPCT 国内移行件数を含む。
(資料)WIPO IP Statistics Data Center
18
非居住者による特許出願件数の出願ルート別内訳
非居住者による特許出願件数の出願ル ト別内訳
非居住者による特許出願件数の出願ルート別内訳
(万件)
80
60
40
20
PCT国内移行件数
直接出願件数
78万件
55万件
42
5割強が
PCT国内
移行件数
26
36
29
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011(出願年)
(資料)WIPO IP Statistics Data Center に基づいて特許庁作成
19
特許戦略の全体像
安定した権利保護のために、我が国の特許審査の質向上を図ることが重要。
安定した権利保護のために
我が国の特許審査の質向上を図ることが重要
日本の安定した権利が世界で受け入れられる環境(=国際特許ネットワーク)を実現するため、
特許審査ハイウェイ(PPH)を推進。
PPHの拡大により運用の理解が進んだ結果 五大特許庁会合において特許制度調和の議論が
PPHの拡大により運用の理解が進んだ結果、五大特許庁会合において特許制度調和の議論が
開始されるなど、国際的な特許制度調和の実現に向けた動きが加速している。
国際的な特許制度の調和
1 特許制度調和の議論の前進
目標
2 国際特許ネットワークの実現
中期的に達成
企業の世界市場への展開を支援
世界知的所有権機関
日米欧等先進国間会合
三極特許庁
五大特許庁
各フォーラムでの
特許制度調和の議論の加速
特許協力条約(PCT)
144か国
特許制度・運用の国際比較、相互理解
・6月、五大特許庁会合で特許制度調和の議論開始
・五大特許庁会合の議論と呼応し、先願主義に移行する
米国特許改革法案が6月、下院を通過(上院は3月に通過済)
4
アジア新興国
などとの連携強化
特許審査ハイウェイ
20か国・地域
国際特許ネットワーク
構想の推進
・5月、日中PPHプレパイロット開始
・6月、日スウェーデンPPH試行開始
・7月、日メキシコPPH試行開始
3 世界で通用する安定した権利(強い権利)の設定
(1)外国特許文献検索システムの開発 (2)共通特許分類の策定
-機械翻訳を活用した検索システムの開発
(3)グローバル化に対応した審査体制
-世界標準の共通特許分類を策定
-審査体制の強化
-過去の特許の再分類
-品質監理の充実
20
日米欧中韓五大特許庁会合
企業のグロ バルな活動が加速し 国際出願が増加する中 出願増による負担や同 内容の出願を各国
企業のグローバルな活動が加速し、国際出願が増加する中、出願増による負担や同一内容の出願を各国
別々に審査する審査の重複に伴う負担を軽減するために、特許庁間での協力は不可欠。
1983年以降、増加するワークロードへの対処等の協力について、日米欧の三極で行っていたところ、2007年
からは、日米欧の三極に中韓を加えた五庁の枠組みにおいて、知的財産における世界的な取組みをリ ド
からは、日米欧の三極に中韓を加えた五庁の枠組みにおいて、知的財産における世界的な取組みをリード
すべく、五大特許庁長官会合を継続的に開催。
日米欧三極特許庁会合(1983年~:30回)
日米欧中韓五大特許庁会合(2007年~:6回)
これまでの主な取組み
これまでの主な取組み
○ドシエ・アクセス・システム
○ワンポータルドシエ、グローバルドシエ
○三極法令・審査基準比較研究
○三極法令
審査基準比較研究
○特許制度調和
○共通出願様式
○特許分類細分化
三極から五庁への枠組みの広がり
21
五大特許庁間・先進国間の特許制度調和の議論の推進
日米欧で共通認識を形成しつつ、出願件数が爆発的に増加する中国を交えた五大特許庁会合などの場を
活用して制度調和の議論を主導。その他の先進国にも議論を展開。
各国制度調査研究を主導しつつ、研究結果を踏まえ各庁専門家による議論を深化。議論の制度調和に
向けた関心 議論の推進力の維持
向けた関心・議論の推進力の維持。
テゲルンゼイ会合
会合
日米欧の三極特許庁と欧州主要国(英、独、仏、デンマーク)の特許庁による枠組み
欧州特許庁に加え、欧州特許条約を改正する権限を有する欧州主要国を交えた共通認識の形成の
場として期待(欧州特許庁は条約で規定される組織であり、条約を改正する権限がない。)
主に4つの重要項目(グレースピリオド、18ヶ月公開制度、先使用権、衝突する出願)について議論
現在 ユ ザ からの意見を聴取し 専門家による議論を継続しているところ
現在、ユーザーからの意見を聴取し、専門家による議論を継続しているところ
五大特許庁会合
2011年 五大特許庁長官会合において制度調和について議論を開始し、特許制度調和専門家パネルを
設置
現在、専門家による制度・運用の調査研究結果に基づき、議論を進めているところ
22
特許審査のワークシェアリングの考え方
特許審査のワークシェアリングの考え方
特許審査のワークシェアリングの原則
各庁が、他庁により発信されたサーチ・審査結果
を利用する
<ワークシェアリングの様々な形態>
判断材料の活用
他庁
サーチ
審査
審査
判断
最終判断
サーチ
判断
判断論理の活用
判断
サーチ
サ-チ
サーチ
判断
審査結論の活用
判断
利用
利用
自庁
最終判断
審査
判断
最終判断
・サーチ結果の補完
・先行技術レベルの把握 など
サ-チ
判断
最終判断
利用
最終判断
・別観点の論理構成活用
・サーチ結果の補完
・先行技術レベルの把握
など
審査見通しの予測
・審査見通しの予測
サ-チ
判断
最終判断
・特許可能な権利範囲の把握
・サーチ結果の補完
・審査結果の見極め
・先行技術レベルの把握
など
各レベルでの結果を総合的に利用して、様々な双方向ワークシェアリングを確立する
23
JPーFIRST
出願から2年以内に審査請求された特許出願のうち、外国に対応出願がなされた出願
(パリ優先権主張の基礎とされた出願)ついて、優先的に審査※ (2008年4月から実施)
※出願から30か月以内に審査着手
日本国特許庁のサーチ・審査結果は、機械翻訳を経て、諸外国に早期に提供
*JP-FIRSTは、JP-Fast Information Release STrategyの略
日本国特許庁は
優先的に審査。
日本国
特許庁
一次審査
出願
最終審査
一次審査結果の利用
外国
特許庁
対応出願
外国特許庁
は日本国特
は
本国特
許庁の審査
結果を利用
一次審査
実績
2012年度実績 : 7,605件
24
特許審査ハイウェイ(PPH※1)
~PPHネットワークの発展~
第1庁又はPCT※2国際段階で特許可能との判断がなされた出願は、出願人の申請により、第2庁又はPCT
国際段階で特許可能との判断がなされた出願は 出願人の申請により 第2庁又はPCT
国内段階において早期審査を受けることができる。
国際的な権利取得の早期化/各特許庁の審査負担軽減と審査の質の向上を実現。
PPH参加国 地域の数は 30か国 地域に拡大 PPHの利用件数も 着実に増加
PPH参加国・地域の数は、30か国・地域に拡大。PPHの利用件数も、着実に増加。
グローバルな事業展開には海外で安定した経済活動が保証されるよう、安定した権利保護が必要。
PPHの利便性向上
PPHの手続簡素化
PPHは2庁間の取組であって、例えば、我が国特許庁
への出願に基づくPPHであっても、第二庁ごとにPPHの
要件が異なる等の問題がある。
関係国との調整を実施し、PPHの手続簡素化について
合意を形成し、更なるPPHの利便性を向上させる。
プルリPPH会合等の場を活用して
PPHの手続簡素化の議論をリード
実績値
 30の庁がPPHに参加(2013年10月時点)
 累積申請件数約40,000件(2013年6月末時点)
※1 PPH(Patent Prosecution Highway)
※2 PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)
25
特許審査ハイウェイ利用の
特許
審査ハイウェイ利用のメリット①
メリット①
日本国特許庁における特許率
米国出願からの
優先権主張を伴う案件
51.7%
日米PPH案件
77.1%
韓国出願からの
優先権主張を伴う案件
53.1%
日韓PPH案件
0.0%
84.1%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0% (%)
(資料)特許庁作成
26
特許審査ハイウェイ利用の
特許
審査ハイウェイ利用のメリット②
メリット②
日本国特許庁における一次審査から最終処分までの平均期間
米国出願からの
優先権主張を伴う案件
10.5月
4.5月
日米PPH案件
韓国出願からの
優先権主張を伴う案件
9.2月
日韓PPH案件
4.1月
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
(月)
12.0
(資料)特許庁作成
27
日本国特許庁への特許審査ハイウェイの累積申請件数(
日本
国特許庁への特許審査ハイウェイの累積申請件数(2012 年12 月末時点)
(件)
5000
日メキシコ本格実施
合計
4500
日韓PCT-PPH試行開始
4000
PCT出願
3500
パリ出願
リ出願
日フィリピン試行開始
(PCT-PPH含む)
日ポルトガル試行開始
((PCT-PPH含む)
含む)
日アイスランド試行開始
(PCT-PPH含む)
日メキシコ試行開始
(PCT-PPH含む)
2500
日スペイン試行開始
試行 始
(PCT-PPH含む)
日ハンガリー試行開始
2000
日シンガポール試行開始
日米試行開始
1000
日カナダ試行開始
日英試行開始
日フィンランド
PCT-PPH試行開始
日英本格実施
日フィンランド試行開始
日独試行開始
500
日スウェーデン
PCT-PPH試行開始
日露試行開始
日デンマーク試行開始
日ノルウェー試行開始
((PCT-PPH含む)
含む)
日中国試行開始
(PCT-PPH含む)
日米欧PCT-PPH試行開始
日オーストリア試行開始
1500
日イスラエル試行開始
日北欧
PCT-PPH試行開始
PCT-PPH
3000
日台試行開始
日欧試行開始
日米本格実施
日韓本格実施
20122.10
20122.07
20122.04
20122.01
20111.10
20111.07
20111.04
20111.01
20100.10
20100.07
20100.04
20100.01
20099.10
20099.07
20099.04
20099.01
20088.10
20088.07
20088.04
20088.01
20077.10
20077.07
20077.04
20077.01
20066.10
20066.07
0
(申請月)
(資料)特許庁作成
28
PPH申請件数の推移
PPH申請件数の推移(全世界)
29
特許審査ハイウェイ(PPH)
~グローバルPPH~
2014年1月6日より利用できるPPH の種類を共通化した、多数国間の枠組み「グローバルPPH」試行プログラム
の種類を共通化した 多数国間の枠組み「グロ バルPPH」試行プログラム
を開始予定。
これまでは、個別の二庁間の合意内容により、各庁で利用可能なPPHの種類(通常型PPH、PPH MOTTAINAI、
PCT-PPH
PCT
PPH )が異なり、出願人にとってわかりにくく、利便性が損なわれていたが、本試行プログラム参加庁の間
)が異なり 出願人にとってわかりにくく 利便性が損なわれていたが 本試行プログラム参加庁の間
ではすべてのPPH が利用可能となり利便性が向上。
日本を含む13か国・地域(米国、韓国、英国、デンマーク、フィンランド、ロシア、カナダ、スペイン、北欧特許庁、
ノルウェー、ポルトガル、オーストラリア)が本試行プログラムに参加予定。
グローバル PPH 開始前
(2013年
2013年11⽉1⽇時点)
11⽉1⽇時点)
グローバル PPH 開始後
(2014年1⽉6⽇以降)
2014年1⽉6⽇以降)
参加全庁の間で
通常型PPH,PPH MOTTAINAI,
PCT-PPHが利用可能
が利用可能
: 通常型PPH
: PPH MOTTAINAI採用
: PCT-PPH
30
日本国特許庁の審査結果を世界のデファクトスタンダードに
日本の審査結果を世界に発信
今後、我が国企業の国際展開と国際競争力向上のためには、グロ バル出願 の対応 強化を図る必要がある。
今後、我が国企業の国際展開と国際競争力向上のためには、グローバル出願への対応・強化を図る必要がある。
また、質の高い日本の審査結果を世界で最初に発信し、各国特許庁が、それを参照して審査できる環境を整備することで、
日本国特許庁の審査を世界のデファクトスタンダードにすべきではないか。
そのためには、質の高い審査とそのタイムリーな発信に加え、英語PCT出願の促進が必要である。
日本語出願
国際調査
英語出願
国際公開
実体審査
特許庁
特許庁
実体審査
実体審査
出願人が日本国特許庁を
国際調査機関として指定
特許庁
実体審査
特許庁
英語
出願
英語
出願
世界中で同じ権利を取得可能
優先日から18か月後に、出願の内容
と国際調査報告書が世界中に公開
日本の審査結果を世界に発信
各国は、それを参照して審査
アジア諸国(管轄国)
英語PCT出願のメリット
日本国特許庁の審査がデファクトスタンダード化
 英語の出願が認められている国へは、PCTの英語明細書を利用して出願(国内移行)が可能である。(翻訳の負担を生じない)
 翻訳を介さないため、誤訳の問題は生じず、また、国際段階で審査官の判断の基礎となった明細書(英語)と各国の明細書(英語)が同じであるため
、判断が相違する可能性が少ない。
31
アジア新興国などとの連携強化(英語による国際調査の拡充)
我が国企業の進出先は、日米欧中韓に加え、ASEANやインドへと拡大している。
我が国企業の進出先は
日米欧中韓に加え ASEANやインド と拡大している
質の高い我が国の審査結果をアジア地域へ提供することで、
我が国企業がアジアで生み出す研究開発成果について、適切に保護される環境の実現を図る。
【日本人の海外特許出願数の推移】
英語による国際調査の拡充(目標)
(万件)
7
6
中国
5
インド 等
4
3
ベトナム
トナム インドネシア
シンガポール マレーシア 等
2
アジア
1
0
2003
中国
2004
韓国
2005
2006
日本
2007
アシ ア諸国(*)
アジア諸国(*)
インド
イント
ブラジル
フ
ラシ ル
(*)タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム
(出典)特許庁作成
ロシア
韓国 フィリピン
フ リピン
タイ
ASEAN(2012年度開始
に向けて現在交渉中)
現状
(注)現在、日本で国際調査を行う韓国PCT出願は、日本語出願のみ
今後の取組
英語による国際調査の拡充(2011年度~)
 ASEAN域内のPCTの国際調査を、我が国が英語で実施すべく、各国と交渉中。2012年度中の開始を目指す。
 中期的に、中国やインドへの拡大を図る。
32
五大特許庁におけるPCT 国際調査の管轄状況(平成25 年6 月1 日現在)
欧州(135か国)
(英語・フランス語・ドイツ語・オランダ語)
欧州各国
ロシア
他
米国(21か国)
(英語)
韓国(14か国)
(韓国語・英語)
(韓国語
英語)
米国
スリランカ
モンゴル
ニュージーランド
ブラジル
南アフリカ共和国
メキシコ
トリニダード・トバゴ
チリ
ペルー
オーストラリア
バーレーン
ドミニカ共和国
エジプト
グアテマラ共和国
バルバドス
インドネシア
韓国
マレーシア
フィリピン
セントルシア
オマーン
セント・ビンセント
カタール
ベトナム
シンガポール
日本(8か国)
(日本語・英語)
イスラエル
タイ
インド
日本
ジンバブエ
中国
リベリア
ガーナ
アンゴラ
ケニア
トルコ
中国(9か国)
(中国語・英語)
33
国際商標出願の利便性向上へ向けた取組(マドリッド制度)
マドリッド制度加盟国増加により制度利用による手続負担の著しい軽減が図れることから、ユーザーに対してより一層の制度
普及啓発を実施。
マドリッド制度を利用した適時の権利取得を支援するため、WIPO国際事務局と指定商品・役務名の表記等の審査の運用の
調和に向けた取り組み 環境整備を実施。
調和に向けた取り組み・環境整備を実施。
商標の国際登録
直接出願
マドプロ出願
出願⼈
出願⼈
加盟国拡大による制度利用価値の拡大
・英語で出願書類を1通作成
・出願希望国を指定
・日本国特許庁へ出願
2013年2月にメキシコ、同年7月にインドがマドリッド制
度に加盟したことに加え、ASEAN諸国が2015年までに
加盟予定となっており、これらの国の加盟支援と共に国
内ユーザーへの普及啓発を実施。
ザ
普 啓 を実施
⽇本国特許庁
マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願件数
・基礎との同一性の証明
基礎との同 性の証明
・国際事務局への通知
出願日
A国
代理⼈
B国
代理⼈
C国
代理⼈
A国願書
B国願書
C国願書
A国
特許庁
B国
特許庁
C国
特許庁
・審査
・登録
・審査
・登録
・審査
・登録
2500
2000
国際事務局
1500
・国際登録簿に登録
国際登録簿に登録
・指定国への通報
・商標権の一元管理
1000
A国
国
特許庁
・審査
・登録
B国
国
特許庁
・審査
・登録
500
C国
国
特許庁
・審査
・登録
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
(出典) 特許庁統計
34
国際的枠組みの整備、ハーグ協定への加入
近年、我が国出願人による海外への意匠登録出願が増加している一方、我が国は、各国への一括出願
近年、我が国出願人による海外への意匠登録出願が増加している
方、我が国は、各国への 括出願
を可能とする国際条約であるハーグ協定のジュネーブ改正協定に加入していない。
(特許及び商標の分野では、同等の条約に加入済み。)
当該条約に加入することで、出願人の手続負担やコスト負担の抑制につながることから、審議会の小
委員会で検討を行 た
委員会で検討を行った。
ハーグ協定のジュネーブ改正協定加入時の概念図
国際出願
(指定国制度)
願書の記載言語は、英語、フランス語又はスペイン語
のうち 任意で選択可能
のうち、任意で選択可能
WIPO国際事務局
登録・拒絶の
審査判断
指定国官庁
による審査
(審査官庁の場合)
一つの願書及び図面で、複数の国(締約国)での意匠
登録を得ることが可能
出願人
国際登録
(一括管理)
国際登録を通じた
審査結果の参照効果
日本
A国
実体審査国
実体審査国
ハーグ協定の概要
B国
無審査国
我が国の審査結果の発信により
国 審 結果 発信
り
海外での安定的な権利活用を支援・促進
複数の国の意匠権が国際事務局の原簿で一括管理
されるため、各国における権利の更新、権利の移転等
に際し、料金の支払等の手続を一括で行うことが可能
※ 2013年8月現在45か国が加盟(日本は未加盟)
年
在
が
本
【ハーグ協定のジュネーブ改正協定への
主要国加入状況】
・欧州:加入済み(2008年1月)
・米国:加入のための国内法改正法案が成立
(2012年12月)
・韓国:加入のための国内法改正法を公布済み
韓国 加入のための国内法改正法を公布済み
(2014年7月施行予定)
・中国:高い関心あり
・アセアン:2015年、7か国の加入を目標
35
我が国企業の取組事例 (日東電工)
液晶パネルに必要な偏光フィルムは、新興国セットメーカー系列の参入により価格競争が激化。
液晶パネルに必要な偏光フィルムは
新興国セットメ カ 系列の参入により価格競争が激化
日東電工では、取引先の液晶パネル工場で自ら偏光フィルムを貼り合わせるビジネスモデルの導入により、競合メーカーに
対する価格競争力を強化。
上記ビジネスモデル実現のため、グ
上記ビジネスモデル実現のため、グローバルに特許権を取得することにより、パネルメーカーに対する交渉力強化。
ルに特許権を取得することにより、 ネルメ カ に対する交渉力強化。
直面する課題
・従来は、偏光フィルムを所定のサイズに切断加工し、液晶パネルメーカ
従来 、偏光 ィ
を所定 サイ
切断加
、液晶 ネ
ーに供給(パネルの切り売りモデル)。
・液晶ディスプレイの大型化や需要の増加に伴い、検査工数、包装、保
管などの負荷が拡大し、製造及び輸送コストは年々増加。
・また、新興国セットメーカー系列の参入により、価格競争も激化。
新たなビジネスモデル
・ 偏光フィルムを切断せずにロール状ままで供給するとともに、検査工程を
経て切断加工した偏光フィルムを連続で液晶パネルに貼り付ける装置を
導入し その工程を一貫して管理するという革新的なビジネスモデル(
導入し、その工程を
貫して管理するという革新的なビジネスモデル(ロ
ール・ツー・パネルシステム)を確立。
・ その結果、液晶ディスプレイの製造コストと輸送コストおよび梱包資材を
大幅に低減させるとともに、製造効率を飛躍的に向上させる自動化ライン
を構築
を構築。
知財面での取組
特許グローバル出願率
52.6%
・ 他方で、競合他社による模倣を防止するため
に、新しいマーケットにおいて、当該ビジネスモデ
ルにかかる複数の技術を特許権で保護。
・ 現在日本をはじめ、韓国、台湾の液晶ディスプレ
プ
イメーカーで採用され、今後液晶ディスプレイの製
造プロセスにおいて、次世代の標準的な製法とな
りえるもの。
出願先
23ヶ国・地域
36
審査請求期間の短縮に伴う「審査請求のコブ」の発生
権利確定の早期化による新たな技術開発・事業の促進等を目的として、2001年10月に審査請求期
権利確定の早期化による新たな技術開発
事業の促進等を目的として 2001年10月に審査請求期
間を7年から3年に短縮したことにより、審査請求件数が一時的に増大(「審査請求のコブ」)。
審査請求件数の急増に伴い、審査待ち期間の長期化の懸念が高まった。
※2005年のピーク時の審査請求件数は約40万件。
※2005年のピーク時の審査請求件数は約40万件
【新旧審査請求制度の併存による審査請求増(コブ)の発生イメージ】
【審査請求件数の推移】
(件数)
450,0 00
2001年
2001年10月までの出願
10月までの出願
審査請求期間7年
396 9933
396,
33
400,0 00
7年間
2001年
年10月以降の出願
2001
10月以降の出願
審査請求期間3年
3年間
376,3 10
328,1 05
350,0 00
300,0 00
250 000000
250,
382,1 16
237,,3 45
243,8 36
2002
2003
347,8 36
254,3 68
255,1 92
2009
2010
253,7 54
200,0 00
この間審査請求が重複することで、
この間審査請求が重複することで、
審査請求件数が一時的に増大する。
150,0 00
100,0 00
審査順番待ち件数の急増
50,0 00
0
2001年
2001年10月以降の出願
10月以降の出願
審査請求期間3年
審査請求期間
年
2001年
2001年10月までの出願
10月までの出願
審査請求期間7年
2001年10月
2004年10月
2004
2005
2006
2007
2008
2011 (年)
出典:特許庁年報
2008年10月
出典:特許庁年報
37
特許審査のこれまでの取組
知的財産基本法第14条(権利の付与の迅速化等)を踏まえ、 「知的財産推進計画」において、
知的財産基本法第14条(権利の付与の迅速化等)を踏まえ
「知的財産推進計画 において
審査順番待ち期間の短縮のための中・長期目標を設定。
これまで世界最高水準の迅速・的確な特許審査の実現を目指した積極的な取組を推進。
中・長期目標
○中期目標 2008年
○長期目標 2013年
審査待ち期間 29ヶ月台
審査待ち期間 11ヶ月
目標を実現するための施策
○特許の出願・審査請求改革の推進
例:世界的視野での出願戦略〔グローバル出願3割〕
例:世界的視野での出願戦略〔グロ
バル出願3割〕 、②出願内容の事前チェックの徹底〔黒星2割カット〕
②出願内容の事前チェックの徹底〔黒星2割カット〕
○特許庁の人的体制を充実
・審査官・任期付審査官を確保する
○審査効率を向上させる
・米・欧特許庁のサーチ・審査結果を積極的に利用する
・先行技術調査の外注を拡大する
・審査効率の高い外注手法へ移行させる
審査効率の高い外注手法へ移行させる
○特許審査迅速化に必要な基盤を整備する
38
年度末に依然集中する特許出願(1)
特許出願件数
50,000
40,000
30,000
20,000
10 000
10,000
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
39
年度末に依然集中する特許出願(2)
60,000
50,000
平成19年度
平成20年度
40,000
平成21年度
平成22年度
平成23年度
30,000
平成24年度
平成25年度
20,000
10,000
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
40
グローバルな知財マネジメントの構築(適切なタイミングでの権利取得)
韓国では、出願年に約70%強が審査請求され、それ以降の審査請求は少ない。
ドイツでは、出願年に約70%強が審査請求され、それ以降しばらくの期間の審査請求は少なく、7年目に約15%弱が
審査請求される。
日本では、出願年に約10%程度が審査請求され、3年目に70%程度が審査請求される。
海外企業と同様、早いタイミングでの審査請求により早期の権利化を図り、PPHなどを利用するグローバル戦略が必要で
はないか。
■ 日本、韓国、ドイツにおける出願の審査請求率の推移
80.0%
日本
(2006年出願)
(
年出願)
ドイツ
(2000年出願)
韓国
(2005年出願)
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
7年 目
6年 目
5年 目
各国の審査請求期間:日本(3年) 韓国(5年) ドイツ(7年)
4年 目
3年 目
2年 目
1年 目
出願年
0.0%
41
世界で通用する安定した権利(強い権利)の設定
国際特許出願(PCT)は 国際調査機関が予備的な審査(国際調査)を実施し
国際特許出願(PCT)は、国際調査機関が予備的な審査(国際調査)を実施し、
各国がその結果を参考にしつつ審査を行うという、ワークシェアリング機能を制度的に内在。
しかしながら、国際調査機関が特許性ありと判断しても、各国の審査段階で拒絶理由が通知されるケースが発生。
企業が安心して世界市場で活動するためにも、各国間の審査結果の相違解消が大きな課題。
【国際調査機関が特許性ありと判断した出願に対する、各国の一次審査の結果】
6%
新規文献で拒絶理由 24%
1%
日本が国際調査機関
48% 即特許
20% 1%
73%
27%
米国が国際調査機関
米 が 際 査を作成
(米国が国際調査を作成)
(日本が国際調査を作成)
11%
16%
7%
66%
38%
39%
19%
4%
7%
13%
(出典)特許庁作成
(2009年11月の三極会合にて報告)
各国の一次審査の結果
即特許(拒絶理由が通知されずに特許されたもの)
拒絶理由有り(文献無し)
拒絶理由有り(国際調査機関が発見した文献のみ)
拒絶理由有り(新規文献)
62%
25%
57%
36%
 国際調査において、国際調査機関が
特許性ありと判断しても、各国の審査段階で
新たな文献(米欧の英語文献等)が発見され
拒絶理由が通知されるケースが発生。
 その原因は、特許文献検索データベースの
相違 審査運用の相違など様々
相違、審査運用の相違など様々。
各国間の審査結果の相違を解消し、世界で通用する安定した権利(強い権利)の設定が必要
42
迅速かつ的確な審査に向けた取組み
~外国語文献対応~
世界で通用する安定した権利を設定するためには、日本語、英語はもとより、それ以外の外国語文献について
も漏れなく調査をすることが必須。
中韓文献等の外国語文献についての先行技術調査を効率化するため、言語に依存しない特許分類の整備や
機械翻訳などインフラの整備に寄与。
【急増する外国語文献】
(件数)
中韓文献53%
中韓文献9%
外国文献サーチシステムの整備
機械翻訳を最大限活用して世界の主要な特許文献を日本語により調査可能とす
機械翻訳を最大限活用して世界の主要な特許文献を日本語により調査可能とす
るシステムを整備する。
急増する中韓文献に対応できるよう、中韓文献サーチシステムの早急な開発が
必要。
中韓文献の急増
世界共通の特許分類の整備
言語に依存せず、世界中の特許文献を網羅的に調査可能な特許分類を整備する。
五大特許庁を中心として国際特許分類の詳細化を進めることが必要。
日本文献65%
日本文献20%
(暫定値)
先行技術調査外注の拡充
最大限の審査効率化を図るため、先行技術調査を民間へ外注。
今後は外国語文献の増加に伴い、日本語の文献だけの調査では不十分となる。
外国語文献調査も含めた外注が必要。
(資料)特許庁作成
韓国の外注機関においては、すでに韓、日、米、欧の文献を調査することが標準。
実績
 中日機械翻訳辞書の作成(2012年度:約100万語作成済)
 先行技術調査外注(2012年度:約24万件)
43
特許分類の国際的取組み
各国における適切かつ効率的な特許審査に資するため、技術分野毎にポイントとなる技術要素を細分化した
各国における適切かつ効率的な特許審査に資するため
技術分野毎にポイントとなる技術要素を細分化した
国際特許分類(IPC : International Patent Classification)が存在(1968年に欧州評議会が作成し、2009年以
降は毎年度リバイス)。
ただし、IPCは項目が少なく粗い。審査の迅速化、効率化を最大化するため、日本国特許庁は、IPCを詳細化し
ただし IPCは項目が少なく粗い。審査の迅速化 効率化を最大化するため 日本国特許庁は IPCを詳細化し
た日本分類(FI :File Index)を策定し、主に国内文献について付与、管理している。
国際特許分類(IPC)とは
IPCの細分化に向けた国際的な取り組み
A42C ハットまたは他の頭を覆うものの製の装置;仕上ったハットの
形または寸法を変えるため造あるいは仕立
3/00
/
ハット製造のための種々の装置
ッ 製造 た
種
装置
3/02 ・ ハットの形の保持具
3/04 ・ 婦人用ハットの仕立台
3/06 ・ ハットの寸法を測る装置
IPC化
ハット製造のための装置
3/04
婦人用ハットの
仕立台
H01L33/00
33/02
33/04
細分化
・
・
分類調和・分類細分化後のIPC案
H01L33/00のみ
改正前のIPC
WIPOに提案
A42C 3/00
3/02
ハットの形の
保持具
五庁協力
3/06
ハットの寸法を
測る装置
• 日米欧中韓の五大特許庁は、国際特許
分類(IPC)をより細分化する取り組みを
進めてきた。
• 本年6月の五庁長官会合で、Global
Classification Initiative(GCI)を立ち上げ
ることに合意。今後はGCIの枠組みの
下、IPC改正を行っていく。
国際的に統一された分類
H01L33/00
33/02
33/04
・
・
世界各国の特許庁
• GCIでは、FIとCPC(欧米が共通で用い
る内部分類)を整合させることによりIPC
を細分化するとともに、新規技術に対応
したIPCの作成を行う。
共通のサーチツール等として利用
44
特許審査情報共有システム基盤の整備
各国の特許庁が保有する出願情報・審査結果情報を 括で取得可能とするシステムを構築することにより、特許庁間で
各国の特許庁が保有する出願情報・審査結果情報を一括で取得可能とするシステムを構築することにより
特許庁間で
のワークシェアリングの促進に貢献。
日米欧中韓の五大特許庁間において、各庁が保有する出願情報・審査結果を、一括で取得可能とする審査情報共有シ
ステムが本年7月に稼働開始。
今後 審査情報共有シ
今後、審査情報共有システムを五大特許庁以外の国々(アセアン各国等)も利用できるよう、WIPOと協力してシステム基
ムを 大特許庁 外 国 (
各国等)も利用 きるよう
と協力
シ
ム基
盤の整備を推進。
各国の審査結果情報を一括で取得
JAPAN
Country A
Country Z
DATE
DOCUMENT
**.05.2008: Request for a Patent
**.05.2008:
.05.2008: Description
**.05.2008: Abstract
**.07.2010: Request for Examination
**.11.2011: Notification of Reasons for Refusal
**.01.2012: Written Argument
**.04.2012: Decision to Grant a Patent
DATE
*******
*******
*******
*******
DATE
*******
*******
*******
*******
*******
DOCUMENT
XXXXXXXX
XXXXX
XXXXXXX
XXXXXX
・・・
DOCUMENT
XXXXX
XXXXXX
XXXXX
XXXXXXXX
XXXXXX
審査情報を共有するシステム基盤のイメージ
45
国際審査官協議の拡充
我が国と海外特許庁相互に、審査官を派遣し、実際の出願についての特許要件等に関する議論を通じ、相手国の審査手続
我が国と海外特許庁相互に
審査官を派遣し 実際の出願についての特許要件等に関する議論を通じ 相手国の審査手続
や特許要件の判断基準をより深く理解し、審査実務の調和や施策・取組みの推進を目指す。
アジア新興国等との間でも順次国際審査官協議を開始し、当該国での適切な知財システムの整備の促進に貢献する。
【実施状況】
中長期 派遣 1人
派遣 36人
受入 34人
派遣 8人
受入 5人
派遣 8人
受入 8人
ドイツ
イギリス
ロシア
WIPO
派遣 2人
派
ユーラシア
スウェーデン
派遣 5人
受入 4人
派遣 29人
受入 24人
ク 受入 1人
デンマーク
韓国
欧州
スペイン 派遣 4人
派遣 2人
派遣 248人
受入 191人
五庁ワークショップ 派遣 13人
ポルトガル 受入 2人
中長期
派遣 3人
三極審査官会合
派遣 28人 受入24人
ブラジル 派遣 2人
審査官分類協議
派遣 73人 受入11人
メキシコ
カナダ
派遣 2人
受入 2人
派遣 2人
米国
中長期 派遣 5人
中国
派遣 15人
受入 16人
オーストラリア シンガポール ベトナム
受入 2人
派遣 2人
派遣 2人
人
台湾
派遣 12人
受入 8人
インド 派遣 6人
(注)2000年4月から2013年8月末までの実績(延べ人数)
46
中国の取組 出願件数の急増
中国は特許出願件数で2010年には我が国を、2011年には米国を上回り、
世界1位の知財大国化。
2015年の特許 実用新案 意匠の出願件数についても 十二五計画において
2015年の特許・実用新案・意匠の出願件数についても、十二五計画において、
それぞれ約75万件、約90万件、約85万件になると予測。
【日米欧中韓への特許出願件数】
【特許・実用新案・意匠出願件数予測】
(万件)
出願件数
(万件)
60
52.6
50.4
50
意匠
200
中国
40
34.3
30
250万 件
250
米国
約85万件
実用新案
特許
163万件
150
日本
韓国
20
17.7
14.3
約90万件
100
欧州
50
約75万件
10
0
0
2007
2008
2009
2010
2011 (出願年)
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
(出願年)
※2011年は暫定値
2015
47
知的財産を巡る状況
知財分野で台頭する中国
中国は特許出願件数で我が国及び米国を上回り、2011年に世界1位の出願大国に。
日本の特許出願件数は2008年リーマンショック後に減少、その後下げ止まり傾向。
近年 電気機器における2007年以降続いていた減少傾向が下げ止まり
近年、電気機器における2007年以降続いていた減少傾向が下げ止まり。
日本への業種別特許出願件数*
日米欧中韓への特許出願件数
13.5
70
65.3
中国
米国
60
中国
日本
韓国
欧州
50
7.0
13.0
12.5
6.0
12.0
11.5
10.5
10.5
4.0
)
40
10.0
34.3
9.5
日本
30
2.5
20
2.0
10
2007
2008
2009
2010
2011
2012 (出願年)
輸送用機器(33社)
化学(49社)
機械(35社)
その他製造業(27
社)
精密機器(11社)
鉄鋼・非鉄金属(13
社)
非製造業(19社)
8.0
7.5
14.7
3.0
9.0
8.5
19.3
電気機器(91社)
5.0
11.0
50.4
出願件数 万(件・
電気機器以外
出願件数(万件・電気機器のみ)
(万件)
1.0
70
7.0
6.5
0.0
2002 2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010 2011
繊維・ガラス・土石
製品(14社)
製品(
社)
大学・研究所・財
団等(8社)
*2011年特許出願件数上位300社
48
知的財産を巡る状況
中国企業・韓国企業の躍進
国際特許出願件数ランキングは、2006年から2011年の5年間で大きく変化。
2011年のランキングでは、中国企業2社と韓国企業1社がトップ10にランクイン。
【2006年の国際特許出願件数ランキング】
出願人名
国籍
件数
1
フィリップス
オランダ
2,495
2
松下電器産業
日本
3
シーメンス
4
【2011年の国際特許出願件数ランキング】
出願人名
国籍
件数
1
ZTE
中国
2,826
2,344
2
パナソニック
日本
2,463
ドイツ
1,480
3
華為技術
中国
1,831
ノキア
フィンランド
1,036
4
シャープ
日本
1,755
5
ボシ
ボシュ
トドイツ
イツ
962
5
ボシ
ボシュ
トドイツ
イツ
1 518
1,518
6
3M
アメリカ
727
6
クアルコム
アメリカ
1,494
7
BASF
ドイツ
714
7
トヨタ自動車
日本
1,417
8
トヨタ自動車
日本
704
8
LGエレクトロニクス
韓国
1,336
9
インテル
アメリカ
690
9
フィリップス
オランダ
1,148
10
モトローラ
アメリカ
637
10
エリクソン
スウェーデン
1,116
わずか
5年
の間に
・・・
注:PCT出願(特許協力条約に基づく出願)のみ
49
迅速かつ的確な審査に向けた取組み
~外国語文献対応~
世界で通用する安定した権利を設定するためには、日本語、英語はもとより、それ以外の外国語文献について
も漏れなく調査をすることが必須。
中韓文献等の外国語文献についての先行技術調査を効率化するため、言語に依存しない特許分類の整備や
機械翻訳などインフラの整備に寄与。
【急増する外国語文献】
(件数)
中韓文献53%
中韓文献9%
外国文献サーチシステムの整備
機械翻訳を最大限活用して世界の主要な特許文献を日本語により調査可能とす
機械翻訳を最大限活用して世界の主要な特許文献を日本語により調査可能とす
るシステムを整備する。
急増する中韓文献に対応できるよう、中韓文献サーチシステムの早急な開発が
必要。
中韓文献の急増
世界共通の特許分類の整備
言語に依存せず、世界中の特許文献を網羅的に調査可能な特許分類を整備する。
五大特許庁を中心として国際特許分類の詳細化を進めることが必要。
日本文献65%
日本文献20%
(暫定値)
先行技術調査外注の拡充
最大限の審査効率化を図るため、先行技術調査を民間へ外注。
今後は外国語文献の増加に伴い、日本語の文献だけの調査では不十分となる。
外国語文献調査も含めた外注が必要。
(資料)特許庁作成
韓国の外注機関においては、すでに韓、日、米、欧の文献を調査することが標準。
実績
 中日機械翻訳辞書の作成(2012年度:約100万語作成済)
 先行技術調査外注(2012年度:約24万件)
50
産業界における知的財産の活用
各国における知財訴訟
海外では知財関連訴訟が急増。特に中国において高額損害賠償の裁判事例も。
海外では知財関連訴訟が急増
特に中国において高額損害賠償の裁判事例も
海外企業は、知財訴訟の経験値も高まっている。
我が国企業は、国内外で権利行使に対応するための適切な体制が構築できているか。
日米中の知財関連訴訟(特許・実用新案・意匠)
中国における高額損害賠償額
損害賠償 支払者
9000
7,819
8000
日本
中国
米国
7000
5000
4,015
4000
3,196
2,909
2,896
3,301
2,792
2,830
2,720
2000
1000
237
173
188
179
189
146
223
0
2005
約43億5,240万円
富士化水工業
約6億5,780万円
4,422
4,074
4,041
2,947
シュナイダー(仏)
5,785
6000
3000
損害賠償額
2006
2007
2008
※米国には実用新案制度がない
※※日本中国は1月~12月、米国は10月~9月
2009
2010
2011
米国における訴訟制度の特徴
 ディスカバリ制度:原告及び被告が互いに訴
訟に関連するあらゆる証拠を開示する手続き
のこと。通常、最低でも1年、最長は数年かか
るともいわれ、裁判費用と労力の多くがディス
カバリに費やされることになる。
 先発明主義:先願主義と異なり、発明日を特
定する手続に大きな負担がかかるという批判
があった。先般、法改正がなされ、先願主義
へと移行することになった。
51
我が国企業のグローバル展開の進展
企業のグローバル展開が進む中で、特に新興国においては、現地ニーズに沿った製品開発が重要に。
最先端の技術のみならず、デザインやブランドを組み合わせた開発により、顧客にとっての付加価値を向上。
このため、特許権のみならず、意匠権や商標権を組み合わせた複合的な知財の保護・活用が必要に。
企業はグローバル市場においてニーズに
対応した商品サービスの開発強化を重視
特許権・意匠権・商標権を活用
(現地仕様の製品開発の例)
海外における研究開発の方向性
○中国やインドネシアで発生した改造品から、
現地の需要を学習し 日本で販売するインクタ
現地の需要を学習し、日本で販売するインクタ
ンクよりも圧倒的に容量の大きいタンクを側面に
外付けして使用。
○特許権・意匠権・商標権を複合的に活用。
出典:通商白書2011
出典:日経ビジネス(2010/12/13)等を基に特許庁作成
52
我が国企業の取組事例 (日東電工)
液晶パネルに必要な偏光フィルムは、新興国セットメーカー系列の参入により価格競争が激化。
液晶パネルに必要な偏光フィルムは
新興国セットメ カ 系列の参入により価格競争が激化
日東電工では、取引先の液晶パネル工場で自ら偏光フィルムを貼り合わせるビジネスモデルの導入により、競合メーカーに
対する価格競争力を強化。
上記ビジネスモデル実現のため、グ
上記ビジネスモデル実現のため、グローバルに特許権を取得することにより、パネルメーカーに対する交渉力強化。
ルに特許権を取得することにより、 ネルメ カ に対する交渉力強化。
直面する課題
・従来は、偏光フィルムを所定のサイズに切断加工し、液晶パネルメーカ
従来 、偏光 ィ
を所定 サイ
切断加
、液晶 ネ
ーに供給(パネルの切り売りモデル)。
・液晶ディスプレイの大型化や需要の増加に伴い、検査工数、包装、保
管などの負荷が拡大し、製造及び輸送コストは年々増加。
・また、新興国セットメーカー系列の参入により、価格競争も激化。
新たなビジネスモデル
・ 偏光フィルムを切断せずにロール状ままで供給するとともに、検査工程を
経て切断加工した偏光フィルムを連続で液晶パネルに貼り付ける装置を
導入し その工程を一貫して管理するという革新的なビジネスモデル(
導入し、その工程を
貫して管理するという革新的なビジネスモデル(ロ
ール・ツー・パネルシステム)を確立。
・ その結果、液晶ディスプレイの製造コストと輸送コストおよび梱包資材を
大幅に低減させるとともに、製造効率を飛躍的に向上させる自動化ライン
を構築
を構築。
知財面での取組
特許グローバル出願率
52.6%
・ 他方で、競合他社による模倣を防止するため
に、新しいマーケットにおいて、当該ビジネスモデ
ルにかかる複数の技術を特許権で保護。
・ 現在日本をはじめ、韓国、台湾の液晶ディスプレ
プ
イメーカーで採用され、今後液晶ディスプレイの製
造プロセスにおいて、次世代の標準的な製法とな
りえるもの。
出願先
23ヶ国・地域
53
事業戦略対応まとめ審査
企業のイノベーションをグローバルな事業戦略に結びつけるためには、ユーザーにとって有用で
かつ安定した権利をタイムリーに設定することが重要。
新事業 国際展開を見据
新事業や国際展開を見据えた事業に活用できる知財網を形成するために、各分野の審査官が
事業 活用
財網を 成す
、各分野 審 官
連携しながら、分野横断的に事業展開のタイミングに合わせて、審査・権利化を行う「事業戦略
対応まとめ審査」を、試行を踏まえて本格実施予定。
事業戦略対応まとめ審査
事業全体
企
事業戦略
ソフトウェア技術
装置制御
業
事業に必要な特許を
適時にかつ網羅的に取得
(特許網の形成)
出願の内容
容
ソフトウェア技術
特許庁
モータ
各分野の審査官からなるチーム
装置制御
モータ
電池
素材
事業に必要な
技術等を出願
電池
電気自動車
製造技術
素材
事業戦略や技術の内容を企業から直接説明を受け、
事業化の出口を意識しユーザーの希望するタイミングで権利化
製造技術
車体構造
車体構造
54
我が国企業の取組事例 (ユニ・チャーム)
パンツ型の布オムツが浸透しており、同社のパンツ型紙オムツへの潜在的なニーズが存在する点などを
パンツ型の布オムツが浸透しており
同社のパンツ型紙オムツ の潜在的なニ ズが存在する点などを
重視し、インドネシアへ本格進出。
積極的なマーケティングにより必要な機能に特化するなどの製品開発により、低価格化に成功。
販売段階では 地域の小売店へのチャネル拡大や 現地の購買実態にあわせた 個売りの導入を実施
販売段階では、地域の小売店へのチャネル拡大や、現地の購買実態にあわせた一個売りの導入を実施。
同社では、グローバルメーカーとの競争、現地模倣業者への対策、オムツ製造設備メーカーによる類似品
製造対策として、グローバル市場で特許権・意匠権・商標権を積極的に取得。
現地ニーズを踏まえた製品開発
現地のニーズを踏まえた
現地の
ズを踏まえた
チャネル開拓・販売形態の導入
○現地の購買層の月収から購入可能価格
を割り出し。
○現地におけるマーケティングにより、
現地において必要不可欠な機能に特化
した低価格製品の開発。
○地域の小売店(パパママストア)
へのチャネル拡大
へのチャネル拡大。
○現地における使用形態を踏まえ、
個装販売を導入。
インドネシア市場におけるシェア拡大
○既に欧米系グローバル企業がシェア
を固めていた中で、6割超のシェア獲得。
現時市場向けオムツ「マミーポコパンツ・スタンダー」ユニ・チャーム)
知財面での取組
特許グローバル出願率
82.6%
出願先(商標)
134ヶ国・地域
55
(参考)事業戦略対応まとめ審査 事例
ユニチャ ム、ダンロップなど十数社につき、事業戦略対応まとめ審査を実施。
ユニチャーム
ダンロップなど十数社につき 事業戦略対応まとめ審査を実施
製品に関連する複数の特許を新製品販売のタイミング等に合わせて特許化。
特許29件のみならず、意匠12件や商標30件についても同時に登録査定。
ユニチャ
ムの例
ユニチャームの例
「ム
ニ エアフィット」
「ムーニー
ウエスト部分等に吸収体切りか
け構造と伸縮素材を搭載するこ
とで、まるいおしりにフィットする
世界初のやわらかなカーブ形状
を実現 。
赤ちゃんの脳の血流測定にて、新素材では酸化ヘモグロビンが従
来の6倍。赤ちゃんは紙おむつ素材の触感の違いを区別し、素材
の気持ち良さの触感を実感。
従来品の「エアシルキー®」を、肌へのやさしさは
従来品の「エアシルキ ®」を 肌へのやさしさは
そのままに、吸収スピードを強化。
まとめ審査で早期権利化し、更に、PPH制度を活用して海外でも早期権利化。
また、新製品を上市する前に知財の保護を完了し、積極的にビジネスを展開
出典:ユニチャームニュースリリースより作成。http://www.unicharm.co.jp/company/news/2013/1192465_1693.html
56
消費インテリジェンスに関する懇談会報告書①
57
消費インテリジェンスに関する懇談会報告書②
58
消費インテリジェンスに関する懇談会報告書③
59
我が国企業の研究開発拠点
9割以上の企業は、日本国内で研究開発を実施。
9割以上の企業は
日本国内で研究開発を実施
基礎研究、応用研究を新興国で実施する企業は1割以下。
設計/デザイン、製品開発/試作を新興国で実施する企業は2割前後存在。
【我が国製造業企業の研究・開発拠点】
【我が国製造業企業の研究 開発拠点】
我が国製造業企業が研究・開発を行っている場所
(重複回答)
91.9
基礎研究分野
(n=571)
製品開発/試作の業種別内訳 海外(新興国)
(重複回答)
6.1
22.7
全体
2.1
7.7
92.1
22.2
精密機械
10.8
応用研究分野
(n=567)
6.2
自動車
20.4
6.0
24 8
24.8
電機・電子
94.6
20.0
一般機械
17.7
設計/デザイン
(n=570)
16.0
21.4
化学
39
3.9
繊維
18.8
96.2
食料品
20.1
製品開発/試作
(n=578)
22.7
(%)
45.2
0
10
20
30
40
50
1.4
(%) 0
10
行っていない
20
30
40
海外(新興国)
50
60
70
海外(先進国)
80
90
100
日本国内
「我が国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告-2010年度
海外直接投資アンケート結果(第22回)-」(国際協力銀行)2010年12月を基に
特許庁作成
60
日アセアン特許庁長官会合
アセアンは我が国にとって重要な経済圏であり、進出する日系企業としてもアセアンでの特許・意匠・商標
が
の取得・活用のニーズは高い。しかし、国際条約への加盟の遅れや不十分な審査能力等、制度・運用に
課題が存在。
日本国特許庁として 成長著しいアセアンの更なる経済発展及び進出する日系企業の事業活動支援のた
日本国特許庁として、成長著しいアセアンの更なる経済発展及び進出する日系企業の事業活動支援のた
め、2012年以降、日アセアン特許庁長官会合を定期的に開催し、アセアンへの知財協力を強化。
日アセアン長官会合
○第1回会合(2012年2月に東京で開催)
アセアンの経済成長のための知財保護強化、
アセアンへの日本の協力を確認する「東京知財声明」を採択
○第 回会合(
○第2回会合(2012年7月にシンガポールで開催)
年 月にシンガポ ルで開催)
アセアン各国における産業財産権制度の改善や、
審査手続の透明化等を規定した協力覚書への署名・行動計画の採択
○第3回会合(2013年4月に京都で開催)
東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)や世界知的所有権機関(WIPO)との
東アジア
アセアン経済研究センタ (ERIA)や世界知的所有権機関(WIPO)との
協力を盛り込んだ行動計画の採択
第3回会合で採択した行動計画の概要
知財保護環境の整備により、進出する
知財保護環境の整備により
進出する
日系企業の事業活動を支援
ERIAやWIPOといった関係機関との連携強化による模倣品対策等に関する
協力の推進
アセアン各国知的財産庁と審査情報を共有するための共通システム基盤の構築
によるIT支援の強化
特許分類や文献検索、特許審査ハイウェイに関するセミナ など審査実務への
特許分類や文献検索、特許審査ハイウェイに関するセミナーなど審査実務への
支援強化
模倣品対策等アセアンにおける知財保護環境整備の進展、
アセアン各国知財庁における審査の質の向上が期待される
61
ASEAN 知的財産権行動計画2011
知的財産権行動計画2011--2015 及びASPEC
及びASPEC プログラムの概要
5つの観点で戦略目標を分類
迅速・的確・利用可能性の高い知財サービスを提供すべく、バランスの取れた知財システムの構築
 2015年までに、平均6ヶ月で商標登録可能にする(異議がない場合)。
 ASEAN特許審査協力(ASPEC)の完全履行(2015年までに利用率を5%以上にする)。
知財 ンフォ
ント地域行動計画の策定
 知財エンフォースメント地域行動計画の策定
 著作権、地理的表示、伝統的知識等の保護強化、知財実務者の能力向上 等
アセアン加盟国の国際知財保護制度への参加
 2015年までにマドプロ、ハーグ、PCTなどの国際制度への加入
知財の創造・意識向上・活用の体系的な促進
知財の創造
意識向上 活用の体系的な促進
 域内特許ライブラリーのネットワークを学校や大学に構築。
 技術移転・商業化の意識向上、中小企業の知財活用強化。
国際的なIPコミュニティへの活発な参加及び各種機関との連携強化
 世界知的所有権機関(WIPO)と2年単位の地域計画の実施。
 日本国特許庁を含むダイアログパートナーとの協力強化。
アセアン地域の各知財庁の人的・組織的な能力向上
 特許
特許・商標審査官、能力の強化を域内各国のニーズ調査を踏まえ体系的に実施。
商標審査官、能力の強化を域内各国のニ ズ調査を踏まえ体系的に実施。
 2015年までの特許・商標書類の電子化を含む、各知財庁のインフラ近代化。
Vietnam
Thai
Singapore
Brunei
ASPEC
Philippines
Myanmar
Cambodia
(ASEAN Patent Examination
Cooperation)
Indonesia
Laos
Malaysia
62
商標登録出願件数の推移
商標登録出願件数の推移
(件)
150,000
119,185
12,586
100,000
50,000
106,599
110,841
113,519
10,641
10,825
100,200
102,694
2009
2010
119,010
108,060
11,788
12,412
95,648
107,222
2011
2012
0
2008
商標出願(国際商標登録出願以外)
(年)
国際商標登録出願
(資料)統計・資料編 第1章第6. 、第3章14.
63
日本人による外国への商標登録出願件数の推移
日本人による外国 の商標登録出願件数の推移
日本人による外国への商標登録出願件数の推移
(件)
27,000
24,000
21 000
21,000
18,000
15,000
12,000
9 000
9,000
6,000
3,000
0
中国
米国
韓国
OHIM
2008年
年
2009年
年
2010年
年
2011年
年
2012年
年 (年)
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
米国
5,258
4,764
4,832
4,633
5,054
5,358
OHIM
1,934
2,100
2,082
1,979
2,181
2,302
中国
12,950
14,090
13,340
20,021
22,866
24,676
韓国
4,668
4,563
4,397
3,936
2,927
3,236
単位:件
(備考) 米国
中国
韓国
(資料) 米国
OHIM
中国
韓国
出願件数での公表はしていないため、数値は出願区分数
各年の値は年度データ、各年の前年10 月からその年の9 月までを示す。
(例)2012 年度:2011 年10 月〜2012 年9 月
出願件数での公表はしていないため、数値は出願区分数
マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願件数を含まない。
ドリッド協定議定書に基 く国際登録出願件数を含まない。
USPTO Annual Report
OHIM ウェブサイト
CTMO Annual Report
2007 〜2011 年:KIPO Annual Report
2012 年:KIPO 提供資料(暫定値)
64
日本から外国への出願(国際登録出願件数)
出願件数(本国官庁)
(件)
2,200
2,000
1,800
1,600
1 400
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
日本から外国への出願(国際登録出願件数)
指定国数
(か国)
12,000
10,098
10,000
8,001
7 311
7,311
,
8,000
7 242
7,242
6,364
6,000
1,265
1,310
1,567
1,547
2,127
4 000
4,000
2,000
2008
2009
2010
出願件数(本国官庁)
2011
2012
0
(年)
指定国数(か国)
(資料)統計・資料編 第3章9.
65
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
企業のブランド・メッセージの発信手法の多様化~久光製薬~
久光製薬は、貼る文化を世界へ広げ、企業使命である「貼って手当てすることの良さを伝えること」を
メッセージとして発信。
文字商標等に加え、「動きの商標」「音の商標」「位置の商標」により企業の信用(イメージ)を情報発信し、
文字商標等
加え、 動き 商標」 音 商標」 位置 商標」 より企業 信用(イ
ジ)を情報発信し、
久光製薬のブランドの信用を商標登録することで保護。
【動きの商標】
【動き 商標】
【音の商標】
l
テレビコマーシャル、インターネットのホーム
ページ等で音の商標と共に使用。無限のシン
ボ から始まり やがて
ボルから始まり、やがてHisamitsuを図案化し
を図案化し
た形(ロゴ)に変化。欧州、シンガポールなど
約10カ国・地域で動きの商標として登録。
音楽に企業名「ヒサミツ」を乗せて、テレビ・
ラジオ
ラジオコマーシャル等で使用。欧州、米国、
シ ル等で使用 欧州 米国
シンガポール、香港、台湾など十数カ国・地
域で音の商標として登録。
【位置の商標】
主力商品「サロンパス」のパッケージデザ
インを米国にて位置商標として登録。青と
緑の長方形を商品の包装に配置した
商標。
66
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
保護対象の拡充、新しいタイプの商標の保護対象化
企業のブランドメ セ ジの多様化を背景として 海外においては新しいタイプの商標の登録事例あり
企業のブランドメッセージの多様化を背景として、海外においては新しいタイプの商標の登録事例あり。
我が国企業からも、今後積極的な権利保護を求める声がある。
(1)動きの商標
(2)ホログラムの商標
図形等が時間によって変化して見える商標(例えば、テレビやコンピュータ
画面等に映し出される動く平面商標や、動く立体商標等)。
ホログラムに映し出される図形等が見る
角度によって変化して見える商標。
欧州登録番号 8195992
ソニー株式会社(ゲーム機器等)
欧州登録 4366001
VeriSign社(ソフトウェア)
米国登録 1928423
Twentieth Century Fox Film Corporation社
(映画フィルム)
企業の声
言語を超えたブランドメッセージの発信手法の保護に活用したい
言語を超えたブランドメッセ
ジの発信手法の保護に活用したい
・近年、ブログにデジタル動画をアップするブロガーが増加。デジカ
メの潜在的なユーザー掘起しとして、全世界のブロガー向けに動
画や音声を駆使したネット広告を展開しており、動く商標や音の
商標による保護が重要。 (カメラメーカー)
米国登録 3045251
American Express社
(クレジットカードサービス)
欧州登録 2117034
GDS VIDEO社
(測定・写真機械等)
ドイツ登録番号
ド
登録番号 304532819
株式会社ニコン(写真、カメラ類)
企業の声
巧妙化する模倣被害への対策として活用したい
・デジタルカメラの電池パックを模倣品と入替え、電池パックは別
に販売する業者が存在。現地では模倣電池パック爆発による事
故から製品本体の安全性が疑われる事態に発展。ホログラム商
標を活用し、製品部品の模倣にも対応したい。 (家電メーカー) 67
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
保護対象の拡充、新しいタイプの商標の保護対象化
(3)位置の商標
(4)音の商標
図形等の標章と、その付される位置に
よって構成される商標。
音楽、音声、自然音等からなるものであり、
聴覚によって認識される商標。
(5)輪郭のない色彩の商標
図形等と色彩が結合したものではなく、色彩のみ
からなる商標。(複数の色彩を組み合わせたもの
と、単一の色彩によるものがある。)
欧州登録番号8622144
日産自動車株式会社(自動車等)
米国登録番号 3252941
株式会社トンボ鉛筆(文房具、筆記用具類)
欧州登録 3892015
Sanford社
(筆記用具)
豪州登録 809772
Prada社(靴)
欧州登録 2529618
久光製薬(薬剤)
スキューバのレギュレター
から出る呼吸音
米国登録番号 3776468
久光製薬株式会社(薬剤等)
米国登録 3618322
ルーカスフィルム
(コスチュームマウス)
企業の声
現地の販売形式に対応したブランド
メッセージの発信手法の保護に活用したい
・新興国では、電気製品も路上に積まれて販
売される。包装中の自社のロゴの位置を統一
し、製品が積まれた際に、一角が自社製品の
売り場であることを消費者に認識できるように
現地の販売形態を念頭においたパッケージ
を採用。当社の「顔」であるパッケージを位置
の商標で保護を図りたい。 (家電メーカー)
企業の声
言語を超えたブランドメッセージの
発信手法の保護に活用したい
・各社とも、電気自動車の起動画面・起動音に
コストをかけて他社と差別化を図っている
コストをかけて他社と差別化を図っている。
音の商標で権利として保護必要。
(自動車メーカー)
欧州登録番号 9992512
株式会社マキタ(電動工具類)
企業の声
巧妙化する模倣被害への対策として
活用したい
・権利取得されている文字の商標の使用を避
け 文字以外の製品の特徴部分を模倣する
け、文字以外の製品の特徴部分を模倣する
など手口が巧妙化しており、色の商標などの
権利取得により対応したい。
(菓子メーカー、文具メーカー等)
68
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
保護対象の拡充、新しいタイプの商標の保護対象化
グロ バル市場においては、ブランドメッセ
グローバル市場においては
ブランドメッセージの発信手法が多様化
ジの発信手法が多様化。
米国を始め、欧州共同体、英国、フランス、ドイツなど欧州諸国や豪州においては、既に新しいタイプの商標が保護されている。
韓国では、米韓FTAの発効を受けて、保護対象を拡充(音、匂いを保護対象化)。
我が国においても、新しいタイプの保護制度を導入することにより、
・多様なブランドメッセージ発信手段を保護することが可能となり、製品・市場獲得競争、模倣対策に活用可能。
・国際登録制度(マドリッド協定議定書)を利用して、低廉・簡便に海外における権利保護が可能。
各国・地域の新しいタイプの商標の保護状況
米国
OHIM
英国
フランス
ドイツ
韓国
台湾
豪州
日本
動き
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
◎
×
ホログラム
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
◎
×
色彩
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
×
位置
◎
◎
◎
◎
◎
◎
-
◎
×
音
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
×
におい
◎
△
△
△
△
◎
○
◎
×
触感
◎
△
△
△
△
-
-
◎
×
味
◎
△
△
△
△
-
-
◎
×
トレードドレス
◎
◎
◎
◎
◎
-
-
◎
×
(参考)米韓FTAにおける
新しいタイプの商標に係る規定
◎
◎:保護あり
保護あり ○:改正中
改 中 -:不明
不明
×:保護なし
△:におい、触感、味について、欧州
では、過去登録例があったが、その
後、写実的に表現できるとの登録要
件を満たさないものと判断されており
、現在は登録はされていない。
OHIM:欧州共同体商標意匠庁(Office for
H
Harmonization
i ti in
i the
th Internal
I t
l Market
M k t (Trade
(T d
Marks and Designs)),は、欧州共同体(EC)域
内における意匠(共同体意匠、Community
Designs)及び商標(共同体商標、Community
Trade Mark)の登録機関。
第18章 知的財産権
【商標】 ・音声、においが、商標として保護され得ることを規定。
今後の課題
今後
課題
 商標制度小委員会では、ユーザーのニーズを踏まえつつ、新しいタイプの商標の保護制度を導入するという方向性で
今後検討を進めていくことを了承いただいた。
 今後、保護対象に追加する商標のタイプ、その特定方法の見直しといった課題について検討を進めていく。
69
新しいタイプの商標の保護対象化等に向けた検討状況(商標法)
商標制度小委員会での検討状況
商標制度小委員会において、新しいタイプの商標の保護、商標制度における地域ブランド保護の拡充及びパリ条約第6
条の3への対応の在り方等について検討を行い 以下の報告書を取りまとめた
条の3への対応の在り方等について検討を行い、以下の報告書を取りまとめた。
産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会報告書
「新しいタイプの商標の保護等のための商標制度の在り方について」(平成25年2月)
新しいタイプの商標の保護の導入
→「動き」 「ホログラム」 「輪郭のない色彩」 「位置」及び「音」からなる商標については その保護のニーズも高まって
→「動き」、「ホログラム」、「輪郭のない色彩」、「位置」及び「音」からなる商標については、その保護のニ
ズも高まって
おり、適切な保護を図ることができることから、新たに商標法の保護対象とすることが適当。
商標制度における地域ブランド保護の拡充
→地域ブランドを活用した地域経済の活性化については、商工会、商工会議所又は特定非営利活動法人が主な担い手
とな
るケ
がある とに鑑み れら 団体を地域団体商標 登録主体に追加する とが適当
となっているケースがあることに鑑み、これらの団体を地域団体商標の登録主体に追加することが適当。
パリ条約第6条の3への対応の在り方
→パリ条約 による国際機関の紋章等の保護義務を担保している商標法の規定について、国際機関と関係があると誤認
するおそれのな 周知商標等が、 当に保護されるよう、その要件を見直す とが適当。
するおそれのない周知商標等が、正当に保護されるよう、その要件を見直すことが適当。
その他
→登録後に自他商品役務の識別力を喪失した商標の取消制度、著名商標の保護の在り方等の論点については、商標
制度を取り巻く状況等を踏まえつつ、引き続き検討することが適当。
上記報告書の内容を踏まえた商標法の改正を実現すべく、改正法案の準備を進める。
70
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
新たなビジネス展開に対応する知的財産権の複合的保護
企業が競合他社との製品開発競争 市場獲得競争を勝ち抜くため、特許権で技術を保護することに加え、付加価値や差別化
企業が競合他社との製品開発競争・市場獲得競争を勝ち抜くため
特許権で技術を保護することに加え 付加価値や差別化
の源泉となるデザインやブランドの要素を意匠権や商標権を活用して複合的に保護することがますます重要になってきている
。
デジタル技術の急速な進展等を背景に、新しい技術をユーザーの利便性や製品の魅力向上につなげるデザインの領域拡大
に対応した意匠の保護が必要になってきている。
に対応した意匠の保護が必要になってきている
グローバル展開を行っている我が国企業にとって、言語を越えたブランドイメージの発信手段や模倣品対策として、新しいタイ
プの商標の保護が必要になってきている。
<知的財産の複合的保護イメ
ジ>
<知的財産の複合的保護イメージ>
外観のデザイン
意匠登録第1326330号
携帯情報端末
新たなビジネス展開に際して、知財権
ミックスによる保護・活用が有効となる
事例
電気自動車
特許
タッチスクリーンを使った
スクロールに関する技術
意匠
Webデザイン
→特許権
GUI
タブレット型情報端末
特許第4743919号
操作画面のデザイン
商標
商品名・ブランド名・ロゴマーク
商品名
ブランド名 ロゴマ ク
○車両本体(新技術)
意匠登録第1356982号
携帯情報端末
アイコン
○車両デザイン(電気自動車はデザ
インの自由度が高く差別化のツー
ルとして役割が拡大)
→意匠権
○起動音(他社との差別化を図る手
段として起動音の役割は重要)
→商標権
商標権
※海外においては、商標権として保護。
知的財産
音、動き、ホログラム等
71
産業界における知的財産の活用
スマートフォンを巡るアップル・サムスンの知財紛争
米国アップルと、韓国サムスン電子は、世界各国で知財訴訟を展開。
プ
韓
各
を
米国アップルは、特許権だけでなく、意匠権や商標権を使って、知財訴訟を展開。
vs
連邦特許裁判所
ミュンヘン第一地方裁判所
アップル→サムスン
アップル→サムスン
オランダ
アップル→サムスン
英国
マンハイム地裁
韓国
カリフォルニア州
北部連邦地裁
アップル→サムスン
アップル
サムスン
サムスン→アップル
アップル→サムスン
プ
サム
サムスン→アップル
アップル→サムスン
アップル
サムスン
サムスン→アップル
デラウェア州連邦地裁
サムスン→アップル
サムスン→アップル
デュッセルドルフ地裁
フランス
東京地裁
アップル→サムスン
サムスン→アップル
アップル→サムスン
サムスン→アップル
米国際貿易委員会
サムスン→アップル
アップル→サムスン
イタリア
スペイン
アップル→サムスン
サムスン→アップル
サムスン→アップル
オーストラリア
アップル→サムスン
サムスン→アップル
72
アップル・サムスンの訴訟戦略
8月24日 米国カリフォルニア地裁は アップルの主張の多くを認め サムスンに約830億円の賠償を命じる。
8月24日、米国カリフォルニア地裁は、アップルの主張の多くを認め、サムスンに約830億円の賠償を命じる。
サムスンの主張(アップルによる通信関連の特許権侵害)は認めず。8月24日、韓国ソウル中央地裁は、
アップル・サムスン双方の侵害を認定。両者に賠償を命じる。8月31日、東京地裁は、アップルの主張を棄却。
陪審制の米国での勝利を始め れまでは、アップル優勢の展開。アップルは、訴訟を通じて、サムスンの
陪審制の米国での勝利を始めこれまでは、アップル優勢の展開。アップルは、訴訟を通じて、サムスンの
「モノマネ」をアピール。
賠償額
約830億円
・・・アップルの権利
デザイン
ディスプレイ操作技術等
4件中3件が侵害
3件中3件が侵害
5件中0件が侵害
4件中1件が侵害
・・・サムスンの権利
通信技術等
アップル勝利
(陪審員による評決)
8月24日
賠償額
ア プル(約280万円)
アップル(約280万円)
5件中0件が侵害
サムスン(約173万円)
両者に賠償課す
8月24日
5件中2件が侵害
サムスン勝利
8月31日
1件中0件が侵害
73
アップルとサムスンの出願戦略①
アップルは、操作関連の技術に関する出願の割合が大きい。米国の陪審制度や、訴訟に係る報道を通じた
アップルは
操作関連の技術に関する出願の割合が大きい 米国の陪審制度や 訴訟に係る報道を通じた
相手企業のブランドイメージへの攻撃などを念頭に、消費者にアピールしやすい権利を中心とした出願を
戦略的に行っている可能性がある。
サムスンは 操作関連技術の割合は小さいものの 出願件数の総数はア プルよりも多く 通信技術など
サムスンは、操作関連技術の割合は小さいものの、出願件数の総数はアップルよりも多く、通信技術など
操作関連以外の技術に強みを有している。
1000
900
800
40
700
35
600
出
願 25
件 20
数
15
出願件数
操作関連の技術
30
出願件数
45
操作関連 外 技術
操作関連以外の技術
500
400
300
10
200
操作関連以外の技術
5
100
0
2005
2006
2007
2008
出願年
2009
2010(予測)
操作関連の技術
0
2005
2006
2007
2008
出願年
2009
2010(予測)
74
アップルとサムスンの出願戦略②
アップルは、米国への出願割合が極めて大きい。出願段階から、陪審員制をとる自国での権利行使を重視
プ は 米国
出願割合が極め 大き
出願段階から 陪審員制をとる自国
権利行使を重視
している可能性がある。
サムスンは、全体の件数規模がアップルより大きく、また、韓国以外に米国、中国及び日本等にも多く出願
しており、各市場に対して特許出願する戦略が伺える。
20,000
40,000
18,000
35,000
16,000
30,000
800
1,400
700
1,200
14,000
25,000
25
000 総
出 12,000
願
1,000 件 10,000
数
8,000
800 総
600
出 500
願
400
件
数
300
出
願
600 件
数
400
200
200
100
0
0
2005
日本
2006
米国
欧州
2007
出願年
中国
韓国
2008
ASEAN
インド
総出願件数
15,000
件
数
6,000
10,000
4,000
5,000
2,000
0
0
2005
2009
台湾
出
20,000 願
日本
米国
2006
欧州
中国
2007
出願年
韓国
2008
インド
台湾
2009
ロシア
総出願件数
75
アップルとサムスンの出願戦略③
アップルは、携帯型電子情報端末機(スマートフォン等)のデザインを重視している。
サムスンは、携帯電話機分野のデザインでは各国で首位を独占している。
【携帯電話機における意匠登録ランキング】
( 日本意匠分類H7-43、日米欧中韓、2009~2010年公報発行分)
日本での出願
順
位
出願人名
米国での出願
件数
順
位
出願人名
欧州での出願
件数
順
位
出願人名
中国での出願
件数
順
位
出願人名
韓国での出願
件数
順
位
出願人名
件数
1 サムスン電子(韓国)
131
1 サムスン電子(韓国)
349
1 サムスン電子(韓国)
279
1 サムスン電子(韓国)
467
1 サムスン電子(韓国)
379
2 京セラ
100
2 ノキア(フィンランド)
265
2 ボーダフォン(独)
101
2 ZTE(中国)
209
2 LG電子(韓国)
209
91
上海温??泰電子有限公
3 上海温泰電子有限
207
司(中国)
公司(中国)
3 SGPコリア(韓国)
24
4 LG電子(韓国)
85
4 ノキア(フィンランド)
192
4 SKテレシス(韓国)
21
5 ノキア(フィンランド)
53
5 LG電子(韓国)
172
5 ケイティテック(韓国)
18
3 シャープ
95
3 LG電子(韓国)
73
3
4 ノキア(フィンランド)
79
4 モトローラ(米)
67
5 パナソニック
75
4 フォックスコン(中国)
67
ソニー エリクソン
(スウェーデン)
【携帯型電子情報端末機(スマ トフ ン等)における意匠登録ランキング】
【携帯型電子情報端末機(スマートフォン等)における意匠登録ランキング】
( 日本意匠分類H7-725、日米欧中韓、2009~2010年公報発行分)
日本での出願
順
位
出願人名
米国での出願
件数
順
位
出願人名
欧州での出願
件数
1 アップル(米国)
59
1 サムスン電子(韓国)
73
2 東芝
51
2
リサーチ イン モー
ション リミテッド(加)
63
3 パナソニック
34
3 アップル(米国)
30
4 シャープ
32
4 ノキア(フィンランド)
18
5 サムスン電子(韓国)
21
5 LG電子(韓国)
15
順
位
出願人名
1 ノキア(フィンランド)
リサーチ イン モー
ション リミテッド(加)
サイオン テクロジック
3
ス(加)
データロジック モバイ
4
ル(伊)
2
中国での出願
件数
順
位
出願人名
韓国での出願
件数
順
位
出願人名
60
1 モトローラ(米国)
24
1 サムスン電子(韓国)
50
2 HTC(台湾)
17
2
37
3 ZTE(中国)
15
3 LG電子(韓国)
26
4 サムスン電子(韓国)
15
4 アイリバー(韓国)
SKテレシス株式会社
(韓国)
件数
90
86
29
9
リサーチ イン モー
タイハン電子ワイヤ(韓
14
5
6
ション リミテッド(加)
国)
〔出典〕特許庁 平成23年度意匠出願動向調査 ―携帯電話機及び携帯型電子情報端末機―
5 サムスン電子(韓国)
25
5
76
デザインとは何か?
77
画像デザインの保護拡充
情報技術の発展等を背景として、製品差別化における画像デザインの重要性が近年増大。
我が国では、平成19年4月より、意匠法による操作画面デザインの保護を開始しているが、保護対象は限定的であり、
米国、欧州及び韓国において保護されているパソコン、ウェブページのデザイン等の画像デザインは保護対象外。
今後更なる発展が見込まれるデジタルデザイン分野において、我が国企業による国際的な市場の獲得や模倣対策など、
デジタルデザインを活用したグローバル市場における取組を支援できるよう、ヘーグ協定加盟による意匠権取得環境の
整備にあわせ、意匠法による画像デザインの保護拡充に向けた検討を進めることが必要。
「画像デザイン」に関する現行意匠法の保護と改正法により追加を検討している新たな保護対象(案)
改正法により追加を検討している新たな保護対象の例(案)
現行法の保護対象
汎用計算機用の画像
(OS,アプリケーション等)
エレベーター用表示器の
レ
タ 用表示器の
階数表示画面
ウェブページ
(ネットバンキング等)
携帯電話機の
機能選択画面
78
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
画面デザインの活用分野の広がり、重要性の高まり
近年の技術革新や消費者ニーズの高度化等を背景に
画面デザインの活用分野が広がりつつある
近年の技術革新や消費者ニ
ズの高度化等を背景に、画面デザインの活用分野が広がりつつある。
様々な分野において差別化要素としての活用が見込まれており、広範な業界において潜在的な保護ニーズが存在。
【自動車産業】
【エネルギー産業】
自動車オ
自動車オーナー向けモバイルアプリ
ナ 向けモバイルアプリ
スマートグリッドシミュレーター
スマ
トグリッドシミュレ タ
乗車前にリモート操作でエアコン
のオン・オフを行い、車室内を快適
な温度に設定する機能。
http://www.nissan.co.jp/EVENT/APPLI/
日産リーフのバッテリー残量をわ
かりやすくグラフで表示。
【【コンテンツ制作業】
ンテンツ制作業】
ノンリニア編集ソフトウェア
初心者やPCに不慣れなユーザーでも直感的な操作ができるようEDIUSの
インターフェースは人間工学に基づき設計。素材やタイムラインの映像を
確認する「プレビューウィンドウ」、映像編集作業を行う「タイムライン」、映
像や音声、タイトルなどの素材を一元管理する「ビンウィンドウ」の3つから
構成される分かりやすい画面を採用。
http://pro.grassvalley.jp/catalog/edius_pro/edius_6_f1.htm
「スマートグリッドシミュレーター(日立製作所)」地図型のグラフイックス技
術を活用し 雲の流れと太陽光発電の出力変化 制御機器による安定化
術を活用し、雲の流れと太陽光発電の出力変化、制御機器による安定化
制御の働きをアニメーション的に表示。直感的に把握できるように工夫。
http://www.nikkan.co.jp/toku/smartglid/sg20120227-11n-307ps.html
【流通・販売業】
【流通
販売業】
中古車販売管理ソフト
迷うことなく目的の項目にたどり着き、効率的に作業を行っていただく
為に、操作性・視認性を考慮してレイアウトを一新。またアイコンボタン
の種類を豊富に利用して直感的で分かりやすく親しみやすいユーザイ
ンターフェースを目指している。
http://www.office-tomods.com/car_sp_seihin.shtml
【医療機器産業】
検査結果のビジュアル化ツ
検査結果のビジュアル化ツール
ル
株式会社ノーザ「WiseStaff-7+Perio Touch」
タブレ トPCを使 て わかりやすく大きな画面で歯周検査値を入力
タブレットPCを使って、わかりやすく大きな画面で歯周検査値を入力。
さらに検査結果を説明用ビジュアルに変換して、インフォームドコンセ
ントのツールとしても活躍。
http://www.nhosa.com/products/ws7_perio_touch.html
【サービス業】
【サ
ビス業】
宿泊先・旅行先検索アプリ
今までにないユーザーインターフェースで、旅行の計画に新たな体験を。
「じゃらん
じゃらん for iPad」は、宿泊先や旅行先の検索を、まるで情報誌を読んで
いるように、直感的な検索や検討が出来るアプリケーションです。タブレッ
トPCの使用感の良さに着目し、その特性を徹底的に生かすことにこだわ
っている。1つ1つの操作・動作をWEBの概念を捨てて、タッチパネルを生
かすことを一から考え、細部までこだわっている。
http://www.g-mark.org/award/detail.php?id=38116
79
諸外国における画像デザイン保護の状況
保護対象各国比較
○:保護あり ×:保護なし △:条件付保護あり
欧州
米国
韓国
日本
表示部を有する機器の画像
○
○
○
△
汎用機のOSの画像
○
○
○
×
アプリケ シ ン ソフトウ アの画像
アプリケーション・ソフトウェアの画像
○
○
○
×
ゲームソフトの画像
○
○
○
×
アイコン自体
○
○
△
△
ウェブページ画像
○
○
○
×
壁紙画像
○
○
○
×
欧州での登録例
米国での登録例
アイコン自体
OS,アプリケーション等の画像
登録共同体意匠第001915638-0007号
意匠特許第D625314号
画像の用途や機能に関し
て、機器の機能を発揮す
るための操作に用いられ
るものであること等、一定
の条件を満たす 部の画
の条件を満たす一部の画
像のみが保護される。
物品の一部として出願した
場合は保護されうる。
韓国での登録例
ウェブページの画像
登録第3005445010000号
80
意匠登録出願件数の推移
意匠登録出願件数の推移
(件)
45 000
45,000
40,000
39,267
40,756
39,254
36,724 36,544
33,569
35,000
30,875 31,756 30,805
32,391
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5 000
5,000
0
2003 2004 2005 2006 2007
2008 2009
2010 2011 2012 (出願年)
(資料)統計・資料編 第1章5.
81
主要国・機関における意匠登録出願件数の推移
(件)
主要国・機関における意匠登録出願件数の推移
700,000
600,000
中国
欧州
韓国
日本
米国
500 000
500,000
400,000
300,000
200 000
200,000
100,000
0
2008
2009
2008年
2010
2009年
2011
2010年
2012
(出願年)
2011年
2012年
日本
33,569
30,875
31,756
30,805
32,391
米国
27,782
25,806
29,059
30,467
32,799
欧州
77,067
(19,239)
69,518
(19,074)
74,688
(20,307)
78,866
(21,308)
82,838
(22,498)
中国
312,904
351,342
421,237
521,468
657,582
韓国
58,912
(56,750)
59,537
(57,903)
59,204
(57,187)
58,282
(56,212)
65,246
(62,914)
(備考)欧州、韓国の数値は、それぞれOHIM、KIPO へ出願された意匠数を示す
(括弧内は出願件数)。
(括弧内は出願件数)
(資料)日本 統計・資料編 第1 章5. 米国 USPTO ウェブサイト
欧州 OHIM ウェブサイト
中国 SIPO ウェブサイト
韓国 2008 ~ 2011 年:KIPO ウェブサイト
2012 年:KIPO提供資料(暫定値)
単位:件
82
日本人による外国への意匠登録出願件数
(件)
日本人による外国 の意匠登録出願件数
日本人による外国への意匠登録出願件数
6,000
5,000
中国
4,000
欧州
その他
3,000
米国
韓国
2,000
1,000
0
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 (出願年)
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
米国
2,060
2,286
2,570
2,291
2,510
2,436
1,956
2,148
2,321
2512
欧州
1,711
2,152
2,168
2,041
2,192
2,414
1,781
2,356
3,401
2,942
中国
3,522
4,299
4,679
4,569
4,966
4,782
3,760
3,811
4,532
4,805
韓国
1 566
1,566
1 757
1,757
1 732
1,732
1 404
1,404
1 671
1,671
1 728
1,728
1 222
1,222
1 528
1,528
1 757
1,757
1 421
1,421
その他
3,266
3,376
2,609
2,087
2,311
3,162
1,832
2,308
1,679
未公表
単位:件
(備考) 欧州、韓国の数値は、それぞれOHIM、KIPO
欧州 韓国の数値は それぞれOHIM KIPO へ出願された意匠数を示す。
へ出願された意匠数を示す
(資料) 米国 2003 ~ 2012 年:USPTO 提供資料 欧州 OHIM ウェブサイト(OHIM は2003 年から受付を開始)
中国 SIPO ウェブサイト 韓国 2003 ~ 2012 年:KIPOウェブサイト
その他 WIPO 統計「World Intellectual Property Indicators - 2012 Edition」より特許庁作成
83
ハーグ協定のジュネーブ改正協定への加盟に向けた検討
近年、我が国出願人による海外への意匠登録出願が増加している一方、我が国は、各国への一括出願
を可能とする国際条約であるハーグ協定のジュネーブ改正協定に加盟していない(特許及び商標の分
野では、同等の条約に加盟済み。)。
当該条約に加盟することで 出願人の手続負担やコスト負担の抑制につながることから 引き続き
当該条約に加盟することで、出願人の手続負担やコスト負担の抑制につながることから、引き続き、
加盟に向けた詳細な検討を行っていく。
簡便な外国出願を可能とする国際条約の加盟状況
我が
我が国出願人による海外への意匠登録出願
海
意 登録
件
16,000
14 000
14,000
特許
18,000
グラフ差し替え
商標
12,000
10,000
8,000
意匠
6,000
4 000
4,000
2,000
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
条約名
加盟国数
日本の加盟
特許協力条約
(PCT)
146カ国
加盟済
マドリッド協定
議定書
88カ国
加盟済
ハーグ協定の
ハ
グ協定の
ジュネーブ改正協定
45カ国
未加盟
年
※ 2008年から2009年にかけては、リーマンショックの影響により国際出願
2008年から2009年にかけては リ マンシ クの影響により国際出願
件数が低迷したが、その後は再び出願件数が増加傾向にある。
(2013年1月現在)
【ハーグ協定のジュネーブ改正協定への主要国加盟状況】
・欧州:加盟済み(2008年1月)
・米国:加盟のための国内法改正法案が成立(2012年12月)
・韓国:加盟のための国内法改正案を立法予告済み
・中国:高い関心あり
・アセアン:2015年、7か国の加盟を目標
84
ハーグ協定のジュネーブ改正協定加盟状況
(資料)特許庁作成
85
国際的枠組みの整備、ヘーグ協定への加盟
グローバルなビジネス展開や模倣品対策促進のために重要なデザインの活用・保護を、海外における意匠権の円滑な取
得環境整備によって支援するため、近年加盟国が拡大しているヘーグ協定に加盟する方向で検討を進める。
ヘーグ協定への加盟により、低廉・簡便に海外における意匠権の保護が可能となることに加え、海外において我が国の審
査結果が参照されることによる予見可能性向上の効果も期待。
査結果が参照される と よる予見 能性向上 効果も期待
ヘーグ協定ジュネーブアクト加盟時の概念図
国際出願
(指定国制度)
一つの願書及び図面で、複数の国(締約国)での
意匠登録を得ることが可能
出願人
国際登録
(一括管理)
願書の記載言語は、英語、フランス語又はスペイ
ン語のうち 任意で選択可能
ン語のうち、任意で選択可能
WIPO国際事務局
登録・拒絶の
審査判断
指定国官庁
による審査
(審査官庁の場合)
ヘーグ協定の概要
国際登録を通じた
審査結果の参照効果
日本
A国
B国
実体審査国
実体審査国
無審査国
我が国の審査結果の発信により
国 審 結果 発信
り
海外での安定的な権利活用を支援・促進
複数の国の意匠権が国際事務局の原簿で一括管
理されるため、各国における権利の更新、権利の
移転等に際し、料金の支払等の手続を一括で行う
ことが可能
※ 2012年7月現在45か国が加盟(日本は未加盟)
【主な未加盟国の状況】
・韓国:協定加盟のための国内法改正案を立法予告
・米国:協定加盟のための国内法改正案が上院通過
・アセアン:2015年、7か国の加盟を目標
・中国:高い関心あり
中国:高い関心あり
○我が国の加盟とあわせ、人材育成協力等を
通じたアセアン諸国等の加盟促進を図る必要性
86
デザイン・ブランドのグローバルな保護・活用
(参考)我が国意匠審査結果の他国での活用
我が国の意匠制度は、出願された全件に対して、審査官の職権探知による実体審査を行うのが特徴。
我が国の意匠制度は
出願された全件に対して 審査官の職権探知による実体審査を行うのが特徴。
我が国における意匠の審査結果は、「登録の事実(=有効性の確認)」と「参考文献情報」により構成。
この審査結果には、他国、特に無審査国における権利活用の予見性を高める効果が期待できる。
日本における意匠登録と参考文献情報
【日本意匠公報】
中国における意匠権侵害訴訟での活用事例
日本での登録意匠
中国での登録意匠
特徴点が共通
侵害被疑意匠
造形上の
新規な
特徴点
侵害
参考文献情報
実体審査時に審査官
が参照し、非類似と
判断した先行意匠群
② 特徴点の明確化
先行意匠にはない
新規な特徴点を
明確化
① 無効請求の抑制
非類似
相違点
は既知
の造形
無審査国では、侵害訴訟の相手方による無効請求
無審査国
、侵害訴訟 相手方 よる無効請求
や抗弁が起こされやすく、訴訟の長期化を招来。
外観形状が完全に同一(デッドコピー)でない場
合、非類似として侵害不成立の反論も容易。
実体審査国である我が国の審査結果(参考文献情
報)を活用することにより、
① これら先行意匠を理由とした無効請求を抑制して
無審査国における対応意匠権の有効性を高め、
② 新規な特徴点の明確化により侵害立証を容易化。
新規な特徴点の明確化により侵害立証を容易化
予見性が高く、迅速な紛争解決に寄与
「アジア諸国における権利活用によるデザイン保護実態についての調査研究報告書」(平成19年3月、(社) 日本国際知的財産保護協会)「Ⅱ.中国における模倣品への取組み (キヤノン株式会社)」を元に意匠課作成
87
経済連携協定における知財関連規定の例
近年締結された他国のFTAには知的財産権の保護に関する種々の規定が盛り込まれている。
規
【米韓FTAにおける規定の例】
(特許)
●発明の公表から特許出願するまでに認められる猶予期間を12か月にする。
●特許付与の不合理な遅延を補償するため、特許権者の請求に基づき特許期間を調整する。
※不合理な遅延とは、特許出願日から4年、審査請求日から3年のいずれか遅い方(出願人の責めによる遅延は含めない)
●特許に関する民事及び行政上の手続において、特許が有効であるという反証可能な推定を与える。
(商標)
●登録の条件として、標章が視覚で認知できるものであることを要求してはならない。
●地理的表示が商標としての保護を受けることができることを規定する。
【EU韓FTAにおける規定の例】
●農産品や食品等の地理的表示の保護を規定する。
88
知的財産を巡る環境変化と我が国企業の課題
1. 我が国企業のグローバル展開の進展と知財活動のグローバル化
○ 日本の企業の特許出願は国内出願が減少する一方海外出願が急増
→ 出願数、出願先、充分戦略的か
○ 商品のコモディティ化をいかに避けるか
商品の
デ テ 化をいかに避けるか
○ 新興国向けのボリュームゾーンにどう対応するか
○ 製品化を見据えた技術開発と権利化
○ 権利化の速度と知財訴訟
○ オープンイノベーションをいかに進めるか
→ 研究開発の現地化をどう考えるか
2. 知財大国化する中国とどう向き合うか
3 製品差別化におけるデザイン・ブランドの重要性の高まり
3.
製品差別化におけるデザイン ブランドの重要性の高まり
○ 新しい商標とその活用
○ コンピューターグラフィックインターフェース
ンピ
タ グラフ クインタ フ
ス
89
中小企業のグローバルな知財マネジメントの在り方
グローバル展開の進展に伴い、大企業が海外出願を増加させる一方で、中小企業は微増に留まる。
グロ
バル展開の進展に伴い 大企業が海外出願を増加させる 方で 中小企業は微増に留まる
他方、中小企業の特許出願件数が減少する中で、新規に特許出願する中小企業数も減少。
我が国のイノベーションの基盤を支える中小企業における知財の創造・保護・活用の在り方について、
中小企業特有の状況も踏まえ
中小企業特有の状況も踏まえつつ検討していくことが必要ではないか。
検討していくことが必要ではないか
特に、中小企業のグローバルな知財マネジメントの在り方の検討にあたっては、ビジネス展開の範囲、
資金力での制約・社内体制の問題など中小企業毎の事情も踏まえた、きめ細やかな対応が必要ではないか。
○大企業と中小企業の特許の海外出願率
○新規に特許出願した中小企業数と特許出願件数の推移
単位:社(人)
単位:件数
新規出願企業数
35.00%
特許出願件数
4,000
45,000
30.00%
3,500
40,000
25 00%
25.00%
3,000
20.00%
2,500
15.00%
2,000
10.00%
1,500
35 000
35,000
30,000
25,000
1:大企業
2:中小企業
5.00%
0.00%
2004G率
2005G率
2006G率
2007G率
2008G率
2009G率
2010G率
20,000
15,000
1,000
10,000
新規出願企業
特許出願件数
500
5,000
0
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
(両資料)特許庁作成
90
中小企業の所有する特許権等
中小企業の所有する特許権等
8
1
企
業
当 6
た
り
の 4
所
有
件
数 2
(%)
(件)
特許
40
4.0
実用
意匠
所有率
2.9
2.7
28
2.8
2.8
3.5 所
有
企
2.5 業
の
2.0 割
合
3.0
1.5
1.0
0.5
0
0.0
2008年
2009年
2010年
2011年
(資料)中小企業庁「中小企業実態基本調査報告書」を基に経済産業省作成
91
中小企業の特許出願件数
中小企業の特許出願件数
(件)
40,000
35,000
34,667
33,615
31,068
32,759
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
2009
2010
2011
2012
(年)
(資料)特許庁作成
92
中小企業の意匠登録出願件数
中小企業の意匠登録出願件数
(件)
12,000
10,000
9,692
9,579
8 979
8,979
8 749
8,749
2010
2011
8,000
6,000
4,000
2,000
0
2009
2012
(年)
(資料)特許庁作成
93
中小企業の商標登録出願件数
中小企業の商標登録出願件数
(件)
60,000
50,000
47,656
50,333
48,497
44 773
44,773
40,000
30,000
20,000
10 000
10,000
0
2009
2010
2011
2012
(年)
(資料)特許庁作成
94
中小企業のPCT国際出願件数
中小企業のPCT国際出願件数
(件)
3,500
3,015
3,000
2,838
2,531
2 577
2,577
2009
2010
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
2011
2012 (年)
(資料)特許庁作成
95
中小企業の商標国際登録出願件数
中小企業の商標国際登録出願件数
(件)
1,200
951
1,000
772
800
676
600
494
400
200
0
2009
2010
2011
2012
(年)
(資料)特許庁作成
96
大学等における知財活動
大学等からの特許出願件数(共同出願やTLOの出願を含む)は2000年代に入り急激に増加。2007年をピークに減少傾向にあ
るものの、グローバル出願率は27%程度と、全体平均と同程度で推移(2011年の全出願人平均は27%)。
大学等におけるライセンス収入は増加傾向にあるものの、米国の大学等と比べるとその差は著しく大きく、年々拡大している。
大学等における知財活動が我が国の競争力強化につながるような取組について検討すべきではないか。
【大学等からの出願件数とグローバル出願率の推移】
【大学等からの出願件数とグロ バル出願率の推移】
日本と米国の大学等におけるライセンス収入の推移
(件)
9000
30%
27%
8000
25%
25%
7000
6000
18%
26%
27%
7859
7352 7569
24%
27%
7601
7151
27%
6909 6756
(百万ドル)
3,500
25%
20%
3,310
米国
日本
3,000
2,610
2,500
20%
2,044
5000
2,000
4604
2,070
15%
4000
1,500
2775
3000
2000
10%
1,230
1,235
1,030
5%
500
1,385
849
1,000
1979
1527
1,306
414
318 355
218 283
503
601
712
1000
10.7 13.5 12.1 13.7 15.6
20
09
20
08
20
07
20
06
20
05
20
04
20
03
20
02
20
01
20
00
19
99
19
98
19
97
19
96
19
95
19
94
19
93
0%
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
(年)
(出典)特許庁作成
(備考)我が国の大学等からの特許出願は、出願人が大学長又は大学を有する学校
法人名の出願及び承認TLOの出願を検索・集計。企業等との共同出願も含む。
19
92
0
19
91
0
(年度)
出典:大学技術移転サーベイ 大学知的財産年報2010年度版(大学技術移転協議会)に
基づき特許庁作成
97
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