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新型インフルエンザ対策行動計画改訂にあたって
古くはスペインかぜなどのインフルエンザでは、人類の危機に直面し多くの犠牲者を出し、様々
な教訓が生まれているが、我々は、過去の危機は記録でしか知る由がなく、身をもって体験するこ
とがない。
振り返れば、平成21年4月の新型インフルエンザ(A/H1N1)の海外での感染拡大報告から日
本上陸への報道に、姿の見えないウイルスへの不安と恐怖を感じた。
今回の新型インフルエンザ対策は、過去に経験したことのない感染症対策であり、姿のみえな
いウイルスへの脅威ばかりが先行した。何をどのようにというノウハウは、その感染力と毒性の2
次元マトリックスの対策であり、当初は毒性の度合いもわからず、どのような対策を講じたらよいの
か試行錯誤の中ですすんできた。
昨年度の行動計画策定時には、新型インフルエンザ感染拡大時に自ら作った計画で市民が守
れるかどうかの実効性を問題としていた。今年度、実際に地域に発生し感染拡大時には、国・千葉
県・医療機関の動きを踏まえ、実際にやれることが何かを挙げ、市では何ができて何ができないの
かの取捨選択を実際に迫られつつも、目先の予防対策や感染防止の対応や周知に日々追われ
た。
今回の経験をもとに、今後ウイルスが強毒性に変異した場合に、対応を検討する際の資料とし、
対策を構築していくべきである。
市の体制では、本行動計画に重ね非常事態に向けた事業継続計画は、感染拡大時の対策に
困窮した中で、その計画策定の必要性を感じ今年度取り組んできた。事業を洗い出し振り分け作
業をすすめる経過で、少しでも危機管理意識の共通認識が得られたと思われる。これからも行動
計画と連動し、事業継続計画に関しても危機の度合いに応じ改訂していくべきであり、健康危機管
理の観点から高い意識を持って取り組みを進めていく必要性がある。
平成22年3月
南房総市保健福祉部健康増進課
目 次
1. インフルエンザウイルス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
2. 感染症法と検疫法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
3. 新型インフルエンザ対策の目的・組織体制
(1)歴史
(2)新型インフルエンザ対策目的
(3)流行規模の想定
(4)発生段階別と南房総市の組織体制
(5)非常事態宣言
(6)流行の終息
4. 感染症予防
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
(1)感染症とは
(2)感染症の基本的な考え方
(3)咳エチケット
(4)消毒方法
5. 防護服着脱手順
(1)防護服着衣手順
(2)防護服脱衣手順
6. 火葬場の検討
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
(1)火葬場の数
(2)火葬炉の基数と稼動数
(3)火葬場の平均的稼動数
(4)火葬場の年間稼動日数
(5)平常時の死亡者・火葬体数
(6)感染性の死体の火葬
(7)千葉県広域火葬計画
(8)新型インフルエンザによる死亡者数の想定
7. リスクコミュニケーションの構築
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
(1)リスクコミュニケーションとは
(2)リスクコミュニケーション実施の手順
(3)市町村の役割
8. 南房総市健康危機管理対策本部の体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
9. 発生段階別の実施事務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
10. 新型インフルエンザ関連情報
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
11.用語解説
表紙:抗ウイルス薬「タミフル」カプセル
1.インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスは直径約 80~120 ナノメートル(1 ナノメートルは 1 ミリメートルの 100 万分の 1)で、
ウイルス表面から HA(赤血球凝集素)と NA(ノイラミニダーゼ)という2種類のタンパク質が突き出ているた
めに、とげのあるイガグリのような形をしている。
血球凝集素(HA:Hemagglutinin) :細胞のレセプターにつくところ
8本のRNA
ノイラミニダーゼ(NANeuraminidase)
(独立行政法人 理化学研究所プレスリリースより)
油膜の2重構造・・・・・・石けんで手を洗うことで、油膜が分解されインフルエンザウイルスは不活化する
○インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザウイルスは、内部タンパク質の形によって A・B・C の3型に分けられるが、新型インフルエンザ
となってパンデミックを起こす可能性があるのは A 型のみである。なぜなら A 型インフルエンザは、ウイルス粒
子の表面にある HA(赤血球凝集素)と NA(ノイラミニダーゼ)という糖タンパクの抗原性の違いにより様々な亜
型に分けられており、鳥類、ウマ、ブタ、ヒトなどの宿主に感染することができるからである。
インフルエンザウイルスの種類
型
A
亜型
144種類
種類
HA
赤
血
球
凝
集
素
NA
B
C
1種類
1種類
ノイラミニダーゼ
N1
N2
N3
・・
・・
・・
・・
N9
H1
H1N1
H1N2
H1N9
H2
H2N1
H2N2
H2N9
H3
H3N1
H3N2
H3N9
H16N1
H16N2
H16N9
:
:
:
:
H16
A(H1N1):1918~1919年のスペインかぜ、A(H2N2):1957~1958年のアジアかぜ、A(H3N2):1968~1969年の香港かぜ
1
○鳥インフルエンザ
これまで流行した鳥インフルエンザのうち、いくつかはヒトにおける感染例が報告されているが、最も多いの
は、H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザである。
世界保健機構(WHO)によれば、2003年11月以降、世界15か国から387人の患者と245人の死亡者が
報告されており、致死率が63.3%と非常に高いのが特徴である。
多くの症例は、アジア地域から報告されているが、中近東やアフリカからも報告されている。
○毎年流行しているインフルエンザウイルスは、以下の3種類
☆A型インフルエンザ H3N2(香港型)
☆A型インフルエンザ H1N1(ソ連型)
☆B型インフルエンザ
2.感染症法と検疫法
○感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 →国内対策
平成10年に制定された旧来の「伝染病予防法」、「性病予防法」、「後天性免疫不全症候群の予防に関する
法律」の3つを統合して出来た法律。平成11年4月1日より施行。平成19年4月1日には、「結核予防法」の統
合、また人権意識の高まりから「人権尊重」や「最小限度の措置の原則」が明記されるなどの改正により新しく
施行された。 一般に感染症予防法、感染症法、感染症新法とも言われる。
<目的>
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し、必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予
防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
○感染症法の疾病分類
分類
代表的な疾患名
疾患数
一類感染症
エボラ出血熱、痘そう、ペスト等
7
二類感染症
鳥インフルエンザ(H5N1)、結核、SARS、ポリオ、ジフテリア
5
三類感染症
四類感染症
五類感染症
新型インフルエンザ等感染症
腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフ
ス
鳥インフルエンザ(H5N1を除く)、狂犬病、炭疽病、マラリア、日本脳
炎等
インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症
を除く)、麻しん、水痘、破傷風、百日咳、風しん等
41
新型インフルエンザ、再興型インフルエンザ
2
5
41
○検疫法 →水際対策
<目的>
国内に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止するとともに、
船舶又は航空機に関してその他の感染症の予防に必要な措置を講ずることを目的とする。
○平成20年5月の法改正による対応ポイント
①新型インフルエンザを感染症法と検疫法へ位置づけた。
②新型インフルエンザに感染したおそれのある者に対する健康状態の報告要請や、外出自粛の要請規
定の創設、停留先施設に医療機関以外の施設を追加する等まん延防止策を拡充した。
③感染症法において、鳥インフルエンザ(H5N1)を二類感染症に位置づけ、入院措置等の法的根拠が整
備された。
2
3. 新型インフルエンザ対策の目的・組織体制
(1)歴史
20世紀では、1918年(大正7年)に発生したスペインかぜ(H1N1)で、全世界の患者数は約6億人、死
者は約3,000万人に上ったとされている。また、1957年(昭和32年)にアジアかぜ(H2N2)、1968年
(昭和43年)の香港かぜ(H3N2)が新型インフルエンザとして出現し、大流行を起こした経緯がある。
新型インフルエンザの大流行は、過去の歴史からみると10~40年の間隔で発生している。もともとは、
鳥などに感染する鳥インフルエンザウイルスが、これまで感染することのなかったヒトに対しても感染する
し、ヒトからヒトへと容易に感染するように変化したものが「新型インフルエンザ」である。
(2)新型インフルエンザ対策の目的
☆感染拡大を可能な限り防止する
☆健康被害を最小限にとどめる
☆社会経済機能を破たんさせない
○発生時における公衆衛生的介入の目的
厚生労働省:「新型インフルエンザとその対策の現状」より
①大流行のピーク時期を遅らせ平坦化させる。
②ピーク時における医療サービスへの負荷・被害を減らす。
③感染者、発症者、受診者、入院者、死亡者の同時多発を減らす。
○社会的距離拡大:ヒト-ヒト間の距離を拡大する。
学校閉鎖
患者の自宅待機、接触者の自宅待機
外出自粛
集会等の自粛・延期・ヒトの集まる場所の制限・閉鎖
企業活動の縮小
○戦略的な医学的介入と結合
接触者への抗ウイルス薬の予防投与と隔離
プレパンデミックワクチンの投与
(3)流行規模の想定・・・・鳥インフルエンザの想定
スペインかぜが流行した時代と比較して、現代は人口密度が高く、国際的な輸送・交通網の発達等によ
り高速・大量輸送のシステムが発達しており、発生地点がどこであろうと4~7日間で世界中に拡大し、ひ
と月以内に全世界で多数の患者や死者が発生する事態が予測されている。
1993年の第7回ヨーロッパインフルエンザ会議でインフルエンザ流行時には国民の25%が感染する
として行動計画を策定するようにとの勧告に基づき、人口の25%が罹患すると想定している。
過去に起こったインフルエンザ大流行のデータを基に、新型インフルエンザの病原性の強さによって、
アジアかぜを中程度(致死率 0.53%)、スペインかぜを重度(致死率 2%)として推計した。
3
国及び県の行動計画では、全人口の25%が罹患し、流行が8週間続くという仮定の下で推計した。
全国
人口
患者数
死亡者数
千葉県
南房総市
12,800 万人
600 万人
3,200 万人
中程度 17 万人
重度 64 万人
150 万人
中程度 8,000 人
重度 30,000 人
44,614 人
(平成20年4月1日)
11,153 人
中程度 59 人
重度 223 人
これらの推計は、新型インフルエンザワクチンや抗インフルエンザウイルス薬の介入の影響は考慮していない。
(4)発生段階別と南房総市の組織体制
新型インフルエンザの対策は、発生状況に応じてとるべき体制が異なるため、あらかじめ状況を想定し、
各状況に応じて迅速かつ的確な対応が取れるよう、平時より対応方針を定めておく必要がある。
○危機の種類及び健康危機管理基本指針が対象とする危機
危機
自然災害及び事故災害
【南房総市地域防災計画】
武力攻撃事態及び大規模テロなどの
緊急対処事態
【南房総市国民保護計画】
健康危機、環境危機、重大
事件及びその他の危機
健康危機管理
【南房総市健康危機管理基本指針】
感染症対策
食中毒対策
医薬品対策
新型インフルエンザ対策
○発生段階別と南房総市の組織体制
発生段階
前段階
未発生期
第一段階
第二段階
海外発生期
国内発生早期
第三段階
感染拡大期
まん延期
第四段階
有害物質対策
その他の感染症対策
状 態
新型インフルエンザは発生していない状態
海外で新型インフルエンザが発生した状態
国内で新型インフルエンザが発生した状態
発生患者の接触歴が疫学調査で追えなくなった状
態
入院措置などによる感染拡大防止効果が十分に得
られなくなった状態
回復期
ピークを越えたと判断できる状態
小康期
患者の発生が減少し低い水準で停滞
再燃期
4
市の体制
南房総市健康危機管理
連絡会議
南房総市
健康危機管理
対策本部
新型インフルエンザが発生すると、1回の感染流行の波は約2ヶ月続くとされており、その波が1年以上
繰り返すことも考えられている。
流行期は、職員自身や家族の発症のため、出勤可能な職員が減少する中で、市民の安全・安心を維持
していかなくてはならないことが予想される。
市は、新型インフルエンザの発生、流行に伴い各発生段階に対応した以下の組織を中心に体制を整え
る。
☆南房総市健康危機管理連絡会議
市が一体となった取り組みを推進するため、保健福祉部長を会長とする「健康危機管理連絡会議」を設
置する。
☆南房総市健康危機管理対策本部
国内で新型インフルエンザが発生した時には、速やかに市長を本部長とする「健康危機管理対策本
部」を設置し、全庁的な新型インフルエンザ発生に備えた対応を開始する。
体 制
健康危機管理
連絡会議
健康危機管理
対策本部
構成員
○会長:保健福祉部長
○構成員:関係各課長
○本部長:市長
○構成員:各部局長
設置基準
必要に応じて
国内で発生時(周辺諸
国で発生した場合も設
置を検討)
主な業務
新型インフルエンザに係る
○市民へ啓発
○予防措置
○患者対策
○まん延防止対策
○市民生活への影響への対応
(5)非常事態宣言
市長は、南房総市内での新型インフルエンザ患者の発生状況と流行予測から、緊急の必要があるとき
は、「新型インフルエンザ非常事態宣言」を発し、市民の全面的な協力と理解を求める。
(6)流行の終息
患者発生状況の把握に努め、流行の終息状況を見極めて、感染拡大~まん延期~回復期と段階的縮
小を図り、市民生活の正常化を促進する。
対策本部により、健康被害を始め市民生活の被害状況の概況を取りまとめ、各対策の評価を行う。評
価結果に基づき、行動計画の見直しを行い、速やかに改定計画を立案し、第二波の流行に備えた対策を
実施する。
5
4.感染症予防
(1)感染症とは
病原体(細菌、ウィルス、寄生虫などの微生物)が宿主の体内に侵入し、そこで定着・発育または増殖し、
何らかの影響を及ぼす事を「感染」といい、「感染」によって引き起こされる疾病を「感染症」という。
・「ウイルス」と「細菌」の違い
ウイルスのことを「細菌」と同様に捉えがちであるが、ウイルスは「ウイルス」であって「細菌」ではない。その
違いは、細菌には抗生物質が効くのに対し、ウイルスには効かないということである。
ウイルスには、自分の体内に栄養を取り込んで成長・増殖するという機能がない。
細菌は、感染した生物から栄養をもらって自分の力で増殖する。栄養があって一定の条件がそろえば増殖
できるので、生物以外のものにも取り付いて腐らせることができる。
ウイルスは、生きている細胞にしか取り付くことができない。ウイルスは自力で増えることができないので、感
染した細胞の力を利用し増殖していく。
(2)感染予防の基本的な考え方
感染予防とは、「感染症の発生を事前に防止すること」および「発生した感染症をさらに広げないように
管理すること」を意味する。個人の対策としては、感染経路を理解し適切な感染防御策をとることである。
○感染の成立
感染源(微生物)
感染経路
感染宿主(人)
適した進入経路
病原体の存在・毒力・量
感染予防のために、感染経路(ルート)を遮断することが重要
(3)咳エチケット
・咳・くしゃみの際は、ティッシュなど口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。
・鼻汁・痰などを含んだティッシュを、すぐふた付きのごみ箱へ捨てられる環境を整える。
・咳をしている人にマスクの着用を促す。
マスクをしているからといって、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではありません。マスクの着
用は、説明書をよく読んで、正しく着用する。
・新型インフルエンザに対する対策は、通常のインフルエンザ対策の延長線上にある。
・咳をする時に、手を口で覆ってその手でつり革などを持つことで、他の人への感染につながる。咳の時は、
手で受けずにハンカチなどで覆う。ハンカチがすぐ出せない状況であれば、袖で咳を受ける。
・1回の咳で、約10万個のウイルスが約2m飛ぶ。
・1回のくしゃみで、ウイルスが3m飛ぶ速度は、時速は約300km。
(4)消毒方法
○器具・器材
・80℃、10分間の熱水消毒
・500ppm~5,000ppmの(0.05~5W/V%)の次亜塩素酸ナトリウムに30分間浸漬又は清拭
・消毒用アルコール又は70%イソプロパノールで清拭
○環境・・・・・・感染者が触れた場所・リネン等
・スチームクリーナーや水拭きによる床の清掃
・500ppm~5,000ppmの(0.05~5W/V%)の次亜塩素酸ナトリウムに30分間浸漬又は清拭
・消毒用アルコール又は70%イソプロパノールで清拭、
・リネン・寝間着は洗剤で洗濯後、乾燥機で乾燥
○手指消毒
・十分な手洗い、速乾性すり込み式消毒用アルコール製剤
6
5.防護服着脱手順
(1)防護服着衣手順
【感染防護服セット】
○ゴーグル
○N95マスク
○ゴム手袋(インナー手袋1枚+アウター手袋1枚)
○防護服
<着衣手順>
・防護服を着る準備
長袖・長ズボン着用(できれば作業終了後、廃棄できる着衣が望ましい。)時計、
指輪、ピアス等はあらかじめ外しておく。髪の毛が長い場合は、ヘアキャップをか
ぶる。
①ズボンの裾は、靴下で覆う。
②防護服を広げ、足のほうから着ていく。
7
③両袖を通して、襟元まで防護服のファスナーをしめる。ファスナー
は、上端まで上げずに首の下でいったん止めておく。
④ファスナー部分の密閉性を高めるため、両面テープ
をはがし、しわがよらないようファスナーを覆うように
貼っていく。口元部分のカバーは、マスク・ゴーグル
を装着後貼り付ける。
⑤くつの上から足袋をはく。
⑥マスク前面に手をあて、上側の
ゴムひもを頭頂部から後頭部
へ回し、下側のゴムひもは後頚
部へかける。
⑦マスク上部のワイヤーを、鼻のラインに合わせ調整し隙間をなくす。
す。
8
⑧フィットテスト:両手でマスク全体を覆い息を強く出し、顔との接触
部分から空気がもれていないか確認する。
⑨ゴーグルの前面を持ち顔にあてながら、もう一方の手でゴムひも
を後頭部へ引き上げて装着する。
⑩ゴーグル左右のゴムを調整し密着させる。髪の毛がゴーグルの
中に入っていないか補助者に確認してもらう。鼻のところで隙間
ができやすいので注意する。
⑪頭部フードをかける時、髪の毛が出ないように注意する。ゴーグルとマスクがずれないように注意し
ながら、皮膚が出ないようにフードを深くかぶる。
⑫防護服内側の固定用両面テープをはがしゴーグル上部に貼りつ
ける。あごの下までファスナーを上げる。あごの部分のファスナ
ーカバーらの両面テープをはがし、しわがよらないように注意し
ながら貼り付ける。
9
⑬防護服の袖を上に引き上げ、イ
ンナー手袋は、作業着の袖口を
手袋で覆うように装着する。
⑭防護服の袖口を下へ引く。
⑮アウター手袋を防護服の袖の上にかける。
⑯着衣の確認をする。
10
⑰誰かわかるように背中にマジックで名前を書く。
《完成図》
着衣後作業者同士や補助者もしくは、鏡で着衣の状態を確認する。
チェック項目
1ゴーグル・マスクを覆うようにフードをかけているか。
2防護服から髪の毛がでていないか。
3ファイスナーカバーはしわなく貼れているか。
4マスクを両手で押さえ、息を吐き顔との接触部分から息が漏れないか。
5アウター手袋(外側の手袋)の中に、防護服が入っているか。
6足袋で靴を覆っているか。(長靴の場合は長靴を防護服で覆っているか)
7屈伸を行っても防護服に乱れが生じないか。
11
(2)防護服脱衣手順
【準備する物】
○消毒液入りスプレー2本(外用・内用)
○感染性廃棄物用袋
○再利用袋
○靴
・防護服の脱衣時に、作業者が感染する場合があるので、細心の注意を払うこと。
・脱衣は2人一組で互いに補助しながら、若しくは補助者をつけて行うことが望ましい。
・使用した防護服の外面には、ウイルス付着の危険性があるので直接触れないこと。
・すべて中表(外側が内側)になるように巻きこみながら脱衣を行う・
・脱衣途中、不潔になった場合は、その都度アルコール消毒する。
・激しく汚染を受けた場合は、(鳥インフルエンザ発生時に鶏舎へ入った場合等)は、脱衣前に作業現場で、
防護服の上から消毒薬を噴霧し、長靴は消毒薬の入ったバットの中で消毒を行うとともにブラシを用いて
汚れを落とすこと。
①アウター手袋、防護服の表面、長靴の表面及び底部に消毒液を万遍なく噴霧する。
②片方の手袋を裏返しながら、手のひらまで外す。外した手袋の指先を使い、もう片方の手袋を裏返しな
がら外す。最後に両方の手袋を音を立てないように静かに外し、感染性廃棄物用袋に捨てる。
③インナー手袋へ消毒薬を噴霧する。
④防護服を脱ぐファスナーカバー
の両面テープをはがし、ファス
ナーを下まで開く。
12
12
⑤フードのこめかみ部分を両手でつまみ、広げるようにして頭から外
す。
⑥インナー手袋を消毒液で消毒する。これ以後、防護服の外側には
触れないように注意する。触れてしまった場合は、再度消毒する。
⑦両手で防護服の腹部内側の部
分をつまみ、裏返すように両肩を
ぬく。防護服を裏返しながらその
まま裏返るように脚まで脱ぎ、最
後に長靴と一緒に外し用意した
靴に履き替える。
⑧防護服は、感染性廃棄物袋に捨
てる。長靴は、再利用袋に入れ
る。
⑨インナー手袋を消毒液で消毒する。
13
⑩ゴーグルの耳のゴムの後ろ部分を両手でつまみ引き上げて外す。
この時ゴーグルの枠の部分には触れないように注意する。もし、
触れてしまった場合は、手袋を再度消毒する。
⑪外したゴーグルは、感染性廃棄物袋に入れる。(再利用する場合
は再利用袋へ入れる。)
⑫マスクの耳のゴムを後ろ部分を両手でつまみ引き上げてはずす。
外したマスクは感染性廃棄物袋に入れる。
⑬インナー手袋を外す。片方の手袋を裏返しながら手のひらの部分まで外す。外した手袋の指先を使い、
もう片方の手袋を外す。静かに外し、感染性廃棄物用袋へ捨てる。ビニール袋は、口を結んで廃棄する。
⑭消毒液で手指を消毒する。その後、洗浄施設がある場合は、石鹸で洗浄後に再度消毒する。
⑮感染性廃棄物袋と再利用袋の口は、防護服を着た補助者が袋の口を閉じる。
14
6.火葬場の検討
新型インフルエンザ感染拡大期には、全国的に火葬場の火葬能力を超える死亡者が一時的に出ると考
えられる。市では、死亡者が多数となった場合においても、速やかに火葬を行うことのできる体制を整備し
ておくことが必要である。
(1)火葬場の数
安房郡市広域市町村圏事務組合が設置する火葬場は、館山火葬場・千倉火葬場・長狭地区火葬場の
3ヶ所がある。
(2)火葬炉の基数と稼動数
火葬炉は、3ヶ所合計で7基ある。
可能火葬体数は、平常時では1日あたり21体、最大稼動では28体の火葬が可能である。
炉数(基)
平常時稼動数(体)
最大稼動数(体)
館山火葬場
3
9
12
千倉火葬場
2
6
8
長狭地区火葬場
2
6
8
計
7
21
28
(3)火葬場の平常時稼働時間
午前9時から午後4時30分
(4)火葬場年間稼働日数
平成20年1月~12月の年間稼動日数は、306日であった。(火葬場の休業日は、元日と友引)
月平均稼動日数は、25日である。
(5)平常時の死亡者数・火葬体数
平成20年1月~12月の総火葬体数は706人、月平均火葬体数は58.8人である。
かぜ・インフルエンザ等の感染症が流行する冬季は増加する傾向があり、南房総市では、12月~3月ま
での火葬体数が全死亡者数の41.6%を占めている。
各火葬場の月別使用実績と南房総市の状況
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
計
館山火葬場
114
98
101
81
63
65
78
85
79
83
83
105
1,035
千倉火葬場
57
56
51
43
45
39
52
40
40
38
37
41
539
長狭地区火葬場
61
58
45
31
45
41
31
39
46
36
59
46
538
計
232
212
197
155
153
145
161
164
165
157
179
192
2,112
(うち南房総市民の
火葬体数)
(78)
(77)
(73)
(47)
(55)
(52)
(53)
(45)
(58)
(56)
(46)
(66)
706
(33.6)
(36.3)
(37.1)
(30.3)
(35.9)
(35.9)
(32.9)
(27.4)
(35.2)
(35.7)
(25.7)
(34.4)
33.4
(南房総市民の割合)
平成 20 年南 房総 市月 別火 葬体数
体数
90
80
78
77
73
66
70
55
60
47
50
52
58
53
56
46
45
40
30
20
10
0
月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
15
7月
8月
9月
10月
11月
12月
(6)感染性の死体の火葬
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」
第三十条 3項 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚
染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。
(7)千葉県広域火葬計画
災害等発生時における広域火葬を円滑に実施するため、県、市町村及び火葬場設置者が行うべき基本的事
項を定めたものであり、平成20年4月に改正があり、新型インフルエンザ大流行時の対応についても本計画
により広域火葬が実施できるようになった。
(8)新型インフルエンザによる死亡者数の想定
南房総市の新型インフルエンザによる死亡者数の想定人数
南房総市
44,614
人
中等度
59
人
重度
223
人
人口 (H20.4.1 現在)
死亡者数
国及び県の行動計画では、全人口の25%が新型インフルエンザに罹患し、その流行が8週間続くという仮
定での推計は、下記のとおりである。(これらの推計は、新型インフルエンザワクチンや抗インフルエンザウイ
ルス薬の介入の影響は考慮していない。)
新型インフルエンザの病原体の強さによって、アジアかぜを中等度(致死率0.53%)、スペインかぜを重度
(致死率2%)として推計した。
新型インフルエンザ発生時の死亡者の想定数は、重度で想定した8週間で223人の死亡者と2ヶ月間の平
均死亡者数119人の合計は342人である。
重度で想定した8週間の死亡者数 + 2ヶ月間の平均死亡者数 = 想定人数
223人
+
119人
= 342人
火葬場稼動状況から処理可能数は下記のとおりである。
○平常時稼動数21体×8週間(56日間)=1,176人→うち33.4%が南房総市分として392.8人
●最大稼動数28体×8週間(56日間)=1,568人→うち33.4%が南房総市分として523.7人
全体的には、現況の稼動状況で対応可能であると思われるが、あくまで想定数は、平均で捉えたものであり、
新型インフルエンザの発生段階によって、初期からまん延期、感染拡大期では死亡の状況には変動がある。
発生段階によって急激に死亡者数が増加した場合は、想定を超える稼動量になる可能性もある。現況の許容
範囲を超える状況では、炉の稼動時間の延長や広域火葬体制など千葉県広域火葬計画により対応するもの
とする。
16
7.リスクコミュニケーションの構築
新型インフルエンザ対策は、市全体で取り組む総力戦であることから、地域を取り巻く様々な人々や関
係機関の連携の構築が不可欠である。
地域住民との信頼関係を築き上げるため、きちんと体制を整備し、地域をどのようにしていきたいか、
色々なアイデアを出して取り組むようにする。
(1)リスクコミュニケーションとは
リスク分析の全過程において、リスク評価者、リスク管理者、消費者、事業者、研究者、その他の関係者
間で、情報および意見を相互に交換すること。
リスク分析の3要素
リスク評価
リスク管理
リスクコミュニケーション
(2)リスクコミュニケーション実施の手順 (8項目)
① 事実・現状の把握
新型インフルエンザに関する情報を収集する。
発生している事実を把握する。
地域住民の懸念事項は何か、懸念レベルはどのくらいか把握する。
②意見交換
行政連絡員、民生委員、学識経験者等と意見交換をして、(1)で把握した事実や懸念事項につい
て、客観的に見直す。
③ 目的・目標の設定
リスクコミュニケーションの目的・目標を明確にして、内部の関係者で理解して共有しておく。
④ リスクコミュニケーションの相手の選定
影響を与えると思われるメッセージを伝えるべき相手や地域の範囲を慎重に決める。
⑤ メッセージの作成とテスト
伝えたい内容について、分かりやすいメッセージを作成する。
⑥ 方法の確認と会合の検討
メッセージを伝える方法を確認する。
会合を持つ時は、参加者が日程、場所、時間を参加しやすいように設定する。
⑦ リスクコミュニケーションの実施
円滑に会合を進めるためには、例えば、相手を対等なパートナーと認識する。冷静に対応する。ポ
イントとなるメッセージは繰り返す。
⑧ リスクコミュニケーションの評価
情報提供の後、住民に話しを聞いたり、参加者へアンケートを行い評価し、リスクコミュニケーション
全体を見直す。
住民の意見がどのように活かされたか、住民にフィードバックする。
(3)市町村の役割
発生状況、対策、交通機関の運行状況等の情報提供、生活相談を含む相談の窓口の設置。
17
本部長
議会班
議会事務局
税務・会計班
税務課
収納課
会計課
監査委員事務局
総務課
財政課
企画政策課
秘書課
秘書班
情報推進課
情報班
企画部長
総務部長・会計管理者、議会事務局長・各支所長
市民課
保険年金
課
戸籍班
環境保全課
環境班
生活環境部長
環境・防災部
消防防災課
防災班
本部事務局
健康増進課
健康危機管理班
高齢者福祉課
子育て支援課
社会福祉課
福祉班
保健福祉部長・富山国保病院長
健康危機管理部
富山国保病院
病院班
産業対策部
農山漁村整備推進課
農業委員会事務局
農林水産課
産業対策班
観光プロモーション課
商工観光課
商工観光対策班
管理課
国土調査課
建設課
施設対策班
農林水産部長・商工観光部長・建設部長
企画部長、総務部長、保健福祉部長、生活環境部長、農林水産部長、商工観光部長、建設部長、水道部長、会計管理者、教育次長、議会事務局長、富山l国保病院長
副市長、教育長
市長
秘書・情報部
各支所
本部員
副本部長
南房総市健康危機管理対策本部
南房総市健康危機管理対策本部の体制
8.南房総市健康危機管理対策本部の体制
総務部
行財政班
18
水道部管理課
業務課
水道班
水道部長
水道部
学校教育課
生涯学習課
教育総務課
教育班
教育次長
教育部
9.発生段階別の実施事務
発生段階
部局
班
主な対応事項
前段階
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階
(未発生期)
(海外発生期)
(国内発生早期)
(感染拡大期・まん延期・回復期)
(小康期)
状 態
○新型インフルエンザは発生していない状態
目 標
・新型インフルエンザ発生情報の収集と発生時への備え
○海外で新型インフルエンザが発生した状態
○国内で新型インフルエンザが発生した状態
○感染拡大期:発生患者の接触歴が疫学調査で追えなくなった状態
○まん延期:入院措置などによる感染拡大防止効果が十分に得られなく
○患者の発生が減少し低い水準で停滞
なった状態
○回復期:ピークを越えたと判断できる状態
・国内発生に備えた初動体制及び全庁的体制の構築
・市内で発生した際の抑え込み徹底
・健康被害を最小限に抑える
・社会機能の段階的回復
・感染拡大に備え、県・医療機関との協力体制の整備・確保
・市民への適切な情報提供による混乱の防止
・新型インフルエンザの大流行による社会機能の破たんの回避
・流行が再燃した場合の対策強化
・規模に応じた新たな医療体制の確保
健康危機管理
対策本部
① 健康危機管理総括に関すること
・市長へ新型インフルエンザ対策実施計画の説明
② 健康危機管理対策本部の事務に関すること
③ 健康危機管理連絡会議に関すること
・健康危機管理連絡会議の招集
・健康危機管理対策本部設置の検討
・健康危機管理対策本部設置
・終息宣言と第二波流行対策準備要請
・「市長非常事態宣言」の検討・発令
・行動計画の見直し
④ 国、県、その他の関係機関との協議、交渉、要請などの総括に関すること
⑤ 各部の情報の集約に関すること
⑥ 関係機関と連携体制の確立に関すること
⑦ 情報連絡体制の確保に関すること
・職員への啓発
・情報の収集と周知
・職員の予防、防護対策の検討・準備
・職員への予防・防護対策の啓発(食糧備蓄・家族予防対策を
含む)
・職員防護対策の実施
・プレパンデミックワクチン接種対象者名簿の作成
・インフルエンザ様職員の把握
・集客事業の中止・閉鎖
・プレパンデミックワクチン接種対象者への接種
・新型インフルエンザ対策本部との連絡調整
・職員用防護資器材の準備
・来訪者に対する情報提供・啓発・感染予防の協力依頼
・職員の予防・防護対策の実施
・体制・連絡網の策定・周知
共 通 事 項
行財政班
総務部
自衛隊及び千葉県警察本部との連絡調整に関すること
職員配置及び人事管理
職員の感染予防・服務・罹患状況に関すること
市役所庁舎における感染及び感染拡大の防止に関すること
健康危機管理に関する財政措置に関すること
義援金に関すること
車両など輸送機関の調達に関すること
・全庁的職員配置計画(応援・支援体制)の準備
・庁舎内衛生管理体制の検討・準備
・職員交代制による必要な体制確保
・来訪者面接予防策の徹底
・職員への従来型インフルエンザ予防接種の勧奨
・関係部局との連絡・連携・情報交換
・ポスター、リーフレット掲示・配布
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
・「第1段階」の強化
・要支援業務・人員の把握
・職員の再配置の実施
・体制の縮小
・発熱外来へ職員派遣
・庁内放送・庁内掲示による情報提供・予防啓発の実施
税務・会計班
① 税務・収納窓口の閉鎖に関すること
・税務・収納窓口の閉鎖
① 市議会との連絡調整に関すること
・議員への連絡・報告体制の確保・確認
議会班
② 関係機関との連絡調整に関すること
・議会活動の確保対策の検討・準備
・議員への情報提供・啓発
各支所
① 行政連絡員と協力した要援護者に対する支援に関すること
② 地域情報の提供・収集に関すること
・議員への予防・防護対策の啓発(食糧備蓄・家族予防対策を ・新型インフルエンザ対策本部設置の事前連絡・状況説
含む)
明
・議員防護対策の実施
・状況報告の適時実施
・要援護者の支援
・市長及び副市長の予防・防護対策の検討、実施
秘書班
① 報道機関の対応に関すること
② 外国人への対応に関すること
③ 安房郡市広域市町村圏事務組合との連絡調整に関すること
秘書・情報部
情報班
戸籍班
環境班
① 情報系システム運用及び管理に関すること
② 市民への情報提供及び広報活動(広報無線)に関すること
③ 市ホームページに関すること
・窓口の調整
① ごみの収集及び排出抑制に関すること
② し尿の処理に関すること
・廃棄物収集・体制の確保 ・職員感染防止策の検討・実施
・廃棄物の減量化、適正排出に関する市民啓発
・ごみの減量と排出抑制について協力を要請
① 安房郡市消防本部との情報連絡に関すること
② 備蓄物資の搬送及び配分に関すること
③ 災害時要援護者登録制度に関すること
・災害時優先電話回線の使用確認
・防災備蓄物資の安定供給対策検討
① 健康危機に関する情報の周知・啓発に関すること
② 応急患者収容施設の確保に関すること
③ 健康相談・保健指導の実施に関すること
健康危機
管理部
・不要不急の外出自粛の広報
① 戸籍などの届出窓口の調整に関すること
環境・防災部
防災班
・広報「みなみぼうそう」による市民啓発の実施・検討
・要支援者リストの作成
・新型インフルエンザについての情報を広報、市ホームペー
ジへ掲載
・防護資器材の準備・確保
・市民へ家庭内備蓄物資の啓発
・健康相談の強化
・自宅療養の方法について啓発
・相談者のトリアージと医療機関振り分け
・こころのケアについて
・重症患者の受け入れ医療機関等の把握
④ 患者搬送に関すること
健康危機管理班 ⑤ 患者発生時の医療機関・自宅等の対策
・備蓄物資の搬送・配分
・発生時の医療機関・自宅待機について住民へ周知
・各種訓練の実施
・発生状況動向の把握
・プレパンデミックワクチンの接種協力
・発熱外来設置の準備
⑥ 市民からの要望の受付に関すること
⑦ 積極的疫学調査に関すること
19
・パンデミックワクチン接種の推進
・発熱外来への設置・運営への協力
・相談体制の課題について検討
9.発生段階別の実施事務
発生段階
部局
主な対応事項
班
福祉班
健康危機
管理部
病院班
①
②
③
④
⑤
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階
(海外発生期)
(国内発生早期)
(感染拡大期・まん延期・回復期)
(小康期)
・通所施設の休止・閉鎖
・救援物資の受け入れ
社会福祉施設等への感染防止に関する啓発及び連絡調整
救援物資の受入れ及び配分に関すること
要援護者の支援に関すること
介護保険事業所への感染防止に関する啓発及び連絡に関すること
保育所・学童保育への感染防止に関する啓発及び連絡調整に関すること
・保育所・学童保育の休止検討
① 外来医療・入院医療などの医療体制の確保に関すること
② 薬剤の備蓄に関すること
・発熱外来設置に関する検討
・抗インフルエンザ薬の備蓄
① 農水産業に関すること
・飼育動物・野鳥等の不審死情報の把握
産業対策班
・発熱外来の準備
・通所施設の休止・閉鎖
・保育所・学童保育の休止・閉鎖
・発熱外来への設置への協力
・臨時患者入院施設の検討
・発熱外来運営協力
・大量の不審死、高病原性鳥インフルエンザが疑われる野
鳥の検査等への協力及び処分等に関すること
① 商工・観光に関する連絡調整に関すること
② 宿泊施設・集客施設における感染及び感染拡大防止に関すること
産業対策部
前段階
(未発生期)
・事業者団体へ適正備蓄と特定者による買占めの予防啓発
・旅行者への情報提供の検討・実施
・インフルエンザ様患者発生時の相談方法の指導
商工観光対策班
・宿泊客など来訪者に感染の症状が認められる場合の宿
・旅行事業者・宿泊施設への情報提供・感染予防対策の指導 ・集客事業の中止・閉鎖の準備~実施
泊施設、集客施設における対処方法の周知徹底
① 公共施設の状況に関すること
施設対策班
水道部
水道班
① 水質の保全に関すること
・三芳水道企業団等水道水供給団体との連絡連携
② 給水に関すること
・関係団体・事業者に対する情報提供
・浄水場の衛生管理、配水供給体制の確保
・資源の使用を抑制するよう協力要請
・各施設の体制整備状況の確認
・各施設での発生状況の把握
①
教育部
幼稚園・小学校及び中学校の園児・児童・生徒及び保護者に対する啓発等に関
すること
・調理等委託事業者への情報提供
・感染防止器材等の確保の検討
・臨時休業中の学習指導体制の検討
教育班
・浄水場内(敷地内)への立ち入り制限
・患者発生状況・休校等の対策実施状況の広報
・水質対策の強化(残留塩素濃度の強化)と監視強化
・患者発生施設への対応指示
・感染が疑われる園児・児童・生徒の対処方法の徹底に関
すること
② 発生時における幼稚園・小中学校の管理に関すること
③ 社会教育施設(公民館等)における感染予防に関すること
・関連施設への予防体制の準備
20
・幼稚園・小学校及び中学校の臨時休校の決定・周知
・不要不急事業の中止、一時休業等の実行・徹底
・回復期になれば、都道府県は、概ね7日ごとに厚生労働省と協議して、
臨時休校の解除時期を検討。
10.新型インフルエンザ関連情報
【海外】 (英文)
◆【世界保健機構(WHO)】
http://www.who.int/csr/don/en/
◆【アメリカ疾病管理センター(CDC)】
http://www.cdc.gov/
【国】
◆【厚生労働省ホームページ 新型インフルエンザ関連情報】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
◆【国立感染症研究所感染症情報センター】
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
◆【独立行政法人 動物衛生研究所】
http://niah.affrc.go.jp/index-j.html
【千葉県】
◆【千葉県安房健康福祉センター】
http://www.pref.chiba.lg.jp/hokenjo/awa/index.htm
◆【千葉県感染症情報センター】
http://www.phlchiba-ekigaku.org/index.htm
【市】
◆【南房総市ホームページ】
http://www.city.minamiboso.chiba.jp
21
11.用語解説
○インフルエンザ
インフルエンザは、かぜとは異なり、全身症状を伴う重篤な感染症で、インフルエンザウイルスによる感染が原因となって
いる。ウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に大きく分類され、A型は更にウイルスの表面にある赤血球凝集素
(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という、2つの糖蛋白の抗原性の違いにより亜型に分類される。(いわゆるA/ソ連型、A/
香港型というのは、この亜型のことをいう。)
○感染症指定医療機関
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定された新感染症、一類感染症、二類感染症に罹患
した患者の入院医療を行う医療機関のこと。
○高病原性鳥インフルエンザ
「鳥インフルエンザ」とは、ヒトのインフルエンザウイルスとは別のインフルエンザウイルスによる感染症のことをいい、この
うち感染した鳥が死亡したり、全身症状を発症したりする。特に強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」という
通常、鳥インフルエンザはヒトからヒトへ感染しないが、ヒトからヒトへ感染するウイルスに変異し新型インフルエンザウイル
スとなる。
○再興型インフルエンザ
過去に流行したが、現在流行していないインフルエンザのこと。
○サーベイランス
見張り、監視制度という意味。
特に感染症に関しては「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、定期的な感染症の発生
状況(患者及び病原体)やその状況からの動向予測(感染症サーベイランス)が行われている。
○新型インフルエンザ
今まで人類が経験したことのない新しいタイプのインフルエンザウイルスが発生し、ヒトからヒトへ感染する能力を持った
もの。
○積極的疫学調査
感染症の発生に際し、原因究明とともに感染源を把握し、感染の拡大防止を図るために行う行動調査、喫食調査、健康
調査などのこと。
○トリアージ
災害発生時などに多数の傷病者が発生した場合に、適切な搬送、治療等を行うために、傷病の緊急度や程度に応じて
優先度をつけること。
○発熱外来
医療資源の有効活用及び外来診療時の院内感染を予防するために、発熱患者を新型インフルエンザ(疑いを含む)か
否か振り分け、外来診療を実施する。
○パンデミック
新型インフルエンザなどの感染症がヒトの集団に広範かつ急速に広がり、世界的大流行を呈する状況。
○BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)
企業が自然災害、大災害、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、
中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のため
の方法、手段などを取り決めておく計画のこと。
○標準予防策
全ての血液、体液、分泌液、排泄物、粘膜、創傷皮膚は感染の可能性があるものとして考え、手洗いや個人的防護具
(手袋、マスク、ゴーグル、フェースシールド、ガウン)を使用することによる適切な感染予防策のこと。
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