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第5号(2013.8.23)[PDFファイル/282KB]

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第5号(2013.8.23)[PDFファイル/282KB]
第5号
登録
ボランティア通信
2013.8.23
目次
飼育体験教室
1
平成 25 年7⽉ 25 日、30 日、8月1日、6 日の 4 回にわたり、セ
飼育体験教室
2-3 イギリスからのメッセージ
3-4 預かり犬テンテンの思い出
5
土屋だより
5
譲渡費⽤無料化
5
編集後記
ンターで飼育体験教室を開催しました。対象は、小学校5、6 年⽣
の子供たち 37 人です。主なメニューは、マイクロチップリーダー
の操作体験、オリジナル迷子札の工作、子犬のシャンプー、犬のし
つけと散歩、餌の調整と給餌、寄⽣⾍卵の検査など盛りだくさんの
内容です。子供たちが興味を持って、動物と触れ合う生きた体験が
できるよう、毎年⼯夫を凝らしています。⼦供たちに意外と⼈気が
あるのが、しつけ体験とその後の散歩です。ボランティアの皆様に
とっては犬の散歩はかなりの負担だと思いますが、犬を飼っていな
い、あるいは小型室内犬しか知らない子供にとっては、大きな犬と
歩くのは新鮮な体験になるようです。訓練犬は子供を引っ張ること
がないようしつけてあり、センター敷地内の山道も絶好の散歩コー
スなので、好都合です。ただし、今年はスズメバチが多いので、業
者さんに駆除してもらったり、職員が殺虫剤を用意して先頭を歩く
など、気を使うこともありました。
獣医さん体験では、糞便中の寄⽣⾍検査をやってもらいますが、⽩
衣のイメージに反して、臭くて汚い仕事なので、現実を知ってもら
うのにはよい経験です。動物を飼うことは、きれいごとばかりでは
ありません。最後に、地下に収容されている⽝たちを⾒ると、子供
たちが⾔葉少なになり、何かを感じ、考えているのがわかります。
今年はなぜか⼥の⼦の参加が多く、男の⼦はたった 3 人だけで、肩
身の狭い思いをしたかもしれません。目を輝かせながら将来は動物
に関係した職業につきたいという夢を話す子供もいて、この子たち
の中に、将来の神奈川県の動物愛護を背負って⽴つ⼈材がいるかも
しれないと思うと楽しみです。20 年後には、ボランティアの皆さん
の⽴派な後継者になっているかもしれませんね。
ページ
2
イギリスからのメッセージ
登録ボランティア
通信
通訳/翻訳家 ノーマンテイラー邦子
初めまして。ぼーっと過ごしている間にイギリスでの暮らしが人生の半
分になっておりますノーマンテイラー邦子と申します。今回よりイギリ
スの動物福祉の状況や取り組みを日本のボランティアの皆様にお届けさ
せていただきたいと思っております。ひょっとして皆様のご活動のヒン
トになったり元気の素になったりするかもしれない。あるいは日本の現
状に疎い浦島太郎のような私に⽇本の進んでいる部分を教えていただ
けるかもしれないといろいろ楽しみにしております。まずは「どうせ私がやっても何も変わるわけはない
病」に取り付かれた時に眺める動物救済活動家であるスーザン・ドナルドソンのメッセージを皆様とシェ
アさせてください。
動物への残虐行為や苦しみに対して、自分にはどうしようもないと無力を感じている人、ど
うぞあきらめないでください。今まで思いつかなかったことやまさか自分がこんなことがで
きるなんてという方法がたくさんありますから。
環境や性格などに関係なく誰でもできます。もし外に出て活動するのが得意でなければ、コ
ンピューター一台あればできることもたくさんあるのです。
一人ひとりの小さな努力が大きな成果につながります。こうなって欲しいと思う世界に変化
させるのはあなたなのです。
世界中のおびただしい動物虐待を嘆くのは簡単です。そんな中で自分にできることなどたか
がしれているとあきらめないでください。誰も何もしなければ、何ひとつ変わることはない
のです。ひとりひとりができることをちょっとずつすれば、大きな成果をあげることができ
ます。
奴隷制度廃止という考えがばかばかしい、非現実的であると考えられる時代がありました。
人間の利益のために動物を虐待し苦しめることが、奴隷制度が完全に間違っていたと認識さ
れたように、いつの日か動物が今味わっている苦しみも同じように認識されます。
怒るだけで終わらせないでください。行動に移してください。止めさせたいという悲願のエ
ネルギーを行動に変えてください。怒ったり悲しんだり動揺したりするだけでは 何一つ変
えることはできません。行動のみが変化を起こすことができるのです。内向的であろうと、
外交的であろうと、時間が取れない人であろうと、外に出かけて何かしようというエネルギ
ーがない人も、人や動物とうまくやっていけない人も、
あるいは他人の下では働きたくない人も屋外でも屋内
でも、やれることはたくさんあります。
大海の一滴だと、そしてそれが価値のないものだと決
して思わないでください。
動物たちはどんな小さな助けでも必死に必要として
いるのです。
神奈川県動物保護センター
(前ページからの続き)
ページ
3
今回は、ボランティアの皆さんに遥々イギリスから応援メッセージをいただきました。ノーマンテイ
ラー邦子さんは、外交、マスコミ関係の通訳を経て、1986 年より英国に在住されています。ロイヤル・バレエ団、アビーロ
ード・スタジオ、イメルダ・マルコス、竹下外相(当時)、アレクサンダー・マックイーン、ビビアン・ウエストウッドなど多
数の通訳・インタビューを務められています。なんと「007 シリーズ」の映画字幕翻訳もされていたそうです。イギリスの動
物愛護事情にも詳しく、ヨーロッパを中心とした欧米先進国の実情を広く紹介されています。詳しくは、ノーマンテイラー邦
子さんのウェブページ・ブログをごらんください。
http://norman-taylor.com/index.html
預り犬テンテンの思い出
(動物保護センター
久島)
http://catsanddogs75.blog136.fc2.com/
Perro Dogs Home 神奈川コパン
スタッフ 清松素子
2011 年の夏、当会の引き出し担当者から「センターに⼩さめの⽑⽟ちゃんがいるんだけど、どうかし
ら?」と電話がありました。『⽑⽟ちゃん』とはずい分可愛らしい表現ですが、実際には⿊い⽑に⼟と汚
物を練り込んで固めたような物体で、頭部らしきものが⾒え、脚が4本出ていることでかろうじて⽣き物
だと分かるような状態でした。私は毛玉ちゃんを預かることに決め、保護中の仮名を「テンテン」としま
した。
保護活動をしている人には誰でも、トリミングをして犬が劇的に変わる様
子に驚いた経験があると思います。「こんなにかわいいシーズーだったの
ね」とか、「意外に若そうだわ」とか、嬉しい驚きに⽬を⾒張ったことも
あるのではないかと思います。
しかしテンテンの場合、嬉しい驚きではありませんでした。腹部が膨
れ、胸は垂れ下がり、皮膚は斑に赤く、目は白濁し、爪は伸び放題、
⽿の中は腫れて化膿し、半分ほどしかない⻭は⻭⽯でおおわれて⼝か
らはみ出していました。正直に⾔えば、何とも不可思議で異様、⽝と
いうよりは巨⼤なネズミのように⾒えました。
不可思議な、というのは容姿だけの印象ではありませんでした。全くの無表情で、⽬は何も⾒ていないよ
うな様子、我が家で先住犬たちに囲まれても無反応、鼻先に出した私の手を嗅ぐことさえしませんでし
た。抱き上げようとすると四肢を突っ張らせ、「キュー」というような音を出しました。テンテンが我が
家での初日にしたことは、「息をすること」と「目を背けること」だけでした。
しかし翌日、テンテンは息をすることすら辛そうで、サークルの隅にうずくまったままピクリとも動かな
くなっており、私は焦ってすぐに病院に連れて⾏きました。診断結果は、肺⽔腫、膀胱炎などなどなど
で、どれもかなり重度とのこと。さらに重度の肥満。当会ではセンター引き出し後すぐに、不妊⼿術やワ
クチン接種など⼀通りの医療施術をするのですが、テンテンはどれもできる状態ではありませんでした。
家に連れて帰っても、私にできることは病院からもらった薬を投与することと、耳洗浄くらいしかありま
せんでした。人の手を怖がる子を抑えつけてケアすることは辛く、また苦しんでいるのを目の当たりにし
ながら役に⽴てないことが、とても悲しくやりきれない思いでした。
ページ
4
登録ボランティア
通信
⽪膚と⽿の痒みがひどく、いつも⻑い⽖で掻いていたので、冷たいタオルを当てたり、そっと撫でさすっ
たり、⾃⼰流のマッサージをしてみたりしました。私は何とかして「⼈の⼿は悪くないものだよ、あなた
が好きだよ、あなたは頑張って⽣きなくてはいけないよ」と伝えたいと思っていました。テンテンは⼀度
も吠えることも唸ることもなく、体を固くして時々キューっと鳴くだけで、すべてのことを受け入れてく
れていました。
そうしているうちに徐々に、テンテンは変わってきました。私が近づくと尻尾
を振ったり、家の中や先住犬のにおいをクンクンしたり、ご飯の用意をしてい
るとワフっと⼩さく吠えたりという、⽝らしい様⼦を⾒せるようになったので
す。また肺炎や膀胱炎、⽪膚炎などの症状もかなり改善され、体⼒もつき、時
折家の中を走り回ったりするようにもなりました。さらにしばらくすると、私
の後をついて回るようになり、抱き上げると安心して体を丸めて眠るようにも
なりました。我が家での生活ルールや室内トイレも覚え、家庭犬としてもどん
どん進化していきました。
治療と減量がほぼ完了した頃に、不妊⼿術を受けました。そしてワクチン接種後にはお散歩デビューも
果たしました。初めは外に連れ出すだけでガタガタ震えて私にしがみつき、地⾯に降ろすと腰が抜けて
⽴てませんでしたが、何とか励まし、抱っこして景⾊を眺めたり、テンテンのペースに合わせてゆっく
り歩いたりして外の世界に慣れさせました。デビューして1ヶ月ほどで、テンテンは先住犬と変わらな
いくらい楽しそうに歩けるようになりました。
センターから引き出してほんの3ヶ⽉程で、テンテンは精神⾯も健康⾯も外⾒も劇的に変わりました。
シュナウザーらしい白い眉毛の下にある丸くつぶらな瞳は、白濁してはいても、ぱっちり開かれて世界
をしっかり⾒つめていました。ちょこまかした動きは愛嬌たっぷりで、お茶⽬で能天気な性格は愛らし
く、素直で愛情深い、とても素敵な⼥の⼦になりました。
おそらく繁殖犬であったテンテンを、ひどい目に合わせたのは人間です。生ま
れてからずっと、愛情をかけられることも、適切な環境を与えられることもな
く、過酷な日々を送ってきたであろうテンテンが、短期間で人に心を開き、愛
情を覚え、ニコニコ笑って人について回っているのですから、私は感心せずに
はいられませんでした。小さく儚げで可愛らしいテンテンに備わった、強い生
命⼒と⼤きな⼼を⾒て、私はテンテンだけでなく、⽝という⽣き物の偉⼤さと
素晴らしさを改めて強く感じました。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私はテンテンの頑張りに感動し、「この世に生まれたからには、
ぼんやりしていてはいけない。生きていることに感謝しなくてはいけない」と思い知りました。テンテ
ンと過ごした4ヶ⽉間、私はかつてなく前向きで活⼒に溢れていたように思います。
テンテンと暮らした日々の思い出は、今でも私の中でキラキラと輝いています。
テンテンは今、⽬や⻭のこと、過去に体の⾄る所に不具合があったことなどすべてを受け⼊れてくれた
新しい家族の下で、のびのび幸せに暮らしています。
神奈川県動物保護センター
ページ
5
土屋だより
このコーナーでは、センターのある平塚市⼟屋の地元情報をお届けします。今回は「⾦⽬川」です。
県道平塚秦野線と平⾏して流れている川が、⾦⽬川です。センターに来る途中の南平橋で渡るおなじみの
川ですが、源流はどこだか御存知ですか。正式な源流は、秦野市の蓑⽑から北に⼊った春嶽沢という渓
流、⼤⼭の南斜⾯になります。もうひとつの源流は、⽔無川と呼ばれる川で、本⾕沢という塔ヶ岳の南斜
面に源を発して、大倉から伏流⽔となって秦野盆地を流れて、南平橋に⾄ります。下流は、途中で鈴川、
渋⽥川などの⽀流をあわせて、花⽔川と名前を変え、平塚市と⼤磯町の境界付近で相模湾に注いでいま
す。下流の⾼麗⼭付近は桜の名所として、河⼝はサーフポイントとして有名です。
⾦⽬川に漁業権はないのですが、なんと天然の鮎が遡上しているのを南平橋から⾒ることができます。
この川は昔からこの地域の農地灌漑のためにとても重要で、多くの堰があります。以前は、水の奪い合い
による村同⼠の争いが絶えなかったそうです。⽔がこなければ⽶が採れないので、⾦⽬川の⽔は村⼈の命
をつなぐ何よりも⼤切なものだったのです。現在でも、飯島堰の下流では⽥植え時期になると農業⽤⽔取
⽔のために流れが途切れることがあります。
⼀⽅で、⾦⽬川は暴れ川としても有名で、昔からたびたび氾濫を繰り返してきました。最近も⼤⾬で⾦⽬
地区の堤防が壊れ、緊急⼯事が⾏われていました。⾦⽬川は今でも、地域の⼈たちの命や暮らしに深くか
かわっています。
南平橋から⾒た⾦⽬川
南平橋
譲渡費⽤無料化のお知らせ
第 2 号でお知らせしたとおり、平成 25 年 9 月 2 日(月)より、動物保護センター
からボランティアの皆様への動物の譲渡費⽤が無料になります。
編集後記
今回は、イギリスのノーマンテイラーさんとボランティアの清松さんから心温まるご寄稿を
いただきました。身近な話題でも結構ですので、引き続き、皆様からの原稿をお待ちしてお
ります。字数も期限も制限はありませんので、お気軽にご連絡ください。
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