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資料2-3 (3)(PDF形式:2303KB)

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資料2-3 (3)(PDF形式:2303KB)
計測フロンティア研究部門
III. 他国の追従を許さない先端的技術開発の推進
37
情報入出力機器のフレキシブル、小型化のためのデバイスの研究開発
1−(1)−②
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・高度な情報通信社会を支えるデバイス、システ
ム技術の開発において、フレキシブル有機デバイ
スの開発により、情報通信技術の革新に資する
光・電子デバイス技術の開発を行う。
・ナノ構造制御により、非晶質シリコンよりも優れた
移動度 (5 cm2/Vs 以上)、 on/off 比 (5 桁以上) 、
駆動電圧(5 V 以下)で動作する有機薄膜トランジ
スタを開発する。
【現状】
・塗布可能なp型およびn型半導体の開発と、薄
膜トランジスタの製膜方法や構造の最適化を行い、
p型ではポリチオフェンを用いて0.41 cm2/Vs、n型
ではフラーレン誘導体で0.60 cm2/Vsを達成してい
る。
【目標と期待される成果】
・小型軽量の次世代情報家電に資する柔軟性・軽
量性・耐衝撃性に優れたフレキシブルなディスプレ
イを開発する。
モバイルペーパー
ディスプレイ
15cm角のプラスチック
基板上に形成された全
印刷有機TFT
38
光通信の波長及び空間の高密度化
1−(1)−③
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・高度な情報通信社会を支えるデバイス、システ
ム技術の開発において、光通信の波長・空間の
高密度化等により、情報通信技術の革新に資す
る光・電子デバイス技術の開発を行う。
・既存のネットワークルータに比べてスループット
あたり 3 桁消費電力の低い光パスネットワーク
で伝送する技術を開発する。具体的には、ルート
を切り替えるシリコンフォトニクス、ガラス導波路
技術を用いた大規模光スイッチ、伝送路を最適
化する技術、及び光パスシステム化技術を開発
する。また、1 Tb/s 以上の大伝送容量化を目指
して、多値位相変調や偏波多重を含む超高速光
多重化のためのデバイス及び光信号処理技術
を開発する。
【現状】
・超高速サブバンド間遷移素子を用いた超高速光
干渉計型スイッチ、半導体光増幅器のディスク
リートデバイスを用いて160Gb/sの光時間多重送
受装置を開発して、無エラーの動作を実証した。
また、この装置を用いて、NHK技研と協力して、
スパーハイビジョン2チャンネルの送受実験に成
功した。
10cm
100μm
【目標と期待される成果】
・高精細映像等の巨大コンテンツを伝送させる光
ネットワークの実現
回線交換型光パス網
In1
Out1
In2
Out2
39
QOL向上のための生活支援ロボット基盤技術
【研究概要】
3−(3)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究計画】
・高齢化社会における QOL 向上を目指し、家
庭・施設等における実用レベルの生活支援ロ
ボットを開発する。
【現状】
・少子高齢化による労働人口の減少に伴い、高
齢者の支援・介護分野における人手不足が顕著
になってきている。そこでロボット化(機械化)によ
るサービスの省力化への期待が高まっている。
物理的支援
上体ヒューマノイドロボット
HIRO
・家庭・施設等での行動解析に基づき必要となる支
援サービスを定義し、屋内のあらゆる地点で精度 5
cm 以内の精度を有する屋内移動技術、15 種類以
上の日常生活用品を対象とした物体把持技術、予備
知識を必要としない高齢者とのインタラクション技術
等を開発する。
【目標と期待される成果】
・高齢化社会における労働人口減少に伴う支援・介護
分野の人手不足問題を改善し、2025年に8兆円とも
予測されるサービスロボットの産業創出に寄与する。
心理的支援
障害者支援アーム
RAPUD
PARO
40
地理空間情報の高度利用技術と新サービス創出
3−(4)−②
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・多種多様な地理空間データへの統一的アクセ
スサービス等の基本サービス群を開発し、整備
する。
・災害軽減・危機管理・環境保全・資源探査等に関
する応用システムを 4 件以上構築し、実証実験を
実施する。
・応用システムの構築を容易にするための再利
用可能なミドルウェアを開発し、提供する。
【目標と期待される成果】
【現状】
・現在、多くの地理空間情報が提供されているが、
その多種多様性、多数の管理組織の存在、さら
に地理的にも分散していることから、十分に有効
活用されているとは言い難い。
・地理空間情報にかかる応用技術と情報インフラ
にかかる技術を融合し、ユーザ利便性およびシス
テム構築性の向上を図り、地理空間情報の新たな
ビジネスモデルのサービス化を支援する。
地理空間情報の応用システム
災害軽減
環境保全
危機管理
新サービス
資源探査
基本サービス群 OGC準拠
再利用可能なミドルウェア
地上観測データ
衛星データ
GISデータ
高度情報サービスプラットフォーム
地理空間サービスの画面
41
情報システム製品のセキュリティ評価技術
【研究概要】
3−(5)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究計画】
・ IC カードに代表されるハードウェアや基幹ソフト
ウェア等、情報システムの中核をなす製品の脆弱
性分析や安全性評価に関して、現行の制度・標
準や新たな評価制度を見据えた技術を開発する。
・セキュリティ評価技術について、我が国の電子
政府推奨暗号評価等での活用を実現する。さら
に、それらの技術等を実システムに組み込み可
能な暗号ライブラリに適用し、安全性検証済みラ
イブラリとして公開する。
【現状】
【目標と期待される成果】
・インターネットやICカード等の普及により、ICカード
やソフトウェアのセキュリティ機能の欠陥や脆弱性を
突いた攻撃とそれによる被害が近年現実化。一方、
製品評価技術および体制は世界的にも発展途上。
・日本が国際標準をリード。製品の安全性分析、評
価、攻撃対策技術の、産総研でのノウハウ蓄積、
国内での適切な情報共有により高セキュリティを製
品価値化、それによる産業力強化。さらには国民
生活の安全性向上を実現。
産総研での研究開発
分析手法
暗号
対策技術
カード
チップ ソフト
バイオ
メトリクス
セキュリティ技術・製品
評価手法
製品認証等
安全性評価制度
評価ツール
安全
Secure
Level 3
Secure
安全
評価済み技術・製品
42
計測フロンティア研究部門
IV. イノベーションの実現を支える計測技術の開発
、評価基盤の整備
43
生産現場計測技術の開発
1−(3)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・エレクトロニクス産業等の生産現場で求めら
れている製品の各種欠陥・異常等の検出、発
生防止、及び生産の高効率化を目指した、実
用的なソリュ−ションを開発し提供する。
・開発した技術を用いた検査・計測装置を試作し、
生産現場での実証と改良を重ね、企業ニーズに
応える計測ソリューションに仕上げて提供する。
【現状】
・10 件以上の生産現場の課題解決に取り組み、3
件以上のソリューションを提供する。
・光学的手法を駆使し、従来法では検出困難なマ
イクロクラックの検出技術や、2次元画像から3次
元情報を得る技術等を開発した。
【目標と期待される成果】
・製品の信頼性と生産性の向上による産業競争力
強化。
5 μm
スクラッチ
マイクロ
スクラッチ
光散乱強度
超音波周波数
光学技術と超音波を併用した半導体
ウエハ表層のマイクロクラック検出
研磨ウエハでのマイクロクラック
検出実証例
2次元画像から光学的に3次元(高さ) 左図の手法によるボンディングワイヤの観
の情報を得る原理
察例(赤線と青線の間隔が高さを示す)
44
ものづくりを支えるデータベースの整備
2−(3)−③
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・服飾産業、自動車等のモノづくりを支援するため、
人体特性データ(人体寸法、体形、運動、関節特
性)を整備する。
・人体寸法・形状等の独自データを拡充する。
【目標と期待される成果】
【現状】
・累積20万件のアクセス、1万件弱のダウンロード。
・独自開発してきたモデリング技術、統計処理技
術とデータベースを組み合わせることで、データを
製品設計に活用可能。
Spain
Belgium
China
Korea
・海外の企業・研究機関等との連携を強化する。
・人体寸法・形状データベースには独自データを500拡
充するとともに、広範な地域の人体寸法にアクセスでき
る情報ハブを構築する。
・自動車、アパレル、住宅、電機通信、医療・福祉機器
や、健康サービス業などの産業競争力強化に寄与。
日本人 人体DB
技術移転&
統計データ交換
AIST Web整備
産業界への
データ提供
Mexico
45
物質の分析・評価技術の開発と標準化
3−(1)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・ 物質の分析および特性評価技術を実際の測
定環境に適用するための計測技術等を開発し、
これらをJIS・ISO化する。
・鉄鋼材料中の不純物酸素分析手法をマグネシ
ウム用に最適化する。
【現状】
・マグネシウムのように低沸点金属中の不純物酸
素分析方法は存在しない。
・2000℃超の超高温領域での正確な温度計測が
困難
・超高温環境下での温度計測法の実用化により
電気抵抗・熱定数測定を可能にする。
【目標と期待される成果】
・分析・評価の対象となる製品(マグネシウム合金
や炭素等の超高温材料)の製品規格への適合性
評価が可能となる。
CO量から酸素量
を算出
超高温電気抵抗測定装置
超高温熱定数測定装置
超高温下での物性評価の高度化
• 放射温度計を利用した正しい熱物性測定
• 電気抵抗の温度依存性を利用した超高温温度計開発
• 超高温温度評価の標準物質の探索
多段階加熱不活性ガス融解赤外線吸収法
超高温熱物性測定の規格化
超高温領域での物性評価
46
計測フロンティア研究部門
別表2 地質の調査(地質情報の整備による産
業技術基盤、社会安全基盤の確保)(1/2)
47
計測フロンティア研究部門
別表2 地質の調査(地質情報の整備による産
業技術基盤、社会安全基盤の確保)(2/2)
48
陸域の地質調査と地質情報の整備
別表2 1−(1)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・ 国土と周辺域における地質の調査を実施し、
社会の要請に応えた地質図幅等の地球科学
基本図の作成を行う。
・5万分の1地質図が未整備で、都市基盤整備及
び防災等に必須及び、全国均質で高精度の地
質情報を整備するために必要な地域、更新の必
要性の高い地域について、地質の野外調査後、
地質図と研究報告書としてデータを取りまとめ、
出版を行う。
【現状】
・5万分の1地質図幅は全1274区画のうち約73%
を達成している。
・第2期中期目標終了時点で、20万分の1地質図
幅は全国整備が完了した。今後、更新を行なうと
ともに、利便性を図るために地質図幅の継ぎ目を
なくすシームレス化が必要とされている。
【目標と期待される成果】
・5 万分の 1 地質図幅 20 区画を作成する。
・20 万分の 1 地質図幅については、更新の必要
性の高いものについて 3 区画の改訂を行う。
・次世代の 20 万分の 1 日本シームレス地質図を
作成する。
報告書
地質図幅
シームレス地質図
49
土壌汚染評価技術の開発
別表2 2−(1)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・土壌汚染、地下水汚染問題に対し、環境リス
ク管理に必要な評価技術の開発を行う。
・土壌汚染等の地圏環境におけるマルチプルリ
スクの評価手法を構築し、統合化評価システム
及び地圏環境情報データベースを開発する。
・鉱物、植物、微生物及び再生可能エネルギー
を活用した環境共生型の原位置浄化・修復技術
を開発する。
【現状】
・土壌・地下水の複合汚染による環境リスクや健
康リスクを時間的・空間的に評価できる「地圏環
境リスク評価システム」の詳細モデル「GERAS-3」
を完成させた。
【目標と期待される成果】
・水圏及び地表の生活環境における様々なリス
クを適切に評価するための技術体系を確立する。
・土壌汚染対策について、産業用地や操業中の
事業場に適用可能な低コスト化を図る。
複合的な土壌・地下水汚染を対象とした詳細なリスク評価
50
鉱物及び燃料資源のポテンシャル評価
【研究概要】
別表2 2−(2)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究計画】
・地圏から得られる天然資源である鉱物、燃料
等を安定的に確保するため、効率的な探査手
法の開発を行う。
【現状】
・希土類元素等レアメタル代替材料の確保のため
の鉱床の成因解明、海底資源の権益確保及び未
利用燃料資源の賦存状況の解明等を進めている。
・南アフリカ、アジア等でレアメタル等の鉱床の資
源ポテンシャル評価を実施する。
・大陸棚画定に係る国連審査を科学的データの
補充等によりフォローアップする。
・メタンハイドレート等の未利用燃料資源のポテ
ンシャル評価を行う。
【目標と期待される成果】
大陸棚延伸への貢献
・大陸棚画定への貢献等による鉱物資源の安定
供給体制の確立
・各種資源ポテンシャルを燃料資源図として整備
する
(図は海上保安庁海洋情報部HPより)
「自然の延長をたどって大陸棚縁辺部の外縁」を決定するために、
産総研は採取した岩石の分析・年代決定を行い、申請書の素案作
成に科学的根拠に基づいて貢献した。
トアレイク鉱床の鉱石
赤茶色の鉱物(ゼノタイム)に、
希土類元素が多く含まれる。
(産総研Today Vol.9 No.10より)
メタンハイドレート
51
地下水及び地熱資源のポテンシャル評価
別表2 2−(2)−②
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・地圏から得られる天然資源である地下水、地熱
を安定的に確保するため、効率的な探査手法の
開発、情報の整備を行う。
・地下水資源ポテンシャル図を地質情報とリンクし、
揚水適正量、再開発可能領域、地中熱利用による
省エネマップ等を高精度で評価する。
・地熱資源の資源ポテンシャルを地理情報システ
ムによって高精度で評価する。
【現状】
・工業用水確保など地下水資源の持続的利用の
ための評価技術、再生可能エネルギーである地
熱開発促進に向けた地熱利用と温泉保全両立を
図るための評価技術等の開発が求められている。
【目標と期待される成果】
・我が国の地下水及び水文環境の把握のため水
文環境図2図を新たに作成する。
・全国の地熱開発候補地を系統的に抽出する。
水文環境図
地下水循環モデルの概要
タイに設置された地中熱利用
ヒートポンプシステム
熱水系資源の分布
52
活断層評価及び災害予測手法の高度化
別表2 3−(1)−①
第3期の研究計画と期待される成果
【研究概要】
【研究計画】
・活断層調査、実験データ及びシミュレーション
により将来の地震発生危険度、発生時の災害
予測を行い、調査研究結果の情報公開を進め
る。
・陸域及び沿岸海域の 25 以上の活断層につい
て古地震調査を行う。
・過去の断層挙動、最近のデータに基づいた活
断層の物理モデルを提示する。
・大都市圏近傍等の活断層運動による地盤変形
を予測するための手法を提案する。
【現状】
・ 国が定めた「地震及び火山噴火予知のための
観測研究計画」(H21-25)で地震、火山に対する
産総研の貢献が求められている。
【目標と期待される成果】
・過去数千年間の断
層挙動を解明するこ
とにより将来の地震
発生危険度を明らか
にする
・地震の規模と発生
時期の予測、地震発
生時の災害予測の高
度化。
高山・大原断層帯、牧ヶ洞断層のトレンチ調査(岐阜県高山市)
新潟県中越地域の地下構造モデル
53
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