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B 指導要録の様式・解説4[PDFファイル/277KB]

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B 指導要録の様式・解説4[PDFファイル/277KB]
4
指導要録取扱い上の注意
指導要録の作成、送付及び保存等については、次のような事項に留
意すること。
1
進学の場合
(1)校長は、児童等が進学した場合においては、その作成に係る当該
児 童 等 の 指 導 要 録( 以 下「 原 本 」と い う 。)の 抄 本 又 は 原 本 の 写 し を
作成し、これを進学先の校長に送付しなければならない(学校教育
法 施 行 規 則 第 2 4 条 第 2 項 参 照 )。
(2)
( 1 )に お い て 抄 本 を 作 成 し 送 付 す る 場 合 、そ の 記 載 事 項 は 、お お
むね下記の事項を含むものとする。
ア
学校名及び所在地
イ
児童(生徒)の氏名、性別、生年月日及び現住所
ウ
卒業年月日
エ
第6学年(第3学年)の各教科の学習の記録
オ
第6学年(第3学年)の総合的な学習の時間の記録
カ
第6学年(第3学年)の特別活動の記録
キ
第6学年(第3学年)の行動の記録
ク
総合所見及び指導上参考となる諸事項
ケ
第6学年(第3学年)の出欠の記録
抄本の記載事項については、進学した学校で直接必要とされる記録
に絞ることとし、写しよりも記載事項を簡単にした。
なお、上記「ク」に関し、最終学年以前の学年における状況につい
て必要な記録は記載しておくことが望ましい。
抄本の様式は、145・146ページに示す。
- 109 -
2
転学の場合
校長は、児童等が転学した場合においては、原本の写しを作成し、
そ れ を 転 学 先 の 校 長 に 送 付 す る こ と 。転 学 し て き た 児 童 生 徒 が 更 に 転
学 し た 場 合 に お い て は 、原 本 の 写 し の ほ か 、転 学 し て く る 前 に 在 学 し
て い た 学 校 か ら 送 付 を 受 け た 写 し も 転 学 先 の 校 長 に 送 付 す る こ と 。こ
れ ら の 場 合 、幼 稚 園( 特 別 支 援 学 校 の 幼 稚 部 、保 育 所 及 び 認 定 子 ど も
園 を 含 む 。)、( 小 学 校 ( 特 別 支 援 学 校 小 学 部 を 含 む 。 以 下 同 じ 。)) か
ら 送 付 を 受 け た 抄 本 又 は 写 し も 転 学 先 の 校 長 に 送 付 す る こ と( 学 校 教
育 法 施 行 規 則 第 2 4 条 3 項 参 照 )。
ま た 、 児 童 自 立 支 援 施 設 (又 は 少 年 院 ) か ら 移 っ て き た 児 童 生 徒 が
転 学 し た 場 合 に お い て は 児 童 自 立 支 援 施 設( 又 は 少 年 院 )か ら 送 付 を
受けた指導要録に準ずる記録の写しも送付すること。
原本は、その学校に保存するのであるから、転学していく児童生徒
には、まず、在学証明書を発行して持参させ、転学先学校から受け入
れ 通 知 を 受 け た と き に 原 本 の 写 し を 作 成 し て 、転 学 先 学 校 に 送 付 す る 。
そ し て 、 原 本 に は 、「 転 学 ・ 退 学 等 の 欄 」 に 所 要 事 項 を 記 入 し た う え 、
完結したものとして別の綴りにとじ替え、以後、保存期間に入る。
転学先学校へ送付する書類は、
①
在学中の指導要録の写し
②
他から転入学してきた児童生徒の場合は、送付されてきてい
る前の学校の指導要録の写しそのものと、①の写しの2種
③
出身幼稚園等(小学校)から送付されてきている抄本又は指
導要録の写し
の3種である。
( こ れ ら の 書 類 に つ い て は 、進 学 、転 学 し て き た 児 童 生
徒が在学する期間、保存すること)
この結果、その学校では、転学していった児童生徒については、そ
の学校に在籍していた期間中の記録(原本)だけしか残らないが、必
要により、その児童生徒の以前の経歴が知りたい場合には、保存され
- 110 -
ている原本の「学籍に関する記録」によって、前に在籍していた学校
を確かめ、必要事項を問い合わせればよく、また転学後の状況を知る
必要があれば、保存中の原本に記入されている転学先の学校に問い合
わせることになる。
また、児童自立支援施設(又は少年院)に入所していた児童生徒に
ついては、児童自立支援施設(又は少年院)入所中の教育に関し、指
導要録に準ずる記録があるから、そこから学校に移ってきた児童生徒
については、その記録の写しの送付を受けることになるが、その児童
生徒がさらにどこかの学校に転学するなどの場合には、児童自立支援
施設(又は少年院)から送付された写しをも、転学先の学校に送付す
ることとなる。
3
転入学の場合
校長は、児童生徒が転入学した場合においては、当該児童生徒が転
入学した旨及びその期日を、速やかに、前に在学していた学校の校長
に連絡し、当該児童生徒の指導要録の写しの送付を受けること。
なお、この場合、校長は、新たに当該児童生徒の指導要録を作成す
べ き で あ っ て 、送 付 を 受 け た 写 し に 連 続 し て 記 入 し て は な ら な い こ と 。
受け入れた学校では、速やかに前の学校の校長に対して、その児童
生徒がいつ転入学したかを明示して、その指導要録の写しの送付を要
求する。そして、新たに当該児童生徒の指導要録を作成し、転入学後
の記録をしていくこと。
なお、この場合、受け入れた学校では、送付を受けた写しに連続し
て記入してはならないので、転入学してきた児童生徒については、送
付を受けた写しと、その学校で作成した原本とを合わせて保存するこ
とになる。
- 111 -
4
学校統合・学校新設等の場合
学校名及び所在地の変更として取り扱うか、前記2及び3に準じて
取り扱うかは実情に応じて処理すること。
学校の統廃合や新設などには、次に示すように状況の違いがあるの
で、指導要録の取扱いについても適切に対処すること。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
A校を廃止し、全員既存のB校へ移す。
A校を廃止し、その児童生徒をB校とC校に分けて移す。
A校及びB校を廃止し、新設のC校に全員を移す。
A校の一部児童生徒をB校へ移す。
A校及びB校のそれぞれの一部児童生徒を新設のC校に移す。
A校の分校を独立させてB校とし、児童生徒は動かさない。
A校の所在地、校名も変更するが、児童生徒は動かさない。
A校の校名を変更し、B校とし、児童生徒は動かさない。
A 校 の 校 名 を 変 更 し 、B 校 の 分 校 と す る が 、児 童 生 徒 は 動 か さ な い 。
①
②
④
A
A
A
B
A
A
B
校
校
校
校
校
校
校
廃
止
廃
止
廃
止
廃
止
の
一
部
児
童
生
徒
の
一
部
児
童
生
徒
の
一
部
児
童
生
徒
③
B
B
C
校
校
校
⑤
⑥
新
設
A
本
校
A
分
校
独
⑦
⑧
⑨
A
A
A
校
校
校
校
名
変
更
校
名
変
更
所
在
地
変
更
校
名
変
更
立
C
B
B
B
校
校
校
校
B
新
設
校
C
校
- 112 -
C
分
校
①~③の場合
原本を児童生徒とともに移すこととする。この場合、市町教育委
員会においては、原本の所在を明確にしておくこと。
④、⑤の場合
転学・転入学の取扱いとして、移っていく児童生徒の指導要録の
写しを作成し、転学等前の学校から送付を受けている抄本又は写し
とともに移っていった先の学校に送付すること。
⑥~⑨の場合
校名又は所在地変更として取り扱い、
「 学 校 名 及 び 所 在 地 」の 欄 の
書き替えを行い、
「 学 籍 に 関 す る 記 録 」の 欄 外 の 適 当 な 箇 所 に そ の 理
由を記入すること。
(注)学校廃止後の書類(学習及び健康の状況を記録した書類)は、当
該学校を設置していた市町村の教育委員会が保存する(学校教育法
施 行 令 3 1 条 )。
5
退学等の場合
(1)校長は、児童生徒が外国にある学校などに入るため退学した場
合等においては、当該学校が日本人学校その他の文部科学大臣が
指定した在外教育施設であるときにあっては、上記1及び2に準
じて指導要録の抄本又は写しを送付するものとし、それ以外の学
校などにあっては、求めに応じて適切に対応すること。
(2)校長は、児童生徒が児童自立支援施設(又は少年院)に入所し
た場合においては、2に準じて、当該児童生徒の指導要録の写し
を児童自立支援施設(又は少年院)の長に送付し、児童生徒の入
所中の教育に資するものとする。
「退学等」の場合としては、外国にある学校などに入るために退学
する場合、学齢を超過している生徒が退学する場合、さらに就学義務
の猶予・免除の措置がとられたり、児童自立支援施設(又は少年院)
- 113 -
に入所したり、居所が1年以上不明で長期欠席を続けていたりして在
学しない者として取り扱うことになった場合などがある。
このような場合には、学校は、これらの児童生徒に係る指導要録の
記入についてはその時点で終了し、それ以後保存することになるが、
児童生徒が外国にある学校(認定在外教育施設)などに入るために退
学した場合には、校長は指導要録の写しや抄本を作成して送付するよ
う努めること。
また、児童生徒が児童自立支援施設(又は少年院)に入所した場合
も、
「 2 .転 学 の 場 合 」に 準 じ て 、指 導 要 録 の 写 し を 入 所 先 の 長 に 送 付
し、児童生徒の入所中の教育に資することとなっている。これは、将
来において学校にもう一度編入学してくる場合もあるので、教育上の
連携を図っておくことが望ましいからである。
6
編入学の場合
(1)校長は、児童生徒が外国にある学校などから編入学した場合に
お い て は 、編 入 学 年 月 日 以 後 の 指 導 要 録 を 作 成 す る こ と 。そ の 際 、
できれば外国にある学校などにおける履修状況の証明書や指導に
関する記録の写しの送付を受けること。
(2)校長は、児童生徒が児童自立支援施設(又は少年院)から移っ
た場合においては、児童自立支援施設(又は少年院)の長の発行
した証明書及び児童自立支援施設(又は少年院)の長の作成した
指導要録に準ずる記録の写しの送付を受け、移った日以後の指導
要録を作成すること。
(3)校長は、就学義務の猶予又は免除の事由がなくなったことによ
り就学義務が生じ、児童生徒が就学した場合においては、就学し
た日以後の指導要録を作成すること。
(3)の場合、編入学する学校が、猶予又は免除を受けるまで在学
- 114 -
した学校と同じ学校であれば、猶予又は免除までの指導要録を新たに
作成した指導要録と合わせて綴じておくが、これが別の学校である場
合には、教育委員会を通じて(学齢簿の記載事項によって)前に在学
した学校を確認し、前に在学していた学校における指導要録の写しの
送付を受けるようにする。
7
児 童 自 立 支 援 施 設 ( 又 は 少 年 院 )と の 関 係 に お け る 指 導 要 録 の 取 扱 い
児童自立支援施設(又は少年院)への入所は、その学校を退学した
とはみなさないで、
「 在 学 し な い 者 」と し て 取 り 扱 う こ と に な る が 、こ
の場合は、転学に準じて指導要録の写しを作成し、これを入所先の児
童自立支援施設(又は少年院)の長に送付し、児童生徒の教育に資す
る も の と す る 。こ の 場 合 、
「 転 学・退 学 等 」の 欄 の(
)内 の 年 月 日 に 、
入所の日を記入し、下部の余白に、その事情を記入して別の綴りに移
して保存すること。
次に、児童自立支援施設(又は少年院)を退所して、学校に移って
きた児童生徒の場合は、児童自立支援施設(又は少年院)の長が発行
した証明書及び児童自立支援施設(又は少年院)の長が作成した指導
要録に準ずる記録の写しの送付を受ける。児童自立支援施設(又は少
年院)において、その教育上の記録は、学校に準じて指導要録と呼ば
れている実情であるが、記入上の注意では正確を期して「指導要録に
準ずる記録」とされている。
学校では、移ってきた児童生徒について、移ってきた日以後の指導
要録を作成し、児童自立支援施設(又は少年院)から送付された上記
の書類を合わせて綴っておくこと。その児童生徒が入所前に在学した
学校における指導要録の写しは、児童自立支援施設(又は少年院)か
ら合わせ送付を受けるか、あるいは前途の6(3)の就学義務の猶予
免除の削減の場合と同様の手順によって、前に在学した学校から送付
- 115 -
を受けるのがよい。
な お 、児 童 自 立 支 援 施 設( 又 は 少 年 院 )か ら 移 っ て き た 児 童 生 徒 が 、
さらに他の学校に転学する場合は、その指導要録の写しとともに、児
童自立支援施設(又は少年院)から送付されている指導要録の写しに
準ずる記録をも併せて送付すること。
8
原級留置きの場合における指導要録の取扱い
長期欠席などの理由によって、学年の課程の修了を認定することが
できない児童生徒は、次の学年に進級させないで、原級留置きとする
ことになる。この児童生徒の指導要録には、原級留置きにより、同じ
学年の記録が行われることになるが、この場合には、原級留置きした
とき以後の指導要録を新たに作成し、その前の指導要録には、学籍の
記録の「転学・退学等」の欄に、原級留置きの旨、その年月日、学年
及びその事由を記録して、新たに作成した指導要録と併せて綴ってお
くこと。
新たに作成した指導要録の学籍の記録の欄に、氏名等必要事項等を
最小限に記入し、その「転学・退学等」の欄に、原級留置きの学年、
年月日等を記入し、以後の学年に関する事項を記録していくこと。
9
学校教育法施行規則第24条第2項及び第3項に基づく送付
(1)送付の経路
児童生徒の進学の場合には指導要録の抄本又は写しを、転学の場
合には写しを作成し、進学・転学先の学校に送付するように定めら
れている。
①
進学の場合
校長は、児童生徒が進学した場合においては、その作成に係る
当該児童生徒の指導要録(転学してきた児童生徒については次項
- 116 -
の 写 し を 含 む 。)の 抄 本 又 は 写 し を 作 成 し 、こ れ を 進 学 先 の 校 長 に
送付しなければならない。
②
転学の場合
校長は、児童生徒が転学した場合においては、その作成に係る
当該児童生徒の指導要録の写しを作成し、その写し(転学してき
た児童生徒については転学により送付を受けた指導要録の写しを
含 む 。)及 び 前 項 の 抄 本 又 は 写 し を 転 学 先 の 校 長 に 送 付 し な け れ ば
ならない。
①、②により、原本、写し、抄本の保存又は送付の経路を図示す
ると、次のようになる。
このような経路をたどるのは、児童生徒が在籍する限りは、当該
校にその児童生徒の教育歴がすべて分かるだけの書類がそろってい
るようにするためである。児童生徒が他校に移った場合は、確実に
次の学校に引き継がなければならない。
[指導要録送付の経路]
A 幼 稚 園
B小学校
原本A作成保存
進学 原本B作成保存
抄本または写し
A作成送付
C小学校
転学
D小学校
原本C作成保存
転学 原本D作成保存
抄本または写し
抄本または写し
抄本または写し
A送付
A送付
A進学後廃棄
写しB作成送付
写しB送付
写しB保存
写しC作成送付
写しC保存
抄本または写し
D作成送付
原本G作成保存
進学
高等学校へ
E中学校
F中学校
G中学校
転学
原本F作成保存
転学
原本E作成保存
抄本または写し
抄本または写し
抄本または写し
D進学後破棄
D送付
D送付
写しE保存
写しE送付
写しE作成送付
写しF保存
写しF作成送付
抄本または写し
G作成送付
- 117 -
進
学
[ 受領回報様式例 ]
指導要録写し
(甲)
児童
生徒
送付控え
指導要録抄本
番
号
児童・生徒氏名
送付年月日
送付理由
保護者氏名
送付先
指導要録写し
(乙)
児童
生徒
送付控え
指導要録抄本
番
号
児童・生徒氏名
保護者氏名
右指導要録写し抄本は、当校において受領したのでこれを回報す
る。
年
月
日
校
校長
長
印
様
( 注 ) 1 .( 甲 ) は 送 付 者 に 留 め 置 き 、( 乙 ) は 指 導 要 録 写 し 又 は 抄 本 に 添 え
て送付する。
2.送付内容により、写し・抄本のいずれかを抹消する。
3.これを受領した学校では、直ちに送付者に返送する。
- 118 -
(2)送付の手続き
指導要録の写し又は抄本は、転学先又は進学先の学校から入学許
可の通知があってから送付すること。法定表簿として破損・紛失の
事故防止、個人情報保護等の見地から、次の様式例による受領回報
等を用いて、送付及び受領を確実にすること。
(注意)本人・保護者その他に持参させるのは、原則として避ける
べきである。
(3)配慮事項
配偶者からの暴力の被害者と同居する児童生徒については、転学
した児童生徒の指導要録の記述を通じて転学先の学校名や所在地等
の情報が配偶者(加害者)に伝わることが懸念される場合がある。
このような特別の事情がある場合には、平成21年7月13日付
け21生参学第7号「配偶者からの暴力の被害者の子どもの就学に
ついて」に沿って、配偶者からの暴力の被害者と同居する児童生徒
の転学先や居住地等の情報については、各地方公共団体の個人情報
保護条例等に則り、配偶者暴力相談支援センターや福祉部局等との
連携を図りながら、厳重に管理すること。
10
保存期間
( 1 )学 校 に お い て は 、原 本 及 び 転 入 学 の 際 送 付 を 受 け た 写 し の う ち 、
学籍に関する記録について20年間、指導に関する記録について
は 5 年 間 保 存 す る こ と ( 学 校 育 法 施 行 規 則 第 2 8 条 第 2 項 参 照 )。
(2)幼稚園から送付を受けた抄本又は写しは、児童が当該学校に在
学する期間保存すること(小学校から送付を受けた抄本又は写し
は 、 生 徒 が 当 該 学 校 に 在 学 す る 期 間 保 存 す る こ と 。)
(3)外国にある学校などへ入るための退学の場合、学齢を超過して
いる児童生徒の退学の場合、児童自立支援施設(又は少年院)へ
の入所などによる就学義務の猶予・免除の場合、又は児童生徒の
- 119 -
居 所 が 1 年 以 上 不 明 な 場 合 に は 、原 本 及 び 転 入 学 の 際 送 付 を 受 け
た 写 し は 、校 長 が 退 学 又 は 在 学 し な い 者 と 認 め た 日 以 後 、学 籍 に
関 す る 記 録 に つ い て は 2 0 年 間 、指 導 に 関 す る 記 録 に つ い て は 5
年間保存すること。
(1)法的根拠
学校教育法施行規則第28条
第1項
学校において備えなければならない表簿は、おおむね次の
と お り と す る 。( 1 ~ 3 、 5 ~ 7 略 )
4.指導要録、その写し及び抄本並びに出席簿及び健康診断に関
する表簿
第2項
前 項 の 表 簿( 第 2 4 条 第 2 項 の 抄 本 又 は 写 し を 除 く 。)は 、
別 に 定 め る も の の ほ か 、5 年 間 保 存 し な け れ ば な ら な い 。た だ し 、
指 導 要 録 及 び そ の 写 し の う ち 入 学 、卒 業 等 の 学 籍 に 関 す る 記 録 に
ついては、その保存期間は、20年間とする。
(2)保存期間及び措置
①
指導要録の原本及び転入学の際送付を受けた写し
[学籍に関する記録]
卒業の翌日から起算して20年間、転学した児童生徒につい
ては、転学の翌日から起算して20年間保存する。
[指導に関する記録]
卒業の翌日から起算して5年間、転学した児童生徒について
は、転学の翌日から起算して5年間保存する。
②
転入学してきた児童生徒について送付を受けた指導要録の写し
当該児童生徒がさらに転学した場合は、転学先に送る。卒業し
た 場 合 は 、転 入 学 後 に 作 成 し た 指 導 要 録 の 原 本 と と も に 保 存 す る 。
保存年数は①のとおりである。
- 120 -
③
幼 稚 園( 保 育 所 及 び 認 定 こ ど も 園 を 含 む )
・小 学 校 か ら 送 付 を 受
けた抄本又は写し
学校に在学する期間保存する。転学した場合は、その抄本又は
写しも転学先に送付する。卒業するまで児童生徒とともに学校を
移っていくわけであるが、卒業したら抄本又は写しの保存義務は
なくなるので、卒業校において廃棄する。
④
退学の場合
外国の学校などに入るための退学及び学齢を超過した生徒の卒
業前の退学の場合は、退学後は指導要録又は写しの保存を①と同
じように取り扱う。
⑤
就学義務の猶予・免除を受けた場合
児童自立支援施設(又は少年院)へ入所した場合及び児童生徒
が登校しなくなってその居所が1年以上不明である場合は、再び
登 校 す る 可 能 性 が あ る の で 、退 学 と せ ず 、
「 在 学 し な い 者 」と し て
退学者に準じて取り扱うこととされ、その事実の認定を行った日
から、別冊に整理しておき保存期間が始まることとなる。
⑥
保存期間後の措置
廃棄することになるが、個人情報保護の観点から適切な方法で
行うこと。
(3)指導要録の開示の取扱い
指導要録の本人への開示の取扱いについては、業務の適正な実施
に支障を及ぼす恐れがあるとき等を除き開示するとの個人情報保護
基本法の基本的な考え方に基づいて対応する必要がある。具体的な
開示の取扱いについては、各教育委員会等において、条例等に基づ
- 121 -
き、それぞれの事案等に応じて判断することが適当である。
11
その他
・対外的に証明書(就職等の際の証明書)を作成する必要が生じた
場合は、個人情報の保護や教育的配慮の観点から、申請の目的を
確認した上で、証明の趣旨や内容等に応じて必要最小限の事項を
記載するように留意すること。
・学校が保護者への連絡に用いるいわゆる通信簿等と指導要録とは
性格の異なるものであり、様式や記載方法等を一致させる必要は
ない。学校においては、指導要録における各教科等の評価の考え
方を踏まえ、児童生徒の学習活動の過程や成果、一人一人の可能
性などについて適切に評価し、児童生徒一人一人のその後の学習
の充実の改善に役立つものにする観点から、通信簿等の様式や記
載内容・方法等について工夫することが望まれる。
- 122 -
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