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Hib(ヒブ)感染症と小児の肺炎球菌感染症の予防接種をする前に

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Hib(ヒブ)感染症と小児の肺炎球菌感染症の予防接種をする前に
Hib(ヒブ)感染症と小児の肺炎球菌感染症の予防接種をする前に必ずお読みください。
Hib(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌は、常在菌の1種で、多くの人は鼻の奥に菌を持っています。
重い病気を引き起こすことはほとんどありませんが、免疫のない乳幼児の場合、重い感染症を起こすこ
とがあります。細菌による子どもの髄膜炎の7∼9割がヒブと肺炎球菌が原因菌であると報告されてい
ます。しかし、Hib(ヒブ)と小児の肺炎球菌による感染症は、ワクチンで防ぐことができる病気です。
1 予防接種の効果と副反応について
予防接種は、感染症の感染、発症、重症化の予防や、感染の拡大を防止するために行われています。
予防接種を受けた人の多くがその疾病に対する免疫を獲得しますが、100%ではありません。また、接種
後に、軽い副反応がみられることがあり、極めて稀ですが、重い副反応がおこることがあります。予防
接種後に見られる副反応としては、下記のとおりです。
(1)通常見られる反応
ワクチンの種類によっても異なりますが、発熱、接種局所の発赤・腫脹(はれ)、硬結(しこり)、発
疹などが比較的高い頻度(数%から数十%)で認められます。通常、数日以内に自然に治るので心配の
必要はありません。
(2)重い副反応
予防接種を受けたあと、接種局所のひどい腫脹(はれ)
、高熱、ひきつけなどの症状があったら、医師
の診察を受けてください。お子さまの症状が予防接種後副反応報告基準に該当する場合は、医師から厚
生労働大臣へ副反応の報告が行われます。
ワクチンの種類によっては、極めてまれ(百万から数百万人に1人程度)に脳炎や神経障害などの重
い副反応が生じることもあります。このような場合、厚生労働大臣が予防接種法に基づく定期の予防接
種による副反応と認定したときは、予防接種法に基づく健康被害救済の給付の対象となります。
(3)紛れ込み反応
予防接種を受けたしばらく後に、何らかの症状が出現すれば、予防接種が原因ではないかと疑われる
ことがあります。しかし、たまたま同じ時期に発症した他の感染症などが原因であることが明らかにな
ることもあります。これを「紛れ込み反応」と言います。
2
ワクチンごとの副反応について
◆「Hib(ヒブ)感染症」について
Hib(ヒブ)とは「ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型」という細菌の名前を略したものです(冬に
流行するインフルエンザウイルスとは関係ありません)。この菌はのどや鼻から入って「中耳炎、副鼻腔
炎、気管支炎」などの感染症のほか、
「Hib(ヒブ)髄膜炎、敗血症、肺炎」などの重い感染症を起こす
ことがあります。
日本では、Hib(ヒブ)による髄膜炎は年間600人が発症し、約30%に「運動麻痺、言語障害、寝
たきり」などの後遺症が残ると言われています。
「Hib(ヒブ)ワクチンの効果と副反応」
①効 果:Hib(ヒブ)ワクチンは世界的に広く使用され効果も高いと言われています。感染の際の発症
や髄膜炎等の重症化予防に有効とされています。
②副反応:接種部位の発赤(赤み)や腫脹(腫れ)が最も多くみられ、接種者の数%に発熱が起こりま
す。非常にまれですが重い副反応として、海外で次のような報告があります。(1)ショック・
アナフィラキシー様症状(じんましん・呼吸困難など)、(2)けいれん(熱性けいれん含む)、
(3)血小板減少性紫斑病
※このワクチンは、製造の初期段階に、ウシの成分(フランス産ウシの肝臓および肺由来成分、ヨーロ
ッパ産ウシの乳由来成分、米国産ウシの血液および心臓由来成分)が使用されていますが、その後の
精製工程と経て、製品化されています。また、このワクチンはすでに世界100カ国以上で使用され
ており、発売開始からの 14 年間に約 1 億 5 千万回接種されていますが、このワクチンが原因で TSE(伝
達性海綿状脳症)にかかったという報告は 1 例もありません。従って、理論上のリスクは否定できな
いものの、このワクチンを接種された人が TSE にかかる危険性はほとんどないものと考えられます。
◆「小児の肺炎球菌感染症」について
肺炎球菌は、細菌による子どもの感染症の二大原因のひとつです。細菌に対する抵抗力のない乳幼児
のうちは、この菌の感染により、細菌性髄膜炎など症状の重い病気を起こすことがあります。生後3か
月から5歳くらいまでが、発症しやすいとされ、細菌性髄膜炎の患者数は、5歳未満の小児10万人あ
たり2.9人、年間で200人程度といわれています。ほかにも、菌血症、肺炎、中耳炎などを起こし
ます。
「肺炎球菌ワクチンの効果と副反応」
①効 果:肺炎球菌による髄膜炎や重い感染症を予防するためのワクチンです。定期接種として実施さ
れている国では、重い感染症の発症数の減少も報告されています。
②副反応:局所反応(接種部位が赤くなる、硬くなる、腫れる)、発熱、嘔吐や食欲不振などの副反応が
起こる頻度は、他のワクチンと同程度とされています。
3 予防接種による健康被害救済制度について
○定期の予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に
支障がでるような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けるこ
とができます。
○健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の
区分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金、葬祭料以外については、治療が終
了する又は障害が治癒する期間まで支給されます。
○ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前ある
いは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症
医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場
合に補償を受けることができます。
○定期の期間を過ぎた予防接種、また、規定の回数を超えた予防接種は、予防接種法に基づかない接種
(任意接種)として取り扱われます。その接種で健康被害を受けた場合は、独立行政法人医薬品医療
機器総合機構法に基づく救済を受けることになりますが、予防接種法に比べて救済の額が概ね二分の
一(医療費・医療手当・葬祭料については同程度)となっています。
※給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、保健所、保健センターへご相談ください。
これまで記載されている内容をよく読み、十分理解した上で、お子さまの予防接種について、受けるか
どうか判断してください。
(問い合わせ)
川口市保健センター
TEL 048-256-2022
FAX 048-256-2023
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