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廃止措置規制と 関連廃棄物管理 - 第1回福島第一廃炉国際フォーラム

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廃止措置規制と 関連廃棄物管理 - 第1回福島第一廃炉国際フォーラム
第1回 福島第一廃炉国際フォーラム
2016年4月、日本 福島
廃止措置規制と
関連廃棄物管理
M W ウェイトマン C.B.
仮訳
内容
• 振り返り
• 教訓、Castles(要塞)、リーダーシップ、価値-
義務、信頼獲得、Heads of Rice(稲穂)
• 調和-共通目標に向けて
• 根本的な方法-リスク低減
• 英国の事例
• 「日は昇る」ー変遷
振り返り
5年前を振り返ってみると:
• 壊滅的な期間
• レジリエンス(回復)と
不屈の精神
• 驚くべき進展
• 学び、状況を見る、先を
見通す
• 危機的状態から、調和
の取れた、穏やかながら
確固たる進展へ
教訓、Castles(要塞)、価値
東電 福島第一からの根本的な教訓:
国内/海外の基準、ベストプラクティスが十分かつ厳格に履行されるようにする
ため、しっかりとして強固な制度上の原子力安全システムが必要
「深層的強み」の原則を活用:
- 全員を関与させる
- 強固かつ深みのある基盤:
- 価値観、力強い安全文化
- 強固な防護ルーフ(最高部):
- 謙虚なリーダーシップ
Castles(要塞) – 「深層的強み」に基く
原則:
•
•
•
独立した強固なレイヤー
それぞれ多様な強度の武器
 弓矢
 槍
 こん棒
 剣
 石
 沸騰した油
単一点/共通モード故障なし
しかし成功は人にかかっている:
•
•
•
人の文化
人の組織
人のリーダーシップ
Utsunomiya Castle
堅牢な原子力安全体制における
独立した主要な3本柱
強力かつ謙虚なリーダーシップ
レイヤー1
レイヤー2
レイヤー3
産業界
規制当局
利害関係者
強固な内部チャレンジ
(異議申し立て)、
ピアレビュー
自由な関与、公開情報
強固な自主規制、
ピアレビュー
主要責任
法的監視
強固な礎石: 価値観と安全文化
責任を問う
強固とはどういう意味か?
腕力ではなく精神力:
• 他者のアイディアに耳を傾け、吸収する強さ
• チャレンジを恐れない強さ
• 新しいアイディアや他者から学ぶ強さ
• ありのまま伝える強さ
• 間違いを認め、そこから学ぶ姿勢を示す強さ
ダビデとゴリアテ
成功に向けたスキル、戦略&
精神力
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堅牢な原子力安全体制
– 価値観の重要性
義務
信頼獲得
産業界
強固な自主規制、
ピアレビュー
規制当局
規制
利害関係者
強固な内部チャ
レンジ(異議申
し立て)、
ピアレビュー
自由な関与、公開情報
信頼獲得
義務
基本的価値として、継続的な改善、開示性、透明性、
義務、信頼を備えた力強い安全文化-
謙虚なリーダーシップ
原子力リーダーシップの重要性
謙虚に導く
- ビジョンを設定、文化を醸成、価値観を体現
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
9
協調 – 廃炉に向けた共通目標
• 堅牢な原子力安全体制の3本柱に向けた共通目標:
– 産業界
– 規制当局
– 利害関係者(公衆、政府等)
• リスク低減
廃炉はリスク主導であり、リスク低減という共通目標達成には
協調性を持って取り組むための3本柱が必要である
- 根本的な方法
リスクと安全性とは何か?
•
•
•
•
•
•
リスク=悪影響の発生確率×損失(= F×C)
安全性-リスクが存在しないこと
「絶対的な安全」なんてものはない
生きていること自体にリスクがある
我々は便益を得るためリスクを許容している
例として・・・
11
リスク例
• 私が来年死亡する確率 ≈
1/100
• 日本での休日に私が車を運
転して自動車事故で死亡す
る確率 ≈ 1/10,000
• 日本で列車移動しているとき
に私が死亡する確率 ≈
2/1000,000
• 2011年5月の福島第一での
私の放射線被ばくにより、
私が最終的に死亡する確率
≈ 4/1000,000
廃炉規制
• 危険な放射性物質(使用済燃料、破損燃料、廃棄物等)を老朽
化、劣化または不安定な状態で保管している場合、優先すべきことは
それを回収し、最新の原子力安全基準に沿って建設された施設に貯
蔵することである。
• その回収期間中、規制当局や他者は以下を容認している:
– 長期的事項を達成するためには、(短期的な)事故または予期せぬ放射
性物質の放出リスクが増える可能性がある
– 作業員の被ばく線量が通常作業時のレベルを上回る可能性がある
– 環境への放射性物質の放出が通常レベルを上回る可能性がある
– また、回収された放射性物質は、処分のための最終コンディショニング(処
理)がなされるまで、中間的な状態(中間ステート)で貯蔵される可能
性がある
高いハザードの、劣化した燃料施設を規制する場合の
類似性&相違点
類似性:
•
•
•
•
認可取得者(事業者)が安全に対する主要な責任を負う
規制当局は安全を確認する
独立した規制当局
孤立していない規制当局
相違点:
•
•
•
•
規制当局はハザードを低減するために操業を止めることができない
規制当局は合理的に実行可能な限り早く廃炉を進めたいと考えている
規制当局は、短期的にリスクが増える可能性を容認しなければならない
進捗に対して、一部の安全原則のバランスを取らなければならない
英国の事例 – セラフィールド
共通目標に向けた早期リスク低減、中間ステー
ト、
協調性を持った取り組み
例 – セラフィールドのレガシー貯蔵プール&
サイロプログラム
1兆円規模のクリーンアップ・プログラム
英国で最も危険な原子力サイト
- 1940年代~1960年代に建設
- 再処理のため1000トン以上の燃料を貯蔵、冷却、準備
- 貯蔵されているインベントリ;使用済燃料、放射性スラグ、廃棄物、雑品
- 施設の劣化、サイト内の超過密区域に配置
- 非常に高い放射線レベル、汚染の可能性
- プールとサイロを安全に空にするプロセスを進行中
- 廃棄物ストリームを処分形態に加工するために新しいプラントが必要
Image courtesy of Sellafield Ltd
主要リスクや危険性低減に関する優先順位
セラフィールド – レガシーポンドとサイロの
リスクの枠組み

 そのまま置かれている廃棄物
 早期に回収された廃棄物
時間 
事例1: マグノックス・スワーフ*貯蔵サイロ
*スワーフ:ウラン燃料棒が取り除かれた後の被覆管廃棄物
事例1: マグノックス貯蔵サイロ
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•
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•
•
•
使用済マグノックス燃料の脱被覆によるスワーフを水張りをしたサイロに収納した
最もハザードが大きいと考えられる原子力施設の一つ
マグノックス・プログラムにおいて、最大3%の使用済燃料を数十年にわたって放置
1950年代に建設
主な課題は水素の生成、マグネシウムと水接触による発熱腐食 等
スワーフのサイロ投入を停止し、容器に封入
建物の強化、放射性廃液を除去&処理-全体の放射能の約3%は、チェルノ
ブイリからの放出の1/10に匹敵する
• しかし・・・
• サイロに残存している廃棄物に伴う潜在的なハザードは依然として甚大である
• 全員がさらにリスクを低減する必要性に同意している
マグノックス・スワーフ貯蔵サイロ
当初の提案
• 廃棄物を深地層貯蔵用の形態に転換
できるようになったプラントが完成した時
点でマグノックス・スワーフ等を回収する
• 回収から処分方法に合致した生成物
にするまでの単一プロセス-22の機械
的回収ステップ、複雑な処理、収納、
貯蔵等
• プロジェクトの最初の契約締結(合計
費用約25億ポンド)、2020年代後半
まで廃棄物回収は開始されない
• すべてに関して、依然としてリスクにさらさ
れる期間が存在することが課題: 早期リ
スク低減が必要
マグノックス・スワーフ貯蔵サイロ
リスク最適化戦略
• 早期リスク低減に基づいた戦略を策定するために、独立規制当局、認可取
得者、NDA、政府等が協調(G6)
• 規制当局は以下を容認する:
– 回収中の一部リスクの増加
– 廃炉/廃棄物管理原則を完全には満たすことができないこと
– 当該廃棄物を回収し、近代的な施設で生(回収したそのまま)の中間状
態で貯蔵することの実施時期を大幅に早め、より信頼性を高める
• 数十年後に処分のため廃棄物をシンプルに処理する3段階的のプロセス
事例2: 1957年のウィンズケール火災による燃料を
扱う廃止措置施設
パイル1*の廃止措置
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•
•
15種類の燃料、同位体-8500項目
4000トンの黒鉛 – 30000個
8500m3 の中レベル廃棄物
炉内にさまざまな損傷、劣化状態の燃料
チャネル内の燃料デブリ
黒鉛、水素化ウラン等の安全関連作業
収納マトリクス(固化方法)や方法論についての
膨大な取り組み
• 燃料チャネル回収工具の開発
*パイル1:ウィンズケール火災を起こした原子炉
ウィンズケール・パイル燃料貯蔵施設
• パイル燃料貯蔵プールの廃止措置
– ウィンズケール・パイルの燃料を貯蔵、
冷却、準備するために利用
– 1940年代後半に建設
– ウィンズケール火災後、数十年間休
眠状態
– 使用済燃料や損傷燃料を含め、650
トンの廃棄物
– 福島第一と類似した問題か
まず、ROV(遠隔作業機)を用いた調査後、
重汚染された機器、数100トンを撤去
50年以上の貯蔵を経た、損傷燃料を含む
さまざまな劣化状態の廃棄物/使用済燃料の取出し
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•
臨界ハザードを伴う一部の事例を含め、
状態が不確かなため、非常に注意深く処
理を行わなければならない
2012年に燃料回収を開始し、100トン以
上の燃料撤去を完了
最新の貯蔵施設に保管し、さらなる処理
を待つ-中間ステート
原動力は、リスクにさらされる期間を減ら
すこと
協働作業により、廃炉の計画期間を大
幅に低減可能・・・・取出しは予定より約
21年早期化
他の劣化燃料を扱うた
めに利用されている遠
隔操作機能を備えた高
活性ケイブ(セル)を使用
「日が昇る」– 福島第一にとっての変遷期?
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危機的状態から、穏やかながら確固たる進展へ
協調性を持って取り組む堅牢かつ強固な原子
力安全体制の3本柱の上に築く
価値の礎石-謙虚、健全性、開示性、透明性、
義務、信頼獲得
謙虚なリーダーシップによって導かれ、守られて
いる
共通目標-リスク主導の廃炉
根本的方法-廃炉はリスク主導のものであり、リ
スク低減という共通目標達成には協調性を持っ
て取り組む3本柱が必要である
規制当局等は基準の変更を容認する
日本人の便益のための調和の取れた廃炉-
世界に対する規範
変遷の時
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