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2012年度業種別部会年間報告

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2012年度業種別部会年間報告
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
2 0 1 2年度業種別部会年間報告
1.関東金属機械部会
1.部会運営について
今年度の部会運営方針は次の通りである。
した具体的事例が示された。
(2)第2回部会
会場はアサヒビール㈱茨城工場を利用させて
頂いた。丸島特許事務所 所長丸島儀一氏より
①グローバルかつドメスティックな視点に立
「ライセンス交渉のポイント」と題し講演頂い
ち,それぞれの課題解決に役立つテーマを
た。A社とS社の両者が多くの国で訴訟を起こ
選定し提供する。
している本当の理由は何か,その背景について
②部会を会員同士の意見交換の場および懇親
の場として提供し,人的交流を図る。
運営に当たっては,具体的な準備は幹事3名
判りやすく説明頂いた。またライセンス交渉は
何のために行うのかの答えとして「自社の強み
を減ずることなく,自社の弱みを解消すること」
を中心に理事1名及び副幹事3名,計7名で対
とのメッセージが伝わった。また事業と知財と
応した。
を一体として活用することの重要性について解
2.部会活動について
説頂いた。
行事一覧に示すとおり,5回の部会講演会を
開催した。
(3)第3回部会
会場はヤマハ株式会社にご提供頂き,ヤマハ
部会でのテーマに関するアンケートでは,従
㈱ 知的財産部 部長大下晋氏より「ヤマハ株
来通り特許活用・価値評価,特許係争,特許管
式会社の知財管理について」と題しご講演頂い
理,技術契約(特許も含む)
,技術開発と特許
た。
といったテーマが上位を占めたが,現在の企業
エレクトロニクス関係の特許出願では,音に
に必須なグローバルな視野に加え,ドメスティ
絡めた発明を積極的に出願し,登録率アップの
ックな課題についても講演テーマとした。
ための活動も積極的に行っている。ハウスマー
講師としては各テーマに応じ,弁護士,弁理
ク「YAMAHA」についてはヤマハ発動機と協
士,企業関係者に依頼した。また当年度は3年
力して権利を管理している。著作権については
ぶりに専門委員会から講師2名を招いた。
電子楽器の内蔵デモ楽曲等権利者からの使用許
各回とも講演会終了後,会員同士の交流を深
めることを目的とした懇親会を開催した。
各部会の概要,概況を以下に示す(行事一覧
参照)
。
(1)第1回部会
会場として,日立金属㈱高輪和彊館を利用し
諾取得の困難性などの解説があった。
講演会終了後は,掛川工場でのピアノ製造ラ
インの工場見学を行った。
今回は宿泊開催であるが講演会のみの参加も
可能としたうえで,懇親会はヤマハリゾートつ
ま恋に場を移し,会員相互の意見交換及び親睦
た。第1回として過去3年間継続してきた中国
を大いに深めた。
での知財の課題を取り上げ,
「中国における知
(4)第4回部会
財面での課題およびその対応」と題し,中国専
会場は本田技研工業㈱ホンダ青山ビルを利用
利代理(香港)有限公司 中国弁護士・弁理士 させて頂き,3年ぶりに専門委員会からご講演
毛立群氏にご講演頂いた。2011年の知財紛争は
頂いた。最初に,特許第1委員会第5小委員会 約8,000件,外国人を被告とする案件も増加し
橋尾知容氏より「出願人の視点によるプロダク
1,321件であった。その他侵害訴訟上の留意点,
ト・バイ・プロセス・クレームに関する検討」
契約での用語の定義の重要性など,実務に直結
と題しご講演頂いた。講演では最近の判決例・
20
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
審決例と審査基準から導かれる実務上の留意点
むことで事業展開を優位に進めることが出来る
等について見解が述べられた。
こと,知的財産から考える競争力の本質はどこ
次に知的財産マネジメント第2委員会第1小
委員会 内藤明氏より「事業のグローバル化と
にあるか等,独自の視点で解説して頂いた。
懇親会では講師にも参加頂き,意見交換およ
連携した特許出願戦略の研究」と題しご講演頂
び親睦・交流を深めることができた。
いた。ここでは日本企業が抱えている外国出願
3.むすび
の課題につき先進企業のアンケートを基に整理
部会への参加や会場のご提供を頂いた会員各
報告され特許出願戦略を策定する上での提言が
位,また知財協事務局のご担当の皆さまのご協
なされた。
力を得て,予定どおりの部会を開催することが
(5)第5回部会
出来ました。また部会後のアンケート結果より
JFEスチール㈱本社ビルに会場のご提供をい
ただき,土生特許事務所 所長土生哲也氏より,
新時代の経営における知財マネジの権利化の本
会員への利益享受にも貢献できたかと思ってお
ります。
ここに関係各位に心より御礼申し上げます。
質は顧客の囲い込みにあり3つのステップを踏
関東金属機械部会行事一覧
部会
時・所
出席数
内 容 第1回
6月8日(金)
日立金属㈱
高輪和彊館
84社
105名
第2回
9月12日(水)
アサヒビール㈱
茨城工場
73社
93名
1.部会報告
2.講演:ライセンス交渉のポイント
講師:丸島特許事務所 所長 弁理士 丸島 儀一氏
3.工場見学
4.懇親会
第3回
10月26日(金)
ヤマハ㈱掛川工場
ハーモニープラザ
(宿泊開催)
39社
44名
1.部会報告
2.講演:ヤマハ株式会社の知財管理について
講師:ヤマハ㈱ 知的財産部 部長 大下 晋氏
3.工場見学
4.懇親会(宿泊)
第4回
12月7日(金)
本田技研工業㈱
ホンダ青山ビル
74社
92名
1.部会報告
2.講演(1)
:出願人の視点によるプロダクト・バイ・プロセス・クレーム
に関する検討
講師:特許第1委員会第5小委員会 橋尾 知容氏
講演(2)
:事業のグローバル化と連携した特許出願戦略の研究
講師:知的財産マネジメント第2委員会第1小委員会 内藤 明氏
3.懇親会
第5回
2月22日(金)
JFEスチール㈱
本社ビル
62社
82名
1.部会報告
2.講演:新時代の経営における知財マネジメントの役割
講師:土生特許事務所 所長 弁理士 土生 哲也氏
3.懇親会
1.部会報告
2.講演:中国における知財面での課題およびその対応
講師:中国専利代理(香港)有限公司
中国弁護士・弁理士 毛 立群氏
3.懇親会
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2.関東電気機器部会
1.活動方針
異業種見学として,味の素㈱川崎事業所の工
場見学の後,味の素㈱の柳生一史氏より「味の
素グループにおける知的財産の取組みについ
前年度と同様に,①会員相互や講師との交流
て」と題してご講演をいただいた。電機業界と
の促進,②若手・女性など参加者の幅を拡大,
は違った貴重な知見を聴くことが出来た。講師
③多岐にわたる業種・知財業務経験等を考慮
の柳生氏,味の素㈱知的財産部の松村氏を交え
し,会員の希望をできるだけ反映した運営,の
ての懇親会を行い,会員相互の意見交換,異業
3点を活動方針とした。具体的には,講演後の
種交流を行い,親睦を深めた。
テーブルディスカッションや懇親会を通じて参
(4)第4回
加者がなるべく多くの方と交流できるよう努め
3会場並行開催の部会として,会員企業の若
るとともに,アンケートで希望の多かったテー
手・女性の参加を念頭に幅広い層に参加いただ
マを中心に幅広いテーマ設定を心がけ多様な人
くため,知財教育,中国模倣対策,標準化の3
材参加を目指した。
つのテーマ設定を行った。テーマ1は「セイコ
2.活動実績
ーエプソンの知的財産戦略―中国における違法
年度当初の計画どおり5回の部会を開催した
(下表参照)
。
(1)第1回
模倣品対策を通じて―」と題する中国の違法模
倣品対策についてセイコーエプソン㈱の山口 隆氏から,テーマ2は「凸版印刷の知財教育」
部会活動方針説明の後,外国法律事務弁護士
と題して凸版印刷㈱の加藤達夫氏から,テーマ
のヘンリー幸田氏から「未来のパテント・ポー
3は「標準化戦略に連携した知財マネージメン
トフォリオ戦略」と題し,第1部では知財制度
ト」と題して特許庁の永野志保氏から,それぞ
の歴史と国家経済の関係から現在の知財をめぐ
れご講演いただいた。想定に違わず幅広い層の
る世界の潮流,米国特許法改正のポイントにつ
方々が多数参加し,テーブルディスカッション
いて,第2部では米国のパテント・ポートフォ
や懇親会でも活発な意見交換が行われ,参加者
リオ戦略から日本企業のための未来のパテン
相互や講師との交流を図ることが出来た。
ト・ポートフォリオ戦略についてご講演いただ
いた。
(2)第2回
電気機器部会の関東/関西合同で開催した。
(5)第5回
部会活動年度報告の後,みずほ情報総研㈱
野口博貴氏より「企業の利益に貢献する知的財
産活動」と題して,データ,実例を用いながら
YKKセンターパークの見学後,会場を移し,第
ご講演をいただいた。多くの参加者が質疑でき
1部として特許庁特許審査第四部長の関 和郎
るように,参加者が質問を記入した付箋紙を回
氏に「今後の特許審査の重点施策」と題してご
収/分類分けし,講師から回答するという新た
講演いただき,事前アンケート調査結果(JPO
な質疑方法を採用して参加者との意見交換を行
のサーチ品質,特許性審査,特許庁への要望等)
った。
を担当理事から報告した後,参加者と講師の間
3.むすび
で 意 見 交 換 を 行 っ た。 第 2 部 で はYKK㈱ の
永安孝志氏より「YKKにおけるグローバル知
財活動について」と題してご講演をいただいた。
今年度の延べ参加者数は537名で,昨年度並
みであった。
新たな試みとして,第2回部会では事前アン
その後,宿泊先にて懇親会を開催し,意見,情
ケートによる意見交換,第5回部会では付箋紙
報交換を行うとともに,会員相互の親睦を大い
を利用した質疑方法を実施した。多くの参加者
に深めた。
の積極的かつ率直な意見交換,質疑応答の役に
(3)第3回
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立てることが出来た。
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
テーマ設定に関しては,アンケート結果を参
最後に,知財協関係者の方々,会員各位,講
考にして「知財戦略」に関するテーマを多く設
師の方々の多大なご指導・ご協力をいただき,
定する一方で,第2回,第3回のような「企業
また幹事各位の精力的な活動のおかげで,本年
の知財活動紹介」や第4回の「知財教育」
「中
度の部会行事を予定どおり終えることができま
国模倣品対策」のように,知財協の講演だから
した。この場をお借りし,皆様に心より御礼申
こそ聴けるテーマ設定を行い,参加者のアンケ
し上げます。
ートも好意的な意見が多かった。
行事一覧
部会
時・所
出席数
87社
143名
内 容
第1回
6月7日(木)
ゆうぽうと(五反田)
◇部会活動方針報告
◇講演 「未来のパテント・ポートフォリオ戦略」
講師 ヘンリー 幸田氏
:DLA Piper法律事務所シニアカウンセル
ニューヨーク州弁護士
第2回
9月7日(金)
~8日(土)
宇奈月ニューオータニホテル
富山県黒部市
<関東/関西合同>
57社
74名
◇工場見学(YKKセンターパーク)
◇講演 「今後の特許審査の重点施策」
◇意見交換 「事前アンケート結果報告と意見交換」
講師 関 和郎氏:特許庁特許審査第四部長
◇講演 「YKKにおけるグローバル知財活動について」
講師 永安 孝志氏:YKK㈱ 知的財産グループ長
第3回
10月19日(金)
味の素㈱
川崎事業所
68社
96名
◇工場見学(味の素㈱ 川崎事業所)
◇講演 「味の素グループにおける知的財産の取組みについて」
講師 柳生 一史氏:味の素㈱ 理事・知的財産部長
第4回
12月6日(木)
ゆうぽうと(五反田)
<3会場並行開催>
80社
117名
◇講演 「セイコーエプソンの知的財産戦略―中国における違法
模倣品対策を通じて―」
講師 山口 隆氏:セイコーエプソン㈱ 知的財産本部
◇講演 「凸版印刷の知財教育」研究所での知財教育が中心
講師 加藤 達夫氏:凸版印刷㈱ 知財推進チーム 部長
◇講演 「標準化戦略に連携した知財マネージメント」
講師 永野 志保氏:特許庁特許審査第四部 審査官
第5回
3月7日(木)
ゆうぽうと(五反田)
76社
94名
◇部会活動年度報告
◇講演 「企業の利益に貢献する知的財産活動」
講師 野口 博貴氏:みずほ情報総研㈱ チーフコンサルタント
3.関東化学第一部会
1.部会の運営について
本年度も昨年に引き続き以下の方針で活動し
②‌会員相互の親睦と研鑽を目的とし,業種や
世代を超えた人的交流を図る。
③‌会員の意見の収集と知財協運営への反映を
図る。
2.部会活動について
た。
(運営方針)
キーワード:
「人の繋がり」と「進取の気風」
①‌多くの会員が参加でき,会員のグローバル
な知財活動に有用な部会の企画・運営を図
る。
例年通り5回の部会を開催した。概要は以下
のとおりである(下表参照)
。
(1)第1回部会
昭和電工㈱の赤壁幸江氏から,中国・インド
の特許調査における各社対応状況と中国特許調
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※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
査手法を解説して頂き,知的財産情報検索委員
資する知財マネジメントに関して,①なぜ知財
会副委員長の2氏(トヨタテクニカルディベロ
が重要か,②知財マネジメントの基本的働き,
ップメント㈱:森田陽介氏,㈱村田製作所:谷
③知財マネジメント機能を経営に役立てるため
﨑透氏)から,インド特許調査手法と中国事業
に,④知財から考える競争力の本質,⑤技術開
展開のための情報収集・解析手法をそれぞれ解
発とブランド育成について解説して頂いた。
(5)第5回部会
説して頂いた。
北海道大学大学院法学研究科教授の田村善之
(2)第2回部会
山梨県のサントリー白州蒸溜所において,サ
氏から,職務発明に関して,①趣旨,②要件,
ントリーホールディングス㈱知的財産部部長の
③法定通常実施権,④契約・勤務規則等による
高本知己氏から,サントリーグループの概況,
権利の承継,⑤相当の対価の請求権及び額の算
ブランド保護活動,黒烏龍茶の裁判事例につい
定,⑥消滅時効・遅延損害金,⑦準拠法につい
て解説して頂いた後,ウイスキー製造工程と天
て解説して頂いた。
然水工場を見学した。その後,東京で懇親会を
(6)関東・関西化学関係部会合同幹事会
催し親交を深めた。
(2012年9月14日(金)
~15日(土)
)
(3)第3回部会
見学:コマツ粟津工場(石川県)
兵庫県のキユーピー㈱伊丹工場において,マ
幹事会:ゆのくに天祥 会議室
ヨネーズの製造工程を見学した後,同社知的財
関西化学部会(3名)
,関東化学第二・商社
産室室長の濱千代善規氏から,会社の歴史・事
部会(9名)
,関東化学第一部会(7名)が参
業概況,商標・著作権に関する歴史と争い,特
加し,各部会の運営・現状の紹介,グローバリ
許を中心とした戦略について解説して頂いた。
ゼーションと知財活用などについて意見交換を
その後,神戸有馬で懇親会を催し親交を深めた。
行った。その後,懇親会を催し親交を深めた。
翌日,江崎グリコ㈱グループ法務部部長の古
池俊彦氏から,創業時からの商品「グリコ」
,
3.むすび
今年度の部会の企画,運営に当たり,日本知
ポッキーブランドとビジネス展開,知財と企業
的財産協会関係者,会員各位,部会幹事OBの
の有り方,マーケティング・イノベーションに
皆様,講師の方々などから多くのご助言,ご指
ついて解説して頂いた。その後,グリコピア神
導,ご協力を賜り,部会活動を円滑に行うこと
戸において,ポッキー・プリッツの製造工程を
ができました。厚く御礼申し上げます。また,
見学した。
多忙な中,精力的に準備等にあたって頂いた幹
事の皆様,幹事を派遣下さった会員各位に心か
(4)第4回部会
弁理士の土生哲也氏から,企業の成長戦略に
ら深く感謝申し上げます。
関東化学第一部会活動概要
部会
時・所
第1回
(講演会)
2012年5月24日(木)
・全国家電会館
24
出席数
内 容
93社 1.講演① ‌
「新興国の特許調査手法の研究/中国特許調査の重要
‌
152名
性と各種選択岐の考察」
講師 昭和電工㈱ 赤壁 幸江氏
講演② ‌
「新興国の特許調査手法の研究/インド特許調査手法
‌
に関する研究」
講師 知的財産情報検索委員会副委員長
森田 陽介氏(トヨタテクニカルディベロップメント㈱)
講演③ ‌
「中国への事業展開のための情報収集・解析手法に関
‌
する研究」
講師 知的財産情報検索委員会副委員長
谷﨑 透氏(㈱村田製作所)
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2.部会の活動方針及び年間計画の説明
3.懇親会(講師・関係者含め49名参加)
第2回
2012年7月13日(金)
(バス部会) ・サントリー
白州蒸溜所
天然水白州工場
45社
65名
第3回
2012年9月28日(金)
(宿泊部会) ~29日(土)
・キユーピー㈱
伊丹工場
・有馬ビューホテル
うらら
・グリコピア神戸
30社 1.見学① キユーピー㈱伊丹工場
45名 見学② グリコピア神戸
2.講演① 「キユーピーの会社状況と知的財産活動の紹介」
講師 キユーピー㈱
知的財産室 室長 濱千代 善規氏
講演② 「ブランドの育成,利用 江崎グリコの場合」
講師 江崎グリコ㈱ グループ法務部 部長 古池 俊彦氏
3.懇親会(有馬ビューホテル うらら)
1.見学 サントリー白州蒸溜所・天然水白州工場
2.講演 「サントリーのブランド保護活動~黒烏龍茶裁判を中心
に~」
講師 サントリーホールディングス㈱
知的財産部 部長 高本 知己氏
3.懇親会(東京・五反田 TOKO HOTEL)
第4回
(講演会)
2012年11月16日(金)
全国家電会館
93社
121名
1.講演 「企業の成長戦略に資する知財マネジメント~市場創造
の視点から知財マネジメントの機能を再考する~」
講師 弁理士 土生 哲也氏
2.懇親会(講師含め40名参加)
第5回
(講演会)
2013年1月29日(火)
全国家電会館
97社
129名
1.講演 「職務発明に関する補償金請求訴訟の最新動向」
講師 北海道大学大学院法学研究科教授 田村 善之氏
2.懇親会(講師含め43名参加)
4.関東化学第二・商社部会
1.運営方針
下記方針により本年度の部会を運営した。
(1)さらなる知財活動充実のため,価値ある
情報,会員の関心が高い情報を提供する。
ー ソ ン ・ フ ァ ラ ボ ー・ ギ ャ レ ッ ト & ダ ナ ー
L.L.P. 東京事務所 米国弁護士吉田直樹氏に
ご講演いただいた。米国改正特許法とそれに伴
うルール改正について,実務への影響を踏まえ
て解説をしていただいた。
(3)第3回部会
(2)会員相互の円滑なコミュニケーションの
講演会と工場見学とを宿泊部会形式で開催し
ために,会員相互の親睦と情報交換の場を提供
た。
「トヨタ自動車の知的財産活動」と題して
する。
トヨタ自動車㈱知的財産部長 佐々木剛史氏に
2.部会活動
ご講演いただいた。講演会では,トヨタ自動車
(1)第1回部会
の知財活動体制,戦略特許活動,他社特許対応,
「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム~
自動車産業の環境変化と取り組み等について解
大合議判決を受けて~」と題して,
阿部・井窪・
説をしていただいた。また,トヨタ自動車㈱堤
片山法律事務所の弁護士北原潤一氏にご講演い
工場を見学し,トヨタ生産方式について理解を
ただいた。プロダクト・バイ・プロセス・クレ
深めた。
ームに関する知財高裁大合議判決の内容,判決
(4)第4回部会
で示されたルール,無効論・侵害論への影響,
「伝統産業から学ぶプロフェッショナル人材
出願時の留意点につき解説をしていただいた。
マネジメント~京都花街の自律的人材育成方法
(2)第2回部会
~」と題して,京都女子大学現代社会学部 准
「米国改正特許法の留意点及び実務に与える
教授 西尾久美子氏にご講演いただいた。京都
影響について」と題して,フィネガン・ヘンダ
花街の芸舞妓の人材育成のシステムについて,
25
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京都花街の伝統,基礎知識,ビジネス形態とと
リゼーションと知的財産の活用」について意見
もに,経営学的視点から解説をしていただいた。
交換を行った。また㈱小松製作所 粟津工場を
(5)第5回部会
見学し,ホイールローダー等の産業用車両の製
「著作権の実務2013:業務・研究目的でどこ
造工程について理解を深めた。
まで出来るか」と題して,骨董通り法律事務所 弁護士福井健策氏にご講演いただいた。著作権
の基本知識,企業の現場や研究目的のための作
3.むすび
会員のニーズに応じた有用情報を提供できる
ように本年度のテーマの設定を行いました。
品・資料の利用はどこまで可能か,デジタル・
全5回の部会とも盛会のうちに行うことがで
ネットをめぐる最近の著作権問題について,実
きたのは,会員各位,講師の方々,施設見学を
践的な観点から解説をしていただいた。
ご提供頂いた方々,および日本知的財産協会事
(6)化学関連東西合同幹事会
務局など,多数の方々のご厚意とご協力による
関西化学部会,関東化学第一部会及び当部会
の各幹事から,各部会の運営,現状を紹介し,
ものと感じております。この場をかりて,心よ
り御礼を申し上げます。
今後の部会運営の参考とした。また「グローバ
関東化学第二・商社部会行事一覧
部会
時・所
出席数
内 容
第1回
2012年6月1日(金)
明治ホールディングス㈱
講堂
56社
93名
1.講演:
「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム~大合議
判決を受けて~」
講師:阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士 北原潤一氏
2.懇親会
第2回
2012年8月3日(金)
キリン横浜ビアビレッジ
会議室
62社
97名
1.講演:
「米国改正特許法の留意点及び実務に与える影響に
ついて」
講師:フィネガン・ヘンダーソン・ファラボー・ギャレッ
ト&ダナー L.L.P. 米国弁護士 吉田 直樹氏
2.見学:キリン横浜ビアビレッジ
3.懇親会
第3回
2012年11月9日(金)
~11月10日(土)
トヨタ自動車㈱
本社トヨタ会館,堤工場
30社
37名
1.講演:
「トヨタ自動車の知的財産活動」
講師:トヨタ自動車㈱ 知的財産部長 佐々木 剛史氏
2.見学:トヨタ自動車㈱ 堤工場
3.懇親会
第4回
2012年12月7日(金)
持田製薬㈱
ルークホール
47社
57名
1.講演:
「伝統産業から学ぶプロフェッショナル人材マネジ
メント~京都花街の自律的人材育成方法~」
講師:京都女子大学 現代社会学部
准教授 西尾 久美子氏
2.懇親会
第5回
2013年2月15日(金)
日清食品ホールディングス㈱
東京本社
イベントホール
65社
96名
1.講演:
「著作権の実務2013:業務・研究目的でどこまで出
来るか」
講師:骨董通り法律事務所 弁護士 福井 健策氏
2.懇親会
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※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
5.関西金属機械部会
1.運営方針
どを見学した。
(3)第3回部会
例年通り,第3回部会は関西三業種合同部会
本年度の日本知的財産協会・基本方針のう
(金属,電機,化学)をマツダ㈱の本社工場に
ち,
「グローバル活動の推進」
,
「JIPA内部活動
て開催した。開催にあたり,7月の関西部会で
の活性化」を受け,当部会として「事業に役立
参加呼びかけを行ったこともあり,86名の参加
つ知財情報の提供と企業間交流の活性化」の方
があった。当日は工場敷地内のマツダミュージ
針のもと,以下の3項目を目的として活動を行
アムと製造ライン見学の後,マツダ㈱知的財産
った。
部長の安藤誠一氏,アシスタントマネージャー
(1)事業のグローバル戦略に必要な知財情報
の提供
(2)自社知財活動に反映できる異業種知財活
動の紹介
(3)企業間交流の活性化による各社の知財力
アップ
2.部会活動
今年度も例年通り5回の部会を開催した。
一覧を別表に記載するが,概要は以下の通り
である。
(1)第1回部会
の水嶋浩治氏に「マツダの知的財産戦略の紹介」
と題して講演いただいた。長期ビジョンに沿っ
て,走る喜びに加え環境・安全性能を高いレベ
ルで調和させたクルマの実現に向けた開発が行
われており,これらの開発を知財面で支援する
特許活動,ブランド戦略などについて実例を交
えながらの解説であった。
(4)第4回部会
例年同様,関西電気機器部会とともに二業種
合同部会として開催した。講演は元キヤノン㈱
専務取締役の弁理士丸島儀一氏に「企業のグロ
滋賀県彦根市のフジテック本社工場を見学し
ーバル特許戦略のあり方」と題して講演いただ
た後,本年度の部会運営方針と活動計画を説明
いた。これまでの産官学各界における貴重なご
し,大阪工業大学知的財産学部長,同大学院知
経験を基に,グローバル競争が激化する中,日
的財産研究科長の田浪和生氏に「企業における
本企業の知的財産戦略のあるべき姿について,
マネージメントと一体の知的財産戦略遂行のあ
事業を強くする知財経営という視点で,権利活
り方」と題して講演いただいた。30年以上に亘
用,技術標準化,人材育成など,具体的事例を
るキヤノンでのご経験を基に,企業経営と知的
挙げて解説いただき,大変参考になる講演であ
財産,研究開発とイノベーション,知的財産活
った。
用とマネージメントなどについて具体的事例を
交えたご講演であった。
(2)第2回部会
(5)第5回部会
静岡県にて,例年同様宿泊部会として開催し
た。工場見学は㈱バンダイのホビーセンターで,
兵庫県西宮市の白鹿記念酒造博物館にて開催
ここではプラモデルの開発~生産の全てが行わ
した。講演は,アジア諸国における知財問題に
れており,生産効率の向上,高品質化が図られ
豊富な知識と経験をお持ちの道頓堀法律事務所
ていた。講演は,㈱バンダイ法務・知的財産部
の弁護士尾近正幸氏に「アジア諸国における営
長の小薗江健一氏に「バンダイの知財活動の今
業秘密-取扱い上のリスクと実務上の諸問題
と,変革の歩み」と題して講演いただいた。玩
-」と題して講演いただいた。新日鉄と韓国ポ
具業界の知財事情に即した知財戦略の考え方,
スコとの係争の判決内容を中心に,韓国,中国,
キャラクタービジネスの仕組み,中国における
台湾,インドなどのアジア諸国における営業秘
模倣品対策などについて,具体的事例を挙げて
密の考え方を講演いただいた。見学は,白鹿記
丁寧に解説いただき,異なる業種でありながら,
念酒造博物館付属の酒蔵館にて,昔の酒造りな
大変参考となる興味深い講演であった。
27
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
員相互の活発な交流を行うこともできたと考え
3.まとめ
「経営に資する」および「グローバル」をキ
る。最後に,部会の運営にご協力いただきまし
ーワードとして,事業に役立つ知財情報の提供
た講師,見学先の方々,ならびに日本知的財産
を目的として活動を行った。懇親会を含めて会
協会の事務局の方々に厚く御礼申し上げます。
関西金属機械部会行事一覧
部会
時・所
第1回
2012年6月15日(金)
フジテック㈱
(本社・工場)
22社
38名
・見学:フジテック本社・工場
・講演:
「企業におけるマネージメントと一体の知的財産戦
略遂行のあり方」
・講師:大阪工業大学 大学院知的財産研究科長
知的財産学部 学部長 田浪 和生氏
・懇親会
第2回
2012年9月7日(金)
白鹿記念酒造博物館
(酒蔵館)
26社
34名
・見学:白鹿記念酒造博物館酒蔵館
・講演:
「アジア諸国における営業秘密―取扱い上のリスク
と実務上の諸問題―」
・講師:道頓堀法律事務所 弁護士 尾近 正幸氏
・懇親会
第3回
三業種合同
(宿泊)
出席数
内 容
2012年10月26日(金)
18社
~27日(土)
24名
マツダ㈱
(計65社,86名)
(本社・工場)
第4回
二業種合同
2012年12月7日(金)
住友クラブ
第5回
(宿泊)
2013年3月1日(金)
~2日(土)
㈱バンダイ
(ホビーセンター)
・見学:マツダ㈱本社工場・マツダミュージアム
・講演:
「マツダの知的財産戦略の紹介」
・講師:マツダ㈱ 知的財産部長 安藤 誠一氏
・懇親会
31社 ・講演:
「企業のグローバル特許戦略のあり方」
40名 ・講師:丸島特許事務所 所長 弁理士 丸島 儀一氏
(計63社,96名) ・懇親会
25社
31名
6.関西電気機器部会
1.活動テーマ
日本企業復活に向けて~関西知財力UP~
①知財と事業の連携
・今,我々に必要な知財パフォーマンスを考
える。
・知財活動と事業・技術開発との相互作用を
促進する。
・見学:㈱バンダイホビーセンター
・講演:
「バンダイの知財活動の今と,変革の歩み」
・講師:㈱バンダイ法務・知的財産部 部長
小薗江 健一氏
・懇親会
先進事例に触れる場を提供する。
(2)異業種,
東西合同などの交流の場を提供し,
相互作用によるマインド変革を促進する。
(3)活動に参加する層を拡大することで,幅広
い情報や意見を交換し人材育成に資する。
(4)関西知財パワーを発揮して企業活動を活
性化する。
3.部会活動
本年度は別表の行事一覧に示す通り5回の部
②グローバル知財活動
会を開催した。上記テーマと方針に沿って,会
・グローバル知財活動の知識共有化を図る。
員が知財と事業の連携・グローバル知財活動を
・グローバル時代の知財戦略を再構築する。
考え討議できるよう,講師と題材を選定して実
2.活動方針
(1)会員における成功事例やグローバルでの
28
施した。
4.活動総括
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
2012年度も関西電機業界は厳しい経営環境に
与した。そしてこれは,日本企業のグローバル
さらされ各社が構造改革を進める中,知財業界
ビジネスを強くするために知財部門が活躍する
も転換期に入ったと言える。今後,我々は従来
一助になったのではないかと考える。本年度後
にない発想と方策で知財パフォーマンスを向上
半になりやっと経済状況改善の兆しが見えてき
させることが求められ,企業知財部門の活動の
た今こそ,日本企業のグローバル競争力復活に
あり方がより問われるものと思われる。この様
向け企業の知財活動がより活発になるよう当部会
な状況下,本年度は知財活動の原則に立ち戻り
の来年度の活動が益々発展することを期待する。
「事業連携」と「グローバル」の2つのキーワ
最後に,本年度の部会参加人数が昨年度を上
ードを基に部会活動に取り組んだ。すなわち,
回る事ができたのは,会員各社のご協力の賜物
企業の知財活動(第2回,3回部会)
,企業の
であり,参加頂いた皆様,送り出して頂いた会
知財戦略(第4回部会)
,グローバル知財(第
員代表の皆様にお礼申し上げます。また,部会
1回,5回部会)に関する有意義な講演会開催
運営に際し,一方ならぬご支援を頂いたJIPA
や,会員相互間および講師との情報交換を行う
事務局の皆様,講師をお引き受けいただいた皆
場を提供した。その結果,日本企業復活に向け
様,施設見学や会場提供をご快諾頂きました皆
た企業知財のあり方を考えるきっかけ作りに寄
様にもお礼申し上げます。
関西電気機器部会行事一覧
*出席数( )内は合同部会における関西電気機器部会の社数・人数
部会
第1回
(単独:半日)
関西電気機器
部会
時・所
2012年6月22日(金)
見学 関西電力㈱
「堺太陽光発電所」
講演 関西電力㈱
堺港発電所
PR館「エルクール
さかいこう」
出席数
34社
50名
内 容
1.工場見学 関西電力㈱堺メガソーラー発電所
2.部会(2012年度運営方針説明など)
3.講演会
特許庁 総務部 企画調査課長 後谷 陽一氏
「中国知財事情と企業の対応」
4.懇親会 中国料理 泰平樓(堺市)
第2回
2012年9月7日(金)
57社 1.工場見学 YKK㈱黒部事業所
(合同:宿泊) ~8日(土)
74名 2.講演会
東西合同電気 (日帰り参加も可能)
(19社) ①特許庁審査第四部 部長 関 和郎氏
「今後の特許審査の重点施策」
機器部会
見学 YKK㈱黒部事業所
(20名) ②YKK㈱ 法務・知財センター知的財産グループ長 (富山県 黒部市)
永安 孝志氏
講演 宇奈月ニューオータニ
「YKKにおけるグローバル知財活動について」
ホテル
3.懇親会 宇奈月ニューオータニホテル
第3回
2012年10月26日(金)
(合同:宿泊) ~27日(土)
関西三業種 (日帰り参加も可能)
合同部会
見学 マツダ㈱本社工場
(電気・化学
(広島)
・機械)
講演 同上
65社
86名
(19社)
(26名)
1.見学 マツダ㈱
2.関西部会(会務報告)
3.講演会
マツダ㈱ 知的財産部長 安藤 誠一氏
アシスタントマネージャー 水嶋 浩治氏
「マツダの知的財産戦略の紹介」
4.懇親会 ホテルグランヴィア広島
第4回
2012年12月7日(金)
(合同:半日) 住友クラブ
関西二業種合 (大阪市西区江戸堀)
同部会
(電気・金属
機械)
63社
96名
(32社)
(56名)
1.講演会
元キヤノン㈱専務取締役 弁理士 丸島 儀一氏
「企業のグローバル特許戦略のあり方」
2.懇親会 住友クラブ
29
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
第5回
2013年2月22日(金)
(単独:半日) 小西酒造 長寿蔵
関西電気機器 (兵庫県 伊丹市)
部会
40社
52名
1.部会(2012年度活動報告など)
2.講演会(米国特許実務の現状について)
①Posz Law Group PLC,奈良先端科学技術大学院大
学客員准教授,弁理士,米国パテントエージェント 吉田 哲氏
「米国特許実務の問題点と将来の業務改善への提言」
②Amster Rothstein & Ebenstein LLP,
元OceanTomoLLC Director,米国弁護士 藤森 涼惠氏
「米国特許に関わる近年の傾向」-訴訟・活用の観
点から-
3.懇親会 小西酒造 長寿蔵
業種担当理事 水方 勝哉 (シャープ㈱)
幹事 谷澤 靖久 (古野電気㈱)
幹事 内田 堅二 (関西電力㈱)
幹事 松本 宗久 (ダイキン工業㈱)
7.関西化学部会
1.部会運営
本年度は,以下の重点活動方針に基づいて部
会を運営した。
①‌‌グローバル活動を支える知財情報の提供と
研究
②‌‌知的財産実務を支える専門情報および人材
育成のため情報の提供と研究
③部会会員相互の情報共有と親睦
2.部会活動
上記方針に従い,別表に示す通り5回の部会
を開催した。以下に各部会の概要を示す。
(1)第1回部会
は,特許出願要否判断,特許維持・管理,外部
依頼,知財教育などが挙げられる。
質疑応答の後,講師にもご参加いただき,懇
親会でも活発な議論がなされた。
(2)第2回部会
会場として,セキスイハイム奈良工場会議室
を利用させて頂き,講演に先立ち,工場見学を
させて頂いた。
謝国際特許事務所所長弁理士謝卓峰氏より,
「中国事業に対応する企業の知的財産マネジメ
ントの構築―最近の中国における変化を中心に
―」と題して,最近の重要知財訴訟判決の紹介
も含めてご講演頂いた。
①強い権利を取得するために,進歩性,記載
本年度の部会運営方針及び年間活動計画の説
要件を考慮した明細書の作成が重要である。実
明の後,大阪工業大学大学院知的財産研究科教
験データの後出しは基本的に認められない。誤
授宇佐見弘文氏より,
「企業経営に活用する特
訳対策は依然として重要である。
許戦略―費用対効果を考慮した特許コスト戦略
②最高人民法院の司法解釈のうち,クレーム
―」と題し,企業でのご経験も踏まえてご講演
解釈の基準としては,1条,2条,6条および
頂いた。
7条が特に重要である。
①知的財産業務は,新商品の創出,商品の市
場への提供,商品の独占的販売,といった企業
活動全体を保護することが大切である。
②知的財産業務の成果と評価は,新商品の優
秀性(販売高,利益)に対して貢献度を数値化
して行う。
③特許関連費用の効率化の対象項目として
30
③ライセンサーの責任を規定する353条,4
条2項・3項にも留意すべきである。
質疑応答の後,講師にもご参加いただき,懇
親会でも活発な議論がなされた。
(3)第3回部会
関西部会・関西三業種合同部会を,建設部会
会員の参加も得て宿泊部会として開催した。
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
会場として,マツダ㈱本社講堂を利用させて
頂いた。
ンプラザを見学させて頂いた。
金沢工業大学大学院教授 一色正彦氏より
久慈専務理事より10月度常務理事会報告があ
「交渉学研究を活用した人材育成」と題してご
った。マツダミュージアム見学の後に,マツダ
講演頂いた。また,模擬交渉のデモによる学習
㈱知的財産部長安藤誠一氏より「マツダの知的
方法の具体例をご紹介いただいた。
財産戦略の紹介」と題してご講演頂いた。
①知財が一括企画へ参画することで,従来の
車種開発の流れに沿った関与から,より上流で
の特許活動へシフトしている。
②北米と中国駐在メンバーによりグローバル
な特許活動を強化している。
③知財戦略はブランド戦略と一心同体であ
り,また,模倣品対策は団体活動が効果を上げ
る鍵である。
(4)第4回部会
同志社大学大学院総合政策科学研究科教授 山口栄一氏より,
「青色LED特許裁判を再考す
る-イノベーションダイヤグラム法入門-」と
題し,ご講演頂いた。
①交渉学は,論理学と心理学の統合をその理
論的基盤としている。
②相手の発言内容だけでなく,状況,背景,
前後関係等まで知ることで,隠された事実・意
図を把握することが重要である。
③交渉学研究は,問題解決の能力向上,リー
ダーの人材育成,ナレッジの教材化の3つの観
点から,統合型人材育成に活用できる。
質疑応答の後,講師には懇親会にもご参加い
ただき,交流を深めると共に質疑にもご対応い
ただいた。
(6)東西化学系合同幹事会
19名でコマツ粟津工場を訪問し,会社紹介を
して頂いた後,粟津工場内を見学した。
①イノベーションとは,経済活動の中で生産
その後,各社知財活動,各部会運営・現状の
手段や資源や労働力などを今までとは異なる仕
紹介,
「グローバリゼーションと知的財産の活
方で「新結合」することである。
用」についてのフリーディスカッションを行い,
②研究とは,知の創造,この世に無いものを
有らしめることであり,開発とは,知を具現化
して価値を創造することである。知財活動も広
義の開発行為である。
③知財部は,見えない「土壌」の下で共鳴場
形成を担うことのできる,企業内で唯一のチー
ムである。
講演後の質疑も活発に行われた。
(5)第5回部会
会場として,オムロン㈱みやこホールを利用
させていただいた。
講演に先立ち,オムロン㈱コミュニケーショ
有意義な意見交換が出来た。
3.むすび
本年度は,昨年度第5回部会にて実施したア
ンケート結果に基づき,人材育成に重点を置い
てテーマを設定しました。
各部会に60~90名のご参加を頂き,盛会のう
ちに行うことができましたのも,当部会会員各
位,知財協関係各位,講師各位,施設をご提供
いただいた方々のご協力によるものです。さら
に,幹事各位の努力と幹事を派遣頂いた幹事会
社のご理解の賜物であると考えます。この場を
借りて,皆様方に厚く御礼を申し上げます。
31
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
関西化学部会行事一覧
部会
時・所
出席数
内 容
第1回
2012年6月29日(金)
・日本知的財産協会
59社
71名
・講演会:
「企業経営に活用する特許戦略―費用対効果を考慮
した特許コスト戦略―」
・講師:宇佐見 弘文氏(大阪工業大学大学院知的財産研究科 教授)
・懇親会
第2回
2012年9月7日(金)
・セキスイハイム
44社
60名
・講演会:「中国事業に対応する企業の知的財産マネジメント
の構築―最近の中国における変化を中心に―」
・講師:謝 卓峰氏(謝国際特許事務所 所長弁理士)
・見学:セキスイハイム奈良工場
・懇親会
第3回
三業種合同
2012年10月26日(金)
~27日(土)
・マツダ㈱
65社
86名
(28社
36名)
第4回
2012年12月7日(金)
・日本知的財産協会
50社
62名
「青色LED特許裁判を再考する-イノベーションダ
・講演会:
イヤグラム法入門-」
・講師:山口 栄一氏(同志社大学大学院 総合政策科学研究
科 教授)
・懇親会
第5回
2013年2月15日(金)
・オムロン㈱
56社
79名
・講演会:
「交渉学研究を活用した人材育成」
・講師:一色 正彦氏(金沢工業大学大学院 教授)
・見学:オムロン㈱コミュニケーションプラザ
・懇親会
・講演会:
「マツダの知的財産戦略の紹介」
・講師:安藤 誠一氏(マツダ㈱ 知的財産部長)
・見学:マツダミュージアム
・懇親会
8.建設部会
1.運営方針
を博した。
(2)第2回部会
『サントリーのブランド保護活動』について,
今年度は,以下に示す方針に基づいて部会の
サントリーホールディングス㈱知的財産部長
運営を行った。
「建設部会の参加各社の相互交
竹本一志氏よりご講演頂いた。コーポレートマ
流と親睦を大切にしながら,知的財産に関する
ークを使用する対象等を統一・管理し,第三者
諸制度の適正な活用及び改善に関しての上質で
の使用などリスクのある使用を規制することで
有益な情報提供の共有に努め,これをもって建
信用毀損リスクを低減し,ブランド価値の向上
設部会参加企業の成長と更なる繁栄を目指すこ
を図っていることをお聞きした。その後,山崎
とを基本方針とする。
」
蒸留所施設見学,ウィスキーセミナーを受けた。
2.部会活動
ホスピタリティーに溢れる対応に感謝の声が多
(1)第1回部会
『秘密保持契約の実務について』コベルコ建
く聞かれた。
(3)第3回部会(宿泊部会)
機㈱ グローバルエンジニアリングセンター
『最新の知財の動きと日本企業のとるべき戦
(GEC)
GEC企 画 部 知 的 財 産 グ ル ー プ 長
略 』 に つ い て。 日 本 知 的 財 産 協 会 専 務 理 事
田中精一氏よりご講演頂いた。企業実務と秘密
久慈直登氏からご講演を頂いた。知財戦略の具
保持契約との関係について,各種留意点をふま
体的な事例紹介をもとに,環境変化と知財戦略
えながらご説明を頂いた。当部会と密接に関係
の関係等について説明頂いた。また,現在の中
する田中講師の講演内容は大変判り易く,好評
国の知財環境は,中国企業による外国企業への
32
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
権利行使が増えることも予想されるため,中国
①「WIPO Green スタート」についてJIPA
での係争経験を増やすことが重要であることを
の重点対応事案であるWIPO Greenの活動につ
うかがった。その後,新日鐵住金㈱ならびに室
いて活動概要と今後の展望等を,JIPA副理事
蘭製鐵所の概要説明をVTRも交えて紹介して
長川村氏からお聞きした。
頂いた後,室蘭製鐵所内を見学した。
(4)第4回部会
②「イノベーターの知財マネジメント―技術
マネジメントからオープンな知財戦略まで―」
講演を4件行った。
について,東京大学先端科学技術研究センター
①「有名企業名ドメイン名の第三者取得に対
教授渡部俊也氏から講演いただいた。会社の研
しての商標・不競法などによる対応策につい
究開発から収益につながる知財を生み出すマネ
て」統計数理研究所准教授丸山直昌氏からご講
ジメントについて,説明がなされた。組織の中
演頂いた。㈳日本ネットワークインフォメーシ
で多く発明を行う技術者がいるが,どのような
ョンセンター(JPNIC)の紹介,及び,ドメイ
会社においてもこの手の技術者が居なくなれば
ン名紛争等についてご説明を頂いた。
再び同様に多くの発明を行う技術者が生まれて
②「著作権法の基礎及び平成24年改正の解説」
くる(ロトカの法則)
。これは「人」の問題で
について,弁護士増田雅史氏よりご講演頂いた。
はなく「組織」の問題であることなどをうかが
著作権法の基礎知識,及び,法改正のポイント
った。
についてご説明頂いた。
③今年度の研究会「社内表彰・奨励制度につ
③特許庁の講演2件
いての調査研究」について,山川裕司氏(清水
1)
「今後の特許審査の重点施策」について,
建設)より報告が行われた。研究会は計5回開
特許庁特許審査第一部 住環境 審査長前川慎
催。各社の表彰・奨励制度を紹介しつつ,他の
喜氏からご講演頂いた。審査の迅速化への対応,
メンバーの制度について質問や意見交換等を行
審査の事業戦略対応,急増する外国語文献への
った。終盤は意見交換等も積極的に行われた。
対応等を中心に説明をして頂いた。
3.むすび
2)
「業界統計データの説明等」について,
各回高い参加率を持って部会を開催すること
特許庁特許審査第一部 自然資源 技術担当室
ができました。また,他の部会にはない研究会
長・上席統括審査官福島浩司氏からご講演頂い
も開催出来ました。これは多くの内外関係者の
た。土木・建築分野における国内外の出願推移,
方の多大なご指導・ご支援により開催出来たも
出願傾向を中心にご説明をうかがった。
のです。この場をお借りし,皆様に心より,御
(5)第5回部会
礼申し上げます。
講演及び報告の3件を行った。
33
※本文の複製、転載、改変、再配布を禁止します。
付表1:2012年度建設部会
開催日
部会形式
会 場
演 題
『秘密保持契約の実務につ
いて』
講 師
1 5月18日
通常
ゆうぽうと
2 7月13日
企業訪問
サントリーホー 『サントリーのブランド保
ルディングス㈱ 護活動』
竹本 一志氏
サントリーホールディングス㈱ 知的財産部長
3 10月4日
~5日
企業訪問
新日鐵住金㈱
久慈 直登氏
日本知的財産協会専務理事
4 12月7日
通常
メルパルク東京 「有名企業名ドメイン名の第 丸山 直昌氏
三者取得に対しての商標・ 統計数理研究所 准教授
不競法などによる対応策に
ついて」
『最新の知財の動きと日本
企業のとるべき戦略』
田中 精一氏
コベルコ建機㈱ 知的財産グループ長
「著作権法の基礎及び平成
24年改正の解説」
増田 雅史氏
森・濱田松本法律事務所 弁護士
「今後の特許審査の重点施
策」
前川 慎喜氏
特許審査第一部 住環境審査長
「業界統計データの説明等」 福島 浩司氏
特許審査第一部室長上席統括審査官
5 12月7日
34
通常
ア ル カ デ ィ ア 「WIPO Greenス タ ー ト に
市ヶ谷
ついて」
川村 裕一郎氏
日本知的財産協会 副理事長
「イノベーターの知財マネ
ジメント―技術マネジメン
トからオープンな知財戦略
まで―」
渡部 俊也氏
東京大学先端科学技術研究センター教授
「社内表彰・奨励制度につ
いての調査研究」活動報告
山川 裕司氏
清水建設㈱ 知的財産部 主査
Fly UP