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平成20年度 地域ブランド戦略推進検討報告書

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平成20年度 地域ブランド戦略推進検討報告書
平成20年度
地域ブランド戦略推進検討報告書
平成21年3月
墨 田 区
はじめに
地域の特産品などをブランド化し、知名度を高め、地域を活性化する「地域ブランド」
の取組みが全国各地で活発に行われています。関さば・関あじに代表される「地域ブ
ランド」の成功事例もあれば、地域ブランドの試みがなかなか地域の活性化に結びつ
かない場合もあります。
墨田区は、産業
墨田区は、産業のまち、ものづくりのまちとして、発展してまいりましたが、さらに、伝
ち、も
くり
ち
、発展
り
た 、さらに、伝
統や文化など観光の側面からも、他の地域に秀でた特徴を有しています。これまでも
墨田区では、『墨田区工業が他の工業地域とは異なる「ものづくり」の姿勢、仕組みを
備えていることを主張する言葉』を「すみだブランド」と位置づけ、3M運動の展開を始
めとする地域のイメ ジア プやデザイナ とのコラボレ ションによる新たなものづく
めとする地域のイメージアップやデザイナーとのコラボレーションによる新たなものづく
りの展開などを推進してきました。
2012年には、墨田区に610mの新タワー「東京スカイツリー」が開業いたします。ま
た、同年に、世界的な浮世絵師である葛飾北斎を顕彰するための墨田区北斎館(仮
称)も開館の予定です。これらにより、墨田区が日本全国さらには世界からの注目を集
めることが期待されます。
このような状況の中、地域ブランドに関する有識者、デザイナーなどの専門家、区内
置
産業人等による「すみだ地域ブランド戦略推進検討委員会」を設置し、ものづくりだけ
でなく観光も視野に入れたすみだの地域ブランド戦略を検討してまいりました。5回に
及ぶ検討委員会の中、熱い議論が交わされ、すみだの特徴を明確にした他に例を見
ないすみだならではの戦略となっています。
昨今の経済情勢に目を転じると世界経済は100年に一度の不況とまでいわれ 区内
昨今の経済情勢に目を転じると世界経済は100年に一度の不況とまでいわれ、区内
産業にも大きく影響が出ています。地域ブランド戦略の展開が、このような状況を打破
し、区内産業の活性化や、さらには区民の方々に地域への誇りを深めていただく一助
となることを願ってやみません。
1
目次
1.すみだ地域ブランド戦略の目的
3
(1)すみだ地域ブランド戦略の目的
3
(2)すみだブランドの対象の定義
3
(3)すみだブランドが目指すこと
3
(4)すみだブランドを構築するために
3
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
5
(1)墨田区の産業・文化の歴史
5
(2)墨田区の産業(製造業)の現状
7
(3)墨田区の観光の現状
9
(4)墨田区の産業を取り巻く状況
10
(5)墨田区のブランド化に関する動き
11
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
15
(1)地域の強み・弱み・機会・脅威
15
(2)地域ブランド戦略を考える視点
17
(3)ブランドの価値規定とキャッチフレーズ
18
(4)地域ブランド戦略の推進方針と施策体系
20
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
22
(1)「すみだモダン」認定事業
認
業
22
(2)すみだセレクション
23
(3)流通・マーケティング支援
25
(4)「実はすみだが支えてる」(技術PRシリーズ広告)
26
(5)ものづくりコラボレーション
28
(6)すみだ街あるきミュージアム
32
5.すみだ地域ブランド戦略成功のシナリオ
33
(1)地域ブランドキャンペーン
34
(2)タワーと連携したPR・販売
(2)タワ
と連携したPR 販売
34
6.すみだ地域ブランド戦略の参画主体と推進組織
35
(1)参画主体
35
(2)推進組織のイメージ
35
7 すみだ地域ブランド戦略の検討方法
7.すみだ地域ブランド戦略の検討方法
37
2
1.すみだ地域ブランド戦略の目的
(1)すみだ地域ブランド戦略の目的
すみだの知名度を総合的に高め、その付加価値を向上させ、広く内外に認知させること
によ て 地域のブランド価値を高める
によって、地域のブランド価値を高める。
(2)すみだ地域ブランドの対象の定義
すみだで生み出され、提供される製品や技術、商品やサービス。さらに、そこで生み出
製
される文化。
墨田区内で、企画・デザイン・生産管理・マーケティング・関連する文化やムーブメント等、
付加価値の多くが生み出された製品や技術、商品やサービスと、幅広く定義する。生産拠点が墨田区
内にあるかどうかにはこだわらない。
B to C企業に加え、すみだの企業の多くを占めるB
C企業に加え すみだの企業の多くを占めるB to B企業の付加価値の向上にも注
力する。
企業には、自社ブランドの商品やサービスを直接消費者に提供するB to C(Business to Consumer)企
業と、 OEM生産やパーツ加工等のように自社ブランドは持たず、企業相手にビジネスを行うB to
B(Business to Business)企業がある。
墨田の企業の多くはB tto B企業であり、その隠れた実力をPRしたり、自社ブランド商品の開発・販売を
B企業であり その隠れた実力をPRしたり 自社ブランド商品の開発 販売を
支援したりすることで、 B to B企業の付加価値の向上を図ることが重要となる。
(3)すみだ地域ブランドが目指すこと
すみだと聞いて、顧客が選択する(モノ・サービスを買う・利用する)はっきりした理由が浮
すみだと聞いて
顧客が選択する(モノ・サービスを買う・利用する)はっきりした理由が浮
かぶもの・ことがたくさんあること。
(4)すみだ地域ブランドを構築するために
他の地域(の商品)とは差別化された、すみだならではの強みを明確にし、それを中核と
商
したまちづくりや商品づくり、情報発信を行わなければならない。
3
1.すみだ地域ブランド戦略の目的
【 地域ブランドとは】
地域に対する人からの評価であり、地域そのもののブランドと地域の特長を生かした商品のブランドか
ら構成される。
ら構成される
▼
地域活性化を実現
▲
=地域ブランドの視点=
*消費者の視点:人からの信頼がなければ市場には残れない
*商品の視点:付加価値を高めなければ 勝ち残れない
*商品の視点:付加価値を高めなければ、勝ち残れない
*地域や住民の視点:地域を活性化するためには、地域の魅力を高めなければならない
1)ブランド及びブランドづくりに関する基本事項
■ブランドとは? =顧客にとっての、選択価値
⇒そのブランドのロゴ、名称を見聞きする際に、「顧客」にとって、手に入れる「価値」がわかるもの。
⇒その価値は「顧客」が決めるもの。
■ブランド提供者が行うこと。 =顧客にとっての選択価値を提示する「約束」を決め、その約束を守る
ように努力する。
⇒「約束」を具現化する商品・サービスを継続して提供する。
⇒「約束」を理解してもらえるように顧客に情報提供する。
2)すみだ地域ブランドを構成するもの
●すみだから生み出される「モノ」「サービス」
●すみだという名のもとに提供される「モノ」「サービス」
●すみだという場所で提供される「サービス」
3)すみだの地域ブランディングの基本構造
産業ブランド
=もの(特産品)
観光ブランド
=場(観光地)
生活ブランド
=人・くらし
三角形を統括する中心
コンセプト=ブランドの
価値規定が必要
4)地域ブランド全体を構成する各ブランド
各推進手法をすすめることで生み出されてくる「すみだ地域ブランドを構成する各ブランド」
それぞれに、「ターゲット」とターゲットにとっての選択価値=ブランドとしての「提供価値(約束)」が必
要となる。
4
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
(1)墨田区の産業・文化の歴史
明暦の大火後、南部は武家屋敷などの移転先となり、職人や商人も移り住み、日用品の製造販売を始
めた 北部は農村地帯のままであったが 隅田川一帯は江戸市民の絶好の遊覧地となる
めた。北部は農村地帯のままであったが、隅田川
帯は江戸市民の絶好の遊覧地となる。現在まで続
現在まで続
く墨堤の桜、両国の相撲、隅田川の花火も生まれた。
明治の近代化では、殖産興業政策により近代軽工業発祥の地となった。関東大震災や東京大空襲に
より甚大な被害を受けたが、戦後も明治以降の蓄積をベースに、日用品や各種部品などの生産が盛
んである。
*江戸時代 1600年~
「明暦の大火を契機に江戸の一部に」
1657(明暦3 )年の振袖火事は江戸をほぼ全滅させてしまった。その後の防火対策中心の都市復興に
より、1659(万治2)年に隅田川に両国橋が架けられ、南部(本所)が武家屋敷などの移転先に選ばれた。
一方北部は農村地帯のまま、江戸市民の食料供給地として歩み続けた。
*江戸時代 1700年 ~
「墨堤の桜、花火、相撲が始まり、北斎生誕」
1717(享保2)年将軍吉宗が隅田堤に桜を植え、庶民の行楽地とした。1733(享保18)年には両国の川開
きとして、隅田川の花火が始まっている。1781(天明元)年には本所回向院で大相撲が行われた。赤穂
浪士による吉良邸への討ち入りが起きたのは、1702(元禄15)年のことである。また、日本を代表する絵
師の葛飾北斎は、1760年(宝暦10)年、本所割下水(現在の亀沢)に生まれた。
*江戸時代 1800年 ~
「鋳物などで工業が始まり、百花園や勝海舟生まれる」
隅田川や運河の水利を活かして、瓦・染色・材木・鋳物などの地場産業が発達した。明治に入ると、本
所では金属の玩具やガラス製造も始まった。1804(文化2)年、江戸の粋人、佐原鞠塢(さはらきくう)が
向島百花園を開園した。また、「江戸無血開城」を成し遂げた、勝海舟が本所亀沢町(現在の両国3丁
目)に生まれたのは1823(文政6)年のことである。
目)に生まれたのは1823(文政6)年のことである
*明治 1870年 ~
「皮革・メリヤス・マッチ・レンガなど、産業の先駆」
輸送路としての縦横の水路、本所側では武士の没落による人的資源の余剰、向島側では地価低廉が
工業の導入を促進した。浅草で発達した皮革業の移転、メリヤス工場の深川からの移転、我が国初の
マッチ製造会社の創業 製瓦業者の煉瓦工場への転向が起こった
マッチ製造会社の創業、製瓦業者の煉瓦工場への転向が起こった。
*明治 1880年 ~
「日本随一の繊維工業の拠点、鐘淵紡績創業」
1889(明治22)年隅田村に鐘淵紡績が設立され、操業を開始した。我が国初のセルロイド製玩具工場
が設立されたのも同じ年である。
*明治 1890年 ~
「車輛、石鹸、時計、洋酒、歯磨きなど、続々創業、鉄道も開通」
錦糸町に我が国初の車輛製造会社が設立され、精工舎が本所石原町でクロック生産を開始する。芳
誠舎(現玉の肌石鹸) 、獅子印ライオン歯磨の発売や長瀬商店(後の花王)の工場移転もこの頃である。
1894(明治37)年には総武線が開通している。
5
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
*明治 1900年 ~
「ゴム、自転車、ビール、印刷や軍装関係の工業地帯を形成」
東洋ゴムの設立、宮田製銃所の自転車の設計・製造の開始、札幌麦酒東京工場の竣工、凸版印刷の
工場発足はこ 頃 ことである 大田区周辺が銃器や精密機械分野を得意とした に対して 墨田区
工場発足はこの頃のことである。大田区周辺が銃器や精密機械分野を得意としたのに対して、墨田区
周辺は日用雑貨関連の軍需軍装品が中心だった。メリヤス工業や皮革業が集中し、この傾向は現在
まで続いている。
*大正 1910年 ~
「震災で大打撃だが、向島花柳界活況、文学の舞台にも」
1923(大正12)年9月1日 大震災により 本所区 95% 5人以上 工場804が焼失してしま た そ
1923(大正12)年9月1日の大震災により、本所区の95%、5人以上の工場804が焼失してしまった。その
後大工場が郊外へ移転し、昭和に入ると本所区はメリヤス、紙製品、裁縫、玩具を中心に、中小企業
の集積地となっていった。向島には、第一次世界大戦の好景気もあって、向島の花柳界が活況を呈し
た。向島をはじめとして、墨田区は、永井荷風の『濹東綺譚』など様々な文学作品の舞台となっている。
*昭和 1940年 ~
「軍需生産に傾斜 そして東京大空襲と敗戦
「軍需生産に傾斜、そして東京大空襲と敗戦」
この頃より、軍需生産を優先とする経済の統制化が進み、工場は漸次軍需工場化していった。しかし、
1944(昭和19)年に空襲が始まり、1945(昭和20)年3月10日の東京大空襲によって、本所区の96%、向
島区の57%が焼失、そして敗戦を迎えた。
*昭和 1950年 ~
「朝鮮動乱特需で輸出増大 繊維 金属 機械を中心に生産活発化
「朝鮮動乱特需で輸出増大、繊維、金属、機械を中心に生産活発化」
1947(昭和22)年、本所・向島両区が合併して墨田区が誕生。朝鮮動乱特需景気はいわゆる「糸へん
(繊維関連産業を指す)」ブームを起こし、繊維産業をはじめ、金属や機械などの生産を活発にした。
*昭和 1960年 ~
「高度成長期、都市化の進展」
高度経済成長期に入り 都市化が進展した 区内にもどんどんと工場は増え続け 1970(昭和45)年に
高度経済成長期に入り、都市化が進展した。区内にもどんどんと工場は増え続け、1970(昭和45)年に
は9703とピークを迎えた。
*昭和 1970年 ~
「大工場の移転、隅田川花火大会の復活」
工場拡張等のため、大工場の区外移転が進んだ。一方、地域を代表するイベントである隅田川の花火
大会が復活し 数多くの人出を集めるようにな たのもこの頃である
大会が復活し、数多くの人出を集めるようになったのもこの頃である。
*昭和 1980年 ~
「「小さな博物館」開設、両国国技館完成」
すみだ産業会館やすみだ中小企業センターがオープンし、墨田区の産業施策が注目を集める。
1987(昭和62)年には3M運動の一環として「小さな博物館」が開設された。両国国技館が完成し、相撲
が蔵前から戻 てきたのは 1984(昭和59)年のことである
が蔵前から戻ってきたのは、1984(昭和59)年のことである。
*平成 1990年 ~
「再開発により、にぎわいあるまちに」
1997(平成9)年に錦糸町駅北口で市街地再開発事業が完了し、日本屈指のコンサートホール・すみだ
トリフォニーホールがオープン、続いて両国に2000(平成12)年に国際ファッションセンター、2006(平成
18)年には錦糸町にオリナスが完成するなど 新しい都市景観の形成が進んでいる
18)年には錦糸町にオリナスが完成するなど、新しい都市景観の形成が進んでいる。
6
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
(2)墨田区の産業(製造業)の現状
<産業:製造業が多い、ものづくりのまち>
製造業の事業所数は多いが、従業者数や出荷額とともに減少の傾向にある。業種別では、金属製品、
印刷・紙加工等が各々約2割、繊維製品等、機械器具、プラスチック・ゴム等、皮革・革製品が各々1割
前後を占めているが、殆どは、昭和50年に比べ激減している。
①産業別事業所数 ※平成18年事業所・企業統計調査より
産業別の事業所数をみると、製造業が東京都では1割を切るのに対して、墨田区では1/4を超えている。
墨田区H18
第1次産業(農林漁業)3
(0.0%)
東京都H18
第1次産業(農林漁業)
355(0.1%)
鉱業 1(0.0%)
建設業
1,073
(6.0%)
鉱業 79(0.0%)
建設業 43,157(6.2%)
製造業
63,104(9.
1%)
第2次産
第2次産
業
5,730
(31.9%)
製造業
4,656(26.
0%)
業
106,340
(15.4%)
第3次産業
581,729
(84.2%)
第3次産業
12,207
(68.0%)
②産業別事業所数と従業者数の推移
※平成18年事業所・企業統計調査より
第2次産業の従業者数は1963(昭和38)年、事業所数は1969(昭和44)年をピークに減少している。
160,000
16,000
140,000
14,000
120,000
12,000
100,000
10,000
80,000
8,000
60,000
6,000
40,000
4,000
20,000
2,000
0
S35
S38
S41
S44
S47
S50
S53
S56
S61
H3
H8
H11
H13
H16
H18
従業者数 第2次産業 137,449 140,328 130,309 122,870 107,619 87,713
従業者数 第3次産業 83,716 95,535 88,966 90,768 95,843 93,502
事業所
事務所数 第2次産業 10,487 11,518 12,144 12,752 11,889 11,180
82,889
95,580
78,019 68,887 72,031 64,913 53,341 52,559 44,169 42,713
96,622 103,449 112,466 114,086 104,012 115,249 105,519 120,932
10,661
10,367
9,229
9,054
8,238
7,144
6,715
5,908
5,730
事業所
事務所数 第3次産業 11,815
14,190
14,784
14,934
14,220
13,606
12,851
12,626
11,720
12,207
12,321
12,855
14,153
13,825
14,034
7
0
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
③工場数の業種別構成比(%) ※平成17年工業統計調査より
金属製品と印刷・紙加工等がそれぞれ約2割、繊維製品等、機械器具、プラスチック・ゴム等、皮革・革
製品がそれぞれ1割前後を占めている。
S50:1,148件⇒H17:288件
S50:190件⇒H17:60件
S50:169件⇒H17:85件
その他, 7.5
ガラス・ホーロー等,
1.6
鉄鋼 非鉄金属 2.2
鉄鋼・非鉄金属,
22
S50:279件⇒H17:86件
金属製品, 20.0
食料品等, 2.2
S50:2,149件⇒H17:766件
木製品等, 3.1
S50:376件⇒H17:117件
皮革・革製品 8.8
皮革・革製品,
88
S50:828件⇒H17:338件
印刷・紙加工等, 19.2
プラスチック・ゴム等,
10.6
S50:1,072件⇒H17:737件
S50:337件⇒H17:405件
機械器具, 12.2
S50:1,050件⇒H17:467件
繊維製品等, 12.6
S50:1,429件⇒H17:484件
8
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
(3)墨田区の観光の現状
<観光:江戸以来の伝統文化を始め、魅力的な観光資源のあるまち>
江戸東京博物館は年間180万人、隅田川花火大会は100万人近い集客をしている。東京スカイツリー
が開業すると、年間500万人程度が来場すると予想される。
①主要施設・イベントの集客数 ※平成18年度墨田区観光振興プランより(概数)
江戸東京博物館
182万人
隅田川花火大会(他区を含む) 96万人
国技館
45万人
すみだまつり・こどもまつり
28万人
墨堤さくらまつり
28万人
すみだトリフォニーホール
すみだトリフォニ
ホ ル
21万人
向島百花園
14万人
②主な区や地域の取り組み
*墨田区北斎館(仮称)
墨田区を生誕地とする世界的浮世絵師・葛飾北斎の美術館が、2012(平成24)年に開館する予定。
*隅田川七福神めぐり
江戸時代から親しまれている向島の七福神めぐりで、墨田区無形民俗文化財に登録されている。
*墨堤さくらまつり
八代将軍吉宗により植栽され、江戸時代から桜の名所として知られた、隅田川両岸沿いに1.5km続く
「墨堤の桜」である。
「墨堤の桜」である
*隅田川花火大会
270年以上前から江戸・東京の人々を魅了する大花火大会。7月最終土曜日に隅田川を会場に行わ
れる、東京の風物詩である。
*向島芸妓
日々芸道に精進する芸妓さんが、伝統のお座敷芸を披露している。
*錦糸町河内音頭大盆踊り大会
夏の終わりを告げる名物イベントとして、本場の音頭取りを招いてのエネルギッシュな大盆踊り大会で
ある。
*義士祭、吉良祭・元禄市
赤穂浪士による討ち入り事件のあった吉良邸跡の本所松坂町公園で12月に行われる。
*早慶レガッタ
4月中旬に隅田川で行われる 1905(明治38)年から100年以上の伝統あるボートの対抗戦
4月中旬に隅田川で行われる、1905(明治38)年から100年以上の伝統あるボ
トの対抗戦。
*ウォーターフェア・隅田川レガッタ
8月の「水の週間」に隅田川で行われるボート競技。
9
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
(4)墨田区の産業を取り巻く状況
<製造業>
*日本の近代軽工業の発祥の地であり、その後も一貫して製造業が集積・成長してきた。江戸・明治
から引き継がれた職人技や、他では真似のできない技術力が蓄積されている。
*中小企業が多く、しかも様々な業種にわたっている。更に、伝統工芸、自社ブランドの製造販売
(BtoC)、OEM生産、パーツ加工といった多様なビジネス形態が揃っている。
*他地域に比べ、製造業の事業所数は多いが、海外生産基地との競合激化や後継者不足により、事
業所数、従業者数、出荷額いずれも減少の傾向にある。
*このような特徴を持つすみだは、いわば日本のものづくりの縮図・原点であり、「すみだが元気なら、
日本も元気になる」といった日本のものづくり企業のモデルになりうる。
*高い技術力を持つ企業に対して、企画、デザイン、広告、営業等のサポートを行うことで、売上拡大
チャンスは十分にある。スカイツリー開業による注目度のアップも期待できる。
<観光>
*江戸庶民文化の発祥の地であり、隅田川花火大会、墨堤の桜、葛飾北斎等、魅力的なイベントや文
化が存在する。
*それらに加え、江戸東京博物館、国技館等の施設や豊かな食文化など、魅力的な観光資源を多数
持っている。
持っている
*しかし、現状はそれぞれの施設やイベントが点にとどまっており、回遊性につながる広がりを十分に
持ち得ていない。また、すみだという地域名称との結びつきも弱い。
*スカイツリーの開業を絶好の機会と捉え、近隣の浅草等とも連携しながら、拠点と仕組みの整備や積
極的なPRを通じて、来街者を区内に回遊させることが重要である。
10
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
(5)墨田区のブランド化に関する動き
①これまでの取組み
<メインとなる取組み>
・3M運動 → 高質な技術・製品の抽出、BtoCのふれあい
墨田区を象徴する「ものづくり」のPRと技術の継承・発展を目的に開始された。
【小さな博物館】地域に根ざした小さな産業博物館。「もの」のコレクションを、工場、作業場、民家の一
部を使って展示。24館ある。
【すみだマイスター】墨田の優れた技術を普及・継承
【すみだマイスタ
】墨田の優れた技術を普及・継承。墨田の技術者の技術を公開。36名のマイス
墨田の技術者の技術を公開 36名のマイス
ターが認定を受けている。
【工房ショップ】ものづくりの現場+店舗。製造と販売を一本化し、消費者のニーズに即応したものづく
りを目指す。23店ある。
・フロンティアすみだ塾 → 担い手の育成
区内中小企業の次世代を担う人材を育成している。実践的な「経営者学」を学ぶ講座や、テーマに基
づく「本音の議論」と「自由討議」を行う。現在5期目。約40人を輩出している。
・すみだが元気になる ものづくり企業大賞 → 高質な企業・製品の抽出、活性化
時代の変化に対応した新ビジネスや、特化した技術をもって市場を席巻している企業、活気に満ち溢
れた元気な企業を表彰。その取組みなどを広くPR。今まで40社を表彰している。
・すみだ個だわりショップ → 高質な小売業者の抽出、活性化
地元の区民に親しまれ、信頼されるこだわりの個店を調べ、認定する。区内の消費者による「個だわり
すみだ発掘隊」の隊員が認定店を直接取材し、冊子やHPを作っている。これまで3冊の冊子を出して
いる。
・イチから始める運動
地場産業の一番よい、一番新しい製品を、一番早く区内で売る「イチ」を定期的に開催。
<連動する取組み>
連動す
組
・産学官連携
大学等の知と地域の資源の融合。早稲田大学や東京藝術大学と連携。
・墨田区文化観光協会
墨田区内における文化振興、観光開発を促進し、地域や商工業の活性化に寄与することを目的として
設立。
立
・墨田区銘品名店会
歴史に育まれた伝統と技を今に伝える墨田の銘品・名店。
<ブランド化検討の取組み>
・平成19年度墨田区産業振興会議工業部会において「地域ブランド戦略」について検討
平成19年度墨田区産業振興会議工業部会において「地域ブランド戦略」について検討
≪ビジョンの設定≫
20年後・30年後の理想の地域産業の姿 ~住み続け・作り続け・繋がり続ける~
<6つの基本理念>:軽工業発祥のまち 世界唯一の技術のまち 粋な商品を生み出すまち
産業ネットワークのまち 売れるしくみのあるまち 区民が誇りに思うまち
<4つの具体的行動>:産業創造 知識創造 構造創造 新工商創造
【地域ブラ ド化 ため 内外
【地域ブランド化のための内外コミュニケーション戦略へ】
ケ
戦略 】
キャッチフレーズの重要性 情報発信強化の重要性 具体的施策の重要性 等
11
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
<関連事業>
上記事業のほか、地域ブランド戦略を進める上で関連が出てくる事業、また、連携を図っていく必要の
ある事業は、次のとおりである。
・すみだファッションタウン構想
生活文化に関わるものづくり産業すべてを「ファッション関連産業」ととらえ、ファッションを生み出す場
(産地)とファッションを提供する場(消費地)が一体となった活力あるまちを実現することをめざす。墨
田ファッションタウン推進協議会が推進し、国際ファッションセンターの完成(平成12年)で一段落し、
協議会は解散したが、構想自体は実現にむけて継続。
・次世代ものづくり人材育成支援
将来、ものづくりに従事し、ものづくり人材として産業界を担う人材を育成するため、中学校において
「すみだ産業授業」を実施しているほか、日本初の産業科を設置した都立橘高校と連携した事業を実
施している。
・「ものづくりフェア」(すみだ中小企業センター)
「ものづくりフ ア (すみだ中小企業センタ )
区民や次代を担う若者、子どもたちがものづくりへの関心を高め、地域産業への理解を深めることを
目的として、産業団体による実演や子どもたちに対するものづくり体験を行うイベントを開催している。
・新商品・新技術開発支援事業
新商品や新技術の開発を自ら行う区内中小企業を応援するため、開発コンサルティングと開発経費
新商品や新技術の開発を自ら行う区内中小企業を応援するため、開発
ンサルティングと開発経費
の支援を行っている。
・「商業活性化すみだプログラム」
エリアマネジメントの手法を用いた拠点活性化事業や、商店街ごとの地域特性を生かした商業振興
策の推進を行っている。
・その他
その他
各種観光事業、墨田区北斎館(仮称)、NPO法人/隅田川・江戸文化観光振興会による体験工房な
ど、幅広い連携が考えられる。
12
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
②これまでの事業の検証
<SONIC>
1)SONICの経緯
)
経緯
平成6年度:産業振興プランの中で、「すみだブランド推進事業」提言。
平成7年度:産業振興会議において「すみだブランドの推進」について検討。
平成8年度~:すみだブランドの推進組織としてSONIC(※Sumida Original New Industrial Creationの
略)を結成。以後関連事業として、PR用パンフレット・封筒・便箋の作成、商品企画開発支援事業、
CD-ROM版企業ガイド「すみだ商工ナビゲーター」・「すみだナビゲーター2000」を作成・配布。
平成14年度:インターネットを活用した「わが社の自慢の逸品事業」に着手。
成 年度
ネ
「
社 自慢 逸 事業 着
平成16年度:SONICの活動休止。
2)SONICの活動
(1)すみだブランド推進活動に参画しようとする区内産業者に対する活動のPR
(2)区内産業者からなる「すみだブランド推進グル プ」の結成促進
(2)区内産業者からなる「すみだブランド推進グループ」の結成促進
(3)結成された「すみだブランド推進グループ」の活動及びその商品群が「すみだブランド」としてふさわ
しいかどうかの認定等
(4)ユーザー側に立ったものづくりを行うための勉強会の実施
※SONICが上記の活動をするにあたって必要となる経費の全部又は一部を区が助成することにより、
区内産業者によるすみだブランド推進活動への主体的な取組みやその活動を支援する。
3)SONICの経験
SONICとして約6年に亘り、CD-ROM版企業ガイド「すみだ商工ナビゲーター」・「すみだナビゲーター
2000」を作成・配布などさまざまな活動を行ってきた結果、製造業が不得手とする、いかに製品を売っ
ていくか、そのためのしくみづくりは非常に難しいことが改めてわかってきた。そこで、切り口をかえて、
区内産業の活性化を図るための方法のひとつとして情報発信が重要であると考え、「わが社の自慢の
逸品事業」に取り組んだところ インタ ネットの普及 活用が十分でなく 参加者が集まらず休止という
逸品事業」に取り組んだところ、インターネットの普及・活用が十分でなく、参加者が集まらず休止という
結果に終わった。
4)生かしていくべき教訓
(1)ブランド事業は、戦略的・総合的に推進していくことが重要である。
(2)単に情報提供やPRだけでなく 販売の支援にまで踏み込んでいく必要がある
(2)単に情報提供やPRだけでなく、販売の支援にまで踏み込んでいく必要がある。
(3)いわゆるプロダクトアウトではなく、マーケットインの考え方が重要である。
(4)量で見せるのではなく、質で選りすぐられたものをPRしていくことが必要である。
(5)時代にあった手法による展開が必要である。
13
2.ブランド化に向けた墨田区の現状認識
<デザイン力を活かしたものづくり産業支援事業>
●事業概要
ものづくり企業における新たな事業展開の方向性を検討するための検証事業として、平成19年度か
も
づくり企業における新たな事業展開 方向性を検討するため 検証事業として 平成 年度か
ら3年計画でスタートした。
区内製造事業者のデザイン活用に重点を置き、企画・製造・販売の工程革新を促進させることを通じ
て、「売れる商品づくり」を支援する。以下のとおり「Ⅰ.トライアル・モデル事業」ほか、「Ⅱ.普及・啓発事
業」「Ⅲ.ネットワーク化支援事業」を実施している。
●事業経過
平成19年度
平成20年度
■地域資源調査の実施(25社)
区内企業における事業活動の現状とデザイン活用、付加価値
向上に対する取組み等を捕捉した。
■商談会の実施(25社、26名)
小売企業との連携による商品開発に向けて、区内企業製品の
Ⅰ
PR及びビジネス・マッチングを行った。
■意見交換会の実施(6社)
協力企業による区内企業の訪問と意見交換を行い、4件のトラ
イアル・モデル事業がスタートした。
■第2次調査の実施(9社)
事業の推進方法の調整とともに、新たな参加企業を発掘する
ための追加調査(9社)を行った。
■商品開発プロジェクトの実施
協力企業と区内企業との共同により、4件の商品開発プロジェ
クトのうち、インテリア・ライフスタイル商品2件の開発が進行し
ている。製品の完成後は、順次テスト販売を経て商品化の予
定である。
■講演会の実施(25社、26名)
「売れる商品づくり」をテーマとして、協力企業の代表者等を講
師に迎えての講演会のほか、上記商談会を実施した。
Ⅱ ■勉強会の実施(6社、7名)
「デザイナーから見る商品開発初動のコツ」をテーマに試行的
な勉強会を行い、トライアル・モデル事業の推進を図った。
■勉強会の実施(延21社、30名)
トライアル・モデル事業への参加を希望する区内企業を対象に、
小売やデザイナーとの「企画・デザイン勉強会」(全4回)を開
小売やデザイナ
との「企画 デザイン勉強会」(全4回)を開
催している。
■事例集の作成と配布(予定)
左記の支援を継続実施
上記各事業の実施を通じて、デザイナー、製造事業者、バイ
Ⅲ ヤーなど、デザインを切り口として新たな企業、人材を発掘す
るとともに、そのネットワーク化を支援した。
●本事業推進における教訓(ポイント)
教訓1 製造業同士の共同商品開発は失敗する = 製造業同士は組ませない
教訓2 事業目標 = ×試作品が完成した
教訓
試作品 完成
○売ってみて次の課題がはっきりした
売
次 課題
り
教訓3 売る意識のあるデザイナーとのコラボ創出 = 相性の良い相手探し
教訓4 若手経営者にとって消費財開発の将来的な位置づけを明確にする必要性
教訓5 デザイン工程は「消費財」だけではない。「生産財」の付加価値受注の可能性
開発グループにおける流通業
参画の必要性
プラスαの視点
自社ブランドを製造・販売したことのない
企業にとっての「予備校」の必要性
地域ブランド戦略推進事業「ものづくりコラボレーション」への有効活用
●本事業における今後の方向性
本事業は平成21年度をもって終了する予定である。最終年度はこれまでの事業基盤を活かして、引き
続きⅠ~Ⅲの事業を行うとともに、20年度にスタートした「地域ブランド戦略推進事業」への円滑な移
行に向けた検討を行う。
14
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
(1)地域の強み・弱み・機会・脅威
地域ブランド戦略の立案のために、すみだの歴史や現状を把握し、地域の強み・弱み・機会・脅威を明
らかにした。
らかにした
①すみだの強み、弱み
【強み】
<歴史・文化>
・江戸庶民文化の発祥の地であるとともに、葛飾北斎や勝海舟など歴史上の人物ゆかりの地であり、豊
江戸庶民文化 発祥 地 あ ととも
葛飾北斎や勝海舟など歴史上 人物
地 あ 豊
かな食文化もある
・隅田川花火大会、墨堤の桜を始め、江戸東京博物館・国技館など、たくさんの魅力ある行事や名所が
あり、両国・向島等の全国レベルの地名もある
・ナショナルカンパニーはじめ、軽工業発祥地の歴史がある=他に例を見ない産業の歴史
江戸の粋や洒落 遊び心、江戸
江戸・明治から引き継がれる職人魂があり
明治から引き継がれる職人魂があり、和とモダンが共存している
和とモダンが共存している
・江戸の粋や洒落・遊び心
<下町という立地>
・人と人のふれあいを大切にする下町人の意識が息づいている
・都心周辺に立地し、情報収集力が高く、デザイン力・企画力を活用しやすい
・職住近接による生産体制への好影響がある
<ものづくりの能力>
・著名ブランドや流通のOEM生産、試作品を担う実力がある
・他では真似のできない技術力を持った企業が多く存在、職人技や付加価値で評価される製品もかなり
ある
・区内企業間の(周辺区の企業との)連携による企画力、生産力の強化がなされている
幅広
活用品
産
<幅広い生活用品の生産>
・生産品種の多様性による事業可能性の広がりがある
・日常生活を豊かにする様々なライフスタイル提案型製品を生み出している
<振興策>
・3M、個だわりショップ、フロンティアすみだ塾、ものづくり企業大賞など、ものづくり関連施策が充実
新
効果 見据
観光振興
観光
く
推
・新タワー効果を見据えた観光振興プランによる観光まちづくりの推進
【弱み】
<地域資源の魅力の活用不足>
・区の内外に対して、行事や名所・名産品などのアピールが不足
観光
資 間 回 性
、
設
案
不十分
・観光拠点・資源間の回遊性に乏しく、コース設定や案内システムも不十分
<事業発展のために必要な資源の不足>
・下請け構造による、自立的事業の発想の阻害と、 B to C事業のために必要な人材や独自販路の不足
・後継者不足、小規模経営多く、新事業への投資が困難
・大量生産を担う工場の地方・国外への移転による空洞化
15
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
②すみだを取り巻く外部環境の機会・脅威
【機会】
・新タワーによる地域への注目、海外からも含めた集客
・下町ブームによる注目や、若者による和の見直し
・商品の背景情報に敏感な生活者が増えている
・最短の距離に最大消費地があることによる、情報収集と顧客対応商品発信の可能性
・中小企業地域資源活用プログラム等、国も積極的な地域支援を行っている
中小 業 域資源活用
ラ 等、国も積極的な 域支援を行
る
【脅威】
・海外、地方の価格競争力の優位
・IT化による職人技のデータ化、外部化の進展
・消費や観光エリアとしての墨田区のイメージのなさ(例えば、浅草にはある)
消費 観光
田区
(例
、浅草
)
・原材料高騰等の経済環境の変化
16
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
(2)地域ブランド戦略を考える視点
すみだの強み・弱み・機会・脅威を検討した上で、すみだの地域ブランド戦略を考える視点を下記の4つ
に分類し まとめた
に分類し、まとめた。
江戸・明治から現在まで流れるDNA
江戸時代からの伝統工芸
和菓子(言問団子、長命寺の桜もち等)
洒落、遊び、洒脱
粋
職人魂、職人の技
下町の生活・人情・情景・ふれあい
住・工・商混在、職住近接
文化を次世代へと引き継いでいく
相撲・花火等の伝統文化
葛飾北斎・墨堤の桜などの歴史・文化・名所
町工場 集積
町工場の集積
フロンティアすみだ塾、ものづくり企業大賞、次世
和菓子・ちゃんこ鍋等の食文化
代ものづくり人材育成等の商工振興策
新タワーによる地域への注目、集客
後継者不足や国内産業空洞化への対応
下町ブームによる注目
豊かな日常生活と、生活に貢献するものづくり
日用生活用品
日常生活を豊かにする様々な
ライススタイル提案型製品
ラ
提案 製品
軽工業発祥の地
他にない技術力
高品質
高感度
ファッション関連産業の集積
機械金属工業の集積
区民・観光客が交流
個だわりショップ
路地裏・長屋・商店街
3M運動(小さな博物館・
工房ショップ・マイスター)
町を歩いていると色々な発見がある
相撲・花火等の伝統文化
葛飾北斎・墨堤の桜などの歴史・文化・名所
町工場の集積
和菓子・ちゃんこ鍋等の食文化
新タワーによる地域への注目、集客
下町ブームによる注目
17
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
(3)ブランドの価値規定とキャッチフレーズ
すみだ地域ブランドの価値(顧客や社会に約束する内容)を下記のように規定した。
ブランドの価値規定
「すみだモダン」宣言。
江戸~明治~現代、DNAを受け継いでいく。
今も息づく、江戸の粋や遊び心、下町の人情やふれあい。
伝統工芸から近代産業まで、高度な技術を支える職人技と妥協
を許さない職人魂。
すみだ地域ブランドは、時を越えても変わることのない「すみ
だのDNA(遺伝子)」を受け継いでいきます。
地域の文化を、次世代 届けていく。
地域の文化を、次世代へ届けていく。
相撲、隅田川の花火、葛飾北斎、墨堤の桜などの歴史や文化。
和菓子やちゃんこ鍋などの豊かな食文化。さらに、小さな博物
館や工房ショップ、町工場などの産業文化。
すみだ地域ブランドは、すみだが育んできた独自の「地域文
化」を伝えていくとともに、次世代に引き継いでいきます。
ものづくりを通して、生活に彩りを約束する。
優れた技術力とデザイン力に支えられた、暮らしを豊かにする
様々な製品。
ものづくりの街「すみだ」が創り出す製品は、東京はもちろん
日本全国、さらに世界で使われている本物たち。
すみだ地域ブランドは、すみだならではの「ものづくり」をさ
らに磨き、広く届け、人々の生活に豊かな彩りを約束します。
人
人々の交流を通して、コミュニティを育む。
交流を通し 、
ティを育む。
多くの史跡・文化施設、小さな博物館や工房ショップ、個だわ
りショップ、町工場、ものづくり体験の場などの観光拠点。
そして、新タワー「東京スカイツリー」のもとに訪れるたくさ
んの人たち。
すみだ地域ブランドは、「訪れる人、住む人、働く人」の交流
を活発にし、新しいすみだの地域社会を育てます。
18
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
すみだ地域ブランドのキャッチフレーズ及びロゴマークを作成した。使い方については、今後検討してい
く。
キャッチフレーズ
<使用例>
19
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
(4)地域ブランド戦略の推進方針と施策体系
①推進方針
2012(平成24)年タワーの開業を契機として、すみだで生み出され、提供される商品やサービスを対象
に、行政・地域の商工業者・NPOやボランティア・専門家からなる実行組織(協議会)を設置して、地域
ブランドの確立を目指す。既存・新規商品を通じたものづくりの実力をPRするとともに、地域資源を活
用した観光を促進していく。
すみだの“地域”をブランド化
すみだの
地域”をブランド化 ~産業・観光都市の創造~
産業 観光都市の創造
「すみだモダン」認定事業
主要推進施策
すみだ地域ブランド
キャンペーン
シンポジウム
ホームページ
すみだセレクシ ン
すみだセレクション
パンフレット
日々を彩る
チラシ
ものづくり
コラボレーション
流通
流通・
マーケティング
支援
粋に触れる
実はすみだが
支えてる
味に出会う
すみだ
モダン
街と語らう 祭を感じる
すみだ街あるき
ミュージアム
すみだの誇れる“価値“の創造
ひと・もの・こと・まち・新タワーを通じて
国内外の消費者へ観光客へ企業へすみだの魅力を発信
20
3.すみだ地域ブランド戦略の基本的考え方
②施策体系
すみだブランドの価値規定にふさわしい商品・サービス・観光スポット等を認定する事業として、「すみ
だモダン」認定事業を実施する。
1)「すみだモダン」認定事業
以下に示す5つの切り口(対象カテゴリー)で認定する。
*日々を彩る…生活用品・ファッション等を中心とする商品
粋に触れる…現代的な価値を持 伝統工芸、江戸の文化を活かした新しい商品
*粋に触れる…現代的な価値を持つ伝統工芸、江戸の文化を活かした新しい商品
*味に出会う…下町ならではの飲食店や食品・食文化
*街と語らう…史跡・文化施設・ショップ等の観光スポット
*祭を感じる…花火・花見・祭等のイベントや地域に伝えられる文化
すみだ地域ブランドキャンペーンとして、ホームページ、チラシ、シンポジウム、パンフレット等を通じた
PRを実施するとともに、下記の5つの主要施策を実施する。
2)すみだセレクション
すみだの優れた既存商品・サービス・観光スポットを国内外に発信(新タワー等での販売・PR)
3)流通・マーケティング支援
既存商品のパッケージやプロモーションツールを開発・改良して消費者へ(新タワー等での販売・PR)
4)実はすみだが支えてる
日本・世界を支えるすみだの隠れた技術力と優位性を国内外にPR
5)ものづくりコラボレーション
すみだの技術の“今”と“未来”を形(商品)にして消費者のもとへ(新タワー等での販売)
6)すみだ街あるきミュージアム
すみだならではの特色や活動、観光資源を“コト”にしていく(新タワーを回遊拠点に)
21
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
(1)「すみだモダン」認定事業
以下に示す5つのカテゴリー毎に、すみだブランドの価値規定(「すみだモダン」宣言。)にふさわしい商
品・サービス・観光スポット等を
品・サ
ビス・観光スポット等を、「(仮称)すみだブランド推進協議会」にて認定し、それらを中核として、
「(仮称)すみだブランド推進協議会」にて認定し それらを中核として
すみだ地域ブランドキャンペーンを展開していく。
生活用品・ファッション等を中心とする商品
・町工場から生み出される精巧な工業製品
ら生 出さ
精 な 業製品
・ファッションタウンとして育んできたニット製品、靴、鞄等
・日本の石鹸発祥の地としてのバスグッズ
現代的な価値を持つ伝統工芸
江戸の文化を活かした新しい商品
下町ならではの
飲食店や食品・食文化
・江戸の心を受け継ぎ新たな挑戦を
江戸 心を受け継ぎ新たな挑戦を
続ける商品
・暮らしに深く根づいている商品
・今新しい、昔ながらの味
今新し
昔ながら 味
・広く認められている味
・こだわりを求めて探したくなる
飲食店
日々を彩る
粋に触れる
すみだ
モダン
街と語らう
味に出会う
祭を感じる
史跡・文化施設・工房ショップ等
の観光スポット
花火・花見・祭等のイベント
や地域に伝えられる文化
・江戸の文化を伝える施設
・発見の喜びを満たしてくれる小さな
スポット
・下町の暮らし・風情に触れるスポット
・普遍の魅力を放つ行事
・時代を超える文化
・暮らしを活気づけるイベント
22
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
(2)すみだセレクション
■目的:
すみだの優れた既存商品・サ ビス・特徴的な観光スポット等を国内外に発信していく。
すみだの優れた既存商品・サービス・特徴的な観光スポット等を国内外に発信していく
■手法・ポイント:
●既存の高品質な商品・サービス・観光スポット等をパンフレット・HP・雑誌等で紹介
すみだ発の既存の高品質な商品・サービス・特徴的な観光スポット等を、パンフレット・HP・雑誌等を
用い、例示する形で紹介してゆく。
●すみだセレクション事業の第一弾として、「マガジン・セレクション事業」の実施
第一弾の取組みとして、消費者への橋渡し役である編集者や著名クリエイター・専門家等の選者を活
用した雑誌によるセレクションを行う。
テーマやストーリーは、他の地域にはないすみだのアイデンティティや「売り」を表現する。
各雑誌のライフスタイル提案に沿ってすみだのリーディング商品・サービス・特徴的なスポット等を例示
する形で紹介してゆく。
<「マガジンセレクション事業」の進行ステップ案>
■各雑誌が提案するライフスタイルに沿ってセレクトしたすみだの魅力をPR
認定でなくPRという位置づけで、雑誌編集部等による外部からの視点で、すみだの多様な商品群・
サービス・観光スポット等からを例示する形で
サ
ビス 観光スポット等からを例示する形で、各雑誌の性質にあった商品をピックアップしてもらう。
各雑誌の性質にあった商品をピックアップしてもらう
ものづくりコラボレーション事業のコラボレーターなど著名クリエーターによる「クリエイターズ・セレクショ
ン」企画も検討。
<「マガジンセレクション」の進行ステップ>
雑誌傾向別テー
マ、ストーリー想
定と、商品・サー
ビス・特徴的なス
ポット等の例をセ
レクト
雑誌の選定と
編集部による
商品・サービ
ス・観光スポッ
ト等のピック
アップ
掲載対象企業
との調整
各誌紙面構成
案の提案
・事務局にて、代表的な雑誌傾向別のターゲット
にふさわしいテーマやストーリーを想定し、ふ
にふさわしいテ
マやスト リ を想定し、ふ
さわしい商品・サービス・特徴的なスポット等の
例を粗選り。
・ふさわしい雑誌を最
終的に選定し、編集
部と実施企画を調
整。
・テーマやストーリーは、すみだのブランドの他
ではない「アイデンティティ」や「売り」を表現す
るものとする。
・編集部によるピック
アップ作業。
事務局と編集部に
て候補商品・サービ
ス・特徴的なスポッ
ト等を調整。
・ものづくりコラボレーションのコラボレーターに
よる「クリエイターズ・セレクション」企画も検討。
23
誌面制作・
掲載
・各編集部にて編集
企画案作成。事務
局および区にて検
討、確認。
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
<参考事例>
雑誌の掲載例
※「CASA BRUTUS」93号
※「CASA BRUTUS」104号
24
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
(3)流通・マーケティング支援
■目的:
既存商品を対象に 流通やマーケティングの支援を行う
既存商品を対象に、流通やマ
ケティングの支援を行う。
■手法・ポイント:
●流通やマーケティングの専門家による支援
具体的には、パッケージやネーミングの開発・改良、販路開拓、プロモーションの支援等を行う。
●平成21年度は企業募集は行わず 事前準備としての企業向けセミナーを開催する
●平成21年度は企業募集は行わず、事前準備としての企業向けセミナ
を開催する。
<流通・マーケティングセミナー実施企画案>
目的:墨田区の企業に対して、流通・マーケティングの知識を提供し、流通戦略を持った新商品群開
発や、新たな販路の開拓を助ける。
前提:「すみだ地域ブランド戦略」を推進していく上で、流通戦略を持った商品の開発や、最終的な販
路の獲得は、墨田区の企業が実利を得るために欠かせない要素である。
実施内容:流通やマーケティングにおいて署名な専門家をゲストに招き、墨田区の企業向けにセミ
ナーを開催することにより、流通・マーケティングのノウハウにより、商品の売り上げを高める方法を伝え
る。
テーマ案:
「実践!デザイン・マネジメント」
ものづくりやライフスタイル提案に精通したゲストを想定。
◆企画をさらに研ぎ澄まし、販売に結びつくカタチにする方法についての講演。市場を見据えた商品・
ブ
ブランド価値を高めるデザインについてや、そのマネジメント方法等について話してもらい、商品を、消
価
高
デザ
や
ネジ
方 等
商
費者に選ばれ、売れるものにするための秘訣を学ぶ。
「市場をつくるブランド力」
流通に精通しているゲストを想定。
◆消費者のニ ズを捉えた商品開発や、ブランド開発についての講演。新しい価値を生み出すことに
◆消費者のニーズを捉えた商品開発や
ブランド開発についての講演 新しい価値を生み出すことに
よって、これまでに気付かれていなかったターゲットを開拓していく方法について話してもらい、訴求力
のあるブランドをつくり、販売につなげる方法を学ぶ。
「作って終わりにしない!ネット活用戦略」
Webに精通し、新しい事業を行っているゲストを想定。
◆現在、マーケティングや経営戦略のポイントとなってWebを、いかにターゲットに支持されるように活
◆現在
ケ
グや経営戦略 ポ
トとな
を
ゲ ト 支持され
う 活
用するかについての講演。新しいWeb活用法、ターゲット選定の方法や、それに基づいた商品開発に
ついて話してもらい、Webを売り上げにつなげる方法を学ぶ。
25
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
(4)「実はすみだが支えてる」(技術PRシリーズ広告)
■目的:
日本・世界を支えるすみだの企業の隠れた技術力を シリーズ広告で国内外にPRすることで
日本・世界を支えるすみだの企業の隠れた技術力を、シリ
ズ広告で国内外にPRすることで、すみだ
すみだ
の産業全体のブランド力を向上させ、消費者・発注者等にすみだの産業(技術力)の優位性をアピー
ルする。
■手法・ポイント:
●すみだの特色である多様なものづくり産業の集積を活用
すみだには 繊維・化学・食品・メッキ・精密機器等 多様なものづくりの産業が集積している
すみだには、繊維・化学・食品・メッキ・精密機器等、多様なものづくりの産業が集積している。
契約により、一般には明らかにできないことが多いが、様々な他社ブランドの製品を共同開発やOEM
等で生産し、日本・世界を支えている。
これらの「実はすみだの商品」であるものをクローズアップ。ポスター・web・パブリシティ・出版物を利用
してPRしてゆく。
●大企業にもメリットのある提案をすることで、協力体制を築く
発注元の日本を代表する企業各社に並行してアプローチ、「日本企業再生のキーとしての、中小企業
との共存共栄」という意義と共に、上質な広告案を広報部門に提示して、協力を仰ぐ。
●すみだのイメージアップとともに、ブランド力を向上させる
すみだの企業が、共同生産やOEM等で生産している他社ブランドの製品を、ブランドの許可を得て
ブランドロゴと共に紹介する。
<進行ステップ案>
<手法>
ものづくり企業大賞
の一環として行った
り、公募をかけたり、
業界団体推薦で企
業を選ぶ方法等が
ある
区内の対象と
なる企業のピッ
クアップ
メジャーブラン
ドへ社名を公
開する許諾を
得る
掲載
掲載媒体の検討
ポスター掲示
パンフ
出版物
WEB掲載
記者発表
・・・等
すみだの技術力をア
ピールするのに適した
ピ
ルするのに適した
広告媒体をセレクト
企業のCSR活動などに
貢献できる形で提案
献 きる
提案
26
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
<参考事例>
Ex)ボーイング
「MADE WITH JAPAN」の広告
ボーイングの機体製造に、日本企業(三菱重工業、川崎重工業、富士重工業、東レ等)の技術
が活用されていることを、日本の風景を印象的に使用したビジュアルと共に表現し、日本との親
和性を訴求。
Ex)マイクロソフト
「people ready business/社員力を経営力に。」の広告
マイクロソフトのソフトウェアが各分野の企業(イオン、キリン、丸善等)で導入されることで、社内
コミュニケーションを活性化し、社員が本来持つ知識やスキルを経営資源として役立てるという
ミュ ケ ションを活性化し、社員が本来持つ知識やスキルを経営資源として役立てるという
機能を訴求。
Ex)NTTコミュニケーションズ
「ICT (Information & Communication Technology)ソリューション」の広告
NTT ミ
NTTコミュニケーションズのICTソリューションが各分野の企業(シャープ、コクヨ、ルフトハンザシ
ケ シ ンズのICTソリ
シ ンが各分野の企業(シ
プ ク ルフト ンザシ
ステムズ等)で導入されることで、ビジネスに最適な環境を生み出し、それぞれの会社の掲げる
テーマや、求められているサービスの実現を可能にしているという機能を訴求。
27
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
(5)ものづくりコラボレーション
■目的:
●すみだの製品や技術を消費者等に“市場”の中でPRすることで、すみだの産業全体の付加価値を
高める。
●外部の力を活用し、BtoBからBtoCへの転換に必要な商品開発や販売などのノウハウを蓄積すると
ともに、対外的PRを通じて、個別企業のBtoCのブランド力を向上させる。また、BtoB事業へのフィー
ドバック効果も狙う。
■手法・ポイント:
● 1つの企業だけではできないことに取り組み、区内産業活性化の「起爆剤」にする。
コラボレーターのトータル・プロデュースの下、テーマやコンセプトの明確な商品群を共同開発する。
統一プロモーションの実施や販路の開拓につなげる。
●平成20年度に公募を行い、選定委員会で選定
開発テーマ、コラボレーター候補を提示して企業を公募する。コラボレーターによる説明会も実施。
選定委員会で企業を選定し、企業とコラボレーターのマッチングを行い、プロジェクトを実施する。
●3つの分野を設定
1)技術力活用分野…若手デザイナー等との協働で、各企業の技術シーズを活用した商品企画を開発
する。
2)新商品開発分野…コラボレーターの考えるテーマに沿って
2)新商品開発分野
コラボレ タ の考えるテ マに沿って、複数企業による魅力的な商品群を開発
複数企業による魅力的な商品群を開発
する。
3)流通・マーケティング企画分野…流通等との協働により、既存製品も含め新販路の開拓や販売促進
を行う。
1)技術力活用分野で生み出された商品企画は、次年度2)新商品開発分野に移行、引き続き商品化を
行い、更にその次の年度は3)流通・マーケティング企画分野に移行、商品の販売促進を行う(必要に応
じて前倒し)。
じて前倒し)
なお、21年度は3)流通・マーケティング企画分野ではセミナーを開催し、ノウハウの共有化を図る。
<商品開発テーマ>
-地域特性から-
江戸・明治からのものづくり
文化を活かす
生活用品を中心とした
ものづくりの網羅性を活かす
ものづくり文化を新しい世代に
フィットさせる契機とする
飽きがこない
ロングライフ商品の開発
子ども目線で作る
キッズデザイン商品の開発
3Rを始め環境意識の深化
(大量生産・消費・廃棄社会
の終焉)
ユニバーサルデザイン
の定着
(子供にも年配層にも優しい)
<商品開発テーマ>
粋で洒脱な
感性価値商品の開発
-時代背景から-
和風・伝統文化への回帰
(若者層で顕著、
海外 の発信)
海外への発信)
※感性価値、キッズデザインなどのキーワードを入れておくことで、経産省などの国の予算の取得を目指す。
28
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
今年度は下記スケジュールで、参加企業の公募・選定を行った。
【今年度 「も づくり
【今年度の「ものづくりコラボレーション」事業
ボ
事業 実施スケジュール】
実施
ジ
】
「ものづくりコラボレーション」事業 企業募集開始
「ものづくりコラボレーション」事業
説 会(
説明会(18日)
)
2月
「ものづくりコラボレーション」事業
説明会(23日)
3月6日(金)
月 日(金)
「ものづくりコラボレーション」事業 企業募集締切
3月18日(水)
「ものづくりコラボレーション」事業 選定委員会
選定結果通知
3月末予定
<今後の推進イメージ>
平成20年度
平成21年度
コラボレー
ションによる
商品開発
販路開拓
プロモーション
東京スカイツリー開業
29
販売
販路開拓
マーケティング
・セミナー開催等
ミナ 開催等 プロモーション
商品
コラボレー
ションによる
商品開発
販売
コラボレー
ションによる
商品開発
技術シーズ
検討・交流
商品
参加企業
①新商品開
公募・選定
発部門
商品
技術シーズ
検討・交流
平成23年度
商品企画
商品企画
②技術力活 参加企業
公募・選定
用部門
流通・マー
ケティング
支援事業
(予定)
平成22年度
【参考】ものづくりコラボレーション・企業募集チラシ(オモテ)
30
【参考】ものづくりコラボレーション・企業募集チラシ(ウラ)
31
4.すみだ地域ブランド戦略の主要施策
(6)すみだ街あるきミュージアム
■目的:
すみだの街全体を 歩き回ることで様々な体験や学習のできるミュージアムと捉え
すみだの街全体を、歩き回ることで様々な体験や学習のできるミュ
ジアムと捉え、拠点や仕組みの整
拠点や仕組みの整
備とPRを行うことで、観光客を始めとするすみだファンの拡大を図るとともに、地域住民の地元への理
解・関心を高め、すみだの文化の醸成につなげる。
※ミュージアムには、展示・教育・研究・販売・寄付など、様々な機能がある。街全体をミュージアム化
するというアナロジーで全施策を統合する。
■手法・ポイント:
●拠点と仕組みの整備
街あるきの拠点(従来の観光スポットに加え、「3M運動」の工房ショップ・小さな博物館、ショールーム・
町工場、「個だわりショップ」等の飲食店・食品販売店等)と、街あるきの仕組み(コース、ガイド等)を充
実させることで、回遊性を高める。
→新タワ 開業後は来場客の回遊性の創造による商業 観光需要の波及が鍵。
→新タワー開業後は来場客の回遊性の創造による商業・観光需要の波及が鍵
●すみだの特色をストーリー化して発信
隅田川・花火・国技館・向島百花園・回向院・江戸東京博物館といった、既存の観光資源を単体で見
せるだけではなく、すみだの文化に根ざしたストーリーを設定・発信し、体験してもらえるようにする。
→ストーリーに基づくコース設定やストーリーを語れるガイドが重要に。
●来訪者がすみだの暮らしに触れられる仕組みづくり
観光コースに商店街でコロッケを食べる、買い物をするといったことを盛り込んだり、東武鉄道のガード
下活性化する計画と連携したり、すみだの暮らしに触れられる仕組みをつくる。
→下町の暮らしに触れること自体が大切な観光資源となる。
◇具体的な施策案については、来年度検討していく。
■施策例:
●新たな交通手段の整備
徒歩に加え、巡回バス、レンタサイクル、エココミューター(燃料電池車など)、舟運など、楽しくすみだの
地域を回遊できる多様なモビリティを整備していく。
地域を回遊できる多様なモビリティを整備していく
●すみだの商品を地元で販売
すみだセレクションで選ばれた商品や、ものづくりコラボレーションで開発された商品を、区内の店舗が
積極的に取り扱い、販売することで、観光客などの来街者での認知度や需要を高める。また、それは
すみだのものづくりの区民への認知度を高め、生活に馴染ませ、ものづくりのまちとしての誇りを醸成
することにもつながる。
●子供のものづくり体験を観光資源の目玉に
ものづくり体験は観光資源として重要な要素だが、特に子供を対象とした取り組みへの注目度が高
まっていく(ex.キッザニア)。子供がものづくりを体験する機会を増やすことで、ものづくりの楽しさや大切
さを次の世代を担う層に浸透させることが必要である。同時に、地域の小中学校の授業でものづくりを
教える、橘高校をものづくりコラボレーションのコラボレーターが訪れる等、区内の子供への学習機会
の提供も行う。
●ビジネス観光への対応
一般観光客だけではなく、すみだのものづくりの技術や工法などに関心を持つ企業人を対象とした、
ビジネス観光の受け入れ・アテンド体制を整備し、B to Bのビジネス促進の契機とする。
32
5.すみだ地域ブランド戦略成功のシナリオ
2012年の新タワー開業により、すみだ地域への認知度・注目度、来訪者数が確実に上がることを機会と
して捉え、5年程度を目安に、すみだ地域ブランドの確立を目指す。
<シナリオ>
①主要施策をブランド構築の「起爆剤」として、
すみだ地域への認知度・注目度を上げる。
成功例を作り、事業者みんなが真似するようにする。
真似ができる仕組みを作る。
②企業を、産業を、街を活性化する。
・社員がやる気を出す、よい人材が入ってくる、区民が誇りを持つようになる。
③すみだのイメージを高め、
すみだのものをみんなが欲しがる、すみだへ行きたくなるようになる。
▼
売上、利益になる。
(ブランド化には時間がかかる。)
<スケジュールイメージ>
2009(平成21)年度 2010(平成22)年度 2011(平成23)年度 2012(平成24)年度 2013(平成25)年度
すみだ地域への
注目度を高める
成功例を作る
タワー
成功が波及する
=追随する企業や人が出てくる
成功のための仕組みができる
地域ブランドが定着し売上・利益
がついてくる
街が活性化する
地域ブランドキャンペーン
シンポジウム・HP・パンフレット
すみだセレクション(既存商品・サービス・観光スポットのPR)
タワーと連携した
PR・販売
実はすみだが支えてる(B to B企業の技術PR)
流通・マーケティング支援(既存商品の販売促進支援)
ものづくりコラボレ ション(新商品開発サポート)
ものづくりコラボレーション(新商品開発サポート)
B to Cへのチャレンジ/B to Bへの成果の波及
すみだ街あるきミュージアム
(街全体で、産業観光や教育を行い、“コト”を作っていく)
「すみだモダン」認定事業(ブランド認定制度)
(仮称)すみだブランド推進協議会
ブランドマネジメント組織
=主要施策
33
商品開発の仕組み
統合的PRの仕組み
売りの仕組み
5.すみだ地域ブランド戦略成功のシナリオ
(1)地域ブランドキャンペーン
新タワー開業までの3年間、2009(平成21)年度から2011(平成23)年度は、地域ブランドキャンペーン期
間と位置づける 既存商品・サービス・観光スポット等を中心に
間と位置づける。既存商品・サ
ビス・観光スポット等を中心に、すみだブランドの訴求を行い、すみだ
すみだブランドの訴求を行い すみだ
地域への注目度を高めていく。
「すみだモダン」認定事業によるブランド認定を進めながら、雑誌等を通じたPR施策として「すみだセレ
クション」「実はすみだが支えてる」を実施する。同時に「ものづくりコラボレーション」「流通・マーケティ
ング支援」による新商品開発や既存商品の販売促進の支援を行い、これら事業全体をシンポジウム、
ホームページ、パンフレット等を通じて国内外に広くアピールする。
(2)タワーと連携したPR・販売
2012(平成24)年の新タワーの開業後は、「すみだモダン」認定事業でブランド認定された商品や「もの
づくりコラボレーション」で開発された新商品等を中心に、タワーと連携したPRや販売を行っていく。具
体的には、下記のような展開が想定される。
*新タワーでのPR・販売
新タワー街区での出店が計画されている「(仮称)観光プラザ」を始めとするスペースで、すみだブランド
商品を総合的に展示・PR・販売する。
*区内外の高感度ショップでのPR・販売
セレクト・ショップ等、話題性があり、またすみだブランドのイメージアップにつながる店舗を選び、販売
することを目指す。
*インターネットでのPR・販売
国内外に幅広くすみだブランドをPR・販売できる手段として、インターネットを積極的に活用する。既存
のサイバーモールへの出店や、すみだブランドとして独自のECサイトの立ち上げ等を検討する。
*「すみだ街あるきミュージアム」でのPR・販売
街全体がミュージアムであるというコンセプトで拠点や仕組みを整備したり、PRしたりする施策であり、
その中で積極的にすみだブランドの商品やスポットを取り上げていく。区内の小売業者に積極的にす
みだブランド商品を取り扱ってもらったり、すみだブランドの商品やスポットを取り入れた観光コースを
設定する等、さまざまな主体の連携によってPR・販売効果を高めていく。
34
6.すみだ地域ブランド戦略の参画主体と推進組織
(1)参画主体
地域すみだの企業を中心に、さまざまな主体がサポーターとなって、すみだ地域ブランド戦略を推進す
る。具体的には、来年度中に区内事業者が中心となった推進組織を立ち上げ、将来的にはブランドマ
ネジメ トを行う組織 創設も検討する
ネジメントを行う組織の創設も検討する。
行政(墨田区)
区民
*仕組みや制度の整備
仕組みや制度の整備
*すみだを誇りに思い、
商品を購入、企業に就職
区内外の商業者
*販売面での協力
企業内部への効果
企業外部への効果
すみだ企業
1.企業内の活性化
1
企業内の活性化
2.社員のモチベーションアップ
3.人材確保
4.後継者確保
*地域ブランド事業への参加
区外の生活者
・観光客(来街者)
*すみだファンとして、
商品購入・観光のリピーターに
クリエイター・デザイナー
・プロデューサー・メディア
1.企業の認知度アップ
2.取引先の増加
3.売上の増加
区外 企業
区外の企業
*墨田区の企業に発注
*すみだを世界に発信
(2)推進組織のイメージ
地域ブランドの推進を担う組織づくりには、東京商工会議所墨田支部との連携が重要である。また、行
政主導の立ち上げであっても、民間主導の事業に移行することが望まれる。
すみだの地域ブランドの推進組織について 以下のようなプロセスを想定している
すみだの地域ブランドの推進組織について、以下のようなプロセスを想定している。
年度
組織名
内容
平成20年度
すみだ地域ブランド戦略推進検討委員会
区の主導による検討を行う委員会
平成21年度
~
(仮称)すみだブランド推進協議会
上記委員会の検討を経た推進手法にもとづき、区の支援に
より、区内事業者・区民代表が中心となって推進する組織
その後の展開
(例)
ブランドマネジメント組織
上記の成果を受けて、必要性に応じて、発起人を募り民間
の会社や組合組織として管理運営を行う組織を立ち上げる
35
6.すみだ地域ブランド戦略の参画主体と推進組織
<平成20年度立ち上げ検討、平成21年度より稼動する組織の体制案>
地域ブランドを推進する組織として、行政・地域の商工業者・NPOやボランティア・専門家等の参加を
得て、(仮称)すみだブランド推進協議会を立ち上げる。
(1)目的・機能
1)すみだ地域ブランド戦略の総合的な
推進
2)ブランド認定制度の検討・制定・運営
・制度を検討・制定する。
・制度を検討・制定する
・協議会およびその後設立する自立的
組織にて運営。
・地域ブランドキャンペーン等を実施
する。
4)ブランド認定・マネジメントを行なう
自立的組織の検討・設立
3)ブランドマネジメント機能の検討
・ブランドイメージの管理
・ブランドの総合的PR
ブ
ド 総合的
・販路拡大推進、Eコマース等の事業
検討・推進
(2)組織形態
・平成21年度に、
任意団体として設置。
↓
・将来的には、
自立運営可能な組織体
を設立。
(例:株式会社、組合、
NPO等)
・民間主導による、自立的・継続的運
営が可能な組織に、機能を移す。
(3)協議会組織構成案
総会
行政・地域の商工業者・NPOやボランティア・専門家
などから構成。
理事会
運営組織。総会から選出。
専門委員会
・ブランド認定制度、ブランドマネジメント機能、組織の
検討など。
・実施段階でブランド認定審査委員会を設置。
実施段階でブランド認定審査委員会を設置
専門家によるアドバイザーグループ
総会
理事会
専門家による
アドバイザグループ
専門委員会(プロジェクト)
事務局
36
7.すみだ地域ブランド戦略の検討方法
区外のブランドやものづくり等の専門家、区内の事業者等による「すみだ地域ブランド戦略推進検討委
員会」を設置し、5回の委員会と1回の分科会を通じて、検討を行った。
すみだ地域ブランド戦略推進検討委員会委員一覧
(五十音順)
水野 誠一
(委員長)
株式会社IMA代表取締役
株式会社プロジェクト・パートナーズ代表取締役CEO
ICSカレッジオブアーツ校長
財団法人ファッション産業人材育成機構参与
赤池 学
(副委員長)
株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所代表取締役所長
日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞審査委員
キ ズデザイン協議会キ ズデザイン賞審査委員長
キッズデザイン協議会キッズデザイン賞審査委員長
及川 孝信
株式会社MT&カンパニー代表取締役
墨田区産業振興会議委員
近江 誠
精巧株式会社代表取締役社長
すみだが元気になるものづくり企業大賞受賞企業
墨田区ファッション関連産業振興プロジェクト会議メンバー
木下 富美子
ブランディングプロデューサー
株式会社博報堂MD戦略推進局「地ブランド」プロジェクト
小林 俊介
小林 俊介
株式会社東あられ本鋪会長
墨田区まちづくり条例委員
北斎通りまちづくりの会会長
3M運動参加企業(工房ショップ)
佐戸川 清
プロデューサー
株式会社ゼロファーストデザイン代表取締役
「新日本様式」評価支援委員会、プロモーション委員会委員
鈴木 俊雄
永井 美穂子
鈴木興産株式会社代表取締役社長
東京商工会議所墨田支部・墨田ブランドアップ推進委員会代表
元財団法人佐世保観光コンベンション協会 企画イベント部 課長
内閣府 地域活性化策の推進に関する検討チーム 地域活性化伝道師
墨田区産業振興会議委員(平成19年度)
廣田 尚子
プロダクト・デザイナー
ク
ナ
ヒロタデザインスタジオ代表
日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞審査委員
「新日本様式」評議会委員
松山 剛己
松山油脂株式会社代表取締役社長
株式会社マークスアンドウェブ代表取締役社長
藤田 彰
墨田区産業観光部長
<検討スケジュール>
第1回委員会 平成20年8月6日 墨田区役所122会議室 「現状認識と戦略の方向性の検討」
第2回委員会 平成20年10月1日 すみだリハ
すみだリバーサイドホール会議室
サイト ホ ル会議室 「基本的考え方と推進手法の検討」
第3回委員会 平成20年11月4日 すみだリバーサイドホール会議室 「基本的考え方とコア事業の検討」
分科会
平成20年12月11日 墨田区役所81会議室 「コンセプト/キャッチフレーズとコア事業の検討」
第4回委員会 平成21年1月13日 墨田区役所131会議室 「コンセプトとコア事業の検討」
第5回委員会 平成21年3月6日 すみだリバーサイドホールイベントホール 「戦略のまとめと来年度以降の進め方」
37
平成20年度
地域ブランド戦略推進検討報告書
平成21年3月
墨田区産業観光部産業経済課
〒130-8640墨田区吾妻橋1-23-20
電話5608-6188
38
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