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知床エコツーリズム戦略 付属資料

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知床エコツーリズム戦略 付属資料
知床エコツーリズム戦略付属資料
目次
付属資料1 観光利用やエコツーリズムの経緯
付属資料2 既存の法律と制度の概要
(1)自然環境保全と水産資源保全に関する主要な法律と制度
(2)観光とエコツーリズムに関する主要な法律と制度
(3)施設利用等に関する主要な法律と制度
(4)遺産地域に関する自主ル-ル
(5)各種保護規制に関する図面
付属資料3 適正利用・エコツーリズムに関する既存の計画
(1)知床国立公園適正化利用基本構想
(2)知床国立公園知床半島先端部地区利用適正化基本計画
(3)知床国立公園知床半島中央部地区利用適正化基本計画
(4)知床五湖利用調整地区利用適正化計画
(5)知床エコツーリズム推進計画
(6)知床エコツーリズム推進実施計画
付属資料4 検討会議構成員
付属資料5 個別の課題解決に関するアイディア
(1)先端部地区
(2)中央部地区
(3)海域
(4)隣接地域
(5)半島全域
付属資料 1
観光利用やエコツーリズムの経緯
知床国立公園指定前後
1952 年
羅臼岳登山道開削(岩尾別-羅臼岳)
1953 年
羅臼岳登山道開削(羅臼温泉-羅臼岳)
1958 年
道道ウトロ・斜里線開通に伴うバス運行開始
1960 年
縦走路開削(羅臼平-硫黄山)
1960 年代前半
登山口までの車道も充分整備されていなかったことなどから、一部の愛好家が羅臼岳
を目指す状況であった。
道路の整備や登山口にホテルができたこと、また山小屋が移設されたこと、更には
1964 年に国立公園に指定され、秘境として全国的にその名を馳せたのと相まって登山
者が増加。
1960 年代~
観光客は、青年、学生など若者中心。この時代から道外客が多く(60%)、夏型観光
70 年代
(6〜9 月 88%)が特徴。また、1970 年頃までの利用交通機関は路線バスや貸切バス
であり、70 年代初めからマイカーが増え始め、1973 年にはバス利用 73%、自家用車
24%となる。
1962 年
知床林道着工(1969 年開通)
1963 年
開発道路宇登呂羅臼線(知床横断道路)着工
1964 年
知床国立公園指定
知床半島めぐり観光船就航
1966 年
羅臼に国立公園管理員を配置
知床五湖遊歩道完成
1967 年
硫黄山登山道開削(知床林道-硫黄山-羅臼平)
羅臼湖登山道開削(羅臼岳登山道-羅臼湖)
「秘境として未開の大自然に恵まれた知床半島中央高地で、安全登山と自然保護」を
趣旨とする、全日本登山体育大会が、羅臼岳~硫黄山連山等の主なコースで開催され、
役員・選手約 600 名余が参加。これをきっかけに岳人達を引きつけるようになった。
望郷台中腹に「レストハウス」完成
1970 年
しれとこ資料館開館
第1次知床ブーム~
1971 年
歌手・加藤登紀子「知床旅情」のヒットと観光ブーム
1974 年
知床国立公園 10 周年を記念して斜里・羅臼両町による「知床憲章」を制定
1977 年
農業開拓跡地を乱開発から守り森林に復元することを目的として、住民と自治体が主
体となった「しれとこ 100 平方メートル運動」がスタート。
1978 年
斜里町立知床博物館開館
露天風呂「熊の湯温泉」完成
1979 年
斜里町立知床博物館が各種自然観察会を開始
1970 年代後半
連山の縦走路の利用や硫黄山も含めて、インターハイの全道や近隣の地区大会が相次
~80 年代
いで行われた他、高校の野外研修あるいは町民登山会、更には大学山岳部やワンゲル
による合宿等も行われた。個人の増加や旅行会社によるツアーもあり、登山者は増加
の一途をたどった。
1980 年
知床の保護問題(知床横断道路・国有林伐採計画)とその後の展開が全国的に話題に
なり、知床の価値や魅力を広く伝える効果があった。そして知床には「原生的自然が
あり、それが保護されている」というイメージが定着した。
第2次知床ブーム~
1980 年
知床横断道路開通
両町を結ぶ知床横断道路(国道 334 号)が開通したことにより、公園利用者は約 240
万人と増大した。マイカー利用が主流になり、それまでは冬期休業が主であったウト
ロのホテルも通年営業となった。
遠音別岳原生自然環境保全地域指定
1982 年
国設知床鳥獣保護区指定
1983 年
羅臼ビジターセンター開館
1984 年
「知床岬地区の利用規制指導に関する申し合わせ」により知床岬一帯のレクリエーシ
ョン目的の立ち入りを抑制。
第3次知床ブーム~
1986 年
知床国有林伐採問題が全国的に報道
1988 年
知床自然センター開館
1990 年
知床国立公園において、スノーモービル等の車馬の乗入れ規制地区を指定
知床森林生態系保護地域指定
1991 年
ウトロに知床国立公園管理官事務所開設
1993 年
斜里町環境保全課で世界自然遺産に関する調査を開始
1994 年
知床国立公園指定 30 周年を契機に、羅臼町と斜里町で世界遺産登録への取り組みの
検討開始
1997 年
しれとこ100平方メートル運動募金目標達成、新運動「100平方メートル運動の
森・トラスト」開始
1999 年
知床五湖・カムイワッカ間のマイカー規制開始
道の駅「知床・らうす」開館
1990 年代後半
日本百名山ブーム、ツアー登山ブームで、羅臼岳に登山者が多数来訪
2001 年
「知床国立公園適正利用基本構想検討会」を設置(2004 年に「知床国立公園利用適正
化検討会議」に移行。)
知床五湖駐車場有料化
2002 年
「羅臼町・知床世界遺産登録推進協議会」設立
2003 年
道山岳連盟の全道交流登山会が行われ、全道から多くの岳人が訪れた。
「世界自然遺産候補地地域連絡会議」(現「世界自然遺産地域連絡会議」)設置
2004 年
日本政府がユネスコに知床の世界自然遺産登録を推薦
斜里町と羅臼町が環境省のエコツーリズムモデル事業に応募
「知床ガイド協議会」設立
「知床世界自然遺産候補地科学委員会」(現「知床世界自然遺産地域科学委員会」)
設置
「知床エコツーリズム推進協議会」発足
「知床世界自然遺産候補地管理計画」策定
「知床国立公園知床半島先端部地区利用適正化基本計画」策定
知床世界自然遺産登録~
2005 年
知床が世界自然遺産に登録
「知床国立公園知床半島中央部地区利用適正化基本計画」策定
知床に 1 万人以上の登山者が来訪
知床エコツーリズム推進協議会が「知床エコツーリズム推進計画」策定
知床国立公園の区域を沿岸 1km から 3km に拡張
知床五湖高架木道建設開始
2006 年
道道知床公園羅臼線・天狗岩トンネル開通
道の駅「知床・らうす」の来場者が 100 万人を突破
知床半島先端部地区への立ち入り自粛を要請
羅臼沖で海の船上エコツアー(漁業見学体験等)開始
2007 年
「知床世界自然遺産・知床国立公園羅臼ビジターセンター」開館
知床エコツーリズム推進協議会が「知床エコツーリズムガイドライン」策定
「知床世界遺産地域多利用型統合的海域管理計画」策定
道の駅「うとろ・シリエトク」、「しゃり」開館
JR知床斜里駅リニューアル(駅舎改修、観光センター新築)
知床エコツーリズム推進協議会が「知床エコツーリズム推進実施計画」策定
2008 年
知床羅臼観光協会が札幌国際大学と観光振興を目指し協定を締結
第32回世界遺産委員会において知床の保全状況に関する決議が採択
「知床国立公園知床半島先端部地区利用の心得」の策定
知床五湖方面冬季利用試行事業開始
2009 年
ウトロ地区に知床世界遺産センター開館
ルサ地区にルサフィールドハウス開館
環境省、林野庁、文化庁、北海道が「知床世界自然遺産地域管理計画」を策定
「知床国立公園知床半島中央部地区利用の心得」の策定
道の駅「うとろ・シリエトク」利用者 100 万人を突破
2010 年
「知床国立公園利用適正化検討会議」から「知床世界自然遺産地域適正利用・エコツ
ーリズム検討会議」に移行
知床五湖高架木道(一湖畔まで全長 800m)開通
知床世界遺産センター、羅臼ビジターセンター利用者 10 万人を突破
2011 年
知床五湖で「利用調整地区制度」の適用開始
知床五湖フィールドハウスおよびパークサービスセンター開館
羅臼町郷土資料館開館
道路特例使用制度試行によるカムイワッカから硫黄山登山口の利用再開
2012 年
「知床半島ヒグマ保護管理方針」策定
付属資料2 既存の法律と制度の概要
(1)自然環境保全と水産資源保全に関する主要な法律と制度
ア 自然環境保全法
○遠音別岳原生自然環境保全地域
「原生自然環境保全地域」は、人の活動により影響を受けることなく原生状態を保
持し、一定のまとまりを有している土地の区域で、自然環境を保全することが特に
必要な地域について、環境大臣が「自然環境保全法」に基づき指定及び管理する地域。
当該地域は、1980 年に遠音別岳周辺が知床国立公園の区域から除外され、「遠音別
岳原生自然環境保全地域」に指定された。原生自然環境保全地域においては、学術研
究等特別の事由による場合を除き、工作物の新改増築や木竹の伐採等に加え、動植
物の採捕及び放出、落枝の採取や焚き火など当該地域における自然環境の保全に影
響を及ぼすおそれのある行為が禁止されている。
※関わりのある利用形態:②
イ 自然公園法
○知床国立公園
「国立公園」は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、
もって国民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与す
ることを目的として、環境大臣が「自然公園法」に基づき指定及び管理する地域であ
る。同法に基づき、1964 年に「知床国立公園」に指定された地域のすべてが、遺産地
域に含まれている。公園の保護及び利用上重要な地域であって工作物の新改増築、
木竹の伐採等の行為は環境大臣の許可が必要とされている「特別地域」、及び公園の
核心的部分を厳正に保護する地域であって工作物の新改増築や木竹の伐採等に加え、
動植物の採捕及び放出、落葉落枝の採取やたき火等の行為についても環境大臣の許
可が必要とされ、より厳正に保護が行われている「特別保護地区」、並びに海面の埋
め立て等の行為に環境大臣への届出が必要とされる「普通地域」がそれぞれ国立公園
の保護規制計画に基づき指定され、この地域区分に応じて各種行為が規制されてい
る。また、自然環境を保全しつつ、その適正な利用を図るため、国立公園の利用施
設計画に基づき、歩道やビジターセンター等の整備が行われている。
※関わりのある利用形態:①②
○知床五湖利用調整地区
「利用調整地区」は、将来にわたって自然公園の風致景観を維持するとともに、適
正な利用を推進するため公園計画に基づき特別地域内に指定される公園利用の制限
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
地区。指定地区内に公園利用者が入る場合には、環境大臣(または環境大臣が指定
した機関)の認定を受ける必要がある。2002 年の自然公園法改正で創設された制度。
なお、公園計画は規制計画と施設計画に大別され、それぞれ利用面と保護面の制度
が当てられている。利用調整地区制度は、
「利用規制計画」として位置付けられる。
利用規制計画にはこの他、公園内の自動車利用等を制限する「自動車利用適正化(マ
イカー規制)
」がある。知床五湖では 2011 年から同制度が導入された。
※関わりのある利用形態:①②
ウ 国有林野の管理経営に関する法律
○森林生態系保護地域
「森林生態系保護地域」は、我が国の森林帯を代表する原生的な天然林が相当程度
まとまって存在する地域を保存することにより、森林生態系からなる自然環境の維
持、動植物の保護、遺伝資源の保存、森林施業・管理技術の発展、学術研究等に資す
ることを目的としている。森林生態系保護地域は、林野庁が「国有林野の管理経営に
関する法律」に基づき計画的に国有林野の管理経営を行う中で、地域毎の具体的な管
理経営の計画策定に係る細部事項を定めた「国有林野管理経営規程」により策定され
た「国有林野施業実施計画」において設定し管理する地域である。本制度に基づき、
1990 年に知床半島の中心部の地域が「知床森林生態系保護地域」に設定され、さらに
2004 年には、知床横断道路西側の遠音別岳周辺地域まで拡大された。
※関わりのある利用形態:①②
エ 森林法
○保安林
「保安林」は、森林法に基づく森林保護制度で、水源かん養、土砂崩壊などの災害
の防備、生活環境の保全などの特定の公共目的のために必要な森林を農林水産大臣
または都道府県知事が指定している。保安林においては、その保全と適切な施業の
実施による保安機能の確保のため、森林所有者に作為、不作為の義務が課せられて
いる。また、一方で私権制限の程度に応じて租税の減免等の措置が講じられている。
※関わりのある利用形態:①②
オ 鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)
○国指定知床鳥獣保護区、知床特別保護地区
「国指定鳥獣保護区」は、国際的又は全国的な鳥獣保護の見地からその鳥獣の保護
のため重要と認める区域について、環境大臣が「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関す
る法律」に基づき指定する地域である。同法に基づき 1982 年に指定された国指定知
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
床鳥獣保護区及び同特別保護地区が遺産地域と重複している。狩猟が禁止されてい
る「鳥獣保護区」に加えて、特に鳥獣の生息、繁殖の場として重要な場所は一定の開
発行為が規制される「特別保護地区」が指定されているとともに、より一層の保護管
理を図る区域として、特別保護地区の一部(ルシャ地区)が「特別保護指定区域」に
指定されている。「特別保護指定区域」では、木竹以外の植物の採取、動物の捕獲、
落葉落枝の採取に加え、犬その他鳥獣に害を加えるおそれのある動物を入れること、
撮影、録画等が規制されている。
※関わりのある利用形態:②
カ 種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)
○国内希少野生動植物種
「国内希少野生動植物種」は、国内に生息又は生育する絶滅のおそれのある野生動
植物の種であって、「種の保存法」に基づき、政令で定められるものである。遺産地
域に生息する動物のうち、シマフクロウ、オオワシ、オジロワシ等の鳥類が国内希
少野生動植物種に定められており、捕獲、殺傷、譲渡し等が禁止されている。
※関わりのある利用形態:②⑤
キ 文化財保護法、北海道文化財保護条例
○天然記念物
「天然記念物」は動植物(生息地、繁殖地、渡来地及び自生地を含む。)
、地質鉱
物(特異な自然現象の生じている土地を含む。
)で我が国にとって学術上価値の高い
もののうち重要なものを保存することを目的とし、文部科学大臣が「文化財保護法」
に基づき指定するものである。
遺産地域に生息する動物のうち、エゾシマフクロ
ウ、オオワシ、オジロワシ、クマゲラ等の鳥類及び昆虫類1種(カラフトルリシジ
ミ)が天然記念物に指定されている。天然記念物の現状を変更し、またはその保存
に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可が必要である。 ま
た、遺産地域内には「北海道文化財保護条例」に基づく「道指定天然記念物」とし
て「羅臼の間歇泉」が指定されており、現状を変更し、またはその保存に影響を及
ぼす行為をしようとするときは、北海道教育委員会の許可が必要である。
※関わりのある利用形態:①②⑤
ク 漁業法、水産資源保護法、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律
○北海道海面漁業調整規則、北海道内水面漁業調整規則
水産資源については、
「漁業法」及び「水産資源保護法」に基づく「北海道海面漁
業調整規則」及び「北海道内水面漁業調整規則」による規制に加え、漁業者、漁業
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
団体の自主的取組による資源の管理・利用に関する規制や資源の増殖等の管理が行
われている。知床半島の主要な水産資源であるシロザケ、カラフトマスについては、
これらの法令に基づき、海面や内水面での採捕が制限されている。
また、スケトウダラについては、
「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」に
より、毎年、採捕量の上限値を設定し、採捕量を管理するほか、漁業者、漁業団体
等が各種調査等を活用して自主的に資源管理の取組を行っている。
※関わりのある利用形態:⑤
ケ 秋さけ船釣りライセンス制
斜里町ウトロ地区を中心とする地先海域では、秋さけの船釣りが盛んになり、遊
漁者が増加したことに伴い、秋さけ資源への影響や漁場・漁港のトラブル、海難事
故等の発生が懸念された。そこで、遊漁と漁業との調整を図り、遊漁秩序や釣り人
のマナーを確立することを目的として、平成元年から、委員会指示により、特定の
海域と期間における秋さけの船釣りを全面的に禁止し、委員会の承認を受けた者に
限り、秋さけ船釣りを行えるようしたものである。委員会とは、漁業法に基づいて
設置された機関である網走海区漁業調整委員会を指し、主に網走海区の区域または
海域内における漁業に関する事項を処理する。
※関わりのある利用形態:⑤
コ 斜里町ポイ捨て禁止条例
この条例は、ポイ捨てを禁止することにより、知床世界遺産の自然景観を保全す
るとともに地域の環境美化を推進し、もって町民の生活環境の向上を図ることを目
的とする。ポイ捨てとは、空き缶等(空き缶、空き瓶、ペットボトルその他の容器(中
身の入ったもの並びに栓及びふたを含む。)、包装袋、たばこの吸い殻、チューイン
ガムのかみかす、紙くず、レジ袋、犬猫の糞、釣り魚と残滓及びし尿と用便紙)を
みだりに捨てること又は放置することをいう。
※関わりのある利用形態:①②③④⑤
(2)観光とエコツーリズムに関する主要な法律と制度
ア エコツーリズム推進法
環境省では、2003 年に「エコツーリズム推進会議」を設置し、エコツーリズムの
普及・定着を目的とした推進方策を検討した。そのうちの一つが、環境省をはじめ
とする関係省庁が、モデル地区の個性を活かしたエコツーリズム推進への取り組み
を支援する「エコツーリズム推進モデル事業」であった。知床は実施地区として選
定され、2004~2006 年の 3 ヵ年でモデル事業を実施した。
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
2008 年に施行された「エコツーリズム推進法」は、地域の自然環境の保全に配慮し
つつ、地域の創意工夫を生かした適切なエコツーリズムを推進するための総合的な
枠組みを定める法律であり、主務大臣は環境大臣、国土交通大臣、農林水産大臣、
文部科学大臣となっている。
この法律において、市町村は協議会を組織することができ、協議会はエコツーリ
ズム推進全体構想を作成し、エコツーリズムを推進する。また、市町村は全体構想
の認定を主務大臣に申請することができ、認定された全体構想は国が広報に努める
とともに各種許認可等で配慮される。さらに、市町村は全体構想に基づき保護を図
るべき特定自然観光資源を指定でき、汚損、損傷等の禁止や利用者数の制限等が可
能となる。
※関わりのある利用形態:①②③④⑤
イ 観光圏整備法 (観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律)
○知床観光圏
「観光圏」とは、自然、歴史、文化等において密接な関係のある観光地を一体と
した区域であり、その観光地同士が連携して 2 泊 3 日以上の滞在型観光に対応出来
るよう、観光地の魅力を高めようとする区域を指し、国土交通大臣が認定する。認
定を受けた観光圏は、計画に位置づけた観光圏整備事業について、国からの補助金
などで総合的な支援が受けられる。各観光圏の整備事業には、体験型のプログラム
開発、二次交通の整備、宿泊の魅力向上、観光情報の発信強化などに関する事業が
挙げられている。「知床観光圏」は、2009 年に認定を受け、知床半島周辺の 4 町が連
携し、世界遺産にも登録された自然環境と、観光の共生を図った自然体験型、滞在
型、通年型の観光圏を目指す。
※関わりのある利用形態:①②③④⑤
(3)施設利用等に関する主要な法律と制度
ア 道路法
道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保
全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって交通の発達に寄与し、公共の福祉
を増進することを目的とし定められた。道路管理者以外の者が自らの費用で道路に関
して行う工事や、道路に一定の施設を設置し、継続して道路を使用(仮設テントや商
店等の看板、のぼり旗や日除け等)するには、道路管理者(国土交通大臣、北海道ま
たは指定市、市町村)に申請し承認を受けなければならない。
また、道路管理者が道路構造の保全または交通の危険防止のため、区間を定めて
道路の通行を禁止又は制限することが定められている。しかし、道道知床公園線の通
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
行止区間(カムイワッカ~硫黄山登山口)の利用については、6月から9月までの一
部期間において、落石の危険を理解したうえで「通行止区間の特例使用申請」を行う
ことにより、登山者に限り、徒歩による通行が可能である。その他、斜里町冬期通行
止区間の道路使用に関する事務取扱要領に定められた申請を行うことにより、斜里町
の冬期通行止区間内における通行等の道路使用について、災害や緊急時等における人
命救助等、農林水産業経営活動等、地域振興、観光振興、社会教育を目的として行わ
れる徒歩、スキー、スノーシューなどを使用した利用等についての利用が可能である。
※関わりのある利用形態:①②
イ 道路交通法
道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起
因する障害の防止に資することを目的として定められた。
都道府県公安委員会は上記目的のため必要と認めるときは、政令で定めるところに
より信号機又は道路標識等を設置し、及び管理して交通整理、歩行者又は車両等の通
行の禁止その他の道路における交通の規制をすることができる。
道道知床公園線(知床五湖~カムイワッカ)は、落石防止工事が平成 22 年度終了
し、現在、北海道北見方面公安委員会が道路の急勾配、路肩が軟弱、狭隘な道路や橋
があることから、大型自動車通行止め規制を実施しており、混雑期(8 月 1~25 日、9
月 15~24 日)には日中のみシャトルバスの利用により通行が可能となっている。
また、道路に一定の施設を設置し、継続して道路を使用(仮設テントや商店等の看
板や日除け等)するには、道路管理者に申請をするとともに、所轄警察署長に「道路
使用許可」を申請し承諾を受けなければならない。
※関わりのある利用形態:①②
ウ 道路運送法
道路運送法の目的は、道路運送事業の適正・合理的な運営、輸送の安全の確保、道
路運送利用者の利益保護、道路運送の総合的発達にある。旅客自動車運送であるタク
シー・バスなどの事業、また有料道路などの自動車道路事業について定める。宿泊施
設及びエコツーリズム推進法に規程する特定事業者が宿泊者及びツアー参加者を対
象に行う送迎のための無償輸送については、平成 23 年の通達により、道路運送法に
規定する旅客自動車運送事業の許可を要しない範囲が明確化されている。
※関わりのある利用形態:①②③④⑤(特定事業者による事業内容)
エ 漁港漁場整備法、北海道漁港管理条例
「漁港漁場整備法」に基づき、漁港管理者である北海道は「北海道漁港管理条例」
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
を定め、これに従い、適正に、漁港の維持、保全及び運営その他漁港の維持管理を行
い、漁港の発展のために必要な調査研究及び統計資料の作成を行うものとしている。
本来漁港は漁業の根拠地として漁業生産活動のために使用する漁船を収容する目的
で整備されたものであるが、
「北海道漁港管理条例」で定めるところにより、漁業生
産活動に支障のない範囲で、一部の漁港においてプレジャーボートによる使用が可能
とされている。プレジャーボートなどが漁港を使用する場合は、漁港所在地の市町村
長の許可を受ける必要がある。許可を受け漁港を使用できる漁船以外の船舶は、モー
ターボート、機関付きヨットなど、遊漁船、観光船、動力付きゴムボート、工事用作
業船などの船舶のうち、船舶検査を受け、船舶検査証書及び船舶検査済票の交付を受
けている船舶である。なお、原則漁港を使用できない船舶は、水上オートバイ、手こ
ぎボート、無動力ゴムボート、カヌー、シーカヤック、長さ3メートル未満のエンジ
ン出力が 1.5 キロワット未満の小型船舶である。
※関わりのある利用形態:③④⑤
オ 海岸法
海岸浸食等の被害から海岸を守るために、海岸法に基づき海岸管理者は、「海岸保
全区域」を指定する。「海岸保全区域」では堤防、突堤、護岸、胸壁、離岸堤等の海
岸保全施設が設置されるとともに、海岸保全施設以外の施設又は工作物を設けて当該
海岸保全区域を占用しようとするときは、海岸管理者の許可を受けなければならない。
知床世界自然遺産地域では、羅臼町海岸保全区域、斜里海岸保全区域が指定されてい
る。
※関わりのある利用形態:③④⑤
カ 食品衛生法
食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ず
ることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保
護を図ることを目的とする。主な食品営業の他、食品、添加物、器具、容器包装等を
対象に飲食に関する衛生について規定。飲食店等など、公衆衛生に与える影響が著し
い営業を営むには、都道府県等への許可申請が必要。縁日や祭礼などの際に簡易な施
設を設け、不特定多数の人々を対象として食品を提供する場合についても、原則とし
て食品営業許可が必要。公共的目的を有する住民祭や産業祭でのバザーなど、短期間
で行われるものなどについては、通常の営業許可ではなく、管轄の保健所へ届出をし、
保健所の指導を受ける地域もある。
※関わりのある利用形態:①
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
(4)遺産地域に関する自主ル-ル
ア 環境省 釧路自然環境事務所
○知床半島中央部地区利用の心得
「知床半島中央部地区」の一部の利用拠点において、過剰利用・集中利用による
自然環境への悪影響が顕在化しつつあったため、知床の持続的な保全を図りより良
い形で後世に引き継いでいくために心得(マナー)を定めた。
※関わりのある利用形態:①②⑤
○知床半島先端部地区利用の心得
海岸トレッキング利用、沿岸カヤッキング利用、山岳部登山利用、沿岸河口付近
でのサケ・マス釣り利用によって先端部地区に立ち入る利用者、及び動力船による
海域利用に関し、自然保護やリスクの軽減の観点から留意すべき事項や禁止事項を
定めた。
※関わりのある利用形態:②③④⑤
イ 知床エコツーリズム推進協議会
○知床エコツーリズムガイドライン
自然ガイドやガイド事業者が守るべき共通のルールを定め、地域で共有すること
によって、ガイドの質を維持・向上すると共に、安全管理と自然環境の保全が図ら
れたガイドツアーの実施を奨励し、それを一般利用者へもアピールするために策定
された。
※関わりのある利用形態:②
ウ
斜里営林署、標津営林署、網走海上保安署、羅臼海上保安署、網走支庁、根室支庁、
斜里町、羅臼町、ウトロ漁業協同組合、知床国立公園管理官事務所
○知床岬地区の利用規制指導に関する申し合わせ
貴重な植物群落や各種野生鳥獣の生息地である知床岬一帯の自然景観を保護する
ため、レクリエーション目的の立ち入りを抑制するために定められた。
※関わりのある利用形態:③
エ 知床ガイド協議会
○知床ローカルルール「流氷」
流氷を利用した自然体験ツアーを行うガイド事業者に対して、価値ある流氷体験
の存続や流氷事故防止のために定めたルール。
※関わりのある利用形態:④
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
○知床五湖ガイドライン
知床五湖ガイドにおける計画段階、散策前、遊歩道内の行動などについて、現在
五湖を利用しているガイドが心がけるべき事項をとりまとめた。
※関わりのある利用形態:②
オ 羅臼遊漁釣り部会
○自主ルール
国立公園及び世界自然遺産に指定されている羅臼の海において、関係法令・規則は
もとより、
「知床国立公園知床半島先端部地区利用適正化基本計画」の趣旨を尊重し、
知床ならではの健全で秩序ある遊漁を持続的に提供することを目的として、海難事
故の防止、資源保護・環境保護を図るためのルールを定めている。
※関わりのある利用形態:⑤
カ 知床羅臼観光船協議会
○野生鳥獣ウォッチング自主ルール
世界自然遺産登録地・知床の羅臼町沖および標津町沖の根室海峡海面と知床岬先
端部沖において、船舶を用いて流氷、同海域に出現する野生鳥獣のウォッチング観
光、野外学習、撮影取材や学術調査支援などを業務受託する会員、利用者の安全確
保を第一とし、地域におけるこれらの望ましい振興、共存、鑑賞対象の野生鳥獣の
保全のあり方の模索と実践を目的として制定された。
※関わりのある利用形態:③
※関わりのある利用形態記号:
①観光周遊、②登山・トレッキング、③動力船による観光・探勝、④シーカヤック・流氷ウォーク等、⑤釣り
(5)各種保護規制に関する図面
N
W
知床世界自然遺産登録地域界
A地区
E
S
B地区
知床国立公園
遠音別岳原生自然環境保全地域
知床岬
国指定鳥獣保護区
文吉湾
道指定鳥獣保護区
森林生態系保全地域 ( 除外地域 )
知床岳
▲
知床沼
ルシャ川
相泊
硫黄山
▲
知床五湖
ウトロ
ルサ川
羅臼岳
▲
知床峠
知西別岳
▲
羅臼
羅臼湖
遠音別岳
▲
0
5
10
20km
付属資料3
適正利用・エコツーリズムに関する既存の計画
知床国立公園適正化利用基本構想
平成13年度策定
知床国立公園適正利用基本構想検討会
【概 要】
知床国立公園の望ましい保護と利用のあり方(利用の適正化)について、学識経験者、地域
関係団体及び関係行政機関で構成する「知床国立公園適正利用基本構想検討会」が設置され、
次のことを踏まえて各地区ごとの利用適正化基本計画を作成することが提案された。
○基本思想
知床国立公園の利用に当たっては、ヒグマによって象徴される知床の自然に対する「謙虚
さ」と「畏怖・畏敬の念」を前提とした『ヒグマの棲家におじゃまする』を基本思想とする。
○それを踏まえた前提
知床ならではの原始性の高い自然景観と豊かな野生生物によって形成される多様な生態系
の持続的な保全
○基本方針
原始的な自然の地域において、一定のルールの下での自然体験機会の適正な提供と持続的
な利用を図る。
知床国立公園知床半島先端部地区利用適正化基本計画
平成16年12月策定
知床国立公園利用適正化検討会議
【概 要】
「知床半島先端部地区」において、本地区の原始性の高い自然景観と多様な生態系を適正に
保全するため、利用の適正化のための「あるべき姿」、(基本方針及び利用形態別取扱い方針)、
「守るべきルール」
(利用の調整及び利用の心得)、
「管理運営」等を定めることにより、立入利
用者が風致景観と生態系の持続的な保全に支障を及ぼすことのないように策定された計画。
知床国立公園知床半島中央部地区利用適正化基本計画
平成17年9月策定
知床国立公園利用適正化検討会議
【概 要】
「知床半島中央部地区」において、良好な自然景観と多様な生態系を適正に保全しつつ、利
用者により良い自然体験を提供し、さらにより良い形で後世に引き継ぐため、
「あるべき姿(基
本方針及び利用区分別取り扱い方針)や「守るべき利用ルール(利用のコントロール及び利用
の心得)
」、
「管理運営」等を定めることにより、利用の適正化を図るために策定された。
○知床半島中央部地区利用適正化実行計画(平成 19~21 年度)
「知床国立公園適正利用基本構想」における基本思想・方針等、及び「知床半島中央部
地区利用適正化基本計画」を踏まえ、「知床五湖地域」、「羅臼湖地域」、「知床連山地域」、
及び「カムイワッカ地域」の利用適正化を推進するため、地域ごとの「実施対策」、「利用
の心得」、「実施体制」、「モニタリング」等について、利用適正化検討会議構成機関・団体
が各年度に実施する計画として策定された。
知床五湖利用調整地区利用適正化計画
平成23年10月策定
知床五湖の利用のあり方協議会
【概 要】
「知床ならではの原始性の高い自然景観と豊かな野生生物によって形成される多様な生態系
の持続的な保全」を前提として、
「原始的な自然の地域において、一定のルール下での自然体験
機会の適正な提供と持続的な利用を図る。
」ことを基本方針とし、知床五湖地区が過剰な利用に
伴う問題、あるいは高密度に生息するヒグマとの軋轢を生じさせないための効果的な利用の制
限、誘導や普及啓発、施設整備のあり方、ヒグマの保護管理のあり方を検討し、必要な対策を
実施することにより、適正な利用を確保するための計画。
知床エコツーリズム推進計画
平成17年6月策定
知床エコツーリズム推進協議会
【概 要】
豊かで多様な自然環境と、その自然によって育まれた地域の産業・文化を活かした「知床型
エコツーリズム」を地域住民、来訪者、事業者が共に築き上げていくことができるよう、エコ
ツーリズム推進のための基礎となる施策の実施、仕組みの整備等を進めるための計画。魅力的
かつ環境への負荷に配慮したプログラムの開発と展開、各種ガイドラインの検討、景観保護の
必要性、モニタリング調査、情報発信の充実化、海外エコツーリストの誘致に関する取り組み、
知床及び、その周辺地域の広域的連携に向けて、自然環境保全への還元への検討等について記
載されている。
知床エコツーリズム推進実施計画
平成19年3月策定
知床エコツーリズム推進協議会
【概 要】
知床で今後取り組むべきエコツーリズムの推進のための施策について、具体的な目標とビジ
ョンを明確にし、道筋を示した計画。知床エコツーリズムガイドラインの運用、滞在型観光の
推進、統一窓口によるインフォメーション機能、地域発信型ツアーの企画・開発、ガイドのス
キルアップ、知床の自然保護活動の実施、既存観光地の利用のあり方に関する検討、観光収入
を環境保全に還元するシステム構築の検討等について記載されている。
付属資料4
検討会議構成員
【知床世界自然遺産地域科学委員会適正利用・エコツーリズムワーキンググループ委員】
敷田
麻実
北海道大学観光学高等研究センター【座長】
愛甲
哲也
北海道大学大学院農学研究院
石川
幸男
弘前大学白神自然環境研究所
小林
昭裕
専修大学経済学部
庄子
康
北海道大学大学院農学研究院
中川
元
間野
勉
北海道立総合研究機構環境・地質研究本部
【知床世界自然遺産地域連絡会議適正利用・エコツーリズム部会】
【地域関係団体及び関係行政機関】
ウトロ地域協議会
釧路開発建設部
ウトロ漁業協同組合
網走開発建設部
知床斜里町観光協会
北見運輸支局
知床羅臼町観光協会
釧路運輸支局
羅臼町・知床世界自然遺産協議会
網走海上保安署
羅臼漁業協同組合
羅臼海上保安署
知床ガイド協議会
北海道警察釧路方面本部
公益財団法人 知床財団
北海道警察北見方面本部
知床エコツーリズム推進協議会
斜里町
知床自然保護協会
羅臼町
斜里山岳会
羅臼山岳会
羅臼遊漁釣り部会
斜里第一漁業協同組合
知床小型観光船協議会
知床羅臼観光船協議会
一般財団法人自然公園財団
知床支部
【事務局】
環境省釧路自然環境事務所・北海道森林管理局・北海道
付属資料5
個別の課題解決に関するアイディア
(1)先端部地域
○フードコンテナー、クマスプレーの貸し出しを公的サービスとして行う。
○法的担保等を持つ制度を適用して、確実な保全と適正な公開の両立を図る。
○漁業者に迷惑をかけないマナーについて確実に伝える。
○知床先端海岸部の清掃について、全国からボランティアを募り実施すると共に良質な自然体験の提
供とする。
○カヤック利用者やトレッカーの利用に便利な地点に、安全が確保された野営指定地をいくつか設け
る。
○ルシャ地区については、特別地域としての独自の管理システムを設定し公平に公開できる仕組みを
創設することで、特権的に立ち入って人慣れを極端に助長するカメラマンの立ち入りを禁止する。
○知床岬(アブラコ湾)・モイレウシにレンジャーステーションを設け、野営者や通過者の指導・情報
提供などにあたり、そこを拠点とした監視活動を展開する。
○ルシャ地区および知床岬地区への立ち入りに関しては公的管理下とするなどの特別ルールを適用す
る。
○知床岳の冬期利用促進を検討する。
(2)中央部地域
○中央部地区において、ガイド同伴の仕組みやシャトルバス使用を検討する。
○ホロベツ~カムイワッカ(もしくはイダシュベツ)
、岩尾別温泉道路、ルサ~相泊、知床横断道路に
シャトルバスシステムを整備する。また、乗換拠点において短時間のレクチャーを実施する。また
道路沿いを散策路やトレッキングコースとして利用する。
○知床連山、羅臼湖等の利用者に対し、事前レクチャーを受けるシステムを整備する。
○登山利用にあたっては安全対策の観点から、羅臼岳のみの路線と硫黄山・カムイワッカへの縦走路
線とに分けて対応する。
○巡視、調査研究、環境教育、歩道の維持補修、植生保護、し尿処理、利用者・ガイド・エージェン
トへの関係遵守事項の周知、利用者からの情報収集体制、管理要員の増、行政の一元化等について、
関係機関、団体等により協議し、具体的かつ確実に取り組む。
○知床連山の縦走路の一部区間において、ルート変更を検討する。
○携帯トイレ使用のためのブースを早急に設置する。
○イダシュベツ河口にバス転回場と展望施設を整備し、知床五湖からイダシュベツはシャトルバスを
運用する。展望地からカムイワッカ間は廃道とし、カムイワッカ湯の滝やカムイワッカ展望地、知
床大橋、硫黄山登山口には徒歩または自転車で行く体制にする。それによってカムイワッカ四の滝
等も自己責任で利用させる。
○ヒグマ遭遇の対策のため、フレペの滝遊歩道森林部分のコース変更や高架化を検討する。
○湯ノ沢キャンプ場、国設ウトロ野営場などにおける電気柵やヒグマ対策用ゴミ箱、食料保管庫など
を整備する。
○ルサ-相泊間のシャトルバスシステム運用のための乗換拠点機能を整備する。
○ルサフィールドハウス周辺の環境を整備・修復し、利用者の滞留機能を強化する。
○ルサ-相泊間の道路や海岸へのヒグマの侵入を物理的に防ぐ対策を強化し、ヒグマ観察を目的とす
る人に対して、代替措置として誘導できる環境を整備し、シマフクロウの観察が可能な機能も付加
する。
○ルサ河口周辺の釣り人のマナーの悪さと、ヒグマ誘引と事故発生の危険性の対策として、魚を適切
に処理できる施設を整備し、釣り人が自然に施設に立ち寄る環境を作る。
(3)海域
○船上ガイドの定期的な勉強会等によるスキルアップを行う。
○観光船の新コースの検討及びイベントの開催を検討する。
○観光船が欠航した時の代替プログラム案を検討する。
○ヒグマやケイマフリに対しての保護活動、情報提供や調査協力に取り組む。また、広報活動やブラ
ンド化等により野生動物の利用価値を最大限に引き出すとともに、ルールを制定する。
○同一のフィールドで活動する業者での共有ルールと協力体制を確立する。また、新規参入時のルー
ル作りや漁業作業者との利用場所の区分けを検討する。
○二酸化炭素削減など、環境に配慮した運航を行う。
(4)隣接地域
○知床半島基部の農耕地帯とそれを取り巻く山々の魅力を提供する体制を整備し、知床利用の多様性
を高める。
(5)半島全域
○知床で毎日異なるプログラムを体験しながら1週間滞在できるよう、自然体験プログラムの開発を
進める。
○旧開拓地の家屋や半島先端部の旧番屋などの再整備、管理のための管理団体の設立。
○各団体の安全規定やアクティビティ毎の安全対策に関するガイドライン、人材を育成・認定する団
体組織について、認証制度を設ける。
○ガイドツアーの語り部として、農業開拓1世、2世や引退した漁業者など、知床の自然とともに産
業活動を行ってきた関係者の経験・知恵を生かす。
○サシルイ川、モユルス湾などにオジロワシ・オオワシ類の観察舎などを設けるなど、鳥類にストレ
スのない状況で観察ができるようにする。
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