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「型技術ワークショップ 2014 in 愛知」実行委員長/トヨタ自動車㈱ 常務理事
玉木利明氏
Toshiaki Tamaki
日産自動車㈱ パワートレイン生産技術本部 成形技術部 先進 PT 精密成形技術グループ 主担
齊藤雅基氏
Masaki Saito
愛知発!自動車や航空機など
“モビリティー”
をキーワードにした
最新技術情報が満載
齊藤 「型技術ワークショップ 2014 in 愛知」が開催
生産準備など、プレス分野を中心に生産技術領域に長
されます。11 月 27 日
(木)
に名古屋市のウインクあい
く携わってきました。スタンピングツール部部長、生
ちで講演会、28 日
(金)
は工場見学会が行われます。
技管理部部長を経て、2013 年に常務理事に就き、堤
今回は、実行委員長でトヨタ自動車・常務理事の玉木
工場と高岡工場を担当しています。今は金型や設備を
利明さんに、ワークショップの見どころを中心にお聞
つくる側から使う側になっています。
きします。
齊藤 現在、堤工場と高岡工場ではどういった車種を
最初に、玉木さんのご経歴を紹介ください。
生産していますか。また、それぞれの工場の特徴を教
玉木 1981 年にトヨタ自動車工業(現・トヨタ自動
えてください。
車)に入社し、プレス金型の設計・製作や外板部品の
玉木 堤工場はミディアムクラスの乗用車生産工場と
型技術
第 29 巻 第 11 号 2014 年 11 月号
001
PROFILE
玉木
1981 年 4 月
1990 年 6 月
2000 年 1 月
2004 年 1 月
2007 年 1 月
2008 年 12 月
2010 年 6 月
2013 年 3 月
2013 年 4 月
利明(たまき
としあき)
トヨタ自動車工業㈱[現・トヨタ自動車㈱]入社
N.
U.
M.
M.
I へ出向
スタンピングツール部
プレス生技部 室長
生技管理部 室長
スタンピングツール部 部長
生技管理部 部長
同社 常務理事就任
同社 堤工場 工場長、高岡工場 工場長 現在に至る
して、1970 年 12 月に操業を開始しました。セリカ
ーマン・ショックによる不況や東日本大震災などさま
とカリーナの生産から始まり、その後しばらくはカム
ざまな出来事に遭遇し、モノづくりも大きな打撃を受
リの主力工場でした。海外現地生産が進んでからは、
けましたが、近年では元気な姿も見られるようになっ
ハイブリッド車(HV)プリウスへシフトしていき、
ています。実行委員のメンバーと議論する中で、愛知
現在は当社 HV 主力拠点として、プリウスとプリウ
で開催するからには、参加者は自動車・航空機産業の
スαを中心に生産しています。コンベエンジン車も生
最新動向を期待しているだろうと意見が一致し、まず
産していて、HV プリウスとカムリ、プレミオ、アリ
キーワードを
“モビリティー”
としました。次に愛知お
オンを混流生産していることも特徴です。
よび中部地区には、素材から、加工機や装置、金型、部
堤工場ではエコカーをつくっているので、工場も環
品、そして製品化まで、モビリティーをつくり出すた
境対応を強化しようと考え、2007 年に「サステイナブ
めの幅広い技術を有した企業が集積しています。この
ル・プラント」活動を開始しました。これは「自然を
つながりはまさに
“技と技の融合”
と言えます。また、
活用し、自然と調和する工場づくり」を目指すもので、 愛知では産官学の連携にも積極的で、さまざまな研究
美化活動による「エコマインド」や、太陽光発電を用
いた「再生可能エネルギーの活用」
、植樹活動による
「工場の森づくり」などの取組みを推進してきました。
高岡工場は 1966 年 9 月に小型乗用車生産工場とし
プロジェクトが進められています。今後、それらの成
果が世の中に
“発信”
されていくことの期待を、モビリ
ティーとかけて
“世界へ発進!”
とテーマ名に加えました。
齊藤 今すぐ動き出しそうな、とても躍動感のある愛
て、操業を開始しました。操業からカローラの主力工
知ならではのテーマですね。
場でしたが、海外現地生産が進んだ今では、オーリス
玉木 今回は「型技術ワークショップ」の第 20 回目
やルミオン、ハリアー、RAV4、iQ などを混流生産
開催という節目にもなりますので、オープニング講演
しています。昨年、高岡工場では累計生産台数 2,
500
から特別講演、工場見学会まで、実行委員のメンバー
万台を達成しました。
が一丸となって力を入れています。
モビリティー産業の集積地である
愛知の特色を活かす
グリーンモビリティーから新素材、
金型・製品づくりまでを一貫して講演
齊藤 続いてワークショップの話題に移ります。まず
齊藤 オープニング講演では、
“グリーンモビリティ
は今回のテーマを「世界へ発進!AICHI のモノづく
ー”がテーマとなっていますね。
り∼技と技の融合で、新たなモビリティーを∼」に決
玉木 日本では、環境への負荷が少なく、安全かつ安
めた背景について教えてください。
心な交通手段およびシステムの構築が課題となってい
玉木 実は今回の愛知での開催は、2001 年、2005 年に
ます。産学官連携を通して、革新的な技術の創出、研
続き 3 回目となります。前回の開催以降、日本はリ
究者・技術者の人材育成を進め、グリーンモビリティ
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