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TPP 活用による事業機会

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TPP 活用による事業機会
平成 27 年(2015 年)11 月 9 日
BTMU Global Business Insight 臨時増刊号
AREA Report 410
TPP 活用による事業機会
要旨
2015年10月5日、環太平洋パートナーシップ(TPP)参加の12カ国の閣僚は、交渉妥結を宣
言した。協定発効後は、世界のGDPの約4割をカバーする世界最大の自由貿易圏が誕生する。
本レポートでは、日系企業のTPP活用による輸出入におけるビジネス・チャンスを考える
と共に、妥結した協定の概要について日本政府発表資料を基に「物品市場アクセス」を中心
に記載する。
< 目次 >
ページ
1.
TPP活用による事業機会
2
(1)
二国間での輸出入取引
2
(2) 三国間での輸出入取引(その1)
3
(3) 三国間での輸出入取引(その2)
4
2.
今回妥結した物品市場アクセスの概要
5
(1)
日本市場へのアクセス
6
(2)
日本から11カ国の市場へのアクセス
10
3.
今回妥結した物品以外の市場アクセスの概要
12
4.
原産地規則及び原産地手続きについて
12
5.
環太平洋経済連携協定(TPP)について
13
6.
TPP発効の条件
16
7.
TPP発効までのスケジュール
16
17
(参考サイト)
1
1. TPP活用による事業機会
TPP発効後は、各国の関税率低下のメリットを享受することが可能になる。輸出入については、
以下のようなパターンでのTPP活用が考えられる。
(1)二国間での輸出入取引
二国間での輸出入取引においては、輸入者、輸出者の双方が、相手国側の関税率が下がるメリ
ットを受けることができる。
主体
TPP活用のメリット
輸入者
関税引き下げによる輸入価格低下。これにより、収益増または、販売価格引下げに
よる販売数量増が可能に。
輸出者
関税引き下げにより、TPP加盟国以外または輸出先の自国内で生産された製品に対
し、価格競争力が増し、輸出数量増が見込める。
例えば、日本から米国等への工業製品輸出、ベトナムから米国への繊維製品輸出の他、マレー
シアから米国へのパーム油や工業製品輸出についても関税引下げメリットが見込まれている。ア
セアンの中で、TPPに加盟したベトナム、マレーシアは、輸出型製造拠点としての魅力が高まる
ため、他国からの直接投資が増加すると見られている。日本の輸入については、農産品等の輸入
関税が引き下げられるため、日本の輸入者に、関税引き下げ分、輸入価格が低下し、価格競争力
が増すというメリットが生じる。最終的に、日本の輸入者は国内販売価格を引き下げて販売数量
を増やす可能性がある。
マレーシア(クアラルンプール)、ベトナム(ハノイ)、中国(深セン)の一般工の人件費の
比較から輸出型生産拠点としての魅力を見ると、過去13年半の間に、マレーシアと中国の人件費
差が縮小していること、ベトナムの競争力が高まっていることがわかる(次ページ図参照)。こ
のような人件費面での競争力の高まりに加え、TPP活用により、関税面でもTPP非加盟国と加盟
国では数%から数十%の関税率の差が生じる可能性があるため、TPP加盟アセアン諸国は製造業
の投資先として注目されていく可能性が高まっている。
2
例えば、中国はTPPに加盟していないため、中国の輸出品とTPP加盟アセアン諸国の輸出品と
の関税差が拡大し、TPP加盟アセアン諸国におけるTPP加盟国向け輸出品の生産メリットが拡大
する見込み。ベトナムのケースでは、米国に輸出する衣類で30%程度の関税率の差が生じる。
【各国の一般工の月額人件費の比較(1999年6月→2014年1月)】
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
(米ドル)
429
390
301
1999年6月
155
94
89
クアラルンプール
2014年1月
深セン
ハノイ
(出所)ジェトロ「アジア主要都市・地域の投資関連コスト比較」より
三菱東京UFJ銀行国際業務部作成(数値はレンジの中間値)
(2)三国間での輸出入取引(その1)
TPPにおいては、複数の締結国において付加価値・加工工程の足し上げを行い、原産性を判断
する完全累積制度(※)が採用されている。このため、例えば、前述のベトナムから米国への繊
維製品の輸出の場合、TPP加盟国からベトナムに繊維製品の原料や副資材を輸出し、ベトナムで
加工して米国へ輸出することも容易になる。
※完全累積制度…TPP協定においては、複数の締結国において付加価値・加工工程の足し上
げを行い、原産性を判断する完全累積制度が採用されている。このため、TPP加盟国内の
産品を加工したTPP加盟国への輸出が容易になる。
3
(3)三国間での輸出入取引(その2)
TPPで完全累積制度が採用されているため、TPP以外の既存のFTAを利用している場合におい
ても、新たにTPPを利用することで、日本からの輸出が促進されることも想定される。
例えば、メキシコは米国向けの自動車生産の一大拠点となっており、自動車メーカーは北米自
由貿易協定(以下、NAFTA)を利用して、メキシコで生産した自動車を低関税率で米国に輸出
している。これまでは、日本から自動車部品を輸入するとメキシコにおける原産地比率が低下す
るため、日本からの部品輸入が行いにくくなるケースがあった。
TPP発効後は、TPPの完全累積制度を利用し日本からの部材調達を行い、メキシコで自動車生
産し、米国に輸出することがより容易になる。
4
2. 今回妥結した物品市場アクセスの概要
TPP交渉参加各国の関税撤廃率は以下の通り。日本が品目数及び貿易額ベースで95%とやや低
いが、それ以外の11カ国は99~100%の関税が撤廃される。
【TPP交渉参加各国の関税撤廃率】
国
日本
米国
カナダ
豪州
NZ
シンガポール
品目数ベース
95 %
100 %
99 %
100 %
100 %
100 %
貿易額ベース
95 %
100 %
100 %
100 %
100 %
100 %
国
メキシコ
チリ
ペルー
マレーシア
ベトナム
ブルネイ
品目数ベース
99 %
100 %
99 %
100 %
100 %
100 %
貿易額ベース
99 %
100 %
100 %
100 %
100 %
100 %
(出所)「TPPにおける関税交渉の結果」平成27年10月20日内閣官房TPP政府対策本部
(参考)日本の直近のEPA(日豪EPA)における関税撤廃率:89%
(注)米国、カナダ、豪州、ニュージーランド、チリ、ペルー、マレーシア、ベトナムは、
100%と記載の部分に一部例外品目あり。シンガポール及びブルネイは、全ての品目の関
税を撤廃。
【相手国及び日本の即時撤廃率及び関税撤廃率(工業製品)】
国名
即時撤廃率
品目数ベース 貿易額ベース
関税撤廃率
品目数ベース 貿易額ベース
日本
95.3 %
99.1 %
100 %
100 %
日本以外の 11 カ国計
86.9 %
76.6 %
99.9 %
99.9 %
米国
カナダ
ニュージーランド
豪州
ブルネイ
チリ
マレーシア
メキシコ
ペルー
シンガポール
ベトナム
90.9 %
96.9 %
93.9 %
91.8 %
90.6 %
94.7 %
78.8 %
77.0 %
80.2 %
100 %
70.2 %
67.4 %
68.4 %
98.0 %
94.2 %
96.4 %
98.9 %
77.3 %
94.6 %
98.2 %
100 %
72.1 %
100 %
100 %
100 %
99.8 %
100 %
100 %
100 %
99.6 %
100 %
100 %
100 %
100 %
100 %
100 %
99.8 %
100 %
100 %
100 %
99.4 %
100 %
100 %
100 %
(出所)同上
※ 小数点第二位を四捨五入。但し、99.9%以上100%未満については、小数点第二位を切捨て。
5
※ 即時撤廃率、関税撤廃率の算出にあたり、「品目数ベース」の数値については各国の2010年1
月時点の国内細分に基づき計算、「貿易額ベース」の数値については、2010年における日本
から各国への輸出額に基づき計算。
【農林水産品の日本以外の国の関税撤廃等の状況(対日)】
国名
米国
カナダ
豪州
メキシコ
マレーシア
シンガポール
チリ
ペルー
NZ
ベトナム
ブルネイ
11 カ 国 平 均
(参考)日本
2 ~ 11 年目まで
12 年 目 以 降
非撤廃
撤廃
5.5 %
(関税割当制・削減等)
55.5 %
撤廃
37.8 %
86.2 %
99.5 %
74.1 %
96.7 %
100.0 %
96.3 %
82.1 %
97.7 %
42.6 %
98.6 %
7.9 %
0.5 %
17.2 %
1.2 %
0.0 %
3.2 %
11.9 %
2.3 %
52.3 %
1.4 %
0.0 %
0.0 %
5.1 %
1.7 %
0.0 %
0.0 %
2.0 %
0.0 %
4.5 %
0.0 %
5.9 %
0.0 %
3.6 %
0.4 %
0.0 %
0.5 %
4.0 %
0.0 %
0.6 %
0.0 %
-
84.5 %
12.3 %
1.7 %
1.5 %
2,328
51.3 %
27.5 %
2.2 %
19.0%
品目数
即時撤廃
2,058
1,566
941
1,387
3,324
1,400
1,634
1,155
1,287
1,431
1,400
1.2 %
(出所)同上
※日本以外の国の農林水産品については、国際的な商品分類(HS2007)において1~24、44及
び46類に分類される農林水産物であって、農林水産省所管品目とは一致しない(日本の品目
数には含まれていない財務省所管の酒・たばこ類が含まれる)。
※即時撤廃には既に無税の物品を含む。
※日本の既存EPAの自由化率は11年目までに撤廃されるライン数の割合とされているため、11
年目までで区分。
(1)日本市場へのアクセス
TPP においては、全ての品目の関税を撤廃するという原則があるが、今回、日本政府は、農
産品の重要 5 品目(米、麦、乳製品、牛肉・豚肉、サトウキビ)の関税は維持する。また、輸
入関税をかけている農産品 834 品目のうち、約半数の品目の関税を撤廃すると報じられている。
以下、主要 5 品目を中心とした主要農産品の合意内容について記す。
6
① 主要5品目
品目名
枠組み
米及び米粉等
(国家貿易品
目)
現行の国家貿易制度を維持、枠外税率(米の場合341円/kg)を維持
米国、豪州に国別枠を設定
・米国:5万t(当初3年維持)→7万t(13年目以降)
・豪州:0.6万t(当初3年維持)→0.84万t(13年目以降)
(国内の需要動向に即した輸入や実需者との実質的な直接取引を促進
するため、日本は、既存のWTO枠のミニマムアクセスの運用につい
て見直しを行うこととし、既存の輸入の一部について、中粒種・加工
用に限定したSBS方式※(6万トン)へ変更する予定)
一定の輸入がある米粉調整品等は関税を5~25%削減、輸入量が少な
い又は関税率が低い品目等は関税を削減・撤廃
米の調製品・
加工品等(民
間貿易品目)
小麦
小麦製品
大麦
砂糖
でん粉
現行の国家貿易制度を維持、枠外税率(55円/kg)を維持
米国、豪州、カナダに国別枠を新設(計19.2万t(当初)→25.3万t(7
年目以降)・SBS方式※)
既存のWTO枠内のマークアップ(政府が輸入時に徴収している差
益)を9年目までに45%削減、新設する国別枠内のマークアップを同
水準に設定。国別枠に限り、主要5銘柄以外の小麦を輸入する際はマ
ークアップを9年目までに50%削減した水準に設定
小麦粉調製品等にTPP枠又は国別枠を新設(4.5万t(当初)→6万t(6
年目以降))、国家貿易枠で運用している小麦製品は引き続き国家貿
易枠で運用
マカロニ・スパゲティは、関税を9年目までに60%削減
現行の国家貿易制度、枠外税率(39円/kg)を維持。TPP枠を新設
(2.5万t(当初)→6.5万t(9年目以降)・SBS方式
TPP枠を新設(2.5万t(当初)→6.5万t(9年目以降)・SBS方式)
既存のWTO枠内のマークアップを9年目までに45%削減、新設する国
別枠内のマークアップを同水準に設定
麦芽は、現行の関税割当数量範囲内で、米国、豪州、カナダの国別枠
を設定(計18.9t(当初)→20.1万t(11年目以降))
粗糖・精製糖等は、現行の糖価調整制度を維持した上で、以下を措置
・高糖度(糖度 98.5 度以上 99.3 度未満)の精糖用原料糖に限り、関
税を無税とし、調整金を少額削減
・新商品開発用の試験輸入に限定して、既存の枠組みを活用した無
税・無調整金での輸入(粗糖・精製糖で 500t)を認める
加糖調製品は、品目ごとにTPP枠を設定(計6.2万t(当初)→9.6万t
(品目ごとに6~11年目以降))
現行の糖価調整制度を維持した上で、以下を措置
・現行の関税割当数量の範囲内で、TPP 枠設定(7.5 千t)
・TPP 参加国からの現行輸入量が少量のでん粉等(コーンスターチ、
ばれいしょでん粉等)は、国別枠を設定(計 2.7 千 t(当初)→3.6
千 t(品目ごとに 6~11 年目以降)
)
7
品目名
牛肉
豚肉
脱脂粉乳・
バター
ホエイ
チーズ
枠組み
関税撤廃を回避し、セーフガード付きで関税を削減。
38.5%(現行)→ 27.5%(当初)→ 20%(10 年目)→ 9%(16 年目以
降)
セーフガード:
① 発動数量(年間)
:59 万t(当初)→ 69.6 万t(10 年目)→73.8
万t(16 年目)
(関税が 20%を切る 11 年目以降5年間は四半期毎の
発動数量も設定。)
② セーフガード税率:38.5%(当初)→30%(4年目)→20%(11 年
目)→ 18%(15 年目)
16年目以降のセーフガード税率は、毎年1%ずつ削減(セーフガード
が発動されれば次の年は削減されない)、4年間発動がなければ廃
止。家畜疾病により輸入が3年以上実質的に停止された場合には、実
質的解禁の時点から最長5年間不適用(当該条項により、米国・カナ
ダには最長2018年1月末月まで不適用)
・差額関税制度を維持するとともに、分岐点価格(524 円/kg)を維
持。
・従量税は関税撤廃を回避。
従価税(現行 4.3%)
:2.2%(当初)→ 0%(10 年目以降)
従量税(現行 482 円/kg):125 円/kg(当初)→ 50 円/kg(10 年目
以降)
セーフガード:輸入急増に対し、従量税を 70-100 円/kg に、従価税
を 4.0-2.2%に、それぞれ戻すセーフガードを措置(11 年目まで)
。
・現行の国家貿易制度を維持するとともに、枠外税率(脱脂粉乳
21.3%+396 円/kg 等、バター29.8%+985 円/kg 等)を維持。
・TPP 枠を設定(生乳換算)
脱脂粉乳 2 万 659t(当初) → 2 万 4102t(6 年目以降)
(製品 3,188t → 3,719tに相当)
バター 3 万 9341t(当初) → 4 万 5898t(6 年目以降)
(製品 3,188t → 3,719t に相当)
合計 6 万 t(当初) → 7 万 t(6 年目以降)
脱脂粉乳と競合する可能性が高いものについて、21 年目までの長期の
関税撤廃期間の設定とセーフガードの措置
・モッツァレラ、カマンベールなどについて、現行関税を維持
・チェダー、ゴーダ、クリームチーズ等について、16 年目までの長期
の関税撤廃期間を設定
・プロセスチーズについては少量の国別枠、シュレッドチーズ原料用
フレッシュチーズについて国産使用条件付き無税枠を設定
※SBS方式=買い手と売り手の連名による売買同時契約方式。
8
② 5品目以外の農産品
品目名
枠組み
小豆、
いんげん豆
枠内関税を撤廃するものの、枠外税率を維持。関税割当制度を維持
こんにゃく、
パイナップル
缶詰
枠外税率を 15%削減。関税割当制度を維持
鶏肉、鶏卵、
オレンジジュ
ース、りんご
競走馬、
オレンジ
11 年目まで又はそれを超える関税撤廃期間を設定
セーフガードを措置
③ 林産品
輸入額又は近年の輸入額の伸びが大きいもの(マレーシア、NZ、カナダ、チリ及びベト
ナムからの合板並びにカナダからの製材)については、16年目までの長期の関税撤廃期間の
設定とセーフガードの措置。なお、違法に伐採された木材の貿易に対する規律についても合
意。
④ 水産品
品目名
枠組み
あじ・さば
12~16 年目までの長期の関税撤廃期間を設定
主要なまぐろ
類、主要なさ
け・ます類、
ぶり、するめ
いか等
11年目までの関税撤廃期間を設定
海藻類(の
り、こんぶ
等)
関税を15%削減
※現行の日本の漁業補助金は、禁止補助金に該当せず、政策決定権を維持
9
⑤ 酒、タバコ及び塩
品目名
枠組み
ボトルワイン
8 年目までの関税撤廃期間を設定
清酒、焼酎
11年目までの関税撤廃期間を設定
紙巻たばこ
協定税率として無税とする(現在は、暫定税率で無税)
葉巻たばこ
11年目までの関税撤廃期間を設定
精製塩
11年目までの関税撤廃期間を設定
(2)日本から11カ国の市場へのアクセス
日本からの輸出を念頭に、今回妥結した物品市場アクセスの概要は以下の通り。
① 工業製品
 11カ国の関税撤廃品目の割合は、段階的に99.9%となる。
 日本が経済連携協定(EPA)を締結していない米国、カナダ、ニュージーランドの工業製品
の 無関税品目比率は以下のように引上げられる。
国名
米国
カナダ
ニュージーランド
現在の無関税比率
39%
47%
79%
TPP発効時点の無関税比率
67%
68%
98%
a. 米国
 将来、日本からの工業製品輸出額(約10兆円)の関税を100%撤廃。主要品目の関税撤廃ス
ケジュールは以下の通り。
品目
自動車部品
関税
8割以上の関税をTPP発効時点で撤廃
乗用車
15年目から削減開始、20年目に半
減、22年目に0.5%に削減、25年目に
撤廃
輸出額の99%以上を即時撤廃
家電、産業用機
械、化学
10
備考
輸出額2兆円弱、
現行関税率2.5%
現行関税率2.5%
-
b. カナダ
 将来、日本からの工業製品輸出額(約1兆円)の関税を100%撤廃。
品目
自動車部品
乗用車
家電、産業用機
械、化学
関税
9割を即時撤廃
5年目に撤廃
輸出額の99%以上を即時撤廃
備考
輸出の約3割、
現行関税率6.1%
現行関税率2.5%
-
c. ニュージーランド
 日本からの工業製品輸出額の98%以上について即時関税撤廃。残りも8年目までに撤廃。
d. 豪州
 日本からの工業製品輸出額の94.2%について即時関税撤廃(これは日豪EPAの82.6%を上回
る)。特に主力の乗用車、バス、トラック(輸出の5 割弱、現行税率5%)は即時撤廃。
e. ベトナム
 最終的に日本からの工業製品輸出額の92%について関税撤廃。加えて、3,000cc 超の乗用車
(現行は最高70%弱の高関税率)について、10年目に関税撤廃。
② 農林水産品
日本の農林水産物・食品の輸出拡大の重点品目の全て(牛肉、米、水産物、茶等)の関税
撤廃。
国
品目
米国
牛肉
ベトナム
米
水産物
全加盟国
酒類
備考
15年目に関税が撤廃されるまでの間、現
行の米国向け輸出実勢の20~40倍(3,000t
(当初)→6,250t(最終年))に相当する
数量の無税枠。
5年目に関税撤廃。
ブリ、サバ、サンマなど全ての生鮮魚・
冷凍魚について即時関税撤廃。
関税撤廃。特に、米国、カナダの清酒に
ついては即時撤廃。
11
3. 今回妥結した物品以外の市場アクセスの概要
物品以外の市場アクセスについては、流通業における規制緩和や、外資規制緩和などが盛り込
まれている。
【物品以外の市場アクセスの規制緩和の例】
国名
ベトナム
マレーシア
業界
小売業(コンビニ、
スーパー)
電気通信業
地場銀行
小売業(コンビニ)
外国銀行
信用格付会社
ブミプトラ政策
カナダ
投資の事前審査の閾
値の引き上げ
規制緩和内容
TPP発効5年後にベトナム全土において経済
需要テスト(Economic Needs Test)※を廃
止
外資出資比率規制緩和(65%→75%等)
外資出資比率規制緩和(15%→20%等)
現在は禁止されている外資による出資を
30%まで認める
支店数上限拡大(8支店→16支店)
店舗外の新規ATM設置制限の原則撤廃
外資出資比率規制緩和(現行上限49%)
政策に対する留保を大幅に限定、留保内容
を明確化
現行の369百万カナダ・ドルから15億カナ
ダ・ドルに
※経済需要テスト=出店地域の店舗数や当該地域の規模等に基づく出店審査制度
4. 原産地規則及び原産地手続きについて
TPP協定においては、複数の締結国において付加価値・加工工程の足し上げを行い、原産性を
判断する完全累積制度が採用されている。自動車の原産地規則について、完成車の場合は、控除
方式による付加価値基準を用いる場合は55%となっている。また、その場合における特定の部品7
品目(注)については、協定上明記された加工工程のどれか一つでもTPP域内で行われれば原産
性が付与される制度が導入されている。
自動車部品については、基本的には関税分類変更基準と付加価値基準の選択制であり、控除方
式による付加価値基準の場合は、品目に応じて45%~55%となっている。また、この控除方式に
よる付加価値基準の場合に45%を超える分については、構成部品について協定上明記された加工
工程のどれか一つでもTPP域内で加工されれば原産性が付与される。
(注)強化ガラス、合わせガラス、乗用車用車体、貨物自動車等の車体、バンパー、ドア、車軸
12
5. 環太平洋経済連携協定(TPP)について
環太平洋経済連携協定(TPP = Trans-Pacific Partnership Agreement)は、当初4 カ国(ブルネ
イ、チリ、ニュージーランド、シンガポール)の経済連携協定としてスタートした。その後、米
国、豪州、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ、日本が加わり、計12 カ国が交渉
に参加。今後、環太平洋諸国を包含する広域FTA として拡大していく可能性もある。
日本国内では、関税引き下げによる農林水産物への影響を懸念する声が出ていたが、2011 年11
月野田首相が交渉参加を決断した。現在、TPP 交渉に加わっている国と日本とのFTA 交渉状況は
以下の表の通り。この表から、日本においては、TPP によるFTA が発効するとこれまで二国間
FTA 未締結の「米国、カナダ、ニュージーランド」との自由貿易のメリットが大きいと考えられ
る。
【TPP 参加諸国と日本との二国間FTA 発効・署名・交渉の状況】
No.
1
ブルネイ
日 本 と の 二 国 間 FTA 締 結 ・ 交 渉 の 状 況
2008 年 7 月 発 効 。
発効済
2
チリ
発効済
2007 年 9 月 発 効 。
③
4
ニュージーランド
発効済
2002 年 11 月 発 効 。
⑤
6
米国
オーストラリア
発効済
2015 年 1 月 発 効 。
7
ペルー
発効済
2012 年 3 月 発 効 。
8
ベトナム
発効済
2009 年 10 月 発 効 。
9
マレーシア
発効済
2006 年 7 月 発 効 。
相手国・エリア
シンガポール
⑩ カナダ
11 メ キ シ コ
交渉中
発効済
2005 年 4 月 発 効 。
(出所)各種報道、外務省ホームページ等より三菱東京UFJ 銀行国際業務部作成
※日本と、③、⑤、⑩の国とのFTA は関税引き下げメリットが大きいと考えられる。
13
なお、TPP 交渉国全体でFTA 未締結国をみると、アジアと米州間での未締結が多いため、これ
ら大陸横断国間でTPP 成立による関税引き下げ効果が大きい(下表)と考えられる。
【TPP参加12カ国におけるFTA進行状況】
当初 4 カ国
アセアン
日 オ ペ カ メ 米 マ ベ ブ シ N チ
本 | ル ナ キ 国 レ ト ル ン Z リ
ス | ダ シ
| ナ ネ ガ
ト
コ
シ ム イ ポ
ラ
ア
|
リ
ル
ア
4
チリ
カ
NZ
国
シンガポール
ア
セ ブルネイ
ア ベトナム
ン
マレーシア
●
● ● ● ●
米国
◎
● ● ● ●
◎
金属製品・機械、基礎化学品
●
鉱物性燃料、工業品
● ●
547
56,284 IT製品、石油製品
IT製品、石油製品
41,351 原油、天然ガス
機械、輸送機器
42
● ● ● ● ●
3,026
●
2,053 縫製品、電子製品
10,804 電気電子製品、パーム油
32,009
54,597 食品、化学品
自動車、電子製品・機械
10,715 自動車、電気電子製品
産業用機器、電気電子
50,398 鉱物性生産品、自動車
自動車、一般機械
●
◎
●
● ●
◎
●
3,570
● ● ●
●
●
3,081
6,458 銅・金、原油
● ● ● ● ● ● ●
2,358
61,219 鉄鉱石、石炭
●
● ●
カナダ
◎
●
ペルー
●
オーストラリア
●
機械、電子部品
熱電子管、石油製品
●
11,930
メキシコ
輸入品目
43,837 酪農品
9,073
●
輸出品目
14,488 鉱産物
● ● ●
● ●
● ●
GDP
(米ド
ル)
451
● ● ● ●
● ●
● ●
1 人当り
人口
(万人)
1,780
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
● ● ● ◎ ◎ ● ● ● ●
主要貿易品目
工業用原材料、中間財、資本財
石油製品、自動車
(出所)各種報道より三菱東京UFJ 銀行国際業務部作成
※「●」はFTA 締結済み。「◎」は交渉中。人口、1 人当りGDP は2014 年のデータ。
※締結済みTPP(P4、4 カ国)を含む。12 カ国で交渉が妥結したTPP は含まない。
TPP協定は、前文に加え、以下の30章で構成されている。関税引き下げ以外に知的財産権の保
護、人の移動、政府調達など広範囲に亘る事項が盛り込まれている。
14
【TPP協定の概要】
章
1. 冒 頭 の 規 定 及 び 一 般 的 定 義
2. 内 国 民 待 遇 及 び 物 品 の
市場アクセス
3. 原 産 地 規 則 及 び 原 産 地 手 続
4. 繊 維 及 び 繊 維 製 品
5. 税 関 当 局 及 び 貿 易 円 滑 化
6. 貿 易 救 済
7. 衛 生 植 物 検 疫 ( SPS ) 措 置
8. 貿 易 の 技 術 的 障 害 ( TBT)
9. 投 資
10. 国 境 を 超 え る サ ー ビ ス の
貿易
11. 金 融 サ ー ビ ス
12. ビ ジ ネ ス 関 係 者 の
一時的な入国
13. 電 気 通 信
14. 電 子 商 取 引
15. 政 府 調 達
16. 競 争 政 策
17. 国 有 企 業 及 び
指定独占企業
18. 知 的 財 産
19. 労 働
20. 環 境
21. 協 力 及 び 能 力 開 発
22. 競 争 力 及 び ビ ジ ネ ス の
円滑化
23. 開 発
概要
TPP 協 定 が 締 約 国 間 の そ の 他 の 国 際 貿 易 協 定 と 共 存 す る こ と が で き る こ と を 認 め
る。また、本協定の二以上の章において使用される用語の定義を定める。
物品の貿易に関して、関税の撤廃や削減の方法等を定めるとともに、内国民待遇
など物品の貿易を行う上での基本的なルールを定める。
関 税 の 減 免 の 対 象 と な る 「 TPP 域 内 の 原 産 品 ( = TPP 域 内 で 生 産 さ れ た 産 品 ) 」 と
して認められるための要件や証明手続等について定める。
繊維及び繊維製品の貿易に関する原産地規則及び緊急措置等について定める。
税関手続の透明性の確保や通関手続の簡素化等について定める。
ある産品の輸入が急増し、国内産業に被害が生じたり、そのおそれがある場合、
国内産業保護のために当該産品に対して、一時的にとることのできる緊急措置
(セーフガード措置)等について定める。
食品の安全を確保したり、動物や植物が病気にかからないようにするための措置
の実施に関するルールについて定める。
安全や環境保全等の目的から製品の特性やその生産工程等について「規格」が定
められることがあるところ、これが貿易の不必要な障害とならないように、ルー
ルを定める。
投資家間の無差別原則(内国民待遇、最恵国待遇)、投資に関する紛争解決手続
等について定める。
内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス(数量制限等)に関するルールを定め
る。
金融分野の国境を越えるサービスの提供について、金融サービス分野に特有の定
義やルールを定める。
ビジネス関係者の一時的な入国の許可、要件及び手続等に関するルール及び各締
約国の約束を定める。
電気通信サービスの分野について、通信インフラを有する主要なサービス提供者
の義務等に関するルールを定める。
電子商取引のための環境・ルールを整備する上で必要となる原則等について定め
る。
中央政府や地方政府等による物品・サービスの調達に関して、内国民待遇の原則
や入札の手続等のルールについて定める。
競争法の整備と締約国間・競争当局間の協力等について定める。
国有企業と民間企業の競争条件の平等を確保する国有企業の規律について定め
る。
特許権、商標権、意匠権、著作権、地理的表示等の知的財産の十分で効果的な保
護、権利行使手続等について定める。
貿易や投資の促進のために労働基準を緩和すべきでないこと等について定める。
貿易や投資の促進のために環境基準を緩和しないこと等を定める。
協定の合意事項を履行するための国内体制が不十分な国に、技術支援や人材育成
を行うこと等について定める。
サプライチェーンの発展及び強化、中小企業のサプライチェーンへの参加を支援
すること等について定める。
開発を支援するための福祉の向上等や、女性の能力の向上、開発に係る共同活動
等について定める。
24. 中 小 企 業
中 小 企 業 の た め の 情 報 、 中 小 企 業 が TPP 協 定 に よ る 商 業 上 の 機 会 を 利 用 す る こ と
を支援する方法を特定すること等を定める。
25. 規 制 の 整 合 性
加盟国毎に複数の分野にまたがる規制や規則の透明性を高めること等を規定す
る。
26. 透 明 性 及 び 腐 敗 行 為 の 防 止 協 定 の 透 明 性 ・ 腐 敗 行 為 の 防 止 の た め に 必 要 な 措 置 等 に 関 す る ル ー ル に 関 わ る 事
項等を定める。
27. 運 用 及 び 制 度 に 関 す る 規 定 協 定 の 実 施 ・ 運 用 等 に 関 す る ル ー ル な ど 協 定 全 体 に 関 わ る 事 項 等 を 定 め る 。
28. 紛 争 解 決
協定の解釈の不一致等による締約国間の紛争を解決する際の手続について定め
る。
29. 例 外
締 約 国 に 対 す る TPP 協 定 の 適 用 の 例 外 が 認 め ら れ る 場 合 に つ い て 定 め る 。
30. 最 終 規 定
TPP 協 定 の 改 正 、 加 入 、 効 力 発 生 、 脱 退 等 の 手 続 、 協 定 の 正 文 等 に つ い て 定 め
る。
(出所)「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の大筋合意について」内閣官房 TPP 政府対策
本部(2015 年 10 月 20 日)より三菱東京 UFJ 銀行国際業務部作成
15
6. TPP発効の条件
TPP交渉参加12カ国は2015年10月5日の閣僚会議において、協定発効の条件として、2年以内に全
参加国が議会での承認など国内での手続きが完了しない場合、参加国のGDPの合計が85%以上と
なる6カ国以上が合意すれば発効できるようにしたと報じられている。
【TPP参加12カ国のGDP額と構成比】
米国
日本
カナダ
オーストラリア
メキシコ
マレーシア
シンガポール
チリ
ペルー
NZ
ベトナム
ブルネイ
(単位:GDP 10億米ドル、構成比 %)
実績値
予測値
構成比の増加
2013 年 構 成 比 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 構 成 比 ( 2020 年 -13 年 )
16,663
60.2 17,968 18,698 19,556 20,493 21,404 22,294
65.6
5.4
4,920
17.8
4,116
4,171
4,342
4,446
4,591
4,747
14.0
-3.8
1,839
6.6
1,573
1,592
1,682
1,774
1,860
1,958
5.8
-0.9
1,497
5.4
1,241
1,253
1,317
1,382
1,442
1,516
4.5
-1.0
1,262
4.6
1,161
1,187
1,251
1,323
1,405
1,496
4.4
-0.2
323
1.2
313
351
392
437
488
544
1.6
0.4
302
1.1
294
309
328
349
370
395
1.2
0.1
277
1.0
240
240
251
263
276
292
0.9
-0.1
202
0.7
180
180
194
208
221
235
0.7
0.0
185
0.7
171
165
172
179
186
195
0.6
-0.1
171
0.6
199
215
230
247
266
287
0.8
0.2
18
0.1
12
12
13
15
17
19
0.1
0.0
(出所)IMF資料より三菱東京UFJ銀行国際業務部作成
この条件を満たすには、参加国のうち経済規模の大きい米国(構成比60.2%)と日本(同14.0%)
の合意は必須となる。また、総選挙を控えるカナダ(GDP構成比6.6%)の承認なしでも発効は可
能である。
なお、IMFのGDP予測によると、2020年にはTPP参加12カ国のGDP構成比に占める米国の割合
は65.6%と2013年時点より5.4ポイント高まる。巨大な市場である米国へのTPP加盟国の輸出機会
が広がることは大きなメリットになると考えられる。
7. TPP発効までのスケジュール
今後の発効までのスケジュールは、以下の通り。
① (大筋合意段階では細かい内容の確認まではされていないため)各国が協定の中身に つ
いて国際法、各国国内法との整合性を確認。
② 各国の国会において協定に署名する承認を得る。
③ 発効については、全ての原署名国が国内法上の手続を完了した旨を書面により寄託者(=
ニュージーランド)に通報した日の後60日で発効する旨規定されている。ただし、署名後2
年以内に全ての原署名国が国内法上の手続を完了した旨を通報しなかった場合には,原署
名国の2013年のGDPの合計の少なくとも85パーセントを占める、少なくとも6か国が国内
法上の手続を完了した旨を通報することが、発効の要件として定められている(署名後2年
以内に上記(85パーセント、6か国)の要件が満たされる場合には署名後2年の期間の満了後
16
60日で、署名後2年以内に同要件が満たされない場合には同要件が満たされた日の後60日で、
それぞれ発効する)。
各国において②が整い、署名される段階で、全品目の品目別関税引き下げスケジュールや品目
別の原産地規則が開示される見込み。
日本については、政府は国会における来年度予算案の審議を優先し、来年3月以降に国会でTPP
関連の審議を行う見込み。国会における承認が完了するのは来年夏以降になると見られる。
ステップ
各国国会で
審議
法的整合性
確認
2016年3月~
8月頃?
法案審議
日本
米国
大統領が議会に
署名を行いたい
旨通知
2015年11月5日
大統領通報後、
90日後に署名
2016年2月
頃?
各国国会が
署名を承認
署名
2016年8月
頃?
法案審議
2016年春
頃~?
発効
2016年9月
以降~?
各国がNZに
国内手続き
完了を通知
し、60日後
に発効
(参考サイト)
「環太平洋パートナーシップ協定の概要(暫定版)」内閣官房 TPP 政府対策本部
(現地時間2015 年10 月5 日発表)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf
「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の大筋合意について」内閣官房 TPP 政府対策本部
(2015年10月20日)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/12/151020_tpp_setsumeikai_siryou01-1.pdf
「TPP協定の全章概要(日本政府作成)」内閣官房 TPP 政府対策本部(2015年11月5日)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/13/151105_tpp_zensyougaiyou.pdf
「TPP協定の全章概要(別添・附属書等)」内閣官房 TPP 政府対策本部(2015年11月5日)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/13/151105_tpp_fuzokusyo.pdf
「TPPにおける関税交渉の結果」内閣官房 TPP 政府対策本部(2015年10月20日)
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/12/151020_tpp_setsumeikai_siryou01-2.pdf
「TPP大筋合意について」農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/index.html
「TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果)」農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/pdf/tpp_1.pdf
17
「環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)における工業製品関税(経済産業省関連分)
に関する大筋合意結果」経済産業省
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/12/151020_tpp_setsumeikai_siryou03.pdf
北村 広明
国際業務部 情報室
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・
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・
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・
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・
本資料の内容は予告なく変更される場合があります。
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