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我が国企業の海外展開の変遷と国際比較にかかる調査・分析

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我が国企業の海外展開の変遷と国際比較にかかる調査・分析
経済産業省通商政策局
企画調査室 御中
平成23年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
(我が国企業の海外展開の変遷と国際比較にかかる調査・分析)
調査報告書
株式会社野村総合研究所
コンサルティング事業本部
社会システムコンサルティング部
部長
稲見 浩之
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビル
目次
1 .文献調査
P2
2 .ヒアリング
P22
3.マクロ統計分析
P27
4.外部アドバイザーへのインタビュー
P80
5.通商白書等におけるインプリケーションの導出
P82
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
1
1 .文献調査
2 .ヒアリング
3.マクロ統計分析
4.外部アドバイザーへのインタビュー
5.通商白書等におけるインプリケーションの導出
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
2
1.文献調査
1.1 米国の空洞化に関する論文
米国の空洞化に関する論文リスト (1)
対象国 種別
米国
論文
米国
論文
米国
論文
米国、ド
論文
イツ
米国
論文
タイトル
Abstract
著者
発行
発行年
本報告書「米国中小企業の海外事業展開と支援策」では、まず米国経済の発展を支える米国中小企
独立行政法人 中 独立行政法人
業の海外事業展開の状況、特に輸出活動に関する動向を米国商務省の発行する「輸出中小企業統計
米国中小企業の海外事業展開と支
小企業基盤整備機 中小企業基盤
2006
ハンドブック」のデータを活用してとりまとめた。次に中小企業の輸出活動を支援する連邦政府と州政
援策
構
整備機構
府の主な施策を紹介するとともに、その支援策の効果測定の状況をまとめた。最後に、連邦政府や州
(SMRJ)
(SMRJ)
政府の支援策を活用し、海外市場の開拓に成功した中小企業5 社の事例を紹介。
アメリカの通商政策,対外租税政策の歴史的展開を把握するとともに,多国籍企業の形成と発展との
経済学研究56
アメリカの通商政策と対外租税政策 関連で両政策が依存や補完あるいは乖離と対立の関係を結ぶに至った歴史的基盤と論理を明確にし,
-1
2006
の相互関係
さらに多国籍企業のグローバルな経営がアメリカ通商政策とも緊張関係を有する側面を有することを明 須戸和男
北海道大学20
多国籍企業の展開を媒介として
らかにすることを通じて、グローバリゼーションが内包する特質の一側面を明らかにしようとするもので
06.6
ある。
Globalization of the World Economy
and a Role of Multinational nterprise
小野寺 直日
: Toward Establishment of Mutual
世界経済の現状において、特にアメリカ多国籍企業で顕著に進行している事態は、海外直接投資や ONODERA Naobi
Complementary International
国際ビジネス研
EMSへのアウトソーシングによって、生産拠点が海外に移転することに起因した開発研究拠点と製造拠 アジアンネットワー
Division of Labor Relationship with
究学会年報 (12),
2006
点の分離である。そして、それは技術が標準化された製品だけでなく、電子工業や自動車工業などの クス Asian
East Asian Countries
109-125, 2006最先端技術の粋を集めたような産業にまで及んでいる。しかしながら、そういった変化は大きな副作用 Networks
09-30
世界経済のグローバル化と多国籍
を伴う。
企業の役割 : 東アジア諸国との相
互補完的国際分関係の構築を目指
して
日本の大手電機メーカーによる中国国内での製造拠点作りが加速している。中国の安い人件費と、13
億人という巨大な消費市場でのシェア獲得が狙いとされるこの投資、日本国内では製造業の空洞化現 渡辺博顕(日本労 海外労働時報
レビュー:産業の「空洞化」と雇用 象と深刻な雇用危機を引き起こしていることは広く指摘されるところだ。本特集で著者は「空洞化は日 働研究機構副主任 2002年5月号No. 2002
324
本固有の問題ではなく他国も経験してきたところ」としてアメリカ、イギリス、ドイツの経験をレビューし、 研究員)
「コアとなる技術の確立と技術を支え伝えゆく人材の確保・育成が重要」との処方箋を提示。
米国では、80 年代前半におけるドル高の継続により、輸人品に圧迫される形で国内製造業シェアが縮
小し、「空洞化」議論が大きな盛り上がりを見せたが、90 年代に入ってから米国経済は景気拡大を続け
た。
80 年代の米国では、活発な対内直接投資もあり、シェアを低下させた製造業の生産水準も減少してお
らず、活発な研究開発などにより生産性の向上も見られ、製造基盤の弱体化は起こらなかった。80 年
米国の経験は我が国の産業空洞化 代以降の米国においては新規創業が活発であったことから、製造業で減少した雇用はそれを上回る伸 第一生命経済研究 第一生命経済
2002
対策にも有効か
びで新たな雇用を創出したサービス業で吸収され、マクロ的には雇用の減少をもたらさなかった。
所 経済調査部
研究所
米国の新規創業活動の活発をもたらした背景には、規制緩和による非製造業の相対賃金の低下や対
内直接投資の増加、ハイリスク・ハイリターンが実現される資金調達環境の存在が挙げられる。規制緩
和や技術開発力の向上など、供給側の改革を中心とした米国における取組は、長期的に大いに日本
も見習うべきものであろう。しかし、需要不足に起因するデフレ経済にある日本では、効果的な景気対
策等により可能な限り空洞化に伴うデフレインパクトを緩和することが喫緊の課題であると考えられる。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
3
1.文献調査
1.1 米国の空洞化に関する論文
米国の空洞化に関する論文リスト (2)
対象国 種別
米国
米国
米国
タイトル
Abstract
著者
議会は、製造業の仕事を維持あるいは再度獲得するために、多種多様な税優遇措置や直接的な補助金、輸入制限、
その他の連邦プログラムを設立してきたが、今日工場に雇われている米国の労働者の割合はごくわずかである。一方、
米国の工場は高度に複雑化した技術を要するが比較的少ない直接労働しか必要としない製品の製造を強化してきた。
政府のデータで測定された製造業の労働生産性は急速に高まっており、これは製造部門全体が健全性を維持している
“Hollowing Out” in U.S. ことを示している
Manufacturing:
しかし最近のデータは、製造部門が全体として引き続き隆盛を保つという見方に疑義を呈している。統計は、国内価値
Marc Levinson
Analysis and Issues for
に占める米国工場産品の価値の割合は減少していることを示している。こうしたデータの一つの解釈は、企業が価値の
Section
論文 Congress
高い業務を国外で行う割合が増えているために、製造業が「空洞化」しているというものである。これらの動向は、米国
Research
米国の製造業の「空洞 は先進的な製造業に関連した高スキル・高賃金の仕事を引き続き創出するかどうかという疑問を生じさせる。
Manager
化」:議会のための分析と 研究、製品デザイン、マーケティングといったサービス関連のインプットがより重要になっていることにより、作られる製
問題点
品の最終的価値に対して物理的生産活動の占める割合が減少していることを強く示唆する証拠がある。さらに、多くの
製品は国際サプライ・チェーン上の複数の場所に分散しているため、価値が付加されたかどうかを判定することが難しく
なっている。そうした変化は、製品の米国内での生産を促すことによって経済的価値を獲得しようとする努力を阻害して
いる。国際比較によれば、米国の工場産品は外国の付加価値を高い比率で含んでいるが、少なくとも国際市場で取引
される品目に関しては、他の多くの国のほうが米国よりさらに一層外国の付加価値に依存している。
THE STATE AND
議論の最も重要な部分は、グローバリゼーションは国家の中に制度的、位置的に組み込まれているという事実である。
GLOBALIZATION:
それは以下の二つの理由から重要である。第一は、グローバル経済は国家を必要とし、よって国家は、同じ国家という
DENATIONALIZED WORK 衣をまとってはいるが実質的には異なるある種の権威を獲得する可能性を持っていること。第二に、国家が関与する可
Saskia Sassen
AND INTERNAL POWER 能性がある範囲は、現在のそれよりはるかに広いことである。国家の活動分野は、「グローバル」や「ナショナル」に関す
University of
論文
SHIFTS
る典型的な二重構造の分析が示すものよりずっと大きい。
Chicago
国家とグローバリゼー
問題は、国家の活動範囲は通常、国家装置の中にあるため、見えにくいことにある。この活動範囲は混合的性格を持
ション:脱国家労働と内部 ち、相互排除的な意味での「ナショナル」でも「グローバル」でもない。しかし、新しい権威はこの領域の中にある(例:国
のパワーシフト
家はグローバルな企業資本に参加するだけでなく、より大きな説明責任や公的調査を担う)。
本論文はグローバル・アウトソーシングに関する5つの中心的な疑問に焦点を当てる:
1. 過去5-10年間の米国と海外における雇用創出と雇用喪失の動的要因は何か?(雇用件数)
2. こうした国際的な雇用の変化における主な受益者と敗者は、どの国と地域か?
3. 先進国と途上国における雇用の創出と喪失が、国際的なバリューチェーンを通じてリンクするメカニズムとは?
Gary Gereffi
Globalization,
4. 比較的価値の高い活動と価値の低い活動の国際バリューチェーン内の分配の実態は?
(Duke
Employment, and
5. 国際バリューチェーン内での、雇用の入手可能性と分配に基づく産業の高付加価値化の証拠は?
University)
Economic Development:
グローバル・アウトソーシングは、現代のグローバリゼーションの重要な特徴の多くを露呈している。それらの特徴とは Timothy J.
論文 A Briefing Paper
すなわち、先進国と途上国の相互依存性の増大を強調する方法で国際競争を取り扱っていること、議論の大部分が世 Sturgeon
グローバリゼーション、雇
界の異なる地域の雇用、賃金、スキルの問題をめぐるものであること、そして活動のチェーンがいかに企業や国境を越 (Industrial
用、および経済発展:要
えて組織され、チェーンのどこで価値と雇用が創出されるかということに関して有用な方法で焦点が当てられていること Performance
約論文
である。十分に恵まれ戦略的に有利な位置を占める経済国がグローバル・バリューチェーンへの参加を強化している中 Center, MIT)
で、今後数年間にグローバル・アウトソーシングがどのような役割を果たすかに関して、膨大な経済的および政治的利
害が発生している。インド、中国、フィリピン、メキシコ、ロシア、東欧の一部、南アフリカといった国々には、西側の言語
を話し、外注のIT業務を扱える大学卒業生があふれている。インドは特に、この点に関して有利な位置にある。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
発行
発行年
Congressional
Research
Service
2011
European
Commission
2006
Sloan
Workshop
Series in
Industry
Studies
Rockport,
Massachusett
s, June 14-16,
2004
2004
4
1.文献調査
1.1 米国の空洞化に関する論文
米国の空洞化に関する論文リスト (3)
対象国 種別
タイトル
米国
The great hollowing-out
論文 myth
偉大な空洞化の神話
米国
Globalization and Increasing
Returns: Implications for the
U.S. Computer Industry
論文
グローバル化と増大するリ
ターン:米国コンピュータ産
業への影響
Abstract
著者
アウトソーシングはアメリカにおけるホットな政治的論点となった。ジョン・エドワーズ(John Edwards)、ジョン・ケリー
(John Kerry)、ジョージ・ブッシュ(George Bush)の考えに反して、アウトソーシングは実際、米国の雇用を維持してきた。
米国経済は一時的に職を失ったが、こうした雇用喪失の圧倒的多数は周期的な性格のものであり、構造的なものでは
ない。2001年の景気後退後、経済は回復しているので、来年の雇用見通しもおそらく回復するだろう。
とりわけITサービスのグローバル化拡大は、サービス部門の生産性向上に大きな効果を上げてきた。1990年代に米国
The Economist
の工場はITの利用によって効率を増した。一部のIT業務は国外で行われるようになったが、それよりずっと多くの高賃
金の仕事が創出されるだろう。
政府は、創出される新たな雇用に見合った教育をアメリカ人に提供すると同時に、公共政策をセイフティ・ネットの提供
に向けることが必要である。アウトソーシングよりも、グローバリゼーションのほうが、米国経済の健全性にとってずっと
大きな脅威である。
過去20年間、コンピュータ産業は、その利用と同様に生産に関してもグローバルなものになった。この傾向は、米国の
政策決定者の間で、産業の空洞化と雇用の流出に関する懸念をもたらしてきた。本論文は、この問題を分析するため
に、リターンの増大という枠組みを用いる。コンピュータ業界内の市場セグメントを分類し、パーソナル・コンピュータの
出現がいかにこれらのセグメントを生み出したかを示す。また、この産業の構造的な変化がいかにアジア・太平洋地域
の生産ネットワークの台頭につながったかを検証し、こうしたネットークにおける企業と国のリーダーシップを明らかに Kenneth L.
し、米国への影響を評価する。本論文は、一部の製造業の雇用が、主にリターンの減少しているセグメントにおいて、 Kraemer and
Jason Dedrick
アジア・太平洋地域にシフトしていったかを示す。
しかし、本論文はまた、収益が増加している一部の製造業、ソフトウェア、およびサービスと混合市場における雇用が、
米国においてめざましく増加したことも示す。米国とアジア太平洋間の企業・国家双方の国際的な労働力の分断は、グ
ローバル・コンピュータ産業における継続的な米国の指導的地位を支えてきたという点で、主にプラスに働いたと結論
付ける。
発行
The Economist
2004
nformation
Systems
Research 1998
1998
Center for
Culture,
経済のグローバル化とは、以下の3つの関連するプロセスをさす:1)世界経済における成長、2)生産を国内的・国際的
Is Globalization the Cause of に再編成するために情報技術を利用することによってもたらされた、第一世界と第三世界の国家間の関係の変化、3) Neil Fligstein Organizations
the Crises of Welfare
世界の金融市場の統合。これらのプロセスはしばしば、先進工業社会における脱工業化、所得不平等の拡大、また福 Department of and Politics,
米国、ド
Institute for
論文 States?*
祉国家に対して労働者の保護と福利厚生を変化させようとする圧力の原因とされている。私はここで、世界経済の変 Sociology
イツ
グローバル化は福祉国家の 化はグローバル化に関する論文が主張するよりずっと小さく、よりなだらかで、社会をまたがってより不均等に広がって University of Research on
Labor and
危機の原因なのか?
いることを論証する。より重要なのは、グローバル化とそれがもたらすとされるネガティブな結末は、たかだか軽微なも California
Employment,
のであるということである。さらに本論文は、とりわけヨーロッパで何が危機をもたらしているのかについて探る。
UC Berkeley
“Hollowing-out” of U.S.
Journal of
multinationals and their
Business
この記事は広く議論されている問題、すなわち米国多国籍企業の「空洞化」について検討する。本研究は、米国の直
global competitiveness: An
Research
接対外投資に関するベンチマーク調査に適用されるパス分析を用いて、米国の多国籍企業の「空洞化」は、偶発的な Masaaki
Volume 19,
米国
論文 intrafirm perspective
関係は明らかではないものの、その国際競争力を示すものであることを示す。「空洞化」は米国企業の「脱工業化」の Kotabe
Issue 1, August
米国多国籍企業の「空洞
派生物である可能性がある。むしろそれは、グローバルな基盤に沿った米国企業の「再工業化」のサインかもしれない。
1989, Pages 1化」とその国際競争力:企業
15
内の視点
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
発行年
1997
1989
5
1.文献調査
1.1 米国の空洞化に関する論文
米国の空洞化に関する論文リスト (4)
対象国 種別
タイトル
Abstract
著者
発行
東アジアは、日本と地理的にも歴史的にもつながりが深く、日本企業にとっては国際分業の相手先とし
て圧倒的な重みをもつ。しかし、米国企業もまた、伸びる東アジアとの連携を強めている。本書は、こうし
た米国企業の東アジアとの国際分業について、その実際の姿を多面的に浮かび上がらせ、そこから日
本企業の参考とできるものを引き出そうとするものである。米国企業のR&D拠点や技術移転の実態はど 日本貿易振興機構
米国・アジア新国際分業―先駆す
ジェトロ
米国
書籍
うか。技術力の変化は、東アジア各国の国際分業上の役割分担にどのような変化を及ぼすのか。そし (著), JETRO= (著), ジェ
(2005/08)
る米国企業に何を学ぶか
て、そうした中での、日本の位置付けはどうなっていくのか。こういった点について、半導体産業と自動 トロ= (著)
車産業を例に、個社のケーススタディと20人近い識者・関係者へのインタビューから、具体的な答えを模
索した。また、米国企業が国際分業を急速に進展させた背景を理解するために、IT化・モジュール化の
潮流とこれらが米国経済に及ぼした影響について、まとめている。
ポール ドアマス (著),
多国籍企業を批判する者も擁護する者も、少なくとも一つの点では合意している。多国籍企業活動の結
ルイス ポリィ (著), ウィ
果として、極めて強力で広範な影響力を持つグローバル市場が作られ、そのために国境の持つ意味が
リアム ケラー (著), サ
グローバル経営の神話―米・日・ 急速に失われてきている、ということである。しかし、著者たちによると、そのような見方は、神話とでもい
イモン ライク (著), Paul
米国、ド
独の多国籍企業に見る比較政治 うものに基づいているという。本書は、米国、日本、ヨーロッパの多国籍企業の主要な活動を詳細に分
トッパン
N. Doremus (原著),
書籍
(1999/05)
イツ
経済分析 (トッパンのビジネス経 析し、企業行動とそれぞれの国の制度や文化との関係を注意深く吟味している。著者たちは、世界の主
Lous W. Pauly (原著),
営書シリーズ)
要な多国籍企業は、引き続き、自国の政策やその国固有の価値観に決定的な影響を受けていて、しか
William W. Keller (原
もそれぞれの中核業務は同質化の方向へ収斂する傾向にはないのであるから、分断のないグローバ
著), Simon Reich (原
ル市場が形成されることはないということを実証している。
著), 藤田 隆一 (翻訳)
まず,米国の直接投資と産業空洞化との因果関係について考察し,それを参考
にしながら,日本の直接投資の産業空洞化 ... 最後に,効率的資源配分という観点から,
直接投資と産業空洞化問題との関連を考察してみる.
2005
1999
有斐閣
(1992/06)
1996
パクス・アメリカーナの衰退、ソ連崩壊・東欧変革、EC統合、アジアNIES工業化、発展途上国の経済的自
ミネルヴァ
米国、ド
技術革新と現代世界経済―技術
林 倬史 (著), 菰田 文
書籍
立と南北問題など、急激な世界経済の変化の背後にある共通したシステム・メカニズムを分析し、グ
書房
イツ
開発・移転システムの国際比較
男 (著)
(1993/07)
ローバル化とリージョナリズムの両側面より、各国・地域の技術革新の諸問題を解明する。
1993
米国
米国
書籍
海外直接投資と日本経済:
投資摩擦を超えて
発行年
Distressed US Industries in the Era
of Globalization
書籍
苦境に立つ米国の産業とグロー
バル化の時代
原正行
本書は米国の鉄鋼、靴、テキスタイル、アパレル、製紙、出版、自動車など、苦境に陥ったいくつかの産
業について分析する。現在の苦境への移行はグローバル化によってもたらされた構造的変化がきっか
けとなったと論じ、特に新たなグローバリゼーションの時代がこれらの産業に与える影響に焦点を当る。
Lall Ramrattan
グローバル化のマイナス・インパクトは、苦境に陥った産業に対する研究を放置してきた状況につながっ
た可能性があるが、これらの産業はなおも生き残り、米国の経済基盤に生産的に貢献し続けている。こ
れらのスト-リーは、米国の産業の構造、行動、そしてパフォーマンスの変化について論じている。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
Ashgate
Pub Co
(August 20,
2007)
2007
6
1.文献調査
1.1 米国の空洞化に関する論文
米国の空洞化に関する論文リスト (4)
対象国 種別
タイトル
Abstract
著者
発行
東アジアは、日本と地理的にも歴史的にもつながりが深く、日本企業にとっては国際分業の相手先とし
て圧倒的な重みをもつ。しかし、米国企業もまた、伸びる東アジアとの連携を強めている。本書は、こうし
た米国企業の東アジアとの国際分業について、その実際の姿を多面的に浮かび上がらせ、そこから日
本企業の参考とできるものを引き出そうとするものである。米国企業のR&D拠点や技術移転の実態はど 日本貿易振興機構
米国・アジア新国際分業―先駆す
ジェトロ
米国
書籍
うか。技術力の変化は、東アジア各国の国際分業上の役割分担にどのような変化を及ぼすのか。そし (著), JETRO= (著), ジェ
(2005/08)
る米国企業に何を学ぶか
て、そうした中での、日本の位置付けはどうなっていくのか。こういった点について、半導体産業と自動 トロ= (著)
車産業を例に、個社のケーススタディと20人近い識者・関係者へのインタビューから、具体的な答えを模
索した。また、米国企業が国際分業を急速に進展させた背景を理解するために、IT化・モジュール化の
潮流とこれらが米国経済に及ぼした影響について、まとめている。
ポール ドアマス (著),
多国籍企業を批判する者も擁護する者も、少なくとも一つの点では合意している。多国籍企業活動の結
ルイス ポリィ (著), ウィ
果として、極めて強力で広範な影響力を持つグローバル市場が作られ、そのために国境の持つ意味が
リアム ケラー (著), サ
グローバル経営の神話―米・日・ 急速に失われてきている、ということである。しかし、著者たちによると、そのような見方は、神話とでもい
イモン ライク (著), Paul
米国、ド
独の多国籍企業に見る比較政治 うものに基づいているという。本書は、米国、日本、ヨーロッパの多国籍企業の主要な活動を詳細に分
トッパン
N. Doremus (原著),
書籍
(1999/05)
イツ
経済分析 (トッパンのビジネス経 析し、企業行動とそれぞれの国の制度や文化との関係を注意深く吟味している。著者たちは、世界の主
Lous W. Pauly (原著),
営書シリーズ)
要な多国籍企業は、引き続き、自国の政策やその国固有の価値観に決定的な影響を受けていて、しか
William W. Keller (原
もそれぞれの中核業務は同質化の方向へ収斂する傾向にはないのであるから、分断のないグローバ
著), Simon Reich (原
ル市場が形成されることはないということを実証している。
著), 藤田 隆一 (翻訳)
まず,米国の直接投資と産業空洞化との因果関係について考察し,それを参考
にしながら,日本の直接投資の産業空洞化 ... 最後に,効率的資源配分という観点から,
直接投資と産業空洞化問題との関連を考察してみる.
2005
1999
有斐閣
(1992/06)
1996
パクス・アメリカーナの衰退、ソ連崩壊・東欧変革、EC統合、アジアNIES工業化、発展途上国の経済的自
ミネルヴァ
米国、ド
技術革新と現代世界経済―技術
林 倬史 (著), 菰田 文
書籍
立と南北問題など、急激な世界経済の変化の背後にある共通したシステム・メカニズムを分析し、グ
書房
イツ
開発・移転システムの国際比較
男 (著)
(1993/07)
ローバル化とリージョナリズムの両側面より、各国・地域の技術革新の諸問題を解明する。
1993
米国
米国
書籍
海外直接投資と日本経済:
投資摩擦を超えて
発行年
Distressed US Industries in the Era
of Globalization
書籍
苦境に立つ米国の産業とグロー
バル化の時代
原正行
本書は米国の鉄鋼、靴、テキスタイル、アパレル、製紙、出版、自動車など、苦境に陥ったいくつかの産
業について分析する。現在の苦境への移行はグローバル化によってもたらされた構造的変化がきっか
けとなったと論じ、特に新たなグローバリゼーションの時代がこれらの産業に与える影響に焦点を当る。
Lall Ramrattan
グローバル化のマイナス・インパクトは、苦境に陥った産業に対する研究を放置してきた状況につながっ
た可能性があるが、これらの産業はなおも生き残り、米国の経済基盤に生産的に貢献し続けている。こ
れらのスト-リーは、米国の産業の構造、行動、そしてパフォーマンスの変化について論じている。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
Ashgate
Pub Co
(August 20,
2007)
2007
7
1.文献調査
1.1 米国の空洞化に関する論文
米国の空洞化に関する論文リスト (5)
対象国 種別
米国
タイトル
Abstract
著
発行
発行年
Globalization, Governmentality
and Global Politics: Regulation for
the Rest of Us? (RIPE Series in
書籍 Global Political Economy)
グローバル化、ガバメンタリティ、
グローバル政治:残る我々に対す
る規制か?
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
8
1.文献調査
1.2 ドイツの空洞化に関する論文
ドイツ・欧州の空洞化に関する論文リスト (1)
対象国 種別
ドイツ
タイトル
Abstract
著者
発行
ドイツの主要産業は、90年代以降、費用面で優位にある中東欧諸国に分業体制を広げ、工場移転・
現地企業買収を積極的に行ってきた。
参事官(海外担当)
ドイツ:国際分業体制の進展と産 その結果、オフショア生産が増加し、これらの国からの中間財の調達が増えており、輸入全体に占
今週の指標 内閣
論文
付補佐 野澤郁
業空洞化への懸念
める中間財の割合は4割近くにのぼっている。こうした状況を、雇用の輸出と捉えて国内での雇用機
府
代 両角機恵子
会の喪失を危惧する立場と、低コストの中間財調達がドイツ企業の国際競争力を維持し付加価値を
高めるものと捉えて肯定する立場とに分かれ、政府を巻き込んで議論するまでに至っている。
ドイツ
論文 拡大EUとドイツの構造問題
東ドイツのEUへの加盟交渉(1989年)を契機に、中・東欧諸国への直接投資が増加し、労働コスト格
信金中央金庫総合
差や硬直的な労働市場を背景に企業の移転が加速していた。
信金中央金庫総合
研究所 内外経済・
これに危機感を強めたドイツ政府は、2003年3月に「アジェンダ2010」を発表し、労組が労働時間の 研究所
金融動向(月刊)
延長に合意するなど、硬直的な労働市場に変化の兆しがでてきた。
ドイツ
税制・東部地域から見た
論文
ドイツの企業立地
ユーロ流通でEUの経済統合が強まるなか、企業が域内の生産・販売拠点を最適立地に移す動きが
続いている。EU経済の約3分の1を占めるドイツは欧州最大の市場だが、一方で労働コストも高い。 JETRO 海外調査部 JETRO ユーロトレン
連邦政府は国内の産業空洞化を懸念し、税制改革、投資優遇措置などにより企業立地の促進を目 欧州課
ド
指している。税制、東部ドイツの観点から、ドイツの企業立地の現状を報告する。
日本の大手電機メーカーによる中国国内での製造拠点作りが加速している。中国の安い人件費と、
13億人という巨大な消費市場でのシェア獲得が狙いとされるこの投資、日本国内では製造業の空洞
化現象と深刻な雇用危機を引き起こしていることは広く指摘されるところだ。本特集で著者は「空洞
化は日本固有の問題ではなく他国も経験してきたところ」としてアメリカ、イギリス、ドイツの経験をレ 渡辺博顕(日本労
米国、ド
海外労働時報2002
論文 レビュー:産業の「空洞化」と雇用 ビューし、「コアとなる技術の確立と技術を支え伝えゆく人材の確保・育成が重要」との処方箋を提示 働研究機構副主任
イツ
年5月号No. 324
している。
研究員)
特にドイツの場合、高労働コストが国際競争力の低下と対外投資の増加につながり、その結果国内
製造業の雇用機会の減少とつながっている。ドイツ製造業の強い品質競争力に限界が来ていること
も背景にあるが、その回復には、人的資源形成や「共同決定的」労使関係の改革が不可欠である。
ドイツではここ数年来、他の先進諸国と比較して高い賃金水準や社会保障費が、企業にとって重荷
となってきた。このため、周辺諸国へ本社や生産拠点を移転した、あるいは移転を検討している、と
いう企業も多い。1960年代には完全雇用を誇った雇用状況も悪し、ここ数年は失業率10%台、失
業者数400万人前後で推移してきた。また、連邦政府の財政は統一後の東部ドイツ(旧東ドイツ)復
構造改革に向けた政府の取り組 興費用などにより、厳しい状況が続く。国内ではこうした状況下で、「構造改革」の必要性が叫ばれて
JETRO デュッセルド JETRO ユーロトレン
ドイツ
論文 みと反響
いた。
ルフ事務所
ド
(ドイツ)
特に90年代のシュレーダー政権下で進められた「構造改革」の取り組みの一つとして「税制改革」が
あり、この改革に対する各界の評価は押し並べて高い。特に、キャピタルゲインの非課税化などで恩
恵の受ける金融界の評価は高い。しかし、経済界(更なる法人税減税を主張)、商工会議所・労働組
合(更なる所得減税を主張)、中小企業(大企業と比較して恩恵が少ない)などの批判的な意見もあ
る。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
発行年
2005
2004
2002
2002
2000
9
1.文献調査
1.2 米国の空洞化に関する論文
ドイツ・欧州の空洞化に関する論文リスト (2)
対象国 種別
ドイツ
ドイツ・
日本
ドイツ
ドイツ
ドイツ
Abstract
タイトル
著者
発行
The Shift of Automobile Production to
Central. Europe and Hollowing-Out in
Faculty of
欧州の自動車生産はグローバリゼーションの流れの中で、完成車メーカーの拠点の中欧・東欧へのシ
Germany:. The Case of the Automotive
Prof. Fumiaki Economics
論文
フトに伴って外資系企業から順次、部品も含めたシフトが起こっている。この背景には、ドイツ国内の高
Components Industry.
Furukawa
Yamaguchi
コスト体質や労働組合からの圧力などがあった。
University
自動車生産の中欧へのシフトとドイツの
空洞化:自動車部品産業のケース
グローバル化に関する文献の蓄積は限られてきた。異なる研究は異なる論調を持ち、異なる定義を使
Research in
用し、多様な理論に依拠し、異なる解析ユニットに焦点を当てる。必然的な結果として、それらはグロー
International
The dialectics of globalization: what are バル化の概念、その広範な結末、そして組織や経営についてのより具体的な結果に関する様々な見解
Business and
the effects for management and
へと帰着する。この記事は、グローバル化の影響をより系統的に分析するために組織的変化の社会理
Finance
Carla I. Koen
論文 organization in Germany and Japan
論を提示することによって、既存文献に寄与する。
Volume 18,
グローバル化の弁証法:ドイツと日本の 本稿は、米国、英国との比較を行いながら、企業ガバナンス、産業関係、および人的資源への影響を
Issue 2, June
経営と組織への影響は何か
追跡することによって、グローバ化の圧力がドイツと日本の組織と経営に与えた影響を探る。本稿は、
2004, Pages
異なる分析レベルで異なるパターンの変化が存在することを示す。これらの相違は、同じ経済モデルに
173-197
向かうグローバル化の収束パターンは何一つ期待できないことを説明してくれる。
グローバル化に関する研究は豊富にあるが、我々は依然、グローバル化と関連する権力や知識の問
題に関する言説については比較的情報を与えられていない。これらの問題は、グローバル化に関する
特定のレトリックの集中的展開とともに、欧州の政策決定者、ジャーナリスト、企業コミュニティ内の統合
Journal of
という観点から前面に出てきた。本論文は、組織主義者(institutionalist)の発展に寄与しつつ、外部の
Globalization, European integration and
European
経済的制約(グローバル化や欧州の統合などといった)へのアピールに関する社会的建設主義者の理 Colin Hay &
Public Policy
論文 the discursive construction of economic
解に資することを目指す。まず現代のヨーロッパにおけるグローバル化と統合に関する言説の範囲を Ben Rosamond
imperatives
Volume 9,
見極め、さらにそうした言説が英国、フランス、ドイツ、およびイタリアでどう(しばしば)戦略的に展開さ
Issue 2, 2002
れているかを概観する試みを通じて、外的要因による関心の言語的表現としてのグローバル化言説に
関する理解を超えようと試みる。本論文は、どのようにして観念的な構造が制度化・正常化され、それ
によって政治アクター間で「可能性」の概念に制限が設けられたかを示す。
本論文は2つの疑問――欧州の自動車組み立て会社と部品会社間の関係の変化に関連した地理的条
Regional
Internationalization and Specialization in 件、および自動車部品会社がグローバル・ベースで自社の操業をリストラクチャリングした方法――に
Studies
the European Automotive Components ついて探る。最初のセクションでは、主要な部品製造会社の戦略の重要性に焦点を当てながら、位置
Volume 33,
Sector: Implications for the Hollowing- 的なバランスと空間的な再構成の間の相互作用をみていく。これらの戦略については、国際化と分業
David Sadler Issue 2, 1999
論文
out Thesis
化のプロセスに特に注意を払いながら、後続のセクションで詳細に論じる。さらなる解説のセクションで
Regional
欧州自動車部品部門の国際化と分業 は、これらの傾向にかんがみて、欧州の自動車産業において空洞化のプロセスが発生しているのかど
Studies
化:空洞化論文への影響
うかについて問いかける。扱うべき重要な問題は、欧州への(からの)投資フロー間のバランスと、部品
Association
会社が欧州外の新興市場へのサービス提供をどの程度目指しているかということだと結論付けている。
書籍
グローバル化は、社会的及び経済的な発展の多くの領域での国際化の客観的なプロセスを包括し、そ
グローバル化とドイツ経済・社会システ
朝日 吉太郎
のプロセスが諸国にとっての根本的な帰結と、質的にさらに先に進むという意味で結びついていること
(著)
ムの新展開
を、ドイツを例に論じる。
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文理閣
(2003/12)
発行年
2004
2004
2002
1999
2003
10
1.文献調査
1.2 米国の空洞化に関する論文
ドイツ・欧州の空洞化に関する論文リスト (3)
対象国 種別
タイトル
著者
発行
ポール ドアマス (著),
多国籍企業を批判する者も擁護する者も、少なくとも一つの点では合意している。多国籍企業活動の
ルイス ポリィ (著), ウィ
結果として、極めて強力で広範な影響力を持つグローバル市場が作られ、そのために国境の持つ意
リアム ケラー (著), サ
グローバル経営の神話―米・日・ 味が急速に失われてきている、ということである。しかし、著者たちによると、そのような見方は、神話
イモン ライク (著), Paul
米国、ド
独の多国籍企業に見る比較政治 とでもいうものに基づいているという。本書は、米国、日本、ヨーロッパの多国籍企業の主要な活動を
トッパン
N. Doremus (原著),
書籍
(1999/05)
イツ
経済分析 (トッパンのビジネス経 詳細に分析し、企業行動とそれぞれの国の制度や文化との関係を注意深く吟味している。著者たちは、
Lous W. Pauly (原著),
営書シリーズ)
世界の主要な多国籍企業は、引き続き、自国の政策やその国固有の価値観に決定的な影響を受け
William W. Keller (原
ていて、しかもそれぞれの中核業務は同質化の方向へ収斂する傾向にはないのであるから、分断の
著), Simon Reich (原
ないグローバル市場が形成されることはないということを実証している。
著), 藤田 隆一 (翻訳)
Abstract
パクス・アメリカーナの衰退、ソ連崩壊・東欧変革、EC統合、アジアNIES工業化、発展途上国の経済的
米国、ド
技術革新と現代世界経済―技術
林 倬史 (著), 菰田 文 ミネルヴァ書
書籍
自立と南北問題など、急激な世界経済の変化の背後にある共通したシステム・メカニズムを分析し、
イツ
開発・移転システムの国際比較
男 (著)
房 (1993/07)
グローバル化とリージョナリズムの両側面より、各国・地域の技術革新の諸問題を解明する。
この刺激的な本は、国際政治経済学、公的部門の経済学、そして比較政治学の専門分野を組み合わ
せ、封建制度がグローバル経済下での制度的調整の障害になっているかどうか、あるいはこれは所
定の政治システムが中央集権化されている度合いに左右されるのかどうかについて論じている。Axel
Axel Huelsemeyer
Hulsemeyerは、単独欧州法(Single European Act)とマーストリヒト条約(Maastricht Treaty)の批准につ
いて分析し、これらを米国とカナダ間の二国間協定およびNAFTAの実施状況と比較する。国家が経済
のグローバル化に対応する際に、最恵国貿易協定の概念化が行われる。
組織化された労働者はグローバル化の世界で生き残れるのか? 本書は、グローバル化が進む製造
Going Global: Unions and
業が西側先進国の労働運動に与える影響を探る。米国、スウェーデン、ドイツの金属加工とテキスタ
Globalization in the United States, イル組合の比較研究により、減少する組合員数と政治的影響力の陰りというハンディを背負い、脅威
Sweden, and Germany
米国、ド
にさらされる国際労働運動の姿を明らかにする。著者は、統計的分析と産業別のケーススタディを通
James A. Piazza
書籍
イツ
グローバル化の進行:米国、ス
じて、国際労働運動が団体交渉の有効な組織、強い政治的コネクション、そして民主的な職場組織の
ウェーデン、ドイツの組合とグロー 確立を急ぎ必要としていることを論証する。本書は、新しいグローバル経済の中で組織労働が生き残
バル化
るための青写真を求める国際政治経済学や産業関係学の研究者にとって、非常に興味深いものとな
ろう。
Corporate Germany Between
Globalization and Regional Place
著者のChristian Berndtは、事業戦略を策定する際の経済的・非経済的要因の役割を探りながら、ドイ
Dependence: Business
ツの企業プレーヤーがドイツのグローバル化と明らかな危機にいかに対応したかを調べる。本書は
Christian Berndt
ドイツ
書籍 Restructuring in the Ruhr Area
ルール地域での実証的調査に基づき、地域レベルでのルーティーン的な相互関係が企業の適応を形
グローバル化と地域的立地依存
成する上で決定的な役割を果たすと主張する。
の板挟み:ルール地域のリストラ
クチャリング
Globalization And Institutional
Adjustment: Federalism As An
米国、ド
書籍 Obstacle?
イツ
グローバリゼーションと制度的適
応:封建制は障害となるか?
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
発行年
1999
1993
Ashgate Pub
Ltd
(September
2004)
2004
Lexington
Books (May
15, 2002)
2002
Palgrave
Macmillan
(June 9, 2001)
2001
11
1.文献調査
1.2 米国の空洞化に関する論文
ドイツ・欧州の空洞化に関する論文リスト (4)
対象国 種別
ドイツ
タイトル
Innovation, Investment and the
Diffusion of Technology in Europe:
German Direct Investment and
Economic Growth in Postwar Europe
書籍 (National Institute ... Social Research
Economic and Social Studies)
欧州における技術のイノベーション、
投資、および拡散:ドイツの直接投資
と戦後ヨーロッパの経済成長
Policies to benefit from the
globalization of corporate R&D: An
exploratory study for European Union
ヨーロッ
論文 countries
パ
企業R&Dのグローバル化から利益を
得るための政策:EU諸国についての
実地調査
ドイツ
Abstract
著者
発行
発行年
本論文は、1945年以降、グローバル化を推進するドイツの国際対外直接投資(FDI)、成長、およ
び欧州の統合に関する重要な新しい評価を提供する。FDIはしばしば雇用と成長に関する不安を
もたらしているが、ドイツ、スウェーデン、アイルランド、英国の例にみられるように、それは新しい
Ray Barrell (Editor),
市場に工程と製品を移動させる有効な手段である。指導的な専門家によってアクセス可能なスタ
Nigel Pain (Editor)
イルで記述されたこのオリジナルな研究は、欧州統合、国際経済、成長経済、および国際ビジネ
スといった学問分野の研究者や学生と同様に、政策のプロにとっても非常に重要な読み物となる
だろう。
Cambridge
University Press
(March 28,
1999)
1999
本論文は、企業R&Dのグローバル化はEU諸国の新たな政策戦略の台頭につながり、政府のより
未来先行的な役割と、イノベーション政策とFDI促進政策間のより緊密な連携をもたらしてきたと
主張する。第一部では、あらゆる国や地域に当てはまる可能性のある主要な政策目標とそれに
José Guimón
かかわる手段を網羅し、企業R&Dのグローバル化に向けた政策の立案と評価のための有用な
ツールを示す。第二部では、国別の事例を指摘し、欧州委員会における政策介入の道筋を示し
ながら、この現象に対応して欧州政策が進化してきた証拠を提示する。
Department of
Economic
Structure and
Development
Economics
Autonomous
University of
Madrid
2009
OECD
2010
経済の潜在的成長率は長きにわたって低く、危機は一層のマイナス効果を与えてきた。貧弱な
成長実績は、主に多くのサービス部門の低成長を反映している。しかし、それに対して、ほとんど
の製造部門は最近の危機に先立つ数年間、堅調な海外需要を受けて急速に発展した。課題は、
Structural reforms to lift potential
政策の枠組みがイノベーションや構造変化のより大きな手助けとなるように、輸出部門の過去の OECD Economic
書籍 growth in a globalised world
成功を強固なものとし、それを経済全体へと広げることである。具体的には:製品市場の規制を Surveys: Germany
(章) グローバル化された世界で潜在的成
緩和し、そうした規制が競争力の乏しい産業を保護することを阻止する必要がある;イノベーショ 2010
長率を引き上げるための構造改革
ンの枠組み条件を改良する必要がある;高度な資格要件を備えた労働力を十分大量に供給する
ために、教育システムを改革する必要がある;そして、スキルの高い労働者の移民をより優遇す
るために、移民政策を変える必要がある。
The Integration of China and East
アジアと、程度こそ少ないが中欧・東欧における高成長ゾーンの出現は、中期的な世界の成長率
European Countries in Global
を高める傾向がある。しかし、この傾向は、短期的な調整の問題により、高賃金国と一部の新興
Networks Are European
ヨーロッ
国において懸念を引き起こした。これは、新興ゾーンにおける高度成長は、一つには先進工業国
Frédérique Sachwald Brookings
論文 Multinationals Different?
パ、中国
からこれらの新興ゾーンへの生産移転に基づくものであるという事実から来ている。したがって、
グローバル・ネットワークにおける中
工業生産は高賃金国よりも中国においてずっと急速に発展してきた。工業生産のこうしためざま
国と東欧諸国の統合:ヨーロッパの多
しい発展の結果、中国は常々新しい「世界の工場」と表現されている。
国籍企業は異なっているのか?
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2004
12
1.文献調査
1.3 米国の空洞化に関する論文
韓国の空洞化に関する論文リスト (1)
対象国 種別
韓国
論文
韓国
論文
韓国
論文
韓国
論文
タイトル
発行
発行年
東京大学ものづくり
本稿は、韓国のFTA 政策が、同国多国籍企業の競争戦略やグローバル戦略に与える影響について考察した。
経営研究センター
韓国のFTA については近年経済学や政治学の諸観点から研究されているが、多国籍企業の国際化や競争戦 朴 英元、天野
Manufacturing
韓国の FTA 政策と韓国企業
2011
略への影響を具体的に分析したものはまだ少ない。そこで一次・二次データを用いて、欧州への韓国企業の 倫文、宋 元旭、
Management
のグローバル戦略
国際化戦略とグローバル・サプライチェーンの特徴を明らかにし、韓国‐EU・FTA による影響について検討した。福澤 光啓
Research Center
またFTA と韓国側の産業政策との整合性も考察した。
(MMRC)
韓国企業は、2000年代に入り新興国市場開拓を本格化させた。大手財閥企業は2000年代に薄型テレビ、携
帯電話、白物家電、自動車といった製品分野で新興国市場におけるシェアを軒並み上昇させている。この時
期、開拓を本格化させた背景として、BRICsに代表される新興国の成長性が世界的に注目される中、先進国
企業が進出する前に市場に参入することで企業自らが商機ととらえたことに加え、大統領が経済界首脳を伴
いBRICsすべてを訪問するなど、政府の外交政策が企業に新興国への進出契機を与え、市場開拓機運を高
めさせたという面もあった。
中小企業の海外展開にあたっては、KOTRAが中心となって、海外見本市の開催を通じた販路開拓支援、現地 みずほ総合研
韓国における新興国市場開
2011
市場・顧客層に関する情報提供などのサポートがなされている。また、LED・ロボット分野など韓国が優位性 究所 アジア調 みずほ総合研究所
拓への取り組み
を持つ分野では国際標準を獲得すべく、これら技術・基準のアジア市場での普及を積極化させている。
査部
加えて韓国企業は、「安かろう・悪かろう」と低評価だった製品イメージを払しょくすべく、品質向上に本腰を入
れて取り組んだが、それを市場に認知させる上で、政府が行った韓国文化普及策が有効に機能した。90年代
終わりから、政策支援によって海外に安価で拡販された韓国映画やドラマは多くのアジア諸国で「韓流ブー
ム」を生じさせたが、それを契機に韓国の文化、ライフスタイルに対するイメージがアップし、品質向上に裏打
ちされた韓国製品は若い世代を中心に「かっこいい/センスがいい」「活気や勢いを感じる」と評価され、ブラン
ド力を高めている。
1997年以降の「構造調整」に伴う韓国の労働市場における主な特徴は「分断化」、「二極化」、「窮乏化」、そし
て「下向構造変化」であった。このような労働市場における問題は、経済的側面だけではなく、社会的側面にお 研究者:厳成男
いても韓国資本主義の発展における大きな障碍となりつつある。この障碍を取り除くための施策として、2000 (Yan Chengnan)
韓国の労働市場における柔 年代の半ばから労働市場におけるフレキシキュリティ(柔軟性と安全性の両立)の必要性が議論されてきた。 (京都大学大学 京都大学大学院経
2010
軟性と安全性の変化に関す 韓国におけるフレキシキュリティの構築には多くの困難がある。労働市場における二重構造の深刻さに加え、 院経済学研究 済学研究科付属プ
る研究
社会保障システムの未完成、企業構造、組合形態、社会的合意形成伝統の欠如など、多くの障碍がある。既 科付属プロジェ ロジェクトセンター
に柔軟安全性の構築に向けたさまざまな政策提案がなされており、これらの提案には一に労働市場における クトセンターPD
格差の是正、二に積極的な労働市場政策の促進、三に社会保障システムの拡充、四に対立的労使関係の改 研究員)
善、五に労働関係の法制改革などが満遍なく必要となる。
Economic Impact of Korea’s
Outward FDIs into
韓国の対外直接投資額と輸出の関係を、韓国の主要直接投資国であるアメリカ、欧州、中国、ASEAN、その
Journal of Korea
Developed and Developing 他各国への対外直接投資額と輸出額データを使った回帰分析を通じて考察した。その結果、米国を除いて対 DOOWON
Trade
Economies across Industries 外直接投資額が伸びるほど輸出も伸びることが判明した。また、対外直接投資額と国内雇用との関係につい LEEb, HYEON2009
Vol. 13, No. 2, May
韓国の対外直接投資(FDI) ては、アメリカ、欧州などの先進国に対する投資の場合は国内雇用にあまり直接的な影響がないが、中国な SEUNG HUHc
2009, 75-88
が産業を超えて先進国と途 どの途上国への投資の場合は国内雇用を減らす効果があることが分かった。
上国の経済に与える影響
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Abstract
著者
13
1.文献調査
1.3 米国の空洞化に関する論文
韓国の空洞化に関する論文リスト (2)
対象国 種別
韓国
韓国
韓国
タイトル
Abstract
著者
発行
発行年
1)韓国経済のグローバル化は2000年代に加速した。この要因としては、①通貨危機後に国内市場が大幅に縮小したこと、
②2000年代前半にクレジットカード債務問題により消費が低迷したこと、③少子高齢化の進展により将来的に国内市場が
先細りとなること、④新興国の成長が加速し新たなビジネスチャンスが生まれたことなどである。
2)企業がグローバル志向を強めたからといって世界市場で成功するとはかぎらない。韓国企業に共通するのは、品質や
デザインの向上に力を入れたことに加えて、新興市場の需要取り込みに成功したことである。韓国政府もFTA(自由貿易協
定)網を拡大させることを通じて、企業のグローバルな事業展開を後押ししている。
調査部 環
3)新興市場の開拓を積極化してきたことは、貿易と投資面にも表れている。輸出面では、90年以降アジアとりわけ中国へ 太平洋戦略 環太平洋ビ
韓国におけるグローバ
の依存度が上昇したが、近年では欧米とアジアを除く地域のプレゼンスが着実に高まっている。対外直接投資額は対中投 研究センター ジネス情報
2010
論文 ル化の成果と残された
資の急拡大により2006年、2007年に急増したが、近年では投資先が分散化し、旧東欧諸国、ブラジル、ベトナム、インドネ 上席主任研 RIM 2010
雇用問題
シアなどの新興国向けが増加している。
究員 向山 Vol.10 No.39
4)経済グローバル化の加速に伴い輸出が成長の牽引役となるとともに、IT産業が集積する地域では生産が増大している。英彦
また、対外直接投資が増加した結果、国際収支の「投資収益」が黒字に転換している。こうしたプラス効果がみられる一方、
2000年代に入り、国内では雇用創出力の低下、若年層の就職難、格差の拡大などが顕在化した。
5)「質の高い」雇用が十分に創出されていないことが若年層の就職難や格差の拡大を生み出しているほか、不安定な雇
用が少子化を加速させている。いずれも韓国の潜在成長力を低下させかねない問題である。いかに「質の高い」雇用を創
出するのかが問われている。
一般的には海外投資が増加すれば、国内投資減少および産業空洞化が起きると言われているが、2000年代中盤の日本
の製造業界の場合、効率的な国際最適分業体制の構築によって、海外投資と日本国内の設備投資が同時に増加すると
いう現象が起きた。このことで、日本の企業が技術開発・構造調整・生産革新などを実現し、生産工程に対する競争力を回
復して、中国など海外生産拠点を日本国内に戻すUターン現象が加速化している。すなわち、海外直接投資が製造業の成
桃山学院大
韓国における産業空洞
長に肯定的に作用することによって、産業空洞化の主な要因とはなっていないという図式である。
学総合研究
化に関する研究 The
卞 載雄 Byun
2007
論文
しかし韓国では、大韓商工会議所が2005年にソウルと京畿道の製造業者の中で海外工場を有している企業300社を対象
所紀要 32(3),
'Hollowing Out ' of
Jae-woong
5-20, 2007にした実施した「製造業者国内Uターン現況と展望」というアンケート調査によると、海外生産拠点の国内Uターンの可能性
Industry in Korea
03-20
に関する質問に対して、94.9%の回答者が「国内Uターンを考慮していない」という回答が得られた。また、全国経済人連合
会の2004年の調査によると、中国への投資額の大きい企業700社(うち254社が回答)に対して行った「韓国企業の対中投
資現況と改善課題」の調査の中でも、調査対象企業の43.7%が今後5年間で「国内投資を減らし中国投資を増加させる計
画」と答えており、「中国投資の比率を減らし、国内投資を増やす」という回答は6.1%にとどまった。
A Quantitative
本論文は、産業の空洞化に関する量的指標を紹介する。この指標は、産業空洞化の概念的定義、データの入手可能性、
Estimation of Industrial および分析的扱いやすさを考慮して選択され、国内の競争力低下によって国内生産が輸入と海外生産の双方にとって代
Hollowing-out in Korean わられる程度という観点から定義される。さらに、指標の適用に当たって、韓国製造業部門の空洞化の指数が推定され、 Kang, Du論文
Manufacturing Sectors 日本のそれと比較される。その推定によれば、200年の韓国製造業の空洞化指数は、同じ年の日本の指数の3分の1をわ Yong
韓国製造業部門の空 ずかに下回り、1980年代後期の日本の指数レベルに相当するものであった。韓国の製造業の主要部門の間で、産業空洞
洞化に関する量的推定 化は家電(指数18.8)、アパレル(16.2)、靴(13.3)といった部門で比較的顕著であった。
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The Korea
Institute for
Industrial
Economics
and Trade
(KIET)
2005
14
1.文献調査
1.3 米国の空洞化に関する論文
韓国の空洞化に関する論文リスト (3)
対象国
韓国
韓国
韓国
韓国
韓国
韓国
種別
Abstract
タイトル
著者
発行
発行年
Deindustrialization or
The Korea Institute
Hollowing-out in the Korean
for Industrial
韓国の経済成長の鈍化や不安定な産業関係と相まって、空洞化に対する不安や懸念は、まだ証明されて
Ha, Byung-Ki
2004
論文 Economy?
Economics and
はいないが、経済不安をかきたて、不透明性を強めることにつながるかもしれない。
韓国経済の脱工業化または
Trade (KIET)
空洞化
韓国経済の急速な経済発展、産業構造の変化にともない、製造品目、製造技術を高度化
環日本海経済
2010
書籍 韓国経済の現代的課題
させている。 ... 海外市場開拓に積極的であり、海外での商談会を積極的に活用し取引
日本評論社
研究所
に結びつけている。
韓米FTAと韓国経済の危機
危機の再来かチャンスの到来か?IMF危機から10年、奇跡的な再生を遂げた韓国経済は韓米FTA締結でど 徐 勝 (編集, 原
―新自由主義経済下の日本
晃洋書房
2009
書籍
うなるのか?FTAは経済成長の万能薬か?格差拡大・貧困の悪循環に陥るのか?IMF危機後、グローバル化 著), 李 康國 (編
への教訓 (立命館大学コリア
(2009/02)
の中の韓国経済を徹底分析。
集, 原著)
研究センター研究叢書)
日中韓直接投資の進展―3国 世界が地域間貿易を強化する中で、日中韓3国も経済活動の更なる円滑化が求められている。企業アン 阿部 一知 (著),
日本経済評論社
2003
書籍 シンクタンクの共同研究
ケート調査分析や直接投資の現状分析・認識を通して、共通の経済的課題を追求した、各国の経済貿易政 浦田 秀次郎
(2003/12)
(NIRAチャレンジ・ブックス)
(著)
策に進言する研究報告。
本書は、グローバル化の現象が、国のアイデンティティ、企業の変化、労働市場、民主主義、伝統、社会政
策において韓国社会に与えた影響と、グローバル化が継続する世界の中で韓国の社会的団結に及ぼした
影響について論じる。韓国は外部世界に対してよりオープンになっているものの、グローバル化に対する強
いナショナリスト的反発と、国家のアイデンティティを維持する必要性をたえず自らに確認することによって、
Korea Confronts Globalization
依然として結びつきの強い国家コミュニティを保持している。韓国はまた、複雑な社会の中で多様化した利
(Routledge Advances in
Routledge; Reprint
Chang Yun-Shik
害によって生じるさまざまな形の対立をうまく対処することを学んできた。
edition (April 11,
2011
書籍 Korean Studies)
韓国政府は今、貧困者や支援を必要とする者が最低水準の「人間らしい」生活をできるように、彼らを手助 (Editor)
2011)
グローバル化に立ち向かう韓
けする多様なスキームを導入し、福祉国家を確立しようと試みている。しかし、韓国社会の団結が今後も続
国
くかどうかは明確でない。社会的不平等は拡大しており、階級の分離は進んでいるように見える。そのような
中で、韓国は団結を保つことができるのか? 現代の韓国におけるグローバル化の政治的・社会的影響に
ついて論じる書物として、本書は、韓国・東アジア研究、比較社会学、発展学、政治学に携わる学生や研究
者によって非常に興味深いものとなろう。
韓国の発展は世界の出来事にどう影響し、また影響されてきたか? 新グラムシ派(Neo-Gramscian)は、世
界史は第二次大戦後のパックス・アメリカーナのような覇権主義による特定の安定期を現出させることを理
Globalisation and Labour
論化した。しかし、韓国の発展に関するこの新たな解説は、そうした考察を十分に正当化できないことを論
Struggle in Asia: A Neo証している。日本による植民地時代のような一連の「歴史ブロック」全体を通じて、国家の形態、教育プログ
Gramscian Critique of South ラム、労働関係、およびグローバル環境間の創造的リンクを作り上げることによって、著者のPhoebe Moore
Tauris Academic
Phoebe Moore
Studies (September
2007
書籍 Korea's Political Economy
は、韓国の発展物語を網羅する。著者は、韓国のあらゆる経済発展は、人口の多数すなわち労働者階級
(Author)
4, 2007)
アジアのグローバル化と労働 の意思に反して、しばしば外部の力に支えられたエリートによる「受身の革命」によって行われてきたと論じ
闘争:韓国の政治経済に関 る。
するネオ・グラムシ評論
このオリジナルな論文の中で、Mooreの批判的国際政治経済学のアプローチは、最も急速に発展し、世界
で11番目の経済大国となったアジア経済の一つに光を当てる。その中で、著者は社会・経済変化、受身の
革命、そして人々に対する影響を考察する。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
15
1.文献調査
1.4 台湾の空洞化に関する論文
台湾の空洞化に関する論文リスト
対象国
台湾
種別
タイトル
Abstract
著者
Domestic Repercussions of
本論文は、台湾製造業の多国籍企業に関する企業別データを分析し、FDIの空洞化の影響
Different Types of FDI: Firm-Level に関する一般市民の懸念について論じている。我々は、国内生産と雇用への影響に関する
Evidence for Taiwanese
Kiel Institute for the
企業自身の評価によって、そうした影響がFDIの規模、場所、種類に依存するかどうかを調
Wan-Hsin Liu,
World Economy, Kiel,
論文 Manufacturing
べる依存変数として、順序選択プロビット・モデル(訳注:プロビットは確率の単位)を推定す
Peter Nunnenkamp
Germany
異なるタイプのFDIが国内に及ぼ る。マイナス影響の確率は、FDIの規模によってわずかに増加することがわかった。さらに、
す影響:台湾製造業における関す 中国での場所の影響は、先進国におけるそれとは異なっている。垂直型の輸出プラット
る企業レベルの証拠
フォームFDIとは対照的に、水平型FDIの雇用への影響はプラスの傾向がみられる。
台湾は、1980年代半ばから為替レートと外国投資政策の自由化を開始した。その後の通貨
と大幅な見直しと人件費の増加は、多くの台湾企業に対して、対外外国直接投資(FDI)を
活発に行うよう促した。FDIによって誘発される産業空洞化の可能性は、台湾における大き
な懸念事項となってきた。
台湾
台湾
発行
Outward foreign direct
investment, wage rigidity and
本論文の目的は、台湾企業による対外外国直接投資が国内経済に与える影響を調査する
unemployment: A computable
論文
ために、計算可能一般均衡(CGM)モデルを確立することにある。本論文はまず、回帰分析 Kun-Ming Chen
general equilibrium analysis
(regression analysis)を行い、台湾の労働市場に厳しい賃金凍結が存在することを示す。次
対外直接投資、賃金凍結、および
にシミュレーション分析により、台湾からの対外FDIは収入と雇用をある程度減らすことを示
雇用:計算可能一般均衡分析
す。これらの結果は、対外FDIは歪みに悩まされる経済に害を及ぼす可能性があることを明
らかにしており、これはBrecher と Choudhri (1987) および Basu (1998)が見出した結果と一
致する。しかし、対外FDIは最近の台湾の失業率増加のごく小さな部分を占めるに過ぎない
ことも分かった。
Product Cycle and Industrial
Hollowing-out: The Case of the
Electrical and Electronics Sector of
論文
Taiwan
生産サイクルと産業の空洞化:台
湾の電機・電子部門のケース
本論文は、台湾が資本流入国から資本流出国へと転換した1980年から1999年までの台湾
の産業リストラクチャリングの道筋を追跡する。我々はVernonの製品サイクル理論の考え
に基づく実証モデルを確立することによって、製品ターンオーバーと製品アップグレードの
量的測定を組み立てる。電機・電子産業に対してテストを行い、製品ターンオーバーと製品 Tzu-Han YANG and
アップグレードが1990年代に著しく鈍化したかどうかを調べる。もし鈍化したなら、産業の空 Yueh-Po LIAO
洞化が出現したと結論づけるかもしれない。電機・電子産業内の下請け業界の業績は1980
年代と比較して1990年代に大幅な相違が生じているものの、1990年代に製品ターンオー
バーと製品アップグレードが著しく低下してはいないことを、実証結果は示している。
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発行年
2011
Journal of
International Trade &
Economic
Development, 2011,
vol. 20, issue 4, pages
569-58
2011
Discussion papers
from Research
Institute of Economy,
Trade and Industry
(RIETI)
2007
16
1.文献調査
1.5 日本の空洞化に関する論文
日本の空洞化に関する論文リスト (1)
対象国
種別
タイトル
Abstract
著者
発行
発行年
日本
国内産業は空洞化に向かうの
空洞化の問題はこれまで再三議論されてきたが、実際には、問題は表面化しなかった。
か?
論文
しかし、今後は海外直接投資の増加が輸出の減少を通じて、国内雇用などにも悪影 調査研究部古金 義洋
~海外直接投資が輸出に及ぼす
響を及ぼすおそれがある。
影響~
日本
東日本大震災後の産業競争力強
論文 化に向けて:産業界の取り組みと 空洞化を乗り越え新産業創生へ(page26)
政策対応
日本
論文
日本
グローバル化の第3の波を迎える
季刊 国際貿易と投資
高付加価値な部品生産の海外移転が進む前に、国内サプライチェーンの再構築を進 高橋 俊樹 Toshiki Takahashi
Summer 2011/No.84
日本
論文
めることが、空洞化を抑制するだけでなく、日本の国際競争力・ブランド力を維持・強 (財) 国際貿易投資研究所
(財) 国際貿易投資研
~国内の高付加価値なサプライ
化する上で極めて有効。
研究主幹
チェーンの強化で空洞化を抑制~
究所
2011
日本
まずそもそも「空洞化」とは何かについて整理を行う。次いで、日本企業のこれまでの
製造業の海外展開について ~日 海外生産の動向を振り返るとともに、足元の動きについて再確認する。その上で、製
みずほ総合研究所 経済調
論文 本の製造業は「空洞化」している 造業の海外生産活動が拡大している要因について把握するとともに、海外生産活動
みずほ総合研究所
査部
のか
が日本に与えている影響について分析を試みる。以上を踏まえた上で、結びとして、
今後我が国が「空洞化」を回避するために必要となる政策について考察する。
2011
日本
論文
「空洞化」を議論する際には、「良い海外展開」と「悪い海外展開」の区別を踏まえる必
空洞化を巡る議論の整理. ~「良
みずほ総合研究所 経済調
要. ○ 足元までの海外展開は国内製造業の高付加価値化を促す「良い海外展開」が
みずほ総合研究所
い海外展開」と「悪い海外展開」~.
査部
中心
2011
日本
日本企業の国際競争力と海外進 日本産業の国際競争力の喪失は、海外直接投資を活発化させる。日本の問題点は、
学習院大学経済学部教授 開発金融研究所報
論文 出
非貿易財産業の低生産性が続く中で、生産性の高い電機産業などが海外へ生産拠
2003
宮川 努
―『空洞化』の実態と対応策―*1 点を移転していくことにある。
2003
日本
論文
空洞化──海外直接投資で「空
かつての産業空洞化論をふりかえり,また,最新の学術研究を紹介
洞化」は進んだか?
直接投資と日本経済
ー 再生の鍵 ー
経済のグローバル化と日本の危機:空洞化
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社団法人 農協共済
総合研究所
(http://www.nkri.or.j
p)
2011
若杉隆平
京都大学経済研究所教授
独立行政法人経済産
RIETIシニアリサーチアドバ
業研究所(RIETI)
イザー・プログラムディレク
ター・ファカルティフェロー
2011
松浦 寿幸
日本労働研究雑誌
(慶應義塾大学産業研究所
No. 609/April 2011
専任講師)
2011
一橋大学経済研究所教授
経済産業研究所ファカル
独立行政法人経済産
ティーフェロー 深尾京司
業研究所(RIETI)
東洋大学経営学部経営学
科専任講師 天野倫文
2003
17
1.文献調査
1.5 日本の空洞化に関する論文
日本の空洞化に関する論文リスト (2)
対象国
日本
日本
日本
種別
Abstract
タイトル
著者
わが国の産業の空洞化を巡る諸
問題について
日本経済が持続的な発展を遂
中小企業金融公庫
論文 ―産業の空洞化を考えるQ&A― げるためには、「モノづくり基盤」の担い手である中小企業者に対する支援を強める必要性
調査部
中小企業金融公庫
があることを主張しています。
調査
Shigeki Tejima
1980年代と1990年代初期に、日本のアジアに対する対外直接投資(FDI)は、日本とアジア
Japanese FDI, the implications of
Nishogakusha
間に強い相互補完的な生産関係を作り上げた。これはセクション2で論じる。続いて、日本企
“hollowing
University, Faculty of
業がFDIによる「グローバル化」で直面した3つの困難な問題(三者択一を迫られる問題)と、
out” on the technological
International
日本の製造会社の企業別の利点(セクション3と4で論じる)を評価する。著者はまた、「世界
Economics and
論文 development of host
へのFDIの分散多様化」の原因となる相互補完的関係の変化について説明する。そして、セ
countries
Politics, 2590 Ohi,
クション5では1998年の著者の研究をもとに、こうした変化がアジアの危機によって強化され、
Shounancho,
日本のFDI、ホスト国の技術的発
加速されたと主張する。セクション6は日本経済にとって真の空洞化問題とは何かを論じ、セ
Chiba Prefecture,
展に対する「空洞化」の影響
クション7では結論を述べる。
2770902, Japan
「失われた十年」と呼ばれる二十世紀最後の十年は、「もの作り」という点から見れば、日本
の産業が急速に国際競争力を失っていった時期でもある。これまでにも企業の海外移転は 小林 英夫 早稲田大
産業空洞化の克服―産業転換期
書籍
あったが、生産ラインから開発部門まで、産業がフルセットで移転する事態は前代未聞であ 学アジア太平洋研究
の日本とアジア (中公新書) [新書]
る。コストの面で競争力を欠くわが国にとって空洞化はもはや止めようがない。企業レベル、 センター教授
政策レベルでの対応を提言し、日本産業復活の途を展望する。
発行
中小企業金融公庫
2002
International Business
Review 9 (2000) 555–
570
2000
中央公論新社
(2003/02)
2003
企業はその生産活動を、世界中で最も有利な場所で行えばいい。賃金の安いアジア、技術
Tadahiko Abe, 村岡直
「全解剖」空洞化する産業しない
水準の高い国内。国際分業の余地は大いにある。どの産業がアジアにシフトし、どの産業
東洋経済新報社
産業
人 長銀総合研究所
が日本で伸びるのか、実体を解明。〈ソフトカバー〉
日本
書籍
日本
The Elusive Impact of Investing
Abroad for Japanese Parent Firms:
Can Disaggregation According to
FDI Motives Help?
論文
日本の親会社に対する海外投資
の見えにくい影響:FDIの動機によ
る分解(disaggregation)は役に立
つか?
本論文では、海外投資が企業の業績に与える限定的な影響に関する以前の調査結果が、
FDIの動機、部門、および場所に依存する様々な異なる影響によって説明できるかどうかを
調べる。その結果は、以前の研究結果に即して、平均的な日本の対外FDIは国際化企業の
活動に対して限定的な影響(プラス・マイナスいずれも)しか与えないということを示している。Laura Hering,
「空洞化」効果への不安は、低収入国へのFDIのケース(その場合は雇用と輸出の縮小が見 Tomohiko Inui &
られる)でより正当化されるようだ。対照的に、サービス業の雇用については、おそらく関連 Sandra Poncet
会社と親会社間のオペレーションの相互補完関係を反映し、大幅なプラス効果が見られる。
また、GDPの高い国々の製造業では、基本的にFDIに由来する労働生産性の向上が見られ
る。
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発行年
CEPII, WP No 2010-01
1996
2010
18
1.文献調査
1.5 日本の空洞化に関する論文
日本の空洞化に関する論文リスト (3)
対象国
種別
タイトル
Abstract
著者
本論文は、日本の多国籍製造企業(MNE)による海外操業の拡大が国内の雇用を減らすという仮
説について検証する。既存の研究は主に産業レベルをベースにしているが、本論文は1991年から
2002年までの期間に新たに構築させた企業レベルのパネル・データを用いた証拠を提示している。
FDIが国内経済に与える好ましくない影響が懸念されているが、これらの証拠は、海外操業は日本
Nobuaki Yamashita
の国内雇用を犠牲にして拡大しているという見解を裏付けてはいない。それと反対に、調査結果
Kyoji Fukao
によれば、海外操業は当該期間中、日本の製造業における国内の雇用水準の維持に幾分役立っ
たことが分かった。しかし、これらの結果は、用いられた推定方式に対してセンシティブであり、ま
た推定のベースとなったパネル・データセットがバランスのとれたものかアンバランスなものかとい
うことにも敏感に左右される。
日本
The Effects of Overseas
Operations on Home
Employment of Japanese
論文 Multinational Enterprises
海外操業が日本の多国籍
企業の国内雇用に及ぼす
影響
日本
本論文は、1998-2003年の日本企業に関する企業レベルのパネル・データを用いて、グローバル
化する企業活動、国内操業、および貿易のパターンを実証的に調査する。北米とヨーロッパの
ジャーナリスティックな文献はしばしば、企業活動のグローバル化、特に発展途上国における操業
の拡大は国内の企業活動を減らす傾向があると主張する。本論文は、東アジアに投資する日本
International
の製造企業の場合、産業の空洞化に関するそうした主張は、少なくとも企業レベルでは不当なも
Production/Distribution
のであることを証明する。
Networks and Domestic
日本の製造部門は、過去数十年間、長年にわたって国内の雇用を減らす傾向にあった。しかし、
Operations in terms of
回帰分析の結果、東アジアに事業を拡大する製造会社は他の製造会社よりも国内の雇用を増や ANDO Mitsuyo
Employment and Corporate
す可能性が高いことがわかった。一方で、主に卸売部門の非製造企業はそうした顕著なパターン Keio University
論文 Organization: Microdata
を示していない。グローバル化する製造会社の国内雇用の伸びは、3~8パーセント高い。国内の KIMURA Fukunari
Analysis of Japanese Firms
企業所と関連会社に関しては、東アジアに事業を拡大する製造会社は、他の製造会社と比較して Keio University
雇用と企業組織に関する国
なんら統計的に有意な相違を示していない。一方、非製造会社は雇用を減らす傾向がある。
際生産・流通ネットワークと
さらに、東アジアに事業を拡大する企業は、他の企業と比較して、東アジアとの輸出入活動を強化
国内操業:日本企業のミク
する傾向があり、これは貿易とFDIの間の相互補完性を示唆している。このことは、日本企業による
ロデータ分析
生産細分化の拡大と、東アジアにおける生産・流通ネットワークのさらなる発展への日本企業の関
与を裏付ける証拠を一層後押ししている。全体として、企業活動をグローバル化する日本の製造
企業は、他の企業と比べて規模の大きい国内操業を維持しているように見える。そうした傾向は実
際、国際生産・流通ネットワークを積極的に拡大している機械工業において、より顕著である。
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発行
発行年
Hitotsubashi
University Research
Unit
for Statistical Analysis
in Social Sciences
2008
Discussion papers
from Research
Institute of Economy,
Trade and Industry
(RIETI)
2007
19
1.文献調査
1.6 世界の空洞化に関する論文
世界の空洞化に関する論文リスト (1)
対象国
種別
先進国
論文
世界
論文
世界
論文
世界
論文
タイトル
Abstract
著者
発行
本論文は、テクノロジーの変化と貿易が先進国経済の労働市場に及ぼす不均等な影響について論証する。過去
20年以上にわたり、これらの傾向は新興市場、発展途上国、そしてあらゆる場所で生活水準を引き上げてきた。
Slow Recovery to
先進国では、技術革新と世界労働市場を有利に活用する能力が国内の収入に貢献してきた。
Nowhere? A Sectoral
しかし、同時に、先進国で多数を占める労働者階層、特に製造業の労働者階層に対して好ましくない影響もみら
View of Labor Markets in れ、この階層への見通しは依然不透明である。こうしたマイナス影響は、所得格差の拡大に反映されている。本論 Prakash Loungani, IMF/Internati
Advanced Economies
文の計算もまた、少なくとも中期的には、生産性増加率の高い産業から生産性増加率の低い産業への外向きシ Su Wang, Laura onal
Feiveson,
Monetary
スローな回復はどこにも フトは、先進国における潜在的な生産量の増加を鈍らせる効果をもたらす可能性があることを示唆している。
Fund
行きつかないのか? 先 ミドル・インカム雇用の空洞化に対する長期的な解決策は、製造部門における再訓練、教育の改善、そして生産 and João Jalles
進国経済の労働市場を 性の向上にある。しかし、構造的変化による人間への代償を和らげるためには、さらなる早急な対策も必要である。
Spence(2011)は、再分配が政策対応の一環とならなければならないと主張する。すなわち、グローバル化に特化
部門別に概観する
した継続的な支援である。同氏は、先進国が直面する雇用の難題への取り組みが行われなければ、各国は「より
広範な領域への保護主義政策に訴える可能性があり、世界経済が弱体化する」と警告している。
基礎となるモデルは、輸出かFDIかを選べる代表的な投資家が外国市場へ初めて参入する際の決定について分
析する。このモデルは、近接集中仮説(proximity-concentration trade-off)の枠組みとリアル・オプション法(real
Uncertain Productivity
option methodology)を組み合わせ、生産性向上への効果に光を当てている。幾何ブラウン運動(Geometric
CESifo
Growth and the Choice
Brownian motion)をもとに、3つの異なる生産性のシナリオ(ゼロ増加、決定論的増加、不確実な増加)が考慮さ
Working
between FDI and Export
Erdal Yalcin
Paper No.
れ、互いに対比される。生産性の増加は、FDIを通じた初めての市場への参入の可能性も増大させる。企業が不
不確実な生産性向上と
2773
確実な生産性増加に直面すれば、FDIによる市場への参入はさらに増大する。不確実性は、派生する増大効果の
FDI・輸出間の選択
複合的な力と位置づけられる。これらの結果は、相互時間的(intertemporal)な選択効果を無視した静的一般均
衡モデルに寄与している。
Paper
本論文の目的は、国内・国外双方の吸収合併の収益性と社会的な望ましさを、場所・数量競合モデルで検証する
provided by
ことにある。このモデルでは、ターゲット企業の空洞化の可能性を考慮する。我々の言う空洞化とは、国内または
Bank of
Cross-border Mergers
国外の買収企業による合併の後、ターゲット企業が閉鎖する状況を指している。我々の分析は、合併された企業
Oana Secrieru
Canada in its
and Hollowing-out
の収益性と社会福祉に対する合併の影響は曖昧であることを示した。我々の枠組みでは、空洞化はごくわずかな
Marianne
series
国境を越えた合併と空 事例でしか発生しない。一つのそうした事例は、同じ会社群の中に並んで立地する会社のケースと、買収企業(国
Vigneault
Working
洞化
内・国外を問わず)のより効率的な技術を国内のターゲット企業に移転するコストがきわめて高いケースに限られ
Papers with
る。我々はまた、空洞化を伴う国境間合併の中には、収益面では儲からないが社会的には望ましい事例もあるこ
number 09とを示した。
30.
雇用者・非雇用者に関する新しい連結データセットは、拡大する多国籍企業は海外進出をしない競合企業よりも
国内の雇用を維持することを論証している。以前の研究とは対照的に、傾向スコア推定者は、企業の業績が外国
The Effect of FDI on Job
CESifo
直接投資(FDI)によって異なる状況を許容し、海外進出それ自体が労働者の分業化率の低下の有力な説明要因 Sascha O. Becker
Separation
Working
であることを示している。結合付随変数テスト(Bounding, concomitant variable tests)と強健性チェック(robustness Marc-Andreas
Paper No.
分業化に対するFDIの影
cheks)は、競合する仮説を排除している。判明した事柄は、国際的な価格差をふまえると、企業の対外FDIを妨げ Muendler
1864
響
ることは国内の労働者のさらなる分業化につながるという考えと一致している。FDIは、高度な教育を受けた従業
員とともに国内の労働者の保有率をより大幅に引き上げ、遠く離れた場所へと拡大させる。
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発行年
2011
2009
2009
2006
20
1.文献調査
1.6 世界の空洞化に関する論文
世界の空洞化に関する論文リスト (2)
対象国 種別
タイトル
Abstract
著者
発行
発行年
世界
国際貿易は近年、一つには多国間の貿易自由化に関する継続的な話し合いによる関税と貿
易割当量の漸減のおかげで、急速に発展した。しかし、こうした進展によって、残存する国際
貿易の弱いリンクの一つが明らかになった。これは、各国がオープンでグローバルな市場か
Overcoming Border
ら十分な恩恵を得ることを妨げている。すなわち、非効率的で時代遅れで複雑な貿易手順と
Bottlenecks: The Costs and
書籍
形式主義によってもたらされる国境というボトルネックである。非効率的な国境プロセスのコス OECD Trade Policy
Benefits of Trade Facilitation
(章)
トがどの程度、どんなふうに貿易と投資の流れに影響を与えているか、制度的・政治的要因 Studies
ボーダー・ボトルネックの克
がどのように効率強化策の計画と実施に影響を与えているか、そうした対策から期待される
服:貿易促進のコストと利益
利益はそれを導入することによる費用を十分に正当化するのか、そして、とりわけ他の開発に
関する優先課題を考慮した場合、発生する費用は途上国(少なくとも先進国)がまかなえる範
囲内なのか――本書は、そうした問題について検証する6つの研究をまとめている。
OECD
2009
(参考)
カナダ
本論文は、カナダの対内外国直接投資(FDI)と多国籍企業による生産と同時に、カナダの海
Canadian Inward and Outward
外への直接投資(CDIA)の傾向についてレビューし、それらがカナダ経済に与える影響につい
Direct
て評価する。FDIの経済コストと利益に関して、カナダや他の国々で書かれた既存の実証論文
Investment: Assessing the
Someshwar Rao,
の大部分をまとめる。論文の主な結論は、対内・対外FDIはともに、自国とホスト国の双方がダ
Malick Souare and
論文 Impacts
イナミックで競争力のある製品と良好で競争力のあるビジネス環境を持ち、市場を促進するな
see Criscuolo, 2009z
Weimin Wang
らば、双方に大きな長期的経済的恩恵を与えるということである。加えて、カナダで操業して
カナダの対内・対外直接投
いる他国籍企業の重要な企業本社がカナダから出ていくという意味での、カナダ企業空洞化
資:影響の評価
の証拠はほとんど存在しない。
Foreign Affairs and
International Trade
Canada
Economic Research
and Policy Analysis
Branch, Industry
Canada
2010
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21
1 .文献調査
2 .ヒアリング
3.マクロ統計分析
4.外部アドバイザーへのインタビュー
5.通商白書等におけるインプリケーションの導出
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22
2.ヒアリング 調査
2.1 韓国現地調査
スケジュール
日付
時間帯
東京→ソウルへ移動
2月5日(日)
2月6日(月)
2月7日(火)
2月8日(水)
10:30~12:00
現地調査に関する打ち合わせ
13:30~15:00
【企業】Sooyang Chemtec
16:00~17:30
【有識者】金&張法律事務所 高杉 暢也氏
08:30~10:00
【企業】東レソウル事務所
11:00~12:30
【有識者】LG経済研究院 李 地平氏
14:00~15:30
【韓国側政府機関】KOTRA投資誘致課
16:30~18:00
【日本側政府機関】JETROソウル事務所
19:00~21:00
【有識者】大邱大学教授 金 良姫氏
10:30~12:00
【有識者】韓国産業研究院 司空 モク氏
14:00~15:30
【韓国側政府機関】KITIA (韓国部品素材投資協議会)
17:30~19:00
【韓国側政府機関】中小企業庁
ソウル→大邱へ移動
2月9日(木)
2月10日(金)
訪問先
10:00~12:00
【有識者】永進専門大学校 教授 大野 直次氏
15:00~18:30
【韓国側政府機関】大邱慶北経済自由区域庁 (経済自由区域の概況説明/工業団地見学)
09:30~10:30
【韓国側政府機関】大邱テクノパーク
11:00~12:00
【企業】株式会社 和信(ファシン:商用車部品メーカー)
14:00~15:30
【韓国側政府機関】大邱慶北発展研究院
大邱→ソウル→東京へ移動
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※ 企業のインタビューメモは、機密保持の観点から報告書には掲載しない。 23
2.ヒアリング 調査
2.1 韓国現地調査
現地調査で得られた知見
1.韓国でもかつて特定地域や特定地場産業において中国への企業流出が生じ、空洞化が問題になったこ
とは事実。
2.韓国の対外直接投資残高(対GDP比)は足下15%程度と主要国(英60%、独40%)に比べて依然小さく、
海外展開の歴史も欧米に比べて浅いものの、2000年代後半から中小企業を含めた海外展開が急速に活発
化している。他方、韓国の潜在経済成長率は3~5%あると言われており、国内投資も増加基調で推移してい
る。海外も国内も投資が伸びており、現状では空洞化懸念が後退している印象。
3.また足下は、海外展開の加速が空洞化を及ぼすというよりは、むしろ輸出の誘発や国内産業の高付加価
値化に寄与するといった論調が目立つ傾向。
4.ただし、中国の追い上げや国内賃金の上昇、為替の増価等により将来的に空洞化に繋がるとの危機感も
強い。また、主に部品・素材産業の中小企業の競争力の弱さ、地域間格差など、韓国産業の脆弱性も指摘さ
れている。
5.こうした状況を踏まえ、韓国政府は、短期的にはFTA戦略加速による輸出促進、特区等によるインセン
ティブによる外資企業誘致等、中長期的には産学官連携や外資誘致企業からの技術移転等を通じた新産業
育成、ベンチャー振興等を通じて国内産業の強化を図っていることが伺える。我が国としても韓国の取組を
参考にしつつ、海外展開支援を加速しつつも、国内事業環境の抜本的な改善や新産業育成の強化を図り、
期待成長率向上を急ぐ必要がある。
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24
2.ヒアリング 調査
2.2 ドイツ現地調査
スケジュール
日付
時間帯
東京→フランクフルト→シュトゥットガルドへ移動
2月19日(日)
2月20日(月)
2月21日(火)
訪問先
10:00~12:00
バーデンヴェルテンブルク州財務経済省/シュトゥットガルド商工会議所
15:00~19:00
ダイムラー社 (工場見学/商用車部門担当者との意見交換)
09:30~11:30
ベアー社 (経営者との意見交換)
13:00~14:00
現地調査に関する打ち合わせ
シュトゥットガルド→ベルリンへ移動
2月22日(水)
10:00~12:00
連邦経済技術省
14:00~15:30
ベルリン日本人商工会
14:30~16:30
ドイツ商工会議所連盟
ベルリン→ポズナンへ移動
2月24日(木)
08:00~10:00
ポズナン市役所
14:00~16:00
ポズナン経済大学 教授 ※
ポズナン→ベルリンへ移動
2月10日(金)
10:00~12:00
ドイツ経済研究所
13:30~15:30
Germany Trade & Invest
16:00~17:00
在独日本大使館
ベルリン→フランクフルト→日本へ移動
※は、有識者インタビュー
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25
2.ヒアリング 調査
2.2 ドイツ現地調査
現地調査で得られた知見
1.ドイツは、東独との併合やEU拡大を1つのきっかけになって、中東欧への生産拠点の移転が過去20年に
わたって行われてきた一方、国内の産業の高付加価値化も並行して進めてきた。
2.国内の高付加価値化の1つの要因となったのが、クラスター活動をはじめとした研究開発の支援体制の
充実である。ドイツの場合、「産と学をつなぐ中間組織」が大学側のシーズと中堅・中小企業のニーズを上手く
結びつける役割を担っているほか、大学側も地域の企業の問題解決が学術的な貢献と同等に評価がされる
点が日本とは異なる点である。
3.また中堅・中小企業の技術力が高く、”Hidden Champion”と呼ばれるこれらの企業が「値段は高価でもプ
ロの人々から絶大な支持を得られる最終製品」を作り続けている点が特筆される。
4.海外展開については、競争力を失った一部の産業等が安価な労働力を活用するために、中東欧に展開
するケースはあるものの、多くは市場開拓を目的として中東欧はもちろん、中東・中南米・アジアなどに幅広く
展開している。
5.さらに製造業自身が、機械や部品の製造だけでなくメンテナンス・試験検査・コンサルティングをはじめとし
たサービス業にも進出するケースも多く、こういった新たなサービス分野の開拓が、高付加価値化のもう1つ
の要因ともなっている。
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26
1 .文献調査
2 .ヒアリング
3.マクロ統計分析
4.外部アドバイザーへのインタビュー
5.通商白書等におけるインプリケーションの導出
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27
3.マクロ統計分析
経常収支
 経常収支については、日本は1980年代から黒字が継続しており、現在も拡大傾向にある。ドイツについては2000年代
の後半から急速に拡大し、2006年以降は日本を上回っている。韓国は若干黒字になっているが、黒字の規模は日本・
ドイツに比べて小さい。一方で、アメリカの経常収支は2000年代以降、年々拡大を続けている。
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28
3.マクロ統計分析
貿易収支
 資本収支については、日本は1980年代から黒字が継続している。ドイツは2000年代から赤字に転換し、その規模は日本
を上回った。韓国も2000年代は赤字基調で推移している。いずれも日本・ドイツ・韓国の対外資産の増加または対外負債
の減少による「流出超」によってもたらされたものであると推察できる。
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29
3.マクロ統計分析
輸出額・輸入額
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30
3.マクロ統計分析
資本収支
 資本収支については、日本は1980年代から黒字が継続している。ドイツは2000年代から赤字に転換し、その規模は日本
を上回った。韓国も2000年代は赤字基調で推移している。いずれも日本・ドイツ・韓国の対外資産の増加または対外負債
の減少による「流出超」によってもたらされたものであると推察できる。
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31
3.マクロ統計分析
対外直接投資
 対外直接投資については、いずれの国も2000年代に大きく拡大している。特にドイツはもちろんフランスも同様に拡大して
いる。これに対して、日本や韓国は若干低い水準で推移している。
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32
3.マクロ統計分析
対内直接投資
 対内直接投資については、ドイツは2005年以降に拡大しているものの、フランス・米国よりは低い。日本や韓国は欧米諸
国に比べるとほとんどないも同然の水準となっている。
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33
3.マクロ統計分析
サービス収支 (全体)
 サービス収支については、日本とドイツは1980年代から赤字が続いており、特に1990年代からその額は拡大していた。し
かし日本については近年、赤字額が縮小する傾向が見られている。韓国は2000年代の後半から赤字が拡大傾向にある。
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34
15,000
収支
収支
10,000
3.マクロ統計分析
5,000
サービス収支 (運輸)
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-5,000
TRANSPORTATION Germany
TRANSPORTATION Japan
TRANSPORTATION Korea
-10,000
TRANSPORTATION United States
 運輸については、日本とドイツは従来
から赤字基調で推移している。一方
の韓国は1990年代後半以降、継続
的に黒字幅を拡大している。
-15,000
-20,000
-25,000
-30,000
80000
70000
輸出
60000
50000
TRANSPORTATION Germany
TRANSPORTATION Japan
40000
TRANSPORTATION Korea
30000
TRANSPORTATION United States
20000
10000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
100,000
90,000
輸入
80,000
70,000
60,000
TRANSPORTATION Germany
TRANSPORTATION Japan
50,000
TRANSPORTATION Korea
40,000
TRANSPORTATION United States
30,000
20,000
10,000
0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
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35
60,000
収支
収支
40,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (旅行)
20,000
TRAVEL Germany
TRAVEL Japan
0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
 旅行については、日本とドイツは従来
から赤字基調で推移していたが、日
本については2000年代後半より赤字
幅が縮小傾向にある。韓国も2000年
代より拡大傾向にあったものの、
2000年代後半には一旦縮小している。
TRAVEL Korea
TRAVEL United States
-20,000
-40,000
-60,000
160000
輸出
輸出
140000
120000
100000
TRAVEL Germany
TRAVEL Japan
80000
TRAVEL Korea
60000
TRAVEL United States
40000
20000
0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
100,000
90,000
輸入
80,000
70,000
60,000
輸入
TRAVEL Germany
50,000
TRAVEL Japan
40,000
TRAVEL Korea
30,000
TRAVEL United States
20,000
10,000
0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
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36
3,000
収支
収支
2,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (通信)
1,000
COMMUNICATION SERVICES
Germany
0
-1,000
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
COMMUNICATION SERVICES
Korea
-2,000
-3,000
 通信については、日本とドイツは従来
から赤字基調で推移していたが、日
本については2000年代後半より赤字
幅が縮小傾向にある。韓国も1990年
代までは黒字であったが、2000年代
に入り赤字に転じた。
COMMUNICATION SERVICES
Japan
COMMUNICATION SERVICES
United States
-4,000
-5,000
-6,000
12000
輸出
10000
8000
輸出 SERVICES
COMMUNICATION
Germany
6000
COMMUNICATION SERVICES
Japan
4000
COMMUNICATION SERVICES
Korea
2000
COMMUNICATION SERVICES
United States
0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
40,000
輸入
35,000
輸入
30,000
COMMUNICATION SERVICES
Germany
25,000
COMMUNICATION SERVICES
Japan
20,000
COMMUNICATION SERVICES
Korea
15,000
10,000
COMMUNICATION SERVICES
United States
5,000
0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009
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37
14,000
収支
収支
12,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (建設)
10,000
CONSTRUCTION SERVICES
Germany
8,000
CONSTRUCTION SERVICES Japan
6,000
CONSTRUCTION SERVICES Korea
4,000
 建設については、日本は1990年代か
ら黒字で推移していた。一方、ドイツ
は赤字、韓国は建設サービスの市場
そのものが小さかったが、両国とも
2000年以降に大幅に拡大しており、
特に韓国の建設分野でのサービス収
支の黒字幅は日本・ドイツに比べて圧
倒的に高い。
2,000
CONSTRUCTION SERVICES United
States
0
-2,000
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-4,000
18000
輸出
16000
輸出
CONSTRUCTION
SERVICES
Germany
14000
12000
CONSTRUCTION SERVICES Japan
10000
8000
CONSTRUCTION SERVICES Korea
6000
CONSTRUCTION SERVICES United
States
4000
2000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
14,000
輸入
12,000
輸入
CONSTRUCTION SERVICES
Germany
10,000
8,000
CONSTRUCTION SERVICES Japan
6,000
CONSTRUCTION SERVICES Korea
4,000
CONSTRUCTION SERVICES United
States
2,000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
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38
10,000
0
3.マクロ統計分析
サービス収支 (保険)
収支
収支
収支
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-10,000
INSURANCE SERVICES Japan
-20,000
 保険については、日本は1990年代か
ら赤字で推移していたが、2000年代
の後半に入り、その赤字幅はさらに拡
大を続けている。ドイツは変動は大き
いが2000年代以降は概ね黒字となっ
ている。韓国はやや赤字基調で安定
的に推移している。
INSURANCE SERVICES Germany
INSURANCE SERVICES Korea
-30,000
INSURANCE SERVICES United
States
-40,000
-50,000
16000
輸出
14000
輸出
12000
INSURANCE SERVICES Germany
10000
INSURANCE SERVICES Japan
8000
INSURANCE SERVICES Korea
6000
4000
INSURANCE SERVICES United
States
2000
0
-2000
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
60,000
輸入
50,000
輸入
INSURANCE SERVICES Germany
40,000
INSURANCE SERVICES Japan
30,000
20,000
INSURANCE SERVICES Korea
10,000
INSURANCE SERVICES United
States
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-10,000
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39
45,000
収支
収支
40,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (金融)
35,000
FINANCIAL SERVICES Germany
30,000
FINANCIAL SERVICES Japan
25,000
20,000
FINANCIAL SERVICES Korea
15,000
 保険については、日本は1990年代か
ら赤字で推移していたが、2000年代
の後半に入り、その赤字幅はさらに拡
大を続けている。ドイツは変動は大き
いが2000年代以降は概ね黒字となっ
ている。韓国はやや赤字基調で安定
的に推移している。
10,000
FINANCIAL SERVICES United
States
5,000
0
-5,000
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
70000
輸出
輸出
FINANCIAL
SERVICES
60000
50000
Germany
40000
FINANCIAL SERVICES Japan
30000
FINANCIAL SERVICES Korea
20000
FINANCIAL SERVICES United
States
10000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
25,000
輸入
20,000
FINANCIAL
SERVICES Germany
輸入
15,000
FINANCIAL SERVICES Japan
10,000
FINANCIAL SERVICES Korea
5,000
FINANCIAL SERVICES United
States
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
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40
3,000
収支
収支
2,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (情報サービス)
 情報サービスについては、日本とドイ
ツは1990年代から赤字基調であった
が、ドイツは2000年代の後半に入り、
大きく黒字に転換した。これに対して
日本はさらに赤字額を増大させてい
る。韓国はこの分野の取引そのもの
が少ない状況である。
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Germany
1,000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-1,000
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Japan
-2,000
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Korea
-3,000
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES United States
-4,000
-5,000
18000
輸出
16000
輸出AND INFORMATION
COMPUTER
SERVICES Germany
14000
12000
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Japan
10000
8000
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Korea
6000
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES United States
4000
2000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
輸入
COMPUTER
輸入AND INFORMATION
SERVICES Germany
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Japan
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES Korea
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES United States
2,000
0
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-2,000 1985198719891991199319951997199920012003200520072009
41
80,000
収支
収支
70,000
60,000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Germany
3.マクロ統計分析
50,000
サービス収支 (ロイヤリティ)
40,000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Japan
30,000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Korea
20,000
 特許使用料などのロイヤリティについ
ては、日本・ドイツ・韓国ともに1990年
代は赤字基調が続いていたが、日本
は2000年代の後半に入り、大きく黒
字に転換した。またドイツも近年、黒
字への転換に成功している。一方で
韓国は近年、さらに赤字幅が拡大し
ている。
ROYALTIES AND LICENSE FEES
United States
10,000
0
-10,000
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
100000
輸出
90000
80000
輸出 AND LICENSE FEES
ROYALTIES
Germany
70000
60000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Japan
50000
40000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Korea
30000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
United States
20000
10000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
30,000
輸入
25,000
20,000
輸入 AND LICENSE FEES
ROYALTIES
Germany
15,000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Japan
10,000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
Korea
5,000
ROYALTIES AND LICENSE FEES
United States
0
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1985198719891991199319951997199920012003200520072009
42
40,000
収支
収支
30,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (その他ビジネスサービス)
OTHER BUSINESS SERVICES
Germany
20,000
OTHER BUSINESS SERVICES Japan
10,000
OTHER BUSINESS SERVICES
Korea
0
 その他ビジネスサービスについては、
日本・ドイツは1990年代は赤字基調
が続いていたが、両国とも2000年代
に入ってから黒字に転換しており、特
にドイツの成長が目ざましい。一方、
韓国では赤字幅が拡大している。
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
OTHER BUSINESS SERVICES
United States
-10,000
-20,000
120000
輸出
100000
輸出
80000
OTHER BUSINESS SERVICES
Germany
60000
OTHER BUSINESS SERVICES Japan
40000
OTHER BUSINESS SERVICES Korea
20000
0
-20000
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
OTHER BUSINESS SERVICES
United States
-40000
80,000
輸入
70,000
輸入
60,000
OTHER BUSINESS SERVICES
Germany
50,000
OTHER BUSINESS SERVICES Japan
40,000
OTHER BUSINESS SERVICES Korea
30,000
20,000
OTHER BUSINESS SERVICES
United States
10,000
0
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1985198719891991199319951997199920012003200520072009
43
収支
16,000
PERSONAL,
収支CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES
Germany
14,000
12,000
3.マクロ統計分析
サービス収支 (レクリエーションサービス)
10,000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES Japan
8,000
6,000
4,000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES Korea
2,000
 レクリエーションサービスについては、
日本・ドイツ・韓国ともに赤字で推移し
ている。特徴的なのは、ドイツ・韓国
は2000年代後半からレクリエーション
サービスの輸出が大きく拡大している
のに対して、日本はこの分野は輸出
入ともに多くない点である。
0
-2,000 1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-4,000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES United
States
-6,000
16000
輸出
輸出
PERSONAL, CULTURAL AND
14000
RECREATIONAL SERVICES
Germany
12000
10000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES Japan
8000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES Korea
6000
4000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES United
States
2000
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
輸入
5,000
輸入CULTURAL AND
PERSONAL,
RECREATIONAL SERVICES
Germany
4,500
4,000
3,500
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES Japan
3,000
2,500
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES Korea
2,000
1,500
1,000
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES United
States
500
0
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1985198719891991199319951997199920012003200520072009
44
15,000
収支
収支
10,000
3.マクロ統計分析
5,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Germany
0
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Japan
サービス収支 (政府サービス)
 レクリエーションサービスについては、
日本・ドイツ・韓国ともに赤字で推移し
ている。特徴的なのは、ドイツ・韓国
は2000年代後半からレクリエーション
サービスの輸出が大きく拡大している
のに対して、日本はこの分野は輸出
入ともに多くない点である。
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
-5,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Korea
-10,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
United States
-15,000
-20,000
25000
輸出
輸出
20000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Germany
15000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Japan
10000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Korea
5000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
United States
0
1985198719891991199319951997199920012003200520072009
40,000
輸入
輸入
35,000
30,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Germany
25,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Japan
20,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
Korea
15,000
10,000
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
United States
5,000
0
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1985198719891991199319951997199920012003200520072009
45
3.マクロ統計分析
ドイツの対内外直接投資
ドイツの製造業の対外直接投資(ストック)
ドイツの製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
100,000
200,000
90,000
180,000
80,000
70,000
60,000
輸送機械器具
160,000
輸送機械器具
精密機械器具
140,000
精密機械器具
120,000
一般機械器具
一般機械器具
50,000
鉄・非鉄・金属
40,000
100,000
鉄・非鉄・金属
80,000
化学・医薬
化学・医薬
60,000
20,000
繊維・木材・パルプ
40,000
繊維・木材・パルプ
10,000
食料品
20,000
食料品
30,000
0
0
2000
2005
2000
2009
2009
ドイツの非製造業の対外直接投資(ストック)
ドイツの非製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
1,200,000
900,000
その他サービス業
その他サービス業
800,000
700,000
サービス業
600,000
不動産業
500,000
金融・保険業
400,000
卸・小売業
300,000
通信業
200,000
建設業
100,000
鉱業
0
1999
2004
2009
農林漁業
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(出所)OECDstat
2005
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
1,000,000
サービス業
不動産業
800,000
金融・保険業
600,000
卸・小売業
通信業
400,000
建設業
200,000
鉱業
0
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
46
3.マクロ統計分析
ドイツの対内外直接投資 (GDP比)
6.0%
ドイツの製造業の対内直接投資額(ストック)
6.0%
ドイツの製造業の対外直接投資額(ストック)
5.0%
輸送機械器具
5.0%
輸送機械器具
4.0%
精密機械器具
4.0%
精密機械器具
一般機械器具
一般機械器具
3.0%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
1.0%
3.0%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
1.0%
食料品
食料品
0.0%
0.0%
2000
2005
2000
2009
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
35.0%
2005
ドイツの非製造業の対内直接投資額(ストック)
35.0%
ドイツの非製造業の対外直接投資額(ストック)
その他サービス業
その他サービス業
30.0%
サービス業
30.0%
サービス業
不動産業
25.0%
不動産業
20.0%
金融・保険業
20.0%
金融・保険業
15.0%
卸・小売業
15.0%
卸・小売業
25.0%
通信業
10.0%
通信業
10.0%
建設業
建設業
5.0%
鉱業
0.0%
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
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5.0%
鉱業
0.0%
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
47
3.マクロ統計分析
ドイツの対内外直接投資
ドイツの地域別対外直接投資(ストック)
ドイツの地域別対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
1,400,000
1,000,000
900,000
アフリカ
800,000
1,200,000
アフリカ
700,000
中東
1,000,000
600,000
欧州
800,000
欧州
大洋州
600,000
大洋州
500,000
400,000
中南米
300,000
200,000
北米
100,000
アジア
中東
中南米
400,000
北米
200,000
アジア
0
0
1999
2004
1999
2009
2004
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
ドイツの地域別対外直接投資(フロー)
ドイツの地域別対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
120,000
60,000
50,000
アフリカ
40,000
30,000
20,000
10,000
アフリカ
中東
80,000
中東
欧州
60,000
欧州
大洋州
40,000
大洋州
中南米
0
100,000
中南米
20,000
北米
北米
-10,000
アジア
0
アジア
-20,000
-20,000
1999
2004
1999
2009
(出所)OECDstat
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(出所)OECDstat
2004
2009
48
3.マクロ統計分析
ドイツの対内外直接投資 (GDP比)
ドイツの地域別対内直接投資額(ストック)
40%
35%
35%
アフリカ
30%
中東
25%
欧州
20%
大洋州
15%
中南米
10%
北米
5%
アジア
アフリカ
30%
中東
25%
欧州
20%
大洋州
15%
中南米
10%
北米
5%
アジア
0%
0%
1999
2004
1999
2009
2004
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
6%
ドイツの地域別対外直接投資額(ストック)
40%
ドイツの地域別対内直接投資額(フロー)
5%
6%
アフリカ
ドイツの地域別対外直接投資額(フロー)
5%
アフリカ
4%
中東
4%
3%
欧州
3%
欧州
2%
大洋州
2%
大洋州
中南米
1%
中南米
1%
北米
北米
0%
アジア
中東
0%
アジア
-1%
-1%
1999
2004
1999
2009
(出所)OECDstat
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2004
2009
(出所)OECDstat
49
3.マクロ統計分析
ドイツの対内外直接投資
ドイツの製造業の対外直接投資(フロー)
ドイツの製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
35,000
20,000
30,000
15,000
10,000
5,000
輸送機械器具
25,000
輸送機械器具
精密機械器具
20,000
精密機械器具
15,000
一般機械器具
一般機械器具
鉄・非鉄・金属
0
化学・医薬
-5,000
繊維・木材・パルプ
-10,000
食料品
10,000
鉄・非鉄・金属
5,000
化学・医薬
0
繊維・木材・パルプ
-5,000
-10,000
食料品
-15,000
-15,000
2000
2005
2000
2010
(出所)OECDstat
ドイツの非製造業の対内直接投資(フロー)
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2005
2010
(出所)OECDstat
ドイツの非製造業の対外直接投資(フロー)
50
3.マクロ統計分析
ドイツの対内外直接投資 (GDP比)
1.2%
ドイツの製造業の対内直接投資額(フロー)
1.2%
ドイツの製造業の対外直接投資額(フロー)
1.0%
1.0%
0.8%
輸送機械器具
0.8%
輸送機械器具
0.6%
精密機械器具
0.6%
精密機械器具
0.4%
一般機械器具
0.4%
一般機械器具
0.2%
鉄・非鉄・金属
0.2%
鉄・非鉄・金属
0.0%
化学・医薬
0.0%
化学・医薬
-0.2%
-0.4%
繊維・木材・パルプ
-0.2%
繊維・木材・パルプ
食料品
-0.4%
食料品
-0.6%
-0.6%
2000
2005
2000
2010
ドイツの非製造業の対内直接投資額(フロー)
その他サービス業
2.5%
サービス業
2.0%
不動産業
1.5%
金融・保険業
1.0%
卸・小売業
0.5%
通信業
0.0%
建設業
-0.5%
鉱業
-1.0%
1999
(出所)OECDstat
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
3.0%
2005
2004
2009
農林漁業
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3.0%
ドイツの非製造業の対外直接投資額(フロー)
その他サービス業
2.5%
サービス業
2.0%
不動産業
1.5%
金融・保険業
1.0%
卸・小売業
0.5%
通信業
0.0%
建設業
-0.5%
鉱業
-1.0%
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
51
3.マクロ統計分析
日本の対内外直接投資
日本の地域別対外直接投資(ストック)
日本の地域別対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
800,000
250,000
700,000
200,000
アフリカ
中東
150,000
欧州
100,000
大洋州
中南米
50,000
北米
0
1999
2004
2009
アジア
アフリカ
600,000
中東
500,000
欧州
400,000
大洋州
300,000
中南米
200,000
北米
100,000
アジア
0
-50,000
1999
2004
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
日本の地域別対外直接投資(フロー)
日本の地域別対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
120,000
60,000
50,000
アフリカ
40,000
30,000
20,000
10,000
アフリカ
中東
80,000
中東
欧州
60,000
欧州
大洋州
40,000
大洋州
中南米
0
100,000
中南米
20,000
北米
北米
-10,000
アジア
0
アジア
-20,000
-20,000
1999
2004
1999
2009
(出所)OECDstat
Copyright
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(出所)OECDstat
2004
2009
52
3.マクロ統計分析
日本の対内外直接投資 (GDP比)
日本の地域別対外直接投資額(ストック)
日本の地域別対内直接投資額(ストック)
14%
14%
12%
アフリカ
12%
アフリカ
10%
中東
10%
中東
欧州
8%
大洋州
6%
中南米
4%
北米
2%
アジア
大洋州
6%
中南米
4%
北米
2%
アジア
0%
0%
1999
2004
1999
2009
2004
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
1.2%
欧州
8%
日本の地域別対内直接投資額(フロー)
1.2%
日本の地域別対外直接投資額(フロー)
1.0%
アフリカ
1.0%
アフリカ
0.8%
中東
0.8%
中東
欧州
欧州
0.6%
大洋州
中南米
0.4%
北米
0.2%
0.6%
大洋州
中南米
0.4%
北米
0.2%
アジア
アジア
0.0%
0.0%
1999
2004
1999
2009
(出所)OECDstat
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(出所)OECDstat
2004
2009
53
3.マクロ統計分析
日本の対内外直接投資
日本の製造業の対外直接投資(フロー)
日本の製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
25,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
-1,000
-2,000
-3,000
輸送機械器具
20,000
輸送機械器具
精密機械器具
15,000
精密機械器具
一般機械器具
一般機械器具
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
10,000
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
5,000
繊維・木材・パルプ
繊維・木材・パルプ
0
食料品
食料品
-5,000
2000
2005
2000
2010
2005
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
日本の非製造業の対外直接投資(フロー)
日本の非製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
40,000
40,000
その他サービス業
35,000
30,000
サービス業
25,000
不動産業
20,000
金融・保険業
15,000
卸・小売業
通信業
10,000
5,000
建設業
0
鉱業
-5,000
1999
2004
2009
(出所)OECDstat
Copyright
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農林漁業
その他サービス業
35,000
サービス業
30,000
不動産業
25,000
金融・保険業
20,000
卸・小売業
15,000
通信業
10,000
建設業
5,000
鉱業
0
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
54
3.マクロ統計分析
日本の対内外直接投資 (GDP比)
日本の製造業の対内直接投資額(フロー)
0.5%
0.4%
輸送機械器具
0.3%
精密機械器具
0.5%
日本の製造業の対外直接投資額(フロー)
0.4%
輸送機械器具
0.3%
精密機械器具
一般機械器具
一般機械器具
0.2%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
0.1%
繊維・木材・パルプ
0.0%
0.2%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
0.1%
繊維・木材・パルプ
0.0%
食料品
食料品
-0.1%
-0.1%
2000
2005
2000
2010
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
0.8%
2005
日本の非製造業の対内直接投資額(フロー)
0.8%
その他サービス業
0.7%
サービス業
0.6%
不動産業
0.5%
金融・保険業
0.4%
卸・小売業
0.3%
通信業
0.2%
建設業
0.1%
0.0%
1999
2004
サービス業
0.6%
不動産業
0.5%
金融・保険業
0.4%
卸・小売業
0.3%
通信業
0.2%
鉱業
農林漁業
0.0%
建設業
鉱業
農林漁業
1999
2009
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その他サービス業
0.7%
0.1%
(出所)OECDstat
日本の非製造業の対外直接投資額(フロー)
(出所)OECDstat
2004
2009
55
3.マクロ統計分析
日本の対内外直接投資
日本の製造業の対外直接投資(ストック)
日本の製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
300,000
60,000
50,000
輸送機械器具
250,000
輸送機械器具
40,000
精密機械器具
200,000
精密機械器具
一般機械器具
一般機械器具
30,000
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
20,000
繊維・木材・パルプ
10,000
150,000
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
100,000
繊維・木材・パルプ
50,000
食料品
食料品
0
0
2005
2008
2005
2010
2008
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
日本の非製造業の対外直接投資(ストック)
日本の非製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
400,000
120,000
その他サービス業
100,000
サービス業
不動産業
80,000
金融・保険業
60,000
卸・小売業
通信業
40,000
建設業
20,000
鉱業
0
2005
2007
2009
農林漁業
(出所)OECDstat
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その他サービス業
350,000
サービス業
300,000
不動産業
250,000
金融・保険業
200,000
卸・小売業
150,000
通信業
100,000
建設業
50,000
鉱業
0
2005
(出所)OECDstat
2007
2009
農林漁業
56
3.マクロ統計分析
日本の対内外直接投資 (GDP比)
日本の製造業の対内直接投資額(ストック)
6.0%
日本の製造業の対外直接投資額(ストック)
6.0%
5.0%
輸送機械器具
5.0%
輸送機械器具
4.0%
精密機械器具
4.0%
精密機械器具
一般機械器具
一般機械器具
3.0%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
1.0%
3.0%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
1.0%
食料品
食料品
0.0%
0.0%
2005
2008
2005
2010
日本の非製造業の対内直接投資額(ストック)
その他サービス業
7.0%
サービス業
6.0%
不動産業
5.0%
金融・保険業
4.0%
卸・小売業
3.0%
通信業
2.0%
建設業
1.0%
鉱業
0.0%
2005
(出所)OECDstat
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
8.0%
2008
2007
2009
農林漁業
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
8.0%
日本の非製造業の対外直接投資額(ストック)
その他サービス業
7.0%
サービス業
6.0%
不動産業
5.0%
金融・保険業
4.0%
卸・小売業
3.0%
通信業
2.0%
建設業
1.0%
鉱業
0.0%
2005
(出所)OECDstat
2007
2009
農林漁業
57
3.マクロ統計分析
韓国の対内外直接投資
韓国の国別対外直接投資(ストック)
韓国の国別対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
120,000
80,000
70,000
60,000
アフリカ
50,000
中東
40,000
欧州
30,000
大洋州
20,000
中南米
10,000
北米
0
-10,000
100,000
アフリカ
中東
80,000
欧州
60,000
大洋州
中南米
40,000
北米
20,000
アジア
アジア
1999
2004
2009
0
1999
(百万ドル)
(百万ドル)
25,000
12,000
10,000
アフリカ
8,000
アフリカ
20,000
中東
中東
6,000
欧州
4,000
大洋州
15,000
欧州
大洋州
10,000
中南米
中南米
2,000
北米
0
1999
2004
2009
北米
5,000
アジア
アジア
0
1999
(出所)OECDstat
2009
韓国の国別対外直接投資(フロー)
韓国の国別対内直接投資(フロー)
-2,000
2004
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
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(出所)OECDstat
2004
2009
58
3.マクロ統計分析
韓国の対内外直接投資 (GDP比)
14%
韓国の地域別対内直接投資額(ストック)
12%
14%
アフリカ
韓国の地域別対外直接投資額(ストック)
12%
アフリカ
中東
10%
中東
8%
欧州
8%
欧州
6%
大洋州
6%
大洋州
10%
中南米
4%
中南米
4%
北米
北米
2%
アジア
アジア
0%
0%
1999
2004
1999
2009
2004
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
3.0%
2%
韓国の地域別対内直接投資額(フロー)
3.0%
韓国の地域別対外直接投資額(フロー)
2.5%
アフリカ
2.5%
アフリカ
2.0%
中東
2.0%
中東
欧州
欧州
1.5%
大洋州
中南米
1.0%
北米
0.5%
1.5%
大洋州
中南米
1.0%
北米
0.5%
アジア
アジア
0.0%
0.0%
1999
2004
1999
2009
(出所)OECDstat
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2004
2009
(出所)OECDstat
59
3.マクロ統計分析
韓国の対内外直接投資
韓国の製造業の対外直接投資(フロー)
韓国の製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
9,000
4,000
8,000
3,000
輸送機械器具
7,000
輸送機械器具
2,000
精密機械器具
6,000
精密機械器具
一般機械器具
5,000
一般機械器具
鉄・非鉄・金属
4,000
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
3,000
化学・医薬
繊維・木材・パルプ
2,000
繊維・木材・パルプ
食料品
1,000
食料品
1,000
0
-1,000
0
-2,000
2000
2006
2000
2010
2006
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
韓国の非製造業の対外直接投資(フロー)
韓国の非製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
14,000
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
-500
その他サービス業
その他サービス業
サービス業
不動産業
12,000
サービス業
10,000
不動産業
金融・保険業
8,000
金融・保険業
卸・小売業
6,000
卸・小売業
通信業
通信業
4,000
建設業
建設業
鉱業
1999
2004
2009
(出所)OECDstat
Copyright
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農林漁業
2,000
鉱業
0
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
60
3.マクロ統計分析
韓国の対内外直接投資 (GDP比)
韓国の製造業の対内直接投資額(フロー)
0.9%
0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
0.4%
0.3%
0.2%
0.1%
0.0%
-0.1%
-0.2%
輸送機械器具
精密機械器具
一般機械器具
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
繊維・木材・パルプ
食料品
2000
2006
韓国の製造業の対外直接投資額(フロー)
輸送機械器具
精密機械器具
一般機械器具
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
繊維・木材・パルプ
2000
2006
2010
食料品
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
1.8%
0.9%
0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
0.4%
0.3%
0.2%
0.1%
0.0%
-0.1%
-0.2%
韓国の非製造業の対内直接投資額(フロー)
1.8%
韓国の非製造業の対外直接投資額(フロー)
その他サービス業
その他サービス業
1.6%
1.4%
サービス業
1.4%
サービス業
1.2%
不動産業
1.2%
不動産業
1.0%
金融・保険業
1.0%
金融・保険業
0.8%
卸・小売業
0.8%
卸・小売業
0.6%
通信業
0.6%
通信業
0.4%
建設業
0.4%
建設業
0.2%
鉱業
0.2%
鉱業
0.0%
農林漁業
0.0%
1.6%
1999
2004
(出所)OECDstat
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
農林漁業
1999
2009
(出所)OECDstat
2004
2009
61
3.マクロ統計分析
韓国の対内外直接投資
韓国の製造業の対外直接投資(ストック)
韓国の製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
40,000
80,000
90,000
45,000
35,000
輸送機械器具
70,000
輸送機械器具
30,000
精密機械器具
60,000
精密機械器具
25,000
一般機械器具
50,000
一般機械器具
20,000
鉄・非鉄・金属
40,000
鉄・非鉄・金属
15,000
化学・医薬
30,000
化学・医薬
10,000
繊維・木材・パルプ
20,000
繊維・木材・パルプ
食料品
10,000
食料品
5,000
0
0
2000
2005
2000
2010
2006
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
韓国の非製造業の対外直接投資(ストック)
韓国の非製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
70,000
70,000
その他サービス業
その他サービス業
60,000
サービス業
60,000
サービス業
不動産業
50,000
不動産業
40,000
金融・保険業
40,000
金融・保険業
30,000
卸・小売業
30,000
卸・小売業
50,000
通信業
20,000
通信業
20,000
建設業
建設業
10,000
鉱業
0
1999
2004
2009
農林漁業
(出所)OECDstat
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10,000
鉱業
0
1999
(出所)OECDstat
2004
2009
農林漁業
62
3.マクロ統計分析
韓国の対内外直接投資 (GDP比)
9.0%
韓国の製造業の対内直接投資額(ストック)
9.0%
韓国の製造業の対外直接投資額(ストック)
8.0%
8.0%
7.0%
輸送機械器具
7.0%
輸送機械器具
6.0%
精密機械器具
6.0%
精密機械器具
5.0%
一般機械器具
5.0%
一般機械器具
4.0%
鉄・非鉄・金属
4.0%
鉄・非鉄・金属
3.0%
化学・医薬
3.0%
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
2.0%
繊維・木材・パルプ
食料品
1.0%
食料品
1.0%
0.0%
0.0%
2000
2005
2000
2010
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
8.0%
2006
韓国の非製造業の対内直接投資額(ストック)
その他サービス業
7.0%
サービス業
6.0%
不動産業
5.0%
金融・保険業
4.0%
卸・小売業
3.0%
通信業
2.0%
建設業
1.0%
鉱業
0.0%
1999
2004
2009
農林漁業
(出所)OECDstat
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
8.0%
韓国の非製造業の対外直接投資額(ストック)
その他サービス業
7.0%
サービス業
6.0%
不動産業
5.0%
金融・保険業
4.0%
卸・小売業
3.0%
通信業
2.0%
建設業
1.0%
鉱業
0.0%
1999
2004
2009
農林漁業
(出所)OECDstat
63
3.マクロ統計分析
米国の対内外直接投資
米国の国別対外直接投資(ストック)
米国の国別対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
4,000,000
4,000,000
3,500,000
3,500,000
アフリカ
3,000,000
中東
2,500,000
欧州
2,000,000
大洋州
1,500,000
中南米
1,000,000
北米
500,000
アジア
アフリカ
3,000,000
中東
2,500,000
欧州
2,000,000
大洋州
1,500,000
中南米
1,000,000
北米
500,000
アジア
0
0
2000
2005
2000
2010
2005
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
米国の国別対外直接投資(フロー)
米国の国別対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
400,000
400,000
350,000
350,000
300,000
アフリカ
300,000
アフリカ
250,000
中東
250,000
中東
200,000
欧州
200,000
欧州
150,000
大洋州
150,000
大洋州
100,000
中南米
100,000
中南米
50,000
北米
0
-50,000
アジア
2000
2007
2010
(出所)OECDstat
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50,000
北米
0
-50,000
(出所)OECDstat
アジア
2000
2007
2010
64
3.マクロ統計分析
米国の対内外直接投資 (GDP比)
14.0%
米国の地域別対内直接投資額(ストック)
12.0%
14.0%
アフリカ
米国の地域別対外直接投資額(ストック)
12.0%
アフリカ
10.0%
中東
10.0%
中東
8.0%
欧州
8.0%
欧州
6.0%
大洋州
6.0%
大洋州
中南米
4.0%
中南米
4.0%
北米
北米
2.0%
アジア
アジア
0.0%
0.0%
1999
2004
1999
2009
2004
2009
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
3.5%
2.0%
米国の地域別対内直接投資額(フロー)
3.0%
3.5%
アフリカ
米国の地域別対外直接投資額(フロー)
3.0%
アフリカ
2.5%
中東
2.5%
中東
2.0%
欧州
2.0%
欧州
1.5%
大洋州
1.5%
大洋州
中南米
1.0%
中南米
1.0%
北米
北米
0.5%
アジア
0.5%
アジア
0.0%
0.0%
2000
2007
2000
2010
(出所)OECDstat
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2007
2010
(出所)OECDstat
65
3.マクロ統計分析
米国の対内外直接投資
米国の製造業の対外直接投資(フロー)
米国の製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
120,000
120,000
100,000
輸送機械器具
100,000
輸送機械器具
精密機械器具
80,000
精密機械器具
60,000
一般機械器具
60,000
一般機械器具
40,000
鉄・非鉄・金属
40,000
鉄・非鉄・金属
80,000
化学・医薬
20,000
化学・医薬
20,000
繊維・木材・パルプ
繊維・木材・パルプ
0
2004
-20,000
2006
2010
食料品
0
2004
-20,000
2006
2010
食料品
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
米国の非製造業の対外直接投資(フロー)
米国の非製造業の対内直接投資(フロー)
(百万ドル)
(百万ドル)
300,000
300,000
その他サービス業
その他サービス業
250,000
サービス業
250,000
サービス業
200,000
不動産業
200,000
150,000
金融・保険業
150,000
金融・保険業
100,000
卸・小売業
100,000
卸・小売業
通信業
50,000
通信業
50,000
建設業
建設業
0
-50,000
(出所)OECDstat
1999
2004
2010
鉱業
農林漁業
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不動産業
0
-50,000
(出所)OECDstat
1999
2004
2010
鉱業
農林漁業
66
3.マクロ統計分析
米国の対内外直接投資 (GDP比)
0.9%
米国の製造業の対内直接投資額(フロー)
0.9%
0.8%
米国の製造業の対外直接投資額(フロー)
0.8%
0.7%
輸送機械器具
0.7%
輸送機械器具
0.6%
精密機械器具
0.6%
精密機械器具
0.5%
一般機械器具
0.5%
一般機械器具
鉄・非鉄・金属
0.4%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
0.3%
化学・医薬
0.1%
繊維・木材・パルプ
0.2%
繊維・木材・パルプ
0.0%
食料品
0.1%
食料品
0.4%
0.3%
0.2%
-0.1%
2004
2006
2010
0.0%
2004
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
5.0%
2006
米国の非製造業の対内直接投資額(フロー)
5.0%
米国の非製造業の対外直接投資額(フロー)
その他サービス業
その他サービス業
4.0%
サービス業
4.0%
サービス業
3.0%
不動産業
3.0%
不動産業
2.0%
金融・保険業
卸・小売業
1.0%
通信業
0.0%
-1.0%
-2.0%
2000
2005
2010
建設業
金融・保険業
2.0%
(出所)OECDstat
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
通信業
1.0%
建設業
0.0%
鉱業
農林漁業
卸・小売業
2000
-1.0%
2005
2010
鉱業
農林漁業
(出所)OECDstat
67
3.マクロ統計分析
米国の対内外直接投資
米国の製造業の対外直接投資(ストック)
米国の製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
800,000
800,000
700,000
700,000
輸送機械器具
600,000
精密機械器具
500,000
一般機械器具
400,000
鉄・非鉄・金属
300,000
化学・医薬
200,000
繊維・木材・パルプ
100,000
食料品
輸送機械器具
600,000
精密機械器具
500,000
一般機械器具
400,000
鉄・非鉄・金属
300,000
化学・医薬
200,000
繊維・木材・パルプ
100,000
食料品
0
0
2004
2006
2004
2010
2006
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
米国の非製造業の対外直接投資(ストック)
米国の非製造業の対内直接投資(ストック)
(百万ドル)
(百万ドル)
3,500,000
3,500,000
その他サービス業
その他サービス業
3,000,000
サービス業
3,000,000
サービス業
不動産業
2,500,000
不動産業
2,000,000
金融・保険業
2,000,000
金融・保険業
1,500,000
卸・小売業
1,500,000
卸・小売業
2,500,000
通信業
1,000,000
通信業
1,000,000
建設業
建設業
500,000
鉱業
0
1999
(出所)OECDstat
2004
2010
農林漁業
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
500,000
鉱業
0
1999
(出所)OECDstat
2004
2010
農林漁業
68
3.マクロ統計分析
米国の対内外直接投資 (GDP比)
6.0%
米国の製造業の対内直接投資額(ストック)
6.0%
米国の製造業の対外直接投資額(ストック)
5.0%
輸送機械器具
5.0%
輸送機械器具
4.0%
精密機械器具
4.0%
精密機械器具
一般機械器具
一般機械器具
3.0%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
1.0%
3.0%
鉄・非鉄・金属
化学・医薬
2.0%
繊維・木材・パルプ
1.0%
食料品
食料品
0.0%
0.0%
2004
2006
2004
2010
2010
(出所)OECDstat
(出所)OECDstat
2.5%
2006
米国の非製造業の対内直接投資額(ストック)
2.5%
米国の非製造業の対外直接投資額(ストック)
その他サービス業
その他サービス業
2.0%
1.5%
サービス業
2.0%
サービス業
不動産業
1.5%
不動産業
金融・保険業
金融・保険業
1.0%
卸・小売業
通信業
0.5%
建設業
0.0%
2000
-0.5%
2005
2010
1.0%
(出所)OECDstat
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
通信業
0.5%
建設業
0.0%
鉱業
農林漁業
卸・小売業
2000
-0.5%
2005
2010
鉱業
農林漁業
(出所)OECDstat
69
3.マクロ統計分析
ドイツにおける産業別の付加価値額
ドイツの非製造業の付加価値額の推移(1991=100)
250
ドイツの製造業の付加価値額の推移(1991=100)
250
農・林・漁業
200
150
食料品
鉱業
200
電気・ガス・水道・熱供給
業
150
繊維・木材・パルプ
化学・医薬
建設業
鉄・非鉄・金属
100
卸売・小売業
100
一般機械器具
運輸業
50
金融・保険業
50
輸送機械器具
その他の製造工業製品
サービス業
0
(出所)OECDstat
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0
(出所)OECDstat
70
3.マクロ統計分析
ドイツにおける産業別の付加価値率
ドイツの非製造業の付加価値率の推移
ドイツの製造業の付加価値率の推移
80%
80%
農・林・漁業
70%
70%
鉱業
60%
50%
60%
電気・ガス・水道・熱供給
業
建設業
食料品
繊維・木材・パルプ
化学・医薬
50%
鉄・非鉄・金属
40%
卸売・小売業
30%
運輸業
40%
一般機械器具
30%
輸送機械器具
金融・保険業
20%
20%
その他の製造工業製品
サービス業
10%
(出所)OECDstat
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10%
(出所)OECDstat
71
3.マクロ統計分析
韓国における産業別の付加価値額
韓国の非製造業の付加価値額の推移(1991=100)
800
700
農・林・漁業
韓国の製造業の付加価値額の推移(1991=100)
800
700
食料品
繊維・木材・パルプ
600
500
鉱業
電気・ガス・水道・熱供給
業
建設業
400
600
化学・医薬
鉄・非鉄・金属
500
400
一般機械器具
輸送機械器具
その他の製造工業製品
卸売・小売業
300
300
運輸業
200
200
金融・保険業
100
100
サービス業
0
(出所)OECDstat
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0
(出所)OECDstat
72
3.マクロ統計分析
韓国における産業別の付加価値率
韓国の製造業の付加価値率の推移
韓国の非製造業の付加価値率の推移
80%
80%
農・林・漁業
70%
70%
鉱業
60%
60%
50%
電気・ガス・水道・熱供給
業
建設業
50%
40%
卸売・小売業
40%
30%
運輸業
30%
金融・保険業
20%
食料品
繊維・木材・パルプ
化学・医薬
鉄・非鉄・金属
一般機械器具
輸送機械器具
その他の製造工業製品
20%
サービス業
10%
(出所)OECDstat
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10%
(出所)OECDstat
73
3.マクロ統計分析
日本における産業別の付加価値額
日本の非製造業の付加価値額の推移(1991=100)
250
日本の製造業の付加価値額の推移(1991=100)
250
農・林・漁業
200
鉱業
150
電気・ガス・水道・熱供給
業
食料品
200
150
繊維・木材・パルプ
化学・医薬
建設業
鉄・非鉄・金属
100
卸売・小売業
100
一般機械器具
運輸業
50
金融・保険業
50
その他の製造工業製品
サービス業
0
(出所)OECDstat
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輸送機械器具
0
(出所)OECDstat
74
3.マクロ統計分析
日本における産業別の付加価値率
日本の非製造業の付加価値額率の推移
80%
日本の製造業の付加価値率の推移
80%
農・林・漁業
70%
食料品
70%
鉱業
60%
50%
繊維・木材・パルプ
60%
電気・ガス・水道・熱供給
業
建設業
化学・医薬
50%
鉄・非鉄・金属
40%
卸売・小売業
30%
運輸業
40%
一般機械器具
30%
輸送機械器具
金融・保険業
20%
20%
その他の製造工業製品
サービス業
10%
(出所)OECDstat
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10%
(出所)OECDstat
75
3.マクロ統計分析
産業別TFP (製造業)
日独における製造業のTFPの推移
日独における全産業のTFPの推移
8.00
8.00
6.00
6.00
4.00
4.00
2.00
2.00
0.00
0.00
Total(ドイツ)
-2.00
-2.00
Total(日本)
-4.00
TOTAL MANUFACTURING(ドイツ)
TOTAL MANUFACTURING(日本)
-4.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
-6.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
(出所)EUKLEMS
日独における化学産業のTFPの推移
日独における一般機械産業のTFPの推移
15.00
20.00
10.00
15.00
5.00
10.00
0.00
5.00
-5.00
0.00
-10.00
-5.00
-15.00
CHEMICAL, RUBBER, PLASTICS AND FUEL(ドイツ)
CHEMICAL, RUBBER, PLASTICS AND FUEL(日本)
-20.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
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MACHINERY, NEC(ドイツ)
MACHINERY, NEC(日本)
-10.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
76
3.マクロ統計分析
産業別TFP (製造業)
日独における輸送機器産業のTFPの推移
20.00
15.00
10.00
5.00
0.00
-5.00
-10.00
TRANSPORT EQUIPMENT(ドイツ)
TRANSPORT EQUIPMENT(日本)
-15.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
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77
3.マクロ統計分析
産業別TFP (非製造業)
日独における金融・不動産産業のTFPの推移
日独における情報通信産業のTFPの推移
10.00
15.00
8.00
10.00
6.00
5.00
4.00
0.00
2.00
-5.00
0.00
-10.00
-2.00
TRANSPORT AND STORAGE AND COMMUNICATION(ドイツ)
TRANSPORT AND STORAGE AND COMMUNICATION(日本)
-4.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
FINANCIAL INTERMEDIATION(ドイツ)
FINANCIAL INTERMEDIATION(日本)
-15.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
日独における不動産・物品賃貸産業のTFPの推移
日独における輸送産業のTFPの推移
10.00
3.00
8.00
2.00
6.00
1.00
4.00
0.00
2.00
-1.00
0.00
-2.00
-2.00
-4.00
-6.00
4.00
-3.00
TRANSPORT AND STORAGE(ドイツ)
TRANSPORT AND STORAGE(日本)
-8.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
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-4.00
REAL ESTATE, RENTING AND BUSINESS ACTIVITIES(ドイツ)
REAL ESTATE, RENTING AND BUSINESS ACTIVITIES(日本)
-5.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
78
3.マクロ統計分析
産業別TFP (非製造業)
日独における医療福祉産業のTFPの推移
8.00
6.00
4.00
2.00
0.00
-2.00
-4.00
HEALTH AND SOCIAL WORK(ドイツ)
HEALTH AND SOCIAL WORK(日本)
-6.00
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
(出所)EUKLEMS
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79
1 .文献調査
2 .ヒアリング
3.マクロ統計分析
4.外部アドバイザーへのインタビュー
5.通商白書等におけるインプリケーションの導出
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80
4.外部アドバイザーへのインタビュー
韓国・ドイツなどの空洞化の状況に関する意見交換内容
有識者名
意見交換の内容
大邱大学経済学部教授 金 良姫氏
 韓国におけるFTAの利用率の現状と課題
 日韓FTA、中韓FTAに対する韓国政府としてのスタンス
 中小企業における日本への海外展開の動向
韓国産業研究院 司空 モク氏
 韓国企業の海外展開の状況と大手/中小との差
 対外直接投資に対する韓国国民の温度差
 これまでのFTAの締結が韓国経済にもたらした影響
LG経済研究院 李 地平氏





金・張法律事務所 高杉 暢也氏
 韓国経済の強みと弱み
 韓国における大手企業と中小企業との関係
 国際化とグローバル化の違い
永進専門大学 教授 大野 直次氏
 永進専門大学における企業のニーズに基づいた注文式教育の取り組み
 大邱広域市による大学を仲介とした日系企業誘致
エムアイ総研 石田 賢氏




ポズナン経済大学
 ポーランド経済の現況と貧富の格差
 EU拡大とユーロ導入がもたらした効果
 ポーランドへの直接投資の内容の変化
韓国における空洞化への懸念
直接投資の増加と輸出の増加との関係
大企業と中小企業の共生に関する取り組み
中小企業の海外展開の状況
投資先と韓国国内との役割分担
サムソン財閥における雇用確保に向けた取組
サムソン電子における人材のキャリアパス
サムソン電子における国際機能分業の状況
日系のエレクトロニクスメーカーとの比較
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81
1 .文献調査
2 .ヒアリング
3.マクロ統計分析
4.外部アドバイザーへのインタビュー
5.通商白書等におけるインプリケーションの導出
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82
韓国編
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83
■トピックス1: 欧米からの対内直接投資の増加
韓国は国内での雇用創出と産業高度化のため、対内直接投資に注力。特に近年、欧米企
業のアジア展開の拠点として韓国が注目されており、欧米からの投資が増加している。
韓国の「欧米企業のアジア展開の拠点化」の動き:
韓国では近年、欧米企業のアジア展開の拠点として韓国が注目さ
れており、特に欧州からの投資が増加している。
“Doing Business 2012”では、ビジネス上必要な税金・関税等の手
続きのオンライン化と税制体系の簡素化を進める韓国の投資環境を
高く評価。日本を抜いて全世界8位に上昇。
韓国では2000年代後半から数回にわたり法人税率の引き下げを
行った。加えて創業や関税・通関手続きのオンライン化を並行して進
め、外国人にも分かりやすい体制を構築。
複数回にわたる法人税率の引き下げにもかかわらず、対内直接投
資の増進と経済成長によって韓国の法人税税収は確実に増加して
きた。
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84
■トピックス1: 欧米からの対内直接投資の増加
韓国では近年、欧米企業のアジア展開の拠点として韓国が注目されており、特に欧州から
の投資が増加している。
日中韓における欧米からの対内直接投資額(GDP比)の推移
韓国における対内直接投資の地域別申告件数の推移
単位:件
単位:%(GDP比)
1,200
0.60%
0.50%
1,000
0.40%
800
0.30%
0.20%
600
0.10%
400
0.00%
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
-0.10%
200
-0.20%
日本 from EU
日本 from 北米
韓国 from EU
韓国 from 北米
中国 from EU
中国 from 北米
(出所)OECD
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0
アメリカ
日本
中国
香港
シンガポール
EU
中東地域
アフリカ地域
(出所)韓国知識経済部
85
■トピックス1: 欧米からの対内直接投資の増加
“Doing Business 2012”では、ビジネス上必要な税金・関税等の手続きのオンライン化と
税制体系の簡素化を進める韓国の投資環境を高く評価。日本を抜いて全世界8位に上昇。
Doing Business 2012 投資環境ランキング
韓国の投資環境が高く評価された直接要因
 2012年にかけて、Doing Businessの評価指標となって
いる以下の点が改善されたことが直接の要因
 起業がよりしやすい環境が整備された
⇒ “Start-Biz”や”UNIPASS”という新しいオンライ
ンワンストップシステム が導入された上、開業
のための手続き数も減少
 減税と同時に税金の種類を統合し、より分かり
やすい税体系に変更した
⇒ 法人税減税(中堅企業への税率を22%⇒20%
に低減)、法人税などの企業活動に関連する税
金の集約を行うと同時に、全ての税金がオンライ
ン上で手続きできるように仕組みを変更
 関税、清算、訴訟などの手続きを全てオンライ
ン化
⇒ 税金以外にも、関税還付や清算、簡易訴訟など
の手続きを全てオンライン化して、手続きの数や
これにかかる所要時間の短縮を図った。
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86
■トピックス1: 欧米からの対内直接投資の増加
韓国では2000年代後半から数回にわたり法人税率の引き下げを行った。加えて創業や関
税・通関手続きのオンライン化を並行して進め、外国人にも分かりやすい体制を構築。
Start-biz(オンライン在宅創業システム)
韓国の法人税率の税制改正
①2002年 ・法人税率を28⇒27%に引き下げ
②2006年 ・法人税率を27⇒25%に引き下げ
②2009年 ・最低税率の課税標準を1億Wから2億Wに引き上げ
・課税標準2億W以上の法人税率を25⇒22%に引き下げ
③2010年 ・課税標準2億W以下の法人税率を11⇒10%に引き下げ
④2012年 ・課税標準2~200億Wの税率を22%⇒20%に引き下げ
法人税
課税標準が2億
課税標準が2億~
課税標準が500億
ウォン以下
200億ウォン
ウォン超過
課税標準の 10%
~2011 年:
課税標準の 22%
(※2010 年に 11%か
ら引き下げ)
課税標準の 22%
2012 年~:
(※2009 年に 25%から
引き下げ)
UNIPASS(関税・通関オンラインシステム)
課税標準の 20%
法人住民税
合計
法人税の 10%
課税標準の 11%
法人税の 10%
~2011 年:
法人税の 10%
課税標準の 24.2%
課税標準の 24.2%
2012 年~:
課税標準の 22%
※法人税とは別に、「法人税の10%」に相当する法人住民税がかかる。
※課税標準=各事業年度の所得-(繰越欠損金+非課税所得+所得
控除額)で算出する。
※繰越欠損金は2009年からは10年以内となった。
※2009年の税制改正で、課税標準の中小企業と大企業の区分が「2億
ウォン」に引き上げられた。
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87
■トピックス1: 欧米からの対内直接投資の増加
複数回にわたる法人税率の引き下げにもかかわらず、対内直接投資の増進と経済成長に
よって韓国の法人税税収は確実に増加してきた。
韓国の一般会計税収の内訳と推移
単位:兆W
180.0
160.0
140.0
120.0
100.0
80.0
60.0
40.0
20.0
0.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
所得税
法人税
法人税
付加価値税
引き下げ
法人税
引き下げ
一般会計税収(左軸)
日本の一般会計税収の内訳と推移
法人税
引き下げ
単位:兆円
60.0
25.0
50.0
20.0
40.0
①2002年
・法人税率を28⇒27%に引き
下げ
②2006年
・法人税率を27⇒25%に引き
下げ
②2009年
・最低税率の課税標準を1億W
から2億Wに引き上げ
・課税標準2億W以上の法人税
率を25⇒22%に引き下げ
③2010年
・課税標準2億W以下の法人税
率を11⇒10%に引き下げ
④2012年
・課税標準2~200億Wの税率
を22%⇒20%に引き下げ
15.0
30.0
10.0
20.0
5.0
10.0
0.0
0.0
リーマンショック時を除き、
法人税収は一貫して増加
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
所得税
法人税
付加価値税
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一般会計税収(左軸)
88
■トピックス1: 欧米からの対内直接投資の増加
三星電子・LG電子・現代自動車の連結ベースの法人税費用は、韓国の全法人税収入の
10~15%を占める。ただ実効税率を見ると電機では名目法人税率よりも低く批判も多い。
三星電子・LG電子・現代自動車の法人税額と全法人税収入に占める割合
2010
税引き前利益
三星
(単位)百万W
2007
2006
2009
2008
19,328,656 12,191,500
6,578,000
9,633,000
9,828,000
法人税額
3,182,131
2,431,000
688,000
1,710,000
1,634,000
実効税率
16.46%
19.94%
10.46%
17.75%
16.63%
434,526
2,864,682
515,024
1,486,913
261,803
法人税額
141
588,680
32,238
264,518
22,600
実行税率
0.03%
20.55%
6.26%
17.79%
8.63%
10,452,118
5,557,772
1,496,984
2,608,820
2,027,137
現代自動車 法人税額
2,469,194
1,517,276
409,919
652,733
715,902
実行税率
23.62%
27.30%
27.38%
25.02%
35.32%
5,651,466
4,536,956
1,130,157
2,627,251
2,372,502
税引き前利益
LG電子
税引き前利益
三星+LG電子+現代自動車
法人税総収入
3社が占める割合
名目の法人税率(2009年
までは25%、2010年は
22%)より低いのは、研
究開発減税や各種税金
還付などによるもの。
国民世論の間では、GD
P比で見た場合に、むし
ろ財閥企業はもっと法人
税を負担すべきではない
かという意見も根強い。
37,300,000 35,300,000 39,200,000 35,400,000 29,400,000
15.2%
12.9%
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2.9%
7.4%
8.1%
※法人税額には、法人住民税も
含む
89
■トピックス2: 部品・素材輸出で日本が未開拓な新興国を開拓
韓国はこれまで弱いと言われていた電気・輸送機械の中間財分野においても、日本が未開
拓な新興国(東欧・南米など)に進出し、日本以上のシェアを獲得しているケースがある。
韓国の部品・素材産業の新興国展開に関する動き:
韓国の中間財の競争力は、特に電気機械で際立っており、全世界
におけるシェアもほぼ拮抗している状況である。輸送用機械・一般機
械においては依然として日本の競争力は高い。
韓国が高いシェアを取っている国はいずれも韓国大手の生産拠点
が立地。電気機械では日本大手は販売拠点のみのケースが多いほ
か、現地調達率が高まっていることも理由として考えられる。
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90
■トピックス2: 部品・素材輸出で日本が未開拓な新興国を開拓
韓国の中間財の競争力は、特に電気機械で際立っており、全世界におけるシェアもほぼ拮
抗している状況である。
電気機械の中間財の日韓シェア対決
10年前
仕向先国・地域
World Total
EU15
USA
Singapore
China, Hong Kong SAR
Japan
Mexico
China
Malaysia
Taiwan
Rep. of Korea
Canada
Rest of the World
Thailand
Philippines
Brazil
Hungary
Czechoslovakia
Australia
Poland
Turkey
India
Argentina
Romania
Viet Nam
Indonesia
Russian Federation
Chile
貿易額
シェア
100.0
23.8
16.1
6.7
6.4
5.4
5.4
5.3
5.2
4.9
4.4
3.4
3.1
2.0
1.8
1.0
0.7
0.7
0.6
0.4
0.4
0.3
0.2
0.2
0.2
0.1
0.1
0.1
輸出国シェア
韓国
日本
5.6%
15.2%
2.7%
9.3%
8.8%
18.8%
5.7%
19.4%
6.6%
19.6%
X
10.4%
3.2%
4.3%
12.9%
30.7%
5.4%
21.0%
9.0%
25.2%
28.9%
X
3.0%
7.9%
2.7%
5.6%
5.0%
29.3%
8.9%
17.2%
7.6%
15.0%
2.2%
15.0%
0.3%
4.2%
2.8%
14.5%
2.5%
4.4%
2.5%
3.0%
6.3%
10.1%
5.8%
11.0%
0.9%
4.8%
5.4%
58.8%
4.4%
26.0%
2.2%
3.6%
2.9%
4.1%
現在
World Total
EU15
China
China, Hong Kong SAR
USA
Singapore
Taiwan
Japan
Malaysia
Rep. of Korea
Rest of the World
Mexico
Czechoslovakia
Thailand
Philippines
Canada
Hungary
Brazil
Poland
Indonesia
Russian Federation
India
Australia
Romania
Turkey
Viet Nam
Argentina
Chile
貿易額
シェア
100.0
18.1
17.1
11.5
7.5
6.4
4.2
4.2
4.1
4.0
3.8
3.8
2.1
1.9
1.5
1.4
1.2
1.1
1.1
0.9
0.7
0.6
0.5
0.4
0.4
0.3
0.2
0.1
輸出国シェア
韓国
日本
10.5%
10.8%
3.5%
4.8%
23.8%
19.1%
7.1%
9.7%
5.4%
11.7%
14.8%
8.7%
14.2%
22.9%
11.0%
X
9.7%
12.9%
X
16.6%
3.3%
3.1%
15.4%
9.4%
11.8%
5.0%
6.8%
32.4%
11.4%
12.7%
5.6%
5.6%
13.5%
5.8%
15.3%
6.5%
17.1%
3.8%
7.7%
18.4%
10.0%
4.0%
8.7%
6.8%
5.0%
8.9%
0.4%
1.3%
2.7%
4.0%
6.5%
28.9%
6.8%
2.3%
4.6%
2.2%
備考:ベトナム向け輸出のみ2008年の数字、シェア。
備考:ベトナム向け輸出のみ2008年の数字、シェア。
資料:RIETI「RIETI-TID2011」から作成。
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仕向先国・地域
資料:RIETI「RIETI-TID2011」から作成。
⇒日本の方がシェアが高い
⇒韓国の方がシェアが高い
91
■トピックス2: 部品・素材輸出で日本が未開拓な新興国を開拓
輸送用機械・一般機械の中間財においては依然として日本の競争力は高い。
輸送用機械の中間財の日韓シェア対決
仕向先国・地域
World Total
EU15
USA
Canada
China
Rest of the World
Mexico
Czechoslovakia
Russian Federation
Rep. of Korea
Brazil
Singapore
Poland
Thailand
Turkey
Japan
Argentina
India
Indonesia
Hungary
Australia
Taiwan
Malaysia
Romania
Viet Nam
China, Hong Kong SAR
Philippines
Chille
貿易額
100.0
38.4
15.2
5.8
5.7
5.7
4.1
3.0
2.2
2.0
1.9
1.7
1.6
1.6
1.4
1.4
1.0
0.9
0.8
0.8
0.8
0.7
0.7
0.6
0.4
0.3
0.2
0.1
輸出国シェア
韓国
日本
3.3% 11.3%
0.5%
3.6%
5.5% 17.8%
2.0%
7.9%
10.7% 38.5%
4.3% 11.9%
1.7% 11.4%
9.5%
3.0%
13.6% 10.3%
X
7.0%
3.0% 13.5%
0.6%
7.9%
1.4%
2.7%
31.2% 63.0%
6.0%
5.0%
27.0%
X
0.5%
4.7%
16.8%
9.6%
1.3% 29.8%
0.0%
5.0%
3.3% 15.3%
3.5% 43.5%
1.2% 20.6%
0.3%
1.6%
9.5% 18.8%
2.9% 11.1%
1.1% 34.6%
5.1%
6.8%
備考:ベトナム向け輸出のみ2008年の数字、シェア。
資料:RIETI「RIETI-TID2010」から作成。
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一般機械の中間財の日韓シェア対決
仕向先国・地域
World Total
EU15
USA
Rest of the World
China
China, Hong Kong SAR
Singapore
Canada
Mexico
Romania
Japan
Rep. of Korea
Czechoslovakia
Brazil
Thailand
Malaysia
Taiwan
Poland
Australia
India
Russian Federation
Indonesia
Turkey
Hungary
Philippines
Argentina
Viet Nam
Chille
貿易額
シェア
100.0
30.2
13.9
7.7
7.6
4.1
3.9
3.4
3.2
0.5
3.1
2.5
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.3
1.2
1.1
1.1
1.1
0.9
0.8
0.5
0.3
0.3
輸出国シェア
韓国
日本
3.4%
8.6%
1.0%
3.7%
4.4% 10.2%
2.0%
3.8%
15.6% 23.6%
2.2% 10.1%
1.6%
8.6%
1.2%
4.2%
3.4%
5.0%
2.1%
0.7%
7.3%
X
X 22.3%
5.5%
2.1%
3.8%
8.1%
2.2% 33.1%
2.5% 11.0%
4.3% 25.3%
1.2%
4.0%
1.6%
7.1%
6.5%
8.1%
4.5%
4.4%
2.7% 33.1%
2.4%
4.5%
0.7%
4.5%
2.9% 32.3%
1.0%
4.8%
7.0% 16.8%
1.6%
3.7%
備考:ベトナム向け輸出のみ2008年の数字、シェア。
資料:RIETI「RIETI-TID2010」から作成。
⇒日本の方がシェアが高い
⇒韓国の方がシェアが高い
92
■トピックス2: 部品・素材輸出で日本が未開拓な新興国を開拓
電機では韓国が高いシェアを取っている国はいずれも韓国大手の生産拠点が立地してい
る一方で、日本大手は販売拠点のみのケースが多い。
韓国が高いシェアを取っている国での韓国の電気機械メーカーの生産拠点
韓国(Samsung・LGを対象)
メキシコ
○
・Samsung Electronics Mexico
・LG Electronics Reynosa S.A.DE C.V.
・LG Electronics Monterrey Mexico S.A.de C.V.
○
○
・Panasonic AVC Networks Czech, s.r.o.
・Panasonic Automotive Systems Czech, s.r.o.
・Panasonic Europe Software Development
Laboratory s.r.o.
・Panasonic Electronic Devices Slovakia s.r.o.
・Panasonic AVC Networks Slovakia s.r.o.
×
(販売会社のみ)
・Samsung Electronics Hungarian of Production
○
・Samsung Electronica Da Amazonia
・LG Electronics da Amazonia Ltda.
・LG Electronics de Sao Paulo Ltda.
×
○
・Samsung Electronics Poland Manufacturing
・LG Electronics Mlawa Sp. z o.o
・LG Electronics Wroclaw Sp z o.o
○
○
・Samsung Electronics Russia
・LG Electronics RUS, LLC
×
○
・Samsung India Electronics of Production
・Samsung India Electronics of Product –
Chennai
・LG Electronics India Pvt. Ltd
○
・Panasonic Carbon India Co., Ltd.
・Panasonic Energy India Co., Ltd.
・Panasonic Appliances India Co., Ltd.
・Panasonic AVC Networks India Co., Ltd.
×
(販売会社のみ)
×
(販売会社のみ)
ポーランド
インド
アルゼンチン
・Panasonic de Mexico, S.A. de C.V.
・Sony de Mexico S.A. de C.V.
○
ブラジル
ロシア
○
・Samsung Electronics Slovakia
チェコスロバキア
ハンガリー
日本(Panasonic・Sonyを対象)
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(販売会社のみ)
・Panasonic Energy Poland S.A.
(販売会社のみ)
93
■トピックス2: 部品・素材輸出で日本が未開拓な新興国を開拓
(参考)メキシコ・ブラジル・ポーランド・ロシア・インドでのLG電子の製造品目と生産能力
国・都市
略称
メキシコ
レイノサ
LGERS
メキシコ
モンテレイー
LGEMM
ブラジル
マナウス
LGEAZ
ブラジル
タウバッテ
LGESP
ポーランド
ムワバ
ポーランド
ブロツワプ
LGEMA
LGEWR
ロシア
ルジャ
LGERA
インド
ニューデリー/プネ
LGEIL
製品名
LCD/PDP TV
CRT TV
PDP Module
冷蔵庫
オーブン
TV
DVD
Audio
Car Audio
電子レンジ
エアコン
モニター
移動端末
Notebook PC
洗濯機
TV/モニター
冷蔵庫
TV
TV
モニター
冷蔵庫
洗濯機
CRT TV
LCD/PDP TV
モニター
冷蔵庫
エアコン
洗濯機
コンプレッサー
光ストレージ
移動端末
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年間生産能力 出資金額
出資形態 設置時期
(千台)
(千)
5,334
USD 39,481 単独
2000.01
511
1,400
200
4,300
1,000
600
200
300
400
3,000
19,400
240
240
7,500
(共用ライン)
300
5,200
1,500
800
500
1,000
2,425
1,500
900
2,800
1,330
1,160
5,400
12,000
3,200
MXN 880,380 単独
2000.04
BRL 216,198 単独
1995.08
BRL 228,050 単独
1996.04
PLN 412,616 単独
1999.03
PLN 181.018 単独
2005.10
RUB 3,263,091 単独
2004.12
INR 1,131,287 単独
1997.01
94
■トピックス2: 部品・素材輸出で日本が未開拓な新興国を開拓
自動車は韓国のシェアが高い国でも、日本側も生産拠点が設置されており、規模もほぼ互
角であることから、現地調達率の差が貿易シェアの差となっている。
韓国が高いシェアを取っている国での韓国の輸送用機械メーカーの生産拠点
韓国(Hyundaiが対象)
チェコスロバキア
ロシア
日本(Toyota・Hondaが対象)
○
・HYUNDAI Motor Manufacturing Czech
sro (2010年: 200,135台)
○
・TOYOTA Peugeot Citroen Automobile Czech
(2010年: 296,000台)
○
・HYUNDAI Motor Manufacturing Rus
(2011年稼働: 約100,000台を予定)
○
・TOYOTA MOTOR MANUFACTURING RUSSIA
(2011年:14,000台)
○
・TOYOTA Motor Manufacturing Turkey Inc
(2010年:83,000台)
・HONDA Turkiye A.S.
(生産能力: 50,000台)
○
・TOYOTA Kirloskar Motor Private Ltd.
(2010年:76,000台)
・TOYOTA Kirloskar Auto Parts Private Ltd.
(アクセル、プロペラシャフト、トランスミッション等)
・HONDA Siel Cars India Ltd.
(生産能力:100,000台)
・HONDA Siel Power Product Ltd.
(汎用エンジン、発電機、ポンプ、芝刈り機)
トルコ
○
インド
・HYUNDAI Assan Otomotive Sanayi
(2010年: 77,000台)
・HYUNDAI Motor India
(2010年: 600,480台)
○
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95
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
韓国のKOTRAは、日本のJETROが進出しないような新興国に多数拠点を持っている。
加えて成果給によるインセンティブ付けで、職員のモチベーションを高める工夫を行っている。
韓国企業の直接投資とKOTRAの支援について:
日本・韓国からの地域別の海外直接投資額(GDP比・フロー)を見る
と、特に日本と韓国の差が際立つのがアジア・中東で、北米は09年
以降で逆転し、直近では差が拡大している。
韓国のKOTRAは、個別の企業の経営に直接関与して海外展開を
進める手法を取っており、海外拠点設置をKOTRA自身が進めてし
まうサービスもある。
日本のJETROの平均給与は下落傾向にある一方、韓国のKOTRA
の平均給与は上昇傾向にある。特に成果給の割合を高めることで職
員のモチベーションを高める工夫を実施。
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96
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
日本・韓国からの地域別の海外直接投資額(GDP比・フロー)を見ると、特に日本と韓国の
差が際立つのがアジア・中東で、北米は09年以降で逆転し、直近では差が拡大している。
日韓の地域別海外直接投資額(GDP比・フロー)の推移
1.20%
1.00%
アジア
アジア from 日本
アジア from 韓国
0.80%
北米 from 日本
北米 from 韓国
中南米 from 日本
0.60%
中南米 from 韓国
大洋州 from 日本
北米
大洋州 from 韓国
欧州 from 日本
0.40%
欧州 from 韓国
中東 from 日本
中東 from 韓国
0.20%
アフリカ from 日本
アフリカ from 韓国
中東
0.00%
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
(P)
-0.20%
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97
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
韓国のKOTRAは、日本のJETROが進出しないような新興国に多数拠点を持っている。
また、中国やアメリカなどの主要国も日本とは異なる都市に拠点を持って企業支援を展開。
KOTRAのみに拠点がある都市(43都市)
【中国】
CHANGSHA(長沙)
CHONGQING(重慶)
HANGZHOU(杭州)
NANJING(南京)
CHENGDU(成都)
SHENYANG(瀋陽)
XIAMEN(アモイ)
XIAN(西安)
ZHENGZHOU(鄭州)
【アジア】
TAIPEI(台湾)
VIENTIANE(ラオス)
【オセアニア】
MELBOURNE(オーストラリア)
【北米】
SILICON VALLEY(米国)
DALLAS(米国)
DETROIT(米国)
MIAMI(米国)
WASHINGTON D.C(米国)
【中南米】
GUATEMALA(グラテマラ)
HAVANA(キューバ)
SANTO DOMINGO(ドミニカ共和国)
【欧州】
FRANKFURT(ドイツ)
HAMBURG(ドイツ)
MUNICH(ドイツ)
SOFIA(ブルガリア)
ATHENS(ギリシャ)
ZAGREB(クロアチア)
【CIS】
NOVOSIBIRSK(ロシア)
VLADIVOSTOK(ロシア)
KIEV(ウクライナ)
ALMATY(カザフスタン)
BAKU(アゼルバイジャン)
【中東】
BAGHDAD(イラク)
AMMAN(ヨルダン)
MUSCAT(オマーン)
KUWAIT(クウェート)
DAMASCUS(シリア)
【アフリカ】
ALGER(アルジェリア)
CASABLANCA(モロッコ)
TRIPOLI(リビア)
ACCRA(ガーナ)
ADDISABABA(エチオピア)
DOUALA(カメルーン)
KHARTOUM(スーダン)
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JETROのみに拠点がある都市(7都市)
【アジア】
BANGALORE(インド)
【北米】
ATLANTA(米国)
SAN FRANCISCO(米国)
HUSTON(米国)
【中南米】
SAN JOSE(コスタリカ)
【欧州】
DUSSELDORF(ドイツ)
BERLIN(ドイツ)
※赤字はJETROとして同じ国
に拠点を持っていない都市
(台湾は除く)
98
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
韓国のKOTRAは、個別の企業の経営に直接関与して海外展開を進める手法を取ってお
り、海外拠点設置をKOTRA自身が進めてしまうサービスもある。
KOTRAの海外進出支援策 (特徴的なものを抜粋)
施策名
概要
支社化事業
 海外KOTRA Business Center (KBC)が中小企業の海外支店の役割を遂行。市
町調査、取引先の発掘、商談などをサポートする。公募して、当該地での市場条
件や輸出可能性などを総合的に勘案して採択する。
共同物流事業
 海外の専門物流業者を選定し、安価で利用可能な”KOTRA共同物流センター”と
して運営。輸出企業は現地法人等を設立しなくても、共同物流センターを通じての
在庫販売が可能となる。
海外進出プレミアムサービス
 個別企業の海外進出、輸出開拓事業に関して、プロジェクト設計から進出までを
KOTRA海外事務所が主体となって完結して行うサービス“OPS(Overseas
Premium Service)”を実施。①海外プロジェクト受注、②現地法人設立、③海外
投資総合コンサルティング、④フランチャイズ海外進出支援などに分類される。
政府調達市場参入支援サービス
 ワシントン・ロンドン・ニューヨークに調達支援センターを開設。米国では政府調達
コンサルティング会社と契約し、政府調達に関する適格性評価・入札資格審査・入
札書類の作成、落札までの交渉、入札価格のコンサルティング等で支援する。
Invest Korea Plaza(IKP)における
ワンストップサービス
 韓国での拠点設立手続きに必要な政府行政申請窓口をIKP内に設置。各窓口に
は関係省庁から出向者が常駐している。
外国人投資オンブズマンの設置
 KOTRA内部に設置されている組織で、韓国に投資した外資系企業からの規制緩
和や投資インセンティブ受恵資格の支援、紛争時の政府仲裁誘導までを仲裁し、
必要があれば政府省庁間の調整も含めて対応する組織を設置している。
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99
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
(参考)現地支社化事業のサービス内容
 現地支社化事業
KOTRA支社化事業サービスは、事業者の参加目的によって海外輸出成約、エージェント発
掘、市場調査、その他(単純情報提供など)に分類される。
支社化事業の参加目的が“輸出成約”である場合
該当品目の現地市場同行を調査(需要、市場性、競争動向 など)
新規取引先を発掘
バイヤー反応度調査等の輸出相談フォローアップ
支社化事業者の現地ビジネス出張時のアポイント取得などの支援
既存取引先管理および業務連絡等のその他活動の支援
ただし、契約締結代行、貿易クレーム及び法的紛争のようなKOTRA KBCの法的性格上、支援できない事項は除外
付加価値税を含む。大企業(公正取引委員会発表30大・大企業群)は参加費が2倍になる
インター
ネット申請
海外KBC
の市場性検
討及び参加
事業者の選
定
参加費納付
協約を締結
支社化事業
がスタート
KBCの事
業推進内容
に対する評
価
A/S制度
(事後の
エージェント
サーベイ)
持続的関係
の構築
(出所)KOTRA支社化事業ガイドブック
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100
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
(参考)現地支社化事業の対象事業者の選定
 現地支社化事業の対象事業者の選定



支社化事業はKBC管轄地域の輸出有望品目の製造業者を中心的な支援対象としており、そのほか
ソフトウェアおよび文化商品等の無形商品の輸出業者も含む(各拠点ごとに有望品目リストを掲載)。
支社化事業の参加申請事業者の取り扱い品目に対しては、KBCの現地市場条件及び支援可能性
等を総合的に勘案して、当該KBCが支社化事業を最終選定する。
支社化事業の事業者は、e-mail、電話、FAX等の情報をKBCと直接交換して、KBCを海外支社とし
て最大限活用することができる。
付加サービス
※付加サービスの参加
費は、現地の物価水準
及び希望サービスに
よってKBCと相互協議
の結果で決まる。
※参加費には、人件
費・賃貸費・備品購入、
通信費、活動費、コンサ
ルティング費用等が含
まれる。
※KBCとの協議を通じ
て締結された参加費は
KOTRA本社に納付され、
契約期間は1年を原則
とする。
Sales Rep サービス
 企業が自費負担で市場開拓を担当する現地職員を雇用し、自社の輸出マーケ
ティングに独占的に活用することができる。
 事業者は職員採用経費及び諸般の運営費を参加費形態で負担する
 KBCは専門的なセールス経歴がある職員を採用・管理し、事業者の現地マーケ
ティング業務を支援する
※職員採用時には、現地労働法上の用役形態で採用
My Office サービス
 事業者が自社職員をKBCに派遣、常駐させて自社業務を遂行する等、KBCを
自社の事務室として利用する。
 事業者は事務室の賃貸料等の諸般運営費を、参加費として負担する。
 KBCは業務職員の現地活動を支援するとともに、支援範囲自体を決定。
注文型プロジェクト
 取引先の管理支援サービス
 KOTRAの依存度が高い卒業予定の支社化事業事業者を対象に制限的な
サービスを提供
 既存の卒業制度に収用できない長期参加希望事業者を支援
 現行の支社化事業及びSales Repサービス、My Officeサービスの範疇以外の
事業を事業者が希望する場合に、オーダーメード型の事業を施行
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
(出所)KOTRA支社化事業ガイドブック
101
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
(参考)現地支社化事業の予算と実績
■2008年の現地支社化事業の予算・実績
予算
支援事業者数
専任職員数
専任職員1人あたりの事業者数
輸出実績
52.2億W
1,650事業者
2008年:198名
⇒2009年:290名
2008年: 8.3社
⇒2009年: 7.0社
計4億ドル
■2009年の現地支社化事業の予算
事業名
予算(百万W)
備考
支社化事業 専任職員の人件費
9,450 専任職員の採用(290名)
産業専門支社化
1,120 専門人材採用及び相談会の開催
支社化フォーラム/相談会開催
800 支社化フォーラム/相談会開催
優良バイヤーの管理
850 現地優良バイヤーのフォローアップ等の密着管理
小計
12,220
(出所)知識経済部 「2009年 貿易・通商振興総合施策」
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102
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
(参考)KOTRAの現地支社化事業における有望品目リスト
KOTRAの現地支社化事業における有望品目リスト例(2009年時点)
地域
国家
KBC
品目
選定理由
欧州
ドイツ
フランクフルト
自動車
 ドイツ地域の完成車事業者及び部品事業者等のグローバルアウ
トソーシング戦略により韓国三の自動車部品の進出機械が拡大
ドイツ
ハンブルク
親環境/グ
リーン産業
 ドイツは世界最高の再生エネルギー強国として太陽光・風力等の
有望輸出市場だから
ハンガリー
ブタペスト
医療
 病院新設による新規需要及び老朽化した設備交換需要が拡大
北米
アメリカ
シリコンバレー
IT融合
 製品の当分野への輸出競争力を確保
 現地輸入需要が最も大きい部分で支社化支援を通じて輸出成果
を創出することができるものと思われる
 過去、支社化支援の結果、電気電子の完成品よりも通信モ
ジュール、光ケーブル等のIT融合分野の支社化事業者の支援時
に、成果が創出される可能性が高かった
日本
日本
福岡
機械プラント
 新日本製鉄、トヨタ自動車九州等の日本の大型企業に関連した
産業分野が広範囲に韓国企業との提携を求めている
 現在、金型、プラント部品分野の契約比率が高く、対日輸出拡大
のための同分野に対する戦略的集中強化が必要
中国
台湾
台北
IT融合
 EIU調査の結果、台湾は世界2位のIT産業競争力を保有し、半
導体・ディスプレイ及び太陽光等のIT有望分野の輸出/合弁需
要が多大であることが分かった。
(出所)KOTRA支社化事業ガイドブック
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103
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
(参考)KOTRA支社化事業の海外拠点別の費用
KOTRA支社化事業の海外拠点別の費用
単位:万W(V .A.Tを含む)
地域
日本
中国
東南アジア
太平洋
南米
国家名
日本
中国
時差
0
-1:00
豪州
+1:00
ベトナム
-2:00
フィリピン
シンガポール
インドネシア
タイ
マレーシア
ミャンマー
ニュージーランド
カンボジア
ラオス
ブラジル
チリ
アルゼンチン
ベネズエラ
コロンビア
ペルー
-1:00
-2:00
-1:00
-2:30
+3:00
-2:00
-12:00
-13:00
-12:00
-13:00
-14:00
-14:00
都市名
名古屋
東京
大阪
福岡
武漢
西安
広州
大連
北京
シャン回
成都
青島
台北
香港
重慶
鄭州
杭州
瀋陽
南京
長沙
厦门
シドニー
メルボルン
ハノイ
ホーチミン
マニラ
シンガポール
ジャカルタ
バンコク
クアラルンプール
ヤンゴン
オークランド
プノンペン
ビエンチャン
サンパウロ
サンティアゴ
ブレノスアイレス
カラカス
ボゴタ
リマ
参加費
地域
350
国家名
時差
都市名
英国
-9:00
ロンドン
フランクフルト
ミュンヘン
ハンブルク
パリ
ブリュッセル
アムステルダム
ミラノ
マドリッド
チューリッヒ
ストックホルム
コペンハーゲン
ヘルシンキ
イスタンブール
ウィーン
アテネ
ワルシャワ
ブカレスト
ブタペスト
プラハ
ザグレブ
ソフィア
ニューヨーク
シカゴ
ロスアンゼルス
ダラス
ワシントン
マイアミ
デトロイト
シリコンバレー
トロント
バンクーバー
メキシコシティ
グアテマラ
ハバナ
パナマ
セントドミンゴ
ドイツ
欧州
300
350
フランス
ベルギー
オランダ
イタリア
スペイン
スイス
スウェーデン
デンマーク
フィンランド
トルコ
オーストリア
ギリシャ
ポーランド
ルーマニア
ハンガリー
チェコ
クロアチア
ブルガリア
300
アメリカ
北米
250
350
300
-7:00
-8:00
-7:00
-9:00
-6:00
-8:00
-7:00
-14:00
-15:00
-17:00
-15:00
-14:00
カナダ
中米
-8:00
メキシコ
グアテマラ
キューバ
パナマ
ドミニカ共和国
-17:00
-14:00
-17:00
-15:00
-14:00
-13:00
参加費
350
300
250
350
300
300
250
地域
国家名
時差
都市名
ニューデリー
インド
-3:30
ムンバイ
チェンナイ
西南アジア
バングラディッシュ
トルコ
-3:00
スリランカ
コロンボ
パキスタン
-4:00
カラチ
-6:00
モスクワ
-5:00
サンクトペテルブルク
ラオス
+1:00
ウラジオストク
-3:00
ノボシビルスク
CIS
カザフスタン
-3:00
アルマティ
ウクライナ
-7:00
キエフ
アゼルバイジャン
-5:00
バクー
ウズベキスタン
-4:00
タシュケント
南アフリカ共和国
-7:00
ヨハネスブルク
ケニア
-6:00
ナイロビ
ナイジェリア
-8:00
ラゴス
アフリカ
スーダン
-6:00
カルトゥム
ガーナ
-9:00
アクラ
エチオピア
-6:00
アディスアババ
カメルーン
-8:00
ドゥアラ
イラン
-5:00
テヘラン
イスラエル
テルアビブ
-6:00
イラク
バグダッド
リビア
-7:00
トリポリ
アラブ首長国連邦
-5:00
ドバイ
エジプト
-7:00
カイロ
中東
ヨルダン
-7:00
アンマン
シリア
-7:00
ダマスカス
サウジアラビア
リヤド
-6:00
クウェート
クウェート
アルジェリア
-8:00
アルジェ
モロッコ
-9:00
カサブランカ
オマーン
-5:00
ムスカス
単純物流:1 5 0 万W 定額制
パッケー ジ : 支社化手数料 + 3 0 万W 定額制
参加費
300
250
300
250
250
300
250
250
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104
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
(参考)外国人投資オンブズマンの設置
外国人投資オンブズマンの設置
外国人投資オンブズマン(Investment Ombudsman)は、1989年にKOTRA内部に設立されて以来、規制緩和・投資インセンティ
ブに関する相談から労働紛争発生時の政府との仲裁まで、外国人投資企業が事業の展開において経験する多くの障害を克服
できるように支援してきた。外国人投資の苦情処理機構である「外国企業苦情処理チーム」は、各分野の専門家で構成された
ホームドクター(Home Doctors)が、外国人投資企業に関する1対1のサービスを提供し、問題が解決するまでサポートしている。
また、外国人投資の基本政策・投資インセンティブ制度に関する主要懸案について、外国人投資に関連した国の最上位機関
である「外国人投資委員会(Foreign Investment Committee)に案件を上程し、政府省庁間の調整が必要な事業があれば、関連
省庁との仲裁を依頼し、外国企業の苦情解決を支援している。
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105
■トピックス3: KOTRAとJETROの海外進出支援体制の違い
日本のJETROの平均給与は下落傾向にある一方、韓国のKOTRAの平均給与は上昇傾向
にある。特に成果給の割合を高めることで職員のモチベーションを高める工夫を実施。
KOTRA職員の平均給与と経営評価連動給の割合
JETRO職員の平均給与
単位:2006年を100とした時の指数
140.0
25.0%
120.0
20.0%
100.0
22.3%
120.0
18.9%
100.0
18.9
18.3
17.7%
21.8 19.0%
27.8
20.9%
25.4
15.0%
80.0
80.0
60.0
60.0
40.0
単位:2006年を100とした時の指数
10.0%
81.1
84.9
92.7
97.1
96.0
100.0
97.0
98.8
96.4
95.0
2006
2007
2008
2009
2010
40.0
5.0%
20.0
20.0
0.0
0.0%
2006
2007
2008
KOTRA 基本給・福利厚生
2009
2010
0.0
KOTRA 経営評価連動給
KOTRA 経営評価連動給の割合
(出所)KOTRAホームページ
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(出所)総務省ホームページ
106
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
韓国の非製造業の海外直接投資は、日本よりも後発であるものの、近年、急速に拡大して
いる。特に不動産業・サービス業は日本よりも直接投資額が多い。
韓国の非製造業の直接投資について:
日韓の海外直接投資を比較すると、製造業は名目GDP比で同程度
である一方、非製造業は韓国と大きく差が生じている。特にアジア・
アフリカで大きな差がついている。
業種別にみると、日本は金融・保険業と通信業で韓国よりもGDP比
の直接投資が多い一方で、鉱業・サービス業・不動産業では韓国よ
りも低い水準にとどまっている。
また、非製造業分野の直接投資の業種別の2005年以降の伸びを
見ると、建設業・通信業以外の全ての分野で韓国が日本の伸びを上
回っている。
ベトナムへの直接投資の構造を見ても、韓国は相対的に非製造業
の直接投資金額の割合が高くなっている。
Copyright © 2012 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
107
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
業種別にみると、日本は金融・保険業と通信業で韓国よりもGDP比の直接投資が多い一
方で、鉱業・サービス業・不動産業では韓国よりも低い水準にとどまっている。
日本の非製造業の海外直接投資額の内訳と推移(名目GDP比)
韓国の非製造業の海外直接投資額の内訳と推移(名目GDP比)
単位:%
2.00%
単位:%
2.00%
サ-ビス業
1.50%
1.00%
サ-ビス業
1.50%
不動産業
不動産業
金融・保険業
金融・保険業
卸売・小売業
1.00%
卸売・小売業
通信業
通信業
運輸業
0.50%
建設業
建設業
鉱業
鉱業
農林漁業
0.00%
2005
2006
2007
2008
2009
運輸業
0.50%
農林漁業
0.00%
2005
2010
2006
2007
2008
2009
2010
-0.50%
-0.50%
(出所)日本銀行ホームページ
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(出所)韓国輸出入銀行ホームページ
109
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
また、非製造業分野の直接投資の業種別の2005年以降の伸びを見ると、建設業・通信業
以外の全ての分野で韓国が日本の伸びを上回っている。
日本の非製造業における対外直接投資の伸び
韓国の非製造業における対外直接投資の伸び
単位:2005年を100とした時の数値
単位:2005年を100とした時の数値
1600
1600
1500
1500
1400
1400
1300
1300
1200
1200
1100
1100
1000
1000
900
900
800
800
700
700
600
600
500
500
400
400
300
300
200
200
100
100
0
0
-100
-100
-200
-200
-300
-300
鉱業
建設業
運輸業
通信業
鉱業
建設業
運輸業
通信業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
サ-ビス業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
サ-ビス業
(出所)日本銀行ホームページ
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(出所)韓国輸出入銀行ホームページ
110
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
鉱業や金融、製造業(電子部品・化学)などの通しも多い一方で、専門サービス業や金融・
保健関連サービス業の海外直接投資の増加も目立っている。
韓国の業種中分類別の海外直接投資額の推移(2005~2010、降順にソート)
業種中分類
石炭・原油・天然ガス
金融業
電子部品、コンピューター、通信設備製造業
化学物質・化学製品製造業
不動産業
専門サービス業
金属鉱業
金融及び保険関連サービス業
自動車・トレイラー製造業
小売業(自動車除外)
卸・製品仲介業
その他機械設備製造業
1次金属製品製造業
電気・ガス・水道業
総合建設業
倉庫・運送関係サービス業
研究開発業
水上運送業
電気設備製造業
金属加工製品製造業
自動車及び部品販売業
通信業
繊維製造業
コークス・石炭・石油製品製造業
衣服・アクセサリー製造業
出版業
賃貸業(不動産除外)
スポーツ及び娯楽サービス業
飲料製造業
その他輸送機器製造業
食料品製造業
その他製品製造業
非金属鉱物製品製造業
その他個人サービス業
木製品製造業
ゴム・プラスティック製品製造業
陸上運送・パイプライン業
業種大分類
鉱業
金融及び保険業
製造業
製造業
金融及び保険業
専門科学技術サービス業
鉱業
金融及び保険業
製造業
卸・小売業
卸・小売業
製造業
製造業
電気・ガス・水道業
建設業
運送業
専門科学技術サービス業
運送業
製造業
製造業
卸・小売業
出版・映像・放送業
製造業
製造業
製造業
出版・映像・放送業
金融及び保険業
芸術・スポーツ・余暇関連
製造業
製造業
製造業
製造業
製造業
協会及び団体、修理業
製造業
製造業
運送業
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2005
462,163
161,848
854,914
233,617
154,138
152,313
20,686
49,650
720,497
604,348
113,327
126,935
304,634
60,704
203,831
28,375
1,633
75,426
90,410
149,562
345,897
138,133
148,314
8,559
242,496
33,407
338,383
80,455
27,949
84,130
184,364
99,011
118,872
50,129
11,684
83,558
148
2006
1,348,401
513,013
1,394,880
505,523
581,027
329,663
65,670
108,002
965,936
791,718
314,606
158,724
233,797
35,324
414,070
170,514
19,833
105,554
238,357
279,900
33,904
203,333
145,029
78,121
242,526
81,756
286,183
117,122
16,249
327,436
273,294
84,382
152,530
56,933
23,800
189,701
4,196
2007
1,544,588
1,321,567
1,940,090
581,701
1,555,947
2,913,801
405,963
363,623
1,656,696
1,368,231
1,129,092
345,845
517,086
424,973
698,010
196,405
9,836
280,796
321,656
284,873
48,098
151,306
212,898
153,501
212,568
286,357
45,690
212,114
383,154
361,201
250,630
111,371
235,633
70,380
26,104
238,997
13,564
2008
2,028,670
1,757,611
838,940
400,647
1,661,320
1,660,024
820,097
320,273
1,602,581
1,953,996
1,370,400
420,234
601,778
88,718
729,060
265,310
41,250
260,720
425,287
186,472
419,280
321,687
145,394
31,521
218,436
243,782
108,575
203,362
28,129
873,591
483,237
145,525
146,520
46,022
17,906
242,894
16,172
単位:千ドル
2009
4,653,110
1,761,470
733,449
267,988
2,292,068
1,849,522
706,548
209,910
947,442
750,636
278,573
388,116
348,047
342,659
399,256
264,821
151,454
372,905
301,564
161,930
765,530
13,729
126,344
62,433
94,492
105,944
172,985
91,594
75,808
239,682
156,273
97,080
218,556
17,755
14,978
93,734
5,861
2010
6,085,550
2,529,599
1,790,402
1,650,657
1,473,884
1,197,022
1,061,303
706,684
672,041
501,960
481,867
481,541
447,144
313,291
309,371
265,759
252,385
245,782
233,930
227,112
217,507
217,060
188,129
172,836
157,102
147,926
131,410
128,795
128,704
125,448
120,404
119,265
116,670
103,262
89,844
86,730
83,923
(出所)韓国輸出入銀行ホームページ
2010年の
上位10業種
のうち、非製
造業は7個
111
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
鉱業や金融、製造業(電子部品・化学)などの通しも多い一方で、専門サービス業や金融・
保健関連サービス業の海外直接投資の増加も目立っている。
韓国の業種中分類別の海外直接投資額の推移(2005~2010、降順にソート)
業種中分類
宿泊業
カバン・靴製造業
たばこ製造業
林業
飲食・居酒屋
医療・精密機器製造業
建築技術・エンジニアリング業
農業
専門工事業
医薬品製造業
パルプ・紙製造業
情報サービス業
事業支援サービス業
家具製造業
非金属鉱業
保険及び年金業
映像・オーディオ記録業
教育サービス業
保健業
その他専門科学技術サービス業
法創業
コンピュータープログラミング・SI業
印刷・記録物製造業
修理業
漁業
廃棄物・収集運搬製造業
芸術・余暇関連サービス業
社会福祉サービス業
航空運送業
サービス施設管理業
国際及び外国機関
業種大分類
宿泊・飲食業
製造業
製造業
農林漁業
宿泊・飲食業
製造業
専門科学技術サービス業
農林漁業
建設業
製造業
製造業
出版・映像・放送業
事業施設管理及び事業支援
製造業
鉱業
金融及び保険業
出版・映像・放送業
教育サービス業
保健及び社会福祉サービス
業
専門科学技術サービス業
出版・映像・放送業
出版・映像・放送業
製造業
協会及び団体、修理業
農林漁業
下水・廃棄物処理業
芸術・スポーツ・余暇関連
保健及び社会福祉サービス
業
運送業
事業施設管理及び事業支援
国際及び外国機関
単位:千ドル
2005
73,263
97,672
430
3,479
108,596
55,122
5,062
22,106
9,254
28,662
7,127
2,834
34,863
13,932
583
63,520
999
13,579
2006
103,367
70,283
13,684
120,421
90,561
12,487
26,147
73,590
46,524
12,028
23,210
34,886
19,083
15,390
0
11,574
66,540
2007
232,504
79,283
33,856
8,371
122,754
115,799
16,167
83,124
123,167
31,680
26,950
40,422
104,925
17,298
29,881
0
5,797
55,839
2008
301,267
85,112
34,692
21,994
76,943
74,813
99,238
62,245
114,140
35,715
24,226
83,425
175,519
14,500
272,650
81,390
26,506
33,061
2009
102,543
59,820
35,963
20,922
42,505
64,962
17,700
43,474
56,227
33,602
10,256
33,660
23,595
11,586
54,962
29,300
11,826
23,710
2010
77,537
74,393
71,344
67,596
59,882
54,644
53,803
50,668
41,083
39,901
37,073
36,433
29,401
27,847
26,679
24,993
23,186
18,994
17,084
7,320
20,660
6,611
3,790
10,007
41,208
4,672
1,275
8,140
610
2,614
140
678
76
5,385
680
14,848
13,383
3,860
14,603
8,402
9,670
2,894
1,250
9,499
776
4,425
2,213
-
31,246
9,349
35,880
11,807
12,386
7,904
5,310
6,108
568
7,576
4,520
-
14,137
13,083
5,881
2,960
13,813
16,329
672
6,620
97
19,796
3,136
-
6,345
14,608
4,027
5,268
5,060
25,857
720
1,476
815
20,340
1,982
-
8,295
5,054
4,359
3,155
2,584
2,526
1,373
863
856
827
783
-
(出所)韓国輸出入銀行ホームページ
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112
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
ベトナムへの直接投資の構造を見ても、韓国は相対的に非製造業の直接投資金額の割合
が高くなっている。
ベトナムにおける日本からの対外直接投資の内訳
ベトナムにおける韓国からの対外直接投資の内訳
単位:億円
単位:百万ドル
1,200
1,200
1,000
1,000
800
800
600
600
400
400
200
200
0
0
2005
2006
2007
2008
2009
-200
2010
2005
2006
2007
2008
2009
2010
-200
製造業 (計)
非製造業 (計)
製造業 (計)
非製造業 (計)
(出所)ASEAN-JAPAN Centerホームページ
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113
■トピックス4: 韓国のサービス業の海外直接投資
韓国政府は2010年に「サービス業海外進出活性化方案」を策定し、中小企業のインターン
を通じた輸出企業人材の育成、海外就職のための教育サービス業の拡充を盛り込んでいる。
韓国政府の“サービス海外進出活性化方案(2010発表)”の内容
 “サービス海外進出活性化方案”の範囲
 2010年に韓国政府は、“サービス海外進出活性化方案”を策定し、サービス産業の海外輸出・投資・人材育成の
活性化のための関連制度及び支援政策の方向性を示す。
 この背景としては、既存の輸出拡大方案は製造業中心の対策で、サービス業の特性を反映するには限界があっ
たためである。このため、海外進出の促進のための対策を総合的・体系的に提示した。
 推進課題
1.海外進出支援体系の整備
 海外進出戦略指導の準備
 KOTRAの海外進出支援機能の補完
 WTO/FTAを通じた海外市場の拡大
:地域別・国家別のサービス海外進出戦略指導を準備
:KOTRA本部の海外進出支援センター/進出情報システムの機能強化
:WTO/FTAによるサービス市場開放と国内人材の進出拡大
2.海外進出支援制度の強化





輸出金融の拡大
:サービス輸出企業に対する与信拡大/文化輸出保険の支援規模拡大
サービスR&D支援の拡大
:医療・観光・コンテンツのR&D/製品+サービスの複合商品開発の重点化
中小企業のインターンを通じた輸出企業の人材育成 :国際的な人材と中小企業とのインターンを通じたマッチング
海外マーケティング支援の拡大
:中小企業のマーケティング支援/海外進出コンサルティングのクーポン
ODAと連携した海外進出基盤の造成
:ODA事業の全テーマと連携した支援/事業終了後の専門家派遣の推進
3.サービス専門人材の海外進出基盤の拡大
 海外就業のための雇用サービスの改善 :海外の就業斡旋機関との協力/KOTRAと海外就業総合情報網との連携
 海外就業教育および事後管理の強化
:既存の海外研修機関を大型教育機関(大学等)を中心に拠点化
 国家間資格相互認証の拡大
:専門性と技術力を持った人材の交流を促進
(出所)韓国政府ホームページ
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114
■トピックス5: 中小企業や個人の積極的な海外進出
韓国では大企業のみならず、中小企業や個人も積極的に海外進出をしている。
韓国の中小企業・個人の海外進出について:
日韓の海外直接投資を1件あたりの直接投資額を比較すると、日系
が多数進出するインドネシア・タイは、韓国よりも1件あたりの投資額
は多い。一方、マレーシア・ベトナムでは韓国の方が多い年度もある。
ただし実行ベースで比較すると、韓国は日本よりも実行率が低く、日
本の3分の2の水準にとどまる。
韓国の中小企業の直接輸出比率は2~3%で日本と変わらないが、
外国居住者数は日本は76万人なのに対して、韓国は165万人と韓
国の方が圧倒的に多い。こうした韓国人コミュニティの存在も、韓国
企業の進出を後押ししているものと考えられる。
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115
■トピックス5: 中小企業や個人の積極的な海外進出
1件あたりの直接投資額を比較すると、日系が多数進出するインドネシア・タイは、韓国より
も1件あたりの投資額は多い。一方、マレーシア・ベトナムでは韓国の方が多い年度もある。
1件あたりの直接投資額の比較(インドネシア・マレーシア・タイ・ベトナム)
45.00
60.00
40.00
50.00
35.00
30.00
40.00
25.00
30.00
20.00
15.00
20.00
10.00
10.00
5.00
0.00
0.00
2003
2004
2005
インドネシア 日本
2006
2007
2008
2009
2003
インドネシア 韓国
2004
2005
マレーシア 日本
16.00
80.00
14.00
70.00
12.00
60.00
10.00
50.00
8.00
40.00
6.00
30.00
4.00
20.00
2.00
10.00
0.00
2006
2007
2008
2009
2008
2009
マレーシア 韓国
0.00
2003
2004
2005
タイ 日本
2006
2007
2008
タイ 韓国
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2009
2003
2004
2005
ベトナム 日本
2006
2007
ベトナム 韓国
(出所)ASEAN-JAPAN Centerホームページ
116
■トピックス5: 中小企業や個人の積極的な海外進出
ただし実行ベースで比較すると、韓国は日本よりも実行率が低く、日本の3分の2の水準に
とどまる。
ベトナムにおける外国直接投資の累計総投資額(1998-2008、認可ベース)と実行額・実行率
総投資額
実行額
実行率
17,158,201,448
5,182,546,147
16,526,117,830
3,094,109,044
日本
韓国
30.2%
18.7%
百万
(単位)百万ドル
20,000
18,000
35.0%
30.2%
30.0%
16,000
25.0%
14,000
12,000
18.7%
10,000
20.0%
15.0%
8,000
6,000
総投資額
実行額
実行率
10.0%
4,000
5.0%
2,000
0
0.0%
日本
韓国
(出所)ベトナム計画投資省
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117
■トピックス5: 中小企業や個人の積極的な海外進出
韓国の中小企業の直接輸出比率は2~3%で日本と変わらないが、外国居住者数は日本
は76万人なのに対して、韓国は165万人と韓国の方が圧倒的に多い。
日本と韓国における在外住民数(永住権取得者・市民権者を除く)の推移
日
在外者合計
韓
韓国
日本
日
中国
韓
日
タイ
韓
日
インドネシア
韓
日
フィリピン
韓
日
マレーシア
韓
日
シンガポール
韓
日
ベトナム
韓
日
インド
韓
日
オーストラリア
韓
その他アジア・ 日
大洋州
韓
2004
659,003
1,147,355
20,332
100,874
98,172
287,246
31,823
19,375
10,699
22,782
10,524
45,620
9,322
5,843
20,242
5,850
3,774
16,576
1,796
4,443
26,063
34,118
31,709
24,832
2006
735,378
1,545,436
20,866
98,019
124,476
523,222
40,249
24,870
10,346
30,404
10,880
86,138
9,036
14,900
25,068
11,298
4,607
53,798
2,151
7,347
31,220
50,926
29,953
23,154
2008
755,724
1,650,360
20,837
105,527
124,480
418,560
43,195
20,034
10,702
31,366
13,193
114,829
8,233
14,531
22,277
11,785
6,794
84,564
3,122
8,313
32,400
71,062
32,772
23,964
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2010
758,788
1,647,112
21,545
116,508
129,805
374,364
46,232
17,333
10,856
35,828
13,726
95,849
8,445
14,365
24,548
14,666
8,462
83,638
4,327
9,860
31,312
59,667
33,905
28,866
日
韓
日
韓
日
韓
日
韓
日
韓
日
韓
2004
244,644
462,053
10,649
21,641
123,107
74,361
5,779
10,955
4,828
5,587
6,028
9,409
2006
263,756
502,231
10,868
21,586
132,912
71,779
6,862
16,875
6,292
8,310
5,799
9,089
2008
269,480
618,527
11,703
22,771
133,970
74,428
7,156
15,881
8,321
12,259
7,060
10,443
2010
261,770
661,429
12,522
25,664
129,076
73,331
6,855
16,864
8,051
17,163
7,323
10,949
日
在外者比率
韓
2004
0.5%
2.4%
2006
0.6%
3.3%
2008
0.6%
3.4%
2010
0.6%
3.4%
2005
127,767,994
47,278,951
2010
128,057,352
48,580,293
北米
中南米
西欧
東欧・CIS
中東
アフリカ
【総人口】
日本
韓国
(出所)日本: 外務省 「在外邦人統計 (05/07/09/11)」
韓国: 外交通商部 「在外同胞現況 (05/07/09/11)」
118
ドイツ編
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119
トピックス2:高付加価値化
ドイツは、主要産業を中心に、高付加価値を実現。
ドイツにおける付加価値額は、過去20年の推移でみると1次産業を中心に減少し
ているものの、その他の産業においては上昇している。
研究開発費の対GDP比は、ドイツの方が高く、高付加価値化のための資金投資を
増強している。
しかし、ドイツの出願特許件数は、日本より少ないが、出願特許1件当たりのロイヤ
リティ収入額はドイツの方が高く、効率的なR&Dを実現できている。
ドイツのロイヤリティ輸出に占めるEU27カ国は、10年前と比較して2割増加してお
り、日本におけるアジアに対する割合よりも大きい。
海外直接投資額の多い国におけるロイヤリティ輸出の規模も大きい。
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120
トピックス2:高コスト構造改革(高付加価値化)
ドイツにおける付加価値額は、過去20年の推移でみると1次産業を中心に減少しているも
のの、その他の産業においては上昇している。
ドイツにおける産業別付加価値額(1991=100)
(1991=100)
220
(1991=100)
日本における産業別付加価値額(1991=100)
220
C01T05 AGRICULTURE, HUNTING, FORESTRY
AND FISHING
200
C10T14 MINING AND QUARRYING
C15T37 MANUFACTURING
180
C24 Chemicals and chemical products
160
C01T05 AGRICULTURE, HUNTING, FORESTRY
AND FISHING
200
180
160
C29T33 Machinery and equipment
140
C10T14 MINING AND QUARRYING
C15T37 MANUFACTURING
C24 Chemicals and chemical products
C29T33 Machinery and equipment
140
C34T35 Transport equipment
120
C34T35 Transport equipment
120
C40T41 ELECTRICITY GAS AND, WATER
SUPPLY
100
C45 CONSTRUCTION
C40T41 ELECTRICITY GAS AND, WATER
SUPPLY
100
C45 CONSTRUCTION
80
C50T55 WHOLESALE AND RETAIL TRADE RESTAURANTS AND HOTELS
80
C50T55 WHOLESALE AND RETAIL TRADE RESTAURANTS AND HOTELS
60
C60T64 TRANSPORT, STORAGE AND
COMMUNICATIONS
60
C60T64 TRANSPORT, STORAGE AND
COMMUNICATIONS
C65T74 FINANCE, INSURANCE, REAL ESTATE
AND BUSINESS SERVICES
40
40
C75T99 COMMUNITY, SOCIAL AND
PERSONAL SERVICES
20
C65T74 FINANCE, INSURANCE, REAL ESTATE
AND BUSINESS SERVICES
C75T99 COMMUNITY, SOCIAL AND
PERSONAL SERVICES
20
C93 Other service activities
(出所)OECDstas
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C93 Other service activities
(出所)OECDstas
121
トピックス2:高コスト構造改革(高付加価値化)
研究開発費の対GDP比は、ドイツの方が高く、高付加価値化のための資金投資を増強して
いる。
研究開発費の推移(対GDP)
製造業の研究開発費の推移(対GDP)
3.0%
12.0%
2.5%
10.0%
2.0%
8.0%
1.5%
6.0%
1.0%
4.0%
0.5%
GDP当たりの研究開発費 ドイツ
GDP当たりの研究開発費 日本
0.0%
(出所)OECDstat
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2.0%
0.0%
GDP当たりの研究開発費(Manufacturing) ドイツ
GDP当たりの研究開発費(Manufacturing) 日本
(出所)OECDstat
122
トピックス2:高コスト構造改革(高付加価値化)
しかし、ドイツの出願特許件数は、日本より少ないが、出願特許1件当たりのロイヤリティ収入額はドイ
ツの方が高く、効率的なR&Dを実現できている。
(件)
出願特許1件当たりのロイヤリティ収入
(百万ドル)
出願特許件数
600,000
120
500,000
100
400,000
80
Germany
300,000
Germany
60
(出所)OECDstat
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2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1995
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
0
1997
0
1996
20
1995
100,000
1997
Japan
40
1996
Japan
200,000
(出所)OECDstat
123
トピックス2:高コスト構造改革(高付加価値化)
ドイツのロイヤリティ輸出に占めるEU27カ国は、10年前と比較して2割増加しており、日本におけるア
ジアに対する割合よりも大きい。
(百万ドル)
(百万ドル)
ドイツの地域別のロイヤリティ輸出
25,000
日本の地域別のロイヤリティ輸出
25,000
20,000
other country
20,000
other country
15,000
European Union (27
countries)
15,000
European Union (27
countries)
Asia
10,000
United States
5,000
0
1999
2009
(出所)OECDstat
ドイツの地域別のロイヤリティ輸出(割合)
100%
other country
50%
40%
30%
20%
2009
日本の地域別のロイヤリティ輸出(割合)
100%
80%
other country
70%
70%
60%
1999
90%
90%
80%
United States
5,000
0
(出所)OECDstat
Asia
10,000
European Union (27
countries)
60%
Asia
40%
United States
10%
0%
1999
2009
(出所)OECDstat
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European Union (27
countries)
50%
Asia
30%
United States
20%
10%
0%
(出所)OECDstat
1999
2009
124
トピックス2:高コスト構造改革(高付加価値化)
海外直接投資額の多い国におけるロイヤリティ輸出の規模も大きい。
(百万ドル)
ドイツの地域別の海外直接投資額(ストック)
(百万ドル)
日本の地域別の海外直接投資額(ストック)
1,400,000
1,400,000
1,200,000
other country
1,200,000
other country
1,000,000
1,000,000
800,000
European Union (27
countries)
800,000
European Union (27
countries)
600,000
Asia
600,000
Asia
400,000
United States
200,000
(百万ドル)
0
1999
2009
(出所)OECDstat
ドイツの地域別の海外直接投資額(ストック)
(百万ドル)
1999
2009
日本の地域別の海外直接投資額(ストック)
100%
100%
90%
90%
other country
80%
other country
80%
70%
70%
60%
50%
40%
European Union (27
countries)
60%
Asia
40%
30%
European Union (27
countries)
50%
Asia
30%
United States
20%
10%
United States
20%
10%
0%
(出所)OECDstat
United States
200,000
0
(出所)OECDstat
400,000
0%
1999
2009
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(出所)OECDstat
1999
2009
125
その他作業
サービス輸出:ドイツの輸出先は、5割以上をEU27諸国で占めている。一方、日本の輸出
先は、アジア、EU27、米国でそれぞれ3割程度である。
Millions of US
dollars
Millions of US
dollars
Germany
260,000
230,853
240,000
260,000
Other Country
240,000
220,000
220,000
200,000
200,000
United States
180,000
180,000
160,000
Other Country
United States
160,000
European Union
140,000
(27 countries)
120,000
140,000
120,000
100,000
Japan
84,038
100,000
Asia
80,000
80,000
60,000
40,000
60,000
World
40,000
20,000
20,000
0
128,243
European Union
(27 countries)
Asia
60,887
World
0
1999
2009
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1999
2009
126
その他作業
サービス輸入:ドイツの輸入元は、5割以上をEU27諸国で占めている。一方、日本の輸出
先は、アジア、EU27、米国でそれぞれ3割程度を占めている。
Germany
Japan
Millions of US dollars
300,000
Millions of US dollars
300,000
256,309
250,000
250,000
200,000
200,000
150,000
Other Country
Other Country
United States
United States
European Union
150,000 (27 countries)
112,800
141,972
100,000
100,000
148,690
Asia
Asia
50,000 World
50,000
0
European Union
(27 countries)
World
0
1999
2009
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1999
2009
127
トピックス3:EUの市場統合
東欧諸国のEU統合に伴い、対外直接投資が増加したが、国内における付加価値も高まっ
た。
ドイツは、1994年の東欧諸国のEU加盟に伴い、GDP、輸出額が増加した。
主要産業である機械産業は、EU統合後に設備投資額、従業員数の伸び率が上
昇している。
機械産業の対内外直接投資も増加し、市場規模が拡大している。
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128
トピックス3:EUの市場統合
ドイツは、1994年の東欧諸国のEU加盟に伴い、GDP、輸出額が増加した。
ドイツの産業別GDPの推移
(百万ドル)
1,200,000
1,000,000
800,000
(10億ドル)
B1GA_B: Agriculture, hunting
and forestry, fishing
増
加
ドイツの産業別輸出額
1,400
9: Commodities and transactions, n.e.s.
1,200
8: Miscellaneous manufactured articles
B1GC_E: Industry, including
energy
1,000
B1GD: of which:
Manufacturing
7: Machinery and transport equipment
6: Manufactured goods
800
5: Chemicals and related products, n.e.s.
B1GF: Construction
600,000
600
400,000
200,000
B1GG_I: Wholesale and retail
trade, repairs, hotels and
restaurants, transport
400
B1GJ_K: Financial
intermediation, real estate,
renting and business activities
200
B1GL_P: Other service activities
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
0
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4: Animal and vegetable oils, fats and waxes
3: Mineral fuels, lubricants and related
materials
2: Crude materials, inedible, except fuels
1: Beverages and tobacco
0
0: Food and live animals
1990
(出所)OECDstat
2000
2,010
129
トピックス3:EUの市場統合
主要産業である機械産業は、EU統合後に設備投資額、従業員数の伸び率が上昇している。
EU統合前の設備投資伸び率(1995→2000)
EU統合後の設備投資伸び率(2003→2008)
90.0%
90.0%
70.0%
70.0%
50.0%
50.0%
30.0%
30.0%
10.0%
10.0%
-10.0%
-10.0%
-30.0%
-30.0%
-50.0%
-50.0%
② ⑦ ⑥ ⑨ ⑪ ⑭ ⑬ ⑩ ① ⑫ ⑧ ⑮ ⑤ ③ ④
⑪ ⑤ ⑬ ⑫ ⑮ ⑭ ④ ⑦ ⑥ ⑨ ⑧ ⑩ ② ① ③
EU統合前の従業員数伸び率(1995→2000)
40.0%
40.0%
30.0%
30.0%
20.0%
20.0%
10.0%
10.0%
0.0%
0.0%
-10.0%
-10.0%
-20.0%
-20.0%
-30.0%
-30.0%
-40.0%
-40.0%
② ⑥ ⑦ ① ④ ⑬ ③ ⑪ ⑩ ⑧ ⑭ ⑮ ⑤ ⑨ ⑫
1
2
3
4
5
6
7
8
EU統合後の従業員数伸び率(2003→2008)
AGRICULTURE, HUNTING, FORESTRY AND FISHING
MINING AND QUARRYING
MACHINERY, NEC
ELECTRICAL AND OPTICAL EQUIPMENT
TRANSPORT EQUIPMENT
ELECTRICITY, GAS AND WATER SUPPLY
CONSTRUCTION
WHOLESALE AND RETAIL TRADE
② ⑪ ⑦ ⑬ ⑤ ⑥ ① ⑧ ④ ⑫ ⑩ ③ ⑭ ⑮ ⑨
9 HOTELS AND RESTAURANTS
10 TRANSPORT AND STORAGE AND COMMUNICATION
11 FINANCIAL INTERMEDIATION
12 REAL ESTATE, RENTING AND BUSINESS ACTIVITIES
13 PUBLIC ADMIN AND DEFENCE; COMPULSORY SOCIAL SECURITY
14 EDUCATION
15 HEALTH AND SOCIAL WORK
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130
トピックス3:EUの市場統合
機械産業の対内外直接投資も増加し、市場規模が拡大している。
【ドイツにおける対外直接投資額(フロー)】
(百万ドル)
180,000
160,000
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
0
(出所)OECDStat
ドイツの産業別対内外直接投資の推移調査中
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131
トピックス5:研究開発部門やサービス部門(BtoB)の強さの要因
ドイツにおけるサービス部門
ドイツにおける産業構造:
ドイツのサービス業の輸出先は、ヨーロッパが約65%。そのうち、西欧諸国への輸
出は8割を超えている。
ドイツのサービス業の輸出額が増加しており、その中でも「その他サービス業」の
占める割合が高い。 「その他サービス業」のうち、法律、ビジネス系、技術系など、
高い専門性が要求されるサービス業のシェアが高まっている。
主要産業(製造業)の賃金の上昇に伴い、主要産業に付随するサービス業の賃金
も上昇したことから、主要産業の成長が他の産業の発展に影響を与えているとい
える。
サービス業のEU諸国の輸出額調査中
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132
トピックス5:研究開発部門やサービス部門(BtoB)の強さの要因
ドイツのサービス業の輸出先は、ヨーロッパが約65%。
そのうち、西欧諸国への輸出は8割を超えている。
その他
1999年
3%
China
South 1%
Asia
America
11%
2%
サ
ー
ビ
ス
業
の
輸
出
先
North
America
18%
0%
10%
その他
2%
China
2%
South
America
4%
30%
Asia
13%
North
America
13%
Europe
65%
20%
2009年
40%
50%
60%
70%
Europe
66%
80%
90%
100%
United Kingdom
Switzerland
Netherlands
France
ヨ
ー
ロ
ッ
パ
へ
の
輸
出
先
内
訳
Italy
1999
その他ヨーロッパ
Austria
Belgium
Spain
Portugal
主な西欧諸国
主な東欧諸国
Denmark
Luxembourg
Ireland
Greece
2009
その他ヨーロッパ
Poland
Hungary
Czech Republic
Slovak Republic
その他ヨーロッパ
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(出所)OECD.Stat
133
トピックス5:研究開発部門やサービス部門(BtoB)の強さの要因
ドイツのサービス業の輸出額が増加しており、その中でも「その他サービス業」の占める割合が高い。 「その他サー
ビス業」のうち、法律、ビジネス系、技術系など、高い専門性が要求されるサービス業のシェアが高まっている。
1989
10,987
10,364
1,008
2,595
201
673
234
1,266
10,248
75
9,783
47,433
TRANSPORTATION
TRAVEL
COMMUNICATION SERVICES
CONSTRUCTION SERVICES
INSURANCE SERVICES
FINANCIAL SERVICES
COMPUTER AND INFORMATION SERVICES
ROYALTIES AND LICENSE FEES
OTHER BUSINESS SERVICES
PERSONAL, CULTURAL AND RECREATIONAL SERVICES
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
合計
23.2%
21.8%
2.1%
5.5%
0.4%
1.4%
0.5%
2.7%
21.6%
0.2%
20.6%
100.0%
2009
51,895
34,570
4,840
12,910
5,012
11,666
14,456
13,720
75,486
1,200
4,623
230,378
(百万ドル、倍)
2009÷1989
22.5%
4.7
15.0%
3.3
2.1%
4.8
5.6%
5.0
2.2%
25.0
5.1%
17.3
6.3%
61.8
6.0%
10.8
32.8%
7.4
0.5%
16.0
2.0%
0.5
100.0%
TRANSPORTATION
(10億ドル)
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
TRAVEL
COMMUNICATION SERVICES
CONSTRUCTION SERVICES
1989
INSURANCE SERVICES
FINANCIAL SERVICES
COMPUTER AND INFORMATION
SERVICES
ROYALTIES AND LICENSE FEES
2009
(出所)OECD.Stat
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OTHER BUSINESS SERVICES
PERSONAL, CULTURAL AND
RECREATIONAL SERVICES
GOVERNMENT SERVICES, N.I.E.
134
トピックス5:研究開発部門やサービス部門の強さの要因
ドイツのサービス業の輸出額が増加しており、その中でも「その他サービス業」の占める割合が高い。 「その他サー
ビス業」のうち、法律、ビジネス系、技術系など、高い専門性が要求されるサービス業のシェアが高まっている。
Merchanting and other trade-related services
Merchanting
Other trade-related services
Operational leasing services
Miscellaneous business, professional and technical services
Legal, accounting, management consulting and public relations services
Business and management consultancy and public relations services
Advertising, market research and public opinion polling
Research and development
Architectural, engineering and other technical services
Agricultural, mining and on-site processing services
Other business services n.i.e.
Services between related enterprises, n.i.e.
1989
2,554
1,594
960
89
7,605
565
406
659
1,563
1,084
0
2,764
969
10,248
24.9%
15.6%
9.4%
0.9%
74.2%
5.5%
4.0%
6.4%
15.2%
10.6%
0.0%
27.0%
9.5%
100.0%
2009
15,369
11,733
3,634
2,242
57,875
14,816
12,198
5,287
11,289
16,712
247
5,733
3,791
75,486
(百万ドル、倍)
2009÷1989
20.4%
6.0
15.5%
7.4
4.8%
3.8
3.0%
25.1
76.7%
7.6
19.6%
26.2
16.2%
30.1
7.0%
8.0
15.0%
7.2
22.1%
15.4
0.3% 7.6%
2.1
5.0%
3.9
100.0%
(出所)OECDStat
サービス業のEU諸国の輸出額調査中
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135
トピックス5:研究開発部門やサービス部門の強さの要因
主要産業(製造業)の賃金の上昇に伴い、主要産業に付随するサービス業の賃金も上昇し
たことから、主要産業の成長が他の産業の発展に影響を与えているといえる。
190
主要産業
C29 Machinery and equipment, n.e.c.
180
170
C34 Motor vehicles, trailers and semitrailers
160
C40 Electricity, gas, steam and hot water
supply
C45 CONSTRUCTION
150
C55 Hotels and restaurants
140
主要産業の
付随サービス産業
130
C71 Renting of machinery and equipment
C72 Computer and related activities
120
110
主要産業の付随サービス
産業以外のサービス産業
C73 Research and development
C74 Other business activities
100
199119921993199419951996199719981999200020012002200320042005200620072008
(出所)OECDStat
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136
トピックス5:研究開発部門やサービス部門の強さの要因
ドイツの主要産業の付随サービス産業
「検査機関」テュフ ラインランド
・テュフ ラインランドは、140年の歴史を持つ世界でもトップクラスの第三者検査機関
・61カ国に500の拠点があり、従業員数は14,500人、年間売上高は13億ユーロ
・第三者検査のエキスパートとして、人々の暮らしのあらゆる面で、品質、安全、環境、テクノロジーを支えています。産業用装置や製品、
サービスの検査だけではなく、プロジェクト管理や企業のプロセス構築もサポートしています。また幅広い業種、職種について、専門的なト
レーニングも実施しています。こうしたサービスは、テュフ ラインランドの認定ラボや試験設備、教育センターのグローバルネットワークに
よって支えられています。
(出所)テュフラインランド社ホームページ
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137
トピックス5:研究開発部門やサービス部門の強さの要因
ドイツの主要産業の付随サービス産業
「エンジニアリング」HEDRICH
≪企業概要≫
・ HEDRICHは1963年に設立された企業で、真空状態を活用した工作機械の製造・開発・サービスを提供している。
・従業員数は全世界で290名である。
・ 30 カ国を超える世界各国の代理店とスイス、中国、およびアメリカに設立した子会社を通じて、世界規模の流通シ
ステムサービスを展開している。
≪サービス内容≫
・真空関連機器の設計・製造・組み立て・品質試験・アフターサービスに関連して、以下のようなサービスを提供。
・また別途、応用研究所を新設し、顧客に対して企画段階から対応。
HEDRICH社の真空関連機器に関連した各種サービスメニュー
サービスタイプ
概要
導入場所での顧客サービス
真空関連機器の導入場所での指導
修理サービス
真空関連機器の修理
スペアパーツ提供サービス
近隣拠点からのスペアパーツの提供
コンサルティングによる最適化サービス
真空関連機器の導入方法に関するコンサ
ルティング
運営者のトレーニングサービス
真空関連機器等の運営者のトレーニング
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138
アメリカ編
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139
トピックス1:アメリカの産業政策の特徴
政府は極力、市場に介入しないというスタンスをとりながらも、企業の国際的な競争力支
援のための様々な支援施策を用意
■アメリカの産業政策の特徴
 アメリカでは、政府の市場介入に対する企業や国民の反発的な意識から、政策的に成長産業を誘導
(Pick up Winners and Losers)するような産業政策に対しては、反対する主張が一貫して多い。
 このため連邦・州を含め政府は、特定の産業を振興するための政策は取らないというスタンスをとってい
るのが通例であり、公共投資や通商政策、減税政策などによって間接的に企業活動を刺激する政策が
主であったといえる。
 産業政策に対する反発的意識はありながらも、1970年代~1980年代のアメリカ経済の長期的不況や日
本との貿易摩擦などの経済問題が発生した際には、通商政策、減税政策等が駆使され、アメリカ企業を
保護するような政策がとられてきた。特に減税政策は、「レーガノミックス」と呼ばれるレーガン政権のサ
プライサイドに基づく経済政策の導入以降、連邦政府だけではなく様々な州でも採用されている。また
1990年~2000年代に掛けては、企業の競争力という観点から研究開発や貿易等の企業活動を支援す
るための一連の政策が取られてきた。
 1970年代に財政赤字の拡大や製造業の国際的な競争力の低下などの要因から、長期的な不況に見舞
われたものの、1980年代のレーガノミックス、1990年代以降の競争力政策等により再び好況に転じるこ
とに成功した。政府は極力市場に介入しないというスタンスをとりながらも、決して自由放任主義にはさせ
ず、企業の国際的な競争力を支援するための様々な支援施策を用意している点が、アメリカ連邦政府の
産業政策に対する考え方の特徴だという事ができる。
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140
トピックス1:アメリカの産業政策の特徴
連邦レベルでは公共投資の増大による内需刺激策から、徐々に減税・研究開発支援の強
化を通じた国際競争力強化に推移していった
 1940~1960年代は、政府によ
る公共投資を通じた内需の刺
激が大きな影響力を持った。
 しかし、日本・欧州の産業の復
興を背景に、1970年代には衰
退産業に対する通商保護政
策・大企業救済支援が取られる
ようになった。
 1980年代に入ると「小さな政
府」の考えのもとで、歳出削減
と企業の税負担軽減による経
済の刺激策が取られるように
なった。
 そして1990~2000年代には特
に研究開発の分野において、
民間企業が投資を躊躇しがち
な外部性/不確実性が大きな
技術については、企業が政府・
公的研究機関と共同で研究し
ていくというスタイルが取られる
ようになった。
期間
産業政策の方向性
背景・概要
1945
戦後復興期の内需

-1960 年代
喚起
東西冷戦期の軍需
高速道路や住宅の建設など、大型の
公共投資を行い内需を刺激

による産業復興
(1)戦後復興期の内需
米ソ間の冷戦構造を背景に、朝鮮戦争
と東西冷戦期の軍
や宇宙開発競争などを通じて内需を刺
需による産業復興
激
1970 年代
衰退産業に対する通

商保護政策
日本・欧州の産業の復興を背景に、国
内の衰退産業を輸入関税引き上げによ
って諸外国の輸入品から保護
大企業救済支援

(2) 衰退産業に対する
通商保護政策と、
大企業救済支援政策
倒産すると社会的影響の大きい大企業
に対して、倒産前に公的資金を用いて
援助
1980 年代
レーガノミックスに基

づく減税政策
「小さな政府」の考え方のもとで、歳出
-2000 年代
競争力政策に基づく

研究開発支援
(4) 競争力政策に基づく
民間企業が投資を躊躇しがちな外部性
研究開発支援と通商
と不確実性が大きな技術に対し、政府と
政策
公的研究機関が共同で支援
自由貿易主義に
基づく通商政策
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基づく減税政策
の削減と企業の税負担の軽減を達成し
て経済を刺激
1990 年代
(3)レーガノミックスに

日米の貿易摩擦を念頭に、相手国内の
不公正な貿易障壁を撤廃
(5)産業空洞化に対する
州政府の優遇政策
141
トピックス1:アメリカの産業政策の特徴
連邦レベルでは公共投資の増大による内需刺激策から、徐々に減税と研究開発支援の強
化を通じた国際競争力強化に推移していった
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出所)OECD Stat
142
トピックス2:レーガン政権下における減税とその効果
連邦レベルでは公共投資の増大による内需刺激策から、徐々に減税と研究開発支援の強
化を通じた国際競争力強化に推移していった
1981年から1989年までアメリカ政権を担ったロナルド・
レーガン大統領は、一般に「レーガノミックス」と呼ばれる
サプライサイドの経済学を基礎理論とする経済政策をと
ることになる。レーガノミックスでは基本的に「小さな政
府」と「通貨高」を目指す経済政策が展開され、その主軸
となる基本政策としては以下のものがあげられる。
対象
実施年度
名称
個人所得税の引き下げ
キャピタルゲイン課税の最高税率の引き下げ
1981~
1985
IRA(個人退職年金制度)の拡充
キーオ・プラン(自営業者退職基金制度)の拡充
贈与税の減税
相続税の減税
個人所得税構造に一般物価水準に合わせた物価スライドを導入
レーガノミックスの概要
個人
【方針】
 減税により、労働意欲の向上と貯蓄の増加を促し投資を
促進する
 福祉予算などの非軍事支出を削減し軍事支出を増加さ
せる
 規制緩和により投資を促進させる
 マネーサプライの伸びを抑制する金融政策によって通貨
高を誘導させる
等
総合課税の適応
個人所得税の課税階層の簡素化
人的控除・概算控除の引き上げ
1985~
1989
支払い利子・州地方所得税・州地方小売売上税などの諸控除を縮減
失業手当の課税減免措置の廃止
キャピタルゲイン課税の強化
個人退職年金勘定に対する優遇措置の縮減
600 万人の低所得者を課税対象から除外
減価償却引当金の増額
【具体的な施策例】
 キャピタルゲインに対する税率を給与所得に対するもの
と同等になるまで引き上げ、さらに全体として減税を行う
 構造物や機械等の資産の償却速度を向上
 課税控除を整理することによって税制を簡素、単純なも
のになるように改変
 投資と貯蓄、また、各種の投資相互間で税制が中立的
なものになるように改変
1981~
1985
投資税額控除の増額
加速度償却制度(ACRS)の導入
「セーフ・ハーバー」リース条項
研究開発支出の増分に対する税額控除
法人
法人税の課税階層の簡素化
1985~
1989
加速度償却制度(ACRS)の縮減
法人から法人への配当の益金不算入率の縮減
資産5億米ドル以下の小銀行以外の法人に対する貸倒引当金の廃止
キャピタルゲイン課税の強化
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出所)日本貿易振興会「ブッシュ政権の経済政策―レーガン政権との比較を中心として―」
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トピックス2:レーガン政権下における減税とその効果
レーガン政権下の減税は、経済成長と雇用の創出には貢献したが、財政赤字・貿易赤字の
拡大を招く結果となった。
レーガノミックスの具体的な内容は以下の通りである。
■キャピタルゲインに対する税率を給与所得に対するものと同等になるまで引き上げた上で、さらに全体として減税を行う
⇒4人家族、年収2万米ドルの家計では、1984年までに税負担が平均28.7%減少
■加速度償却制度の導入(構造物は10年、機械は5年、その他の小規模な設備は3年と、償却期間の規定は大幅に短縮)
⇒固定資産の平均税負担率は、機械、設備類が1981年以前の17.2%から11.4%に、構造物は40.8%から36.1%に減少
■研究開発に伴う税額控除の導入(研究開発支出額が過去3年間の平均を超えた場合には、支出額全額の25%に相当する
税額控除が与えられる、最高15年まで繰り延べが可能)
■所得税の減税(50%であった最高税率は28%とされ、税率は15%と28%の2段階に簡素化され、600万人の低所得者層は課税
対象から除外)
■法人税の減税(46%から34%に引き下げ) ※ただしこれと同時に投資税額控除と加速度償却制度は廃止
実質GNP成長率は1983年には3.6%に回復
失業率も1983年の9.6%から、1987年には6.1%まで低下
財政赤字と貿易赤字の急拡大
財政赤字: 789億米ドル(1981) ⇒ 2,078億米ドル(1983) ⇒2,212億米ドル(1986)
貿易赤字: 約300億米ドル(1982) ⇒ 1,224億米ドル(1984)⇒1,703億米ドル(1987)
出所)日本貿易振興会「ブッシュ政権の経済政策―レーガン政権との比較を中心として―」
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トピックス3:クリントン政権下における研究開発支援策とその効果
1980年代中盤以降、「競争力政策」として企業の技術革新を政府が支援する新しいタイ
プの産業政策の必要性が唱えられ、クリントン政権下で具体的に実施された。
1970年代の終わりごろから、多くの学者やメディアによる積極的な産業政策を要望する声が上がりはじめていた。単なる産業
政策でも減税政策でもない新たな考え方の産業政策として、「競争力政策」が1980年代中頃から広がりはじめた。
その発端となったのは、第2期レーガン政権が始まった1985年に大統領の諮問機関であった大統領産業競争力協議会が提出
した”Global Competition: The New Reality”であった。委員長のヒューレット・パッカード社の当時の社長であるヤング(J. Young)
の名前をとって、一般的に「ヤング・レポート」と言われている。
ヤングレポートの概要
技術開発:研究開発投資減税、大学への研究支援の強化・人材育成、基礎研究・製造技術研究
の面での企業助成、知的所有権の保護、偽造品・模倣品の政府間交渉による取締り
資本
:投資を促進させる環境づくり
人的資源:職業訓練・就職に対する支援、工学部の充実、初等・中等教育の充実
通商
:貿易規制の見直しとGATTに基づく貿易秩序の確立
クリントン政権下にとられた研究開発支援策
バイドール法
1980年~
連邦政府からうけとった研究資金で行われた研究成果の特許を、企業や非営利団体・
大学が保有することができる。また保有するライセンスを他の企業や非営利団体・大学
に貸し出すことができる
中小企業技術革新(SBIR)
1982年~
中小企業(従業員数500名未満)を対象に研究開発は3つのステップに分けて行い、各
ステップで研究開発期間と資金供給額を区別する。
先端技術プログラム(ATP)
1988年~
商務省が監督する審査を通過した企業を対象に、単独企業あるいはコンソーシアムが
行う研究開発費を支援する。
製造業支援プログラム(MEP)
1992年~
製造技術センター(MTC)を通じた中小企業の技術(特に生産技術)の実務者・専門家
によるコンサルティングを提供する。
出所)ケント・H・ヒューズ「アメリカ競争力戦略の革新」、宮田由紀夫「アメリカの産業政策」、吉川元忠「アメリカの産業政策」
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