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きらボ通信第8号

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きらボ通信第8号
き ら ボ 通 信
第8号(2012年 5 月)
明星大学ボランティアセンター(愛称:きらきらボランティアセンター)
特集:2011夏の学生ボランティア活動報告会
***************************************************************************************
新しい風と共に
黒岩 誠
(人文学部心理学科教授)
***************************************************************************************
新しい時代のにおいがします。
い大震災が起こりました。神様でも壊せないと思
私は争いごとが嫌いで、競うスポーツも好きで
って作った便利そうな毒の入れ物はいとも簡単
はありません。そんな私が、ハンカチ以外のポケ
に壊され、私たちは遺伝子を壊すだろう毒と未来
ットのものをすべて出して、弁護士の電話番号だ
永劫戦うことになりました。バベルの塔の建設は
けを脳みそにきざみ込んで、ヘルメットをかぶっ
諦めざるを得ません。考えてみれば、便利さは、
て、角棒を持って、切符を買わずに、みんなで地
まるでゲーム中毒のように一人ひとりを一人で
下鉄の改札を通り抜け、池袋の町へ行きました。
いることになれさせ、ふと気づいてみたら、手を
1970 年になろうとする時代でした。そうするこ
差し伸べられるところには誰もいなくなってし
とで、社会の進む方向を修正することができるか
まいました。たとえ暗闇の中にいたとしても、ち
もしれないと思っていました。たたかれても、踏
ょっと手を伸ばして探ってみれば、人の温もりの
みつけられても、怒りの感情は起こらないで、む
感じられる、そんな時代を作り出すチャンスがや
しろ、むなしい気持ちに支配されていたのを覚え
ってきたと思いませんか。私たち、これをご覧く
ています。その後、高度成長が行き着いて、バブ
ださる人々は、これから混沌の中を、試行錯誤を
ルがはじけましたね。
繰り返し、一番いいものを選び出して新しい時代
あのころの激しさは感じないのですが、あのこ
の礎を築くフロンティアにならざるを得ないの
ろと同じような何かがきしむようなにおいを感
でしょう。きらボに集う人たちが世の中を動かし
じています。神様の意思といってもいいし、自然
ていく中核になるのだと確信しています。
の脅威といってもいいのですが、どうにもならな
1
特集
2011 夏の学生ボランティア活動報告会
―実施報告―
①日時:平成 23 年 10 月 4 日(火) 18:10~19:30 交流会 19:45~20:30
②会場:28 号館 1 階プレゼンテーション室(100-3)
交流会:大学会館ボランティアセンター室
③コメンテーター:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 神埼愛子氏
④報告団体:東日本大震災ボランティア活動、へき地教育研究会、どろんこの会、
クローバー、MCAT、ひまわり、BUKAS
④参加者:85名 (交流会約50 名)
学内参加者 78 名/学生 67 名、教員3名、職員8名)
学外参加者7名/実践女子大学ボランティア同好会5名、日野市社会福祉協議会 他
昨年に引き続き「夏の学生ボランティア活動報告会」を開催しました。今年は、助言者として公益社団法
人シャンティ国際ボランティア会から神埼愛子国内事業課長にお越しいただき、学内の福祉、教育、環境な
どさまざまな分野の6つのボランティア団体と、東日本大震災ボランティア活動を行った方々が、「学生ボ
ランティア活動のめざすものと課題」をテーマに、思い出深い夏の活動報告をしました。学内外85名の参
加者で、プレゼンテーション室がいっぱいになりました。終了後、きらボでの交流会も盛り上がり、昨年以
上の楽しさでした。
参加していただいた皆さん、
募金活動について紹介した
ありがとうございました!
泉田正悟さん
MCAT の榊原里奈さん
たくさんの方が報告を聞きに
いらしてくださいました。
2
【総
評】
神﨑 愛子(公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
国内事業課長)
皆さん始めまして。シャンティ国際ボランティア
会の神﨑と申します。皆さん報告お疲れ様でした。
・BUKAS
報告を聞かせていただきながら、大学 1 年生は初々
映像を使っての報告はビュジュアル的に伝わりや
しく、4 年生はしっかりとしていて、4 年間でこんな
すく良かったと思いました。
に変化があるものかと感じました。皆さんの報告へ
の一言コメントをさせていただきます。
・東日本大震災ボランティア活動報告
① 募金活動
近隣での募金活動はなんだか恥ずかしい思いをし
たかもしれませんが、決められた日時で行うこと
を、地域の方に知っていただける取り組みは良い
私が所属しているシャンティ国際ボランティア会
と思いました。
はアジアの子どもたちのために教育・文化支援をし
ている国際 NGO です。海外でボランィア活動に参
・②被災地(石巻市)での活動
地元に戻って仕事をされるとお聞きしましたので、 加したのは、大学の先輩に「1 ヵ月 10 万円でフィリ
心強いと思いました。
ピンへ行かない?」と誘われて連れて行ってもらっ
・へき地教育研究会
たフィリピンワークキャンプでした。その経験をき
子どもたちの様子が伝わり、その後も交流がつな
っかけでアジアに興味を持ち、現在の仕事につなが
がっているのが良いと思いました。
っています。ボランティアを通じて多くの方との出
・初等教育研究会どろんこの会
逢いがありました。
つながりがある団体が 12 団体。それにつながる人
大学生の皆さんは様々な活動に取り組まれていま
たちの輪は大きく、大勢の方々と活動をされてい
すが、皆さんの強みは若さ、柔軟な心と体だと思い
て良いと思いました。
ます。その反面弱みとして挙げられるのは、取り組
・クローバー
みに対する評価、洞察力だと思います。これらは社
イベントに出展したり、環境に関わる団体が少な
会経験を身につけていかれるのではないでしょうか。
いとのことで、その分野に取り組んでいるのは良
世の中には「手助けを求めている人」と「手助けを
いと思いました。
したい人」がいます。私たち NGO はその間に立っ
・MCAT
てつなぐ役割をしていますが、みなさんは手助けを
活動ができなかった時期の気持ちが良く伝わって
する側にも、その間になってつなぐ役割にもなれる
きました。助成金によって活動を進めておられ、
と思います。今日は、それぞれの思いがある活動を
地域密着の活動でよいと思いました。
他の人に伝えるというプレゼンの機会は、良い経験
・ひまわり
になったのではないでしょうか。今後も活動を通じ
活動のプログラムを変えていること、得技習得と
て多くの人との出逢いを大切にしてください。
いう取り組みは面白いと思いました。
これからの皆さんの活躍に期待しています。お招
きありがとうございました。
3
(1)東日本大震災ボランティア活動報告
≪募金活動・災害ボランティア体験≫
泉田
正悟(日本文化学科 1年)
坂本
翔吾(日本文化学科 1年)
1.
「東日本大震災被災者支援募金活動」
実 施 日
4月~9月、毎月11日に実施、来年3月まで実施の予定
時
間
10:00~12:00
場
所
京王線高幡不動駅構内
募金方法
日野市社会福祉協議会を通して募金の許可申請をし、当日は明星大学の
腕章や統一ユニフォームを身につけ、指定された募金箱にて活動
参加学生
MCAT、めばえの会、野球部、一般学生有志
常時15名程度で活動
募金総額
493,084円(9/11 現在)
募金の流れ
募金活動終了後募金箱封印 → 大学にて職員立会いの下金額確認 → 日野市社会福祉協
議会へ入金(持参)→ 領収書受理 → 日野市社会福祉協議会から中央共同募金会 →
被災地 → 被災者
2.いわき明星大学との合同「災害ボランティア体験」
実 施 日
8月26日(金)
、27日(土)
行
先
福島県いわき市
参加学生
学生 13 名、教職員 8 名
内
容
被災地視察(久ノ浜、湯の岳断層)
森の自然とのふれあい体験
草刈り等
≪被災地での活動≫
佐々木
涼(経営学科 4年)
1:はじめに
生まれ故郷である宮城県石巻市へゴールデンウィークの期間中にボランティア活動をしに行ってきました。
と同時に、家族が避難していた石巻市立石巻中学校に支援物資を寄付させていただきました。その費用は、震
災翌日に友人から個人的に寄付していただいた義援金を使わせていただきました。
2:ボランティア活動の概要
活動期間:平成23年4月26日(火)~5月8日(日)
活動場所:石巻市立石巻中学校(石巻市泉町4丁目7番15号)および石巻市内・本吉郡南三陸町内
活動内容:(避難所内)避難所内雑務、交通誘導、炊き出しの運営等
(避難所外)がれき撤去、掃除等
支援物資:単1乾電池100本、単4乾電池100本、ゴミ袋等日用品
3:その後(夏休み)
夏休みに海岸沿いにあるお墓に行ってきました。がれきはきれいに撤去してありましたが、倒れている墓石
がたくさんありました。
4:協力団体
NPO石巻復興サポートセンター http://ameblo.jp/isc311/
石巻市役所 http://city.ishinomaki.lg.jp/
5月
4
10 月
(2)へき地教育研究会
藤井
理(心理・教育学科教育学専修
山城
悠也(教育学科 1年)
3年)
わたしたちへき地教育研究会は、夏休みに新
わたしたち学生は基本的にクラスに一人入
潟県の栃窪小学校、群馬県の倉渕子ども園、滋
り、子どもと一緒に勉強していました。授業を
賀県の杉野小中学校、和歌山県の河根小学校・
見学するだけでなく、時には授業に参加したり、
幼稚園の4つの学校と2つの園に各グループ
子ども達に教えたり、また模擬授業をやらせて
に分かれて1週間活動してきました。
いただいたりと貴重な体験をすることができ
各学校では、普段の授業に子どもと一緒に参
ました。休み時間や給食の時間も子ども達と一
加したり、学生自ら企画した体験活動や模擬授
緒に活動し、下校も一緒に行いました。
業もやらせていただきとても有意義な1週間
合宿最終日は杉野小中学校の運動会だった
を過ごすことができました。この中で滋賀県の
ので学生も参加してきました。準備や片付け、
杉野小中学校での活動の様子を紹介したいと
運動会の補佐などを手伝っただけでなく、綱引
思います。
きやリレーにも参加させていただきました。
滋賀県の木之本という場所にある杉野小中
1週間杉野小中学校で活動していった中で、
学校は小学校と中学校の併設校でした。1日目
へき地特有の教育方法や学校経営、地域とのか
は学生も子ども達と初対面でお互い緊張して
かわりを見ることができました。また、模擬授
いたので、緊張をほぐすため「対面式」という
業など貴重な経験をさせていただき、そして何
ものを行いました。対面式では自己紹介を兼ね
より杉野小中学校の職員の方々や子ども達と
たゲームを子ども達と一緒に行いました。この
一緒に過ごした1週間はとても有意義な1週
ゲームで学生と子ども達との距離は一気に縮
間となりました。この1週間で素敵な夏の思い
まりました。
出を作ることができました。
5
(3)クローバー
佐藤
秀樹(環境システム学科
3 年)
1)東光寺緑地における雑木林保全活動
部員全員で、今夏も日野市東光寺緑地で竹の伐
採や下草刈りを行い環境省の絶滅危惧Ⅱ類のバ
アソブの保全などの活動を行ないました。
7)ヒートアイランド学会で発表
副部長の洲崎君が筑波大学で開催されたヒー
トアイランド学会でクローバーの活動報告を行
ないました。
2)野川流域保全活動
東京都環境局からの依頼により、勝矢君が野川
流域保全活動に参加しました。
部員からの意見
夏の草刈りは暑くてすごく大変だったけどす
ごく運動になったし目に見えて草刈りの成果が
わかるのでよかったです。
(環境 1 年・高木)
子供たちと関わりが持てるようなボランティア
は、より楽しさが増しているように思いました。
(環境 2 年・窪田)
他大学の方や色々な方と繋がりができ、色々な
職種の方から意見を聞けた事は、本当に良い経験
になりました。
(環境 2 年・洲崎)
久しぶりに小学生の無垢さにふれられ、楽しく
過ごせた時間でした。たった1日でしたが、翌日
の解散時に数人の子が駆け寄って来てくれたこ
とがとても嬉しかったです。自然環境に関した講
座を、毎回違う専門家や他大学の教授に受けられ
ることはとても貴重な経験だと思います。フィー
ルドワークもあるので、季節ごとに変わった環境
での講義はとても楽しいです。
(環境 2 年・三根)
3)あきる野市屋城小学校でのサマーキャンプボ
ランティア活動
あきる野市青少健屋城地区主催のサマーキャ
ンプで小学生と一緒に野外活動を行ないました。
4)あきる野市でのサツマイモ植え
部員全員で、あきる野市の耕作放棄地にサツマ
イモを植えて育て、収穫したイモを星友祭で販売
予定。
5)日野市雑木林ボランティア講座受講
日野市役所主催の、雑木林ボランティア養成講
座にクローバーの 2 年生全員で参加し、雑木林保
全ボランティア(日野市)の資格取得を目指して
います。夏休みには、日野市内の緑地の見学会や
日野市環境情報センター、明治大学の先生、昆虫
学者などの講演会を聴講しました。
今後の活動予定としては、月 1 回東光寺緑地で
活動したり、12 月 15 日~17 日には東京ビックサ
イトで開催する日本最大の環境イベント「エコプ
ロダクツ展」に出展したりして活動報告を行いま
す。
6)日野市学生フォーラムで発表
都市農業研究会主催の日野学生フォーラムで、
緑地や農地について他大学との意見交換とワー
クショップを行い、交流しました。
東京都公園協会賞奨励賞(ボランティア活動部門)受賞!
日野市雑木林ボランティア講座受講(日野市南平丘陵公園にて)
6
(4)ひまわり
永野
ひまわりは 2008 年に発足したサークルです。
有華(教育学科
2年)
それについての対応策も考えてから活動に臨み
大学のすぐ近くにある七生福祉園というところ
ます。活動後には、活動中に気付いた子どもの気
を拠点とし、その中でも自閉症やダウン症などの
になる部分や改善した方が良い点を話し合う反
知的障がいのある 3 歳~小4の子どもが入園して
省会を行い、職員さんにもアドバイスをいただき
いる低年一寮で月に2回活動しています。
ながら今後の活動につなげています。
活動では、前半に外遊びをし、後半に中遊びを
また今年から、高校受験を控えた七生福祉園の
します。外遊びでは、園庭で子どもたちと自由に
子の学習支援も行っています。内容は主に国語、
遊びます。中遊びでは、絵本の読み聞かせ、工作、
算数、面接、作文の指導です。メンバーでローテ
手遊び歌や体操など、学生が計画した遊びを毎回
ーションを組み、工夫を凝らしながら指導してい
行っています。活動の前には放課後ミーティング
ます。今後は受験にかかわらず、日常で使える勉
を行い、遊びの内容を決めます。安全面に考慮し
強を子どもたちに教えていく予定です。
て、子どもたちがはさみ、液体のり、マジックな
これからもひまわりは、子どもたち一人ひとり
どの危険と思われる道具は使わずに楽しめるよ
を理解することを大切にし、子どもも学生もみん
うな遊びや工作を計画し、準備をしています。ま
なが笑顔になれる楽しい活動をしていきたいと
た、事前に子どもの予想される行動を話し合い、
思います。
7
(5)MCAT
榊原
里奈(人間社会学科
3年)
防犯ボランティア隊MCATはMCAT
防犯活動というとパトロール活動のようなイ
(Meisei Community action team)という名前が
メージが先行しがちですが、切り口やアプローチ
指す通り、地域のために活動する防犯を主とした
の仕方は多種多様にあり、MCATでは地域で行
ボランティア団体です。
われる市民の集いのお手伝いや防犯啓蒙寸劇な
2010 年 6 月 30 日に発足し、日野警察生活安全
ど、少し変わった活動も行っています。
課 と日 野市防 犯安 全課の ご指 導のも とに 毎週
また、MCATは警視庁主催のピーポーズとい
火・水・木曜日や授業の空き時間に活動していま
う防犯団体にも参加しています。
す。主な活動としては大学周辺の住宅街のパトロ
防犯ボランティアという分野における若い世
ール及び環境美化活動、大学近隣にある夢ヶ丘小
代の活動人口は極めて少なく、全国的にその必要
学校の下校サポート、その他駅前などで行う防犯
性が叫ばれています。MCATはそんな防犯ボラ
啓蒙運動(振り込め詐欺防止呼び掛け運動や飲酒
ンティアという分野において、若い世代の先駆け
運転撲滅キャンペーンなど)や募金活動等を行っ
のような存在になれたらと思っています。
ています。
学校周辺の住宅街見回り
日野市市民のつどいでの防犯寸劇
一人暮らしの老人宅訪問
夢ヶ丘小学校の下校サポート
(振り込め詐欺防止呼びかけ)
8
(6)BUKAS カンボジアボランティアスタディーツアー
伊藤 有紀(教育学科 1年)
栄森 めぐみ(教育学科 1年)
私たち BUKAS は夏休みにボランティア・スタデ
みなさんにとって、大切なものは何ですか?き
ィツアーでカンボジアに行ってきました。東南ア
っと、カンボジアの子どもたちにとっては、持っ
ジアの中でも最貧国と呼ばれ、悲しい歴史を持つ
ているもの、見るもの、感じるもの全てが、大切
カンボジアの現実を、実際に自分たちの目で見た
なものなのではないでしょうか。
い。そして、カンボジアの子どもたちと純粋に関
ほとんどの子どもが 20 歳くらいまで学校に行
わりたい!そういう思いで行ってきました。
ける日本のような国は、本当に恵まれたごく一部
私たちはやまなみフリースクールで子どもた
の国にすぎません。もちろん、親を選べないよう
ちと触れ合い、NPO 法人かものはしファクトリー
に、どの時代の、どの国の子どもに生まれるのか
を見学し、PSE のスポーツ大会に参加しました。
も選べません。この選べない「偶然」にどれだけ
一日目、子どもたちと仲良くなりたくて声をかけ
の責任を感じるか。恵まれた環境にある人ほど、
たいのに、最初の一言が出できませんでした。子
そういう自覚が必要だとこの旅を通して強く感
どもたちの名前を聞くこともできず、言葉の壁を
じました。
痛切に感じました。できることは笑顔で見つめ合
学生の私たちにいったい何ができるのか。でき
うことだけでしたが、次第に心が通い合い身を以
ることは、小さなことかもしれないけど、今回の
て笑顔の力を実感しました。また、カンボジアの
活動で一歩を踏み出す大切さを知りました。日本
辛く、悲しい現実も見てきました。ポル・ポト政
で生活していると当たり前のように感じること
権時代に起きた大量虐殺の歴史や、人々の貧困・
が、カンボジアでは違いました。少し日本を離れ
格差。カンボジアの現実を目の当たりにし、考え
ただけなのに、すぐ側にある普通が本当に貴重に
させられたことがたくさんありました。人間のあ
思えました。恵まれた環境にいる私たちだからこ
たたかさや、素晴らしさを心の底から感じると同
そ、目の前にある普通に感謝し、日々の生活を精
時に、人間の愚かさも感じました。いったい、私
一杯送っていきたいと思います。
たちにとって本当の幸せとはなんなのか、大切な
ものとはなんなのか、改めて考えさせられました。
9
学生ボランティア活動に期待するもの
川原
万人(情報学部情報学科講師)
昨年3月 11 日の東日本大震災直後には、被災
めに集まった人々が、自律的に連携して動くなか
した自治体の受け入れ準備ができていないとか、
から生まれてくるのがボランティア団体である
経験のある NGO や NPO が現地で活動の基盤を
はずです。
作らなければ現地が混乱するとかの理由で、ボラ
このことを踏まえて、ボランティア活動に興味
ンティア活動の自粛を命令するかのような報道
関心のある学生の皆さんには、次の五つのものを
が随分ありました。はたしてボランティア活動と
持って欲しいと思います。まずは、人を思いやる
は、自治体を含めたどこかの誰かが音頭を取って
「心」です。つぎは、本当に困っているのは誰か
いる活動に参加することなのでしょうか?ある
を見極める「目」です。三つめは、その人たちに
いは、実績のある NGO や NPO のもとで無償の
対してどう行動すべきかを論理的に考え判断す
労働を提供するものなのでしょうか?
るための「頭」です。四つめは、実際に行動する
確かに、津波とその後の火災で多数の犠牲者の
ための丈夫な「体」です。そして最後は、周囲と
あった、甚大な被害を受けた地域では、自衛隊や
連携するための筋の通った言葉を発する「口」で
消防隊のような高度に訓練を受けたプロ集団し
す。
か活動ができないことは明白です。しかし、その
この五つのものを持つ学生によるボランティ
ほかの地域まで一律に「自粛せよ(この言葉は日
ア活動は、例えばすぐに自粛の嵐が起こる今の日
本語として矛盾していますが)」というのは間違
本では、恐らく非常に大胆な行動とみなされるこ
っていると言わざるを得ません。
とになるでしょう。しかし、この大胆さこそ、地
東日本大震災のような天災のみならず、犯罪や
に足のついたボランティア活動の証であると信
事故による怪我人の救助といった突発的なこと
じます。つまり、私が学生ボランティア活動に期
から、さまざまな障碍者の支援のような継続的で
待するものとは、理のある大胆さです。
長期に渡ることまで、ボランティア活動はその行
と書きながら、私にもこれはなかなか実践でき
動を起こす人の善意と知力と行動力により、自力
ないな、とも思ってもいます。
では解決できない困難に直面した人の明日への
希望を支えるものであるべきです。その目的のた
10
ボランティア活動表彰など
今年、きらきらボランティアセンターや、ボランティアセンター所属のサークルが外部で賞を受賞しま
した。日頃の学生達の活動が外部でも高く評価されています。
ボランティアサークル「ひまわり」ナジック賞受賞
「ひまわり」は七生福祉園の低年1寮の子ども達と学生が考えた遊びで遊んだり、高校受験をひかえた
子どもたちへの学習支援を行ったりしています。活動先から厚い信頼を得ていることや、メンバーがひま
わりの活動以外にも学内・学外問わず精力的にボランティア活動を行っていることからこの度の受賞に至
りました。
ナジック賞とは
ナジック賞とは平成15年度に開設された財団法人学生サポートセンターが主催する助成制度です。
大学生の社会参加の第一歩となり、社会をより良くしていこうとするリーダーシップの芽生えとなる学生
ボランティア活動を支援しています。
ボランティアサークル「Rainbow sign」
ソニーマーケティング学生ボランティアファンド入選
「Rainbow sign」は学内では唯一の手話サークルで、手話を練習し、立川聾学校の子ども達とドッジボー
ルをするなどして交流を深めています。
ソニーマーケティング学生ボランティアファンドとは
ソニーマーケティング株式会社が主催する制度で平成13年に設立されました。大学生の社会貢献活
動を支援し、社会をより良くしていこうとするリーダーシップの芽生えとなる学生ボランティア活動を支
援しています。過去には「ひまわり」
、「あすなろの会」も入選しました。
明星大学きらきらボランティアセンター
日野市社会福祉協議会により表彰
ボランティアセンターでは日野市社会福祉協議会が行う「3.11を忘れない義援金活動」に協力し、
1年間毎月 11 日に高幡不動駅前にて被災地支援の募金活動を実施してきました。そのことが高く評価され、
2 月に行われた「福祉のつどい」にて表彰状をいただくことができました。
11
*****************************************************************************************
☆センター活動報告☆
ここでは 2011 年 10 月以降の本センターの主な活動と、学生教育ボランティア参加者数、ボランティア
センター団体登録の状況について報告します。
2011 年 10 月から
月
10
日
4
行事等
2011 夏のボランティア活動報告会 ( 27-100-3 )及び交流会(きらボ)
参加者:報告会 85 名、交流会 50 名
日野市福祉協議会へエコキャップ 23Kg
訪問:日野警察生活安全課
10
6
10
10
「防犯市民のつどい」参加
10
11
募金活動 高幡不動駅改札前
10
12
夢が丘小学校声かけ/読売新聞社取材
10
13
日野市福祉協議会へエコキャップ 10Kg
10
14
来室:日野市障害者施設交流会部会
10
18
10
19
10
20
28
10
~
30
第 5 回手話講習会(参加者 15 名)
七生公会堂
第 6 回学生ボランティアグループ会議
来室:日野市社会福祉協議会
MCAT/読売新聞社取材
日野市福祉協議会へエコキャップ 23Kg
第 6 回手話講習会(参加者 7 名)
星友祭参加 出店「きらボのお店」
(日野わーく・わーく、日野療護園、日野市環境保全課と協力)
10
31
来室:日野市環境保全課。
11
2
来室:13:00~日野市観光協会 2 名
11
8
第 7 回学生ボランティアグループ会議
11
11
訪問:日野市安全協会
11
14
ネットワーク多摩 平成 23 年度学生教育ボランティア担当会議
11
17
第 7 回手話講習会(参加者 7 名)
11
22
第 8 回学生ボランティアグループ会議
12
1
第 8 回手話講習会(参加者 5 名)
12
7
第4回ボランティアセンター運営委員会
12
15
第 9 回手話講習会(参加者 13 名)
12
21
日野市福祉協議会へエコキャップ 9.2Kg
12
22
来室:日野警察署 生活安全課
12
1
12
訪問:マザアス
1
19
第 10 回手話講習会(参加者 7 名)
1
20
第 9 回学生ボランティアグループ会議
1
27
感謝のつどい(参加者 80 名)
2
2
第 11 回手話講習会(参加者 7 名)
2
16
第 12 回手話講習会(参加者 7 名)
2
22
来室:日野市社会福祉協議会
2
24
第 5 回ボランティアセンター運営委員会
2
29
来室:警視庁本部、日野警察生活安全課
3
6
来室:日野警察
7
いわき明星大学との合同ボランティア活動(いわき)参加者 33 名
3
~
活動先/福島県立朗学校平分校、交流スペース「ぶらっと」(シャプラニール)
、
8
いわき市フラワーセンター
3
9
来室:日野警察生活安全課
3
14
第 13 回手話講習会(参加者 7 名)
3
22
来室:日野市環境保全課
3
26
ノートテイク講習会(参加者 10 名)
3
28
第 14 回手話講習会(参加者 7 名)
2011 年度学生教育ボランティア参加者数
2011 年度
55 名
明星大学は、ネットワーク多摩に加盟している36大学中、参加者
数が1位です。
注:「学生教育ボランティア」; 社団法人 学術・文化・産業ネットワーク多摩が主催している。ネット
ワーク多摩に加盟している多摩地域の 36 大学が、加盟行政の小・中学校の教育現場で「お兄さん・
お姉さん」先生として授業のサポートやクラブ部活の補助などをしてくれる大学生のことです。
◆ボランティアセンター登録団体(2012 年 5 月末現在)
①教育研究部
②ボランティアサークル「めばえの会」
③初等教育研究会 どろんこの会
⑤Idear 研究会
学内
19 団体
④ボランティアサークル「SMILY」
⑥朝日キャンプ
⑨児童文化研究会「人形劇団まめ」
⑫防犯ボランティア隊 MCAT
⑦ひまわり
⑩BUKAS
⑬「Rainbow sign」
⑧へき地教育研究会
⑪Star☆shops
⑭Meisei Clean Project
⑮緑地環境保全ボランティアサークル「クローバー」
⑯NPO 法人フレンドシップキャンプ
⑲N.G.I(ネットワーク多摩学生委員会)
13
⑰Merci
⑱大道芸団マアム
1:障害児放課後活動クラブオンリーワン(府中市八幡町) 2:NPO 法人 Filo(多摩市落合)
3:NPO 法人 Hope Scoop Asia(福生市本町)
4:「めばえ」の会(青梅市新町)
5:コシ
ヒカリの郷南魚沼市自然体験村実行委員会(新潟県魚沼市六日町) 6:日の出町ボランティ
アセンター(西多摩郡日の出町) 7:NPO 法人日本子守唄協会
平)
8:社会福祉法人武蔵野会
すぎな愛育園(八王子市台町) 9:ひの市民活動団体連絡
会[ひの市民活動支援センター](日野市日野)
野市旭が丘)
よし会
東京多摩支部(福生市加美
10:日野市立つばさ[自立訓練・就労](日
11:日野市立やまばと[地域活動支援](日野市旭が丘)
なかよしクラブ(三鷹市牟礼)
12:NPO 法人なか
13:あさやけ作業所(小平市小川)
14:NPO 法
人全国移動サービスネットワーク(世田谷区船橋) 15:ひの炭やきクラブ(町田市小山町)
16:水と緑の日野・市民ネットワーク[みみネット](日野市日野本町)
れんげ学園(東大和市芋窪)
会福祉法人
18:都立多摩桜ヶ丘学園
東京光の家(日野市旭が丘)
(日野市旭が丘)
21:東京都
ー(日野市日野本町)
日野療護園(日野市落川)
学外
86 団体
22:日野市
環境情報センタ
25:日野市国際交流協会(日野市本町)
28:あ
市民活動推進係(あきる野市平沢) 29:VFM 東京(青梅市)30:
32:あきる野青年会議所(あきる野市秋川)
川区西五反田)
夢ふうせん 工房夢ふうせん
27:立川市青春学級(立川市柴崎町)
いきいきふれあいフェスティバル実行委員会(青梅市今寺)
市中澤)
19:社
23:東京 YWCA 国領センター(調布市国領町)
ふみ月の会(調布市布田)
きる野市社会福祉協議会
島田分教室(多摩市中沢)
20:社会福祉法人
24:社会福祉法人共働学舎(町田市小野路町)
26:NPO 法人
17:児童養護施設
31:島田療育センター(多摩
33:日本児童野外活動研究所(品
34:日野・発達障害を考える会「スキッパー」(日野市多摩平)
定非営利活動法人
社会福祉法人
35:特
療育ネットワーク川崎(川崎市多摩区)6:CoCoA(豊島区東池袋) 37:
コロロ学舎(西多摩郡瑞穂町)
38:社会福祉法人
至誠学舎立川
至誠ホ
ーム(立川市錦町) 39:ボランティアグループこすもす(日野市多摩平) 40:NPO「おた
すけ個別補習塾」
(日野市三沢) 41:地域デイサービス
日野市障害児童クラブ(日野市平山)
人
グループゆう(東大和市中央)
市青少年委員の会(日野市神明)
テイクオフ(立川市高松町) 42:
43:野楽(tama Rock)(府中市是政)
45:財団法人日本野鳥の会(日野市南平)
46:日野
47:NPO 地球緑化センター(中央区八重洲)
48:ペッ
トを災害から守る市民の会(立川市高松町) 49:社会福祉法人 山の子会
の出町大久野)
市谷保)
50:すみれいきいきケアサポート(八王子台町)
山の子の家(日
51:滝乃川学園(国立
52:財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(新
宿区西新宿)
53:スープの会(新宿区赤城下町)
郷(あきる野市雨間)
野)
44:NPO 法
55:特定非営利活動法人
54:特別養護老人ホーム
こもれびの
56:知的障害児者デイサービスグループ
オックスファム・ジャパン(台東区東上
ばんびの会(西東京市田無町)
57:みん
なの森準備会(西多摩郡日の出町)58:任意団体日本障害者モータースポーツ協会(青梅市
二俣尾)
59:医療法人社団東京愛成会
ンティアの会(日野市旭が丘)
うだいの会(横浜市南区)
高月病院(八王子市宮下町)
60:緑地管理ボラ
61:サポートチーム「むく」(多摩市山王下)
63:社会福祉法人
町)64:湘南自然学校(茅ヶ崎市ひばりが丘)
正夢の会
62:きょ
昭島生活実習所(昭島市松原
65:特定非営利活動法人 ECOPLUS(千代田
区鍛冶町) 66:東京ローターアクトクラブ(日野市程久保) 67: NPO 法人
ここかまど
(八王子市上野町)68:東京ヴェルディボランティア(稲城市矢野口) 69:NPO法人
14
野外
遊び喜び総合研究所(あばれんぼキャンプ)(府中市晴見町) 70:知的障害者厚生施設(通
所)すずかけの家(日野市南平) 71:ちーむ夢人間
72:NPO 法人
ACTION(武蔵野市境南町)
プ(中央区築地)
74:公益社団法人
にこにこキッズルーム(調布市小島町)
73:特定非営利活動法人
シャンティ国際ボランティア会(新宿区大京町)
75:NPO.JRC ちびっこ龍馬元気の会(高知県高知市帯屋町)
館(八王子市南町)
施設
77:社会福祉法人
日の出福祉園(あきるの市秋川)
85:虹のセンター25 (昭島市朝日町)
◆明星大学ボランティアセンター運営委員会の構成
役
職
氏
東京援護協会
78:介護老人保健
サルビア荘(町田市
花岡児童総合研究所(三鷹市上連雀) 81:日野市立
くちょう(日野市日野台) 82:日野市
愛会
76:NPO 法人 CES 八王子生活
多摩養育園(八王子市八木町)
クローバー(日野市東平山) 79:社会福祉法人
図師町) 80:特定非営利活動法人
フレンドシップキャン
少年学級(日野市程久保) 83:社会福祉法人
86:特定非営利活動法人ナイス(新宿区新宿)
(2012 年 5 月末現在)
名
所
属
渡戸 一郎
人文学部 人間社会学科 教授
副センター長
吉澤 秀二
理工学部 総合理工学科
環境・生態学系 教授
黒岩 誠
人文学部 心理学科 教授
加藤 めぐみ
人文学部 福祉実践学科 教授
星山 麻木
教育学部 教育学科 教授
菱山 覚一郎
教育学部 教育学科 教授
安田 満
経済学部 経済学科 講師
川原 万人
情報学部 情報学科 講師
榊原 八郎
造形芸術学部 造形芸術学科 教授
名取 淳
ボランティアセンター担当事務局次長
村山 光子
学生サポートセンター長
吉川 和博
青梅事務室 課長
事務局長
赤山 徹
専任職員
吉田 雅行
日野校 ボランティアセンター主幹
畑野 理美
日野校 ボランティアセンター主任
石田 健太郎
教育学部 教育学科 助教
川端 伸哉
日野校 ボランティアセンター
河原 孝明
青梅事務室
オブザーバー
15
同
84:国際ボランティア学生協会(世田谷区宮坂)
センター長
センター長が必要と認める者
は
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 編集後記 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
きらボは 5 月で開設 5 年目になりました。登
勤労生としてきらボで働いて、今年で2年目
録団体数は学内 19 団体、学外 86 団体。活動も
になりました。この2年だけ見てみても多くの
多岐にわたり、様々な分野で学生さんたちは活
ボランティアサークルが増え、ボランティアを
動し活躍してくれています。東日本大震災以降、
企画するなど自らアクションを起こしている学
いわき明星大学ボランティアセンターとの合同
生が増えました。被災地支援の活動も絶えるこ
ボランティア活動も加わり、さらに色々な方と
となく今でも活発に行われています。こうした
関わりが持てるようになりました。自分で工夫
動きは、きらボで働く者として非常に嬉しく思
すれば自由な時間が作れる大学生時代、今こそ、
います。また、一学生としても皆さんの活動に
柔らかな感性と自由な発想で自分を磨いてくだ
日々刺激を受けています。
(竹内夏菜)
さい。(畑野理美)
きらボ通信/第8号
2012 年 5 月 28 日発行
明星大学ボランティアセンター
日野校
〒191-8506 東京都日野市程久保 2-1-1
明星大学日野校
Tel:042-591-6231(直通)Fax:042-591-6261
22 号館 203(大学会館2階)
E-mail: [email protected]
青梅校
〒198-8655 東京都青梅市長淵 2-590 明星大学青梅校
Tel:0428-25-5178(直通)Fax:0428-25-5181
青梅事務室1階
E-mail: [email protected]
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