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もくじ - JESDA
中学入試必勝シリーズ 5年 理科 上 もくじ 第1課 季節と生物………………………………………… 2 第2課 空気や水の温度変化……………………………… 11 第3課 気象の観測………………………………………… 20 第4課 天気の変化………………………………………… 29 第5課 季節と星座………………………………………… 39 第6課 月の満ち欠け……………………………………… 50 第7課 物のあたたまり方………………………………… 59 第8課 てんびんとばね…………………………………… 69 第9課 音と光 ①………………………………………… 77 第10課 音と光 ②………………………………………… 86 第11課 物のとけ方………………………………………… 95 第12課 植物の成長…………………………………………103 第13課 植物のつくりとはたらき①………………………113 第14課 植物のつくりとはたらき②………………………123 第15課 植物のつくりとはたらき③………………………134 第1課 季節と生物 《学習のポイントとまとめ》 1 タンポポの成長 *日本種のカントウタンポポ・カンサイタンポポ・シロバナタンポポと,帰化植物のセイヨウタ はんしょく ンポポなどがあり,セイヨウタンポポは繁 殖 力が強い。 *花は,たくさんの小花(小さい花)が集まった集合花になっている。 *日本種のタンポポとセイヨウタンポポとの見分け方(図1) 日本種のタンポポ……総ほうが立っている。 日本種のタンポポ セイヨウタンポポ セイヨウタンポポ……総ほうが反り返っている。 ※シロバナタンポポの総ほうは反り返っているが, 花の色で見分けることができる。 総ほう 2 図1 生物の冬ごし ① 総ほう 植物の冬ごし *一年草の植物は種子の状態で冬ごしをし,二年草・多年草の くき 植物は地下の茎・根またはロゼットの葉(図2)で冬ごしを する。 *サクラなどの落葉樹は冬芽(図3)をつける。 ② 図2 こん虫の冬ごし *主なこん虫の冬ごしのすがた 成虫………キチョウ・ナナホシテントウなど さなぎ……モンシロチョウ・アゲハなど よう虫……カブトムシ・オオムラサキ・ギンヤンマなど たまご……カマキリ・バッタ・コオロギなど ③ 図3 動物の冬ごし とうみん *冬眠する動物……クマ,コウモリ,ヤマネ,カエルなど わた *渡り鳥の冬ごし 夏鳥……秋に南の国に渡っていく→ツバメなど 冬鳥……秋に北の国から渡ってきて日本で冬を過ごす→ハクチョウ・マガモなど 3 四季の植物 *春の七草……セリ・ナズナ・ゴギョウ(ハハコグサ)・ハコベラ(ハコベ) ・ホトケノザ(コ オニタビラコ)・スズナ(カブ) ・スズシロ(ダイコン) *秋の七草……ハギ・ススキ・クズ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウ・ナデシコ - 2 - 第1課 季節と生物 1 タンポポの成長 タンポポの花は,春の晴れた日に開き,夕方になると閉じます。雨やくもりの日は閉じたままで, 光が当たると開き,暗いと閉じる性質を持っています。 ① 頭花 花のつくり 図4のように,一つの花に見えるタンポポの花は, 花茎 100~200 の小花(小さい花) (図5)がたくさん集ま せんたん った集合花で,茎の先端につくので頭花(頭状花) といいます。 一つの小花の花びらは1枚に見えますが,5枚の花 図4 びらがくっついた合弁花になっています。また,先が 2つに分かれた1本のめしべ,5本のおしべ,多数の かん毛(がく) ,1個の子ぼうからできています。 かん毛は種子を飛ばすときの綿毛になります。 ② めしべ 花びら おしべ 受粉のし方 かん毛 さ タンポポは花が咲き終わると,一度茎をかたむけて 子ぼう 図5 (図6),風の当たりにくい低い場所で,種を作り始 せいじゅく めます。そして,種が成 熟 してくると,今度は茎を どんどん伸ばして(図7),種をできるだけ高い場所 に持ち上げます。このようにして高いところまで種を 持ち上げて,風に乗せます。セイヨウタンポポでは の 1m近く茎を伸ばすものもあります。 綿毛 図6 おしべのやくで花粉をつくり,花粉がめしべの先に ついて受粉すると,子ぼうが成長して実になります。 セイヨウタンポポは受粉しなくても実ができます。 ③ 冬ごし 図7 春から秋にかけて種子をつくり,寒さがきびしい冬 は,地面に葉を広げたロゼットの状態(図8)で冬ご しします。セイヨウタンポポは,この時期でも花を咲 かせることがあります。 図8 - 3 - ④ 日本種のタンポポとセイヨウタンポポのちがい タンポポには,昔から日本にあったカントウタンポポ,カンサイタンポポ,エゾタンポポ,シロ バナタンポポなどと,帰化植物のセイヨウタンポポがあります。シロバナタンポポ(白)以外は, すべて黄色の花を咲かせます。頭花を包んでいるがくのように見える総ほうによって,日本種のタ ンポポとセイヨウタンポポを見分けることができます。 覚えよう! 日本種のタンポポ セイヨウタンポポ 日本種のタンポポ……総ほうが立っている。 セイヨウタンポポ……総ほうが反り返っている。 総ほう 総ほう 注意!! シロバナタンポポの総ほうは,セイヨウタンポポと同じように反り返っていますが,花の色のち がいで見分けることができます。 例題1 右の表は,カンサイタンポポと カンサイタンポポ セイヨウタンポポ セイヨウタンポポの特ちょうにつ 茎1本あたりの花の平均の数 70 個 180 個 いてまとめたものです。表を参考 実を結ぶ平均の割合 60% 90% にして,日本でセイヨウタンポポ 種子1個の平均の重さ 0.82mg 0.42mg の方が多く見られるようになった 高さ2mからの種子の落下速度 1秒で約 40cm 1秒で約 30cm 理由を説明した次の文中の( )にあてはまる適切な言葉を書きなさい。 古くから日本に生育していたカンサイタンポポなどに比べ,セイヨウタンポポは種子が多くつくられるだ けでなく,種子1個あたりの重さが軽く,落下速度もおそいため( )から。 〈考え方〉 はん い 文中の理由から,セイヨウタンポポの種子は遠くまで運ばれ,広い範囲にちらばって仲間をたく さん増やすことができます。 答 考え方参照 例題2 セイヨウタンポポが成長して花をさかせ,種子を 直立 か けい 横だおし 直立 つくるまでを観察すると,花の茎(花 茎 )がまっす りました。右の図は,タンポポのつぼみができてか ら種が飛び散りはじめるまでの花茎の長さとそのよ うすを観察しグラフに表したものです。なお,図の 中のPは,花がさいていた期間を表しています。 - 4 - 花茎の長さ ぐに立ったり,横だおしになったりすることがわか 40 30 20 10 (㎝) 0 P 2 4 6 8 10 12 14 日数(日) 第1課 季節と生物 (1)この観察結果から考えて,タンポポの花がさくようすと花茎の運動との間の関係について述べた文 のうち,誤っているものはどれですか。次のア~エの中から1つ選び,記号で答えなさい。 ア 花が開かなくなると,花茎は数日間横だおしになる。 イ 花が開く前には,花茎はほぼまっすぐ上にのびる。 ウ 花が開きはじめると,花茎はほとんどのびなくなる。 エ 種子ができるころには,花茎は直立してくる。 (2)花茎の運動はどのようなことに役立っていると考えられますか。次のア~エから最も適切なものを 1つ選び,記号で答えなさい。 ア 花が開くときに花茎が直立すると,風で運ばれてくる花粉を受け取りやすい。 イ 花が開くときに花茎が直立すると,花が日光を受け取りやすい。 ウ 種ができたころに花茎が横だおしになっていると,種を地面に落としやすい。 エ 種ができたころに花茎が直立していると,種を飛ばしやすい。 〈考え方〉 タンポポの花茎は花が終わった後いったんたおれ,種子ができるころにまた起きあがります。こ じゅく の運動は,まだ 熟 していない種子を強い雨や強風で飛ばされるのを防ぐためのものです。 答 2 (1) ウ (2) エ 生物の冬ごし ① 植物の冬ごし その年だけで一生を終えるアサガオ・ 〈おもな草花の冬ごしの様子〉 ヒマワリ・ヘチマなど(一年草)は,冬 を種子の状態で過ごしますが,二年草・ 多年草の植物は,ロゼット葉や地下の茎・ 様子 植物名 ロゼット葉 タンポポ,ナズナ,オオマツヨイグサなど 地下の茎 ススキ,ヤマユリなど 地下の根 ダリア,ヤマノイモなど 根の形で過ごします。 また,サクラ・モクレン・カエデなどの落葉樹は冬芽で冬ごしをして,春に花を咲かせます。 ② こん虫の冬ごし まわりの温度によって体温が変わる動物(変温動物)であるこん虫は,冬をいろいろな姿で過ご します。 〈おもなこん虫の冬ごしの様子〉 木の枝,林 成虫 キチョウ 土の中,落ち葉の下 水の中 ナナホシテントウ ゲンゴロウ,タガメ ギンヤンマ さなぎ モンシロチョウ,アゲハ よう虫 ミノガ,イラガ カブトムシ,アブラゼミ たまご オビカレハ,カマキリ コオロギ,バッタ - 5 - ③ こん虫以外の動物の冬ごし クマやコウモリ,カエルなどは,それぞれの場所で冬眠をして過ごします。 こうおん *クマやコウモリは人間と同じように,体温を一定に保つことができる恒温動物ですが,コウモ リ,ヤマネ,シマリスは冬眠中に体温が下がる特しゅな動物です。 *カエルは,外の温度とともに体温を変える変温動物です。変温動物には他に,トカゲやコイな どがいます。 ④ 渡り鳥の冬ごし ツバメなどの夏鳥は,秋になると南の国へ渡っていきます。また,ハクチョウ,ガン,マガモな どの冬鳥は,北の国から渡ってきて日本で冬を過ごします。 例題3 生物にとって,冬はとてもきびしい季節です。植物も動物もさまざまな工夫をして,この時期を過ごし ています。 (1)次の①~③のそれぞれにあてはまる植物を下の から選び,答えなさい。ただし,答えは1つ とは限りません。 ① 地上の部分がかれても地下茎(地下の茎)や根で冬ごしをする。 ② 冬芽がたくさんの毛で包まれている。 ③ 冬芽が数枚のりんぺん(うろこのようなかたい皮)で包まれている。 カエデ,サクラ,ススキ,ナズナ,モクレン (2)次の①~③のそれぞれにあてはまるこん虫を下の から選び,答えなさい。ただし,答えは1 つとは限りません。 たまご ① 木の枝で 卵 で冬ごしをする。 ② 土の中でよう虫で冬ごしをする。 ③ さなぎで冬ごしをする。 アブラゼミ,カブトムシ,カマキリ,コオロギ,テントウムシ,モンシロチョウ (3)カエルやツバメは,それぞれどのような工夫をして冬ごしをしていますか。説明しなさい。 〈考え方〉 (1)カエデ・サクラの冬芽は数枚のりんぺんで包まれていて,モクレンの冬芽はたくさんの毛で包 まれています。ススキは地下の茎(地下茎)で冬ごしします。また,ナズナはロゼットの葉で冬 ごしします。 - 6 - 第1課 季節と生物 (2)アブラゼミ・カブトムシは土の中でよう虫のすがたで,カマキリは木の枝で卵のすがたで,コ オロギは土の中で卵のすがたで,テントウムシは落ち葉の下などで成虫のすがたで,モンシロチ ョウはさなぎのすがたで,それぞれ冬ごしします。 (3)カエルは土の中で冬眠します。夏鳥のツバメは南の国に渡っていきます。 答 (1) ① ススキ ② (2) ① カマキリ ② モクレン ③ カエデ・サクラ アブラゼミ・カブトムシ ③ モンシロチョウ (3) 考え方参照 3 四季の植物 多くの植物は,寒い冬が終わってあたたかくなる春から秋にかけて,色とりどりの花を咲かせま す。 ① 春(3月~5月) 〈花を咲かせる植物〉 タンポポ・ナズナ・アブラナ・レンゲソウ・サクラ・ツツジ・モクレンなど ② 夏(6月~8月) 〈花を咲かせる植物〉 オオバコ・ヒメジョオン・オオマツヨイグサ・アサガオ・ヒマワリ・ホウセンカ・ アジサイなど ③ 秋(9月~11月) 〈花を咲かせる植物〉 クズ・オミナエシ・ヒガンバナ・コスモス・キクなど ススキは寒い土地から咲き始めます。 こうよう 〈紅葉する木々〉 モミジ・ケヤキ・イチョウ・カエデなどの落葉樹は紅葉します。 覚えよう! 〈春の七草〉 名前 セリ ナズナ ゴギョウ ハコベラ ホトケノザ スズナ スズシロ 現在の名前 セリ ペンペングサ ハハコグサ ハコベ コオニタビラコ カブ ダイコン 科名 セリ科 アブラナ科 キク科 ナデシコ科 キク科 アブラナ科 アブラナ科 〈秋の七草〉……ハギ・ススキ・クズ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウ・ナデシコ - 7 - 練習問題 *解答は1ページ 1 タンポポについて,次の問いに答えなさい。 (1)次の図は,カントウタンポポとセイヨウタンポポです。セイヨウタンポポはA,Bのどちらですか。また, 選んだ理由も答えなさい。 A B (2)セイヨウタンポポのように,外国から入って来て日本に住みつき,野生化した植物を何といいますか。 (3)次の説明文について,カントウタンポポにあてはまるものには「カ」,セイヨウタンポポにあてはまるもの には「セ」と答えなさい。ただし,両方あてはまるものはありません。 せ ① 背の高い草の近くなど,人があまりふまないところに多くはえている。 ② 市街地など人によくふまれる場所にも多くはえている。 ③ 冬でも花を咲かせることがある。 ④ 花が咲くのは春だけである。 (4)タンポポは花が咲き終わって,種が成熟するまでどのようになりますか。簡単に説明しなさい。 ○ タンポポの花をよく見ると,ひとつの花のように見えますが,実は ア イ 綿毛 小さな花が100個以上集まってできています。右の図はその小さな 花のひとつを表しています。 ウ (5)種になるところはどこですか。図のア~エの記号で答えなさい。 エ (6)綿毛は図のア~エのどこが変化したものですか。記号で答えなさい。また,その名前も答えなさい。 - 8 - 第1課 季節と生物 2 身近な動物や植物について,次の問いに答えなさい。 らん たまご (1)次の図は,冬ごしする動物のようすです。ウは冬ごしするあるこん虫の卵かい( 卵 のあつまり)です。ウ のこん虫の名前を答えなさい。 ア イ ウ エ オ すがた (2)上の図のア~オの中にカブトムシとモンシロチョウがいます。それはどれですか。また,その 姿 は,卵・ よう虫・さなぎ・成虫のどの姿ですか。それぞれ答えなさい。 (3)葉の落ちた後,冬の寒さと春の気温の大きな変化などから身を守るため, サクラの木の枝先に右の図のようなつくりが見られます。図のつくりの名 前を答えなさい。 (4)タンポポは冬になると右の図のように, 中心から四方八方に葉を広げる型になり ます。このような型の植物が,冬ごしす るのに有利な点を次から1つ選び,記号 で答えなさい。 ア 背が低くなり,他の草のかげで光がよく当たらないし,寒さにも弱い。 イ 背が低くなり,他の草のかげで光がよく当たらないが,寒さには強い。 ウ 背が低いが,葉をたてることで高くし,光がよく当たるようにしている。 エ 背が低いが,高い草がかれるので,光によく当たり寒さをさける。 (5)タンポポの冬ごしの姿をロゼットといいます。同じ姿で冬ごしする植物を次からすべて選び,記号で答え なさい。 ア ススキ イ ナズナ ウ ジャガイモ エ チューリップ オ サツマイモ カ イネ キ ホウセンカ ク アサガオ - 9 - 3 学くんは,家の庭にあるソメイヨシノの木と,そのまわりを一年間観察しました。これについて,次の問い に答えなさい。 (1)秋になると,ソメイヨシノの葉は色が変わって落ちました。このように,秋に葉が落ちる植物を次から1 つ選び,記号で答えなさい。 ア ヤブツバキ イ クロマツ ウ イタヤカエデ エ マテバシイ (2)ソメイヨシノは,秋に葉が落ち,春になるまで芽だけで過ごします。次の①~③の植物は,どのように冬 を過ごしますか。後のア~ウより1つずつ選び,記号で答えなさい。 ① ヒメジョオン ② アサガオ ③ ユリ ア ロゼット(地面にはりついた葉)で冬を過ごす。 イ 茎や葉はかれるが,地中部分を残して冬を過ごす。 ウ 植物のからだはかれるが,種子を残して冬を過ごす。 (3)学くんの記録ノートを見てみると,ソメイヨシノの横をツバメがよこぎった記録がありましたが,日付が 書いてありませんでした。この記録はいつのものだと考えられますか。次から可能性のあるものをすべて選 び,記号で答えなさい。 ア 2月 イ 5月 ウ 7月 エ 11月 (4)学くんは,ツバメについて本で調べました。ツバメについて書いてある次の中で,まちがっているものを 1つ選び,記号で答えなさい。 ア のき下に巣をつくり,子育てをする。 イ 日本の北にある,ロシアから渡ってくる。 ウ アブ,ハエ,トンボなどのこん虫をよく食べる。 エ 子は卵でうまれる。 ☆ 4 多年草であるタンポポの葉は地面に平たく葉を広げる形をしており,ロゼット葉と呼ばれています。この形 の葉で一年中生育する場合の有利な点と不利な点をそれぞれ説明しなさい。 - 10 -