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平成20年度
長崎県総合農林試験場業務報告
平 成 22 年 1 月
長崎県農林技術開発センター
平 成 20年度 業務報 告目次
平 成 20年度 業 務 報 告 目 次
Ⅰ.概況及び総括
1.沿革
… … … … … … … … … … … … …………………………………………………………………… 1
2.所在地
… … … … … … … … … … … …………………………………………………………………… 1
3.組織及び業務の概要
4.機構と職員数
… … … … … …………………………………………………………………… 2
… … … … … … … … …………………………………………………………………… 3
5.職員の配置
… … … … … … … … … …………………………………………………………………… 4
6.職員の異動
… … … … … … … … … …………………………………………………………………… 5
7.平成20年度決算額
… … … … … …………………………………………………………………… 6
8.職員の研修ならびに海外派遣
9.受託研修等
… …………………………………………………………………… 7
… … … … … … … … … …………………………………………………………………… 8
10. 視 察 来場 者 ・技 術 相 談 件 数
… … …………………………………………………………………… 9
Ⅱ.研究成果の発表
1.刊行物等
… … … … … … … … … … ……………………………………………………………………10
2.学会誌等発表および投稿状況
… ……………………………………………………………………14
Ⅲ.長崎県の気象概況
1.平成20年の気象概況
2.平成20年気象表
… … … … ……………………………………………………………………16
… … … … … … ……………………………………………………………………20
Ⅳ.試験研究の概要
1.企画経営部
研究調整科
経営機械科
2.干
拓
部
… … … … … … … … ……………………………………………………………………25
… … … … … … … … ……………………………………………………………………26
… … … … … … … … ……………………………………………………………………28
3.作物園芸部
作
物
科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………37
野
菜
科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………40
花
き
科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………41
生物工学科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………42
4.林
業
部
森林環境科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………43
森林資源利用科
5.環
境
… … … … … … ……………………………………………………………………44
部
土壌肥料科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………45
病 害 虫 科
… … … … … … … … … …………………………………………………………………47
流通加工科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………49
6.東彼杵茶業支場
… … … … … … … ……………………………………………………………………51
7.愛野馬鈴薯支場
育種栽培科
… … … … … … … … ……………………………………………………………………53
環
… … … … … … … … ……………………………………………………………………54
境
Ⅴ.場内配置図
科
… … … … … … … … … … ……………………………………………………………………56
Ⅰ.概況及び総括
Ⅰ.概況及び総括
1.沿
革
昭和24年 4月
1)総合農林試験場
明治31年 4月 長崎市中川町(現在)に農事試験場を創設
大正 9年 8月 諌早市永昌町(現在)に移転
昭和 4年 4月 長崎県農事試験場茶業部を東彼杵町(現
在)に設置
昭和25年 4月 農業試験場と改称
昭和26年 4月 農林省馬鈴薯指定地として愛野試験地を
設置
昭和36年 7月 諌早市貝津町に移転、総合農林センター
と称し、研究、普及教育部門を統合
昭和46年 4月 総合農林試験場と改称、普及(本庁)教育
(農経大)に分離
昭和47年 4月 果樹部が果樹試験場として独立
昭和48年 4月 畜産部が畜産試験場として独立
昭和61年 4月 組織機構を一部改変、新技術開発部及び
生物工学科を新設
平成10年 4月 新技術開発部に研究調整・干拓科を新設
平成12年 4月 研究調整・干拓科から干拓科として独立
平成13年 1月 諫早湾干拓地内に干拓科中央干拓地研究
棟を開所
平成15年 4月 県内7試験研究機関を統括する政策調整
局に移管、新技術開発部と経営部を統合
し企画経営部を新設
平成16年 4月 作物部と野菜花き部を統合し作物園芸部
を新設、同時に品種科と栽培技術科を統
合し作物科を新設、生物工学科を作物園
芸部へ移設、経営科と機械施設科を統合
し経営機械科を新設。加工科学科を流通
加工科へ名称変更
平成18年 4月 政策調整局から科学技術振興局所管へ
平成20年 4月 干拓科が企画経営部から独立し、干拓部
を新設
昭和26年 4月
昭和31年 4月
昭和35年 4月
昭和36年 4月
昭和46年 4月
昭和50年 4月
昭和56年 4月
昭和61年 4月
長崎県経済部茶業所と改称(農業改良課
所属)
優良品種母樹園を設置(諌早市小船越町)
長崎県茶業指導所と改称(農業改良課所
属)
農業改良課より特産課へ所属替
長崎県総合農林センター彼杵茶業センタ
ーと改称 優良品種母樹園廃止(諌早市小
船越町)
長崎県総合農林試験場彼杵茶業試験場と
改称
現在地へ移転整備(東彼杵町三根郷より
中尾郷へ移転)
長崎県総合農林試験場彼杵茶業支場と改
称
長崎県総合農林試験場東彼杵茶業支場と
改称
3)愛野馬鈴薯支場
昭和25年 3月 暖地馬鈴薯の品種育成のために、安芸津
試験地を移転し、佐賀県農事改良実験所
長崎試験地として発足
昭和26年 4月 長崎県農業試験場に統合され、長崎県農
業試験場愛野試験地(指定試験)と改称
昭和32年 7月 馬鈴薯病害虫指定事業も設置され、「土
壌線虫」についての試験開始
昭和36年 7月 長崎県総合農林センター愛野馬鈴薯セン
ターに改称
昭和39年 4月 病害虫指定事業内容を「ウイルス病とそ
の防除」に変更
昭和46年 4月 長崎県総合農林試験場愛野馬鈴薯支場と
改称
昭和54年 4月 病害虫指定事業内容を「主要害虫の総合
防除」に変更
昭和62年 4月 病害虫指定事業内容を「主要病害の基礎
生態解明と制御技術の開発」に変更
平成 6年 4月 病害虫指定事業内容を「主要病害虫・線虫
の生態解明と抵抗性検定法の開発」に変
更
平成13年 4月 病害虫指定事業内容を「耕種的防除技術
等を利用した昆虫伝搬性ウイルス制御技
術の開発」に変更
2)東彼杵茶業支場
昭和 4年 4月 長崎県立農事試験場茶業部を設置(東彼
杵郡彼杵村)
昭和 5年 4月 長崎県立農事試験場付属茶業指導所と改
称
昭和 7年 4月 農林省かまいり茶指定試験を実施
昭和10年 4月 輸出茶再製事業を実施
昭和15年 4月 長崎県彼杵茶業指導所と改称(農産課所
属)
2.所在地
名
称
所
在
地
T E L
交
通
の
便
長崎県総合農林試験場
〒854-0063
長崎県諌早市貝津町3118
㈹095726-3330
・JR西諫早駅下車徒歩15分
・長崎行きバス農林試験場前下車徒歩 8分
干拓部
〒854-0031
長崎県諌早市中央干拓131
095735-1272
・JR長田駅下車タクシー10分
・島原鉄道干拓の里駅下車タクシー15分
東彼杵茶業支場
〒859-3801
長崎県東彼杵郡東彼杵町
中尾郷1414
0957・JR大村線彼杵駅下車、西肥バス大野原線中
46-0033
山入口バス停下車、徒歩 5分
愛野馬鈴薯支場
〒854-0302
長崎県雲仙市愛野町乙2777
095736-0043
-1-
・島原鉄道愛野駅下車タクシー 5分
・雲仙・小浜行きバステクノパーク前下車、
徒歩 8分
Ⅰ.概要及び総括
《 総 合 農 林 試 験 場 位 置 図 》
3.組織及び業務の概要(平成20年4月1日)
管理部
管理課
企画経営部
場長
総務管理班 ……
庶務,会計全般,公有財産,公用車,施設整備
研究調整科 ……
試験研究の企画調整,研究情報収集,広報,気象観測
経営機械科 ……
農業経営改善技術評価,地域農業経営調査・分析,農業情報活用研究,農
業機械・施設の有効利用,畑作物の省力機械化体系の確立
干 拓 部 ……………………………………
次長
作物園芸部
林 業 部
環 境 部
作 物 科 ………
水稲・麦・大豆の高品質・安定栽培技術,畑作物の輪作体系の確立と高品質
生産技術の確立,かんしょ作の改善,除草剤適応性判定,水稲・麦・大豆,奨
励品種決定,原原種生産,水稲・麦作況試験,麦特性検定
野 菜 科 ………
野菜の優良品種選定と栽培技術の確立,施設野菜の高品質・安定生産技術
の確立,特産露地野菜の遺伝資源保存
花 き 科 ………
施設花きの生産安定,露地花きの品質向上,花き・花木の育種
生物工学科 ……
DNAマーカーを用いた選抜技術の開発,特産野菜の品種改良
森林環境科 ……
林木育種,育林技術,森林保護
森林資源利用科…
林業経営,森林機能調査,食用きのこ栽培,木材加工,森林吸収源計測
土壌肥料科 ……
土壌機能増進,環境保全型農業,施肥改善,未利用資源活用,土壌・肥料
分析診断
病害虫科 ………
野菜・花き病害虫の総合管理技術,主要病害虫の発生予察技術,病害虫防
除新資材の合理的利用
流通加工科 ……
農作物の加工,鮮度保持技術,特産物の品質評価,農薬の安全対策
東彼杵茶業支場 ………………………………
愛野馬鈴薯支場
諫早湾干拓営農試験
茶樹の品種選定,茶生産と防除技術の改善,製茶新技術対策,環境保全型
茶栽培技術
育種栽培科 ……
暖地二期作用新品種育成,ばれいしょ栽培法改善
環 境 科 ………
ジャガイモ重要病害の生態解明と防除法の開発
-2-
Ⅰ.概要及び総括
4.機構と職員数(平成20年4月1日現在)
・
係専
支
長幹
事
長
理
場
事
長
長
長
長
事
師
1
1
1
部
1
1
1
(1)
(1)
管 理 課
4
総務管理班
合
計
員
主
員
門
技
究
・
長
現 業 職
主
究
次
科
研
長
部
員
場
次
任
任
場
究
長
主
研
主
織
長
管
課
研
部
職
門
組
種
究
主
職
研
専
行 政 職
2
12
4
2
(1)
(1)
企画経営部
研究調整科
1
(3)
1(3)
経営機械科
1
2
3
干
拓
部
1
1
3
2
7
1
1
作物園芸部
1
4
5
10
野 菜 科
1
3
2
6
花 き 科
1
1
1
4
生物工学科
1
作
林
物
業
科
1
1
1
1
2
1(1)
森林資源利用科
境
4
1
4(2)
1
1
4
病害虫科
1
3
流通加工科
1
1
(2)
4(2)
東彼杵茶業支場
1
愛野馬鈴薯支場
1
1
1
環 境 科
1
1
1
4(1)
2
2
1
1
6(1)
1
1
7
4
3
1
5(4)
1
育種栽培科
計
(1)
1
1
部
土壌肥料科
合
2(5)
1(4)
1
部
森林環境科
環
(1)
1
13(3)
2(1)
31(9)
1
4(1)
2
5
1
3
20
87(16)
(
-3-
)兼務
Ⅰ.概況及び総括
5.職員の配置(平成20年4月1日現在)
場 長
江頭 正治
次 長
寺島 正彦
部(支場)名 課(科)名
職 名
職 員 氏 名
管 理 部
部 長
木下 達夫
管 理 課
課 長(兼)木下 達夫
総務管理班
専門幹
永谷
開
専門幹
小島 年廣
係長(副参事)田中 正人
係 長
津田由美子
主任主事
磨井 史子
主任主事
拜藤 幸輝
主 事
吉岡 文彦
主 事
山口
陽
技 師
高谷 幸安
技 師
山口 聡子
技 師
上戸 徳康
技 師
濱崎 光二
企画経営部
部 長(兼)寺島 正彦
研究調整科
科 長
舩場
貢
(兼)野菜科
井上 勝広
主任研究員
(兼)森林資源利用科 辻
恵子
主任研究員
(兼)土壌肥料科
大津 善雄
主任研究員
経営機械科
科 長
片岡 正登
主任研究員 土井 謙児
主任研究員 清水 一也
干 拓 部
部 長
小林 雅昭
専門研究員 山田 寧直
主任研究員 山﨑 和之
主任研究員 宮嵜 朋浩
主任研究員 川原 洋子
技 師
鹿屋
登
技 師
麻生 啓語
作物園芸部
部 長
犬塚 和男
作 物 科
科 長
渡邊 大治
主任研究員 前田
徹
主任研究員 下山 伸幸
主任研究員 古賀 潤弥
主任研究員 土谷 大輔
技 師
坂口真津巳
技 師
中野 勝次
技 師
島田 利彦
技 師
後藤 壽之
技 師
佐賀里昭人
野 菜 科
科 長
内田 善朗
主任研究員 井上 勝広
主任研究員 松尾 憲一
主任研究員 藤田 晃久
技 師
吉田 純生
技 師
佐藤 吉一
花 き 科
科 長
諸岡 淳司
主任研究員 櫨山 妙子
研究員
峯
大樹
技 師
真崎 信治
部(支場)名 課(科)名
作物園芸部 生物工学科
職 名
職 員 氏 名
科 長
茶谷 正孝
主任研究員 大林 憲吾
(兼)森林環境科 吉本貴久雄
専門研究員
(兼)病害虫科
高田 裕司
主任研究員
(兼)愛野馬鈴薯 森
一幸
支場主任研究員
(兼)果樹試験場 福田
伸二
主任研究員
(兼)畜産試験場
主任研究員
林 業 部
部 長
森林環境科
科 長
専門研究員
主任研究員
技 師
森林資源利用科 科 長
主任研究員
主任研究員
技 師
環 境 部
部 長
土壌肥料科
科 長
主任研究員
主任研究員
主任研究員
主任研究員
研究員
技 師
病害虫科
科 長
主任研究員
主任研究員
主任研究員
流通加工科
科 長
主任研究員
研究員
東彼杵茶業支場
支場長
主任研究員
主任研究員
主任研究員
主任研究員
愛野馬鈴薯支場
支場長
育種栽培科
科 長
主任研究員
研究員
技 師
技 師
環 境 科
科 長
主任研究員
技 師
-4-
谷山
敦
植木
均
貞清 秀男
吉本貴久雄
清水 正俊
森口 直哉
久林 高市
前田
一
辻
恵子
副山 浩幸
松尾 和敏
藤山 正史
大津 善雄
生部 和宏
里中 利正
大井 義弘
大井友紀子
片山 北海
福吉 賢三
難波 信行
高田 裕司
内川 敬介
西
幸子
濱邊
薫
波部 一平
古賀 亮太
野田 政之
宮田 裕次
山口 泰弘
本多 利仁
中尾
敬
田宮 誠司
森
一幸
坂本
悠
溝上 勝志
大町 慎吾
平田 憲二
小川 哲治
迎田 幸博
Ⅰ.概況及び総括
6.職員の異動
1)転 入 者(平成20年4月1日付)
氏
山口
清水
内田
福吉
難波
西
大町
名
聡子
一也
善朗
賢三
信行
幸子
慎吾
新
所
属
管理部 管理課 総務管理班 技師
企画経営部 経営機械科 主任研究員
作物園芸部 野菜科長
環境部 病害虫科長
環境部 病害虫科 主任研究員
環境部 流通加工科 科長
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 技師
旧
所
属
総合水産試験場 技師
農業経営課 主任技師
農産園芸課 課長補佐
島原農業改良普及センター 係長
五島農業改良普及センター 係長
農業経営課 課長補佐
諫早土木事務所 技師
2)転 出 者(平成20年4月1日付)
氏
江頭
大脇
野口
藤田
永田
小嶺
江里口
大山
草原
金崎
名
裕子
淳一
浩隆
章一郎
浩久
正敬
正晴
静子
典夫
美弘
新
所
佐世保県税事務所 技師
壱岐農業改良普及センター
農産園芸課 課長補佐
病害虫防除所長
果樹試験場 主任研究員
五島農業改良普及センター
県北農業改良普及センター
諫早土木事務所 主事
島原農業改良普及センター
県北振興局 管理部 技師
属
係長
係長
主任技師
主任技師
旧
所
属
管理部 管理課 技師
作物園芸部 作物科 主任研究員
作物園芸部 野菜科長
環境部長
環境部 土壌肥料科 主任研究員
環境部 病害虫科 主任研究員
環境部 流通加工科 主任研究員
東彼杵茶業支場 主事
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 主任研究員
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 技師
3)昇任者及び場内異動(平成20年4月1日付)
氏
寺島
津田
舩場
小林
鹿屋
犬塚
中尾
前田
真崎
辻
松尾
溝上
名
正彦
由美子
貢
雅昭
登
和男
敬
徹
信治
恵子
和敏
勝志
新
所
属
次長兼企画経営部長
管理部 管理課 係長
企画経営部 研究調整科長
干拓部長
干拓部 技師
作物園芸部長
愛野馬鈴薯支場長
作物園芸部 作物科 主任研究員
作物園芸部 花き科 技師
林業部 森林資源利用科 主任研究員
環境部長
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 技師
4)新規採用者(平成20年4月1日付)
氏
大井
波部
坂本
名
友紀子
一平
悠
新
所
属
環境部 土壌肥料科 技師
環境部 流通加工科 技師
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 技師
5)退 職 者(平成20年3月31日付)
氏
梁瀬
福元
名
十三夫
順子
旧
所
属
次長兼作物園芸部長
管理部 管理課管理班 技師
-5-
旧
所
属
企画経営部長
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 係長
環境部 流通加工科長
企画経営部 干拓科長
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科 技師
愛野馬鈴薯支場長
企画経営部 研究調整科長
企画経営部 経営機械科 主任研究員
企画経営部 干拓科 技師
林業部 森林資源利用科 研究員
環境部 病害虫科長
作物園芸部 花き科 技師
Ⅰ.概 況 及 び総 括
7.平 成 20年 度 決 算 額
1)総 使 用 額
862,877,495円
(1) 人 件 費 (職 員 給 与 )
598,410,790円
(2) 農 林 試 験 場 費 (本 庁 執 行 額 等 を含 む)
169,229,303円
①運 営 費
40,467,176円
本場運営費
26,132,899円
試験研究総合調整推進費
2,737,349円
東彼杵茶業支場運営費
9,834,387円
愛野馬鈴薯支場運営費
1,176,570円
福建省農業技術交流事業
585,971円
②試 験 研 究 費
94,936,565円
企画経営研究費
2,953,629円
作物園芸研究費
33,009,388円
林業研究費
5,393,979円
環境研究費
20,385,847円
東彼杵茶業支場研究費
9,726,933円
愛野馬鈴薯支場研究費
23,466,789円
③農 林 試 験 場 施 設 整 備 費
33,825,562円
(3) 農 林 試 験 場 費 以 外 の令 達 予 算
95,237,402円
2)農 林 試 験 場 費 の財 源 内 訳
169,229,303円
(1) 一 般 財 源
96,844,188円
(2) 国 庫 支 出 金
28,829,000円
(3) その他
43,556,115円
3)農 林 試 験 場 施 設 整 備 費 の主 な施 設 整 備 および備 品 購 入 (所 管 転 換 )状 況
(1) 施 設 整 備
井水除鉄濾過器濾材入替外工事
3,412,500円
(2) 備 品 更 新 ・整 備
トラクター(ロータリ付 )
3,417,750円
トラクター
2,330,000円
茶乗用型中刈機
5,982,900円
ばれいしょ貯 蔵 庫
3,664,500円
-6-
Ⅰ.概況及び総括
8.職員の研修ならびに海外派遣
(1) 平成 20 年度依頼研究員研修事業に基づく研修
所 属 名
研 修 課 題
研修者氏名
濱邊 薫
環境部
地域在来農産物の機能性評価およ
流通加工科
び加工技術の開発
松尾 憲一
作物園芸部
野菜科
豆類の耐暑性に関する研究
研 修 機 関
期 間
長崎県立大学法人 長崎県立 H20.7.1∼9.30
大学
(独)国際農林水産業研究セン H20.5.7∼8.8
ター
(2) 平成 20 年度バイオテクノロジー技術開発推進事業に基づく研修
所 属 名
研 修 課 題
研 修 機 関
研修者氏名
前田 一
林業部
SNPマーカーによるヤブツバキ葉緑体DNA (独)森林総合研究所
森林資源利用科 の多型検出
林木育種センター
(3) 平成 20 年度都道府県農林水産省関係研究員短期集合研修等
所 属 名
研 修 課 題
研修者氏名
宮嵜 朋浩
干拓部
数理統計(基礎編Ⅰ)
藤山 正史
環境部
土壌肥料科
農林水産関係中堅研究者研修
(4)海外での学会、調査等
所 属 名
研修者氏名
寺島 正彦
次長兼企画経営部
松尾 和敏
環境部
福吉 賢三
環境部病害虫科
森 一幸
愛野馬鈴薯支場
育種栽培科
内
容
中国福建省農業技術交流
研 修 機 関
期 間
(独)農業・食品産業技術総 H20.11.17∼11.21
合研究機構
農林水産技術会議事務局
訪
問
先
福建省農業科学院
植物保護研究所
第7回世界バレイショ会議(Update ニュージーランド
-7th Word Potato Congress)
(5)その他の研修等
部・科名
研修者氏名
江頭 正治
場長
寺島 正彦
次長
犬塚 和男
作物園芸部長
松尾 和敏
環境部
片岡 正登
企画経営部 経営機械科
藤山 正史
環境部 土壌肥料科
期 間
H20.7.6∼8.1
H20.12.3∼12.5
期 間
H20.9.15∼19
H21.3.23∼3.25
内
容
研究機関の人材育成セミナー
研修機関
科学技術振興課
(長崎県美術館)
研修期間
H20.5.20
H20.9.24
舩場 貢
波部 一平
大井友紀子
企画経営部 研究調整科
環境部 流通加工科
土壌肥料科
研究機関の人材育成セミナー
科学技術振興課
(工業技術センター)
大井友紀子
波部 一平
環境部 土壌肥料科
流通加工科
研究員インターンシップ
イチゴ農家(諫早市高来町)
H20.12.15∼12.19
ブロッコリー生産農家(雲仙市) H20.12.8∼12.12
坂本 悠
愛野馬鈴薯支場
研究員インターンシップ
ばれいしょ生産農家(雲仙市)
-7-
H20.12.8∼12.9、
H21.1.19∼1.21
Ⅰ.概況及び総括
9.受託研修等
(1) 農業指導者等実技研修および一般研修
受け入れ部門
研修者氏名
依頼機関名
作物園芸部
廣瀬英孝(教諭)
諫早農業高校
生物工学科
梅野沙央梨
宮崎大学
研修項目
植物のDNA分析手法の習得
研修期間
H20.8.25∼8.28
植物のDNA抽出・分析技術習得
H20.9.1∼9.2
環境部
病害虫科
田口耕太朗
農業大学校(研究部)
イチゴ新品種「こいのか」の病害
虫耐性
H20.4∼H21.3
作物園芸部
野菜科
柚原 一貴
農業大学校(研究部)
トマト
H20.4∼H21.1
(2)普及指導員研修
受け入れ部門
研修者氏名
企画経営部
草野 泰隆
経営機械科
松尾 祐輝
平山加奈子
志水 綾子
林田 愛
田島 正剛
小笠原俊介
経営機械科
草野 泰隆
舩場 緑
小嶺 正敬
経営機械科
作物園芸部
作物科
作物科
花き科
野菜科
野菜科
野菜科
野菜科
環境部
病害虫科
病害虫科
普及センター
長 崎
県 央
県 央
島 原
島 原
県 北
五 島
長 崎
県 央
五 島
崎
原
北
崎
研修部門
農業経営
研 修 名
新任普及指導員研修
研修期間
H20.5.23、5.28
土地利用
新任普及指導員研修
H20.6.9
農業経営
専門転向者研修
H20.8.26
土地利用
新任普及指導員研修
H20.6.9∼6.11
土地利用
専門転向者研修
H20.6.10∼6.11
花 き
専門技術向上基礎研修
陣野 泰明
村里 祐治
江里口雅美
草野 泰隆
長
島
県
長
舩場 緑
小嶺 正敬
夏目悠司
県 央
五 島
長 崎
林田 愛
志水 綾子
松尾 祐輝
吉田 尚子
江里口正晴
山中 勝浩
島
島
県
長
県
壱
原
原
央
崎
北
岐
野 菜
新任普及指導員研修
H20.6.10、6.12∼13
H20.9.9∼9.10
H20.6.6
野 菜
専門転向者研修
H20.6.6
清水なつみ
鶴長 千穂
浜崎 健
大山 知泰
草野 泰隆
松尾 祐輝
平山加奈子
志水 綾子
林田 愛
田島 正剛
小笠原俊介
草野 泰隆
舩場 緑
小嶺 正敬
県
県
島
島
長
県
県
島
島
県
五
長
県
五
央
北
原
原
崎
央
央
原
原
北
島
崎
央
島
野 菜
専門技術向上基礎研修
H20.7.30
野 菜
病害虫
専門課題解決研修
新任普及指導員研修
H21.1.14
H20.6.11
新任普及指導員及び専門転
向者研修
H20.6.11
土地利用
-8-
Ⅰ.概況及び総括
(3)海外研修生
受け入れ部門
研修者氏名
作物園芸部
ペッタヴィサイ シリポン
作物科
カムパイ チャンタヴォン
ヴィエンマニー マニー
林業部
朱 煒
(4)体験学習
受け入れ部名
研究調整科、経営機
械科、作物科、野菜
科、林業部、花き科、
土壌肥料科、病害虫
科、流通加工科
国
ラオス
籍
中華人民共和国
研修項目
水稲種子生産体制(JICA)
研修期間
H20.5∼H20.8
林業に関する研修
H20.8.1∼H21.2.27
依頼機関名
西諌早中学校
対象者
2 年生 10 名
研 修 項 目
農業機械の変遷、麦種子発芽試
験、いも畑雑草防除、施設野菜の
管理、木材加工及びしいたけ試
験体験、平戸ツツジの剪定、土壌
調査、水稲害虫の採集と同定、ば
れいしょの特性と食味調査
研 修 期 間
H20.7.1∼7.3
作物園芸部
生物工学科
西陵高校
2 年生 10 名、教諭 1 名
植物バイオテクノロジー研修
−DNA による品種識別など−
H20.6.11
作物園芸部
生物工学科
野菜科
諫早農業高校
2 年生 2 名
植物組織培養実験
H20.7.22∼7.25
諫早農業高校
2 年生 3 名
イチゴ育苗管理・アスパラガス収
穫・夏野菜管理作業等
H20.7.24∼25
10.視察来場者・技術相談件数
部・支場名
科 名
企画経営部
研究調整科
経営機械科
企 画 経 営 部 計
干 拓 部 計
作物園芸部
作 物 科
野 菜 科
花 き 科
生物工学科
作 物 園 芸 部 計
林 業 部
森 林 環 境 科
森林資源利用科
林
業
部
計
環 境 部
土壌肥料科
病 害 虫 科
流通加工科
環
境
部
計
東彼杵茶業支場計
愛野馬鈴薯支場 育種栽培科
環 境 科
愛野馬鈴薯支場計
総
合
計
視
人
187
0
187
1028
134
655
650
52
1491
0
0
0
0
121
0
121
327
756
31
787
3941
察
件
技術相談
人
件
0
0
17
15
17
15
160
45
20
20
67
57
182
73
2
2
271
152
32
32
16
16
48
48
82
93
976
137
21
31
1079
261
598
210
218
165
25
20
243
185
2416
916
7
0
7
47
8
69
79
3
159
0
0
0
0
9
0
9
10
34
2
36
268
-9-
そ の 他
人
件
0
0
0
0
0
0
336
70
0
0
0
0
0
0
10
4
10
4
0
0
8
8
8
8
0
0
0
0
9
14
9
14
387
237
0
0
0
0
0
0
750
333
合
人
187
17
204
1524
154
722
832
64
1772
32
24
56
82
1097
30
1209
1312
974
56
1030
7107
計
件
7
15
22
162
28
126
152
9
315
32
24
56
93
146
45
284
457
199
22
221
1517
Ⅱ.研究成果の発表
Ⅱ.研究成果の発表
1.刊行物等
(1) 総合農林試験場研究報告(林業部門) 第38号(平成21年3月) 400部
所 属
執筆者氏名
研 究 課 題 名
林 業 部
貞清 秀男
長崎県における海岸クロマツ林の現況と林分密度管理基準
(2) 総合農林試験場研究報告(農業部門)
所 属
執筆者氏名
作物園芸部
下山 伸幸 他
第35号(平成21年3月) 850部
研 究 課 題
二条大麦「ニシノホシ」の高品質安定栽培法
名
作物園芸部
藤田 晃久 他
長崎県型イチゴ高設栽培システムの開発と栽培技術の確立
環境部
大井 義弘 他
アスパラガス土壌の現状と堆肥の施用効果
環境部
内川 敬介 他
アスパラガス半促成長期どり栽培における褐斑病の発生生態と防除
(3) 総合農林試験場業務報告
資
料
平成18年度 長崎県総合農林試験場業務報告
名
発行部数
550
(4) 研究成果情報(部門別検討会) 平成21年3月
分類
情
報
名
普及に移しう 1.硬質小麦品種「ミナミノカオリ」の栽培法
る成果
2.硬質小麦品種「ミナミノカオリ」の省力施肥法
3.穂揃期の葉色および葉身長による硬質小麦品種「ミナミノカオリ」の子実
タンパク質含有率の推定
4.長崎県におけるイチゴ新品種「こいのか」の収量性と果実品質
5.採花本数が多く浅橙黄の花色のカーネーション新品種候補系統「長崎16
06」
6.一番茶芽出し肥への有機液肥使用による収量・品質の維持・向上
7.良食味で複合病害虫抵抗性のバレイショ新品種候補系統「西海35号」
8.マツカレハ幼虫、アメリカシロヒトリ幼虫、ヤシオオサゾウムシ幼虫に対する
チアメトキサムの防除効果
技 術 指 導 の 1.追肥に肥効調節型肥料を利用した場合の小麦子実タンパク質含有率向
参考となる成
上効果
果
2.オオムギ縞萎縮病に強い二条大麦「はるしずく」の品種特性
3.2008年に長崎県で発生したセジロウンカ、トビイロウンカの薬剤感受性
4.斑点米カメムシ類に対する粒剤の防除効果
5.イチゴ「こいのか」の定植日の違いによる収量性
6.イチゴ「こいのか」の夜冷短日処理・暗黒低温処理の違いによる収量と果
実品質への影響
7.炭疽病による汚斑状斑点を有するイチゴ「さちのか」苗は廃棄が必要であ
る
8.イチゴ新品種「こいのか」の主要病害発生特性
9.アスパラガスハウスの夏季昇温抑制技術による収量と品質の向上
10.アスパラガス春芽のための冬肥窒素施用技術
11.半促成長期どりアスパラガスにおけるコサイドDFと展着剤スカッシュとの
混用による褐斑病の防除効果と薬害
12.半促成長期どりアスパラガスに発生するタバココナジラミのバイオタイプ
と気門封鎖剤の効果
13.秋冬ブロッコリーの畝内条施肥による窒素肥料減肥栽培
- 10 -
担当部名
作物園芸部
担当者名
土谷大輔
土谷大輔
土谷大輔
藤田晃久
櫨山妙子
東彼杵茶業支場
愛野馬鈴薯支場
林業部
野田政之
田宮誠司
吉本貴久雄
作物園芸部
土谷大輔
環境部
作物園芸部
下山伸幸
福吉賢三
福吉賢三
藤田晃久
藤田晃久
環境部
内川敬介
作物園芸部
環境部
難波信行
井上勝広
大井義弘
内川敬介
高田裕司
生部和宏
Ⅱ.研究成果の発表
行政施策に
反映すべき
成果
14.携帯型硝酸イオンメーターによる葉菜類の硝酸測定
15.ラベンダー「城南1号」の加温、長日処理による開花促進効果
16.ラベンダー「城南1号」の植え替えによる9月の発蕾・開花枝数増加効果
17.長崎県内各茶産地におけるクワシロカイガラムシの天敵相の解明
18.クワシロカイガラムシのふ化盛期と天敵寄生蜂の発生時期との関係
19.黄色高圧ナトリウムランプのチャノホソガに対する防除効果と茶の収量品
質への影響
20.二番茶後のせん枝と減農薬防除体系の組み合わせによる効率的防除
法
21.黄肉種で加工適性が優れる複合病虫害抵抗性バレイショ有望系統「西
海37号」
22.クロルピクリンによる土壌くん蒸処理と個別技術を組み合わせたジャガイ
モそうか病の防除
23.本県主要バレイショ産地土壌におけるジャガイモそうか病対策としての
交換酸度とpH(H2O)との関係
24.強酸性下バレイショ圃場における被覆硝酸カルシウムを用いた施肥改
善
25.土壌pH降下資材のバレイショ収量への影響とそうか病抑制対策
26.経営計画作成支援のための損益分岐点分析ツール
27.びわ産地復興アンケート等からみるびわ産地の現状と課題
28.バレイショ多機能植え付け機の性能評価
29.イチゴ炭そ病罹病拡大を防止する流水育苗ポット台の開発
30.春バレイショ栽培におけるべたがけ資材の霜害回避効果
31.諫早湾干拓地における早生タマネギ栽培の白黒ダブルマルチ被覆によ
る収穫期の分散方法
32.諫早湾干拓地における未成熟ソラマメの栽培適応性と一斉収穫栽培法
33.未成熟ソラマメの一斉収穫栽培法における収量構成要素と目標とする
草量
34.諫早湾干拓地における加工・業務用野菜ステムレタスの生育特性と栽
培法
35.諫早湾干拓地における露地夏秋キュウリの梅雨明け植え替え更新法
36.秋作メロン後作チンゲンサイ、ミズナの無肥料栽培
37.秋作メロン後作ミズナの生育・収量予測と作付計画及び経営規模決定
プログラムへの応用
38.アスパラガス春芽収穫期の温度と若茎の伸長速度と収穫及び萌芽周期
39.諫早湾干拓土壌を用いた養液土耕栽培におけるカーネーション「ライト
ピンクバーバラ」の施肥量
40.諫早湾干拓地における暗渠排水の流出実態並びに降雨からみた発生
条件
41.成分調整成型堆肥を用いた諫早湾干拓地での春作ばれいしょの減化
学肥料栽培
42.本県ばれいしょ及び葉菜類畑土壌の過去25年間における交換性カリ、
可給態リン酸含量の推移
43.本県水田土壌の過去25年間での交換性カリ、可給態リン酸含量の地域
別推移
44.長崎県で生産される家畜ふん堆肥の成分特性
45.アベマキを使った原木シイタケ栽培の植菌後3年目までの発生傾向
1.長崎県の森林における二酸化炭素吸収量算定ツール
作物園芸部
東彼杵茶業支場
藤山正史
諸岡淳司
諸岡淳司
本多利仁
本多利仁
本多利仁
本多利仁
愛野馬鈴薯支場
田宮誠司
平田憲二
環境部
大井義弘
大井義弘
企画経営部
干拓部
大井義弘
清水一也
清水一也
片岡正登
片岡正登
宮嵜朋浩
川原洋子
小林雅昭
小林雅昭
小林雅昭
小林雅昭
小林雅昭
小林雅昭
小林雅昭
山崎和之
山田寧直
環境部
大津善雄
藤山正史
藤山正史
林業部
林業部
大津善雄
久林高市
前田 一
(5) 試験場ニュース
資
料
名
号 数
No.78
No.79
No.80
長崎県総合農林試験場ニュース
- 11 -
発行年月
H20. 7
H20.11
H21. 3
発行部数
500
500
500
Ⅱ.研究成果の発表
(6) 主要な試験成績書(平成20年度に印刷・発行した成績書)
所属部・科名
成績書名
干拓部
平成19年度諫早湾干拓営農対策試験成績書
作物園芸部作物科
平成20年度水稲関係除草剤試験成績書
作物園芸部野菜科
平成19年度野菜試験成績書
作物園芸部花き科
平成19年度花き試験成績書
作物園芸部生物工学科
平成19年度生物工学試験成績書
環境部土壌肥料科
平成19年度土壌機能増進対策事業成績抄録
環境部病害虫科
平成19年度普通作・野菜等病害虫試験成績書
東彼杵茶業支場
平成20年度試験成績書
愛野馬鈴薯支場育種栽培科
平成 20 年度ばれいしょ試験成績書
版型・頁数
A4・318
A4・27
A4・50
A4・44
A4・40
A4・40
A4・92
A4・61
A4・128
発行部数
500
160
150
150
150
150
70
80
100
(7) 研究成果情報 第 23 号(平成 20 年 8 月 九州沖縄農業試験研究推進会議)
分
類
成
果
情
報
名
技術・普及
イチゴ高設栽培システムにおけるイチゴ後作チンゲンサイの栽培法
担 当 部
作物園芸部
秋ギク低温開花性系統「神馬2号・長崎2」の特性
作物園芸部
アスパラガス半促成長期どり栽培におけるアザミウマ類の総合防除体系
環境部
ツバキ油の臭い軽減のために添加する甘夏エッセンスの最適採取時期および添加濃度
水稲「にこまる」の刈取晩限
環境部
作物園芸部
アスパラガスの春芽に対する冬肥窒素の施肥利用効率
環境部
技術・参考
(8)試験研究成果地区別報告会
部・科
発表者名
企画経営部
土井謙児、
経営機械科
清水一也
作物園芸部
下山 伸幸
古賀 潤弥
作物科
下山 伸幸
古賀 潤弥
古賀 潤弥
古賀 潤弥
ミナミノカオリ子実タンパク質含有率推定技
術について
温暖化に対応した水稲移植適期について
対馬市
古賀 潤弥
温暖化に対応した水稲移植適期について
佐世保市
井上 勝広
アスパラガスの試験研究成果について
壱岐市
峯 大樹
諫早市
諫早市
花き振興協議会
H20.12.9
峯 大樹
無側枝性秋ギク「晃花の富士」の技術確
立
無側枝性秋ギク「晃花の富士」の技術確
立
新規導入花きの技術確立
主 催
島原農業改良普
及センター
県央農業改良普
及センター
県央農業改良普
及センター
長崎農業改良普
及センター
島原農業改良普
及センター
対馬農業改良普
及センター
県北農業改良普
及センター
壱岐農業改良普
及センター
花き振興協議会
諫早市
花き振興協議会
H21.1.27
櫨山 妙子
カーネーションの新品種育成
諫早市
花き振興協議会
H21.2.17
前田 一
地球温暖化問題からみた森林の役割
佐世保市
H20.6.3
久林 高市
アベマキシイタケ栽培試験の概況
対馬市
久林 高市
ツバキに関する試験研究の取り組み
五島市
県北振興局林業
課
対馬地方局林業
課
五島地方局林務
課
土谷 大輔
作物園芸部
野菜科
作物園芸部
花き科
峯 大樹
林業部
森林資源利用
科
発 表 課 題
農業人口予測システムについて他
場 所
島原市
温暖化に対応した水稲移植適期について
諫早市
小野町
諫早市
本野町
西海市
温暖化に対応した水稲移植適期について
温暖化に対応した水稲移植適期について
- 12 -
雲仙市
年月日
H20.10.15
H20.5.13
H20.5.23
H20.9.10
H20.10.28
H21.1.15
H21.3.11
H21.1.23
H20.7.3
H20.7.23
H20.8.6
Ⅱ.研究成果の発表
環境部
土壌肥料科
環境部
病害虫科
環境部
流通加工科
藤山 正史
島原半島の土壌と土づくりについて
島原市
藤山 正史
雲仙市
大井 義弘
野菜類におけるこれからの施肥管理技術
について
アスパラガスの土づくりについて
大井 義弘
ばれいしょ土壌の土づくりについて
大井 義弘
ばれいしょの土づくりについて
生部 和宏
「にこまる」の施肥について
高田 裕司
内川 敬介
高田 裕司
アスパラガス病害虫の発生生態と防除対
策
イチゴ高設栽培の天敵利用技術
西 幸子
五島ツバキの新たな搾油法に関する試験
研究の取り組み
五島ツバキの新たな搾油法に関する試験
研究の取り組み
新上五島町
茶業支場の成果情報および茶業情勢に
ついて
茶業支場の成果情報および茶業情勢に
ついて
研究成果報告および茶業情勢について
波佐見町
西 幸子
東彼杵茶業支場
山口 泰弘
古賀 亮太
古賀 亮太
野田 政之
古賀 亮太
野田 政之
愛野馬鈴薯支場
育種栽培科
森 一幸
坂本 悠
研究成果報告および茶業情勢について
雲仙市
吾妻町
諫早市
飯盛町
雲仙市
愛野町
諫早市
佐々町
西海市
五島市
東彼杵町
東彼杵町
研究成果報告および茶業情勢について
佐世保市
世知原町
茶業支場
アイユタカの栽培技術について
波佐見町
- 13 -
島原地域農業振
興協議会
島原地域農業振
興協議会
島原地域農業振
興協議会アスパラ
部会
土地改良区
県央農振協環境
部会
県央農振協作物
部会
JA県央アスパラガ
ス部会
JA長崎西彼イチ
ゴ部会
新上五島町農林
課
五島地方局林務
課
JA 県央茶部会波
佐見支部
上千綿製茶協同
組合
JA 県央東彼杵茶
業部会
JA ながさき西海
世知原茶業部会
佐々町茶業振興
会
県央農業改良普
及センター
H20.8.7
H20.8.12
H21.1.28
H21.1.27
H21.2.17
H21.2.3
H21.2.9
H20.4.24
H20.11.12
H20.6.18
H20.8.29
H20.4.11
H20.4.12
H21.2.16
H21.3.24
H21.3.26
H20.8.8
Ⅱ.研究成果の発表
2.学会誌等発表および投稿状況
発表者名
発
表
課
題
名
諫早湾干拓地におけるかんがい用水の水質評価
山田 寧直
外1名
発 表 雑 誌 名
九州農業研究 71,P62
年・月
H20.10
井上 勝広
外2名
半促成長期どり栽培のアスパラガスに寄生するアザミウマ類の発
生消長と近紫外線除去フィルムの効果
園芸学研究,7(3),p413-418
H20.7
井上 勝広
外2名
アスパラガスの半促成長期どり栽培における生育と収量に及ぼ
す近紫外線除去フィルムの影響
園芸学研究,7(3),p419-423
H20.7
井上 勝広
外1名
アスパラガスの半促成長期どり栽培の収量に及ぼす気象要因と
収量予測
園芸学会九州支部研究収録,
16,p29
H20.8
井上 勝広
外2名
西南暖地のアスパラガスに寄生するアザミウマ類の発生消長と
ハウス栽培における近紫外線除去フィルムの実用性
農業および園芸,p976-986,
養賢堂
H20.9
井上 勝広
外2名
アスパラガスの半促成長期どり栽培における盛夏期の昇温抑制
処理がハウス内気温と若茎の階級別収量に及ぼす影響
園芸学研究,7,別2,p209
H20.9
井上 勝広
九州におけるアスパラガスの周年安定供給を目指した技術開発
の取り組み
園芸学研究,7,別2,p6
H20.9
大林 憲吾
外2名
バレイショ品種「さやあかね」の持つ疫病抵抗遺伝子(R2-adg)に
連鎖するSCARマーカー
園芸学研究7,別2
H20.9
吉本貴久雄
デジタルカメラを用いた松枯れのモニタリング手法
土木構造・材料論文集
H20.12
吉本貴久雄
ヤシオオオサゾウムシによるカナリーヤシ枯損被害の樹幹注入
による効率的予防について
九州森林研究62
H21.3
清水 正俊
ヒノキ林における巻枯らし間伐後の林内光環境と残存木成長量
の変化
九州森林研究62
H21.3
久林 高市
外5名
ツバキの樹形解析とツバキ林のモデル化
第64回日本森林学会九州支部
大会(口頭発表)
H20.11
久林 高市
外1名
シイタケ含有成分の原木樹種間差(1)−ミネラル、遊離アミノ酸
−
第13回日本きのこ学会
(ポスター発表)
H20.9
久林 高市
ヒノキ根株心腐れ病の発生程度と立地条件との関係
日本樹木医学会
(ポスター発表)
H20.11
前田 一
外6名
化香樹(ノグルミ)のeudesmane型セスキテルペンの構造
第52回香料・テルペンおよび精
油科学に関する討論会講演要旨
集,96-98
H20.10
前田 一
外6名
化香樹(ノグルミ)材の含有成分と熱処理による成分変化(1)
日本薬学会第129回年会講演要
旨集28P-am149
H21.3
藤山 正史
外1名
長崎県北部で発生する「水稲葉枯症」発症地域の土壌、稲体中
無機成分の特徴
九州農業研究 71,P70
H20.8
生部 和宏
セル内施肥による「秋冬ブロッコリー」の省力施肥および減肥栽
培 第2報 収穫時期早進化のためのセル内と本圃基肥の適正
窒素施肥量
九州農業研究 71,P77
H20.8
内川 敬介
外4名
長崎県におけるアスパラガス茎枯病の発生実態と予防散布によ
る防除効果
日本植物病理学会報
第75巻(4),P39
H21.2
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Ⅱ.研究成果の発表
内川 敬介
外3名
アスパラガスの半促成長期どり栽培での収穫期間における褐斑
病の防除
九州病害虫研究会報
第54巻,P153
H20.11
小川 恭弘
外2名
施設アスパラガス病害虫の総合管理
植物防疫,
第63巻,P78-80
H21.2
小嶺 正敬
外7名
諫早湾干拓地における土着天敵類の生態工学的管理技術の開
発3)ジャガイモ加害性アブラムシ類の土着天敵保護利用に適し
たバンカープラント探索
九州病害虫研究会報
第54巻,P169
H20.11
松尾 和敏
ショウガ栽培に適応可能な代替薬剤
植物防疫,第62巻,P526-528
H20.10
本多 利仁
茶におけるドリフト防止可能な農薬の発泡散布技術の適応性
Ⅰ.茶に適した泡の検討
茶業研究報告第106号別冊
H20.11
森 一幸
バレイショ「アイユタカ」などの生産安定技術の確立
ポテカル №44
H20.6
森 一幸 外
バレイショ育種における4種類の病虫害抵抗性検定用DNAマー
カーを同時検出できるマルチプレックスPCR法の開発
育種学研究 第10巻 別冊2号
H20.10
森 一幸 外
DNAマーカーを用いたバレイショ育種における4種類の病虫害
抵抗性遺伝子同時検定のためのマルチプレックスPCR法の開発
九州育種談話会
H20.12
Development of a multiplex PCR method for simultaneous de
tection of DNA markers linked to four disease and pest resi
stance genes in potato breeding
第7回世界バレイショ会議(ポスタ
ー発表)
H21.3
森 一幸 外
小川 哲治
ジャガイモ塊茎えそ病の発生生態と防除
植物防疫 第62巻,第9号,
P481-484
H20.9
小川 哲治
ジャガイモ疫病防除薬剤の耐雨性評価
九州病害虫研究会報
第54巻,P13-17
H20.11
- 15 -
Ⅲ.長崎県の気象概況
Ⅲ.長崎県の気象概況
1.平成 20 年の気象概況
1月
上旬の前半は、冬型の気圧配置による寒気の吹き出しや気圧の谷の影響により、曇りや雨の天気となったが降水量は少なか
った。1 日には強い冬型の気圧配置となったため雪やあられを伴った荒れた天気となった。中頃以降は高気圧に覆われて晴れ
の日が多かった。県内各地の旬降水量の平年比は 0∼44%、旬平均気温の平年差は+0.4∼+1.4℃、旬日照時間の平年比は
129∼145%であった。
中旬は、前線や冬型の気圧配置による寒気の影響を受け雨の日が多かったが、日照時間は厳原でかなり少なくなったほか
は、概ね平年並みで経過した。県内各地の旬降水量の平年比は 180∼498%、旬平均気温の平年差は+1.8∼+3.3℃、旬日照時
間の平年比は 39∼134%であった。
下旬は、気圧の谷や冬型の気圧配置による寒気の影響を受け曇りや雨の日が多く、日照時間はかなり少なくなった。降水量
は県内各地でバラつきがあり佐世保と平戸で少なかった。県内各地の旬降水量の平年比は 14∼153%、旬平均気温の平年差は
+0.4∼+1.0℃、旬日照時間の平年比は 32∼69%であった。
※(諌早平均気温:6.6℃、降水量:122.5mm)
2月
上旬は、気圧の谷や冬型の気圧配置による寒気の影響を受け曇りや雨の日が多かったため、日照時間が少なく気温も低め
で経過した。県内各地の旬降水量の平年比は 24∼83%、旬平均気温の平年差は-1.4∼-0.1℃、旬日照時間の平年比は 55∼
113%であった。
中旬は、期間前半から中頃にかけて冬型の気圧配置による寒気の影響により、雪や雨となり気温の低い日が続いた。しかし、
降水量は各地ともかなり少なかった。期間の後半は、移動性高気圧に覆われ晴れたものの気温が低い日が続いた。県内各地の
旬降水量の平年比は 0∼2%、旬平均気温の平年差は-3.1∼-1.9℃、旬日照時間の平年比は 118∼160%であった。
下旬は、高気圧と気圧の谷や冬型の気圧配置の影響を交互に受け、天気は周期的に変化した。前線が通過した 26 日は長
崎、厳原で大雨となり降水量も平年より多いところが多かった。県内各地の旬降水量の平年比は 111∼262%、旬平均気温の平
年差は-0.1∼+0.8℃、旬日照時間の平年比は 108∼152%であった。
※(諌早平均気温:5.1℃、降水量:69.5mm)
3月
上旬は、高気圧に覆われ晴れた日が続き日照時間は多かった。3 日から 4 日にかけて低気圧の影響で雨となり福江と厳原で
はひょうやあられを観測した。9 日も雨となったが、厳原を除きいずれも降水量は少なかった。県内各地の旬降水量の平年比は
15∼44%、旬平均気温の平年差は-1.0∼±0.0℃、旬日照時間の平年比は 104∼130%であった。
中旬は、高気圧と低気圧が交互に通過し周期的に変化した。平均気温は平年を上回る日が多く、各地点でかなり高くなった。
降水量は 13 日から 14 日と 18 日から 19 日にかけて通過した前線を伴った低気圧の影響によりまとまった降水があった。県内各
地の旬降水量の平年比は 62∼196%、旬平均気温の平年差は+1.8∼+2.8℃、旬日照時間の平年比は 112∼147%であった。
下旬は、高気圧と低気圧が交互に通過し周期的に変化し、平均気温と日照時間は概ね平年並みとなった。降水量は長崎、
厳原、平戸で多くなった。また、25 日は上空の寒気と気圧の谷の影響で、福江ではひょうを観測した。
県内各地の旬降水量の平年比は 94∼170%、旬平均気温の平年差は±0.0∼+0.4℃、旬日照時間の平年比は 96∼125%であっ
た。
※(諌早平均気温:10.5℃、降水量:127.0mm)
- 16 -
Ⅲ.長崎県の気象概況
4月
上旬の期間前半は高気圧に覆われて概ね晴れたが、期間の後半は気圧の谷や低気圧が次々に通過し、雨の日が続いた。9
日は県内各地で大雨となった。県内各地の旬降水量の平年比は 121∼145%、旬平均気温の平年差は-0.1∼+1.4℃、旬日照時
間の平年比は 74∼111%であった。
中旬は、期間の初めと中頃に気圧の谷と前線を伴った低気圧の影響で雨となったが、他の日は高気圧に覆われて晴れた日
が多かった。県内各地の旬降水量の平年比は 29∼76%、旬平均気温の平年差-0.3∼+0.9℃、旬日照時間の平年比は 96∼
110%であった。
23 日は、前線を伴った低気圧が九州付近を通過したため県内各地で大雨となった。その他の日は、高気圧覆われて概ね晴
れの日が多く、期間を通して降水量は少なく、日照時間は多かった。県内各地の旬降水量の平年比は 37∼69%、旬平均気温の
平年差は-0.5∼-0.1℃、旬日照時間の平年比は 119∼127%であった。
※(諌早平均気温:14.8℃、降水量:128.5mm)
5月
上旬は、低気圧と高気圧が交互に通過し周期的に変化した。3 日は、佐世保で日最高気温が 30.1℃を観測し真夏日となっ
た。9 日から 10 日にかけて、前線や低気圧の影響により、南部や五島を中心に総降水量が 50mmを超える雨となった。県内各
地の旬降水量の平年比は 66∼140%、旬平均気温の平年差は+0.8∼+1.4℃、旬日照時間の平年比は 101∼117%であった。
中旬は、概ね高気圧に覆われたため晴れの日が多く、期間を通じて県内各地で日照時間がかなり多かった。19 日は、寒冷
前線が九州付近を通過したため雨となり、県内の所々で 1 時間に 20 ㎜の強い雨を観測し、平戸では日降水量が 90mm を超え
る大雨となった。県内各地の旬降水量の平年比は 22∼115%、旬平均気温の平年差は-1.6∼-0.8℃、旬日照時間の平年比は
123∼158%であった。
下旬は、高気圧や低気圧の影響で天気は周期的に変化した。28 日から 29 日にかけて、前線が九州北部地方を通過したた
め、県内各地で日降水量が 100mmを超える雨となった。特に雲仙岳では、28 日の日最大 1 時間降水量 53mm の非常に激し
い雨を観測した。県内各地の旬降水量の平年比は 183∼317%、旬平均気温の平年差は+0.6∼+1.3℃、旬日照時間の平年比は
81∼99%であった。
※(諌早平均気温:19.3℃、降水量:226.5mm)
6月
上旬は、気圧の谷や梅雨前線の影響で概ね曇りや雨の日が多かったが、期間を通して降水量は少なかった。また、九州北
部地方(山口県を含む)は、6 月 10 日頃(平年 6 月 5 日頃、昨年は 6 月 13 日頃)に梅雨入りした。 県内各地の旬降水量の平
年比は 19∼50%、旬平均気温の平年差は-0.6∼-0.1℃、旬日照時間の平年比は 41∼69%であった
中旬の 12 日から 13 日は高気圧に覆われて一時的に晴れたが、気圧の谷の影響や梅雨前線が九州付近に停滞したため雨
の日が多かった。特に 11 日の島原半島や 19 日の佐世保・上五島では、日降水量が 100mm を超える大雨となり、19 日の県北
部や上五島では 1 時間に 40mm を超える激しい雨を観測した。 県内各地の旬降水量の平年比は 170∼262%、旬平均気温の
平年差は+0.1∼+0.5℃、旬日照時間の平年比は 39∼65%であった。
下旬は、期間を通して梅雨前線が九州地方に停滞し曇や雨の日が多かった。21 日と 28 日には県内各地で大雨を観測した。
県内各地の旬降水量の平年比は 83∼162%、旬平均気温の平年差は-1.4∼-0.3℃、旬日照時間の平年比は 44∼74%であっ
た。
※(諌早平均気温:22.3℃、降水量:476.0mm)
7月
上旬は、期間の前半は気圧の谷の影響や梅雨前線の影響で曇や雨の日が多かったが、その後は、太平洋高気圧に覆われ
て晴れの日が多かった。 県内各地の旬降水量の平年比 19∼76%、旬平均気温の平年差は+1.1∼+1.5℃、旬日照時間の平年
比は 140∼177%であった。 九州北部地方は 7 月 6 日頃(平年 7 月 18 日頃)に梅雨明けしたとみられる。
中旬は、期間の初めと終わりは、気圧の谷の影響や太平洋高気圧の周辺部となり、大気の状態が不安定で局地的に雨や雷
雨となる日があった。平均気温はかなり高く、日照時間は多かった。また、降水量は福江で多い(114%)となったが、その他の地
- 17 -
Ⅲ.長崎県の気象概況
域では、平年より少ない又はかなり少なかった。県内各地の旬降水量の平年比は 2∼114%、旬平均気温の平年差は+1.2∼
+3.0℃、旬日照時間の平年比は 125∼178%であった。
下旬の 21日は前線を伴った低気圧が接近したため、県内各地で雨となった。その後は、太平洋高気圧の周辺部となり大気
の状態が不安定となったため、局地的な雨となった。23 日 13 時 40 分に高温に関する長崎県気象情報
第 1 号を発表した。 県
内各地の旬降水量の平年比は 0∼95%、旬平均気温の平年差は+1.4∼+2.5℃、旬日照時間の平年比は 121∼144%であった。
※(諌早平均気温:28.2℃、降水量:122.5mm)
8月
上旬は、3 日は気圧の谷の影響で壱岐・対馬や北部沿岸を中心に雨となったが、その他の日は強い日射や上空の寒気の影
響で大気の状態が不安定となったため局地的に大雨となった。平均気温は、太平洋高気圧に覆われた日が多かったためかなり
高くなった。 8 月 1 日 16 時 10 分に「高温と少雨に関する長崎県気象情報」第 2 号を発表した。県内各地の旬降水量の平年比
は1∼200%、旬平均気温の平年差は+1.4∼+1.9℃、旬日照時間の平年比は 97∼126%であった。
中旬は、期間の前半は強い日射の影響で大気の状態が不安定となり局地的に雷を伴う強い雨となる日が続いた。18 日から
19 日にかけては、前線が通過したため、広い範囲で雨となった。8 月 11 日
13 時 25 分「高温と少雨に関する長崎県気象情報」
第 3 号を発表した。 県内各地の旬降水量の平年比は 120∼241%、旬平均気温の平年差は+0.5∼+1.2℃、旬日照時間の平年
比は 52∼88%であった。
下旬の 24 日から 25 日は高気圧に覆われて一時的に晴れたが、前線や低気圧の影響により曇りや雨の日が多かった。27
日は、低気圧の影響により県内の広い範囲で雨となった。県内各地の旬降水量の平年比 61∼117%、旬平均気温の平年差は
-1.3∼-0.7℃、旬日照時間の平年比は 45∼76%であった。
※(諌早平均気温:27.7℃、降水量:202.5mm)
9月
上旬は、気圧の谷の影響により雨となる所があったが降水量は少ない又はかなり少なく、高気圧に覆われて晴れの日が多か
った。 県内各地の旬降水量の平年比 1∼66%、旬平均気温の平年差は+0.1∼+1.0℃、旬日照時間の平年比は 108∼1437%で
あった。
中旬は、気圧の谷の影響や前線の影響で、曇や雨の降る日が多かった。特に、15 日は南部や五島を中心に日降水量が
100mm を超える大雨となった。 県内各地の旬降水量の平年比は 30∼198%、旬平均気温の平年差は+1.2∼+1.9℃、旬日照時
間の平年比は 42∼57%であった。
下旬は、高気圧や前線の影響で天気は周期的に変化した。特に、30 日は前線が九州南部に停滞し台風第 15 号からの湿っ
た空気の流れ込みにより、前線活動が活発となり、長崎県の南部を中心に日降水量が 100mm を超える大雨となった。 県内各
地の旬降水量の平年比 84∼290%、旬平均気温の平年差は+1.0∼+1.5℃、旬日照時間の平年比は 59∼89%であった。
※(諌早平均気温:25.1℃、降水量:263mm)
10 月
上旬は、高気圧や気圧の谷の影響を交互に受け、天気は周期的に変化した。5 日は、低気圧の影響により県内の広い範囲
で雨となった。 県内各地の旬降水量の平年比 19∼68%、旬平均気温の平年差は+0.5∼+1.0℃、旬日照時間の平年比は 68∼
101%であった。
中旬は、弱い気圧の谷の影響で一時的に雨が降ったが降水量はかなり少なく、期間を通して概ね高気圧に覆われて晴れの
日が多かった。 県内各地の旬降水量の平年比は 0∼1%、旬平均気温の平年差は+0.9∼+1.8℃、旬日照時間の平年比は
148∼161%であった。
下旬は、気圧の谷や前線影響で、曇りや雨の日が多く、22∼23 日にかけて低気圧の影響により、県内各地でまとまった雨と
なった。 県内各地の旬降水量の平年比 43∼323%、旬平均気温の平年差は+1.1∼+1.7℃、旬日照時間の平年比は 41∼
67%であった。
※(諌早平均気温:19.2℃、降水量 42.5mm)
- 18 -
Ⅲ.長崎県の気象概況
11 月
上旬は、気圧の谷や高気圧の影響を交互に受け天気は周期的に変化した。6 日∼8 日にかけて九州南岸付近に停滞した前
線の影響により、県内各地で雨となった。期間をとおして、気温が高く、日照時間はかなり少なくなった。県内各地の旬降水量の
平年比 47∼260%、旬平均気温の平年差は+0.6∼+1.4℃、旬日照時間の平年比は 41∼58%であった。
中旬の前半は高気圧に覆われ晴れの日が多かったが、8 日∼10 日は冬型の気圧配置となり厳原を除く県内各地で曇りや雨
となった。また、気温の変動も大きかった。県内各地の旬降水量の平年比 9∼77%、旬平均気温の平年差は-1.0∼-0.4℃、旬
日照時間の平年比は 112∼142%であった。厳原で 20 日に初霜(平年値 11 月 29 日)と初氷(平年値 12 月 4 日)を観測した。
11 月 17 日 11 時 40 分に「寒気の南下に関する長崎県気象情報 第 1 号」を発表した。
下旬は、高気圧や気圧の谷の影響を交互に受け天気は、周期的に変化した。24 日は、低気圧が九州南部を通過したため県
内の広い範囲で雨となった。県内各地の旬降水量の平年比 77∼143%、旬平均気温の平年差は-0.6∼+0.1℃、旬日照時間の
平年比は 79∼103%であった。
※(諌早平均気温:12.4℃、降水量:80.0mm)
12 月
上旬は、旬の前半は高気圧に覆われて概ね晴れたが、中頃は冬型の気圧配置となり、6 日は長崎で初雪(平年 12 月 21
日)を観測した。「大雪と強風及び高波に関する長崎県気象情報 第 1 号」を 12 月 5 日に発表した。各地の旬降水量の平年比
は 107∼376%、旬平均気温の平年差は-0.7∼-0.1℃、旬日照時間の平年比は 86∼115%であった。
中旬は、旬の前半は気圧の谷や高気圧が交互に通過し天気は周期的に変化しが、その後は、高気圧に覆われた概ね晴とな
った。期間をとおして、多照少雨となった。各地の旬降水量の平年比は 0∼54%、旬平均気温の平年差は+1.2∼+2.0℃、旬日照
時間の平年比は 130∼163%であった
下旬は、高気圧や気圧の谷が通過し天気は周期的に変化した。21 日から 22 日にかけて、前線が九州北部地方を南下した
ため、県内各地で広い範囲で雨となった。21 日は、雲仙岳で日降水量 101.0mm を観測し、統計開始(1924 年)以来第 1 位を
更新した。県内各地の旬降水量の平年比は 71∼377%、旬平均気温の平年差は-0.1∼-0.6℃、旬日照時間の平年比は 59∼
97%であった。
※(諌早平均気温:7.4℃、降水量:107.5mm)
年間平均気温:16.6℃(+0.6)
年間降水量:1968.0mm(-277.3)
注:( )内は平年値との差
参考:長崎県気象月報(長崎海洋気象台)
※印は総合農林試験場観測値
- 19 -
H20年気象表
平成20年気象表(2008年) 総合農林試験場
月
旬
平均気温
最高気温
最低気温
極温平均気温
平年 本年 平年差 平年 本年 平年差 平年 本年 平年差 平年 本年 平年差
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
平年
日照時間 ※
本年
平年差
h
h
h
平年
降水量
本年
平年差
mm
mm
mm
1月 1半旬
5.5
4.7
-0.8 10.6
10.0
-0.6
0.8
0.2
-0.6
5.7
5.1
-0.6
16.1
16.8
0.7
12.9
3.0
2半旬
5.8
7.3
1.5 10.6
14.6
4.0
1.2
1.9
0.7
5.9
8.2
2.3
18.4
25.8
7.4
13.3
5.0
-8.3
3半旬
4.8
9.8
5.0
9.6
14.0
4.4
0.5
5.4
4.9
5.1
9.7
4.6
16.4
19.2
2.8
11.4
54.5
43.1
4半旬
4.7
6.0
1.3
9.6
10.5
0.9
0.0
0.7
0.7
4.8
5.6
0.8
17.8
25.2
7.4
12.7
31.5
18.8
5半旬
4.8
5.7
0.9
9.6
8.8
-0.8 -0.1
2.5
2.6
4.7
5.7
1.0
18.9
18.0
-0.9
16.3
9.0
-7.3
6半旬
4.3
6.1
1.8
9.1
8.8
-0.3 -0.6
3.4
4.0
4.3
6.1
1.8
23.2
9.6
-13.6
9.8
19.5
9.7
上 旬
5.6
6.0
0.4 10.6
12.3
8.1
26.2
8.0
-18.2
中 旬
4.8
7.9
3.1
9.6
12.3
62.0
下 旬
4.5
5.9
1.4
9.4
8.8
月
5.0
6.6
1.6
9.8
11.0
0.6
-9.9
1.7
1.0
1.1
0.1
5.8
6.7
0.9
34.5
42.6
2.7
0.2
3.1
2.9
4.9
7.7
2.8
34.3
44.4
10.1
24.0
86.0
-0.6 -0.4
3.0
3.4
4.5
5.9
1.4
42.1
27.6
-14.5
26.1
28.5
2.4
2.4
2.1
5.1
6.7
1.6
110.8
114.6
3.8
76.4
122.5
46.1
1.2
0.3
2月 1半旬
4.5
5.1
9.2
8.8
-0.4 -0.1
1.3
1.4
4.5
5.1
0.6
19.5
14.3
-5.2
12.8
17.0
4.2
2半旬
5.2
4.3
-0.9 10.1
9.7
-0.4
0.1
-1.1
-1.2
5.1
4.3
-0.8
22.4
17.9
-4.5
9.8
1.5
-8.3
3半旬
6.1
4.5
-1.6 11.6
8.5
-3.1
0.8
-0.5
-1.3
6.2
4.0
-2.2
23.3
17.3
-6.0
17.8
0.0
-17.8
4半旬
6.4
3.8
-2.6 11.1
10.1
-1.0
1.4
-2.3
-3.7
6.3
3.9
-2.4
20.3
33.9
13.6
28.7
0.0
-28.7
5半旬
6.5
6.5
0.0 11.2
12.0
0.8
1.5
0.8
-0.7
6.4
6.4
0.0
21.8
23.0
1.2
23.3
4.0
-19.3
6半旬
6.8
7.1
0.3 11.6
12.1
0.5
1.8
1.8
-0.1
6.7
6.9
0.2
13.1
19.0
5.9
10.0
47.0
37.0
上 旬
4.8
4.7
-0.1
9.3
-0.4
0.0
0.1
0.1
4.8
4.7
-0.1
41.9
32.2
-9.7
22.6
18.5
-4.1
中 旬
6.2
4.1
-2.1 11.4
9.3
-2.1
1.0
-1.4
-2.4
6.2
3.9
-2.3
43.6
51.2
7.6
46.5
0.0
-46.5
下 旬
6.6
6.8
0.2 11.4
12.0
0.6
1.6
1.2
-0.4
6.5
6.6
0.1
34.9
42.0
7.1
33.2
51.0
17.8
月
5.9
5.1
-0.8 10.8
10.1
-0.7
0.9
-0.1
-1.0
5.8
5.0
-0.8
120.4
125.4
5.0
102.4
69.5
-32.9
-27.7
9.6
3月 1半旬
7.1
8.0
0.9 12.1
12.5
0.4
2.5
2.6
0.1
7.3
7.6
0.3
22.9
24.1
1.2
28.2
0.5
2半旬
8.5
7.6
-0.9 14.0
13.7
-0.3
2.7
1.6
-1.1
8.4
7.6
-0.8
26.6
35.8
9.2
18.4
9.0
-9.4
3半旬
8.9
12.3
3.4 14.0
20.1
6.1
3.6
4.8
1.2
8.8
12.4
3.6
23.2
41.9
18.7
24.3
12.5
-11.8
4半旬
9.5
12.4
2.9 14.9
18.2
3.3
4.0
7.3
3.3
9.5
12.7
3.2
29.2
27.2
-2.0
28.5
23.0
-5.5
5半旬
10.5
12.7
2.2 15.5
19.1
3.6
5.5
6.7
1.2 10.5
12.9
2.4
24.7
31.1
6.4
26.7
51.0
24.3
6半旬
11.2
9.9
-1.3 16.0
14.3
-1.7
6.1
4.3
-1.8 11.1
9.3
-1.8
28.3
32.1
3.8
27.6
31.0
3.4
上 旬
7.9
7.8
-0.1 13.1
13.1
0.0
2.6
2.1
-0.5
7.9
7.6
-0.3
49.4
59.9
10.5
46.7
9.5
-37.2
2.1
9.2
12.6
3.4
52.4
69.1
16.7
52.8
35.5
-17.3
-0.5 10.8
10.9
0.1
53.0
63.2
10.2
54.3
82.0
27.7
9.3
10.4
1.1
154.8
192.2
37.4
153.8
127.0
-26.8
-22.6
中 旬
9.2
12.4
3.2 14.5
19.1
4.6
3.9
6.0
下 旬
10.9
11.2
0.3 15.8
16.5
0.7
5.9
5.4
月
9.4
10.5
1.1 14.5
16.3
1.8
4.2
4.5
0.3
4月 1半旬 11.9
10.5
-1.4 17.4
17.0
-0.4
6.3
4.3
-2.0 11.8
10.6
-1.2
29.0
25.8
-3.2
22.6
0.0
2半旬
13.6
15.0
1.4 19.1
20.2
1.1
8.0
10.4
2.4 13.5
15.3
1.8
28.0
19.7
-8.3
41.1
74.0
32.9
3半旬
14.0
15.7
1.7 19.2
22.7
3.5
8.2
9.5
1.3 13.7
16.1
2.4
28.3
33.6
5.3
34.4
0.5
-33.9
4半旬
14.8
15.6
0.8 20.3
20.0
-0.3
9.3
11.5
2.2 14.8
15.8
1.0
33.3
26.9
-6.4
34.7
21.0
-13.7
5半旬
15.9
15.7
-0.2 21.7
22.0
0.3 10.3
9.5
-0.8 16.0
15.8
-0.2
29.1
36.0
6.9
28.3
33.0
4.7
6半旬
16.8
16.4
-0.4 22.5
23.5
1.0 10.8
9.5
-1.3 16.6
16.5
-0.1
32.1
36.1
4.0
32.8
0.0
-32.8
上 旬
12.8
12.7
-0.1 18.2
18.6
0.4
7.1
7.4
0.3 12.7
13.0
0.3
57.0
45.5
-11.5
63.7
74.0
10.3
中 旬
14.4
15.7
1.3 19.8
21.4
1.6
8.7
10.5
1.8 14.3
15.9
1.6
61.6
60.5
-1.1
69.1
21.5
-47.6
下 旬
16.4
16.1
-0.3 22.1
22.8
0.7 10.5
9.5
-1.0 16.3
16.1
-0.2
61.2
72.1
10.9
61.0
33.0
-28.0
月
14.5
14.8
0.3 20.0
20.9
0.9
8.8
9.1
0.3 14.4
15.0
0.6
179.7
178.1
-1.6
193.9
128.5
-65.4
5月 1半旬 17.3
19.7
2.4 22.6
25.8
3.2 11.9
13.3
1.4 17.2
19.5
2.3
26.7
33.4
6.7
43.1
20.0
-23.1
2半旬
18.0
17.6
-0.4 23.3
23.2
-0.1 12.4
11.6
-0.8 17.9
17.4
-0.5
30.2
27.3
-2.9
40.7
60.0
19.3
3半旬
19.2
17.3
-1.9 24.5
23.6
-0.9 13.3
11.2
-2.1 18.9
17.4
-1.5
28.8
50.9
22.1
38.8
0.0
-38.8
4半旬
18.4
18.9
0.5 23.9
25.2
1.3 12.9
11.9
-1.0 18.4
18.5
0.1
29.1
44.7
15.6
39.6
21.0
-18.6
5半旬
19.5
19.7
0.2 25.1
25.7
0.6 13.6
14.4
0.8 19.3
20.0
0.7
31.2
18.1
-13.1
25.0
30.0
5.0
6半旬
20.5
22.3
1.8 25.9
27.7
1.8 14.8
17.1
2.3 20.3
22.4
2.1
34.1
39.3
5.2
30.5
65.0
上 旬
17.7
18.7
0.9 23.0
24.5
1.5 12.2
12.4
0.2 17.6
18.5
0.9
56.9
60.7
3.8
83.8
95.5
80.0
-3.8
中 旬
18.8
18.1
-0.7 24.2
24.4
0.2 13.1
11.6
-1.6 18.6
18.0
-0.6
58.0
95.6
37.6
78.3
21.0
-57.3
下 旬
20.0
21.1
1.1 25.5
26.8
1.3 14.3
15.9
1.6 19.9
21.3
1.4
65.3
57.4
-7.9
55.5
125.5
70.0
月
18.9
19.3
0.4 24.3
25.3
1.0 13.2
13.4
0.2 18.7
19.3
0.6
180.2
213.7
33.5
217.7
226.5
8.8
6月 1半旬 21.3
21.2
-0.1 26.5
26.0
-0.5 15.9
16.8
0.9 21.2
21.4
0.2
31.2
18.4
-12.8
41.7
25.5
-16.2
2半旬
21.7
21.7
0.0 27.2
26.5
-0.7 16.4
17.7
1.3 21.8
22.1
0.3
31.2
17.4
-13.8
43.6
10.0
-33.6
3半旬
21.6
21.2
-0.4 25.8
25.5
-0.3 17.2
17.2
0.0 21.5
21.3
-0.2
25.0
23.5
-1.5
42.9
164.5
121.6
4半旬
22.3
24.1
1.8 26.6
27.1
0.5 18.3
21.8
3.5 22.4
24.5
2.1
34.2
5.5
-28.7
77.4
76.5
-0.9
5半旬
23.0
22.8
-0.2 27.1
25.4
-1.7 19.3
20.7
1.4 23.2
23.1
-0.1
31.1
8.2
-22.9
93.1
111.5
18.4
6半旬
24.2
23.0
-1.2 27.8
27.7
-0.1 20.8
19.0
-1.8 24.3
23.4
-0.9
21.6
10.2
-11.4
85.3
88.0
2.7
上 旬
21.5
21.4
-0.1 26.9
26.2
-0.7 16.1
17.3
1.2 21.5
21.7
0.2
62.5
35.8
-26.7
85.3
35.5
-49.8
中 旬
22.0
22.7
0.7 26.2
26.3
0.1 17.8
19.5
1.7 22.0
22.9
0.9
59.2
29.0
-30.2
120.3
241.0
120.7
23.6
月 22.4
22.9
22.3
-0.7 27.5
-0.1 26.8
26.6
26.4
-0.9 20.1
-0.4 18.0
19.9
18.9
-0.2 23.8
0.9 22.4
23.2
22.6
-0.6
0.2
52.7
174.4
18.4
83.2
-34.3
-91.2
178.4
383.9
199.5
476.0
21.1
92.1
下 旬
※日照時間数値は長崎海洋気象台長崎観測所の数値
- 20 -
H20年気象表
平均気温
最高気温
最低気温
極温平均気温
平年 本年 平年差 平年 本年 平年差 平年 本年 平年差 平年 本年 平年差
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
7月 1半旬 24.9 25.6
0.7 28.6 29.9
1.3 21.4 22.3
0.9 25.0 26.1
1.1
月
旬
日照時間 ※
本年
平年差
h
h
h
23.7
11.0
-12.7
平年
平年
mm
101.7
降水量
本年
平年差
mm
mm
87.0
-14.7
2半旬
25.6
28.2
2.6 29.9
33.2
3.3 21.8
23.1
1.3 25.8
28.2
2.4
29.7
58.1
28.4
54.3
0.0
-54.3
3半旬
26.6
28.3
1.7 30.3
33.8
3.5 22.9
23.7
0.8 26.6
28.7
2.1
25.8
41.8
16.0
71.1
0.0
-71.1
4半旬
26.8
28.6
1.8 31.0
33.5
2.5 23.0
25.2
2.2 27.0
29.3
2.3
30.2
33.0
2.8
64.9
26.5
-38.4
5半旬
27.7
28.9
1.2 32.1
34.2
2.1 23.4
24.7
1.3 27.7
29.5
1.8
31.0
44.0
13.0
71.0
7.5
-63.5
6半旬
27.8
29.6
1.8 32.5
35.2
2.7 23.4
24.8
1.4 27.9
30.0
2.1
39.5
58.2
18.7
41.3
1.5
-39.8
上 旬
25.3
26.9
1.6 29.3
31.6
2.3 21.6
22.7
1.1 25.5
27.1
1.6
53.4
69.1
15.7
156.0
87.0
-69.0
中 旬
26.7
28.4
1.7 30.7
33.6
2.9 23.0
24.4
1.4 26.8
29.0
2.2
56.0
74.8
18.8
136.0
26.5 -109.5
下 旬
27.7
29.3
1.6 32.3
34.8
2.5 23.4
24.8
1.4 27.8
29.8
2.0
70.5
102.2
31.7
112.4
9.0 -103.4
月
26.6
28.2
1.6 30.8
33.4
2.6 22.7
24.0
1.3 26.7
28.7
2.0
179.9
246.1
66.2
404.4
122.5 -281.9
8月 1半旬 28.1
29.3
1.2 32.8
34.7
1.9 23.6
24.8
1.2 28.2
29.7
1.5
34.7
42.8
8.1
23.9
0.0
-23.9
2半旬
27.7
29.4
1.7 32.5
36.5
4.0 23.1
24.2
1.1 27.8
30.4
2.6
38.3
38.1
-0.2
41.7
4.0
-37.7
3半旬
27.6
29.1
1.5 32.3
34.7
2.4 23.2
25.0
1.8 27.8
29.9
2.1
33.7
34.9
1.2
34.0
34.5
0.5
4半旬
27.7
27.2
-0.5 32.3
31.8
-0.5 23.5
24.4
0.9 27.9
28.1
0.2
32.1
16.6
-15.5
32.7
70.0
37.3
5半旬
26.7
25.9
-0.8 31.2
30.9
-0.3 22.6
21.6
-1.0 26.9
26.3
-0.6
29.8
27.8
-2.0
36.1
73.0
36.9
6半旬
25.8
25.5
-0.3 30.5
29.8
-0.7 21.6
22.0
0.4 26.0
25.9
-0.1
36.1
19.6
-16.5
61.6
21.0
-40.6
上 旬
27.9
29.4
1.5 32.6
35.6
3.0 23.3
24.5
1.2 28.0
30.0
2.0
72.9
80.9
8.0
65.6
4.0
-61.6
中 旬
27.6
28.2
0.6 32.3
33.2
0.9 23.4
24.7
1.3 27.8
29.0
1.2
65.8
51.5
-14.3
66.7
104.5
37.8
下 旬
26.2
25.7
-0.5 30.8
30.3
-0.5 22.0
21.8
-0.2 26.4
26.1
-0.3
65.9
47.4
-18.5
97.6
94.0
-3.6
月
27.2
27.7
0.5 31.9
33.0
1.1 22.9
23.6
0.7 27.4
28.3
0.9
204.6
179.8
-24.8
229.9
202.5
-27.4
9月 1半旬 25.8
26.7
0.9 30.5
32.5
2.0 21.5
22.2
0.7 26.0
27.3
1.3
37.6
35.4
-2.2
60.2
0.0
-60.2
2半旬
25.3
27.2
1.9 30.0
33.2
3.2 20.8
22.5
1.7 25.4
27.8
2.4
29.2
42.8
13.6
34.8
0.0
-34.8
3半旬
24.3
24.6
0.3 29.1
29.4
0.3 19.7
21.7
2.0 24.4
25.6
1.2
26.7
9.3
-17.4
42.0
82.0
40.0
4半旬
23.6
26.0
2.4 28.3
30.2
1.9 18.9
22.9
4.0 23.6
26.6
3.0
32.5
19.8
-12.7
20.9
4.0
-16.9
5半旬
22.8
25.4
2.6 27.4
30.4
3.0 18.2
21.6
3.4 22.8
26.0
3.2
24.2
31.3
7.1
38.0
27.0
-11.0
6半旬
21.4
20.8
-0.6 26.3
24.3
-2.0 16.6
16.9
0.3 21.4
20.6
-0.8
25.6
12.4
-13.2
29.5
150.0
120.5
上 旬
25.6
27.0
1.4 30.3
32.8
2.5 21.2
22.3
1.1 25.7
27.6
1.9
66.8
78.2
11.4
95.0
0.0
-95.0
中 旬
24.0
25.3
1.3 28.7
29.8
1.1 19.3
22.3
3.0 24.0
26.1
2.1
59.1
29.1
-30.0
62.9
86.0
23.1
下 旬
22.1
23.1
1.0 26.8
27.4
0.6 17.4
19.3
1.9 22.1
23.3
1.2
49.8
43.7
-6.1
67.5
177.0
109.5
月
37.6
23.9
25.1
1.2 28.6
30.0
1.4 19.3
21.3
2.0 24.0
25.7
1.7
175.7
151.0
-24.7
225.4
263.0
10月 1半旬 21.0
21.0
0.0 26.1
26.3
0.2 15.7
16.2
0.5 20.9
21.2
0.3
30.1
27.5
-2.6
18.0
16.0
-2.0
2半旬
19.5
20.5
1.0 24.4
26.1
1.7 14.4
16.1
1.7 19.4
21.1
1.7
27.8
20.5
-7.3
24.6
0.5
-24.1
3半旬
19.2
19.4
0.2 24.5
25.7
1.2 13.8
13.9
0.1 19.1
19.8
0.7
31.6
37.5
5.9
18.3
0.0
-18.3
4半旬
18.1
19.8
1.7 23.3
28.4
5.1 12.8
13.7
0.9 18.0
21.1
3.1
25.8
46.4
20.6
19.0
0.0
-19.0
5半旬
16.7
20.2
3.5 22.1
25.1
3.0 11.1
15.6
4.5 16.6
20.4
3.8
25.7
17.5
-8.2
9.5
22.5
13.0
6半旬
15.9
15.3
-0.7 21.3
19.5
-1.8 10.4
11.5
1.1 15.8
15.5
-0.3
32.2
8.4
-23.8
15.8
3.5
-12.3
上 旬
20.2
20.8
0.6 25.2
26.2
1.0 15.0
16.2
1.2 20.1
21.2
1.1
57.9
48.0
-9.9
42.6
16.5
-26.1
中 旬
18.6
19.6
1.0 23.8
27.1
3.3 13.2
13.8
0.6 18.5
20.4
1.9
57.4
83.9
26.5
37.3
0.0
-37.3
下 旬
16.3
17.5
1.2 21.6
22.1
0.5 10.7
13.4
2.7 16.2
17.7
1.5
57.9
25.9
-32.0
25.3
26.0
0.7
月
18.3
19.2
0.9 23.5
25.0
1.5 12.9
14.4
1.5 18.2
19.7
1.5
173.2
157.8
-15.4
105.2
42.5
-62.7
11月 1半旬 14.5
16.0
1.5 20.4
21.6
1.2
8.6
11.5
2.9 14.5
16.6
2.1
24.4
20.2
-4.2
16.9
14.5
-2.4
2半旬
14.8
15.9
1.1 20.5
19.4
-1.1
9.5
13.3
3.8 15.0
16.3
1.3
23.5
3.8
-19.7
13.8
18.5
4.7
3半旬
13.5
13.6
0.1 18.6
20.8
2.2
8.4
8.1
-0.3 13.5
14.4
0.9
21.9
33.9
12.0
13.4
17.5
4.1
4半旬
12.3
9.7
-2.6 17.6
14.1
-3.5
7.1
4.6
-2.5 12.4
9.4
-3.1
20.0
17.3
-2.7
11.8
4.0
-7.8
5半旬
10.5
10.0
-0.5 16.3
15.7
-0.6
4.8
5.7
0.9 10.6
10.7
0.1
19.6
16.3
-3.3
12.5
14.0
1.5
6半旬
9.8
9.1
-0.7 14.9
15.0
0.1
4.9
4.0
9.5
-0.4
18.3
21.1
2.8
16.8
11.5
-5.3
上 旬
14.6
15.9
1.3 20.5
20.5
0.0
9.0
12.4
3.4 14.8
16.4
1.6
47.9
24.0
-23.9
30.7
33.0
2.3
中 旬
12.9
11.7
-1.2 18.1
17.4
-0.7
7.8
6.4
-1.4 12.9
11.9
-1.0
41.9
51.2
9.3
25.2
21.5
-3.7
下 旬
10.1
9.6
-0.5 15.6
15.4
-0.3
4.8
4.8
0.0 10.2
10.1
-0.1
37.9
37.4
-0.5
29.3
25.5
-3.8
月
12.5
12.4
-0.1 18.1
17.8
-0.3
7.2
7.9
0.7 12.6
12.8
0.2
127.7
112.6
-15.1
85.2
80.0
-5.2
-0.9
9.9
12月 1半旬
8.7
9.5
0.8 14.3
16.8
2.5
3.4
4.2
0.8
8.9
10.5
1.6
20.3
25.2
4.9
14.5
21.0
6.5
2半旬
8.1
6.3
-1.8 13.5
11.8
-1.7
2.7
1.6
-1.1
8.1
6.7
-1.4
20.7
17.0
-3.7
12.5
9.5
-3.0
3半旬
7.6
8.3
0.7 12.9
14.1
1.2
2.5
2.9
0.4
7.7
8.5
0.8
17.3
25.4
8.1
10.1
1.0
-9.1
4半旬
6.9
6.9
0.0 12.1
14.4
2.3
1.9
0.4
-1.5
7.0
7.4
0.4
16.6
29.2
12.6
6.8
0.0
-6.8
5半旬
6.4
7.3
0.9 11.7
11.2
-0.5
1.6
3.4
1.8
6.7
7.3
0.6
16.0
3.0
-13.0
10.7
75.5
64.8
6半旬
5.7
6.1
0.4 11.1
10.6
-0.5
0.8
2.3
1.5
6.0
6.4
0.4
22.5
22.5
0.0
12.7
0.5
-12.2
上 旬
8.3
7.9
-0.4 13.9
14.3
0.4
3.0
2.9
-0.1
8.5
8.6
0.1
40.9
42.2
1.3
27.0
30.5
3.5
中 旬
7.2
7.6
0.4 12.4
14.3
1.9
2.2
1.7
-0.5
7.3
8.0
0.7
33.9
54.6
20.7
16.9
1.0
-15.9
下 旬
6.0
6.6
0.6 11.4
10.9
-0.5
1.2
2.8
1.6
6.3
6.8
0.5
38.6
25.5
-13.1
23.4
76.0
52.6
月
7.2
16.0
7.4
16.6
0.2 12.6
0.6 21.0
13.1
21.9
0.5 2.1
0.9 11.1
2.4
11.9
0.3 7.3
0.8 16.0
7.8
16.9
年 間
※日照時間数値は長崎海洋気象台長崎観測所の数値
- 21 -
0.5
113.4
122.3
0.9 1,894.9 1,876.8
8.9
67.2
107.5
40.3
-18.1 2,245.3 1,968.0 -277.3
H20年気象表
平成20年気象表(2008年) 東彼杵茶業支場
平均
気温
1月 上
5.3
中
5.6
下
3.0
2月 上
2.2
中
1.8
下
5.1
3月 上
5.9
中
11.2
下
9.1
4月 上
11.4
中
13.3
下
14.8
5月 上
17.1
中
15.7
下
19.3
6月 上
19.0
中
20.3
下
20.1
7月 上
24.3
中
25.8
下
26.9
8月 上
26.6
中
25.6
下
22.7
9月 上
24.0
中
23.0
下
20.9
10月 上 19.3
中
18.9
下
15.8
11月 上 14.1
中
10.3
下
8.2
12月 上
7.7
中
7.6
下
4.7
年平均 14.7
計
月旬
最高
気温
9.8
9.5
5.8
6.5
6.5
10.3
11.3
17.4
14.6
16.9
18.6
20.9
22.9
22.2
24.8
23.8
23.5
23.8
28.9
30.7
32.1
32.7
30.1
27.5
29.6
27.4
25.2
24.2
25.1
19.9
18.0
15.1
12.6
12.3
12.2
8.3
19.6
旬別平均
最低 相対
気温 湿度
1.6
73.7
2.3
74.8
0.5
74.2
-1.2
67.4
-2.2
54.4
0.4
72.1
1.4
73.9
6.2
68.7
5.4
74.4
7.1
71.8
9.6
77.8
9.6
67.4
12.1
68.5
10.1
69.8
15.0
77.0
15.4
79.3
17.7
90.5
17.5
93.0
20.8
85.8
22.7
81.7
23.4
79.9
23.5
78.1
22.8
86.0
20.0
87.1
20.6
81.0
20.6
87.2
18.1
85.2
15.6
80.7
14.4
69.8
12.7
77.8
11.1
83.1
6.5
75.0
4.8
81.1
3.9
82.5
2.5
77.1
0.6
79.8
11.0
77.6
降水量
(mm)
4.0
68.5
17.5
14.0
0.0
46.5
0.0
38.0
71.5
70.0
33.5
36.0
75.5
54.5
148.0
44.0
272.5
205.5
66.5
12.5
40.5
1.0
109.5
119.0
1.5
44.0
128.5
16.5
0.0
11.0
26.5
12.5
22.5
57.5
0.0
51.0
降水
日数
2
4
3
2
0
3
0
2
4
3
3
1
3
1
4
3
8
6
4
3
2
0
3
5
1
4
6
2
0
3
4
2
5
4
0
2
1,920.0
102
- 22 -
平均
気温
月別平均または月計
最高 最低 相対 降水量
気温 気温 湿度
(mm)
降水
日数
4.6
8.3
1.4
74.3
90.0
9
3.0
7.8
-1.0
65.1
60.5
5
8.8
14.4
4.4
72.4
109.5
6
13.2
18.8
8.8
72.3
139.5
7
17.4
23.3
12.5
71.9
278.0
8
19.8
23.7
16.8
87.6
522.0
17
25.7
30.6
22.3
82.4
119.5
9
24.9
30.0
22.0
83.9
229.5
8
22.6
27.4
19.8
84.4
174.0
11
17.9
23.0
14.2
76.2
27.5
5
10.9
15.2
7.5
79.7
61.5
11
6.6
14.7
10.9
19.6
2.3
11.0
79.8
77.6
108.5
6
1,920.0
102
H20年気象表
平成20年気象表(2008年) 愛野馬鈴薯支場
月
旬
1月 1半旬
2半旬
3半旬
4半旬
5半旬
6半旬
上旬
中旬
下旬
月
2月 1半旬
2半旬
3半旬
4半旬
5半旬
6半旬
上旬
中旬
下旬
月
3月 1半旬
2半旬
3半旬
4半旬
5半旬
6半旬
上旬
中旬
下旬
月
4月 1半旬
2半旬
3半旬
4半旬
5半旬
6半旬
上旬
中旬
下旬
月
5月 1半旬
2半旬
3半旬
4半旬
5半旬
6半旬
上旬
中旬
下旬
月
6月 1半旬
2半旬
3半旬
4半旬
5半旬
6半旬
上旬
中旬
下旬
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11.3
11.8
10.8
17.1
13.4
11.3
13.9
11.4
7.9
10.4
9.7
8.8
7.3
9.6
10.1
8.0
9.2
17.7
0.1
3.1
2.3
2.9
2.6
3.2
1.6
2.6
2.9
2.4
2.3
2.3
2.2
0.8
-0.1
-0.4
2.3
1.5
-0.5
1.1
1.5
2.5
0.2
1.7
2.8
-1.4
1.9
1.0
0.7
1.3
-0.2
1.1
0.0
4.0
3.7
0.3
0.5
2.0
1.9
1.4
1.5
0.5
0.8
-1.3
-0.9
-1.4
0.9
-0.3
-1.1
-0.2
0.5
-1.2
2.3
1.7
0.9
0.6
-0.4
2.0
0.8
0.8
0.9
28.3
29.4
29.9
29.9
31.5
31.9
28.8
29.9
31.7
30.2
32.5
33.1
32.9
31.8
31.4
31.1
32.8
32.3
31.4
32.2
30.9
30.6
30.3
30.2
28.6
28.1
30.7
30.3
28.4
29.8
27.6
25.7
26.6
23.4
23.4
22.2
26.7
25.1
22.7
24.8
20.9
20.9
19.2
17.1
17.5
16.7
21.0
18.1
17.1
18.7
15.8
14.1
12.9
12.9
12.8
11.9
14.9
12.9
12.3
13.4
21.6
28.3
33.6
32.8
33.4
33.9
35.7
30.9
33.1
34.9
33.0
34.4
37.7
35.6
32.1
32.1
31.2
36.1
33.8
31.6
33.7
33.2
34.6
31.1
31.2
30.1
25.3
33.9
31.2
27.7
30.9
27.4
27.6
27.7
29.6
26.5
21.9
27.5
28.7
24.0
26.6
23.0
20.3
21.3
17.0
17.2
16.1
21.6
19.1
16.7
19.2
18.5
13.2
16.1
16.4
13.6
12.2
15.8
16.3
12.8
14.9
22.8
0.0
4.2
2.9
3.5
2.5
3.8
2.1
3.2
3.2
2.8
1.9
4.6
2.8
0.3
0.7
0.1
3.3
1.5
0.2
1.5
2.3
4.0
0.8
1.0
1.5
-2.8
3.2
0.9
-0.7
1.1
-0.2
1.9
1.1
6.2
3.1
-0.3
0.8
3.6
1.3
1.8
2.1
-0.6
2.1
-0.1
-0.3
-0.6
0.7
1.0
-0.4
0.5
2.7
-0.9
3.2
3.5
0.8
0.3
0.9
3.4
0.5
1.5
1.3
23.1
22.9
23.7
23.5
24.4
24.5
23.0
23.6
24.4
23.7
24.5
24.9
24.8
24.9
24.0
24.0
24.7
24.8
24.1
24.5
22.8
22.8
22.7
21.4
20.4
20.0
22.8
22.1
20.2
21.7
18.9
17.9
17.4
15.1
14.0
13.3
18.4
16.2
13.6
16.1
12.0
12.0
10.0
8.4
8.1
7.9
12.0
9.2
8.0
9.7
7.4
5.2
4.6
4.6
4.0
2.8
6.3
4.6
3.4
4.7
13.3
22.3
24.1
24.2
25.8
26.4
26.5
23.2
25.0
26.4
24.9
26.1
25.6
26.0
24.7
22.7
22.9
25.9
25.4
22.8
24.6
23.0
23.4
22.1
23.6
22.8
18.5
23.2
22.8
20.6
22.2
18.3
17.7
16.4
16.8
17.6
13.2
18.0
16.6
15.2
16.6
13.2
13.7
11.5
6.5
7.4
6.0
13.5
9.0
6.7
9.7
6.0
3.8
5.6
3.3
4.5
3.3
4.9
4.5
3.8
4.4
13.3
-0.8
1.2
0.5
2.3
2.0
2.0
0.2
1.4
2.0
1.2
1.6
0.8
1.2
-0.2
-1.3
-1.1
1.2
0.6
-1.3
0.1
0.2
0.6
-0.6
2.2
2.4
-1.5
0.4
0.7
0.4
0.5
-0.6
-0.2
-1.0
1.7
3.6
-0.1
-0.4
0.4
1.6
0.5
1.2
1.7
1.5
-1.9
-0.7
-1.9
1.5
-0.2
-1.3
0.0
-1.4
-1.4
1.0
-1.3
0.5
0.5
-1.4
-0.1
0.4
-0.3
0.0
25.6
26.0
26.6
26.6
27.7
28.1
25.8
26.6
27.9
26.8
28.4
28.9
28.7
28.1
27.5
27.4
28.6
28.4
27.6
28.2
26.6
26.4
26.3
25.6
24.3
23.9
26.5
26.0
24.1
25.5
23.0
21.5
21.8
19.1
18.5
17.6
22.3
20.4
18.0
20.2
16.2
16.2
14.4
12.5
12.6
12.0
16.3
13.4
12.3
14.0
11.4
9.5
8.5
8.6
87.6
67.1
10.5
8.6
7.6
8.9
17.2
25.3
28.8
28.5
29.6
30.1
31.1
27.1
29.1
30.7
29.0
30.3
31.6
30.8
28.4
27.4
27.0
31.0
29.6
27.2
29.2
28.1
29.0
26.6
27.4
26.5
21.9
28.6
27.0
24.2
26.6
22.8
22.7
22.1
23.2
22.1
17.6
22.8
22.6
19.6
21.6
18.1
17.0
16.4
11.7
12.3
11.1
17.5
14.1
11.7
14.4
12.2
8.5
10.9
9.9
9.0
7.7
10.4
10.4
8.3
9.6
18.1
平年
日照時間
本年
平年差
h
h
h
-0.3
31.7
43.4
2.8
37.6
64.3
1.9
38.7
61.5
3.0
44.1
57.3
2.4
53.9
63.3
3.1
64.5
75.3
1.3
69.3 107.7
2.5
82.8 118.7
2.8 118.4 138.6
2.2 270.4 365.1
2.0
49.6
60.0
2.7
50.9
57.9
2.1
49.2
59.1
0.3
42.6
43.5
-0.1
43.3
45.5
-0.4
43.4
49.7
2.4 100.5 117.8
1.2
91.8 102.6
-0.4
86.7
95.2
1.0 279.0 315.6
1.5
41.1
55.4
2.6
38.6
55.0
0.3
40.3
39.2
1.8
44.8
43.6
2.2
38.7
45.1
-2.0
37.7
28.1
2.1
79.6 110.4
1.1
85.2
82.8
0.1
76.4
73.2
1.1 241.2 266.4
-0.2
42.9
41.4
1.2
31.9
42.4
0.3
39.8
49.6
4.1
32.0
50.2
3.6
29.9
38.1
0.1
35.1
37.3
0.5
74.8
83.7
2.2
71.7
99.7
1.6
65.0
75.4
1.4 211.6 258.8
1.9
27.4
33.2
0.8
33.5
33.3
2.0
27.4
40.7
-0.8
24.0
29.7
-0.3
34.5
30.6
-0.9
26.2
35.5
1.3
60.9
66.6
0.7
51.4
70.4
-0.6
60.8
66.1
0.4 173.1 203.0
0.8
28.7
38.9
-1.0
27.3
29.9
2.4
27.1
35.3
1.3
23.3
40.1
-78.6
25.0
21.8
-59.4
32.3
41.4
-0.1
56.0
68.9
1.9
50.3
75.3
0.7
57.3
63.2
0.7 163.6 207.4
0.8 2470.5 2692.9
注1)平年:平成10∼平成19年の平均値
注2)2008年1∼2月の日照時間は、観測装置の故障のために欠測とした。
注3)一部のデータによっては、観測装置の故障により欠測の場合があるので、気象データを利用する場合には注意する。
- 24 -
平年
mm
降水量
本年
mm
平年差
mm
11.7
54.4
86.0
31.7
26.7
66.3
0.0 -66.3
22.8
57.0
0.0 -57.0
13.2
54.7
46.5
-8.2
9.4
61.1
0.0 -61.1
10.8
31.9
0.0 -31.9
38.4 120.6
86.0 -34.6
35.9 111.7
46.5 -65.2
20.2
93.0
0.0 -93.0
94.7 325.3 132.5 -192.8
10.4
32.5
0.5 -32.0
7.0
30.5
0.0 -30.5
9.9
15.4
3.0 -12.4
0.9
38.9
81.0
42.1
2.2
26.8
47.0
20.2
6.3
83.6
9.0 -74.6
17.3
62.7
0.5 -62.2
10.8
53.9
84.0
30.1
8.5 110.2
56.0 -54.2
36.6 226.1 140.5 -85.6
14.4
42.9
4.0 -38.9
16.5
72.9
0.0 -72.9
-1.1
24.2
90.5
66.3
-1.2
31.9
3.0 -28.9
6.4
33.3
11.0 -22.3
-9.6
21.0 127.0 106.0
30.8 115.8
4.0 -111.8
-2.3
56.1
93.5
37.4
-3.2
54.3 138.0
83.7
25.2 226.2 235.5
9.3
-1.5
6.4
16.0
9.7
10.6
33.0
5.5 -27.5
9.8
11.2
0.0 -11.2
18.2
30.4
0.0 -30.4
8.2
7.7
4.5
-3.2
2.2
13.3
3.5
-9.8
8.9
39.4
21.5 -17.9
28.0
41.6
0.0 -41.6
10.4
20.9
8.0 -12.9
47.3 101.9
29.5 -72.4
5.8
49.0
14.0 -35.0
-0.2
10.9
31.5
20.6
13.3
10.0
15.5
5.5
5.8
9.7
1.0
-8.7
-3.9
6.2
10.0
3.8
9.3
14.1
6.0
-8.1
5.7
59.9
45.5 -14.4
19.1
19.7
16.5
-3.2
5.3
20.3
16.0
-4.3
29.9
99.8
78.0 -21.8
10.3
19.8
22.5
2.7
2.6
6.7
11.0
4.4
8.2
6.3
4.5
-1.8
16.8
7.5
0.0
-7.5
-3.2
7.6
59.5
51.9
9.1
3.5
0.0
-3.5
12.9
26.5
33.5
7.1
25.0
13.8
4.5
-9.3
5.9
11.1
59.5
48.5
43.8
51.3
97.5
46.3
222.5 1955.2 1973.5
18.3
企画経営部
Ⅳ.試験研究の概要
企 画 経 営 部
【研究調整科】
1.研究調整に係わる主要経過
月 日
行 事 内 容
4. 1 転入者辞令交付式(農試)
2 転入者オリエンテーション(農試)
4 諌早干拓営農支援センター開所式(干拓)
8 科学技術振興局長・課長来所(農試)
10 農業大学校入学式(諫早市)
11 研究企画担当者会議(長崎市)
14∼15 研究事業評価場内検討(農試)
23 ながさき農林業大賞運営委員会(長崎市)
25 農林部地方機関長会議(長崎市)
5.
2
12
14
22
22
30
6.
月 日
8.4∼5
7
19∼21
25
25
28
研究企画担当者会議(長崎市)
研究事業評価第 1 回場内検討会
科学技術振興局長来場(農試)
研究事業評価第 2 回場内検討会(農試)
農林系 3 場企画担当者会(農試)
研究事業評価内部検討会(長崎市)
9.
2
8
9
15∼19
25
ながさき農林業大賞運営委員会(長崎市)
試験研究機関退職者協議会役員会(農試)
農大検討作業チーム会(長崎市)
農林科学技術交流(∼19 日,中国福建省)
北部九州 3 県農業関係試験研究機関合同会議(農
試)
2
2
4
4
5
9
11
12
12∼13
13∼21
16
18
30
研究事業評価内部検討会(長崎市)
産業支援制度普及説明会(佐世保市)
産業支援制度普及説明会(五島市)
試験研究機関退職者協議会役員会(諫早市)
産業支援制度普及説明会(新上五島町)
産業支援制度普及説明会(島原市)
産業支援制度普及説明会(対馬市)
産業支援制度普及説明会(壱岐市)
全国農業関係試験研究場所長会(愛知県)
真津山小学校米作り体験学習(農試)
産業支援制度説明会(大村市)
農林関係企画担当者会議(農試)
農林業技術普及連絡会議(農試)
10.
11.4∼5
6
15∼16
17
22
韓国済州道農業技術院視察(農試)
佐世保北中学校視察(農試)
実り恵みの感謝祭(長崎市)
九州北部 3 県農業試験場合同会議(日田市)
試験場公開(農試)
7.
研究事業事後評価場内プレゼン(農試)
研究企画担当者会議(長崎市)
農工連携チーム会議(大村市)
研究事業事後評価場内プレゼン(農試)
県農林業試験研究機関退職者協議会総会(諫早
市)
第1回研究事業評価委員会(親委員会)
県政出前講座(長崎市)
九州地方知事会議農業関係試験研究広域連携
推進会議(別府市)
12.
長崎県公立高等学校退職者校長会見学(農試)
農林水産関係中堅研究員研修(つくば市)
研究企画担当者会議及び戦略プロジェクト研究打
合せ(長崎市)
諫早湾環境保全型農業検討委員会合同部会(諫
早市)
研修報告会(農試)
研究成果発表会(長崎市)
農林業技術連絡会議(長崎市)
仕事納め式(農試)
2
2
3
4
4
4
17
31∼8.1
- 25 -
2
8
16
21
21
22
27
28
行 事 内 容
九州地区農業試験研究機関場所長会議(鹿児島
市)
第 1 回農林分野研究評価分科会(農試)
九州農業研究発表会、マッチングファーラム、合同
ポスター発表会、専門部会(熊本市)
農林業大賞審査会(長崎市)
第 2 回農林分野研究評価分科会(農試)
第 1 回機関評価委員会(長崎市)
2
3∼5
5
11
17
18
18
26
長崎県農林水産統計協会定期総会(長崎市)
企画担当者会議(長崎市)
全国棚田サミット(長崎市)
藤井副知事との面談(長崎市)
人権問題研修会(農試)
法務省審議官干拓現地視察(干拓)
九州沖縄地域研究普及連絡会議(熊本市)
第 2 回九州地区農業試験研究機関場所長会議(熊
本市)
企画経営部
月 日
1. 5
9
9
16
11
27∼28
28
28
2.
2
4
4
4
9
10
12
12
16
17
行 事 内 容
仕事始め式及び永年在職職員表彰式(農試)
産学官連携推進機構講演会及び賀詞交換会(長
崎市)
道州制講演会(諫早市)
日本農業賞現地調査(飯盛町)
JST 募集予定事業説明会(福岡市)
九沖推進会議気象推進部会(熊本市)
県央地域農業活性化大会(大村市)
公設試研究成果発表会(長崎市)
月 日
2. 17
17
17
19
20
24
25
26
27
戦略プロ研究推進事業中間報告(長崎市)
研究成果の知事へのプレゼン(長崎市)
JST シーズ発掘型試験等説明会(農試)
農政ビジョン WG(長崎市)
九農研評議員会及び九沖農業試験研究推進会
議本会議(熊本市)
九州農業試験研究機関場所長会企画担当者会
議(熊本市)
第 2 回機関評価委員会(長崎市)
科別検討会(馬鈴薯育種)(愛野)
科別検討会(流通加工)(農試)
科別検討会(経営機械)(農試)
3.
3
3
9
10
11
12
13
17
19
19
23
行 事 内 容
科別検討会(茶)(東彼杵)
農商工連携による地域活性化交流会(諫早市)
科別検討会(土壌肥料)(農試)
科別検討会(馬鈴薯病害虫)(愛野)
科別検討会(干拓)
場内検討会(林業)(農試)
場内検討会(野菜、茶)(農試)
場内検討会(いも類、花き、作物)(農試)
場内検討会(総合営農)(農試)
部門別検討会(畜産)(有明町)
高機能発酵茶連携プロジェクト推進会議(長崎市)
部門別検討会(野菜)(農試)
部門別検討会(いも類、農産)(農試)
部門別検討会(花き、総合営農)
部門別検討会(果樹)(大村市)
部門別検討会(林業、茶)(農試)
農大卒業式(諫早市)
合同ゼミ特別講演会(農試)
農大あり方検討委員会(長崎市)
科学技術進行会議(長崎市)
【経営機械科】
全自動収穫ロボットシステムの開発
(県単:連携プロジェクト 平 19∼21 工業技術センター共同)
アスパラガス栽培において、担い手の高齢化及び減少傾向
の中、産地の拡大強化を図るため、工業技術センターと共同
で、全自動収穫ロボットシステムの開発に取り組んだ。当科で
は、「収穫ロボット用圃場の開発」の課題で、指定した範囲へ
の発芽制御及び栽培システムの開発を担当した。
発芽位置制御に関しては、通常畦全体に平均して立茎を行
うが、当試験では畝間 80 ㎝の中央部 25 ㎝の位置に立茎し、
ロボットが収穫しやすい外側に発生する収穫芽の位置を測定
した。その結果、10 本立茎区が収量も多く、発生も 67%が収
穫しやすい外側であった。
栽培システムでは、プラスチック板で隔離し、収穫高さを 30
㎝とし、通路もロボットが移動しやすいプラスチック板とした。
本年度は発芽位置制御試験では 6,8,10 本立茎による収
量比較、昨年度移植した栽培システムでは収量調査を行っ
た。
(片岡正登)
ジャガイモそうか病土壌薫蒸剤使用量削減のための
総合的防除対策
(県単:特別研究 平 18∼20 愛野馬鈴薯支場共同)
ばれいしょ栽培においては、そうか病発生抑制のために土
壌を低 pH に維持し、堆肥や石灰資材の施用を制限してきた。
このため収量・品質を確保する目的で化学肥料の多投入や土
壌くん蒸を行っているが、長期的には土壌や資源の状態をさ
らに悪化させている。このような状況を脱却し、農業生産の持
続、生活環境の保全を図るため土壌くん蒸剤に替わり微生物
の拮抗作用を利用した病害抑制を図る。この新技術の経営評
価として、新技術では、従来の土壌くん蒸剤利用の体系と比
べ、収量の低下や小芋の割合が高かった。技術の改善による
収量の増大や大玉化、または、現場技術実践農家同等の単
価となれば、従来の体系と同等の所得は確保できる。
(土井謙児、清水一也)
集落営農組織の農地流動化支援技術の開発
(県単 平 19∼21)
国は平成 17 年に経営所得安定対策等大綱を示し、一定の
経営規模以上の認定農業者および一定規模以上の農地集
積等の要件を満たす集落営農組織等に施策を集中することと
した。このことを受けて集落営農組織の育成活動を支援する
ため、農林業センサスデータを基に農業集落情報分析支援ツ
ールと農地流動化支援プログラムを開発に取り組んだ。
農業集落情報分析支援ツールは、集落診断データベースと
農業集落データマップから構成することとし、20 年度は農業集
落データマップを作成した。また、農地流動化支援プログラム
開発のためのモデル的集落営農組織の実情とデータを収集
し開発作業に着手した。このプログラムの一部として農地流動
化の程度を視覚化する機能をGIS(地理情報システム)ソフト
ウェアと表計算ソフトウェアを使用して作成した。
(土井謙児、清水一也)
諫早湾干拓地における環境保全型大規模生産技術
体系の構築(受託(実用技術開発事業) 平 19∼21)
1.ばれいしょの環境保全型栽培技術体系の開発
- 26 -
企画経営部
昨年度より改善されたばれいしょ多機能植え付け機の作業
能率、作業精度について調査するとともに、作業時間等の変
更を行い、環境保全型栽培技術体系モデルを作成した。作成
したモデルでは化学肥料は半減可能となり、特別栽培基準に
適応している。ただし化学農薬については減農薬のための技
術導入(黄色灯など)によって削減できる散布回数等を調査し
ながら今後提示する。
た。また、イチゴ栽培において光触媒を利用し、農薬散布回
数の削減を図った。本年度は光触媒塗布ガラス室においてう
どんこ病、灰色かび病について効果を調査中である。さらにイ
チゴについては、育苗期間中の農薬散布回数削減と炭疽病
拡大防止のため、流水育苗ポット台を開発し、その効果を確
認した。
(片岡正登)
2.大規模干拓地における環境保全型農業技術の経営的評
価
開発中の多機能植え付け機を取り入れた場合の春ばれいし
ょマルチ栽培体系について、干拓地における作業可能日数を
考慮した機械体系別・作業別の作業面積等を推定した。この
結果、作業可能面積は 7.4ha まで拡大できる。栽培面積が 6ha
の場合多機能植え付け機による作業時間は、付随する作業も
含め 31 時間以内にする必要があることが判った。また、入植
者に対する調査結果から入植経営の実績と同等の収入水準
を維持するためには、現状の 1 株当たり収量 601g から 664∼
830g 水準に上げる必要があることが判った。
(片岡正登、土井謙児)
びわ産地の復興と経営再建のための営農計画策
定・評価手法の開発(県単 平 20∼22)
施設野菜栽培環境改善技術の確立
平成 18 年度の台風被害からの産地復興を目指す長崎市の
びわ産地において、アンケート及び園地台帳をもとに、データ
ベースを構築し産地の現状や課題の要因などを明らかにす
る。
長崎市のびわ産地は、専業農家の栽培面積が 46aであるな
ど、多くの小規模農家が支えている構造であることがわかっ
た。経営規模は現状維持とする意向が多いものの、経営主の
高齢化が進行しており、現在の産地規模を維持するために
は、60 歳以下の拡大意向者が約 2 倍の規模拡大が必要とな
った。経営課題では収穫・袋かけ等労力課題への対応や園内
道の整備等が必要であることがわかった。
(県単 平 20∼22)
アスパラガス栽培においてミスト装置利用による夏期の昇温
抑制を行い、管理作業の快適性向上及び収量向上を図る。
本年度は周年に渡りハウス内温湿度環境の調査を実施し
- 27 -
(清水一也)
干拓部
干 拓 部
Ⅰ.大規模営農に対応した環境保全型農業の確立
①諫早湾干拓地における環境保全型大規模生産技術体系
の構築(19∼21 年度) 実用化技術開発事業
小課題「有機質資材の安定した肥効の確立による減化学肥
料栽培技術の確立」のうち、「環境保全型施肥による栄養塩排
出軽減効果の実証」について(独)農業・生物系特定産業技
術研究機構九州沖縄農業研究センターと共同研究を実施し
た。
調査ほ場では、2008 年春作:バレイショ、夏作:ソルガム(ほ
場還元)、秋作:バレイショ、冬作:オオムギの順で作付し、暗
渠排水流量と排水中の窒素・リン濃度を測定した。
2007 年秋バレイショの植え付け(2007.9.12)から 2008 年春
バレイショの収穫(2008.6.5)までの期間では、窒素の作物利
用率(作物吸収量/施肥量)は 70%程度と高く、裸地期間も
含めた暗渠からの流出率は比較的低かった。秋・春のバレイ
ショは、成分調整型堆肥の導入により排出負荷量が抑制され
た環境保全的な作付がなされたと言える。リンの暗渠からの流
出率はきわめて小さく、成分調整型堆肥により導入されたリン
の収支は概ね一致した。調査期間中は地表排水がなかった
ために、表面流出に伴う流出量がなく、結果としてリンの総流
出量は小さい値となった。
併せて、干拓地内の 3 営農者において、成分調整成型堆肥
のバレイショと加工用ホウレンソウでの実証栽培を行った。
(山田寧直)
②減化学肥料栽培技術(20∼22 年度)
ア.機械化精密農法による減肥料栽培技術の確立
近赤外線画像を用いた植被率による葉面積指数の推定法
近赤外線画像を撮影できるデジタルカメラで、手持ちで地上
1.5m、植物体に垂直方向に撮影を行うことで約 1.0m2 の範囲
の近赤外線画像が得られた。この画像を植被率測定用のソフ
トウエアにより、植被率の測定ができた。今回、秋作バレイショ
の、品種ニシユタカで調査を行ったところ、秋作バレイショの植
被率は、植え付け後 60 日程度で最大となった。また、バレイシ
ョ の 葉 面 積 指 数 ( LAI ) と 植 被 率 の 間 で 相 関 が 得 ら れ た
(R2=0.748).以上の結果より、秋バレイショの生育量把握に関
して、近赤外線画像解析の有効性が確認できた。
(宮嵜朋浩)
イ.露地園芸作物における有機質肥料施肥法の確立
有機質肥料の選定
県内未利用資源から有機質肥料として活用できる資材を検
討した。動物性の資材は肉骨粉、魚粕、家畜排泄物が、植物
性の資材は油かす類があるが、原料の消費動向、衛生問題、
加工の必要性、価格等を勘案すると、鶏ふんと油かすが諫早
湾干拓地に導入しやすいと考えられた。鶏ふんは臭気対策と
窒素成分量の業者による違いが、油かすは原料生産国の供
給動向が課題であった。
有機質肥料である乾燥鶏ふん、ナタネ油かす、魚粉の秋冬
露地野菜畑での窒素の分解特性を調査した。乾燥鶏ふんの
施用 14 日後までに窒素の約 70%が分解し、その後はほとん
ど分解が進まなかった。ナタネ油かすと魚粉の窒素の分解率
は施用 14 日後は約 50%であり、60 日後に約 75%分解するま
で緩やかに進んだ。キャベツ(品種「彩ひかり」)を用いナタネ
油かす、魚粉、有機ペレット(骨粉系)、乾燥鶏ふんの 4 種類を
基肥窒素 30kg/10a で栽培したところ、ナタネ油かす、魚粉、
有機ペレットは 1 株重は慣行(硫安のみ)と同等であったが、
調整重は慣行の約 70%であった。肥効率 50%として施用した
乾燥鶏ふんは、1 株重で約 2 倍、調整重で約 1.7 培の増収効
果があった。
(山田寧直)
春バレイショ有機質施用試験
県特別栽培に準じ、化学肥料(硫安)による窒素施用量を
7kg/10a とし、残りを有機質肥料であるナタネ油かすで補う栽
培試験を実施した。油かすの施用量は窒素換算で 7kg/10a、
21kg/10a、49kg/10a の 3 段階とした。本試験には「デジマ」を
供試した。
油かすの施肥量による出芽や茎数への影響はなかったが、
茎長に対しては投入した窒素量が多いほど、茎長は長くなっ
た。収量は油かす 21kg 以上(N=28kg)を投入しないと慣行と
同程度とならなかった。原因の一つとして、ナタネ油かすの肥
効率の影響が考えられた。
(宮嵜朋浩)
秋バレイショ有機質施用試験
「県特別栽培に準じ、化学肥料(硫安)による窒素施用量を
7kg/10a とし、残りを有機質肥料であるナタネ油かすで補う栽
培試験を実施した。油かすの施用量は窒素換算で 7kg/10a、
21kg/10a、49kg/10a の 3 段階とした。本試験には「デジマ」を
供試した。
油かすの施肥量が多くなるほど、出芽率が低下した。これは
油かすの分解に際して、発熱が生じたため、出芽が抑制され
たのではないかと推測された。油かす施用量による茎長への
影響はみられなかった。10a あたりの株数(6,150 株/10a)と最
終出芽率を乗じて、10a あたりの収量を算出した。「デジマ」で
は油かす 21kg 区で慣行と同程度の収量が得られた。障害塊
茎は硫安区と同程度であり、問題にならなかった。
(宮嵜朋浩)
早生タマネギの施肥試験
諫早湾干拓地での早生タマネギ栽培において、慣行の黒マ
ルチと比較して地温が低くなる白黒ダブルマルチを用いて地
温とタマネギの球肥大や生育に与える影響および減肥の可能
性を検討する。白黒ダブルマルチは、地温が上昇し始める 2
月下旬から地温を抑制し、感温性の高い早生タマネギ栽培で
は、慣行の黒マルチと比較して収穫期を 2 週間程度遅らせる
ことが示された。生育後半の地温を低く維持し生育速度を遅く
することで早生タマネギの球肥大を促進し、慣行の黒マルチ
栽培に比べ 3 割増収することが示された。また、白黒ダブルマ
ルチ被覆で、慣行の窒素肥料を 2 割減肥しても同等の収量が
得られることがわかった。
(川原洋子)
冬ニンジンの施肥試験
諫早湾干拓地での冬ニンジン栽培において、環境保全型
- 28 -
干拓部
農業の推進を目的として、有機質肥料(油かす)を用いた減肥
の可能性と品質および収量への影響を調査する。総収量は、
慣行区が 6,661kg/10a、元肥有機区が 6,193kg/10a、有機 5
割代替区が 5,526kg/10a の順となり、商品化率は元肥有機区
が 67%と一番高かった。ニンジンの内容成分のうち無機成分
は、慣行区と有機 5 割代替および元肥有機区は同程度であっ
たが、有機 5 割代替および元肥有機区のα-カロテンβ-カロ
テン含量が慣行区に比べ高い数値を示した。また、元肥有機
区の遊離アミノ酸総量は慣行区に比べ約 30%増加した。
(川原洋子)
キャベツ・ハクサイ
有機質肥料である乾燥鶏ふん、ナタネ油かす、魚粉の秋冬
露地野菜畑での窒素の分解特性を調査した。乾燥鶏ふんの
施用 14 日後までに窒素の約 70%が分解し、その後はほとん
ど分解が進まなかった。ナタネ油かすと魚粉の窒素の分解率
は施用 14 日後は約 50%であり、60 日後に約 75%分解するま
で緩やかに進んだ。キャベツ(品種「彩ひかり」)を用いナタネ
油かす、魚粉、有機ペレット(骨粉系)、乾燥鶏ふんの 4 種類を
基肥窒素 30kg/10a で栽培したところ、ナタネ油かす、魚粉、
有機ペレットは 1 株重は慣行(硫安のみ)と同等であったが、
調整重は慣行の約 70%であった。肥効率 50%として施用した
乾燥鶏ふんは、1 株重で約 2 倍、調整重で約 1.7 培の増収効
果があった。
キャベツでの栽培試験をナタネ油かすを供試し、品種は「彩
ひかり」を用いて行った。施肥は長崎県特別栽培農産物の慣
行施肥窒素の 28kg/10a とし、その 1/2 をナタネ油かすで施用
した。平成 20 年 9 月 19 日に定植し、21 年 2 月 13 日と 19 日
に収穫した。その結果、慣行(硫安のみ)が 6,078kg/10a と高
収量であったのに対し、1/2 ナタネ油かすでは 4,622kg/10a と
24%の減収であった。ハクサイ(品種「黄ごころ 75」)でも同様
に、施肥窒素 21kg/10a、9 月 19 日定植、12 月 8 日収穫で試
験を実施したところ、1/2 ナタネ油かすでは 3,897kg/10a と慣
行(4,511kg/10a)の 86%の収量であった。有機質肥料の利用
にあたっては、窒素分解率を考慮した施肥設計が必要であっ
た。
(山田寧直)
秋冬ハクサイ
化学肥料の代替肥料として、ナタネ油かす、魚粉、乾燥鶏
ふんを供試した。品種は「黄ごころ 85」を用い、施肥は長崎県
特別栽培農産物の慣行施肥窒素の 21kg/10a 相当としたが、
乾燥鶏ふんは窒素肥効率を 50%と換算とし、総窒素量は
31.5kg/10a 相当となった。平成 20 年 9 月 19 日に定植し、21
年 1 月 6 日に収穫した。生育期間中に平年の約 2 倍の降雨が
あり、特に基肥施用直後の 9 月 15 日と定植直後の 9 月 29 日
∼30 日の降雨で、肥料成分が溶脱し、ハクサイの初期生育も
停滞した。収量調査の結果、乾燥鶏ふんは 9,122kg/10a と目
標収量 8,000kg/10a を超えたが、ナタネ油かすと魚粉は約
5,000kg/10a と慣行(硫安のみ)並の収量であった。乾燥鶏ふ
んの施用 14 日後までに約 70%が分解し、肥効率 20%分の
4.2kg/10a が過剰供給されたと考えられ、ハクサイの生育にお
いて最も窒素を供給できたことが増収につながったと考えられ
た。本年は慣行 21kg/10a においても目標収量 8,000kg/10a
の確保できなかった。諫早湾干拓地はの秋冬ハクサイでは窒
素施用量 21k/10a では不足する年があると考えられ、地力の
増強を図るほか、有機質肥料の種類に応じて肥効率等を勘案
した施肥体系を確立する必要があると考えられた。
(山田寧直)
冬キャベツ
化学肥料の代替肥料として、ナタネ油かすと有機ペレット
(試供品、骨粉系肥料)を供試した。品種は「金系 201 号」を用
い、施肥は長崎県特別栽培農産物の慣行施肥窒素の
28kg/10a とし、追肥作業を省力化するため緩行性肥料である
ハイパーCDU と LPS40 を基肥と同時に施用する 4 区を設置し
た。平成 20 年 9 月 19 日に定植し、21 年 1 月 5 日に収穫した。
その結果、ナタネ油かす、有機ペレットとも慣行(硫安、
37,791kg/10a)と同等かそれ以下の収量となった。みかけの窒
素利用率は、慣行(硫安のみ)の 35%が最も高く、そのほかは
30%以下であった。窒素の分解率を測定すると、ナタネ油か
すは 14 日後に約 50%と分解が遅く、60 日後に約 75%分解す
るまで緩やかな分解であった。定植前後の豪雨、緩行性肥料
の供試と併せ、基肥によるキャベツ生育初期に窒素供給量が
少なかったことが減収につながったと考えられた。使用する有
機質肥料の肥効率等を勘案した施肥体系を確立する必要が
ある。現在の諫早湾干拓地ではリン酸、カリウムの施肥は必要
がないので、市販の 3 要素入りの高度化成肥料や有機質肥料
に比べ、安価なナタネ油かすを用いると肥料費は周辺産地と
ほぼ同等であった。
(山田寧直)
春作バレイショマルチ後定植栽培の検討
春作バレイショのマルチ後定植栽培とは、あらかじめ施肥・
成畦・マルチングを行った畦に種いもを植え付ける方法である。
この方法は圃場条件が良いときに成畦を行い、植え付け時期
に合わせて定植するため、通常の栽培体系に比べ作業計画
が立てやすく、芽だし作業の省略、植え付け作業の効率化な
どの利点が多い。本研究は品種ごとの適切な定植時期を検討
した。
「デジマ」は定植時期が遅くなるほど収量が少なくなった。「ト
ヨシロ」は 3 月上旬、中旬定植では塊茎の肥大もよく収量が望
めた。「メークイン」は定植時期に関わらず、収量、塊茎の規格
とも一定であった。「アイユタカ」は植え付け時期に関わらず塊
茎の肥大が良く、定植時期が遅くなっても L 級以上の収量が
見込めることがわかった。
(宮嵜朋浩)
未成熟ソラマメの栽培適性
諫早湾干拓地におけるマメ科植物の栽培適性を判断するた
め、未成熟ソラマメについて検討した。20 年度は着莢促進を
目的として開花期以降の摘芯時期と生育・収量の関係につい
て調査した。
「陵西一寸」を供試し、平成 19 年 10 月 30 日には種した。
N-10kg/10a(硫安 47.6kg/10a)を全量基肥で施用し、畦巾
160 ㎝× 株間 40 ㎝ 1,560 株/10a で整枝は行わず放任とし
た。収穫は平成 20 年 5 月 8 日∼23 日となった。
摘心時期の違いによる総収量は、放任区が 1,910 ㎏/10a で
最も高く、次いで 4/13 摘心区の順となり、摘心時期が早くなる
に従い収量は低くなった。1 莢平均重も放任区で高く、3/24 摘
心区で低くなった。
以上のことから一斉収穫に向けた栽培では、無整枝無摘心、
又は無整枝 4 月中旬摘心で良いと判断された。
(小林雅昭)
ウ.施設園芸作物における有機質肥料施肥法と品質向上技
術の確立
①促成イチゴの栽培適性(19∼20 年度)
- 29 -
干拓部
諫早湾中央干拓地土壌に対する促成イチゴの栽培適応性
並びに施肥法について、平成 16∼18 年度の 3 ヵ年の成績か
ら諫早湾干拓地における施設イチゴ「さちのか」の基準施肥量
は、総窒素施肥量 20kg/10a とし、うち 16kg/10a を基肥として、
硫安と 140 日タイプの緩効性肥料を窒素成分比 1:3 の比率
で配合するとした。また、追肥は 140 日タイプの緩効性肥料
(窒素成分 4kg/10a)をマルチング被覆前に施用することとした。
このことを受け、平成 19 年度から、化学肥料の施肥量を低減
する施肥設計について検討した。
19 年度は、総窒素施肥量にうち 5kg/10a(前年までの硫安
相当量)を有機質肥料に代替し調査した。
定植は 19 年 9 月 20 日に行った。育苗後期から炭疽病が発
生し、定植後も発病が散見された。収穫は 12 月 14 日から始ま
り、20 年 5 月 16 日まで実施した。標準区(総窒素施肥量
20kg/10a、うち有機肥料 5kg/10a)で 3,197kg/10a、株当り
448g の収量となり、処理間での差は認められなかった。次年
度以降、有機質肥料の施肥割合を総窒素施肥量の 1/2 以上
とし、継続して調査する。
(小林雅昭)
②ネットメロン(春作栽培)の減化学肥料栽培法
諫早湾中央干拓地におけるネットメロンの栽培については、
前作までの結果からその適応性が高いことが実証された。本
作から総窒素施肥量の 1/2 もしくは全量を有機質肥料に代替
し、その生育及び収量について調査した。
前作は、チンゲンサイであり、メロンの連作は 8 作目である。
品種は、「アムス」(ネット系)、「ユウカ」(芳香性ネットメロン)
を供試し、平成 20 年 1 月 25 日は種、3 月 1 日定植した。
収穫は、6 月 20∼23 日中心となり、「アムス」の平均果実重
は 1300g と前年並みであったが、糖度は 14.5 度で前年と比較
してやや低い結果となった。
施肥の違いでは、化学肥料の窒素成分の 1/2 又は全量を
有機質肥料(ニーム核種子油かす)に置き替えた施肥体系で
は、成熟日数、成熟積算温度、果実糖度は差がないものの、
果実重は全量有機質肥料施用で劣った。
今回供試した「ユウカ」は、芳香性が高く、肉質、食味ともに
良好な黄皮緑肉のネットメロンであるが、離層の発現で落果し
やすいことや店持性が劣ることなどから全国的には栽培、流通
がほとんどない品種である。
その平均果実重は 1,500g前後で「アムス」より肥大 がよく、
糖度も 15.3 度で安定した。
成熟日数は、「アムス」より 4∼5 日程度短い。
「ユウカ」に対する施肥の影響は、「アムス」と同 様に成熟日
数、成熟積算温度、果実糖度は差がないものの、果実重は全
量有機質肥料施用で劣った。
降雨後、ハウス内への地下浸透が著しい箇所があり、着果
期以降葉色が退色する症状が散見された。ワグネルポットを
用いた再現試験を実施したが、地下水位が高い設計で葉の
退色現象が著しく、果実肥大も劣った。
収穫後のポット土壌分析の結果では、水溶性塩素イオン濃
度は 100ppm 未満であり、塩害の可能性は低いと判断された。
湿害により生育が悪く、果実肥大が劣る箇所は全量有機質肥
料施用区であり、施肥設計の違いで全量有機質肥料区で果
実肥大が劣ったことについては、湿害による影響も無視できな
い。
次作では、排水対策(測溝)を講じ継続して検討する。
(小林雅昭)
③ネットメロン(抑制栽培)の減化学肥料栽培法
諫早湾中央干拓地におけるネットメロンの減化学肥料栽培
法について 9 作目栽培で調査した。
品種は、「ベネチア秋」「パリス秋Ⅰ」を供試し、平成 20 年 7
月 30 日播種、8 月 13 日定植の作型で実施した。
施肥は、総窒素施肥量 10kg/10a とし、慣行区(化学肥料
N-10kg/10a:硫安)に対し、ニーム核種子油かすを用いた 1/2
有機区、全量有機区を設け、比較検討した。
収穫は、11 月 4 日∼12 日となった。
平均果実重を見ると、年々低下傾向にある。このことは、干
拓土壌では生育後期まで草勢が旺盛で裂果の発生が多いこ
とから、少かん水管理としたことによると思われるが、土壌変化
の影響も考えられることから、継続した解析が必要である。
平均果実重は「ベネチア秋」が 1,303g、「パリス秋Ⅰ」が
1,393g と小球傾向であった。
糖度はそれぞれ 15.0、16.6 と高く安定した。
裂果の発生はなく商品化率(果実糖度 14 度以上で裂果等
がないもの)も高かった。
施肥設計の違いによる果実重並びに糖度の差は認められな
かった。
施肥窒素の 1/2 または全量を有機質肥料に代替した施肥で
も秋作メロンの栽培は可能であると評価されたが、全体として
果実肥大が劣ったこと、生育の後期に葉色が低下し、肥料切
れのような症状も観察されたことから、次年度も継続した調査
を実施する。
(小林雅昭)
④促成トマトの栽培適性試験
諫早湾干拓地における促成トマト栽培で窒素肥料の種類と
施肥法による収量、品質の違いを検討する。麗容の 1∼6 月(1
∼19 段目)までの総収量は慣行区 7,055kg/10a となった。肥
効調節型肥料(LP)を用いた局所施肥区が 6,356kg/a で慣行
に比べ 1 割減収し、有機質肥料(ニーム)区が 8,115kg/a と慣
行区に比べ約 1 割程度増収したが、冬場の霜害や黄化葉巻
病が発生したことにより収量への影響が調査できなかった。全
試験区において、規格外割合が 3∼4 割、1 月から 3 月までの
Brix 糖度が 6.8∼7.7%となった。
(川原洋子)
⑤施設アスパラガスの栽培適性と施肥法
諫早湾干拓地における施設アスパラガスの栽培適応性と施
肥設計の確立について、平成 17 年 6 月 1 日は種、同年 10
月 11 日定植した株を 18、19 年度の 2 ヵ年間継続して調査し
た。本年度から 3 年株以降の施肥体系について、有機質肥料
を用いた減化学肥料栽培について検討した。
施肥設計は、前年度までの窒素 30∼50kg/10a 施肥の 3 水
準を継続するとともに、50kg/10a のうち 1/2 を有機質肥料に代
替する区を設けた。また、追肥の体系については 1 回の追肥
量を 10kg/10a とし、追肥回数で調製する体系と、毎月 1 回の
追肥でその施肥量を 4∼8kg/10a で調製する体系とで検討し
た。
春の収穫は、20 年 1 月 21 日に保温を開始し、2 月 4 日から
収穫が始まった。4 月 21 日に立茎を開始し、以後親茎として
不適な 14 ㎜径以上の若茎を継続して収穫した。5 月 19 日ま
での収量は、1,191∼1,440kg/10a となり、前年度の窒素施肥
量 50kg/10a 区で高い収量となった。
夏の収穫は 5 月 21 日から始まり、10 月 31 日まで行った。収
量は、1,539∼2,228kg/10a で総窒素施肥量 50kg/10a でたか
かったものの、同施肥量で 1/2 を有機質肥料に代替した区は、
- 30 -
干拓部
総窒素施肥量 40kg/10a(化学肥料のみ)と同程度の収量とな
った。
次年度以降も継続した調査する予定。
(小林雅昭)
⑥メロン後作軟弱野菜(ミズナ)
短期間で収穫が可能な軟弱葉菜類について施設の有効利
用とクリーニングクロップとしての利用を目的として無肥料栽培
での生育、収量について調査した。
「京みぞれ」(タキイ種苗)を供試し、秋作メロンの収穫が終
了した後の 11 月 19 日に直播した区と 10 月 31 日に 128 穴ト
レイには種し、4 週間育苗した苗を定植する区を設定し、無肥
料栽培で実施した。
その結果、直播栽培は、は種後 70 日前後で株重 100g 前後
となり、その後約 1 ヵ月間の収穫が可能であった。
収穫期間中の平均株重から算出した 10a 当たり収量は、
4,018∼6,395kg/10a であった。
移植栽培は、定植後 40 日で収穫期に達し、在圃期間も短く、
生育の揃いも良い。但し、収穫時に根鉢土が残るため調整が
手間取るのに対し、直播栽培は直根が素直に伸び、収穫後の
土離れがよく、調整が極めて容易であった。栽培期間中の病
害虫の発生は少なく、ほぼ無防除での栽培が可能であった。
体内硝酸イオン濃度は 1,185ppm 程度であり、日本食品標
準成分表に示された数値と比較しても低い濃度であった。
生育・収量予測と作付計画及び経営規模決定プログラムへ
の応用
これまでにも、ホウレンソウ、コマツナ、チョウホウナ、チンゲ
ンサイでハウス内気温と生育、収量の関係を明らかにし、収量
予測・調整労力算出・経営規模決定のプログラム化を計ってき
た。今回ミズナの生育・収量特性を把握し、生産計画、出荷に
対応できる簡易プログラムへ応用した。
は種後の生育は、ハウス内気温に大きく左右され、生育日
数並びに生育積算温度と株重量との間には高い相関がある。
は種後の生育積算温度を説明変数(x)とする平均株重(y)と
の関係は、
y = 0.001x2 - 1.4213x + 585.68 … ① ( 寄 与 率 R2 =
0.9517**)の回帰式が得られた。
収穫の目標とする株重を 100g とすると、は種後の生育積算
温度は、850℃となる。
①の式を基にした生育・収量予測が可能となり、既に作成さ
れている収量予測・調整労力算出・経営規模決定プログラム
へ追加・編集した。
更に、被覆条件の違いによるハウス内気温と外気温の関係
を求め、ハウスの保温条件を内カーテン被覆の有無で設定で
きるよう変更した。
(小林雅昭)
エ.養液土耕における有機質肥料施肥法と廃液浄化システ
ムの開発
カーネーション栽培における排水量調査(19∼20 年度)
ライトピンクバーバラを供試し、据え置き切戻し:6 月 13 日、
定植日:7 月 17 日で調査した。
かん水同時施肥法による栽培で裁植密度 3 水準の 2 年切り
栽培について検討した。収穫開始は、植え替え区の 10 月 23
日に対し 2 年切り区は 9 月 11 日と早かった。収量は、対照区
(標準裁植密度、植え替え区)が約 75,000 本/10a であったの
に対し、2 年切り標準裁植密度区は、約 135,000 本/10a と多く
なった。これは、裁植密度 1/2 区、1/3 区でも同様の傾向がみ
られた。また、平均草丈は、植え替え区が約 70cm、2 年切り区
が約 60cm と 2 年切り区では草丈が短く、採花本数が多い傾向
が見られる。
3 ヵ年の試験の結果から、窒素施肥量は 48.9kg/10a 以上で
目標収量:8 本/株を確保できたことから、その最少施肥量
48.9kg/10a を標準施肥と結論した。
かん水及び排水実績
点滴によるかん水同時施肥でリンと加里の排出割合は施肥
量の概ね 10%以下であったが、窒素は、施肥開始から収穫前
の 9 月までは、施肥量の 75∼60%と高かった。この時期は、生
育初期のかん水を多量に行う時期であり、前作の残肥が流亡
しているものと判断された。生育初期の施肥量低減が示唆さ
れる。
(山崎和之)
ミニトマトの養液土耕栽培における有機肥料施肥体系の確立
及び廃液量調査(20∼21 年度)
ミニトマトの有機液肥を用いた養液土耕栽培について排水
塩の挙動を調査した。
品種:「サンチェリーピュア」を供試し、裁植密度 2,200 株
/10a で、20 年 9 月 19 日定植した。
基肥として窒素成分 11.6kg/10a を施肥した。
10 月 25 日から有機液肥(N-3%)を 100 倍濃度でかん水同時
施肥を開始した。
収穫は 2008 年 11 月 25 日から始まった。
平成 21 年 3 月上旬現在で、7∼8 段果房収穫中で 942g/株
の収量であった。今後、6 月下旬まで継続して調査予定。
かん水に対する排液量は、10 月上旬でも 13.8%、それ以外
は 10%未満と低く抑えられた。
排水量が、0.09L/株と少ない場合、萎凋症状が顕著である。
かん水量を 2 分×4 回に設定してからは、萎凋症状の改善が
認められ、樹勢も回復してきた。
6 月下旬まで時期別の気温、草量と吸水量の関係を継続し
て調査する。
(山崎和之)
イチゴ高設栽培における廃液浄化システム
平成 19∼20 年度(2 作目)
平成 19 年は、「さちのか」を供試し、7 月 3 日に未分化苗定
植で試験を開始した。廃液の浄化システムとコスト低減の観点
から培土に干拓土を用いたシステム構築とその生育、収量特
性について検討した。
かん水は、ドリップチューブを使用し、株当り日量約 300ml 量
をかん水した。施肥は簡易な液肥混入機を用い、大塚養液土
耕 1 号 15-8-16 を約 2000∼3000 倍濃度で施用した。
収穫は土耕栽培が 12 月 14 日から始まったのに対し、高設
栽培では 12 月 25 日からとやや遅れた。翌年 6 月 6 日まで収
穫し、最終的な総収量は 5,162kg/10a 前後であり、土耕栽培
の 4,049kg/10a と比較して高い収量を示した。また、栽植株数
は土耕栽培より 4 割近く多いため、株当りの収量にすると、土
耕栽培の 567g/株に対し、578g/株と同程度の結果となった。
平均糖度(Brix)は 9 度前後であり、土耕栽培と比較して 1 度
程度低い傾向となった。
平成 20∼21 年度(3 作目)
「さちのか」を供試し、平成 20 年 9 月 22 日に 3 株/プランタ
ー(6,707 株/10a)で定植し、平成 20 年 12 月 19 日から収穫を
開始した。
- 31 -
干拓部
前年の経過と反省:19 年は、10 月に置肥として窒素 700mg/
株を施肥したが、初期の施肥量としてはやや多すぎる感があ
ったことから、本年度は 10 月 22 日に株当り 300mg の窒素を
置肥として施用した。
液肥施用は、1 月からの液肥施用とし、月に 1 回程度の原液
補給を行う計画とした。
かん水は、10 月下旬までは日量 70∼80 ㍑(株当り 650∼
740ml)をかん水した。11 月以降に日量 30∼40 ㍑(株当り 280
∼370ml)とした。給液量に対する廃液量の割合は、ほぼ 50%
前後であり、株当りの吸水量は、日量 150ml 前後であるが、干
拓土を全量培土としたベッドでは、廃液率が 70∼80%と高く、
株当りの吸水量は日量 100ml 弱と少ない傾向であった。
2 月末までの収量は、1,147kg/10a であり、株当り収量は
171g、前年比 90%で推移した。
今後、施肥設計に沿った管理の中での 5 月下旬までの収量、
品質について継続して調査する。
(小林雅昭)
③減農薬栽培技術
ア.対抗性植物等を活用した輪作による土壌病害虫の減農
薬栽培技術確立
アブラナ科野菜の根こぶ病に対する耕種的防除対策として、
おとり作物との輪作体系について検討した。おとり作物には、
葉ダイコン「CR-1」と「小瀬菜大根」、エンバク「ヘイオーツ」、ホ
ウレンソウ「アトラス」を供試した。秋冬アブラナ科野菜の前作と
して、梅雨明け直後の 7 月下旬播種では、いずれの作物とも
生育が悪かった。10 月上旬播種では生育は良好であったが、
3 月下旬播種では低温の影響を受け、葉ダイコン、ホウレンソ
ウでは抽苔が起こり、生草重は大きく低下した。エンバクは、盛
夏期を除き生育可能であり、アブラナ科の連作抑制のために
も有効であると考えられた。
(山田寧直)
イ.既往技術を活用した大規模営農への応用技術の確立
春バレイショ栽培におけるべたがけ資材の霜害回避効果
春バレイショ栽培において、晩霜による霜害は茎葉の枯死、
生育の遅延などにより、収量減収の要因となる。本研究では霜
害回避対策としてのべたがけ被覆の効果と資材間の特性につ
いて検討した。
べたがけ被覆により、晩霜によるバレイショ茎葉への霜害を
少なくできた。さらに、べたがけの被覆期間の積算地温は、畦
内地中 15cm の測定で被覆なしに比べ有意に高くなり、べたが
けによる地温上昇効果が認められた。従って、春バレイショ栽
培において、べたがけを行うことで霜による減収を防ぐことがで
きた。
(宮嵜朋浩)
秋作バレイショ栽培のべたがけ被覆による栽培期間の延長と
増収効果
秋作バレイショでは、秋雨による植え付けの遅延や早霜によ
る茎葉の霜害等が発生しやすく、十分な生育期間を得ること
が難しいといわれている。そこで本研究では秋作バレイショ栽
培の、べたがけ被覆による栽培期間の延長と増収効果につい
て検討した。
9 月中旬植え付けでべたがけ栽培を行うと、露地栽培に比
べ収量が減収した。原因として、べたがけ資材により日射透過
率が下がったためと考えられた。9 月下旬植え付けでべたがけ
栽培を行うと、露地栽培に比べ収量が増加した。さらに 12 月
中旬まで生育期間が確保でき、収量が増加した。べたがけ被
覆によりは、9 月下旬植え付けで、12 月中旬まででんぷん価
の増加が期待できた。
(宮嵜朋浩)
④耕種的除草対策技術の確立
スイートコーンの黒色マルチによる除草対策技術
干拓地における栽培法の確立を目的として、春作マルチ栽
培と栽植密度について調査した。
品種は、「ピーター445」を供試し、20 年 4 月 15 日は種で株
間 30 ㎝(5,555 株/10a)、35 ㎝(4,762 株/10a)、40 ㎝(4,167
株/10a)の 3 水準を設け、検討した。
収穫は 7 月 15 日から始まり、23 日まで行った。平均穂重は
株間 40 ㎝区が 238g で最も高く、株間 30 ㎝区で低くなった。
更に無マルチ区で最も低い結果となった。
窒素 30kg/10a の同一施肥量での結果であり、マルチ栽培
は除草効果に加え、肥効が高く、増収効果が期待できる。
次年度は、マルチ栽培における局所施肥(畦内施肥)での
減肥栽培について検討する。また、マルチ栽培での機械化体
系についても加えて検討する。
(小林雅昭)
⑤収穫物残渣処理技術の確立
未利用資源であるバレイショの炭化物を用いて、諫早湾干
拓地でのダイコンに対する施用効果を環境部土壌肥料科と検
討した。2t/10a の施用でもダイコンの生育障害等は発生せず、
収量への影響は少なかった。今後、土壌肥料研究室でダイコ
ンの養分含有率と跡地土壌への影響を検討する予定である。
(山田寧直)
Ⅱ.諫早湾干拓農産物のブランド化に向けた栽培技
術確立
①加工・業務用需要に対応した栽培法の確立
加工用ニンジンの品種選定試験
これまでの諫早湾干拓地における加工用ニンジンの栽培試
験から内要成分からみて有望と思われる品種が選定された。
そこで、その有望品種の特性について収量と品質の経年変化
を調査する。供試した「ひとみ 5 寸」、「ベーター312」、「紅楽 5
寸」の 3 品種の総収量は県の目標収量(6,000kg/10a)を確保
できたが、「向陽 2 号」の総収量が 5,929 kg/10a と他品種に比
べ減収した。収商品化率は、「ベーター312」、「向陽 2 号」、「紅
楽 5 寸」の 3 品種が 5 割以上となり、「ひとみ 5 寸」が約 3 割と
低くなった。内要成分の糖度(Brix)は「向陽 2 号」、「紅楽 5 寸」
が 9%以上と高く、αカロテンとβカロテンの含有量は、「ベー
ター312」が 10,000μg/100g 以上と多かった。
(川原洋子)
冬ニンジンの産地別品質比較調査
諫早湾干拓産冬ニンジンと他産地冬ニンジンの品質の違い
を調査し、ブランド化に向けた基礎資料とする。「向陽 2 号」を
供試品種とし、対照地域は県内の冬ニンジンの主要産地であ
る島原(3 地点)と飯盛(1 地点)とした。1 地点につき 5 本を採
取し調査に用い、干拓産冬ニンジンの品質と比較を行った。
内容成分は、五訂食品分析表と比較すると、今回調査した全
地点のニンジンはカリウム含量が多く、特に島原産、飯盛産ニ
ンジンは五訂食品分析表に比べ 1.5 倍以上の含量を示した。
島原産ニンジンは、カルシウム、マグネシウム、リンおよび全窒
素含量が、飯盛産ニンジンは、リンおよび全窒素含量が、五訂
食品分析表に比べわずかに多かった。干拓産ニンジンの無機
成分含量は、五訂食品分析表と同程度であった。糖含量のフ
- 32 -
干拓部
ルクトース、グルコース、スクロースの 3 糖は、干拓産のニンジ
ンが他の産地に比べ高い含量を示し、全糖含量では干拓産
ニンジンが島原産に比べ 3 割、飯盛産に比べ 2 割程度多かっ
た。
(川原洋子)
冬ニンジン貯蔵調査
諫早湾干拓産冬ニンジンの加工用出荷を目的として、収穫
適期以降に土壌中で貯蔵した時の内容成分および収量の変
化を調査する。収穫後 1 ヵ月間土壌中に貯蔵した場合、植物
体中の硝酸イオン含量、フルクトースおよびグルコース含量が
減少したが、スクロース含量は増加した。収穫後 2 ヵ月間土壌
中で貯蔵すると、植物体中のカルシウムおよびマグネシウム含
量が増加したが、グルコースおよび全糖含量が減少した。
(川原洋子)
加工適性の高い規格生産技術(業務用キャベツ)
特別栽培農産物での加工・業務用キャベツの生産技術を確
立するため、ナタネ油かすを用いた施肥技術を検討するととも
に、大玉生産につながる栽植密度を検討した。品種は「夢舞
台」を用い、平成 20 年 10 月 3 日に定植し、21 年 3 月 6 日に
収穫した。施肥は長崎県特別栽培農産物の慣行施肥窒素の
28kg/10a とし、硫安のみとその 1/2 の窒素量をナタネ油かす
で施用の 2 水準とした。栽植密度は株間 35cm と 40cm の 2 水
準とした。1 月以降の厳寒期に外葉の赤色化がみられ、肥料
切れの状態となったため、窒素肥料 6kg/10a を 2 回に分けて
施用した。株間 35cm で慣行(硫安)、1/2 ナタネ油かすとも調
整重が 1.5kg 前後となった。株間 40cm ではやや小玉となり、
大玉化にはつながらなかった。収量は、株間 35cm の 1/2 ナタ
ネ油かすが 5,940kg/10a と最も高かったが、球高 14.9cm、球
径 18.8cm と堅く詰まった結球となり、目標とする 2kg 以上の良
品質の大玉生産はできなかった。栽培期間が長いため、安価
で基肥に多施用できる有機質肥料の検討が必要であった。
5 月どりの寒玉系品種を検討するため、春空、さつき王、さつ
き女王の 3 品種の適性を検討した。12 月1日定植し、施肥量
は窒素 28kg/10a で、追肥主体の施肥とした。5 月上旬には春
空、さつき王の順で収穫期となり、さつき女王は 5 月中旬であ
った。4 月以降は病害虫の発生が顕著となり、特にコナガ、ナ
メクジの被害がみられた。その中で、さつき王、さつき女王は、
被害が少ない傾向であり、適期防除により品質向上できると思
われた。
(山田寧直)
ステムレタス
諫早湾干拓地における加工・業務用野菜の生産の一貫とし
て「ステムレタス」を取り上げ、その生産性及び適応性を調査し
た。「ステムレタス」は、そのほとんどが中国から輸入されており、
一般に「山くらげ」「サンジャー菜」「皇帝菜」などの名前で販売
されている。
タキイ種苗の品種を用い(品種名なし)、平成 20 年 8 月 26
日に 128 穴セルトレイには種し、9 月 12 日(15 日育苗)に定植
した。
裁植密度は、畦巾 120 ㎝×株間 30 ㎝、2 条植え、5,555 株
/10a とし、総窒素施肥量 N-10kg/10a(硫安 47.6kg/10a)を
施用した。
播種後 62 日、定植後 45 日となる 10 月 27 日には茎重 381g、
茎長 35 ㎝に達し、一部は収穫可能となった。生育が揃い一斉
収穫が可能となるのは 11 月 10 日前後であり、茎重 700g、茎
長 70 ㎝前後となり、10a 当たり 4,000kg/10a 程度の収量となっ
た。
播種後日数または定植後日数と茎重、茎長の間には高い相
関が認められた。同様に播種後積算温度、定植後積算温度と
茎重、茎長との間にも高い相関が認められ、 中でもは種後積
算温度との相関が最も高かった。
茎長を目的変数とする関係式は、y = 0.00006x2 - 0.0579x
で示され、抽苔は、は種後の積算温度が 965℃(38 日)頃か
ら始まり、茎長 50 ㎝以上を収穫の目安とすると、播種後積算
温度 1,515℃(68 日)頃となる。その時の収量は 3,600kg/10a
程度が見込まれる。
結球レタスの抽苔は高温長日で分化・促進され、5℃以上の
有効積算温度が 1,500∼1,700℃くらいで行われるといわれ、
更に 15℃以下の条件下では抽台しないとされている。このこと
を応用すると、諫早湾干拓中央干拓地気象の平年値(2002∼
2007 年平均)で、最高気温が 15℃未満となるのは 12 月 3 日
であり、積算温度 1,515℃を確保できるは種日は、9 月 8 日と
なり、その時期がは種の限界期と判断された。
(小林雅昭)
Ⅲ.圃場等管理技術
暗渠維持管理技術
コルゲート管を敷設した暗渠の機能維持を図るため、障害
状況の実態把握と組み合わせ暗渠の利用方法を検討した。
ほ場排水性が劣るほ場の暗渠の状態を調査すると、疎水材
(もみ殻等)の圧縮・腐れがみられ、周辺部に亀裂の発生が少
なかった。弾丸暗渠作業によるコルゲート管の切断、つぶれな
ど物理的損傷も認められた。これらのコルゲート管内には土壌
が堆積しており、管内洗浄の必要性が認められた。10m 間隔
の暗渠だけでは排水性が劣るほ場では、弾丸暗渠のほか、簡
易工法として浅層暗渠との組み合わせ暗渠の施工も検討す
べき考えられた。
(山田寧直)
排水路管理技術
排水路畦畔は雑草が生えやすく、土壌の過湿・過乾により
崩壊しやすい。そこで、防草シートとヒメイワダレソウによる畦畔
保護を検討した。畦畔に防草シートを張り、平成 20 年 5 月 23
日にヒメイワダレソウを 30cm 間隔で千鳥に定植した。活着は良
好で、伏枝の伸張とともに開花を始めた。雑草の発生もわずか
で、8 月には畦畔を覆いつくした。11 月以降は葉が黄化しはじ
めるが、落葉はしなかった。1 株で約 120cm 程度の伏枝の伸
長があり、施肥は必要なかった。
枕地や通路の除草対策と土壌流亡防止のため、カバープラ
ンツの適性を検討した。カバープランツとして、野芝とセンチピ
ードグラスをほ場に播種したが、発芽量は少なく、他の雑草に
生育を阻害された。育苗株の利用技術を検討する必要があっ
た。
(山田寧直)
Ⅳ.営農支援緊急課題解決(営農者要望課題)
20 年 4 月から本格的営農がスタートしたことから、営農者か
らは、これまで実施してきた研究課題以外の問題点や要望が
持ち込まれる。その中で、緊急性の高い課題に焦点を絞って
対応した。
①露地夏秋キュウリの栽培法
干拓営農品目の中で一部、露地夏秋きゅうりが導入されて
いる。春定植の栽培では、梅雨明け後の草勢低下が著しく、
植え替え方式の栽培法についての要望が高かった。そこで、
- 33 -
干拓部
育苗並びに移植労力低減のため直播栽培について検討し、
その生育・収量特性を調査した。
試験は、「夏ばやし」 (タキイ種苗)を供試し、平成 20 年 7 月
10 日播種、7 月 30 日定植の移植栽培と、同日播種の直播栽
培とで比較した。栽植距離は、畦巾 200 ㎝ × 株間 60 ㎝
833 株/10a とし、N-20kg/10a(硫安 96kg/10a)を施肥した。
直播栽培は、発芽後の生育が早く、は種後 44 日、生育積算
温度 1,275℃となった 8 月下旬から収穫が始まった。移植栽
培は、定植後の活着に時間を要し、直播区より 10 日遅い収穫
開始となった。
直播区は、収穫開始後も草勢が強く、総収量並びに商品化
収量、旬別収量ともに優れた。
以上の結果から、植え替え更新法は直播栽培で草勢確保を
はかる方がよいと結論づけた。
(小林雅昭)
②ブロッコリーの生育遅延、生育障害の原因究明
「干拓地でのブロッコリーの生育は、既耕地のものと比較して
葉面のワッスクが少なく、耐病性も劣る傾向にあり、ニッケル過
剰症ではないか。」との推測で営農者の再現試験の要望があ
った。
品種「ピクセル」を供試し、2 月 9 日定植の作型で再現試験
を実施した。慣行施肥に対し、炭酸カルシウム 600kg/10a 施
用の酸度矯正区、硫酸ニッケル 100ppm の株元施用区を設け、
生育並びに収量を調査した結果、処理間に差はなく、ニッケ
ル過剰症の可能性は低いと判断された。その他、老化苗定植
による影響についても併せて調査したが、明確な傾向は認め
られなかった。
今後、現地調査を含め再検討する。
(小林雅昭)
③春ダイコンの栽培法
干拓地は厳寒期の低温が厳しく、春ハクサイ、春ダイコン等
の春作野菜は作型不適として研究の対象から除外してきた。
営農開始後、春ダイコン、春ニンジンの導入が計画されたこと
から、その栽培適応性並びに栽培法を検討した。
品種「桜風」「藤風」「役者紀行」の 3 品種を供試し、2 月 10
日、3 月 10 日、4 月 10 日(予定)は種の3作型で検討した。5
月以降の収量、品質について、継続して調査する。
(小林雅昭)
④かんがい用水に含まれるアオコが作物の生育及び収量に
与える影響
諫早湾干拓地の農業用水は、調整池の水を利用するよう計
画、整備されているが、調整池の淡水化が進み一部でアオコ
の発生が認められている。そこで、アオコ多発箇所から取水し
た水をかん水して作物の生育及び収量に対する影響と安全
性について調査した。
供試品目は、バレイショとハクサイを用い、施設内の隔離床
にそれぞれ 10 月 1 日に植付け、定植した。水道水かん水区を
標準区としてアオコ水かん水区とで比較検討した。
栽培期間の総かん水量は、バレイショが株当り 82 ㍑、ハクサ
イが 175 ㍑となった。
12 月 12 日に収穫したハクサイは、株当り調整重が 2,100g
前後で満足のいく生育を示し、アオコ水と水道水によるかん水
処理の違いで差は認められなかった。
バレイショは、11 月中旬から疫病が発生し、いも肥大期に十
分な生育期間を確保できなかったことから収量は低いものの、
生育、収量においてアオコ水と水道水とのかん水処理で差は
認められなかった。
ハクサイ中のミクロキスチン濃度は測定限界の 0.01mg/kg 未
満であり、検出不能であった。同様にバレイショ塊茎中のミクロ
キスチン濃度も測定限界の 0.01mg/kg 未満であり、検出不能
であった。
(小林雅昭)
Ⅴ.諫早湾干拓地基礎調査
1.気象調査(平 12∼)
中央干拓地での観測は、データ回収のためのパソコンハー
ドディスクが読み書き不能となり 9 月から欠測となった。8 月末
でのデータは以下のとおり。
(1)平成 20 年 1 月∼年 3 月
1 月の平均気温は 6.4℃(14∼20 年平均比+1.1℃)、2 月は
4.8℃(14∼20 年平均比-2.2℃)、3 月は 10.1(14∼20 年平均
比+0.2℃)であり、2 月の低温が厳しい年であった。(中央干拓
地)
1∼2 月期の冬日(最低気温が氷点下となった日)は、26 日
(発現率 44%)で、2 月 14 日には、最低気温 -5.4℃を記録し
た。
1 月 21 日に保温を開始したアスパラガスは 2 月 4 日から収
穫が始まり(前年比 2 日早い)、2/20 には日量 20kg/10a を超
える収量となった。(収穫揃い:前年並み)
1∼3 月期の降水量は、286 ㎜(平年比+20.6 ㎜)であり、ほぼ
平年並みの降水量であった。
(2)4 月∼6 月
4 月の平均気温は 14.5℃(14∼20 年平均比-0.9℃)、5 月が
19.2℃(14∼20 年平均比-0.8℃)、6 月が 22.1℃(14∼20 年平
均比-1.8℃)とやや低温傾向で推移した。
4 月∼6 月の降水量は、568.5 ㎜(14∼20 年平均比 -86.5
㎜)でやや小雨傾向であった。4 月は 120 ㎜(14∼20 年平均比
-64.1 ㎜)、5 月は、188.5 ㎜(14∼20 年平均比 -55.8 ㎜)と小
雨傾向であり、1 週間毎の周期的な降雨が特徴的であった。5
月 10 日に 56 ㎜の降雨があり、営農者の春バレイショ栽培の一
部で湿害と思われる症状が発生した。5 月 24 日に 27.5 ㎜の降
雨、5 月 28∼29 日に 65 ㎜の降雨を記録した。6 月 10 日∼11
日に 41 ㎜の降雨となり、6 月 10 日に九州北部の梅雨入り(平
年比 5 日遅い)が報道されたが、その後 5 月 28 日を梅雨入り
(平年比 8 日早い)として訂正された。
(3)7∼8 月
梅雨明けは 7 月 6 日(平年比 12 日早い)であり、期間中の
降水量の平年比は 83%程度であった。(気象庁報告)
中央干拓地の梅雨期間中の降雨日数は 19 日、積算降水量
は 360 ㎜であった。
梅雨明け後の 7 月 7 日には最高気温 35.6℃を記録し、猛暑
傾向となった。7 月の平均気温は 27.8℃(14∼20 年平均比
+0.7℃)、真夏日は 26 日を記録し、14 年からの観測で最も多
かった。8 月は 27.6℃(14∼20 年平均比平年比-0.1℃)、真夏
日は 28 日となった。
8 月 7 日には年間最高気温 37.9℃を記録した。
(4)9∼12 月
過去 3 ヵ年は、干魃年であり、特に前年は高温・干魃が顕著
な年であったが、本年は台風の襲来はなく、周期的な降雨と
冷え込みの早い秋期であった。
最低気温が安定して 20℃未満となったのは 9 月 22 日(前年
10 月 10 日)からであり、最高気温が 20℃未満となったのは 10
月 26 日である。10 月 24 日からの降雨で低温となり、以後秋作
バレイショに疫病の発生が散見された。
9 月の平均気温は、25.1℃(平年比+1.2℃)、10 月は 19.2℃
- 34 -
干拓部
(平年比+0.9℃)、11 月は 12.4℃(平年比-0.2℃)、12 月は 7.4
(平年比+0.2℃)であった。(諫早市貝津)
初霜日は 11 月 20 日であった。
2.土壌定点調査
諫早湾干拓地内の 12 地点を定点と定め、平成 21 年 2∼3
月にかけて土壌断面調査を実施し、土壌の熟化状況を検討し
た。ほ場の立地条件と営農者の管理方法の影響を受け、土壌
断面の状態はほ場により大きく異なっていた。概ねグライ層の
出現位置は中央干拓地では地表から 50cm 以下まで低下して
おり、ほ場の排水性は大きく改善していた。土色、構造は少し
ずつ変化してきているが、腐植含量の増加は依然として少な
かった。今後は地力増強を中心に土壌管理を進めていく必要
がある。一方、小江干拓地のグライ層の出現位置が浅く、地力
増強対策を図る前に、緑肥作物、補助暗渠、明渠等を組み合
わせた排水対策を徹底することが必要である。土壌理化学性
の分析結果から、営農の開始に伴い EC と水溶性塩素イオン
濃度は低下しており、塩害発生の危険性は低下している。作
土層から下層にかけて全炭素、全窒素含量が増加しており、
徐々に地力の増強が進んでいる。露地野菜ほ場では作土部
の可給態リン酸が増加しているが、交換性カリウムの蓄積は認
められず、堆肥の多投入など不適切な管理が行われていない
ことが伺われた。全炭素含量が 1.75%以下のほ場も多く、有
機物含量が不足している。土壌の理化学性改善と地力増強の
ために、継続的な有機物の施用が必要であった。
(山田寧直)
3.作柄調査(増加生産量調査継続)
夏作緑肥
ソルガム、トウモロコシ、セスバニアについて検討を行った。
2008 年 6 月 6 日に播種を行った。発芽、生育とも順調であっ
たが、8 月 14 日∼8 月 19 日に合計 150mm の降雨があり、さら
に 8 月 19 日には最大風速 21.7m/s の風が吹いたため、ソル
ガム、トウモロコシが倒伏した。栽培期間中の気温は平年並み、
7 月上旬から中旬にかけまとまった降雨があった。
収量調査は 8 月 29 日に行い、それぞれの収量はソルガムが
3,730kg/10a 、 ト ウ モ ロ コ シ は 4,060kg/10a 、 セ ス バ ニ ア は
2,270kg/10a となり、いずれの草種も収量が例年よりも低くなっ
た。原因として、今年度の栽培期間が例年より 2 週間程度短か
ったためと考えられた。
(宮嵜朋浩)
期間を通じて 3、4 日おきに降雨があり、栽培に適した降雨で
あった。積算降水量は 399mm(干拓平均 550mm)と少なめで
あったが、適度な土壌水分条件が保たれたと思われる。出芽
揃い日(出芽率 80%)が 4 月 8 日であった。
10a あ た り 収 量 は 3,879kg/10a と 県 の 目 標 収 量
(3,200kg/10a)以上であった。規格別割合では S、M の割合が
高いことから、イモの大きさは小さめで、イモの個数が多いとい
えた。でんぷん価は 14.3 と平年並みであった。
(宮嵜朋浩)
秋バレイショ
2008 年 9 月 4 日植え付け、12 月 2 日に収穫調査を行った。
出芽は平年並みで、50%出芽日は 9 月 22 日であった。最終の
出芽率は 80%と低かったが、これは植え付け後の高温により、
種イモの腐敗等の発生が原因であった。10a 当たりの総収量
は 3,712kg/10a で県の目標収量を越えることができた。イモは
L、M 級が中心であり、肌荒れなどの障害塊茎の発生は少な
かった。
(宮嵜朋浩)
早生タマネギ
諫早湾干拓地において、早生タマネギ生産量の経年変化
の調査を行う。平成 19 年 10 月 1 日に播種、12 月 13 日に定
植、平成 20 年 5 月 8 日に収穫を行った。4 月上旬にタマネギ
疫病の発生がみられたが薬散により防除できた。その他病害
虫の被害もなく収穫前には草丈 62cm と順調に生長した。球高
が 91.2mm で球径が 77.3mm とやや甲高で、規格別割合は重
量、個数ともに L、M 級が多くなった。総収量 7,344kg/10a と目
標収量の 6,000kg/10a 以上となった。
(川原洋子)
冬ニンジン
諫早湾干拓地において、冬ニンジン生産量の経年変化の
調査を行う。平成 20 年 8 月 29 日に堆肥を施用し、9 月 1 日に
施肥、畝立て、播種を行った。9 月下旬に発芽が完了した。10
月上旬に間引きを行い、10 月 24 日、11 月 11 日に追肥を行っ
た。播種から 117 日目の 1 月 7 日に収穫を行った。地上部重
は 841kg/10a 、 総 収 量 は 6,433kg/10a と 目 標 収 量 の
6,000kg/10a を上回った。規格は、M 級の割合が多かった。
(川原洋子)
冬作緑肥
イタリアンライグラスについて検討を行った。2008 年 10 月 30
日播種、播種量 3.5kg/10a、施肥量 N=5kg/10a(硫安 21%)、
条間 0.4m で栽培を行った。発芽時期に雨が続き、圃場内に
冠水箇所が見られたが、以後の生育には影響は見られず、順
調に生育した。収量調査は 4 月 10 日に実施した。この時期の
イタリアンライグラスは出穂期であり、鋤込み後の雑草化を防
止するために、早めに収量調査および細断鋤込みを行った。
10a 当たりの収量は 4,790kg/10a であり、ほぼ平年並みであっ
た。
(宮嵜朋浩)
秋冬ハクサイ
品種は「黄ごころ 85」を用い、施肥は長崎県特別栽培農産
物の慣行施肥窒素の 21kg/10a とし、硫安のみで元肥窒素
12kg/10a と追肥窒素 9kg/10a とした。平成 20 年 9 月 19 日に
定植し、21 年 1 月 6 日に収穫した。収量調査の結果、球高は
26.6cm、球径は 17.4cm と小玉で、総収量は 6,165kg/10a と目
標収量 8,000kg/10a を下回った。昨年に比べ施肥窒素を
9kg/10a 減じたことに併せて、基肥施用直後の 9 月 15 日と定
植直後の 9 月 29 日∼30 日のまとまった降雨で基肥の溶脱し
たことが減収要因となった。害虫の発生も多く、キスジノミハム
シ、カブラハバチ、アオムシ等が生育期間を通し発生した。
(山田寧直)
春バレイショ
2008 年 2 月 6 日植え付け、2 月 21 日マルチング、5 月 27
日に収量調査を行った。生育初期は干拓の平年と同程度で
推移し、3 月中旬以降は高めであった。期間中の日平均気温
の積算温度は 1,369℃(干拓平均 1,315℃)であった。降水は
冬キャベツ
品種は「金系 201 号」を用い、施肥は長崎県特別栽培農産
物の慣行施肥窒素の 28kg/10a とし、硫安のみで基肥窒素
19kg/10a と追肥窒素 9kg/10a とした。平成 20 年 9 月 19 日に
定植し、21 年 1 月 5 日に収穫した。その結果、球高は 13.9cm、
- 35 -
干拓部
球 径 は 17.0cm 、 平 均 調 整 重 は 995g 小 玉 で 、 総 収 量 は
3,791kg/10a と目標収量 6,000kg/10a を大きく下回った。みか
けの窒素利用率が 35%と低かったことから、基肥施用直後の
9 月 15 日と定植直後の 9 月 29 日∼30 日のまとまった降雨で
基肥の溶脱したことで、生育初期から生育が鈍く、追肥でも回
復できなかったと推察された。生育期間中の病害の発生は少
なく、アオムシが多く発生したが、減収要因とはならなかった。
(山田寧直)
4.生産物の市場流通調査
20 年度に干拓試験地で生産された農産物の処分は、諫早
青果株式会社並びに場内で 561,933 円を販売した。諫早青果
㈱へは、タマネギ、バレイショ、他 10 品目を出荷した。
諫早青果㈱への委託販売の状況は以下のとおりである。
根菜類
①タマネギ
タマネギは、5 月中旬∼7 月下旬にかけて 740kg を 10 ㎏ネ
ットで出荷した。平均単価は 33 円/kg、前年比 121%であっ
た。
②春バレイショ
6 月上旬∼7 月中旬に 2,070 ㎏を出荷した。販売単価は 34
円/㎏であった。
③秋バレイショ
1 月中旬に 290 ㎏を出荷した。販売単価は 28 円/㎏であっ
た。
㎏であり、過去 4 ヵ年の出荷では最も高値取引となった。
②ハクサイ
12 月中旬から 1 月下旬にかけて 480 ㎏を出荷し、平均単価
52 円/kg の取引となった。
キャベツと同様に比較的高値の取引であった。
③ミズナ
ミズナは、1 月∼2 月中旬まで 152 ㎏を出荷し、平均単価
207 円/㎏と安定した価格取引であった。
19 年は、軟弱野菜としてチンゲンサイを出荷したが、その取
引価格は 33 円/㎏と低調であった。
ミズナは、ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ等の軟弱葉
菜類では最も評価が高い。
④アスパラガス
20 年夏は 6 月∼8 月の間、60.6 ㎏を出荷し、平均単価は 347
円/kg(対前年比 79%)であった。
2 月下旬からの 21 年春産は、38.5 ㎏を出荷し、平均単価は
1,018 円/㎏(対前年比 76%)であった。
果菜類
①イチゴ
1 月から 3 月上旬にかけて 147 パック(48.5 ㎏)を出荷した。
平均単価は 632 円/kg であり、対前年比 105.2%であったが、
依然厳しい取引価格であった。
②ミニトマト
1 月∼3 月中旬にかけて 137.2 ㎏を出荷した。平均単価は
462 円/kg であった。
(小林雅昭)
葉菜類
①キャベツ
12 月∼1 月にかけて 560 ㎏を出荷した。平均単価は、70 円/
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作物園芸部
作 物 園 芸 部
【作 物 科】
稲・麦・大豆奨励品種決定調査
1.水稲基本調査 現地調査(県単 昭 28∼)
基本調査(生産力検定調査、同予備調査)では、普通期に
30 品種・系統を供試した。併せて現地調査を 4 ヵ所で実施し、
3 品種・系統を供試した。その結果、普通期早生種で「越南
223 号」、「北陸 220 号」、「南海 166 号」、「南海 171 号」が有望
と考えられた。有望系統については継続して調査を実施す
る。
(古賀潤弥)
2.麦基本調査 現地調査(県単 昭 28∼)
平成 19 年播種麦を対象に調査を行った。小麦は、基本調
査の予検に 5 系統、生検に「西海 190 号」を供試した。予検で
は「関東 128 号」が多収で品質も良く有望であると考えられた。
「西海 190 号」は、耐倒伏性が劣ることが認められため試験打
ち切りとした。食糧用二条大麦は、基本調査の予検に 2 系統、
生検に「はるしずく」を供試した。予検の 2 系統は収量性、品
質の年次変動を確認するためいずれも継続検討とした。「はる
しずく」は有望であるので継続検討することとした。また、諫早
市、五島市、壱岐市で「はるしずく」の現地適応性を検討した。
はだか麦は基本調査の予検 2 系統を供試し、四国裸 112 号を
継続検討とした。
(下山伸幸)
水田機能・生産要因改善
1.稲・麦・大豆の生育診断・作柄予測(県単 昭 46∼)
①早期水稲
「コシヒカリ」の生育経過の追跡と作柄の解析を行った。5 月
から 6 月 2 半旬までは日照時間も多く、気温は 5 月 1、6 半旬
を除き低く推移し、最低気温は 5 月 2 半旬から 4 半旬にかけ
てかなり低かった。このため生育は遅く、草丈、茎数、葉数とも
平年値をやや下回り、最高分げつ期も遅かった。その後 6 月 3
半旬から 7 月 1 半旬までは日照時間は少なく降水量も多かっ
た。また気温も低く特に 6 月 3 半旬から 6 半旬までは最高気温
が低かった。7 月の梅雨明けは早く、2 半旬には気温は高くな
ったが、出穂期は 7 月 11 日と平年より 6 日遅かった。出穂後
は、日照時間は多く降水量は少なく気温はかなり高く推移した。
このため登熟日数は短くなった。成熟期は 8 月 12 日で平年よ
り 2 日遅かった。収量は平年に比べ穂数がやや少なく㎡当た
り籾数は少なくなり千粒重も軽かったが、登熟歩合は高く多収
となった。玄米品質は高温の影響により背白粒が多発したた
め低下し、検査等級は規格外であった。生育調査、収量調査
のデータは月に 2 回関係機関へ提供した。
(古賀潤弥)
②普通期水稲
普通期品種の「あさひの夢」、「ヒノヒカリ」、「にこまる」を供試
し、生育経過の追跡と作柄の解析を行った。7 月 2 半旬の梅雨
明け以降は高温、多照となり分げつの発生は多く生育も早か
った。8 月 4 半旬からは気温が下がり曇雨天が続いたため幼
穂形成期以降の生育は遅く、出穂期は「あさひの夢」が平年
並、「ヒノヒカリ」が 1 日早く、「にこまる」が 2 日遅かった。9 月は
5 半旬まで平年並からやや高い気温で推移したが 6 半旬には
低くなった。また 3 半旬と 6 半旬は日照時間が少なく降水量も
多かった。10 月も 3 半旬まで気温は低く推移した。成熟期は
平年に比べ「あさひの夢」が 1 日遅く、「ヒノヒカリ」が 2 日早く、
「にこまる」が 2 日早かった。収量は 3 品種とも平年より多収と
なった。「あさひの夢」は平年に比べ穂数はやや少なかったが
1 穂籾数が多く㎡当たり籾数はやや多く、登熟歩合と千粒重も
平年を上回った。「ヒノヒカリ」は 1 穂籾数がやや少なかったが
穂数はやや多く、㎡当たり籾数は平年並となり、登熟歩合と千
粒重も平年をやや上回った。「にこまる」は穂数は平年並で 1
穂籾数はやや少なく㎡当たり籾数はやや少なくなったが、登
熟歩合と千粒重は平年を上回った。品質は充実不足やうすく
着色した未熟粒、「ヒノヒカリ」では心白粒の発生もやや多く、
検査等級は「あさひの夢」が 2 等、「ヒノヒカリ」が 2 等から 3 等、
「にこまる」が 2 等であった。生育調査、収量調査のデータは月
に 2 回関係機関へ提供した。
(古賀潤弥)
③麦類
小麦は「シロガネコムギ」、「チクゴイズミ」、はだか麦は「御島
裸」、「イチバンボシ」、二条大麦は「ニシノチカラ」、「ニシノホ
シ」の計 6 品種を供試し、生育経過の追跡と作柄の解析を行
った。
大・はだか麦は、播種後降雨がなく土壌の乾燥により出芽
はやや遅れ不揃いとなった。小麦の出芽は良好であった。
12 月は全般に日照時間は少なく、気温は高い傾向にあり 3
麦とも草丈はやや徒長気味であった。その後、1 月の気温は
概ね平年並であったが、2 月は低温傾向となり葉数からみた生
育は概ね平年並みとなった。
出穂期は、前 5 ヵ年平均と比較して小麦・はだか麦で概ね
平年並、二条大麦は 4 日程度遅かった。登熟期間、降水量は
多かったが降水日数は少なく、日照時間は多かった。そのた
め登熟は概ね良好であった。成熟期は 3 麦とも前 5 ヵ年平均と
比較して 3 日程度遅かった。
収量は、小麦では、穂数が多く千粒重も大きく多収となった。
二条大麦は穂長及び千粒重は平年並であったが穂数が多く
多収となった。はだか麦は穂数が多く倒伏も比較的軽微であ
ったため多収となった。
外観品質は、小麦・二条大麦とも充実が良く 1 等格付であっ
たが、はだか麦は 2 等格付であった。これは倒伏と株腐病の
発生がやや多かったことにより充実が不足したと考えられた。
(下山伸幸)
特性検定試験
1.麦うどんこ病抵抗性検定(国庫指定 昭 36∼)
各育成機関より配付された小麦 62 系統・品種(うち九州沖
縄農研:30、近中四農研:27、愛知農試:5)、大麦 55 系統(九
州沖縄農研:25、福岡農試:15、栃木農試:15)、はだか麦 20
系統(近中四農研:20)のうどんこ病抵抗性を検定した。その
結果、発病が全く認められなかった小麦 13 系統、大麦 53 系
統、裸麦 5 系統の合計 71 系統を抵抗性強と判定した。
(大脇淳一、下山伸幸)
2.かんしょ黒斑病抵抗性検定(国庫指定 昭 45∼)
各育成機関より配付された 18 系統(九州沖縄農研:8、作物
研究所:10)の黒斑病抵抗性を検定した。その結果、5 系統を
抵抗性「強」、6 系統を「やや強」、5 系統を「中」、1 系統を「や
や弱」、1 系統を「弱」と判定した。
(土谷大輔)
- 37 -
作物園芸部
系統適応性検定試験
1.かんしょ系統適応性検定(国庫指定 昭 35∼)
育成機関から配付された食用・蒸切干用 12(九州沖縄農
研:5、作物研究所:7)、原料・加工用 2(九州沖縄農研:2)及
び標準・比較品種 5 の合計 19 品種・系統について、九州西北
部における適応性を検討した。その結果、食用・蒸切干用の 6
系統(九系 279、九系 280、九州 161 号、谷系 19、谷系 21、作
系 18)、原料・加工用の 1 系統(九系 277)が有望であった。
(土谷大輔)
実需者ニーズに即した小麦の栽培技術確立
(県単 平成 17∼19)
1.ランク区分の見直しに伴う普通小麦の栽培技術確立
①タンパク質含粒率制御技術の確立
供試品種は「シロガネコムギ」及び「チクゴイズミ」で、両品種
とも、分げつ肥又は穂肥に肥効調節型肥料(グッド IBNK30
号)を使用し、かつ施肥量を変えて原麦のタンパク含有率を調
査した。
その結果、「シロガネコムギ」では、全てに即効性肥料を使
用した標準区(施肥体系 7-2-3)のタンパク含有率 9.9%に対し、
分げつ肥に肥効調節型肥料を使用し穂肥を省略した 7-9-0
区で 10.5%で、分げつ肥に即効性肥料、穂肥に肥効調節型肥
料を利用した 7-2-7 区は 10.9%で、肥効調節型肥料を穂肥に
使用した方がタンパク含有率は高くなった。また、収量は標準
区に対し、前者で 100%、後者 109%と緩効性肥料を穂肥に施
用した場合が高くなった。
一方、「チクゴイズミ」は、分げつ肥に肥効調節型肥料を使
用し穂肥を省略した 7-9-0 区で 8.6%、分げつ肥に即効性肥料、
穂肥に肥効調節型肥料を利用した 7-2-7 区も 8.6%と差が認め
られなかった。収量は、標準区(7-2-3)に対し、前者が 106%、
後者が 102%であった。
以上のことから、タンパク質含有率向上のために肥効調節
型肥料を利用する場合「シロガネコムギ」では穂肥に使用した
方が良く、「チクゴイズミ」の場合は、分げつ肥として使用するこ
とで、穂肥散布を省略できると考えられた。
(下山伸幸)
②灰分制御技術の確立
播種時期を標準播(12 月 1 日)、晩播(12 月 11 日)の 2 水
準設け播種時期の違いが灰分に及ぼす影響を調査した。そ
の結果、「シロガネコムギ」では、標準播 1.46%、遅播 1.43%、
「チクゴイズミ」では、それぞれ 1.48%、1.43%と両品種とも播種
期が遅くなると灰分が減少し、前年の結果と逆であった。
また、①の試験課題の試料についても調査した。前年はタン
パク含有率が高くなると灰分も高くなる傾向が認められたが、
本年はその傾向は認められなかった。
(下山伸幸)
③容積重制御技術の確立
畦高を 0、5、10、15cm の 4 水準設け、排水性と容積重の関
係について調査を行った。その結果、明確な傾向は認められ
なかった。
また、①、②の試験材料についても調査を行った。
①の試験材料では「チクゴイズミ」では緩効性肥料を穂肥に
施用した場合がやや高い傾向であったが、「シロガネコムギ」
では明確な差は認められなかった。
また、両品種とも播種時期の違いによる容積重の明確な差
は認められなかった。
(下山伸幸)
2.パン用小麦「ミナミノカオリ」の栽培技術の確立
パン用小麦「ミナミノカオリ」について、増収及び子実タンパ
ク質含有率の向上を目的として、施肥法を中心に試験を実施
した。その結果、安定した収量及び子実タンパク質含有率が
得られる施肥体系は、基肥-分げつ肥-穂肥-実肥=7-2-4-4
(Nkg/10a)であった。また、穂肥時にグッド IB 入り NK30 号を
用いる場合は、窒素成分で 10kg/10a 施肥することが必要であ
ると考えられた。
(土谷大輔)
長崎県特産品に適した小麦品種育成
(県単 平成 19∼23)
長崎ちゃんぽんに適した小麦品種を育成するため、前年に
選抜した 123 系統に九州沖縄農業研究センターから新たに分
譲していただいた 432 系統を加えた計 555 系統について 1 系
統あたり 20 粒を点播した。このうち、栽培特性の劣る系統を除
外した 468 系統を株単位で収穫し、SDS セディメンテーション
テストによりタンパクの質的、量的評価を実施した。また、特に
栽培特性の優れる 108 系統についは、製粉試験及び小麦粉
の色調調査を実施した。さらに、前年成績の良好であった 22
系統については収量調査を実施し、結果の良かった 12 系統
をビューラーテストミルによる製粉試験を実施した。この中でち
ゃんぽんには不適と考えられた 5 系統を除いた 7 系統につい
て、鳥越製粉(株)において麺を試作し、長崎県産麦育成研究
会において試食会を実施した。次年度は 315 系統を播種し、う
ち 49 系統については収量調査まで実施することとした。
(土谷大輔)
暖地における水稲の作期分散や水管理による白未
熟粒低減技術の開発(委託プロ 平 20∼22)
①高温耐性品種利用による作期分散技術の開発
「にこまる」及び「ヒノヒカリ」について移植時を 6/5、6/27、
7/11、7/18 及び 7/25 の 5 水準設け、移植時期の違いが、収
量、白未熟粒の発生程度及び食味に対する影響について検
討を行った。その結果、本年は梅雨明けが早かったため 7 月
が高温多照で経過したため、7/11 移植が㎡当たり穂数及び
総籾数とも最も多くなった。
7/25 移植では両品種とも草姿が乱れ、遅れ穂、弱小穂の
発生が多く、栽培面で収量を向上させることは難しいと判断さ
れた。
検査等級は、両品種とも 6/5、6/27 が良く、7/11 以降は劣
った。特に 7/11 移植は籾数過多により充実となった。白未熟
粒の発生も 7/11 移植がもっとも多かった。これも籾数が過多
であったことが影響したと考えられた。
収量は 7/11 移植以降、登熟歩合が低く両品種とも低下した
が、「にこまる」は「ヒノヒカリ」より減収程度は小さかった。また、
玄米蛋白は移植が遅くなると増加したが、両品種とも食味官
能試験における有意な差は認められなかった。「ヒノヒカリ」は
移植が遅くなるほど食味の総合評価が低下する傾向が認めら
れたが、「にこまる」ではその傾向は認められなかった。このこ
とから、収量、食味の面から「にこまる」は「ヒノヒカリ」より遅植適
性が高いと推察された。
(下山伸幸、古賀潤弥)
②作期に応じた施肥管理技術の開発
高温登熟回避を回避するための 7/11 の遅植で、白未熟粒
を増加させず収量、食味を低下させない施肥技術を開発する
ため、施肥体系を①5-0-2、②5-4-0、③7-2-2、④LPSS100:
- 38 -
作物園芸部
50%+硫安 50%(LP50%、N 成分計 9 ㎏)、⑤LPSS100:70%+硫安
30%(LP70%、N 成分計 9 ㎏)、⑥5-2-2(標準)、⑦無窒素の7
水準設け検討を行った。
その結果、本年は移植後高温多照で経過し、茎数は多くな
り、無窒素区を除き、㎡当たり総籾数は 33,000 粒を超え籾数
過多となった。7 月 3 半旬の移植では移植後の平均気温は
25℃を超えており、地力窒素の発現が多く、基肥量を慣行栽
培より削減する必要があると考えられた。
検査等級は、籾数過多と登熟期の日照不足により、充実不
足と乳白粒、腹白未熟粒の発生が多く低下した。施肥体系と
検査等級には明確な差は認められず、また、玄米品質につい
ても白未熟の発生に一定の傾向は認められなかったが、総籾
数が増加すると白未熟粒の発生は増加した。
(下山伸幸、古賀潤弥、生部和宏)
③登熟期の水管理が白未熟粒発生に及ぼす影響の解明
登熟期間の水管理を、入水後、止水し土壌表面にひびが
入る前に入水する「間断潅水短区」、入水後、止水し、7 日程
度潅水しない「間断潅水長区」、出穂後 10∼20 頃落水処理を
行った「生育中期落水処理区」、常時湛水しておく「常時湛水
区」の 4 処理設け、上位 3 葉の葉色の推移、出液量の推移及
び白未熟粒の発生程度等について調査し、登熟期の水管理
の違いが白未熟粒発生に及ぼす影響について検討した。
その結果、検査等級は両品種とも常時湛水区でやや劣っ
たが、未熟粒の発生との関係に一定の傾向は認められなかっ
た。
出液量は「ヒノヒカリ」が「にこまる」より多く、品種間差が認め
られ、また、「ヒノヒカリ」は、「にこまる」より登熟初期と後期の出
液量の低下が大きく、根の機能に 何らかの違いがあると推察
された。
葉色推移は常時湛水区が両品種とも葉色の低下は小さく、
間断潅水の間隔を長くすると低下が大きくなった。
(下山伸幸、古賀潤弥)
環境保全・省力・低コストのための水稲疎植栽培技
術の確立(県単事業 平 19∼22 年)
1.栽培特性の解明
「コシヒカリ」と「にこまる」について分施疎植栽培における特
性調査を行った。疎植栽培の「コシヒカリ」は株当たり穂数が多
く、葉色は濃く、窒素含有率も高かった。また玄米重、品質は
標準区と同等で倒伏程度も疎植区で軽減した。「にこまる」も
同様に株当たり穂数は多く、葉色も濃く、玄米重、品質は標準
区と同等であった。
(古賀潤弥、生部和宏)
2.育苗箱全量施肥疎植栽培の技術確立
「にこまる」の育苗箱全量施肥疎植栽培を検討した。LPS120
を育苗箱全量施肥した区は、株間 28cm(11 箱/10a)、窒素で
基準量 40∼50%削減区でも標準区と比べ同等以上の玄米重、
品質を確保出来た。課題として育苗時の苗の伸長が慣行栽培
に比べかなり長く改善が必要であり、21 年度は育苗方法につ
いても試験を実施する。
(古賀潤弥、生部和宏)
3.病害虫の発生消長と防除回数の検討
株間 28cm の疎植栽培における病害虫の発生消長につい
て検討した。20 年度はヒメトビウンカを除いて害虫の発生が少
なかった。紋枯病の発生は前年とは異なり疎植区が少なかっ
た。また粒剤による防除を実施した区では疎植区も慣行区も
発生程度の差は認められなかった。
(古賀潤弥、福吉賢三)
水稲葉枯症の発生要因の究明と軽減対策技術の開
発 (県単、平 18∼20)
2006、2007 の 2 ヵ年硫黄害を想定した試験を中心に検討を
進めたが症状を軽減させることが出来なかった。そこで東日本
を中心に過去報告のある、土壌中の還元から来る硫黄も多少
関係が想定される湿田秋落ちを中心に対策とデータ蒐集に努
めた。
本暗渠を施工することで排水から来る根の環境を改善し、
防風対策のため高さ 3mの防風ネットを設置したが、症状改善
には繋がらなかった。ph3(H2O2)を切るデータが過去出たこ
とから土壌の層毎に採土して分析したが、ph3(H2O2)を切る
データは出なかった。
水稲地上部の葉身長などを発症株と未発症株で比較した。
すると、発症株では葉の長さが 20%程度長く、面積も広いこと
を初めて確認した。また根の量を試験的に測定したところ、発
症地で少なく・細いことも確認した。
移植時期を慣行栽培に比較して約 2 週間遅くすることで発
症をほぼ抑えることが出来た。上記葉身長・面積と併せて稲の
生育時期ごとの生育量を地上部・地下部調査する必要があ
る。
この症状の坪状発症の原因を求めるため、潜在地力のばら
つきについて検定を実施した。その結果同一水田内でも±
20%以上の可給態窒素量の違いを確認した。
(渡邉大治)
植物調節剤受託試験(受託試験 昭和 35∼)
1.水稲
1)適用性試験
水稲栽培に適用できる新規除草剤の実用化に向けた試験
を実施している。本年は普通期水稲で試験を実施し、初中期
1 発処理剤 10 剤(うちジャンボ剤 1 剤、フロアブル剤 2 剤)、
中後期剤 3 剤(うちジャンボ剤 1 剤、顆粒水和剤 2 剤)、計 13
剤を試験に供した。その結果、5 剤を実用化可能、6 剤を有望
であるが年次変動の確認が必要、2 剤を問題点がありさらに検
討の必要なものと判定した。
(前田 徹)
稲・麦・大豆の遺伝資源管理と原原種生産
1. 稲・麦・大豆遺伝資源管理
(主要農作物種子対策 昭 28∼)
県で奨励品種としている水稲 11 品種の内、県外に採種を
委託している以外の品種 6 品種について遺伝資源の管理を
実施している。麦類ははだか麦のイチバンボシを除く 6 麦種に
ついて遺伝資源を管理している。また大豆はフクユタカのみ管
理している。
2. 稲・麦・大豆原原種生産
(主要農作物種子対策 昭 28∼)
20 年産の原原種生産は以下の通りである。水稲はコシヒカ
リで 100kg、あさひの夢で 240kg を生産した。
麦類はシロガネコムギ、ミナミノカオリ、ニシノホシ、ニシノチ
カラ各 60kg 生産予定。大豆はフクユタカを 180kg 生産した。
- 39 -
作物園芸部
【野 菜 科】
西南暖地におけるイチゴ促成栽培に適した優良系統
の選定(県単 平 16∼20)
1.イチゴ優良系統の選定と栽培技術の確立
九州沖縄農業研究センターで育成され、昨年共同で選抜し
た系統について、新品種「こいのか」として、平成 20 年 10 月
28 日に品種登録出願公表された。「こいのか」は「さちのか」と
較べ、早生で、糖度が高く、年内収量は「とよのか」と同等であ
った。果実品質の推移、全体収量等については現在試験調
査中である。試験結果については九州沖縄農業研究センタ
ー・大分県と協議を行い、今後の連絡試験・普及の方向性等
を検討している。また、今後の普及に向け、県内関係機関と検
討会を行い、現地試験などに現在取り組んでおり、途中経過
についても協議を行い進めている。
(藤田晃久)
地域ブランドに向けた野菜の生産技術開発
(県単 平 18∼21)
1.イチゴの花芽分化安定技術の確立
「さちのか」における花芽分化の安定性向上のため、育苗
時の冷水処理や短日夜冷処理・暗黒低温処理による効果の
検討などの試験を行っている。育苗時の冷水処理は処理区が
無処理区よりも花芽分化が早い傾向にあったが、使用した苗
の体内チッ素が高かったため、定植後の出蕾にバラツキが確
認され、今後再度取り組む予定である。収量性等については
現在調査中である。
(藤田晃久)
2.長崎県型高設栽培用新肥料の検討
長崎県型高設栽培システムについて、栽培終了後の本圃
への肥料成分の残留軽減のため、慣行では 180 日タイプの肥
料を使用しているが、140 日タイプの肥料で、生育・収量等へ
の影響・土壌中 EC の推移・栽培終了後の土壌への残留量に
ついて試験を行なっている。品種は「さちのか」である。生育・
収量等について現在調査中である。
(松尾憲一)
3.北海道苗を用いた採苗における苗の生産性の検討
県内では炭疽病対策として、一昨年より北海道で育苗したも
のを親株として、秋に一度採苗し、さらに、現地で秋に採苗し
たものを親株として、翌春に採苗が行なわれている。そこで、
秋に採苗した株と、翌春に採苗した株の収量性を検証してい
る。現在調査中である。
(松尾憲一)
5.トマトの高糖度生産技術の確立
遮根透水シートを利用した養液土耕栽培で、基肥量を 2 水
準設定し、高糖度トマト生産技術を検討している。遮根透水シ
ート区は基肥 N21kg と基肥 N11kg 区とも、収穫期間を通じ糖
度 8 度以上となった。しかしながら、遮根透水シートを用いた
栽培では、土耕栽培と比較し 1 果重が小さくなるため、収穫期
間を通じた大玉生産と多収栽培技術について試験を行ってい
る。
(内田善朗)
水田等の高度利用と新作型開発によるアスパラガス
の周年供給体系(実用技術開発事業 平 18∼20)
半促成長期どり栽培における有望品種等の選定試験では
収量性で 'NJ953'が優れることを明らかにした。
また、夏芽品質向上のための昇温抑制試験において、アス
パラガス若茎の収量は、5∼7 月はほぼ同様であったが、8∼
10 月は昇温抑制処理区が 1a 当たり 33kg 増収し、可販率、L
級率が増加し、外品率、裂開率は低下した。また、昇温抑制
効果は側窓拡大+屋根開口>屋根開口>側窓拡大であっ
た。
(井上勝広)
新営農技術確立現地実証試験
(県単 平成 19∼20)
1.いちご安価型ベンチ栽培技術の検討・イチゴ新品種「こい
のか」の栽培技術の検討
長崎Ⅱ型高設栽培システムは、培地加温区は最低地温 12
∼13℃であったが、培地加温なし区は 8∼9℃であった。1 月
までの収量は培地加温区が培地加温なし区を上回っている。
草勢は培地加温なし区は劣っており、長崎Ⅱ型高設栽培シス
テムにおいては、温湯または電熱線による培地加温を行なうこ
とにより、安定生産を図ることが出きる。イチゴ新品種「こいの
か」は、月一回の抜き取りを含める生育調査や収量性等は現
在調査中である。
(藤田晃久)
2.アスパラガスの1年生根株養成による改植・補植技術の実
証
半年間株養成株(平均 2.4kg)の定植後の萌芽率は 100%
で、順調に活着した。
(井上勝広)
受託試験
4.環境に配慮したイチゴ栽培法の検討
長崎県型イチゴ高設ベンチ栽培システムにおいて、環境に
配慮したイチゴ栽培を目指し、圃場外への排水量を極力少な
くするため、廃液処理用のイチゴベンチを設置し、収量等への
影響、廃液量、廃液 EC 等の推移について試験を行なってい
る。現在調査中である。
(松尾憲一)
1.除草剤・生育調節剤試験(日植調受託 各年)
①タマネギ除草剤
ANK-553 液剤のタマネギ定植前全面処理試験を行なって
いる。対照薬剤は(トレファノサイド液剤)であり、現在調査中で
ある。
(松尾憲一)
- 40 -
作物園芸部
遺伝資源および優良種苗の保存と配布
1.特産野菜の遺伝資源保存(県単 昭 59∼)
①ニンニクの系統保存
S59 からニンニク 39 品種の遺伝資源保存栽培を行っている。
9 月 24 日に定植を行い、現在栽培中である。収穫は 5 月上旬
∼6 月上旬に順次行う予定である。20 年度は壱岐農業改良普
及センター(壱州早生)に種球の配布を行った。
(松尾憲一)
②ネギ類の系統保存
S59 から夏ネギ 11 品種、ワケギ 24 品種の遺伝資源保存栽
培を行っている。夏ネギ、ワケギとも 9 月 24 日に定植を行い、
現在栽培中である。収穫は 5 月上旬から順次行う予定である。
20 年度は県央農協(上海 18 号、上海 24 号)に種球の配布を
行った。
(松尾憲一)
③ショウガの系統保存
県内在来種、栽培種と海外からの導入種を含め、26 の品
種・系統を保存している。20 年度は 4 月 24 日に植え付け、11
月 4 日に収穫した。現在低温庫に貯蔵中である。
(内田善朗)
【花 き 科】
花がみられた。
カーネーションの新品種育成(県単 平成 16∼20 年)
1.交雑育種
本場における交雑育種の第 1 号として、平成 20 年 6 月に「こ
んぺいとう」の品種登録を申請し、同年 9 月に公表された。「こ
んぺいとう」の作付けは、平成 20 年度が 5,500 株、21 年度は
北海道と合わせて 2 万株となる。後続系統では、「長崎 1606」
を 21 年度に品種登録申請を予定している他、有望系統の試
作を県内 4 産地で実施している。
(櫨山妙子)
2.イオンビーム育種
平成 19 年度に「こんぺいとう」へイオンビーム照射を行い、
再分化、順化、開花検定を行っている。
(櫨山妙子)
3.優良品種選定
キリンアグリバイオとの共同研究を実施中で、平成 20 年度
に導入した 12 系統を本場および農家圃場で試作した。共同
研究は、20 年度で終了するが、試作結果が良好な 1 系統につ
いては、農家圃場で試作を継続することとした。
(櫨山妙子)
新規導入花きの技術開発(県単 平成 18∼20 年)
1.花きの新しい商品開発
1)マーガレットの栽培技術開発
本県の民間育種家により育成されたマーガレットのオリジナ
ル品種について、これまでの試験により有望と思われる 3 品種
について、電照による開花促進試験を行い、「テトラ」では 9 月
電照開始が 11 月電照開始より開花が促進し、1、2 月の切花
本数も増加し、5 月末までの累積切花本数も多くなった。
(諸岡淳司)
2)「長崎ラベンダー」の栽培技術開発
本県で育成された耐暑性のある「長崎ラベンダー」の鉢物
栽培における促成栽培試験のための低温遭遇量の試験を行
い、開花に必要とされる低温は 10℃では不十分で、少なくとも
5℃程度に遭遇することにより充足すると推察された。また、自
然遭遇後 1 月下旬から夜間電照を行うと無加温栽培に比べて
約 1 ヵ月の開花促進効果がみられた。抑制栽培試験では自然
開花後、株の切り戻し、植え替えを行うと高率で 9 月上旬に開
(諸岡淳司)
2.複合経営における品目選定と栽培技術確立
これまで、カーネーション農家の規模拡大のための複合経
営における品目としてトルコギキョウを選定した。20 年度は 3 月
出荷作型(最低夜温 12℃)において、11 品種・系統を供試し、
「キキ」を有望品種として選定した。「キキ」は低温開花性に優
れ、低日照時のブラスチングが少ない品種であるが最低夜温
は 12∼13℃にする必要がある。
(峯 大樹)
特産花木の育種と遺伝資源収集・保存(県単 平 7∼)
平戸つつじについては場内に 36 品種を栽培保存してい
る。
(諸岡淳司)
花きオリジナル品種育成事業
(花きオリジナル育種農家育成事業)(県単 平成 20∼24 年)
1.キク新品種育成
平成 20 年 11 月末現在で、イオンビーム照射株 3,500 株を
定植し、43 株を選抜した。すでに選抜した 43 系統は、増殖し、
再選抜を行う。ただし、親株管理中に増殖できないものや奇
形株となったものもあり、開花特性検定を経て、21 年 3 月時点
で、14 系統にまで絞り込んでいる。
また、平成 21 年 1 月に 2,000 本照射しており、以前照射し
て試験を行っていない系統と併せて、21 年度に現地および試
験場で選抜試験を順次行っていく。
(峯 大樹)
2.コギク新品種育成
試験場選抜系統 16 系統を現地で試験したが、その中で有
望と判断された品種はなかった。ただし、2 系統は、平成 21 年
に再試験を行う。
平成 20 年は、試験場で新たに 16 系統を選抜した。これら
は平成 21 年に現地試験を行う。
平成 20 年度に選抜した有望系統同士を交配しており、得ら
れた実生系統を用いて平成 21 年度に選抜試験を行う。
(峯 大樹)
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作物園芸部
【生物工学科】
バレイショの疫病抵抗性育種素材の育成
(県単 平 16∼20)
1.塊茎・茎葉ともに抵抗性を示す優良個体の育成
前年度までに選抜した疫病抵抗性 4 系統を含む 7 系統を、
春作において愛野支場の疫病無防除栽培圃場に植え付け、
2 回目の疫病圃場抵抗性検定を実施した。2 ヵ年の結果から、
茎葉の疫病抵抗性が「ニシユタカ」より強く、塊茎腐敗抵抗性
が「ニシユタカ」と同程度の「長生 1 号(04-4-19)」および「長生
2 号(04-2-79)」を選抜した。
「長生 1 号」は交配親の Solanum tuberosum ssp. andigena
「W553-4」由来の疫病真性抵抗性遺伝子 R2 に連鎖する DNA
マーカーが検出された。
(大林憲吾、茶谷正孝)
2.真性抵抗性遺伝子に連鎖する DNA マーカーの開発
前年度に見出した Solanum tuberosum ssp. andigena 由来
ジャガイモ疫病真性抵抗性遺伝子 R2adg に連鎖する CAPS マ
ーカーから STS マーカー(R2-800)を開発した。抵抗性品種
「さやあかね」と罹病性品種「農林 1 号」の F1 雑種における疫
病菌 03001 株(レース 1,3,4)の接種検定において、R2-800 が
検出された個体の 70.3%が遊走子のう形成率 20%以下であ
った。また、R2-800 は S. stoloniferum 由来ジャガイモ疫病真
性抵抗性遺伝子 R2sto にも連鎖することが明らかとなった。な
お、S. demissum 由来ジャガイモ疫病真性抵抗性遺伝子 R2
(R2dem)保有系統「1512-c(16)」と罹病性品種「メークイン」の
雑種後代を用いたマーカー探索において、R2dem に連鎖する
DNA マーカーを見出すことはできかった。
(大林憲吾)
3.病虫害複合抵抗性個体の選抜
病虫害複合抵抗性系統を育成するために、DNA マーカー
によって選抜したジャガイモシストセンチュウ、X ウイルス、Y ウ
イルス、疫病 R1 抵抗性 7 個体と疫病 R2 抵抗性を持つ「北海
56 号」との雑種後代から、各病害抵抗性を判別する DNA マー
カーを用いて 5 つの病虫害抵抗性を併せ持つ 8 個体を選抜し
た。
(大林憲吾)
高度青枯病抵抗性野生種バレイショ倍数種の育種
素材化(受託 平 18∼20)
1.細胞融合による雑種作出
前年度までに得られた再分化個体の 8 倍体 17 個体につい
て、分子マーカー(RAPD マーカー)を用いた雑種性調査の結
果、「インカのめざめ」由来のマーカーバンドは検出されず、野
生種 S. stoloniferum 由来のマーカーバンドのみ検出されたこ
とから、得られた 8 倍体は、全て野生種の細胞同士が融合した
ものと考えられ、異種細胞間の融合個体はなかった。これら 8
倍体 10 個体を母として合計 74 花に「西海 35 号」の花粉を受
粉させ、31 個の果実から 34 粒の種子を得た。また、「西海 35
号」を母として合計 75 花に 8 倍体 3 個体の花粉を受粉させ、1
個の果実から 58 粒の種子を得た。
(大林憲吾)
放射線と組織培養による突然変異を利用したキク・
鉢物の優良系統の育成
(県単 平 18∼22、花き科共同)
1.切り花品質を改良した秋ギクの品種育成
19 年度に花弁培養を開始した秋ギク品種「晃花の富士」の
再分化個体 256 個体を花き科に移管した。また、花き科にお
いて「神馬 2 号」から選抜した低温開花性系統「長崎 2 号」の
花弁培養により 402 個体、葉片培養により 44 個体の再分化個
体を得た。
栽培試験では、19 年度に選抜した「KK0192」など 8 系統を
株数を増やして各作型に供試した結果、「KK0192」は伸長性
に優れ、腋芽の発生が少なく有望であった。ただし、ねらいの
一つである鮮度保持期間が「晃花の富士」と同等であったため、
品種化は保留した。
その他の選抜系統は、平成 21 年 3 月開花作型において鮮
度保持試験を実施中である。また、新たに 923 系統を供試し、
19 系統を選抜した。
(茶谷正孝、峯 大樹)
2.ラベンダーの矮性品種などの育成
理化学研究所において、挿し穂および腋芽培養物に炭素
イオンビームを 2∼6Gy で照射し、挿し穂は照射後に節ごとに
分割して無菌培養した。また、腋芽培養物に軟 X 線を 2.5、
5Gy で照射して試験管内で生育させた。発根した 59 個体は、
特性調査を行うため順次花き科に移管し、栽培調査を継続中
である。
(茶谷正孝、諸岡淳司)
3.コチョウランの微細繁殖法の改良
選抜 3 系統(Fu-W、Fr-R、Ko)を効率的に増殖する微細繁
殖技術を確立するため、伸長中または開花始めの花茎を材料
として初期培地の検討を行った。いくつかの腋芽から多芽体
を誘導できたが、PLB は得られなかった。
また、実生苗を用いて主茎基部や葉片培養を行い、主茎基
部由来のクローン個体について開花時に特性調査を行った。
その結果、ピンクストライプの Ko 系統において奇形花が見ら
れたが、他の 2 系統には花色の変異や奇形は認められなかっ
た。
(茶谷正孝、諸岡淳司)
ウイルス病防除のためのワクチン保有マイクロチュ
ーバーの開発(受託 平 18∼20)
1.植物組織培養法によるワクチン候補株の選抜
昨 年 度 ま で に 作 出 し た ワ ク チ ン 候 補 株 「 M135 」 お よ び
「M138」と来歴が異なる、新たな弱毒株を作出し、ジャガイモ
での弱毒化に関与する DNA レベルの変異を解析するため、タ
バコ弱毒ジャガイモ強毒株「MY111」、「MY117」、「MY118」を
感染させたジャガイモを材料として茎切片培養を行った。その
結果、156 個体の再分化個体を獲得し、1 系統はジャガイモに
おける症状が軽くなっていた。
(茶谷正孝、小川哲治)
- 42 -
林 業 部
林
業
部
【森林環境科】
等の平均樹高生長量は前年を上回っていた。
森林機能発揮のための簡易管理法の開発
(県単 平 16∼20)
1)「巻枯らし間伐」による林分環境の変化調査
実験林内に設けたヒノキ林の固定調査地において巻枯らし
間伐後 4 年後の相対照度を測定した。対照区(定性間伐 30%
程度実施)が 2.9%で間伐前の照度であった 2.5%とあまり変
わらなかったのに比べ、巻枯らし間伐区(50%程度実施)は
4.8%で明るい状態を保持していた。また、実験林内の別の固
定調査地{ヒノキ、定性間伐(27%)区、巻枯らし間伐(65%)
区}定性間伐区と巻枯らし間伐区の間伐後 2 年間の下層植生
の芽生えの数を調査したところ、間伐前に比べて巻枯らし間
伐の方が定性間伐区より芽生えの数が増加している傾向が見
られた。
2)「巻枯らし間伐」実施前・実施後の樹勢調査
実験林内に設けたヒノキ林の固定調査地において巻枯らし
区と定性間伐区の残存木の間伐後 4 年間の成長量を樹幹解
析を用いて調査した。その結果、巻枯らし間伐区と定性間伐
区の成長量には差がないことが確認された。この結果と 1)の
相対照度の結果を併せて考えると、巻枯らし間伐は定性間伐
に比べて長期の残存木の成長が期待できる。
3)「巻枯らし間伐」マニュアル作成
5 年間の調査結果を取りまとめた長崎県における「巻枯らし
間伐」のマニュアルを作成した。
(清水正俊)
菌根菌を活用した海岸クロマツ林の造成・更新技術
の開発(県単 平 20∼24)
1.菌根菌の実態調査
南島原市加津佐町の海岸林で菌根菌(コツブタケ・同定依
頼中)の発生状況を調査した。
コツブタケの発生期間は、4 月中旬から 10 月下旬の 7 ヵ月
間であった。また、発生量は、9 月から 10 月に集中し、ピーク
は 10 月上旬であった。
2.固定調査地の設定
供試木や植栽本数の異なる固定委調査地を、壱岐市郷ノ
浦町(3000・5000・7000 本区、菌根菌感染苗・抵抗性クロマツ
苗)、石田町(3000 本区、菌根菌感染苗・抵抗性クロマツ苗・
対照区)に設定した。
(貞清秀男)
2.防風林(垣)の生育状況調査(実証試験)
17 年度試験区
植栽後 3 年間の平均樹高伸長量は、クロマツ 1 列区(1m×
100 本)が、125.1cm で、生存率は 90%であった。一方、クロマ
ツ 1 列・マテバシイ 1 列区(1m×1m×各 100 本) は、平均樹
高伸長量がそれぞれ 113.4cm、84.4cm で、生存率は 90%、
81%であった。
(貞清秀男)
九州地域の再造林放棄地の水土保全機能評価と植
生再生手法の開発(国庫 平 16∼20)
1)再造林放棄地の実態把握
人工衛星情報からの変化点(H15 以降に生じた森林伐採地
と思われる箇所)の位置データ(181 箇所)に基づき現地の確
認調査を実施した。その結果、再造林放棄地と思われる箇所
が 1 箇所、既植地が 26 箇所(植林予定含む)、天然更新地が
9 箇所、無伐採地が 38 箇所、それ以外(道路・畜舎・畑など)
が 107 箇所であった。この内、無伐採地では森林の近くの畑
や田の変化を森林伐採として判断していたと思われる事例が
見られた。また、再造林放棄地と判断された場所の上部の層
を形成していたのはアオモジ等の先駆性樹種であった。
2)森林再生・再造林のための低コスト育林プロセスの構築
ヒノキクローン苗の低密度(2100 本/ha)植栽試験地(試験場
実験林及び諫早市大山共有林)において植栽後 8∼9 年間の
下刈り作業種別の生育状況を調査したところ、植栽後 3 年目
までは坪刈り区が下刈り時のコストも低く、成長量も良好であっ
たが、その後は周囲の広葉樹に成長を抑えられることがわか
った。
また、対馬市において低密度植栽(植栽時 1500 本/ha)の
40 年生ヒノキ林の現地調査を行った。その結果、平均胸高直
径は 29.6cm、平均樹高は 14.5m、形状比は 49 であった。これ
を隣接する間伐不足林(植栽時 3000 本/ha)のデータ(平均胸
高直径は 21.2cm、平均樹高は 14.6m、形状比は 69)と比較す
ると樹高はほぼ同じだが、低密度植栽は胸高直径が大きくウラ
ゴケとなっていた。
なお、1)及び 2)の結果の一部は九州各県、宮崎、鹿児島
大学の調査データと併せて九州大学で解析され、報告書とし
て取りまとめられた。
(清水正俊)
クロマツの第二世代マツ材線虫病抵抗性種苗生産
システムの構築(国庫 平 16∼20)
諫早湾干拓における防風林造成試験
(県単 平 12∼)
1.耐塩性樹種植栽試験(クロマツ等 19 種類)
植栽から 7 年間の平均樹高相対成長率は、高木類がクロマ
ツ、ナンキンハゼ、センダン、マテバシイが上位に、シラカシ、
エノキ、カンレンボク、ムクノキが中位に、イヌマキ、クロガネモ
チ、ヤブツバキ、ネズミモチが下位に区分された。また、中低
木類は、ウバメガシがよい生育を示し、以下サンゴジュ、マサ
キ、トベラが続き、シャリンバイ、ハマビワが下位であった。昨年、
18 年 9 月の台風 13 号(潮風害)被害により生長量の低下が見
られたナンキンハゼ、センダン、クロマツ、マテバシイ、ムクノキ
挿し木した 802 クローンから発根特性の優れた 94 クローン
を選抜し、挿し木マニュアルを作成した。研究成果を活用して、
抵抗性クロマツを生産する予定の苗木生産者の圃場に採穂
園を造成した。
(吉本貴久雄)
森林・緑化樹の侵入害虫による被害実態と防除法
の確立(県単 平 19∼21)
チアメトキサムを用いた樹幹注入法をより効率よくするため、
注入部位による液量の削減と注入削孔を 1 箇所にして、樹体
- 43 -
林 業 部
の損傷を少なくする試験を行った。カナリーヤシの首部へ注入
すると、注入液量を半減できる可能性がある。また、注入孔も 1
孔を深くすることで可能であるが、同一孔の繰り返し利用は困
難であった。
(吉本貴久雄)
優良種苗確保対策事業(県委託)
ヒノキ次代検定林 1 ヵ所(対馬市)で 30 年時の成長を調査し
た。また林業用種子の発芽検定を行った。結果は以下のとお
り。
(吉本貴久雄)
マツノマダラカミキリ発生予察事業(県委託)
場内網室において、前年の松くい虫被害材からのマツノマ
ダラカミキリの発生状況を調査した。発生したマツノマダラカミ
キリは♂287 頭、♀292 頭の計 579 頭であった。初発日は前年
よりも 12 日早かった。
(吉本貴久雄)
発生日
月 日
積算温量
初発日
50%発生日
終息日
5 月 20 日
7月 2日
7 月 31 日
228 日度
661 日度
1,141 日度
初発から要した
期間
−
43 日
72 日
樹種
採取年度
発芽率(%)
スギ
〃
ヒノキ
〃
〃
〃
〃
〃
〃
クロマツ
〃
19
20
17
17
18
19
19
20
20
19
20
6.6
11.6
56.6
55.2
5.2
23.4
42.2
6.8
11.4
93.4
94.0
1,000 粒重
(g)
3.61
3.19
2.65
2.95
1.77
2.25
2.46
2.03
1.80
15.43
15.10
備考
袋かけ
袋かけ
袋かけ
【森林資源利用科】
ツバキの新機能活用技術及び高生産性ツバキ林育
成技術の開発(国庫 平 20∼22)
新上五島町津和崎地区において設定している弱度・中度・
強度断幹試験区で継続調査を行った。断幹後の萌芽枝から
発達した当年枝数を調査した結果、断幹率が高く林内が明る
い試験区ほど当年枝数が多い傾向が見られた。中度断幹区
において断幹高別に当年枝数を調査した結果、断幹高が高く
なるにしたがって当年枝数が増加する傾向が見られた。各試
験区で 1m断幹木について断幹後の樹高を計測した結果、断
幹率が高く林内が明るい試験区ほど樹高が高い傾向が見ら
れた。ただし、断幹高別に樹高成長量をみると断幹高 1mにお
いて成長量は最も大きく、断幹高 1.7mを上まわった。樹冠幅
の拡大状況は、2007 年及び 2008 年において弱度断幹区と中
度断幹区との差の方が、中度断幹区と強度断幹区との差より
大きかった。2007 年から 2008 年の樹冠幅の増加率は 1.2∼
1.5 倍であり、2008 年には弱度断幹区で 0.63mであったが、強
度断幹区では 1.01mと強度断幹区の 1.6 倍と大きな成長差が
みられた。いずれの断幹木においても結実は確認されなかっ
た。断幹残存木の結実状況は、弱度及び中度断幹区間にお
いて明確な差異は見られなかった。新上五島町米山地区に
断幹試験区を設定した。
五島市富江町山下及び新上五島町津和崎の畑地におい
て幹挿し試験を実施した。今後引き続き時期別に実施し、萌
芽状況等を調査する。
(久林高市)
も 13%から 46%へと 3.6 倍になるのに対し、中葉の発生量の
割合は 78%から 50%、大葉は 9%から 4%へそれぞれ 0.6 倍、
0.4 倍になった。
(久林高市)
土木資材耐久性向上技術の開発
(県単 平 18∼20)
木タールによる防腐処理浸透試験の結果、燻煙処理では
木タールの木部への浸透はほとんどみられなかった。燻煙処
理+木タール浸漬では、木タール浸漬処理時間が長くなるに
したがって浸透部面積はやや拡大したが、明確な差はみられ
なかった。
諫早市高来町に平成 19 年 4 月に試験杭を打設し、暴露試
験に供した。試験開始後 22 ヵ月経過した平成 21 年 2 月にピ
ロディンによる腐朽状況を測定した。その結果、対照の無処理
木(白木)と 4 時間、5 時間及び 7.5 時間浸漬処理木との間に
有意差が認められた。また、これら 3 処理間には有意差は認
められなかった。このことから、今回実施した試験では、木ター
ルの浸透を目的とした処理としては、燻煙処理だけでは無効
であり、燻煙処理後に 4 時間、木タールへ浸漬処理を行うこと
で効率的に浸透結果が得られることが明らかになった。
今後、引き続き腐朽状況を調査し、処理条件と腐朽程度と
の関係を明らかにする必要がある。
(辻 恵子、久林高市)
森林吸収源インベントリ情報整備事業
対馬しいたけのブランド確立のためのアベマキによ
る栽培技術の確立(県単 平 17∼21)
アベマキとコナラを用い、対馬市峰町と本場人工ほだ場で
試験を実施した。アベマキを使った原木シイタケ栽培の植菌
後 3 年目までの発生量は、成形駒M290 を 6,000 個/m3 植菌
した場合に 44kg/m3 で最も多く、コナラの約 1.6 倍であった。
発生量と規格別発生量の割合との関係は、アベマキに成形
駒M290 を植菌した場合では、植菌密度が 2,000 個/m3 から
6,000 個/m3 へと増加するにしたがって発生量が 34kg/m3 か
ら 44kg/m3 へ増加し、それにしたがって小葉の発生量の割合
(国庫委託 平 18∼22)
地球温暖化の抑止を目的とする京都議定書では、森林に
おける炭素量の変化について、5 つの炭素プール(樹木の地
上部バイオマス、地下部バイオマス、枯死木、リター、土壌炭
素)毎に報告することが定められている。
本事業では、五島市、対馬市、平戸市、佐世保市、雲仙市
の森林資源モニタリング調査の特定調査プロット 5 ヵ所で土壌
炭素量を調査した。
(前田 一)
- 44 -
環 境 部
環
境
部
【土壌肥料科】
土壌機能増進対策事業
1.土壌機能実態モニタリング調査(国庫助成 平 11∼)
農耕地土壌の変化の実態を明らかにするために、県内 195
ヵ所の定点を設け、5 年間隔で土壌の理化学性調査、肥培管
理状況のアンケート調査を実施している。20 年度は過去 25 年
間の推移を取りまとめた。ばれいしょ畑、葉菜畑、県北地域の
水田で 25 年前から徐々に交換性カリが増加していた。
(土壌肥料科)
2.たい肥等有機物・化学肥料適正使用指針策定調査
①有機物資源連用栽培試験
籾殻牛ふん堆肥連用による地力の変動を明らかにし、籾殻
牛ふんの適正施用量や効果的な地力維持増強技術を明らか
にするため、水田(水稲単作)及び畑(バレイショ春ー秋作)に
対する堆肥の長期連用試験を実施している。
1)水田(国庫助成 S51∼ 連用 30 年目)
籾殻牛ふん堆肥連用による水田地力の変動を明らかにし、
籾殻牛ふんの適正施用量や効果的な地力維持増強技術を明
らかにするための、水稲に対する堆肥の長期連用試験である。
化学肥料に籾殻牛ふん堆肥を併用した区では、投入量に従
って化学肥料単用区より、土壌の全炭素、全窒素、可給態窒
素、交換性カリ・苦土・石灰、及び有効態リン酸含量が増加し
た。
(里中利正)
2)畑(国庫助成 平 6∼ 連用 12 年目)
水田と同様のバレイショ連作体系での堆肥の長期連用試験
である。
春作バレイショの収量は化学肥料に籾殻牛ふんたい肥を併
用した区が高く、大玉傾向であったが、そうか病発病度が高く
なった。秋作バレイショの収量は、化学肥料に籾殻牛ふん堆
肥を併用した区で多くなったが大玉傾向は見られず、植え付
け前に土壌消毒をしたことでたい肥施用区でもそうか病発病
度は低くなった。
(大井友紀子)
②施用基準等設定栽培試験
1)ブロッコリーの環境保全型施肥技術
(国庫助成 平 18∼20)
畝内条施肥での 30%減肥を現地(高来町)と場内で実施し
た。作土の株間無機態窒素は条施肥で 30%減肥しても基準
の全層施肥並みの濃度であり、収量、収穫時期ともに基準と
同等となった。また、被覆肥料を用いることで全量基肥が可能
であることが明らかとなった。育苗セル内に被覆肥料を入れて
育苗し、移植するセル内施肥では、施肥量を段階的に減肥し
たものを 7 月上旬より 2 週間おき移植し、収量が基準と同等と
なる施肥量および播種時期を検討した。9 月 1 日播種の 80%
減肥で、慣行と同等以上の収量があることを確認した。
(生部和宏)
2) アスパラガスの春芽に対する適正肥培管理技術の確立
(国庫助成 平 20∼22)
アスパラガス半促成長期どり栽培の冬肥として、2 ヵ年の結
果から、リニア型 40 日被覆尿素肥料と硫安を 1:1 に組み合わ
せた窒素施肥は、2 割減肥でも化成肥料 10kg/10a と同等以
上の収量が得られた。
また、H20.9∼11 の肥料利用率を明らかにするため、重窒
素肥料を用いて現在調査中。H21.6 月には明らかになる。
(大井義弘)
③環境保全型土壌管理調査試験
1)露地野菜における環境影響を考慮した土壌の種類別窒素
施肥量の解明(国庫助成 平 18∼20)
窒素施肥量−(バレイショの吸収量+土壌への蓄積)の養
分収支を土壌別に明らかにし、硝酸態窒素の地下への移動
状況との関連を解析する。この結果をもとに環境影響を考慮し
たバレイショ作での土壌別の窒素投入量の上限を明らかにし
て、環境保全型施肥基準策定のための基礎資料とする。
黒ボク土、玄武岩、三紀層、結晶片岩由来の 4 種土壌で春
作、秋作バレイショにおいて施肥量を変えて栽培し、収量性、
環境影響を調査した。窒素施肥量の増加と収量および吸収量
との関係は三紀層土壌で顕著に認められた。
(藤山正史)
土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事
業(国庫受託 平 20∼24)
農耕地土壌の有する炭素貯留効果を、土壌の炭素量の推
移を調べることで明らかにする全国規模の調査である。
県下 63 地点の定点と場内の基準点 6 処理区において土壌
調査、仮比重、全炭素、全窒素等の分析を行うとともに、定点
については、有機物、施肥、水管理等についてのアンケート
調査を実施して農業環境技術研究所あてデータを提出した。
(藤山正史)
環境保全型農業技術の確立
1.未利用資源の炭化処理による合理的農業利用技術の確
立 (平 19∼21)
作物系炭化物は 300℃で完全に炭化が完成するが、微粒
子が多く、散布性が悪かった。そこで、ハンドリング向上のため
成型化試験をおこなった結果、炉内が 200℃になったところで
止めた炭化物が増粘剤も加えず、99%の割合で成型化できた。
にんじん炭化物の成分等については現在調査中。前年度試
験同様、ばれいしょ炭化物についてイチゴやレタスの育苗培
土に混合することで生育は良好であった。
(大井義弘、大津善雄、大井友紀子)
諫早湾干拓営農対策試験
1.諫早湾干拓地におけるジャガイモそうか病の耕種的総合
抑制対策(平 18∼20)
pH 降下資材フェロサンドは 400kg 及び 200kg の条施用の
春作では生育が 50%程度低下したが、秋作の全層施用では地
上部は pH 降下資材施用なしと比べ同程度であったが、イモ
重は低下した。pH ミックスはイモ重の低下が少なく、そうか病
の防除価が 20 程度あった。
(大井義弘)
- 45 -
環 境 部
各種作物の施肥改善ジャガイモそうか病の土壌くん
蒸剤使用量削減のための総合的防除対策
1.各種作物の施肥改善ジャガイモそうか病の土壌くん蒸剤
使用量削減のための総合的防除対策(平 18∼20)
本県主要バレイショ産地土壌におけるジャガイモそうか病対
策としての交換酸度と pH(H2O)との関係を調べた結果、本県
主要バレイショ産地土壌の交換酸度 y1 を 5 にする土壌 pH
(H2O)は、飯盛町赤黄色土地域で 4.91、愛野町淡色黒ボク
土地域で 4.63、小浜町黄色土地域で 4.76 と推定できた。
土壌 pH 降下資材のバレイショ収量への影響とそうか病抑制
効果の検討をおこなった結果、硫酸第一鉄のバレイショへの
施用は、減収をさけるため 10a 当たり 200kg 以下にする必要が
あった。また、バレイショの作付けごとに資材を施用し、数作進
む中でそうか病の発生は抑制できた。
バレイショ栽培地域の土壌は酸性化が顕著であることから、
酸性軽減のための石灰施用法を検討した結果、土壌 pH4.8
以下の強酸性下バレイショ圃場では、硫安とリニア型 40 日タイ
プの被覆硝酸カルシウム肥料を 1:1 に組み合わせた窒素条
施肥が、従来の速効性肥料に比べ 2 割減肥しても収量は増
加し、植物体中のカルシウム含量が増加できた。
(大井義弘)
水稲省力施肥:水稲栽培における被覆肥料の効率
的施肥技術確立試験(受託 平 20∼21)
県央平坦地域に導入されている普通期水稲(にこまる)に適
した全量基肥の開発が目的。現地で広く普及している 100 日
タイプ被覆尿素肥料を使った肥料を対象に、110 日、120 日と
いった溶出開始時期が遅い肥料を検討した。8 月末から 9 月
初めの日照不足により、登熟に影響が出て、全区において検
査等級が低くなったが、120 日タイプ被覆尿素肥料を配合した
区では籾数が増え、増収した。
(生部和宏)
野菜の省力施肥法:スイートコーン(受託 平 20∼21)
スイートコーンにおいて合理的な施肥法及び適正窒素施肥
量について検討を行なった。速効性肥料と緩行性肥料を組み
合わせ、減肥の可能性について現在試験を実施中である。
(里中利正)
畑地での環境保全型農業技術の確立
(国庫 平 18∼22)
1.作型毎の窒素投入量削減技術の開発
野菜作において、地下水への影響の少ない環境保全型施
肥技術を開発する。春ハクサイーホウレンソウ体系での減化学
肥料施肥技術を検討。ホウレンソウでは、作付直前の土壌分
析により前作の残存窒素量を差し引いた施肥を行った。その
結果慣行栽培と同等の収量であった。春ハクサイに畝内施肥
(窒素 2 割減肥)を試みた結果、収量は慣行とほぼ同等であっ
た。
(里中利正)
2.家畜排泄物の活用技術の開発
飼料作において、地下水への影響の少ない、環境保全型
家畜ふん投入方法を明らかにする。イタリアンートウモロコシ体
系で家畜ふん堆肥投入量別の収量および土壌中の硝酸態窒
素の移動状況を調査。畜試内で連携して試験実施。イタリア
ンおよび飼料用トウモロコシの収量は堆肥施用量が増えるに
つれて増加した。投入量から作物による吸収量を差しひいた
窒素養分収支は、すべての区において+を示し、堆肥施用量
にともない増加した。下層の土壌溶液中の硝酸態窒素濃度は
堆肥施用量が多いほど増加する傾向がみられた。
(大津善雄)
基盤整備及び予定地区の水質並びに土壌調査
1.基盤整備及び予定地区の土壌調査
(農村整備課 受託 各年)
諫早市飯盛町開地区、島原市宇土山地区、雲仙市国見町
八斗木地区、雲仙市吾妻町山田地区について土地改良実施
地区の土壌調査、理化学性分析を行い、施工にあたっての意
見を取りまとめ提出した。
(藤山正史)
公害農地の改善対策(国庫助成 昭 62∼)
対馬カドミウム対策調査
土壌汚染防止対策解除地域の継続調査で椎根川水系及
び佐須川水系の定点水田において土壌、作物体及びかんが
い水の調査を実施。いずれの調査でも汚染は認められなかっ
た。
(大津善雄)
農林業生産現場への緊急技術支援プロジェクト研究
(依頼分析等)(県単 各年)
関係機関(農業改良普及センター等)からの依頼について
分析を実施。近年、各地域において堆肥コンクールが開催さ
れるようになっておりその成分分析等の依頼が増加傾向にあ
った。本年の分析点数および分析点数×分析項目の数は、
前年より少なかった。
平成 20 年度の実績
分析試料点数: 304 (前年 393)
分析点数×項目:1961 (前年 2759)
(大井友紀子)
諫早湾干拓地における環境保全型大規模生産技術
体系の確立(受託(実用技術開発事業)平 19∼21)
九州沖縄農研土壌環境指標研究チームとの共同試験。窒
素付加堆肥と牛ふん堆肥を 2:1 ないし 1:1 に混合した成分調
整成型堆肥を試作し、ばれいしょ栽培に供試した。この堆肥を
用いることにより化学肥料窒素の施用量を長崎県慣行の半分
以下にしても、慣行栽培(硫安 11∼14kg/10a、堆肥 1.5∼2.0
トン/10a)と同等の生育・収量を得ることができた。また、栽培
跡地土壌の可給態窒素含量は、減肥栽培の場合と慣行栽培
の場合ともに同等で、地力増進法による改善目標値をほぼ達
成していた。
(大津善雄)
資源循環型畜産確立事業(国庫助成 平 19∼)
堆肥コンクールの審査に参加するとともに、堆肥の品質およ
び成分分析を 34 点、6 項目について実施し審査資料として提
供した。
(大津善雄)
- 46 -
環 境 部
【病害虫科】
アスパラガス重要病害虫の効率的防除技術の確立
(県単 平 15∼20)
1.コナジラミ類の発生生態の解明
県内アスパラガスほ場に発生しているタバココナジラミのバ
イオタイプを PCR−RFLP 法によって明らかにした。県内 4 地
域、7 ほ場についてバイオタイプ検定を行い、その結果、7 圃
場中 6 圃場がバイオタイプ Q が優占し、1 圃場がバイオタイプ
B が優占していた。
県内で発生が多い南島原市深江町において、発生消長を
黄色粘着板によって明らかにした。初発生は 6 月上旬に認め、
その後 8 月中旬頃から密度が急増し 10 月まで増加した。また、
コナジラミによって生じる「すす病」は 9 月上旬から発生を認め
た。
(高田裕司)
2.コナジラミ類の防除法の開発
県内の優占種タバココナジラミバイオタイプ Q はアスパラガ
スにおいて有効な化学農薬の登録がないことから、当面の防
除技術を確立するため野菜類に適用がある気門封鎖剤(商品
名:オレート液剤、サンクリスタル乳剤)と天敵農薬(商品名:ス
ワルスキー)を用いて、防除効果を検討した。気門封鎖剤(オ
レート液剤 100 倍、サンクリスタル乳剤 300 倍)の防除効果に
ついては、タバココナジラミの発生初期からの 7 日間隔、5 回
散布により、本虫の発生を抑制し、「すす」によるアスパラガス
の被害を軽減できた。特に、オレート液剤は長期間タバココナ
ジラミの密度を抑制できた。また、天敵農薬の防除効果につい
ては、タバココナジラミが発生している半促成長期どりアスパラ
ガスにおいてスワルスキーカブリダニは定着が可能であり、長
期間タバココナジラミの密度を低く抑えることを明らかにした。
(高田裕司)
3.総合的管理技術(IPM)の確立
昨年度までに確立したアスパラガス褐斑病防除体系で有効
であるコサイド DF について、薬害の発生条件と汚れについて
検討したところ、スカッシュを混用した場合に、擬葉の黄化、落
葉が認められ、その発生条件は散布時の高温(35℃以上)と
薬液が乾きにくい条件および散布の重複と考えられた。また、
コサイド DF と主要殺虫剤およびスカッシュの 3 種を混用した
場合の薬害・汚れについて検討したところ、2 回の散布を行っ
た本試験条件では薬害・汚れは認められなかった。
(内川敬介)
和剤単用と比較し、効果の向上傾向が認められた。
セイビアーフロアブルおよびゲッター水和剤を用いた親株
床重点散布およびローテーション散布は、保護剤のみの散布
に比べ発病を低く抑え、安定した防除効果が認められた。雨
よけ普及率は 10%程度、品種「さちのか」の栽培が多い本県
においては、子苗間での二次感染への対策も重要と思われ、
このことから、育苗全期間に両剤が入ったローテーション散布
は、有効と思われる。
(内川敬介)
2.「さちのか」におけるハダニ類の発生のに関するの品種間
差異多発メカニズムの解明と総合的防除体系の確立
長崎県におけるハダニ類に対する土着天敵の発生種及び
発生状況を明らかにするとともに、イチゴ育苗期におけるハダ
ニ類の密度抑制に効果が高い天敵種を明らかにした。その結
果、7 月から 8 月にかけて行ったイチゴ苗を用いた「おとり調
査」(調査地:総合農試)ではハダニタマバエとハダニアザミウ
マが優占的に発生していることが明らかになった。
育苗期における防除法を確立する目的で、土着天敵に影
響が少ないとされる気門封鎖型殺虫剤(粘着くん液剤 100 倍)
を用いて、ハダニ類に対する効果的な防除法について検討し
た。試験区は放虫区を 0、5、20 頭/区を設け、さらに、散布間
隔を無散布、7、14∼21 日間隔の試験区を設け、計 9 区で行
った。散布量は株当たり 15mlでは散布量不足のため、放虫数、
散布間隔に関わらず防除効果が低い。散布量を株当たり 30m
lに変更後、7 日間隔散布では無放虫区、5 頭放虫区、20 頭放
虫区においても防除効果が高く 8 月 18 日のハダニ雌成虫数
の対無処理比は無放虫区で 7.8、5 頭放虫区で 2.2、20 頭放
虫区で 0.7 であった。21 日間隔ではほとんど防除効果は認め
られなかった。
(高田裕司)
土着天敵微生物を利用したジャガイモシストセンチュ
ウの防除技術確立(県単 平 17∼20)
1.有効な土着の天敵微生物の特定と県内における分布の解
明
県内のジャガイモシストセンチュウ発生地から採集したシスト
の正常に発育をしていない卵(発育異常卵)から分離した糸状
菌の中で、シスト卵に対する寄生性が確認された 1 種につい
て同定をおこなった結果、Fusarium 属菌の一種であると同定
された。
(福吉賢三)
イチゴ「さちのか」難防除病害虫の制御技術確立
(県単 平 20∼22)
1.「さちのか」における炭疽病の生態解明と防除技術の確立
育苗期(7 月 8 日)に、新たに汚斑状斑点を認めた苗のうち、
無防除区では 86.8%、防除区では 53.3%が定植前までに病
勢進展(分生子塊形成∼萎凋枯死)を認めた。また、無汚斑
株(7 月 8 日)は同様に無防除区で 68.9%、防除区で 15.0%
の苗が病勢進展した。本圃期では、定植前日に汚斑状斑点を
認めた定植期発病苗と外観健全苗とを比較したところ、2 月 2
日現在、汚斑苗で 15.3%、外観健全苗区で 3.5%が萎凋枯死
に至った。
イチゴ炭疽病防除の効果向上を目的として、アントラコール水
和剤にシリコーン系展着剤を加用した場合、3000 倍では効果
が不安定であり、5000 倍では混用では、アントラコール顆粒水
2.土着の天敵微生物による密度抑制効果とその作用を助長
する環境条件との関係解明
シスト卵への寄生性が確認された糸状菌 1 種について密度
抑制を助長する要因について人工気象器内でシストへの接種
試験をおこなった結果、山土のみに接種したものより山土に牛
ふん堆肥を混和後に接種した方が、シスト寄生数および健全
卵数が減少することを確認できた。 このことから、現在、現地
圃場で牛ふん堆肥および石灰質資材の量を変えて施用試験
を実施中であり、天敵糸状菌による密度抑制助長効果との関
係を解明し、ジャガイモシストセンチュウ防除へ活用するため
の管理技術体系を確立する予定である。
(福吉賢三)
- 47 -
環 境 部
諫早湾干拓地における環境保全型大規模生産技術
体系の構築:大規模干拓地におけるばれいしょの主
要病害虫の減農薬防除技術の開発
(県単(受託:実用化技術開発事業) 平 19∼21)
1.生態工学的な土着天敵の保護利用技術の開発(土着天敵
の保護利用に適した植物の探索)
土着天敵の活用と定着を目指した干拓地内の緑地帯利用
技術を開発するため、干拓地で栽培に適したバンカープラント
を特定するために、春作ばれいしょ栽培期間はライムギ、オオ
ムギ、カラスノエンドウ、ノゲシ、ヨモギ、ヘアリーベッチ、レンゲ、
ナタネ、ハナビシソウ、秋作ばれいしょ栽培期間はソルゴー、ク
ロタラリア、ソバ、コスモス、キカラシの栽培試験をおこなった。
その結果、春作栽培期間におけるジャガイモ非加害性アブラ
ムシ類およびその天敵類の発生が多い植物は、オオムギおよ
びヨモギであった。秋作栽培期間においてはアブラムシ類お
よびその天敵類の発生が極めて少なかったため、植物間の比
較検討ができなかったが、干拓地での生育は昨年と同様に良
好であり、19 年はジャガイモ非加害性アブラムシ類およびその
天敵の発生が最も多かったことから、ソルゴーが最も有望であ
ると特定できた。
(福吉賢三)
2.黄色灯による大規模露地ほ場の効率的なヤガ類被害低減
技術の開発
昨年度は有望な黄色灯の機種選定を行い、1 ヘクタールを
1 ルクス以上に照射するのに必要な設置数と配置場所を検討
した。今年度は黄色灯を設置し、ほ場内において 1 ルクス以上
の照度が得られているか確認するともに、ばれいしょ、レタス、
キャベツを実際に作付し、ヤガ類に対する黄色灯による防除
効果を検討し、また、つなぎ雌法により交尾阻害効果を検討し
た。設置方法は 270W 黄色高圧ナトリウムランプ(パナソニック
製、NH270W)を 1ha(100m×100m)のほ場の両側に 35m間隔
で 3 機ずつ計 6 機を配置した。秋作バレイショにおいて黄色灯
の点灯により、シロイチモジヨトウ、オオタバコガ、ハスモンヨト
ウ幼虫の寄生や茎葉の被害を低減した。また、キャベツでは
ハイマダラノメイガ、オオタバコガ、ハスモンヨトウ、レタスでは
オオタバコガ、ハスモンヨトウ幼虫の寄生や茎葉の被害を低減
した。フェロモントラップによる誘殺数は、黄色灯区では無灯
区に比べハスモンヨトウで 1/3、オオタバコガで 1/10 程度であ
った。つなぎ雌による交尾阻害効果の検討を行った結果、交
尾遅延効果が認められたが、雌成虫回収後の交尾率調査で
は黄色灯区が無灯区と比べてやや低くかったが、十分な効果
は確認できなかった。
(高田裕司)
3.西南暖地における疫病初発期予察モデルの開発
2008 年 春 作 3 ヵ 所 に お け る デ ー タ を 北 海 道 モ デ ル
(FLABS)で試測した結果、疫病の初発の実測日は予測日より
8∼20 日程度遅かった。また、愛野支場に蓄積された 1993∼
2003 年のデータ(10 点:1996 年未発生)を用いて試測した結
果、予測日に近い初発は 5 月中旬までに発生しており、初発
が早い年は適合性が認められた。2007 年を含めた全てのデ
ータ(合計 12 年分 15 点)で基準月日(発病危険期到達日)以
前の初発はなかった。FLABS の発病好適基準を一部改変し
た結果、適合性が高まった。
(難波信行)
臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型栽培マ
ニュアルの開発
(県単(受託:実用化技術開発事業)平 20∼22)
1.ショウガ根茎腐敗病に対する生育期処理資材の探索と実
用的処理技術の開発
ショウガ根茎腐敗病の生育期処理法の開発として、新規薬
剤の実用性と既存薬剤の合理的処理法を検討した結果、オラ
クル顆粒水和剤(新規薬剤)2,000 倍、ランマンフロアブル 500
倍の 1L/㎡生育期株元散布(灌注)は、対照のランマンフロア
ブル 1,000 倍 3L/㎡生育期株元散布(灌注)と同等の防除効
果が認められた。また、薬剤・資材の基礎試験(防除効果等)
におけるポット試験(土容量約 25L)の有効性を検討した結果、
ポットにおいても資材の効果が認められ、ポット試験の有効性
が確認できた。
(難波信行)
ポジティブリスト制度緊急対策事業:農薬飛散低減
対策技術確立(県単(植防) 平 19∼21)
水稲栽培では、粉剤の使用により隣接する圃場に農薬が飛
散する恐れがあるため、飛散しにくい粒剤を用いた斑点米カメ
ムシ類の防除体系について実用性を検討した。斑点米カメム
シ類(クモヘリカメムシが主体)のやや少発生条件下における
試験であったが、スタークル粒剤およびキラップ粒剤の穂揃期
と穂揃 10 日後の 2 回処理またはこれら粒剤とトレボン粉剤 DL
との 2 回体系処理は、対照の粉剤 2 回処理とほぼ同等の高い
密度抑制効果を認め、精玄米における斑点米率を 0.1%以下
に抑えることができたことから実用性は高いと考えられた。
(福吉賢三)
病害虫防除新資材の合理的利用試験
(受託 昭 47∼)
イネのウンカ類、ツマグロヨコバイ、コブノメイガ、イチゴの炭
疽病、うどんこ病、ハダニ類、アスパラガスの紫紋羽病、アザミ
ウマ類、コナジラミ類、ハスモンヨトウ、ナメクジ類、ショウガの根
茎腐敗病、レタスのハスモンヨトウ、オオタバコガ、ばれいしょ
のジャガイモシストセンチュウなど、本県の農作物に被害を及
ぼしている病害虫で、防除効果または安全使用の面から防除
法の改善が望まれているものを対象に、新農薬等新たな農用
資材の効果と薬害を明らかにし、また、効率的な使用技術を
検討することにより、農薬登録の促進や防除対策の指導、県
防除基準作成上の参考資料とした。
(病害虫科)
農林業生産現場への緊急技術支援プロジェクト
(県単 平 14∼)
1.診断依頼件数
平成 19 年 4 月∼20 年 3 月の本科への突発性障害診断依
頼件数は 26 件であった。花き類が最も多く 12 件、次いで野菜
類が 9 件、普通作が 5 件の順であった。
(病害虫科)
2.主な対応事例
1)アスパラガス茎枯病
九州におけるアスパラガスの半促成長期どり栽培において
は、近年茎枯病の発生が増加し、新たな問題となっており、立
茎初期からの薬剤散布での茎枯病に対する防除効果を検討
したところ、アスパラガス茎枯病に対して、立茎初期薬剤散布
による防除効果の検討を行った結果、ベンレート水和剤 2000
倍の 500L/10a 立茎開始から 7 日間隔 3 回散布は、茎枯病少
∼中発生条件下において、無散布に比べ最終散布 14 日後で
の防除価が 62.0 とやや高い防除効果が認められた。今後、斑
- 48 -
環 境 部
点性病害との同時防除を含めた散布体系の構築が必要であ
るが、現段階における体系の位置づけとしては、ベンレート水
和剤は感染初期の茎枯病防除薬剤として有効であり、ダコニ
ール 1000 については、斑点性病害への効果が高いため、こ
れらを主対象にした利用が有効と考える。
(内川敬介)
2)ハボタン立枯性障害
2008 年 8 月、平戸市のハボタンほ場で立枯性の障害が発
生した。発症株率は 30∼50%と高く、症状株の地際部から菌の
分離を試みたところ、ピシウム属菌が分離された。ハボタンに
おいて、ピシウムを病原とする病害の報告はこれまでなく、今
後病原の特定を行う。
(内川敬介)
3)イチゴ新品種「こいのか」の主要病害発生特性
イチゴの新品種「こいのか」について、本県で発生する主要
病害(炭疽病、うどんこ病、萎黄病、輪斑病)の発生特性を既
存品種「さちのか」や「とよのか」と比較しながら検定した。その
結果、「こいのか」は炭疽病(Gromerella cingulate)によって萎
凋枯死しやすく、炭疽病に対しては「さちのか」とほぼ同程度
で、「とよのか」に比べて弱かった。葉のうどんこ病には「さちの
か」や「とよのか」より強く、果実はほぼ同等であった。萎黄病に
は、これら 2 品種とほぼ同等であった。輪斑病には、「さちの
か」よりやや強く、「とよのか」と同等であった。
(難波信行)
4)2008 年に長崎県で発生したセジロウンカ、トビイロウンカの
薬剤感受性
2008 年に長崎県で発生した稲ウンカ類の薬剤感受性を微
量局所施用法を用いて検定した結果、セジロウンカはイミダク
ロプリド(アドマイヤー剤)、エトフェンプロックス(トレボン剤)、
チアメトキサム(アクタラ剤)の 3 剤に対して薬剤感受性が高か
ったが、BPMC(バッサ剤)、フィプロニル(プリンス剤)に対して
は低く、中国福建省採集個体群と同様の傾向を示した。また、
トビイロウンカは 2007 年と同様にエトフェンプロックス(トレボン
剤)、フィプロニル(プリンス剤)、チアメトキサム(アクタラ剤)の
3 剤に対して高かったが、イミダクロプリド(アドマイヤー剤)、
BPMC(バッサ剤)に対しては低く、両種間で薬剤感受性に違
いがあった。
(福吉賢三)
【流通加工科】
地域在来農産物の機能性評価及び加工技術の開発
(県単 平成 19∼21 年)
長崎県産農産物の高付加価値化やブランド化の推進を目
的に、ながさき伝統野菜の「長崎たかな」について、アブラナ
科野菜の機能性の 1 つである第 2 相解毒酵素グルタチオン
-S-トランスフェラーゼ(GST)誘導活性の培養細胞を用いた in
vitro での評価を行うとともに、その機能性を有する成分である
イソチオシアネート類の定性・定量を試みた。
その結果、長崎たかなの酢酸エチル抽出物は、未熟葉、成
熟葉ともに 120%以上の高い GST 誘導活性(対コントロール比
率)を示した。
また、長崎たかなの主要 ITC はアリルーITC であり、他に 5
∼6 種類の ITC 類が含まれていることが推定され、ITC 類の総
量およびその組成は生育ステージにより異なることが明らかと
なった。
(濵邊 薫)
長崎県特産農産物の流通技術開発
(県単 平成 19∼21 年)
1.品目別流通技術調査書
県内ブロッコリー産地から関西・長崎市場への流通状況調
査を実施した結果をまとめた。
(a)JA島原雲仙から関西市場に出荷の場合、概ね 10℃以
下で保存されており、市場到着時の黄化は認められなかっ
た。
(b)JAながさき西海からの関西市場に出荷の場合、概ね
10℃以下で保存されていた。氷詰め輸送では、ダンボールよ
り発泡スチロールのほうが市場到着時の品質が良かった。氷
の量は 2kgが妥当であると考えられる。
(c)JA壱岐からの長崎市場に出荷の場合、概ね 15℃以下
で保存されていた。市場到着時に若干の黄化が認められた。
2.包装資材別の鮮度保持試験
ブロッコリーの包装資材について、慣行の P-プラスとポリエ
チレン製袋の厚さ 0.02mm・0.03mm・0.05mmのもので鮮度
保持試験を行った。10℃定温・暗所下(12 日間)保存下にお
いて、2 日おきに達観評価、クロロフィル濃度、異臭の有無、花
梗の状態変化を分析した。その結果、保存 6∼9 日後あたりで
鮮度保持効果を総合的に判断すると、ポリエチレン製袋の厚
さ 0.02mmが低コストでもあり、最も優れることが分かった。
(波部 一平)
ツバキの新機能活用技術及び高生産ツバキ林育成
技術の開発(実用技術開発事業 平成 19∼21 年)
ツバキ油の品質向上を目的に、臭気成分やべたつき感の
低下、さらにオレイン酸含有率の向上のための非加熱搾油方
法を検討した。
搾油前処理としてのツバキ種子乾燥の目安は、水分率約
2.5%で、デシケーターでの乾燥 2 日間である。
搾油率は、搾油圧力が強いほど高くなるが、15t以上は大
差がないことから約 15tの搾油圧力で十分である。また、搾油
圧力によるオレイン酸含有率には差がみられなかった。
加熱および非加熱で搾油した油の臭気は、非加熱搾油の
油の方が弱く感じられた。粘度は、官能では非加熱搾油の油
が低く感じられるが、粘度計による測定結果では差がみられな
かった。また、色については、加熱処理することで油の黄色が
強くなることがわかった。
(西 幸子)
農薬安全使用等総合推進事業(国庫受託 平 11∼)
生産現場の農薬残留状況を把握し、農薬の適正使用を推
進するため、雲仙市吾妻町のブロッコリー栽培圃場 2 カ所にお
- 49 -
環 境 部
いて、ペルメトリン(アディオン乳剤:殺虫剤)の環境影響調査
(散布前の圃場土、隣接河川水、及び収穫時の収穫物・圃場
土、河川水での残留値の分析)を行った。その結果、全ての
時期において河川水では定量限界である 0.01ppm 以下、土
壌では 0.1ppm 以下であり、収穫物では残留基準値以下であ
った。
〔事業主体:病害虫防除所〕(波部 一平)
ポジティブリストに対応して 0.01ppm を分析可能とする技術
開発を行うことを目的に、今年度はブドウ、ブロッコリーに対し
て、厚生労働省の一斉分析公定法を用いた農薬の分析を検
討した。ブドウにおいて分析に供した 61 農薬成分のうち定量
が可能である(回収率 70-200%)ものは、0.01ppm では 32 成分、
0.1ppm では 35 成分であった。ブロッコリーでは 65 農薬成分の
うち 0.01ppm では 21 成分、0.1ppm では 52 成分であった。
(濵邊 薫)
農産物安全確保対策事業(国庫受託 平 18∼22)
1.迅速でかつ精度の高い農薬残留分析技術の確立
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東彼杵茶業支場
東彼杵茶業支場
茶樹品種の選定
1.茶樹優良品種の選定
1)地方適応性検定事業
(1)系適第 10 群(県単 平 15∼20)
9 系統および 3 品種について、生育及び荒茶品質調査を行
った。優れた系統は、初期成育の良い 枕崎 30 号 と品質の
良い 宮崎 27 号 であった。
(山口泰弘、本多利仁)
(2)系適第 11 群(県単 平 18∼23)
12 系統および 2 品種について、定植 3 年目の調査を行った。
生育は、 金谷 30 号 で最も優れ、次いで 埼玉 43 号 、 宮崎
30 号 であった。
(山口泰弘、本多利仁)
(3)系適第 12 群(県単 平 20∼25)
12 系統および 2 品種について、定植 1 年目の調査を行った。
生育は、 埼玉 47 号 、 宮崎 32 号 、 宮崎 33 号 で優れた。
(山口泰弘、本多利仁)
2.母樹園設置(県単 平 11∼20)
1)優良穂木の確保
県の奨励 6 品種のうち おおいわせ 、 さえみどり 、 あさ
つゆ 、 めいりょく 、 おくゆたか の母樹園を設置した。本年
度は、 さえみどり 63,900 本、 めいりょく 1,200 本、 おくゆた
か 59,000 本の合計 124,100 本の穂木を配布した。また、原種
保存園約 7aを設置し、16 品種を定植した。
(山口泰弘)
飲む人作る人に安心な茶生産技術の確立
1.収量・品質を低下させない減農薬生産体系の確立
(県単 平 18∼20)
1)化学農薬に頼らない減農薬生産技術の確立
黄色ナトリウムランプのハマキガ類に対する防除効果と茶の
収量・品質に与える影響を調査した。
誘殺数及び巻葉数の調査結果から、黄色ナトリウムランプ
のチャノホソガに対する防除効果は高く、照度が高いほどその
効果が高いことが明らかとなった。チャノコカクモンハマキとチ
ャハマキについては効果が判然とせず、さらに検討が必要で
ある。また、一番茶の葉色、収量、荒茶品質について調査を
行った結果、黄色ナトリウムランプの照度による差異は認めら
れず、茶の生育、収量、品質に与える影響がないことを確認し
た。
(本多利仁、山口泰弘)
2)品質が低下しない減農薬生産体系の組立て
(県単 平 19∼20)
減農薬散布体系と二番茶後のせん枝を組み合わせた生産
体系について、収量性及び病害虫の防除効果を調査した。
この生産体系で、病害虫の発生を十分に抑えることが可能
であり、翌年の一番茶収量も慣行区と同程度確保できた。
(本多利仁、山口泰弘)
2.肥効向上と整せん枝の組合せによる生産技術の確立
(県単 平 19∼20)
減肥下(N-45kg)において整せん枝(中切更新)の経過年
数と、有機液肥を一番茶芽出し肥として施用効果を確認する
ため、生育ステージ毎の生葉収量と荒茶成分を調査した。
一番茶芽出肥に有機液肥を施用することで、減肥下
(N-45kg)においても慣行(N-55kg)と同等の収量・品質を確
保できた。また二番茶への追肥の半量を有機液肥とすること
で、一番茶同様の結果となった。一番茶の収量・品質は、中切
更新 2 年目以降では大差は見られないが、管理作業性を考
慮し、3 年目以降の更新が望ましい。
(野田政之、山口泰弘)
多用途茶葉大量生産技術と簡易製茶技術の確立
1.茶葉大量生産技術の確立(県単 平 19∼23)
1)多収生産技術の確立
ドリンクや、高機能発酵茶向け原料を大量に生産するため、
減肥下(N-45kg)において、二、三番茶の生育期間を検討し、
生葉収量と荒茶品質を調査した。
慣行体系(二番茶生育期間 45 日、三番茶生育期間 35 日)
と比較して、多収栽培体系 2 年目では、二・三番茶生育期間
を延ばすことで年間生葉収量は約 1.2 倍となった。
(山口泰弘、野田政之)
2)多収栽培に対応した施肥法
ドリンクや、高機能発酵茶向け原料を大量に生産するため、
減肥下(N-45kg)において、二、三番茶の生育期間と肥料資
材と施用方法を検討し、生葉収量と荒茶品質を調査した。
二・三番茶生葉収量は、慣行よりも遅く摘採することで収量
は増加するが、2 年目ではその効果は小さくなった。追肥の一
部に有機液肥を施用することで、秋芽の生育は優れた。
(野田政之、山口泰弘)
2.多収性品種の選定と栽培法(県単 平 19∼22)
1)多収性品種の選定と栽培法
多収栽培に向けた有望品種を検討するため、多収性品種
の収量、荒茶成分を調査した。
ふうしゅん つゆひかり あさのか みえうえじま につい
て生葉収量、原葉形質、荒茶成分を調査した結果、 つゆひ
かり は収量、品質の面から、減肥下での多収品種として有望
であった。
(山口泰弘、本多利仁)
3.簡易製茶技術の確立(県単 平 19∼23)
1)新規殺青機を利用した簡易型製造法の開発
大量に生産した生葉を、ドリンク等の原料用としてより簡易
に製造するため、加熱蒸気を用いた殺青機による製造につい
て調査し、硬葉であっても独特の釜香を帯びた茶の製造が可
能であった。
(野田政之、宮田裕次)
2)用途別製茶品質の科学的解明
減肥下において、茶の用途に応じた摘採時期や製茶方法
- 51 -
東彼杵茶業支場
を明確にするため、原葉形質の差による荒茶成分を調査し
た。
各茶期の出開き度と生葉収量、及び荒茶中の全窒素含量、
NDF 含量の間には相関が見られ、目標とする収量・荒茶品質
により摘採時期の判断指標として活用できる。
(野田政之、宮田裕次)
2)高機能発酵茶の原料保存技術の開発
保存温度および保存形態(窒素充填、空気充填)の違いが
官能検査および GCMS により 3 ヵ月毎に解析を行い、品質の
状態を明らかにした。
(宮田裕次、野田政之)
各種受託試験(受託 平 20)
特産農産物の機能性解明と利用加工技術の開発
1.茶葉とビワ葉を原料とした高機能発酵茶の新機能解明と
実用化に向けた研究(県単 平 20∼22)
1)高機能発酵茶の製造法、香味改善試験
蒸機の軸回転数を変えて高機能発酵茶を製造し、その品
質およびカテキンの減少率を明らかにした。
(宮田裕次、野田政之)
新規農薬の茶に対する防除効果試験として、日本植物防
疫協会試験(新農薬実用化)で 2 剤、九州病害虫防除推進協
議会試験(病害虫防除法改善連絡試験)で 4 剤について試験
を行った。これらの成果を県防除基準作成の基礎資料とした。
また、害虫の発生消長調査を行い、防除時期などの情報を関
係機関に提供した。
(本多利仁、山口泰弘)
- 52 -
愛野馬鈴薯支場
愛野馬鈴薯支場
【育種栽培科】
く、上いも重は 5 月中旬まではやや多く、でん粉価は高か
った。秋作では、出芽率が 20%程度と低く、高温よる種い
もの腐敗が見られた。
西海 35 号:「デジマ」と比較して、春作では出芽は早く、茎
長は長く、茎葉重も多かった。茎葉の黄変時期はやや早
かった。上いも数は多いが、平均 1 個重が小さく、上いも
重は少なかった。でん粉価は高かった。秋作では、出芽
が早く、出芽率も高かった。茎長は長かったが、茎葉重は
少なかった。平均 1 個重は小さく、上いも重も少なかっ
た。
西海 36 号:「デジマ」と比較して、春作では、出芽は早く、茎
長は短く、茎葉重は同程度であった。茎葉の黄変時期は
やや遅かった。上いも重は 5 月上旬までは多いが、その
後はやや少なく推移した。秋作では、出芽率が 20%程度
と低く、高温よる種いもの腐敗が見られた。
西海 37 号(秋作のみ):供試系統中でもっとも出芽が早く、
出芽率も高かった。茎長は長く、生育後半で倒伏が見ら
れた。上いも個数は多かったが、平均 1 個重が小さく、上
いも重は「デジマ」よりも少なく推移した。
(田宮誠司、森 一幸、坂本 悠)
温暖地・暖地向け病害・線虫抵抗性、高品質、多収
のばれいしょ品種の育成(国庫指定試験 平 18∼)
1.ばれいしょ新品種育成試験
(1)交配
多収・高品質・病虫害抵抗性・高機能性などを育種目標とし
て、春作・秋作で 149 組合せの交配を実施し、99 組合せ
160,154 粒の交配種子を得た。
(2)実生 1 次選抜試験
春作・秋作において、47 交配組合せ 29,877 粒の交配種子を
播種し、生育不良個体、異常個体を淘汰し、44 組合せ 15,473
個体を選抜した。
(3)実生 2 次選抜試験
春作・秋作において、42 組合せ 14,652 個体を植付け、塊茎
の大きさ、形状、揃い、生理障害、肉色を重視して選抜し、39
組合せ 795 個体を得た。
(4)系統選抜試験
春作・秋作において、60 組合せ 569 系統を供試し、地上部
の生育、収量、塊茎の大きさ、外観、シスト抵抗性、肉色等を
調査し、30 組合せ 47 系統を選抜した。
(5)生産力検定予備試験
春作において、21 組合 27 系統を供試して 5 系統を選抜し、
愛系 170,171,172,173,174 を付した。秋作において、19 組合
せ 28 系 統 を 供 試 し て 5 系 統 を 選 抜 し 、 愛 系
175,176,177,178,179 を付した。
3.地域適応性検定試験
有望系統の長崎県内(諫早市・南島原市)における適応性
を検討するため、春作マルチ栽培、秋作普通栽培で実施した。
秋作栽培では植付け後の高温および乾燥により供試系統の
出芽率が低かった。
西海 30 号(秋作のみ):諫早市、南島原市とも出芽率が非
常に低く、収穫できた株は 25%以下であった。
西海 34 号(春作のみ):「デジマ」と比較して、初期生育は良
く、茎葉の黄変時期はやや早かった。上いも数は同等で、
平均 1 個重は大きかった。上いも重は諫早市では同等、
南島原市でやや少なかった。
西海 35 号:春作では「デジマ」と比較して、初期生育は良く、
茎葉の黄変時期は早かった。上いも数は多く、平均 1 個
重は小さく、上いも重は諫早市、南島原市とも少なかった。
でん粉価は高かった。そうか病の発生は少なかった。秋
作では、出芽率が諫早市では低かったが、南島原市で
は高かった。「デジマ」と比較して、南島原市での初期生
育は良く、茎葉の黄変時期は早かった。上いも数が少な
く、平均 1 個重も小さいため、上いも重は半分程度であっ
た。
西海 36 号:春作では「デジマ」と比較して、初期生育は良く、
茎葉の黄変時期は早かった。上いも数はやや多かったが、
平均 1 個重がやや小さいため、上いも重は同等であった。
秋作では、諫早市で出芽がみられず、南島原市でも収穫
できた株は 5%と低かった。
(坂本 悠、田宮誠司、森 一幸)
(6)生産力検定試験
春作において、13 系統を供試して 8 系統を選抜し、長系 132
号に西海 37 号、愛系 165 に長系 137 号を付した。秋作におい
て、13 系統を供試して 7 系統を選抜した。
(田宮誠司、森 一幸、坂本 悠)
2.育成系統生育追跡試験
有望系統の生育特性を把握するため、春作マルチ栽培と
秋作普通栽培で実施した。なお、アイユタカについては春作
マルチ栽培において種いもの産地の違いによる生育特性の
差異の調査を行った。
アイユタカ(春作):長崎県の秋作産種いも(以下県内産)と
比較して、冷蔵した道産種いも(以下道産)の出芽が早か
った。茎葉重は県内産が道産よりも多く推移した。茎葉の
黄変時期は道産冷蔵が早かった。塊茎の形成時期は道
産で早く、5 月中旬までは上いも重も道産が多かった。上
いも数は県内産より道産の方が多く推移した。平均 1 個
重は県内産が道産よりも大きかった。
アイユタカ(秋作):植付け後の高温で出芽が遅れ、出芽率
も 50%程度と低かった。
西海 34 号:「デジマ」と比較して、春作では茎葉重はやや多
く推移し、茎葉の黄変時期は同等で、平均 1 個重は大き
4.疫病抵抗性検定試験
春作において、疫病無防除の隔離圃場で栽培し、疫病圃
場抵抗性検定を行った。供試系統の出芽は平年よりもやや遅
- 53 -
愛野馬鈴薯支場
く、疫病の発生 5 月下旬と遅かったが、その後の拡大が早く、6
月の収穫調査の時点では全小葉が罹病した系統もみられた。
供試系統の中で抵抗性が強の系統は見られなかった。
(田宮誠司)
5.ジャガイモシストセンチュウ抵抗性検定試験
春作で、生検予備および生産力検定試験に供試中の 58 系
統について、現地発生圃場で抵抗性の検定を行った。シスト
センチュウの感受性品種への付着は極めて多く、検定精度は
高かった。DNA マーカーでの検定も併せて行った。圃場検定、
DNA マーカー検定の結果は 93.6%で一致し、DNA マーカー検
定での選抜が可能と判断し次作からは DNA マーカー検定の
みを行うこととした。
(森 一幸、田宮誠司、坂本 悠)
6.そうか病抵抗性検定試験
品種および育成系統のそうか病に対する抵抗性の検定を
行った。春作で 25 品種系統、秋作で 42 品種系統について検
定を行い、「T05003-1」を春作、秋作ともやや強と判定した。抵
抗性が強を示す系統は無かった。
(坂本 悠)
7.北海道農研センター育成系統試作試験
北海道農研育成の 6 系統の暖地における適応性を検討し
た。種いもは標準品種の「デジマ」も含め北海道農研産を使用
した。「北海 97 号」は目が浅く、滑皮で外観が優れ、上いも数
がやや多く、平均 1 個重が同等で多収であった。「北海 99 号」
は上いも数がやや多く、平均 1 個重もやや大きく、北海道系統
の中では最も多収であった。「北海 101 号」は目が浅く、滑皮
で外観が優れたが、上いも数は同程度で平均 1 個重が小さい
ため上いも重は少なかった。「勝系 18 号」は平均 1 個重が供
試系統中で最も大きいが、上いも数が少ないため上いも重は
少なかった。「勝系 21 号」は出芽が遅く、出芽率も低かった。
上いも数も少なく、上いも重も供試系統中最も低かった。「勝
系 24 号」は上いも重が少なかった。
(田宮誠司)
8.品種保存栽培試験
新品種育成に利用する品種系統の維持保存を目的に、冷
蔵保存していた 300 品種系統と新規保存 5 系統を秋作で栽培
し、特性の調査と健全種いもの更新を行った。栽培中に降霜
があり、4 品種系統について耐霜性があると考えられた。
(田宮誠司)
青枯病特性検定試験(指定試験 昭 47∼)
愛野支場、北海道農研、北見農試で育成している 29 品種
系統について、秋作で青枯病汚染圃場に栽培し、抵抗性検
定を行った。植付け前の降雨により、植付け日は例年より 6 日
程度遅れた。そのため、出芽期も全体的に遅れた。出芽後は
平年より気温が高く、生育が抑制された。例年に比べ初発日
が遅れ、同じ品種でも発病程度に反復間に差が見られたため、
発病程度を均一にするため 10 月 10 日に青枯病菌の接種を
行った。発病が始まった 10 月の気温は平年より高く、発病率も
高かった。抵抗性の判定結果は、抵抗性強が 5 系統、やや強
が 1 系統、中が 4 系統、やや弱が 8 系統、弱が 11 系統であっ
た。
(森 一幸)
加工適性が優れ青枯病抵抗性の暖地向け加工原料
用バレイショ品種の開発(受託 平 18∼22 年)
有望系統として、選抜した「長系 132 号」の系統適応性検定
試験を行い、上いも重が育成地で標準比 95%、鹿児島県で
105%であり、チップ加工適性も優れることから「西海 37 号」と
して選抜した。
前年度実生 2 次試験で選抜した個体について、系統選抜
試験を行ったが、収量性および外観などから選抜系統は無か
った。
(田宮誠司、森 一幸、坂本 悠)
ジャガイモ疫病抵抗性DNAマーカーの開発と利用
(受託 平 19∼23 年)
R2−DNA マーカーが利用可能な「北海 56 号」を交配親とし
た雑種後代 2 組合せ 4,615 粒の交配種子を得た。
交配親に R1,R2 もしくは R1 を持つ雑種集団 6 組合せ 912
個体について、R2−DNA マーカーまたは R1−DNA マーカー
による検定を行った。検定結果による分離集団のうち全個体
から塊茎を収穫した。
疫病真性抵抗性遺伝子 R1 および R2 に連鎖する DNA マ
ーカーの有効性を検証するための雑種集団 292 個体を用い、
疫病無防除圃場で検定した。R2−DNA マーカーを有する個
体では罹病がみられず、R1−DNA マーカーを有する個体で
は、ほとんどの個体が罹病した。
(森 一幸、田宮誠司、坂本 悠)
【環 境 科】
ジャガイモそうか病の土壌くん蒸剤使用量削減のた
めの総合的防除対策
(県単特別研究 平成 18 年∼20 年)
1.ばれいしょ産地における土壌 pH(H2O)と交換酸度 y1の関
係
H19 までの調査により交換酸度 y1 が 5 以上の土壌では、そ
うか病の発生は少ないことが分かった。そこで本年は県内主
要ばれいしょ産地の土壌 pH(H2O)と交換酸度y1の関係を調
査した。その結果交換酸度 y1 が 5 以上になる土壌 pH(H2O)
は飯盛町の赤黄色土で 4.91、愛野町淡色黒ぼく土で 4.63、小
浜町北串黄色土で 4.76 であった。
(土壌肥料科大井義弘、平田憲二、小川哲治)
2.クロルピクリンによる防除効果の延長をはかるための手法
の開発(くん蒸処理と個別防除技術を組み合わせ)
そうか病の発生地域では、クロルピクリン処理を毎作行って
いる。そこで、そうか病の発生を抑制する耐病性品種「春あか
り」と拮抗菌およびそうか病菌が発生しにくい施肥条件を組み
合わせてクロルピクリン処理回数を毎作処理から 3 作に 1 回使
用に減らす体系処理試験を行った。その結果、耐病性品種+
- 54 -
愛野馬鈴薯支場
拮抗菌、そうか病菌が発生しにくい施肥条件+拮抗菌、耐病
性品種の連作で効果があった。
(平田憲二、小川哲治、迎田幸博)
3.土壌施用資材の効果的な処理方法の開発
ジャガイモそうか病防除のための微生物資材を効果的に処
理する方法を確立することを目的に、3 種類の土壌処理方法
での防除効果を評価した。その結果、全面散布処理(圃場全
面に資材を散布後、混和処理を行わずそのまま植え付け、畝
立てを行う)は、全面混和処理(全面に散布混和後、植え付け、
畝立てを行う)および作条混和処理(植溝にすじ状に散布した
後に混和し、植え付け、畝立てを行う)と比較して防除効果が
高かった。
(小川哲治、平田憲二、迎田幸博)
ウイルス病防除のためのワクチン保有マイクロチュ
ーバーの開発(受託 高度化事業 平成 18 年∼20 年)
1.植物組織培養法によるワクチン候補株の作出
タバコにおいて弱毒、ジャガイモにおいて強毒である
「MY111」変異株を材料に、植物組織培養法により、タバコとジ
ャガイモにおいて弱毒化したワクチン候補株を新たに作出し
た。
(小川哲治、迎田幸博、生物工学科茶谷正孝)
2.マイクロチューバーのワクチン感染率を向上させるための
培養苗の接種技術の改良
ジャガイモ 3 品種でのワクチン保有率を調査した結果、男爵
薯、メークインと比較してニシユタカはワクチン保有率が高いこ
とが明らかとなった。
(小川哲治、迎田幸博)
3.ワクチン保有マイクロチューバーの実用性評価
平成 19 年に引き続き、「M135」ワクチン候補株保有マイクロ
チューバー(M135MT)について、屋外圃場における自然発生
条件で実用性を評価した。その結果、M135MT 区はウイルス
フリーマイクロチューバー区よりも茎葉および塊茎での発病率
が低く、「M135」候補株の強毒株に対する防除効果が認めら
れた。
(小川哲治、迎田幸博)
諫早湾干拓地における環境保全型生産技術体系の
構築(受託 高度化事業 平成 19 年∼21 年)
1.環境にやさしい種いも大量消毒システムの開発(微粒子噴
霧消毒装置によるバレイショ種芋消毒の効果)
種いも消毒液の残液を減らすため、残液の出ない微粒子噴
霧消毒装置を使用した種いも消毒試験を行った。
アグリマイシン−100 の 40 倍液を供試し、種いも 100kg 当たり
薬液 600cc で高い効果を認めた。処理時間は種いも量で時間
当たり 1.3t であった。
(平田憲二、小川哲治、迎田幸博)
2.西南暖地における疫病初発期予察モデルの開発
北海道で開発された疫病初発日予測モデルを本県での利
用が可能なものに改良することを目的に、愛野馬鈴薯支場で
蓄積された 1993∼2003 年のデータ(10 点:1996 年未発生)を
用い、予測日と実測日の関係について解析した。その結果、
10 点のうち 6 点は予測日の 10 日前後に実測日があり、一定
の適合性が認められたが、残りの 4 点では実測日と予測日の
間で 16 日以上の間隔があり、適合性が低かった。
(小川哲治、迎田幸博、病害虫科難波信行)
ジャガイモ病害に対する新農薬の作用機作
(受託 昭和 62 年∼)
1.新薬剤の病害虫に対する効果
新規薬剤として、ジャガイモそうか病の種いも消毒剤、抵抗
性誘導資材および微生物資材の検討を行った。
(小川哲治、平田憲二、迎田幸博)
2.ジャガイモそうか病種いも消毒薬剤への展着剤加用効果
ジャガイモそうか病の種いも伝染を防止するための薬剤に
よる種いも消毒効果安定化技術を開発することを目的に、薬
液に各種展着剤を加用した場合の防除効果を調査し、その加
用効果を評価した。その結果、薬剤と展着剤の組合せによっ
て加用効果に差が認められた。供試薬剤のうち、アグレプト液
剤では展着剤ネオエステリンを、フロンサイド水和剤では展着
剤アビオン E をそれぞれ加用した場合に、無加用よりも防除効
果が向上したが、その他の展着剤では加用効果が認められな
かった。
(小川哲治、平田憲二、迎田幸博)
農薬飛散低減対策技術確立試験
(県単 平成 19 年∼)
1.ジャガイモ害虫防除における飛散低減ノズルの検討
H19 にドリフト低減のため、薬液粒径の大きな飛散低減ノズ
ルを使用しアブラムシに対する効果検討を行い実用性は認め
たが、慣行ノズルと比較して効果がやや低かった。そこで、今
年度は展着剤を加用することで防除効果をあげる試験を行っ
た。その結果、慣行ノズルと同等の効果を認めた。
- 55 -
Ⅴ.場内配置図
《総合農林試験場》
諫早駅
喜々津駅
西諌早駅
至 長崎
34号線
至 諫早
N
バス停
獣医師会
9号田
川
2号田
1号田
8号田
7号田
諫早湾基金
資料館
農
作
ラ
ン
ド
大
体育館
花
野
環
農大圃場
機械実験室
中央家畜保健
衛生所
林
経
林
野
花
林
農協研修所
作
林
作
環
作
作
トラクタ
コース
格納庫
グ
花
農
(果樹)
作
本館
花木見本園
B-1
防除所
野
町グランド
農
10号田
大
3号田
トラクタ
実習圃場
C- 1
C-2
C-3
環土
東
4号田
グランド
1
1号田
田
5号
作
A
A -1
A- -3
5
12号田
AA 2
A- -4
6
A-
0
農
ダム
作
作
作
林
林
作
野・花
林
環
経
農
- 56 -
作 物 圃 場
野菜花き圃場
林 業 圃 場
環 境 圃 場
経 営 圃 場
農 大 圃 場
Ⅴ.場内配置図
《中央干拓試験地》
5m
300m
明渠
明渠
排
水
明渠
溝
明渠
花
き
施
設
100m
8m
P1
石
膏
未
投
入
区
15a
施設試験圃
管防 緑
風
理樹
種 地
農検
討
道区 帯
支
線
道
研
究
棟
水
28m
路
24m
給水栓
耕
P6
30a
P5
70a
増加生産量・機械化体系・緑肥鍬込み法試験圃
P4
P3
50a
実証試験圃Ⅱ
50a
実証試験圃Ⅰ
- 57 -
作
道
路
P2
70a
作物適応性・栽培
法・施肥体系試験圃
堆
肥
舎
格
納
庫
Ⅴ.場内配置図
N
《東彼杵茶業支場》
1
2 1
3
2
4
3
5
4
6
5
7
6
8
北
園
9
7
10
12
ポンプ室
給水タンク
東
園
8
11
燃
料
庫
ガ
ラ
ス
9
室
倉
庫
本館
ず
ま
納
庫
12
受電庫
製
茶
工
場
南
重油タンク
取付け道路
あ
格
や
10
3
45
6
7
園
町道
《愛野馬鈴薯支場》
ガラス室
交配温室
農機具庫
耐病温室
休憩室
⑦
⑧
N
貯蔵庫
④
⑥
公舎
⑤
- 58 -
堆肥舎
③
⑫
⑬
︵環境科圃場︶
貯蔵庫
ガラス室
︵育種第2圃場︶
実験室
ビニール
ハウス
堆肥舎
車庫
⑪
ガラス室
⑩
土壌殺菌棟
収納舎
②
実験室
本館
貯蔵庫
収納貯蔵庫
①
⑨
堆肥舎
貯蔵庫
印
発
刷
行
平 成22年1月29日
平 成22年1月29日
編
集
長崎県農林技術開発センター
発行人
所 長
発行所
長崎県農林技術開発センター
住
〒854-0063 長崎県諌早市貝津町3118
TEL 0957-26-3330
所
江頭 正治
印刷所
(有)康真堂印刷
住
〒856-0016 長崎県大村市原町467-12
所
Fly UP