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湖魚料理の作り方(PDF:260KB)

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湖魚料理の作り方(PDF:260KB)
〈琵琶湖をみる・遊ぶ・食べる〉
3-15
湖魚料理の作り方
滋賀で作られる料理の特徴は琵琶湖でとれる魚介類を巧みな技法で作
る料理があることで、
これらはおいしいだけでなく、栄養豊富で心の癒しと
もなるものである。これらには「ふなずし」をはじめとする各種なれずし
類、
「小アユの山椒煮」
「えび豆」などの各種佃煮類、アメノイオを炊き込
んだ「アメノイオ御飯」などがある。ここではこれらのおいしい料理法と、
あわせて外来魚のおいしい料理法についても紹介する。
琵
琶
湖
を
み
る
・
遊
ぶ
・
食
べ
る
136
1.ふなずし
ふなずしとはフナ
(
主にニゴロブナ)を
塩漬け後、米飯に漬
け込み、
自然発酵さ
せて酸 味 や 風 味を
つけると同時に保存
写真3-15-1 フナの塩切り
写真3-15-2 塩切りブナの飯漬け
性を持たせたもので
ある。塩漬け
(塩切りという)
は生ブナ10kgに対し、塩5kgで冬から春先にかけて
行う。生ブナのえらぶたからえらと内臓を抜き出し卵は残す。腹に塩を詰め桶に並
べて塩で漬け重石をする。真夏になれば飯漬けを行う。生ブナ10kgに対し、米4
升を炊き塩約150gを混ぜて冷ます。塩切りブナを洗ってよく水切りする。
フナの腹に
飯を詰め、桶に並べて飯で漬ける。手水には日本酒約180ml使用する。重石をして
水を張りこのまま冬までおくと発酵し、
骨まで軟らかくなって食べられるようになる。
2.
小アユの山椒煮
煮 崩れせ ずに生
臭みもない佃煮のお
いしい炊き方は①鮮
度のよい材料を用い
ること、②水の代わり
に日本酒を用い、砂
写真3-15-3 小アユの山椒煮
写真3-15-4 えび豆
糖や醤油などの調
味料を沸騰させた中に材料を投入すること、③山椒や土生姜、梅干しなどを入れ
て炊くことなどがあげられる。小アユ500gに対し、濃口醤油100ml、砂糖120ml、
日
本酒75mlを平鍋に入れて沸騰させ、魚をパラパラと入れる。再び沸騰したら沸騰
が続く程度の火加減にし煮汁がほぼなくなるまで20分ほど煮る。途中で葉山椒をた
たいて入れる。最後にみりん大さじ2杯を入れてりを出す。この他、
佃煮類にはえび
豆やコイの筒煮などがある。
3.アメノイオ御飯
アメノイオとは秋、
雨 が 降った 時に 産
卵のため川を遡るビ
ワマスの別 名で、
こ
れを御飯に炊き込ん
だものをアメノイオ御 写真3-15-5 アメノイオを丸ごと炊き 写真3-15-6 アメノイオを先に調味
料で炊き、
ほぐし身を炊き込む方法
飯という。か つては 込む方法
米の上に腹を出した アメノイオを丸ごとのせて炊いたが、
近年は先に調味料でア
メノイオを炊きさらにそれをご飯に炊き込む。三枚おろしにしたアメノイオ180gを水
540ml、
薄口醤油と濃口醤油各20ml、
日本酒10ml、
みりん10mlを沸騰させた中に
入れて炊き、
身を取り出してほぐす。煮汁に薄口醤油小さじ1杯入れ、水も足して
600mlとする。炊飯器に米、
調整した煮汁を入れその上に、
アメノイオ、
青ネギの小
口切りを入れ炊き上げる。卵があれば一緒に炊くか、
炊き上がりに入れる。
4.スパゲッテイ・ブラックバスソース ブルーギルのレイクチキンサラダ
ブラックバスをおいしく食べるには高温で加熱処理した後、
酸味のあるソースや
たれでいただくのがよい。ブラックバス400gを角切りにして塩小さじ1杯、
コショウ少
々して小麦粉大さじ3杯をまぶす。オリーブ油90mlを熱し、
玉ネギの薄切り100gを
炒め、
バスも入れて両面充分に焼く。白ワイン60mlを加えしばらく煮、
トマトケチャッ
プ300ml、
水大さじ4杯入れとろみがつくまで煮て仕上げる。スパゲッテイ400gをゆ
でバター少々まぶしたものに添える。
レイクチキンサラダはブルーギル600gの内臓を出して素焼きしたものを、圧力鍋
に入れ、
煮出した番茶で40分間軟らかく煮る。身をほぐし、
塩小さじ1/2とサラダ油
大さじ11/2、
マヨネーズ大さじ3を混ぜてレイクチキンを作る。野菜とともに盛る。 滋賀女子短期大学 小島
23
9 ⃝
もっと知りたい方へ ⃝
朝子
関連する項目は 写真J(P7)
【筒煮】魚のうろこを取り、頭と尾を切り落し内臓を出さずににが玉のみ取り出し、骨のまま輪切りにしたも
のを佃煮風に炊いたもの。コイの場合、
卵があれば残してそのまま炊く。形が筒のようになるのでこの名が
ある。
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