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(「女性が輝く社会」の実現に向けて)

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(「女性が輝く社会」の実現に向けて)
(「女性が輝く社会」の実現に向けて)
2013年 9月
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1.基本的考え方
 「女性の力」は、社会において活かしきれていない最大の潜在力。女性がもつ力を最大限発揮できるようにするこ
とは、社会全体に活力をもたらし、成長を支えていく上で不可欠。女性の活躍の促進は、日本国内についてはア
ベノミクスの「第三の矢」として、「日本再興戦略」において表明。
 国連総会で、安倍総理は、グローバルな課題への対応として、女性の能力強化及び権利の保護・促進の分野で、
国際社会との協力及び途上国支援を強化する意思を強調。国内の取組と国際的な取組の相乗効果を図る考え。
 日本は、これまでもこの分野で地に足のついた効果的な援助を実施。今後も、NGOを含む市民社会や民間企業
との連携も通じ、途上国への支援を強力に推進する。また、国際機関・国際社会との連携も強化する。さらに、支
援の経験から学ぶことを通じて日本の社会をより女性に優しい社会としていく考え。日本は「コ・マネージャー」「コ
リーグ」「コ・ワーカー」として途上国と共に「女性が輝く社会」の実現に貢献していく。
2.重点施策
重点政策① 女性の活躍・社会進出推進と女性の能力強化
重点政策② 国際保健外交戦略の推進の一環として女性の保健医療分野の取組強化
重点政策③ 平和と安全保障分野における女性の参画と保護
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重点政策① 女性の活躍・社会進出推進と女性の能力強化
 途上国の女性の活躍・社会進出を推進するための女子就学率の改善、職業訓練提供、村落給水
整備などの女性を取り巻く生活環境を改善する。
 アフリカを中心に新規事業に着手する。(TICADⅤで「アフリカの女性を強くせずしてアフリカ農業は
強くならない」と表明。)女性の農業従事者(小農)に対する支援を拡大する。また、アフリカの女性
の起業を支援する。
 民間部門との連携も強化する。日本政府は、NGO、中小企業、地方自治体等、あらゆる支援の担
い手に呼びかけ、女性の活躍に役立つ支援を拡充する。(民間支援と相俟って原資を大きく上回
る効果を期待。)
• BOPビジネスの拡大
これまでの事業例:
ガーナにおける味の素の活動:低価格栄養商品の普及により母子栄養改善に貢献
バングラデシュにおける日本ポリグル社の活動:女性の活用による安価な水質浄化剤の普及に貢献
• NGOとの連携
例:バングラデシュにおけるシャプラニールの活動:女性の能力向上、職業訓練
 関連国連機関(UN Women、UNDP、UNICEF、UNFPA等)との連携を通じて、男女平等と女性の能
力強化のための支援を強化する。
 米国が立ち上げた「平等な未来パートナーシップ」に参加し(2013年9月国連総会時に表明)、
各国の経験を学びつつ、日本の取組に活かしていく。
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重点政策② 国際保健外交戦略の推進の一環として女性の保健医療分野の取組強化
 女性の健康に関し、MDGsにおける母子保健関連目標等は達成に遅れ。この観点からも女性の社会
進出を促進するため、国際保健外交戦略を展開。
 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の促進、それを通じた女性の医療アクセスを改善する。
 産科病院、産前・産後検診システムの向上、母子保健政策の策定支援、看護人材の育成
 女性を対象としたHIV/エイズ予防・治療、妊婦の産前検診を通じたマラリア感染予防等を推進する
(世界基金を通じた取組)。
 アジア、アフリカ、中米で事業を実施する。面的な広がりと上流部門への協力(政策策定過程の支援
や政策策定部局の強化)を重視していく。
重点政策③ 平和と安全保障分野における女性の参画と保護
 紛争予防、紛争解決、平和構築のあらゆるフェーズで女性の参画を確保し、女性の視点を入れるこ
とでより効果的に「平和な社会」を実現し、また、紛争下の女性の権利侵害の防止・権利を保護する
必要性を認識し、日本として今後取組を強化する。
• これまでの日本の取組例:アフガニスタンにおける取組(LOTFAを通じた女性警察官採用支援(女性警察官数は現在約1800人)、UN
Womenを通じた暴力被害女性支援(シェルターの建設等)、JICAの貧困削減プロジェクト(経済活動及びコミュニティ開発支援))
 これら取組を系統的に推進していくため、女性・平和・安全保障に関する安保理決議1325号の実
施のための日本の「行動計画」を市民社会の協力を得ながら策定する。
 今年のG8で取り上げられた「紛争下の性的暴力防止」について、国際刑事裁判所(ICC)、UN Women、
紛争下の性的暴力に関する国連事務総長特別代表事務所等関連国際機関との連携の強化を通じ
て、犯罪者の訴追増加による犯罪予防や被害者保護等に日本として着実に取り組む。
 2014年の「婦人の地位委員会」に、「自然災害とジェンダー」決議を再提出する。
 紛争終結後の紛争影響国・地域における弱い立場の女性に対する生計向上支援、女性が主な被害
者となっている人身取引の被害の予防と被害者の保護(メコン地域圏)、女性の社会的包摂の促進
(ネパールでの新規事業)等も、引き続き実施していく。
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