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研究紀要 - くすのきネットなごや 名古屋市教育センター 学校・園向けページ

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研究紀要 - くすのきネットなごや 名古屋市教育センター 学校・園向けページ
情報モラルを高めるコンテンツの活用に関する研究
情報教育研究室
Ⅰ
研究のねらい
ICT(情報通信技術)の進展により,情報の伝わる速さや量が飛躍的に向上している。
そして,詳細な情報伝達が迅速に行われることによる利便性や効率性の向上など,その
「光」の部分が注目されている。しかし,ネット犯罪や
個人情報の漏えいなどの問題も増加し,大きな社会問題
を引き起こす要因にもなっている。特に平成16年に長崎
で発生した小学生の事件は,主な原因としてネット上で
の掲示板の書き込みトラブルが取り上げられ,ネット社
会の「影」の部分について国レベルでの対応を促すきっ
かけとなった。
このような状況の中,ICTの進展による「影」の部分
についての理解や対処などの情報モラルを,児童生徒に
正しく身に付けさせることが重要となっている。「情報
社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」
と定義される情報モラルは,学校・家庭・地域など,児
童生徒を取り巻く環境が一体となって育てるべきもので
ある。また,これを育てる情報モラル教育は,情報活用
能力の中で「情報社会に参画する態度」の育成として位
置付けられている。
さらに,平成20年3月に公示された新学習指導要領で
<H19.9.24 教育新聞1面より抜粋>
は,「各教科等の指導に当たっては情報モラルを身に付
け,情報手段を適切に活用できるようにする」と明記され,道徳をはじめとした各教科
においても情報モラルを取り扱うこととしている。
しかし,学校での情報モラル指導は,その内容のあいまいさや教材の不足などにより,
決して十分とはいえない状況である。これは,平成17年3月に文部科学省から出された
「情報モラルに関する調査報告」において,情報モラルに関する内容を取り扱った授業
を行った経験のある教員が18%程度であり,また,授業を行えない主な要因としては,
「自
身の知識や経験の不足」や「適切な教材の不足」が報告されていることからも明らかで
ある。
そこで本研究では,本市における情報モラル教育に関する現状をとらえ,それに対応
する情報モラル指導用コンテンツの開発を第一の目的とする。また,開発した情報モラ
ル指導用コンテンツ(以下「指導支援コンテンツ」)を利用した授業の展開例や配布用資
料なども合わせて各学校に提供することで,授業を中心として,学校での様々な場面に
おける情報モラル指導の支援を行い,児童生徒の情報モラルに対する意識の定着と向上
を図ることを最終的な目的とする。
- 1 -
Ⅱ
情報モラル教育についての基本的な考え
平成10年度の学習指導要領の改訂において「情報モラル」は高等学校学習指導要領解
説の中で,
「情報社会で適切な活動を行うための基となる考え方と態度」として定義され,
情報教育の指導内容の一つとして位置付けられるようになった。
また,小中学校の学習指導要領においても,以下のように情報モラルに関する指導の
必要性が述べられている。
○ 学習指導要領解説-総則編
(前略)なお,コンピュータなどの情報機器の活用にあたっては,プライバシーの保護や著作権の問題,
児童生徒の心身の健康への影響等に十分配慮する必要がある。
この情報モラルを学校教育において育成していくための情報モラル教育は,情報教育
の具体的な位置付けや指導内容の指針に相当する「新 情報教育に関する手引き」におい
て,以下のような内容として示されている。
○ 新 情報教育に関する手引き
(前略)個人情報や著作権の保護,情報の信頼性など,情報の送り手と受け手として適切な活動をする
ために必要なルールやマナーについて考えるとともに,個人の情報を利用したり,情報を作り出すこと
によって情報社会において情報の被害者となるばかりでなく,加害者となる恐れがあることを理解させ,
情報を扱う時に生じる責任について考えること
(平成14年 文科省)
では,このように定義された情報モラル教育を進めるにあたって,教員はどのような指導を行
っていけばよいのだろうか。
平成18年1月に国より出された「IT新改革
戦略」では,学校のICT教育及びその環境
をよりいっそう充実させるとともに,教員のIC
T指導力を明確にすることをねらって「教員
のICT活用指導力の基準」が示された。
この教員のICT活用指導力には,「①教
材研究・指導の準備・評価などにICTを活
用する能力 ②授業中にICTを活用して指
導する能力 ③情報モラルなどを指導する
能力 ④校務にICTを活用する能力」という
4項目が示されている。
<図1:文部科学省 教員のICT活用指導力の基準WEBページ>
特に,「情報モラルなどを指導する能力」
については以下に示す観点で位置付けられている。
○
児童生徒が発信する情報や情報社会での行動に責任をもち,相手のことを考えた情報のやり
とりができるように指導する。
○ 児童生徒が情報社会の一員としてルールやマナーを守って,情報を集めたり発信したりできる
ように指導する。
○ 児童生徒がインターネットなどを利用する際に,情報の正しさや安全性などを理解し,健康面に
気を付けて活用できるように指導する。
○ 児童生徒がパスワードや自他の情報の大切さなど,情報セキュリティの基本的な知識を身に付
けることができるように指導する。
以上のように定義付けられた情報モラル教育について,本市での実施状況や教員,児
童生徒の意識など上記の観点を中心に調査し,その実態を把握することで情報モラル指
導用コンテンツ作成の基本方針としていきたい。
- 2 -
Ⅲ
研究の方法
1 情報モラル教育の実態に関する調査
(1) 国や各自治体での情報モラル教育の取り組みを調べ,どのような手法やコンテン
ツを提供しながら情報モラルの向上を図っているか明らかにする。
(2) 本市における教員と児童生徒の情報モラルの意識に関する調査から,それぞれの
実態を把握・分析することで,コンテンツ開発の方針を決定する。
・ 「情報モラルに関する調査報告」(全国-教員対象-)
・ 「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」(全国・本市-教員対象-)
・ 市内数校をピックアップした実態調査 (情報モラルの意識 本市-児童生徒対象)
分析の観点
・
・
・
情報モラル指導を進める上での障害となっているものは何か
本市で重点的に指導していかなければならない情報モラルの項目は何か
教員と児童生徒の情報モラルに対する意識の共通点や相違点は何か
2 情報モラルを高める指導用コンテンツの開発
(1) 本市の実態から開発する情報モラル指導用コンテンツの対象を絞り込む
・インターネット利用 ・電子掲示板 ・電子メール ・携帯電話 ・チャット など
(2) 情報モラル指導用コンテンツに盛り込む内容を検討し,開発を進める
・指導用疑似体験教材 ・指導の流れ ・学習シート など
(3) 情報モラル指導用コンテンツを活用した実践を行い,内容を改善する
ア 指導用コンテンツを活用した情報モラルを高める実践を数校の学校で行い,その
実践例を収集する。
イ 実践の感想や結果などから児童生徒の意識や行動の変容,教材としての利用のし
やすさなどについて検証し,情報モラル指導用コンテンツの内容やその活用方法に
ついて改善する。
(4) 情報モラル指導用コンテンツの提供
開発された情報モラル指導用コンテンツを中心に実践の流れや活用シートなどを
まとめて,一つの授業パッケージとして構成し,
「くすのきネットなごや」内のまと
まったコンテンツとして提供する。
Ⅳ
研究の内容
1 国や各自治体の情報モラル教材の提供方法
<情報モラル研修教材:独立行政法人教員研修センター>
情報モラルの授業で活用できる教材や1時間の
授業展開例が数多く示されている。指導の目的別
や使用する機器,サイトの種類別に教材が検索で
きるように工夫されており,非常に充実している。
体験型教材も設置されているが,機能を体験す
るのみでその危険性を知らせる設定はなかった。
- 3 -
<図2:教員研修センターのホームページ>
<情報モラル指導の手引き:川崎市教育センター>
右のように情報モラル指導の手引きに関
する特定のページをもち,情報モラルに対
する基本的な考えを「情報の発信」「コミュ
ニケーション」「情報の受信」の3場面に分
けて解説している。また,それぞれについ
て学年別の発達段階に応じた指導内容を系
統表にまとめており,どの段階でどのよう
な内容の実践を行うとよいかが分かるよう
になっている。
実践を行う学校側としては,取り組むべ
き内容についてすぐに把握でき,指導事例
<図3:川崎市教育センターのホームページ>
や使用ワークシートも用意されているので,
実践を行う場合に取り組みやすい構成になっている。
<情報倫理教育教材:高知県教育委員会>
小学生・中学生・高校生用の教材に分け
られており,それぞれに「課題提示型教材」
と「疑似体験教材」を選んで活用できるよ
うになっている。教師用の情報として右の
ように授業展開例や使用したワークシート
類なども同時に提供しており,すぐに授業
で活用できる工夫がされている。
疑似体験教材はシンプルで分かりやすい
<図4:高知県 情報倫理教育教材>
が,体験の流れが単純で使用者が考えて判
断する場面が少ない。また課題提示型教材は,教材が表示された後で課題が提示される
ようになっているが,場面を振り返りながら考えられるような工夫はされていない。
上記のホームページのほか,15カ所の教育委員会,センターのホームページから提供さ
れている情報モラルに関する内容について調査した。その結果を以下に示す。
<表-1> 情報モラルの記載があるホームページの内容:15都道府県
情報モラルの指導資料(教員用)
情報モラルの授業や研修を行う提示型教材
情報モラルの授業や研修を行う体験型教材(オリジナル)
情報モラルの授業や研修を行う提示型教材(リンク)
情報モラルの授業の指導事例
情報モラルの指導カリキュラム
情報モラルに関連するリンク集
家庭に向けて,情報モラルの意識を高める啓発
15
4
1
5
4
2
10
5
これ以外にも内部ネットワークでの閲覧専用ページに掲載されている可能性もあり,多
くの教育委員会や教育センターが何らかの形で学校に向けて情報モラルの情報提供を行っ
ているものと思われる。
- 4 -
しかし,その内容の多くは教職員を対象とした情報の提供であり,資料の80%以上は
現職教育用の資料になっている。児童生徒を対象とした授業の指導事例や提示教材・体
験型教材の少なさを考えると,情報モラルの指導を学校で行う時,現在提供されている
教材だけでは困難であることが予想される。このことは,19年度のコンピュータ研修「情
報モラル指導の実践編」の参加者を対象にした「情報モラルの指導上で困っていること
は何か」という質問に対し,
「何を使ってどのように指導すればよいか分からない」とい
う回答が最も多かったことからもうかがえる。
そこで,次に平成17年3月に財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)によって
まとめられた「情報モラルに関する調査報告書~校長,教師,児童生徒に対するアンケ
ート調査から~」
(有効回答数:校長431・教師9,356・児童生徒12,328)による結果から
教師の情報モラルに対する意識や学校での実践状況について調べた。
2
教師の情報モラル授業の取り組み
<表-2> 授業で情報モラルの内容を取り扱ったか
取り扱った
17.6% (19.1 17.6)
取り扱っていない 75.6% (75.3 77.3)
分からない
6.9% ( 5.5
5.1)
注 )( ) 内 の 数 値 は ( 中 学 校 高 等 学 校 )
の教員対象の結果を表す。
<表-3> どのような教科で情報モラルを取り扱ったか
総合的な学習
55.7% (25.4 16.5)
学級活動
16.9% (19.7 3.0)
各教科の指導
14.0% (52.5 77.6)
道徳の時間
11.6% (13.7 3.7)
その他の特別活動
5.6% ( 4.4 3.9)
上記以外
7.9% ( 4.4 3.9)
情報モラルを最近1年間で授業で取り扱ったことのない教師は80%近くあり,これは
どの校種でも同様の傾向が見られる。
「授業を行う際は児童生徒の情報モラルの育成を念
頭に置くべきと考えるか」という意識調査に対して肯定的に考える教師が96.6%に及ぶこ
とを考えると,情報モラル育成に対する関心は高いが,どのように取り扱えばよいのか
が分からない実態が伺える。
小学校では「総合的な学習の時間」で情報モラルを扱うことが多い。これはコンピュ
ータを使った調べ学習や取材などの活動時に著作権の保護やインターネット利用の注意
などの指導が行われているためと考えられる。中・高になると総合での取り扱いが減少
し,各教科の中で行われる割合が増加する。
<表-4> 情報モラル教材を利用したか
利用した
31.6% (51.5 55.9)
利用していない
62.1% (43.4 40.8)
分からない
6.4% ( 5.1 3.3)
注 )( ) 内 の 数 値 は ( 中 学 校 高 等 学 校 )
の教員対象の結果を表す。
<表-5> どのような教材を利用したか(複数回答)
情報モラル研修教材2005
24.3% (31.9 35.9)
インターネットの世界(総務省)
9.0% ( 3.0 3.1)
上記以外のホームページ 29.2% (17.4 10.6)
自作教材
24.3% (40.1 44.6)
教科書
8.3% (31.9 35.9)
その他
21.5% (13.1 14.8)
小学校において情報モラル教材の活用は低くなっている。
「情報モラル研修教材2005」
や「インターネットの世界(情報通信白書 for Kids)」などの良質な教材が提供され始
めているにもかかわらず,利用されていないことは,認知度の低さや教材をどのように
利用すればよいのかが分からないことが影響しているものと思われる。
- 5 -
また,利用されている教材は,各種のホームページが多く使われているが,中・高に
なるにしたがって教科書や自作教材を利用する割合が多くなる。これは,情報教育が明
確に位置付けられている教科の存在や,コンピュータを使って自作教材を開発できるス
キルのある教師の存在がかかわっているものと思われる。
<表-6> 情報モラルを指導するときの障害になったものは (複数回答)
自分自身の知識や経験の不足
51.9% (53.1 59.5)
指導する時間や機会の不足
35.8% (40.3 37.7)
適切な教材の不足
47.4% (36.2 37.2)
その他
3.7% ( 7.7 5.3)
注 )( ) 内 の 数 値 は ( 中
学校 高等学校)の教
員対象の結果を表す。
情報モラルの指導を行う場合,
「自身の知識や経験不足」が障害となると考える教師の
割合が高い。この割合は,小<中<高と指導する対象年齢が上がるにしたがって高くな
る傾向が見られる。中学校・高校では,情報機器を扱う生徒の数が多いことや対応しな
ければいけないケースも多様になることから,知識や経験の不足を原因と考えるのでは
ないかと思われる。また,
「適切な教材が不足」と答えた割合は,中・高に比べ小学校の
教師が最も多い。低年齢の児童に対する情報モラルの指導の困難さが表れている。
これらのことから,学校に対して,情報モラルに関する指導資料や教師もともに体験
できる教材を提供することに加え,授業でどのように活用すればよいかを示した具体例
などを用意することが,情報モラル教育を広めていくことにつながるものと思われる。
3 名古屋市の情報モラル教育の状況
それでは,本市における情報モラル教育はどのような状況なのか。その実態を文科省
調査である平成18年度「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」から情
報モラルに関する項目について調べた。
(1) 教員の情報モラル指導の実態
名古屋市内の全教員の各項目ごとの調査結果は以下の通りである。
<表-7>
<図5>
<図6>
- 6 -
<図7>
<図8>
この結果を基に,各項目ごとに「わりにできる」
「ややできる」と答えた教員の割合を
合計し,その値を全国の調査結果と比較した。
本市においては,約
半数の教員が情報モラ
ルを指導することが
「ほぼできる」と回答
しているが,すべての
項目にわたって全国の
平均値を下回っている
ことが分かる。県単位
で比較しても,愛知県
<図9:情報モラルの指導が「できる」教員の割合 全国との比較>
は情報モラルの項目で
全国45位にとどまっている。特にD-1「相手のことを考えた情報のやりとりの指導」
とD-4「情報セキュリティの基本知識を身に付ける指導」の項目は10%近く全国平均を下
回り,この項目に関してのサポートが急務であると言えよう。
また,どの項目でも20%近くの教員が「指導がほとんどできない」と回答しているこ
とに対しても,対策を講じる必要がある。なぜ指導ができないのか,指導するにあたっ
て障害になっているものは何かを明らかにしていくことで,指導支援コンテンツ作成の
指針の一つにしていきたい。
右は情報モラルの指
導が「わりにできる」
「ややできる」と答え
た教員の割合を校種別
に比較したグラフであ
る。小>中>高校の順
に指導できる教員の割
合が減少している。
これは,学級担任が
<図10:情報モラルの指導が「できる」教員の割合 校種別の比較>
ほとんどの教科を担当
している小学校では,担任が様々な場面で情報モラルを指導する機会があるが,教科担
任制の中・高校ではその機会が少ないことが原因と思われる。さらに,高校では多様化
する生徒の実態に対応する難しさが表れているものと思われる。
- 7 -
☆
平成19年度の実態調査の結果
平成20年9月に19年度「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」の速報値
が出された。その内,名古屋市の教員の結果を19年度の結果と比較したグラフを以下に
示す。
D-1 相手を考えたやりとり
D-2 ルールやマナー
<図11>
D-3 インターネット利用
<図12>
D-4 情報セキュリティ
<図13>
<図14>
どの項目も,
「ややできる」という回答が6~8%増加している以外,前年度と比較し
て大きな変化は見られなかった。
「ややできる」が若干増加した要因として,情報モラルを指導する必要性が少しずつ
浸透してきたことや,インターネット上で情報モラルの指導用教材や資料が多く提供さ
れるようになってきたことなどが考えられる。また,19年度に教育センターで行われた
情報教育担当者研修会やコンピュータ研修の全ての講座で情報モラル指導についての情
報提供を行ったことなどもそ
の一因になっているものと思
われる。
しかし,確実にできるとい
う答えが減少していることや
「ほとんどできない」という
答えがどの項目も10%以上残
っていること,全国の平均と
比較するとどの項目も名古屋
<図15:19年度 情報モラルの指導が「できる」教員の割合 全国との比較>
市が下回っていることから
も,情報モラル指導の必要性や方法の理解が十分になされているとは言い難い状況であ
ると言えよう。
- 8 -
(2)
児童生徒の情報モラルの実態
児童生徒の情報モラルに対する意識の実態をつかむため,「学校における教育の情報
化の実態等に関する調査」で使用された「情報モラルなどを指導する能力」のそれぞれ
の項目を児童生徒用に対応させた内容に変更し,以下の質問紙を作成した。
D-1 コンピュータや携帯電話で写真やメールを送る時,相手のことを考えて送っていますか。
D-2 コンピュータや携帯電話,インターネットを使う時のルールを知っていますか。
D-2-2 コンピュータや携帯電話,インターネットを使う時ルールを守って情報を集めたり
発信したりしていますか。
D-3 インターネットから集めた情報が正しいものなのか,安全なものなのかを常に確かめていますか。
D-4 パスワード,個人の名前や住所などの情報を大切に扱っていますか。
このアンケートを市内の小学校高学年児童250人(4校),中学校1・2年生163人(2校)
に実施した。その結果は以下の通りである。
<図16>
<図17>
<図18>
<図19>
<「わりと・やや知っている」児童生徒>
D-1,D-4項目の結果を見ると,約80%
の児童生徒が,「相手のことを考え情報
交換を行っている」「個人情報などを大
切に扱っている」と答えている。しかし,
頻発するネットいじめやプロフィールサ
イトへの個人情報の書き込みの実態から
児童生徒がもつ情報モラルへの意識の甘
さが表れていることも考えられる。
- 9 -
個人情報
<図20>
このD-1,D-4項目は,教員の調査で対応する質問の調査結果との間で大きな違いが見
られた項目でもある。つまり,教員側は「相手のことを考えた情報交換ができるように
する指導」や「情報セキュリティの基本を身に付けさせる指導」ができる割合がほぼ半
数だったのに対し,児童生徒ではそれぞれ80%を越えている。ほかのD-2,D-3項目では,
同様の傾向を見せていることから考えても,このD-1,D-4項目における教員と児童生徒
の意識のギャップを埋める情報モラル教育の手だてを講じる必要がある。
また,D-2-2項目を見ると,情報機器を使う時のルールを「知っている」と答えた児童
生徒の92%が「そのルールを守って情報交換をしている」と答えている。これは児童生
徒が情報機器やインターネットを使う時のルールを「知っている」とルールを意識しな
がら情報のやりとりができる可能性があることを示している。したがって,児童生徒に
情報交換を行うルールやマナーを指導し,身に付けさせていくことが,情報機器やイン
ターネットを使う上での情報モラルの向上につながるものと思われる。
現時点では,まだ児童生徒の調査数が少なく,小学生と中学生の傾向にほとんど差が
見られなかったので,校種による比較は行っていないが,今後も調査を続けることでよ
り正確な実態の把握に努めようと考えている。
4 情報モラル指導支援コンテンツ開発の基本方針
以上の実態を基に,情報モラル指導支援コンテンツ開発の基本方針を決め,以下のよ
うな計画を立てた。
(1) 情報モラル指導を進める上での障害について
・適切な教材が不足
・教師の知識や経験の不足 ・指導方法が分からない
○
情報機器やインターネットを扱うときのマナーや危険を,児童生徒の身近なで
きごとを基にして疑似体験できるようにする。
○ 教材には,「なぜしてはいけないのか」「なぜした方がよいのか」という解説を
教師用のほか,児童生徒にも分かるような内容で用意する。
○ 教材を使った指導例を学習指導案や資料とともに提供できるようにする。
(2)
本市で重点的に指導していかなければならない情報モラルの項目について
・相手のことを考えた情報のやりとり
・情報セキュリティの基本知識
○
発達段階に応じて扱う情報機器を設定し,問題を提起したり疑似体験したりす
ることで相手を意識した情報交換の大切さに気付くことができるようにする。
○ 情報モラルについて話し合ったり,チェックできる資料を提供することで情報
セキュリティへの意識向上を図る。
(3)
教師と児童生徒の情報モラルに対する意識の共通点や相違点について
・ルールを知っていればモラルは高まる
○
児童生徒に興味・関心をもたせながら,情報交換するときや機器を取り扱うと
きのルールを学べる方法を工夫する。
○ 児童生徒が自分の言動や行為を振り返ることができる資料や,学級で話し合う
共通の題材となる資料を提供する。
- 10 -
5 情報モラル指導用コンテンツ開発
(1) 作成する情報モラル指導用コンテンツの内容
※児童生徒に関して・・・◎
基本方針
・
指導者に関して・・・○
情報機器やインターネットを扱うときのマナーや危険を,児童生徒の身近な出
来事を基にして疑似体験できるようにする。
・
発達段階に応じて扱う情報機器を設定し,問題を提起したり疑似体験したりす
ることで相手を意識した情報交換の大切さに気付くことができるようにする。
コンテンツの内容
<体験コンテンツ>
◎ 児童生徒が,実際に機器を操作しているような
感覚で入力や応答ができる。
◎○ 入力によってネットワークを利用するときに
陥りやすいトラブルが変化するようにする。
◎ 対象を携帯電話やプロフィールサイト(以下プ
ロフ)など児童生徒の関心の高い機器や内容にする。<図21:子ども向き体験サイトの一場面>
基本方針
○
教材には,「なぜしてはいけないのか」「なぜした方がよいのか」という解説を
教師用のほか,児童生徒にも分かるような内容で用意する。
○
教材を使った指導例を学習指導案や資料とともに提供できるようにする。
○
児童生徒が自分の言動や行為を振り返ることができる資料や,学級で話し合う
共通の題材となる資料を提供する。
コンテンツの内容
<振り返り場面と関連資料の提供>
◎ 疑似体験が終わった後,児童生徒が自分の選択
について確かめる振り返り用の場面を設定する。
○ 指導用コンテンツを使った授業の流れや各種の
資料などを一覧から選択して学校で活用できるよ
うにする。
◎ 体験後,操作した手順通りに再現することがで
き,その時点での操作や入力したことが本当によ
かったのか,なぜトラブルになってしまったのか
を解説した画面が示されるようにする。
<図22:提供される各種資料>
<図23:操作を振り返る場面>
- 11 -
基本方針
○
児童生徒に興味や関心をもたせながら,情報交換や機器を取り扱うときのルー
ルを学べる方法を工夫する。
○
情報モラルについて話し合ったり,チェックできる資料を提供したりすること
で情報セキュリティへの意識向上を図る。
コンテンツの内容
<情報モラルクイズ>
◎○ 著作権やネット利用上の注意,情報の正しい
利用などについての二択三択形式のクイズ。
◎○ 答え合わせをするときに,それぞれの問題に
ついて解説が表示されること。
◎ 対象を携帯電話やプロフィールサイトなど児童
生徒の関心の高い機器や内容にする。
<図24:「情報モラルクイズ」の問題>
以上のように検討した結果,指導支援コンテンツとして,次の2種類のコンテンツ
を開発することにした。
①
②
「体験コンテンツ」
情報モラルの様々な事例を疑似体験を通して学ぶ
「情報モラルクイズ」
著作権や個人情報保護について選択式クイズに答えながら学ぶ
(2) 「体験コンテンツ」の開発
「体験コンテンツ」の内容は,児童生徒の実態や関心等を考慮し,19年度は小学校
高学年・中学校・高等学校向けの3種類のコンテンツを開発することにした。
それぞれの学年で使用し始めることが多いと思われる機器や内容を1つずつ取り上
げ,以下のような内容で体験用のストーリーを構成することにした。
<小学校高学年向け>
携 帯 電 話
携帯電話の着信メロディ(着メロ)を無料でダウンロードできるサイトに接続したときに
陥りやすいトラブルを,選択した対応によって異なった体験ができるようにする。
<体験することができる危険な内容>
・個人情報の流出
<中学校向け>
・多大な通信料
・ネット詐欺
・危険なサイトの閲覧
ブ ロ グ
友人が開設したブログに誹謗中傷の書き込みがなされるとどのようなトラブルが起きるか,
選択した対応によって異なった体験ができるようにする。
<体験することができる危険な内容>
・
誹謗中傷が書き込まれた状況
・
放置や反応した場合に起きる問題
- 12 -
<高等学校向け>
プロフィールサイト(
プロフィールサイト(プロフ)
プロフ)
プロフ作成の体験画面に個人名や住所などの個人情報を入力できるようにし,手軽に個人情
報がネット上に公開されてしまう体験ができるようにする。
<体験することができる危険な内容>
・
ア
個人情報の安易な書き込み
選択するストーリーの作成
それぞれの内容についてどのようなストーリーにしていくのか検討を行った。下図は
小学校高学年向きコンテンツ「携帯電話」の例である。最初のメニューから選択した項
目によって異なったイベントが生じ,それによって実際に起きる被害が体験できるよう
に構成した。体験できる被害については,単独で生じるだけでなく,選択した対応によ
っては,複数の被害が生じるように設計した。
メニュー
着メロを手に入れるには?
1 無料でダウンロード
2 賞品付き
3 定額取り放題
フィードバック解説
フィードバック解説
選択した手順がそれ
選択した手順がそれ
ぞれ再現され、対応
ぞれ再現され、対応
した方法についての
した方法についての
振り返りや解説が表
振り返りや解説が表
示される。
示される。
イベント
被害
無料なので、何曲も
無料なので、何曲も
ダウンロードをして
ダウンロードをして
しまう
しまう
多額な通信料の請求
選択した賞品とは
選択した賞品とは
異なった品物が
異なった品物が
送られてくる
送られてくる
ネット詐欺の被害
安易に個人情報を
安易に個人情報を
入力して会員登録
入力して会員登録
をしてしまう
をしてしまう
迷惑メールや
迷惑電話の被害
<図25 ストーリーの流れ>
中学生対象の「ブログ」や高校生対象の「プロフ」についても同様に構成を行った。
「プ
ロフ」は高校生が対象のため,個人の「プロフ」ページを疑似作成する内容に留め,そ
の後の授業での話し合いを促す資料を提供するようにした。
イ
操作画面の作成
「体験コンテンツ」では,実際の操作とほぼ同様の動
きや手順を再現できることが求められる。そのため,機
器(携帯電話やパソコン)が画面上に表示され,本当に
それを操作している状況と思えるような工夫をした。
さらに,実際の音楽ダウンロードサイトやプロフィー
<図26
ルサイトの操作方法や表示される画面,メッセージなど
「プロフ」操作画面の例>
を参考に,より本物に近い入力や操作手順が体験できる
ようにした。
以上のような検討を行い,3つの「体験コンテンツ」を開発した。
- 13 -
ウ
体験コンテンツ「携帯電話」の画面操作の流れ
実際の携帯電話の画面と同様,いくつかの選択肢から希望するものを選んだり書き込
みをしたりする。一通りの『疑似体験』(図の青枠で示す)が終わると,体験した内容に
対応した『フィードバック』(図の赤枠で示す)が順に表示され,その場面で取るべき行
動等を知ることができる。
疑似体験
フィードバック
着信メロディの
取り方を選択する
選択した内容を
順に並んで表示
会員登録の時点で
気を付けることを解説
会員登録への
誘導に乗る
個人情報を知らせたことの
危険を考えさせる
会員登録で必要事
項を入力する
曲をダウンロードす
る しかし・・・
- 14 -
<図30 体験コンテンツ(携帯電話編)の構成>
- 15 -
エ
手持ち資料の作成
「体験コンテンツ」を授業で活用する場合,児童生徒に言葉の意味を知らせたり,さ
らに詳しい情報が必要になったりすることが予想される。また,いろいろな質問に教師
が答えなければならない場面も想像される。
そのための補助資料として,印刷して児童生徒に配布したり,指導する教師があらか
じめ知っておくとよい情報,発生した問題への対応方法を掲載したりするなど,「体
験コンテンツ」と合わせて授業で活用することのできる「手持ち資料」を作成した。
<図27:手持ち資料:中学校向け「ブログ編」一部>
-生徒への配布用資料-
オ
-指導者用の補助資料-
「体験コンテンツ」を使った授業の展開例の作成
開発した「体験コンテンツ」を授業で活用し
やすくするために,コンテンツを使った授業の
展開例を提供することを考えた。
右は高校向けの「プロフ」の授業展開例だが,
この展開例は授業の流し方の基本的な参考例で
あり,使用する学級の実態や指導のねらいに合
わせて授業者が構成することを目的としてい
る。
今後,このコンテンツを活用した授業実践例
の様子を動画にしたり,使用したプリントや指
導案などを合わせてパッケージ化したりして提
供することも考慮していきたい。
以上のような内容を組み合わせ,次のような
メニューから「体験コンテンツ」を選択できる
ようにし,「くすのきネットなごや」から配信
を開始した。
- 16 -
<図28 授業の展開例>
<図29 コンテンツのメニュー画面>
(3) 「情報モラルクイズ」の開発
「情報モラルクイズ」は,対象を小学校低学年,中学年,高学年,中学生,高校生,教
職員の6つに分け,倫理面と安全面という2つの側面から「情報モラル」についてのク
イズ形式とし,個々に学んだりみんなで話し合ったりできるようにすることを目的とし
た。
そこで,各学年の発達段階を考慮し,以下の観点に従って二択三択形式の「情報モラ
ルクイズ」を開発した。
<幅広い情報モラルの内容を含む>
インターネット,掲示板,メール,ゲーム,著作権,個人情報など幅広い情報モラルの内容
を取り扱うようにする。
<身近な地域素材や話題を題材とする>
身近な地域素材や話題を題材とすることで,児童生徒が興味・関心を持つことができる内容
を取り入れた名古屋市独自のものにする。
<学年に応じた内容・問題数である>
それぞれの対象学年に応じた設問の内容や表記(仮名遣い等)にし,低学年の問題数を減ら
すなど,児童生徒に過度の負担とならないようにする。
<自己採点や評価を生かした学習が行える>
自己採点機能の工夫や詳細に提示できる解説機能を充実させ,評価を生かした学習の振り返
りや情報モラルへの関心を高め,容易に学習できるようにする。
ア
問題の作成
初めに,情報モラルにかかわる書籍やインターネット上で公開されているQ&A形式
のホームページの情報を基に,教育センター情報教育部の所員や学習コンテンツ開発委
員会の委員などで複数の問題を作成した。
インターネット 掲示板 チャット
その後,作成した問題を共通した内容ごとに
ホームページ
ブログ
メール
ゲーム
テレビ・ラジオ・新聞
まとめ,学年別にジャンル分けを行った。その
著作権
個人情報
後,問題数の少ないジャンルの問題を補足する
などして,最終的に130問の問題を作成した。
対象
ジャンル
小-
掲示板
中学年
対象
ジャンル
小-
ゲーム
高学年
対象
ジャンル
小-
著作権
高学年
オンライン冒険ゲーム仲間の掲示板を見ていたら、自分
は書いていないのに自分の名前を使って対戦相手を探
問題 していることが書かれているのを見つけた。こんなときは
まず、掲示板に「自分は書いていない」ことを書き込むこ
とがよい。
自宅のパソコンで、遊び友だちのIDとパスワードを使
い,無料のオンライン冒険ゲームをプレーした。
このゲームは無料であり,友だちにお金を負担させるわ
問題 けではないので,友だちのIDとパスワードを使った
プレーは許される
はい
解説
○
いいえ
はい
インターネットの掲示板は、本名を書かなくても「ハンドルネーム」というニックネー
ムだけで情報交換することができます。そんなことから人の名前を勝手に使うよう
ないたずらも生じます。たとえ、「自分が書いたのではない」と掲示板に書き込んで
も、書いた書かないの言い争いになってしまうこともあります。もし自分の名前とか
住所などがインターネット上に書かれてしまったら、その掲示板の管理者にメール
をして削除してもらいましょう。よくわからなかったら、すぐに先生や両親、警察に
相談して、すぐに削除してもらうようにしましょう。
引用
たとえ無料であって金銭上の利害がないとしても,友だちのIDとパスワー
解説 ドを使えば,友だちになりすましてインターネットのオンラインゲームに侵 引用
○
自分のノートに書いたドラエモンに勝手にひ ○
問題 げなどを付け加えて落書きをして楽しむことは
許される。
いいえ
入したことになり,不正アクセスしたことになる
自分のノートの中で,自分だけで楽しむくらいでは問題あり
ません。
解説 でも自分が描いた絵に,他の人から落書きをされると気分 引用
がいいものではありませんね。問題はなくても,相手の気持
いいえ
ちになってみることが大切です。
はい
<表-8:作成した情報モラルクイズの問題の一部>
- 17 -
イ
「情報モラルクイズ」の採点と評価画面の作成
「情報モラルクイズ」に答えた後,自己
採点ができたり,個々の問題について詳細
な解説が表示されるようにした。イラスト
などを加え,児童生徒が正しく情報モラル
について理解できるように工夫した。
<図31 モラルクイズの一例>
また,クイズに取り組んだ全員の結果を一覧で表示,保存できるような機能を盛り込
むことで,
「情報モラルクイズ」の結果から学級の情報モラルに対する知識の実態をつか
み,その後の学習や指導に役立てることができるようにした。
<図32:「情報モラルクイズ」結果の一覧画面>
ウ
「情報モラルクイズ」の提供
こうして完成した「情報モラルクイズ」を「くすのきネットなごや」から配信し,各
学校で利用できるようにした。
「情報モラルクイズ」は新しい問題と入れ替えられるよう
なシステムになっており,いろいろなパターンの問題が提示されるようになっている。
モラルクイズ画面
メニュー
学年・学級
番号・名前
の入力
クイズの
問題の入
れ替えや
追加など
クイズの管理
クイズの
結果一覧
の表示や
印刷など
「情報モラルクイズ」は各学校のサーバに
ダウンロードし、そこから児童生徒用のコン
ピュータに配信される。
<図33 モラルクイズの構成画面>
準備・処理用メニュー
- 18 -
6
授業での指導支援コンテンツの活用
(1) 実践された授業の流れ1 <対象:小学校6年生 体験コンテンツ「携帯電話編」 >
① インターネット
や携帯電話の仕
組みや実態
*
*
② 指導支援コン
テンツを使った
体験コンテンツ
③ 疑似体験した
ことの振り返り
と話し合い
④ 情報モラルク
イズでモラルへ
の関心の向上
体験コンテンツはプロジェクターによる提示か,画面転送による一斉配信
話し合いは,コンテンツのフィードバック解説を見ながら,振り返りを行う
(2) 授業の様子と児童生徒の反応1
① インターネットや携帯電話の仕組み
授業の様子
児童の反応
・情報を伝える手段は何か。
・手紙,携帯電話,パソコン,声。
・携帯電話
・電話,メール,掲示板,音楽のダウンロード
でできる
→
ことは?
携帯を持っている児童の多くが音楽をダウン
ロードした経験がある。
・携帯電話でのメールや掲示板はインターネット
と同じであることに驚く。
②
体験コンテンツの操作
授業の様子
児童の反応
・全員が同じ画面を視聴。項目選択 ・口々に自分の考えを言いながら,画面を見る。
時は子ど
もに問い
かける。
関心は高い。
・音楽のダウンロード選択では,無料であることや使
い放題という言葉にひかれる。
・迷惑メールや料金請求の場面では,驚きの声も
あがる。
③
体験したことの振り返りや話し合い
授業の様子
・フィードバック解説で本当によかった
かどうか
確かめる。
児童の反応
<個人情報を知らせてよかったのかの問いに>
・他人の名前で入れればよかった。
→「そんなことしていいのか」という声。
・自分の経験談を話し出す。
・絶対に個人情報を入れない人という問いにはっ
きりと挙手をする。
④
「情報モラルクイズ」の実施
授業の様子
・「情報モラルクイズ」で学習した
ことを確
かめる。
児童の反応
・著作権という言葉は初めて知った。
・簡単な問題もあるけど,よく分からない問題も
たくさんある。
<クラス全体の評価を見て>
・みんながよくできた問題とたくさん間違えた問
題がよく分かる。
- 19 -
(3)
実践された授業の流れ2 <対象:中学校1年生 「情報モラルクイズ」>
※「情報モラルクイズ」を問題提起に利用し,著作権について学ぶ授業
① 情報モラルクイ
ズから1問を取り
上げ,問題の提起
*
*
(4)
② どこに問題が
あったのかを考
える話し合い
③ 著作権のきまり
やその理由につい
ての話し合い
④ ジャンルごと
のモラルクイズ
で関心の向上
体験コンテンツの提示はプロジェクターによる拡大提示する
ワークシートやモラルクイズを印刷して話し合いなどで活用する
授業の様子と児童生徒の反応2
① 情報モラル
授業の様子
生徒の反応
・クイズから著作権にかかわる問題 ・「自分が買った本にゲームの攻略方法が載って
を取り上
いたのでコピーして友達にあげてよいか」とい
げ,提示
う問題に対し,判断と理由を述べる。
する。
○
自分が買った本だから,コピーをしても構わ
ない。
×
②
貸すならいいが,コピーはいけない。
体験コンテンツの操作
授業の様子
生徒の反応
・問題の中で,間違っていたことは ・自分はお金を出して買ったのに,友達はただで
何か,話
し合う。
手に入れられるのはおかしい。
・ホームページからの情報ならいいと思うけど。
・書いた人や買った店が「コピーしてもいい」と
言えばいいのではないか。
③
体験したことの振り返りや話し合い
授業の様子
生徒の反応
・著作権とは何か,だれのための権 <著作権はだれのための権利かの問いに>
利か,ど
・本を書いた人のため。
う対処す
・アイデアを出したり作ったりした人のため。
ればよか
・コピーをしてただで配られると,それを作った
ったか話
人が困ってしまう。
し合う。
④
「情報モラルクイズ(ジャンル別)」の実施・・・次回予定
授業の様子
予想される生徒の反応
・「情報モラルクイズのジャンル別」 ・ジャンル別で問題が出題されるので,授業のテ
で学習し
ーマで扱った情報モラルの内容で,類似の問題
たことを
を考えることができる。
確かめる。
・類似の問題に取り組み,対応の仕方を判断する
ことで学習したことを生かすことができる。
- 20 -
(5)
指導支援コンテンツの効果について
名古屋市の小学校6校の5・6年生(176名)と中学校2校1・2年生(164名)を対
象に「指導支援コンテンツ」を使った効果についてアンケート調査を行った。
(質問紙法
ア
事前アンケートの後,数日後に事後アンケートを実施)
小学校の場合-携帯電話コンテンツの活用-
① 個人情報を知らせることに関する児童の実態
図34は「インターネットなどを使って欲し
い物を手に入れる時,個人情報を相手に知ら
<図34>
<図34>
せた経験があるか」という質問に対する回答
である。小学生の段階でも4人に1人に近い
割合で買い物などをする時に,個人情報をネ
ット上に書き込んだ経験があることが分かっ
た。
高校生のネットを使った買い物経験の調査
(H20家庭でのインターネット利用の実態調査 (株)ネットスター n=2472)では,
経験ありという回答が61.7%という結果が出ている。このことからも,中学生から
高校生にかけて,多くの子どもたちがコンピュータや携帯電話を使ってネットに接
続し,住所や名前などの個人情報を入力している実態が分かる。
②
個人情報の扱いに関する意識の変容
<図35>
<図36>
図35と36は「知らない相手に個人情報を知らせることはいけないと思うか」
「どうし
ても欲しい物がある時は相手に個人情報を伝えるか」という質問について,授業前(事
前)と授業後(事後)のアンケート結果を比較したものである。
いずれも授業前では「わからない」
<図37>
と答えていた児童の割合が授業後に大
きく減り,
「知らせてはいけない」と「大
人に相談したり,考え直したりする」
という正しい判断が増えている。これ
は授業を行ったことにより,今までど
のように対処してやいか分からなかっ
た児童が対処の仕方を知識として知り
得たことによるものと考えられる。
- 21 -
個人情報はインターネットや携帯電話によって相手に知らせることが多い。図37は,
インターネットの使い方について大人と話し合った経験の有無について,授業前と後
の変化を示したものである。授業を行った後,大人とインターネットの使い方につい
ての話し合いを行った経験のある児童は15%ほど増加している。情報モラルに関する
授業を行ったことがきっかけで1クラスあたり数名の児童が,家庭などで情報モラル
に関する話を大人とするようになったことが分かる。
ネッ ト の ルールを
ルールを守 ることは大切
ることは大切 か
らせる危険を
危険を知 っているか
<図38> 個人情報 を知 らせる危険
<図39>
詳しく知っている
少し知っている
すごく大切
あまり知らない
できるだけ
あまり
必要ない
1%
1%
事前
14%
72%
14%
事前
74%
25%
0%
事後
56%
41%
3%
事後
88%
12%
0%
図38は個人情報を相手に知らせることの危険をどれぐらい認識しているかを尋ねた
質問に対する回答であるが,授業を行ったことにより「詳しく知っている」とする児
童が大幅に増えている。これは学習したことによる知識の獲得であり,当然の結果で
あると思われるが,疑似体験型の教材を用いて実際と同様の場面を体験させながら学
習を進めたことが有効に働いたものと思われる。特に授業後「フィードバック解説で
何が危険だったのかがよく分かった」という児童の感想も聞かれ,一通りの体験だけ
でなく,自分の対応を振り返り,見直すことが児童の理解を深めたと考えられる。
図39はインターネットを使う時のルールを守ることに対する意識が,授業前後でど
のように変化したかを示したものである。
「すごく大切」と感じている子どもが増加し
ているだけでなく,「あまり大切と思わない」「大切ではない」としていた児童が0に
減少した。疑似体験型の教材を用いたことで,個人情報をインターネット上で知らせ
ることにより,自分だけでなくほかの人も危険なことに巻き込んでしまうことを知っ
たことが有効に働いたものと思われる。
実態調査で明らかになった,
「情報機器やインターネットを使う時のルールを知って
いると,ルールを意識しながら情報のやりとりができる可能性がある」ことからも,
ルールや正しい対処の方法を「知る」ことは,実際に事態に直面した場合に危険を回
避する有効な手段であると言えよう。
イ
中学校の場合-ブログコンテンツの活用-
① 掲示板の書き込み等に関する生徒の実態
<図40>
図40はブログや掲示板への書き込み(以下ネ
ット上の書き込み)経験の有無をたずねた結果
である。中学校1・2年生が対象であったにも
かかわらず,約20%の生徒が「書き込み経験が
ある」と回答している。
他の地域の中学生を対象とした調査(H19家庭でのイ
ンターネット利用の実態調査 (株)ネットスター n=515)によると,中学生がほぼ毎日利用しているサイトは,Yaho
- 22 -
o!やMSNなどの大人向けポータルサイトが男女ともに高く(38.4%),次いでブログ(3
3.2%),YouTube(27.6%)であり,特に女子ではブログ(41.2%)の人気が高いとの
ことである。中3女子においては,54.4%が自分のブログやプロフ,掲示板などを持っ
ており,79.0%がこれらへのアクセス経験があり,46.0%は書き込みも行っているとい
う結果を得ている。
このことから,中学生によるネット上の書き込みは2年生から3年生にかけて大きく
増加し,男女によってもその傾向に差があるという実態が分かった。
②
ネット上の書き込みに関する意識の変容
<図42>書 き 込みを知
みを知ったときの対処
ったときの対処は
対処は
実名 の書き込みはいけないか
<図41> 実名の
思う
思わない
放置
わからない
6%
事前
事後
88%
98%
5%
1% 1%
反論
友だち に相談
削除依頼・大人に相談
わからない
2%
事前
8%
事後
1%
2%
0%
8%
81%
97%
1%
0%
図41と42は「ネット上の書き込みに実名を出すことはいけないと思うか」「ネット上
で実名をあげられた時にどう対処するか」という質問について,授業前と授業後のアン
ケート結果を比較したものである。
実名を出すことについては,ほとんどの生徒が「いけないこと」と認識するようにな
り,出されたときの対応についても「削除依頼を行う」もしくは「大人に相談」という
正しい対処方法を身に付けたことが分かる。12%(20名)ほど存在していた実名を出す
ことの危険性を認知していなかった生徒が,「指導支援コンテンツ」を使ってブログに
実名が出ることによって起きる様々な問題を疑似体験したことにより,その危険性を実
感し,「実名の書き込みはいけないこと」へと変容している。しかし,わずかではある
が実名を出すことの危険や問題について理 <図43> ネットの
ネット の 使い方を大人と
大人と相談したか
相談したか
ある
ない
解や意識ができなかった生徒が見られたこ
とは,その原因を探るとともに,今後のコ
38%
ンテンツ開発や利用方法についての課題と
62%
事前
すべきことであろう。
また右の図43に示されるように,授業後
45%
55%
事後
にネット上の書き込みについて家族などの
大人と話し合った生徒も,授業を行ったこ
とにより,10%以上増加している。
学校で行った情報モラルの学習が,家庭に戻ってからの話題に取り上げられ,家庭で
のルールやマナーを取り決めるきっかけになっていると思われる。このように家庭を含
めた情報モラル意識の向上も今後の重要な課題の一つである。
- 23 -
<図44>
<図45>
掲示板 の危険を
危険を知っているか
知っている
少し知っている
ネットの
ネット の ルールを
ルールを守ることは 大切か
大切か
すごく大切
知らない
できるだけ守る
あまり思わない
必要ない
0%
事前
事後
7%
59%
34%
事前
74%
25% 1%
事後
87%
93%
13%
7%
0%
図44はブログや掲示板への書き込みなどインターネットの利用の危険についてどれぐ
らい認識しているかを尋ねた質問に対する回答であるが,授業を行ったことにより「詳
しく知っている」とする生徒が大幅に(約67%)増えている。小学生(42%増)と比較
すると非常に高い割合で増加していることが分かる。中学生はネット上のトラブルをよ
り身近な問題としてとらえているため,知識の定着が進んだのではないかと思われる。
これは,図45のネット上のマナーや決まりを守ることに対する意識の変容について「す
ごく大切」と思う生徒の割合が高い傾向が見られたことからも,中学生のこうした問題
に対する関心の高さがうかがえる。
また,ネットを利用した友達とのつながりが増える中学生では,ネット上のトラブル
解決について「友達に相談する」とする生徒が若干見られる(図42授業前8%→後2%)。
このことからも,中学生では個人でコンテンツの疑似体験を活用するとともに,対応方
法の振り返りをグループで行ったり,友達と協議しながらトラブルの対応を考えたりす
るなど,友達との関係を意識させながら学習を進めることも重要であると思われる。
ウ
高等学校の場合-プロフ(プロフィールサイト)コンテンツの活用-
① プロフに関する生徒の実態
他府県の実態であるが,約500名の高校生を対象とした情報モラルアンケートでは,
60%以上がプロフサイトの存在を知っており,全体の20%が自身のプロフを,30%が
閲覧経験があるとしている(埼玉県高等学校情報教育研究会 2008)。また,プロフへ
の書き込みは携帯電話を使うことが過半数を占め,携帯電話を使う生徒ほど書き込み
の頻度が高い傾向があることが報告されている。
また別の調査では,4%の高校生がプロフやブログをきっかけに「出会い系サイト」
への接触体験をもつことを報告している(石川県教委調べ 2008)。
②
プロフに関する意識の変容
体験コンテンツの「プロフ編」は,利用する
生徒が擬似的に自分のプロフを作成できるよう
になっている。このプロフを作成する活動の後,
資料として提供されている右の図のようなワー
クシートに,プロフを作成している時に考えた
ことや気を付けたことを記入し,それを基にし
ながら,事後の話し合いを行った。以下に授業
後に記入した感想の主なものを示す。
- 24 -
生徒が記入する欄
<図46:「プロフ編」ワークシートの一部>
<表-9 「プロフ編」を活用した授業後 生徒の感想の主な内容と人数>
プロフが危険であることに驚いた・怖いと感じた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34人
個人情報をプロフに載せることが危険であることが分かった・・・・・・・・・・・・21人
身近な問題を体験できて分かりやすかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14人
自分で作るときは注意して作りたい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13人
インターネットのリスクが分かった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8人
プロフはやめた方がいい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7人
危機感をもってプロフなどのネットを利用すべき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5人
自分の意識が低かった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4人
ネットの危険な事例や対応方法をもっと詳しく知りたい・・・・・・・・・・・・・・・・23人
その他・・・・・・・・・・・・・・・22人
(n=151)
授業では,プロフに掲載した個人情報から重大な事件に発展してしまった事件やネッ
トいじめの問題などの事例が説明されたこともあり,生徒の感想では「プロフや個人情
報書き込みの危険性」に対する意識が強く表れている。
「身近な問題を取り上げたので役
に立つ」
「実際にプロフを作れるので何に注意すればよいか分かりやすい」という感想も
多く見られ,疑似体験型の教材が有効であったことをうかがわせる。
また,
「プロフはやめたい」
「自分が作るときには注意したい」
「自分の危機意識が低か
った」という意見も多く見られ,この授業を行うことでプロフやネットの危険に対する
生徒の意識を高めることができたものと思われる。特に,現在個人のプロフを開設して
いる数名の生徒が「この授業で自分のプロフを作り直す」という気持ちをもてたことは
大変よいことだと思う。
このほかに以下のような感想が見られ,生徒の意識の変容を知ることができた。
今,自分も実際にプロフをやっていてプリ画
を載せてるし,アルバムページにもたくさん写真
をはっていて・・・。
今日の授業で自分に当てはまることがたくさ
んあったので怖くなった。
もうやめたいし,仲のよい友達にも何かあっ
たら怖いのでやめさせたい。
今まで何気なく個人情報などを気にせずにコ
ンピュータやインターネットを使っていたけど,少
し改めようと思った。本気で個人を特定しようと
思えば,ほんのささいな情報でもできてしまうん
だと思ったら少し怖くなった。
これから,その(ブログなど)管理者のセキュリ
ティなども気にしながらネットをしようと思う。
・
たぶんこれから技術が発達していくにつれてネットがかかわる問題はどんどん増えてくると思う。
だからどんな事件があったか,トラブルがあったかを知っているか,知らないかで全然違うと思う。
・ 自分は関係ないと思うことが一番危ない
・ 「情報」は1年生しかないので,今のうちにもっとこういう授業はやってもいいと思う。
さらに,個人情報やひぼう中傷の言葉が載せられないようにプロフの管理者に要望
したり,個人が特定できる言葉や項目を制限する機能をプロフィールサイトにもたせ
たりするなどの意見も見られ,この問題が多くの高校生にとって身近な問題であり,
より具体的な事例や情報の提供が必要であることが感じられた。
- 25 -
Ⅳ
研究のまとめ
平成20年3月に公示された新しい学習指導要領では,総則の指導計画の作成等に当た
って配慮すべき事項として,情報モラルは,各教科の指導で身に付けていくべきものと
明記され,後に出された解説編において,情報モラルを適切に身に付けるための学習活
動として次の5つの学習活動例が示された。
・情報発信による他人や社会への影響について考えさせる学習活動
・ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味について考えさせる学習活動
・情報には自他の権利があることを考えさせる学習活動
・情報には誤ったものや危険なものがあることを考えさせる学習活動
・健康を害するような行動について考えさせる学習活動
また,
「子どものインターネットの使い方の変化に伴い,学校や教師はその実態や影響
にかかわる最新の情報の入手に努め,それに基づいた適切な指導に配慮することが重要」
とされ,今後さらに複雑になると予測されるネットにかかわる諸問題に学校や教師が適
切に対処し,指導していく必要性を述べている。
本研究では,名古屋市の情報モラル教育の実態等から指導の障害となっている要因を
明らかにし,学校で情報モラルの指導を「何を使って」
「どのように」行えばよいかとい
う視点から疑似体験型の「指導支援コンテンツ」の開発を行った。そして,開発したコ
ンテンツを活用して実際の授業を行い,児童生徒の情報モラルに対する意識の変容から
その有効性の検証を行った。
その結果,ネット上に個人情報を載せることの危険性や不正な書き込みに対する対処
の仕方などの知識を身に付ける点では著しい効果があることが分かった。児童生徒は疑
似体験によって現実に似た感覚をもち,フィードバック機能や事後の話し合いによって,
自身の判断をじっくり振り返ることができ,それが後の意識の変容につながっていくこ
とが分かった。
しかし,児童生徒が実際にネット上のトラブルに巻き込まれそうになった時,知識と
して身に付けたことを本当に役立てられるかどうかは,このような情報モラルの指導を
定期的に継続して行うことによって培われるものと思われる。また,
「ネットいじめ」や
「荒らし」などのように加害者にならないように「相手の立場を理解する」という心を
はぐくむことも重要である。このような点を踏まえ,以下の点を今後の課題とし,研究
を継続していきたい。
○
今後ネット上で問題となると思われる携帯依存やチェーンメールなど,実態に応じ
た疑似体験コンテンツを開発すること
○ ネット上のトラブルに対処する知識を身に付けるだけでなく,その問題の根底にあ
る他者への共感や思いやり,法やきまりのもつ意味などについて児童生徒が考えを深
めることができるような資料を提供すること
○ 道徳の内容との連携等,情報モラル教育の系統的な指導の在り方を検討すること
- 26 -
平成19・20年度 教育センター研究
情報モラルを高めるコンテンツの活用に関する研究
情報教育研究室
資料一覧
01_教員のICT活用指導力のチェックリスト(小学校版)
02_教員のICT活用指導力のチェックリスト(中学校・高等学校版)
03_コンテンツの基礎データ
04_児童生徒の情報環境実態(情報モラル等指導サポート事業)
05_携帯電話の利用実態(Benesse)
06_学校非公式サイト等に関する調査について(文部科学省)
07_ネットいじめに係る書き込みを見付けたら
08_情報モラル指導支援コンテンツの紹介
09_情報モラル授業実践後のアンケート
10_「情報モラル指導支援コンテンツ」を使った授業まとめシート
11_「情報モラル指導支援コンテンツ」を使った授業まとめシート実例
12_情報モラル指導モデルカリキュラム表
13_平成20年度開発中コンテンツの紹介
教員のICT活用指導力のチェックリスト(小学校版)
ICT環境が整備されていることを前提として、以下の A-1 から E-2 の18項目について
右欄の4段階でチェックしてください。
A 教材研究・指導の準備・評価などに ICT を活用する能力
A-1 教育効果をあげるには、どの場面にどのようにしてコンピュータやインターネ
ットなどを利用すればよいかを計画する。
A-2 授業で使う教材や資料などを集めるために、インターネットや CD-ROM など
を活用する。
A-3 授業に必要なプリントや提示資料を作成するために、ワープロソフトやプレゼ
ンテーションソフトなどを活用する。
A-4 評価を充実させるために、コンピュータやデジタルカメラなどを活用して児童
の作品・学習状況・成績などを管理し集計する。
B 授業中に ICT を活用して指導する能力
B-1 学習に対する児童の興味・関心を高めるために、コンピュータや提示装置など
を活用して資料などを効果的に提示する。
B-2 児童一人一人に課題を明確につかませるために、コンピュータや提示装置など
を活用して資料などを効果的に提示する。
B-3 わかりやすく説明したり、児童の思考や理解を深めたりするために、コンピュ
ータや提示装置などを活用して資料などを効果的に提示する。
B-4 学習内容をまとめる際に児童の知識の定着を図るために、コンピュータや提示
装置などを活用して資料などをわかりやすく提示する。
C 児童の ICT 活用を指導する能力
C-1 児童がコンピュータやインターネットなどを活用して、情報を収集したり選択
したりできるように指導する。
C-2 児童が自分の考えをワープロソフトで文章にまとめたり、調べたことを表計算
ソフトで表や図などにまとめたりすることを指導する。
C-3 児童がコンピュータやプレゼンテーションソフトなどを活用して、わかりやす
く発表したり表現したりできるように指導する。
C-4 児童が学習用ソフトやインターネットなどを活用して、繰り返し学習したり練
習したりして、知識の定着や技能の習熟を図れるように指導する。
D 情報モラルなどを指導する能力
D-1 児童が発信する情報や情報社会での行動に責任を持ち、相手のことを考えた情
報のやりとりができるように指導する。
D-2 児童が情報社会の一員としてルールやマナーを守って、情報を集めたり発信し
たりできるように指導する。
D-3 児童がインターネットなどを利用する際に、情報の正しさや安全性などを理解
し、健康面に気をつけて活用できるように指導する。
D-4 児童がパスワードや自他の情報の大切さなど、情報セキュリティの基本的な知
識を身につけることができるように指導する。
E 校務に ICT を活用する能力
E-1 校務分掌や学級経営に必要な情報をインターネットなどで集めて、ワープロソ
フトや表計算ソフトなどを活用して文書や資料などを作成する。
E-2 教員間、保護者・地域の連携協力を密にするため、インターネットや校内ネッ
トワークなどを活用して、必要な情報の交換・共有化を図る。
※ICT:Information and Communication Technology の略語。コンピュータやインターネットなどの
情報コミュニケーション技術のこと。
4
わ
り
に
で
き
る
3
や
や
で
き
る
2
あ
ま
り
で
き
な
い
1
ほ
と
ん
ど
で
き
な
い
4
3
2
1
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1
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2
1
教員のICT活用指導力のチェックリスト(中学校・高等学校版)
ICT環境が整備されていることを前提として、以下の A-1 から E-2 の18項目について
右欄の4段階でチェックしてください。
A 教材研究・指導の準備・評価などに ICT を活用する能力
A-1 教育効果をあげるには、どの場面にどのようにしてコンピュータやインターネ
ットなどを利用すればよいかを計画する。
A-2 授業で使う教材や資料などを集めるために、インターネットや CD-ROM など
を活用する。
A-3 授業に必要なプリントや提示資料を作成するために、ワープロソフトやプレゼ
ンテーションソフトなどを活用する。
A-4 評価を充実させるために、コンピュータやデジタルカメラなどを活用して生徒
の作品・学習状況・成績などを管理し集計する。
B 授業中に ICT を活用して指導する能力
B-1 学習に対する生徒の興味・関心を高めるために、コンピュータや提示装置など
を活用して資料などを効果的に提示する。
B-2 生徒一人一人に課題意識をもたせるために、コンピュータや提示装置などを活
用して資料などを効果的に提示する。
B-3 わかりやすく説明したり、生徒の思考や理解を深めたりするために、コンピュ
ータや提示装置などを活用して資料などを効果的に提示する。
B-4 学習内容をまとめる際に生徒の知識の定着を図るために、コンピュータや提示
装置などを活用して資料などをわかりやすく提示する。
C 生徒の ICT 活用を指導する能力
C-1 生徒がコンピュータやインターネットなどを活用して、情報を収集したり選択
したりできるように指導する。
C-2 生徒が自分の考えをワープロソフトで文章にまとめたり、調べた結果を表計算
ソフトで表やグラフなどにまとめたりすることを指導する。
C-3 生徒がコンピュータやプレゼンテーションソフトなどを活用して、わかりやす
く説明したり効果的に表現したりできるように指導する。
C-4 生徒が学習用ソフトやインターネットなどを活用して、繰り返し学習したり練
習したりして、知識の定着や技能の習熟を図れるように指導する。
D 情報モラルなどを指導する能力
D-1 生徒が情報社会への参画にあたって責任ある態度と義務を果たし、情報に関す
る自分や他者の権利を理解し尊重できるように指導する。
D-2 生徒が情報の保護や取り扱いに関する基本的なルールや法律の内容を理解し、
反社会的な行為や違法な行為などに対して適切に判断し行動できるように指導
する。
D-3 生徒がインターネットなどを利用する際に、情報の信頼性やネット犯罪の危険
性などを理解し、情報を正しく安全に活用できるように指導する。
D-4 生徒が情報セキュリティに関する基本的な知識を身に付け、コンピュータやイ
ンターネットを安全に使えるように指導する。
E 校務に ICT を活用する能力
E-1 校務分掌や学級経営に必要な情報をインターネットなどで集めて、ワープロソ
フトや表計算ソフトなどを活用して文書や資料などを作成する。
E-2 教員間、保護者・地域の連携協力を密にするため、インターネットや校内ネッ
トワークなどを活用して、必要な情報の交換・共有化を図る。
※ICT:Information and Communication Technology の略語。コンピュータやインターネットなどの
情報コミュニケーション技術のこと。
4
わ
り
に
で
き
る
3
や
や
で
き
る
2
あ
ま
り
で
き
な
い
1
ほ
と
ん
ど
で
き
な
い
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2
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2
1
4
3
2
1
4
3
2
1
4
3
2
1
4
3
2
1
4
3
2
1
4
3
2
1
4
3
2
1
くすなごコンテンツ−情報モラル指導支援コンテンツ 作成のための基礎データ
児童生徒に危険性を提起するコンテンツ (陰の部分に焦点を当てる)−【 携帯電話 】
どんな場面で?
どんな問題に出くわす?
どうすべき?
どんな危険が待っている? 今後、児童生徒がどう対処していくとよいだろうか?
チェンメール
根拠のないうわさ話や嘘で、
根拠のないうわさがクラス中に広
安易に他の人に情報を流さない。
誘いに乗らない 傷つく人がいる。加害者と同じ
がった
携帯電話依存症にならない。無駄な使用をしない。
罪を背負うことになる。
ワン切り
知らない人(企業)から氏名・住
所・家族構成などを言葉巧みに
聞かれた
怪しい勧誘(出会い系など)や
見覚えのない電 深夜にも携帯が鳴るように
話には出ない なった
高額な請求書が届いた
携帯電話の料金が高額だった
安易にダウン
ロードしない
携帯電話でのデータの送受信は、時間ではなくデータの大
無料のなずなのに、高額な料 きさに応じて課金される。無料とあっても、通信料(パケット
金請求書が届く
料金)は請求されるので、むやみやたらとダウンロードしな
い。
無断で撮影行
為をしない
著作権侵害は5年以下の懲役
又は、500万円以下の罰金 プライバシー保護やマナーの観点から、軽率な行為は絶対
肖像権侵害は高額な慰謝料 しないこと。
を請求される
見覚えのないところから電話がか 充分気をつけ
かる
る。責任をもっ
他の人に迷惑がかかる
て管理する
紛失・盗難にあったら、即携帯電話会社に使用の停止を依
個人情報が流出し、悪用され
頼する。
る。
場合によっては、警察に被害届けを出す。
無料サイトから
ダウンロード
携帯電話で撮影 著作権・肖像権の侵害
紛失
見覚えのない着信記録にかけ直ししない
携帯電話からはダイヤルQ2には繋がらないので、見覚え
のないダイヤルQ2等の高額請求書は無視する。
安易にアンケートに、対応しない。
児童生徒に危険性を提起するコンテンツ (陰の部分に焦点を当てる)−【 ホームページ 】
どんな場面で?
どんな問題に出くわす?
どうすべき?
どんな危険が待っている? 今後、児童生徒がどう対処していくとよいだろうか?
ゲームサイト
アイテムの交換や贈呈をエサに、
IDやPASSの他に、アドレスを求 入力しない
められた
怪しい商品の売り込みや勧誘
など迷惑メールがいろいろと IDやPASSの他に、アドレスなど個人情報は安易に教えない
届くようになった
インターネット
ショッピング
お金を払ったのに品物が届か
なかなか手に入りにくい人気商品
なかった
お金の支払いに関する取引は、お父さんやお母さんによく確
勝手に買わない
が市場に出ていた
不良品やほしいものと違うが 認してもらう
ガラクタが届いた
児童生徒に危険性を提起するコンテンツ (陰の部分に焦点を当てる)−【 ブログ 】
どんな場面で?
どんな問題に出くわす?
友人の運営する 個人が特定できる情報と共に中
ブログを見て
傷される内容を書かれた
どうすべき?
どんな危険が待っている? 今後、児童生徒がどう対処していくとよいだろうか?
・運営者・・・個人が特定でき,誹謗中傷する
削除の要請をす
噂が広まり,揶揄や誹謗の対 内容を書き込まない
る
象になる
・被害者・・・信頼できる大人に相談し,適切
相談する
な対処方法を教えてもらう
安易にトラック
友人の運営する トラックバックから有害サイトへ誘
有害サイト,有料サイトへの誘
バックのリンクを
トラックバックのリンク先の内容を確かめてからクリックする
ブログを見て
導される
導により被害を被ることがある
クリックしない
友だちが運営す
個人が特定できる内容を書き込
るブログに書き
んでしまった
込んで
見知らぬ相手からメールが来
すぐに削除する たり,自分の周りに不審者が 安易に個人が特定できる情報をブログに書き込まない
現れるようになった
日記を掲載したらその内容から
自分がブログを
済んでいる地域や通っている学
運営して
校が知られてしまった
住んでいる地域
や環境が分かる ストーカー行為を受けるように 安易に個人が特定できる情報を掲載しない
内容は記載しな なる
危険にさらされることがある
い
いやがらせ書き
掲載した内容について,いやがら
自分がブログを
込みの削除な いやがらせに対する反論をす いやがらせや荒らし行為については,運営規定を明らかに
せの書き込みをされたり,荒らし
運営して
ど,こまめな管 るとますますエスカレートする して,管理対応する
行為をされたりする
理
プロフに自分の
写真と個人プロ
見知らぬ人につきまとわれた
フィールを掲載
した
安易にプロフに ストーカー行為や,特定の業
掲載しない
者の勧誘を受けるようになる
プロフを使わない。
安易に個人情報を掲載しない
児童生徒に危険性を提起するコンテンツ (陰の部分に焦点を当てる)−【 電子メール 】
どんな場面で?
どんな問題に出くわす?
メールを受信し
たとき
身に覚えのない高額な請求メー
ルが送られてきた
メールを受信し
たとき
以前から欲しかった商品が当選
したというメールを受け取った
どうすべき?
どんな危険が待っている? 今後、児童生徒がどう対処していくとよいだろうか?
無視する
メール内にあるURLをクリック
身に覚えのない人からのメールは慎重に扱い、メール内に
したりすることにより、更に執
あるURLをたどったりしない。
拗な請求メールが届くことにな
一人で悩まずに保護者などの大人に相談する。
る
無視する
身に覚えのない人からのメールは慎重に扱い、メール内に
メール内にあるURLをクリック
あるURLをたどったりしない。
したりすることにより、高額な
自分に利益があるような内容のメールでは個人情報を簡単
請求メールが届くことになる
に教えない。大人とよく相談する。
普及によって生まれる光と影
インターネットの利用実態調査
携帯電話の利用実態調査
本事業の実態調査(全項目、小中高別)
携帯電話の利用実態調査から
携帯電話は児童生徒にどの程度普及し,どのように使われている
のでしょうか。「情報モラル等指導サポート事業」で 平成18年12月
に実施した調査(協力校:小学校8校計1698名,中学校4校計
1557名,高等学校5校計2571名)より
(データは該当学年調査人数全体に対する割合(%))
自分の携帯電話を持っているか
携帯電話を持っている割合(無回答を除く)
学 年
持っている
持っていない
合 計
中学3年生
304
209
513
中学2年生
267
248
515
中学1年生
198
290
488
小学6年生
92
373
465
小学5年生
68
350
418
小学4年生
81
307
388
小学3年生
66
316
382
携帯電話を主にどのように利用しているか
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
高1∼高3平均
調査人数(人)
394
398
431
475
497
535
525
2571
(1) 電話をする
9.1
11.8
8.6
13.3
34.0
39.3
46.3
86.6
(2)メールをする
7.4
8.5
9.3
15.8
42.9
55.0
59.8
92.5
(3)携帯サイトを見る
2.0
2.3
0.7
5.3
15.1
21.1
32.4
74.3
(4)その他
6.6
5.3
3.5
1.9
7.4
6.5
5.5
12.1
携帯電話に次のようなメールが来たことがあるか
小学校
調査人数(人)
中学校
高等学校
1698
1557
2571
(1) 知らない人から
2.2
19.1
38.4
(2) 出会い系サイト
(1.2)※
4.4
22.4
(3) チェーンメール
2.4
31.3
61.6
(4) お金の請求
0.2
2.0
8.5
(5) 他の変なメール
1.1
2.0
3.3
(6) トラブルに巻き込まれた
―
3.0
3.9
※は「誘いのメール」として質問
http://kayoo.org/moral-guidebook/kankyo/kankyo3.html
Benesse 教育研究開発センターが選ぶ「調査データ クリップ! 子どもと教育」
2008 年 6 月 10 日
CLIP0001C【携帯電話の利用実態③】
携帯電話の利用実態 ~第3回 (2008 年版 ) ~
【3-1】中学生で6割を超えた携帯電話所有率、子ども専用テレビは減少
■携帯電話所有率(学年別)
(%)
80
携帯電 話を「もって いる 」の%
70
62.0
60
40
11.7
10 5.0
0
33.7
30.0
30
17.5
21.5
10.5
7.9
80
71.2
16.4
11.3
38.2
32.3
専 用の テレ ビ を「 もっ て いる」 の %
70
60
51.2
2002年 2007年
50
20
68.4
■子ども専用テレビ所有率(学年別)
(%)
2002年 2007年
50
39.0
40
30
22.9
17.2
20 15.8
7.6
10
0
小1生 小2生 小3生 小4生 小5生 小6生 中1生 中2生 中3生
9.9
28.8
23.2
20.1
10.0
27.5
17.1
14.3
28.1
24.6
18.8
18.0
30.4
18.4
23.1
小1生 小2生 小3生 小4生 小5生 小6生 中1生 中2生 中3生
出 典:「第3回子育て生活基本調査」Benesse 教育研究開発センター(2008)
調査対象:首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の小学1年生から中学3年生の子どもをもつ保護者 7,282 名
総務省「通信利用動向調査報告書」によると、2007 年の携帯電話・PHS の世帯保有率は 95.0%に達した。こうしたなか、
首都圏の小・中学生をもつ保護者を対象に携帯電話と子ども専用のテレビの所有率を調べた調査結果をみると、小・中学生の携
帯電話の所有率は学年が上がるにつれて増加し、中1生で 62.0%、中2生で 68.4%、中3生で 71.2%と、中学生で6割を超
えた。小学生においても、小4生 30.0%、小5生 33.7%、小6生 38.2%と、小4生~小6生ではいずれも3割を超えている。
2002 年の同調査と比較すると、携帯電話の所有率は全学年において大きく増加し、全体では 2002 年の所有率が 24.0%
であったのに対し、2007 年は 43.8%と 19.8 ポイント増加した。とくに小学生の伸び率が大きく、携帯電話を所有する年
齢が徐々に低年齢化しているようすがうかがえる。
これに対して、子ども専用テレビの所有率はどの学年においても減少しており、全体では 2002 年の所有率が 24.4%だっ
たのに対し、2007 年には 15.7%と 8.7 ポイント減少した。ワンセグ携帯やパソコンなどテレビ視聴ができる機器が増えた
ことや、携帯ゲーム機のようにテレビに接続する必要のないゲーム機が普及したことが一因と考えられ、小・中学生を取り巻
くメディア環境の変化がみてとれる。
【3-2】「知らない人から」のメール、中・高生の3割が受信経験あり
■携帯電話に来たメール(学校段階別)
携帯につぎのような(変な)メールが来たことがあるか?
【知らない人から】
中1生
中2生
中3生
高1生
高2生
高3生
13.5
19.3
24.2
0
10
20
30
【出会い系サイト】
中1生
中2生
中3生
高1生
高2生
高3生
39.2
36.2
39.8
40
50
60(%)
【お金の請求】
中 1 生 0.6
中 2 生 2.1
3.2
中3生
6.6
高1生
7.9
高2生
12.2
高3生
0
10 20
2.6
4.3
6.3
0
20
30
31.0
40
50
60(%)
【他の変なメール】
中1生
中2生
中3生
高1生
高2生
高3生
30
10
17.4
21.7
【チェーンメール】
中1生
中2生
中3生
高1生
高2生
高3生
40
50
60(%)
10
0
中1生
中2生
中3生
高1生
高2生
高3生
20
30
40
10
20
31.4
39.0
30
40
50
65.5
55.9
62.6
60(%)
【トラブルに巻き込まれた】
2.4
2.1
1.5
4.2
2.8
2.6
0
23.1
50
60(%)
知らない人から
誘いのメール
チェーンメール
お金の請求
他の変なメール
2.0
3.7
3.0
3.9
4.1
3.8
0
0
10
2.2
1.2
2.4
0.2
1.1
10
20
30
40
50
60(%)
(参考データ)
小学3∼6年 調査
20
30
40
50
60(%)
出 典:
「小中高生情報通信機器利用状況実態調査」平成 18 年度文部科学省委託事業『情報モラル等指導サポート事業』
「情報モラル教育」指導手法等検討委員会(2007)
調査対象:協力校(小学校8校、中学校4校、高等学校5校)
小・中・高生を対象に、いわゆる迷惑メールの受信経験についてたずねた調査結果をみると、
「チェーンメール」を受信した
ことがあると答えた中・高生の割合がもっとも高く、高1生で 65.5%、高2生で 55.9%、高3生で 62.6%と、高校生で6割、
中学生では3割を超えている。次いで多かったのが「知らない人から」のメールで、中学生の2割弱、高校生の4割弱が受信
したことがあると答えている。
さらに、「出会い系サイト」からのメールは、高3生で 31.0%、高2生で 21.7%、高1生で 17.4%が受信したことがあ
ると答えており、また「お金の請求」メールも1割弱の高校生が受信した経験をもつ。実際に「トラブルに巻き込まれた」と
答えた中・高生も約3%いた。
出会い系サイトに関連した犯罪被害者の8割が 18 歳未満といった調査結果もあり(
『子どもと安全』第2回【2-2】参照)、フィ
ルタリング・サービス(【3-3】参照)など、携帯電話の利用に関しての注意と工夫が求められる。
※データをご利用の際は、必ず出典(調査報告書名、刊行所名、刊行年)を明記してください。
1
Benesse 教育研究開発センターが選ぶ「調査データ クリップ! 子どもと教育」
2008 年 6 月 10 日
CLIP0001C【携帯電話の利用実態③】
【3-3】認知度・使用率ともに低いフィルタリング・サービス
■フィルタリング・サービスの認知度・使用状況(小・中・高生、保護者)
パソコ ン・携帯電 話等 でインターネ ット を利 用し てい る 人 の フ ィルタ リ ン グ ・サ ー ビス の 認 知・ 使 用 等 の状 況
【携帯電話】
【パソコン】
2.2
0.5
97.8
96.5
(パソコン/携帯電話)
7.1
中学生
0.8
1.0
(n =31 0/2 54 )
11.3
87.1
16.9
81.7
42.6
知っている
使っている
知らない
28.9
60
父親
(n=291/291)
8.6
64.8
80
高校 生
1.1
2.7
(n=295/378)
19.6
43.6
(%)100
小学生
3.5
(n=186/ 86) 1.2
40
20
0
85.4
32.3
6.2
母親
2.4
(n=256/461)
0
91.7
13.8
知っている
使っている
知らない
63.9
16.5
80.5
20
40
60
80
100(%)
出 典:「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査」内閣府政策統括官(2007)
調査対象:全国(小学生 ・ 中学生 ・ 高校生とその保護者)(調査期間:平成 19 年3月9日~3月 30 日)
パソコンや携帯電話でインターネットを利用している小・中・高生とその保護者を対象に、
「フィルタリング・サービス」の
認知・使用状況についてたずねた調査結果をみると、パソコンのフィルタリング・サービスを「知っている」と答えた割合は、
小学生 2.2%、中学生 11.3%、高校生 16.9%で、小・中・高生の認知度は2割にも満たないことがわかった。また、「知っ
ている」と答えた父親は 42.6%、母親は 28.9%で、保護者の認知度も決して高いとはいえない。
さらにパソコンのフィルタリング・サービスを「使っている」と答えた小学生は 0.5%、中学生は 1.0%、高校生は 2.7%
ときわめて低く、ほとんど利用されていないことがわかった。
同様に携帯電話等のフィルタリング・サービスを「知っている」と答えた割合は、小学生 3.5%、中学生 7.1%、高校生
13.8%、父親 32.3%、母親 16.5%であり、
「使っている」小学生は 1.2%、中学生は 0.8%、高校生は 1.1%となっている。
認知度、利用率ともにきわめて低い結果となった。
フィルタリング・サービスについては、本調査(平成 19 年3月実施)後、総務省からの「青少年が使用する携帯電話・
PHS における有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の導入促進に関する携帯電話事業者等への要請」
などを受けて、認知拡大及び利用促進に積極的な取り組みがなされている。
また、社団法人電気通信事業者協会の調査によると、携帯電話・PHS 事業者各社のフィルタリング・サービス利用者数実績
は、平成 18 年から平成 20 年にかけて、63 万 1 千件(平成 18 年9月末)→ 210 万 1 千件(平成 19 年9月末)→ 342
万 6 千件(平成 20 年3月末)と推移し、この1年半で約 280 万人の増加を示している(
「有害サイトアクセス制限サービス
( フィルタリングサービス ) 利用状況について」)。
※データをご利用の際は、必ず出典(調査報告書名、刊行所名、刊行年)を明記してください。
2
青少年が利用する学校非公式サイト(匿名掲示板)等に関する調査について(概要)
スポーツ・青少年局青少年課
平成20年4月15日
1.趣旨・特色
中高生のインターネットコンテンツ利用の実態(形態・種類や数、書き込み内容や利用方法等)をウェブサイト検索や
アンケートにより調査、分析することにより、その実態を把握する。
学校管理者が公式に運営しているホームページ以外の、中高生が携帯電話やインターネットを通じて閲覧、書き込
み、管理運営等を行うことができる公開型の各種サイトやスレッド(注1)全般を対象に調査を実施。
(注1)スレッド:電子掲示板等において、ある特定の話題に関する投稿の集まり
2.調査方法
(1)学校非公式サイトの利用実態調査(ウェブサイト調査)
ポータルサイト「全国学校サイトランク(注2)」や巨大掲示板「2ちゃんねる」等から探索するとともに、個別の学校非公
式サイトの管理人や利用者(中高生)から収集した未登録サイトの情報等から探索した。
青少年が利用する学校非公式サイトのウェブサイト数に関する調査
一般的な青少年が利用する学校非公式サイトのポータルサイトから、サイト数を調査した。
書き込み内容に関する調査
調査地域を限定(群馬県、兵庫県、静岡県)し、青少年が利用する学校非公式サイトに書き込まれた内容について
調査した。
(注2)全国学校サイトランク:多数の非公式サイトを地域別等にランキング形式で紹介しているポータルサイト
(2)アンケート調査
(1) にあげた地域(群馬県、兵庫県、静岡県)の中高生2,418人(回答1,522人、回収率63パーセント)に対して、サイト
の閲覧・書き込みの実態等16項目にわたる設問についてアンケート調査を行った。
3.結果概要
(1)学校非公式サイトの利用実態調査(ウェブサイト調査)
青少年が利用する学校非公式サイトのウェブサイト数に関する調査
i. サイト・スレッド数38,260件(平成20年1月∼3月現在で確認できたもの。)
ii. 形態
a 特定学校非公式サイト…858件
(特定の学校の生徒が閲覧や書き込みをするもの)
b 一般学校非公式サイト…1,931件
(全国の中高生が誰でも掲示板を閲覧し書き込みもできるもの「Teens学園」、「高校生のしゃべり場」等)
c スレッド型学校非公式サイト…33,527件
(「2ちゃんねる」など巨大掲示板にスレッドとして掲載されているもの)
d グループ・ホームページ型非公式サイト…1,944件
(生徒が「個人ホムペ」と呼び、数人のグループで遊ぶサイト)
【図1】
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/04/08041805/001.htm
サイト・スレッドの書き込み内容(約2,000件のうち)
i. 「キモイ」,「うざい」等の誹謗・中傷の32語が含まれる…50パーセント
ii. 性器の俗称などわいせつな12語が含まれる…37パーセント
iii. 「死ね」,「消えろ」,「殺す」等暴力を誘発する20語が含まれる…27パーセント
【図2】
(2)アンケート調査
学校非公式サイトの認知度
学校非公式サイトの認知度をみると、「知っている」人は33.0パーセント(1,522人中502人)となっている。
学校非公式サイトの閲覧経験
学校非公式サイトを知っている人について、閲覧経験をみると、「見たことがある」が70.5パーセント(502人中354人)
となっている。回答者全体に占める割合は23.3パーセント(1,522人中354人)である。
学校非公式サイトへの書き込み経験
学校非公式サイトへの閲覧経験がある人について、書き込んだ経験をみると、「書き込んだことがある」人は13.8パ
ーセント(354人中49人)である。
学校非公式サイトへの閲覧の目的(複数回答)
学校非公式サイトへの閲覧経験がある人について、閲覧の目的をみると、「暇つぶし」が76.8パーセント(354人中
272人)と最も割合が高い。ついで、「友達に関する情報交換」が14.1パーセント(354人中、50人)、「その他学校生活や
先生等に関する情報交換」が11.9パーセント(354人中42人)、「クラブ・部活動の情報交換」10.2パーセント(354人中36
人)となっている。
フィルタリングの必要性(クロス集計、複数回答)
親や教師・警察などからインターネットの危険性について説明を受けている生徒については、85.5パーセント(1,625
人中1,390人)がフィルタリングの活用の必要性を「必要」又は「ある程度必要」と感じている。一方、説明等を受けてい
ない生徒の4割がフィルタリングを全く必要としないと回答している。
4.今後の対応等
今回の調査により、中・高の学校数に比して相当数の非公式サイトがあることがわかった。また、その9割近くは「2ちゃん
ねる」など巨大掲示板にスレッドとして掲載されているものである。さらに「キモイ」「うざい」など誹謗・中傷の言葉がふくま
れるものが抽出調査したサイトの半数に含まれるなど、非公式サイトの実態が明らかとなった。また、併せて実施したアン
ケート調査により、非公式サイトの利用実態やフィルタリングの認識などについて明らかとなった。
今後は、さまざまな機会をとおして今回の調査結果について周知を図り、引き続き学校における情報モラル教育の推進
や子ども向けリーフレットの配付などによる啓発活動を推進する必要がある。また、この結果を踏まえて平成19年11月に発
足した「ネット安全安心全国推進会議」等において、関係機関・団体が連携し、社会総がかりでフィルタリングの普及、啓発
などの効果的な取組について効果的な検討を行い、青少年を取り巻く有害情報対策を一層推進していく必要がある。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/04/08041805/001.htm
学校が、関係生徒のネットいじめに係る書き込みを見付けたら
□ 削除依頼には・・・
「どの掲示板のどの書き込みを削除してほしい」のかを明確にする必要があります
◇ 書き込まれた児童生徒・保護者から相談を受けたとき
⇒ 学校は、児童生徒・保護者とともに画面を保存
◇ 他の児童生徒・保護者等が発見し、その知らせを受けたとき
⇒ 書き込みの事実の画面を保存する依頼(第三者の証言)
書き込みの事実を画面で確認
保存するとき、URL(アドレス)http://∼
を記録します。
携帯電話からアクセスし、URL が表示
されないとき・・・
[メニュー]から[URL 表示]を選ぶ、または、
一旦[ブックマーク等に登録]し、URL を確認
します。
書き込まれた児童生徒・保護者とともに書き込みの事実を画面で確認・保存
児童生徒・保護者・学校で、書き込みについて削除依頼する意志確認
※ 学校は、組織で対応 (よき相談者であるため、被害者の心のケアを忘れずに)
※ 関係者への他言無用の指示
※ 削除依頼を行う者を決定 (児童生徒・保護者、学校)
◇ 掲示板の管理者の連絡先が分かるとき
(掲示板のページ内に「ホーム」
「トップ」
「戻る」等のリンクが
あると、掲示板のトップページを見ることができ、連絡先や連絡の方法が分かることがあります)
⇒ 削除依頼を行う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
資料Ⅰ
◇ 掲示板の管理者の連絡先が分からないとき
資料Ⅱ
⇒ 掲示板の管理者を突き止め、削除依頼を行う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◇ 特に、刑事事件として扱われる可能性があるとき
⇒ 県警サイバー犯罪対策室へ相談
℡ 052-951-1611(代)
◇ 特に、人権に関わる書き込み内容で、ひどく傷ついているとき
⇒ 名古屋法務局「子ども人権 110 番」へ相談
℡ 052-952-8110
警察・法務局に相談する
ときには・・・
保存した「書きこみの画
面」と、記録した「URL」
を用意しておきます。
◇ 掲示板の管理者に削除依頼をしても、削除されなかったとき、
あるいは、掲示板の管理者を突き止めることができなかったとき
⇒ 掲示板を提供しているプロバイダに削除依頼を行う ・・・・・・・・・・・・
◇
資料Ⅲ
掲示板を提供しているプロバイダに削除依頼をしても、削除されなかったとき
⇒ 『書き込みの削除はなされない』
削除には、数日から 1 週間ほどかかることもあるようです
削除されない場合、児童生徒・保護者・学校で、削除されない事実について共通理解
※ 掲示板の無視 (削除されない事実に対し、被害者の心のケアを忘れずに)
※ 書き込みがエスカレートした場合の今後の対応 (県警・法務局への相談も)
学校教育における[情報モラル教育]の指導
【「情報モラル指導支援コンテンツ」−くすのきネットなごや等−の活用】
※ 職員が、情報モラル、情報モラル教育を理解
[くすのきネットなごや]−[教員用メニュー]
※ 児童生徒への、情報モラル教育の実施
【「『ネット上のいじめ』から子どもたちを守るために」等各種資料の活用】
※ 保護者への、家庭における情報モラル教育の啓発
資料Ⅰ 掲示板の管理者への削除依頼のしかた
■ 削除依頼のフォームがある場合
携帯電話の場合も、コンピュータの場合に準じます
例:2ch(チャンネル)掲示板 http://qb5.2ch.net/saku/
ⅰ
ガイドラインや重要な注意があります
ので、必ず読み、理解をします。
ⅱ フォームにしたがって入力します。
※ この例の場合、
「依頼を公開する」としていま
す。入力する情報が公開されることに注意が必
要です。
■
削除依頼の掲示板がある場合
例:削除依頼@3ch 掲示板
http://www.3ch.jp/saku/
削除依頼内容を指示に従って掲示板その
ものに書き込みます。
※ ここでは、
「削女人」(匿名)という人がこの掲
示板を作って指示を出しています。
※ 依頼する際、名前は匿名にします。本名を公
開して逆に攻撃を受けないためです。
※ 書き込む内容の例 : 「人権侵害の投稿があ
りましたので削除願います。
」
資料Ⅱ 掲示板の管理者を突き止める方法
.jp というトップレベルのドメインにつ
いて、ドメイン登録者の連絡先を調べるこ
とができます。
http://www.telesa.or.jp/consortium
/provider/pdf/Whois.pdf
資料Ⅲ 掲示板を提供しているプロバイダへの削除依頼のしかた
プロバイダのホームページ(掲示板のページ)に削除依頼の
方法が示されていますので、指示に従って操作をします。
(例:Yahoo!掲示板ヘルプ http://help.yahoo.co.jp/help/jp/mb/)
違反報告を送信することでプロバイダがその内容を検討し、
違反と認めれば、掲載
内容が削除されます。
このとき、掲示板の管
理人に削除依頼をしても
削除されなかった場合は、
その旨を伝えます。
携帯電話の場合も、コンピュータの場合に準じます
19 年度開発 情報モラル指導支援コンテンツ
小学校高学年向け
インターネットで着信メロディを
ダウンロードする場面を想定したシ
ミュレーション。
危険に遭遇しながら個人情報の扱
い方を学習します。
中学校向け
インターネットでブログサイトへ
の書き込みをする場面を想定したシ
ミュレーション。
ひぼう・中傷の記事の扱い方を学
習します。
高等学校向け
インターネットでプロフィールサ
イトの作成が簡単にできてしまう場
面を想定したシミュレーション。
個人情報の扱い方を学習します。
小学校低学年,中学年,高学年,
中学校,高等学校,教員それぞれを
対象とし,インターネット,掲示板,
チャット,ホームページ,ブログ,
メール,ゲーム,テレビ・ラジオ,
著作権,個人情報といったジャンル
についての問題を提供します。
各問題の解答と解説を通して様々
な情報モラルを学習します。
5月7日より、くすのきネットなごやで運用しています
小学校低学年・中学年は各 10 問,
他は各 20 問
問題は 2 択から 5 択
場面設定
1時間の流れ
答え合わせ
手持ち資料
解 説
<小:携帯電話コンテンツ>
携帯電話やコンピュータでメールをやりとりしたり,ホームページを見たり書き込んだりする
時には,すべてインターネットを使っています。
下のアンケートでは,携帯電話やコンピュータで情報のやりとりをする時も「インターネット
を使って」という言葉を使っています。
Q1 あなたは,インターネットを使っていろいろなことを調べたり,欲しいものを手に入れたりする
時,自分の名前や住所を相手に知らせたことはありますか。
(
)ある
(
)ない
Q2 あなたは,いろいろなことを調べたり,欲しいものを手に入れる時,インターネットを使って自
分の名前や住所を相手に知らせることは「いけないことだ」と思いますか。
(
)
「いけないことだ」と思う
(
)
「いけないことだ」とは思わない
(
)わからない
Q3 欲しいものをインターネットで探していたら,無料で手に入れることのできるホームページを見
付けました。しかし,手に入れるためには自分の名前や住所を入力してそのホームページの会員に
ならなければいけません。あなたならどうしますか。
(
)自分の住所や誕生日を知らせるのはよくないから,あきらめる
(
)どうしても必要なので,会員になる
(
)仲の良い友だちに相談する
(
)家族や学校の先生など大人の人に相談する
(
)わからない
Q4 あなたは,インターネット使って自分の名前や住所を相手に知らせたり,登録したりすることで,
どのような危険があるか知っていますか。
(
)くわしく知っている
(
)少し知っている
(
)知らない
Q5 あなたは,インターネットを使うことについて大人の人と話し合ったことがありますか。
(
)ある
(
)ない
Q6 あなたは,インターネットを使うルールやマナーを守ることは大切なことだと思いますか。
(
)すごく大切なことだと思う
(
)できるだけ守ればよいと思う
(
)あまり大切なこととは思わない
(
)守る必要はないと思う
<中:プログコンテンツ>
携帯電話やコンピュータでメールをやりとりしたり,ブログに書き込んだりスレッドを立てたり
する時には,すべてインターネットを使っています。
下のアンケートでは,携帯電話やコンピュータで情報のやりとりをする時も「インターネット
を使って」という言葉を使っています。
Q1 あなたは,インターネットを使ってスレッドを立てたりブログに書き込んだりしたことはありま
すか。
(
)ある
(
)ない
Q2 あなたは,たとえ悪口やいやがらせでなくても,インターネットを使ってブログやスレッドに友
人の実名を書き込むことは「いけないことだ」と思いますか。
(
)
「いけないことだ」と思う
(
)
「いけないことだ」とは思わない
(
)わからない
Q3 あるホームページを見ていたら,自分に対する悪口がブログに掲載されていました。
あなたならどうしますか。
(
)ネット上に出てしまったものは仕方がないので,そのままにしておく
(
)悪口に対する反論をブログに投稿する
(
)仲の良い友人に相談する
(
)ブログの管理者に削除を依頼する
(
)家族や学校の先生など大人の人に相談する
(
)わからない
Q4 あなたは,インターネット使ってブログやスレッドを利用したり,書き込んだりする便利さのほ
かにどのような危険があるか知っていますか。
(
)くわしく知っている
(
)少し知っている
(
)知らない
Q5 あなたは,インターネットを使うことについて大人の人と話し合ったことがありますか。
(
)ある
(
)ない
Q6 あなたは,インターネットを使うルールやマナーを守ることは大切なことだと思いますか。
(
)すごく大切なことだと思う
(
)できるだけ守ればよいと思う
(
)あまり大切なこととは思わない
(
)守る必要はないと思う
「
情報モラル指導支援コンテンツ」を使った授業まとめシート
「 情 報 モ ラ ル 指 導 支 援 コ ン テ ン ツ 」 を 使 っ た 授 業 の 様 子 や 改 善 な ど に つい て 以 下
の 観 点で 記録 をして くだ さい。
①
「 情報 モラル 指導 支援コ ン テン ツ 」を 使っ た 授業 の流 れ
②
子 ども 達の反 応の 様子
③
授 業で の工夫 や改 善した ら よか っ た点
①【授 業 の流 れ】「コ ン テ ン ツ 」利 用 は ワク を 実 線 で囲 ん で く ださ い
②【子 ど もの 反応 】
どんな場面
(
) 楽 しい な
(
) 活 発な 発表
(
) シ ーン ・・・
(
) 楽 しい な
(
) 活 発な 発表
(
) シ ーン ・・・
(
) 楽 しい な
(
) 活 発な 発表
(
) シ ーン ・・・
(
) 驚 いた
(
(
(
) じっ くり
)つ まら な い
(
)? ? ?
) 熱心 に 会話
< その 他の 反応>
どんな場面
(
) 驚 いた
(
(
(
) じっ くり
)つ まら な い
(
)? ? ?
) 熱心 に 会話
< その 他の 反応>
どんな場面
< その 他の 反応>
(
) 驚 いた
(
(
(
) じっ くり
) 熱心 に 会話
)つ まら な い
(
)? ? ?
③【授 業 の工 夫や 改善点 】
工夫し た点
(
) 授業 の構 成
(
(
(
工夫 した こ とに よる 効 果
) 発問の 仕 方
(
)効 果 あり
(
) コン テン ツ利用 の方 法
(
)効 果 なし
) 授業 前後 の取り 組み
<そ の他 ・ 具体 的に >
)わ から な い
<そ の 他>
改善 す ると よい 点
*
「 情 報 モ ラ ル 支援 コン テン ツ」 を使 っ た授 業 の後 ,必 要 と 思わ れる , 又 は実 践し て い
く と 良い と思 われる 学習 活動や 取 り組 み のア イデ ア を記 入し て くだ さい 。
「
情報モラル指導支援コンテンツ」を使った授業まとめシート
「情報モラル指 導支援コンテンツ」を使った授業の様子や改善 などについて以下
の観点で記録をしてください。
①
「情報モラル指導支援コンテンツ」を使った授業の流れ
②
子ども達の反応の様子
③
授業での工夫や改善したらよかった点
① 【 授 業 の 流 れ 】「 コ ン テ ン ツ 」 利 用 は ワ ク を 実 線 で 囲 ん で く だ さ い
くすのきネット
コンテンツを終
なぜこのような
携帯電話の安全
の携帯コンテン
えた後の感想を
事が起こったの
な扱い方につい
ツを自由に扱う。
聞く。
かを振り返る。
て話し合う。
②【子どもの反応】
どんな場面
携帯コンテンツで体験してい
(
)楽しいな
る場面
(
)活発な発表
(
) シ ー ン ・・・
(○)驚いた
(
(
(
)じっくり
)つまらない
(
)???
)熱心に会話
<その他の反応>
携帯電話で無料サイトと思って利用すると,こんなに怖いことに出会ってしま
うんだ。
どんな場面
振り返りの場面
(
)楽しいな
(
(○)活発な発表
(
) シ ー ン ・・・
)驚いた
(
(
(
)じっくり
)つまらない
(
)???
)熱心に会話
<その他の反応>
勝手に名前や住所,アドレスを登録してしまうとこんなに大変なことが起こっ
てしまうから,気をつけなければいけない。
どんな場面
携帯の安全な扱い方について
(
)楽しいな
話し合う場面
(
)活発な発表
(
) シ ー ン ・・・
(
)驚いた
(
(○)じっくり
(
)つまらない
(
)???
)熱心に会話
<その他の反応>
こ ん な 危 険 な こ と が あ る か ら , 携 帯 電 話 で Web を 扱 う と き に は , 必 ず お う ち
の人に聞いてから扱うようにする。
③【授業の工夫や改善点】
工夫した点
(
)授業の構成
(
工夫したことによる効果
)発問の仕方
(○)効果あり
(
(○)コンテンツ利用の方法
(
(
<その他・具体的に>
)授業前後の取り組み
<その他>
)わからない
)効果なし
コンテンツを自由に扱わせたことによ
り , 初 め て Web を 扱 う 子 に と っ て 驚 き が
大きくなり,危険性が強く感じられた。
改善するとよい点
実 際 Web を 利 用 し て い る 子 ど も は ,パ ケ ッ ト 料 金 が 定 額 で あ る こ と を 知 っ て い る 。
そのため,高額料金の請求に対してあまり重大なことのように感じていない。そのこ
とについて,他の知らない子に伝えてしまった場合,このコンテンツのねらいが弱く
なってしまう。
*
「情報モラル支援コンテンツ」を使った授業の後,必要と思われる,又は実践してい
くと良いと思われる学習活動や取り組みのアイデアを記入してください。
= 平成20年度 開発中の情報モラルコンテンツ =
※ 開発中のため,画面は変更になることがあります。
最近は,テレビ番組の
企画と偽ったり,良心に
訴えかける内容だったり
と,巧妙なものが多く
なっています。
チェーンメールに関わる
疑似体験を通じて,対処
方法を学びます。
携帯電話を片時も離せず,
届いたメールにすぐ返信で
きないと焦る…そんな中高
生が多く見られるようになり
ました。
夕食時に届いたメールを通
じて,携帯メールの利用に
ついて考えます。
平成20年5月から利用可能となった
「情報モラルクイズ」 を,ジャンル別
に出題できるように準備しています。
また,学校裏サイトについてのコンテ
ンツにも取り組んでいます。
準備が整いましたら,
「くすのきネットなごや通信」
などでお知らせします。
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