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牧石小学校の食に関する指導の取組

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牧石小学校の食に関する指導の取組
牧石小学校の食に関する指導の取組
1
学校教育目標
心豊かに自ら学ぶ児童の育成
かがやく子
~いい顔
2
いい声
いい心~
食に関する指導目標(内容)
①
食 事 の 重 要 性 , 食 事 の 喜 び , 楽 し さ を 理 解 す る 。( 食 事 の 重 要 性 )
②
心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事の摂り方を理解し,自ら管理
し て い く 能 力 を 身 に 付 け る 。( 心 身 の 健 康 )
③
正しい知識・情報に基づいて,食物の品質及び安全性について自ら判断できる力を身
に 付 け る 。( 食 品 を 選 択 す る 能 力 )
食 物 を 大 事 に し , 食 物 の 生 産 等 に か か わ る 人 々 へ 感 謝 の 心 を も つ 。( 感 謝 の 心 )
⑤
食 事 の マ ナ ー や 食 事 を 通 じ た 人 間 形 成 能 力 を 身 に 付 け る 。( 社 会 性 )
⑥
各 地 域 の 産 物 , 食 文 化 や 食 に か か わ る 歴 史 等 を 理 解 し , 尊 敬 す る 心 を も つ 。( 食 文 化 )
3
④
研究主題
食の大切さを知り,
自ら実践しようとする子どもの育成
4
研究主題設定の理由
(1)国・岡山県・岡山市の施策を受けて
食は人間が生きていく上での基本的な営みの一つであり,健康な生活を送るために健全
な食生活は欠かせないものである。しかし,近年の急速な社会環境の変化の中で,子ども
た ち を 取 り 巻 く 食 環 境 は 多 様 化 し ,「 孤 食 ・ 個 食 ・ 子 食 」 の 問 題 や , 不 規 則 な 食 生 活 , 偏
った栄養摂取による肥満や痩身,生活習慣病,朝食未摂取等様々な問題が生じている。こ
のような状況に対して,食に関する正しい知識の獲得と,望ましい食習慣の形成が,国民
的課題となってきた。
こ う し た 中 , 国 に お い て は , 平 成 1 6 年 1 月 に 中 央 教 育 審 議 会 が 「“ 食 に 関 す る 指 導 ”
体制の整備について」を答申,平成17年4月より栄養教諭制度が施行され,学校におけ
る食に関する指導は,学校健康教育の一環として位置付けられた。また,同年7月施行の
「食育基本法」においても,学校が家庭や地域とともに,食育の推進に取り組んでいくこ
とが期待されている。また,平成20年改訂学習指導要領総則にも,食育推進が明記され
るとともに,平成20年に改正された「学校給食法」で,栄養教諭が食に関する指導を行
-1-
うことが規定される等,学校における食育推進のための法整備が進んできた。これらに基
づき,平成19年に「食に関する指導の手引き」が,平成22年には「食に関する指導の
手 引 き ( 第 一 次 改 訂 版 )」 が 文 科 省 よ り 発 行 さ れ た 。
岡 山 県 に お い て は , 平 成 2 0 年 3 月 「 岡 山 県 食 の 安 全 ・ 安 心 推 進 計 画 」, 平 成 1 9 年 3
月「岡山県食育推進計画」が発表され,県民の健康で豊かな食生活の実現を図ってきた。
平成25年,この両計画を統合した「岡山県食の安全・食育推進計画」を策定し,食にか
かわる全ての人が,それぞれの責務や役割を果たし,協働により,食の安全・安心の確保
と食育の推進に取り組むことをめざしている。
岡 山 市 に お い て も , 平 成 2 5 年 3 月 「 岡 山 市 食 育 推 進 計 画 ( 第 2 次 )」 を 策 定 し ,「 岡 山
市 都 市 ビ ジ ョ ン 」 や 「 健 康 市 民 お か や ま 2 1 」「 心 豊 か な 岡 山 っ 子 育 成 プ ラ ン 」「 岡 山 っ 子
育成条例」等との整合性をもった具体的行動指針として食育の推進を行っている。さらに
「岡山市教育振興基本計画平成27年アクションプラン」でも,食育の推進を「健やかな
体でたくましく生きる子どもの育成」の施策の一つに据え,学校における食育の推進を図
っている。
(2)本校の実態から
本校は,豊かな自然環境に恵まれた広い学区を有し,黄ニラ,青ネギ,大根,ニンジン
など農業が盛んな環境にある。児童の中にも,家庭が農業を営んでいる者が少なくなく,
多くの児童が地域の特産物としての農作物に関心をもっている。また,地域の農家の方も
学校教育に非常に協力的で,進んで交流活動を行ったり,ゲストティーチャーを引き受け
たりしてくださっている。
給食でも,地産地消給食など地元の野菜を取り入れる工夫をしており,給食を残さず食
べる児童が多い。残量調査でも,近年は岡山市の平均よりも格段に少ない1%以下が続い
て お り , 給 食 が 好 き な 児 童 が 多 い こ と が 分 か る 。( 図 1 )
児童の家庭環境を見ると,三世代同居の家庭もあれば,共働きの核家族の家庭もあるな
ど様々な状況にある。このような多様な状況により,家庭での食環境も様々である。多く
の家庭が食に対する意識が高く,朝食を食べる児童が年々増えてきている。平成26年度
の朝食調査における毎日朝食摂取率は,90.1%と高水準である。しかし,ほとんど朝
食 を 食 べ て い な い 児 童 も 数 名 い る 。( 図 2 ) ま た , 朝 食 を 一 人 で 食 べ て い る 児 童 は 2 割 近
く お り , 家 庭 へ の 支 援 を 含 め た 一 人 一 人 に 応 じ た 指 導 が 求 め ら れ る 。( 図 3 )
校内研究では,昨年度まで国語科に教科をしぼって「自らの思いや考えをもち,進んで
伝え合い,考えを深めていく授業づくり」をテーマに取り組んできた。今年度は,これま
での成果を他教科にも広げたいと考え,研究を進めている。食に関する指導においては,
教科等の学習内容と6つの食に関する指導目標を連動させつつ,思考力・表現力の育成に
加えて,実践力の育成もめざした授業のあり方を探っていきたい。その際,全教職員が栄
養教諭と連携して指導を充実させ,学習内容と給食活動や家庭での食生活を有機的につな
いでいくことが大切である。
そこで,食に関する指導の推進体制や全体構想を見直し,教職員が互いに学び合う集団
として高まっていくとともに,食事の大切さや喜びを感じ,感謝の気持ちをもって,望ま
し い 食 生 活 を す る 実 践 力 を 児 童 一 人 一 人 に 育 て る こ と を め ざ し て ,「 食 の 大 切 さ を 知 り ,
自ら実践しようとする子どもの育成」を研究主題に設定した。
-2-
(図1)給食残食率
1.40%
1.20%
1.00%
0.80%
0.60%
給食残食率
0.40%
0.20%
0.00%
H24
H24
H25
H25
H26
H26
H27
H27
6月
11月
6月
11月
6月
11月
6月
11月
(図2)1週間朝食摂取回数
7日
H24年度
6日
261
13
9
6
3 2 1
2( 人 )
5日
4日
H25年度
272
11
12
3
3
1 3 1( 人
3日)
2日
H26年度
264
080%
%
82%
84%
86%
88%
13
90%
92%
94%
6
96%
5
98%
1日
4 1( 人 )
0日
100%
(図3)朝食の食事相手(2項目まで選択可)
H24年度
81
156
118
84( 人 )
家族全員
H25年度
83
158
128
89( 人 )
大人
兄弟
一人
H26年度
96
0%
10%
146
20%
30%
40%
128
50%
60%
-3-
70%
89( 人 )
80%
90%
100%
5
研究の視点
(1)推進体制の見直し
学校における食育は,体系的な食に関する指導を,学校教育活動全体の中で計画的,組
織的に行っていくことが必要である。また,学校全体の食育の目標や具体的な取組につい
て,共通理解のもと教職員全体で取り組んでいくことが必要である。そこで,
①食に関する指導全体構想の見直し
②職員研修の充実
に取り組むことにより,教育活動全体を通じて食に関する指導の推進を図っていくことが
できると考えた。
( 2 )《 授 業 》 魅 力 あ る 授 業 づ く り
児童が自らの思いや考えをもち,進んで伝え合い,考えを深めていくためには,意欲を
も っ て 学 習 に 取 り 組 み ,「 課 題 把 握 → 自 力 解 決 → 交 流 → 振 り 返 り 」 の よ う に 明 確 な 学 習 過
程のもと,活動を展開していくことが必要であると考える。また,食に関する指導におい
ては,食に関する正しい知識を身に付け,学習内容を日常生活に生かしていくことが大切
である。そこで,
①意欲が高まる学習課題の設定と導入の工夫
②考えを広げたり深めたりしていく交流活動の工夫
③学びを生活に生かし,実践していくための工夫
を授業づくりの視点として取り組むことにより,思考力・判断力および実践力を育ててい
くことができると考えた。
( 3 )《 環 境 》 食 へ の 関 心 を 高 め , 食 の 大 切 さ に 気 付 く 環 境 づ く り
給食の時間は,学校生活の中でほぼ毎日位置付けられており,この時間における指導を
充実させることが極めて重要である。また,食育を通じて児童の健康状態の改善や学習意
欲の向上等を図るために組織的・計画的に指導を行っていくことが大切である。そこで,
これらの授業を支える取組を食育推進のための環境づくりと捉え,
①給食時間を活用した指導の充実
②児童会活動の充実
③食育を通じた健康状態改善等の推進
に取り組むことにより,食への関心を高め,食の大切さに気付くことができると考えた。
( 4 )《 連 携 》 子 ど も の 育 ち を 支 え る 家 庭 ・ 地 域 ・ 学 校 園 と の 連 携
児童が食についての理解を深め,日常の生活において実践していくためには,学校での
指導と一体になった家庭や地域での取り組みや,学校園・関係機関等との連携が必要であ
る。そこで,
①基本的生活習慣の定着
~早寝早起き朝ごはん~
②給食だより・保健だよりや学校通信による情報発信
③学校園や関係機関との連携
④地域交流の充実と地域の教育力の活用
に取り組むことにより,学校・家庭・地域社会の三者が協働して食育を推進していくこと
ができると考えた。
-4-
6 研究の内容
(1)推進体制の見直し
①
食に関する指導全体構想の見直し
全体計画の作成においては,各学年における年間の指導と各教科等における指導内容
とを系統的・体系的に整理して,毎年見直しを行っている。
これに加えて,本年度,教育基本計画の形式にそろえ,キーワードでシンプルに示し
た全体構想図を作成した。このことにより,教育課程が構造的に整理され,食育の推進
のための取組が明確になった。
平成27年度 岡山市立牧石小学校教育基本計画
平成27年度 食に関する指導全体構想図
岡山っ子
育成条例
岡山っ子育成条例
心豊かに自ら学ぶ児童の育成
市民協働で「自立する岡山っ子」を育てよう!
豊かな人間性
自分を高める
~いい顔
第2次食育推進基本
計画
心豊かに自ら学ぶ児童の育成
岡山県食の安全・食
育推進計画
岡山市食育推進計画
(第2次)
めざす児童像
等
かがやく子
いい声
「かがやく子」
いい心~
食に関する指導目標
食育基本法
~いい顔
いい声
共に生きる
学校教育目標
学校
大好き!
岡山市立牧石小学校
学校教育目標
いい心~
牧石
大好き!
①
②
③
④
⑤
⑥
児童・家庭・
地域の実態
食事の重要性
心身の健康
食品を選択する能力
感謝の心
社会性
食文化
人権教育研究主題
食の大切さを知り,自ら実践しようとする子どもの育成
学校経営の重点
具体的な取り組み
「チーム牧石」としての組織力の強化
○魅力ある授業づくり
授業
①魅力ある授業づくり
・思考力・表現力を育てる授業 ※
・一人一人を大切にした指導
・言語活動の充実
・自然体験、文化体験の充実
授業
~自らの思いや考えをもち,進んで伝え合い,考えを深めていく授業~
○意欲が高まる学習課題の設定と導入の工夫
○考えを広げたり深めたりしていく交流活動の工夫
○学びを生活に生かし,実践していくための工夫
○心身ともに安心できる教育環境の整備
環境
②食への関心を高め,食の大切さに気付く環境づくり
・認め合い励まし合う人間関係づくり ※
・歌、笑顔がいっぱいの学校文化
・集団生活における規範意識
・安全でうるおいのある環境
環境
○給食時間を活用した指導の充実
○児童会活動の充実
○食育を通じた健康状態改善等の推進
○子どもの育ちを支える家庭・地域との連携
・基本的生活習慣、学習習慣の定着 ※
連携
③子どもの育ちを支える家庭・地域・学校園との連携
中学校区共通:あいさつ、時間、掃除
連携
・開かれた学校づくりと情報発信
・保、幼、中、特、関係機関との連携
・地域に元気を届ける取り組みの実施
○基本的生活習慣の定着 ~早寝早起き朝ごはん~
○給食だより・保健だよりや学校通信による情報発信
○学校園や関係機関との連携
○地域交流の充実と地域の教育力の活用
キャリア教育・道徳教育との関連
② 職員研修の充実
食に関する指導担当者研修会に参加した給食主任と栄養教諭が全職員に伝達講習し,学
校全体で共通理解して,食育に取り組んでいる。夏休みに,栄養教諭が「食育」について
の職員研修をし,岡山市の食育の方針などを伝えた。
また,個別相談指導についても職員研修で全教職員に伝達し,同じ方針で取り組めるよ
うにしている。食物アレルギーの個別対応はアレルギー対応委員会が中心となって対応し
ているが,全教職員にも個々の児童の原因食品,対応献立表など細かい情報が共有できる
ように研修会を設けて周知している。さらに,養護教諭の立場から,緊急時の対応方法に
ついての研修をし,校内体制を整えている。
【若手の会の取組】
「若手の会」とは,30代半ばまでの若手職員によって構成される本校独自の自主研修
グ ル ー プ で あ り ,他 職 種 に わ た る 教 職 員 が そ れ ぞ れ の 研 究 テ ー マ を も っ て 取 り 組 ん で い る 。
栄 養 教 諭 は ,「 地 場 産 物 を 活 用 し た 食 育 の 推 進 」 を テ ー マ に 取 り 組 ん で お り , 報 告 会 を
通 じ て ,学 級 担 任 に 給 食 の ね ら い や 取 組 内 容 が 伝 わ り ,他 職 種 と の 連 携 に つ な が っ て い る 。
-5-
( 2 )《 授 業 》 魅 力 あ る 授 業 づ く り
①
意欲が高まる学習課題の設定と導入の工夫
第5学年
社 会 科「 わ た し た ち の 生 活 と 食 料 生 産 」
(重要性・選択・感謝)
自分たちが普段食べている給食の材料の産地を考え,理解する活動を通して「食料品が
どこでどのように作られ,運ばれてきているのか」という単元のめあてをつくることをね
らいとして本授業を行った。
導入場面では,栄養教諭がその日の給食の献立を取り上げ,どのような食材が使われて
いるかを問いかけた。児童にとっては,まさにこれから自分たちが食べる給食であるため
興 味 津 々 で ,「 海 鮮 ラ ー メ ン だ か ら , 魚 介 が
入 っ て る と 思 う 。」「 野 菜 も い ろ い ろ 入 っ て
い る は ず 。」 な ど , 意 欲 的 に 材 料 を 予 想 し た 。
その後担任が「産地」という用語につい
て説明すると,児童が主体となって「材料
の産地がどこなのかを知りたい」という学
習課題を設定し,意欲的に学習を進めるこ
とができた。
ひまわり学級
学級活動
「夏野菜となかよしになろう」
(重要性・健康)
夏野菜の特徴やよさを知り,体の成長や健康のために好き嫌いしないで食べようとする
態度を育てることとねらいとして本授業を行った。
導 入 場 面 で は ,「 ひ ま わ り で 夏 野 菜 を 育 て て い る ね 。 先 週 , 観 察 カ ー ド を か い た ね 。 ど
ん な 野 菜 を 育 て て い る か な 。」 と 問 い か け た 。 児 童 の 観 察 カ ー ド を 提 示 し な が ら , 自 分 た
たちが育てている夏野菜の名称や成長の様子を確認したことで,学習内容を身近に感じる
ことができた。また,野菜の絵カードを黒板に貼って視覚的に捉えることができるように
したことで,さらに野菜への関心を高めることができた。
その後,事前に行った「野菜アンケート」を集計したグラフを提示すると,自分たちが
育てている野菜に,好きな野菜だけでなく嫌
いな野菜もあったことに気付いた。そして,
好きな理由や嫌いな理由を発表し合う中で,
自分の食生活を振り返ることができた。
好 き な 理 由 と し て は 「 お い し い か ら 。」「 栄
養 が あ る か ら 。」 な ど の 発 言 が 出 て き て , 児
童の意識が自然に野菜のよさに向いていき,
「野菜のよいところを見つけよう」という学
習課題にせまることができた。
-6-
②
考えを広げたり深めたりしていく交流活動の工夫
第2学年
生 活 科「 お い し く そ だ て
わたしのやさい」
(重要性・健康・食文化)
2年生では1学期の生活科で,一人一人が野菜のお世話の仕方を学習しながら,野菜作
りをし,収穫した野菜を使って野菜ピザを作り,野菜パーティーを行った。
その中で,友達と協力して野菜を切ったり,トッピングしたりするなど,友達と楽しく
調 理 し な が ら 交 流 す る 経 験 が で き た 。 児 童 は 「 ふ だ ん 食 べ る 野 菜 よ り お い し い 。」「 ○ ○
さんが,きらいなピーマンを食べたよ!」と,野菜に苦手意識がある児童もおいしく野菜
を食べることができた。自分たちが育てた野菜であるとともに,友達と楽しく調理しなが
ら交流して野菜を食べたことで,野菜への抵抗感が少なくなったためと考えられる。パー
テ ィ ー を 終 え た 児 童 は ,「 ま た パ ー テ ィ ー を
や り た い 。」 と , ど の 子 も 次 回 の 交 流 を 楽 し
みにしていた。
2学期には,大根を栽培し,収穫した後に
大根もちや大根葉のみそ汁を作って大根パー
ティーを行った。1年を通して野菜を作る大
変さや収穫の喜び,友達と交流しながら野菜
を食べる楽しさを感じることができた。
第6学年
家 庭 科「 く ふ う し よ う 朝 の 生 活 」
(重要性・健康・選択・感謝・社会性)
家庭にある食材を使って,栄養バランスがよく,簡単な調理法を用いた朝食を考えるこ
とができるとともに,朝食の重要性を理解し,家庭でも朝食を作って食べようという意欲
をもつこととねらいとして,本授業を行った。
おすすめの朝食メニューを話し合う場面では,グループで話し合いをする前に,めあて
に 立 ち 返 る こ と で ,「 栄 養 バ ラ ン ス 」「 簡 単 な 調 理 法 」「 短 時 間 で 準 備 ・ 片 付 け 」 な ど の 朝
食づくりのポイントを意識してメニューを考えることができるようにした。また,それぞ
れが考えたメニューを紹介し合うことで,友達の考えを知ることができるようにした。さ
らにホワイトボードを活用して,絵カードを貼ったり,簡単な盛り付け図を描いたりする
ことで,活発に話し合いを進めることができた。
その後の,全体での話し合いでは,話し合
いで使ったホワイトボードを黒板に貼り,各
グループのメニューを視覚的にとらえること
ができるようにした。話し合いの中で児童は,
共通点を見つけて朝食づくりのポイントへの
理解を深めたり,友達が考えたメニューを自
分も作ってみたいという思いをもったりする
ことができた。
-7-
③
学びを生活に生かし,実践していくための工夫
第1学年
学 級 活 動「 牛 乳 の ひ み つ 」
(健康)
牛乳には,自分の体に必要なカルシウムが多く含まれていることを知り,牛乳を進んで
飲むことができるようになることをねらいとして本授業を行った。
児童が栄養教諭の話を聞いて牛乳の栄養について知る段階では,骨のイラスト「カルち
ゃん」や全身骨格図,骨のレントゲン写真,カルシウム模型などを見せることで,児童が
自分たちの骨の成長のためにはカルシウムが必要であることを知り,牛乳をしっかり飲も
うという意識になった。
本 授 業 の 翌 日 か ら ,給 食 時 間 に 牛 乳 を 進 ん で 飲 ん で い る か 振 り 返 る こ と が で き る よ う に ,
「カルちゃんがんばりカード」を使用している。クラス全員が牛乳を飲んだ日は,骨のイ
ラ ス ト 「 カ ル ち ゃ ん 」 に 1 個 , 色 を つ け る こ と が で き る 。「 カ ル ち ゃ ん , 飲 ん だ よ 。」 と
言いながら牛乳瓶を片付けている児童の姿から,
1年生なりにカルシウムをしっかりとろうとい
う意識になっていると感じている。
また,本授業は9月
の暑い時期に行った
が,約2か月たった現
在,気温が低くなって
も牛乳を進んで飲もう
とする姿が見られる。
第6学年
体 育 ( 保 健 領 域 )「 病 気 の 予 防 」
(健康)
生活習慣病には,食生活や睡眠,ストレスなど様々な生活習慣が関係する。その中で本
時では,食生活について取り上げ,塩分を中心に授業を展開し。糖分や脂肪分も健康に影
響するが,塩分にスポットをあてたことで,児童にとって視覚的にとらえやすく,普段の
食事や給食と関連して考えることができた。
しかし,それぞれの食べ物やおやつの栄養成分表示のどこを見ればそれに含まれる塩分
量がわかるのか知らない児童が多い。そこで,授業の中でナトリウムが塩分のことを示し
ていることを伝えた。本時では,一日に必要な塩分量を9gとし,おやつで食べてよい塩
分量を0.3gに設定した。実際に自分たちが家庭で食べたおやつを持ちより,どれくら
いのおやつが食べられるのか,自分たちで栄養成分表示を調べる体験的な活動を取り入れ
た。この活動を通して,児童が実生活の中でも栄養成分表示を見ておやつを買おうとした
り,おやつを食べる時に塩分量に気をつけて食べようとしたりするなど,学びを生活に生
かしていけると考えた。
授業中,子どもたちはおやつの中に含まれてい
る 塩 分 量 の 多 さ に 驚 き ,「 修 学 旅 行 の 前 に 知 っ て
い た ら も う 少 し 気 を 付 け た の に 。」 や 「 明 日 の 陸
上記録会のおやつは塩分に気を付けて買い物をし
よ う 。」 と い う 発 言 が 出 る な ど , 塩 分 に 気 を 付 け
ようという意識が芽生えた。
-8-
( 3 )《 環 境 》 食 へ の 関 心 を 高 め , 食 の 大 切 さ に 気 付 く 環 境 づ く り
①給食時間を活用した指導の充実
(ア)年間計画に基づく指導
系統的な食に関する指導を目指して,教科領域等の学習内容と関連付けた「給食時
間における食に関する指導の年間計画」を立て,学級担任と栄養教諭が協力して指導
を行っている。
4月には「給食時間の活動について」をもとに,学級担任が給食時間のきまりを指
導している。また,配膳の際には,児童の実態に合わせて量を調節したり,牛乳を瓶
で飲むことが苦手な児童にストローを使って飲ませるなどの工夫をしたりすることで,
食べることができた達成感を味わうことができるようにしている。
学期に1回ずつ栄養教諭が各クラスを訪問して行う指導では,食に関する指導と関
連のある教科・学級活動で学習することに関連付けることで,学びを深め,よりよい
食生活習慣の定着ができるようにしている。栄養教諭
が指導内容に応じて,その日の食材や献立構成,行事
食や外国の料理などを生きた教材として用いながら,
紙芝居やイラストなどの具体物を示して専門的な立場
で食に関する指導を行うことで,児童自身の健康や食
への興味関心,食べることへの意欲を高めている。
(イ)巡回指導
年間指導計画に記載していない日でも,地場産物を活用した献立の日には,栄養教
諭がクラスを巡回して食べている様子を見るようにしている。意欲的に食べているこ
とをほめたり,食べ渋っている子どもを励ますなど,声をかけるようにしている。年
間計画にもとづいた食に関する指導を実施した後には,その様子から効果の検証をす
るなど,次回への指導に生かせるようにしている。
(ウ)食経験の充実
児童の食の経験を豊かにすることを目指して,旬の食
材,地場産物,行事食,和食,世界の料理,カミカミ献
立など,年間計画を立てて給食の献立を工夫している。
特に地域の特色ある地場産物を利用するときには,い
ろいろなおいしい食べ方があることに気付かせたいと考
え実践している。具体的には,キャロットシチューにハートや星型などにかたどった
人参のカットを入れて,切り方を工夫することで見た目や食感に変化がつけられるこ
とを伝えたり,加熱したら甘くなるというだいこんの特性を活かして「みぞれ汁」や
「魚のみぞれだれかけ」にしたりするなどの工夫をしている。
昨今,カット済み野菜や骨なしの魚など,簡単に手早く食べやすい形態の食品が多
く流通する食環境の中,箸を上手につかって骨をきれいにとる経験が不足している児
童が増えている。そこで,毎年秋には,さんまのしょうが煮や塩焼きを献立に取り入
れるようにしている。骨をとるのに慣れていない低学年には,骨をとりやすいしっぽ
の部分が行きわたるように配分するなどの配慮をし,上学年になるにつれ,骨の多い
-9-
おなかの部分をきれいに食べられるように指導したいと考えている。
また,本校には,2台の自動炊飯器があるので,クラスごとに順番を決めて,自校
炊飯をしている。炊き立てのごはんは,あたたかくてふっくらしているので,みんな
喜んで食べている。
さらに,セレクト給食やリクエスト給食,卒業をお祝いするバイキング給食を行っ
て,自分の好みや健康を考えて食を選択する機会をつくり,食を楽しむ活動も継続し
て実施している。
【牧石小学校オリジナル地場産献立の例】
黄ニラばらずし
マーボーだいこん
だいこん葉ふりかけ
(エ)ランチルームの利用
クラスごとに順番を決めて,ランチルームを利用している。ランチルームには,壁
面飾りやテーブル,いすなど,食事を楽しめる環境が整っている。さらに,ランチル
ームを利用するときは,ランチルーム専用の強化磁器食器やピンクのお盆を使用する
ことができる。ランチルームで食べる日を楽しみにしている児童がたくさんいる。
(オ)安全・衛生指導
準備や給食時間の過ごし方,返却の仕方については,統一のきまりに従って,共通
理解のもと同じ方針で指導している。例えば,マスクは鼻と口を覆うように指導して
いる。マスクを忘れた児童には,使い捨てマスクを貸し出し,衛生面上守るべきこと
としてマスク着用を徹底している。マスクを貸し出した児童には,新しいものを学校
へ戻すことを伝える手紙を渡し,家庭に協力を求めている。
安全面での配慮が必要な所や児童が間違いやすい所には,掲示物やポスターで全児
童にわかりやすく伝えている。また,安全確保のため,運搬,返却時には学級担任が
付き添い,事故などが起きないように配慮している。さらに,準備や片付けのときに
安 全 面 で の 配 慮 の 必 要 な と こ ろ は ,栄 養 教 諭 ・ 調 理 員 ・ 担 任 が 連 携 し て 支 援 し て い る 。
例えば,牛乳冷蔵庫の扉の開閉をしたり,食器やお盆かごを取り出したりするのは,
教職員が行っている。片付けの時には,両手がふさがっている児童の食缶の蓋をとる
支や返却カウンターに次々と戻ってくる食器を適切に采配するなどしている。
牛乳冷蔵庫の開閉は
分類して返す場所の表示
「危険」の表示
- 10 -
(カ)心の交流
その日の給食の感想をやりとりして,栄養教諭・調理員は児童と交流している。各
ク ラ ス の 空 っ ぽ に な っ た 食 缶 を 見 て ,「 よ く 食 べ た ね 」, 残 っ た と き に は ,「 ど う し た
の ? 」「 苦 手 な の ? 」な ど の 声 か け に ,児 童 か ら「 お い し か っ た よ 」「 ま た 食 べ た い な 」
「 時 間 が か か っ た け ど が ん ば っ た よ 」「 調 子 が 悪 く て 」 な ど 素 直 な 声 が 返 っ て く る 。
残食量調査の期間には,返し方の決まりを各クラスに配布している。実施後に,裏
面 な ど の 空 い た ス ペ ー ス に ,「 い つ も お い し い 給 食 を つ く っ て く れ て あ り が と う 」「 今
度○○をメニューに入れてください」などのメッセージや,イラストを添えて届けて
くれることもある。給食週間には,児童が普段から抱いている感謝の思いを手紙に書
い て 調 理 員 に 届 け て い る 。 調 理 員 か ら は ,「 た く さ ん た べ て く れ て あ り が と う 」 な ど
の気持ちを模造紙に寄せ書きして校内に掲示
したり,返事の手紙を返すなどして,心の交
流をしている。こうした積み重ねを通して,
「自分たちのために,一生懸命つくってくれ
ているんだ」という気持ちが子どもたちに芽
生え,感謝の気持ちが培われている。毎年実
施している残食量調査で1%以下が続いてい
るというのも,児童が感謝の気持ちで食べて
いることの結果だと考えられる。
②児童会活動の充実
(ア)年間計画に基づいた日常の取組
○常時活動
給食委員会の児童は,給食の準備や片付けの際,順番で立ち当番を行っている。給
食を運搬する時間には給食室近くの廊下に立ち,給食当番の服装,マスクの付け方,
廊下歩行などに気を付けるように見守ったり,声をかけたりしている。返却時には,
「 食 缶 を 種 類 別 に 置 く 」「 ご 飯 の し ゃ も じ を 容 器 か ら 出 す 」「 牛 乳 ビ ン を 安 全 に ケ ー ス
に入れる」などが,きちんとできるように役割を分担して返却の手助けをしている。
○給食ポスター
立ち当番の常時活動を通して見つけた課題の改善に
向けて,給食ポスターを作成し,気を付けてほしいこ
とを校内テレビ放送で全校に呼びかけた。
○マスクパズル
給食委員会が作成したパズルを各クラスに配布し,
クラス全員の児童がマスクを身に付けた日には,1
ピースずつ台紙に貼っていく。全ピース貼れたクラ
スには賞状を渡して賞賛し,マスク忘れをなくす取
り組みを行っている。残食量が増える時期には,完食
パズルをしたこともある。
児童が作成した「給食ポスター」
(上)と「マスクパズル」(下)
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(イ)給食週間の取組
○ベジタブル体操
野菜嫌いをなくし,野菜に親しみ,進んで野菜を食べてもらおうというねらいを込
めて給食委員会が数年前にベジタブル体操を作成した。そして,全校に呼びかけて,
昼休みになかよしルームに集まり,音楽に合わせて楽しく踊っている。その際,給食
委 員 会 の 児 童 は , い ろ い ろ な 野 菜 マ ン に 扮 装 し て 踊 っ て い る 。「 野 菜 」 を 連 発 す る 歌
詞や軽快なリズムが人気で,給食週間の伝統的な活動として続いている。
○リクエスト給食
給食委員会が3つのメニューを考えてアンケートを実施し,希望数の多いメニュー
を給食に出している。
○給食調理員へのお礼のお手紙
全校児童が日頃の感謝の気持ちを手紙に書いたものを,給食委員会の児童が取りま
とめ,給食調理員へ届けている。その贈呈式の様子をビデオに収録し,校内テレビ放
送を行っている。
○給食紙芝居
校内テレビ放送を利用して,給食に関する紙芝居を行っている。今年度は,日本の
歴史を学んだ6年生を中心に給食についての歴史に関心を抱いたので,給食の歩みに
ついてまとめた紙芝居を作成している。
(ウ)招待給食での取組
本校では,学区の農家の方々を招いて招待給食を行っている。その際,給食委員会
では,校内テレビ放送で,農家の方々にインタビューをしている。インタビュー内容
を考える段階で野菜に対する興味関心が高まり,意欲的にインタビューをすることが
できている。放送を聞いた全校児童は,野菜を作る苦労や工夫,思い,野菜の栄養や
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おいしい食べ方などについて知ることができ,野菜を残さず食べようとする気持ちに
つながっている。
また,今年度は地域振興の一貫事業の初の試みとして,地元サッカーチーム「ファ
ジアーノ岡山」の選手が牧石学区特産の黄ニラを使用した給食を食べに来られた。校
内テレビ放送で,給食委員会が選手に食に関するインタビューを行った。憧れの選手
の言葉は児童の心に響き,食に対する関心が高まり,実践してみようという気持ちを
もつことができた。
また,給食委員会の児童が「黄ニラ豆知識」としてプリントにまとめたものを選手
にプレゼントしたり,お礼の手紙を書いて選手に届けたりしたことで,心のふれあい
を感じることができた。委員会の児童は,給食委員会が中心となって活動したこの体
験を誇りに思い,給食委員会としての自覚とやる気を高めることができた。
③食育を通じた健康状態改善等の推進
児童の心身の健康な成長発達を目的として,保健・食育・体育・安全・心(教育相談)
の 各 担 当 者 で , 健 康 教 育 部 会 を 組 織 し て い る 。「 自 分 の 生 活 を 見 つ め , 自 ら 進 ん で 健 康 な
体と心をつくろうとする子どもの育成をめざして」という全体目標に基づき,分野ごとに
目標と年間計画を立てて連携し,児童の生活習慣の改善に取り組んでいる。
保健と食育との連携項目としては,
「かむことの大切さ」
「熱中症予防」
「かぜの予防」
「朝
ご は ん 」等 を 挙 げ て お り ,具 体 的 に は ,保 健 だ よ り 等 お た よ り へ の 掲 載 内 容 を 相 談 し た り ,
給食時に行っている校内放送で,一緒に指導を行ったりしている。このように,栄養教諭
と養護教諭が連携して,児童の健康状態の改善や増進に向けて取り組んでいる。
身体測定の時間を利用したミニ指導
目の健康をテーマにしたテレビ放送
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( 4 )《 連 携 》 子 ど も の 育 ち を 支 え る 家 庭 ・ 地 域 ・ 学 校 園 と の 連 携
①
基本的生活習慣の定着~早寝早起き朝ご飯~
平成27年度は,子どもの生活リズムの習慣化や継続化
お よ び ,家 庭 で の 望 ま し い 学 習 習 慣 の 定 着 を め ざ し て ,「 牧
石 チ ャ レ ン ジ カ ー ド 」を 各 学 期 ご と に 1 週 間 実 施 し て い る 。
さらに,夏休み明けの身体測定時には,基本的生活習慣に
関する具体的な知識を得ることと,チャレンジカードへの
意欲付けを目的として,生活習慣に関する保健指導を行っ
ている。
牧石チャレンジカード
②
給食だより・保健だより等による情報発信
保 健 だ よ り で は ,「 牧 石 チ ャ レ ン ジ カ ー ド 」 の 実 施 後 に , 児 童 と そ の 保 護 者 か ら 返 っ て
き た 感 想 を 掲 載 し , 取 組 の 成 果 を 公 表 し て い る 。「 今 後 も が ん ば っ て い き た い 」 と い う 児
童の感想から,意欲が高まっている様子がみられた。また,保護者の感想としては,家庭
内での生活を見直そうとする前向きな意見が見られた。
給食だよりでは,食に関する指導の月目標に沿った内容,タイムリーな食の話題,給
平成27年11月
岡山市立牧石小学校
●お家の方と一緒に見てください。
食のお知らせ,レシピなどを掲載し,
家庭での食育を推進していくための情報
を発信し,家庭との連携を図っている。
食事をするときに、何回くらい噛んで食べているか意識することはありますか?1口につき30回ずつ噛む
ことが健康によいとされています。
歯をいつまでも健康に保つためには、バランスのよい食事をよく噛んで食べるなど、食生活で気をつける
ことも大切です。子どもの頃からよく噛んで食べる習慣を身につけられるといいですね。
生産者の人々
保健だよりとも関連づけて,食と健康の
かかわりを分かりやすく伝えている。例
えば,よく噛む習慣を身に付けるための
麦飯/納豆
カブの味噌汁
鯛の焼き物
ハマグリの塩蒸し
噛んだ回数 1465回
食事時間 22分
食べ方,食品の選び方,調理方法や,熱
中症予防の水分の取り方などである。
コッペパン
コーンスープ
ミックスグリル
オレンジジュース
日本人の噛む回数は、時代がすすむ
につれて大幅に減少してきています。
理由としては、食事内容にかたい食べ
物が減り、やわらかい食べ物が多くなっ
たこと、食事にかける時間が短くなったこ
となどが考えられます。
一口で噛む回数は30回、1回の食事
で噛む回数は1500回が理想とされてい
ます。
流通にかかわる人々
食事が私たちのもとに届くまでには、たくさんの人々がかかわっています。
その苦労や思いについて考え、感謝して食べましょう。
噛んだ回数 620回
食事時間 11分
食べ物を食べると口の中は酸性に傾いて、むし歯がつくられやすい状
態になります。だ液は、口の中に残っている食べかすな どを落としたり、
口の中を酸性からもとの状態にもどしたりする役割をもっているので、む
し歯予防に役立ちます。
だ液の量は、かむ回数に比例して多く出ます。また、水分を多量にとり
ながらの「流し食べ」や「早食い」、一口に入れる量が多い食べ方をすると、
だ液の出る量が少なくなるので注意しましょう。
食品の加工に関わる人々
健康を考える人々
料理をつくる人々
6月の残食量調査に続き、2回目の調査をします。
この調査の結果は、来月号でお伝えします。
無駄なくつぎわけ、残さず食べるようにしましょう。
噛む力を育てるためには、噛みごたえのある食品
を選んで食べることも大切です。固いものや食物繊
維の多いものなどの食品を選んだり、切り方、加熱
方法、水分量なども工夫したりしましょう。
たとえば、水分の多い煮物やあんかけは、噛みご
たえが小さくなります。きり方は、大きく切るほうが
小さく切ったものよりも噛みごたえがよくなります。
11月15日は、牧石小学校の開校記念日です。翌日16日の給食は、牧石学区で栽培されてい
る大根・葉ねぎ・にんじん・黄にらを使って、地産地消給食をします。献立は、ごはん・牛乳・さわら
のねぎみそかけ・黄にら入りみぞれ汁・きびだんごです。生産者の方々をお招きし、給食時の放送
や会食も予定しています。お楽しみに!
平成 27 年 11 月号給食だより
③
学校園や関連機関との連携
(ア)スクールランチセミナー
岡北中学校区の栄養教諭・学校栄養職員が講師になり,毎年夏休みに親子料理教室
を実施している。旬の食材を利用したメニューを親子や兄弟姉妹,初めて出会った他
校の子どもたち同士で交流を楽しみながら作った。
協力しながらおいしい料理を作り上げたことで,
達成感を味わい,互いの絆を深めて好評のうちに
終わった。中学校区の栄養教諭・学校栄養職員同
士が協力して実施するスクールランチセミナーは,
地域の食育を一緒に推進していくための場となっ
ている。
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④
地域交流の充実や地域の教育力の活用
(ア)社会科
総合的な学習(3年)
黄ニラ農家との交流
学区の特産物である黄ニラ農家を見学し,おいしい牧石の黄ニラを作る工夫を学習
した。また,黄ニラ大使さんからは,牧石の黄ニラを広める工夫も教えてもらうこと
ができた。
ネギ農家との交流
ネギ農家を見学し,土づくりや出荷の苦労を聞き,道具や農具の使い方を見せても
らい,おいしい牧石ネギを育てる工夫を学習した。
(イ)給
食
例 年 , 5 月 ・ 6 月 ・ 11 月 ・ 1 月 に , に ん じ ん , だ い こ ん , ね ぎ , 黄 ニ ラ の 生 産 者 を
招いて給食を一緒に食べている。この日の給食の献立には,地場産物を使用し,調理
法を変えながらいろいろな食べ方が経験できるように工夫している。児童は,校内テ
レビ放送で生産者の方々の話を聞いたり,教室で一緒に楽しく食べたりすることで,
作るうえでの苦労や工夫,思いなどを知り,食材をより身近に感じ,野菜を残さず食
べようとする気持ちにつながっている。こうした交流を通して,地域に誇りがもてた
り,豊かな社会性が育まれたりするよい機会になっている。
平成26年11月17日(月)の招待給食の様子
【メニュー】ごはん,牛乳,さわらのねぎみそかけ,牧石みぞれ汁,きびだんご
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