...

静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013における津波対策

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013における津波対策
【2 社会減対策】
(5)安全・安心な地域づくり
静岡県地震・津波対策アクションプログラム2013における津波対策(ハード整備)
(交通基盤部)
1
要旨
県は、平成 25 年 6 月に公表した「第4次地震被害想定」において、推計した地震・津波に
よる被害を可能な限り軽減するため、具体的な取組(アクションとその行動目標)を「地震・
津波対策アクションプログラム 2013」に位置付け、全県的に津波対策を進めていくこととして
いる。
2
現状・課題
アクションプログラムのうち、県が管理する河川及び海岸に関するアクション及び目標は以
下のとおりであり、計画期間は平成 25 年度~34 年度までの 10 年間。
アクション名
目標指標
レベル1津波に対する津
レベル1津波に対する津波対策施設
波対策施設(海岸)の整備
(106.2km)の整備率
レベル1津波に対する津
レベル1津波に対する整備が必要な
波対策施設(河川)の整備
河川(66 河川)の整備率
海岸堤防の耐震化
河川堤防の耐震化
耐震化が必要な海岸堤防(114.1km)
の整備率
耐震化が必要な河川堤防(6河川)の
整備率
海岸堤防の粘り強い構造
粘り強い構造への改良が必要な海岸
への改良
堤防(160.0km)の整備率
河川堤防の粘り強い構造
粘り強い構造への改良が必要な河川
への改良
堤防(30 河川)の整備率
数値目標
達成時期
65%
H34 年度末
60%
H34 年度末
60%
H34 年度末
65%
H34 年度末
50%
H34 年度末
35%
H34 年度末
現在実施中の対策については、早期完了を目指して引き続き事業を進める。
また、新たに津波対策を実施する箇所については、地域の文化・歴史・風土及び暮らしに根
ざしたものとする必要があることから、地域の意見を取り入れながら、市町との協働により、
自然との共生及び環境との調和が両立した施設整備を進める。
3
平成 27 年度の事業内容
平成 25 年度には、緊急河川、港湾、漁港調査事業費等により、新たに整備を実施する箇所
の測量、地質調査、施設の耐震・耐津波性能の調査などの必要な調査や概略設計を行った。
平成 26 年度からは、施設高の確保や粘り強い構造への改良、液状化対策などの質的強化等
の対策を計画期間の 10 年間で完了できるよう、設計、調査及び整備に着手しており、平成
27 年度までに対策が必要な 107 箇所のうち、約 5 割に当たる 51 箇所において対策に着手す
る予定。
- 17 -
静岡モデルの推進
(交通基盤部)
1
要旨
静岡県における津波対策は、レベル1の津波に対しては施設整備によるハード対策、レベル
2(最大クラス)の津波に対してはハード対策とソフト対策を組み合わせた「多重防御」によ
り、できる限り被害を最小化することを目指して津波対策を進めている。
レベル2の津波に対する施設整備としては、津波が堤防を乗り越えた場合でも粘り強く効果
を発揮する構造への改良に加え、津波の到達時間が短く、多くの人口・資産が集中する低平地
において広範囲に甚大な被害が想定されるという本県の特性を踏まえ、既存の防災林、砂丘、
道路等の嵩上げ・補強等による「静岡モデル」の整備を推進し、浸水深の減少や避難時間の確
保を期待することで、安全度の向上を図るものである。
2
現状・課題
静岡モデルについては、地域の実情にあった整備手法の検討が必要であることから、津波被
害が想定される沿岸21市町において検討会を設置し、津波防災に対する考え方や施設整備を
行うための手法(事業主体、財源)などについて検討を行っており、条件が整ったところから
整備に着手している。
3
平成 27 年度の事業内容
引き続き検討会を開催し、関係市町と津波防災の方針決定や課題の解決、整備手法の確立な
どを着実に進め、条件が整ったところから、速やかに整備に着手する。
- 18 -
自然を活かす“森の防潮堤”づくり
(交通基盤部)
1
要旨
潜在自然植生、先人の知恵、地域の人々という地域の場の力を活用した“ふじのくに森の防
潮堤”づくり(ふじのくにモデル)を推進する。
2
目指す姿
・海岸線から後背地まで、地域の自然と生活環境に調和し、かつ、防災機能の高い植生が存
在している。
・静岡モデルの防潮堤などと一体となり、多重防御の一翼を担いつつ、県民に親しまれる憩
いの場となっている。
・そこには、自然に対する畏敬の念を抱きつつ、自ら参加して森を育て、森と共生する文化
が育っている。
3
実現方法(“ふじのくに森の防潮堤”づくりの考え方、地域の場の力を最大限引き出す)
① 砂浜から後背地までを面的に捉え、地域住民の生活、土地利用等と調和した植生分布を
設計する。
② 先人の知恵を活かしながら、その地域の事情に応じた静岡モデルの防潮堤づくりの一翼
を担う。
③ 宮脇昭氏の提唱する「潜在自然植生による森づくり」の考え方を基本に据え、自然の力
を活かしながら、防災機能の高い樹種をできる限り短期間かつ安価に育てる。
④ 防風や憩いの場の提供などの森林の機能の発揮や景観資源の保全に配慮する。
⑤ 地域の住民や子供たちなど全県民の参加による植栽及び管理を目指す。
「潜 在 自 然 植 生」・・・静岡県の潜在自然植生(1987)、静岡県の生態立地図(1984)による。
「森 林 の 機 能」・・・強風や津波の勢いを弱める。憩いの場や学びの場の提供など。
「景
観
資
源」・・・地域住民によって維持され、親しまれてきた文化的景観。
(注)・海岸線近くで塩害や風による砂の移動が激しい砂地については、植
生としてトベラ、シャリンバイやクロマツなどが適している。
・防潮堤の背後地は、自然の遷移により照葉樹(潜在自然植生)の森となってきている。
- 19 -
- 20 -
Fly UP