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特集1 復活期すJALカーゴ

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特集1 復活期すJALカーゴ
復活期す JAL カーゴ
特集 1
特集 1
表 1 日本航空インターナショナルの貨物便運航ルート一覧(2008 年夏季スケジュール)
復活期すJALカーゴ
大型機、B747-400F に統一
JALカーゴの今年度のフリート計画の
北
米
線
ポイントは①大型貨物機をすべて B747400F に統一する②中型貨物機は B767-
“こだわりの品質”で付加価値を提供
燃費よい機材に統一、関連会社も統合
300F 型 3 機を中国・東南アジア路線で機
動的に配置する―の2点だ。大型貨物
欧
州
線
機では、残っていた在来型の B747-200F
型 4 機は今年度中にすべて退役させ、売
却する。B747-400F 型 8 機で直行化による
機材稼働率、燃費効率の向上を推進して
いる。中型貨物機は昨年導入した B767300F 型 3 機を需要に応じてアジア域内で
中
国
線
柔軟に配置し、需要増に対応している。ま
た、省燃費については機材更新のほか、
機体ペイントの見直しやコンテナの軽量化
に取り組んで、成果を出している。
前年度からのフレーター路線便数の見
直しは、主にアジア路線で実施した。中
国線では、従来1地点で折り返していた天
津、大連行き端未便をコ・ターミナル化し、
週2便あった中部→天津→関西線は休止。
青島線は成田∼青島折り返しを1便増便
して週2便とする一方、関西→青島→成田
線を週2便から1便にした。このほか成田
そ
の
他
の
ア
ジ
ア
線
ルート
機 種
週間便数
運航曜日
成田→アンカレジ→シカゴ→アンカレジ→成田
B747-400F
4
火∼金
成田→アンカレジ→ニューヨーク→アンカレジ→成田
B747-400F
6
火∼日
成田→シカゴ→アンカレジ→成田
B747-400F
1
日
成田→シカゴ→ニューヨーク→アンカレジ→成田
B747-400F
1
月
成田→ロサンゼルス→成田
B747-400F
7
火∼土=1便、日=2便
関西→アンカレジ→シカゴ
B747F
1
金(ノースウエスト機材)
成田→アムステルダム→ロンドン→成田
B747-400F
2
火・木
成田→アンカレジ→アムステルダム→フランクフルト→成田
B747-400F
1
金
成田→アンカレジ→フランクフルト→成田
B747-400F
3
火・木・土
成田→アンカレジ→ロンドン→アムステルダム→成田
B747-400F
1
土
成田→パリ→成田
B747-400F
4
水・木・土・日(エールフランス機材)
成田→アマルティ→フランクフルト→アマルティ→成田
MD11F
3
月・水・金(ルフトハンザ機材)
関西→アマルティ→フランクフルト→イエーテボリ→アスタナ→関西
MD11F
3
火・木・土(ルフトハンザ機材)
成田→関西→上海→関西
B767F
5
火∼金
成田→上海→成田
B747-400F
6
木・金=1便、火・土=2便
成田→広州→成田
B767F
1
日
成田→青島→成田
B767F
2
木・金
関西→青島→成田
B767F
1
木
関西→大連→関西
B767F
1
木
成田→天津→大連→成田
B767F
1
金
成田→天津→大連→関西
B767F
1
水
関西→天津→大連→成田
B767F
1
日
成田→上海
MD11F
1
水(中国貨運航空機材)
成田→香港→成田
B747-400F
5
水∼日
成田→香港→中部
B747-400F
1
火
関西→香港→成田
B767F
4
火∼金
成田→ソウル→関西
B747-400F
1
火
関西→台北→関西
B767F
2
火・金
成田→台北→成田
B747-400F
5
火∼木・土・日
成田→クアラルンプール→ジャカルタ→成田
B767F
2
木・土
成田→クアラルンプール→マニラ→関西
B767F
1
火
成田→シンガポール→バンコク→中部
B747-400F
3
火・水・木
成田→シンガポール→バンコク→成田
B767F
2
月・金
成田→バンコク→マニラ→成田
B767F
1
土
関西→バンコク→ホーチミン→関西
B767F
2
水・土
成田→シンガポール→成田
B747-400F
1
木(シンガポール航空機材)
関西→シンガポール
B747-400F
1
金(シンガポール航空機材)
合計週 94 便 (自社便=74 便、うち B747-400F =47 便、B767F=27 便)
日本航空インターナショナル貨物郵便本部(JALカーゴ)は、燃料油高騰や航空貨物の減退など環境が悪化
する中で、今年度内に燃費のよくない B747-200 型フレーター 4 機全機を退役させ、大型機は B747-400F に
統一して燃費効率を向上させるほか、中型機は B767-300F で機能性を駆使してマーケットに対応していく。
また、サービスの原点に立ち返って「こだわりの品質」を掲げ、基本的なサービス品質の向上に加え、
「J
PRODUCTS」などで付加価値サービスを提供、
「JALCARGO」ブランドのステータスをさらに高めていく。関
連会社を統合し、業務重複を避けるなどムダの排除も徹底、厳しい環境の中でサバイバル競争に打ち勝つべ
く諸施策を推進する。復活を期すJALカーゴにスポットを当てる。
10
CARGO AUGUST 2008
(稲垣 健、葉山明彦、山本佳典)
CARGO AUGUST 2008
11
復活期す JAL カーゴ
∼広州線は機材を B747Fから B767Fに
る。
機材変更した。台湾線は日本アジア航空
基本サービスの品質向上としては、貨物
(JAA)の路線を引き継ぎ、関西∼台北を
の品質管理体制の強化や、JALカーゴ 50
B767Fで週2便新設。これに伴い、JAA
年の歴史の中で培ってきた貨物取り扱い、
が行っていた成田→関西→台北→成田
運送などのノウハウを伝承し、安全・確
(週1便)
を取りやめるとともに、成田∼台
実・迅速なサービスを提供していく。こう
Interview
日本航空インターナショナル・平田 邦夫取 締役貨物 郵 便 本 部 長
2010 年に向け利益出るビジネスモデル構築
こだわりの品質、高付加価値サービス提供
北折り返し便を1便増便して週5便とした。
した空港現場の技術を社内的にも評価し
欧米線では特にフレーターの変更はな
ようと、ノウハウの蓄積や関係者の提言お
かったが、昨年までに欧州線の旅客便は
よびアドバイスを行う
「アドバイザリーマイ
ミラノ線を除きB747 からすべて B777 に切
スター」、そのアドバイスを受けて必要な
月に上海に技術者を送るなど、品質の管
り替えて、燃費効率の向上と貨物スペー
作業指示などを行い、後進にノウハウを伝
理・向上に取り組みを始めた。JAL担当
スの供給増を図った。今年は8月からニ
承する「積み付けマイスター」
といった認定
の空港上屋スタッフを固定してもらい、チ
ューヨーク線、9月からサンフランシスコ線
制度を設けた。現在、成田空港でそのプ
ームQUE が指導する。この結果、上海で
いろいろな工夫を積み重ねている。他社がまねできないノウハウ、高付加価値サービスをし
を順次、B777 に切り替えた。来年はシカ
ログラムを実施しており、関西空港と中部
はイレギュラー件数がそれ以前の 10 分の
っかりアピールしていく」と強調する。平田取締役は次のように語った。
ゴ、ロサンゼルス線も入れ替え、同様に供
空港でも導入していく。
1 に減った。教材には中国語版DVDを使
給スペースを増やす。
「基本品質向上」で勝負
特集 1
日本航空インターナショナルの平田邦夫取締役貨物郵便本部長は「2010 年の成田北伸、羽
田第4滑走路供用までに、貨物事業を利益を出すことができるビジネスモデルに再構築する
ことが使命」と話す。羽田再拡張・国際化については「今年秋までにも大枠を、09 年度に入っ
て具体的な路線、便数を検討する」と説明。羽田国際線貨物地区では、東京国際エアカーゴ
ターミナル(T
IACT)の輸出入共同上屋を活用する方向で調整している。また、貨物事業拡充
のために輸送にかかわる「品質」を特に重視。
「JALカーゴ 50 年の歴史のなかで、輸送方法に
こうした基本品質の重視は、国内のみ
うなど現地スタッフに分かりやすく指導を
u 今年4月に西松遙社長から与えられたミッ
い。ただ言えることは、楽観的想定はできない
ていく方針だ。さらにマイスターで培ったノウハ
ならず海外でも要求される。特に海外の
している。中国ではその後、広州、北京に
ションは、2010 年3月の成田平行滑走路 2500
ということだ。われわれは、できることをしっか
ウを海外にも提供し、海外発貨物についてもJ
空港貨物現場は、ハンドリングを現地会社
もチームQUE を拡大し、それぞれ地元に
m化、10 年 10 月の羽田再拡張・国際化まで
り数字にして説明する責任がある。地に足の
ALカーゴのスタンダード品質の浸透につなげ
に託さねばならないため、国内以上に不
合った教え方で、基本品質の向上を図っ
に、貨物事業を利益を出すことができるビジネ
I
SO認証も着実に取得しており、
着いた計画をしっかりと作らなければならない。 ていく計画だ。
スモデルに再構築することだ。10 年 10 月の羽
今年度を初年度とする再生中期計画も、そうい
顧客の貨物をしっかりと安全に届ける体制を構
田再拡張・国際化に関して、国際発着枠の配
ったことを意識している。
築している。
JALカーゴが今年度、力を入れている
安な面がある。前年度はJALカーゴの基
のが品質向上で、
「こだわりの品質」を掲
本品質のノウハウを凝縮したDVDを各国
げて「JALCARGO」ブランドのステータス
語(日本語、英語、中国語)で作成したが、
をさらに高めることを目標にする。こだわ
今後はマイスターを教官として現地に派遣
りの品質は「基本的なサービス品質の向
し、品質指導を行うことも視野に入れて
上」に加え、
「付加価値サービスの提供」で
いる。
ている。
J PRODUCTS で付加価値提供
「こだわりの品質」を構成するもう一方
の付加価値の提供では、付加価値商品
分は今年5月 20 日の「首都圏空港における国
u JALカーゴ 50 年の歴史のなかで、輸送方
u 通関を含めて貨物の搭載にかかわる諸手
際航空機能拡充プラン」で一定のガイドライン
法にいろいろな工夫を積み重ねている。航空
続き簡素化なども課題と認識している。フォワー
が出されている。
「成田と羽田で、どう効率的に
輸送の付加価値をアピールすることが必要で、 ダーなどの関係者と協力しなければならない。世
フレーターを運航していくか」などを検討しなけ
われわれも「J PRODUCTS」の商品名で付加
界共通のテーマとしてペーパーレス、省力化、コ
「JALカーゴなら
ればならない。各国との航空交渉にもよるが、 価値サービスを提供している。
スト削減を考えていきたい。また、航空会社とし
実現を目指す。燃油サーチャージが高騰
マイスター制度のほか、中国ではこの制
「J PRODUCTS」のバージョンアップを
今年秋には大枠を固め、具体的な路便は 09 年
では」の高付加価値サービスをさらにアピール
てのコスト削減策として燃油高騰に対して軽量
する中で航空貨物の海運シフトが顕著と
度が始まる前にその土地の特性を考慮し
含め、多様化、高度化する顧客ニーズに
度になって考えることになる。また、羽田国際
したい。一般貨物がマジョリティであることに
化にも取り組まなければならず、ペイントを施して
マッチした商品を販売拡大している。
線貨物地区では、T
IACTの輸出入共同上屋を
変わりないが、平均単価を上げるという意味で
いないフレーターも運航している。軽量化は永遠
なっているが、こうした時期にこそ航空貨
た地域密着型の品質向上の取り組みとし
物の JALCARGO のサービス品質をアピ
て
「チームQUE」
(quality up enhancement)
ールする必要があるとして取り組んでい
を設置。中国人スタッフも採用し、06 年4
J PRODUCTS は、貨物特質にあった
高度な取り扱い品質や最速のリードタイム
活用することになるだろう。活用に当たっては、 も高付加価値サービスを増やし、収入を増加
のテーマ。また「エコ」の取り組みも重要。貨物
させる必要がある。また、空港上屋施設にお
積み付け時に使用するラッピング、発泡スチロ
u ここ数年、貨物事業の売上規模は大きく
けるオペレーションのノウハウを、荷主やフォ
ールの再利用も取り組みの課題。現在、成田で
伸びていない。しかし、燃油価格を中心とした
ワーダーにもっと理解してもらいたい。輸送事
はこれらのリサイクル活動を進めており、さまざ
運航コスト、あるいは空港固定費用などは確実
業に求められていることは「いかに速く、そして
まなエコプロジェクトに取り組んでいる。
われわれの要望を伝えていく。
に増加している。さらに、羽田再拡張に伴い、 安全に運ぶか」だ。輸送過程の作業、例えば
u 国内貨物は宅配貨物関連が伸びている
新たな設備投資も発生する。これらのコストを
しっかりとした積み付けなどの貨物取り扱いノ
が、生鮮貨物などを含めると大幅に伸びると
いかに吸収して、どのように利益を出せるビジ
ウハウを改めてアピールしていく。
は見ていない。今後もプラスマイナス1%の
ネスモデルにするか。まずはそれが1番大きな
を導入した。貨物取り扱いに関するノウハウ
国内貨物は、旅客便のベリースペースを活用
u 燃油価格はこの1年で倍になった。貨物、 の伝承について「アドバイザリーマイスター」や
しているが、貨物は需要便と閑散便の需給バ
旅客ともに航空会社の努力だけでは吸収でき 「積み付けマイスター」といった資格化する取り
ランスが極端。あくまでも旅客便ベースでス
ない状況だ。国内貨物も26 年ぶりに値上げに
組みを進めている。会社として、こうした技術を
ペースを考えてもらうことになるが、札幌や沖
踏み切った。中期的にみると、成田北伸、羽田
しっかり認める制度を立ち上げた。成田のJA
縄、福岡など貨物需要の高い路線ではB777
(JCG)で先行して導入してお
再拡張の 10 年あるいはそれ以降を見たときに、 Lカーゴサービス
型が運航されている。小型化は地方路線が中
ミッションになる。
燃油価格をどうみるかは、現時点で判断しにく
12
CARGO AUGUST 2008
u 品質に関しては「マイスタープログラム」 成長率で推移するのではないかと見ている。
り、関空や中部のオペレーション現場にも広げ
心だ。
CARGO AUGUST 2008
13
復活期す JAL カーゴ
特集 1
表 2 J PRODUCTS商品一覧
商品名
スピード軸系
内容
セールスポイント
緊急貨物輸送サービス。予約便への搭載を保証し
着地空港到着後も最速で引き渡し
JSPEED
JFRE
I
GHT
JCARRY
JD
I
RECT
指定便への優先的搭載、着地での迅速な引き渡しで時間指定の
ニーズに対応
超緊急貨物の最速サービス。ハンドキャリーで迅速な通関、
安全・安心の確保
未通関貨物を空港直接搬入する輸送商品。
フォワーダーが販売対象のテーラーメード商品
Focus
① 90 分前まで貨物受付
②予約便への搭載保証
③ 24 時間/ 365 日インターネット予約受付
①便出発 120 分前まで貨物受付
②予約便へ優先搭載
①便出発3時間前に受託して最速便搭乗
②インテグレーターのエクスプレスに比べて圧倒的速さ
①代理店上屋搬入を省きトータル・リードタイムを短縮
(8月販売開始予定)
優先取り扱いなど新商品で需要創出
羽田国際化で一貫輸送需要開拓も視野
日本航空インターナショナルは昨年5月に本
社貨物郵便本部傘下の「国内貨物郵便事業部」
JCARE
JFRESH
生鮮貨物対象。鮮度維持のため輸送時間を短縮
医薬品など保冷を必要とする貨物が対象。
専用保冷コンテナによるサービス
JCOOL
JART
美術品に適した衝撃の少ないサービス
JWHEEL
完成車の輸送に特化したサービス
JWHEELSH
I
ELD
JWHEELのチューンアップ商品。
専用シールドコンテナを使用
①地上搬送時の低速走行
②出発到着時の状況をEメール通知
③時間指定引き渡し
①予約便へ優先搭載
②到着後 90 分で引き渡し
①要求に応じた摂氏マイナス 20 ∼ 20 度の温度設定
②出発到着時に温度確認しEメール通知
③予約便へ優先搭載
①出発到着時に貨物の外装を確認し、Eメール通知
②地上搬送時の低速走行
③予約便へ優先搭載
①ULD積み付け時に専用グローブ、衝撃材を使用し、ボディー保護
②出発到着時に貨物の外装を確認しEメール通知
①秘匿性の高い試作車、コンセプトカーには密封式の専用
シールドコンテナ使用
こんぽう
②環境に配慮したシールドコンテナ使用で梱包コスト削減
※全オンライン地点をカバー、各商品ともE メールでトレーシング情報の自動提供が可能。
など、高次元な域の安全・確実・迅速を
売り物としている。その 1 つ「J WHEEL
SHIELD」は自動車メーカーの秘匿性の高
06 年 12 月に秘匿性を高めた商品として売
り出した。
今年6月に販売開始した「J CARRY」
さらに8月に売り出す「J DIRECT」は
だった」と説明する。
なお郵便は4月から
でのオペレーションを1つの組織で手掛ける体
貨物としての取り扱い。
制となった。国内貨物の企画・マーケティング
一部(バラ積みのゆうパ
機能、空港オペレーションを1カ所に集約するこ
ック)
は7月まで猶予期
とで、顧客ニーズに的確、迅速に対応すること
間を設けていたが8月1
来通りフォワーダーが実施する。付加価値
が狙いだ。現在、羽田空港の西側貨物地区の
日からバラ積み分も貨
サ ー ビ ス の 提 供 で は 、こ れ ら「 J
日本航空上屋に東京空港支店貨物郵便部とと
物化した。また今年4月
PRODUCTS」群を中心に、JALカーゴと
もにオフィスを置く。
から国内線貨物運賃を一律 10 %上げた。
ダーを対象としたテーラーメード型商品で
あり、貨物の搬入、輸出手続き、通関は従
しての特性を出していく。
羽田でも貨物同送実施
羽田空港の 2010 年国際化が注目を集
グループの国内貨物の関連組織としては、ジ
石坂部長
08 年度供給量は 07 年度比3%減の見通し。
ャルカーゴセールスの国内貨物郵便販売企画
引き続きコードシェアで補うなどをして、貨物
部、東日本国内貨物郵便販売部、北海道販売
取扱量の減少は食い止める。また昨年度に羽
部、中部販売部、西日本販売部、九州販売部、
田の施設でもI
SO9001を取得。国内の最重要
沖縄販売部がある。
基幹空港として品質向上に向け先陣を切った
2007 年度の国内貨物取扱量は 06 年度比
形だ。
2%減の約 45 万㌧。貨物の取扱比率(重量ベ
CS向上では、危険品取り扱いに関する専用
ース)
は宅配 30 %、生鮮 25 %で、そのほかB2
ダイヤルを設定して、質問・疑問に対応するなど
市内空港を結ぶ定期チャーター便が脚光
Bの一般貨物やB2Cのダイレクトメールなど。機
CS向上に向けた取り組みも進めている。取扱
を浴びているが、
JALカーゴも新たな視点
材小型化が進み供給スペースは3%減だったが、
量の拡大策では、優先取り扱い、生鮮などの特
でこの貨物同送に取り組んでおり、今年7
これをギャラクシーエアラインズやスカイマーク
殊取り扱いなど新商品を含めたさまざまな工夫
とのコードシェアで補完した。郵便を合わせた
で新規需要拡大を図っていく方針。
める中で、一足先に羽田とソウル、上海の
最後まで安心できるサービスだ。
あって堅調な貨物動向
を設立した。国内貨物郵便の販売政策、空港
産業軸商品
精密機械対象の低衝撃輸送。半導体製造装置などの輸送
ニーズに対応
国 内 貨 物 郵 便 事 業 部
未通関貨物を空港に直接搬入することで
月にスタートした羽田∼香港
(チェク・ラップ・
07 年度の売上は約 380 億円。
さらに羽田国際線を活用した形で、羽田を中
い試作車やコンセプトカーの輸送で、専用
は関連会社のジュピター・ジャパンと提携
トータルのリードタイム短縮を図るサービ
コク空港)間でも初便から実施している。
08 年度に入ってからの貨物動向は、生鮮は
シールドコンテナを使って密封し、安全性
したハンドキャリー・サービス。荷受け後
ス。通常、輸出前の通関、検量、検尺、ラ
羽田の定期旅客チャーター便は、05 年
燃油高騰の影響(長距離輸送の手控え、陸送
10 年 10 月の羽田国際化を前にした段階で、現
を確保するとともに、外部から形状がまっ
約3時間で空港から手荷物扱いで海外へ
ベリングを行うためフォワーダー上屋に一
11 月の羽田∼金浦(ソウル)路線で、
JAL、
たくわからないまま目的地に輸送するサー
飛び立つのでエクスプレス便でも間に合
度搬入するが、JAL上屋に直接搬入し、
全日本空輸(ANA)
、大韓航空、アシアナ
ビス。以前からあった完成車輸送に特化
わない緊急貨物にも対応できる。独特の
検量、検尺、ラベリングはここで行うため、
航空とともに各1日1便でスタート。現在、
した「J WHEEL」をバージョンアップし、
ノウハウを持ち、通関手続きもスムーズで
その分リードタイムを短縮できる。フォワー
B747 で1日2便を運航する。07 年9月末
14
CARGO AUGUST 2008
継拠点とした国内∼国際貨物需要を取り込む。
シフト、休漁など)や気候・天候の影響による出
行の羽田国際線を利用した形で国内線と国際
荷減の傾向がみられる。宅配貨物は比較的堅調
線の接続による貨物取扱量の拡大につなげる。
に推移している。国内貨物郵便事業部の石坂
すでにチャーター便で運航している羽田∼上
明部長は荷動きについて「08 年度に入って弱含
海・虹橋線、羽田∼ソウル・金浦線、羽田∼香
み感もあるが、直近の7月は繁忙期ということも
港線で同施策に取り組む。
CARGO AUGUST 2008
15
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