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5 温室効果ガス排出量の削減目標

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5 温室効果ガス排出量の削減目標
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温室効果ガス排出量の削減目標
(1) 削減目標設定の考え方
東日本大震災以降、火力発電所の稼働が増加し、算定が可能な直近最新年である2012年度の
本県の温室効果ガスの排出量は23,380千t-CO2(森林吸収分990千t-CO2を除いた値)であり、
基準年と比べ22.5%の増加となっています。
削減目標については、エネルギー政策等の国の方針が定まっていないため、当面、新たな目
標は定めず、旧計画の長期及び中期目標を暫定的な努力目標として据置くこととします。
なお、今後国の方針等が示された時点で、見直しの検討を行うこととします。
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(2) 長期目標(2050年度)
基準年(1990年度)比:70%程度削減
≪旧計画の長期目標の考え方≫
我が国では、2008年7月に閣議決定された「低炭素社会づくり行動計画」において、温室効
果ガスの排出量削減に向けた長期目標を「2050年までに、現状から60~80%の排出量削減を目
指す」としています。
環境先進県を目指す本県においても、国の掲げる目標を念頭に、県としての「将来の目指す
べき姿(あるべき姿)」を長期目標として示すこととします。
なお、国の削減目標には、クリーン開発メカニズム(CDM)など、京都メカニズムに基づ
く「国外対策」による削減分が含まれていますが、国外対策による削減は、県内での削減効果
の検証が困難であることから、県の削減目標については、国外対策による削減分を含めないこ
ととします。
現時点では国の長期目標に含まれる国外対策の割合は明確にされていませんが、中期目標で
は、10%程度の国外対策が想定されていることから、国の長期目標の最大値(80%削減)から、
中期目標に準じた国外対策相当分(10%)を差し引いた『基準年比70%程度の削減』を本県の
長期削減目標として設定します。
基準年比
排出割合
現状すう勢ケースによる
本県の排出量の将来推計
本県の排出実績
+15.0%
0.0%
愛媛県が目指す方向
我が国の排出実績
-25.0%
国の国外対策
(2020年に10%程度を想定)
我が国の削減シナリオ
-60.0%
長期目標
△70%程度
-70.0%
-80.0%
国の国外対策
(2050年に10%程度を想定)
1990
2007
2012
2020
38
2050
【我が国の長期目標】
60~80%削減
(3) 中期目標(2020年度)
基準年(1990年度)比:15%削減
≪旧計画の中期目標の考え方≫
中期目標については、国の策定マニュアルに基づき、現在の排出レベルと長期目標とを結ん
だ線の中期目標年度(2020年度)の通過点(“長期目標から定めた中期目標レベル”
)と、2020
※
年度の現状すう勢ケースによる排出量の将来推計値から「削減ポテンシャル 」を差し引いた
値とを比較した上で、県としての目標排出量(基準年と比べた削減率)を設定します。
本県の場合、長期目標である「基準年比70%程度削減」を達成するためには、2020年度時点
で、基準年の排出量に対して12.1%以上の削減を達成しておく必要があります。
これに対して、現状すう勢ケースによる予想排出量(基準年比+15.8%)から、削減ポテン
シャル(28.5%(森林吸収分(4.5%)を含む。))を差し引いた値は、基準年の排出量に対し
て12.7%減のレベルになるものと見込まれます。
このため、“長期目標から定めた中期目標レベル”をクリアするとともに、想定される削減
ポテンシャルを最大限に引き出した上で、さらに、今後予想される技術革新や様々な取組の強
化等による更なる削減効果を上積みして、中期削減目標を『基準年比15%削減』に設定します。
※ 削減ポテンシャル : 排出量を削減する“潜在的な力”、“可能性として持っている能力”をいう。
今回の削減目標の設定に当たっては、「電力排出係数の改善」、「自動車の燃費改善」、「高効率機器・省エネ家
電の普及拡大」など、現在の知見や技術等から見て実行可能な“排出量削減の可能性”を「削減ポテンシャル」とし
て算定した。
現状すう勢ケースによる
本県の排出量の将来推計
基準年比
排出割合
+15.8%
+13.0%
+9.0%
2020年度時点で想定される
削減ポテンシャル:24.0%
森林吸収 : 4.5%
合 計 :28.5%
長期目標
(2050年△70%)レベル
0.0%
△12.1%
△12.7%
排出量削減の“上積み”
(2.3%)
中期目標:△15%
我が国の削減シナリオ
△25%(我が国の中期目標)
-25.0%
国の国外対策
(10%程度を想定)
2007
2020
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