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新世代による間文化現象学研究の基盤づくり

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新世代による間文化現象学研究の基盤づくり
立命館大学研究部
2014 年
4 月 23 日
2013 年度採択 研究の国際化推進プログラム 研究成果報告書
採択者
(研究代表者)
研究課題
所属機関・職名:文学部・准教授
氏名:亀井大輔
新世代による間文化現象学研究の基盤づくり
Ⅰ.国際的研究成果発信の目的・意義の概要
今次の国際的研究成果発信の目的・意義について、概要を記入してください。
間文化現象学は、現代のわれわれの経験が、けっして単一の自文化によって成立するものではなく、複数の文化
によって刻印を入れられたものであるという視点、すなわち経験そのものが間文化性をもつという視点にもとづい
て、さまざまな事象の哲学的解明・考察を行なう。
本申請の研究メンバーは、このような視点を共有し、2008~2012 年度科研費「間文化現象学」
(代表・谷徹・文
学部教授)において、また 2009 年度以降は立命館大学「間文化現象学研究センター」のメンバーとして、間文化
現象学の研究活動に従事してきた。間文化現象学の活動目標のひとつに、新世代の若手研究者の活動支援があるが、
研究メンバーは若手世代の研究者として、今後の間文化現象学の新たな展開を担おうとしている。今回は、その活
動をさらに発展させるために、同センターの新世代研究者による海外での研究活動を推進し、今後の間文化現象学
研究のための基盤づくりを行なう。
間文化的な研究には国際的な要素が重要であり、間文化現象学センターでは、今年度も海外から研究者を招聘し、
講演会やワークショップを通じて交流を行なっている。前期にはユリヤ・ヤンセン、ダン・ザハヴィ、カレル・ノ
ヴォトニー、ネイサン・フィリップスの各氏が来日し講演会やワークショップを行なっており、後期にはディディ
エ・フランク氏の講演会が開かれた。他方、海外での研究活動を展開し、海外へと発信することも必要である。こ
の側面を強化するべく、研究メンバー3名が海外に渡航して、研究成果の発表ならびに海外の研究者との交流を進
める。
Ⅱ.国際的研究成果発信の成果と今後の展開計画の概要
今次の国際的研究成果発信で得られた成果と今後の展開計画について、概要を記入してください。
亀井は、国際哲学コレージュのワークショップ「民主主義の問い――デリダ/ランシエール」
(オーガイナイザー:
西山雄二、ジゼル・ベルクマン)に参加し、
「デリダとランシエールにおける民主主義と他者の問い」という題で仏
語での発表を行なった。ジャック・ランシエール氏本人を含め、ジェローム・レーブル氏、松葉祥一氏ら、世界各
地のデリダ研究者との交流を行なった。
青柳は、アドルノ研究協会第 3 回定例会(アイルランド・ダブリン市、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン)
に参加した。また Brian O’Connor 氏、Martin Shuster 氏をはじめとして、アメリカ、カナダ、イギリス、アイル
ランドのアドルノ研究者との交流、意見交換を行なった。また、イギリス・オックスフォード大学のボドリアン図
書館にて、アドルノの書簡や公文書の閲覧を行なった。
佐藤は、英語論文“The Way of the Reduction via Anthropology: Husserl and Lévy-Bruhl, Merleau-Ponty and
Lévi-Strauss”を国際誌に発表した。また、CNRS-ENS, Archives Husserl の Saint Aubert 氏、Christian Sommer
氏の主催した「メルロ=ポンティと哲学的人間学(I)」に参加し、各地のメルロ=ポンティ研究者と交流した。フラン
ス国立図書館にて、メルロ=ポンティの未公刊文書、主にゲルーの「デカルト読解」に対するノート類を調査した。
以上の成果と研究交流を、新たに採択された科研費「間文化現象学の新展開」に資することにしたい。具体的に
は、海外の研究者の招聘、OPOなどの国際学会への参加、国際ワークショップやシンポジウムの開催などである。
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