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資料2 みずほ銀行産業調査部 宮下様 御提出資料(PDF形式:1744KB)

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資料2 みずほ銀行産業調査部 宮下様 御提出資料(PDF形式:1744KB)
資料2
Strictly Confidential
長期地球温暖化対策プラットフォーム「国内投資拡大タスクフォース」
産業の中長期的な構造変化の方向性について
2016.9.13
産業調査部
Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved.
全体感
Strictly Confidential
For Discussion Purpose Only
中長期的な産業の将来像は?
注目すべき
メガトレンド
①需要の個別化・細分化
⇒潜在的な需要の顕在化
テクノロジー
の進化
②需要者と供給者の一体化
⇒先端技術の普及
⇒需要のアンバンドリング
③サービス需要の拡大
アジアの勃興
社会的課題の
高まり
中長期的な
産業の将来像
「需要の変化」と新たなビジネスモデル
パーソナライゼーション
マスカスタイマイゼーション
需要者との
繋がり方が変化
データ収集基盤拡充
需要者との接点の拡大
 シェアリングサービス
 需給の調整・最適化
モノのサービス化
モノとサービスの融合
バリューチェーンの
在り方が変化
モノとサービスの組合わせ
不足するリソースの確保
本日の焦点
 アジア新興国での需要の拡大
- “痒い所に手が届く”ソリューション提供に対するニーズ
- 「量」から「質」へ
 課題対応が生み出す新たな需要
- 公的分野への民間参入の加速、家庭内労働の“外部化”
(出所)みずほ銀行産業調査部作成
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テクノロジーの進化
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テクノロジーの進化がもたらすもの
 テクノロジーの進化により、潜在需要が顕現化し、様々な分野で新たな市場が創出
 隠れたニーズが顕現化。「個」に対するきめ細かなサービスの提供が可能に
 市場構造の変化を背景に、新規事業者の参入が相次ぐ
テクノロジーの変化が生み出す新たな市場
現在
将来
高
高
サービス提供領域
コ
ス
ト
・
難
易
度
提供可能価格
< コスト
・ニーズが
不明
・技術的に
困難
・コストが
高過ぎる
サービス提供領域
新たな
市場創出
コスト
低下
コ
ス
ト
・
難
易
度
新たな
市場創出
ニーズの
顕在化
IoT
低
AI
サービス非提供領域
低付加価値
低
高付加価値
ビッグ
データ
サービス非提供領域
低付加価値
高付加価値
(カスタマイズ)
(出所)みずほ銀行産業調査部作成
2
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テクノロジーの進化
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テクノロジーの進化によるビジネスモデルの変化
 テクノロジーの進化による破壊的イノベーションはビジネスモデルを抜本的に変える可能性
 足元特に注目されるのは、IoT、クラウド、AI等のデータ集積・蓄積・分析に関わる領域
1990年
通信
小売
音楽
自動車
公共
銀行
2016年
インターネット
固定電話
通販市場
*2.7兆円
CD生産量
2.3億枚
20XX年
携帯電話
破
壊
的
イ
ノ
ベ
ー
シ
ョ
ン
5,000万台
???
16,000万台
業態・業種の
EC市場
枠組みを超え
6.5兆円
非連続的に
音楽配信
1.8億回
ガソリン車
Hybrid
5,799万台
471万台
公務員数 *435万人
公務員数 338万人
市町村数 *3,234
市町村数 *1,718
ATM
コンビニATM
15万台
5万台
破
壊
的
イ
ノ
ベ
ー
シ
ョ
ン
更に進化
自動運転
マイナンバー
FinTech
デバイスの進化・Internet普及・スマホの普及・AIの進化・ストレージ・クラウド・・・・・・
(出所)公開資料より、みずほ銀行産業調査部作成 (注記)通販市場:2001年、公務員数:2000年、市町村数:1995年⇒2014年
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①需要の個別化・細分化
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パーソナライゼーションへの取組み-事例:小売業
 小売業では、モノのデータ(POS)からヒト(ID)のデータへと分析軸を拡大
 個々の消費者の全体像を把握すべく、IoTを活用してあらゆる行動データ、感情データを収集する動きが見られる
 小売業にとって、店舗はデータ収集のプラットフォーム
小売業界におけるデータ活用の進化
従来
データ
種類
• POSデータ
現在
今後
• POSデータ
• IDデータ
• 行動データ
• POSデータ
• IDデータ
(GPS、店内カメラ、サイト閲覧履歴等)
• 意見・感情データ (SNS等)
→
分析対象となるデータ種類・量が増大
データの
取得時点
• 販売時点
• 販売時点
• 販売時点+販売前後
→ 消費行動全般のデータが取得対象
分析対象
• モノ
• モノ+ヒト
(モノ中心)
• モノ+ヒト (ヒト中心)
→ ヒトの分析が主軸
• 誰が何を買ったか
• 誰が何を買ったか、買わなかったか
• 消費者マインド
(影響手段、購買動機、感想・評判等)
→ 個々の消費者の全体像を理解
分析結果
• 何が売れたか
(出所)みずほ銀行産業調査部作成
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①需要の個別化・細分化
マスカスタマイゼーションへの取組み-事例:製造業
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 ドイツは”Industrie4.0”と称し、製造業における(a)生産システムの垂直統合、(b)バリューネット
ワークを横断する水平統合、(c)製品ライフサイクル全体を通じたエンジニアリングを目指している
 コスト低減、商品企画の高度化を同時に追求し、全体最適を実現
 最終形の一つとして、多様化・高度化する需要に対応する「マスカスタマイゼーション」の実現も想定
ドイツの「Industrie 4.0」の概要
(a) 生産システムの垂直統合
(b)バリューネットワークを横断する水平統合
想定効果
①歩留まり向上・品質向上・
トレーサビリティの強化
連携
ERP
サプラ
イヤ
メーカー
小売
ユーザ
②Time-to-Marketの短縮
生産プロセス
の効率化・
コスト低減
③バリューチェーンの
全体最適化
連携
制御
(SCADA /PLC)
フィールド機器
(センサ/アクチュエータ)
卸売
水平統合
MES
垂
直
統
合
物流
(c)製品ライフサイクル全体を通じたエンジニアリング
連携
製品
設計
生産
設計
生産
販売
サービス
製品ライフサイクル管理(PLM)
④販売・使用データの上流
(企画)へのフィードバック
商品企画
の高度化
①~④ + ロボット・AIの活用
⑤マスカスタマイゼーションの実現
(出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成
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②需要者と供給者の一体化
シェアリング・サービスの広がり-事例:自動車(カーシェアリング)
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 テクノロジーの進化を背景に「個人」が供給者として市場に参入(=シェアリングエコノミー)
 需要者のニーズに柔軟に対応でき、資産の稼働率があがることでコストが低減される
 カーシェアリングの事例にみられるように、需要者のモノの所有に対する意識自体が変化する傾向も
主なシェアリングサービス
空家・空室
air bnb
FLIP KEY
自動車の提供価値のアンバンドリング
自動車が
提供する価値
car2go
自動車・ライドシェア
価値のアンバンドリング
移動価値
(実用性、利用価値)
UBER
Mobility
 所有を問わない
 モードを問わない(クルマに限らず)
 全体最適
Lyft
途家網
体感価値
その他
(感性、Fun)
自動車を所有せず
自動車の移動価値を
実現する手段
シェア
リング
マルチ
モーダル
交通
Parking Panda
体感価値・所有価値は
縮退傾向か
所有価値
Shared Earth
Air pnp
(アイコン性、
占有価値)
移動価値のみの
実現が可能に
自動運転
(出所)みずほ銀行産業調査部作成
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②需要者と供給者の一体化
プラットフォーム構築に向けたGoogleの自動車事業参入(弊行仮説)
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 Googleの参入は自動車産業のパラダイムシフトに繋がる可能性
 従来とは異なるマネタイズ方法、需要者ニーズの把握、さらにはニーズの創出を目指すことも視野
Googleにとってのモビリティ(仮説)
生産
サービス
(モビリティ)
モビリティに対する各プレーヤーの立ち位置
サービス
(広告/データ販売etc.)
 自動車販売やモビリティの提供そのものに
料金を課さないビジネスモデルの構築も?
マネタイズ
モビリティを創り出す
 移動の背景を把握する
 移動ニーズを創出する
Google
移動の背景情報
個人の移動
(モビリティ)
Internet
携帯
位置情報
モビリティの実現
地図
ルート、目的地
カレンダー
スケジュール
 自動車を活用する
 移動ニーズを満たす
メール
アポイント・連絡
検索
興味・関心
欧米プレーヤー
自動車の提供
移動ニーズを創出・
コントロール可能
 自動車の技術開発
日系メーカー?
 個人の行動パターン、スケジュール、嗜好など膨大な背景情
報を掌握し、移動ニーズを把握・コントロール
全く異なる発想を持ったプレーヤーの参入により、自動車産業のパラダイムが破壊される可能性
(出所) 各社IR資料等よりみずほ銀行産業調査部作成
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②需要者と供給者の一体化
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需給の調整・最適化ニーズ-事例:エネルギーマネジメント
 エネルギーの分野では、機器の進化により需要者による創エネ、蓄エネが普及
 需要者は発電のみならず、売電、制御を最適化する必要あり。これをサポートする機器・サービス需要が拡大
 最適化を追求するには、エネルギーの枠を越えた連携が求められる可能性
「HEMS」道場の取組みのイメージ
<創エネ・蓄エネ機器>
太陽光発電
電気自動車
蓄電池
エコキュート
<外的情報>
天気予報
日射予測
電気予報
HEMS
<スマート機器>
エアコン
洗濯機
照明
<電力使用データ>
スマートメータ
エネルギー・環境軸
機能・効果
社会課題
への対応
自動デマンドレスポンス・
蓄電池・太陽光等を通じた
無理のない省エネ・エネル
ギーの最適利用
省エネ・
環境負荷の削減
QoL軸
電力ビッグデータを活用し
た医療・健康・教育・見守
り・防犯・防災サービス
安心・快適・便利な
暮らしの実現
系統貢献軸
自動デマンドレスポンス・
分散型電源の需給調整市場
への参加
再エネ大量導入後の
系統安定化
(出所)みずほ銀行産業調査部作成
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③サービス需要の拡大
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「モノのサービス化」の加速-事例:洗濯機
 テクノロジーの進化に伴うコスト構造の変化や利便性の向上により、ニーズを満たす手段が画一的な
「モノ」から柔軟性の高い「サービス」にシフトしていく
洗濯の高度化の事例
消費者のニーズ
汚れた衣服を清潔にすること
モノ
サービス
高機能な「洗濯機」
利便性の高い「洗濯サービス」
全自動洗濯物折り畳み機「Laundroid」
Washio社
セブンドリーマーズ
世界に先駆けて開発した
洗濯物を自動で折り畳む
革新的な技術
パナソニック
先進的な洗濯乾燥
機の技術および家
電製品開発力
注文
登録
依頼者
ピックアップ・
デリバリー要員
(「Ninjas」)
大和ハウス工業
住宅事業と医療・介
護施設事業の実績
注文
提携
外部洗濯業者
Washio社の
品質監督者が
常駐
(出所)各種資料よりみずほ銀行産業調査部作成
9
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産業の将来像とは?
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新たなビジネスモデルが示唆する将来の産業の姿
 中長期的には、需要者のニーズの変化を踏まえたバリューチェーンの再構築が不可欠に
 需要者との接点とモノ・サービスの組み合わせが鍵。競争力強化に向けて他社・他産業と連携する必要
中長期的な産業の将来像
バリューチェーン
企画・設計
調達
生産
物流
販売
サービス
需要者のニーズ
個別化(=多様化)
「所有」に対する意識変化
需要者がバリューチェーンに参入/影響
データを活用し、徹底的に効率化・最適化
バリューチェーンの在り方
源競
泉争
は力
?の
需要者との繋がり方
 絶えず変化する需要者のニーズやテクノロジーを
踏まえ、いかにしてバリューチェーンの全体最適
を実現するかが重要
⇒モノ・サービスをいかに組み合わせるか?
(自社に不足するリソースをいかに獲得するか)
 より個人・個社の細分化、多様化したニーズに応
えていくことが求められ、いかにニーズを把握す
るかが鍵に
⇒需要者との接点をいかに拡大するか?
⇒ 他社・他産業との連携も含めたプラットフォームの確立が求められる
(出所)みずほ銀行産業調査部作成
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© 2016株式会社みずほ銀行
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い下さいますようお願い申し上げます。
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書面による許可なくして再配布することを禁じます。
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