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第3部 良好な景観形成の実現に向けた 推進方策

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第3部 良好な景観形成の実現に向けた 推進方策
第3部
良好な景観形成の実現に向けた
推進方策
1.各主体の責務
渋谷区の景観形成は、区と区民、企業等及び関係機関等との協働の取り組みによって行われる
ものであることから、各主体が果たすべき役割を以下のように位置づけます。
《区民が果たすべき役割》
○景観形成の主体としての自覚
と取り組みへの参加
《企業等が果たすべき役割》
○渋谷区景観計画への積極的協力
と良好な景観形成への貢献
○地域の景観特性の理解と景観
形成への積極的なかかわり
○地域の景観特性を読み解いた事
業計画づくり
○日常生活環境における景観形
成への寄与
○区、区民等との早期の協議によ
る合意形成に基づく事業の実施
協 働
《渋谷区が果たすべき役割》
○企業等との事前協議や区民からの提案の制度な
ど、景観形成のしくみづくり
○区民、企業等の自発的な景観形成の取り組みの
支援
○国、東京都、隣接区等の関係機関との連携
- 107 -
第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
2.区民、企業等による良好な景観形成に向けた取り組みの推進
(1)取り組みの展開イメージ
・地域での区民、企業等の景観形成に関わる取り組みの展開イメージを以下に示します。
・初期段階では、全区共通の緩やかな基準により景観形成を推進し、やがて区民、企業等の取
り組みの内容、合意形成の程度が高まるにつれ、地区ごと詳細基準が設定され、地区の特性
に即したきめの細かい景観形成を推進する道筋を想定しています。
・地区ごとの詳細基準は、
「わがまちルール」をきっかけとして、取り組みの熟度等に応じて「景
観協定」、「地区計画」、
「景観地区」等の活用を検討することを想定しています。
・景観形成特定地区は、地区計画区域における取り組みを支援することを目的に区が指定する他、
地域住民の方々の発案を受け、区と協働で基準等を検討し、新たに指定することも可能です。
・上記の流れを支援する各種支援方策を次頁に整理します。
・身近な美化・
《取り組みの展開の例》
清掃
地
域
で
の
区
民
等
の
取
り
組
み
継続・
・景観阻害要因 発展
の除去、改善
わがまちルール
制定
まちづくり
・地域景観特性
建築協定締結
景観協定締結
協議会
の把握
(資源調査、地
域景観特性
の勉強会等)
景観形成特定地区と
して詳細基準の設定、
遵守
景観整備機構※
地区計画
景観地区
目
※)地域の各種取り組みを支援
標
区が指定
・景観重要樹木
・景観重要建造物
・景観重要公共施設
・景観整備機構
景
観
形
成
の
基
準
の
充
実
任意の
グループ
の
管理への
参加等
実
現
全区共通の
特定の
特定の
地区の
地区の
基準
基準の設定、遵守
基準
特定の
特定の
地区の
地区の
基準
基準
景観形成の取り組みの活発化
図−23 地域での区民、企業等の取り組みの展開イメージ
- 108 -
(2)支援方策
・既存制度の活用を支援するとともに、今後も新たな方策を検討していきます。
表−14 既存又は新設を検討する支援方策
方
策
わがまちルール
表彰制度
活用すべき既存方策
まちづくりの専門家派遣制度
景観協定
景観整備機構
渋谷区景観ポータルサイト
今後検討すべき方策
景観づくりの専門家派遣制度
景観形成に関わる団体の連絡
協議会の設置
「住民参加型まちづくりファ
ンド」の制度化
景観リーダー養成制度
概
要
地区内における地域特性に応じたまちづくりに関する自主的なルールを
「わがまちルール」として区に登録し、運用会議を設置し、自主的に運
用を行うもの。
「ご近所」「町丁目」といった、ごく身近な生活区域を対象とするもの。
景観の保全、再生、創造に係る、区民、企業等の取り組みに対する表彰
制度。
まちづくりに関する勉強会を開きたい人や、建物の共同化を考えている
人のために、専門的な知識(建築・再開発・不動産など)を有するコン
サルタントを派遣する制度。
景観法に基づき、一団の土地の所有者、借地権者の全員の合意により結
ばれる、良好な景観の形成に関する協定。たとえば、ショーウィンドー
の照明時間、可動式のワゴンの形や色といった事柄まで、
「良好な景観の
形成のために必要な事項」として定めることができる。協定は、所有権
等が移転した場合にも継承される。
景観法に基づき、良好な景観の保全・形成に関して様々な活動を行う
NPO 法人や公益法人等の団体で、景観行政団体から指定される。
景観に関する区民の取り組みに関して情報提供等の支援を行うこと、所
有者と協定を結び景観重要建造物や景観重要樹木の管理、良好な景観形
成に関する調査・研究などを行うことができる。
この仕組みにより、地域で景観づくりに熱心に取り組み、様々な知見を
有する NPO 法人や公益法人を景観形成の担い手として公的に位置づけ
ることができる。
渋谷区のホームページから閲覧が可能な、渋谷区の景観施策や区民・企
業等の取り組みに関して情報を提供する窓口サイトの創設。
建築物の建築等に際しての周辺景観との調和の方策や、「渋谷区景観計
画」の景観形成基準の解釈等、区民、企業等に景観に関わる技術的なア
ドバイスを行う専門家を派遣する制度。
渋谷区や隣接区における、景観形成に関わる団体の連携を図るための連
絡協議会。
区と区民、企業等が資金を拠出し、他の資金支援制度も活用する、区民
参加型ファンドを設立し、緑の所有者に助成や補償を行い、緑の保全を
図る制度。
地域において区民、企業等が景観形成を推進する際のリーダー的な存在
となる人材を養成する制度。
3.区による良好な景観形成に向けた取り組みの推進
(1)推進体制
①庁内体制の整備
・建築物の審査担当、屋外広告物担当、緑化担当、まちづくり担当、都市計画担当等からなる
連絡調整体制の整備を図ります。
- 109 -
第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
②事前協議体制の整備
・渋谷区景観条例に基づく事前協議において景観に関する指導・助言を行います。
(次頁図参照)
・事前協議の際に、景観に関する専門的な知識を有する者が、区とともに指導・助言を行う景
観アドバイザー制度を設けます。
・景観上の影響が大きな行為については、複数の景観アドバイザー又は景観審査会による事前
協議を行うこととします。
③景観審査会の設置
景観審査会は、景観に関する幅広い分野の学識経験者により構成し、渋谷区の良好な景観の形
成に関する事項について調査及び審議します。
なお、景観審査会は、おもに次のような役割を担います。
・特に景観上の影響が大きな行為についての事前協議の指導及び助言
・届出制度における、景観法に基づく勧告、命令等に対する意見
・景観重要建造物・樹木の指定等に対する意見
・景観協定の認可等、景観整備機構の指定等に対する意見
・その他、渋谷区の良好な景観の形成に必要な事項
(2)区民、企業等との協働の体制のもと、区が展開を図る取り組みのイメージ
・地区計画等の都市計画諸制度、渋谷区まちづくり条例の諸施策と連携し、渋谷区景観条例、
渋谷区景観形成ガイドラインとともに「渋谷区景観計画」を運用します。
◆地区計画の策定
◆建築協定の認定
「渋谷区都市計画
マスタープラン 2000」
渋谷区
まちづくり
条例
改訂
◆渋谷区まちづくりマスタープラン策定/運用
景観形成に関する
事項への反映
◆渋谷区景観計画
策定/運用/改訂
区
の
取
り
◆渋谷区景観形成ガイドライン
作成/運用
組
み
◆渋谷区景観条例
◆高度地区
制定/運用
目
◇景観重要建造物の指定
◇景観重要樹木の指定
◇景観重要公共施設の指定
◇景観形成特定地区の指定
◇景観協定の認可
◇景観整備機構の指定
◇景観協議会を組織
連携
指定/運用
連携
◆(仮称)土地利用調整条例
標
の
実
現
制定/運用
◆まちづくり協議会の認定
◆わがまちルールの登録
図−24 区民、企業等との協働の体制のもと、
区が展開を図る取り組みのイメージ
- 110 -
下図の流れで渋谷区景観計画に基づく届出に関する協議等を行い、良好な景観形成を目指します。
他の法律
に基づく
手続き
建築物の建築等、工作物の建設等、開発行為に関する計画立案
事前相談は行為の
規模に関係なく任意
事前相談を行わない
事前相談を行う
−
事前相談
−
・区担当者、景観アドバイザーによる事前相談
届出対象行為ではない
渋谷区景観計画
届出対象行為
−
事前協議
−
意見聴取
【景観アドバイザーとの協議】
景観アドバイザー
必要に
応じて
渋谷区
・渋谷区景観計画への適合確認
意見
必要に
応じて
他の法律に
基づく手続
き等
意見聴取
合議が必要
な場合
景観アドバイザー会議
景観審査会
意見
景観法に基づく届出
景観法第 16 条
行為の着手
行為の完了
行為完了の届出
図−25
- 111 -
協議等のイメージ
参考
渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針
(平成 23 年 8 月 4 日認定)
- 113 -
第3部
(1)
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
指針の策定
○本指針は、質の高い個性ある景観づくりによって、居住者・来街者のまちへの愛着を育み、世界
の人々を惹きつける国際的な観光文化都市としての発展を促進することを目的とする。
○渋谷の景観特性である以下の3点を活かす景観形成のため、本特定区域景観形成指針(以下、
「本
指針」という。)において景観形成の方針、基準を定めるとともに、大規模建築物ごとに景観・
デザインを議論し、個性を活かしながら複数の大規模建築物の相互調整を行う体制「渋谷駅中心
地区デザイン会議(以下、デザイン会議という。)」を設置し本指針を運用していくこととする。
◆景観形成上配慮すべき 渋谷らしさ
① 国際色豊かで多世代の人が集い・行き交い、様々な活動が集積し、にぎわいが感じられる。
② 特徴ある地形により生み出された沿道ごとに、特色をもった個性豊かな街並みを形成している。
③ 駅前広場とまちが互いに舞台と客席の関係にあり、 劇場的 なまちのイメージが形成されている。
(2)
適用区域
○以下の 3 点により、本指針の適用区域を設定する。
① 大規模建築物等が複数計画され、これらの一体的な景観誘導が良好な街並み形成に有効であること。
② 渋谷区「渋谷駅中心地区まちづくり検討会」
「同まちづくり指針分科会」において、本指針の内容につ
いて地元意見を聴取した区域であること。
③ 地区計画等において商業・業務機能の集積や共同化による土地の高度利用を誘導する区域であること。
なお、区域の設定にあたっては、周辺で先行する事業等との関係においても、調和を図り、統
一感のある景観を誘導する区域とする。
宮下公園
Bunkamura
東急百貨店
渋谷駅地区地区計画
(地区の区分:全地区)
青山通り
(国道 246 号)
宮益坂
道玄坂一丁目地区地区計画
109
(策定準備中)
道玄坂
(地区の区分:全地区)
渋谷ヒカリエ
マークシティ
クロスタワー
渋谷駅街区
道玄坂一丁目
駅前地区
六本木通り
渋谷駅南街区
明治通り
国道 246 号
セルリアンタワー
文化総合センター大和田
特定区域景観形成指針
適用区域(約 31ha)
駅地区
桜丘地区地区計画
(地区の区分:A地区)
地区計画決定済・検討中
区域
渋谷三丁目地区地区計画
渋谷駅周辺都市再生緊急
整備地域
(地区の区分:B地区)
(策定準備中)
- 114 -
参考 渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針
(3)
景観形成方針及び景観形成基準
① 景観形成の方針
1) 地区ごとに培われてきた自由で多様な都市デザインを継承しつつ、活力と品格ある景観を目指す。
2) 歴史観のある、変化に富んだ渋谷の谷地形により形成された多様な坂のにぎわいを活かした景観を形成
する。
3) 渋谷川の水と緑の軸と連携した「まちのうるおい」を感じる景観を目指す。
4) 地上の歩行者を優先した、誰もが歩いて楽しい回遊空間を創る景観を目指す。
5) 情報発信のまちとして、世界の人々を惹きつける景観を目指す。
② 景観形成基準
〔建築物の高さ・配置・規模等〕
指針1
渋谷の玄関口に相
応しい、様々なアク
ティビティが感じ
られる駅前の顔の
形成
(主に駅地区からの
見え方)
指針2
渋谷らしい、エリア
や沿道ごとに個性
ある街並み、多様な
界わい、活気とにぎ
わい景観の形成
指針3
周辺とも連携した
緑と水が連なる景
観の形成
指針4
群としての象徴性
を備えたスカイラ
インの形成
渋谷らしさ を形成する上で重要な眺望点※1からの見え方に配慮
し、 劇場的な まちのイメージ※2を強化する、文化発信拠点に相応
しいデザインとする。
□ 駅及び駅前広場とまちの視線のつながりに配慮し、線路上空に整
備される広場的空間からの 視界の抜け を確保する。
□ それぞれの眺望点からの見え方に配慮し、駅及び駅前広場とまち
の互いのアクティビティが感じられる設えとする。
駅と周辺地区※3を結ぶ主要な空間軸※4ごとの特長※5を活かし、開
発予定街区※6は 渋谷らしさ の起点※7に相応しいデザインとする。
□ アーバン・コア※8、ゲート広場※9は駅からの視認性に配慮した
設えとする。
□ 周辺地区との調和において主要な眺望点※10 からの見え方に配慮
し、周辺地区の空間特性※11 と調和した設えとする。
緑と水の空間軸※12 沿いについては、周囲の緑との連続性を確保し、
緑・水・にぎわいが一体となったデザインとする。
遠景の主要な眺望点※13 からの見え方に配慮し、駅街区を頂点とし
た象徴性のあるスカイラインを形成する。
□ 建物高層部は主要な眺望点からの群としての見え方に配慮し、一
体性の取れた設えとする。
※1
・・・118 ページ
※4、6、8、9、10 ・・・119 ページ
※12、13
・・・120 ページ
※2、7、8、9
・・・121 ページ 【参考】
※3、5、11
・・・122 ページ 【参考】
- 115 -
第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
〔形態・意匠、色彩、素材〕
建築物の色彩等
活力と品格ある景観を形成するため、街並みの中で著しく目立つも
のとして認識される赤や金色などの着色をしたガラスを使用しないこ
ととするほか、外壁基本色(外壁の 80%以上を使用する色)につい
ては、JIS 規格に採用されている「マンセル表色系」を用いた、東京
都景観計画別表2(東京都景観計画 P.116・117参照)の大規模建
築物等の色彩基準への適合を標準とし、下記の考え方に基づき誘導す
る。
<考え方>
1)当地区及びその周辺において地区計画の策定又は変更を予定して
いる地区ごとのまちの特性として、以下が挙げられる。
・ 渋谷駅地区及び道玄坂一丁目地区:
渋谷を象徴する自由で
闊達な商業・業務・文化活動が行われてきたまち
・ 桜丘地区:
商業・業務・教育・文化施設のほか住宅等の多
様な機能が立地するまち
・ 渋谷三丁目地区:
渋谷川・金王八幡等の緑や水の資源を有
し、にぎわいと落ち着きが共存するまち
これらのまちの特性(以下、「まちの特性」という。)を踏まえ、
計画される大規模建築物の形態・意匠等と併せ総合的に色彩の誘
導を図る。
2)上記の地区計画により、一定の広がりの中で地域特性を踏まえた
色彩基準が定められ、良好な景観形成が図られる場合については、
これを尊重する。
3)「渋谷駅中心地区デザイン会議」において、上記の考え方に基づ
くまちの特性、周辺からの見え方、建築物等の形態・意匠等を総合
的に勘案し、協議・調整を行ったうえで、当地区のまちづくり及び
景観形成に貢献すると認められる計画については、これを尊重す
る。
大規模建築物に付
歩行者デッキ、昇降施設などの大規模建築物に付随する建築物及び
随する建築物及び
工作物は、当該大規模建築物と一体的な計画とし、本指針に基づき景
工作物等
観形成を誘導する。
機械式駐車場・タワーパーキングを計画する場合は、建築物内に収
めるなど、当該大規模建築物と一体的な計画とする。
(模式図) 大規模建築物に付随して計画される歩行者デッキ・昇降施設
建物
建物
歩行者デッキ
- 116 -
建物
昇降施設
参考 渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針
〔屋外広告物等〕
屋外広告物等
活力と品格ある景観を形成するため、屋外広告物については東京都
大規模建築物等景観形成指針の図表 3-2 大規模建築物等の建築等に
係る景観形成基準への適合を標準とし、以下の考え方に基づき誘導す
る。
<考え方>
1)屋外広告物は、自家用を含め、規模、位置、色彩等のデザインな
どがまちの特性を踏まえた良好な景観の形成に寄与するような表
示・掲出とする。
2)大規模な建築物や高層の建築物における屋外広告物は、景観に対
する影響が広範囲に及ぶ場合があることなどから、表示の位置や規
模等について、十分配慮する。
3)地域の活性化は、過剰な広告物の掲出ではなく、美しく落ち着き
のある景観の形成を始めとする地域の魅力向上が重要であるとい
う視点に立って、地域振興やまちづくりを進めていく。
4)地区計画により、一定の広がりの中で地域特性を踏まえた屋外広
告物に関する基準が定められ、良好な景観形成が図られる場合につ
いては、これを尊重する。
5)東京都屋外広告物条例に定める一般的な基準に加えて、防災等の
情報発信やまちの良好なマネジメント実現等に必要な場合は、
「渋
谷駅中心地区デザイン会議」において、まちの特性、周辺からの
見え方、建築物等の形態・意匠等を総合的に勘案し、協議・調整
を行う。
○以上の景観形成の方針及び景観形成基準に基づき、当地区を取り巻く周辺のまちの特性に応じ、
街並みの調和や歩行者回遊空間の一体的形成の視点にも留意して景観誘導を行う。
- 117 -
第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
◆指針1.渋谷の玄関口に相応しい、様々なアクティビティが感じられる駅前の顔の形成
周囲からの見え方を意識した
デザイン例(舗装パターン)
…代々木公園
アクティビティが感じられる
デザイン例(建物)
…日本看護協会ビル
渋谷らしさ を形成する上で重要な眺望点
・ ハチ公前広場
・ 宮益坂下広場
・ 線路上空に整備される広場的空間
・ 国道 246 号上デッキ(東・西)
- 118 -
参考 渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針
◆指針2.渋谷らしい、エリアや沿道ごとに個性ある街並み、多様な界わい、活気と
にぎわい景観の形成
■景観形成イメージ
カフェテラス・アトリウム等
による建物内外の視覚的な一体化
中庭、光庭等と
抜け空間
高層建物の後退
人工地盤上の緑
凹凸があり、多層的に人の動き
の見える沿道建物
屋外空間への
にぎわいの演出
(注)開発予定街区は、下図中のものに限定せず、今後、本指針区域内で新た
に計画される大規模建築物等についても同様に扱う。
アーバン・コア
ゲート広場
特定区域景観形成指針
適用区域(約 31ha)
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第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
◆指針3.周辺とも連携した緑と水が連なる景観の形成
出典)「まちづくり指針
戦略2
谷を冷やす
∼緑・水を活かした谷空間の環境づくり∼」)
◆指針4.群としての象徴性を備えたスカイラインの形成
主要な眺望点
・代々木公園
・六本木ヒルズ
・新宿御苑
・国会議事堂
イメージ図
セルリアンタワー
まちの中心を示す
スカイライン
クロスタワー
マークシティ
三軒茶屋←
渋谷駅
- 120 -
→六本木
参考 渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針
【参考】
背景となる景観形成の考え方
◆ 劇場的な まちのイメージ
◆多様な人々が行き交い(回遊性)、個性豊かな街並み(軸)の起点となる「アーバン・コア」、
「ゲート広場」の形成イメージ
・特徴ある地形により生み出された沿道ごとに、特色をもった個性豊かな街並みを形成
するため、大規模建築物が、多様な沿道景観(にぎわい軸、オフィス軸)の「起点」
となるよう誘導。
・
「起点」は、景観の起点であり、かつ歩行者回遊の起点となり、そのための空間として、
ゲート広場及びアーバン・コアを整備し、視認性に配慮する。
多様な沿道景観の起点として、アーバン・コア、ゲート広場の視認性に配慮
駅・駅前広場
大規模建築物
駅と周辺地区を
結ぶ大規模建築物
個性豊かな街並み
例:にぎわい軸(宮益坂・道玄坂)
中層
(中景)
・
低層
アーバン・コア
ゲート広場のイメージ
ゲート広場
Y字地形や坂という特色をもつ個性豊かな街並み
(注)本指針に定める景観形成の方針及び景観形成基準は、渋谷区策定「渋谷駅中心地区まちづくり指針
2010」(H23.3)においても同様の内容が定められている。
- 121 -
第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
【参考】
(1)主要な空間軸の特性
①にぎわい軸:古くから大山詣でにぎわった道玄坂、宮益坂(旧大山街道)の2つの坂が
渋谷駅から東西に伸びており、これに接続する公園通り、文化村通りと併
せ、坂に連続する商業空間によって独特のにぎわい景観が形成されている。
②オフィス軸:六本木通り沿いに、中高層のオフィスが連続する景観が形成されている。
東側(渋谷∼六本木)は大規模オフィスビルが中心で、西側(渋谷∼山手
通り)はセルリアンタワーを除き中小規模のオフィス中心の景観である。
③緑と水の空間軸:代々木公園∼神宮通り公園∼宮下公園∼渋谷川とつながる緑と水の空
間軸では、公園と街路樹による連続した緑の景観が形成されている。
④旧宇田川が形成した谷筋:旧宇田川が形成した谷筋(井の頭通り)には、ここに接続す
るスペイン坂等の小路とともに、路面店によるにぎわい景観
が形成されている。
にぎわい軸
オフィス軸
(2)周辺地区の空間特性
上位計画であるまちづくり指針において、地元意見を聴取のうえ、周辺のまちの特性・
将来像が以下のとおり整理されている。
本指針適用区域
周辺地区
JR線
渋谷の顔となって
きた賑わいの拠点
エリア
原宿・表参道・青山へ
つながる交流拠点
エリア
回遊性のある渋谷の
玄関口にふさわしい
エリア
代官山・恵比寿へ
つながる教育・文化・
交流・居住の複合
エリア
六本木通り
緑と水を生かすと
ともに新たな産業を
育むエリア
国道 246 号
JR線
- 122 -
参考 渋谷駅中心地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針
(4)
運用体制
○運用体制は、以下に定めるとおりとする。
① 体制について
○渋谷区が設置する「渋谷駅中心地区デザイン会議」
(以下「デザイン会議」という。)に
おいて、良好な景観形成の実現に向けて適切な誘導を図る。
○具体的には、下図に示すとおり、学識・行政及び地元代表委員から構成されるデザイン
会議において、事業者から提案されたデザイン案に関して、まちづくり指針に定める景
観形成指針及び景観形成基準等との整合を確認するとともに本指針との整合を確認し、
景観の面から周辺地域との調和・連携について誘導・助言・調整を行う。
○なお、デザイン会議等の実施にあたっては、本指針に基づき、必要に応じ東京都関係部
局等との調整を行いながら進める。
■渋谷駅中心地区デザイン会議の仕組み
※
デザイン会議の対象は、東京都景観条例第 2 条第 5 号に基づく「大規模建築物等」及び景観形成上
重要な駅前広場等の都市基盤施設(公共施設)である。
このうち、本指針の対象は、東京都景観計画に基づき「大規模建築物等」のみとなる。
都市基盤施設(公共の施設)
大規模建築物等(民間の施設)
渋谷駅中心地区まちづくり指針2010
本指針に基づき
運用する範囲
渋谷駅中心地区デザイン会議
座長、副座長、学識委員、地元代表委員、行政委員(区)
都市基盤施設の
デザイン
大規模建築物等
(※2)
のデザイン
計画案
○対象施設
公共施設として整備さ
れる都市基盤(道路、
駅前広場、アーバン・コ
ア、デッキ等)
助言等
基盤整備の
事業主体
・
将来管理者
計画案
○対象施設
事業者
都市開発諸制度等を
活用する大規模建築
物等
助言等
地元に報告
(調整を終えた段階で、経過を含め一般公開)
(事業主体)
管理者協議等、必要な手続きを経て着工
(事業者)
必要な手続きを経て着工
- 123 -
第3部
良好な景観形成の実現に向けた推進方策
② デザイン会議の手順
デザイン会議
事務局(渋谷区)
事業者
1.案件の申込
【事業主体→事務局】
2.提出資料の確認・会議開催の時期調整
・指針に照らし、最低限の漏れがないか等を確認
・熟度・進捗等を勘案し、会議開催時期を調整
4.「デザイン会議」の開催
・事業者が作成した計画案をもとに、デザイン会議で議論する。
必要に応じ議論を重ねる
5.デザイン会議の意見集約
・デザイン会議としての意見集約
・デザイン会議で継続調整とする事項の整理
等
情報公開可能な段階に至った場合に連絡
【事業主体→事務局】
6.会議結果の公開【HP で公開】
- 124 -
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