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講演資料2

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講演資料2
水素社会実現に向けた国の取組について
平成27年3月24日
中部経済産業局
ガス事業課
1.水素エネルギー利活用の意義
/対応の方向性(総論)
1-1.水素エネルギー利活用の意義
 多岐にわたる分野において、水素の利活用を抜本的に拡大することで、大幅な省エネルギー、エネルギーセ
キュリティの向上、環境負荷低減に大きく貢献できる可能性がある。
 さらに、「将来の二次エネルギーでは、電気、熱に加え水素が中心的役割を担うことが期待され」ており、
「“水素社会”の実現に向けた取組の加速」が必要(「エネルギー基本計画」)。
【水素エネルギー利活用の意義】
①省エネルギー
燃料電池の活用によって高いエネルギー効率が可能
②エネルギーセキュリティ
水素は、副生水素、原油随伴ガス、褐炭といった未利用
エネルギーや、再生可能エネルギーを含む多様な一次エ
ネルギー源から様々な方法で製造が可能であり、地政学
的リスクの低い地域からの調達や再エネ活用によるエネ
ルギー自給率向上につながる可能性
③環境負荷低減
【水素エネルギー利活用の形態】
産業ガス
従来
産業ガスや
特殊用途
燃料電池自動車
(FCV)
2009年市販開始
2014年市販開始
エネルギー
利用本格化
FC:燃料電池
将来
日本の燃料電池分野の特許出願件数は世界一位である
等、日本が強い競争力を持つ分野
家庭用燃料電池
(エネファーム)
現在
水素は利用段階でCO2を排出しない。さらに、水素の製
造時にCCS(二酸化炭素回収・貯留技術)を組み合わせ、
又は再エネを活用することで、トータルでのCO2フリー化
が可能
④産業振興
ロケット燃料
FCフォークリフト
FCバス
水素発電・業務用FC
多様な
用途
水素ジェット航空機
FCスクーター
ポータブルFC
FC鉄道車両
1-2.「水素社会」の実現(エネルギー基本計画)
 水素をエネルギーとして利用する“水素社会”についての包括的な検討を進めるべき時期に差し掛かっている。
 将来の二次エネルギーでは、電気、熱に加え、水素が中心的役割を担うことが期待される。
エネルギー基本計画(水素部分概要) (2014年4月11日閣議決定)
第3章 第8節 3.“水素社会”の実現に向けた取組の加速
(1)定置用燃料電池(エネファーム等)の普及・拡大
家庭用(エネファーム)は2030年に530万台導入することを目標に、市場自立化に向けた導入支援や技術開発・標準化を通
じたコスト低減を促進。
業務・産業用も早期実用化を目指し技術開発や実証を推進。
(2)燃料電池自動車の導入加速に向けた環境の整備
2015年から商業販売が始まる燃料電池自動車の導入を推進するため、規制見直し等によって水素ステーション100ヶ所整
備の目標を達成するとともに、低コスト化のための技術開発等によりステーションの整備を促進。
(3)水素の本格的な利活用に向けた水素発電等の新たな技術の実現
水素の利用技術の実用化については、水素発電にまで拡がっていくことが期待。技術開発を含めて戦略的な取組を今から着
実に推進。
(4)水素の安定的な供給に向けた製造、貯蔵・輸送技術の開発の推進
水素をより安価で大量に調達するため、先端技術等による水素の大量貯蔵・長距離輸送など、水素の製造から貯蔵・輸送に
関わる技術開発等を今から着実に推進。
(5)“水素社会”の実現に向けたロードマップの策定
“水素社会”の実現に向けたロードマップを本年春を目途に策定し、その実行を担う産学官による協議会を早期に立ち上げ。
1-3.水素社会の実現に向けたロードマップの策定と実行
 水素エネルギー利活用の促進に向けて、需要に見合った水素の安価・安定的な供給のため、水素の「製
造」「貯蔵・輸送」「利用」まで一気通貫したサプライチェーン構築が重要。
 各種の取組を進めるため、経済産業省に産学官からなる「水素・燃料電池戦略協議会」を設置。同協議会
での議論を経て、2014年6月にロードマップを策定。(6月24日公表)
 「日本再興戦略」改訂2014(6月24日閣議決定)において、「ロードマップに基づき必要な措置を着実に進
める」こととされた。
水素サプライチェーンのイメージ
水素ステーション
水素
油田・ガス田
随伴ガス 等
パイプライン
水素
高圧ガス水素
燃料電池自動車
水素
水素
褐炭 等
分散型電源
水素
再生可能
エネルギー
電力
水素
液体水素
有機ハイドライド
水素発電
etc
1-4.水素社会の実現に向けた対応の方向性
 フェーズ1(水素利用の飛躍的拡大):現在~
足元で実現しつつある、定置用燃料電池や燃料電池自動車の活用を大きく広げ、我が国が世界に先行す
る水素・燃料電池分野の世界市場を獲得。
 フェーズ2(大規模な水素供給システムの確立):2020年代後半に実現
水素需要を更に拡大しつつ、水素源を未利用エネルギーに広げ、従来の「電気・熱」に「水素」を加えた新た
な二次エネルギー構造を確立。
 フェーズ3(トータルでのCO2フリー水素供給システムの確立):2040年頃に実現
水素製造にCCS(二酸化炭素回収・貯留)を組み合わせ、又は再生可能エネルギー由来水素を活用し、
トータルでのCO2フリー水素供給システムを確立する。
【水素社会の実現に向けた対応の方向性】
2020年
東京オリンピックで
水素の可能性
を世界に発信
2030年
2040年
フェーズ1
フェーズ2
フェーズ3
燃料電池の利用拡大
大規模な水素供給システムの確立
トータルでのCO2フリー
水素供給システムの確立
2017年
家庭用燃料電池に加え、業
務・産業用燃料電池を市場
投入
2020年頃~2020年代半ば
燃料電池車の普及拡大を
促進する水素価格・車両価
格の実現
開発・実証の加速化
水素供給国との協力関係の構築
2020年代後半
海外からの水素供給システム
確立
2030年頃
水素発電の本格化
水素供給体制の構築見通しを踏まえた
計画的な開発・実証
2040年頃
CO2フリー水素供給システム確立
水素・燃料電池戦略ロードマップ概要
~全分野一覧~
2015年頃
2020年頃
2030年頃
フェーズ1: 水素利用の飛躍的拡大(燃料電池の社会への本格的実装)
定置用
燃料電池
現状
水
素
の
「
利
用
」
2009年市場投入
10万台超が普及
燃料電池車
現状
ユーザーが7、8年で投資回収
可能なコストの実現
(注)赤の矢印は国が重点的に関与する取組を、
青の矢印は民間が中心となって行う取組を指す。
2040年頃
ユーザーが5年で投資回収
可能なコストの実現
家
家庭用燃料電池の自立的な普及拡大
庭 導入支援
用
2017年 業務・産業用の市場投入
産業
業 務 実用化に向けた実証、規制見直し
業務・産業用燃料電池の自立的な普及拡大
用
同車格のハイブリッド車同等の価格競争力を有する車両価格の実現
2014年12月
乗用車市販開始
2016年
バス市場投入予定
①車両の導入支援
②車両の低コスト化・高耐久化等に向けた技術開発
燃料電池車の自立的な普及拡大(燃料電池車の世界最速普及)
フェーズ2: 水素発電の本格導入/大規模な水素供給システムの確立
自家発用水素発電の本格導入開始
発電事業用水素発電の本格導入開始
水素発電
自家発用水素発電の本格導入
水素発電ガスタービン等
の開発・実証
ガソリン車の燃料代と同等以下の水素価格の実現
現状
「
輸
送
・
貯
蔵
」
【 水素ステーションの先行整備
水素STの自立的展開
国水
素 水素ステーションに関する技術開発・規制見直し
高圧水素ガスや液
S
化水素の形態で、 内 T
】
産業ガスとしてごく
ハイブリッド車の燃料代と同等以下の水素価格の実現
一部が流通
【 液化水素や有機ハイドライド等の形での
流
商業ベースでの効率的な水素の国内流通網の拡大
通 国内流通に関する開発・実証
】
3
発電事業用水素発電の本格導入
※大半は、石油
海外からの水素価格(プラント引渡価格)30円/Nm を実現
精製等により
自家消費
海
海外からの未利用エネ由来水素の製造、輸送・貯蔵の本格化
外
「
製
造
」
発電事業用水素発電の本格導入
現状
ナフサや天然ガス等
の化石燃料から水
素製造
有機ハイドライドや液化水素等の形での海外からの
水素輸送・貯蔵の開発・実証
海外の未利用エネルギー(副生水素、原油随伴ガス、褐炭等)
からの水素製造の開発・実証
により水素価格の低減が加速化
CO2フリー水素の製造、輸送・貯蔵の本格化
海外での未利用エネ由来
水素の製造、輸送・貯蔵の本格化
フェーズ3: トータルでのCO2フリー水素供給システムの確立
再生可能エネルギー等を活用したCO2フリーの水素製造に関する開発・実証
CO2フリー水素
の製造、輸送・貯蔵
の本格化
2.燃料電池自動車等の社会的意義
2-1.燃料電池自動車の市場投入までの経緯
 2002年12月、トヨタ及びホンダが5省庁に燃料電池自動車(FCV)をリース(世界初)。
 水素・燃料電池実証(Japan Hydrogen & Fuel Cell Demonstration Project: JHFC)による本格的な水素ス
テーション実証や、水素ステーションの先行整備を経て、2014年12月に一般販売が開始。
【 燃料電池自動車関連の主な取組の推移 】
~1999年
2000~2004年
2005~2009年
2015年~
水素・燃料電池実証(JHFC)
試作車等による研究開発
第1期
(2002年度~)
世界初のリース販売車を官邸に納車
2010~2014年
第2期
 燃料電池自動車
一般販売開始
第3期
(2006年度~) (2011年度~13年度)
 (2002.02)国内初の実証水素ステーション完成
 (2002.12)トヨタ/ホンダ 官邸へFCVリース
(2014年12月)
商用ステーション
先行整備
トヨタ「MIRAI」販売開始
(2013年度~)
 (2011.01)13社による共同声明
世界初の市販車を4省庁に納車
 (2014.07)
国内初の商用水素ステーション
開所
 (2015.01)
トヨタ「MIRAI」第1号車納車
2-2.燃料電池自動車の意義①
 輸送部門は、我が国のエネルギー使用量の約2割を占め、そのほぼ全てを石油製品に頼っている。
 燃料電池自動車のCO2排出量は水素製造源によって様々ではあるが、従来のガソリン車等と比べるとCO2
排出量削減が期待できる。また、再生可能エネルギー等を用いた場合の将来的な削減ポテンシャルも大き
い。
Well to Wheel のCO2排出量の比較
輸送部門のエネルギー消費の現状
出典:総合エネルギー統計より作成
最終エネルギー消費の部門別内訳
(2012年度)
産業
43.3%
民生
33.5%
発電
18.3%
運輸
23.2%
FCV
(オンサイト都市ガス改質)
その他
4.2%
民生
14.1%
産業
28.2%
自動車
33.2%
運輸(自動
車以外)
2.1%
航空 鉄道
船舶 4.1% 2.2%
4.6%
自動車
89.1%
運輸部門の構成比
CO2排出量(Well to Wheel JC08モード)
我が国の原油・石油製品供給に対する
自動車部門の消費割合(2012年度)
都市ガス
0.1%
電力
2.0%
F
C
V
g-CO2/km
79
FCV
(オンサイト太陽光アルカリ水電解)
14
FCV
(オフサイト天然ガス改質)
78
147
ガソリン車
132
ディーゼル車
石油製品
97.8%
95
ハイブリッド
自動車の燃料比率
0
20
40
60
80 100 120 140 160
出典:「総合効率とGHG 排出の分析報告書」(財団法人 日本自動車研究所、平成23年3月)
2-3.燃料電池自動車の意義②
 中長期的には、航続距離、CO2制約、燃料価格等の要因によって、次世代自動車の棲み分けがなされてい
くと考えられる。
 燃料電池自動車は発電した電力を外部に供給することも可能であり(FCV2H)、電気自動車に比べて5倍以
上の供給能力を持つ。
<車種毎の棲み分け概念図>
クリーンディーゼル車領域
大きい
FCV領域
HV・PHV領域
車
両
サ
イ
ズ
(本格普及段階・市場導入段階)
EV領域
(市場導入段階)
近距離・域内
コミューター
短い
燃料
(市場導入段階)
走行距離
電気
ガソリン、軽油、CNG、LP
G、
バイオ燃料、合成燃料等
長い
水素
2-4.定置用燃料電池の意義
 定置用燃料電池とは、都市ガス・LPガスから取り出した水素と、空気中の酸素を化学反応させて電気と熱
を発生させるコージェネレーションシステム。
 利用段階で反応物として水しか排出せずクリーンであり、また、化学反応から電気エネルギーを直接取り出
すためエネルギーロスが少ない。電気と熱の両方を有効利用することで、更にエネルギー効率を高めること
が可能。
定置用燃料電池の省エネ・CO2削減効果
定置用燃料電池のイメージ
家庭用燃料電池
(エネファーム)
<戸建住宅用>
<集合住宅向け>
業務・産業用燃料電池
<数百kWクラス>
2009年より販売開始 2014年4月より販売開始
[出典]三菱日立PS
家庭用燃料電池実証事業の2009年1月~12月の
通年データによる省エネ、二酸化炭素排出削減効果
一次エネルギー削減量
12,230 MJ/年
(エネルギー削減23%)
18リットル灯油缶
18.5缶分のエネルギー節約
CO2削減量
1,330kg-CO2/年
( CO2削減率 38%)
2,460m2の森林が
吸収するCO2の量に相当
<数kWクラス>
[出典] パナソニック
※ガス給湯器及び系統電力を利用した場合との比較
[出典]三浦工業
[出典]2009年度定置用燃料電池大規模実証事業報告書
3.燃料電池自動車等の現状と課題
3-1.水素ステーションの先行整備(考え方)
 燃料電池自動車ユーザーの受容性を高めるためには、燃料補給に対する不安を払拭するため、十分な水
素ステーションを整備することが不可欠。
 2011年1月、国内の自動車会社とエネルギー事業者13社が、四大都市圏を中心に100箇所程度の水素
ステーションの先行整備を目指すことについて、共同声明を発表。
 このような先行整備の考え方としては、燃料電池自動車の普及初期において、水素ステーションの運営が
容易ではない中で、ユーザーが許容できる距離や燃料電池自動車の高い需要が見込まれる地域等の要素
を勘案し、集中整備を目指すもの。
民間13社による共同声明(2011年)
①燃料電池自動車を2015年に市場投入
②四大都市圏を中心に水素ステーションを
整備
【自動車会社】
トヨタ、日産、ホンダ
【石油会社】
JX日鉱日石エネルギー、出光、昭和シェル、コス
モ石油
【都市ガス会社】
東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス
【産業ガス会社】
岩谷産業、大陽日酸
100箇所の水素ステーションの先行整備の考え方
考え方
○ 四大都市圏を中心とした地区への整備
→市場黎明期における燃料電池自動車の最も
有望な市場として、下記の要素を勘案し、四大
都市圏における箇所数を算出
 ガソリンスタンド到着までの消費者許容
時間(10分程度)
 自動車の平均旅行速度
 乗用車の販売台数の多い地域
○ 四大都市圏をつなぐ高速道路への整備
ST数
90箇所
10箇所
3-2.燃料電池自動車等の普及に向けた主な課題と取組
 2014年12月に市場投入された燃料電池自動車の普及に向け、2015年度までに4大都市圏を中心に
100箇所程度の水素ステーションの整備を目指す。
 また、2025年頃に同車格のハイブリッド車同等の価格競争力を有する車両価格を目指す。燃料となる水素
の価格については、2020年頃にハイブリッド車の燃料代と同等以下の水素価格を目指す。
①水素ステーションの整備補助
燃料電池自動車
トヨタ自動車:2014年12月15日の一般販売開始
FCV普及 + 水素ステーション整備
→ 双方に同時に取り組む必要
①燃料電池自動車の導入支援
• 初期需要創出の観点から、燃料電池自
動車の量産効果を下支えする導入補助 高速道路へも配置
(202万円を補助)
合計100箇所程度
②燃料電池等の技術開発
• FCVの低コスト化、高耐久化に向けて、
燃料電池に関する基盤技術開発、水素
タンクに関する技術開発等を促進
<四大都市圏中心>
FCV市場投入
③海外展開に向けた制度整備
水素ステーション集中配置
• 世界統一基準と国内法令の調和や、相
互承認を推進
• FCVの市場投入に先行し、水素ステーショ
ンの整備費用の一部を補助
(整備費用の1/2を補助)
②低廉な水素ステーションの開発等
• FCVの普及状況に見合った仕様の確立
• 圧縮機や蓄圧機等の構成機器の低コスト化
に向けた技術開発
• パッケージ型や移動式ステーションの活用
③規制見直し
• 高圧ガス保安法等の規制について、欧米の
規制を参考にしつつ、圧力容器の設計基準、
使用可能鋼材の制約等を見直す
14
• 「規制改革実施計画」(2013.6)に基づき、
25項目について規制見直しを加速化
3-3.水素ステーションの先行整備の状況
首都圏:26箇所
全国:45箇所(開所:9箇所)
東京都 練馬区
※平成27年2月24日時点
東京瓦斯
2014年12月開所
関西圏:4箇所
東京都 八王子市
JX日鉱日石エネルギー
2015年2月開所
兵庫県 尼崎市
岩谷産業
2014年7月開所
整備中
神奈川県 海老名市
JX日鉱日石エネルギー
2014年12月開所
大阪府 茨木市
泉佐野市
神奈川県 横浜市旭区
JX日鉱日石エネルギー
2015年2月開所
滋賀県 大津市
神奈川県 横浜市泉区
JX日鉱日石エネルギー
2015年2月開所
北部九州圏:4箇所
中京圏:11箇所
愛知県 みよし市
福岡県 北九州市
JX日鉱日石エネルギー
2015年2月開所
岩谷産業
2014年10月開所
整備中
福岡県 福岡市
北九州市
山口県 周南市
埼玉県 さいたま市見沼区
JX日鉱日石エネルギー
2015年2月開所
整備中
愛知県 名古屋市(2)
名古屋市(2)
岡崎市(2)
刈谷市
豊田市
日進市
清須市
整備中
東京都 千代田区
港区
大田区
杉並区
板橋区
神奈川県 横浜市
相模原市
藤沢市
伊勢原市
埼玉県 さいたま市
さいたま市(2)
川越市
春日部市
狭山市
越谷市
戸田市
千葉県 千葉市
印旛郡
山梨県 甲府市
※青文字は移動式ステーション。その他は固定式ステーション。
3-4.燃料電池自動車・水素ステーションに関する最近の動向
 2014年12月に燃料電池自動車が市場投入。それに先行して、2014年7月に国内初の商用水素ステー
ションが開所し、順次開所が進められている。
トヨタ自動車
本田技研工業
<2014.12.15>
 燃料電池自動車「MIRAI」を販売開
始(税込価格723.6万円)
<2015.1.6>
 燃料電池自動車等に関する特許実
施権(約5,680件)の無償提供を発
表
JX日鉱日石エネルギー
岩谷産業
<2014.10.1>
 水素ステーション事業を専門に行う
「(株)ENEOS水素サプライ&サービス」を
設立。
<2014.7.14>
 国内第1号となる商用
水素ステーションが兵庫
県で開所
<2014.11.12>
 年度内に11箇所の水素ステーションを
開所すると発表
<2014.11.14>
 水素販売価格を1,100円/kgに決定
<2014.12.25>
 海老名市に商用水素
ステーションを開所
 水素販売価格を
1,000円/kgに決定
<2014.12.10>
 コンビニ併設スタンドの展開を発表
東京ガス
<2014.12.18>
 商用ステーションを練馬区で開所
<2015.1.8>
 水素販売価格を1,100円/kgに決定
<2014.11.17>
 燃料電池自動車のコンセプトカーを
発表
 2015年度中に日本で販売開始する
ことを発表。
豊田通商/日本エア・リキード
<2015.1.19>
 名古屋市熱田区及び豊田市に建設して
いた商用水素ステーションが竣工。開所
に向けて準備中
豊田通商/岩谷産業/大陽日酸
<2015.2.13>
 移動式水素ステーションを運営する「合
同会社日本移動式水素ステーション
サービス」を設立。
3-5.水素ステーションの整備コスト
 標準的な供給能力を有する水素ステーションの整備費は、4~5億円程度であり、一般的なガソリンスタンド
の整備費が1億円を下回ることと比べると、非常に高額となっている。
水素ステーションの構成機器(概要)
水素ステーションの整備費の内訳
合計
4.6億円
土木工事費
オフサイト水素ステーション
水素ガス
カードル輸送
0.70
または
水素製造・精製・設備
プレクーラ-(冷却)
トレーラー輸送
機器工事費
1.40
その他各種配管
蓄圧機(一時貯蔵)
0.50
ディスペンサ
プレクーラ
LNG基地
0.60
0.50
都市ガス(パイプライン)
LPG,石油ナフサetc
水素製造装置
圧縮機(高圧化)
ディスペンサー
(水素注入)
蓄圧機
圧縮機
0.30
0.60
単位:億円
オンサイト
水素ステーション
(※)平成25年度水素供給設備整備補助金申請額の平均値
[出典]次世代自動車振興センター資料から作成
製油所etc.
燃料電池自動車(FCV)
3-6.水素コスト構造
 現在の水素供給コストは水素ステーションの稼働率が100%の場合、おおむね100~150円/㎥と試算さ
れる。
 ガソリン価格は、税金及び原料となる原油コストがそれぞれ4割程度を占めているのに対し、水素供給コスト
(≠価格)は、水素ステーションにおけるコストが全体の6割程度を占めている。
ガソリン価格の構成比
水素コスト構造(ナフサ改質)
(2012年)
+マージン
100%
70%
60%
50%
ガソリン税
消費税
41%
20%
変動費
80%
26%
固定費
70%
ステーション
62%
①ステーション整備コスト
•
60%
流通マージン 7%
精製マージン 10%
40%
30%
10%
90%
90%
80%
コストの6割程度を水素ステーション
側のコストが占めている。
100%
50%
40%
原油
コスト
30%
41%
20%
10%
0%
【出典】日本エネルギー経済研究所
10%
26%
ステーション
整備
4%
変動費
15%
固定費
19%
コストの約25%を水素ステー
ション整備の減価償却費が占め
ている。
②ステーション運営コスト
製造・輸送
38%
(うち原料19%)
•
人件費、土地代など、ステーショ
ン運営上の固定費がコストの約
25%を占めている。
原料水素
0%
(※)稼働率100%を仮定した
場合のコスト構造(≠価格)
【出典】JHFCより、各種前提条件を
現状に合わせて再計算
3-7.水素ステーションの運営コスト
 現在の水素ステーション運営におけるランニングコストは、減価償却費を除くと年間4500万円程度であり、
内訳としては、人件費や土地代が多くを占める(※ただし、土地代については、設置場所によって大きく変動
することに留意)。
 また、下表に計上されていない高圧ガス設備に対する点検等については検討が必要。
水素ステーションの運営コスト
(単位:千円)
① 水素ステーション
(中規模オフサイト) ※
建設費
人件費
資本費
1.5 人
② 天然ガスステーション
(①と同規模の供給能力)
460,000
10,500
1 人
100,000
7,000
減価償却費
46,000
10,000
修繕費
13,800
3,000
保険料
1,948
424
固定資産税
3,542
770
2,100
1,400
一般管理費(労務費)
土地代
700 ㎡
14,000 500 ㎡
10,000
小 計
91,890
32,594
減価償却費を除いた運営コスト
45,890
22,594
※ JHFCによる試算方法により試算初年度の運営コストを記載、原料仕入等の変動費含まず
資源エネルギー庁
機密性○
燃料電池推進室
03-3501-7807
【参考】水素供給設備整備事業費補助金
平成26年度補正予算額
95.9億円
事業の内容
事業イメージ
事業目的・概要
 燃料電池自動車(FCV)は、水素を燃料とする自動車で、国内外の
自動車メーカーによって、開発競争が進められており、日本では、2014
年12月に世界に先駆けて販売が開始されました。
 本事業では、FCVの普及の促進及び早期の自立的な市場の確立を目
指すため、水素供給設備(水素ステーション)の整備費用の一部を補
助することで、水素ステーションの整備を加速させます。
四大都市圏への集中配備
新たな需要の創出等
 燃料電池自動車の需要が高い地域への効
率的な水素供給設備の整備
 水素供給設備を活用した燃料電池自
動車の需要喚起
[水素供給設備の採択状況]
・首都圏 : 26箇所
・中京圏 : 11箇所
・関西圏 : 4箇所
・北部九州圏: 4箇所
※平成26年11月末現在
[新たな需要創出活動の例]
・潜在的なユーザーに対する広報、
需要喚起活動
・水素供給設備の利便性確保に
必要な活動 など
 また、FCVの潜在的な需要を喚起するとともに、今後の水素供給設備
の適切な整備・運営方法を確立するため、水素供給設備を活用した
FCVの新たな需要創出等に必要な活動費用の一部を補助します。
機密性○
水素供給設備
水素集中製造設備
成果目標
 本事業を通じて、平成27年度中までに四大都市圏を中心とした地域
において累計100箇所の水素供給場所の確保を目指します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
補助
国
補助(定額,2/3,1/2)
民間団体等
民間企業等
【参考】平成26年度補正水素供給設備整備補助金の概要
水素供給設備の規模
中規模
水素供給能力
(Nm3/h)
300以上
供給方式
オンサイト方式
(パッケージを含むもの)
オンサイト方式
(上記に該当しないもの)
オフサイト方式
(パッケージを含むもの)
オフサイト方式
(上記に該当しないもの)
移動式
小規模
100以上
300未満
オンサイト方式
(パッケージを含むもの)
オンサイト方式
(上記に該当しないもの)
オフサイト方式
(パッケージを含むもの)
オフサイト方式
(上記に該当しないもの)
移動式
移動式
パッケージ
補助率
補助上限額
(百万円)
同補正
平成26年度
定額
280
290
1/2
280
290
定額
220
250
1/2
220
250
定額
250
250
定額
180
220
1/2
180
220
定額
150
180
1/2
150
180
定額
180
180
:充填性能に直接関わる設備を1の架台に搭載し移動可能なもの
:主要設備を1又は2の筐体に内包した設備形態のもの
補助率
需要創出活動費(新設)
2/3
補助上限額(百万円)
22.0(運用場所が2箇所
以上のものは26.0)
3-8.社会受容性の向上①
 水素ステーションの整備に当たっては、ガソリンスタンドに比べて危険であるという認識を持つ人もいるため、
設置場所の近隣住民からの理解を得ることができないおそれ。
 このため、水素の安全性に関する理解促進のための成果普及活動と、技術面での性能向上を図るべき。
水素ステーションの社会受容性調査と対策
21.3%
そう思う
水素ス
テーショ
ンはガソ
リンスタ
ンドより
危険
41.9%
どちらとも言えない
・爆発
・高圧
・引火性
・漏れを気にする必要
・安全装置が不十分
・燃えやすい
・事故のイメージ
・被害規模が大きい
・扱いに不慣れ
・扱える人が不足
・管理に不安
・知識が少ない
・どちらも危険度は同
等
・密閉性の確保
・扱い方、使われ方、
管理体制次第
・良くわからない
・知らない
・違いがわからない
36.8%
そうは思わない
・どちらも同等に危険
・安全対策がされている
・厳しい基準
・滞留しない
・ガソリンの方が引火しや
すい
・扱い方、使われ方、管理
体制次第
・管理次第で問題なし
・イメージ
・ガソリンスタンドより安
全そう
・ガソリンの方が火で燃え
そう
・新エネルギーなので安全
対策がとられている
【出典】水素供給・利用技術研究組合社会受容性調査(2012年度)
触媒学会、FCDIC、FC懇談会シンポジウム
FC EXPO 2013
理解促進のための成果普及活動
3-9.社会受容性の向上②
 水素は上方に拡散しやすく滞留しにくい。この特性を踏まえて、仮に水素が漏れた場合でも早く拡散させるこ
とによって濃度を希薄にするとともに、着火しにくいようにすることが重要。
基本的な考え方
ステップ1:漏洩防止
ガス漏えい検知器により、水素漏れを検知する
とともに、検知した場合には設備を自動停止
ステップ2:滞留防止
建屋の換気やキャノピーに傾斜をつけるなど、
水素が拡散しやすい構造
ステップ3:着火防止
静電気防止、引火の火種となる機器の採用、危
険物との法定離隔距離の確保による着火の防止
ステップ4:周囲への影響防止
高圧ガス設備から敷地境界までの法定離隔距離
の確保や、障壁の設置による周囲への影響防止
水素ステーションにおける安全設備
3-10.家庭用燃料電池(エネファーム)の普及・拡大
 2009年に世界に先駆けて我が国で販売が開始。2020年140万台、2030年530万台の導入目標。
 販売価格は、2009年の販売開始時には300万円超であったが、現在は150万円程度まで低下。
 これまでに11万台超が普及。
【家庭用燃料電池の普及シナリオ】
【普及・拡大に向けた取組】
①初期需要の創出
800万円
市場規模(台数)
世界に先駆けて
市場投入
(導入補助開始)
市場の
自立化
•
導入初期段階における市場を創出するため、導入
費用の一部補助(平成26年度補正:222億円)。
②市場の拡大
300万円
150万円
•
集合住宅向け小型エネファームの開発
(→2014年4月に市場投入)
•
熱需要の多い欧州等を
中心とした海外展開の推進
(→ 2014年4月に市場投入)
約11.2万台
約5千台
500台
③燃料電池の低コスト化
販売価格(1台)
•
2005
2009
大規模実証
2015.1
2016
導入拡大期
欧州で販売中の
家庭用燃料電池
2020~2030
本格普及期 (経済産業省予測)
電極触媒として使用されている白金の使用量を低
減させるための技術開発 等
3ー11.定置用燃料電池の課題
(課題1) 家庭用燃料電池の経済性の向上(まずは10年投資回収を下回ることが目安)
<主な取組の方向性>
① 量産効果による機器の低コスト化
② 低白金化等の技術開発
③ 施工、流通、メンテナンスに係るコスト低減
④ 発電効率、耐久性の向上等の技術開発
⑤ 余剰電力の取引円滑化
PEFCのコスト構造
スタック
燃料処理器
補機類
外装
制御
貯湯槽
15%
15%
15%
15%
10%
30%
SOFCのコスト構造
スタック
燃料処理器
補機類
外装
制御
貯湯槽
30%
20%
10%
10%
10%
20%
[出典]各社へのヒアリングから経済産業省作成
(課題2) 家庭用燃料電池の対象ユーザーの拡大(既築住宅、集合住宅等への拡大/海外展開)
<主な取組の方向性>
① コンパクト化(←発電効率、耐久性の向上等
の技術開発)
② ディベロッパー等を交えた業界横断的な議論
③ 日本の実績を取り込んだ国際標準化の推進
家庭用燃料電池のユーザーの現状
(課題3) 業務・産業用燃料電池の早期市場投入
<主な取組の方向性>
① 先行する海外メーカーを意識した、早期市場
投入に向けた開発・実証の迅速化
[出典] 民生用燃料電池導入支援補助金交付実績
(注)2009年4月~2013年12月の累積補助金交付台数
【参考】民生用燃料電池(エネファーム)導入支援補助金
平成26年度補正予算額
資源エネルギー庁燃料電池推進室
機密性○
03-3501-7807
222.0億円
事業イメージ
事業の内容
事業目的・概要
 家庭等における省エネを促進するため、2009年から世界に先駆けて本
戸建住宅用
集合住宅向け
エネファーム模式図
格販売が開始された家庭用燃料電池(「エネファーム」)の普及拡大
と早期の自立的な市場の確立を目指し、導入費用の一部を補助しま
す。
 特に、既設給湯器の取り外しや廃棄等の追加コストがかかるなどの理由
から普及が遅れている既築住宅向けへの導入を重点的に促進すること
で、エネファームによる省エネ等の家庭部門への広い波及を目指します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
 対象者
・家庭用燃料電池を設置する者
・リース等により家庭用燃料電池を提供する者
 補助率
従来型給湯器との価格差の1/2+設置工事費の1/2
 補助上限額
・PEFC:30万円※1 、SOFC:35万円※2
・既築住宅は、設備除去等に係る追加コスト分を一部上乗せ
※1:固体高分子形。排熱回収効率が高く起動停止が比較的容易。
※2:固体酸化物形。発電効率が高く本体も小型。
成果目標
 家庭の省エネ及び光熱費削減に向けて既築住宅を含め住宅への家庭
用燃料電池の普及を加速することにより、2020年までに140万台普
及させる目標の達成を目指します。
補助(1/2)
補助
国
民間団体等
設置者
家庭用燃料電池システム「エネファーム」【出典】パナソニック
燃料電池のエネルギー効率
 家庭用燃料電池は化学反応によ
り直接電気と熱を発生させるため
高効率。
 また、分散型電源のため送電ロス
が少なく、電気に加えて熱を有効
に利用するため、総合エネルギー
効率が非常に高い。
省エネルギー
CO2削減
3.水素ステーションの戦略的な整備
3-1.水素ステーションの戦略的な整備
 現在の水素ステーションの先行整備状況は、四大都市圏間で設置数に格差があったり、四大都市圏をつな
ぐ高速道路沿い等にステーションの設置がなされていない状況。
 また、高い需要が想定される地域(例、都心部)については、水素ステーションに必要な用地の確保が難しく、
設置がなされていない状況。また、土地賃借料が高いこともその原因。
移動式水素ステーションの活用
•
移動式水素ステーションはトレーラー等に必要な設備を積載した水素ステーションであり、①規制が定置式と異な
ること、②必要最小限の設備にとどめることで、2億円程度(トレーラー別)と低コストを実現。必要な面積も150㎡
程度(通常700㎡)と狭い面積で済む。
•
ただし、水素供給能力が通常の水素ステーションに比べて乏しいため、ビジネスモデルについては検討が必要。
【出典】大陽日酸
3-2.水素ステーションに係るこれまでの規制見直し①
 水素ステーションの自立的な普及に向けて、4~5億円かかる整備コスト※を低減するためには、技術開発
に加え、海外に比べて厳しいと言われる規制の見直しを実施していく必要がある。
 2013年5月、安倍総理が成長戦略第2弾の発表の中で、燃料電池自動車用水素タンク、水素ステーショ
ン等に係る規制の一挙見直しを発表。さらに、「規制改革実施計画」(2013年6月閣議決定)等を踏まえて、
25項目に及ぶ規制見直しに着手。
※中規模オフサイトステーションの場合
【 安倍総理の施策方針演説(15.2.12) 】
安倍内閣の規制改革によって、昨年、夢の水素社会への幕が
開きました。全国に水素ステーションを整備し、燃料電池自
動車の普及を加速させます。
【 水素ステーションに関する主な規制の見直し 】
【 安倍総理の成長戦略第2弾スピーチ(14.9.29) 】
水素の活用を阻んできた、様々な省庁にまたがるがんじがら
めの規制を、昨年、一挙に改革しました。「規制緩和のおか
げです。」
【 安倍総理の成長戦略第2弾スピーチ(13.5.17) 】
<会見での安倍総理発言>
私は、新たなイノベーションに果敢に挑戦する企業を応援し
ます。その突破口は、規制改革です。
例えば、燃料電池自動車。二酸化炭素を排出しない、環境にや
さしい革新的な自動車です。しかし、水素タンクには経産省の
規制、国交省の規制。燃料を充てんするための水素スタンドに
は、経産省の規制の他、消防関係の総務省の規制や、街づくり
関係の国交省の規制という、がんじがらめの規制の山です。
一つずつモグラたたきをやっていても、実用化にはたどりつき
ません。これを、今回、一挙に見直します(中略)。
燃料電池自動車も、(中略)、果たして、何年議論されてきた
でしょうか。もう議論は十分です。とにかく実行に移します。
高圧ガス保安法
【経済産業省】
 配管等に用いることができる鋼材種の拡大
 配管等の設計係数の緩和(ノズルの軽量化の実現)
 液化水素用水素ステーションの基準整備 等
消防法
【総務省】
建築基準法
【国土交通省】
 ガソリンスタンドと水素ス  市街地において水素供
テーションの併設を可能
給に十分な水素量を保
とする規制見直し
有可能にするための保
有量上限の撤廃
3-3.水素ステーションに係るこれまでの規制見直し②
材料の規制
○ 保安検査の基準整備(40MPa)
【高、26年度中】
○ 設計係数の緩和の手続き簡素化
(配管等:4→2.4倍)
【高、26年10月】
○ 配管等への使用可能鋼材の拡大
【高、26年11月】
○ 蓄圧器への複合容器使用の基準整備
【高、26年11月】
○ 使用可能鋼材の性能基準化
【高、27年度までに順次結論、結論を得次第措置】
○ 設計係数の緩和(特定設備:4→2.4倍)
【高、27年度結論、結論を得次第措置】
立地の規制
運営の規制
○ 82MPaスタンドを設置する基準整備
【高、24年12月】
○ 市街地における水素保有量の増加
【建、26年12月】
○ 液化水素スタンドの基準整備
【高、26年11月、建、26年12月、消、策定中】
○ 小規模スタンドの基準整備
【高、建、26年度結論、結論を得次第措置】
○ 市街地における水素保有量上限撤廃
【建、26年12月】
○ 市街化調整区域への設置基準
【都、25年6月】
○ 充填圧力の変更(70MPa→82MPa)
【高、26年度結論、結論を得次第措置】
輸送の規制
○ 容器の圧力上限緩和(35→45MPa)
【高、26年3月】
○ 安全弁の種類追加(ガラス球式)
【高、~27年】
○ 容器等に対する刻印方式の特例
【高、24年3月】
○ 上限温度の見直し(40→85℃)
【高、26年度結論、結論を得次第措置】
蓄圧器
水素トレーラー
圧縮器
マルチステーション
貯蔵
水素製造装置
水素ディスペンサー
高:高圧ガス保安法
建:建築基準法
都:都市計画法
消:消防法
H2
距離の規制
○ CNGスタンド併設時の設備間距離短縮【高、26年4月】
○ 公道との
○ ガソリンディスペンサーとの併設【消、24年5月】
公道との離隔距離(6m)
ガソリンスタンド設備との離隔距離(6m) 離隔距離
○ ディスペンサー周辺の防爆基準の策定【高、25年3月】
○ プレクーラ-に係る保安距離の緩和(10m→0m)
水素スタンド設備と天然ガススタンド設備 (6m)
○ ガソリ
との離隔距離(
【高、26年11月】
給油空地
その他の規制
○ 公道充填のための基準整備【高、~27年】
○ 水電解機能を有する昇圧装置の定義
【高、26年3月】
・赤字:措置済み ・青地:一部措置又は規制見直しの結論を得たもの ・黒字:検討中
3-4.水素ステーションに係る規制見直しの代表的な成果
 これまでの規制改革実施計画等を踏まえ、水素ステーションに係る規制の見直しを実施。
 水素ステーションの設置に係る基本的な規制の整備は実施済み。
 今後、水素ステーションの本格的な普及が期待される。
1.82MPaの水素スタンドの設置が可能へ(平成24年11月、平成26年11月)
・燃料電池自動車の航続距離延長に対応するため、82MPaの水素スタンドの技
術基準を整備。
・敷地面積の制限される都市部にて設置するための技術基準を整備。
・輸送等で効率的な液化水素に対応するための技術基準を整備。
・これらの規制見直しにより、本格的な普及が可能へ。
40MPaスタンド
本格
普及へ
2.ガソリンスタンド①や天然ガススタンド②との併設が可能へ
(①平成24年5月、②平成26年4月)
82MPaスタンド、都
市部でガソリン又
は天然ガススタン
ドとの併設可能
・既存のガソリンスタンドや天然ガススタンドと併設することにより、建設及び運用
コストが削減。
3.水素充塡用のノズルの軽量化へ(平成26年10月)
・安全係数の緩和の手続き簡素化により、重量の半減が可能に。
重量約半減
安全係数:4倍、重量4.7kg(国産)
安全係数:2.4倍
重量:2.8kg
(ドイツ製)
4.水素スタンドに設置する蓄圧器の材質を
鋼製から複合材料(炭素繊維)へ(平成26年11月)
・炭素繊維を使用することにより、1/3程度のコスト削減。
コスト削減
安全係数:3倍
重量:1.9kg
(国産)
3-5.①水素ステーションの配置例 オンサイト型(70MPa 一般則第7条の3)
7条の3第2項2号
敷地境界距離:8m
(障壁による緩和有)
防火壁
高圧ガス設備
6m
障壁
水素製造装置
4m
4m
圧縮機
蓄圧器
貯水槽
動力盤
改質設備
8m
20m
6m
6m
用役
ユニット
PSA
冷凍機
ディスペンサ
プレクーラ
7条の3 第2 項27号
火気離隔距離:8m
7条の3 第2 項3号
ディスペンサと公道距離:8m
公 道
事務所
35m
35m×20m=700m2
3-5.②水素ステーションの配置例 オフサイト型(70MPa 一般則第7条の3)
7条の3第2項2号
敷地境界距離:8m
(障壁による緩和有)
防火壁
高圧ガス設備
障壁
6m
10
m
4m
4m
圧縮機
蓄圧器
6m
6m
トレーラー
受入設備
貯水槽
動力盤
用役
ユニット
20m
冷凍機
ディスペンサ
プレクーラ
7条の3 第2 項3号
ディスペンサ公道距離:8m
公 道
7条の3 第2 項27号
火気離隔距離:8m
事務所
35m
35m×20m=700m2
3-5.③水素ステーションの配置例 パッケージ型(70MPa 一般則第7条の3)
防火壁
7条の3第2項2号
敷地境界距離:8m
(障壁による緩和有)
高圧ガス設備
障壁
6m
貯水槽
4m
蓄圧器
圧縮機
10
m
6m
用役
ユニット
トレーラー
受入設備
20m
冷凍機
ディスペンサ
プレクーラ
7条の3 第2 項27号
火気離隔距離:8m
7条の3 第2 項3号
ディスペンサ公道距離:8m
事務所
公 道
28m
28m×20m=560m2
3-5.④水素ステーションの配置例 移動式(70MPa 一般則第8条)
第1種:15m
第2種:10m
第8条第2項1号イ
製造設備の保安距離
10m
10m
2.5m
移動式水素ステーション
15m×10m=150m2
(移動式水素ST・FCVの進入等に要する面積)
公 道
15m
※第1種保安物件:学校教育法第1条に定める学校のうち小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、特別支援学校及び幼稚
園。医療法第1条の5第1項に定める病院。劇場、映画館、演芸場、公会堂その他これらに類する施設であって、収容定員300人以上のもの。
等
第2種保安物件:第1種保安物件以外の建築物であって、住居用に供するもの(事業所又は販売所の存する敷地と同一敷地内にあるものを除
く)
3-5.⑤移動式水素ステーション設置にかかる標準的スペース(70MPa)
(中部FCV水素供給インフラ整備推進会議調べ)
発電機設置スペース
火気取扱い施設との離隔距離(8m)
10m
2.5m
道
路
等
18.5m
移動式水素ステーション
移動式水素ステーション
第一種保安距離(15m)
水素
カードル
学校、病院等
第二種保安距離(10m)
道路等
26m
※ 本図は、移動式水素ステーション設置に際し、あくまで標準的スペースを示したものです。
住宅等
3-6.①新たな用途の拡大(燃料電池フォークリフト)
 フォークリフトは、日本企業が世界的に強みを持つ分野。
 近年、環境意識の高まりから、先進国を中心に電動フォークリフトの導入が進展。さらに、北米では、政府の
支援措置もあり、燃料電池フォークリフトの市場導入が加速。既に4000台以上が導入。
 他方、日本国内においては、未だ北九州市での実証段階にとどまり、市販には至っていない状況。
燃料電池フォークリフトの特徴
北米における燃料電池フォークリフト導入状況
 環境性:燃料電池による発電で排出されるのは水のみ。稼働中の
CO2排出量はゼロ。
 作業効率向上:水素充填約3分で連続稼働が可能。
(蓄電池は充電に6-8時間を要する)
 省スペース:予備バッテリの購入・保管が不要。
(蓄電池は充電のため予備バッテリーを購入)
米政府による支援施策
 フォークリフト用燃料電池ユニットの価格の30%
もしくは
出力kW×3000ドル
の安い方の金額を税金から還付。
 2006年1月から2007年12月の時限措置であったが、2016年
12月まで延長。
【出典】 豊田自動織機
3-6.②新たな用途の拡大(燃料電池バス)
 燃料電池バス(FCバス)は、走行時の排出が水のみであることに加え、通常の燃料電池自動車に比べ、
①運行ルートが一定であるため、水素供給インフラの設置場所の選定が比較的容易
②大量の水素を使用するため、普及初期段階において一定規模の水素需要を創出する上でも有効
③災害時の避難所や病院等への電源供給ポテンシャルが高く、防災上も有益
といった特徴がある。
 国内においては燃料電池バスの運行実証が進められている。
燃料電池バスの利点
○低環境負荷
燃料電池自動車同様に、利用段階ではCO2や大気汚染物
質を排出しない。
○一定の水素需要の確保
運行ルートが予め決まっているため、水素供給インフラ整
備に係る導入ハードルが低い。
加えて、1台当たり通常の燃料電池自動車70台分の水素
需要を想定できるため、水素ステーション整備とセットで導
入することが可能。
○災害時対応
FCバスからの外部電源供給により、避難所5日分の電力
供給が可能。
3-6.③新たな用途の拡大(水素発電)
 水素の直接燃焼により発電を行う水素発電は、水素の製造方法によってはCO2フリーでの発電が可能。ま
た、水素発電は膨大な水素を利用するため、水素の市場規模が拡大し、水素の低価格化につながることも
期待されている。
 短期的には、火力発電燃料として化石燃料の一部を水素で代替する水素混焼発電を、長期的には、再生
可能エネルギーやCCSと組み合わせた水素のみで発電を行う水素専焼発電を行うことで、エネルギー転換
部門のCO2削減が期待できる。
 技術的には、混焼発電は既存のガスタービン技術でも可能とされており、専焼発電についても海外において
は実証実験が行われている。ただし、水素の割合を増やした際の技術的課題や、水素の安定・安価な供給
システムの確立など今後解決すべき課題もある。
水素混焼発電
国内にはコークス炉ガス
など、水素リッチガスを
燃料とするガスタービン
の運転実績も多数存在
イタリア・Enel社では水素専焼発電
(16MW級)の実証運転を実施中。
日本(川崎臨海部)
資源国
水素添加
貯蔵
運搬
貯蔵
脱水素
MCH
Methylcycrohexene(MCH)
(MCH)
Methylcycrohexene
H2
H22
H
Methylcycrohexene (MCH) Methylcycrohexene (MCH)
H2
HH22
H2
Methylcycrohexene
(MCH)
Toluene
Toluene
Hydrogenation
Hydrogenation
CH 3
CH
3
Storage
Storage
3H22
++3H
H=++205kJ/mol
205kJ/mol
ΔΔH=
Hydrogenation
Storage
※MCH:
Hydrogenation
Hydrogenation
メチルシクロヘキサン
CH 3
Methylcycrohexane
Methylcycrohexane
H2
Storage
Storage
Dehydrogenation
Transportation
CH3
CH3
CH
3
CH 3
CHCH 3
+ 3H2
Toluene
CH3
CH 3
CH3
3
H2
Toluene
Storage
Dehydrogenation
Transportation
Storage
Storage
Hydrogenation
Dehydrogenation
Storage
Toluene
CH 3
CH3
CH
3
Toluene
Toluene
Transportation
Hydrogenation
Transportation
H2
H2
Toluene
トルエン
H2
既存技術でも対応可能
水素専焼発電
Δ H= + 205kJ/mol
+ 3H
Δ H= + 205kJ/mol
H=-205kJ/mol
-205kJ/mol
2 2ΔΔH=
3H
++3H
2
Dehydrogenation
CH 3
CH3
+ 3H2 Δ H= -205kJ/mol
+ 3H2 Δ H= -205kJ/mol
Methylcycrohexane
Toluene
Methylcycrohexane Methylcycrohexane
Toluene
Toluene
Methylcycrohexane Toluene
Toluene
Storage
Dehydrogenation
Methylcycrohexane
Methylcycrohexane
Transportation
Hydrogenation
Hydrogenation
Dehydrogenation
Dehydrogenation
水素発電
CH3
CH3
CH 3
Dehydrogenation
石油化学の
原材料等
Dehydrogenation
☆Liquid
Liquidstorage
storage&
&transportation
transportationat
atambient
ambient☆
temperature
Liquid storage
pressure
& transportation
realized.
at ambient
temperature at
& ambient
pressuretemperature
is realized. & pressure is realized.
☆
temperature
&&pressure
☆
isisLiquid
realized.
storage
& transportation
+ 3H
H=
+ 205kJ/mol
☆2Volume
Volumeof
ofHHΔ
is reduced
to <1/500 (LNG: 1/600,
☆ Volume
LH : 1/800)
of H is reduced
to <1/500
1/600,
1/800)
☆
☆ Volume
of (LNG:
H2 is reduced
(LNG: 1/600, LH2: 1/800)
-205kJ/mol
+ 3HLH
2:H=
22is reduced to <1/500 (LNG: 1/600, LH2:2 1/800)2
2toΔ<1/500
☆Toluene
Toluene&
&Methylcyclohaxane
Methylcyclohaxaneare
arestoraged
storaged☆
and
Toluene
Transported
& Methylcyclohaxane
assame
same
gasoline.
are
and Transported
as same
as Transported
gasoline.
and
Transported
as
☆asas
Toluene
gasoline.
& storaged
Methylcyclohaxane
are storaged
and
as same as gasoline.
Toluene ☆
Methylcycrohexane
Toluene
☆Gasoline
Gasolineinfrastructures
infrastructuresare
arewell
wellutilized
utilizedtoto☆
storage&infrastructures
&Methylcycrohexane
transportation.
are well utilized
to H2 storage
& utilized
transportation.
☆
HH2Gasoline
transportation.
☆ Gasoline
infrastructures
are well
to H2 storage & transportation.
2storage
水素供給モデルの構築
出典:川崎市
Hydrogenation
Dehydrogenation
☆ Liquid storage & transportation at ambient temperature & pressure is realized.
☆ Volume of H is reduced to <1/500 (LNG: 1/600, LH : 1/800)
現在計画されている水素関連プロジェクトにも、水素発電
☆ Toluene & Methylcyclohaxane are storaged and Transported as same as gasoline.
を活用するものが存在。
☆ Gasoline infrastructures are well utilized to H storage(※事例は川崎市)
& transportation.
2
2
2
4.中部地域における取組(中部FCV水素供給インフラ整備推進会議)
当地におけるFCVの初期需要創出とこれを可能とする水素供給インフラの普及に向け、FCVに対する
理解を促進するとともに、水素ステーションの整備を推進・支援中。
 平成23年1月、自動車メーカー3社とエネルギー事業者10社が、4大都市圏を中心として、平成27年のF
CV量産車の市場導入とそれまでに100カ所程度の水素供給インフラ先行整備を目指す共同声明を発表。
これを受け、平成23年2月、当地におけるFCV水素供給インフラ整備推進母体として、「中部FCV水素供
給インフラ整備推進会議」を設立。
 現在、中京地区では愛知県内で3箇所(セントレア、東邦ガス㈱技術研究所、とよたエコフルタウン)の水素
ステーションで技術開発・技術実証を実施中。平成25、26年度の補助金を活用し、愛知県内で2箇所の商
用ステーションが開所。さらに8箇所の商用水素ステーションを整備予定。当推進会議では、さらなる整備推
進に向け啓発活動等を強化中。
中部FCV水素供給インフラ整備推進会議
■組 織
◆座 長:名古屋大学大学院 国際開発研究科 特任教授 西村 眞
◆構成員:民間(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、東邦ガス、JX日鉱日石エネルギー、岩谷産業、大陽日酸、
豊田通商、日本エア・リキード)、 行政(愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市、豊田市、中部経済産業局)
事務局:東邦ガス、JX日鉱日石エネルギー、中部経済産業局
■H26年度活動
* FCVへの同乗試乗または運転試乗が実施可能な地域イベント等への出展により、FCV、水素ステーション等について、その魅
力をPR(各県1回以上実施)。メッセナゴヤをはじめ16イベントでPR活動を展開。
* 移動式水素ステーション用用地が確保できるよう候補地情報の提供を各自治体へ要請。当該情報を関係各社へ共有化。
* 水素エネルギー&FCVフレンドシップクラブ登録者(H27.3.18現在 158名)へFCV・水素エネルギー関連情報を幅広く提供。
●各自治体の取組状況
* 愛知県では「あいちFCV普及促進協議会」を組織(2005年7月)し、FCV及び水素ステーション等の導入等に係る普及啓発をは
じめ、水素エネルギー社会構築の実現を目指した活動を展開。県内で20基の水素ステーション整備計画(平成27年度末を目
標)を策定。26年度補正予算を活用し、県西庁舎駐車場一画に移動式水素ステーション用地を整備(12月18日開所式、平成27
年6月事業開始予定)。
* 三重県鈴鹿市では平成25年度に水素ステーション設置に関する奨励制度(施設設置奨励金、用地取得助成金)を創設。
【参考】水素に関する情報発信の取組(ポータルサイトの立ち上げ)
 燃料電池自動車等の普及促進のためには、水素に関する正しい情報を幅広く発信していくことが必要。
 現在、NEDOの委託事業において、有識者の下、水素エネルギーに関する情報を包括的に閲覧可能なポー
タルサイト(水素エネルギーナビ(仮称))の開設に向けて検討中。
コンテンツの内容例
水素に関するポータルサイトの立ち上げ
コンテンツメニュー
内容
水素とは
 水素の性質
 水素の取扱いについて
なぜ水素なのか




5分でわかる水素エネ
ルギー




水素ステーション




水素の意義
水素社会のビジョン
日本の取組
海外の取組
水素はどこにあるの?
水素は危険なの?
水素は環境に優しいの?
将来の自動車は燃料電池自動
車なの?電気自動車なの?
 水素は私たちの社会にどのよう
な意味があるの?
水素ステーションの仕組み
普及状況と今後の整備計画
水素ステーションの安全対策
商用水素ステーション情報
【出典】水素供給・利用技術研究組合、株式会社テクノバ(NEDO委託事業)
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