...

座間市高齢者保健福祉計画 第6期介護保険事業計画

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

座間市高齢者保健福祉計画 第6期介護保険事業計画
座間市高齢者保健福祉計画
第6期介護保険事業計画
(平成27年度~平成29年度)
[素
案]
平 成 26年 11月
座
間
市
目次
総
論
第1章 計画の概要 ······························· 3
1
計画策定の背景 ······························································ 3
2
計画の位置付け ······························································ 4
3
計画の期間 ·································································· 5
第2章 高齢者の状況と計画課題 ························· 6
1
高齢者人口の推移と今後の見込み ·············································· 6
2
認定者数の推移と今後の見込み ················································ 7
3
計画の課題 ·································································· 8
第3章 計画の基本理念と目標 ·························· 12
1
平成37年度までに目指すべき将来像(基本理念) ································· 12
2
計画目標 ··································································· 12
3
施策の体系 ································································· 17
各
論
第4章 地域包括ケアシステムの構築 ······················· 21
1
健康づくりの推進 ··························································· 21
2
生きがい・社会参加の推進 ··················································· 23
3
介護予防・生活支援の推進 ··················································· 25
4
安心して暮らせる連携・支援体制づくり ······································· 32
5
安心して暮らせるまちづくり ················································· 38
第5章 介護保険事業の安定的な運営 ······················· 40
1
介護サービスの充実 ························································· 40
2
安定的な事業運営に向けた各種施策の実施 ····································· 50
第6章 計画の推進体制 ····························· 51
1
計画の推進体制と進行管理 ··················································· 51
総
論
第1章
計画の概要
1 計画策定の背景
総務省統計局によると、平成 26 年1月1日現在、我が国の総人口は約1億 2,723 万5千人、
65 歳以上の人口は 3,212 万人、高齢化率は 25.2%で、約4人に1人が高齢者です。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 24 年1月推計)」によれば、日本
の将来人口は、今後とも減少する見通しで、平成 37(2025)年に1億 2,065 万9千人(高
齢化率 30.3%)
、平成 60(2048)年には1億人を割って 9,913 万人(高齢化率 38.4%)
と推計されています(出生中位(死亡中位)推計による。
)
。
本市におきましても、65 歳以上人口は平成 26 年 10 月1日で 29,417 人(高齢化率
22.7%)となっており、平成 21 年の 23,881 人より 23.2%増加しています。これに対し、
総人口は 0.1%減少となっており、高齢者人口の増加率が目立っています。
今後、絶対数の多い「団塊の世代」が 75 歳以上の後期高齢者となる平成 37(2025)年に
は、介護の必要な高齢者数が急速に増加することが考えられます。このため高齢者の一人一人
が、住み慣れた地域で安心して過ごすことができるための様々な施策の展開が求められます。
全国的にも、第5期計画から、地域包括ケアシステムの構築に向けて、高齢者一人一人の尊
厳が保たれ、有する能力に応じて、自立した日常生活を営むことができるよう、①介護、②予
防、③医療、④生活支援、⑤住まいの5つの要素を切れ目なく提供し支援していく仕組みづく
りに取り組み始めたところです。
本市では、平成 24 年3月に「座間市高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画」を策
定し、高齢者の尊厳の保持や介護予防対策、地域密着型サービスに重点を置き、高齢者保健福
祉施策を一層充実できるよう進めてきました。
本計画は、前回の計画の基本理念を受け継ぎながら、高齢者を巡る新たな社会動向を見極め、
様々な課題を解決していくため、市、市民、事業者が協働して取り組む内容をまとめたもので
す。
3
2 計画の位置付け
(1) 法制度における位置付け
高齢者保健福祉計画は、老人福祉法第 20 条の8に基づく「老人福祉計画」として、高齢者
施策に関する基本的な目標を設定し、その実現に向かって取り組むべき施策全般を定めるもの
です。
また、介護保険事業計画は、介護保険法第 117 条第1項に基づく計画であり、要支援・要介
護認定者や介護保険サービス量、介護保険事業費の見込み等について定めるものです。
なお、前期計画に引き続き、健康づくりと介護予防を一体のものと捉え、「高齢者保健福祉計
画」及び「介護保険事業計画」を高齢者に対する総合的な計画として一体的に策定します。
(2) 本市の計画体系における位置付け
この計画は、「第四次座間市総合計画
基本構想」、「座間市福祉プラン」を基本とし、市の関
連個別計画との整合をとりながら策定しています。
また、本計画は、地域全体で支える社会福祉の仕組みづくりを構築し、誰もが安心して暮ら
せる、共に助け合い支え合うまちづくりを目指す「座間市地域福祉計画(第二期)」との連携をと
りながら推進していくものです。
◆位置付け(イメージ図)
第四次座間市総合計画(H23~H32)
座間市福祉プラン(第二期)(H23~H27)
他の関連計画
座間市都市マスタープラン
座間市地域福祉計画(第二期)(H23~H27)
第
6
期
介
護
保
険
事
業
計
画
座
間
市
高
齢
者
保
健
福
祉
計
画
子
ど
も
・
子
育
て
支
援
事
業
計
画
座間市生涯学習プラン
ざま男女共同参画プラン
座
間
市
障
害
者
計
画
ざま健康なまちづくりプラン
座間市地域福祉活動計画(社会福祉協議会の計画)
4
3 計画の期間
この計画は、平成 27 年度を初年度とし、平成 29 年度を最終年度とする3か年計画です。
また、団塊の世代が 75 歳以上に達する平成 37(2025)年度を見据えた、中長期的な視点に
立った計画でもあります。
計画の最終年度である平成 29 年度には見直しを行い、新たに平成 30 年度以降の計画を策
定する予定です。
【計画の期間】
<平成37(2025)年までの見通し>
第6期計画
第5期計画
平成27
平成24
~29年度
~26年度
第7期計画
平成30
第8期計画
平成33
~32年度
平成27年
~35年度
第9期計画
平成36
~38年度
平成37年
▲
▲
団塊の世代が65歳に
団塊の世代が75歳に
※厚生労働省資料より作成
5
第2章 高齢者の状況と計画課題
1 高齢者人口の推移と今後の見込み
本市の 65 歳以上人口は平成 26 年 10 月 1 日現在、29,417 人で、65~74 歳の前期高齢
者が 17,530 人、75 歳以上の後期高齢者が 11,887 人となっています。対総人口比でみると、
75 歳以上の後期高齢者の割合が毎年増加しています。
【高齢者人口の推移と今後の見込み】
単位:人(各年10月1日現在)
実績
推計
平成
年度
21年
22年
23年
24年
25年
26年
27年
28年
29年
32年
37年
129,907
130,533
130,575
130,651
130,544
129,791
129,335
128,844
128,282
126,227
121,582
65歳以上人口
23,881
24,710
25,387
26,745
28,201
29,417
30,493
31,279
31,981
33,024
33,515
65~74歳
15,345
15,548
15,497
16,127
16,891
17,530
17,857
17,766
17,644
16,827
14,075
75歳以上
8,536
9,162
9,890
10,618
11,310
11,887
12,636
13,513
14,337
16,197
19,440
高齢化率
18.4%
18.9%
19.4%
20.5%
21.6%
22.7%
23.6%
24.3%
24.9%
26.2%
27.6%
前期
11.8%
11.9%
11.9%
12.3%
12.9%
13.5%
13.8%
13.8%
13.8%
13.3%
11.6%
後期
6.6%
7.0%
7.6%
8.1%
8.7%
9.2%
9.8%
10.5%
11.2%
12.8%
16.0%
総人口
※H21~H26は住民基本台帳人口。H27以降はコーホート変化率法による推計値
50,000人
45,000人
40,000人
35,000人
18.4%
18.9%
30,000人
25,000人
23,881
24,710
19.4%
25,387
20,000人
15,000人
27.6%
推計
15,345
15,548
15,497
20.5%
26,745
16,127
21.6%
28,201
16,891
23.6%
22.7%
29,417
17,530
30,493
17,857
24.3%
24.9%
31,279
31,981
17,766
17,644
25.0%
8,536
9,162
9,890
平成21年
22年
23年
33,024
33,515
20.0%
16,827
14,075
15.0%
10.0%
10,000人
5,000人
30.0%
26.2%
10,618
11,310
11,887
12,636
13,513
24年
25年
26年
27年
28年
14,337
16,197
29年
32年
19,440
0人
5.0%
0.0%
75歳以上
65~74歳
6
高齢化率
37年
2 認定者数の推移と今後の見込み
本市の要介護等認定者数は平成 26 年 10 月1日現在で 4,023 人、内訳として、65~74
歳の前期高齢者が 700 人、75 歳以上の後期高齢者が 3,323 人、第2号被保険者(40~64
歳)が 155 人となっています。
要介護等認定者の出現率でみると、前期高齢者が約4%に対して、後期高齢者は約 28%と
なっており、平成 21 年から平成 26 年まで約7倍の高さで推移しています。
【要介護等認定者】
*推計値は、平成26年10月末時点で平成24年度~平成26年9月までの伸び率の1/2を用いて自然体推計
しています。今後、施策等を考慮し場合、値は変動する可能性があります。
単位:人(各年10月1日現在)
実績
年度
第1号
推計
平成
21年
22年
23年
24年
25年
26年
27年
28年
29年
32年
37年
2,795
3,037
3,260
3,481
3,780
4,023
4,309
4,615
4,968
5,933
7,216
65~74歳
560
587
593
627
650
700
715
711
724
757
624
75歳以上
2,235
2,450
2,667
2,854
3,130
3,323
3,594
3,904
4,244
5,176
6,592
148
143
160
149
150
155
158
161
165
175
173
第2号
※介護保険事業状況報告
【第1号被保険者数】
単位:人(各年10月1日現在)
実績
年度
推計
平成
21年
22年
23年
24年
25年
26年
27年
28年
29年
32年
37年
23,892
24,710
25,377
26,748
28,189
29,422
30,493
31,279
31,981
33,024
33,515
65~74歳
15,343
15,534
15,484
16,119
16,876
17,522
17,857
17,766
17,644
16,827
14,075
75歳以上
8,549
9,176
9,893
10,629
11,313
11,900
12,636
13,513
14,337
16,197
19,440
第1号計
※介護保険事業状況報告(住所地特例者を含むため、26年度までの実績は人口と一致ません。)
【要介護等認定者の出現率】
単位:%(各年10月1日現在)
実績
年度
第1号計
平成
21年
22年
23年
推計
24年
25年
26年
27年
28年
29年
32年
37年
12.0
12.3
12.8
13.0
13.4
13.7
14.0
14.8
15.5
18.0
21.5
65~74歳
3.6
3.8
3.8
3.9
3.9
4.0
4.0
4.0
4.1
4.5
4.4
75歳以上
26.1
26.7
27.0
26.9
27.7
27.9
28.4
28.9
29.6
32.0
33.9
※出現率=要介護等認定者/第1号被保険者
7
3 計画の課題
(1) アンケート調査結果の意識・意向からみた課題
調査対象
① 一般高齢者
(要支援・要介護認定
意識・意向からみた課題
●在宅介護を中心とした支援体制づくり
介護が必要になった時の生活場所は「自宅」(約64%)が最多と
を受けていない65歳 なっており、最期を迎えたい場所は「自宅」が約49%で最多となっ
以上の方)
ています。人生の最期まで在宅(自宅)で暮らせる環境づくりが求
められています。
●高齢期の健康づくり・生きがいづくり
自分の健康状態は約77%が《健康》と感じています。また、悩み
事や心配事は、自身やその配偶者の健康のことであり、健康に関す
る関心が高いといえます。生きがいを感じている方は約82%となっ
ています。本人の主体的な活動が結果として介護予防や交流機会、
地域の担い手につながるような支援が求められています。
●在宅生活を支えるサービス基盤の整備
地域密着型サービスの認知度は30%以下に留まっています。サー
ビス内容等の周知を図るとともに、高齢者のニーズに合わせて、多
様で柔軟なサービスを提供する地域密着型サービスの整備が必要で
す。
② 一般市民
(40歳から64歳まで
の市民)
●在宅介護を中心とした支援体制づくり
介護が必要になった時の生活場所は「施設」が約39%(一般高齢
者よりも若干施設意向が高い結果)、「自宅」が約59%で最多となっ
ているため、在宅継続のための介護支援体制が求められています。
●健康づくりの推進
定期的な運動を行っている割合は約36%で、前回調査より減少し
ています。約59%の方がかかりつけ医師を持っています。生活習慣
病の受診率は高齢期で高くなる傾向があることから、高齢になって
も健やかに暮らしていくには、若年期からの生活習慣病予防の取組
みが重要です。
●共に支え合う地域づくり
近隣との交流は会えばあいさつをする程度が約39%で最多(高齢
者一般よりも交流は希薄)となっています。生活支援サービスの利
用増が見込まれる中、世代を超えて共に支え合う地域づくりが求め
られています。
8
③ 在宅サービス利用者
(介護保険の在宅サー
ビス利用者)
●単身世帯への支援
家族構成は単身世帯が約26%、前回調査よりも増加し、要支援
1・2といった軽度層でその割合は高くなっています。今後とも増
加が見込まれる単身世帯向けの介護サービスの充実が求められてい
ます。
●生活習慣病予防の推進
介護が必要になった主な原因は認知症、骨折・転倒、脳血管疾患
の順となっています。また、かかりつけ医師は約95%がいると回答
しています。かかりつけ医師との日頃からの相談や生活習慣病予防
の取組みが重要です。
●サービスの利用効果
介護サービスの利用効果は、生活が規則的になった、楽しみや生
きがいがでてきた、家族に対する気兼ねが減る等精神的に楽になっ
たの順となっています。利用者のQOL(生活の質)の向上に視点を
置いたサービス提供が求められています。
●家族等介護者への支援
主な介護者の年齢は70歳以上が最多で、介護を行う上での困難
は、精神的負担が大きい点を一番にあげています。希望する介護の
あり方は、施設と在宅の両方を利用し、自宅で介護を受けるが最多
となっています。介護者の介護負担が大きいこともあり、家族等介
護者への支援が求められています。
④ 施設サービス利用者
(介護保険3施設の利
用者)
●施設整備の方向性
施設入所の理由は、介護者がいないが最多ですが、特別養護老人
ホームの場合、特に介護者の身体状況が悪くなり介護できなくなっ
たが約28%と高い割合を示しています。核家族化や家族関係の希薄
化が問題視されており、今後も施設整備を計画的に進めていく必要
がありますが、それに併せて、施設入所に頼らなくても在宅介護が
楽に続けられるよう、在宅介護を支える家族等介護者への支援が重
要です。
⑤ 介護サービス提供事業 ●地域密着型サービスの基盤整備
者(市民にサービスを 地域密着型サービスの新規参入意向は10%で、複合型サービス、小
提供している)
規模多機能型、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の順となってい
ます。ケアマネジャーや医療関係者等にもサービスの周知を図ると
ともに、高齢者ができるかぎり住み慣れた地域で生活を継続できる
ように、地域密着型サービスの整備を促進する必要があります。
9
●サービスの質の維持・向上にむけて
サービスの質の向上のために、サービス担当者会議への参加、相
談窓口の設置、サービス提供マニュアルの作成、ケアカンファレン
スの定期的な開催が共に50%以上で高くなっています。意見交換や
相談支援の場といった機会づくりが求められています。
●専門職の確保や人材育成
事業者ごとにサービスの質の確保に向けた取組みを進めています
が、専門職の確保や人材育成は継続的な課題となっています。
⑥ ケアマネジャー
(居宅介護支援事業所
のケアマネジャー)
●自立支援に向けたケアマネジメント
介護保険サービスの利用効果は、家族の介護負担軽減に大いに役
立っているとの評価ですが、利用者本人の自立支援を促進する役割
はほぼ果たしているとどちらとも思えないがほぼ同率となっていま
す。今後は、利用者本人の自立支援を十分に意識したケアマネジメ
ントが求められます。
●緊急時の受け皿も含め、介護サービスの基盤整備
在宅介護の可能性拡大に向けて、在宅医療の充実、緊急時の短期
入所サービス等の拡大、移送サービスの充実が多くあげられます。
またサービス供給量が不足しているものとして、介護老人福祉施
設、短期入所生活介護・療養介護、夜間対応型訪問介護、訪問リハ
ビリが上位を占めています。在宅生活の継続に向けて、施設と在宅
サービス基盤のバランスが求められています。
●在宅医療と介護の連携推進
主治医との連携がとれているところは約22%で、これは前回調査
よりも下がっています。在宅療養者は今後さらに増加していくこと
が予想されるため、医療と介護の連携体制の構築が重要となりま
す。
10
(2) 座間市高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画からの課題
現行の座間市高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業(期間:平成 24~26 年度)の取組み
からの課題を施策の中で展開していきます。
◆健康づくり・介護予防の推進
基本チェックリストにて、要介護状態になるおそれのあるハイリスク者の把握に向けてアン
ケート調査を実施しました。その結果、回答者のうち、約2割がそれに該当しました。平成 24
年にアンケート調査で未回収だった方のうち、単身または高齢世帯を訪問して、状況把握に努
めました。介護予防事業への参加者が横ばいの状態で、事業への参加割合が増えない点が課題
としてあげられます。
◆利用者本位の介護サービスの提供
介護適正化として、専門職向けの研修情報を提供したり、ケアプランの点検などを行い、質
の向上に努めました。市民ニーズに沿った介護サービスの基盤整備を計画的に進めていますが、
特別養護老人ホームの待機者数は横ばいの状態が続いています。市民意向の強い在宅生活の継
続に向けて、地域密着型サービスの整備促進が課題としてあげられます。
◆安心して暮らせる環境づくり
地域の相談拠点である地域包括支援センターの相談件数は毎年、増加傾向にあります。内容
としては、困難事例や介護者問題が多くあげられました。平成 24 年度に地域包括支援セン
ターの人員体制を3人から4人体制に増やし、相談支援体制の充実を目指しました。今後とも
身近な相談支援体制の充実が課題としてあげられます。
◆生きがい・社会参加の促進
地域で支え合う仕組みづくりを進めていくには老人クラブ活動はかかせません。老人クラブ
加入率は横ばいの状態が続き、クラブ加入者の高齢化が進んでおります。加入者の拡大と活動
の継続が課題としてあげられます。
11
第3章
計画の基本理念と目標
1 平成 37 年度までに目指すべき将来像(基本理念)
昨今の震災の教訓として、家庭や地域等のコミュニティにおける人と人とのつながりの重要
性を再認識しました。目指すべき姿として、高齢社会の進展の中、自助を支える互助・共助の
仕組みづくり、世代を超えて共に支え合う地域づくりに向けて、支え合い、健やかで、安らぎ
に満ちた長寿社会を目指します。
平成37年度までに目指すべき将来像(基本理念)
支え合い、健やかで、
安らぎに満ちた
長寿社会を目指して
2 計画目標
団塊の世代が 75 歳以上の後期高齢者となり、介護が必要な高齢者の急増が見込まれる平成
37(2025)年までに、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを構築することが大きな目
標となります。本計画においては、この地域包括ケアシステムの構築と介護保険事業の安定的
な運営を計画目標とします。
(1) 地域包括ケアシステムの構築
地域包括ケアシステムは、日常生活圏域を単位として想定されています。このシステムの前
提となる日常生活圏域とは、その住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、
交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況そ
の他の条件を総合的に勘案して定める区域として、介護保険法により、設定することとされて
おり、国では、おおむね 30 分以内に必要なサービスが提供される区域として、中学校区を単
位として想定しています。
12
本市においては、第3期計画より、地域の実情を総合的に踏まえ、市内全域を1つの日常生
活圏域に設定し、地域密着型サービスの充実を図ってきました。今回の見直しにおいて、平成
37 年の地域包括ケアシステムの実現を見据えて、第6期の計画期間中に、圏域を6圏域に増や
し、相談拠点でもある地域包括支援センターも1圏域に1拠点設置できるよう、設置数の増加
を目指します。
●日常生活圏域(第6期期間中に6圏域へ移行予定)●
第1
圏域
ベルホーム
地域包括支援センター
相模が丘一丁目~六丁目
相模台
地域包括支援センター
第3
圏域
座間市社協
地域包括支援センター
明王
栗原
広野台一丁目、二丁目
相武台一丁目~四丁目
緑ケ丘二丁目~六丁目
キャンプ座間
第6
圏域
第2
圏域
入谷1丁目、2丁目
入谷3丁目及び5丁目の各一部
(小田急線の線路より西側)
座間1丁目、2丁目
新田宿
四ッ谷
第5
圏域
緑ケ丘一丁目
立野台一丁目~三丁目
入谷4丁目
入谷3丁目、5丁目の各一部
(小田急線の線路より東側)
第4
圏域
地域包括支援センター
第二座間苑
西栗原一丁目、二丁目
栗原中央一丁目~六丁目
南栗原一丁目~六丁目
さがみ野一丁目~三丁目
13
小松原一丁目、二丁目
ひばりが丘一丁目~五丁目
東原一丁目~五丁目
日常生活圏域を基本に、地域包括ケアシステムの構築に向けて、在宅医療・介護連携の推進、
認知症施策の推進、地域における自立した日常生活の支援、高齢者の居住安定に係る施策との
連携を重点的に取り組んでいきます。
重点事項1 在宅医療・介護連携の推進
座間市医師会と協働し、市内介護事業所等の協力の下で会議を開催し、医療と介護の連携を
進めるとともに、在宅医療推進に向けた講演会、多職種連携研修会の開催に取り組んできまし
た。
平成 37(2025)年には、いわゆる団塊の世代が 75 歳以上になり、医療や介護を必要とす
る人が急激に増加することが見込まれており、これらの高齢者が地域で自分らしく生活を続け
ていくためには、サポート体制である在宅医療の推進と、医療と介護の連携強化が必要不可欠
になります。今後も、医師会、歯科医師会、薬剤師会や介護保険事業所等と協働し在宅医療・
介護連携を推進します。
重点事項2 認知症施策の推進
座間市地域包括支援ネットワーク推進会議を開催し、認知症ケアパスの策定に向けた検討を
行ったり、多職種を対象とした研修会を開催し知識を共有したり、認知症サポーター養成講座
を開催してきました。
今後は、認知症ケアパスを策定し広く市民に公表するとともに、地域に不足している社会資
源を把握・検討し、認知症を初期の段階で把握し予防や治療、サービス利用に繋げられるよう、
認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の設置を検討します。また、企業や商店、
一般市民の誰もが地域において認知症の人を優しく見守ることができる社会の醸成のため、引
き続き認知症サポーター養成講座を開催します。
重点事項3
地域における自立した日常生活の支援
配食サービス事業を通じて、食生活の維持向上の支援と健康保持を図るとともに、安否確認
を実施したり、シルバーハウジング生活援助員派遣事業で、高齢者世話付住宅に居住する高齢
者に対し、必要な援助及び安否確認を実施してきました。
今後は、これまでの日常生活支援に係る事業を継続するとともに、ボランティアなどにより
運営されているサロン等、地域における社会資源の把握やそれらの資源とニーズを結びつける
ための協議体や生活支援コーディネーターの設置を検討します。
重点事項4
高齢者の居住安定に係る施策との連携
あんしん賃貸支援事業を通じて、
「住まい探し相談会」を開催したり、高齢者の物件探しに付
き添い、一緒に不動産店の説明を聞いたりしてもらえる「サポーター」を派遣したりして、高
齢者の住まいに関する支援を進めてきました。
今後とも高齢者が安心して地域で住み続けることが出来るよう、介護保険施設に加え、サー
ビス付き高齢者向け住宅を整備するとともに民間住宅に関する情報提供や居住支援を行います。
14
(2) 介護保険事業の安定的な運営
介護が必要になっても安心して暮らせるよう、増加する要介護認定者に的確に対応するとと
もに、ニーズに合ったサービスの提供に努め、制度の安定的な運営に向けて、適正な介護給付、
そして賦課・徴収に努めます。
重点事項5
適正な介護給付と賦課・徴収
介護サービスの提供の基礎となるケアプランの点検事業や市で指定する地域密着型サービス
事業者に対しての実地指導を、毎年行い適正な介護給付に取り組むとともに、介護保険料の適
正な賦課と徴収に努めてきました。
今後とも引き続き介護保険制度の趣旨の普及に努めるとともに、伸びを続ける介護保険給付
費と新たな介護予防・日常生活支援総合事業に対応するため、介護給付等費用の適正化の強化
を図り、費用の財源である介護保険料の適正な賦課と徴収を行い制度の安定的な運営を確保し
ます。
15
【地域包括ケアシステムのイメージ図】
地域包括ケアシステムのイメージ
(日常生活圏域)
2-1
介護サービス
の充実
2-2 安定的な事業運営
に向けた各種施策の実施
1-4 安心して暮らせる
連携・支援体制づくり
医療
急性期病院
亜急性期・回復期
・リハビリ病院
介護・看護
●在宅系サービス
・訪問介護、訪問リハ、訪問入浴介
護、訪問看護、通所介護、通所リハ、
ショートステイ、小規模多機能型 等
●介護予防サービス
日常の医療
・かかりつけ医
・地域の連携病院
医師会・歯科医師
会・薬剤師会
●施設・居住系サービス
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・有料老人ホーム 等
介護サービス
事業者
多様な住まい
自宅、グループホー
ム サービス付き高
齢者向け住宅、等
相談支援・コーディネート等
・地域包括支援センター
・ケアマネジャー
センターの運営
地域ケア会議の開催等
1-5
1-2
安心して暮らせるまちづくり
生きがい・社会参加の推進
生活支援
1-3
介護予防
介護予防・生活支援の推進
1-1
健康づくりの推進
老人クラブ・自治会・ボランティア・NPO等
16
4 施策の体系
計画目標
施策の方向1
1
(
基
本
理
念
)
支
え
合
い
、
健
や
か
で
、
安
ら
ぎ
に
満
ち
た
長
寿
社
会
を
目
指
し
て
施策の方向2
1-1健康づくり施策の充実
健康づくりの推進
2-1社会参加・活動の推進
2-2生涯学習・生涯スポーツの推進
2 生きがい・社会参加
の推進
1
地
域
包
括
ケ
ア
シ
ス
テ
ム
の
構
築
3-1介護予防の拡充
3-2生活支援の充実
3 介護予防・生活支援
の推進
3-3生活支援体制づくり
4-1地域包括支援センターの充実
4-2保健・医療・福祉の連携強化
4-3見守り体制・認知症支援
4-4権利擁護・虐待防止の推進
4-5緊急時の支援体制
4 安心して暮らせる連
携・支援体制づくり
5-1多様な住まいの支援
5-2ユニバーサルデザインのまちづくり
5-3多様なサービス基盤の整備
5 安心して暮らせるま
ちづくり
第6期介護保険事業計画
2
介
護
保
険
事
業
の
安
定
的
な
運
営
1
1-1介護保険事業の状況
1-2量の見込みとその確保策
1-3標準給付費の見込み
介護サービスの充実
1-4地域支援事業費の見込み
1-5第1号被保険者保険料の設定
2 安定的な事業運営に
向けた各種施策の実施
2-1介護給付等費用の適正化
2-2利用者への情報の提供
2-3低所得者への配慮等
2-4介護人材の確保
17
主な施策・事業名
1-1
・健康体操 ・健康ウォーキング ・メンタルヘルス
・健康手帳の交付
・健康文化都市大学
・健康教育 ・健康相談 ・健康診査 ・がん検診
・成人歯科健康診査 ・訪問指導
2-1
・地域福祉活動の支援 ・活動団体の育成
・老人憩いの家
・生きがいセンター ・四十雀倶楽部事業
・シルバー人材センター
2-2
・生涯学習の推進
・社会貢献活動促進事業 ・生涯スポーツの推進
3-1
・二次予防事業対象者把握事業 ・運動器の機能向上
・栄養改善
・口腔機能の向上
・訪問型介護予防事業 ・介護予防普及啓発事業 ・地域介護予防活動支援事業
・介護予防ケアマネジメント
3-2
・移送サービス ・寝具乾燥・丸洗いサービス ・緊急通報システム電話貸与
・高齢者理容・美容助成券支給 ・生活支援型短期入所 ・緊急短期入所
・家具転倒防止対策事業 ・家族介護教室
・はいかい高齢者 SOS ネットワーク
・家族介護継続支援
・はいかい高齢者位置確認
3-3
・協議体の立ち上げ
・生活支援コーディネーターの配置
4-1
・地域ケア体制の整備 ・地域包括ケア会議
・地域包括支援ネットワーク推進会議 ・個別ケア会議及び地域課題検討会議
・相談窓口の充実
4-2
・包括的・継続的マネジメント
・成年後見制度利用支援
・後期高齢者医療制度 ・広域救急医療体制 ・救急キット配布事業
・在宅医療推進協議会
・在宅医療推進のための医師向け動機付け研修会
・医療と介護との連携のための情報共有ツールの導入
4-3
・一人暮らし高齢者等への支援 ・高齢者地域見守りネットワーク事業
・認知症ケアの推進 ・地域自立生活支援
・認知症高齢者見守り
4-4
・権利擁護事業の推進 ・座間市高齢者虐待防止ネットワーク事業運営委員会
4-5
・災害時要援護者支援 ・災害時における高齢者の緊急避難施設との協定
5-1
・高齢者等に配慮した公営住宅の整備 ・あんしん賃貸支援事業 ・多様な住まいの確保
・住宅改修支援
5-2
・公共施設の環境整備 ・歩行空間の環境整備 ・公園の環境整備
・民間施設の環境整備
5-3
・地域密着型サービス事業所整備事業
1-1
・サービス受給者の推移 ・総給付費の推移
1-2
・居宅サービス ・地域密着型サービス ・施設サービス
1-3
1-4
1-5
・推計の流れ ・第6期の財源構成
・第1号被保険者保険料
2-1
2-2
2-3
2-4
18
各
論
第4章
地域包括ケアシステムの構築
1 健康づくりの推進
(1) 健康づくり施策の充実
■取組みの方向性
高齢期を元気で生き生きと暮らすためには、早い時期からの健康づくりと生活習慣病予防
を行うことが重要です。市民一人一人が健康意識を高め、より良い生活習慣を身に付け、
個々の健康観が尊重された、生涯にわたる主体的な健康づくりを支援するとともに、個人と
環境の両面から、健康づくり施策を推進します。
また、「健康づくり」は、一時的なものではなく、本人の生活の中に習慣として取り入れて
もらうことが重要であり、そのための支援を継続します。
■事業一覧■
事業名
事業内容と今後の取組み
健康体操(座間市 WE 市民が運動習慣を持つように、市民の指導者が要請により地域
LOVE ZAMA!健康体 に赴き出前講座を行っているほか、各コミュニティセンターで
定期的に講座を継続しています。市民の運動習慣の取得に向け
操)
て、事業を継続していきます。今後、講座の中身の検討が必要
となります。
春と秋の年2回、市内外のコースをウォーキングすることによ
健康ウォーキング
り、「豊かな自然」や「人」とふれあいながら、市民の健康増進
及び体力づくりを目的としています。引き続き、市民の健康増
進及び体力づくりに向けて、事業を継続していきます。
「健康」には体の健康に加え、心(メンタル)の部分も大きく
メンタルヘルス
影響するので、心の健康維持を進めるための講座を継続してい
きます。心の健康維持を進めるため、事業を継続していきま
す。
身体的、精神的、社会的な健康づくりをテーマに授業を行い、
健康文化都市大学
自主的な健康活動を地域的にできるような人材の育成を推進し
ます。自主的な健康活動を地域的にできるような人材の育成に
向けて、事業を継続していきます。
健康手帳は、健康診査の記録などの老後における健康の保持の
健康手帳の交付
ために必要な事項を記載し、自らの健康管理や適切な医療の確
保に役立てるため、40 歳以上の方を対象に交付しています。引
き続き、健康相談や健康教育、がん検診等の機会に交付し、合
わせて活用方法を周知していく必要があります。
21
健康教育
健康相談
健康診査
がん検診
成人歯科健康診査
訪問指導
疾病に対する正しい知識と健康な生活習慣に対する理解と実践
への動機付けを行い、自主的な行動を促すよう支援します。市
民のニーズを把握し、医療費適正化も含めた健康教育を継続し
ていきます。
心身の健康について、保健師、栄養士等が個別に必要な助言や
指導を行う事業で、生活習慣病の予防と、高齢期における生活
の質を高く維持することを目的として、健康相談を実施してい
ます。市民が利用しやすい方法で事業を継続していきます。
平成 20 年4月から、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドロー
ム)に着目した特定健康診査・特定保健指導が、医療保険者に
義務付けられました。国民健康保険や後期高齢者医療制度の被
保険者等を対象に健康診査事業を実施しています。今後も事業
を継続していきます。
がん検診は特に疾病の早期発見・早期治療が重要であるため、
胃・肺・大腸がん(40 歳以上の男女)、前立腺がん(50 歳以上
の男性)、子宮がん(20 歳以上の女性)、乳がん(30 歳以上の女
性は視触診、40 歳以上の女性は隔年による X 線撮影)検診を実
施しています。平成 24 年度より口腔がん検診(年齢制限なし、
抽選)が開始されました。参加者のさらなる増加に向けて取り
組んでいきます。
歯周疾患の早期発見・予防のため、40 歳以上の方を対象に市内
の協力医療機関で実施しています。引き続き事業の啓発に努め
て事業を進めていきます。
40 歳以上で自宅等での生活習慣病予防のための保健指導が必要
な方に対して、実施しています。今後も生活習慣病予防のため
指導を継続していきます。
22
2 生きがい・社会参加の推進
(1) 社会参加・活動の推進
■取組みの方向性
健康寿命が延び、元気な高齢者が増えていく中、自身の人生を楽しみ、高齢期の生活の質を
高めていくためには、生きがいづくり、趣味や健康・スポーツ活動を通じて、主体的に社会参
加していく意識や行動が重要です。
そのためにも、生きがいづくり・社会参加に向けて、様々な活動や学習、スポーツなどの機
会の提供や活動拠点の整備、主体的な活動への支援など、環境づくりを支援していきます。
■事業一覧■
事業名
地域福祉活動の支援
活動団体の育成
老人憩いの家
生きがいセンター
四十雀倶楽部事業
事業内容と今後の取組み
社会参加の意欲を十分持ちながら、どう地域と関わっていけば
いいか分からない高齢者を対象に、その多様性・自発性を十分
に尊重しながら、地域での活動に参加できるような仕組みづく
りを、行政や社会福祉協議会、市民、地域団体、NPO法人、
ボランティア団体等の協働の下、推進します。
老人クラブ、友愛チーム、高齢者の自主活動グループ、ボラン
ティア団体など、高齢者の社会参加の受け皿となる組織及び活
動の育成をしています。引き続き、老人クラブへの助成を行う
と共に、老人クラブの情報の発信等の支援を行い会員の増加を
図ります。
市内7か所にある「老人憩いの家」は、地域の高齢者による社
会活動、生きがい活動の拠点として利用されています。引き続
き利用の促進に努めると共に適切な運営管理を行い、介護予防
事業など有効利用を進めます。さらに、老人クラブ等の活動拠
点としての支援に努めます。
生きがいセンターは、働く意欲のある高齢者が自己の経験と能
力を活かし、仕事を通して社会との連携を深め、生きがいを求
めるための施設、また、心身障がい者が仕事又は訓練を通して
社会参加と自立を行うための施設として利用されています。今
後も利用の促進を推進します。今後も継続して事業を実施しま
す。
閉じこもりがちな高齢者や要介護状態になるおそれのある高齢
者を対象に、介護予防、健康維持、仲間づくりを目的に、レク
リエーション活動、軽スポーツ活動、創作・趣味の活動等の事
業を実施しています。今後も事業を充実させ、利用者の増員を
図ります。
23
シルバー人材センター
高齢者の就業の場を確保、提供し、生きがいの充実と健康の保
持及び仲間との交流を行うことで、活力ある地域社会をつくる
ことを目的に運営されています。高齢者の多種多様な就業及び
社会参加の機会の確保・提供、能力の活用を図るため事業を運
営するシルバー人材センターを支援していきます。
(2) 生涯学習・生涯スポーツの推進
■取組みの方向性
市民の学習意欲と社会の要請を踏まえ、そのために必要となる各種施設や市でできる学びの
機会を持続的に提供し、学習の成果を生活や地域活動に活用し、市民文化が創造できるよう支
援します。
市民が求める芸術文化の催しを企画・提供し、市民が行う芸術文化活動を支援するとともに、
必要な情報や知識を提供し、市民文化が創造できるよう支援します。
市民が日常生活を送る中で、スポーツを行うにあたり、幼少年期から高齢者まで、市民一人
ひとりのライフステージ、体力、興味、目的、そして技術などに応じて、だれもがスポーツに
親しみ、楽しむことのできるよう、生涯スポーツの振興を目指しています。この実現のために、
多様化した課題やニーズに対して、総合的に取り組んでいます。
■事業一覧■
事業名
生涯学習の推進
事業内容と今後の取組み
高齢者が地域の中で様々な学習ができるような場をつくると共
に、学習を通して生きがいや地域活動及び新たな仕事につなが
るよう、関連部局や機関とも連携しながら、他者とのつながり
の中で自己実現できるよう支援します。今後も継続して事業を
実施します。
社会貢献活動促進事業 高齢者が持っている人生経験、体験、技術等を地域や学校へ伝
(チョッピリ先生連絡 承する活動を通じ、積極的な地域参加と生きがいづくりにつな
げる事業です。豊かな経験、優れた技術を持った高齢者の発掘
会活動)
に努め、会員を拡大すると共に、指導方法の研修を実施し、指
導者としての育成と地域に派遣する体制の充実に努めます。
高齢者でも参加しやすい「カローリング教室」実施していま
生涯スポーツの推進
す。カローリングとは、冬季オリンピックでおなじみの「カー
リング」を屋内でできるように改良したニュースポーツです。
特別な技術や腕力を必要としないので、老若男女問わず気軽に
楽しむことができます。今後も参加者相互のふれあいを図ると
共に、生涯スポーツを推進する事業として実施いたします。
24
3 介護予防・生活支援の推進
(1) 介護予防の拡充
■取組みの方向性
これまでの介護予防の手法は、心身機能の改善を目的とした機能訓練に偏りがちで、介護予
防で得られた活動的な状態をバランスよく維持するための活動や社会参加を促す取組みが十分
でなかったという課題があげられます。今後は、機能回復訓練などのアプローチだけでなく、
地域においてリハビリテーション専門職等を活用した自立支援に資する取組みを推進していき
ます。加えて、今後増加していくことが予測されている認知症予防の取組みと、早期発見・早
期対応の仕組みづくりを推進します。
また、介護保険制度の改正で、予防給付の見直しがあり、平成 29 年4月までに予防給付の
うち、介護予防訪問介護及び介護予防通所介護が市町村主体の地域支援事業へ移行することに
なります。要支援者等の多様な生活支援のニーズに対応するため、介護予防訪問介護等のサー
ビスに加えて、住民主体の支援等も含め、総合事業の対象としての支援内容を検討し、スムー
ズな移行を目指します。
新しい総合事業の構成(イメージ図)
見直し後(平成29年4月までに移行予定)
現行
介護予防訪問介護・介護予防通所介護
(要支援1~2)
介護予防事業
●二次予防事業
●一次予防事業
⇒
新しい介護予防・日常生活支援総合事
業(要支援1~2、それ以外の者)
⇒ ●介護予防・生活支援サービス事業
・訪問型サービス
・通所型サービス
・生活支援サービス
・介護予防支援事業(ケアマネジメント)
●一般介護予防事業
地 包括的支援事業
⇒ 包括的支援事業
域
●地域包括支援センターの運営
支 ●地域包括支援センターの運営
援
・介護予防ケアマネジメント
(左記に加え、地域ケア会議の充実)
事
・総合相談支援業務
●在宅医療・介護連携の推進
業
・権利擁護業務、ケアマネジメント支援
●認知症施策の推進
●生活支援サービスの体制整備
任意事業
⇒ 任意事業
●介護給付適正化事業
●介護給付適正化事業
●家族介護支援事業
●家族介護支援事業
●その他の事業
●その他の事業
資料:国の全国介護保険担当課長会議資料より作成
25
地
域
支
援
事
業
新しい介護予防事業(イメージ図)
現行の介護予防事業
一般介護予防事業
●一次予防事業
・介護予防普及啓発事業
・地域介護予防活動支援事業
・一次予防事業評価事業
●二次予防事業
・二次予防事業対象者把握事業
・通所型介護予防事業
・訪問型介護予防事業
・二次予防事業評価事業
●介護予防把握事業
(地域の実情に応じて収集した情報
等の活用により、閉じこもり等の
何等かの支援を要する者を把握
し、介護予防活動へつなげる)
●介護予防普及啓発事業
(介護予防活動の普及・啓発を行
う)
●地域介護予防活動支援事業
(地域における住民主体の介護予防
活動の育成・支援を行う)
●一般介護予防事業評価事業
(介護保険事業計画に定める目標値
の達成状況等の検証を行い、一般
介護予防事業の事業評価を行う)
●(新)地域リハビリテーション活
動支援事業
(地域における介護予防の取組みを
機能強化するために、通所、訪
問、地域ケア会議、サービス担当
者会議、住民運営の通いの場等へ
のリハビリテーション専門職等の
関与を促進する)
介護予防・生活支援サービス事業※
一次予防事業
と二次予防事業
を区別せずに、
地域の実情に応
じた効果的・効
率的な介護予防
の取組みを推進
する観点から見
直す
介護予防を
機能強化する
観点から新事業
を追加
介
護
予
防
・
日
常
生
活
支
援
総
合
事
業
※(従来、二次予防事業で実施していた運動器の機能向上プログラム、口腔機能
の向上プログラムなどに相当する介護予防については、介護予防・生活支援
サービス事業として介護予防ケアマネジメントに基づき実施)
資料:国の全国介護保険担当課長会議資料より作成
26
■事業一覧■
事業名
事業内容と今後の取組み
二次予防事業対象者把 要支援・要介護認定者を除く 65 歳以上の方に基本チェックリス
トをお送りし、アンケートに答えていただくことで、生活機能
握事業
の低下が心配される方(二次予防事業対象者)を把握し、地域
包括支援センターを通じて個別に介護予防教室等への参加をお
勧めしています。生活機能の低下が心配される高齢者を効率的
に把握し、介護予防教室等に参加していただけるよう、事業を
進めていきます。
運動機能の向上を目的としています。
運動器の機能向上
二次予防事業対象者が利用できる通所型事業で機能的トレーニ
ングを主とした『いきいき運動教室』(1コース 12 回)と、マ
シントレーニングを主とした『足腰げんき教室』(1コース 12
回)の二種類があります。要支援・要介護者、二次予防事業対
象者の増加は続いているため、市民のニーズの把握に努め、参
加しやすい教室へと改善していきます。
『いきいき運動教室』については、運動しながら認知症を予防
する教室への転換を検討しています。
低栄養状態の予防・改善を目的としています。
栄養改善
要支援・要介護認定を受けていないすべての高齢者を対象とし
た通所型事業『お口と栄養の講習会』(1日完結の教室)と、二
次予防事業対象者を対象とした訪問型事業『栄養改善訪問』(1
コース全8回)の二種類があります。
二次予防事業対象者向け通所型事業『おいしく食べよう健口教
室』(1コース全 10 回)は、対象者を広げた『お口と栄養の講
習会』に移行しました。高齢者の低栄養状態の予防と改善に向
け事業を継続していきます。
口腔機能の向上・改善を目的としています。
口腔機能の向上
要支援・要介護認定を受けていないすべての高齢者を対象とし
た通所型事業『お口の栄養の講習会』(1日完結の教室)と、二
次予防事業対象者を対象とした訪問型事業『口腔機能向上訪問』
(1コース全6回)の二種類があります。
二次予防事業対象者向け通所型事業『おいしく食べよう健口教
室』は(1コース全 10 回)は、対象者を広げた『お口と栄養の
講習会』に移行しました。二次予防事業対象者は増加傾向にあ
るため、事業を継続します。その中で周知方法の改善と、より
利用しやすい事業形態への対応の検討を行います。
基本チェックリストの該当項目が多い方や、チェックリストの
訪問型介護予防事業
記載内容から訪問が必要と判断された方に加え、二次予防事業
対象者であって、通所型の介護予防事業に参加できない方を対
象に保健師等が訪問しています。様々な事情で閉じこもりがち
な高齢者への支援に向け、事業の拡充に努めます。
27
65 歳以上の市民が要支援・要介護状態に至るまでの期間をでき
るかぎり延長することを目的に、老年期の健康増進に役立つ講
座・講演などを企画・実施しています。要支援・要介護者、二
次予防事業対象者の増加は続いているため、市民のニーズの把
握に努め、介護予防の普及を進めていきます。
地域介護予防活動支援 介護予防の概念を理解し介護予防の活動を普及できる方々を増
やします。ボランティアの概念を理解し「お手伝い」ではなく、
事業
「自らが取り組む」「自分の為に活動する」といった意欲を高め
ていけるよう、育成講座として事業の拡充に努めます。
介護予防ケアマネジメ 要支援1・2の認定を受けられた方が介護サービスを利用され
る場合、お住まいの地区を担当する地域包括支援センターの職
ント
員がご本人のご希望を伺い、最適なケアプランを作成していま
す。介護予防の推進に向け、地域包括支援センターの増設など
受け入れ体制の強化を図ります。
介護予防普及啓発事業
28
(2) 生活支援の充実
■取組みの方向性
要支援者等の高齢者について、手段的自立(IADL)の低下に対応した日常生活上の困りごと
や外出に対する支援等が求められます。また、一人暮らし高齢者や高齢者夫婦の増加に伴い、
多様な生活支援サービスの充実が求められます。新たな総合事業において、高齢者等、地域住
民の力を活用した多様な生活支援サービスが提供していけるよう、生活支援体制の整備を進め
ます。また、一般施策においても、住み慣れた地域や家庭での自立した生活を支援するため、
介護保険外の各種生活支援サービスを継続実施していきます。
多様な主体による生活支援サービスの重層的な提供(イメージ図)
介護者支援
市
町
村
単
位
の
圏
域
小
学
校
単
位
の
圏
域
外出支援
食材配達
安否確認
家事援助
自
治
会
単
位
の
圏
域
交流サロン
配食+見守り
権利擁護
声かけ
移動販売
コミュニティカフェ
事業主体
民間企業
NPO
協同組合
社会福祉法人
ボランティア
バックアップ
市町村を核とした支援体制の充実・強化(コーディネーターの配置、協議体の設置等を通じた住民
ニーズとサービス資源のマッチング、情報集約等)
⇒民間とも協働して支援体制を構築
資料:国の全国介護保険担当課長会議資料より作成
29
■事業一覧■
事業名
移送サービス
事業内容と今後の取組み
寝たきりや身体の障がいのため歩行が困難となっている方が、
医療機関への通院や社会参加をするときなどに、福祉車両で送
迎します。引き続き利用者の移送手段の確保とサービスの充実
に努めます。また、福祉有償運送事業も引き続き推進します。
寝具乾燥・丸洗いサー 在宅の寝たきり高齢者及び認知症高齢者を対象に、寝具の乾
燥、丸洗いを行い、健康及び清潔の保持に役立てると共に、介
ビス
護者の負担の軽減を図ります。利用者のニーズを把握すると共
に、事業の周知に努めます。
緊急通報システム電話 特定の疾病のある一人暮らし高齢者等が、緊急時にボタンを押
すだけで消防署につながる緊急通報電話機を利用することによ
貸与
り、速やかな救急活動等を受けています。平成 26 年度末システ
ムを変更し、第一通報が消防署でなく、駆けつけ体制の取れる
事業者となります。生活活動感知器を取り付け、さらに見守り
を強化します。特定の疾病がある一人暮らしの高齢者等が、安
心して在宅生活を続けることができるよう引き続き事業を継続
します。
高齢者理容・美容助成 理髪、美容の機会の乏しい 65 歳以上の寝たきり高齢者等に対し
て、費用の一部を助成します。利用者のニーズを把握すると共
券支給
に、事業の周知に努めます。
おおむね 65 歳以上の虚弱な高齢者を介護している方が、病気、
生活支援型短期入所
事故、冠婚葬祭等の理由により、一時的に介護することができ
なくなった場合に、年1回7日を限度として養護老人ホーム等
で高齢者を預かり介護するサービスです。
おおむね 65 歳以上の虚弱な高齢者を介護している方が、病気、
緊急短期入所
事故、冠婚葬祭等の理由により、一時的に介護することができ
なくなった場合に、年間 60 日を限度として高齢者を預かり介護
します。
介護者の緊急の場合に備えて、引き続きサービスの維持に努め
ます。
家具転倒防止対策事業 一人暮らし高齢者等が家具に転倒防止板を取り付ける場合に、
作業費用の一部を助成します。制度を周知していくと共に、利
用の促進に努めます。
在宅において高齢者を介護する人の、心身にかかる負担を軽減
家族介護教室
し継続して介護していくためにはどのような手法が良いかを、
講義または実演して学ぶことができる講座を開催しています。
また、これにより、介護を受ける人の精神的負担も軽減される
ことが期待されます。実際に介護をしている方は、介護の合間
を縫っての当事業参加が困難と思われますので、事業の対象者
を介護家族のみではなく、若い方にも学んでいただけるような
内容の検討を進めていきます。
30
在宅で常時おむつ等を必要とする方を、同居して介護している
ご家族への心身、経済的な支援を行うため、対象者宅へおむつ
等の品物を配達給付しています。高齢者人口が増えるに伴い、
在宅生活する人も増えると見込まれることから、介護者支援の
ため事業を継続します。
はいかい高齢者SOS 行方不明になった高齢者を早期発見するため、警察、市町村、
交通機関が相互に連携しています。利用には事前の登録が必要
ネットワーク
です。事業を周知していくと共に、サービスの充実に努めま
す。
はいかい高齢者位置確 はいかいのおそれのある高齢者に位置情報を連絡する機器を持
たせることで、該当者の現在地を家族が 24 時間確認できるよう
認
にします。利用には、はいかい高齢者 SOS ネットワークへの登
録が必要です。事業の周知と共に、サービスの充実に努めま
す。
家族介護継続支援
(3) 生活支援体制づくり
■取組みの方向性
独居や高齢者世帯の増加に伴い、日常生活上の様々な支援が見込まれ、多様なサービス提供
体制の整備が必要です。地域には様々な地域活動が展開されており、支援を必要とする利用者
とサービス提供者をマッチングさせるための体制づくりが欠かせないため、地域の関係者が集
まり、情報共有したり、連携協力していくための場づくりを進めると共に、コーディネーター
等の設置を検討し、サービスを担う事業主体の支援や共同体制の充実を図ります。
■事業一覧■
事業名
協議体の立ち上げ
事業内容と今後の取組み
地域におけるコーディネーターと生活支援等の提供主体等の定
期的な情報共有及び連携強化を図ることを目的として、元気な
高齢者を始め住民が担い手として参加する住民主体の活動団体
やNPO、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁団体、協同組
合、民間企業などを構成員とする協議体を平成 27 年度中に立ち
上げます。
生活支援コーディネー 生活支援サービスの充実及び高齢者の社会参加に向けて、ボラ
ンティア等の生活支援・介護予防の担い手の養成・発掘など、
ターの配置
地域資源の開発や地域のニーズと地域支援のマッチングなどを
行う生活支援コーディネーターを平成 28 年度以降各日常生活圏
域に配置します。
31
4 安心して暮らせる連携・支援体制づくり
(1) 地域包括支援センターの充実
■取組みの方向性
高齢化の進展、要支援・要介護者の増加に伴い、相談件数の増加や困難事例への対応など、
業務量の増加が予想されます。また、平成 27 年度以降、新たに「在宅医療・介護連携の推進」
「認知症施策の推進」「地域ケア会議の推進」「生活支援サービスの体制整備」に係る取組みが
包括的支援事業に位置づけられ、センター業務はこれらの新たな事業すべてと密接に関係して
きます。適切な人員配置の確保に努めると共に、センターの運営や活動に対する点検や評価を
適切に行い、効果的なセンター運営が安定的・継続的に行われるよう、引き続き、体制整備を
進めていきます。
地域包括支援センターの機能強化(イメージ図)
在宅医療・介護連携
生活支援コーディネーター
地域医師会等との連携により、
在宅医療・介護の一体的な提供
体制を構築
高齢者のニーズとボランティア等の
地域資源とのマッチングにより、多様
な主体による生活支援を充実
認知症初期集中支援チーム
認知症地域支援推進員
早期診断・早期対応等により、
認知症になっても住み慣れた地
域で暮らし続けられる支援体制
づくりなど、認知症施策を推進
今後充実する業務については
地域包括支援センターまたは
適切な機関が実施
<例>
・基幹的な役割のセンターに
位置づける方法
・他の適切な機関に委託して
連携する方法
・基幹的な役割のセンターと
機能強化型のセンタ-で分
担する方法
等
地域ケア会議
地域包括支援センター
※ 地域の実情を踏まえ、基幹的な役割のセン
ター(※1)や機能強化型のセンター(※
2)を位置づけるなどセンター間の役割分
担・連携を強化
包括的支援業務
介護予防ケアマネジメント
介護予防の推進
従来の業務を評価・改善す
ることにより、地域包括ケ
アの取組を充実
多様な参加の場づくりと
リハビリ専門職の適切な関与
により、高齢者が生きがいを
もって生活できるよう支援
市町村
運営方針の策定・新総合事業の実施・地域ケア会議の実施等
都道府県
市町村に対する情報提供、助言、支援、バックアップ等
32
多職種協働による個別事例の
ケアマネジメントの充実と地
域課題の解決による地域包括
ケアシステムの構築
※1 基幹的な役割の
センター
(直営センターで実施も可)
たとえば、センター間の
総合調整、他センターの
後方支援、地域ケア推進
会議の開催などを担う
※2 機能強化型のセンター
過去の実績や得意分野を踏
まえて機能を強化し、他の
センターの後方支援も担う
■事業一覧■
事業名
地域ケア体制の整備
事業内容と今後の取組み
住み慣れた地域で生活していくためには、地域での見守りやサ
ポートなどの地域ケア体制の構築が重要となっており、地域包
括支援センターの果たす役割が大きくなっています。
地域包括支援センターの適切な運営、公正や中立性の確保等の
ために、「地域包括支援センター運営協議会」を設置しており、
介護サービス等に関する事業者・職能団体、介護保険の被保険
者、学識経験者等の構成員の意見を運営に反映しています。
また、地域包括支援センターを拠点としたネットワークを形成
し、高齢者を地域全体で支える体制を構築します。
個別事例の検討を通して地域の課題を把握し、これを医療や介
地域包括ケア会議
護に関わる多職種により検討を加えることで解決に導くことを
目的として、医師会、歯科医師会、薬剤師会、地域包括支援セ
ンター及び介護保険事業所等と協働し、毎月1回会議を開催し
ています。この会議は、平成 25 年9月に厚木保健福祉事務所地
域包括ケア会議座間地区分科会として医師会の主催で発足し、
平成 26 年8月から市主催の座間市地域包括ケア会議及び在宅医
療推進協議会として引き継がれました。地域包括ケアシステム
の構築に向け事業を継続します。
地 域 包 括 支 援 ネ ッ ト 地域包括ケアシステム構築を具現化する一つの手段として、「高
齢者となった精神障がい者を含む認知症高齢者を地域でどう
ワーク推進会議
やって見守っていくか」をテーマに精神科医療機関や相談機関
の相談員及び地域包括支援センター等と隔月でミーティングを
行っています。認知症ケアパスの策定を進めると共に、認知症
に関わる多職種合同の研修会を開催します。
個別ケア会議及び地域 市が開催する地域包括ケア会議を支える会議であり、個別事例
の検討を通じた地域課題の把握及び解決を目的として、地域包
課題検討会議
括支援センターが中心となり、地域の関係者を集めて開催して
います。地域包括ケアシステムの構築に向け、会議内容を充実
していきます。
地域包括支援センターでは、地域の高齢者の様々な生活上の相
相談窓口の充実
談に応じ、また、成年後見制度の普及や高齢者虐待防止の取組
みなどの権利擁護業務を行っています。さらに高齢者が身近な
場所で相談することができると共に、提供サービスの改善に結
び付けていく必要があります。このため、現在市内4か所の地
域包括支援センターを6か所に増設し、相談体制を充実してい
きます。
33
包括的・継続的マネジ 地域包括支援センターは、様々な問題を抱える要介護高齢者の
課題解決やケアマネジャー(介護支援専門員)の資質向上のた
メント
め、ケアマネジャーに対する相談支援業務(相談会や研修会の
開催)を行っています。様々な問題を抱える要介護高齢者の課
題解決や介護支援専門員の資質向上のため、周知方法等を検討
し、事業を継続します。
成年後見制度利用支援 高齢者の増加に伴い、認知症や判断能力が十分でない方であっ
ても、財産管理や契約などに関しご自分で判断しなければなら
ない場合が増えることが見込まれます。その際に、ご本人に代
わり、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が法律行為を行
うことにより、ご本人の権利を守り生活を支援する制度です。
増加傾向を踏まえ、市民後見人の育成についても検討していき
ます。
(2) 保健・医療・福祉の連携強化
■取組みの方向性
在宅医療・介護の連携推進は、今度の介護保険法の制度改正で、包括的支援事業のメニュー
として制度化されました。介護保険法の地域支援事業に位置付けられ、市が主体となり、医師
会等と連携して、事業を取り組むことになります。
高齢者が住み慣れた自宅や地域で生活をしていくため、保健・医療・福祉分野の関係機関と
の連携体制の構築を支援していきます。
■事業一覧■
事業名
後期高齢者医療制度
広域救急医療体制
事業内容と今後の取組み
75 歳以上のすべての方と、65 歳から 74 歳までの一定の障がい
のある方で、神奈川県後期高齢者医療広域連合の認定を受けた
方が後期高齢者医療制度に加入します。運営は、神奈川県後期
高齢者医療広域連合が主体となり、市町村と連携しながら行っ
ています。
市民が夜間及び休日に急病になった場合の救急医療体制とし
て、応急的な治療に対応する一次救急医療(小児科、内科、外
科、歯科、婦人科)と入院や手術を要する治療等に対応する二
次救急医療(小児科、内科、外科)に区分して、実施していま
す。一次救急医療は休日急患センター(婦人科は、在宅当番医
制)において、また、二次救急医療は病院群輪番制により診療
を継続します。今後も救急医療体制を、継続して安定的な運営
ができるように努めます。
34
救急キット配布事業
在宅医療推進協議会
在宅医療推進のための
医師向け動機付け研修
会
医療と介護の連携のた
めの情報共有ツールの
導入
高齢者世帯に、身元や医療の情報を入れておくことができる救
急キットを配布しています。キットには、「掛かり付け医」「薬
剤情報提供書(写)」「持病」などの医療情報や、「診察券(写)」
「健康保険証(写)」などの情報を入れ、自宅に保管しておくこ
とで、救急時等に備えます。救急時等に備え、事業周知に努め
ます。
在宅医療の推進と、医療と介護の連携の促進を目的として、医
師会、歯科医師会、薬剤師会、地域包括ケアセンター及び介護
保険事業所等と協働し、毎月1回会議を開催しています。この
会議は、平成 25 年9月に厚木保健福祉事務所地域包括ケア会議
座間地区分科会として医師会の主催で発足し、平成 26 年8月か
ら市主催の座間市地域包括ケア会議及び在宅医療推進協議会と
して引き継がれました。同会議は、市民への普及啓発、医師向
けの研修、医療と介護従事者の多職種連携研修等を企画・実施
しています。地域包括ケアシステムの構築に向け、在宅医療の
推進は重要な課題であり、会議に寄せられる期待は増々大きく
なります。
在宅診療医を増やすことを目的として、医師会と協働し、医師
を対象とした研修会を平成 25 年度から年1回開催しています。
一人でも多く在宅診療を行う医師が増えるよう、事業を継続し
ます。
在宅療養者に関わる医療と介護のスムーズな連携のためには、
相互の情報共有が最も重要になります。これに資するため、平
成 26 年度には、在宅医療推進会議の協力により在宅療養者のた
めの情報共有ファイルを作成しました。今後は、このファイル
の普及に努めると共に、情報共有のための ICT 技術の導入を検
討します。
35
(3) 見守り体制・認知症支援
■取組みの方向性
認知症になっても高齢者本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた住まいで暮らし続け
ることができるよう、認知症の支援体制づくりを進めます。認知症の状態に応じた適切なサー
ビス提供の流れを確立し、早期発見から早期診断、対応ができるような体制を構築すると共に、
認知症についての正しい知識と理解の促進、認知症本人や家族への支援を進めていきます。
■事業一覧■
事業名
事業内容と今後の取組み
一人暮らし高齢者等へ 一人暮らし高齢者を定期的に見守るため、民生委員と連携し、
「一人暮らし高齢者登録制度」を実施しています。
の支援
今後、対象者が大幅に増加するものと予測されますが、未登録
者も多く、制度の周知を図り、登録へとつなげていきます。
高齢者地域見守りネッ 高齢者が住み慣れた地域で自立した生活をしていくためには、
地域による見守りや声掛け、手伝いが必要です。地域包括ケア
トワーク事業
システムの中核を成す地域の支え合いの仕組みづくりを広げて
いきます。
認知症高齢者が安心して住み慣れた地域で暮らし続けられるよ
認知症ケアの推進
うに、認知症予防や理解のための啓発事業を行うことで、認知
症高齢者やその家族を支援します。また、介護保険事業者及び
民生委員等、認知症に関わる地域の関係者間の連携を推進する
ため、多職種合同研修等を実施していきます。
配食サービスでは、高齢者の方の食生活の維持向上と健康保持
地域自立生活支援
を図り、自立した生活を送れるようにするために食事(夕食)
の提供をしています。また、食事の提供を通した安否確認も実
施しています。生活援助員派遣事業は、県営の高齢者世話付き
住宅(シルバーハウジング)29 戸を対象に生活援助員を派遣
し、安否確認や相談等に応じています。高齢化に伴い独居や高
齢者のみで構成される世帯の増加が見込まれるため、事業を継
続し高齢者の地域における自立生活を支援します。
認知症になっても、周囲の人の理解や協力があれば、地域にお
認知症高齢者見守り
いてその人らしい生活を続けることができます。そこで、認知
症について正しく理解し、偏見を持たず認知症の人やその家族
を温かい目で見守ることができる認知症サポーターを養成して
います。地域において認知症を正しく知る人が増えることで、
見守りと認知症の早期発見につながることを目指します。
36
(4) 権利擁護・虐待防止の推進
■取組みの方向性
認知症高齢者の増加に伴い、権利擁護の重要性がさらに高まることが予想されます。成年後
見制度の普及や利用促進、関連する事業の情報提供、相談窓口での対応など、権利擁護の推進
に努めます。また、高齢者への虐待の予防、早期発見、早期対応及び再発防止のため、高齢者
虐待防止ネットワーク事業を実施していきます。
■事業一覧■
事業名
権利擁護事業の推進
事業内容と今後の取組み
認知症に対する理解や接し方について、正しい知識を普及させ
ていくと共に、成年後見制度の利用支援や高齢者虐待の防止対
策を推進し、権利擁護に取り組んでいきます。
座間市高齢者虐待防止 高齢者への虐待の予防、早期発見、早期対応及び再発防止のた
ネットワーク事業運営 め高齢者虐待防止ネットワーク事業を実施しており、事業推進
のため「座間市高齢者虐待防止ネットワーク事業運営委員会」
委員会
を設置しています。
今後も、高齢者を虐待という権利侵害から守り、尊厳を保持し
ながら安定した生活を送ることができるよう、事業を進めてま
いります。
(5) 緊急時の支援体制(災害時・緊急時支援等)
■取組みの方向性
アンケート調査結果によれば、災害・緊急時における単独避難の可否で「避難できる」との
回答が一般高齢者で約 81%ですが、在宅サービス利用者になると約 14%と、その割合は大幅
に減少します。今後とも一人暮らし高齢者や高齢者夫婦の増加に伴い、緊急時・災害時への支
援ニーズが高まることが見込まれており、互助・共助による地域の支え合いも含め、支援体制
を整備します。
■事業一覧■
事業名
災害時要援護者支援
事業内容と今後の取組み
一人暮らしや要介護高齢者等、災害時に支援が必要な方を台帳
に登載し、災害時に地域で支え合う体制を推進します。
災害時における高齢者 要介護4又は5と認定されている者及び認知症高齢者であっ
の緊急避難施設との協 て、地域の避難所を利用することが困難な高齢者を受け入れる
施設と協定を締結します。今後も新設の福祉施設と協定を締結
定
します。
37
5 安心して暮らせるまちづくり
(1) 多様な住まいの支援
■取組みの方向性
生活ニーズにあった住まいの確保に向け、施設・居住系サービスや地域密着型サービスを計
画的に整備していきます。また、高齢期の住まいの確保に向けて、情報提供などの周辺支援を
行うと共に、住宅施策と連携し、適切に住まいが供給される居住環境づくりを進めていきます。
■事業一覧■
事業名
事業内容と今後の取組み
高齢者等に配慮した公 既存の公営住宅の建替・改修に際しては、高齢者等に配慮して
いきます。今後も高齢者等に配慮した施設とするよう事業を進
営住宅の整備
めていきます。
あんしん賃貸支援事業 高齢者の賃貸住宅への入居は、家賃の不払い、病気や事故を懸
念する家主さんが多く、入居が困難な状況となっています。こ
のことから高齢者を対象とした「住まい探し相談会」を開催し
ています。また、高齢者の物件探しに付き添ったり、一緒に不
動産店の説明を聞いたりする「サポーター」を派遣していま
す。引き続き高齢者等の入居の受け入れが可能であるとして登
録している民間賃貸住宅に関する情報提供や居住支援を行って
いきます。
高齢者が安心して地域で住み続けることができるよう、介護保
多様な住まいの確保
険施設に加えて、サービス付き高齢者向け住宅等を整備してい
きます。
居宅介護支援・介護予防支援の提供を受けていない要介護者・
住宅改修支援
要支援者の住宅改修費に係る理由書の作成費用を支払っていま
す。住宅改修費の効果的な活用を推進するため、事業を継続し
ます。
38
(2) ユニバーサルデザインのまちづくり
■取組みの方向性
日頃から安全で安心して外出したり、社会参加するためには、高齢者や障がい者等も含め、
誰もが安心してスムーズに移動できる、ユニバーサルデザインによる歩行空間の整備が求めら
れています。移動しやすい、利用しやすい、わかりやすい情報発信といったユニバーサルデザ
インの視点を取り組んだまちづくりを進めます。
■事業一覧■
事業名
公共施設の環境整備
歩行空間の環境整備
公園の環境整備
民間施設の環境整備
事業内容と今後の取組み
高齢者や障がい者が公共施設を利用しやすくするため、スロー
プ、手すりの設置などのバリアフリー化を進めます。
バリアフリー新法に準拠して、歩道の新設や拡幅、視覚障がい
者誘導用ブロックの新設等、道路のバリアフリー化の推進に努
めます。今後も事業を継続していきます。
高齢者や障がい者等が利用しやすいように公園のバリアフリー
化を進めます。今後も事業を継続していきます。
高齢者や障がい者を始めとする市民の誰もが、活動しやすく、
住みやすい空間を整備していくために、鉄道、バス等、不特定
多数の人が利用する民間施設においてもバリアフリー化や各種
機能の充実により、安全性と利便性の向上を要望します。
(3) 多様なサービス基盤の整備
■取組みの方向性
介護が必要になってもできる限り住み慣れた地域で生活できるように、多様なサービスの基
盤の確保に努めます。
■事業一覧■
事業名
事業内容と今後の取組み
地域密着型サービス事 認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護及び複合
型サービスを整備しました。今後は事業の運営状況や高齢者の
業所整備事業
生活実態を把握し、ニーズに応じたサービスの整備が必要とな
ります。日常生活圏域を考慮し、高齢者のニーズに合わせた地
域密着型サービスの整備を促進します。
39
第5章
介護保険事業の安定的な運営
1 介護サービスの充実
平成 12 年から始まった介護保険制度は、平成 17 年 10 月から順次改正された介護保険法
において、制度の持続可能性の確保や明るく活力のある超高齢社会の構築と共に社会保障の総
合化を基本とした制度の見直しが行われました。平成 18 年度には、地域密着型サービスが創
設され、(介護予防)小規模多機能型居宅介護や(介護予防)認知症対応型共同生活介護(グループ
ホーム)などのサービスを利用しながら住み慣れた地域で生活ができるようになりました。同時
に、地域支援事業も創設され地域包括支援センターを設置し、介護予防の充実を図ると共に、
地域の高齢者に寄り添う総合相談システムができました。
第6期介護保険事業計画においては、平成 37 年度を見据え、第5期計画から引き続き、介
護老人福祉施設の増床、介護療養型医療施設からの転換などを踏まえての施設や地域密着型
サービス事業所の整備を検討していく必要があります。
要支援、要介護認定者については、年々伸びを続けており、介護給付費についても相当額の
伸びが予想されます。そのため、介護保険事業を安定的に運営するための財源である介護保険
料については、増額することが必要になります。
(1) 介護保険事業の状況
①サービス受給者の推移
第4期(H21~H23)
第5期(H24~H26)
平成22年9月末
居宅サービス
2,150人
地域密着型サービス
104人
施設サービス
540人
平成25年9月末
居宅サービス
2,777人
地域密着型サービス
144人
施設サービス
558人
②総給付費の推移
第4期(H21~H23)
第5期(H24~H26)
平成22年9月分
居宅サービス
1億4,300万円
地域密着型サービス
2,240万円
施設サービス
2億570万円
平成25年9月分
居宅サービス
1億4,720万円
地域密着型サービス
3,380万円
施設サービス
2億8,290万円
40
(2) 量の見込みとその確保策
①居宅サービス
【サービス種類】
■介護給付
サービス名
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
概要
訪問介護は、居宅で自立した日常生活が送れるよ
う、訪問介護員が要介護者の居宅を訪問して入浴、
排泄、食事等の介護や生活援助のサービスを実施し
ます。
訪問入浴介護は、要介護者の自宅に入浴車等で訪問
し、浴槽を家庭に持ち込んで入浴の援助を行い、身
体の清潔保持や心身機能の維持のサービスを実施し
ます。
訪問看護は、看護師、理学療法士、作業療法士等が
主治医の指示により要介護者の自宅を訪問し、療養
上の世話や必要な診療の補助のサービスを実施しま
す。
訪問リハビリテーションは、理学療法士や作業療法
士等が計画的な医学的管理を行っている医師の指示
に基づき、要介護者の自宅を訪問して理学療法、作
業療法、その他必要なリハビリテーションのサービ
スを実施します。
居宅療養管理指導は、医師、歯科医師、薬剤師等が
居宅を訪問し、療養上の管理や指導のサービスを実
施します。
通所介護は、要介護者が通所介護施設(デイサービ
スセンター)等に通い、当該施設において入浴、排
泄、食事等の介護、日常生活上の世話や機能訓練の
サービスを実施します。
(通所介護のうち、利用定員が厚生労働省で定める
数未満のものについては、地域密着型通所介護とし
て地域密着型サービスに位置づけられる。平成28年
4月に施行、1年間の経過措置あり)
通所リハビリテーションは、要介護者が介護老人保
健施設、病院などが運営している通所リハビリテー
ション事業所に通い、理学療法、作業療法、その他
必要なリハビリテーションのサービスを実施しま
す。
41
短期入所生活介護
短期入所療養介護
特定施設入居者生活介護
福祉用具貸与
特定福祉用具購入
居宅介護住宅改修
居宅介護支援
短期入所生活介護は、介護老人福祉施設等に短期間
入所し、入浴、排泄、食事等の介護、その他の日常
生活上の世話や機能訓練のサービスを実施します。
短期入所療養介護は、介護老人保健施設、介護療養
型医療施設に短期間入所し、看護、医学的管理下に
おける機能訓練、その他必要な医療及び日常生活上
の世話のサービスを実施します。
特定施設入居者生活介護は、指定を受けた有料老人
ホーム、軽費老人ホームやケアハウス等に入所して
いる要介護者等について、介護サービス計画に基づ
き、入浴、排泄、食事等の介護、その他日常生活上
の世話、機能訓練及び療養上の世話のサービスを実
施します。
福祉用具貸与は、要介護高齢者の日常生活の便宜を
図るために、特殊寝台や車いすなどの貸与のサービ
スを実施します。
特定福祉用具販売は、入浴や排泄に使用する物品に
ついて、年間10万円を限度に、購入費の9割を支給
するサービスを実施します。
住宅改修は、手すりの取付け、段差の解消等を行っ
たとき、1住宅20万円を限度に、改修費の9割を支
給するサービスを実施します。
居宅介護支援は、要介護者が居宅サービスを適切に
受けられるよう、要介護者の心身の状況、置かれて
いる環境、意向等を勘案して居宅サービス計画(ケ
アプラン)を作成すると共に、当該計画に基づく居
宅サービスの提供が確保されるよう、事業者等との
連絡・調整サービスを実施します。要介護者が施設
に入所を希望する場合は、介護施設の紹介等の支援
を実施します。
■予防給付
サービス名
介護予防訪問介護
概要
介護予防訪問介護は、要支援1・2の方を対象に、
居宅で自立した日常生活が送れるよう、訪問介護員
が居宅を訪問して入浴、排泄、食事等の介護や生活
援助のサービスを実施します。
(平成29年4月までに、地域支援事業に移行予定)
42
介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問入浴介護は、要支援1・2の方の自宅
に入浴車等で訪問し、浴槽を家庭に持ち込んで入浴
の援助を行い、身体の清潔保持や心身機能の維持の
サービスを実施します。
介護予防訪問看護
介護予防訪問看護は、要支援1・2の方を対象に、
看護師、理学療法士、作業療法士等が主治医の指示
により自宅を訪問し、療養上の世話や必要な診療の
補助のサービスを実施します。
介護予防訪問リハビリテーショ 介護予防訪問リハビリテーションは、理学療法士や
ン
作業療法士等が計画的な医学的管理を行っている医
師の指示に基づき、要支援1・2の方の自宅を訪問
して理学療法、作業療法、その他必要なリハビリ
テーションのサービスを実施します。
介護予防居宅療養管理指導
介護予防居宅療養管理指導は、要支援1・2の方を
対象に、医師、歯科医師、薬剤師等が居宅を訪問
し、療養上の管理や指導のサービスを実施します。
介護予防通所介護
介護予防通所介護は、要支援1・2の方を対象に、
通所介護施設(デイサービスセンター)等において
入浴、食事の提供等、日常生活上の世話や機能訓練
のサービスを実施します。
(平成29年4月までに、地域支援事業に移行予定)
介護予防通所リハビリテーショ 介護予防通所リハビリテーションは、要支援1・2
ン
の方を対象に、介護老人保健施設、病院などで理学
療法、作業療法、その他必要なリハビリテーション
のサービスを実施します。
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所生活介護は、要支援1・2の方
が、介護老人福祉施設等に短期間入所し、入浴、排
泄、食事等の介護、その他の日常生活上の世話や機
能訓練を施設で実施します。
介護予防短期入所療養介護
介護予防短期入所療養介護は、要支援1・2の方
が、介護老人保健施設、介護療養型医療施設に短期
間入所し、看護、医学的管理下における機能訓練、
その他必要な医療及び日常生活上の世話を施設で実
施します。
43
介護予防特定施設入居者生活介 介護予防特定施設入所者生活介護は、要支援1・2
護
の方が、指定を受けた有料老人ホーム、介護利用型
軽費老人ホームやケアハウス等に入所して、入浴、
排泄、食事等の介護、その他日常生活上の世話、機
能訓練及び療養上の世話のサービスを施設で実施し
ます。
介護予防福祉用具貸与
介護予防福祉用具貸与は、要支援1・2の方を対象
に、特殊寝台や車いすなどの貸与のサービスを実施
します。
介護予防福祉用具販売
特定介護予防福祉用具販売は、要支援1・2の方を
対象に、入浴や排泄に使用する物品について、年間
10万円を限度に、購入費の9割を支給するサービス
です。
介護予防住宅改修
要支援1・2の方を対象に、手すりの取付け、段差
の解消等の住宅改修を行ったとき、1住宅20万円を
限度に、改修費の9割を支給するサービスを実施し
ます。
介護予防支援
介護予防支援は、要支援1・2の方が介護サービス
を受ける際に、心身の状況、置かれている環境、意
向等を勘案してケアプランを作成すると共に、適切
なサービスの提供が確保されるよう、事業者等との
連絡・調整を行うサービスを実施します。
【推計の考え方】
国のワークシートを用いて、推計した要介護等認定者数をもとに、平成 24 年度~平成 26
年度までの居宅サービス別(施設・居住系サービスを除く)の利用実績(利用者数、利用回
(日)数、給付費)の推移を踏まえ、将来の居宅サービス別の利用者数や給付費等を推計しま
す。
また、居宅サービスのうち、特定施設入居者生活介護の利用者数は、平成 24 年度~平成 26
年度までの利用実績の推移に加えて、サービス基盤整備計画や介護療養型医療施設からの転換
意向等を踏まえ、将来の利用者数や給付費等を推計します。
44
②地域密着型サービス
【サービス種類】
■介護給付
サービス名
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
概要
認知症の高齢者等が、昼間の数時間をデイサービス
センターなどの施設で過ごし、食事や入浴、健康
チェック、機能訓練などを受けるサービスを実施し
ます。
要介護者等の様態や希望に応じ、通いを中心とし
て、随時訪問や泊まりを組み合わせて提供するサー
ビスを実施します。
認知症対応型共同生活介護(グ 認知症対応型共同生活介護は、認知症の状態にある
ループホーム)
要介護者が、少人数で共同生活を営む住居(グルー
プホーム)において、入浴、排泄、食事等の介護そ
の他日常生活上の世話及び機能訓練を受けるサービ
スを実施します。
複合型サービス
複数の居宅サービスや地域密着型サービスを組み合
わせて、1つの事業所が一体的に提供するもので
「小規模多機能型居宅介護」と「訪問看護」の組み
合わせが提供可能なサービスとして定められていま
す。要介護度が高く、医療的なケアを必要とする人
が、住み慣れた家や地域で安心して生活することが
可能になります。
■予防給付
サービス名
介護予防認知症対応型通所介護
概要
要支援1・2の認知症の高齢者等が、昼間の数時間
をデイサービスセンターなどの施設で過ごし、食事
や入浴、健康チェック、機能訓練などを受けるサー
ビスを実施します。
介護予防小規模多機能型居宅介 要支援1・2の方の様態や希望に応じ、通いを中心
護
として、随時訪問や泊まりを組み合わせて提供する
サービスを実施します。
介護予防認知症対応型共同生活 要支援2の方が、少人数で共同生活を営む住居(グ
介護(グループホーム)
ループホーム)において、入浴、排泄、食事等の介
護その他日常生活上の世話及び機能訓練を受ける
サービスを実施します。
45
【推計の考え方】
国のワークシートを用いて、推計した要介護等認定者数をもとに、平成 24 年度~平成 26
年度までの地域密着型サービス別(施設・居住系サービスを除く)の利用実績(利用者数、利
用回(日)数、給付費)の推移を踏まえ、将来の地域密着型サービス別の利用者数や給付費等
を推計します。
また、地域密着型サービスのうち、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者
生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の利用者数は、平成 24 年度~平成 26
年度までの利用実績の推移に加えて、サービス基盤整備計画や介護療養型医療施設からの転換
意向等を踏まえ、将来の利用者数や給付費等を推計します。
46
③施設サービス
【サービス種類】
サービス名
概要
介護老人福祉施設(特別養護老 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、日常
人ホーム)
生活で常時介護が必要な人で、在宅では適切な介護
が困難な高齢者が入所し、日常生活上の世話や機能
訓練、健康管理、療養上の世話などを施設で実施し
ます。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、症状が安定し、入院治療が必
要でなくなった高齢者が自宅に戻ることができるよ
う、リハビリや介護を施設で実施します。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、長期間の療養や介護を必要
とする高齢者のための医療施設で、入院する要介護
者が、施設サービス計画に基づいて療養上の管理、
看護、医学的管理のもとにおける介護、その他の世
話、機能訓練及び必要な医療を施設で実施します。
【推計の考え方】
国のワークシートを用いて、推計した要介護等認定者数をもとに、平成 24 年度~平成 26
年度までの施設サービス別の利用実績(利用者数、給付費)の推移に加えて、県の広域調整を
考慮して、将来の施設サービス別の利用者数や給付費等を推計します。
(3) 標準給付費の見込み
【推計の考え方】
給付費の合計(総給付費)に、地域密着型通所介護への意向率、介護報酬改定、地域区分な
どを反映させて、年間の給付費を算出します。その他、特定入所者介護サービス費等給付額、
高額介護サービス費等給付額、高額医療合算介護サービス費等給付額、算定対象審査支払手数
料の見込額を加えて、標準給付費を算出します。
(4) 地域支援事業費の見込み
【推計の考え方】
第6期中に介護予防訪問介護サービス及び介護予防通所介護サービスが一般介護予防事業と
合わせて新たに介護予防・日常生活支援総合事業に移行すること、また、地域包括支援セン
ターの体制整備に加え、在宅医療・介護連携の推進、認知症施策の推進、生活支援サービスの
基盤整備が包括的支援事業に位置づけられることを踏まえて、それぞれの額を見込みます。
47
(5) 第1号被保険者保険料の設定
①推計の流れ
サービス別の量の見込み(利用者数、利用回(日)数、給付費)
介護サービス給付費等の推計
○その他給付額
○地域支援事業費
第6期の総給付費
×
22%(第1号被保険者負担割合)
=年間保険料基準額
第1号被保険者数(3年間の累計人数)
②第6期の財源構成
《介護保険事業》
《地域支援事業》
第6期
市
12.5%
居
宅
サ
ー
ビ
ス
県
12.5%
第1号被保険
者
22.0%
第2号被保険
者
28.0%
国
25.0%
第6期
介
日護
常予
生防
活・
支
援
総
合
事
業
市
12.5%
県
12.5%
市
12.5%
県
17.5%
国
20.0%
第1号被保険
者
22.0%
第2号被保険
者
28.0%
第2号被保険
者
28.0%
国
25.0%
第6期
施
設
サ
ー
ビ
ス
第1号被保険
者
22.0%
第6期
包
括
的
任支
意援
事事
業業
・
48
市
19.5%
県
19.5%
第1号被保険
者
22.0%
国
39.0%
③第1号被保険者保険料
【第6期での主な変更点】
・第1号被保険者の負担割合が 21%から 22%に変更になります。
・平成 27 年4月に介護報酬の改定が予定されています。
・消費税の増税の影響も含まれる予定です。
・給付費の5割の公費とは別枠で公費が投入され、低所得の高齢者の保険料の軽減が強化さ
れる予定です。
【推計の考え方】
介護保険料の段階設定は、第1号被保険者の負担能力に応じた負担割合を基本とし、第5期
計画では、段階区分の多段階化し、12 段階としました。
第6期においても、負担能力に応じた負担割合を基本に、各段階の保険料基準額に対する割
合を見直し、3年間の安定的な事業運営を目指していきます。
49
2 安定的な事業運営に向けた各種施策の実施
(1) 介護給付等費用の適正化
要介護認定の適正化(認定調査状況チェック)、ケアプランの点検、住宅改修費等の点検、縦
覧点検・医療情報との突合(重複請求の適正化など)、介護給付費通知(保険サービス利用料の周
知)など、費用の適正化に関する事業に取り組んできましたが、今後も継続的に実施することで、
費用の適正化を図ります。
また、介護保険事業者に対し、運営指導や介護報酬請求に関する指導を行い、利用者に必要
なより良いサービス提供につながるように実地指導などに取り組みます。さらに、そこに勤務
する従業員に対し研修等を行い、サービスの資質の向上に努めます。
(2) 利用者への情報の提供
市が設置する地域包括支援センターや生活支援・介護予防サービスの情報を地域で共有でき
るよう、住民に広く伝えていくことが重要となります。国で運用する介護サービス情報の公表
システムを活用して、積極的に情報発信できるように努めていきます。
また、介護保険制度やサービス提供事業者に対する苦情や介護保険事故に関する相談に対応
し、必要に応じ適切な情報提供に努めていきます。
(3) 低所得者への配慮等
介護保険制度の改正で、給付費の5割の公費とは別枠で公費を投入し、低所得者の第1号保
険料の軽減を強化することになります。
保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、これまで一律1割に
抑えている利用者負担について、相対的に負担能力のある一定以上の所得の方の自己負担額割
合を見直すことになります。
施設入所等にかかる費用のうち、食費及び居住費は本人の自己負担が原則となっていますが、
住民税非課税世帯である入居者については、その申請に基づき、補足給付を支給し負担を軽減
することになります。
また、社会福祉法人等による介護サービスを利用する低所得者の方に対して、利用者の負担
を軽減する事業の周知に努めます。
(4) 介護人材の確保
介護人材の確保に向けて、多様な人材の参入促進、介護従業員の資質の向上、勤務環境の改
善などが求められています。介護サービスの利用と提供を円滑化し、利用者にとって満足度の
より高いサービスを提供していくため、県などで実施する養成講座や各種研修等を事業者や専
門職に向けて周知し、前期計画から引き続き、ケアマネジャー等の育成、資質や技術の向上の
ための支援を行います。
50
第6章
計画の推進体制
1 計画の推進体制と進行管理
介護保険については、平成 17 年から「座間市地域包括支援センター運営協議会」を設置し、
地域包括支援センターの設置・運営に関する事項、地域密着型サービスの指定・運営に関する
事項を審議すると共に、地域支援事業の実施状況を報告し、的確なサービス提供と適切なケア
マネジメントの提供に努めています。
本計画の運営及び進行管理については、これらの委員会等の機能を充実させ、推進していき
ます。
また、地域支援事業及び予防給付の実施による介護予防の達成状況の点検及び評価について、
各年度において、総合事業(一般介護予防事業)の実施による要介護状態等への移行の程度、
予防給付及び総合事業の実施による要介護2以上への移行の程度等の達成状況の分析・評価方
法を検討します。
座間市地域保健福祉サービス推進委員会
計画策定にあたっての諮問答申及び評価
・座間市高齢者保健福祉計画
・座間市介護保険事業計画
介護保険の運営、施策に関する審議
座間市地域包括支援
センター運営協議会
座間市高齢者虐待防止
ネットワーク事業運営
委員会
・地域包括支援センターの設
介護認定審査会
・要介護認定又は要支援認定
置、運営等に関する審議
・高齢者虐待早期発見見守り
に係る審査及び判定に係る事
・地域密着型サービスの指
ネットワーク
項を審議
定、運営等に関する審議
・保健医療福祉サービス介入
・地域支援事業の実施状況を
報告
ネットワーク
・関係専門機関相談
51
Fly UP