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方向性変更 - 格付投資情報センター

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方向性変更 - 格付投資情報センター
NEWS RELEASE
2016年06月28日
【方向性変更】
英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
外貨建発行体格付: AAA [格付の方向性:安定的 → ネガティブ]
自国通貨建発行体格付: AAA [格付の方向性:安定的 → ネガティブ]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
英国で23日に行われた、欧州連合(EU)残留の是非を問う国民投票の結果はEU離脱が過半数をとる結
果となった。今後、議会での正式決定、新たな協定のためのEUとの交渉を経て正式脱退へと至る。リス
ボン協定における脱退規定によれば、その期間は2年間とされている。
貿易・投資など経済面に着目した影響推計のほとんどが、EU離脱が中長期的に大きな経済的損失を伴
うとしている。推計は将来の貿易協定の形など数多くの仮定に基づいており、現段階で確定的なもので
はない。一方、独自通貨・独立した金融政策権限を保持し、シェンゲン協定にも非加盟であるなど多く
の事柄において実質的にEUの制度外にある英国において、離脱によって経済的状況が大きく改善するか
は疑わしいとR&Iは判断している。より実際的な問題として、新たな「経済的・社会的国境」が定まるま
で長い期間にわたり不確実性が続くことになる。その間に投資が手控えられ、資本ストックや生産性が
伸び悩むことで、将来の潜在成長率が低下するといった事態は大いに考えられよう。
経済活動の抑制は、政府がもくろむ構造的財政収支の黒字化の達成にも影響を及ぼそう。また、ここ
まで財政健全化に断固たる姿勢を取ってきたキャメロン政権の交代で、これ以上に財政健全化に舵を切
る政権が誕生する可能性は低いだろう。こうしたことで英国債市場の安定性が即座に損なわれるとはみ
ていないが、当面、これまで以上に財政運営スタンスに気を配る必要がある。 数多くの経済的悪影響の警鐘にも関わらず、離脱派が強調してきた移民問題は多くの有権者の選択に
影響したもようだ。直接的にはEUとの関係を問う国民投票ではあったが、賃金格差や緊縮政策の影響な
どを背景に、既存の政治・経済的秩序に対する国内の不満も大きく影響したとみている。今回の投票を
通じて鮮明になった国の政治的・社会的な意識差の存在、保守党・労働党という二大政党の統合性の低
下は今後の政策運営の難しさを示唆する。今後、どういった政党が政権を取ったとしても、従来のよう
な断固とした政策を打つことは難しくなる可能性がある。また、従前の予想通り、残留支持の姿勢が鮮
明となったスコットランド、さらには北アイルランドの独立運動の再燃も懸念される。
これらの諸点を勘案した結果、R&Iでは、英国の格付の方向性を安定的からネガティブに変更した。経
済的には、金融市場の混乱を除けば即座に格付水準に影響が出るようなものではない。今後始まるEUと
の離脱交渉の中でどのような政治的関係が築かれるのか、貿易や投資など経済基盤に影響する国際的な
取り決めがどういった姿となるのか、そしてその中長期的な財政への影響を見定め、格付に反映させて
いく。
【格付対象】
発行者:英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
AAA
安定的 → ネガティブ
自国通貨建発行体格付
AAA
安定的 → ネガティブ
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
関口 健爾
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年06月27日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 -
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
信用格付に関わる留意事項
当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。
格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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