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プログラム・抄録 - 北関東医学会

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プログラム・抄録 - 北関東医学会
第58回北関東医学会総会
プログラム・抄録
第一日平成23年9月29日(木)午後1時00分より
群馬大学医学部刀城会館
日本医師会生涯教育講座4.5単位
カ リ キ ュラム コ ー ド
1
5
m
■
●
●
専門職としての使命感2.継続的な学習と臨床能力の保持
医師一患者関係とコミュニケーション8.医療の質と安全9.医療情報
チ ーム 医 療 1 5 . 臨 床 問 題 解 決 の プ ロ セ ス 6 8 . 精 神 科 領 域 の 救 急 7 6 . 糖 尿 病
ノ
第二日平成23年9月30日(金)午前8時50分より
群馬大学医学部刀城会館
、
日本医師会生涯教育講座5単位
専 門 職 と しての 使 命 感 5 . 医 師 患 者 関 係 と コ ミ ュニケ ー シ ョ ン 9 . 医 療 情 報
カ リ キ ュラム コ ー ド
保健活動13.地域医療14.医療と福祉の連携44.心肺停止45.呼吸困難
6
2
. 歩行障害82.生活習 慣
1
2
.
、
ノ
<特別講演>日本内科学会認定総合内科専門医認定更新2単位
<特別講演・ワークショップ講演・推薦講演>日本医師会生涯教育講座指定公開講座
く特別講演・ワークショップ講演>群馬大学大学院医学系研究科指定大学院講義
北
関
東
医
学
会
第58回北関東医学会総会プログラム
第一日平成23年9月29日(木)群馬大学医学部刀城会館
開
会午後1時00分
ポスター展示11:30∼17 :40
一般演題
寅題Aボスター発表)
セッション
ンヨン1
13:05∼13:45座長石崎泰樹(群馬大院・医・分子細胞生物学)
1.マウス扇桃体外側核のGABA受容体応答の可塑'性に関する研究
藤 枝 智 美 , 1 , 2 白 尾 智 明 , 2 三 輪 秀 樹 3
関野祐子1,2
(1国立医薬品食品衛生研究所薬理部)
(2群馬大院・医・神経薬理学)
(3群馬大院・医・遺伝発達行動学)
2.マーモセット脳におけるドレブリンの免疫組織化学的解析
梶 田 裕 貴 ,
三 輪 美 樹 , 2 児 島 伸 彦
中 村 克 樹 , 2 白 尾 智 明
(l群馬大院・医・神経薬理学)
(2京都大学霊長類研究所行動神経研究部門)
3.発生期小脳におけるCD44発現細胞の分布とその存在意義
横 山 就 一 , 成 瀬 雅 衣 , 倉 知 正
柴崎貢志,石崎泰樹(群馬大院・医・分子細胞生物学)
4.CIN85の機能欠損はドーパミン受容体のエンドサイトーシスを抑制し多動を引き起こす
下川哲昭,鯉淵典之(群馬大院・医・応用生理学)
5.アストロサイト傷害の組織学的指標としてのcorpora
ト傷害の組織学的指標としてのcorpora amylacea貧食像:視神経脊髄炎剖検例9例におけ』
amylacea負食像:視神経脊髄炎剖検例9例における検
討
鈴 木 文 ,
横 尾 英 明 ,
柿 田 明 美 2
高 橋 均 , 2 針 谷 康 夫 , 3 伊 古 田 勇 人 1
中 里 洋 ­ 1
(l群馬大院・医・病態病理学)
(2新潟大学脳研究所病理学分野)
(3前橋赤十字病院神経内科)
6.脳腫傷におけるnestinの発現一悪'性神経鯵腫病理診断への有用 性に関する検討
新 井 秀 雄 , 1 , 3 伊 古 田 勇 人 , 1 菅 原 健 ­ 2
平 戸 純 子 , 3 中 里 洋 ­ 1
(l群馬大院・医・病態病理学)
(2群馬大医・附属病院・脳神経外科)
(3群馬大医・附属病院・病理部)
7.
GABA仮説に基づく統合失調症モデルマウスの開発と解析
藤原和之,1,2,3三輪秀樹1,2柿崎利和1,2
三 園 雅 彦 , 3 棚 平 千 代 子 , 4 玉 巻 伸 章 4
­
1
­
柳川右千夫 '2
(l群馬大院・医・遺伝発達行動学)
(2独立行政法人科学技術振興機構, CREST
(3群馬大院・医・神経精神医学)
(4熊本大学大学院生命科学研究部脳回路構造学)
8.神経幹細胞'性質変換に伴う遺伝子座の核内配置の変動解析
伊 藤 謙 治 ,
中 島 欽 一 , 2 荒 川 浩 一
滝 沢 琢 己
(l群馬大院・医・小児科学)
(2奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科分子神経分化制御学講座)
セ ッ シ ョ ン 2
1 3 : 5 0 ∼ 1 4 : 1 5 座 長 村 上 徹 ( 群徹(群馬大院・医・機能形態学)
馬 大 院 。
9.SIRPaは腎糸球体上皮細胞の形態と蛋白尿制御に関与する
高 橋 哲 史 , 1 度 村 桂 樹 ,
浜 谷 博 子 ,
坂 入 徹 ,
富 岡 麻 衣
青 木 武 生 2
大 西 浩 史 , 3 的 崎 尚 , 4 野 島 美 久
(l群馬大院・医・生体統御内科学)
(2群馬大院・医・生体構造学)
(3群馬大・生調研・バイオシグナル分野)
(4神戸大学大学院医学研究科シグナル統合学分野)
10.男性ホルモンによる代謝機能制御機構の解析
佐 藤 隆 史 ,
沢 津 橋 俊 ,
佐 々 木 努 2
溝 端 健 亮 ,
三 宅 由 花 ,
雷 田 佳 織
森 和 俊 , 3 北 村 忠 弘 , 2 加 藤 茂 明 4
北 川 浩 史
(1群馬大・生調研・核内'情報制御分野)
(2群馬大・生調研・代謝シグナル分野)
(3京都大学大学院理学研究科)
(4東京大学分子細胞生物学研究所)
11.GranuphilinとSyntaxin-la二重欠損マウスを用いたインスリン分泌機構の解析
王
臭
,
1
石
崎
玲
,
藤
原
智
徳
2
赤 川 公 朗 , 2 泉 哲 郎
(1群馬大・生調研・遺伝生化学分野)
(2杏林大学医学部細胞生理学教室)
12.マウスマラリア赤内期感染防御におけるCD8+T細胞の関与
今 井 孝 , 石 田 英 和 , 平 井 誠
鈴江一友,久枝一(群馬大院・医・国際寄生虫病学)
13.気道上皮細胞のウイルス感染モデルにおけるINF-γのムチン分泌抑制の分子基盤
小 柳 貴 人 , ' ' 2 滝 沢 琢 己 ,
八 木 久 子 ,
小 林 靖 子 ,
中 嶋 直 樹
荒 川 浩 ­ 1
(1群馬大院・医・小児科学)
(2新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学)
­
2
­
セッシ
ショ
ョンン 3
14:20∼14
145座長小山洋(群馬大院・医・公衆衛生学)
14.病院と地域看護職者間によるALSデスカンファレンスで見出された地域連携課題
大 谷 忠 広 ,
牛 久 保 美 津 子 , 2 冨 田 千 恵 子
猪 熊 綾 子 ,
中 村 聡 洋 ,
池 田 将 樹 3
牛 込 久 美 子 , 4 田 代 美 智 子 , 5 小 林 直 樹 6
大槻雪枝,7阿久沢とも子,7中村伊津江7
小川美由紀7
(1群馬大医・附属病院・看護部)
(2群馬大院・保・看護学)
(3群馬大医・附属病院・神経内科)
(4群馬県保健予防課)
(5前橋市保健所)
(6訪問看護ステーションホームナース)
(7群馬県看護協会訪問看護ステーシヨン)
15.Development and Validation of an Assessment Scale for Continence Self-care (ACS)
16.Impact of Urinary Symptoms on Quality of Life in Community Female Residents
18.クロステストにおけるWISH型股関節装具の効果
佐 藤 江 奈 , 1 , 2 山 路 雄 彦 , 2 佐 藤 貴 久 3
渡 辺 秀 臣 2
(1社会保険群馬中央総合病院リハビリテーション科)
(2群馬大院・保・リハビリテーション学)
(3群馬大医・附属病院・整形外科)
一般演題Bポスター発表)
セッション4
1 3 : 0 5 ∼ 1 3 : 3 0 座 長 小 山 徹 也 ( 群 馬 大 院 ・ 医 ・ 病 理 診 断 学 )
19.乳頭腫脹と虹彩毛様体炎を合併した成人発症Still病の一例
野田聡実,岸章治(群馬大医・附属病院・眼科)
20.手根管症候群患者における超音波診断の有用 性と臨床所見の関連について
田
鹿
毅
,
金 子 哲 也 ,
小
林
勉
,
山
本
敦
史
津 一 行 , 高 岸 憲 二
(群馬大医・附属病院・整形外科)
21.整形外科領域神経障害'性痔痛に対するプレガバリンの短期効果と副作用発現に関する検討
入 内 島 崇 紀 , 白 倉 賢 二 , 和 田 直 樹
宗宮真,田津真之(群馬大医・附属病院・リハビリテーション部)
­
3
­
22.頭頚部廿ee flap連続200例を対象とした血栓形成危険因子の検討
牧 口 貴 哉 ,
橋 川 和 信 , 2 宮 崎 英 隆
根 岸 明 秀 , 1 寺 師 浩 人 , 2 丹 生 健 ­ 3
田 原 真 也 , 2 横 尾 聡
(l群馬大院・医・顎口腔科学)
(2神戸大学大学院医学研究科形成外科学)
(3同耳鼻咽喉科・頭頚部外科学)
23.眼嵩底骨折に対する生体吸収'性プレート(LactosorbR)の使用経験
牧 口 貴 哉 ,
­これまでの経過と今後の課題一
皐 月 玲 子 , 2 宮 崎 英 隆
根 岸 明 秀 ,
横 尾 聡
(l群馬大院・医・顎口腔科学)
(2淀川キリスト教病院)
セ ッ シ ョ ン 5
1 3 : 3 5 ∼ 1 4 : 0 0 座 長 伊 藤 一 人 ( 群 馬 大
院 ・ 医 ・
(群馬大院・医・泌尿器科学)
24.Nd!YAGレーザーを用いて外照射と組織内照射を同時に行った頬粘膜血管奇形の1例
宮 崎 英 隆 , 金 舞 , 牧 口 貴 哉
金 留 依 , 早 田 隆 司 , 小 川 将
根岸明秀,横尾聡(群馬大院・医・顎口腔科学)
25.口腔扇平上皮癌におけるFAMTならびにFDG集積とMIB-1標識指数に関する検討
宮 下 剛 ,
宮 久 保 満 之 ,
横 尾 聡 , 1
根 岸 明 秀
口 徹 也 , 2 有 坂 有 紀 子 2
石 北 朋 宏 , 2 対 馬 義 人 2
(1群馬大院・医・顎口腔科学)
(2群馬大院・医・放射線診断核医学)
26.再度の腸骨移植を必要とした口唇・口蓋裂症例の検討
根 岸 明 秀 , 五 味 暁 憲 , 宮 崎 英 隆
牧口貴哉,横尾聡(群馬大院・医・顎口腔科学)
27.開鼻声値の評価基準の検討一口蓋裂患者および口腔癌患者の言語評価に向けて
五 味 暁 憲 ,
根 岸 明 秀 ,
平 原 成 浩 2
緒 方 祐 子 , 2 宮 崎 秀 隆 ,
高
山
優
,
横
尾
牧 口 貴 哉
聡
(1群馬大院・医・顎口腔科学)
(2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口腔顎顔面外科学)
28.大胸筋皮弁再建における内側胸筋神経温存・再形成の意義
高 山 優 , 宮 崎 英 隆 , 牧 口 貴 哉
横尾聡(群馬大院・医・顎口腔科学)
セッション6
14
4 ::
05∼10
45: ∼
45
1座
4長
: 4富
5座
田長
治富
芳田(治群 馬 大 院 ・ 医 ・ 細 菌 学 )
29.顎口腔領域に生じたLangerhans cell histiocytosisの臨床的検討
小 川 将 , 信
愛 子 , 宮 崎 英 隆
根岸明秀,横尾聡(群馬大院・医・顎口腔科学)
30.フローサイトメトリーによる血球由来マイクロパーテイクルの測定法
小 川 孔 幸 ,
内 海 英 貴 ,
三 井 健 揮
横 漬 章 彦 , 3 半 田 寛 , 1 塚 本 憲 史 2
­
4
­
野 島 美 久
(l群馬大院・医・生体統御内科学)
(2群馬大医・附属病院・腫傷センター)
(3群馬大医・附属病院・輸血部)
31.多発 性骨髄腫におけるInterleukin-18 promoter多型解析
高 荷 智 紀 ,
森 山 紀 彦 ,
斉 藤 貴 之 2
村 上 博 和
(1群馬大院・保・生体'情報検査科学)
(2群馬大医・附属病院・腫傷センター)
32.特発性血小板減少性紫斑病の重症度とサイトカイン多型
森 山 紀 彦 ,
牛 江 千 明 ,
高 荷 智 紀
斉 藤 貴 之 , 2 村 上 博 和
(l群馬大院・保・生体'情報検査科学)
(2群馬大医・附属病院・腫傷センター)
33.Helicobacter Pyノ〃j感染患者除菌前後におけるリンパ球サブセットの解析
佐 藤 友 香 ,
新 井 勝 哉 ,
小 河 原 は つ 江 ,
渡 部
悟 ,
井 出 規 文
牛 木 和 美 2
神 山 知 沙 子 , 2 井 上 ま ど か , 2 静
怜 子 2
早 川 昌 基 , 2 河 村 修 , 3 下 山 康 之 3
草 野 元 康 , 3 村 上 博 和
(1群馬大院・保・生体情報検査科学)
(2群馬大医・附属病院・検査部)
(3群馬大医・附属病院・光学医療診療部)
34.総合アレルギー対策住宅転居によるCD 4陽'性T細胞サブセットの変化
新 井 勝 哉 ,
渡 部
悟 ,
小 河 原 は つ 江 ,
佐 藤 友 香 ,
井 上 ま ど か , 2 静
井 出 規 文
牛 木 和 美 2
怜 子 , 2 早 川 昌 基 2
小 林 良 乃 , 2 村 上 正 巳 , 2 土 橋 邦 生 1
原 津 浩 毅 , 3 村 上 博 和
(1群馬大院・保・生体情報検査科学)
(2群馬大医・附属病院・臨床検査医学)
(3ハラサワホーム株式会社)
35.合成洗剤アルキルベンゼンスルホン酸の酵母に対する毒'性解析と変異株の単離
神 道 麻 美 ,
伊 藤 昇 ,
菅 井 貴 裕 2
田 中 進 , 3 保 坂 公 平
(l群馬大院・保健学研究科・保健学専攻)
(2群馬大医・附属病院・輸血部)
(3高崎健康福祉大学健康福祉学部健康栄養学科)
( 体 憩 5 分 )
特別講演I
14:50∼15 :30
座長神田清子(群馬大院・保・看護学)
乳がん患者のトータルケアをめざして
二渡玉江(群馬大院・保・看護学)
­
5
­
( 体 憩 5 分 )
同窓会推薦講演I
座長森昌朋(群馬大院・医・病態制御内科学)
15:35∼16:15
潜在'性内分泌代謝疾患と生活習'慣病
山田正信(群馬大医・附属病院・内分泌・糖尿病内科)
同窓会推薦講演II
16:15∼16:55
座 長
三
園雅彦(群馬大院・医・神経精神医学)
精神科における高齢者医療について
米村公江(群馬大医・附属病院・精神科神経科)
( 体 憩 5 分 )
特別講演II
17: oo∼17 :40
座長久枝一(群馬大院・医・国際寄生虫病学)
腸球菌のバンコマイシン耐'性獲得
富田治芳(群馬大院・医・細菌学)
第二日平成23年9月30日(金)群馬大学医学部刀城会館
ポスター展示8 :50∼17 :oo
特別講演Ill
8
:50∼9
:30座長村上博和(群馬大院・保・生体'情報検査科学)
T細胞サブセット検査の保健学への応用
小河原はつ江(群馬大院・保・生体情報検査科学)
特別講演Ⅳ
座長竹吉泉(群馬大院・医・臓器病態外科学)
9 :30∼io: 10
補助循環を用いた心肺蘇生
大嶋清宏(群馬大院・医・臓器病態救急学)
( 体 憩 5 分 )
ワークショップ
理学療法・作業療法研究における新たな視点
10:15∼11:45
座
長
臼
田
滋
(群馬大医・保・リハビリテーション学)
外 里 冨 佐 江
(群馬大医・保・リハビリテーション学)
慢 性閉塞 性肺疾患に対する吸入療法併用の呼吸リハビリテーション効果について
長 谷 川 信 , 白 倉 賢 二
(群馬大医・附属病院・リハビリテーション部)
土橋邦生(群馬大院・保・リハビリテーション学)
­
6
­
空間座標系の視点からみる半側空間無視
李範爽(群馬大院・保・リハビリテーション学)
唾縮に対する評価と介入
竹内伸行(高崎健康福祉大学保健医療学部理学療法学科)
理学療法におけるDual Taskを応用した評価と介入
大角哲也(榛名荘病院リハビリテーション部)
地域で取り組む認知症予防
荒木祐美(前橋市役所介護高齢課)
評議員会・総会
12: 1o∼13:15群馬大学医学部刀城会館
奨励賞受賞講演
1 3 : 3 0 ∼ 1 5 : 3 0 座 長 白 倉 賢 二
(群馬大医・附属病院・リハビIノテーション部)
肝疾患における細胞特異的なSTAT 3の役割
堀口昇男(群馬大医・附属病院・肝臓・代謝内科)
前立腺癌責任遺伝子の探索に関する基礎研究
松井博(群馬大院・医・泌尿器科学)
腎 性全身 性線維症の石灰化誘導機序について
岡田 悦子(群馬大医・附属病院・皮層科)
進行肺癌の集学的治療における放射線治療の高精度化に向けた臨床的検討
斎藤淳一(群馬大院・医・腫傷放射線学)
前立腺癌の増殖に関する基礎研究一脂質との関連について­
関根芳岳(群馬大院・医・泌尿器科学)
乳癌、大腸癌のリンパ節転移におけるリンパ節外浸潤(ECI)の意義
藤井孝明(群馬大医・附属病院・消化器外科)
( 体 憩 5 分 )
優秀論文賞受賞講演
15:35∼16:15座長石崎泰樹(群馬大院・医・分子細胞生物学)
労働者における抑うつ状態の因子構造の'性差
一うつスクリーニング質問紙「こころのチェックシート」の因子分析一
山口実穂(群馬大院・医・公衆衛生学)
口腔扇平上皮癌における18F-FDGの集積と腫傷の病理学的増殖能との相関に関する研究
豊泉修(群馬大院・医・顎口腔科学)
( 体 憩 5 分 )
特別講演v
16:20∼17: oo
座長小湊慶彦(群馬大院・医・法医学)
エピケノムと疾患
畑 田 出 穂 ( 群 馬 大 ・ 生 調 研 ・ 生 体 情 報 ケノム リ ソ ースセ ン タ ー )
­
7
­
第58回北関東医学会総会抄録
特 別 講 演
乳がん患者のトータルケアをめざして
群馬大学大学院保健学研究科保健学専攻看護学講座二渡玉江
乳がんの
患者数は,5万人とも6万人とも言われ,女
れがちであるが,乳房喪失や変形に対する悲しみを抱く
患の第1位を占める.乳がんの特徴は,発症
患者は少なくない.ボディイメージは,個々人の価値観
年齢が40代・50代と他のがんに比べて低く,患者は社会
を反映するため,命と乳房の2者択一ではなく価値観を
的役割を担ったり子育て世代であること,治療が長期に
尊重した関わりが重要となる.
性のがん
およぶため生活への影響が大きいことである.生存期間
治療終了から社会復帰では,常に再発・転移の不安と
も長く,がんの診断,治療後の期間をどのように過ごす
対時しながら過ごすことになるため,心理的サポートが
かも課題である.
必要である.患者が自らの生き方を模索し自己再生する
診断期には,がんや治療への不安,初期治療選択など
ためには,こころのセルフケアができるような支援が重
の問題がある.限られた時間の中で病気を受け止め,納
要である.また,就労や経済的問題への対応は非常に希
得した治療選択を行うためには,心理的サポートや適切
薄であり,具体的な解決方法が急務である.
な情報提供,意思決定支援が重要となる.この時期に医
乳がん患者のトータルケアは,生命を全うする過程を
師や看護師との信頼関係を促進し,関係'性を築くことが
いかにその人らしく生き抜いたかという,サバイバー
長期間におよぶ療養生活を送る上で大切である.
シップの視点にたったケアが必要である.このためには,
治療期では,治療に伴う症状マネジメントやセルフケ
乳がん患者の抱える問題を全人的な視点で捉えること,
支援が必要である.リンパ浮腫予防や抗がん剤・放射線
継続したケア体制を整えること,チーム医療を推進する
治療による有害事象への対応が個々の生活の中で実践で
ことが重要となる.医療や地域社会の中で,医療者とが
きるよう支援する.また,手術によるボデイイメージの
ん体験者であるビアが協働した切れ目のないケアの実践
変容に対する問題は,乳房温存術の普及によって軽視さ
がのぞまれる.
腸球菌のバンコマイシン耐性獲得
群馬大学大学院医学系研究科生体防御機構学講座細菌学富田治芳
多剤耐'性菌による院内感染症は日本を含む先進国にお
ペプチド(バンコマイシン,テイコプラニン)耐'性を獲得
いて深刻な問題となっている.特に問題となるのは,グ
した菌で,感染防御機能が低下している患者,すなわち
ラム陽'性球菌のメチシリン耐'性ブドウ球菌(MRSA),バ
手術後,糖尿病,高齢者,悪'性腫傷,臓器移植,免疫不全,
ンコマイシン耐 性腸球菌(VRE),グラム陰 性菌の多剤耐
'性緑膿菌,アシネトバクター菌,セラチア菌などである.
その他の重症基礎疾患をもつ易感染者において術後創部
感染症,'慢 性尿路感染症,敗血症の原因菌となる.バンコ
このうち腸球菌は腸管内の常在菌で約20種類の菌種の
マイシンは菌の細胞壁ペプチドグリカンの前駆体である
報告があるが,臨床分離される腸球菌の多くがE"〃-
ムレイン単体のペプチド鎖末端に特異的に結合すること
ococcus 1上zeca肋で,他は主としてE. faeci"碗である.腸
でペプチドグリカンの架橋反応を阻害し抗菌作用を示
球菌は複数の抗生物質に自然耐 性であり,また各種抗菌
す.VREではムレイン単体の末端部分が別のペプチド鎖
薬に対し獲得耐'性を示す.VREは腸球菌のなかでグリコ
に置換されているためバンコマイシンが結合できず細胞
­
9
­
壁合成が行われる.腸球菌はこの変異ムレイン単体を合
スポゾンによる耐'性遺伝子の細菌間伝播が重要である.
成するための酵素遺伝子群を外来より獲得することによ
腸球菌には複数の伝達'性プラスミドや伝達'性トランスポ
りVREとなる.これまで8種類のVRE型(遺伝子型)
ゾンが存在することが知られている.バンコマイシン耐
'性遺伝子の多くもこれらの転移因子上に存在することか
が報告されており,このうち問題となるのは高度耐 性を
示すA, B, D型である.薬剤耐 性菌の増加と拡散には,抗
ら, VREの急速な増加と拡散の要因と考えられた.
菌剤使用による選択的増加と伝達'性プラスミドやトラン
T細胞サブセット検査の保健学への応用
群馬大学大学院保健学研究科保健学専攻生体 情報検査科学講座小河原はつ江
【はじめに】末梢血リンパ球の約70%を占めるT細胞
A」(緊張・不安)尺度とsCgA濃度が有意に相関するこ
にはCD4陽性細胞とCD8陽'性細胞がある.さらに前者
と, sCgA高値の場合, CD4+CD25 + T細胞比率および
はその機能によりThl, Th2, Th3, Thl7,制御性T細胞
Thl/Th2比が増加することを認め,ストレスの存在が獲
(Treg)などに分けられる.これまで血液疾患を中心に
得免疫系の細胞にも影響することが示唆された.
Thl/Th2比やTreg比率の臨床的意義について研究を続
【アレルギー症状改善効果に関する検証】総合アレル
けてきたが,現在2つの課題に取り組んでいる.一つは
ギー対策住宅に転居する家族の協力を得て,転居前と転
ストレスとT細胞分画との関係,もう一つはT細胞分画
居後3カ月,6カ月後に,全血算(CBC), CD4/CD8比,
の変動からみた総合アレルギー対策住宅への転居による
Thl/Th2比, CD4+CD25 +細胞比率, Treg比率を測定
環境改善効果である.これら二つの研究成果について紹
した.その結果,アレルギー対策住宅入居により活 性化T
介したい.
細胞を含むCD4+CD25 + T細胞がアレルギー保有群に
【T細胞分画によるストレス判定法の開発】国家試験受
おいて6ヵ月後に有意に低下し,アレルギーによる炎症
験直前の学生を対象に, POMS心理テスト,唾液クロモ
が軽減することを検証することができた.
グラニンA
(sCgA)濃度,末梢血リンパ球分画および
【今後の課題】他職種との連携も踏まえ,ストレスの予
CD4陽'性T細胞分画を測定し,受験によるストレスが
防法や解消法の効果を科学的に証明できるような検査法
免疫系に及ぼす影響を検討した.その結果,POMSの「T-
の開発・研究に努力したい.
補助循環を用いた心肺蘇生
群馬大学大学院医学系研究科病態循環再生学講座臓器病態救急学大嶋清宏
1983年にPhillipsらにより経皮的挿入可能なthin
期のPCPS導入が有効であり,またPCPS導入72時間
wall cannulaと遠心ポンプを組み合わせた閉鎖回路が考
前後が離脱可能か否か見極めの時期である可能'性を報告
案され臨床応用されたのが,経皮的心肺補助装置(per-
した(Int Heart J 47 : 575-584, 2006).また,体外循環使用
cutaneous cardiopulmonary support; PCPS)の始まりで
下心臓大血管術後の急'性重症心不全に対しPCPSを要
ある.以来PCPSは,薬物療法や大動脈内バルーンパン
した症例をretrospectiveに検討し, PCPS離脱群と非離
ピングでは不十分な心原'性ショック, High Riskな経皮
脱群の問に,
的冠動脈手術,気道手術時の心肺補助,重症呼吸不全,さ
APACHE IIスコア,尿量,血清乳酸値,総ピリルピン値
らには心肺蘇生時の循環補助として,非常に広い範囲で
等に有意差を認めた結果から,導入後96時間までに状
汎用されている.
態の改善しない場合の予後は不良であり,より高度な補
PCPS導入前から導入後96時間までに
私は,当院で急'性重症心不全に対しPCPSを要した症
助循環の使用等により進行する他臓器不全を未然に防ぐ
例において,離脱群と非離脱群の臨床経過をretrospec-
ことが成績の向上につながることを報告した(Int Heart
tiveに比較検討し,離脱群の方がPCPS導入時の全身状
J 48 : 743-754, 2007).さらに, PCPSを要した劇症型心筋
態(心停止の有無,透析導入率, APACHE IIスコア)が
炎症例の臨床経過をretrospectiveに検討し, PCPS離脱
より良好であることからタイミングを逸しない可及的早
率および生存率はともに75%で,
PCPS離脱症例では
PCPS導入後5日前後でPCPS補助を漸減可能であった
上述した結果をもとに,現在救急外来での心肺停止症
ことから,心筋炎による重症循環不全はPCPS離脱率が
例に対しPCPSを積極的に導入している.補助循環を用
高く,心機能回復までの積極的な循環補助が予後改善に
いた心肺蘇生が目指すのは,心肺だけでなく脳機能回復
つながることを示した(Ann Thorac Cardiovasc Surg
を目指した「心肺脳蘇生」である.
エピケノムと疾患
群 馬 大 学 生 体 調 節 研 究 所 附 属 生 体 ' 情 報 ケノム リ ソ ースセ ン タ ー 畑 田 出 穂
エピジェネテイクス とは遺伝 情報が同じでも生物
遺伝子のスイッチとなってオン,オフすることにより同
の表現型が同じにならない原因である.例えば一卵 性双
じ遺伝子を持っていても異なる結果をもたらす.興味深
生児やクローン動物がかならずしも同じではなかった
いことに遺伝子のスイッチは環境により変化してしまう
り,我々の体が若いときと年をとったときで異なるのも
ことが知られており,これがエピゲノムの異常をもたら
エピジェネテイクスが原因だといわれている.
し疾患を引き起こす.
この講演ではエピゲノムと疾患の関わりについて,環
エピジェネティクスの実体はDNAのメチル化などの
ゲノムの印付けであり エピゲノム というが,これが
境が影響する疾患である生活習 慣病を中心に紹介する.
­11­
同窓会推薦講演
潜在性内分泌代謝疾患と生活習慣病
群馬大学医学部附属病院内分泌・糖尿病内科山田正信
生体のホメオスターシス( 恒常性)を維持する重要な
因となります.さらに,私たちは, TRH遺伝子のクロー
機構として内分泌代謝系があります.内分泌代謝系は糖
ニングやノックアウトマウスの解析と多数の下垂体腫傷
代謝や脂質代謝,血圧の制御,水電解質代謝に深く関
症例の検討から,「潜在 性中枢'性甲状腺機能低下症」とい
わっており,わずかなホルモンの分泌の冗進や低下が糖
う新たな疾患概念が存在することを見いだしました.
尿病や高血圧症,脂質異常症などの生活習 慣病に関与し
また,身近な潜在'性内分泌代謝病の一つとして,これ
ていることは容易に想像できます.このような病態とし
まで本態』性高血圧症と考えられている10人に1人は原
て「潜在 性内分泌代謝病」という疾患群があると考えら
発'性アルドステロン症であり心脳血管障害が高頻度にお
れます.
こります.私たちは,この原発 性アルドステロン症にコ
潜在'性内分泌代謝病の代表として潜在'性甲状腺疾患が
あります.甲状腺機能は,血中甲状腺ホルモン値(特に
ルチゾールのわずかな過剰分泌を合併すると,心脳血管
障害の危険がいっそう高くなることを見いだしました
T4)とTSHで評価できますが, TSHが甲状腺ホルモン
さらに,最近の私たちの研究から,内分泌代謝系に関
の変化に鋭敏に反応するため,甲状腺ホルモンが基準値
与する核内受容体や転写共役因子の変化が,脂質異常症
内でも血清TSH値の軽度異常により,潜在 性甲状腺機
や肥満症そして腫傷発生にも深く関与していることが明
能低下症や中毒症と診断できます.潜在'性甲状腺機能低
らかになりつつあります.
このように内分泌代謝疾患は,糖尿病や肥満,高血圧
下症は高齢女'性では約15%に達し,高LDLコレステ
ロール血症などの心脳血管障害の危険因子となります.
症,癌などの生活習 慣病の病態に深く関与しています.
また,潜在'性甲状腺中毒症は,心房細動や骨粗霜症の原
精神科における高齢者医療について
群馬大学医学部附属病院精神科神経科米村公江
我が国の高齢化は各分野で大きな問題となっている.
諸要因で十分な治療が受けられないことがある.②精神
昨年の高齢者人口は過去最高の2958万人と報告された.
科的な面では,新たに認知症が加わることがある.③社
年齢が上がると受療率も上昇するため,高齢患者の増加
会的な面では,家族,特に,両親という身近な援助者を失
は当然の事であろう.精神科領域でも,高齢患者の増加
うことで様々な影響が出ることが多い.服薬援助を受け
がみられており,治療や対応に配慮が必要になることが
られず症状が悪化する,親を介護する立場になり社会資
多い.
源を十分利用できず疲弊し症状が悪化する,などである.
今回は,精神科の現場での高齢者患者の問題点を呈示
次に,高齢者になって精神科を受診した患者の問題で
する.精神科の場合,長期に治療を受けている患者さん
ある.認知症以外でも,感 情障害や不安障害が多く,心気
は多い.また,高齢になって初めて精神科を受診される患
的な症状も目立つ.この場合の問題としては,診断や治
者さんもいる.このため,各々について問題を見ていく.
療の困難さがある.高齢者では非定型な症状が多く診断
まず,長い経過の患者でみられる問題である.代表的
が難しい.治療に関しても,身体機能の低下や多剤服用
な疾患として統合失調症患者を例にとる.統合失調症は,
の問題のため,推奨される治療を十分行えないことが多
人生の比較的早期に始まることが多く,40年以上服薬を
い.
続けながら生活している患者も多い.高齢化で加わる問
こういった高齢患者特有の問題に配慮しながら診療を
題として,①身体的な面では,当然ながら加齢に関連し
行うためには,身体科の主治医や,家族・地域援助者との
た疾患の合併が見られる身体的治療が必要な場合でも
連携をとり,細やかな支援を考えることが必要である.
奨励賞受賞講演
肝疾患における細胞特異的なSTAT3の役割
群馬大学医学部附属病院肝臓・代謝内科堀口昇男
肝臓における 慢 性炎症は,肝硬変,肝癌へと続く肝疾
れていること,また長期のアルコール摂取はSTAT 3の
患の主因である.この過程には細胞増殖因子やサイトカ
活'性化を抑制することを明らかにした.そこで, STAT 3
インをはじめとして多くの因子が関与している.
の細胞特異的なSTAT 3の役割を明らかにするため,肝
Signal
細 胞 特 異 的 お よ び, マク ロ フ ァ ー ジ / 好 中 球 特 異 的
(STAT 3)は, Interleukin6 (IL-6)をはじめとして,多く
STAT 3ノックアウトマウスにアルコール食を投与し検
のサイトカインにより活 性化される.近年,種々の肝障
討を行った.肝細胞特異的STAT 3ノックアウトマウス
害/再生においてIL-6が肝保護作用を有し,このIL-6
では,脂質合成の
による肝保護作用には, STAT 3の活 性化が重要なこと
を介して,高トリグリセライド血症,および肝内脂質沈
が報告されている.一方で肝炎症におけるSTAT 3の役
着を示す一方で, pro-inflammatoryに働く可能性が示唆
割については, pro-inflammatoryサイトカインとして報
された.一方,マクロファージ/好中球特異的STAT 3
告されたIL-6および, anti-inflammatoryサイトカイン
ノックアウトマウスは,肝障害の指標となるALTの有
であるIL-10により活'性されることから依然として不
意な上昇, Pro-inflammatory cytokineの発現冗進を認め
明であり,細胞特異的STAT 3の役割について検討を
マ ク ロ フ ァ ー ジ / 好 中 球 に お け る S TAT 3 は a n t i -
行った.
inflammatoryに働く可能性が示唆された.
となる転写因子SREBPlcの活'性化
ヒトの正常肝,および肝硬変におけるSTAT 3の活'性
現在,他の肝障害モデルである.四塩化炭素肝炎モデ
化を免疫染色にて確認した.正常肝ではSTAT 3の活性
ル,非アルコール』性脂肪肝炎モデルを用いて細胞特異的
化はほとんど確認できないのに比較して,肝硬変の患者
なSTAT 3の役割についても検討を行っている.
では肝細胞および炎症細胞においてSTAT 3が活 性化さ
前立腺癌責任遺伝子の探索に関する基礎研究
群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学松井博
本邦における前立腺癌の
患率および死亡率は,近年
いる8q24に存在するSNP
(rs 1447295: C/A)とmi-
急激に増加していおり,社会的にも注目されている疾患
crosatellite (DG8S737: -16∼14 AC repeat)のゲノタイ
である.前立腺癌は家族歴を有することがリスク因子で
ピングを行った.
あることが分かっている.これまで我々は前立腺癌の家
Genotyping
族集積'性に着目し,検体収集を行ってきた.その集積か
genotypingを用いた結果は,カイニ乗検定にて解析し
ら日本人家族 性前立腺癌の全ゲノム
た. rs 1447295のA alleleはFPC群でBPH群に比して
患同胞対連鎖解析
rs 1447295についてはTaqManR
Assays,
DG8S737についてはfluorescent
を行い,前立腺癌責任遺伝子座をIp36と8p23に同定し
有意に頻度が高く(FPC : 29.5%
た.後に8p23に存在するMSR1や〃F刀遺伝子の
DG8S737では­12 allele carrierがFPC群で有意に前立
SNPと日本人前立腺癌の関連を示した.近年報告が相次
腺癌リスクを増す事(OR 1.86 95% CI 1.11-3.00, P =
ぐ前立腺癌全ゲノム関連解析(Genome-Wide Associa-
0.02)が分かった.rs 1447295のCA or AAかつDG8S737
tion Study: GWAS)により同定された8q24に存在する
の一12X or
遺伝子多型と日本人前立腺癌の関連を検討した.
CI 1.25-3.77で前立腺癌リスクを増加していた.これま
家族'性前立腺癌(FPC) 134家系の発端者,散発 性前立
腺癌患者(SPC)
vs
BPH : 19.6%),
-12-12はFPC群においてOR2.17
95%
で,欧米からrs 1447295はA alleleが, DG8S737につい
158例および対照の前立腺肥大症患者
ては-8 alleleが前立腺癌リスクを増加することが報告さ
(BPH) 120例を対象とし,これまで欧米から報告されて
れていた.今回の検討ではrs 1447295については同様の
­13­
結果であったが, DG8S737は-12 alleleが前立腺癌リスクを増すことが初めて示された.
腎性全身性線維症の石灰化誘導機序について
群馬大学医学部附属病院皮層科岡田悦子
systemic fibrosis:
石灰化は生じなかった.また,脂肪組織由来問葉系幹細
NSF)は,高度の腎機能障害患者にMRI造影剤のガドリ
胞,ヒト皮層由来線維芽細胞では,骨分化誘導培地中に
ニウムを使用した後に発症し,全身諸臓器の線維化を特
おいて,前骨芽細胞よりも長時間かつ高濃度の条件下で
徴とし,石灰化や骨形成を生じることもある.しかし,本
石灰化を誘導した.他方,ガドリニウムは間葉系幹細胞
症の病態形成機序は全く不明である.本症のl例を経験
の脂肪分化には影響しなかった.これらの結果は,ガド
したことを契機として,ガドリニウムが細胞に及ぼす作
リニウムが間葉系幹細胞,線維芽細胞の病能動的形質転
用を検討した.
換に寄与し,石灰化病変を形成している可能性を示して
腎'性全身 性線維症(nephrogenic
骨芽細胞に分化する前骨芽細胞(MC3T3-E1),脂肪組
いる.
織由来問葉系幹細胞,ヒト皮層由来線維芽細胞を各々,
線維化の指標であるヒト皮層線維芽細胞のl型コラー
通常増殖培地と骨分化誘導培地にて培養し,各濃度のガ
ゲン産生に関しては,ガドリニウム添加により培養上清
ドリニウムを添加し,細胞増殖能とカルシウム沈着を観
中のl型コラーゲン蛋白量は増加したが, mRNA発現量
察した.
は増加しなかった.従って,線維化病変は線維芽細胞の
骨芽細胞に分化する前骨芽細胞(MC3T3-E1)を骨分
コラーゲン産生冗進によるのではなく,細胞増殖による
化誘導培地中で培養し,ガドリニウムを添加すると,高
コラーゲン量の相対的増加によってもたらされている可
濃度では細胞増殖を促進し,低濃度では石灰化を促進し
能性を示唆している.
た.一方,通常増殖培地中でガドリニウムを添加すると,
進行肺癌の集学的治療における放射線治療の高精度化に向けた臨床的検討
群馬大学大学院医学系研究科腫癌放射線学斎藤
淳
■■■■■■
肺癌は初診時にすでにⅢ期,またはIV期で発見され
ルを臨床応用し, 116人の治療を行い,奏功率95%,観察
ることが多い難治癌の代表格である.放射線治療は,Ⅲ
期間中の5年局所制御率55%,2年,5年の累積生存率は
期肺癌に対する根治的治療,およびIV期肺癌に対する
それぞれ53%, 31%の結果を得た.有害事象に関しては,
症状緩和のために有効であるが,従来の放射線単独での
放射線治療の計画において三次元的な線量分布の評価を
治療成績は満足できるものではなく,近年,Ⅲ期肺癌で
行って正常組織への照射線量低減を図った結果,グレー
全身状態が良好な症例に対しては,化学療法併用の胸部
ド3以上の肺臓炎の発症は2.6%のみであった.
放射線治療が推奨されるようになり, IV期肺癌で小数個
また分割定位放射線治療の検討では,マイクロマルチ
の脳転移を有する症例に対しては,ガンマナイフをはじ
リーフコリメータを直線加速器に装着して3分割で計画
めとした小分割の高精度放射線治療が行われるように
する定位放射線治療法を開発し,肺癌脳転移49症例に
なった.ただし,現在もまだ,化学放射線療法の絶対標準
対して治療を行った.不整形の病変および30mmを超え
と言える薬剤および放射線の投与量,投与間隔について
る転移'性病変に対しても安全に3日間で治療が完遂で
定まったものはなく,脳定位照射においても分割照射に
き,奏功率は84%, 1年の局所制御率は86%であり, 1年,
おける至適な線量分割などは定まっていない.
2年の累積生存率が61%, 32%の結果が得られた.有害
そこで切除不能Ⅲ期肺癌症例に対し,放射線治療
60Gy/30分割とドセタキセル30mg/m2およびカルボプ
事象に関しては,6例に治療部位の壊死が認められたが,
重篤な症状を呈した症例はなかった.
ラチン(AUC 3)を隔週投与で同時併用するプロトコー
­ 1 4 ­
前立腺癌の増殖に関する基礎研究
一脂質との関連について­
群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学関根芳岳
我々は前立腺癌のリスク因子として脂質に注目し検討
ころ, LNCaPにおいて, ABCA1の発現が他の2細胞よ
を続けている.前立腺癌へホルモン療法(アンドロゲン
り10倍以上低く,アンドロゲン除去培地下でその発現
除去療法)を行うと脂質代謝異常が認められるがHDL
が10倍ほど増加した前立腺生検サンプルにおいても
の上昇も引き起こされる. HDLにはコレステロールの
ホルモン療法群ではABCA1の発現が上昇していた.ま
転送以外にも,ABCAl・ABCG1・SRB1などのHDLの
たLNCaPのABCA1の発現を,発現ベクターで増加さ
受容体を介したMAPKやAktの活'性化等の作用があり
せることで, HDLはMAPKの活'性化が可能になった.
今回HDLの前立腺癌細胞に与える影響を検討した.
さらにPC-3に対してABCA1の発現をsiRNAで抑え
HDLはアンドロゲン非依存 性であるPC-3やDU145
ることで, HDLによる細胞増殖・浸潤・シグナル伝達の
の細胞増殖・浸潤を引き起こしたがアンドロゲン依存'性
活性化は阻害された.以上より, ABCA1が, HDLが前立
であるLNCaPに対しては効果を示さなかった.いずれ
腺癌細胞の増殖・浸潤を引き起こすうえで重要な役割を
の細胞においてもHDLの投与によりコレステロールの
果たしており,ホルモン療法後にホルモン不応 性前立腺
流出及び流入を認めたが,投与24時間後の細胞内コレ
癌になった場合には,アンドロゲンによって発現を抑え
ステロール濃度は変化を認めなかった.またHDLは
られていたABCA1の発現が上昇し,
MAPKやAktの活 性化をPC-3及びDU145において
HDLが前立腺癌の進行を促進する可能性が示唆された.
ABCA1を介して
引き起こした.次にHDLの受容体の発現を比較したと
乳癌,大腸癌のIノンパ節転移におけるIノンパ節外浸潤ECI)の意義
群馬大学医学部附属病院消化器外科藤井孝明
乳癌のセンチネルリンパ節(SLN)生検の普及により,
された.
SLN転移陰'性例では膝嵩郭清が省略可能であるが, SLN
次に,大腸癌のリンパ節転移進展においても同様のコ
転移陽 性でもnon-SLN転移陰'性であることがしばしば
ンセプトが成立しうるか,大腸癌のリンパ節転移の広が
経験される. SLNからnon-SLNへの転移にはSLN転
りにおけるECIの意義を検討した.大腸癌手術症例のう
移巣において何らかのイベントが必要であると考え,
ち,第1群所属リンパ節転移陽'性例を対象とした検討で
我 々 は S L N 転 移 に お ける リ ンパ 節 外 浸 潤 ( e x t r a -
は , 第 群 リ ンパ 節 転 移 に お ける E C Iは 第 2 群 リ ンパ 節
capsular invasion: ECI)に着目した. ECIは乳癌など
転移と有意に相関が認められ,第2群リンパ節に転移を
種々の癌において予後不良因子であると報告されてお
認めた群では第1群リンパ節において全例でECIを認
り, ECIがSLN転移陽'性例におけるnon-SLN転移陽'性
めた.さらにECIはリンパ節転移個数,腫傷深達度と有
の予測因子となり得るか検討した.SLN転移陽'性の症例
意に関連が認められ,さらにECIは独立した再発危険因
において, SLN転移におけるECIとnon-SLN転移は有
子であった.以上より,リンパ節転移巣におけるECIは,
位な相関を認め, non-SLN転移陽'性例では全例でECI
乳癌,大腸癌においてリンパ節転移の進展,癌の進展に
陽性であった.以上より, non SLNへの転移にはSLNに
おける重要なプロセスである可能'性があり,再発危険因
おいてECIが重要なプロセスである可能性があり, ECI
子としても重要である可能性が示唆された.
を認めない症例では膝嵩郭清を省略できる可能性が示唆
­ 1 5 ­
優秀論文賞受賞講演
労働者における抑うつ状態の因子構造の性差
一うつスクリーニング質問紙「こころのチェックシート」の因子分析一
群馬大学大学院医学系研究科公衆衛生学山口実穂
日本の年間自殺者数は1998年以来3万人以上であり,
第3因子は人生の充実感を問う6項目が高い因子負荷量
その原因の つとしてうつ病が挙げられる.近年,職域
を示したが,男'性ではこれらの項目が第3因子(生活充
におけるうつ病の問題が深刻化し,労働者の6割以上が
実)と第5因子(家族。近所の人との対人関係)に2分さ
職業生活でストレスを感じ,過労自殺や過労死が社会問
れた.また,悲哀感を問う項目は女'性の第2因子(自己卑
題となっている.
下)に対してのみ因子負荷量が高く,希死念慮を問う項
本研究では性差に着目し男女ごとに有効なうつ対策を
考えるため,企業労働者の抑うつ気分と様々な社会環境
目と職域でのストレスを問う項目は男'性の第1因子に対
してのみやや高い因子負荷量を示した.
女'性の「抑うつ気分」には2種類あり,男'性より抑うつ
因子との関連'性を検討した.
群馬県のある企業労働者649名に「こころのチェック
状態の様相が複雑であるといえる.また,女 性の抑うつ
シート」を用いて調査を行った.回収率は91.7%であっ
気分は悲哀感が強く,男'性の抑うつ気分は職場ストレス
た.質問項目の因子分析を行い,男女の因子構造を比較.
に関連し希死念慮と結びつく可能'性が高いことが示唆さ
検討した.
れた.女 性の生活の充実感には家族や近所の人との対人
男女ともに固有値1以上の因子が5つ推定された.男
性の第1因子は抑うつ状態を問う12項目が高い因子負
関係に関連があったが,男'性では関連がなかった.男 性
荷量を示したが,女'性ではこれらの項目がほぼ第1因子
らに希死念虜に結びつく可能 性が示唆された.
は職域におけるストレスが抑うつ気分に影響を与え,さ
(人生空疎),第2因子(自己卑下)に2分された.女性の
口腔馬平上皮癌における^F-FDGの集積と腫傷の病理学的増殖能との相関に関する研究
群馬大学大学院医学系研究科顎口腔科学
豊
泉
修
【目的】FDG-PET検査は腫傷のブドウ糖代謝を画
い,それぞれの発現率を測定した.得られたSUVmaxな
像化することが可能であり, FDGの集積は腫傷の増殖
らびに免疫組織染色の陽'性率を求めて統計学的検討を
や予後と相関することが示唆されている.本研究では,
行った.【結果】原発巣は全例でFDGが高集積を
口腔扇平上皮癌に対してFDG-PETを施行し, FDGの
示し, SUVmaxの平均値は10.4であった.免疫組織染色
集積程度を評価するとともに,細胞の増殖関連マーカー
において, Ki-67, Topo II a, p53およびp63の陽 性率は,
であるKi-67, Topo IIaの発現ならびにp53, p63のタ
全体の平均が68.9%,58.9%,72.0%,65.2%となった.
ンパク発現を定量化して統計学的検討を行い,腫傷の
FDGの集積と免疫組織染色の陽性率とを比較した結果,
FDGの集積と増殖能との関連を検討し,術前診断にお
SUVmaxとKi-67 (r=0.616, p=0.01), Topo
けるFDG-PETの有用性を評価した.【対象と方法】
0.677, p = 0.004), p53 (r = 0.613, p = 0.01), p63 (r = 0.710.
口腔扇平上皮癌と病理診断された症例のうち,術前に
FDG-PETを施行して原発巣を外科的に切除し,術後に
p=0.002)の発現率との間に有意な相関を認めた.【結
語】対象とした16例において,原発腫傷のFDG集積
2年間以上経過観察し得た16症例を対象とした.腫傷の
は免疫組織染色で評価したKi-67, Topo II a, p53および
FDG集積はSUVmaxで評価した.
p63の発現と有意に相関し, FDG-PETは腫傷の増殖能
を反映し予後評価に有用であることが示唆された.
FDG-PET施行後
1ヶ月以内に原発巣を外科的に切除,免疫組織染色を行
­16­
liar (r=
ワークショッブ
理学療法・作業療法研究における新たな視点
理学療法と作業療法は,本来の発展の経緯は異なるも
本ワークショップでは,そのような新しい着想に基づ
のの,我が国では法律の制定や養成教育の導入など,ほ
く理学療法と作業療法の研究の成果を,関連領域の動向
ぼ同様に歩み,現在に至っている.
も含めて紹介して頂く.内容としては,呼吸器疾患に対
肢体不自由を中心とした身体障害,精神障害,発達障
する運動療法の新しい取り組み,認知機能に対する脳機
害が理学療法と作業療法の主な対象であることには以前
能イメージング,神経系障害における症縮に対する評価
と大きな変化はない.しかし,心疾患,呼吸器疾患,糖尿
と介入, Dual Taskを応用した評価と介入,地域在住高齢
病などの内部障害,青少年から若年者のスポーツ障害,
者に対する介護予防のテーマである.いずれも,従来の
がん,認知症などの対象が増えてきている.超高齢社会
理学療法や作業療法に,新しい枠組みや機器を導入した
の到来により,高齢者におけるニーズは増加し,要介護
研究・実践例である.
状態に対する関わりや,介護予防を目的とした支援も
理学療法と作業療法は,医療現場での認知度は高まっ
益々必要とされている.このような社会情勢や疾病構造
てきているが,まだまだその具体的な内容については,
の変化に対応し,今後もその対象の変遷は続くであろう.
一方で,それぞれの教育課程では大学・大学院教育が
広く知られていないのが現状である.本ワークショップ
が,そのような認知度向上の機会となれば,幸いである.
徐々に充実し,学問基盤も整備されてきている.並行し
(臼田滋記)
て,科学技術の進歩や科学的根拠に基づく臨床実践の浸
臼田滋,外里冨佐江
透により,新たな研究テーマへの着手と得られた知見の
(群馬大院・保・リハビリテーション学)
臨床実践への導入が盛んになってきている.
慢性閉塞性肺疾患に対する吸入療法併用の呼吸リハビリ
の適宜吸入によりが症状を軽減させる.一方,呼吸リハ
テーション効果について
では下肢筋,歩行トレーニングなどの運動療法が有用で
長谷川信,白倉賢二(群馬大医・
あり積極的に実施されている.しかし,運動療法の際に
附属病院・リハビリテーション部)
土橋邦生
は,運動による換気が冗進され, air-trappingにて肺過膨
張が生じる.この肺過膨張は息切れ感を増強させ,最終
(群馬大院・保・リハビリテーション学)
的には運動制限が引き起こされる.
【背景】 慢'性閉塞'性肺疾患(chronic obstructive pul-
我々は, COPDの息切れ感を軽減した上での運動療法
monary disease; COPD)は,肺胞の破壊よる気道閉塞に
が有用であると考え,運動療法前に気管支拡張作用のあ
伴い,労作時息切れ感を主症状とする呼吸器疾患である.
る短時間作用'性吸入β2刺激薬(short acting 62 agonist;
この疾患の特徴は,'慢'性進行'性の疾患であり,息切れを
SABA)を併用し,呼吸リハ効果について検討した.結果,
回避のため徐々に活動'性低下が生じ,食欲低下,筋力低
薬剤併用した群では呼吸リハは,薬斉リを使用しない群よ
下,精神活動低下など助長し,非活動'性の悪循環を招き,
り,運動耐容能や健康関連QOL (quality of life)がより
最終的には日常生活活動(activities
改善傾向を示した.薬剤併用(SABAを吸入)にて, air-
of daily
living;
ADL)に影響を与える.
COPDに対する治療としては,長期作用型抗コリン薬
や気管支拡張薬などの薬物療法が有効とされている.ま
た,非薬物療法である呼吸リハビリテーション(以下呼
吸リハ)についても有用であると報告され,双方ともに
COPDに対するガイドラインとして推奨されている.薬
物療法は重症度に応じて気管支拡張作用のある薬剤を定
期的に吸入し,労作時や息切れ感増強時に短時間作用型
trappingを予防し,肺過膨脹の軽減することで呼吸リハ
ビリテーションの効果をより高める可能'性が示唆され
た
.
今回は,薬剤吸入を併用した呼吸リハの新たな可能 性
について報告する.
Plantar flexors Tone Scale; APTS)を開発し報告した
空間座標系の視点からみる半側空間無視
李 範 爽
は,同筋の筋緊張を伸張反射の程度,筋伸張中間域の抵
(群馬大院・保・リハビリテーション学)
半側空間無視は大脳半球の病巣とは反対側に提示され
抗,最終域の抵抗の3項目で評価する.測定時の筋伸張
た刺激を発見し,応答・反応することの障害と定義され,
速度や関節角度も規定されており,足関節底屈筋の筋緊
右半球損傷による左半側空間無視の出現頻度が多い.空
張をより詳細に,そして簡便に評価可能である.
間無視の患者は状況や環境により異なる症候を示すこと
痩縮に対する介入では,筋緊張の何に対してアプロー
が知られ,こうした多様な症候の理解に役立つ下位分類
チするのかが重要である.伸張反射の抑制を図るのか,
として心理空間(psychological space)と基準座標系(ref-
持続的な伸張反射冗進により形成された筋伸張'性低下を
erence frame)の観点が注目されている.
改善したいのか,その伸張 性低下は筋伸張範囲のどの部
心理空間では,自己を取り巻く空間を,空間の中で自
分で生じているのか.これらを明確にしたうえで,それ
分の身体表面が占めている空間(personal space),手の届
に対してどのように介入するのかを決定する.ストレッ
く空間(peripersonal space),それより外の空間(extraper-
チングによる筋伸張,筋の徒手的圧迫による筋紡錘の活
sonal space)として分類する.基準座標系では,観察者中
動'性低下,光線療法によるα運動ニューロンや筋紡錘の
心座標系(viewer
興奮抑制,相反抑制を利用した桔抗筋電気刺激など,こ
centered)と物体中心座標系(object
centered)という2つの座標系が重要である.
れらを単独あるいは併用して最も効果的な介入を行う必
近年,心理空間・基準座標系の下位分類と脳の局所機
要がある.
能との関係を示唆した脳機能画像法研究がいくつか報告
痩縮をはじめとする筋緊張の病態は非常に複雑で未だ
されている.本発表では,これらの研究,また,脳磁図
暖昧な部分も多いが,その介入には詳細な評価が基本と
(MEG: Magnetoencephalography)を用いて視野と高次
なる.
視覚領野の関係を調べた我々の研究を紹介する.
理学療法におけるDual Taskを応用した評価と介入
極縮に対する評価と介入
大角哲也
竹内伸行(高崎健康福祉大学
(榛名荘病院リハビリテーション部)
保健医療学部理学療法学科)
臨床場面における歩行は,歩行のみを単独に評価・治
痩縮は,伸張反射の病的冗進状態に基づく筋緊張冗進
療することが多いように思われる.しかし日常生活にお
の一病態であり,伸張に対する抵抗が速度依存'性に増大
ける歩行は,単独の動作としてだけではなく,「会話をし
する.重度になるとクローヌスを生じたり,動作時の意
ながら歩く」,「物を持ちながら歩く」など複合した課題
図しない筋収縮で様々な日常生活動作に影響を与える
として遂行される場合が多い.このような二つの課題を
痩 縮 の 評 価 指 標 は 多 岐 に わ たる が, 簡 便 ' 性 か ら
同時にこなすという二重課題(Dual Task)は,それぞれ
Modified Ashworth Scale (MAS)が国際的に用いられて
の課題の 情報処理が干渉し合うため,注意を適切に配分
きた.しかし, MASは他動運動の範囲や速度,肢位等の
しながら遂行することが求められる.
規定が無い.速度依存 性に筋緊張冗進を認める唾縮の評
近年,理学療法分野においてもDual Taskが注目され
価において,測定時の他動運動速度は極めて重要である.
つつあり, 1997年には歩行中に質問を行って立ち止まっ
加えて,筋がどの程度伸張された状態でどのような緊張
てしまう高齢者では転倒リスクが高くなると報告され,
を示すのかを把握するためには,測定時の関節角度(肢
これ以後主に高齢者における転倒との関連'性について報
位)も重要となる.こうした点からもMASの利用には欠
告されている.歩行能力が低下した高齢者は歩行に要す
点が多いことが分かる.
一方,立位や歩行に対して足クローヌスは大きな影響
る注意量が増加し,歩行以外に注意を向ける余裕がなく
を与えるため,リハビリテーションでは足関節底屈筋の
Taskは転倒リスクのスクリーニングテストとして応用
筋緊張を評価する場面も少なくない.主要な足関節底屈
されている.しかし,その方法は様々であり標準化され
筋は下 三頭筋であり2関節筋の緋腹筋と単関節筋のヒ
ていない.指示の仕方もその一つであり,私が行った研
ラメ筋から成る.加えて足クローヌスを生じるという点
究では二課題のどちらにどのぐらい注意するかといった
において,他の筋とは異なる特徴を有している.このよ
指示の仕方の違いによりDual Taskのパフォーマンス
うな特徴を有する下
に変化が認められた.
三頭筋の痩縮は, MASでは十分
なるために転倒してしまうということが考えられ, Dual
に評価できない.このため我々はMASの欠点を改善し,
また,最近では脳卒中者における報告も増えてきてい
且つ簡便な足関節底屈筋の筋緊張評価指標(Ankle
る.通常,歩行は高度に自動化された動作であるが,脳卒
­ 1 8 ­
中者は機能障害により歩行に要する注意量が増えて
れば,まさに,地域づくりそのものが作業療法士の仕事
Dual Task下での歩行能力が低下するとされている.脳
であると理解している.
卒中者を対象にDual Taskを介入課題とした無作為化
現在,超高齢社会の現状には,大きく3つの問題があ
比較試験では介入群にて有意に歩行能力が改善したと報
る.①急速に進む高齢化,②認知症高齢者の増加,③高齢
告され,自動化された歩行の再獲得のためにはDual
者の一人暮らし世帯の増加である.これら現状に対し,
Task下での歩行練習も有用であると考えられる.
「介護予防」の推進,「認知症ケア」の推進,地域ケア体
今後, Dual Taskは転倒リスクのスクリーニングテス
制の整備が,高齢者介護に関する施策の柱になっている.
トとしてその方法の標準化が求められるとともに,転倒
介護予防を重視した施策の中で,認知症予防に向けた地
予防または応用的な歩行能力向上のための練習課題とし
域の取り組みも始まっている.認知症になっても安心し
ての可能性も期待されている.
て暮らせる地域づくりには,「サポートする人づくり」
「地域に参加できる場所づくり」が必要である.現在,前
地域で取り組む認知症予防
橋市では「人づくり」として認知症の人や家族を見守る
ことのできる人,認知症サポーターを養成する講座だけ
荒木祐美(前橋市役所介護高齢課)
でなく,介護予防の知識・実践力を身につけ,地域への働
「行政で,作業療法士は何ができるだろうか」
私は,回復期病院から市役所に職場を異動し,行政の
きかけを行う介護予防サポーターを育成している.介護
中で作業療法士としての役割を模索している.病院での
予防サポーターは,高齢者を対象としており,自分の暮
作業療法は,対象者本人・家族への直接的な支援が多い.
らす地域に適した介護予防の取り組みを,自分のことと
しかし,行政では,直接的な関わりだけでなく,対象者を
して考えながら実践できる良さがある.「場所づくり」と
取り巻く地域資源や地域の人々,サービス等への間接的
しては,サロンや自主グループを地域に数多く立ち上げ,
な支援がほとんどである.私が現在注力している仕事は,
地域活動を行政が支援する体制を作っている.これらの
介護予防のための地域づくりである.作業療法士が向き
地域住民主導の地域づくりを通して,医療・介護・地域ケ
合うのは,「対象者の生活そのもの」といった理念からす
アの連携をサポートしたいと考えている.
­19­
一 般 演 題
1.マウス扇桃体外側核のGABA受容体応答の可塑 性
ドレブリンの高次脳機能における働きの解明を目指し,
マーモセット脳内のドレブリンの分布を免疫組織化学染
に関する研究
藤枝智美,1,2白尾智明,2三輪秀樹3
色で解析した.雌のマーモセット3匹を深麻酔後,ホル
関野祐子' 2
マリン溶液で潅流固定し脳を取り出した.浸漬固定後,
(1国立医薬品食品衛生研究所薬理部)
スクロース溶液へ置換した.凍結後,冠状断でI2umの
(2群馬大院・医・神経薬理学)
凍結切片を作成し,抗ドレブリン抗体,抗シナプトフィ
(3群馬大院・医・遺伝発達行動学)
ジン抗体,抗ダブルコルチン抗体を用い, DABにより免
扇桃体の外側核(LA)は,恐'怖記 億を作る部位であり,
疫組織化学染色を行った.マウスではドレブリンの局在
LAにおける抑制性回路は恐'怖記憶の調節と消去に重要
が認められない内側中隔において,ドレブリンの強い染
な役割を演じている事は良く知られている.一方で,恐
怖記憶の形成における抑制性応答の可塑'性が時間的空間
色が見られた.通常はドレブリンが濃染する領域はシナ
的にどのような役割を果たしているかに関する詳細なメ
細胞のマーカーであるダブルコルチンが濃染するが,こ
カニズムは明らかではない.我々は,扇桃体がどのよう
の内側中核においてはこれらのマーカーは濃染しなかっ
に入力 情報を時間空間的に処理するのかという問題を多
た.一方,他のニューロピル領域ではドレブリンとシナ
点の電気活動を観察できる膜電位感受 性システムを用い
プトフイジンの濃染部位は一致し,また,脳室下帯部に
て解析した.マウスの冠状断切片を膜電位感受'性色素の
おける移動中の神経前駆細胞はドレブリンとダブルコル
Di-ANEPPSで染色し, LAの最上部に近い外包を電気
チンが濃染していた.以上より,マウスとマーモセット
刺激したところ, LA内の脱分極応答に引き続き持続時
におけるドレブリンの分布を調べ,その差を明らかにす
間の長い過分極応答(LLH : long lasting hyperpolariza-
ることにより,ドレブリンと脳の高次機能の関係を示唆
tion)を認めた. LLHはGABAA受容体が関与する早い
できると考えられる.今後のより広域な免疫組織化学的
成分とGABAB受容体が関与する遅い成分から成るこ
解析が興味を持たれる.
プスマーカーであるシナプトフィジンあるいは幼若神経
とが判った.早い成分は過分極応答の直後から始まるの
に対して, GABAB受容体が関与する遅い成分は外包刺
激の約300∼400ms後に最大の反応値を示し,約800ms
3.発生期小脳におけるCD44発現細胞の分布とその存
在意義
間持続する.また, LLHの振幅は100Hz 1秒を20秒毎
横山就一,成瀬雅衣,倉知正
に10回という外包刺激により可塑的に増強することが
柴崎貢志,石崎泰樹
判った.以上よりLLHの可塑性が恐'怖記'億の形成と消
去に何らかの関係が有る可能性が示唆された.
(群馬大院・医・分子細胞生物学)
我々は,小脳アストロサイトの分化機構を明らかにす
る事を目的とした研究をおこない, CD44がLIFによっ
2.マーモセット脳におけるドレブリンの免疫組織化学
てアストロサイトへ分化誘導できる前駆細胞に発現して
いる事を報告した(Cai etal., 2011).本研究では,免疫組
的解析
梶田裕貴, 三輪美樹,2児島伸彦
織学的手法を用いて,加州oでの発生期小脳における
中村克樹,2白尾智明
CD44の分布を調べた.発生初期PO (postnatal day 0), P3
(1群馬大院・医・神経薬理学)
では,小脳全体にCD44の発現が観察されたが, P7以降
(2京都大学霊長類研究所行動神経研究部
ではCD44は白質特異的な局在を示した. PO∼P14のマ
門
)
ドレブリンは樹状突起スパインに局在するアクチン線
ウス小脳をBrdU投与二時間後に固定し, CD44発現細
維結合タンパク質であり,シナプスの可塑'性にとって重
胞の増殖能を検討した. PO∼P10ではCD44発現細胞の
一部がBrdU陽'性であったが, P14ではCD44発現細胞
要な働きをしている.現在我々は,遺伝子改変動物を用
はBrdUを取り込まず,成熟細胞に分化していることが
いてドレブリンが記憶や学習などの脳の高次機能にどの
示唆された.培養実験の結果(Cai et al., 2011)より,
ように関係しているのかを解析しているが,マウスや
CD44発現細胞はアストロサイト系譜の細胞であると予
ラットを用いた行動実験では直接ヒトの記憶や学習と比
測 し た の で, ア ス ト ロ サイ ト 系 譜 の 細 胞 マーカ ー
較することが難しい.本研究では,高次機能の発達した,
(GLAST, S100/J)と二重染色をおこなった. CD44発現
よりヒトに近いと考えられる動物マーモセットを用いて
細胞はPOではGLASTを発現し, P3ではGLASTに加
えてS100βを発現する事が明らかになり, CD44はアス
解明につながる可能'性がある.さらにCIN85はヒトX
トロサイト系譜の細胞に発現している事が示唆された.
連鎖精神遅滞に関与するOligophrenin-1やscaffold pro-
さらに加yかoでCD44発現細胞が分化する細胞系譜を
teinであるPSD-95と樹状突起疎(dendritic spine)で共
明らかにするため, FACSによりP3 EGFPマウス小脳
存していた. CIN85はX連鎖精神疾患や,樹状突起疎の
よりCD44発現細胞を回収し, P3 wild typeマウス小脳
形成にも関与している可能 性が強く示唆された.
へ移植した移植されたCD44発現細胞は,アストロサ
イトのみならず,オリゴデンドロサイト,ニューロンへ
5.アストロサイト傷害の組織学的指標としてのcor-
分化した.そこで,小脳発生初期に神経幹/前駆細胞が
pora amylacea負食像:視神経脊髄炎剖検例9例にお
CD44を発現しているか検討するため, P3小脳のCD44
ける検討
発現細胞を回収しneurosphere assayをおこなったとこ
鈴木文, 横尾英明, 柿田明美2
ろ, CD44陽 性細胞の一部はneurosphereを形成し,その
高橋均,2針谷康夫,3伊古田勇人l
neurosphereは多分化能を持つ事が示された.以上の結
中里洋一
果より小脳発生初期にはCD44発現細胞はアストロサ
(1群馬大院・医・病態病理学)
イト系譜の細胞に加えて,神経幹/前駆細胞をも含んで
(2新潟大学脳研究所病理学分野)
いる可能性が示唆された.今後は,発生期小脳における
(3前橋赤十字病院神経内科)
CD44発現細胞のさらに詳細な分布解析をおこない,
【 背 景 】 視 神 経 脊 髄 炎 ( N M O ) は , アク ア ポ リ ン 4
CD44発現細胞の存在意義を明らかにしようと考えてい
(AQP4)を標的とした自己抗体がアストロサイトを傷害
る
.
し,二次的に脱髄をきたすアストロサイト病との見方が
有力となりつつある.我々は,マクロファージによるcor-
4.CIN85の機能欠損はドーパミン受容体のエンドサイ
pora amylacea (CA)の貧食像が,病変部に限局して出現
したNMO spectrum disorderの一剖検例を経験した.そ
トーシスを抑制し多動を引き起こす
の中で, CAはアストロサイト内構造物であることから,
下川哲昭,鯉淵典之
CA貧食像がアストロサイト傷害の形態学的指標となり
(群馬大院・医・応用生理学)
CIN85 (Cbl-interacting protein of 85 kDa)はRING
うる可能性を考えた.今回は検索症例を増やして, NMO
型のユビキチンリガーゼとして機能するCblと相互作
におけるCAの動態を解析し,仮説の検証を試みた.
用を持つアダプター蛋白質として同定された.我々はこ
【材料と方法】NMO剖検例9例(M:F= 5:4,
の分子の個体における生理的意義を明らかにする目的で
歳,病'悩期間lか月-40年)の視神経,延髄,脊髄を対象と
CIN85ノックアウトマウス(CIN85 KO)を作製した.こ
し, HE, KB, PAS, AQP4, GFAP, MBP, CD68染色を
のマウスは行動学的解析(総移動量,移動速度,折り返し
行った.計57ケ所の病変部位を同定し, Misuらの方法
数,新規環境探索度等)のほぼ全ての項目において,野生
(Brain, 2007)に従ってパターン分類した. CA貧食像の
型に比べて有意な行動量の上昇を示し表現型が「多動」
有無と程度を各病変において評価した.【結果】CA
であると認められた.ドーパミン及びその受容体の量的,
負食像は8/9例,42/57ケ所の病変に見られた.貴食像の
質的変化が「多動」の原因の一つとされる.我々はこのマ
出現が特に多い病変は活動'性(パターンC, D)であり,
'慢'性∼陳¦日'性病変(パターンE, F)では少数ないし欠如
ウスの黒質-線条体におけるドーパミンシグナルの機序
47-80
を調べた.線条体初代培養細胞においてドーパミン刺激
し,CAの分布数自体も著しく減少・消失していた.一方,
後,膜表面に存在するドーパミン受容体は野生型由来で
非病変部にCA貧食像は見られなかった.負食された
約45%, CIN85 KOでは80%であった.複数のドーパミ
CAは,古い病変ほど小型化していた.【考察】病変
ン受容体アゴニスト/アンタゴニストを用いた解析にお
の時相の異なる9例のNMOを用いた今回の解析結果よ
いてもドーパミン受容体の細胞内へのインターナリゼー
り, NMO病変部ではアストロサイトがまず傷害され,次
ションは野生型に比べCIN85 KOでは有意に減少して
にアストロサイト内に存在するCAが細胞外に放出さ
いた.これらの結果はCIN85という膜受容体の発現を制
れた後,マクロファージがCAを負食,消化し,病変内か
御する遺伝子の機能欠損がドーパミン受容体のエンドサ
ら一掃していることが示唆された. NMO病変部におけ
イトーシスの異常を誘起し多動症を引き起こすという新
るCA負食像はこれら一連の病変の進行過程を捉えた
たな発症メカニズムを示している.ヒトCIN85遺伝子は
ものと思われ,アストロサイト傷害の新たな組織学的指
x染色体短腕に存在し,しかも注意欠陥多動'性障害
標となりうると考えられる.
(ADHD)は女児に比べて圧倒的に男児に多いことを考
え合わせると,この遺伝子の解析が多動症の疾患原因の
­ 2 1 ­
6.脳腫癌におけるnestinの発現一悪'性神経鯵腫病理
疾患であるが,その発症メカニズムは未解明の部分が大
き い . 近 年 に な り , 患 者 死 後 脳 で パ ルプ アルブ ミ ン
診断への有用性に関する検討
新井秀雄,1,3伊古田勇人,l菅原健一2
ニューロン特異的にグルタミン酸脱炭酸酵素GAD67の
平戸純子,3中里洋一
発現量が減少していることが明らかにされたものの,こ
(1群馬大院・医・病態病理学)
の現象が発症過程そのものにかかわるものなのか,それ
(2群馬大医・附属病院・脳神経外科)
とも結果に過ぎないのかは不明である.そこで我々は
(3群馬大医・附属病院・病理部)
Cre-loxPシステムを用い,パルブアルブミンニューロン
【目的】Nestinは胎生期に神経幹細胞や神経前駆細
特異的にGAD67遺伝子を欠損させたコンデイシヨナル
胞に発現する中間径フィラメントであるが,神経修腫等
ノックアウトマウス(GAD67 flox/flox; PV-Creおよび
の脳腫傷でも発現が認められる.しかし,脳腫傷におけ
GAD67 flox/H- ; PV-Creマウス)を作製して表現型の
るnestin発現の意義は明確にされていない.そこで,
解析を試みたこれらのマウスは明らかな解剖学的奇形
我々は脳腫傷の診断におけるnestinの有用 性を検討す
を持たないが, GAD67 flox/flox; PV-Creマウスは生後
るため,悪性神経鯵腫を中心にnestinの発現を免疫組織
2∼3ヶ月のうちに約20%が突然死した.一方,ヘテロ
化学的に解析した.【方法】鯵芽腫(GBM) 22例,退
ノックアウト体であるGAD67 flox/H- : PV-Creマウス
形成性星細胞腫(AAS) 12例,退形成'性乏突起星細胞腫
の生存曲線は対照群と差がなかった.大脳皮質の
(AOA) 13例,退形成 性乏突起鯵腫(AOL) 19例における
GAD67タンパク量をウェスタンプロット解析したとこ
nestin, GFAP, olig2, p53, EGFR,変異型IDH1の発現を
ろ,
免疫組織化学的に検索した.各標本において陽'性細胞の
50%に, GAD67 flox/+ ; PV-Creマウスでも約80%に
割合を0 (0%), 1 (<30%), 2 (30-60%), 3 (60%<)の4
まで減少していた.免疫組織学的解析では,これらのマ
段階に,染色強度を0(陰 性), 1 (軽度),2(中等度),3(高
ウスでパルプアルブミン陽 性細胞のGABA染色'性が減
度)の4段階にスコア化した.両者の積を免疫組織化学
少しており, GAD67タンパクの低下に伴ってGABA含
スコア(IHCS)として算出し,組織型とIHCS,予後と
量が減少することが確かめられた.続いて我々は突然死
IHCSの関連を検討した.また,組織マイクロアレイ標本
を起こさないGAD67 flox/+ ; PV-Creマウスに対して
を利用して,悪'性神経鯵腫以外の脳腫傷202例における
行動解析を行い,不安様行動や恐怖条件付け, Y-mazeに
nestinの発現を同様に検索した.【結果と考察】悪性
おける自発交替行動については対照群と差がないことを
神経鯵腫においてnestinのIHCSはGBMで有意に高い
ことから(p<0.05), nestinはGBMをAAS, AOA, AOL
見出した.一方,統合失調症の中間表現型のひとつとで
と鑑別する際に有用と考えられた.また, nestinのIHCS
いた.また,グルタミン酸受容体桔抗薬に対する感受'性
GAD67
flox/flox; PV-Creマウスでは対照群の約
あるプレパルス抑制は,対照群と比べて有意に減弱して
を0­2,3­9で2群に分けて予後を比較すると,後者
はヒトの統合失調症患者において冗進しているが, MK-
が予後不良(p< 0.003)であった. WHO grade III (AAS,
801 (0.2mg/kg)を急 性投与したGAD67 flox/H- ; PV-
AOA, AOL)の腫傷では, nestinと変異型IDH1の発現
Creマウスは対照群よりも顕著な活動量増加を示した.
に逆相関が認められた悪性神経鯵腫以外の脳腫傷では,
これらの結果は,パルプアルブミンニューロンにおける
シュワン細胞腫においてnestinの発現が認められ,髄膜
GAD67発現量およびGABA含量の減少が少なくとも
一部の統合失調症様行動の形成に関与していることを示
腫との鑑別に有用と考えられた.
唆している.
7.GABA仮説に基づく統合失調症モデルマウスの開
発と解析
8.神経幹細胞性質変換に伴う遺伝子座の核内配置の変
藤原和之,1,2,3三輪秀樹,1,2柿崎利和1,2
動解析
三国雅彦,3棚平千代子,4玉巻伸章4
伊藤謙治, 中島欽一,2荒川浩一
柳川右千夫1,2
滝沢琢己
(l群馬大院・医・遺伝発達行動学)
(l群馬大院・医・小児科学)
(2独立行政法人科学技術振興機構,
(2奈良先端科学技術大学院大学バイオサ
イエンス研究科分子神経分化制御学講
(3群馬大院・医・神経精神医学)
座
)
(4熊本大学大学院生命科学研究部脳回路
構造学)
発生期の神経幹細胞における中枢神経系を構成する主
要細胞種(ニューロン,アストロサイト,オリゴデンドロ
統合失調症は人口の約1%が 患する頻度の高い精神
サイト)への分化能獲得の時期はエピジェネティックな
­ 2 2 ­
ゲノム修飾などにより厳密に制御されている.一方近年,
synaptopodin,
従来のエピジェネテック修飾に加えて遺伝子座の核内で
WT1陽 性の足細胞数にも相違はなかった.しかし電顕に
の配置も遺伝子発現の制御に重要であることが指摘され
よる観察では変異型で足突起の平坦化が見られ,単位糸
ているが,神経幹細胞の分化能変動の制御に遺伝子座の
球体基底膜長あたりの足突起数の減少を認めた.さらに
核内配置がどう関与しているのかは全く不明である.そ
足細胞障害時におけるSIRPaの役割を検討するため,
こで本研究では,神経幹細胞がアストロサイトへの分化
腎炎モデルを作成した.巣状糸球体硬化症のモデルとな
能を獲得する過程およびその後アストロサイトへ分化す
る片腎摘十アドリアマイシン腎症では,変異型マウスで
る過程において,アストロサイト特異的遺伝子の遺伝子
著明なアルブミン尿の増加を認め,糸球体硬化の有意な
座の核内配置がどう変化するか,またその変化が遺伝子
増加がみられた.ストレプトゾトシンによる糖尿病 性腎
の発現制御ならびにアストロサイト分化にどのような影
症では,変異型マウスにおいてアルブミン尿の増加に加
響をもたらすのか,を解析し,神経幹細胞の分化制御を
え, GBMの肥厚も認められた.以上より, SIRPaを介し
新規観点から検討することを目的としている.胎生中期
たチロシン脱リン酸化シグナルは,足細胞の形態や蛋白
(胎生11.5日),胎生後期(14.5日)のマウス終脳より調製
尿の制御において重要な役割を果たしているものと
した神経幹細胞,およびそこから分化したアストロサイ
考えられた.
podocalyxinなどの発現に変化はなく,
トを実験に使用した.複数の遺伝子座に対するDNA fluorescence in situ hybridization (FISH)法および遺伝子座
10.男 性ホルモンによる代謝機能制御機構の解析
佐藤隆史, 沢津橋俊, 佐々木努2
の会合を網羅的に解析する手法として近年開発された
溝端健亮, 三宅由花, 賓田佳織
(e4C)法を組み合わせ,分化に伴いアストロサイト特異
森和俊,3北村忠弘,2加藤茂明4
的遺伝子Gf上inの遺伝子座と会合または近接している割
北川浩史
合が変動する遺伝子座を探索した. e4Cについては現在
(l群馬大・生調研・核内'情報制御分野)
解析中ではあるが,少なくともFISHで確認された遺伝
(2群馬大・生調研・代謝シグナル分野)
子座の変動を確認することができている.
(3京都大学大学院理学研究科)
(4東京大学分子細胞生物学研究所)
9.SIRPaは腎糸球体上皮細胞の形態と蛋白尿制御に
関与する
高橋哲史, 農村桂樹, 富岡麻衣
【はじめに】近年男'性におけるアンドロゲンの作用は,
'性分化のみならず代謝機能の維持にも必須であることが
示唆されている.アンドロゲン作用の
分子であるアン
浜谷博子, 坂入徹, 青木武生2
ドロゲン受容体のノックアウトマウス(ARKOマウス)
大西浩史,3的崎尚,4野島美久
は遅発』性の肥満を呈し,その主要な原因としてはこのマ
(1群馬大院・医・生体統御内科学)
ウスで観察されるレプチン抵抗 性があげられる.近年,
(2群馬大院・医・生体構造学)
生体内における小胞体ストレスの蓄積がレプチン抵抗'性
(3群馬大・生調研・バイオシグナル分野)
を伴う肥満の発症に関与し得ることが報告された.そこ
(4神戸大学大学院医学研究科シグナル統
で我々は,雄ARKOマウスのレプチン抵抗'性とそれに
伴う肥満が,小胞体ストレス増加に起因する可能性を検
合学分野)
近年,腎糸球体上皮細胞(足細胞)のアクチン骨格維持
討した.【方法】雄ARKOマウスに小胞体ストレス
や蛋白尿の制御に,スリット膜関連蛋白のチロシンリン
を消去する効果を持つ薬剤を継続的に投与し,遅発'性肥
酸化が強く関与していることがわかってきた.
SIRP*
満とレプチン抵抗'性への効果を検討した.さらに,レプ
(SHPS-1)はチロシン脱リン酸化酵素であるSHP-1/2
チンの標的組織である視床下部において雄ARKOマウ
結合蛋白として同定された受容体型膜蛋白である.最近,
スにおける小胞体ストレス応答シグナルの異常について
スリット膜近傍も含めて足細胞にSIRPaが強く発現す
検討した.【結果および考察】雄ARKOマウスでは薬
ることが報告され,足細胞の機能に関与していることが
剤投与で小胞体ストレスを消去することによりレプチン
想定される.我々はSHP-1/2結合部位を欠失させた
抵抗 性とそれに伴う肥満が改善されることを見出した.
SIRPaを発現する変異型マウスを用いて, SIRPaの足
また雄ARKOマウスの視床下部では小胞体ストレス応
細胞における役割について検討した.変異型マウスは野
答シグナルの一部が破綻しており,転写制御レベルでの
生型と比較して軽微ではあるが有意なアルブミン尿の増
アンドロゲンシグナルと小胞体ストレス応答シグナルク
加を認めた.光顕では腎の有意な形態学的変化を認めず,
ロストークの重要'性が示された.このことから,アンド
免疫染色でも足細胞マーカーであるnephrin,
ロゲン作用破綻による肥満には小胞体ストレスが直接的
­23­
にかかわることが明らかとなり,この相互関係の老化抑
いて再検討を行なった.【方法と結果】C57BL/6マウ
制メカニズムへ関与が今後注目される.
スにP. yoe疏の弱毒株を感染させた.感染を耐過したマ
ウスに強毒株で追加免疫をした免疫マウスからCD8+T
11.GranuphilinとSyntaxin-la二重欠損マウスを用い
ナイーブマウスのT細胞を移入されたマウスはすべて
たインスリン分泌機構の解析
王 美 ,
石 崎 玲 ,
細胞を放射線照射マウスに移入し,強毒株を感染させた
が死亡したのに対し,免疫マウスのT細胞を用いた場合
藤 原 智 徳 2
にはCD4+T細胞のみならずCD8+T細胞のみが移入さ
赤川公朗,2泉哲郎
(l群馬大・生調研・遺伝生化学分野)
れたマウスにおいても強毒株感染後一時的にわずかな虫
(2杏林大学医学部細胞生理学教室)
血症が観察されたものの,直ちに原虫が排除されること
低分子量Gタンパク質Rab27aは,陣β細胞からのイ
が確認された.パーフォリンKOマウスに弱毒株を感染
ンスリン分泌を調節している.そのRab27aと結合する
させると半数が死亡し,移入実験においてはCD4+T細
エフェクター分子Granuphilinは,分泌穎粒膜上の
胞 で は 野 生 型 と 同 じ パ ラ シ テ ミ ア カ ーブ を 描 く が,
R a b 2 7 a と 細 胞 膜 に 存 在 ) す る S N A R E タ ンパ ク 質
CD8+T細胞では初期の虫血症がKOマウスの方が重篤
Syntaxin-1 aとを橋渡しすることによってインスリン穎
であり,治癒に時間がかかるものもいた.免疫CD8+T細
粒を細胞膜にドッキングしぅ分泌を抑制していると考え
胞移入後に抗IFN-γ抗体を投与し強毒株を感染させる
られている.インスリン穎粒開口放出における, Granu-
とマラリア感染防御が完全にキャンセルされた.また免
philinとSyntaxin-laの機能関係を解明するため,両分
疫CD8+T細胞移入後にマクロフアージの貧食を阻害す
子二重欠損マウスを作製し表現型を比較した.インスリ
る目的でカラギーナンを投与し強毒株感染することです
ン分泌能は, Granuphilin欠損マウスで冗進し, Syntaxin-
べてのマウスが死亡した.この結果からマウスマラリア
la欠損マウスで低下していたが,二重欠損マウスでは分
赤血球ステージにおいてCD8+T細胞も感染防御に関
泌能が冗進していた.また, Granuphilin, Syntaxin-laは
わっていることが示唆され防御機序についてはパーフォ
いずれもインスリン穎粒の細胞膜ドッキングに必須であ
リンの関与があり, IFN-γの産生によるマクロファージ
ると報告されているが,電子顕微鏡観察の結果, Granu-
の活'性化が重要であることが示された.
philin単独欠損はSyntaxin-1 a単独欠損より,ドッキン
グ穎粒消失に対する効果が有意に強いことがわかった.
これらのことから,
13.気道上皮細胞のウイルス感染モデルにおけるINF-
GranuphilinはSyntaxin-la以外の
γのムチン分泌抑制の分子基盤
SNAREタンパク質とも結合していることが考えられ
小柳貴人,1,2滝沢琢己, 中嶋直樹
た.そこで,細胞膜に局在するSyntaxin-la, -2, -3, -4と
八木久子, 小林靖子, 荒川浩一
の結合を調べた. Granuphilinは, Syntaxin-laだけでは
(l群馬大院・医・小児科学)
なくSyntaxin-2, -3とも結合していることがわかった.
(2新潟大学大学院医歯学総合研究科小児
以上のことから, Granuphilinは,細胞膜に存在する複数
科学)
のSyntaxinとの相互作用を介して,インスリン穎粒の細
ウイルス感染は気管支瑞息などの』慢 性気道炎症'性疾患
胞膜ドッキングや融合を制御していることが示唆され
における主要な増悪因子であり,気道内の過剰粘液産生
た
.
の原因となる.我々はこれまでヒト気道上皮細胞株NCIH292にて,ウイルス感染モデルである合成dsRNA
12.マウスマラリア赤内期感染防御におけるCD8+T細
胞の関与
(Poly I: C)刺激が, TGF-αによる気道内の主要ムチン
MUC5AC遺伝子の発現を相乗的に増強することを報告
今 井 孝 , 石 田 英 和 , 平 井 誠
してきた(J Immunol 2009).一方, INF-γは抗ウイルス
鈴 江 一 友 , 久 枝 一
活性を有するサイトカインであるが,気道ムチン産生に
おける役割は不明であった.今回我々は,
(群馬大院・医・国際寄生虫病学)
Poly I: Cと
【目的】CD8+T細胞は標的細胞のMHC class I分子
TGF-αを用いたウイルス感染モデルにおいて, INF-y
と抗原ペプチドの複合体を認識する.マラリア感染にお
がムチンMUC5ACの発現を抑制することを見出し,そ
いて肝臓内型原虫に対してはCD8+T細胞が防御免疫の
一翼を担っていることが知られているが,赤血球内型
の分子基盤について検討したので報告する.
(赤内期)に対してはMHC class I分子が赤血球上に認め
効果により増強したMUC5AC遺伝子発現がINF-γの
られないことから否定的である.本研究では赤血球内型
存在下では有意に抑制された.また,
原虫に対する感染防御におけるCD8+T細胞の関与につ
INF-γの信号伝達経路を担うJAK1およびSTAT Iを
NCI-H292細胞において, Poly I: CとTGF­aの相乗
­24­
RNAi法により
ノックダウンするとINF一γによるMUC5AC発現抑制
伴う夫への介護負担増強時,③肺炎の繰り返しで顕在化
効果は減弱した.さらに我々がPoly I: Cにより発現抑
した終末期と考えられた.それらを統合し考えた結果,
制することを見出したMAPキナーゼ経路を負に抑制す
地域連携課題として,「家族介護負担の軽減」,家族関係
るDUSP6の発現を, INF-γが増強することが分かった.
の調整や終末期対応における「家族指導や家族ケア」,特
以上の結果より, INF-γが直接気道上皮細胞に作用して
に呼吸管理面での「病院と地域主治医問の連携」,「看取
ムチン産生を抑制すること,またその分子基盤として
りのための体制整備」が見出された.【結論】各々に
INF-γによるMAPキナーゼ経路の調節が関与してい
とっては些細と思っていた 情報が実は大切な』情報であっ
る可能性が明らかとなった.現在, DUSP6以外の分子の
たことへの気づきがあった.切れ目のない看護の実現に
可能性の有無を検討しており,本大会ではその結果も合
は,療養経過における危機的時期・場面における'情報共
わせて報告したい.
有と対処のための迅速かつこまめの連絡対応ができるよ
う,関係者の相互尊重の上での病院と地域との連携を強
14.病院と地域看護職者間によるALSデスカンファレ
化する必要がある.
ンスで見出された地域連携課題
大谷忠広, 牛久保美津子,2冨田千恵子
15.Development and Validation of an Assessment
猪熊綾子, 中村聡洋, 池田将樹3
牛込久美子,4田代美智子,5小林直樹6
大槻雪枝,7阿久沢とも子,7中村伊津江7
小川美由紀7
(1群馬大医・附属病院・看護部)
(2群馬大院・保・看護学)
(3群馬大医・附属病院・神経内科)
(4群馬県保健予防課)
(5前橋市保健所)
【OBJECTIVE]
To develop and validate an Assessment
(6訪問看護ステーションホームナース)
scale for Continence Self-care (ACS).
[METHODS】
(7群馬県看護協会訪問看護ステーショ
ン
)
【研究目的】筋萎縮'性側索硬化症(ALS)患者l例の死
409 residents participated in the lecture・Measures:
亡にいたるまでの療養生活支援を振り返る「病院と地域
看護職者間によるデスカンファレンス」を実施した.デ
residents・Three instruments were used for measuring
スカンファレンスは,病院看護職(病棟と患者支援セン
ター),保健所保健師,訪問看護師(2事業所),ケアマネ
ジャ,訪問理学療法士,大学教員らが一同に会し,約3時
間,各職種による支援経過の報告と意見交換を行った.
本報告は,デスカンファレンスにおける'情報をもとに,
今後のALS患者の地域支援・連携上の課題を見出すこ
とを目的とした.【方法】 情報源はカンファレンス
資料や各関係者の発言や意見交換の内容,終了後の意見
や感想とした.それらを研究者間で討議し,地域連携課
The level of significance was set at 0・05 in all analyses.
題を質的分析・抽出した.症例は,言語障害で発症し7年
【RESULTS]
ACS was composed two factors.
Almost
6ヶ月間の療養生活ののちに病院に緊急搬送され死亡し
た60歳台の女'性.本人の行動力もあり,訪問看護事業所
は2か所,診療所医師は3カ所など支援者は多機関に及
んだ.入退院歴は5回(3病院が対応)であった.倫理的
配慮は全参加者に研究発表の趣旨や内容を口頭で説明し
ity・Improvement is necessary by increasing the number
同意を得た【結果と考察】各支援者におけるうまく
行った点や不全感・困難点が明らかとなった.本症例の
「危機的場面」は,①療養場所の変更時,②病状悪化等に
­ 2 5 ­
16.Impact of Urinary Symptoms on Quality of Life in
【Objective]
To identify how urinary symptoms affected
【Methods]
The subjects were 387 of 508 women who
and I-PSS.
SPSS 15・IJ was used for analysis.
【Results]
There were significant correlations between
. I- PSS (Spearman's r=0.292∼0.577, p<0.01).
his own will・The authors advised and implemented the
This
Stepwise
17.Usefulness of Relaxation Technique for Diabetic
­26­
WISH型股装具は,左右方向のバランス機能の改善に有
効であると考えられる.
19.乳頭腫脹と虹彩毛様体炎を合併した成人発症Still
病の一例
野 田 聡 実 , 岸 章 治
(群馬大医・附属病院・眼科)
【緒言】成人発症Still病(AOSD)は,若年 性特発 性関
節炎の全身発症型(Still病)が16歳以上の成人に認めら
れたものである.眼合併症を生じることはまれであり,
その報告は少ない.今回我々は両眼'性の虹彩毛様体炎と
高度な視神経乳頭腫脹を合併した症例を経験し,その経
過を観察したので報告する.【症例】16歳女'性,近
医で発熱,発疹等により川崎病として加療されるも改善
なく2009年4月30日当院内科へ精査加療目的で転院と
18.クロステストにおけるWISH型股関節装具の効果
佐藤江奈,1,2山路雄彦,2佐藤貴久3
なった.精査の結果, AOSDと診断されステロイド治療
渡辺秀臣2
が始まった.結膜充血があり内科からの紹介で2009年5
(1社会保険群馬中央総合病院リハビリ
月l日当科初診.矯正視力は両眼とも(1.2),眼圧は右13,
左llmmHg,両眼に虹彩毛様体炎と高度の視神経乳頭腫
テーション科)
(2群馬大院・保・リハビリテーション学)
脹を生じていた.視力・視野障害などの訴えはなかった.
(3群馬大医・附属病院・整形外科)
ステロイド点眼で虹彩炎は改善,メソトレキサート併用
【目的】変形'性股関節症(変股症)に対する装具療法
後全身状態の安定化に伴い乳頭腫脹も徐々に改善して
としてWISH型股関節装具(WISH型股装具)を作製し
いった.経過中,視力視野障害はなく,神経線維束欠損な
た股関節は姿勢調節に関与していると報告がある.今
ども生じなかった.乳頭所見の経過観察には光干渉断層
回WISH型股装具の効果の検討を目的に, WISH型股装
計OCTのdisc cube測定と眼底写真を用いた.【考
具装着における重心動揺の変化について,支持基底面を
按】AOSDで眼合併症を生じることは多くないが,軽
固定した状況における随意運動中のバランス機能検査で
度の充血のみで自覚症状が特になくても高度の視神経乳
あるクロステストについて検討した.【方法】2007
頭腫脹や虹彩毛様体炎を生じることがあり,一度眼科で
年4月∼2010年10月に変股症により,群馬大学医学部
検査をすることが望ましいと考える.また,乳頭所見の
附属病院整形外科を外来受診した女 性患者19名を対象
変化をみるのにOCTは有用であった.
としクロステストを施行した.クロステストは, Ishikawa
らの方法に従って,重心動揺計(アニマ社GRA VIGOR-
20.手根管症候群患者における超音波診断の有用性と臨
床所見の関連について
DER G-6100)上に両側瞳部中心間距離を15cm開脚し,
約4秒間の安静立位の後,前後右左の順で身体の重心を
田 鹿 毅 , 小 林 勉 , 山 本 敦 史
随意的に各方向に最大に移動させ,最後に約4秒間の安
金子哲也,識津一行,高岸憲二
(群馬大医・附属病院・整形外科)
静立位をとり,サンプリング周期20msにて40秒間計測
した左右(X)方向と前後(Y)方向におけるそれぞれの
【はじめに】手根管症候群(以下CTS)診断における超
最大振幅(XD, YD)を求めた. XD, YDそれぞれについ
音波の有用'性を調査し,
て,装具の着脱における変化についてWilcoxonの符号
(Quick DASH機能,症状スコア),電気生理学所見(短母
付順位和検定を用い,装具装着後の経過についてMann
指外転筋複合活動電位(CMAP),示指感覚神経活動電位
WhitneyのU検定を用い,危険率5%未満を有意差あり
(SANP))との相関を調査し検討したので報告する.【対
と し た . 【 結 果 】 X D に お いて 装 具 装 着 に よる 有 意
象と方法】コントロール群は男 性18人33手,女'性35
な変化が認められたYDは有意な変化はみられなかっ
人63手,合計53人96手,平均年齢52.6歳(22歳∼86
た.装具装着後の経過においては,装具装着における有
歳)を調査した. CTS群は男'性7人10手,女 性20人31
意な変化はみられなかった.【考察】左右方向への
手,合計27人41手,平均年齢58.7歳(30歳∼85歳)を
重心移動において有意な変化を認めた.内外側方向の安
調査した.超音波検査は①wrist crease高位②遠位榛尺関
定 性を回復するためには股関節が主要な関節である.
節高位にてエコー短軸像を検査し正中神経断面積を測定
­ 2 7 ­
CTS患者超音波像と臨床所見
したそれぞれ3回測定し平均値を算出し,①,②の面積
軽'快のため,投薬終了が可能であった.【考察】プレ
差,また①高位における正中神経の扇平率(短軸長/長
ガバリンは整形外科領域神経障害'性痔痛および'慢'性嬉痛
軸長)を両群間において統計学的に評価した. CTS群は
に対して短期間で効果を示すが,約半数に副作用を認め
SANP, CMAP潜時と正中神経断面積差との相関をそれ
た.対象となる患者が高齢であることも考慮し,投与法
ぞれ検討した. CTS群はQuick DASHにて問診を行い,
について今後も検討が必要である.
機能,症状スコアと正中神経断面積差において相関を調
査した.【結果】両群におけるwrist crease高位での
22.頭頚部free flap連続200例を対象とした血栓形成危
険因子の検討
正中神経断面積の比較では有意にCTS群にて増大を認
めた(P<0.01).またwrist crease高位断面積からDRUJ
牧口責哉, 橋川和信,2宮崎英隆
高位断面積の差も有意にCTS群にて高値を認めた(P<
根岸明秀, 寺師浩人,2丹生健一3
0.01). DRUJ高位断面積,肩平率は両群間に有意差は認
田原真也,2横尾聡
められなかった.CTS群においてSANP, CMAP潜時と
(l群馬大院・医・顎口腔科学)
正中神経断面積差はともに有意に正の相関を示したが,
(2神戸大学大学院医学研究科形成外科
DASH機能,症状スコアと正中神経断面積差には相関は
学
)
(3同耳鼻咽喉科・頭頚部外科学)
認められなかった.【考察】超音波による正中神経
断面積差評価はCTS診断,患者主体の主観的評価とは
【目的】Free flapによる頭頚部再建は確立された手
相関を認めなかったが,正中神経(運動,感覚神経)障害
術手技であるが,血栓による吻合血管の閉塞は未だ完全
の定量的評価に有用であった.
には克服できない合併症である.血栓形成危険因子を検
討することは血栓形成予防に繋げるために重要である.
21.整形外科領域神経障害 性痩痛に対するプレガバリン
の短期効果と副作用発現に関する検討
頭頚部けee flapにおいて, 12の因子と吻合部血栓の関連
を血栓部位に分けた検討も併せて統計学的に解析した.
入内島崇紀,白倉賢二,和田直樹
【対象・方法】頭頚部領域に施行した丘ee flap連続200
宗宮真,田津真之(群馬大医・
例を対象とした. 性別・年齢・肥満・糖尿病・高血圧・高
トリグリセリド血症・蛋白尿・高コレステロール血症。
附属病院・リハビリテーション部)
【はじめに】整形外科領域の神経障害性湾痛を有する患
術前放射線療法・術前化学療法・飲酒・喫煙,の12因子
者に対し, 2010年にプレガバリンが保険適応となった.
と吻合部血栓との関連についてロジステイック回帰によ
しかし,その効果および副作用についての報告は未だ少
る多変量解析を行った.血栓部位の違いによる危険因子
ない.今回我々はプレガバリンの短期的効果および副作
の検討のため,静脈血栓のみの危険因子についても検討
用発現について検討したので報告する.【対象と方法】
した.【結果】術後に吻合部血栓を生じたのは15例
2010年12月から2011年5月までにプレガバリンを投
(7.5%), flapを救済できなかったのは8例(4%)であっ
与された患者34名を検討した.短期効果はVisual ana-
た.血栓部位の内訳は静脈血栓7例,動脈血栓4例,動静
log scale (VAS)を用いて評価した.副作用発現率,副作
脈血栓4例であった.解析の結果,吻合部血栓の有意な
用発現と年齢,'性別,および初回投与量との相関を統計
危険因子であったのは,高血圧:オッズ比4.45[95%信
学的に検討した.【結果】患者の平均年齢は71.5 +
頼区間1.30-15.3],女性: 5.48[1.54-19.5],高齢(70歳以
11歳であった.元疾患名は腰部脊柱管狭窄症,変形性脊
上): 5.49 [1.49-20.2],飲酒: 9.21 [1.64-51.7]の4つで
椎症,頚椎症,頚髄損傷,陳旧性腰椎圧迫骨折,腰部椎間
あった.静脈血栓のみに限定すると有意な危険因子は女
板ヘルニア,足根管症候群,肩関節周囲炎であった.プレ
性: 18.42 [1.65-205.52],飲酒: 89.21 [4.87-1634.81],肥
ガバリン投与前の羅病期間は平均38.6か月(1-240か
満: 12.71 [1.42-113.80]であった.【考察】本検討の
月)であった.初回投与量は75mgが24名, 150mgが10
危険因子が血栓形成に及ぼす原因を今後検討することに
名であった.投与前VAS平均7点,投与1週後VAS平
より,有効な予防策をこうじることが出来れば,頭頚部
均4.3点,投与2週後3.3点,投与4週後2.8点,最終観察
free flapを更に確立した手技にすることが可能であると
時(平均8.6週) 3.1点であった投与前に比べて投与1
考える.
週後から有意にVASが改善された.副作用発現率は
47% (16名)であり,多くがふらつき,酪酎感,めまいを
訴えた.副作用発現と年齢,'性別,初回投与量に明らかな
相関を認めなかった.副作用のため26.5%(9名)の患者
が投薬を中止された.同じく26.5%(9名)の患者は症状
­28­
23.眼嵩底骨折に対する生体吸収性プレート(LactosorbR)
の使用経験­これまでの経過と今後の課題­
する粘膜が厚い場合は,通常の外照射(非接触照射)では
深部病変の治療を十分に行えない場合がある.我々はこ
牧口貴哉, 皐月玲子,2宮崎英隆
れまでに口腔領域のlow-flowの血管奇形のうち,厚み
根 岸 明 秀 ,
のある病変に対しては,症例を選んで組織内照射法を適
横 尾 聡
(l群馬大院・医・顎口腔科学)
用してきたが,今回,治療の効果を高める目的で,外照射
(2淀川キリスト教病院)
と組織内照射を組み合わせた複合照射法により頬粘膜の
【目的】近年,顔面骨骨折の固定に生体吸収'性プレー
血管奇形の治療を行った症例を経験したので報告する.
トが盛んに使用されている.更に2009年5月より,生体
【症例】患者は56歳女'性で右側口角部の青色の色素
吸収'性のメッシュ型プレートが本邦でも使用可能とな
斑を主訴に来院.右側口角から頬粘膜にかけて37 17X
り,眼嵩底骨折に応用されている.しかし,安全'性や長期
12mm大の粘膜の部隆が存在し,前方部である口角部分
経過については未だ不明な点が多い.我々は,眼嵩底骨
には血管'性病変を疑わせる青色の色素斑を認めた.臨床
折に対し生体吸収'性メッシュプレートを使用した経験を
所見と画像所見からlow-flowの血管奇形(静脈奇形)が
もとに,これまでの治療経過と今後の課題について検討
疑われた.【処置および経過】局所麻酔下にNd:
した.【対象】眼嵩底骨折に対し生体吸収性メッ
YAGレーザーを用いて光凝固術を施行した.まず病変
シュプレート(以下Lactosorb⑧メッシュ)を用いて治療
後方部である被覆粘膜が厚い部分には超音波ガイド下で
を行った11例について検討した.術前に自家腸骨移植
組織内照射を行い,前方の色素斑部には非接触照射を
と生体吸収 性メッシュプレートの両者について説明をお
行った.術中,異常な出血等は認められず,手術は安全に
こない,後者を希望した患者にのみ使用した.骨折部位
施行できた.現在も術後の経過を観察中であるが,病変
は下壁単独骨折8例,内壁単独骨折2例,下壁内壁合併
の著しい退縮が認められている.その他,口角の形態,口
骨折l例であった.'性別は男'性9例,女'性2例で,平均年
唇の知覚・機能ともに大きな異常は認められていない.
齢は26.7歳であった.【方法】下壁骨折は礎毛下切
【結論】血管 性病変に対するレーザー治療では,症例
開,内壁骨折は内眼角部切開から骨膜下に至り,骨折部
に応じて照射法を検討する必要がある.外照射と組織内
の全周を剥離し眼嵩内容を整復した.テンプレートを用
照射を組み合わせた複合照射法は,症例を選べば有効な
いてLactosorb⑧メッシュを成型し,骨折部にonlay graft
治療法となりうる可能性が示唆された.
を行った.【結果】Lactosorb⑧メッシュの偏位,感染
や異物反応により摘出を行った症例はなかった.術後半
25.口腔肩平上皮癌におけるFAMTならびにFDG集積
とMIB-1標識指数に関する検討
年以上の経過観察をおこない,眼球陥凹をl例,眼嵩内
粘液嚢胞をl例に認めた.眼球運動障害,複視の悪化,視
宮下剛, 宮久保満之, 根岸明秀
力障害などの合併症は認めなかった【考察】従来,
横尾聡,l
眼嵩底への移植は自家骨を用いることが主流であった
石北朋宏,2対馬義人2
口徹也,2有坂有紀子2
(1群馬大院・医・顎口腔科学)
が,採骨に伴う合併症やその煩雑'性などが問題であった.
一方で人工物の挿入は,感染の危険'性やその安全'性につ
(2群馬大院・医・放射線診断核医学)
いて疑問視されてきた.しかし, Lactosorb⑧メッシュは
【目的】L-3-[**F] -fluoro- a -methyl tyrosine
生体吸収 性であり,また感染の報告もほとんどなく,成
(FAMT)は,チロシンの18Fポジトロン標識薬剤であ
型も非常に簡便で,今後眼嵩底骨折に最適な再建材料と
る.悪'性腫傷などのアミノ酸輸送の冗進を検出すること
なりうる.ただし,骨折の範囲や形態による適応や吸収
が可能であり,細胞増殖能との関連が示唆されている.
過程での合併症などについて,引き続き経過観察を行い
われわれは, FAMTならびにFDGの集積と増殖関連
マーカーであるMIB-1標識指数との関係を検討したの
再評価する必要がある.
で報告する.【材料及び方法】初期治療前の口腔扇平
24.Nd:YAGレーザーを用いて外照射と組織内照射を
上皮癌患者25例にFAMTおよびFDG-PETを撮影,原
発腫傷に関心領域(ROI)を設定し,トレーサー集積の半
同時に行った頬粘膜血管奇形の1例
金 留 依 , 早 田 隆 司 , 小 川 将
定量値であるSUVの最高値(SUV.
max)を測定した.
PET撮影後1ヶ月以内に原発巣を外科的に切除し,免疫
根 岸 明 秀 , 横 尾 聡
染色を行った. MIB-1の発現は,腫傷総細胞数に対する
宮 崎 英 隆 , 金 舞 , 牧 口 貴 哉
免疫染色陽'性細胞数の割合(%)を標識指数として評価
(群馬大院・医・顎口腔科学)
レーザー治療は血管'性病変に対する有効な治療法の一
した【結果】対象症例25例全例の原発巣において
つであるが,病変自体に厚みのある場合や,病変を被覆
FAMTおよびFDGの有意な集積が見られ, SUV. max
­29­
はFAMTが, 1.3∼7.1: (平均3.5), FDGが, 4.2∼15.9:
(平均9.7)であった.FAMTとMIB-1標識指数との間に
27.開鼻声値の評価基準の検討一口蓋裂患者および口腔
癌患者の言語評価に向けて
は正の相関(r=0.878)が見られた. FDGとMIB-1標識
五味暁憲, 根岸明秀, 平原成浩2
指数との間にも正の相関(r = 0.643)が見られた.【結
緒方祐子,2宮崎秀隆, 牧口貴哉
論】MIB-1の発現は,腫傷細胞の増殖を反映する.今回
高 山 優 ,
横 尾 聡
の検討から,口腔扇平上皮癌の腫傷増殖能は, FAMTお
(l群馬大院・医・顎口腔科学)
よびFDG-PETにより推定できることが示唆された.
(2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口
腔顎顔面外科学)
26.再度の腸骨移植を必要とした口唇・ロ蓋裂症例の検
【目的】口蓋形成術後や上顎腫傷術後の鼻咽腔閉鎖機
能について,開鼻声の評価にナゾメーター検査は有用と
討
根岸明秀,五味暁憲,宮崎英隆
言われているが,健常者の開鼻声値を報告したものは少
牧 口 貴 哉 , 横 尾 聡
ない.我々は鼻咽腔機能評価をするためのナゾメーター
(群馬大院・医・顎口腔科学)
の基準値を設定することを目的に,健常者の開鼻声値を
口唇・口蓋裂症例では計画に基づく一貫治療が一般的
調査してきた.開鼻声値は'性や方言などの影響を受ける
になり,顎裂に対し適時に骨移植を行うことにより良好
と言われており,検査基準を作成するにあたり'性差,地
な歯槽形態の回復がなされるようになった.しかし,移
域差を検討する必要がある.今回は健常成人の開鼻声値
植骨量の不足,閉鎖弁の緊張等に起因した歯槽高径の低
の性差,地域差について検討した.【対象】 性差の検
下により再度の骨移植が必要になる場合もある.今回,
討は,健常成人124名(男'性71名,女 性53名)で行った.
他院にて腸骨移植による顎裂閉鎖術が施行されたもの
平均年齢は25.5 5.3歳(男'性26.0士5.3歳,女'性24.8士
の,歯槽形態が不良なため矯正歯科医より再度の骨移植
5.2歳)であった.地域差の検討は健常成人男'性に限り,
を依頼された症例について検討したので報告する.
関東地方出身者12名(28.2 4.9歳),関西地方出身者12
2000年4月より2010年9月に当科にて腸骨移植によ
名(25.5 1.5歳),九州地方出身者38名(26.03.8歳)で
る顎裂閉鎖術を施行した45例中再骨移植術であった18
行った.【方法】Nasometer II 6450を用い,母音/a/
̅/o/,口唇音/p/, /b/,歯茎音Asu/,短文(低圧文「よう
例23顎裂を対象とした.
裂型は片側唇顎口蓋裂11例,両側唇顎口蓋裂4例,片
いはおおい」,高圧文「きつつきがきをつつく」)を発話し
側唇顎裂2例,両側唇顎裂1例であった.他院での初回
た際の開鼻声値(%)を得た.【結果と考察】〈性差>
骨移植術は6∼15歳時であり, 2例は2回の骨移植が施
母音の平均値は¥lが最高で39.0+19.1%であった.子音,
行されていた.再骨移植術前の顎裂部は,狭小な骨架橋
低圧文,高圧文はいずれも30%未満の値であった.
が4顎裂に認められたが,他は骨の連続 性は失われ, 11
Mann- WhitneyのU検定を用いた男女間の比較では
顎裂では移植骨が消失していた.顎裂閉鎖弁は,歯肉
hi, N以外は有意差を認め,評価基準値は男女別にす
弁十口蓋弁9例,歯肉弁十舌弁3例,頬粘膜弁6例であ
る必要があると考えた.〈地域差>母音では3群ともN
り, 11例に痩孔を認めた.当院での再骨移植術は初回か
が最も高く,関東群43.6 14.8%,関西群20.3 16.4%,
ら2∼12年後に施行された.移植骨量は3.5∼15.5gであ
九州群35.4 16.9%であり,関東群は関西群より有意に
り,閉鎖弁は歯肉あるいは頬粘膜伸展弁と口蓋弁を用い
高かった.子音は3群とも被検音間に差は認めず,地域
たが,十分な減張操作が必要であり,残存骨の除去や顎
差も認めなかった.低圧文,高圧文は関東群が他群より
裂部への萌出歯の抜去が必要な場合もあった.術後6か
高い傾向を示した.母音で地域差を認めたことから,地
月以上の顎裂部の画像評価では,軽度の骨吸収を認めた
域別基準値を検討する必要があると考えた.
5顎裂以外は,十分な骨架橋が得られた.また,痩孔再発
は認めなかった.
口唇・口蓋裂症例では顎裂部への骨移植による歯槽堤
28.大胸筋皮弁再建における内側胸筋神経温存・再形成
の意義
再建は必須の手術である.前回手術の詳細は不明である
高山優,宮崎英隆,牧口貴哉
が,移植骨量の不足,移植床や閉鎖弁作製方法の問題点
横尾聡(群馬大院・医・顎口腔科学)
が示唆された.また,再骨移植後に軽度の骨吸収を認め
【はじめに】大胸筋皮弁(以下PMMC)は,血管柄付き
た症例もあり,再骨移植術は困難になる要因が多くなる
遊離皮弁がルーチンに導入されるまでは,顎口腔再建の
ため,初回骨移植術は適切な手技により,十分量の骨を
中心的な再建材料であった.しかし,ローテイション・
移植することが重要と考えられた.
アークの問題の他に,筋体の早期萎縮や脂肪量の減少が
著しく,術後の機能や整容'性に影響が出やすい皮弁であ
ることは以前から指摘されていた.われわれはPMMC
大は認めず経過良好である.【病理組織学的検討】全
の著しい筋体萎縮を解決するために,大胸筋の運動神経
症例免疫染色を施行して, S-100蛋白およびCD-la陽 性
である内側胸筋神経を温存して挙上,または切断した場
のランケルハンス細胞の増殖を認め,
合でも必要に応じて,挙上後の再形成を行っている.今
た.さらに,臨床的進展度と組織学的所見との関係を調
回,PMMCにおける内側胸筋神経温存・再形成の意義に
べるために, MIB-1 index, LCHに特有の核の切れ込みを
ついて臨床的および病理組織学的に検討した.【対象お
有するランゲルハンス細胞の数を測定した.また,アポ
よび方法】過去14年間に挙上したPMMC63例中,下
トーシスに陥ったランゲルハンス細胞の割合を比較する
顎半側切除後の整容再建のために内側胸筋神経を温存ま
ために, TUNEL法による検討を行った.【考察】核
たは再形成した6例と同様の目的で使用した腹直筋皮弁
の切れ込みを有するランゲルハンス細胞の割合は30%
6例を対象とし,術後1年の時点で患者への問診による
スコアリング(かなりやせた:0点,少しやせた: 1点,
前後, MIB-1 indexは10∼40%, TUNEL陽'性細胞率は3
∼35%であったが,いずれも臨床的進展度との間に関連
やせた自覚なし:2点)にて内側胸筋神経切断症例群と
性は見いだせなかった.【結語】LCHの治療法決定
比較した.さらに, PMMC移植後,経過観察中に大胸筋
因子は臨床的進展度であるため,早期のスクリーニング
の採取が可能であった症例に対しては,筋組織の病理組
による病型把握が重要であると考えられた.
LCHと診断され
織学的検討を行った.筋組織の萎縮については,筋線維
の直径を計測また筋組織の萎縮および老化において
30.フローサイトメトリーによる血球由来マイクロパー
type I線維が減少することを利用してPAS染色にて線
ティクルの測定法
維の識別を行い評価した.筋組織の細胞活'性については
小川孔幸, 内海英貴, 三井健揮
PCNA染色を用いて評価した.【結果】1.大胸筋皮
横漬章彦,3半田寛, 塚本憲史z
弁の内側胸筋神経温存・再形成群および腹直筋皮弁再建
野島美久
群は内側胸筋神経切断群に比較して有意に高いスコアで
(l群馬大院・医・生体統御内科学)
あった.2.切断症例では筋線維の早期の萎縮が観察され,
(2群馬大医・附属病院・腫傷センター)
また全筋原線維中に占めるtype I線維の増殖活'性率は切
(3群馬大医・附属病院・輸血部)
断症例で明らかな低下が認められた.【結語】大胸
マイクロパーティクル(microparticle; MP)は,細胞
筋皮弁において内側胸筋神経の温存・再形成は筋体萎縮
の活 性化やアポトーシスの際に放出される径0.05∼l
を可及的抑制することが出来ると考えられた.
"mの膜遺残物で, 1967年にWolfがplatelet dustとして
報告したのが最初の報告である.近年, MPは血小板以外
29.顎口腔領域に生じたLangerhans cell histiocytosis
の臨床的検討
にも白血球,赤血球,血管内皮細胞等の種々の細胞から
放出されることが分かってきたが,正常血築中のMPの
小川将,信津愛子,宮崎英隆
約70%以上は血小板由来であると報告されている. MP
根 岸 明 秀 , 横 尾 聡
は非常に微小であり定量化が困難であったが, 1990年代
よりフローサイトメトリー(FACS)を用いた定量的測
(群馬大院・医・顎口腔科学)
【緒言】Langerhans cell histiocytosis (以下LCH)は
定法が開発された.
FACSはMPを粒子数として定量で
ランゲルハンス細胞の増殖をきたす非常に稀な疾患であ
き,かつ各種膜抗原に対するモノクローナル抗体を使用
り,その病因はいまだ不明で,現在も治療法に関して
することにより,同一検体において各種由来細胞から放
様々な検討がなされている.今回,われわれは当科で経
出されたMPを測定できるという利点がある.一方,
験したLCH7例について,臨床所見,病理組織学的所見,
"m以下とFACSの測定感度限界であるためノイズの
治療法,予後などに関して臨床的検討を行ったので報告
問題もあり,現在においてもFACSを用いたMP測定法
する.【症例と経過】対象は1992年から2010年まで
は標準化されていない.
1
の19年間に当科を受診し, LCHと病理組織学的に診断
今回我々は, FACS (BD FACS Canto), 3種類のサイ
された7例(男'性2名,女'性5名)である.初診時年齢は
ズピーズ(0.Sum, 0.9/*m, 2.0urn)によるゲート設定とカ
10か月から65歳であり, Histiocyte societyの提唱する
ウントビーズによる定量,膜リン脂質(フォスファチジ
病型別に分類すると,単臓器単病変型4例,多臓器多病
ルセリン)と由来細胞膜抗原(GP-A, CD42a, CD51)に
変型3例であった.治療法は外科的療法単独l例,外科
対する抗体の二重染色法によるMPの測定法の開発を
的療法十放射線外照射2例,外科的療法十化学療法l例,
試みた.
化学療法単独2例,経過観察中に病変の縮小を認めたも
我々の測定法を用い,既報の3種類の遠心条件で精製
のがl例であった.予後はいずれも再発および病変の増
した健常人血紫でMPを測定したところ,どの遠心条件
­31­
においてもGP-A陽'性の赤血球由来MP
(RDMP)が
出血傾向と血小板数により判定される.いくつかの調査
CD42a陽'性のPDMPよりも多かった(RDMP52.1
ではITPにおいて血小板減少の程度と様々なサイトカ
23.3, PDMP3.51士2.68, P<0.0001).また,健常人とITP
インの関連が報告されている.我々は血小板減少症の重
症例血蕊の血小板10万/"l当たりのPDMP量を比較し
症度とIL-10, IL-17F,IL-18のサイトカイン多型との関
たところ,既報と同様にITP症例で有意に増加(P<
連を調べた.【対象と方法】93人の 慢 性ITP患者と対
0.001)しており,かつITPのピロリ除菌群においては,
象とした.初診時血小板数はl 10VL∼95 10VLに分
経過中の血小板増加時に有意なPDMP数の上昇を認め
布し,平均値26 10VLであった.
た.この測定法では,ノイズを除外でき,かつ由来細胞ご
10VL未満の重症血小板減少症(ST群)であり,10 10V
とのMP量を正確に定量できると考えられる.
L以上の患者(non-ST群)と比較した.
IL-10-1082,
-819,
-592とIL-17FのGenotypingはPCR-RFLP法
31.多発性骨髄腫におけるInterleukin-18 promoter多
を, IL-18-607, -137のgenotypingはallele-specific PCR
93人中17人が10X
法を用いて行った. Allele頻度の統計解析にはa:'"testを
型解析
高荷智紀, 森山紀彦, 斉藤貴之2
用いた.統計的有意差はp<0.05とした【結果】ST
村上博和
群はnon-ST群と比較して有意に発症年齢中央値が高く
(l群馬大院・保・生体0情報検査科学)
(ST群: non-ST群= 59歳: 38歳, p<0.01),より重症出
(2群馬大医・附属病院・腫傷センター)
血傾向の頻度が高かった(ST群: non-ST群= : 100% :
【背景】Interleukin-18 (IL-18)は炎症 性サイトカイ
54 %, p<0.0001). ST群ではnon-ST群と比べてIL-17F
ンの一つで,感染症,炎症 性疾患,悪 性腫傷の病態に重要
7488T T遺伝子型の頻度が有意に高かった(ST群:
な役割を果たしている.マウスモデル実験では,
IL-18
non-ST=100%: 81%, p<0.05).しかし, IL-10, IL-18
は,多発 性骨髄腫において抗腫傷効果を持つことが示さ
多型に関してはST群とnon-ST群間に有意な差は見ら
れている.我々は, IL-18mRNAの転写活'性に影響を与
れなかった.【結論】IL-17F多型は慢'性ITPの重症
えるIL-18-607 A/Cと-137G/Cの多型と骨髄腫の関連
度に影響を与えることが示唆された.
について検討した.【方法】骨髄腫患者93人と健常
者153人を解析した. Genotypingは, allele-specific PCR
33.Helicobacter Pylo〃感染患者除菌前後におけるリン
パ球サブセットの解析
法を用いて決定し, Genotypeやallele頻度は, a:2-testを
用いて解析した.また臨床的特徴や検査データの解析に
佐藤友香, 小河原はっ江, 井出規文
は, i:*-testやstudent t-testを用いた.統計的有意差は
新井勝哉, 渡部悟, 牛木和美2
p < 0 . 0 5 と し た . 【 結 果 】 骨 髄 腫 患 者 の I L- 1 8 1 3 7
CC, GCのGenotype頻度は健常者と比較して有意に高
神山知沙子,2井上まどか,2静怜子2
かった(34% vs. 22%, p<0.05). allele頻度においても骨
草野元康,3村上博和
早川昌基,2河村修,3下山康之3
髄腫患者のIL-18137C alleleが健常者よりも高かった
(l群馬大院・保・生体'情報検査科学)
(19% vs、12%, p<0.05).さらに, IL-18137 CC, GC
Genotypeは多発'性骨髄腫の国際病期分類システムISS
(2群馬大医・附属病院・検査部)
(3群馬大医・附属病院・光学医療診療
の進行病期(p<0.05),ヘモグロビンの低値(p<0.05)と
部
)
【目的】H石此O加c〃〃〃* (HP)感染では特発'性血
関連がみられた. IL-18-607A/CのGenotype, allele頻度
ともに健常者と骨髄腫患者間に有意差は見られなかっ
小板減少'性紫斑病などの自己免疫疾患との関連が報告さ
た.【結論】IL-18137のG/C多型は骨髄腫の発症
れてきた.今回我々はHP除菌前後で末梢血リンパ球サ
や腫傷の進展を含めた臨床的特徴に関与していることが
ブセットの変動について検討したので報告する.【対象
示唆された.
及び方法】HP感染が認められ,インフォームドコンセ
ントにより同意が得られた患者12名(男10名,女'性2
32.特発'性血'j板減少性紫斑病の重症度とサイトカイン
名)を対象とした.除菌前及び除菌確認3∼5ヵ月後に採
血を行い,全血算(CBC),白血球分画(DIFF), CD4/CD8
多型
森山紀彦, 牛江千明, 高荷智紀
比, CD4+CD25 + T細胞比率,制御'性T細胞(Treg)比
斉藤貴之,2村上博和
率およびThl/Th2比を測定した.統計解析はSPSS
(1群馬大院・保・生体'情報検査科学)
Statics 17 (IBM)を使用し,対応あるサンプルのt検定に
(2群馬大医・附属病院・腫癌センター)
より解析し,
【背景】特発 性血小板減少 性紫斑病(ITP)の重症度は
p値0.05未満を有意とした.【結果】
HP除菌前後でCD4/CD8比, Thl/Th2比, Treg細胞比
­32­
率に有意な変化はみられなかったが, CD4+CD25 + T
T%とくに活'性化CD4+T%が減少したことから,住宅
細胞比率の平均値は除菌前に比して除菌後増加傾向を示
内環境改善によるアレルギー症状の軽減をCD4+T細
した.一方, CBCでは除菌前に比して除菌後,赤血球数の
胞サブセットの変化から確認することが出来た.
有意な増加(前:後=4.58 lOiVl: 4.65 101V1,
p<
0.05)と,血小板数の有意な減少がみられた(前:後=
35.合成洗剤アルキルベンゼンスルホン酸の酵母に対す
227.9 lOVl: 205.8 10y1, p<0.05).【考察および結
る毒性解析と変異株の単離
論】CD4+CD25 + T細胞比率の増加傾向は,除菌後も
T細胞の活 性化が継続している可能性が考えられた.赤
神道麻美, 伊藤昇, 菅井貴裕2
田中進,3保坂公平
血球数の増加および血小板数の減少は胃粘膜からの出血
(1群馬大院・保健学研究科・保健学専攻)
や炎症が治まったためと考えられた.
(2群馬大医・附属病院・輸血部)
(3高崎健康福祉大学健康福祉学部健康栄
34.総合アレルギー対策住宅転居によるCD4陽性T細
養学科)
胞サブセットの変化
アルキルベンゼンスルホン酸(ABS)は合成洗剤であ
新井勝哉, 小河原はっ江, 井出規文
り,アニオン界面活'性剤として優れた洗浄力を持ってい
渡部悟, 佐藤友香1牛木和美2
るので広く使用されている.しかし,生体への刺激'性の
井上まどか,2静怜子,2早川昌基2
高さと微生物では分解しにくい分岐鎖型構造が問題視さ
小林良乃,2村上正巳,2土橋邦生1
れていた.今日ではABSはほぼ直鎖アルキルベンゼン
原
スルホン酸(LAS)に代わっている. LASは易分解'性で
浩毅,3村上博和
(l群馬大院・保・生体 情報検査科学)
あり生体への影響に関する知見が蓄積されつつあるが,
(2群馬大医・附属病院・臨床検査医学)
未だ不十分である.本研究では真核生物である酵母に対
(3ハラサワホーム株式会社)
するLASの毒'性とそのメカニズムの解析を試みた.そ
【目的】総合アレルギー対策住宅へ転居した被験者の
CD4陽性T細胞サブセットの変化を検討したので報告
の結果,出芽酵母では0.1 mM∼0.5 mM,分裂酵母では0.
03 mM∼0.1 mMのLAS濃度でそれぞれ増殖を阻害し
する.【対象及び方法】上記住宅への転居前および6ヶ
た.界面活'性剤は生体膜に影響を与えるので,種々の膜
月後に, 14組の家族計21名について,全血算(CBC),白
脂質合成変異株に対する感受'性を調べたところエルゴス
血球分類(DIFF), CD4/CD8比, Thl/Th2比, CD4H-
テロール合成欠陥のあるerg 6株は25 uMで完全に増殖
CD25 + T細胞比率(%),制御'性T細胞(Treg) %を測定
阻害される超感受'性を示した.更に出芽酵母の野生株に
した.統計解析は, Studentの対応のあるt検定を用い, p
エチルメタンスルホン酸処理をし, LAS感受 性や抵抗'性
値0.05未満を有意とした.【結果】対象者21名をア
レルギー群(A群; 13名)と健常群(C群; 8名)に分け
を示す変異株を複数個単離した.感受'性変異株は野生株
て比較した. CBC, DIFF, CD4/CD8比およびThl/Th2
る0.025 mM∼0.1 mMにおいて感受'性を示した.とこ
比は,いずれの群も転居前後で有意差を認めなかった.
一方, A群におけるCD4+CD25 + T%の平均値(95%C.
ろが,変異株のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)に対する
の発育可能なLAS濃度と比較して明らかに低濃度であ
感受'性を調べたところ,全て感受'性変異株はSDS0.05
I.)は転居後に有意に低下した(転居前; 15.52 (12.13
-18.92) %,転居後; 11.74 (8.79∼14.69) % : p<0.01).
mMでも完全に発育し,野生株と比較して感受'性の変化
しかし,
Treg%は転居前後で有意な変化を認めず,
LASに対する特異的な標的に変化が起きていることが
CD4+CD25 + T%からTreg%を差し引いた活'性化
考えられた.今後,感受'性に関与する遺伝子グループを
CD4+T%のみが転居後に有意に低下した(p<0.05).
分子遺伝学的方法により整理して,更にそれらの遺伝子
【考察・結論】アレルギー群において,
のクローニングを行う予定である.
CD4H-CD25 +
が見られなかった.この結果から,感受'性変異株では
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