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大学間連携研修案内 2010 - 秋田大学医学部附属病院|大学病院連携

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大学間連携研修案内 2010 - 秋田大学医学部附属病院|大学病院連携
大学間連携研修案内
2010
新潟大学医歯学総合病院
「NAR 大学・地域連携『+α 専門医』の養成」プログラムでは、新潟大学、
秋田大学、琉球大学共通の専門研修プログラムを設定し、研修を行っておりま
すが、大学間交流の推進のため、短期研修の相互受け入れも積極的に推進して
おります。
今回、短期研修申し込みの参考資料として、各コースの短期研修の特徴をま
とめた冊子を作成しました。
内容は、
・診療科および病院の案内
・外来診察(学生指導、研修医指導を含む)
・他科病棟往診(研修医指導を含む)
・病棟業務(学生指導、研修医指導を含む)
・カンファレンス
・高度先進医療
などです。
フローチャートに示す通り手続きも簡単で、旅費、宿泊費もNARの事業費か
ら支給されますので、是非ご検討ください。
新潟大学医歯学総合病院
1
医師キャリア支援センター部長
鈴木 栄一
2
宿泊施設等については(受)センターからの情報を(派)センターより提供
し、基本的には研修希望が手配するが、希望があれば(派)センターにて
手配
研修実施
研修終了後、報告書を提出
旅費の支給
⑩
⑪
⑫
研修希望者と(受)当該科主任者とで調整
研修内容について
研修希望者と(受)センターへ連絡
書類等手続きについて、(派)センターは
⑨
⑧
⑦
受入決定連絡後、(派)当該科主任者は
研修希望者と(派)センターに確認・報告
⑥
(受)センターは(受)当該科主任者へ研修希望を連絡
④
希望を受け、受入可否について(受)当該科主任者は
①(派)当該科主任者へ連絡
②(受)センターへ報告
(派)センターは(受)センターへ連絡
③
⑤
(派)当該科主任者は(派)センターへ連絡
派遣元大学)研修希望者が所属科主任者(分野別コーディネータ等)に研
修を申し出る。
②
①
⑤のフローへ進む。但しその旨センターへ連絡をする。
主任者同士が連絡を取り合える場合は※で進め、④までを省略し
研修希望者
確認
報告書提出
研修開始
宿泊、交通手段
手配
研修内容
相談・確認
書類等提出
受入決定確認
研修希望
( 専門研修医、指導医)
診療科
受入決定連絡
確認
研修希望
確認
(分野別コーディネータ、
総括医長等)
主任者
派遣元大学
旅費支給
確認
情報提供・相談
手続等
事務連絡
受入先大学、研修
者、期間、診療科
等確認
※
研修希望
確認
センター
センター
受入先大学
研修受入
研修内容
相談・確認
受入可否連絡
確認
( 分野別コーディネータ)
主任者
診療科
情報提供
手続等
事務連絡
確認
研修希望
確認
センター
センター
派遣元大学の交流研修医が受け入れ先大学及び受入先大学協力施設での研修を希望する場合のフロー
コース一覧
診療科
ページ
N血液専門医養成コース
第一内科
4
N内分泌代謝・糖尿病内科専門医養成コース
第一内科
5
N循環器内科専門医養成コース
第一内科
N腎・膠原病専門医養成コース
第二内科
6
N糖尿病専門医養成コース
第二内科
7
N呼吸器専門医養成コース
第二内科
8
N心身医学(心療内科)専門医養成コース
第二内科
N消化器肝臓専門医養成コース
第三内科
N消化器胃腸・胆・膵専門医養成コース
第三内科
N精神科専門医養成コース
精神科
10
N小児科専門医および小児科サブスペシャリティー専門医養成コース
小児科
11
N消化器・一般外科専門医養成コース
第一外科
N成人心臓血管外科専門医養成コース
第二外科
12
N小児心臓血管外科専門医養成コース
第二外科
13
N呼吸器外科専門医養成コース
第二外科
14
N整形外科専門医養成コース
整形外科
15
N小児外科専門医養成コース
小児外科
N形成外科専門医養成コース
形成外科
16
N皮膚科専門医養成コース
皮膚科
17
N泌尿器専門医養成コース
泌尿器科
18
N眼科専門医養成コース
眼科
19
N耳鼻咽喉科専門医養成コース
耳鼻咽喉科
20
N放射線専門医養成コース
放射線科
21
N産科婦人科専門医養成コース
産科婦人科
N麻酔科専門医養成コース
麻酔科
N脳神経外科専門医養成コース
脳神経外科
N神経内科専門医養成コース
神経内科
23
N救急医学専門医養成コース
高次救命災害治療センター
24
Nリハビリテーション専門医養成コース
総合リハビリテーションセンター
N血液浄化療法専門医養成コース
血液浄化療法部
N総合診療医専門医養成コース
総合診療部
3
9
22
N血液専門医養成コース
第一内科
新潟大学血液内科は、新潟県内はもとより山形県荘内地方、福島県会津地方
を含めた診療圏における血液疾患の 3 次医療を担っています。とくに造血器腫
瘍、造血不全疾患に対する造血幹細胞移植は本邦有数の歴史を有します。同種
骨髄移植は 1981 年(高密度無菌治療部の認可は 1982 年)に開始され、2007 年
4 月現在で 277 名(再移植例を含む)の同種造血幹細胞移植経験を有していま
す。現在は、血縁者間骨髄移植と末梢血幹細胞移植、非血縁者間骨髄移植、非
血縁者間臍帯血移植、HLA 非適合移植、骨髄非破壊的移植、自家末梢血幹細胞
移植といった多様な造血細胞移植に対応しており、患者様の病態に合わせた適
切な移植医療の提供に努めています。また GVHD のコントロールを重要なテーマ
としていますが、孤立した移植療法ではなく、診断から化学療法、そして移植
に至る一貫した治療選択肢のなかで適切に造血幹細胞移植を組み入れ、患者様
の治療成績の向上を図ることを心がけています。
輸血・再生医療部門では、輸血関連検査や院内における安全で効率的な輸血
療法の推進をし、細胞治療を行う輸血・細胞治療室とヒトの身体を構成してい
る細胞や組織を利用して再生医療を行う細胞プロセッシング室を備えています。
スタッフは血液内科全般にわたる知識と経験を有し、血液疾患全般にわたり
高度な専門医療の提供が可能です。また主な研究テーマとして、骨髄細胞移植
による血管再生機構の検討、 腫瘍免疫学における樹状細胞・T 細胞の機能解析、
免疫機構におけるシグナル伝達の解析、血小板におけるシグナル伝達の検討、
正常造血幹細胞および白血病性幹細胞の維持・増殖機構の解析、腫瘍特異的お
よび造血不全関連抗原の解析、リンパ性腫瘍の発生機構、同種免疫を中心とし
た移植免疫機構の解析、などに取り組んでいます。
4
N内分泌代謝・糖尿病内科専門医養成コース
当分野では、糖尿病と内分泌疾患を中心に診療・研究を行っています。患者
数は糖尿病が圧倒的に大多数を占めますが、内分泌疾患のために糖尿病を発症
するケースもあり、両分野にわたり、総合的に診断・治療していくことができ
ます。また、循環器分野と連携し、動脈硬化性疾患の一次予防、二次予防を含
め、高血圧・脂質代謝異常等、全身の代謝改善を重要視し、診療を行っていま
す。
対象疾患については、外来・入院とも一番多いのは糖尿病です。糖尿病外来
では、長期にわたり通院されている 1 型糖尿病の患者様も多くいます。最近で
は特に 2 型糖尿病が激増しています。糖尿病合併妊娠も増えており、周産期の
血糖管理も積極的に行っています。また他疾患で大学病院を受診し、周術期に
血糖管理が必要な場合のアドバイス等も当分野で行っています。一方内分泌疾
患については、症例数は少ないものの、新潟県内の内分泌疾患は当分野に精査
依頼が来ることが多く、バラエティーに富んだ症例を経験することができます。
頑固な不定愁訴を長年訴え続けた患者が、その病態の背後に内分泌異常が隠さ
れており、適切なホルモン治療の開始により、見違えるように元気になり退院
していくこともあります。また糖尿病や高血圧、脂質代謝異常、骨粗鬆症など
の疾患で治療に抵抗する場合にはクッシング症候群の可能性がある等、比較的
見逃されがちな疾患を発見し、診断、治療につなげていく、そんな楽しみがあ
る分野です。
当分野で研修することにより一般内科医としての技量を身につけるとともに、
内科認定医、専門医、糖尿病専門医、内分泌専門医等の取得を目指します。ま
た増加する糖尿病、脂質異常症、肥満や高血圧症等、生活習慣に深く関わり、
動脈硬化を促進する各種疾患の管理を学び、血管合併症の抑制のための基礎及
び臨床研究を進めることで患者さんと社会への貢献を目指します。また内分泌
疾患のみならず、血液学及び循環器学分野との共同研究で血管合併症の発症と
進展のメカニズムの解析に取り組んでいます。特に内臓肥満を背景としたメタ
ボリックシンドロームの早期発見と予防のための基礎及び臨床研究を協力して
行っています。希望者は基礎医学教室への出向も可能です。また専門医の取得
後、更に研究を発展させるため海外へ留学する場合もあります。
5
N腎・膠原病専門医養成コース
第二内科
新潟大学の腎臓内科での診療の特色は、臨床から基礎まで総合的に診療・研
究が行われていることである。具体的には、①年間約 400 例の腎生検症例があ
り、過去の症例も含めると 1 万例を超えており、その所見はデータベース化さ
れている。臨床所見やゲノム遺伝子情報と組み合わせた包括的な解析が進行中
である。②透析医療については、新潟県は全国の中で長期透析患者の割合が最
も高い県である。当科および血液浄化部では県内の関連施設から多くの透析患
者を受け入れ、さまざまな合併症に対する集学的な治療が行われている。研究
面では腎性貧血やカルシウム・骨代謝、透析アミロイドーシスに関する臨床研
究が行われている。また高度救命災害治療センターが開設され、救急医療での
急性腎不全・多臓器不全などの数多くの症例を経験している。③腎移植症例に
ついては、泌尿器科と共同で主治医となり、移植前後の管理を行っている。血
液型不適合移植などのハイリスク症例も積極的に治療しており、移植医療の最
前線を学ぶことができる。
膠原病診療の特色としては、リウマチ専門医の指導のもとで県内各施設から
紹介されるリウマチ性疾患や自己免疫疾患など、幅広く診療にあたっている。
各膠原病の腎組織病変や関節リウマチとアミロイドに関する臨床研究も活発に
行われている。
さらに腎臓を専門に研究する施設としては国内で唯一の腎研究施設との交流
も盛んである。腎研究施設には構造病理学、分子病態学、機能制御学があり、
大学院生を中心に腎臓の基礎的研究、実験腎炎、プロテオミクスなどを学び、
その方法や成果は臨床の現場にフィードバックされている。
各大学での診療・教育・研究で中心的な役割を果たされている指導医の先生
方で交流を含めることは、より密な連携プログラムとなり、そしてより多くの
若い先生方が腎臓・膠原病内科学領域へ興味を持ち、将来を志すことへつなが
ると思われる。
6
N糖尿病専門医養成コース
第二内科
本コースでは、POS に従って病歴、身体所見、検査データからプロブレムを
挙げ、系統立てて鑑別診断を進める能力、Evidence Based Medicine を実践す
る能力を養い、最新・最良の糖尿病診療を行える専門医の育成を目的とします。
以前より第二内科では腎臓・血液浄化分野を得意にしており、糖尿病発症初期
より末期腎不全・腎移植までを総合的・包括的に研修することが可能です。糖
尿病入院診療の中で最大の問題は合併症対策であり、合併症進行例(足壊疽や
透析など)の管理を習得することは将来の糖尿病専門医として活躍する上で極
めて重要であり、血糖コントロール以外の面で指導医クラスの先生方にも興味
深く見てもらえると思います。なお、本コースと腎臓内科コースは、同一の病
棟単位(第二内科)にて研修が実施されるので、同時に研修可能です。たとえ
ば、腎臓内科では、内科医自ら内シャントの手術を行うので、その際に直接橈
骨動脈の動脈硬化を目の当たりに出来ます。実際にプラークを見ることは、ま
た、難治性感染症を併発した場合など、身近に感染管理部門がありコンサルト
を得やすい環境にあり、実際の連携体制を見学していただくことも意義深いと
思われます。さらに、従来の基礎科学と臨床医学の垣根を外し、双方の seeds
と needs を結びつけ、新しい産物を生み出すことを目標として平成 15 年 4 月に
設立された「機能分子医学寄附講座」と連携しています。この講座では、腎臓
の蛋白代謝にかかわる機能分子の解析から、糖尿病やメタボリックシンドロー
ムなどの代謝疾患に関係する腎障害の発症機序の解明と臨床応用をめざしてい
ます。この研究風景を見学してもらうことで、トランスレーショナルな研究に
興味を持っていただき、今後の共同研究に発展出来れば、この交流も大変意義
深いことになります。ならびに糖尿病と高血圧関連の臨床研究も行っており、
そのノウハウを学びに来ていただくのも歓迎いたします。
7
N呼吸器専門医養成コース
第二内科
N呼吸器専門医養成コースは、呼吸器専門医+αを養成する 6 年間のコース
を基本とする。本コースにおいて取得可能な認定医・専門医は、以下の通り多
岐にわたり、呼吸器専門医としての修練を積みながら自由度の高い+αの臨床力
と資格を得られることが特徴である。
学会等名
資格名
日本呼吸器学会
呼吸器専門医
日本内科学会
認定内科医
日本内科学会
総合内科専門医
日本アレルギー学会
アレルギー専門医
日本呼吸器内視鏡学会
気管支鏡専門医
日本感染症学会
感染症専門医
ICD 制度協議会
Infection
Doctor
がん治療認定機構
がん治療認定医
日本臨床腫瘍学会
がん薬物療法専門医
日本睡眠学会
睡眠医療認定医
Control
新潟県内の呼吸器専門医は 86 名(平成 22 年 8 月現在)であり、近県である
富山県 40 名、石川県 42 名、山形県 34 名、福島県 38 名、群馬県 78 名、長野
県 69 名と比べても多く、研修病院においては呼吸器専門医・指導医からの十分
な指導を受けることができる。また、全県の病院に新潟大学出身または関連の
先生が配置していることから、稀少疾患の集積が可能であり、肺胞蛋白症や肺
脈管筋腫症といった疾患の世界的臨床試験の数少ない治験実施施設の一つとし
て新潟大学が選ばれている。これは、貴重な疾患に対する最新治療の経験がで
きることを意味している。Common disease についても東京大学などと治験アラ
イアンスの契約を結び、日本における呼吸器学の発展に寄与している。
一方、このコースに参加している間に基礎的な研究を行い、医学博士を取得
することが可能である。UCSD、NIH、Cleveland Clinic などへの留学により研
究の研鑽を積んだ指導者が十分な指導を行っている。
以上のように、臨床における幅広い研修に止まらず基礎研究まで自由に選択し
+αの有意義な力を得ることができることにこのコースの大きな特色がある。
他大学からの短期研修であっても選択した一部を重点的に研修することにより
必要十分な修練が可能である。
8
N消化器肝臓専門医養成コース
第三内科
本コースは卒後臨床研修を修了した医師を対象とし、消化器内科肝臓専門医
を養成するコースである。当科は肝疾患の診断、治療に関しては伝統的に非常
に力を入れている内科であり、標準的な疾患に関してはルチンに数多くの症例
の検査、治療が行われている。大学病院という性格上、他科からのコンサルト
症例も多く、また関連病院から診断、治療に困難な症例も多数紹介されてくる。
具体的に診療内容を図式化して以下に示す。
病棟グループ回診による毎週の症例
個別検討
血管造影と穿刺治療検討
血管造影検査及びIVR治療
エコー下穿刺による肝生検や
ラジオ波等の治療
第一外科肝、胆、膵班検討会、
肝移植検討会との連携
肝組織検討会
病棟には常時約 20 名の肝疾患患者(慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんなど)が入
院しており、
上に示したような流れで診断、治療が進行している。また、第一外科胆肝膵グ
ループとの連携もあり、肝移植までの流れも学ぶことができる。
9
N精神科専門医養成コース
精神科
新潟大学医歯学総合病院精神科では、
「うつ病」、
「統合失調症」、
「児童思春期」、
「物忘れ」などの専門外来を設置しているため、興味をお持ちの専門外来での
研修が可能です。各専門外来の特色は以下の通りです。
1) うつ病:ハミルトンうつ病評価尺度および副作用評価シートなどを用い
て出来るだけ客観的に効果と副作用を評価し、うつ病の寛解を目指して薬
物療法を行っています。うつ病の寛解を予測する生物学的マーカーの同定
を目指して、薬理遺伝学的研究も進めています。
2) 統合失調症:陽性・陰性症状評価尺度および UKU 副作用評価尺度などを
用いて出来るだけ客観的に効果と副作用を評価し、統合失調症の薬物療法
を行っています。患者さんの健康に影響を及ぼす糖・脂質代謝異常や性機
能障害などの抗精神病薬の副作用にも十分に注意を払って治療を行ってお
り、抗精神病薬の副作用に関する薬理遺伝学的研究も進めています。
3) 児童思春期:2007 年に「新潟大学こころの発達医学センター」が設立
され、同センターに所属し専門教育を受けた児童精神科医が診療にあたっ
ています。同センターでは、広汎性発達障害や注意欠如・多動性障害など
の疫学研究、脳画像研究、分子遺伝研究、生化学研究、治療介入研究など
多角的包括的な研究を行っています。
4) もの忘れ:詳細な認知機能評価と画像検査(脳波、MRI、SPECT)により
認知障害の鑑別を行った上で、個々の症例に適した治療を選択しています。
研究テーマとして認知症・軽度認知障害の脳萎縮・脳血管障害の分析を進
めています。
入院症例に対しては、入院時と退院時に個々の症例に関する詳しいサマリー
を担当医が作成し、それをもとに教員、医員、研修医が集まって診断や治療を
検討します。この検討会を通してより専門性の高い知識を蓄積していきます。
10
N小児科専門医および小児科サブスペシャリティー専門医養成コース
小児科
新潟大学小児科では、主に腎・免疫、血液・腫瘍、循環器、内分泌・代謝お
よび新生児の 5 つの診療班が中心となって専門診療に取り組んでいます。
腎臓班は、国内の小児科で初めて腎生検を行うなど大変古い歴史をもち、北
信越地方の拠点として小児の急性・慢性腎疾患の診療に取り組んでいます。血
液・腫瘍班は、本学小児外科や隣接する県立がんセンター小児科などとの盛ん
な合同カンファレンスを持ちつつ、高度な全人的診療を行っております。循環
器班は、国立循環器センターで研鑽を積んだスタッフらが中心となって、高度
なカテーテル治療を積極的に行っております。内分泌班は、小児生活習慣病の
疫学的調査で国内を牽引しており、これに基づく充実した診療を行っておりま
す。新生児診療班は、H21 年に開設された総合周産期母子医療センターの中で、
県内新生児医療の中心的な役割を果たしております。
このように、それぞれの診療班が国内外の留学などによって培われた専門知
識や技術に基づく専門診療・研究を行っておりますが、本学小児科の特徴は、
これらの診療グループが一致団結して一患児の診療に取り組んでいることにあ
ります。和気あいあいとしながらも、一人の患児の診療に一丸となって取り組
む現場の雰囲気は、本学学生や初期研修医のみならず他大学から見学に来られ
る学生さんからも非常に高い評価を頂いており、当教室のアピールすべき特徴
と考えています。是非、新潟大学小児科の診療現場の「雰囲気」を体験して頂
きたいと思っております。
11
N成人心臓血管外科専門医養成コース
第二外科
成人心臓血管外科専門医養成コースは、心臓血管外科専門医認定機構のカリ
キュラムにもとづき、心臓胸部大血管疾患は元より、腹部大動脈から末梢の動
脈疾患さらには静脈疾患に至るまで幅広い疾患を対象としています。
新潟大学第二外科は国内でも古くから心臓手術を開始した施設の一つです。
我々は、これまで当科が永年蓄積してきたノウハウに加え、新たな技術を積極
的に導入することで、安全かつ確実な心臓胸部大血管手術を患者様に提供して
おります。
動脈瘤に対するステントグラフト内挿術を含め、動脈疾患に対するカテーテ
ル治療は、近年世界的にも急増しています。当科では、動脈疾患に対しては、
術 前 検 討 か ら 実 際 の 手 術 実 施 に 至 る ま で 当 院 放 射 線 科 の catheter
interventionist にも加わって頂いております。そして interventionist、
surgeon が得意とするそれぞれの手技を融合することで、instruction for
use(IFU)外の動脈瘤にも積極的に企業性デバイスを適応したり、末梢動脈疾患
に対してハイブリッド治療を行うなど、複雑な動脈疾患も良好な手術成績を収
めています。また、弓部大動脈瘤に対しても、世界的にも先進的な仕事をされ
ている東京医科大学血管外科のグループと綿密な連携を持ち、ステントグラフ
ト内挿術を数多く行っています。
また、2004 年新潟県を襲った中越地震の被災者にエコノミークラス症候群
(深部静脈血栓症)が発生したことから、新潟県下では心臓血管外科医を始め、
コディカルも深部静脈血栓症の診療に習熟しております。深部静脈血栓症は今
や血管疾患の common disease です。心臓血管外科専門医のカリキュラムとは離
れますが、心臓血管外科専門医として是非身につけておくべき深部静脈血栓症
の診断、治療、予防についても学ぶことが出来ます。
12
N小児心臓血管外科専門医養成コース
第二外科
新潟大学では日本心臓外科の黎明期から積極的に小児心臓手術に取り組み、
他大学に先駆けてファロー四徴症などの複雑心奇形の手術を行ってきました。
現在までに 4000 名以上の小児心臓手術を施行し、日本海側随一の症例数を誇っ
ています。近年では特に新生児、乳児期の複雑心奇形を中心に、新潟県はもと
より近隣各県よりヘリコプター搬送により 24 時間体制で受け入れ、小児心臓病
センターとして機能しています。当院の小児心臓手術対象疾患は年々重症化し
ていますが、現在年間手術件数は小児心臓外科だけで 100 例を超え、極めて良
好な成績を得ています。新潟県内には大学病院を始めとして小児循環器を専門
とする医師が心臓外科、小児科、新生児科、麻酔科、放射線科、産科など総勢
35 名を超え、その半数以上が国立循環器病センターのスタッフ、もしくはレジ
デント経験者です。県内の各科専門医が協力して治療の連繋プレーが常日頃か
ら行われ、出生前診断を含め、最適な時期に最適な治療が出来る体制が充実し
ています。
心臓血管外科医を目指している若い医師にとって、特に小児心臓外科の最前
線の現場は、近寄りがたい敷居の高い分野かもしれません。しかし、一旦飛び
込めば忙しくも充実した研修が待っています。新潟大学の小児循環器チームの
一員として診断から治療、術後管理まで含めて間近で最前線に触れ、また責任
ある仕事を任される経験は、将来の礎を築く絶好の機会となるでしょう。
13
N呼吸器外科専門医養成コース
第二外科
第二外科の週間予定
手術日は火曜、木曜、金曜の3日間で、原則的に火曜、木曜は小児・成人心
臓手術、金曜に呼吸器外科手術を行っています。緊急症例や全体の手術枠に余
裕がある際には上記日程以外にも手術を行っています。水曜と金曜は朝 8 時か
ら全体の検討会があり、術前、術後のプレゼンテーションを行います。呼吸器
外科の外来日は月曜と水曜です。
当科の特徴
① 呼吸器外科手術は昭和 20 年代から施行されています。肺癌手術例は、1,600
例以上となりました。県内の呼吸器外科施設では年間 800 例近い肺癌手術例
がありますが、豊富な症例をもとに共同で臨床研究を行っています。
② 肺癌のみならず気胸や縦隔腫瘍、炎症性疾患など多彩な症例がバランスよく
経験できます。
③ 心臓外科と一緒に診療を行っており、開心術を含めて血管外科の手技を習得
できます。また、体外循環や補助循環などの管理も学ぶことができます。
④ 呼吸器内科と連携しており、化学療法、分子標的治療に関する知識が豊富で
す。肺癌の切除標本は凍結保存されており分子病理学的研究が可能です。
⑤ 手術以外の新しい治療法
手術困難な気胸に対して、気管支鏡下にシリコン性の栓を気道に詰める方法
を行う治療(EWS)、肺腫瘍に対して CT ガイド下に針を刺し、ラジオ波で腫
瘍を熱凝固させるラジオ波治療を行っています。
超音波気管支鏡下に縦隔・肺門リンパ節生検を行う(EBUS TBNA)を積極的に
行っています。良性・悪性の気道狭窄に対してレーザー照灼やステント留置
を行っています。
⑥ 肺移植
終末期呼吸不全の患者さんの中には肺移植で改善することが可能な方もい
らっしゃいます。新潟県内でも肺移植適応検討会を定期的に開催し、希望さ
れる方への説明や実施施設への紹介を行っています。これまで国内では岡山
大学、東北大学へ、海外ではセントルイスのワシントン大学へ患者さんを紹
介し肺移植が行われ、外来で管理を行っています。
14
N整形外科専門医養成コース
整形外科
新潟大学医歯学総合病院では各専門(関節外科、脊椎・脊髄、骨軟部腫瘍、
スポーツ傷害、リウマチ、手の外科)に分かれて専門研修を行うことができ、
下記のような特色があります。
1) 関節外科:下肢人工関節置換術を中心に、コンピューター支援システム
(Zed hip, Zed view, JIGEN, KneeCAS, HipCASなど)を用いた術前計
画、術中支援、そして術後の評価を学ぶことができます。関節鏡視下手
術も積極的に取り入れています。
2) 脊椎・脊髄:ナビゲーションを積極的に導入して、正確かつ安全な
instrumentation surgery の計画・実施を研修することが可能です。
3) 骨軟部腫瘍:県内全域から紹介される各種の疾患に対する診断・治療の
最前線を経験するだけでなく、分子生物学的手法を用いた基礎研究の一
旦を研修することが可能です。
4) スポーツ傷害:各種疾患の診断・治療だけでなく、総合スポーツクラブ
「アルビレックス」の各種医療支援や県スポーツ医科学センターでの研
修といった、現場に近い研修が可能です。
5) リウマチ:各種生物学的製剤を用いた外来診療のコツと、人工関節を中
心とした関節再建を研修することが可能です。
6) 手の外科:マイクロサージェリーの技術を生かした各種疾患への治療を
研修することが可能です。
また、リハビリテーションも2名の専門医のもとで同時に研修可能です。
さらに新潟市内及び近郊には、関節外科手術を主体とする複数の病院や、手
の外科研究所、脊椎・脊髄外科センター、県立リウマチセンター、県立がんセ
ンター(骨軟部腫瘍中心)、新潟市民病院救命救急センター(外傷)などがあ
り、連携して見学が可能です。
アフター5では、米どころ新潟の新鮮な食材と日本酒を堪能する機会も多く、
研修の別の一面も楽しむことができます。
15
N形成外科専門医養成コース
形成外科
形成外科が担当すべき広い範囲(外傷、先天異常、再建、手)を診療、治療
の対象としており、現在 5 名の形成外科専門医(うち、熱傷専門医、レーザー
専門医でもある者各々1 名、2 名)が、各々の得意分野で診療を分担しています。
科の性格上、多くの科(耳鼻咽喉科、口腔外科、外科、整形外科、脳神経外科、
眼科、泌尿器科、皮膚科等)との共同手術も、当然行っております。よって、
形成外科専従の先生で、当科にご関心のある方のみならず、他科の先生で、形
成外科の考え方、手技等にご関心のある方も、短期研修であっても、得るもの
はあると考えております。また、お越し頂いた先生から、我々が得るものも少
なくないと考えており、積極的な交流を希望しております。
【可能な研修の一例】
例えば、専門研修中の先生であれば、縫合法の基本から顕微鏡下での縫合ま
で幅広く研修可能であり、モデルを使っての顕微鏡下の練習は医局にある顕微
鏡でいつでも可能です。
特定の治療、手術等にご関心のある方は、事前にご連絡を頂き、ご相談させ
て頂いた方がより効果的な研修が可能と考えております。
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N皮膚科専門医養成コース
皮膚科
新潟大学皮膚科の特徴
皮膚疾患とその病態に適切に対応できる診療能力 (態度、技能、知識) を修
得できます。新潟大学の前身である新潟医科大学時代からの伝統と、膠原病、
接触アレルギー、脱毛症、皮膚悪性腫瘍、アトピー性皮膚炎に代表される各種
皮膚疾患など多岐にわたるサブスペシャリティがあります。新潟県の高次皮膚
科診療を担う施設でもあり、皮膚科地域医療の拡充により、難治あるいは重大
な皮膚疾患患者を多数受け入れています。当施設で皮膚科領域全体をカバーす
る研修を受けることが可能です。
研修の特徴
新潟大学医歯学総合病院皮膚科とその関連病院で研修を行います。最終的に
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得します。専門医研修と生涯教育のため
に伝統ある日本皮膚科学会新潟地方会があり、学術環境も充実しています。関
連課題で学位を取得し、臨床応用や皮膚科学の発展への貢献も可能で、さらに
海外施設への研究留学も盛んです。皮膚疾患は多彩で、患者数や他科からのコ
ンサルトが非常に多く、皮膚科専門医としての役割は重要です。皮膚科コース
は原則として、皮膚科前期・中期・後期研修、および大学院医歯学総合研究科
皮膚科学分野での研究期間に分けられます。優秀な成績で皮膚科研修を修めた
者は、6 年目以降に所定の審査・試験を受けて、皮膚科専門医を取得できます。
海外留学を希望する者には、留学の希望を最優先させています。皮膚科後期研
修終了後 (卒後 10 年目以降) は、大学病院皮膚科で後輩の指導と研究を行って
皮膚科教員を目指す者と、関連病院で皮膚科指導医として研修医や後輩の指導
にあたる者に分かれます。
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N泌尿器専門医養成コース
泌尿器科
当科では、とくに泌尿器腫瘍学・腎移植・腎血管外科学・神経泌尿器科学・
小児泌尿器科学に力を入れている。
泌尿器腫瘍学分野では、腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、腎腫瘍、腎盂尿管
腫瘍、副腎腫瘍の大多数が腹腔鏡下手術で行われ、前立腺癌根治手術も腹腔鏡
下前立腺摘除術を行っている。
前立腺癌の放射線療法にも積極的に取り組み、密封小線源永久挿入療法
(Brachytherapy)をはじめ、高線量率組織内照射療法(HDR)、高精度外照射療
法を行っており、手術療法と併せ、現在入手可能なすべての治療バリエーショ
ンに対応できる数少ない施設の一つである。
また、新しい治療薬の臨床試験にも積極的に取り組み、転移のある前立腺癌
患者様や去勢抵抗性前立腺癌患者様にも新薬の臨床研究を全国に先駆けて行っ
ている。
腎移植分野では全国に先駆けて脾摘を行わない ABO 血液型不適合腎移植プロ
トコールを確立し、国内外のオピニオンリーダー的存在である。生体ドナー腎
採取術は腹腔鏡で行っており、年間約 30 例を数える。献腎移植も県コーデイネ
ーターと連携して Donor Action Program を推進し、新潟県の人口 100 万人あた
りの腎提供数は全国有数である。
今まで多くの新規免疫抑制薬の開発治験にも国内のリーダー施設として治験
責任医師を務めてきた。腎血管形成術、Pre-Emptive 例、FSGS、低体重小児、
二次移植例、長期透析例など、移植困難症例に対しても積極的に挑戦し成功例
を多数経験している。
小児泌尿器科学分野においては先天性尿路奇形に対する形成手術、すなわち
腎盂尿管移行部狭窄症、尿管膀胱移行部狭窄症、膀胱尿管逆流症、尿管異所開
口など症例が豊富であり、とくに尿道下裂に対する一期的尿道形成術は全国で
も有数の症例数があり、良好な成績を修めている。
このように泌尿器科学の臨床各分野において、豊富な症例と高いスキルを駆
使した臨床が日々実践されており、短期研修であっても、質・量ともに充実し
た研修内容を提供できると自負している。
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N眼科専門医養成コース
眼科
新潟大学眼科学教室は、今年で創立 100 周年を迎えました。県内の中核病院
の勤務医、開業医の殆どが教室の同窓生であり、良好な病診連携が取られてい
ます。新潟大学医歯学総合病院は、日本眼科学会専門医制度が認める県内唯一
の研修プログラム施行施設(基幹病院)であり、眼科領域のあらゆる疾患に対応
できる眼科医の育成を専門研修の目標に掲げています。眼科研修医は 4 つの病
棟診療班(A:緑内障、B:網膜・硝子体、C:斜視・弱視、角膜、感染症、D:
白内障、神経眼科、腫瘍・形成)を 3 ヶ月単位でローテートすることで、1 年
間で全ての分野の主治医となることができます。眼科手術日は毎週月・水・金
曜であり、研修医は手術助手として担当患者の手術に参加します。もちろん手
術治療のみならず、指導医の下で病棟での診療一般を学びます。
外来は、新患(月-金)、緑内障(月・水)、網膜・硝子体(月-木)、角膜・
感染症(火・木)、神経眼科・斜視弱視(火・木)、白内障(水)、腫瘍・形成(第
3 木)、ロービジョン(金)、一般再来(月・水)に分かれており、眼科研修医
は病棟班で主治医となった患者の退院後の外来診療の一端を担います。また新
患担当医の予診(病歴聴取、眼科検査など)も行います。
毎週水曜の夕方に行われる症例検討会(抄読会、リサーチミーティングを含
む)に参加し、眼科疾患や基礎研究への理解を深めることは、研修医にとって
モチベーションを高める重要な機会です。その他にも年 2 回の集談会、年 3 回
の眼科臨床検討会、その他の国内外の眼科学会に積極的に参加し、最新の知見
に触れることも大切です。2 年目以降は A コースでは関連病院での研修を行い、
大学とは異なる一般病院での臨床経験を通じて眼科全般の診察・診断技術、手
術技法、眼科救急患者の対応を学びます。B コースでは、大学院に入学して基
礎・臨床研究に従事し、4 年間で医学博士の学位を取得します。卒後7年目に
受験する眼科専門医試験で、当教室は 100%近い合格率を維持しており、全国平
均の 80%を大きく上回っています。
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N耳鼻咽喉科専門医養成コース
耳鼻咽喉科
新潟県内全域の耳鼻咽喉科医療を一手に担っており、全ての分野において高
い専門性が求められるなか、大学には約 20 人の医師が在籍し、日々の診療に当
たっている。
耳科領域の側頭骨外科は高橋教授の専門分野であり、難治性の真珠腫性中耳
炎を中心に鼓室形成術を年間 80~100 件行っている。聴神経腫瘍に対する手術、
人工内耳手術は高度な技術と豊富な経験を要するため新潟県内では大学でしか
行っておらず、各々、年間約 10 症例ずつ行っている。頭頸部腫瘍症例は常に入
院患者の過半数を占め、手術、放射線照射、化学療法による集学的治療を行っ
ている。舌を含めた口腔、咽頭、喉頭の進行した癌に対しては、手術で病巣を
拡大切除した後、有茎皮弁や血管柄付き遊離組織で再建する長時間手術にも積
極的に取り組んでいる。10 年前より癌研有明病院へ当科の医師を 2 年間交替で
派遣しており、そこで学んだ頭頸部癌手術のノウハウを大学に還元することに
より、当科の頭頸部癌診療のレベルは飛躍的にアップした。鼻科領域では 10
年以上前より内視鏡手術を取り入れており、5 年前からはさらにナビゲーショ
ンシステムを導入し、さらに安全で正確な処置が可能になった。
以上のような高度な技術、高額な機器を要する手術だけではなく、大学病院
には学生教育、研修医の養成といった大事な使命もあるため、口蓋扁桃摘出術
や音声改善手術を含めた耳鼻咽喉科・頭頸部外科分野で偏りがなく全領域にわ
たる医療を体験できる。
毎週月曜と水曜の 2 回、医局検討会が開かれ手術所見、入院患者のプレゼン
テーションを行い、活発な討議がなされる。頭蓋底領域の病変は手術が難しい
症例が多いが、脳外科医とも共同で検討し、お互いの手術に協力し合っている。
他に各々の臨床班においても週に 1 回検討会を行ってチーム医療を実践してお
り、ざっくばらんな意見交換を行うことができる。
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N放射線科専門医養成コース
放射線科
当院放射線科は、おおきく画像診断部門と放射線部門にわかれており、診断
部門のなかにIVR班が所属している。どちらの部門も、中堅以上のクラスの
医師は専門の領域に特化した subsupeciality をもち、各科の診療に重要な役割
を担っている。しかし、subspeciality をもつ医師は専門領域の仕事のみ携わ
っているわけではなく、general な日常診療にも大きくかかわっている。一般
に、大学病院では、専門領域に偏りがちになることが多いとおもわれるが、当
科では general な知識と subspeciality をもつバランスととれた医師で構成さ
れていると考えている。昨年 2 管球型CT Difinition Flash がはいり、心臓
を中心とした高精細な画像を得ることができ、また被爆の軽減ができるように
なった。また、2 管球でしかできない様々な画像技術を駆使して日常診療に役
立てている。今年に入り定位放射線治療装置 Novalis が導入され、ミリ単位の
高精度の放射線治療が可能となった。このように最新の機器がはいり、よりレ
ベルの高い診療を目指しています。一度見学にきてみてはいかがでしょうか。
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N麻酔科専門医養成コース
麻酔科
短期研修では、研修期間や希望に応じて柔軟に見学あるいは担当する麻酔症
例を決めたいと思います。麻酔に関する機器類はほぼ何でもそろっていると思
いますが、当科では伝統的に電気生理学的脊髄機能モニタリングが行われてお
り、症例があれば是非見学していただきたいと思います。また、腎移植や肝移
植の麻酔症例もありますので勉強になると思います。ペインクリニック部門で
は CRPS、幻肢痛や腕神経叢引き抜き損傷などの難治性疼痛も多数扱っています。
一方、当科では臨床と同時に、パッチクランプ法などの電気生理学的手法を
用いた痛覚伝達のメカニズムに関する基礎研究やノックアウトマウスを用いた
麻酔メカニズムに関する基礎研究も行っていますので、興味のある方は基礎実
験室も見学していってください。
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N神経内科専門医養成コース
神経内科
当科は神経学を勉強するためにとても恵まれた環境にあります。
理由はいくつかありますが、
・多様性のある臨床:脳血管障害(当院ではくも膜下出血以外は神経内科で受
け持ちます)や脳炎・脳症などの急性期医療から、神経難病の診断・治療・ケ
アに関わるまで様々な疾患を多数経験することができます。臨床研究、臨床症
例に関する論文、学会発表も多数あります。
・基礎研究:当科は遺伝性神経疾患の解析では世界でもトップレベルにあり、
脳虚血研究、神経免疫学、認知症など広い分野で多数の研究論文を発表してい
ます。
・世界一の病理部門と貴重な病理標本:脳研究所病理部門と協力し、症例の検
討を毎月行っています。希望により一定期間病理学の勉強が可能です。
・統合脳機能研究センター:高磁場 MRI 等を用いた最先端の脳機能解析や臨床
応用に向けた研究が行われており、当科の大学院生も参加しています。
このように臨床・研究とも広範囲に取り組んでおり、個人の希望に応じて他
分野とも連携した研修が行えます。
実際の研修内容は 1 週間程度であれば臨床の現場を指導医とともに経験する
ことが中心となると思われますが、基礎部門の見学、電気生理検査などを含め、
希望や期間に応じて柔軟に対応します。
神経内科は対象とする疾患の間口が広いのが特徴で、自分が目指すべき対象
が見つかる、一生をかけて取り組むに値する分野です。新潟で神経学の専門医
になるため、一緒に学びましょう。
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N救急医学専門医養成コース
高次救命災害治療センター
本コースは救急科泉温に、集中治療専門医の取得を目的としている。既に、
当施設は日本救急医学会専門医指定施設及び指導医指定施設、日本集中治療学
会専門医認定施設の認可を受けており、上記の専門医の取得のみならず、救急
指導医の取得までも可能である。
救急科専門医、集中治療専門医は全国的に不足しており、特に新潟県では、こ
れから魚沼地域及び県央地域に救命救急センターの設置が予定されており、そ
のニーズは極めて高い。
また、H21 年 10 月から日本海側最初の高次救命救急センターとして稼働を開
始した。1 年間の救命救急センターで受け入れた患者数は 1081 名で、その内訳
を図に示した。急患疾患全般が入院しており、偏らない研修が可能であると考
えている。
“高次救命災害治療センター”の名称は、災害が多発する新潟県で災害医療
においてもイニシアチブをとりたいという強い意志の表れとして“災害”をつ
けて命名されている。
現在、災害拠点病院、DAMT 派遣病院の指定を受けているが、更に災害基幹病院
としての認可を目指している。
H24 年には新潟県ドクターヘリの基地病院にとして、県全域にたいして迅速
な 3 時救急医療の提供を開始する予定となっている。是非、多くの若い先生に
本コースを選んでいただきたいと考えている。
総数 1081 名(男 620 名/女 461 名)
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新潟大学医歯学総合病院
専門研修用シミュレーター
のご紹介
大学では、専門研修用高度シミュレーターを導入し、
各分野の高度専門医療人の養成体制を支援していま
す。
専門研修中に様々なシミュレーターを使用し、技術を
習得することが可能です。
ここではその一部をご紹介いたします。
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仮想気管支鏡ソフトウエア
Bf-NAVI
気管支鏡シミュレーターは、CT 画像情報から気管支内腔をバーチャル画像として再構成
するものです。熟練した呼吸器内科医は CT 画像を読影することによって到達すべき病変
までの気管支分岐を読むことができますが、気管支鏡シミュレーターではコンピュータプ
ログラムがこの作業を行います。このようにして予め得られた病変までの気管支内腔画像
を実際の気管支鏡モニター画像と同時に視認しながら進むことで、初心者でも患者さんに
苦痛を与えることなく正確な検査を行うことが可能となります。また、CT 画像、バーチ
ャル気管支鏡画像、実際の気管支鏡モニター画像を繰り返し学習することにより、比較的
短期間に熟練した呼吸器科医と同等な CT 読影能力を得ることができると考えられます。
これまでに他院または他科で病変に到達することができなかった症例や胸部 X 線写真では
確認困難な症例、計 10 例において気管支鏡シミュレーターを使用した気管支鏡検査を行
いました。この結果、ほとんどの症例で肺癌であることが証明されています。
気管支分岐は個人差が大きく教科書だけで熟達することは極めて困難であり、実際の気管
支鏡経験が何よりも重要です。しかしながら初心者が迷いながら行う気管支鏡は患者さん
に大きな苦痛を強いることになってしまいます。気管支鏡シミュレーターを用いて呼吸器
専門医を養成することはこのジレンマを取り除き、難しい症例でも良好な検査結果を得る
極めて有効な手段となっています。
【第二内科】
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大腸内視鏡トレーニングモデル
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」は、大腸検査の際に腹部の中にあって本来見ることの出
来ない内視鏡の位置や形状を、放射線被爆を受けることなくリアルタイムでモニター画面
に3次元画像表示することのできる、最新鋭の高度電子先端技術機器です。
内視鏡から出る弱い電磁波を体外でキャッチし、映像にするため、レントゲンを使わずに
腹部内を見ることができます。この機器を使用し、大腸内視鏡トレーニングモデルで内視
鏡挿入法の効果的なトレーニングができます。
【第三内科】
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胸腔鏡手術トレーニングシステム
胸腔鏡下での視野・解剖の理解、自然気胸におけるブラ切除、肺実質の縫合・桔紮技術の習得
が可能なシミュレーターです。
【第二外科】
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人工膝関節置換術シミュレーター
JIGEN system
整形外科領域では、近年より安全にそして正確に手術を遂行すべく、コンピューター支援
システムを用いた治療法が開発されております。人工関節置換術においても、術前計画、
術中支援、そして術後の評価を厳密に制御し評価することで、より精度の高い良好な手術
成績が得られるばかりでなく、学術的にも重要なデータを収集することができ、かつ専門
医育成のトレーニングができます。
今回導入した、JIGEN system(LEXI, Tokyo. http://www.lexi.co.jp/)は、人工膝関節置
換術において、より正確に人工関節を設置するための術前計画を立て、術中に計画通りの
手術を行うためのシステムでありすべての症例で使用しています。
まず術前に撮像した CT(コンピュータ断層撮影画像)を元に、本人の大腿骨および脛骨
の 3 次元骨モデルを構築します。このモデルには計画や評価に必要な参照点や参照軸など
を設定しておきます。次いで、使用予定の人工関節を選択し、骨にあらかじめ規定した位
置に設置するようにシュミレーションを行います。さらに、この術前計画を実際の手術中
に実行するために開発された治具を表示し、必要なパラメータを記録しておきます。
従来は X 線写真の上に人工関節の型を重ねて 2 次元平面でサイズや位置を計測し作図して
いましたが、本来立体的で複雑な形状をした関節を評価するには限界があり、実際には術
者の経験や主観に依存していました。
しかし、本システムでは、3 次元的にシュミレーションを行うことで、必要なパラメータ
を定量的に得ることができ、また実際の手術中に見る術野や手順をコンピュータ内で再現
できるため、手術経験が少なくこれから整形外科の専門医を目指す若手医師にとっても有
用です。実際の手術中には、術前計画を確認しながら進行し、治具に対して計画通りに手
術が進んでいるか実際に測定し確認しながら行えるため、安全にそして正確に手術が遂行
されています。現在、3 次元下肢アライメント評価システム(LEXI)とあわせ、術前から
術後まで一貫した評価、研究を行っております。
【整形外科】
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顕微鏡下血管吻合練習シミュレーター
脳神経外科手術の中で、顕微鏡下の手術手技は不可欠なものであり、脳動脈瘤、脳動静脈
奇形などの血管障害、脳腫瘍など、どの手術でも高度なマイクロ操作が必要とされます。
このシミュレーターは、顕微鏡下で深部までの手術操作、血管吻合練習ができ、高度な技
術習得のためのトレーニングを経験することが出来ます。
【脳神経外科】
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ネオナブルー新生児シミュレーター/新生児気道管理トレーナ
2007 年より日本周産期・新生児医学会の公認講習会として、日本版新生児蘇生法(NCPR:
Neonatal Cardio Pulmonary Resuscitation)講習会が全国展開されています。NCPR で
は講義、基本的手技の実習、シナリオ実習、ペーパーテストが行われ、一定レベルに達す
ると資格認定を受けることができます。NCPR においてより強調されていることは、バッ
グ・マスク、胸骨圧迫を正確、確実に行うことであり、そのためには蘇生シミュレーター
による技術の習得が必要です。
今回導入したネオナブルー(ガウマード)と新生児気道管理トレーナ(レールダル)は、
NCPR において必須となる実技実習を効果的に行うことができます。ネオナブルーは気管
挿管や人工呼吸、胸骨圧迫を行うことのできる全身型新生児モデルであり、中心性、末梢
性チアノーゼを LED によって再現することができます。また、バッグ・マスクや胸骨圧
迫のペースメーカー機能も有し、手技が適切に行われた場合にはチアノーゼが時間によっ
て変化し、その効果を視覚的に体感できるようになっており、接続されているゴム球によ
って、臍帯拍動の確認も行うことができます。
一方、新生児気道管理トレーナは気管挿管やバッグ・マスクに機能を特化したもので、繰
り返し行うことで手技を確実に習得するのに有効です。
これらのシミュレーターを使用し、周産期に関連した医師、医学生、コメディカルのスキ
ルアップのため、新生児蘇生法の実技講習を 2 回/月のペースで定期的に行うとともに、
NCPR 公認講習会の開催も始まっています。
(写真:NCPR
B コースでネオナブルーを使用して実技実習を行っているところ)
【総合周産期母子医療センター】
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泌尿器科腹腔鏡手術トレーニングシミュレーター
腹腔鏡手術トレーニング、実際の内視鏡下手術同様のモニターと器具でのトレーニング、
2 次元でのスーチャリングや鉗子操作トレーニングが可能です。
【泌尿器科】
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ボクセルマン・シミュレーター
ボクセルマン・シミュレーターは中耳(側頭骨)手術のシミュレーションが出来る機器です。
側頭骨は耳小骨・顔面神経・蝸牛・頭蓋底など解剖学的に複雑で理解しにくい器官より構
成されており、この機器は、同領域の中耳真珠腫、聴神経腫瘍などの術前に、病変の局在
を3次元的に理解でき、さらに実際の手術の疑似体験が出来るため、局所解剖の理解や早
期の手術技能の獲得に極めて有用です。
鏡を介しスクリーンの画像を反転させ、実際の手術により近い目線で仮想側頭骨を観察し
ながら、ドリル操作による手術シミュレーションを行います。また、専用眼鏡をかけるこ
とで、メイン画像は三次元で立体的に表示され、さらにドリル操作の感触も感じることが
出来、より実際の手術に近い臨場感を得ることが出来ます。
【耳鼻咽喉科】
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内視鏡手術トレーニングシミュレーター
ProMIS
実際に使用している手術器具とリアルなボディフォームで訓練を行い、バーチャルな腹腔
内で機器や組織に接することができるシミュレーターです。縫合のような複雑な作業に関
しては、人工の組織モデル上で実際の針付縫合糸を使いトレーニングを行うため、リアル
な感覚を実感して手技を身につけられます。
使用者が行うトレーニングは、検証された測定基準によりリアルタイムに評価します。手
術器具の3次元の動きを認識して解析されたデータは標準値と比較して示され、改善が必
要な部分が指摘されます。行ったパフォーマンスはCGでプレーバックでき、他方向から
の観察・見直しも可能にします。
また、
『プロミス』のトレーニングカリキュラムは臨床に即した技術ごとの単位に別れ、リ
アルやバーチャル、様々なタスクで構成されています。使用者は到達レベルに応じて知識
とスキルを得られ、上達するにつれて複雑になるタスクに取り組みます。使用者のニーズ
に合わせて能力評価基準などのカスタマイズが出来るようになっています。
【第一外科】
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新潟大学医歯学総合病院
医師キャリア支援センター
〒951−8520 新潟県新潟市中央区旭町通一番町754番地
TEL:025−227−0895
FAX:025−227−0886
http://www.nuh.niigata-u.ac.jp/career/
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