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技プロ・附帯プロ用

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技プロ・附帯プロ用
2013.12 改正版
技プロ・附帯プロ用
事業事前評価表
国際協力機構経済基盤開発部
運輸交通・情報通信第一課
1.案件名
国 名 : ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)
案件名 : 和名 ビンズオン省公共交通管理能力強化プロジェクト
英名 Project for Enhancing Management Capacity of Transport System
Focused on Public Transport in Binh Duong Province
2.事業の背景と必要性
(1)当該国におけるビンズオン地域のバス交通セクターの現状と課題
ビンズオン省は、ベトナム南部のホーチミン市の北に接する人口約 170 万人の省であり、省内
にはベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)など 28 の工業団地が存在する他、南部はホーチミ
ン市への通勤圏として人口増加が続いており、2020 年には 250 万人になると予測され、ハノイ市、
ホーチミン市、ハイフォン市、ダナン市、カント―市に続く中央直轄都市への昇格を目指している。
これを見据えて、現在省都トゥーヤモット市から約 10km の地に新都心「ビンズオン新都市」を建
設中であり、2014 年 2 月に省庁舎の移転が行われた。現在多くの職員はトゥーヤモット市から新
都市へオートバイ通勤しているが、6 月以降はバスによる運行が開始される予定となっている。
開発面積 1,000ha の新都市は、まだその一部が機能を開始しただけで、全面的な活動が始ま
るまでには時間がかかる。現段階からバス交通を先行的に整備することで、バス交通を中心と
する公共交通システム体系の構築が期待されている。また、都市化が進むビンズオン省南部地
域では、移動手段はオートバイ等の私的交通に大きく依存しており、交通渋滞や交通事故、環
境汚染等が課題となっている。
(2)当該国におけるビンズオン地域のバス交通セクターの政策と本事業の位置づけ
「ベトナム運輸戦略(2020 年まで)今後の方向性(2030 年まで)」において、2020 年までの都市
交通の発展目標として、主要都市にてバスシステムを発達させることが掲げられている。また、
「ビンズオン省における交通マスタープラン(2020 年まで)今後の方向性(2030 年まで)」において、
公共交通システム整備方針として、都市鉄道、高速バス(BRT)などの大量輸送公共交通システ
ムを建設・導入することが掲げられている。
(3)バス交通セクターに対する我が国及び JICA の援助方針と実績
我が国の国別援助方針における重点分野(中目標)において、幹線交通及び都市交通網の
整備の支援が掲げられている。JICA 国別分析ペーパー(ベトナム)においても、地下鉄、公共
バス等の公共交通機関の整備・改善を早急に進める必要性が掲げられている。また、バス交通
への支援として、「ハノイ市公共交通改善プロジェクト」(2011年~)、「ビンズオン省におけるTOD
による都市開発事業並びにBRT事業準備調査(PPPインフラ事業)」(2014年~)が実施されてい
る。
(4)他の援助機関の対応
他ドナーによる支援はない。
3.事業概要
(1)事業目的(協力プログラムにおける位置づけを含む)
本事業は、ビンズオン省南部において、交通渋滞や交通事故などの問題へ対応するため「バ
スシステムの改善計画」を策定するとともに、新都市の開発と合わせ、新規に導入されるバス交
通の質的向上策をパイロット的に実施することにより、公共交通システムの整備に必要な政策
策定と実行に関する組織能力の強化を図り、バスを中心とした公共交通システム体系の推進に
寄与するものである。
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2013.12 改正版
(2)プロジェクトサイト/対象地域名
トゥーヤモット市、ビンズオン新都市を含むビンズオン省南部地域(約 102 万人/262.4k ㎡)
(3)本事業の受益者(ターゲットグループ)
直接受益者:ビンズオン省交通局(DOT)、トゥーヤモット市及び新都市住民 約 3,500 人
間接受益者:ビンズオン省南部地域住民 約 102 万人
(4)事業スケジュール(協力期間)
2014 年 7 月~2017 年 6 月を予定(計 36 ヶ月)
(5)総事業費(日本側)
約 3 億円
(6)相手国側実施機関
ビンズオン省交通局(DOT)
(7)投入(インプット)
1)日本側
①専門家派遣 (約 50M/M)
総括/公共交通政策、都市交通計画、交通管理・交通需要管理・交通安全、バス運行計画、
バス運行管理、バス関連施設計画、モビリティーマネジメント(MM)、パイロットプロジェクト計
画
②本邦又は第三国研修(約 10 名)
③機材供与(IC カード、その他必要機材)
④パイロットプロジェクト実施支援
⑤セミナー・ワークショップ
2)ベトナム国側
①カウンターパート職員の配置(プロジェクトダイレクター(DOT 局長)、プロジェクトマネージャ
ー(DOT 副局長)、他プロジェクトスタッフ 10 名)
②設備・施設(日本人専門家の執務室と附帯設備等)
③パイロットプロジェクト実施(原則として必要な施設整備、バス停、ゼブラゾーン、交差点改
良、パーク&ライドなどの土木工事など)
④セミナー・ワークショップの開催場所の提供
(8)環境社会配慮・貧困削減・社会開発
1) 環境に対する影響/用地取得・住民移転
① カテゴリ分類 C
② カテゴリ分類の根拠:本事業は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(2010 年 4 月)
を勘案した結果、環境への望ましくない影響は最小限であると判断されるため。
2)ジェンダー・平等推進・平和構築・貧困削減
男性と比較して女性のオートバイの免許取得率は低いため、公共交通機関の整備は女性
のアクセシビリティ―向上につながり、教育・就業機会の増加に貢献する。路線計画や運行計
画の検討に際しては、男女双方のデータ・意見集約を行い、反映する。女性、子ども、高齢者、
障がい者等多様な人々が使いやすい施設整備や、研修へのジェンダー配慮に関する内容の
盛込み、男女双方に関する事業効果が確認できる指標設定等を行う。
(9)関連する援助活動
1)我が国の援助活動
・ハノイ市公共交通改善プロジェクト(2011 年~)
・ビンズオン省における TOD による都市開発事業並びに BRT 事業準備調査(PPP インフラ事
業)(2014 年~)
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2013.12 改正版
2)他ドナー等の援助活動
他ドナーによる支援はない。
4.協力の枠組み
(1)協力概要
1)上位目標と指標:
対象地域におけるモーダルシフトが促進される
指標1:公共交通利用者数、モーダルシェアが増加する
2)プロジェクト目標と指標:
公共交通システムの整備に必要な政策策定と実行に関する組織能力が強化される
指標1:DOT が、「バスシステム改善計画」の承認化に向けた準備を整え、人民委員会に諮る
指標2:DOT が JICA 専門家の指導の下、複数のパイロットプロジェクトや MM 活動を実行する
3)成果
成果1:「バスシステムの改善計画」が準備される
成果2:バスサービス品質改善方策とパイロットプロジェクトが実行される
成果3:バス利用強化の MM 活動が策定され、関係機関や地域社会の協力のもと実行される
5.前提条件・外部条件 (リスク・コントロール)
(1)前提条件
ベトナム国側によりバスが滞りなく調達される。
技術移転を受けたベトナムの関係機関のカウンターパートが継続勤務する。
機材調達が滞りなく行われる。
(2)外部条件
プロジェクトのカウンターパート組織である DOT が継続的に存在する。
6.評価結果
本事業は、ベトナム国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と十分に合致しており、また
計画の適切性が認められることから、実施の意義は高い。
7.過去の類似案件の教訓と本事業への活用
(1)類似案件の評価結果
「ハノイ市公共交通改善プロジェクト」では、パイロットプロジェクトへの先方の資金負担は、約
束されたものの時間的に間に合わなかったため、確実な見通しが得られないのであれば JICA
が負担するかパイロットプロジェクトから外すことも一考との教訓が得られた。
(2)本事業への教訓
上記教訓を踏まえ、本事業においては、実施機関の予算確保の見通しについて、予算申請の
タイミングや手続き、申請状況について、より細かくフォローする。また、予算措置状況を踏まえ
て、パイロットプロジェクトの選定や優先付けを行うとともに、プロジェクトの効果発現に不可欠な
活動に対しては、プロジェクトのオーナーシップに配慮しながらも、JICA が費用負担することも検
討する。
8.今後の評価計画
(1)今後の評価に用いる主な指標
4.(1)のとおり。
(2)今後の評価計画
事業開始 6 ヶ月
ベースライン調査
事業終了 3 年後
事後評価
以 上
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