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PTB 統一会計基準実務事例集

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PTB 統一会計基準実務事例集
PTB 統一会計基準実務事例集
一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボード
PTB 統一会計基準実務事例の作成について
本文書の役割
会計の役割は、企業の財政状態及び経営成績に関する適正な情報を利害関係者に伝える
ことにある。このため、会計基準は、企業の営業活動等を適切に表現するものでなければ
ならない。
「PTB によるパチンコホール統一会計基準」は、その設定前文に記載されているように、
「わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行を基本に、パチンコホール
業界特有の取引及び環境を斟酌し、実務の中から慣習として発達したもの中から帰納要約
したもの」であり、現在並びに将来においてパチンコホールの会計実務の拠り所となるも
のと考えている。
企業を取り巻く経営環境は、常に動いており、変化が生じるものである。よって、企業
活動を表現する会計という性格から、企業会計の基準は、原則論としての「基準」と、よ
り実務に対応させる解釈指針等から構成されるのが通例である。
「PTBによるパチンコホール統一会計基準」も、実務に対応させるためには何らかの
解釈指針が必要である。しかしながら、パチンコホールの運営主体は、1店舗あるいはご
く少数の店舗を経営する家族経営的なホール運営会社から、一定地域に複数店舗を経営す
るホール運営会社、全国規模でパチンコホールを経営するホール運営会社まで多様であり、
それらの会社に対して指針として一律の具体的な会計実務を示すことは困難である。その
ため本文書は「PTB統一会計実務事例」という「PTBによるパチンコホール統一会計
基準」を実務に対応させた場合の典型的な事例という形で作成した。
なお、PTB会計研究委員会は「PTB によるパチンコホール統一会計基準」の作成時と
比較し、次のような経営環境の変化を認識している。
① 遊技機、特にスロットの射幸性の抑制
② 低貸玉料金の設定による遊技機の使用方法の変化
③ 金融機関のパチンコホール業界への貸し渋り
④ 遊技機の高価格・高原価による遊技機販売方法の変化
⑤ リース会計の導入(税制改正を含む)によるリース契約の変化の可能性
⑥ 景況の悪化による遊技客の減少傾向
そのため本文書についても不確実な事項を除き、今後パチンコホールを取り囲む経営環
境の変化に応じ、改訂することを予定している。
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[当文書で想定する営業設備]
パチンコホールの営業設備は、カードリーダー方式パチンコ遊技機(以下、「CR 機」と
いう。)の導入後、CR 機の導入・運用には不可欠なプリペイドカード・システムの技術革
新とその形態の多様化、貯玉制度の導入や顧客囲い込みのための会員制度とこれを管理す
る情報システム(以下、「会員管理システム」という。)の技術革新、そして、プリペイド
カード・システムと会員管理システムの情報提携というように、歴史的に多様な営業設備
とその運営の選択肢が存在し、今日に至っている。
現在、新たにパチンコホールを立ち上げると想定し、プリペイドカード・システムの導
入を検討するとしても、次のような選択肢がある。
① 「PTB によるパチンコホール統一会計基準」で定義するところの第三者発行型プ
リペイドカードを使用するプリペイドカード・システム
② 非 IC カード型の再利用可能プリペイドカードを使用するプリペイドカード・シス
テム
③ IC カード型プリペイドカードを使用するプリペイドカード・システム
④ IC カード型プリペイドカードを使用するプリペイドカード・システムに会員管理
システムの機能を提携したプリペイドカード・システム
⑤ 上記④に加え、島設備に遊技機ごとの遊技球の計数機の機能を付加したいわゆる
「パーソナル・システム」の景品交換玉数を IC カードに入力するプリペイドカー
ド・システム
上記の②~⑤は「PTB によるパチンコホール統一会計基準」で定義するところの自社発
行型プリペイドカード・システムである。
小売業、飲食業などに顕著に見られるように、自社店舗、商品・サービスへのリピータ
ーを確保するために、会員制度というものを積極的に利用していくことが一般化している。
社会の流れからパチンコホールにおいても会員制度を利用しているケースが多く見受けら
れる。パチンコホールの会員制度は、会員向けにメリットを提供する事は風営法の関係か
ら極めて制限されていることから、貯玉制度(想定されるのは再プレイを含む貯玉制度)
と情報提携している事が主流である。
以上から、新規にパチンコホールを建設する、あるいはリニューアルする際には、上記
④の「IC カード型プリペイドカードを使用するプリペイドカード・システムに会員管理シ
ステムの機能を提携したプリペイドカード・システム」を導入し、会員である客向けの IC
カードと会員以外の客向けの IC カードを併用することが想定される。
なお、自社発行型プリペイドカード・システムのプリペイドカードの入金した残高度数
については「当日のみ有効」となっている。
以上は、パチンコ遊技機のプリペイドカード・システムについてであったが、上記④の
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「IC カード型プリペイドカードを使用するプリペイドカード・システムに会員管理システ
ムの機能を提携したプリペイドカード・システム」を導入するにあたっては、貯玉のため
の会員管理をパチンコ・スロットで一元化(店舗の運営実務を効率化)するため、単に遊
技機を稼動させるためにはプリペイドカード・ユニット(CR ユニット内蔵型台間玉貸機)
が不要のスロットにおいても、当該プリペイドカード・システムを導入している例が多く
見受けられる。
これは貯玉の再プレイを希望する客がパチンコ遊技機の利用客よりもスロット遊技機の
利用客が多い傾向が背景にある。
プリペイドカード・システムは、パチンコホールの売上高の透明化を図るため、パチン
コホール以外の第三者機関がパチンコホールの売上情報をパチンコホールの自主的な管理
であるホールコンピュータの系統とは別の系統で管理することにある。スロットへのプリ
ペイドカード・システム(厳密には、会員管理システム)の導入は、パチンコホールの売
上高の透明性を保証する上で、望ましいものである。
当文書では、現在営業しているパチンコホールで導入が多い CR 機とこれを運用するため
のプリペイドカード・システム、貯玉のための会員管理システムが導入されているパチン
コホールを念頭にしている。
その理由は次の通りである。
CR 機は現在のパチンコホールにおけるパチンコ遊技機の主流は CR 機であり、導入実績
から見て、現在のパチンコホールの営業には不可欠な遊技機となっている。
CR 機を運用するためのプリペイドカード・システムについては、初期に導入されたプリ
ペイドカード・システムの物理的な劣化などによるプリペイドカード・システムの更新や
パチンコホール側の会員管理の効率化の要請から自社発行型プリペイドカード・システム
の導入が増えていると認識している。
上記の自社発行型プリペイドカード・システムのうち、②「非 IC カード型の再利用可能
プリペイドカードを使用するプリペイドカード・システム」と③「IC カード型プリペイド
カードを使用するプリペイドカード・システム」については、会員管理システム、すなわ
ち貯玉を導入しなくても運営が可能である。しかし、貯玉再プレイの利用が多いことを考
慮して、プリペイドカード・システムと会員管理システムの併設あるいは提携が今日、一
般的と認識している。
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【目次】
Ⅰ
売上計上基準
1
一
パチンコホールにおける収益の実現
1
ニ
売上の透明性の確保
1
三
売上の測定
1
四
売上測定のための営業設備
2
五
実務上の売上の認識方法
3
六
売上の会計処理
3
プリペイドカード
3
Ⅱ
一
基本的な考え方
3
ニ
前払式証票の規制等に関する法律
4
三
用語定義
4
四
プリペイドカードの会計処理
4
1
自社発行型プリペイドカード
①会計処理
5
②理論上の仕訳例
5
③実務上の仕訳例
6
2
第三者発行型プリペイドカード
6
①
会計処理
6
②
仕訳例
7
五
売上高の適性性の担保
Ⅲ
4
売上原価
8
8
一
基本的な考え方
8
ニ
売上原価明細書
9
三
景品原価
9
1
基本的な考え方
2
賞品の定義
10
3
値引、割戻等
10
4
棚卸評価損
10
5
原則処理
10
6
棚卸減耗損
10
7
容認規定
11
四
労務費
9
11
1
労務費
11
2
店舗営業維持のための法定講習受講料
12
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3
店舗営業維持のための法定講習受講料の例示
12
①店舗管理責任者講習
12
②防火管理責任者講習
12
遊技機関連費用
12
五
1
遊技機の取得費
12
2
遊技機の運送費
12
3
遊技機の入替申請その他
12
4
遊技機の保管に関する費用
13
5
AM マーク
13
6
レンタル契約による遊技機の使用
13
7
レンタル契約の保証金
13
七
設備費
14
1
修繕費
14
2
遊技球
14
3
店舗などへの損害保険
14
八
運営経費
14
広告宣伝費
14
2
諸会費
14
Ⅳ
1
貯玉
14
一
基本的な考え方
14
二
会計処理
15
三
貯玉金額
15
四
景品原価率
15
五
財務会計上の景品原価率
15
六
営業上の景品原価率
15
七
主要な景品の原価率
16
八
景品原価率の適用
16
九
貯玉原価の算定
16
十
仕訳例
17
十一
認識時点
17
十二
第三者管理制度
17
十三
拠出金
17
十四
再プレイ
17
Ⅴ
遊技機
18
一
取得価額
18
ニ
営業供用時
18
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三
遊技機の会計処理(原則)
18
四
遊技機の会計処理(容認)
18
1
取得時の会計処理
18
2
費用化
18
3
遊技機廃棄損
18
五
税効果会計
19
1
PTBの遊技機の考え方
19
2
遊技機の会計上の考え方
19
3
遊技機の税務上の考え方
21
4
遊技機における税効果会計適用の必要性
22
5
遊技機の会計上の捉え方と税効果会計
23
6
PTB統一会計基準実務事例資料の考え方
24
六
経済的使用期間の見積方法
24
七
遊技機の経済的使用期間
25
八
購入遊技機とリース取得遊技機との会計処理の関係性
26
九
遊技機をリース契約で取得した場合の会計処理(原則)
26
1
会計処理
26
2
仕訳例
26
3
税効果会計
26
遊技機をリース契約で取得した場合の会計処理(容認)
27
1
会計処理
27
2
仕訳例
27
3
リース解約損失
27
十二
Ⅵ
新規店舗並びにリニューアル店舗の営業開始時の会計処理
27
Ⅶ
減損会計の適用
28
一
資産のグルーピング
28
二
減損の兆候
28
三
パチンコホールの遊休状態
28
四
パチンコホール特有の検討事項
29
説例1
30
説例2
31
説例3
33
説例4
34
説例5
35
説例6
40
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説例7
41
開示様式
会社法計算書類(個別財務諸表)
遊技機の会計処理・・・原則方法
43
会社法計算書類(個別財務諸表)
遊技機の会計処理・・・容認方法
46
遊技場売上原価明細書 原則
49
遊技場売上原価明細書 容認
50
財務諸表等規則(個別財務諸表)
遊技機の会計処理・・・原則方法
51
財務諸表等規則(個別財務諸表)
遊技機の会計処理・・・容認方法
55
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Ⅰ
売上計上基準
一
パチンコホールにおける収益の実現
企業会計における収益については、今日の発生主義会計のもとでの「認識」という観点
から収益の発生源泉にしたがって、①1回限りの役務提供に関するものと、②一定の契約
によって継続的に提供する役務に関するものとして分けることが可能である。①は実現主
義が採られ、②は狭義の発生主義である時間基準が採られる。
パチンコホールの営業は、自らが店舗に設置した遊技機を使用させる目的で、顧客に遊
技球を貸し出す。これは遊技球の貸出という行為が、遊技機の使用を許諾するという意思
表示であり、両者間の契約の成立を意味すると解すことができる。顧客は必要によって遊
技球の貸出を追加することが可能であるが、パチンコホールと顧客の間には、一定期間を
定め継続して役務の提供を約束したものではなく、貸玉という行為の都度に、パチンコホ
ールが顧客に対する遊技機の使用許諾をしているものである。よって、パチンコホールに
おける収益の発生源泉は、上述①の1回限りの役務提供に関するものと解され、実現主義
による収益計上がなされなければならない。
実現主義における実現とは、
「財貨又は役務が、現金、受取手形、売掛金などの貨幣性資
産に形をかえること」と解されており、具体的には①財貨又は役務が提供されること、②
確定した対価を貨幣性資産(以下「現金同等物)という。)で受け取ることの2つの条件が
満たされる行為をいう。
パチンコホールに当てはめると、パチンコホールの客への遊技球の貸出しにより遊技機
の使用許諾と現金同等物を得ているため、貸玉をもって収益の実現を満足させると解され
る。
以上より基準は、パチンコホールの売上計上基準を「客に遊技球を提供した時点で売上
を認識し、その対価をもって売上金額とする」としている。
ニ
売上の透明性の確保
社会的な要請として、パチンコホール(遊技場経営)の業界は、脱税業種のワーストに
常に掲げられるため、IN(現金流入)の透明性について合理的に説明しえる体制を構築
し、運営する必要がある。
このため、売上金額の適正性を説明できる体制の構築と運用が重要である。
三
売上の測定
パチンコホールの売上は、客への遊技球の提供時点、すなわち、貸玉を以って認識し、
その測定は、その貸玉の対価である営業により獲得した資金(キャッシュ・イン)の金額
によりなされる。
貸玉は、通常、遊技機の横に設置された台間玉貸機によりなされる。
パチンコホールの営業終了時に回収された現金から当該営業開始時に投入された両替用
1
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資金を差し引いた金額が当該営業日の売上金額となる。
社会的な要請に応えるためには、この売上金額の適正性を合理的に説明しなければなら
ない。
四
売上測定のための営業設備
1
シグマメーター
パチンコホールの旧式の島設備の基本構造として、台間玉貸機に投入される硬貨を遊技
島の中に設置したベルトコンベアーで搬送し、島端にある金庫(以下、
「島金庫」という。)
に回収するものがある。
ベルトコンベアーから島金庫に硬貨が回収される際に、歯車式のカウンターにより回収
される硬貨の数量を計測する(以下、このカウンターを「シグマメーター」という。)。台
間玉貸機に投入された硬貨は、全量島金庫に回収されるので、このシグマメーターの計測
するを利用して、当該島に設置された台間玉貸機が客に貸し出した遊技球の対価を適正性
を検証しようとする方法がある。
具体的には、シグマメーターをクリアーせずに、前日のカウンター数と営業前のカウン
ター数が一致していることを確認、営業後、現金回収時にカウンター数を記録し、営業開
始時と営業終了時の差額に、台間玉貸機に投入される硬貨の額面を乗じて、あるべき現金
算を把握する方法である。前日の検証者と当日の検証者が異なることを活用して牽制を図
る管理方法である。
スロットについては、紙幣を投入する場合が多いが、台間玉貸機自体にカウンターが設
置されているので、硬貨と同様の管理を実施することが可能である。
昨今の島設備は、台間玉貸機に投入された現金がベルトコンベアーやシューターにより
島端にある両替機やプリペイドカードの販売機や島金庫に回収される循環式と呼ばれる島
設備が増えており、両替機やプリペイドカードの販売機のカウンターやセンサーにより計
測されるデータを活用する事も可能となっている。
2
ホールコンピュータ
ホールコンピュータの基本的な機能はパチンコホール内の遊技球の動きを把握すること
になる。ホールコンピュータが把握する遊技球は次のように分類される。
① パチンコホールが客に貸し出した遊技球である「貸玉」
② 遊技機に客が打ち込んだ遊技球はすべて回収されるが、この回収された遊技球である
「打玉」
③ パチンコの場合は客が入賞口に遊技球を入れた結果、スロットの場合は客が役を揃え
た結果、客に提供される「賞球」
ホールコンピュータにより把握された「貸玉」の数量に貸玉単価を乗じた金額を売上金
額とする。
2
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ホールコンピュータは機能が向上されており、台間玉貸機に投入された硬貨や紙幣の数
量を把握するものもあり、この場合は、貸玉のために投入された硬貨や紙幣の金種、数量
が直接測定される。
五
実務上の売上の認識方法
パチンコホールはホールコンピュータにより貸玉数量を把握している。また、その対価、
風適法により貸玉金額(単価)の上限が定められており、店舗ごとに貸玉金額(単価)を
客に表示する必要がある。
パチンコホールにおける売上は、貸玉時点で認識され、「貸玉数×貸玉単価」によって測
定される。一般的なパチンコホールにおいては、貸玉はホールコンピュータにより把握さ
れており、他に客観的な把握手段がないため、原則としてホールコンピュータにより把握
された貸玉数量を基準に算定されるものとする。
営業の結果、各種金庫から回収された現金から営業開始前に用意してあった両替用資金
などを控除した金額をもって売上金額とすることは、ホールコンピュータで把握された貸
玉数量に貸玉単価を乗じた金額と同値であることを合理的に説明、検証可能である場合、
ホールコンピュータの把握する貸玉数など営業データが明らかに不合理である場合などを
除いて認められない。
明らかに不合理である場合の例としては、台間玉貸機からホールコンピュータへデータ
を搬送する回線の切断、台間玉貸機のセンサー不良、ホールコンピュータ自体のハングア
ップなどがある。
六
売上の会計処理
営業終了時にホールコンピュータにより測定された貸玉数量に貸玉単価を乗じた金額を
もって売上とする。
(借方)
現金
××
(貸方)
売上高
××
借方金額は、営業終了時に回収された現金から営業用資金として営業開始時に投入され
た両替資金を控除した金額である。貸方金額は、「貸玉数量×貸玉単価」である。
貸借差額が発生した場合で、当該売上計上時にその原因が不明となった場合は「現金過
不足」として計上し、その後、原因が判明した場合はその原因に応じて適切な会計処理を
実施することとする。決算時まで不明だった場合は、借方差額は「雑損失」、貸方差額は「雑
収入」として処理をする。
Ⅱ
プリペイドカード
一
基本的な考え方
遊技業におけるプリペイドカードは、社会的問題として疑念をもたれているパチンコホ
3
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ールの売上高の透明化(IN の問題の解消)を図るため導入された。このため、導入当初か
ら現在に至るまで、売上情報(プリペイドカード取引に限定)の管理は、プリペイドカー
ドシステムの提供会社及び情報処理会社が行う「第三者管理型」である。
ニ
前払式証票の規制等に関する法律
プリペイドカードの発行については、
「前払式証票の規制等に関する法律」の規制を受け
る。同法律の規定に従うと前払式証票とは、金額が記載され又は電磁的に記録されている
証票(度に換算されているものを含む)(同法2条第1号)をいうため、プリペイドカード
はこれに該当する。また、同法律は証票の利用範囲の違いにより、「自家発行型」と「第三
者発行型」の二つの形態に分けられる。証票の発行者からのみ物品の購入やサービスの提
供を受けることができるものが、自家発行型であり、それ以外のものが第三者発行型と区
別される。
プリペイドカードの発行の算入に当たっては、自家発行型は①発行者の人格に規制がな
く、②発行に当っての規制はないが、基準日未使用残高が700万円を超えるときは、所
轄の財務局に届け出が必要である。一方、第三者発行型は①発行者は法人格を有する者で
資本の額は1億円以上。但し、地域限定型は1千万円、②事前に所轄の財務局に登録が必
要である。両者とも発行保証として①基準日の未使用残高が、1,000 万円を超える場合、基
準日未使用残高の二分の一の額の保証金が必要であり、②その保証金は、供託、保証、保
険のいずれかである。その他、帳簿書類、報告・検査等、証票表示事項などに関する規制
が存在する。
三
用語定義
プリペイドカードシステム会社(プリペイドカードに関する情報処理会社を含む)は、
遊技業におけるプリペイドカードは同法の第三者発行型に該当するとしているが、PTB に
よるパチンコホール統一会計基準において、プリペイドカードのプリペイドカードシステ
ム会社、パチンコホール、顧客との取引類型に着目し、同法律の定義とは別に次のように
プリペイドカードを分類する。
券面額をプリペイドカードシステム会社が確定しており、プリペイドカード残高(又は
残度数)を翌営業日以降に持ち越すプリペイドカードを「第三者発行型プリペイドカード」
と定義する。
券面額をプリペイドカード販売時にプリペイドカードに記載するものを「自社発行型プ
リペイドカード」と定義する。
四
プリペイドカードの会計処理
1
自社発行型プリペイドカード
自社発行型プリペイドカードは、プリペイドカードシステム会社からプリペイドカード
4
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を使用するために必要な設備の購入、賃借を行い、当該プリペイドカードシステムの利用
契約を締結した上で、プリペイドカードシステム会社の仕様に合わせて、カード用部材を
購入し、これを利用して客にプリペイドカードを発券する形態である。
自社発行型プリペイドカードの取引は、パチンコホールと客との間については、営業終
了時清算、すなわち、客がプリペイドカードを購入した営業日の営業終了までにプリペイ
ドカードの残高を清算し、パチンコホールとプリペイドカードシステム会社との間につい
ては、パチンコホールは、プリペイドカードの発券都度、プリペイドカードシステム会社
に対してデータ管理料を認識する。
①会計処理
パチンコホールが客にプリペイドカードを販売した時点では、当該プリペイドカードの
券面額を預り金として計上する。
パチンコホールにて客がプリペイドカードにより貸玉を行った時点で、パチンコホール
は売上を計上し、その対価を預り金から減額する。
遊技終了後、客がプリペイドカード残高を清算した時点で、当該清算金額を以って預り
金を減額する。
パチンコホールは、プリペイドカードの発券数量に所定のデータ管理手数料を乗じた金
額を以ってプリペイドカードの運用費用を認識する。
②理論上の仕訳例
プリペイドカードを客に販売(=発券)
(借方)
現金
××
(貸方)
預り金
××
借方金額は営業終了時にプリペイドカード販売機から回収された現金から営業開始時に
投入した両替資金を控除した金額であり、貸方金額は、発券金額となる
客によるプリペイドカードの消費
(借方)
預り金
××
(貸方)
売上高
××
借方金額は、プリペイドカードの消費金額であり、貸方金額は、貸玉金額である。
(借方)
プリペイドカード費
××
(貸方)
未払金(未払費用)
××
現金
××
借方金額、貸方金額は、データ管理手数料である。
客によるプリペイドカード残高の清算
(借方)
預り金
××
(貸方)
借方金額、貸方金額は、客に返却した預り金の金額である。
預り金残高は、販売したプリペイドカードの未消費残高であり、発券金額からプリペイ
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ドカードにより行われた貸玉金額を控除した金額である。
③実務上の仕訳例
自社発行型プリペイドカードについては、運営会社やプリペイドカード・システムの機
能や内容が多様であるため、会計処理ついては、現在、一般的な運用と思われるものを示
す。
預り金残高のデータ保持期間についてはプリペイドカード・システムによって異なるが、
運用上、客にプリペイドカードの清算は遊技当日に行うように求めているため、パチンコ
ホールの売上高が営業日ごとの集計で計上することを求めていることから、次の仕訳を実
施すれば足る。
(借方)
現金
××
(貸方)
売上高
××
借方科目の現金に対応する借方金額は、プリペイドカードの発券金額からプリペイドカ
ードの清算金額を控除した金額、貸方科目の売上高は、プリペイドカードの消費による貸
玉金額である。
(借方)
プリペイドカード費
××
(貸方)
未払金(未払費用)
××
借方科目のプリペイドカード費に対応する借方金額、貸方科目の未払金(未払費用)に
対応する貸方金額は、データ管理手数料である
営業日当日に、プリペイドカードの未清算がある場合は、次の仕訳を行う。
(借方)
2
現金
××
(貸方)
雑収入
××
第三者発行型プリペイドカード
第三者発行型プリペイドカードは、プリペイドカードシステム会社からプリペイドカー
ドを使用するために必要な設備の購入、賃借を行い、当該プリペイドカードシステムの利
用契約を締結した上で、プリペイドカードシステム会社が予め券面額を記録したプリペイ
ドカードを購入し、これを客に転売する形態である。
パチンコホールと客との間の取引についてプリペイドカードシステム会社が第三者とし
て決済することで、売上の透明性を確保するため、プリペイドカードシステムカード会社
がパチンコホールに支払う、遊技で使われたプリペイドカードの「消費額」と、パチンコ
ホールがプリペイドカードシステム会社に支払う「購入したカード代金」とを確認しあい、
相殺のうえその差額を決済する方式を採用している。
①
会計処理
パチンコホールにおけるプリペイドカード取引とその会計処理は次の通りである。
6
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プリペイドカードシステム会社からプリペイドカードを購入時は、購入金額を以ってプ
リペイドカード勘定に計上する。この購入金額は、プリペイドカード券面額に所定のカー
ド発行手数料を加えた単価に購入数量を乗じた金額である。
パチンコホールが客にプリペイドカードを販売した時点で、販売した券面額のプリペイ
ドカード勘定を減少させ、入金額との差額であるカード発行手数料を費用処理する。
パチンコホールにて客がプリペイドカードにより貸玉を行った時点で、パチンコホール
は売上を計上し、その対価をプリペイドカードシステム会社への未収入金を計上する。
月末に、プリペイドカードシステムの賃貸部分の費用認識を行うと共に、プリペイドカ
ード購入に関するプリペイドカードシステム会社への未払と、プリペイドカード消費に関
するプリペイドカードシステム会社への未収を相殺し、貸借差額をもってプリペイドカー
ドシステム会社との清算金額とする。
②
仕訳例
プリペイドカードシステム会社からプリペイドカードの購入
(借方)
プリペイドカード
×× (貸方)
未払金
××
借方金額、貸方金額は、プリペイドカードの購入単価に購入数量を乗じた金額である。
購入単価には、プリペイドカードの券面額とプリペイドカードの発行手数料である。
パチンコホールの客へのプリペイドカードの販売
(借方)
現金
×× (貸方)
プリペイドカード費
××
プリペイドカード
××
借方科目の現金に対応する借方金額は、客へ販売したプリペイドカード券面額総額、借
方科目のプリペイドカード費に対応する借方金額は、客に販売したプリペイドカードの発
行手数料の総額であり、貸方金額は、購入単価(受入単価)に販売数量を乗じた金額であ
る。
客によるプリペイドカードの消費
(借方)
未収入金
××
(貸方)
売上高
××
借方金額、貸方金額は、プリペイドカードによる貸玉金額である。
締日における債権債務の相殺
(借方)
未払金
××
(貸方)
未収入金
××
借方金額は、プリペイドカードの購入単価に当該期間に購入した数量を乗じた金額であ
り、貸方金額は、当該期間にプリペイドカードによる貸玉金額の合計金額である。
なお、貸借差額が、パチンコホールとプリペイドカード発行会社との清算金額となる。
7
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五
売上高の適性性の担保
パチンコホールのプリペイドカード・システムは、当初の第三者発行型プリペイドカー
ド・システムから、自社発行型プリペイドカード・システムが登場し普及してきた。
その後も、プリペイドカードに会員カードの機能を付加したもの。プリペイドカード発
券機でプリペイドカードの再購入やチャージをするだけではなく、プリペイドカードを台
間玉貸機に挿してあれば、台間玉貸機で貸玉が可能であったり、チャージが可能なシステ
ム。また、パーソナル・システムと呼ばれる客が特定の遊技機の席についたままで、プリ
ペイドカードへのチャージ、貸玉、遊技終了時の手持ちの遊技球数の計測、プリペイドカ
ード残高の清算を行うシステム(この場合、プリペイドカードにジェットカウンターのレ
シート情報等を記録している)も登場している。
いずれの場合であっても、プリペイドカード・システムはパチンコホールが営業データ
の把握のために各営業設備からのデータを把握するホールコンピュータの配線等とは別に、
プリペイドカードの管理に必要なデータ、すなわち、プリペイドカードの発券(チャージ
等を含む)、プリペイドカードの消費(=貸玉金額)、プリペイドカードの清算に関するデ
ータを把握するための配線等を設置する必要がある。
このため、プリペイドカード・システムが設置されている遊技機と組まれているプリペ
イドカード用台間玉貸機(CR ユニットを内臓している。
)に関する貸玉数量と貸玉金額、
すなわち、売上高の適正性を証する客観的なデータを提供することが可能である。
ホールコンピュータにより把握された売上高の適正性を検討するため、保証するために、
プリペイドカード・システムの貸玉情報を活用することが実務上は要求される。
ただし、CR ユニットの異常などや通信不良により、プリペイドカードに係る営業データ
がエラーの例もあるので、営業データを会計情報として計上するためには、営業データの
整合性や適正性を検証し、分析する必要がある。
Ⅲ
売上原価
一
基本的な考え方
「PTB によるパチンコホール統一会計基準」において、遊技業は、店舗設置・装置型レ
ジャーサービス業と位置付けられると考えている。サービス業においても工業と同様、原
価計算は企業の生産性を把握する上で不可欠なものである。遊技業においてパチンコホー
ル各々の収益を獲得するために費消された財貨又は用役を適確に把握できないと、収益構
造、収益源泉、生産性の良否等が不明確になる。原価計算は、「経営における一定の給付に
かかわらせて、把握された財貨又は用役の消費を、貨幣価値的に表した」
(
「原価計算基準」
から)原価を集計する方法であり、収益獲得に要した費用の態様を明確化するものである。
遊技業において、パチンコホール個店ごと単独で費用を費消し、収益を獲得するため、
パチンコホール各々がプロフィットセンターと解される。よって、パチンコホールにおけ
8
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る原価計算は、収益をあげるためパチンコホールにて直接的に費消された費用を売上原価
として把握する。
パチンコホールにて直接的に費消された費用とは、パチンコホールが収益を上げるため
の営業活動により発生する費用であり、遊技の結果、客に提供する景品(景品原価)、店舗
従業員の給与手当等の労務費、遊技のための遊技機を設置・維持する費用(遊技機関連費
用)、遊技の場である店舗設備を維持するため費用(設備費)、店舗の水道光熱費など店舗
運営をする上で発生する費用(運営経費)から構成される。
ニ
売上原価明細書
売上原価の構成内容を明らかにするため、財務諸表の一つとして売上原価明細書を作成
する。売上原価明細書は、遊技業における売上原価を構成する項目ごとにその金額を記載
する。
財務諸表の利用者に有用な情報を提供する細目について、内訳表示、もしくは脚注表記
を要する。
三
景品原価
1
基本的な考え方
景品原価は、パチンコホールが客の遊技結果に対して提供する景品の引渡し額である。
パチンコホールの景品は棚卸資産であり、会社が採用する会計方針に従い会計処理を行い、
景品原価は、払出単価に払出数量を乗じて計算される。
払出数量を算定する基本的な方法としては、継続記録法と実地棚卸法の2つがある。
継続記録法は、棚卸資産の種類ごとに台帳を用意し、景品の受入し及び払出しのたびご
とに、その記録を行う方法である。継続記録法は景品の払出しを個別的、原因別に記録す
る方法であり払出しに関する記録によって、一定期間の払い出しを直接的に把握可能であ
り、この帳簿記録によって景品残高数量を常時把握することが可能である。加えて実地棚
卸法を併用して、帳簿数量と実地棚卸数量とを比較することによって棚卸過不足の有無が
判明するとともに、その原因を解明することが可能である。
実地棚卸法は、期末に景品現品の実地棚卸を行い実際残高数量を確かめ、その数量を前
期繰越数量と当期仕入数量の合計数量から差し引き、その結果算出された数量を当期の払
出数量とみなす方法である。継続記録法に比して事務負担は少ないが、棚卸過不足が含ま
れるため、管理上は望ましい方法ではない。
棚卸資産の管理上、棚卸資産のうち比較的重要性が乏しいものは実地棚卸法の適用が合
理的であるが、重要性がある場合は、継続記録法を原則とし、実地棚卸法で補完する方法
が望ましい。
企業会計において認められる棚卸資産の貸借対照表価額の算定方法として、①個別法、
9
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②先入先出方法、③後入先出法、④平均原価法、⑤売価還元原価法がある。(企業会計原則
注解 21)
2
賞品の定義
風適法の規定、公安委員会の見解に従うと、遊技の結果として客に提供する物を「賞品」、
遊技の結果に関係なく、不特定多数の者に配布する物を「景品」としている。
「PTB による
パチンコホール統一会計基準」においては、パチンコホールにおいては、客に提供する風
適法でいうところの「賞品」を「景品」と呼称することが通例であるため、風適法での定
義とは異なるが、遊技の結果、客に提供する物を「景品」と呼び、不特定多数の者に配布
する物を「販促物」と定義する。
なお、景品原価の計算の対象となるのは、「景品」である。
3
値引、割戻等
パチンコホールと景品卸業者の契約で、一定期間の取引量に応じて、景品取引高の値引、
割戻を行うことを規定している例がある。
これらの契約は、契約時に一定期間の取引量に応じて単価の改訂がなされるように合意
がなされているものであり、日常の取引・決済の関係から日常取引においては仮単価で取
引を行い、事後的に清算されているものであると考えられる。
よって、景品原価の修正として景品原価を構成するものとする。
4
棚卸評価損
景品の期末帳簿価額に対して著しく時価が低下している場合は、当該乖離金額をもって
棚卸評価損とする。
当該棚卸評価損の発生原因が、正常な経済環境における価格の低下である場合は原価性
があるものとして、景品原価としての処理を行うが、異常な事由がから生じた評価損につ
いては、原価性がないものとして営業外費用又は特別損失として処理する。
5
原則処理
パチンコホールの営業において、棚卸資産である景品は多品種にあたりその日々の営業
における受払い量も大きい。パチンコホールの収益(=原価)管理上、景品の管理は重要
である。よって、継続記録法により払出数量と理論残高を把握し、実施棚卸法によりその
有効性を検証することが望まれる。
遊技業においては、継続記録法により把握された払出数量を会社が定めた会計方針(た
な卸資産の評価基準及び評価方法)に従い、景品原価を算出することを原則とする。
6
棚卸減耗損
10
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継続記録法によって景品を管理している場合において、帳簿数量と実地棚卸数量とに相
違が生じた過不足数量は、棚卸減耗損として処理する。
帳簿数量と実地棚卸数量との過不足の原因分析を実施した結果、正常な業務処理を事由
にする過不足については、原価性があるものとして景品原価として処理を行い、異常な事
由から生じた過不足については原価性がないものとして営業外費用(営業外収入)または
特別損失(特別利益)として処理する。
7
容認規定
今日の企業経営では、棚卸資産の受払いなど日常的・定型的取引が多いものについては
コンピュータを利用した情報システムを構築し、これにより事務処理を行うことが通例で
ある。特に販売する物品とその顧客が多品目かつ大量である流通業においては、発注、検
収(=仕入)、受入払出(在庫管理)
、販売に至るまで情報システムである POS システムに
より営業情報を処理している。
遊技業においても POS システムが存在する。遊技業の POS システムは、顧客の遊技の
結果である遊技球の残数を計数機(ジェットカウンター)にて計数された結果を呼び込み
景品の払出しを把握するものである。当然、入庫数も記録するため、入庫、出庫、残高の
商品別管理が行える。しかし、流通業における POS システムとの相違として、①登録可能
な資産品目数に制約がある、②先入先出法、後入先出法など単価計算ができない、などが
あり、多品目化するパチンコホールの賞品の継続記録の台帳として機能するには、POS シ
ステムのデータ単独では不十分である。
よって、遊技業の POS システムの機能的限界から生じる景品原価算定の事務処理の負担
を考慮し、実地棚卸法を容認する。
四
労務費
労務費に集計される従業員は、パチンコホールの収益を獲得するための人員が対象とな
る。例えば、パチンコホールの運営をするためのカウンター業務を含むホールスタッフ、
これを直接管理指導する店長等マネージャー職がこれに該当する。
1
労務費
売上原価に集計される労務費とは、店舗においてパチンコホールのサービス提供のため
消費される労働用役の対価をいい、概ね次の項目から構成される。
① 店舗従業員の給料手当
② 店舗従業員(非常勤・パートアルバイト)の雑給
③ 店舗従業員の賞与
④ 店舗従業員の退職給付費用
⑤ 店舗従業員の法定福利費
11
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⑥ 店舗従業員の福利厚生費
⑦ 店舗従業員の通勤手当等
2
店舗営業維持のための法定講習受講料
パチンコホールごとに専任者が必要である風適法第 24 条の規定する管理者、消防法の規
定する防火管理責任者などの講習費用はパチンコホールの営業を維持する上で不可避な費
用であるため、売上原価を構成する。
3
店舗営業維持のための法定講習受講料の例示
①店舗管理責任者講習
営業所ごとに専任の管理者が必要(風適法第 24 条)。公安委員会(所轄警察署)から管
理者講習を行う旨の通知を受けた場合は、管理者講習を受講しなければならない(行政処
分の対象)。
②防火管理責任者講習
営業所ごとに管理者が必要。所轄消防署にて講習が実施される。
五
遊技機関連費用
1
遊技機の取得費用
遊技機の取得に関する支出については、売上原価を構成する。
遊技機の取得に関する会計処理の例外法を選択した場合は、減価償却費、除廃却損失・
費用が売上原価を構成する。
遊技機をリース契約により取得した場合は、金融費用以外が遊技機の取得費用として売
上原価を構成する。
2
遊技機の運送費
一般的な商取引においては、売主が商品等の運送費を負担することが通例である。しか
し、遊技業界においては、遊技機を店舗まで運送する費用の負担は店舗側にあるため、パ
チンコホールは遊技機の購入に際して運送費を負担するのが業界慣行となっている。
当該運送費は、遊技の設置のために不可避な費用であるから、遊技機関連費用を構成す
る。
3
遊技機の入替申請その他
遊技機の入替、遊技機の故障(基盤不良、釘・風車等の欠損など)が生じた場合、公安
委員会(所轄警察署)に届出が必要であるが、この際に所定の届出書が必要である。
当該届出書の作成にかかる費用(行政書士報酬)、届出時に必要な県証紙などは遊技機の
設置に要する費用であるから遊技機関連費用となる。
12
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4
遊技機の保管に関する費用
遊技機の再利用のため、遊技機を倉庫等に保管している場合がある。この場合、当該倉
庫を自社で用意しているケース、外部業者に委託しているケースが想定される。また、パ
チンコホールと倉庫間の移動も同様に自社で行うケースと外部業者に委託するケースが想
定される。
いずれの場合であっても、遊技機の撤去、再利用に係る費用は遊技機関連費用として認
識する。
AM マーク
5
AM マーク(Amusement Machine mark)は、遊技機の適法性を証するため、1985 年の
風営法改正に伴い、(財)全国防犯協会連合会(全防連)が違法機の設置流通の防止を狙い
作成した。一枚 150 円。遊技機の適法性を証するため財団法人全国防犯協会連合会が作成
し、各県風俗環境浄化協会が発行するものであり、風俗環境浄化協会(警察の外郭団体)
の収入となる。保通協と日工組の認定シールは台に貼られて来るが、AMシールは台入替
え時、ホールに配布され添付される。防犯活動協力証明シールである。
AM マークは遊技機の入替にあたっては不可避のものである。入替に当たっては入替対象
遊技機台数分の AM マークが必要となる。
AM マークは遊技機をパチンコホールに設置するに当たって不可避な支出であるため、遊
技機の設置に要する費用として遊技機関連費用となる。
6
レンタル契約による遊技機の使用
遊技機製造販売業者等による遊技機のレンタル制度があるが、遊技機のレンタル制度は
業者によってその契約内容に相違があるものの、1~6 ヶ月程度の基本契約期間が存在し、
両社の合意によりその延長がなされる契約となっている。
レンタル契約による遊技機の使用に関しては、契約内容に従った会計処理方法により使
用期間に応じて費用処理を行うものとする。
但し、レンタル契約内容が、実質リース契約と同一のもの、実質的に売買契約と認めら
れるもの(「リース取引の会計処理及び開示に関する実務指針」
ファイナンス・リース取
引に該当するリース取引を参照)については、それぞれ購入取引、リース取引の会計処理
に従う。
7
レンタル契約の保証金
レンタル契約により遊技機を使用する場合の当該契約において保証金の預入を行う場合、
通常のレンタル契約は短期(発生時から1年内)の利用を前提とされていると解されるこ
とから、流動資産の部に資産計上する。
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七
設備費
1
修繕費
設備費に含まれる修繕費は、店舗建屋及び設備を通常の営業を維持していく上で、必要
と認められる又は予定される修繕をいい、リニューアルのような増改築や機能向上を意図
してなされる大規模の改修に関する費用は含まない。
2
遊技球
遊技球の費用化は、店舗の営業に供用された時点をもってなされる。よって、補充のた
めに所有しているパチンコ玉、スロットコインの遊技球は貯蔵品(あるいは前払費用)と
して資産計上する。
3
店舗などへの損害保険
店舗、駐車場設備などの滅失や破損への補償のための損害保険は、店舗設備を維持する
ための費用として設備費を構成する。
八
運営経費
1
広告宣伝費
店舗運営に関する広告宣伝費とは、店舗ごとの集客を図る目的でなされる広告宣伝に関
する支出をいう。全社(及びグループ会社)の知名度を向上する目的でなされる広告宣伝
は販売費及び一般管理費を構成する。
2
諸会費
店舗運営に関する諸会費とは、当該パチンコホールが営業をするため個店ベースでなさ
れる同業者組合費、コミュニティ費用(例えば、商店街の会費など)をいう。
Ⅳ
貯玉
一
基本的な考え方
貯玉は、客が遊技の結果得た遊技球を、景品に交換せず、パチンコホールに預ける行為
である。風適法は、遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行するこ
とを禁じている。このため、個々の顧客からの遊技球の保管状況を管理するためには、書
面発行が不可能なことから個々の顧客を認識するために、会員登録による遊技球の受払・
保管状況の管理をコンピュータ・システムにより行うこととなる。
よって、貯玉システムの導入は、会員制度の導入が前提となる。
顧客による貯玉は、パチンコホールとしては、単に遊技球を預っている状態であるが、
14
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貯玉は最終的には顧客が貯玉を利用して景品に交換することにより貯玉が解消される。
よって、貯玉は、顧客が景品交換を留保している状態である。
二
会計処理
パチンコホールから見ると、貯玉は、顧客に対して最終的には景品の提供義務が生じる
債務である。企業会計は時価概念などが会計基準に導入されており、この考え方を基に貸
借対照表を考察すると、一定時点の企業価値を表現することが、貸借対照表の目的である
といえる。よって、貯玉も顧客に対して景品提供を行わねばならない債務であることから、
これをオンバランスさせる必要性が生じる。
貯玉を貸借対照表に計上するため、貯玉数量を計算基礎にし、顧客に提供すべき景品金
額相当額を算定し、この金額をもって顧客に対する債務として計上することとする。
貯玉に関する債務の相手勘定としては、景品交換が保留されて債務認識されていること
から、貯玉原価として景品原価の内訳科目とする。
三
貯玉金額
貯玉の負債額は、次の計算式により算定する。
貯玉金額=貯玉数量×貸玉単価×景品原価率
四
景品原価率
貯玉金額を算定するための景品原価率としては、次のものが想定される。
① 財務会計上の景品原価率
② 営業上の景品原価率
③ 主要な景品の原価率
五
財務会計上の景品原価率
財務会計上の景品原価率とは、継続記録法、実地棚卸法のいずれを採用するとしても会
計上の景品原価が認識される。これを利用して景品原価率を算定する方法である。
貯玉は顧客に提供すべき景品金額相当額を算定し、この金額をもって顧客に対する債務
として計上するという点からは、財務会計上の景品原価率はパチンコホールの経営実態を
表す。しかし、欠点としては、計算の遅延、異常値、例えば、年度末近くに新店オープン
の場合などの赤字営業を行う場合など、異常な景品原価率が生ずる場合がある。
財務会計上の景品原価率は、次の式により算定される。
景品原価率=
六
会計上の景品原価
貸玉金額総額-貯玉総額
営業上の景品原価率
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営業上の景品原価率とは、通常、パチンコホールの営業部門が使用しているであろう景
品原価率を指す。大多数の客に選択される一部の主要な景品のみの原価率を用いた場合、
原価率の異なる、例えば、端玉景品、タバコ等の景品の払出しが当該店舗の平均払出しよ
り多い、少ない場合は、財務会計上の景品原価と営業管理上の景品原価に大幅な乖離が生
じ、営業利益の見込が異なる可能性が発生する。
このため、直前数ヶ月の傾向を考慮した景品原価率、交換玉数の変更により想定される
払出し景品構成から算定される景品原価率など、会計上の景品原価と乖離の少ない営業管
理上の景品原価率を想定する。
営業上の景品原価率の貯玉原価算定への利用は、計算の迅速性の観点からは望ましいが、
予測値による貯玉原価となるため、財務会計上の数値としては恣意性が高いものとなり、
財務会計上の景品原価率などと乖離が大きい場合、その合理性、妥当性を説明できるもの
でなければ、これを利用することはできない。
七
主要な景品の原価率
主要な景品の原価率とは、客に選択される率が高いため、回転率が高い景品の原価率を、
その回転率を考慮した加重平均により用いる方法である。
100%に近い客が単価の高いカード景品、金地金景品などに持ち玉を交換する場合、これ
ら回転率の高い景品の原価率を使用した場合に、これ以外の景品の原価率が与える影響は
軽微と考えられる。
主要な景品の原価率を用いることは、計算の迅速性が得られること、また、財務会計上
の景品原価率の欠点である異常値、例えば、年度末近くに新店オープンの場合などの赤字
営業を行う場合など、主要な景品の原価率を使用する方が合理的な貯玉原価を算定できる。
八
景品原価率の適用
貯玉は、客が景品交換を保留しているためのパチンコホールの債務であるという点から、
財務会計上の景品原価率を選択することを原則とする。ただし、営業上の景品原価率、主
要な景品の原価率が財務会計上の景品原価率と大幅な乖離がないことが合理的に説明しえ
る場合、これを使用することを認める。
九
貯玉原価の算定
貯玉原価は、貯玉金額(=貯玉数量×貸玉単価)に景品原価率を乗じることで求められ
る。
パチンコホールの経営実態を適切に表すためには、貯玉原価は、パチンコ、スロットの
別、店舗別に算定される事が望まれる。これは貯玉の店舗の営業政策、地域性、行政指導
の影響などが考えられるためである。特に店舗の開店時など過去の営業実績がない場合な
ど、貯玉原価を算定するための景品原価率を全社で一つ計算にこれを加えると、異常値を
16
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影響させることとなるため、当該店舗の貯玉金額に主要な景品の原価率を用い、貯玉原価
を算定する方が合理的な貯玉原価を算定できる。
十
仕訳例
(借方)
貯玉原価
××
(貸方)
貯玉預り金
××
※金額は、貯玉金額×景品原価率
十一
認識時点
パチンコホールの営業活動を日々のベースで会計に反映させるには、日次ベースで会計
処理を行うことが要求されるが、事務処理が煩雑であること、資金的裏づけがないことか
ら、決算時に会計処理を行えば足る。
十二
第三者管理制度
パチンコホールが貯玉制度を導入する際、第三者管理組織と、貯玉補償基金に加盟する
必要がある。
第三者管理組織は、パチンコホールの顧客である会員の貯玉・払出などのデータを管理・
保全を行い、パチンコホールの貯玉データのバックアップを行うことを目的にしている。
貯玉補償基金は、災害・事故などによる不測の出来事によりパチンコホールが営業を行
えなくなり、会員に対して貯玉の払い戻しができなくなった場合に、パチンコホールに代
わって補償を行うためものである。不測の出来事ではない場合、パチンコホールの自主的
な閉店、営業取消等による閉店、貯玉・再プレイシステムの使用中止などにおいては、会
員に対して補償されるものではない。
十三
拠出金
貯玉制度には、貯玉会員である顧客が持ち玉全てを貯玉することができる「全玉貯玉」
と景品交換の際に発生する端玉(注)のみを貯玉することができる「端玉所玉」がある。
「全玉貯玉」と「端玉貯玉」で金額が異なるものの、貯玉制度導入時には、導入する貯
玉の種類に応じて設定された金額を「拠出金」として第三者管理組織に支払う必要がある。
貯玉制度導入後は、その貯玉残高数量が一定単位を超えると「拠出金」の追加が要求され
る。これら拠出金は第三者管理組織を通じて貯玉補償基金に積立られる。
パチンコホールが支払った拠出金は、貯玉制度を廃止した場合に返却される。
貯玉制度の導入・運営により生じる「拠出金」は、「差入保証金」として資産計上する。
十四
再プレイ
顧客自らが貯玉した遊技球を景品に交換するのではなく、遊技球の払出しを行い、この
遊技球により遊技機を使用することを「再プレイ」という。
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売上計上基準において「貸玉をもって売上とする」と定義しており、これと整合性を図
るために、貯玉再プレイを売上として収益認識することは行わない。
Ⅴ
遊技機
一
取得価額
遊技機の取得価額とは、遊技機本体の購入価額のみならず、遊技機をパチンコホールに
て使用可能な状態にするまでに要した一切の支出等を加えたものを意味する。
ニ
営業供用時
費用の計上時期は、費用収益対応原則に従い、その費用が獲得するであろう収益に対応
する必要がある。遊技機の取得を費用化する場合、遊技機取得に関する会計処理を原則法、
例外法のいずれで処理を行うかに関係なく、その費用化の時点は、遊技機の使用により得
られるであろう売上高の発生時期に対応させる必要がある。
遊技機の取得に関して、パチンコホールの営業許可の関係から、遊技機の取得、据付、
変更申請、営業の手順を踏む必要がある。このいずれの段階で費用処理を行うかにより、
期間損益が異なる可能性がある。パチンコホールにて遊技機が売上を得るため営業にて使
用可能である時点は、所轄公安委員会(警察署)の許可を得て以降であり、遊技機が使用
され売上に貢献するのは、いわゆる遊技機の入替日=営業開始日である。
費用収益対応原則により売上に対応する費用の認識時点は、当該遊技機の営業開始日で
あり、この営業開始日を以って営業供用の時点とする。
三
遊技機の会計処理(原則)
遊技機の取得に係る取得価額は、営業供用時に遊技機取得費用として費用処理される。
遊技機の取得時から営業供用時までの間は「貯蔵品」に資産計上する。
四
遊技機の会計処理(容認)
1
取得時の会計処理
遊技機の取得価額により遊技機を資産計上する。
2
費用化
資産計上された遊技機は、減価償却計算により費用化される。償却計算の開始時点は営
業供用時である。
3
遊技機廃棄損
遊技機を営業の用から撤去され、廃棄された場合、当該遊技機の帳簿価額を遊技機廃棄
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損と認識する。この際、当該遊技機廃棄損は売上原価の内訳科目(遊技機関連費用)とし
て処理する。
これはパチンコホールの営業を継続する限り、遊技機の交換は毎期継続的になされるの
が通例であり、企業会計原則が予定する固定資産の廃棄とは性格が異なること、遊技機の
原則法による会計処理との売上総利益に与える乖離の影響から生じる同業企業間の比較可
能性を保持されることにある。
五
税効果会計
1.PTB の遊技機の考え方
「PTB によるパチンコホール統一会計基準」は、遊技機の営業供用時の会計処理として
全額費用処理を原則としている。その論拠は次のとおりである。
① パチンコホール側の遊技機の入替は集客を狙う一種の営業費用的側面があることと、
遊技機製造会社の新機種販売の短期化により遊技機の短命化の傾向にあり、遊技機の
経済的使用期間(遊技機の店内設置・営業供用開始から撤去・営業供用終了までの期
間)が 1 年内であること
② 経済社会において資産性の判断基準としての清算価値は、転売価値のないスクラップ
価値に過ぎず、金融機関に代表される経済社会の視点からは、遊技機の資産としての
財産的価値を認識しない風潮にあること
一方、
「PTB によるパチンコホール統一会計基準」は、容認規定として遊技機の資産計上
を認めており、法定耐用年数による減価償却計算の実施を容認している。
原則処理と容認処理との整合性を図り、両者の会計処理の相違による財務諸表の比較可
能性を維持するには、資産性を認めた上で、減価償却計算を行う上での両者の耐用年数が
異なるという考え方ではなく、遊技機については資産計上するか否かという資産計上基準
の相違と考えるのが妥当である。
すなわち、原則処理においては、有形固定資産の資産計上基準として「なお、遊技機に
ついては、全額営業供用時に費用処理しております。」と資産計上をしていない旨を示すこ
ととなる。
2.遊技機の会計上の考え方
企業会計の役割は、企業の経済活動を会計により適切に反映することにある。
「PTB によ
るパチンコホール統一会計基準」の作成・改訂作業を行う過程で、遊技機の経済的な実体
とは、いかなるものかという論点があった。
パチンコホールにおいて、遊技機とはいかなる役割を果たし、その経済的実体は何かと
いう点を検討すると、次の考え方に要約できる。
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【集客用の営業費用】
パチンコホールの集客確保、売上・利益確保のため、経常的に遊技機を交換するもので
あり、営業を行う上で必要な支出である。短期、定期的に取替えが予定されており、パチ
ンコホールの営業を行う上で、不可避な短期になされる支出である。交換による撤去遊技
機の再販価格、再利用の可能性が極めて低いため、営業に必要な費用である。
このように、パチンコホールの運営会社の予算管理、パチンコホールの運営実態を考慮
すると、遊技機は集客用、売上・利益確保のため、不可避な支出である。
【単体で機能する営業用設備】
遊技機は、パチンコホールを運営する上で、必要な営業用設備である。現在の店舗設備
では、補球・回収設備を取り付けた島設備に設置されるが、手補給での営業が可能である
ことから、遊技機単独で機能するとする。
この場合、遊技機単体の経済的使用可能期間を見積り、減価償却計算の耐用年数を決定
する必要がある。
経済的使用可能期間が 1 年未満である場合、金額的な重要性が低い場合など、費用処理
されることとなる。
【補球設備、島設備などの営業用設備を構成する一部】
遊技機は、パチンコホールを運営する上で、必要な営業用設備である。現在のパチンコ
ホール営業の実態から、遊技機は、補球・回収機能、営業用のデータ管理等情報システム
(ホールコンピュータ等)を設置した島設備に組み入れられるものであり、遊技機単体で
機能する訳ではない。
この場合、設備全体と更新を考慮して、経済的使用可能期間を見積り、減価償却計算の
耐用年数を決定する必要がある。
以上のように遊技機の経済的実体はどのようなものであるかに関して論点はあるものの、
会計処理的には、
【遊技機を費用として考える】か、あるいは【遊技機を資産として考える】
かに帰結する。
【遊技機を費用として考える】
遊技機を集客のための営業費用として捉えると、遊技機は会計上、資産性のない費用で
あり、営業供用時に費用化されるものである。
営業供用時に費用化されるため、納品されたが、営業に供用されていない遊技機、例え
ば、新規店舗やリニューアル店舗において設置されたが、営業がされていない等の場合を
除き、貸借対照表に計上されることはなく、全額損益計算書上の費用として計上されるこ
ととなる。
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遊技機を資産として考えないため、会計方針・会計処理方法として、資産計上の基準や
減価償却方法を記載する必要がない。
【遊技機を資産として考える】
遊技機を営業用の資産と捉えると、遊技機は会計上、資産であり、その費用化は正規の
減価償却により費用化することが求められる。
正規の減価償却とは「減価償却の最も重要な目的は、適正な費用配分を行うことによっ
て、毎期の損益計算を正確ならしめることである。このためには、減価償却は所定の減価
償却方法に従い、計画的、規則的に実施されねばならない。」(連続意見書第三「有形固定
資産の減価償却について」)という考え方である。
貸借対照表への計上は、取得した遊技機の減価償却後の帳簿価額であり、損益計算書に
は減価償却により認識された費用が計上されることとなる。
また、遊技機の係る会計方針・会計処理方法として、資産計上の基準、減価償却方法、
主な耐用年数を記載する必要がある。
両者の相違をまとめると下表のとおりである。
遊技機の本質
費用
資産
損益計算書への反映
全額費用
減価償却
貸借対照表への反映
原則として計上なし(未使用
有形資産として減価償却後
分は計上)
の帳簿価額を計上
費用認識時点
営業供用時
営業供用時
会計処理方法/会計方針
該当なし
減価償却の方法
主な耐用年数
3.遊技機の税務上の考え方
法人税法は、固定資産の範囲を法人税法第 2 条第 22 項(法人税法施行令 12)に
① 土地(土地の上に存する権利を含む。)
② 減価償却資産
③ 電話加入権
④ ①②③に掲げる資産に準ずるもの
と定め、
減価償却資産の範囲の有形固定資産を法人税法第 2 条第 23 項
(法人税法施行令 13)
に
① 建物及びその附属設備
② 構築物(工場緑化施設等を含む。)
③ 機械及び装置
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④ 船舶
⑤ 航空機
⑥ 車両及び運搬具
⑦ 工具、器具及び備品(観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供する生物を含む。)
とし、その減価償却計算を行う耐用年数を、「基本的法定耐用年数」として「減価償却資産
の耐用年数等に関する省令別表第1
機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数
表」に従うものとするとしている。
遊技機は、
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第1
減価償却資産の耐用年数表」によると、「器具及び備品」「9
機械及び装置以外の有形
娯楽、スポーツ器具、興行
又は演劇用具」として、パチンコが2年、スロットが3年とされている。
また、少額の減価償却資産として、使用可能期間が 1 年未満又は取得価額が 10 万円未満
であるものがある場合、これを損金経理した場合は、損金算入する。取得価額 20 万円未満
の資産については、事業年度ごとに一括して 3 年間で償却することができる。
これをまとめると次のようになる。
取得価額
ケース1
1 円以上 10 万円未満
損金経理
10 万円以上 20 万円未満
3 年間均等償却
20 万円以上
資産計上
ケース2
ケース3
損金経理
資産計上
資産計上
※ 資産計上したものは、
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表1に従い、減
価償却を行う
4.遊技機における税効果会計適用の必要性
企業会計では、企業会計上の資産価額と税務計算上の資産価額に相違がある場合におい
て、これが将来的に解消されることが認められる場合は、その差額を税効果会計によって
調整することが求められている。
「税効果会計に係る会計基準」は、その目的として次のように規定している。
第一
税効果会計の目的
税効果会計は、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額に
相違がある場合において、法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金(以下
「法人税等」という。)の額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当
期純利益と法人税等を合理的に対応させることを目的とする手続である。
税効果会計に係る会計基準注解
(注1)法人税等の範囲
法人税等には、法人税のほか、都道府県民税、市町村民税及び利益に関連する金額を
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課税標準とする事業税が含まれる。
法人税等の計算においては、前述の規定に従い行われる必要があるため、企業会計にお
ける会計処理が上記の規定と相違する場合には、当然、税務計算上の調整計算が必要とな
り、税効果会計のいう将来減(加)算一時差異が発生し、繰延税金資産(負債)を認識す
る必要が生じる。
遊技機の会計処理においては、パチンコ 2 年、スロット 3 年で法人税法の規定に従った
減価償却計算を実施しない場合、将来減(加)算一時差異が生じる。想定されるケースと
しては、下表の類型が想定される。
会計処理
調整項目
将来減(加)算一時差異
全額費用処理
減価償却超過額
将来減算一時差異=繰延税
費用処理額-税務上の資産
金資産
価額(=取得価額-税務上の
既減価償却額)
法定耐用年数より短い耐用
減価償却超過額
将来減算一時差異=繰延税
年数で減価償却
費用処理額-税務上の資産
金資産
価額(=取得価額-税務上の
既減価償却額)
5.遊技機の会計上の捉え方と税効果会計
「税効果会計に係る会計基準」は、繰延税金資産の財務諸表への表示方法を次のように
規定している。
第三
繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法
繰延税金資産及び繰延税金負債は、これらに関連した資産・負債の分類に基づいて、繰
延税金資産については流動資産又は投資その他の資産として、繰延税金負債については流
動負債又は固定負債として表示しなければならない。ただし、特定の資産・負債に関連し
ない繰越欠損金等に係る繰延税金資産については、翌期に解消される見込みの一時差異等
に係るものは流動資産として、それ以外の一時差異等に係るものは投資その他の資産とし
て表示しなければならない。
遊技機を資産として捉えると、貸借対照表に計上した資産項目の流動固定分類に従って
繰延税金資産の表示を行う必要がある。
一方、遊技機は費用として捉えると、特定の資産に関連しない繰延税金資産となるため、
企業会計と税務会計との差異の解消見込をスケジューリングして、その結果に従い、翌期
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解消される一時差異に係る繰延税金資産は流動資産、それ以外の一時差異に係る繰延税金
資産は投資その他の資産として計上する必要がある。
6.PTB 統一会計基準実務事例(案)資料の考え方
「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「財務諸表等規則」とい
う。)第 3 目固定資産第 22 条で有形固定資産の範囲を次のように定めている。
次の掲げる資産(ただし、第 1 号から第 8 号までに掲げる資産については、営業の用に供
するものに限る。)は、有形固定資産に属するものとする。
一
建物及び暖房、照明、通風等の附属設備
ニ
構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着す
る土木設備又は工作物という。以下同じ。)
三
機械及び装置並びにコンベアー、ホイスト、起重機等の搬送設備その他の附属設備
四
船舶及び水上運搬具
五
鉄道車両、自動車その他の陸上運搬具
六
工具、器具及び備品。だたし、耐用年数 1 年以上のものに限る。
七
土地
八
リース資産(財務諸表提出会社がファイナンス・リース取引においてリース物件が前
各号及び第 10 号に掲げるものである場合に限る。)
九
建設仮勘定(第 1 号から第七号までに掲げる資産で営業の用に供するものを建設した
場合における支出及び当該建設の目的のために充当した材料をいう。次条において同じ。)
十
その他の有形資産で流動資産又は投資たる資産に属しないもの
「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項につ
いて(以下、「財務諸表等規則ガイドライン」という。)
22-6 規則第 22 条第 6 号の工具、器具及び備品は、耐用年数 1 年以上で相当額以上のも
のに限るものとする。容器(ただし、耐用年数 1 年以上で相当額以上のものに限る。)は、
同号の工具、器具及び備品に属するものとする。
企業が法定耐用年数ではなく、一般耐用年数を採用し、遊技機の1年未満とする場合、
財務諸表等規則に従うと、遊技機は有形固定資産ではなく、流動資産として表示されるも
のである。遊技機を流動資産として財務諸表に開示する場合、
「税効果会計に係る会計基準」
に従うと、繰延税金資産は流動資産として表示されることとなる。
六
経済的使用期間の見積方法
遊技機の費用化を検討する際の重要な要素である経済的使用期間とは、遊技機の営業供
用開始時点、すなわち、パチンコホールにて顧客への遊技機の使用を開始した時点から、
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当該遊技機を店舗の島設備から撤去した時点を意味する。いわゆる、パチンコホールにお
いて遊技機の新台入替から同機を撤去台とした新台入替までの期間を意味する。
管理会計的側面からは、遊技機に限定されず企業が設備を使用すると想定する期間は、
設備投資計画等によりその期間が決定され、これに基づき当該設備の使用が行われるべき
であり、企業の運営上はこれに従い各種経営活動がなされるべきである。このため、予算
管理など管理会計の見地からは、企業の想定する設備の使用予測期間に基づき設備の費用
化を図ることが合理的である。
一方、企業のステークホルダーの利害調整を図る目的としての企業会計の立場から、客
観的な判断からコンセンサスが得られる経済的使用可能期間を設定することが重要となる。
各企業が各々想定する経済的使用期間の場合、各企業が予定する設備の使用予測期間に
関する各々の経営環境等を検討する必要があるが、これを検討するための情報は使用予測
期間を設定する企業と、企業が発する情報を利用する外部の者とでは当然に格差が生じて
おり、合理的な判断がなされると想定しえない。
企業会計において財務諸表は、企業の活動実態を適切に表現することが求められるが、
会計処理上、見積もり要素が大きい会計処理については、企業の利益操作の余地がないと
社会的なコンセンサスが得られることが重要である。会計上の見積もりは、過去の予測と
実績の成果を考慮せず、現時点での予測のみで説明することは、劇的な経済的な(経営)
環境の変化が明らかに予測されない限り合理的なものとはいえない。
遊技機の経済的使用期間は、客観的かつ合理的に説明可能な数値を用いる必要がある。
企業の経営環境に著しい変化が予測されない限り、企業の過去の実績の趨勢は、将来と
継続していると判断することが合理的である。遊技機に関してこれを適用すると、過去の
遊技機の使用期間の時系列的傾向が近い将来においても継続すると判断するのが合理的で
ある。よって、遊技機の経済的使用期間を見積る場合には、過去の遊技機の使用期間につ
いての十分な考慮が必要となる。
遊技機の経済的使用期間は、当期又は直前期を含む 3 年程度の実績・予測値から設定さ
れる。
七
遊技機の経済的使用期間
遊技機の経済的使用期間は、次の式により算定される。
遊技機の経済的使用期間(ヶ月)=
設置可能台数
撤去台数
×12
遊技機の経済的使用期間は、各年度ごとに、パチンコ・スロット別に算定し、これを加
重平均により算定する。ただし、事務処理の軽減・迅速化の見地から、これを単純平均す
れば足る。
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八
購入遊技機とリース取得遊技機との会計処理の関係性
遊技機の取得について原則処理(取得時費用処理)を採用する場合、リース契約により
取得した遊技機についても原則処理(リース契約総額のうち元本相当部分を一括費用処理)
を選択する。
遊技機の取得について容認規定(有形固定資産計上処理)を採用する場合、リース契約
により取得した遊技機についても容認規定(リース契約総額のうち元本相当部分の減価償
却費処理)を選択する。
九
遊技機をリース契約で取得した場合の会計処理(原則)
1
会計処理
遊技機のリース契約における取得については、リース契約のうち元本相当部分を遊技機
の取得価額として営業供用時に費用処理する。
リース契約における遊技機取得価額の費用処理は遊技機取得費用にて行い、支払利息相
当部分は金融費用として支払利息と処理する。その対価としてリース債務総額を負債計上
する。
2
仕訳例
リース契約により遊技機を取得し、営業の用に供したとき
(借方)
遊技機取得費
××
前払費用
××
(貸方)
リース債務
××
リース債務を支払った(返済した)とき
(借方)
リース債務
××
(貸方)
現金及び預金
××
(借方)
支払利息
××
(貸方)
現金及び預金
××
注)利息の各期に配分は、「リース取引に関する会計基準」及び「リース取引に関する会計
基準の適用指針」に従う
3
税効果会計
リース契約による遊技機取得に関する企業会計上の費用額と法人税法におけるリース取
引の損金算入限度額との相違については、税効果会計における将来減算一時差異として認
識し、税効果を認識する。
認識された繰延税金資産は、
「投資その他の資産」に計上する。これは「PTB によるパチ
ンコホール統一会計基準」が遊技機の取得時費用化を求める論拠として、遊技機の経済的
使用期間が一年以下であることをあげているところにある。
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十
遊技機をリース契約で取得した場合の会計処理(容認)
1
会計処理
リース契約による遊技機の取得を、売買取引として処理する場合、リース契約により取
得した遊技機のリース料総額の元本相当部分をもって資産計上し、利息相当部分を前払費
用(前払利息)とし、その対価をリース債務として負債計上する。資産計上された遊技機
は、会社の減価償却の方法により費用化する。
2
仕訳例
リース契約により遊技機を取得し、営業の用に供したとき
(借方)
遊技機
××
前払費用
××
(貸方)
リース債務
××
(貸方)
現金及び預金
××
減価償却累計額
××
リース料支払い時
(借方)
リース債務
××
決算時(月次又は年度決算時)減価償却費の認識
(借方)
減価償却費
××
(貸方)
注)減価償却計算は、
「リース取引に関する会計基準」及び「リース取引に関する会計基準
の適用指針」に従う
3
リース解約損失
リース契約により取得した遊技機について、リース期間の中途で遊技機の使用を止め、
リース契約を解除した場合、発生したリース解約損害金は、購入の場合との整合性を図る
ため、売上原価の内訳科目(遊技機関連費用)にリース解約損失として計上する。
Ⅵ
新規店舗並びにリニューアル店舗の営業開始時の会計処理
新規店舗の営業開始又はリニューアル店舗(注)の営業開始において、営業店舗建屋(建
物、建物附属設備、構築物)並びに営業設備(工具、器具及び備品)の減価償却費など費
用化の時点は、店舗の営業開始とする。
この場合のリニューアル店舗とは、既存の店舗の営業を終了(営業許可証の返納)し店
舗建屋を建替えあるいは一時営業休止により店舗建屋を改築した場合の店舗をいう。風適
法上、建替えの場合は新規営業許可証の入手、改築の場合は構造変更承認が必要となるケ
ースを想定している。
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Ⅶ
減損会計の適用
一
資産のグルーピング
資産のグルーピングは、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立
したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行う(減損会計基準 二6(1))ことと
されており、企業は、経営の実態が適切に反映されるよう配慮しておこなう(固定資産の
減損に係る会計基準の適用指針「資産のグルーピングより」)とされており、具体的手順と
して、企業は店舗や工場などの資産と対応して継続的に収支の把握がなされている単位を
識別し、グルーピングの単位を決定する基礎とするとある。
これを遊技業に適用すると、個々のパチンコホール(店舗)が資産のグルーピングとな
ると考えられる。その事由としては
① 投資の意思決定、すなわち、事業の開始や資産の取得という店舗の営業開始に関す
る事業開始の意思決定も、資産の処分や店舗の営業閉鎖という事業の廃止の意思決
定も店舗単位で行われる。
②
パチンコホールは、店舗ごとに用地、建屋、営業用設備など固定資産が明確に独
立しており、減損会計基準の対象となる固定資産等の物理的、会計的な単位として
存在している。
③ パチンコホールの営業は、個々の店舗内で完結しており、経営管理上の損益又はキ
ャッシュ・フロー把握の単位となっている。
二
減損の兆候
減損の兆候の判定は「固定資産の減損に係る会計基準」二
減損損失の認識と測定 1.
減損の兆候 に従い、兆候の有無を検討することとなる。
三
パチンコホールの遊休状態
固定資産の減損に係る会計基準の適用指針
(企業会計基準適用指針第 6 号
平成 15 年 10
月 31 日企業会計基準委員会)72 に「遊休状態は、企業活動にほとんど使用されていない状
態であって、過去の利用実態や将来の用途の定めには関係がない現在の状態である。また、
このような状態にある資産が遊休資産である。
」とある。同 85 に「資産又は資産グループ
が遊休状態になり、将来の用途が定まっていない場合も、その使用範囲又は方法について、
当該資産又は資産グループの回収可能価額を著しく低下される変化に該当する。これには、
例えば、設備の操業を停止し、その後の操業開始の目途が立っていない場合などが含まれ
る。なお、現在の遊休状態が、資産をほとんど利用しなくなってから間もない場合であっ
て、将来の用途を定めるために必要と考えられる期間がある場合には、減損の兆候に該当
しないと考えられる。
」としている。
通常、パチンコホールが営業を停止する事由としては、①営業不振によるもの
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②店舗
設備の修繕・刷新によるものが想定される。②については、営業再開の予定があるため、
遊休状態とは判断されないが、①については単に営業担当者が判断する性質ではなく、何
らかの経営判断がなされていると解するのが妥当である。よって、営業不振によるパチン
コホールの営業停止状態が一定期間継続された場合は、遊休状態であり、代替的な事業プ
ランがない場合は、減損の兆候があるものと解する。
四
パチンコホール特有の検討事項
パチンコホールは公安委員会の営業許可により営業することができるため、営業許可が
なされない状況、取り消される状況が生じた場合には、当該パチンコホールは遊休状態に
あると判断せねばならない。
例えば、
新規店舗建設中(営業許可許可を受ける前まで)に保護対象施設が周辺にできたため、
当該パチンコホールが営業制限地域に含まれてしまった場合は、営業許可が得られない。
これは営業許可証を返納し、店舗の大規模修繕を行うなどの場合も同様である。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準第 27 によると「当
初予定していた修繕に要していたであろう合理的期間が経過した後 6 月以上が経過すれば、
公安委員会は当該許可を取り消すことができる」ため、営業不振などの事由で営業を停止
し、6 ヶ月を経過した場合も営業許可を返納した場合と同様の取扱いが求められる。営業の
再開にあたっては、停止時の営業設備・条件のままの営業再開が求められているケースが
通例であるので、遊技機などの営業設備を撤去している(別店舗での利用・除却等)場合
は、特に遊休状態であると言える。ただし、当該パチンコホールの所轄警察署の見解・指
導を考慮する必要がある。
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【説例1】
(条件)
パチンコホールは、現金による貸玉のみを行っている。
パチンコホールの営業取引は、次のとおりである。
(貸玉)
貸玉数量
貸玉単価
3,000,000 個
4 円/個
パチンコ
600,000 個
20 円/個
スロット
(景品払出)
景品A
景品B
景品C
景品D
景品E
払出数量
3,000 個
4,000 個
1,600 個
1,000 個
2,000 個
払出単価
5,000 円/個
1,000 円/個
500 円/個
100 円/個
50 円/個
(翌日現金仕入予定)
景品のうち、景品A、景品B、景品Cは、現金仕入を行っており、営業終了時に翌日納品分を発注した。
なお、契約により一定期間の納入金額は確定しており、払出単価と一致している。
発注数量
3,000 個
景品A
4,000 個
景品B
1,500 個
景品C
パチンコホールの営業成績を算出し、会計処理をすると次のようになる。
(売上高)
パチンコの売上高
4 円/個 =
3,000,000 個 ×
12,000,000 円
スロットの売上高
600,000 個 ×
20 円/個 =
12,000,000 円
合計
(景品原価)
景品A
景品B
景品C
景品D
景品E
3,000
4,000
1,600
1,000
2,000
個×
個×
個×
個×
個×
5,000
1,000
500
100
50
24,000,000 円
円/個
円/個
円/個
円/個
円/個
合計
=
=
=
=
=
15,000,000
4,000,000
800,000
100,000
100,000
20,000,000
円
円
円
円
円
(回収現金)
翌日、現金仕入分の支払用現金を手元に置き、残りは回収用現金として現金回収業者の金庫へ投入した。
翌日現金仕入のための必要現金は、
3,000 個 × 5,000 円/個 =
15,000,000 円
景品A
4,000 個 × 1,000 円/個 =
4,000,000 円
景品B
1,500 個 ×
500 円/個 =
750,000 円
景品C
19,000,000 円
よって、回収現金は
5,000,000 円
24,000,000 - 翌日支払予定
19,000,000 =
現金売上高
(会計処理)
借方科目
現金
借方金額
24,000,000
貸方科目
売上高
貸方金額
24,000,000
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
20,000,000
20,000,000
景品原価
商品
《注意》 棚卸資産の管理を継続記録法で実施し、払出価額を算出できるときのみ可能
これ以外は、期末棚卸の結果により売上原価が算出される。
借方科目
預金
借方金額
5,000,000
貸方科目
現金
貸方金額
5,000,000
30
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【説例2】
(条件)
説例1のパチンコホールがプリペイドカードシステムを導入しているとする。
パチンコホールの営業取引は、次のとおりである。
(貸玉)
貸玉数量
貸玉単価
3,000,000 個
4 円/個
パチンコ
600,000 個
20 円/個
スロット
(景品払出)
景品A
景品B
景品C
景品D
景品E
払出数量
3,000 個
4,000 個
1,600 個
1,000 個
2,000 個
払出単価
5,000 円/個
1,000 円/個
500 円/個
100 円/個
50 円/個
(翌日現金仕入予定)
景品のうち、景品A、景品B、景品Cは、現金仕入を行っており、営業終了時に翌日納品分を発注した。
なお、契約により一定期間の納入金額は確定しており、払出単価と一致している。
発注数量
3,000 個
景品A
4,000 個
景品B
1,500 個
景品C
(プリペイドカード取引)
パチンコについてはCR機を導入しており、プリペイドカードを販売している。
券種
販売枚数
10,000 円
810 枚
5,000 円
330 枚
1,000 円
70 枚
2,400,000 個分である。
当日の使用度数は
パチンコホールの営業成績を算出し、会計処理をすると次のようになる。
(売上高)
パチンコの売上高
3,000,000 個 ×
4 円/個 =
12,000,000 円
スロットの売上高
600,000 個 ×
20 円/個 =
12,000,000 円
合計
24,000,000 円
上記パチンコの売上高のうちCR機による売上高は次のとおりである。
2,400,000 個 ×
4 円/個 =
9,600,000 円
(景品原価)
景品A
景品B
景品C
景品D
景品E
3,000
4,000
1,600
1,000
2,000
個×
個×
個×
個×
個×
5,000
1,000
500
100
50
円/個
円/個
円/個
円/個
円/個
合計
=
=
=
=
=
15,000,000
4,000,000
800,000
100,000
100,000
20,000,000
円
円
円
円
円
円
(プリペイドカード取引)
プリペイドカードの客への提供による現金の流入額は
券種
販売枚数
10,000 円 ×
810 枚 =
8,100,000 円
5,000 円 ×
330 枚 =
1,650,000 円
1,000 円 ×
70 枚 =
70,000 円
1,210
9,820,000 円
31
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(翌日支払予定金額)
翌日、現金仕入分の支払用現金を手元に置き、残りは回収用現金として現金回収業者の金庫へ投入した。
翌日現金仕入のための必要現金は、
3,000 個 × 5,000 円/個 =
15,000,000 円
景品A
4,000 個 × 1,000 円/個 =
4,000,000 円
景品B
1,500 個 ×
500 円/個 =
750,000 円
景品C
19,000,000 円
ケース1 : 第三者発行型プリペイドカード
プリペイドカードの販売額と使用額との差異について、パチンコホールと顧客間での精算は行われない。
プリペイドカードの発行手数料として、カード1枚につき10円を加えて、プリペイドカードを購入している。
(回収現金)
現金流入額
パチンコ現金売上高
3,000,000 個
パチンコ総貸玉数
2,400,000 個
プリペイドカードによる貸玉数
600,000 個
差引 : 現金による貸玉数
600,000 個 ×
4 円/個 =
2,400,000 円
よって、
12,000,000 円
スロット現金売上高
9,820,000 円
プリペイドカード販売額
24,220,000 円
19,000,000 円
翌日支払のため店舗に保留する金額
5,220,000 円
現金回収金額
(会計処理)
借方科目
現金
営業未収金
借方金額
14,400,000
9,600,000
貸方科目
売上高
貸方金額
24,000,000
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
20,000,000
20,000,000
景品原価
商品
《注意》 棚卸資産の管理を継続記録法で実施し、払出価額を算出できるときのみ可能
これ以外は、期末棚卸の結果により売上原価が算出される。
借方科目
預金
借方金額
5,220,000
貸方科目
現金
貸方金額
5,220,000
借方金額
貸方科目
貸方金額
借方科目
9,832,100
9,820,000
現金
プリペイドカード
12,100
カード発行費
(参考) この営業による販売されたプリペイドカードのカード発行費
1,210 枚 × 10 円/枚 =
12,100 円
ケース2 : 自社発行型プリペイドカード
プリペイドカードの販売額と使用額との差異について、パチンコホールと顧客間での精算は行う。
プリペイドカードのデータ管理料として、データ管理会社に対してカード1枚の発行につき10円を支払う。
(回収現金)
現金流入額
パチンコ現金売上高
3,000,000 個
パチンコ総貸玉数
2,400,000 個
プリペイドカードによる貸玉数
600,000 個
差引 : 現金による貸玉数
600,000 個 ×
4 円/個 =
2,400,000 円
よって、
12,000,000 円
スロット現金売上高
9,820,000 円
プリペイドカード販売額
24,220,000 円
19,000,000 円
翌日支払のため店舗に保留する金額
顧客に対してプリペイドカードの残度数を精算
プリペイドカードの販売金額
プリペイドカードの使用金額=売上高
差引 : 精算金額
9,820,000 円
9,600,000 円
220,000 円
5,000,000 円
現金回収金額
32
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(会計処理)
借方科目
現金
預り金
借方金額
14,400,000
9,600,000
貸方科目
売上高
貸方金額
24,000,000
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
20,000,000
20,000,000
景品原価
商品
《注意》 棚卸資産の管理を継続記録法で実施し、払出価額を算出できるときのみ可能
これ以外は、期末棚卸の結果により売上原価が算出される。
借方科目
預金
借方金額
5,000,000
貸方科目
現金
貸方金額
5,000,000
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
9,820,000
9,820,000
現金
預り金
220,000
220,000
預り金
現金
12,100
12,100
カード発行費
未払費用
(参考) この営業による販売されたプリペイドカードのデータ管理料
1,210 枚 × 10 円/枚 =
12,100 円
【説例3】
第三者型プリペイドカードシステム
プリペイドカードの月初残高
2,150 枚
プリペイドカードシステム会社からのプリペイドカード購入
12,000 枚
購入枚数
10,010 円/枚
購入単価
10,000 円は券面額(使用可能金額)
(内訳)
10 円はカード発行手数料
プリペイドカードの顧客への販売
12,875 枚
顧客によるプリペイドカードの使用
31,987,800 個
貸玉料金は
(会計処理)
プリペイドカードの購入
借方科目
プリペイドカード
(解説)
購入枚数
×) 購入単価
4 円/個
貸方科目
借方金額
120,120,000
未払金
12,000 枚
10,010 円/枚
120,120,000 円
プリペイドカードの顧客への販売
借方科目
借方金額
128,750,000
現金
128,750
カード発行費
貸方科目
プリペイドカード
貸方金額
120,120,000
貸方金額
128,878,750
33
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(解説)
①流入現金
販売枚数
×) 販売単価
12,875 枚
10,000 円/枚
128,750,000 円
②プリペイドカード発行手数料
12,875 枚
販売枚数
10 円/枚
×) 手数料単価
128,750 円
③プリペイドカードの在庫払出金額
12,875 枚
販売枚数
10,010 円/枚
×) 払出単価
128,878,750 円
顧客によるプリペイドカードの使用=売上高
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
127,951,200
127,951,200
営業未収金
売上高
31,987,800 個
(解説)
プリペイドカード使用による貸玉数
4 個/円
×) 貸玉単価
127,951,200 円
月末精算金額の認識
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
120,120,000
127,951,200
未払金
営業未収金
7,831,200
営業未収金
(解説) 毎月末に債権債務を相殺する。
127,951,200 円
債権 : 営業未収金
120,120,000 円
債務 : 未払金
7,831,200 円
差引 : 債権 (△は債務)
(補足) プリペイドカードシステムのシステム使用料は毎月発生するが、ここでは考慮していない。
【説例4】
自社発行型プリペイドカードシステム
プリペイドカードの発行
12,500 枚
枚数
10,000 円/枚
単価
プリペイドカードの使用による貸玉
31,200,000 個
貸玉数
4 円/個
貸玉単価
プリペイドカードのデータ管理料
プリペイドカードの発行1回につき
(会計処理)
プリペイドカードの顧客への販売
借方科目
借方金額
125,000,000
現金
125,000
カード発行費
10 円
貸方科目
預り金
未払費用
貸方金額
125,000,000
125,000
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(解説)
①流入現金
販売枚数
×) 販売単価
12,500 枚
10,000 円/枚
125,000,000 円
②プリペイドカードのデータ管理料
12,500 枚
販売枚数
10 円/枚
×) 手数料単価
125,000 円
顧客によるプリペイドカードの使用=売上高
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
124,800,000
124,800,000
預り金
売上高
31,200,000 個
(解説)
プリペイドカード使用による貸玉数
4 個/円
×) 貸玉単価
124,800,000 円
顧客のプリペイドカード残度数の精算
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
200,000
200,000
預り金
現金
125,000,000 円
(解説)
販売による預り金の増加
124,800,000 円
使用による預り金の減少
200,000 円
差引 : 精算対象金額
(注意)
実際には、預り金が実際に精算された金額をもって預り金を取崩す。
長期未精算の預り金については、プリペイドカードシステム会社の規則、
あるいは社内規則をもって、一定期限経過のものについては、雑収入と
して処理を行う。
【説例5】
パチンコホールの遊技機の取得状況は次のとおりである。
なお、会社の会計期間は、×1年4月1日から×2年3月31日までの1年間である。
年月
×1年4月
×1年5月
×1年6月
×1年7月
×1年8月
×1年9月
×1年10月
×1年11月
×1年12月
×2年1月
×2年2月
×2年3月
種類
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
台数
20
10
40
15
30
10
20
20
15
20
40
10
購入単価
250,000
95,000
220,000
400,000
180,000
330,000
210,000
290,000
195,000
350,000
230,000
300,000
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(ケース1)
原則的方法に従って会計処理をする場合
営業供用をもって費用処理を行う。
(ここでは、取得=営業供用とし、付随費用はないものとする)
費用額
年月
×1年4月
×1年5月
×1年6月
×1年7月
×1年8月
×1年9月
×1年10月
×1年11月
×1年12月
×2年1月
×2年2月
×2年3月
種類
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
(会計処理)
年月
×1年4月
×1年5月
×1年6月
×1年7月
×1年8月
×1年9月
×1年10月
×1年11月
×1年12月
×2年1月
×2年2月
×2年3月
借方科目
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
遊技機取得費
期末における税効果会計の認識
種類
年月
×1年4月
パチンコ遊技機
×1年5月
スロット遊技機
×1年6月
パチンコ遊技機
×1年7月
スロット遊技機
×1年8月
パチンコ遊技機
×1年9月
スロット遊技機
×1年10月
パチンコ遊技機
×1年11月
スロット遊技機
×1年12月
パチンコ遊技機
×2年1月
スロット遊技機
×2年2月
パチンコ遊技機
×2年3月
スロット遊技機
台数
20
10
40
15
30
10
20
20
15
20
40
10
購入単価
250,000
95,000
220,000
400,000
180,000
330,000
210,000
290,000
195,000
350,000
230,000
300,000
遊技機取得費用
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
61,575,000
借方金額
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
貸方科目
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
貸方金額
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
購入単価
250,000
95,000
220,000
400,000
180,000
330,000
210,000
290,000
195,000
350,000
230,000
300,000
遊技機取得費用
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
61,575,000
将来減算一時差異
0
0
1,466,667
2,251,500
3,600,000
1,696,475
2,100,000
3,786,917
1,950,000
5,542,250
7,666,667
2,791,750
32,852,226
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繰延税金資産 =
32,852,226 円 ×
40.0% =
13,140,890 円
(脚注)
①会社が採用する減価償却方法は、定率法とする。
②償却率は、パチンコ2年 1.000 スロット3年 0.833 とする。
③法定実効税率は 40.0%とする。
(会計処理)
借方科目
繰延税金資産
借方金額
13,140,890
貸方科目
法人税等調整額
貸方金額
13,140,890
(開示)
遊技場売上原価明細書
Ⅰ 景品費
期首景品棚卸高
当期景品仕入高
計
棚卸減耗損
期末景品棚卸高
Ⅱ 労務費
給料手当
賞与
賞与引当金繰入額
退職給付費用
法定福利費
福利厚生費
・・・・
Ⅲ 遊技機関連費用
遊技機取得費
支払リース料
・・・・
Ⅳ 設備費
減価償却費
支払リース料
支払地代
修繕費
賃借料
・・・・
Ⅴ 運営経費
水道光熱費
広告宣伝費
租税公課
諸会費
・・・・
遊技場売上原価計
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
61,575,000
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
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(ケース2)
容認方法に従って会計処理をする場合
前提) 会社の会計処理
遊技機の資産計上基準と減価償却方法
資産計上基準
20万円以上
減価償却方法
定率法
なお、10万円以上20万円未満の遊技機については少額減価償却資産とする。
営業供用をもって資産計上を行う。
(ここでは、取得=営業供用とし、付随費用はないものとする)
取得価額
年月
×1年4月
×1年5月
×1年6月
×1年7月
×1年8月
×1年9月
×1年10月
×1年11月
×1年12月
×2年1月
×2年2月
×2年3月
種類
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
(会計処理)
年月
×1年4月
×1年5月
×1年6月
×1年7月
×1年8月
×1年9月
×1年10月
×1年11月
×1年12月
×2年1月
×2年2月
×2年3月
借方科目
遊技機
遊技機取得費
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
遊技機
減価償却費
種類
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
パチンコ遊技機
スロット遊技機
台数
20
10
40
15
30
10
20
20
15
20
40
10
購入単価
250,000
95,000
220,000
400,000
180,000
330,000
210,000
290,000
195,000
350,000
230,000
300,000
借方金額
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
貸方科目
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
未払金
取得原価
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
61,575,000
取得原価
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
61,575,000
貸方金額
5,000,000
950,000
8,800,000
6,000,000
5,400,000
3,300,000
4,200,000
5,800,000
2,925,000
7,000,000
9,200,000
3,000,000
償却方法 償却月数 減価償却費
12
5,000,000
定率法
(費用処理)
10
7,333,333
定率法
9
3,748,500
定率法
1,800,000
一括償却資産
7
1,603,525
定率法
6
2,100,000
定率法
5
2,013,083
定率法
975,000
一括償却資産
1,457,750
3
定率法
2
1,533,333
定率法
1
208,250
定率法
27,772,774
38
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(脚注)
①償却率は、パチンコ2年 1.000 スロット3年 0.833 とする。
(会計処理)
借方科目
借方金額
貸方科目
貸方金額
27,772,774
27,772,774
減価償却費
減価償却累計額
注) 当該減価償却費は、遊技場売上原価の遊技機関連費用を構成する。
(開示)
遊技場売上原価明細書
Ⅰ 景品費
期首景品棚卸高
当期景品仕入高
計
棚卸減耗損
期末景品棚卸高
Ⅱ 労務費
給料手当
賞与
賞与引当金繰入額
退職給付費用
法定福利費
福利厚生費
・・・・
Ⅲ 遊技機関連費用
減価償却費
遊技機除却損
遊技機売却損
支払リース料
リース解約損失
・・・・
Ⅳ 設備費
減価償却費
支払リース料
支払地代
修繕費
賃借料
・・・・
Ⅴ 運営経費
水道光熱費
広告宣伝費
租税公課
諸会費
・・・・
遊技場売上原価計
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
27,772,774
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
39
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【説例6】
遊技機の容認規定を採用した場合で、除廃却時の会計処理
(前提)
会社の会計期間は、×1年4月1日から×2年3月31日までの1年間である。
会社の会計処理
遊技機の資産計上基準と減価償却方法
資産計上基準
減価償却方法
なお、10万円以上20万円未満の遊技機については少額減価償却資産とする。
償却率は、パチンコ2年 1.000 スロット3年 0.833 とする。
(対象遊技機の内訳)
資産名 区分
A
パチンコ
B
スロット
C
スロット
D
パチンコ
取得日
取得単価
240,000
×1年1月
300,000
×1年3月
340,000
×1年6月
210,000
×1年10月
除却時の帳簿価額
当期負担減価償却費
2,700,000 ×
A
2,791,750 ×
B
3,400,000 ×
C
3,150,000 ×
D
除却時帳簿価額
2,700,000
A
2,791,750
B
3,400,000
C
3,150,000
D
(会計処理)
借方科目
減価償却費
借方科目
減価償却累計額
遊技機除却損
1.000
0.833
0.833
1.000
×(
×(
×(
×(
3
6
7
6
台数 取得原価 期首簿価 除廃却日
15 3,600,000 2,700,000 ×1年6月
10 3,000,000 2,791,750 ×1年9月
10 3,400,000
0 ×2年12月
15 3,150,000
0 ×2年3月
÷
÷
÷
÷
12
12
12
12
)=
)=
)=
)=
675,000
1,162,764
1,652,117
1,575,000
5,064,881
675,000 = 2,025,000
-
- 1,162,764 = 1,628,986
- 1,652,117 = 1,747,883
- 1,575,000 = 1,575,000
6,976,869
借方金額
5,064,881
貸方科目
減価償却累計額
貸方金額
5,064,881
借方金額
6,173,131
6,976,869
貸方科目
遊技機
貸方金額
13,150,000
(開示)
遊技場売上原価明細書
Ⅰ 景品費
期首景品棚卸高
当期景品仕入高
計
棚卸減耗損
期末景品棚卸高
*****
*****
*****
*****
*****
*****
40
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Ⅱ 労務費
給料手当
賞与
賞与引当金繰入額
退職給付費用
法定福利費
福利厚生費
・・・・
Ⅲ 遊技機関連費用
減価償却費
遊技機除却損
遊技機売却損
支払リース料
リース解約損失
・・・・
Ⅳ 設備費
減価償却費
支払リース料
支払地代
修繕費
賃借料
・・・・
Ⅴ 運営経費
水道光熱費
広告宣伝費
租税公課
諸会費
・・・・
遊技場売上原価計
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
5,064,881
*****
6,976,869
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
【説例7】
遊技機の経済的使用期間の計算方法
(前提)
過去3年間の遊技機の使用実績により算定する
5店舗運営しており、遊技機の使用実績は、下表のとおりである。
パチンコ
設置台数 ×1
200
600
A店舗
400
850
B店舗
300
780
C店舗
500
250
D店舗
350
900
E店舗
1,500 3,630
合計
×2
950
1,000
700
400
650
3,700
スロット
×3 計
設置台数
700 2,250
100
900 2,750
200
500 1,980
150
550 1,450
150
150
700 2,250
750
3,350 10,680
×1
120
150
150
120
100
640
×2
160
240
200
140
90
830
41
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×3 計
90
370
180
570
150
500
120
380
120
310
660 2,130
(計算方法)
年度別に算定し、これを単純平均する方法
パチンコ
×1年
×2年
×3年
設置台数 撤去台数
1,500 ÷ 3,630
1,500 ÷ 3,700
1,500 ÷ 3,350
× 12 =
× 12 =
× 12 =
平均
4.96
4.86
5.37
5.07
ヶ月
ヶ月
ヶ月
ヶ月
スロット
×1年
×2年
×3年
設置台数 撤去台数
750 ÷
640
750 ÷
830
750 ÷
660
× 12 = 14.06 ヶ月
× 12 = 10.84 ヶ月
× 12 = 13.64 ヶ月
平均 12.85 ヶ月
加重平均により算定する方法
パチンコ=
設置台数
スロット=
設置台数
1,500 ÷
750
÷
撤去台数合計
10,680
× 36 =
撤去台数合計
2,130
× 36 = 12.68 ヶ月
42
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5.06
ヶ月
開示様式 遊技機原則
【会社法計算書類(個別財務諸表)】
《遊技機の会計処理・・・原則的方法》
科 目
(資産の部)
流動資産
現金及び預金
受取手形
営業未収金
有価証券
商品
・
・
・
・
消耗品
前渡金
前払費用
繰延税金資産
未収収益
短期貸付金
未収入金
その他の流動資産
貸倒引当金
固定資産
有形固定資産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
無形固定資産
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
投資その他の資産
投資有価証券
関係会社株式
出資金
長期貸付金
長期前払費用
繰延税金資産
その他の投資等
貸倒引当金
繰延資産
創立費
・
・
・
資産合計
貸借対照表
(平成××年××月××日現在)
金額
科 目
(負債の部)
流動負債
支払手形
買掛金
短期借入金
一年以内返済予定長期借入金
未払金
未払費用
未払法人税等
未払消費税等
(繰延税金負債)
前受金
預り金
前受収益
賞与引当金
・
・
リース債務
その他の流動負債
固定負債
社債
長期借入金
長期未払金
リース債務
(繰延税金負債)
退職給付引当金
・
・
・
その他の固定負債
(負ののれん)
負債合計
(純資産の部)
株主資本
資本金
資本剰余金
資本準備金
その他資本剰余金
資本剰余金合計
利益剰余金
利益準備金
その他利益剰余金
別途積立金
繰越利益剰余金
利益剰余金合計
自己株式
株主資本合計
評価・換算差額等
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
土地再評価差額金
評価・換算差額等合計
新株予約権
純資産合計
負債・純資産合計
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金額
開示様式 遊技機原則
損益計算書
(自 平成××年××月××日 至 平成××年××月××日)
科 目
金 額
Ⅰ
1
2
3
4
5
Ⅱ
1
2
3
4
5
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
売上高
遊技場売上高
・
・
・
その他の売上高
売上原価
遊技場売上原価
・
・
・
その他の売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
受取利息
有価証券利息
受取配当金
・
・
・
その他の営業外収益
営業外費用
支払利息
社債利息
社債発行費償却
・
・
・
その他の営業外費用
経常利益
特別利益
固定資産売却益
・
・
・
特別損失
固定資産売却損
固定資産廃却損
減損損失
・
・
・
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
当期純利益
遊技場売上原価明細書
(自 平成××年××月××日 至 平成××年××月××日)
科 目
金 額
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
注)
景品原価
労務費
遊技機関連費用
設備費
運営経費
その他
遊技場売上原価 合計
1 労務費のうち主な項目は次のとおりです。
退職給付費用
賞与引当金繰入額
2 遊技機関連費用のうち主な項目は次のとおりです。
遊技機取得費用
遊技機リース料
3 設備費のうち主な項目は次のとおりです。
減価償却費
44
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開示様式 遊技機原則
有形固定資産及び無形固定資産の明細
(帳簿価額による記載)
区分
資産の種類
有
形
固
定
資
産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
計
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
計
無
形
固
定
資
産
期首帳簿価額
当期増加額 当期減少額 当期償却額 期末帳簿価額
減価償却累計額 期末取得価額
(取得原価による記載)
期首残高 当期増加額 当期減少額 期末残高
区分
資産の種類
有
形
固
定
資
産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
計
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
計
無
形
固
定
資
産
期末減価償却累計
額又は償却累計額
45
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当期償却額
差引期末帳
簿価額
開示様式 遊技機容認
【会社法計算書類(個別財務諸表)】
《遊技機の会計処理・・・容認方法》
科 目
(資産の部)
流動資産
現金及び預金
受取手形
営業未収金
有価証券
商品
・
・
・
・
消耗品
前渡金
前払費用
繰延税金資産
未収収益
短期貸付金
未収入金
その他の流動資産
貸倒引当金
固定資産
有形固定資産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
遊技機
リース資産
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
無形固定資産
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
投資その他の資産
投資有価証券
関係会社株式
出資金
長期貸付金
長期前払費用
繰延税金資産
その他の投資等
貸倒引当金
繰延資産
創立費
・
・
・
資産合計
貸借対照表
(平成××年××月××日現在)
金額
科 目
(負債の部)
流動負債
支払手形
買掛金
短期借入金
一年以内返済予定長期借入金
未払金
未払費用
未払法人税等
未払消費税等
(繰延税金負債)
前受金
預り金
前受収益
賞与引当金
・
・
リース債務
その他の流動負債
固定負債
社債
長期借入金
長期未払金
リース債務
(繰延税金負債)
退職給付引当金
・
・
・
・
・
その他の固定負債
(負ののれん)
負債合計
(純資産の部)
株主資本
資本金
資本剰余金
資本準備金
その他資本剰余金
資本剰余金合計
利益剰余金
利益準備金
その他利益剰余金
別途積立金
繰越利益剰余金
利益剰余金合計
自己株式
株主資本合計
評価・換算差額等
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
土地再評価差額金
評価・換算差額等合計
新株予約権
純資産合計
負債・純資産合計
46
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金額
開示様式 遊技機容認
損益計算書
(自 平成××年××月××日 至 平成××年××月××日)
科 目
金 額
Ⅰ
1
2
3
4
5
Ⅱ
1
2
3
4
5
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
売上高
遊技場売上高
・
・
・
その他の売上高
売上原価
遊技場売上原価
・
・
・
その他の売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
受取利息
有価証券利息
受取配当金
・
・
・
その他の営業外収益
営業外費用
支払利息
社債利息
社債発行費償却
・
・
・
その他の営業外費用
経常利益
特別利益
固定資産売却益
・
・
・
特別損失
固定資産売却損
固定資産廃却損
減損損失
・
・
・
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
当期純利益
遊技場売上原価明細書
(自 平成××年××月××日 至 平成××年××月××日)
科 目
金 額
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
注)
景品原価
労務費
遊技機関連費用
設備費
運営経費
その他
遊技場売上原価 合計
1 労務費のうち主な項目は次のとおりです。
退職給付費用
賞与引当金繰入額
2 遊技機関連費用のうち主な項目は次のとおりです。
遊技機除廃却損
遊技機売却損
リース解約損失
遊技機減価償却費
3 設備費のうち主な項目は次のとおりです。
減価償却費
47
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開示様式 遊技機容認
有形固定資産及び無形固定資産の明細
(帳簿価額による記載)
区分
資産の種類
有
形
固
定
資
産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
遊技機
リース資産
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
計
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
計
無
形
固
定
資
産
期首帳簿価額 当期増加額 当期減少額 当期償却額 期末帳簿価額 減価償却累計額 期末取得価額
(取得原価による記載)
区分
資産の種類
有
形
固
定
資
産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
遊技機
リース資産
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
計
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
計
無
形
固
定
資
産
期首残高 当期増加額 当期減少額 期末残高
期末減価償却累
計額又は償却累計
額
当期償却額
48
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差引期末帳
簿価額
遊技場売上原価明細書
原則法
Ⅰ 景品費
期首景品棚卸高
当期景品仕入高
計
棚卸減耗損
期末景品棚卸高
Ⅱ 労務費
給料手当
賞与
賞与引当金繰入額
退職給付費用
法定福利費
福利厚生費
・・・・
Ⅲ 遊技機関連費用
遊技機取得費
支払リース料
・・・・
Ⅳ 設備費
減価償却費
支払リース料
支払地代
修繕費
賃借料
・・・・
Ⅴ 運営経費
水道光熱費
広告宣伝費
租税公課
諸会費
・・・・
遊技場売上原価計
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
49
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容認
Ⅰ 景品費
期首景品棚卸高
当期景品仕入高
計
棚卸減耗損
期末景品棚卸高
Ⅱ 労務費
給料手当
賞与
賞与引当金繰入額
退職給付費用
法定福利費
福利厚生費
・・・・
Ⅲ 遊技機関連費用
減価償却費
遊技機除却損
遊技機売却損
支払リース料
リース解約損失
・・・・
Ⅳ 設備費
減価償却費
支払リース料
支払地代
修繕費
賃借料
・・・・
Ⅴ 運営経費
水道光熱費
広告宣伝費
租税公課
諸会費
・・・・
遊技場売上原価計
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
*****
50
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開示様式 遊技機原則
【財務諸表等規則(個別財務諸表)】
《遊技機の会計処理・・・原則》
貸借対照表
区分
(資産の部)
Ⅰ 流動資産
1 現金及び預金
2 受取手形
3 営業未収金
4 有価証券
5 商品
6
・
7
・
8
・
9
・
10 消耗品
11 前渡金
12 前払費用
13 繰延税金資産
14 未収収益
15 短期貸付金
16 未収入金
17 その他の流動資産
貸倒引当金
流動資産 合計
Ⅱ 固定資産
1 有形固定資産
(1) 建物
減価償却累計額
(2) 構築物
減価償却累計額
(3) 機械及び装置
減価償却累計額
(4) 船舶
減価償却累計額
(5) 車両運搬具
減価償却累計額
(6) 工具器具及び備品
減価償却累計額
(7) 土地
(8) 建設仮勘定
有形固定資産 計
2 無形固定資産
(1) 特許権
(2) 借地権
(3) 商標権
(4) 実用新案権
(5) 意匠権
(6)
・
(7)
・
(8) ソフトウェア
(9) のれん
(10) その他
無形固定資産 計
3 投資その他の資産
(1) 投資有価証券
(2) 関係会社株式
(3) 出資金
(4) 長期貸付金
(5) 長期前払費用
(6) 繰延税金資産
(7) その他の投資等
貸倒引当金
投資その他の資産 計
固定資産 合計
Ⅲ 繰延資産
1 創立費
2
・
3
・
4
・
繰延資産 合計
資産合計
注記番号
前事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
51
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当事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
開示様式 遊技機原則
区分
(負債の部)
Ⅰ 流動負債
1 支払手形
2 買掛金
3 短期借入金
4 一年以内返済予定長期借入金
5 未払金
6 未払費用
7 未払法人税等
8 未払消費税等
9 (繰延税金負債)
10 前受金
11 預り金
12 前受収益
13 賞与引当金
14
・
15
・
16 リース債務
17 その他の流動負債
流動負債 合計
Ⅱ 固定負債
1 社債
2 長期借入金
3 長期未払金
4 リース債務
5 (繰延税金負債)
6 退職給付引当金
7
・
8
・
9
・
10 その他の固定負債
11 (負ののれん)
固定負債 合計
負債合計
(純資産の部)
Ⅰ 株主資本
1 資本金
2 資本剰余金
(1) 資本準備金
(2) その他資本剰余金
資本剰余金合計
3 利益剰余金
(1) 利益準備金
(2) その他利益剰余金
別途積立金
繰越利益剰余金
利益剰余金合計
4 自己株式
株主資本合計
Ⅱ 評価・換算差額等
1 その他有価証券評価差額金
2 繰延ヘッジ損益
3 土地再評価差額金
評価・換算差額等合計
Ⅲ 新株予約権
純資産合計
負債・純資産合計
注記番号
前事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
52
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当事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
開示様式 遊技機原則
【財務諸表等規則(個別財務諸表)】
《遊技機の会計処理・・・原則》
損益計算書
Ⅰ
1
2
3
4
5
Ⅱ
1
2
3
4
5
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
区分
売上高
遊技場売上高
・
・
・
その他の売上高
売上原価
遊技場売上原価
・
・
・
その他の売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
1 受取利息
2 有価証券利息
3 受取配当金
4
・
5
・
6
・
7 その他の営業外収益
営業外費用
1 支払利息
2 社債利息
3 社債発行費償却
4
・
5
・
6
・
7 その他の営業外費用
経常利益
特別利益
1 固定資産売却益
2
・
3
・
4
・
特別損失
1 固定資産売却損
2 固定資産廃却損
3 減損損失
4
・
5
・
6
・
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
当期純利益
注記番号
前事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
百分比
当事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
百分比
前事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
当事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
遊技場売上原価明細書
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
注)
区分
注記番号
景品原価
労務費
遊技機関連費用
設備費
運営経費
その他
遊技場売上原価 合計
1 労務費のうち主な項目は次のとおりです。
退職給付費用
賞与引当金繰入額
2 遊技機関連費用のうち主な項目は次のとおりです。
遊技機取得費用
遊技機リース料
3 設備費のうち主な項目は次のとおりです。
減価償却費
53
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開示様式 遊技機原則
有形固定資産等明細表
資産の種類
前期末残高
当期増加額
当期減少額
当期末残高
当期末減価償却
累計額又は償却
累計額
有形固定資産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
有形固定資産計
無形固定資産
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
無形固定資産計
長期前払費用
繰延資産
創立費
・
・
・
繰延資産計
54
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当期償却額
差引当期末残高
開示様式 遊技機容認
【財務諸表等規則(個別財務諸表)】
《遊技機の会計処理・・・容認》
貸借対照表
区分
(資産の部)
Ⅰ 流動資産
1 現金及び預金
2 受取手形
3 営業未収金
4 有価証券
5 商品
6
・
7
・
8
・
9
・
10 消耗品
11 前渡金
12 前払費用
13 繰延税金資産
14 未収収益
15 短期貸付金
16 未収入金
17 その他の流動資産
貸倒引当金
流動資産 合計
Ⅱ 固定資産
1 有形固定資産
(1) 建物
減価償却累計額
(2) 構築物
減価償却累計額
(3) 機械及び装置
減価償却累計額
(4) 船舶
減価償却累計額
(5) 車両運搬具
減価償却累計額
(6) 遊技機
減価償却累計額
(7) リース資産
減価償却累計額
(8) 工具器具及び備品
減価償却累計額
(9) 土地
(10) 建設仮勘定
有形固定資産 計
2 無形固定資産
(1) 特許権
(2) 借地権
(3) 商標権
(4) 実用新案権
(5) 意匠権
(6)
・
(7)
・
(8) ソフトウェア
(9) のれん
(10) その他
無形固定資産 計
3 投資その他の資産
(1) 投資有価証券
(2) 関係会社株式
(3) 出資金
(4) 長期貸付金
(5) 長期前払費用
(6) 繰延税金資産
(7) その他の投資等
貸倒引当金
投資その他の資産 計
固定資産 合計
Ⅲ 繰延資産
1 創立費
2
・
3
・
4
・
繰延資産 合計
資産合計
注記番号
前事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
55
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当事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
開示様式 遊技機容認
区分
(負債の部)
Ⅰ 流動負債
1 支払手形
2 買掛金
3 短期借入金
4 一年以内返済予定長期借入金
5 未払金
6 未払費用
7 未払法人税等
8 未払消費税等
9 (繰延税金負債)
10 前受金
11 預り金
12 前受収益
13 賞与引当金
14
・
15
・
16 リース債務
17 その他の流動負債
流動負債 合計
Ⅱ 固定負債
1 社債
2 長期借入金
3 長期未払金
4 リース債務
5 (繰延税金負債)
6 退職給付引当金
7
・
8
・
9
・
10 その他の固定負債
11 (負ののれん)
固定負債 合計
負債合計
(純資産の部)
Ⅰ 株主資本
1 資本金
2 資本剰余金
(1) 資本準備金
(2) その他資本剰余金
資本剰余金合計
3 利益剰余金
(1) 利益準備金
(2) その他利益剰余金
別途積立金
繰越利益剰余金
利益剰余金合計
4 自己株式
株主資本合計
Ⅱ 評価・換算差額等
1 その他有価証券評価差額金
2 繰延ヘッジ損益
3 土地再評価差額金
評価・換算差額等合計
Ⅲ 新株予約権
純資産合計
負債・純資産合計
注記番号
前事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
56
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当事業年度
(平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
開示様式 遊技機容認
【財務諸表等規則(個別財務諸表)】
《遊技機の会計処理・・・容認》
損益計算書
Ⅰ
1
2
3
4
5
Ⅱ
1
2
3
4
5
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
区分
売上高
遊技場売上高
・
・
・
その他の売上高
売上原価
遊技場売上原価
・
・
・
その他の売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外収益
1 受取利息
2 有価証券利息
3 受取配当金
4
・
5
・
6
・
7 その他の営業外収益
営業外費用
1 支払利息
2 社債利息
3 社債発行費償却
4
・
5
・
6
・
7 その他の営業外費用
経常利益
特別利益
1 固定資産売却益
2
・
3
・
4
・
特別損失
1 固定資産売却損
2 固定資産廃却損
3 減損損失
4
・
5
・
6
・
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
当期純利益
注記番号
前事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
百分比
当事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
百分比
前事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
当事業年度
(自 平成××年××月××日
至 平成××年××月××日)
金額(千円)
構成比
遊技場売上原価明細書
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
注)
区分
注記番号
景品原価
労務費
遊技機関連費用
設備費
運営経費
その他
遊技場売上原価 合計
1 労務費のうち主な項目は次のとおりです。
退職給付費用
賞与引当金繰入額
2 遊技機関連費用のうち主な項目は次のとおりです。
遊技機取得費用
遊技機リース料
3 設備費のうち主な項目は次のとおりです。
減価償却費
57
© 2010 Pachinko-Trusty Board.All right reserved.
開示様式 遊技機容認
有形固定資産等明細表
資産の種類
前期末残高
当期増加額
当期減少額
当期末残高
当期末減価償却
累計額又は償却
累計額
有形固定資産
建物
構築物
機械及び装置
船舶
車両運搬具
遊技機
リース資産
工具器具及び備品
土地
建設仮勘定
有形固定資産計
無形固定資産
特許権
借地権
商標権
実用新案権
意匠権
・
・
ソフトウェア
のれん
その他
無形固定資産計
長期前払費用
繰延資産
創立費
・
・
・
繰延資産計
58
© 2010 Pachinko-Trusty Board.All right reserved.
当期償却額
差引当期末残高
一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボード
〒104-0061 東京都中央区銀座一丁目14番4号プレリー銀座ビル5階
TEL:03-3538-0091
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