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2012
環境報告書
Go Green
for the People and the Planet
目
次
1.はじめに ···················································· 2
 ごあいさつ·············································· 2
 編集方針 ··············································· 3
 会社概要 ··············································· 3
 環境報告の概要 ········································· 6
 環境目標と実績 ········································· 7
2.環境マネジメント ············································ 9
 環境方針················································ 9
 環境マネジメントシステム ·······························10
 環境会計···············································13
 環境規制順守 ···········································13
 環境に配慮した輸送 ·····································14
 環境に関する社会貢献活動 ·······························14
 環境サプライチェーンマネジメント ·······················15
 グリーン購入・調達 ·····································15
 環境新技術等の研究開発 ·································16
3.環境負荷とその低減対策 ·····································19
 総エネルギー投入量と低減対策 ···························19
 水資源投入量 ···········································20
 温室効果ガス排出量と低減対策 ···························21
 大気汚染、生活環境負荷量と低減対策 ·····················22
 化学物質の管理·········································23
 化学物質の排出・移動量 ·································24
 排出物発生量と低減対策 ·································25
 排水水質分析結果と総排水量 ·····························27
4.生産子会社への展開 ·········································28
 子会社の環境パフォーマンス ·····························28
5.トピックス ·················································29
-1-
Environmental Report 2012
1.はじめに
ごあいさつ
西欧でのユーロ金融危機、中国やブラジル
の金融引き締め、タイの洪水、そして東日本大
震災等、多くのできごとが発生する情勢の中、
当社グループは、開発面では、小型・軽量化、
低騒音・低振動を追及した電動工具、充電式工
具、園芸用機器の製品群を継続的に拡充いたし
ました。また、エンジン式園芸用機器のライン
アップ拡充のため、2011年10月に日進事
業所(愛知県)内に園芸用機器の開発・試験セ
ンターを開設しました。生産面においては、需
要の変化に対応した生産体制を整備するとと
もに、高品質ブランドを維持するための品質管
理体制の強化に努めました。営業面では、中国
における販売網を充実させたほか、バルカン諸
国における営業体制を強化するため、スロベニ
アに現地法人を設立するなど、当社の強みであ
るお客様に密着した販売・アフターサービス体
制の維持・向上に努めました。
今後の情勢につきましては、先進国における需要の回復は穏やかなものに留まる一方、
アジアなどの新興諸国において、低価格指向の強い市場が成長することが予想されます。
また、原油価格や為替相場の動向は予断を許さず、当社グループを取り巻く経営環境は、
依然厳しい状態が続くものと思われます。
こうした状況をふまえて、当社グループは、作業環境・地球環境に優しい電動工具や
園芸用機器等に関する研究開発力・製品開発力、小型エンジンの技術開発力の強化、需
要環境の変化に対応したグローバル生産体制の体質強化、さらにはプロユーザーへの営
業活動を強化すると共に業界 No.1 の販売・アフターサービス体制の維持・充実に積極
的に取り組んでまいります。
環境面では、地球温暖化やオゾン層破壊等、地球規模の環境問題を解決するため、「人
の暮らしと住まい作りに役立つ工具の国際的総合サプライヤーとして、豊かな地球を未
来社会に伝えるため、生物多様性に配慮した幅広い地球環境保全活動に取り組む。」と
いう環境基本理念を掲げて、環境と経済の融合による持続可能社会の構築に向けた取り
組みを、グループ全体で継続してまいります。
当社グループでは、環境保全活動の取り組みとその現状を皆様にご理解していただく
ために、「環境報告書2012」を作成いたしました。この環境報告書でマキタの取り
組み姿勢をご理解いただくとともに、皆様のご意見をお寄せいただければ幸いです。
2012年6月
取締役社長
-2-
Environmental Report 2012
編集方針
◆対象組織・分野
この報告書に記載する対象組織は、株式会社マキタならびに国内外の生産販売子会社・生産子会
社及び子会社の10社で、対象分野は2011年度の環境保全活動についてです。(対象組織は、
当社グループ全体の従業員数の77%になります。)
◆対象期間
この報告書は、2011年度(2011年4月1日から2012年3月31日)の活動実績に基づ
いて作成しています。
◆発行および発行予定
1998年12月に発行して以来、毎年1回発行しており、今年で15回目となります。当社の
幅広い環境活動の中から、重点的に取り組んでいるテーマを中心に編集し、環境の専門家以外の方
にも各テーマの概要を分かり易く報告するように努力しています。環境活動は会社の事業年度と期
間を合わせています。
毎年3月末に集計される環境パフォーマンス(実績)を分析し、結果をまとめて6月に発行して
います。
◆参照ガイドライン
この報告書は、2007年6月に環境省より出された「環境報告ガイドライン(2007年度版)」
を参考にして作成しています。
◆作成部署およびお問い合わせ先(この報告書に関するご意見・ご感想をお聞かせ下さい。)
環境・保全室 環境グループ
TEL:(0566)97-1710
FAX:(0566)97-1735
E-mail: [email protected]
◆関連公表資料
会社案内・CSR 報告書、有価証券報告書、Annual Report
会社概要(2012年3月31日現在)
社
名
■本社外観
本社所在地 愛知県安城市住吉町3丁目11番8号
〒446-8502
TEL:(0566)98-1711(代表)
URL: http://www.makita.co.jp/
創
業 1915年(大正4年)
3月21日
設
立 1938年(昭和13年)12月10日
売 上 高 連結2,957億円 単独1,198億円
当期純利益 連結
325億円 単独
117億円
資 本 金
単独
242億円
従 業 員 数 連結12,563名 単独 2,807名
事 業 内 容 電動工具、木工機械、空気動工具、家庭用・園芸用機器等の製造・販売
連結子会社 国内2社(内、生産販売子会社1社)
海外48社(内、 生産販売子会社3社、生産子会社5社)
-3-
Environmental Report 2012
従業員数
単独
売上高
連結
年/月
12/3
年/月
12/3
11/3
11/3
10/3
10/3
09/3
09/3
08/3
08/3
0
5000
10000
当期純利益
15000
[人]
単独
0
年/月
12/3
11/3
11/3
10/3
10/3
09/3
09/3
08/3
08/3
100
200
300
400
1000
2000
3000
総資産
連結
年/月
12/3
0
単独
0
500
[億円]
単独
1000
2000
3000
連結
4000
[億円]
連結
4000
5000
[億円]
◆生産拠点
マキタグループは、生産拠点として日本国内と海外7ヶ国に合計10工場があります。それぞれ
の国の法規制を順守することは言うまでも無く、揺るぎない姿勢で環境保全活動に取り組んでいま
す。
イギリス
工場
ルーマニア
工場
ドイツ
工場
中国の工場
・牧田(中国)
・牧田(昆山)
タイ
工場
日本の工場
・岡崎工場
・マキタ沼津
(2012 年 7 月生産開始予定)
アメリカ
工場
ブラジル
工場
-4-
Environmental Report 2012
◆会社の沿革(緑字;当社における環境取り組みの歴史)
1915 年 03 月
1938 年 12 月
1945 年 04 月
1958 年 01 月
1962 年 05 月
1970 年 07 月
1970 年 07 月
1981 年 06 月
1984 年 09 月
1989 年 12 月
1991 年 01 月
1991 年 04 月
1992 年 04 月
1992 年 04 月
1993 年 03 月
1993 年 07 月
1993 年 12 月
1993 年 12 月
1995 年 09 月
1997 年 11 月
1998 年 04 月
1998 年 11 月
1998 年 12 月
1999 年 01 月
2000 年 11 月
2002 年 03 月
2002 年 10 月
2003 年 04 月
2003 年 11 月
2004 年 04 月
2004 年 07 月
2005 年 05 月
2006 年 01 月
2006 年 01 月
2006 年 02 月
2006 年 07 月
2006 年 07 月
2007 年 02 月
2007 年 05 月
2007 年 06 月
2007 年 07 月
2007 年 12 月
2008 年 01 月
2008 年 10 月
2008 年 10 月
2008 年 11 月
2009 年 01 月
2009 年 05 月
2009 年 07 月
2009 年 08 月
2009 年 10 月
2009 年 12 月
2010 年 01 月
2010 年 03 月
2010 年 06 月
2010 年 10 月
2011 年 03 月
名古屋にて牧田電機製作所(個人経営)創業(電灯器具、モータ、変圧器の販売修理開始)
個人経営を株式会社に改組、株式会社牧田電機製作所設立
工場疎開を兼ねて安城市住吉町の現本社に移転
国産第一号の携帯用電気カンナを発売
商号を株式会社マキタ電機製作所に変更
マキタU.S.A.Inc.設立
岡崎工場新設
マキタ・ド・ブラジルLtda.(MBR)設立・生産開始
マキタ・コーポレーション・オブ・アメリカ(MCA)設立(1985 年 1 月より生産開始)
マキタ・マニュファクチュアリング・ヨーロッパLtd.(MME)設立(1991 年 7 月より生産開始)
ザックス・ドルマーG.m.b.H.(ドイツ)を買収(現:ドルマーG.m.b.H.)
商号を株式会社マキタに変更
日進事業所開設
ニカド電池の回収開始
マキタ地球環境憲章策定(マキタ環境元年)
第1回環境委員会開催
牧田(中国)有限公司(MCC)設立(1995 年 7 月より生産開始)
マキタ環境ボランタリープラン策定
(オゾン層保護、地球温暖化対策、産業廃棄物対策、資源有効活用等の環境活動開始)
株式会社マキタ一宮(MIC)設立
マキタ世界会議で全現地法人に環境の取組み説明
マキタ環境マネジメントシステム開始
マキタ世界会議:海外工場と環境会議開催
環境報告書発行(初回)
内部環境監査開始
牧田(昆山)有限公司(MKC)設立(2002 年 6 月より生産開始)
MCAは、ジョージア州「グイネット郡を清潔に美化しよう」という団体より「リサイクル賞」を受賞
欧州環境規制(WEEE、RoHS)対応開始
本社新社屋完成
MMEは、廃棄物管理活動で「グリーンアップル賞」の金賞を受賞
「欧州環境規制対策臨時部会」発足
欧州環境規制対応の為、蛍光X線分析システム1号機導入
ルーマニアに生産子会社(MMR)設立 (2007 年 4 月より生産開始)
マキタ世界会議:海外工場・マキタ一宮と環境会議開催
厚木事業所として兼松日産農林㈱の自動釘打機事業を譲り受けた。
岡崎工場新棟完成
地球温暖化防止「国民運動(チーム・マイナス6%)」に参加
岡崎工場耐震補強のため一部建替え工事開始
マキタ世界会議:海外工場・マキタ一宮と環境会議開催
富士ロビン株式会社を完全子会社化(現:マキタ沼津)
岡崎工場耐震補強のため一部建替え工事完了
国内工場(本社、岡崎工場)がISO14001外部認証をBSIより取得
株式会社マキタ一宮(MIC)を解散し、機能を本社、岡崎工場に統合
本社事務棟と開発試験棟完成
MBR(ブラジル工場)第2工場完成
MMR(ルーマニア工場)がISO14001外部認証をLRQAより取得
MCC、MKC(中国の2工場)がISO14001外部認証をCQCより取得
マキタカナダでの生産を終了し、MCA(アメリカ工場)に統合
岡崎工場に新発送棟完成
MME(イギリス工場)がISO14001外部認証をBSIより取得
厚木事業所を閉鎖し、機能を本社、岡崎工場に統合
東京技術開発センター開設
MCA(アメリカ工場)がISO14001外部認証をULより取得
ドルマー(ドイツ工場)がISO14001外部認証をSGSより取得
MBR(ブラジル工場)がISO14001外部認証をBSIより取得
地球温暖化防止「CO2 削減/ライトダウンキャンペーン」に参加
生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)開催支援
タイに生産子会社(MMT)設立 (2012 年 7 月より生産開始予定)
-5-
Environmental Report 2012
環境報告の概要
◆環境パフォーマンスの推移
・㈱マキタ(単独)
項目
主要指数
事業所での使用量※1
(単位)
長期目標
―
2020 年 に 向
原単位
※2
け、エネルギ
エネルギー
ー原単位改善
前年度比削減率
%
率年平均 1%
自社輸送での使用量
kl/年
―
トンキロ原単位
kl/万 t・km
―
委託輸送での使用量
kl/年
―
3
水資源使用量
m /年
―
水資源
売上高原単位 ※3 m3/億円
―
事業所での排出量※1 t-CO2/年
―
CO2
kl/年
売上高原単位
(本社+製造拠点)
※3 t-CO2/億円
売上高原単位
(全社)
※4
自社輸送での排出量 t-CO2/年
委託輸送での排出量 t-CO2/年
PRTR 法該当物質
kg/年
(取扱量)
化学物質 PRTR 法該当物質
kg/年
(排出・移動量)
売上高原単位 ※3 kg/億円
2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011
年度
関連
ページ
8,406
7,082
5,359
6,435
6,428
(143.0)
(120.3)
100
95.6
93.3
-
1,092
6.76
557
101,056
75.90
14,394
-
1,041
6.65
552
99,451
87.26
12,093
-
1,001
6.42
569
69,715
84.34
9,745
4.4
957
6.41
631
88,935
83.63
12,032
9.76
(28.3%)
※5
9.46
(30.5%)
9.14
(32.8%)
8.92
(34.5%)
7.95
(41.6%)
―
-
-
11.79
11.31
10.07
―
―
2,847
1,481
2,712
1,467
2,607
1,512
2,492
1,678
2,372
P.14
1,864
―
81,533
68,384
46,664
47,550
50,368
―
59,162
52,896
34,690
33,910
37,953
―
44.41
46.41
41.97
31.89
31.69
―
P.7,8
P.19,20
2.4
911
6.24 P.14
701
92,112
P.20
76.91
12,063
P.7
P.8
P.21
P.24,25
排出物総発生量
t/年
―
9,109
8,297
5,496
8,426
7,752
(営業拠点を除く)
P.7
売上高原単位 ※3 t/億円
―
6.841
7.279
6.649
7.924
6.473
P.8
最終処分量
廃棄物
t/年
―
46.9
33.3
7.0
4.5
3.7 P.25
(産業廃棄物)
P.26
最終処分量
t/年
―
26.1
22.7
3.8
4.7
3.5 P.27
(一般廃棄物)
再資源化率
%
―
99.2
99.3
99.8
99.9
99.9
総排水量
排水
m3/年
―
58,968
62,115
48,621
52,764
58,569 P.27
(営業拠点を除く)
(参考) 売上高
億円/年
―
1331.4
1139.8
826.6
1063.4
1197.6 P.3,4
※1 集計範囲は全社ですが 2008 年度までは日進事業所分を含みません。また 2008 年度までの営業所分は推測値で集計し
ています。
※2 2008 年度までは岡崎工場の付加価値額原単位、2009 年度からは新基準での原単位。(いずれも 2009 年度=100)
※3 今回集計より売上高の算出条件を変更したため、過去データから若干変化しています。
※4 CO2排出量の売上高原単位は 2009 年度から対象を全社に拡大しています。
※5 ( )内数値は 2000 年度比の削減率です。
・生産子会社合計(国内、海外)
2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
項目
主要指数
(単位)
長期目標
エネルギー
原油換算エネルギー
使用量
kl/年
―
14,217
13,145
10,740
14,181
m3/年
m3/億円
―
―
581,019
295.5
724,718
454.0
371,931
333.9
331,166
190.5
水資源
水資源使用量
売上高原単位
-6-
2011
年度
参照
ページ
15,182
P.7
P.8
373,243 P.28
198.3
Environmental Report 2012
項目
CO2
主要指数
CO2排出量
売上高原単位
化学物質 化学物質総取扱量
排出物総発生量
廃棄物 最終処分量
再資源化率
(参考) 生産台数
2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011
年度
参照
ページ
(単位)
長期目標
t-CO2/年
―
41,307
37,404
30,948
42,460
45,726
t-CO2/億円
t/年
t/年
t/年
%
万台/年
―
―
―
―
―
―
21.01
236
11,071
1,049
90.5
1,739
22.16
194
7,898
870
89.0
1,654
27.79
139
7,153
531
92.6
1,193
24.42
110
11,326
629
94.4
2,018
24.29
P.7
117 P.8
11,300 P.28
703
93.8
2,391 ―
環境目標と実績
◆2011年度の活動実績の状況
当社は、法令及び関係団体からの要請はもとより、自主的に具体的な行動目標を掲げて取り組み
を進めており、2011年度の主要な分野別活動状況は以下の通りです。
分野
2011年度目標
2011年度の実績
地球温暖化防止
【長期目標】(2011年設定) ※1
CO2排出量抑制のため、エネルギ
ー使用量原単位を2020年度まで
に2012年度基準で7.73%以上
削減する。
【2011年度目標】
事業者全体(国内)のエネルギー
消費原単位を2010年度と比較し
て、年平均 1%以上削減する。
本社・生産拠点の廃棄物最終処
分量を排出物総発生量の0.1
8%未満にする。
欧州へ出荷しているすべての工場
に於いて REACH 規則の義務を果
たす。
【長期目標に対して】
下記の如く前年度比で2.4%削減し、
2020年度に向け順調に削減できて
いる。
【2010年度目標に対して】
事業者全体(国内)のエネルギー消費
原単位は、対前年度比で2.4%削減
し、目標を達成した。
廃棄物ゼロエミッ
ション※2 の継続
並びに促進
環境汚染物質の
削減
生産子会社の環
境保全活動
欧州 REACH 規則に対応する。
CO 2 排出量を対前年度売上高原
単位比で改善する。
廃棄物の再資源化率を対前年度
比で改善する。
水使用量を対前年度売上高原単
位比で改善する。
工程で使用する有害化学物質の
量を把握する。
《自己評価は4段階評価》
★成果が出なかった
★★少し成果が出た
最終処分品のリサイクル化を推進した
結果、廃棄物最終処分量は、0.09%
となり、目標を達成できた。
高懸念物質(SVHC)の追加に対する
手順を確立し、取引先約1500社への
含有調査を実施した。REACH規制に
従い、顧客からの問合せに対して適切
に回答した。
高懸念物質(SVHC)の追加に伴い、適
時、含有調査を実施した。
CO2排出量は8%増加したが、売上高
原単位は0.5%削減できた。
埋立て処分量は12%増加し、再資源
化率は93.8%で前年度より0.6ポイ
ント悪化した。
使用量は13%増加し、売上高原単位
でも4%増加した。
揮発性有機化合物の使用量を把握し
た。
★★★成果が出た
自己
評価
関連
ページ
★★★★
P.6
P.8
P.19~21
★★★★
P.6
P.8
P.25,P.26
★★★★
P.8
P.15
P.16
★★★★
★★★★
★
P.6
P.7
P.8
P.28
★
★★★★
★★★★かなり成果が出た
※1 日本電機工業会から公表されている次期行動計画での業界共通目標『2020 年に向け、エネルギー原単位改善率年平均 1%』
に基づき目標を設定しています。
※2 マキタのゼロエミッションの定義
[最終処分(埋立+焼却)量/総排出物量×100]を1%以下にすること。
(最終処分量=リサイクルできない廃棄物の量、総排出物量=最終処分量+リサイクルできる不要物の量)
-7-
Environmental Report 2012
◆2012年度目標と取組内容
2012年度も全社環境目標を策定し継続的な環境保全活動に取り組みます。
長期目標は2010年度で期限を迎えたため、地球温暖化防止活動に対する新しい長期目標を設
定しました。また、2010年より「製品環境データシート」として公開している環境に配慮した
製品設計の推進は、引き続き継続していきます。
分野等
2012年度目標
手段・方法
地球温暖化防止
【長期目標】(2011年度設定) ※1
CO 2 排出量抑制のため、エネルギー使用量
原単位を2020年度までに2012年度基準で
7.73%以上削減する。
【2012年度目標】
事業者全体(国内)のエネルギー消費原単位
を2011年度と比較して、年平均 1%以上削
減する。
廃棄物の削減
排出物発生量低減と廃棄物の有償売却化推
進による排出物処理のコスト、労力低減を推
進し、処理コストを160万円/年以上※2 削
減する。
生産子会社の環
境保全活動
欧州 REACH 規則に対応する。
・空調設備の運転方法を見直しエネルギーロス削減を
する。
・冷温水発生機の運転方法を改善する。
・省エネ設備が付加された設備を導入する。
・LED 電球の活用や照明器具を交換する。
・営業の PC にモニタ電源自動 OFF プログラムを導入す
る。
・営業所を含めエネルギー消費量、CO2排出量の集計
を実施する。
・物品のリユース(再利用)、長期使用等を推進し、排出
物発生量を削減する。
・廃棄物の有償売却化を推進し、廃棄物処理コストを削
減する。
・排出物となる部材の納入状況を調査し、無駄な部材
の納入量削減を推進する。
・高懸念物質(SVHC)、制限物質の追加に応じて、含
有情報調査を進める。
・各種省エネ活動を実施する。
CO2排出量を対前年度売上高原単位比で改
善する。
廃棄物の再資源化率を対前年度比で改善す ・廃棄物の分別を推進し、リサイクル化を図る。
る。
水使用量を対前年度売上高原単位比で改善 ・水資源投入の管理をする。
する。
工程で使用する有害化学物質の量を把握す ・化学物質を含有している原材料、補助材を抽出し集計
る。
する。
マキタグループの 海外営業拠点を含め、マキタグループ全体のエネ ・エネルギー使用量の把握および管理とフィードバック
環境負荷情報の ルギー使用量を把握し、急激な変化等に対応
をする。
見える化
する。
※1 日本電機工業会から公表されている次期行動計画での業界共通目標『2020年に向け、エネルギー原単位改善率年平均
1%』に基づき目標を設定しています。
※2 2011年度の資源循環コストの約10%に相当しています。
-8-
Environmental Report 2012
2.環境マネジメント
環境方針
マキタ環境方針
当社の使命は、「工具の生産・販売活動を通じ
て社会の発展と向上に役立つ」ことです。その理
念を示した経営方針を基礎に作成した環境方針に
基づいて、環境保全活動を推進しています。
経
営
方
基
針
方
①社会と共に生きる経営
(法令・規則を順守し、倫理に従って行動
し、反社会的勢力の介入を許さない会社)
②お客様を大切にする経営
(マーケット指向の会社)
③堅実かつ積極的な経営
(健全な収益体制のもと永続する会社)
④質実剛健の社風を大切にし、一人一人の能
力を活かす経営(喜びを感じる会社)
念
針
1 .組 織 の 整 備
地球環境への影響に配慮した事業活動を
行うために、グローバルな活動が出来る
組織を整備する。
2 .継 続 的 改 善 と 汚 染 予 防
環境保全活動の質の継続的な改善及
び汚染の予防を図る。
3 .法 令 順 守
環境関連の法律、規制、協定などを順守
し、さらに当社が定めた自主基準で環境
保全に取り組む。
行動指針
①倫理指針に従って行動しているか
(だれに見られてもはずかしくないか)
②社内よりもお客さまの立場で考えている
か(上司や他部署でなく、顧客の方を向い
ているか)
③自主性を発揮し、考え、挑戦しているか
(過去の成功、経験の枠にとらわれてない
か)
④たゆまぬ改善、技術革新をおこなっている
か(なぜ今のやり方しかないのか)
⑤現場に行き、現場の意見を尊重している
か(情報を正しくとらえ、コミュニケーシ
ョンを十分とっているか)
4 .目 的 ・ 目 標 の 設 定 と 見 直 し
事業活動が環境に与える影響を的確に捉
え、技術的・経済的に可能な範囲で環境
目的・目標を定め、見直しを行う。
5 .環 境 負 荷 軽 減
環境負荷を軽減し、次の活動を積極
的に推進する。
・ 資源及び消費エネルギーの抑制によ
り、温室効果ガス(CO2)排出量の低減
を図る。
・廃棄物の削減およびリサイクルを
推進する。
・ 環境負荷物質の代替物質への転換 ・
排出抑制を促進する。
・開発設計段階において、製品アセ
スメントを実施し、環境に配慮し
た製品開発を行う。
Company
人の暮らしと住まい作りに役立つ工具( 充
電式を含む電動工具 、木工機械 、エア工具、
エンジン式を含む園芸工具 )の国際的総合
サプライヤーとして、業界において確固たる
地位を確保する。
2012年度
理
マキタは「人の暮らしと住まい作りに役立
つ工具の国際的総合サプライヤー」として、
豊かな地球を未来社会に伝えるため、生物
多様性に配慮した幅広い地球環境保全活動
に取り組む。
経営姿勢/品質方針
長期目標
Strong
本
6 .周 知 と 公 開
社 内 広 報 活 動 な ど で 、職場で働く人又
は当社の為に働く全ての人に 環 境 方 針
の 周 知 を 図 る と 共 に 、社 外 へ積極的に
公開する。
キーワード
多様化
(市場・製品・販売チャネル・仕入先・
生産方式・管理方法の多様化推進)
-9-
Environmental Report 2012
環境マネジメントシステム
◆推進体制
当社の環境保全に関する方針・
施策は「環境管理委員会」で審議し
ます。決定した全社環境目標は、
各活動を中心にして、関係部署に
徹底されます。
当社は環境保全活動を、経営の
重点課題として捉え、これを推進
していくための体制を整えていま
す。
取
締 役 会
(経営会議)
社
長
環境担当取締役
環境管理責任者
環境教育委員会
環境教育委員会
新入社員及び管理・監督者への環境教育の実
施計画の立案、テキストの改定の検討などを行
います。社内における各種の教育との整合性を
保ちながら活動を進めています。
公害防止管理者
環境管理委員会は、環境管理責任者が任命し
た環境管理委員長を筆頭として構成され、全社
環境目的・目標を審議するなど、当社の環境保
全活動に関する方針、施策の審議から活動結果
の承認までを行います。
生産子会社
環境保全活動
環境汚染物質〔
工程使用〕
削減活動
環境汚染物質〔
製品含有〕
除去活動
廃棄物削減活動
地球温暖化防止活動
環境管理委員会
特別管理産業廃棄物管理責任者
事務局(環境グループ)
公害防止統括者
内部環境監査委員会
エネルギー管理者
環境管理委員会
内部環境監査委員会
内部環境監査委員会は、内部監査者教育に合
格した受講者より選任された21名にて構成
されており、2人1組の編成を組み社内全部署
を監査します。
内部環境監査では環境マネジメントシステ
ムの適合性や活動の実行性、順法性、有効性を
監査し、その結果を環境管理責任者に報告し、
承認を受けます。また、監査結果は、年度末の
社長による環境マネジメントレビューの資料
に盛り込まれ、更なる改善に役立てます。
- 10 -
Environmental Report 2012
◆システムの運用
当 社 で は 、 1 9 9 8 年 4 月 よ り 、 I S O ■環境マネジメントシステム
14001に準じた独自の環境マネジメント
システム(EMS)を構築し、実行してきまし
環境
た。2007年に、外部審査機関によるISO
方針
14001(2004年度版の認証)を取得し
ており、環境保全活動における継続的な改善が、
企業の使命であると考えています。
マネジメ
ントレビ
ュー
環境
マネジメント
システム
実施
及び
運用
点検及
び是正
処置
◆内部環境監査
当社では、ISO14001の要求事項及び
環境マネジメントシステムに基づいた活動が
適切に実施されているかをチェックするため、
内部環境監査委員会を設置し、指定された内部
監査者教育を受けた監査委員が3年間で全部
署の監査を行います。
2011年度は、当社の33部署に対して監
査を実施しました。
監査結果は、改善処置を必要とするものが
58件(28部署)ありましたが、「改善処置
報告書」等を利用した改善活動を実施すること
により問題点は改善されており、環境マネジメ
ントシステムが適切に実施されています。
計画
■内部環境監査の仕組み
環境管理責任者
監査実施指示
監査結果報告
内部環境監査委員会
監査実施指示
監査結果報告
監 査 委 員
監査実施
改善計画書
提出
◆内部環境監査委員
被監査部署
内部環境監査を的確に実施するため、内部環
境監査委員は、内部監査者教育を受けた有資格
者(2011年度現在51名)から選出します。
選出に際しては、監査を受ける部署に直接関係
の無い中立的な監査者チームを編成するため、
多くの所属部署から委員を選出して環境マネ
ジメントシステムの適合性や活動の実行性、順
法性、有効性を監査しています。また、部署の
活動を客観的に監査するだけでなく、部署間の
ノウハウの共有化にも役立てられています。
改善指示
改善指摘事項の対策実施
- 11 -
Environmental Report 2012
◆外部審査(本社・岡崎工場)
◆リスク管理体制
当社は、BSIグループジャパン㈱による外
部審査を受けています。2011年度は2回の
審査を受け、観察事項が16件(内グッドポイ
ント2件)の指導を頂きました。いずれの観察
事項も重大な問題ではありませんでしたが、改
善処置報告書を発行して問題を改善していま
す。
リスク発生時には適切な処置と経営層まで
の報告が実施される仕組みになっています。
■公害防止組織(各事業所ごとに組織しています。)
公害防止統括者
◆環境教育
幅広い環境問題への対応には、従業員一人ひ
とりが豊富で適切な知識を持った上で、実行し
ていくことが不可欠です。当社では環境マネジ
メントシステムに基づき、一般的な環境問題か
ら専門的な内容まで、階層毎に各種の環境教育
を実施し、従業員の環境意識や知識レベルの向
上に努めています。
公害防止管理者
各職場責任者
■事故・公害発生時の連絡体制
発見者
■環境教育訓練体系
一般教育
新任管理者環境教育
発生部署責任者
新任監督者環境教育
守衛所
一般従業員教育
公害防止管理者
新入社員教育
(定期採用+中途採用)
環境・保全室長
公害防止統括者
環境特定業務者教育
特定教育
法的資格者教育
環境管理責任者
関係官庁
内部環境監査者教育
◆緊急事態への対応
◆啓発活動
2010年度より開始した「Eco2通信」(エ
コエコ通信)にて、エネルギー投入量削減への
意識向上のための情報を提供し、効果を挙げて
います。また、その他にも以下の様な活動によ
り啓蒙活動を展開しました。
当社では、油や化学物質の漏れなどの事故に
備え緊急事態を想定し、定期的に訓練及びテス
トを実施しています。
■緊急事態想定訓練 (2011 年 5 月)
・「省エネ資料の配布」(6月、11月)
・「省エネパトロール」の実施
(夏季・冬季)
・「廃棄物ゼロエミ資料の配布」(8月)
- 12 -
Environmental Report 2012
環境会計
(2011 年 4 月 1 日から 2012 年 3 月 31 日まで)
◆環境会計の考え方
環境会計とは、企業活動の中で、環境を保全するために要したコストとその効果を定量的(金額
または物量ベース)に把握・公表するための仕組みのことです。環境コストと費用削減効果の把握
は、当社の環境方針、環境目的、目標が十分に達成されたかを判断する指標と考えます。
環境会計を環境報告書で開示することで、より透明性のある企業経営を目指します。
◆環境保全コスト(事業活動に応じた分類)
環境保全
分類
コスト
事
業
エ
リ
ア
内
コ
ス
ト
公害防止コスト
233,012
(単位:千円)
主な取り組み内容
・公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下など)防止のため
に必要な投資及び経費
地球環境保全コスト
(省エネ等)
94,683
・温室効果ガスの排出抑制、吸収・固定及び省エネのための投資及び費用
・オゾン層破壊防止及びその他の地球環境保全のための投資及び経費
資源循環コスト
(廃棄物等)
・事業場の天然資源の消費を抑制する投資及び費用
16,353 ・事業場から出る廃棄物を適正に処理するために必要な投資及び委託処理費用
・事業場から出る廃棄物の量を減らすための投資及び費用
・グリーン購入・調達に伴い発生した費用
16,386 ・容器包装の廃棄時の環境負荷を削減する投資及び費用
・製品・商品等回収、リサイクル、再商品化、適正処理に必要な投資及び費用
・環境マネジメントシステムの整備、運用のための費用
・環境情報の開示及び環境広告のための費用
管理活動コスト
76,828 ・環境負荷監視のための費用
・従業員への環境教育等のための費用
・事業所及び事業所周辺の環境美化、環境負荷監視のための投資及び費用
・環境負荷抑制を目的とした技術研究開発(製品、製造、物流、販売等)のための
研究開発コスト
847,947
投資及び費用
・社外の自然保護、緑化、美化、景観改善の対策費用
社会活動コスト
491 ・環境保全を行う団体、地域住民の行う環境活動等への支援、各種社会的取り
組みのための費用
環境損傷コスト
- ・過去の汚染(地下水、土壌等)に関する調査・対策に必要な投資及び経費
合
計
1,285,700
・ 「環境保全コスト」は、「設備投資額」と「経費」の合計額です。
上・下流コスト
(製品リサイクル)
◆環境保全対策に伴う経済効果
経済効果
収益
168,829
3,309
(単位:千円)
効果の内容
・主たる事業活動で生じた廃棄物のリサイクル又は使用済み製品等のリサイク
ルによる事業収入
・省エネ対策によるエネルギー費の節減額(計算値)
費用節減
100
合
計
・前年度からの廃棄物処理費の削減額
172,238
環境規制順守
当社に関連した法規制では、2011年度は、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、廃棄物処理法、
工場立地法、RoHS指令等が改正されましたが、すべて適切に対応しました。また、EUのRE
ACH規則については、環境目標に取り上げて高懸念物質(SVHC)の含有調査を進めており、
規則の変化に応じ、必要な対応をタイムリーに実施しています。この様に、ますます厳しくなる地
球温暖化対策や化学物質管理等の法令改正に確実な対応ができる体制を整えています。
- 13 -
Environmental Report 2012
また、土壌汚染対策法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法、振動規制法に基づく地
下水(土壌);1回/年、排水;1回/月、大気;2回/年、騒音;1回/年、振動;1回/年の測定を行
っており、それらの順守を徹底するため、法及びその他の要求事項の実施、維持状態を「順守評価
確認表」でチェックしています。
なお、2011年度は、環境関係の苦情はありませんでした。また、過去10年以上、油・溶剤
の敷地外への漏洩等の事故はありません。
環境に配慮した輸送
当社は自家用貨物自動車を200台以上保有しているため、「エネルギーの使用の合理化に関す
る法律(省エネ法)」の「特定貨物輸送事業者」に該当しますので、法令に基づき、「省エネの中
長期計画」、「エネルギー使用量の定期報告」を中部運輸局に提出すると共に、輸送力の利用効率
向上等、エネルギーの使用の合理化に務めています。
また、当社の委託輸送量は約1,640万トンキロ(2011年度実績)であるため、特定荷主※
には該当しておりませんが、輸送委託先に対してもCO2削減の協力をお願いしています。
※ 特定荷主=委託輸送量が3,000万トンキロ以上の事業者で、経済産業省への届出が必要となる。
環境に関する社会貢献活動
当社では環境保全活動、地域社会への貢献活動、ボランティア活動などの地域とのコミュニケー
ション活動に積極に取り組んでいます。
◆清掃ボランティア活動
本社では、安城市が行っている「町を美しくする運動」の一環として毎年5月と10月に、社内の
参加者を募り、本社周辺の清掃活動を行っています。また、岡崎工場では、工場敷地の東側遊歩道
の清掃を毎月実施しています。
今後も当社は地域との交流を図り、積極的な環境保全活動に取り組んでいきます。
■本社:清掃作業風景 (2011 年 10 月)
■岡崎工場:東側遊歩道清掃風景 (2011 年 5 月)
◆CO2削減/ライトダウンキャンペーン2011への参加
当社は環境省の呼び掛けによる地球温暖化防止のための国民運動「チャレンジ 25 キャンペーン」
に参加しています。2011年に実施された「昼も夜もライトダウン2011」では、6月22日
(夏至の日)と7月7日(七夕・クールアースデー)に外灯および看板照明の消灯を実施しました。
◆夏の節電要請への対応
中部電力より、原子力発電所の運転停止により厳しい電力需給が予想されることから、電気の使
用制限要請を受け、地球温暖化防止部会が中心となり、全社で夏の節電活動に取り組みました。具
体的には、照明の照度調整、冷房の設定温度の徹底、ブラインドの活用など運用面の節電対策を行
い、定期的に節電パトロールを実施しました。その結果、本社・岡崎工場のピーク(最大)電力は、
対前年比本社で91%、岡崎工場で94%となりました。
- 14 -
Environmental Report 2012
◆環境美化標語の応募
当社は、2012年2月に安城市が主催した「町を美しくする運動」に向けて環境美化を呼びか
ける標語の募集に協力しております。応募作品の総数は、5,073句で、当社従業員からも作品
を応募しました。
環境サプライチェーンマネジメント
当社は、毎年取引先へ環境保全活動(環境マネジメントシステム取得、法規制を受ける特定工場
の確認等)に関するアンケートを実施しております。226社より回答を得て、環境影響評価の結
果、2011年度も著しい環境負荷があると認められる重点取引先はありませんでした。また、排
出物の運搬・処分業者(全15社)を監査し、廃棄物処理に問題の無いことを確認しました。
グリーン購入・調達
◆製品含有有害化学物質の管理
製品に含まれる有害化学物質に関する法規制は、2007年6月にEUで施行されたREACH
(化学物質の登録、評価、認可、制限に関する規則)等により、ますます厳しいものになっており
ます。当社は、REACHに関し、2009年度より認可対象物質の候補となる高懸念物質(SV
HC)の含有情報を調査、管理、情報提供しております。認可対象物質の候補となる物質は、下表
の通り増加しており含有情報収集が継続的に必要になっておりますが、当社はこれら義務に関して
漏れのないように部品調達を進めております。
また、EU加盟国で施行されているRoHS指令(電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使
用制限に関する指令)に対応した部品調達も継続して実施しています。
■マキタ使用禁止・管理化学物質
禁止のしきい値
(禁止不要な最大値)
1
鉛及びその化合物
1,000ppm または意図的添加
2
水銀及びその化合物
1,000ppm または意図的添加
3
カドミウム及びその化合物
100ppm または意図的添加
4
六価クロム化合物
1,000ppm または意図的添加
5
PBB類
1,000ppm または意図的添加
6
PBDE類
1,000ppm または意図的添加
7
アスベスト類
意図的添加
8
PCB類
意図的添加
9
放射性物質
意図的添加
10
アゾ染料・顔料
30ppm
11
ベンジジン
1,000ppm
12
多環芳香族炭化水素
※詳細は REACH 附属書参照
13
PFOS
50ppm
14
短鎖塩素化パラフィン
10,000ppm
15
フマル酸ジメチル
0.1ppm
・ 鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEの6物質は、RoHS付属書に従い使用禁止から除外するケ
ースがあります。
・ No.10~14 は、REACH 附属書に従い使用禁止から除外するケースがあります。
・ 電池・蓄電池指令がRoHSより優先するため、ニカド電池、鉛電池中のカドミウム、鉛は許容しています。
物質名
禁止化学物質
管理化学物質
No.
当社への使用報告のしきい値
(報告不要な最大値)
物質名
REACH 高懸念物質 (73 種類)
※(参考)2010 年度:46 種類
1,000ppm
- 15 -
Environmental Report 2012
環境新技術等の研究開発
◆製品の開発・設計等
・環境に配慮した製品開発の基本的な考え方
当社では、すべての新製品開発に際し、「設計
基準書(環境編)」および「リサイクルチェック
表」等に基づいて、製品アセスメントを実施し
ています。製品アセスメントでは、省エネルギ
ーをはじめ、省資源、使用が制限される化学物
質、リサイクル性、素材の構成、包装材などを、
基準に基づいて確認し、不具合等があれば直ち
に見直しが行われます。
・廃製品処理の容易化
1994年度から1995年度にかけて、廃製品処理の容易化に取り組みました。主な活動と
しては、一部の製品に採用している内蔵バッテリの取り外しを容易化し、廃製品とバッテリを分
離回収しやすくしました。また、強度を高めるため樹脂製のハウジング(ケース)に金属をイン
サートして補強していましたが、設計を見直すことにより金属のインサートを廃止しリサイクル
性を向上させました。
そのほかにも様々な工夫を施し、1994年度以降に開発した新製品については、すべて廃製
品処理の容易化を考慮した設計にしています。また、分別のため、樹脂部品には、表示が困難な
場合を除き、JIS K6899に準じた材質表示をしています。
・製品の軽量化
1995年度以降、製品の軽量化に取り組み続けています。もともと電動工具は作業者が携帯
して作業をすることが多く、軽量化が望まれていますが、この取り組みは環境の立場から、材料
の省資源化、製品・部品の廃棄物量の減量化、生産投入エネルギーの削減につながっています。
◆製品に含まれる環境負荷物質の削減
EU(欧州連合)のRoHS指令(電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する
指令)に対応するため、欧州向け製品は2005年10月以降、欧州向け以外の全ての製品につい
ては、2007年初めから、マキタ使用禁止物質※1を含有しない製品※2 を出荷しています。
また、EUのREACH規則(化学物質の登録・評価・認可及び制限に関する規則)について
も、高懸念物質(SVHC)の含有調査等を遅滞無く実施しています。
※1 マキタ使用禁止物質は、P.15 参照。
※2 RoHS指令で対象外であるエンジン製品、エア製品及び大型木工用機械は除きます。
◆『製品環境データシート』の公開
2010度年より、当社が提供している製品の環境性能をご理解いただくために、個別製品の環
境性能を定量的なデータ(製品質量、騒音値、[再使用+リサイクル]可能率、再生可能率、効率な
ど)を当社のホームページで公開しています。2011年度は、22件の「製品環境データシート」
を公開しました。
◆小形二次電池リサイクル
マキタの充電式工具は、内蔵バッテリの取り外しを容易化し、製品廃棄時のバッテリの分離回収
をし易くしています。
また、当社では「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき一般社団法人
JBRCのリサイクル会員として、小形二次電池の自主回収及び再資源化活動をしており、全国
114ヶ所の営業所および本社の計115ヶ所を回収拠点として登録しています。
- 16 -
Environmental Report 2012
2011年度は、JBRC主催の『小形充電式電池リサイクル回収促進キャンペーン2011』
で、本社が19位、東京支店が29位に入賞しました。
当社の国内の年間廃バッテリー回収量(JBRCより)
60
回収量 [t/年]
50
40
51.5
45.2
44.7
41.2
41.0
2008年度
2009年度
2010年度
30
20
10
0
2007年度
2011年度
◆環境に配慮した製品
当社では、全製品に対して環境に配慮した設計をしていますが、2011年度の新製品で特に環
境性能の向上に優れた製品を紹介します。
・充電式ハンマドリル
エネルギー効率の良いブラシレスモータを採用して、クラスを超えた作業量と作業スピードを
実現しました。また、専用の集じんシステムを用いることにより、本機のスイッチと連動して、
集じんモータが起動・停止し、穴あけ作業時の粉じんを約90%集じんします。
■HR242DRFX(18V)
■HR242DRFXV(18V)
集じんシステム付属[コンクリート穴あけ専用]
・充電式インパクトドライバ
大幅な小型化を図り、世界最短129mm の製品を実現しました。また、ブラシレスモータを採
用し、エネルギー効率を高めました。
■TD136D(14.4V)
■TD147D(18V)
- 17 -
Environmental Report 2012
・充電式芝刈機
排ガスゼロ、エンジン特有の耳障りな騒音がなく、エンジン式・AC100V機に匹敵するパ
ワフルな充電式芝刈機です。
■MLM430D(36V)
・エンジンチェンソー
日本の自主規制(2次)はもちろんのこと世界の排出ガス規制に適合させると共に、当社従来機
に比べ最大出力を35%向上させました。
■MEA3201M(排気量32mL)
- 18 -
Environmental Report 2012
3.環境負荷とその低減対策
◆基本的な考え方
生産分野では、クリーンな工場の実現、及び地球的視野に立った環境保全に取り組むことを基本
として、単に法規制を順守するにとどまらず、生産活動に伴うあらゆる環境負荷の低減を目指して、
さまざまな活動に取り組んでいます。
2011年度は、東日本大震災による電力不足に対する節電活動を含めた地球温暖化防止のため
のエネルギー使用量削減、廃棄物の削減(ゼロエミッションの継続)、環境汚染物質の削減、生産子
会社の環境保全活動の促進について目標を定めて活動しました。
2012年度は、エネルギー使用時のロスを徹底的に排除することや、廃棄物となる物件の納入
量削減に重点的に取り組むことにより、エネルギー使用量の削減、廃棄物削減、従来より実施して
いる環境負荷低減活動をより一層充実させて参ります。
総エネルギー投入量と低減対策
◆総エネルギー投入量の推移
当社のエネルギー投入量、エネルギー投入量原単位は、下記グラフのとおりで、後述する取り組
みを実施することにより、エネルギー投入量を抑制し、エネルギー投入量原単位は継続して削減し
ています。
本社
東京開発センター
厚木事業所
新 原単位 (全社)
エネルギー投入量の推移
8,000
日進事業所
岡崎工場
営業拠点
旧 原単位(岡崎工場のみ)
200%
2
0
0
9
年
度
よ
り
集
計
方
法
変
更
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
150%
100%
'10年度比で2.4%削減
50%
0
全社 エネルギー投入量 原単位
(2009年度=100)
エネルギー投入量 [KL/年]
7,000
0%
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
【エネルギー投入量の集計方法変更について】
当社では改正省エネ法の施行(2009年 4 月)に合わせ、2009年度よりエネルギー投入量の集計方法を以下
のとおり変更しています。エネルギー投入量原単位は、2009年度を境として算出方法が変わっていますが、どち
らの原単位も2009年度を100%として表示しています。
<変更内容>
1 集計範囲の拡大
従来の「本社+製造拠点」から、「営業所等を含む全社」へ集計範囲を拡大しました。
2 原単位算出基準の変更
従来の原単位は「付加価値額」を基準にしていましたが、2009年度からはより現状を反映させるため「製造
部門は生産金額」、「その他の部門は床面積×労働時間」という複数の基準で原単位を算出しています。
- 19 -
Environmental Report 2012
◆削減目標と達成状況
エネルギー投入量は、前年度比0.1%削減し、2011年度の目標である「事業者全体(国内)
のエネルギー消費原単位を2010年度と比較して、年平均 1%以上削減する。」に対して2.4%
の削減を行い目標を達成しています。
◆主な取り組み事項
・省エネ活動の徹底
夏の節電の取り組みで、空調温度管理の徹底及び 照明の点灯個所および点灯時間の見直し
・生産設備改善によるエネルギー使用量の削減
転造盤の油圧ポンプにインバーターを取り付け使用電力量の削減を図る
・啓蒙活動による省エネ活動の推進
① 省エネ推進資料(Eco2 通信等)の配布による省エネ意識の向上
② 月別・エリア別のエネルギー使用状況情報のフィードバック
③ 定期的な省エネパトロール 等
◆使用エネルギーの内訳
2011年度の使用エネルギーの内訳は右グ
ラフのとおりで、電気が全体の86.3%を占
めました。
2011年度 使用エネルギーの内訳
1.8%
11.9%
・ 割合は原油換算値で比較しています。
・ 集計範囲は全社です。
電気
都市ガス
その他
合計
6,428kl
86.3%
水資源投入量
◆水資源投入量の推移
2011年度は、水資源使用量は横ばいですが、売上高原単位は、減少しました。緑化のための
散水に雨水を活用し、上水の使用を削減しました。
水資源投入量の推移
水資源投入量 [m 3/年]
90
100,000
85
80,000
80
60,000
75
40,000
70
20,000
65
売上高原単位水資源投入量
3
[m /億円]
水資源投入量
売上高原単位
120,000
60
0
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
- 20 -
2011年度
Environmental Report 2012
温室効果ガス排出量と低減対策
◆関連法規等
・電機・電子 4 団体の自主行動計画
政府の『京都議定書目標達成計画』に基づき電機・電子4団体が定めた「2010年度
(=2008~2012年度平均)までに1990年度比で実質生産高CO2原単位を35%改
善」(購入電力での改善分を除いた場合は28%改善)という自主行動計画に従い、当社では数
値目標を立てCO2排出量削減に取り組んでいます。
◆温室効果ガスの排出について
当社は「エネルギー起源の二酸化炭素」以外の温室効果ガスを排出していません。
◆当社のCO2排出量推移
当社のCO2排出量、CO2排出量原単位は、下記グラフのとおりで、エネルギー投入量削減の取
り組み(p20)により、継続してCO2排出量原単位を削減しています。
CO2排出量の推移
本社
東京開発センター
厚木事業所
新 売上高原単位(全社)
日進
岡崎工場
営業拠点
旧 売上高原単位(本社+工場)
14
2
0
0
9
年
度
よ
り
集
計
方
法
変
更
CO 2排出量 [t/年]
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
12
10
8
6
4
2
'00年度比で41.6%削減
0
0
2000年度
2002年度
2004年度
2006年度
2008年度
2010年度
【CO2排出量の集計方法変更について】
当社では「エネルギー投入量の集計方法変更」(p19)に合わせ、2009年度よりCO2排出量の集計方法を以下
のとおり変更しています。その結果、売上高原単位の数値は約3割程度増加していますが、これは集計範囲の拡大に
よるもので、CO2排出状況が悪化したものではありません。
<変更内容>
1 集計範囲の拡大
従来の「本社+製造拠点」から、「営業所等を含む全社」へ集計範囲を拡大しました。
2 電力のCO2排出換算係数変更
2008年度までの電力使用によるCO2排出量換算は、電力会社の変動分を除去して評価するため、一定値
(0.42t/MWh)を使用していましたが、2009年度からは、排出量を正確に把握するため、電力会社が公表し
ている「実排出係数」に変更しています。
◆削減目標と達成状況
2011年度の削減目標は設定していませんが、2010年度までの長期目標であった「本社・
生産拠点のCO 2排出量の売上高原単位を2010年度までに2000年度比21%以上削減す
る」に対しては、41.6%の削減となっています。(旧売上高原単位での評価)
- 21 -
Environmental Report 2012
売上高原単位 [t/億円]
14,000
大気汚染、生活環境負荷量と低減対策
◆騒音・振動
当社では、法令、条例、協定等で定められた騒音・振動の基準値を充分に満たす当社独自のマキ
タ基準を設定して騒音・振動状況を管理しており、2011年度はすべて基準値以下でした。
■騒音と振動
騒音 (dB)
振動 (dB)
本社(昼間)
マキタ
測定値
基準値
65
52
65
38
岡崎工場(昼間)
マキタ
測定値
基準値
75
65
75
48
◆大気汚染物質の排出状況
大気汚染物質も、騒音・振動と同様のマキタ基準を設定して管理しており、2011年度の岡崎
工場から排出される硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんはすべて基準値以下
でした。
■大気への排出物質量(岡崎工場)
NOx
(ppm)
ばいじん (g/m3)
SOx
(m3n/h)
設備
ボイラー
ボイラー
ボイラー
マキタ基準値
150
0.1
2.364
測定値
91
0.008
0.014
◆揮発性有機化合物(VOC)の自主行動計画
2004年5月、大気汚染防止法の一部が改正され、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質の生
成原因物質となる揮発性有機化合物(VOC)について自主的取組と法規制のベストミックスによ
るVOCの削減が求められました。また、経済産業省の「事業者による揮発性有機化合物の自主的
取組促進のための指針」に基づき、2005年9月には電機・電子4団体が「VOCに関する自主
行動計画」を策定しています。
これらの要求に対応する為、当社ではVOC排出量削減の自主的取り組みとして、VOCの使用
実態や排出状況の調査・把握を行い、発生要因ごとに排出抑制を推進しています。
2011年度は売上高が増加しましたが、VOC排出量は対前年度比で1%の削減を達成してい
ます。
■VOC排出量
本社
岡崎工場
厚木事業所※
合計
単位=t/年
2007
年度
0.02
45.97
16.80
62.79
2008
年度
0.00
41.23
19.76
61.00
2009
年度
0.28
42.83
1.43
44.54
2010
年度
0.02
39.57
39.59
2011
年度
0.01
39.08
39.09
※ 厚木事業所は2009年8月で閉鎖しました。
- 22 -
Environmental Report 2012
◆土壌・地下水の保全
・土壌・地下水の調査
■地下水・土壌の調査結果
1998年まで当社で使用して
【本社】
いた有機塩素系化合物については、
すでに土壌汚染調査を完了してお 調査年月
年 月
り、その後も毎年地下水の調査を
2007
12
継続しています。
2008
7
その結果、1998年度、19 2009 7
99年度に、本社で測定限度値を 2010 7
僅かに超えるごく微量のトリクロ 2011 7
ロエチレンが土壌、地下水から検
出されましたが、環境基準を超え
る汚染ではなく、その後の調査で 【岡崎工場】
は検出されていません。ジクロロ 調査年月
年 月
メタンを使用していた厚木事業所
2007
9
を2009年8月に閉鎖しました
2008
9
が、その跡地は、土壌汚染対策法、
2009 11
神奈川県条例に基づく土壌調査に
2010 11
より問題の無いことを確認してい 2011 8
ます。
2011
9
2011年8月に、岡崎工場で
トラックヤード冠水対策の貯水槽
設置工事と雨水排水経路への油水
分離槽設置工事を実施しました。
それに伴う搬出土の土壌調査を実
施し、環境基準値以下で問題あり
ませんでした。
地下水
土壌
調査数
調査項目
結果
1 ヶ所
1 ヶ所
1 ヶ所
1 ヶ所
1 ヶ所
4 項目
4 項目
4 項目
4 項目
4 項目
◎
◎
◎
◎
◎
調査場所
調査項目
結果
調査対象なし
(’07~’11 年度)
地下水
土壌
調査数
調査項目
結果
1 ヶ所
1 ヶ所
1 ヶ所
1 ヶ所
3 項目
3 項目
3 項目
3 項目
◎
◎
◎
◎
1 ヶ所
3 項目
◎
調査場所
調査項目
結果
2 ヶ所
27 項目
◎
・結果の見方
◎=環境基準値未満
化学物質の管理
◆PCBの管理
当社で保管しているPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物は、高圧コンデンサ、トランス、リア
クトル及び蛍光灯安定器で、PCB特別措置法に基づき141台の届出をし、厳重に保管、管理
しています。
2005年度に、工場で使用していた高圧コンデンサを、日本環境安全事業(株)豊田事業所に
て処分を行い、2011年に営業所で使用していた高圧コンデンサの処理申請を完了しました。
- 23 -
Environmental Report 2012
化学物質の排出・移動量
人類はこれまで10万種類ともいわれる化学物質を製造・使用し、自然界へ排出してきました。
その結果、これらの物質に起因すると考えられる人体・自然生態系への影響が顕在化しており、市
民意識の高揚や情報公開の流れとあいまって、化学物質の管理は企業の環境リスクマネジメントの
柱となっています。
当社では、PRTR法等の法令のほか、日本電機工業会「有害大気汚染物質に関する自主管理計
画」(1997年度より)、日本電機工業会「揮発性有機化合物(VOC)に関する自主行動計画」
(2005年度より)等に基づき、独自の化学物質管理システムを構築して、化学物質の排出削減
を図っています。
◆化学物質の排出・移動量の推移
PRTR法の第一種指定化学物
質(特定第一種指定化学物質を含
む)の取扱量と排出・移動量の推
移は右グラフ、詳細は下表のとお
りで、2009年度からほぼ横ば
い傾向となっています。
PRTR法対象化学物質 取扱量/排出・移動量
[t/年]
100
取扱量
81.5
75
排出・移動量
68.4
59.1
52.9
50
50.4
47.6
46.7
34.7
33.9
38
25
0
2007年度
■2011 年度PRTR排出・移動量と取扱量の調査結果
CAS 番号
0000050-00-0
0000071-43-2
0000080-43-3
0000080-62-6
0000095-63-6
0000100-41-4
0000100-42-5
0000101-83-7
0000108-88-3
0000110-54-3
0000111-15-9
0000128-37-0
0000330-54-1
0001330-20-7
0001330-78-5
---
2009年度
2010年度
2011年度
(単位:kg)
化学物質
ホルムアルデヒド
ベンゼン
2-フェニル-2-[(2-フェニル・・・)プロパン
メタクリル酸メチル
1.2.4-トリメチルベンゼン
エチルベンゼン
スチレン
ジンクロヘキシルアミン
トルエン
N-ヘキサン
セロソルブアセテート
BHT
3-3,4 ジクロロフェニル-1、1-ジメチル尿素
P-キシレン
リン酸トリトリル
年間取扱量 10kg 以下物質の合計
総計
2008年度
大気
77.1
53.7
604.8
0
284.6
3,426.7
13,182.1
764.2
6,317.5
343.2
12.3
56.5
0
5,534.3
0
4.0
30,661.0
取扱量
排出・移動量
合計
製品 その他
合計
水域 土壌
廃棄
0
0
17.5
94.6
16.7
0
111.3
0
0
0
53.7
0
0
53.7
0
0
0
604.8
0
0
604.8
0
0
0
0
88.0
0
88.0
0
0
0
284.6
1.7
0
286.3
0
0
0 3,426.7
0
0 3,426.7
0
0 2,778.8 15,960.9
0 12,159.2 28,120.1
0
0
0
764.2
0
0
764.2
0
0 4,158.0 10,475.5
0
0 10,475.5
0
0
0
343.2
0
0
343.2
0
0
0
12.3
0
0
12.3
0
0
0
56.5
12.0
0
68.5
0
0
0
0 118.8
0
118.8
0
0
0 5,534.3
0
0 5,534.3
0
0
334.2
334.2
0
0
334.2
3.4
0
0
7.4
18.8
0
26.2
3.4
0 7,288.5 37,952.9 256.0 12,159.2 50,368.1
- 24 -
Environmental Report 2012
◆化学物質管理システムの導入
■化学物質管理システム
化学物質
管理システム
事前登録
自動入力
物件の購入実績
関連法令情報
物件の化学物質・
2000年3月のPRTR法(特定化学物
質の環境への排出量の把握等及び管理の改善
の促進に関する法律)施行に合わせ、コンピュ
ーターによる化学物質管理システムを開発し、
運用を開始しました。このシステムでは、P
RTR法の該当化学物質のみではなく、労働
安全衛生法、毒物及び劇物取締法等9法令に
該当する化学物質までコンピューターに登録
し使用量等を管理・把握しています。
出力
化学物質使用量集計結果等
◆PRTR法の改正対応
PRTR法の改正により、2010年度か
ら届出物質が345物質から462物質に変更されましたが、当社では「化学物質管理システム」
の登録情報を事前に修正することにより、法令改正に対応しています。
排出物発生量と低減対策
当社での廃棄物削減に対する本格的な取り組みは、1993年12月に策定した「環境ボランタ
リープラン」で総排出量を削減することからはじまりました。その後1996年11月より再資源
化率の向上、1999年10月より最終処分量削減と、時代の変化に合わせ、取り組みテーマを変
えてきました。2005年度には、長期目標の産業廃棄物最終処分量の削減目標を達成しました。
さらに、将来的な資源の枯渇や最終処分場の逼迫に対応するため、2006年度以降、廃棄物最終
処分量を総廃棄量の1%以下にする「ゼロエミッション」を目標に掲げて継続的に達成し、2011
年度は目標値をさらに厳しい0.18%未満を設定しました。
◆排出物発生量・最終処分量・再資源化率の推移
排出物総発生量(最終処分量+再資源化量)の推移
は右のグラフの通りで、排出物総発生量は業績に連動
して2007年度まで増加傾向でしたが、最終処分量
はごみの再資源化(リサイクル化)を推進したことに
より毎年削減しています。
その結果、排出物発生量に対する再資源化量の比率
は右のグラフに表される通り年々向上しています。
排出物総発生量と再資源化率の推移
排出物総発生量
再資源化率(%)
[t/年]
[%]
10,000
100
7,500
99.5
◆削減目標と達成状況
5,000
99
2011年度目標の「本社・生産拠点の廃棄物最終
処分量を排出物総発生量の0.18%未満にする」に
対する2011年度実績は、最終処分量(7.14t)
が、排出物総発生量(7,752.5t)の0.09%
となり、目標を達成することができました。
2,500
98.5
※ 再資源化率=再資源化量/排出物発生量×100(%)
98
0
'07
- 25 -
'08
'09
年度
'10
'11
Environmental Report 2012
◆排出物の内訳と処分状況
2011年度の排出物の内訳は下記のとおりです。再資源化物は大きく分けて肥料や原料として
再生される物と、そのまま燃料として熱エネルギーを取り出す物があります。また、最終処分廃棄
物には埋立処分や、単純焼却処分されるものがあります。
■排出物の内訳
廃プラスチック 汚泥・コンク
類
リートガラ
非鉄金属
屑
その他
廃油類
非鉄金属
屑
廃プラスチッ
ク類
木屑
古紙・段
ボール屑
汚泥・コンク
リートガラ
廃油類
7,717t
その他
木屑
古紙・段
ボール屑
鉄屑
【再資源化物】
7,753t
廃油類 その他
廃プラ
鉄屑
木屑
【排出物】
7t
ガラス・陶
磁器
焼却ごみ
【最終処分物】
(焼却による減量分 29t を除く)
■排出物の処理状況
再資源化量 7,717t
再生化量
7,032t
鉄及び非鉄金属屑、古紙
電池屑、ダンボール屑
燃料化量
615t
木屑、廃プラスチック類
廃トルエン・キシレン、廃油
その他材料
70t
排出物総発生量
7,753t
処分量 36t
焼却量
29t
- 26 -
汚泥・コンクリート屑
最終処分量
4t
ガラス・陶磁器屑
砥石
最終処分量
3t
試打ち木屑、
塗料カス
シリコン塊
Environmental Report 2012
古紙リサイクル量
当社では、使用済みの紙も積極的にリサ
イクルしていますが、リサイクルよりも使
用量そのものの削減を推進しているため、
リサイクル量は減少傾向にあります。
150
[t/年]
◆古紙リサイクル
100
50
0
排水水質分析結果と総排水量
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
◆排水水質分析結果
岡崎工場では、工場内の排水をすべて処理場に集めて浄化した上で排水しています。浄化に当た
っては、法令・条例、市の公害防止協定値を充分に満たすマキタ自主運用基準値を設定し、これを
超えない様に管理しています。また、本社は2003年度に排水処理場を廃止し、下水道へ切り替
えました。
岡崎工場の排水処理場は、設備に老朽化が目立ちましたので、2000年より改修工事を5年計
画で行いました。
2011年度の排水水質分析結果の主な値は下表のとおりで、管理基準値を超える測定項目はあ
りませんでした。
■ 2011年度 岡崎工場 排水水質分析結果
項目
排水量
水素イオン濃度(PH)
化学的酸素要求量(COD)
生物化学的酸素要求量(BOD)
浮遊物質量(SS)
銅含有量
フッ素及びその化合物
大腸菌郡数
亜鉛含有量
溶解性鉄含有量
溶解性マンガン含有量
全窒素負荷量
全リン負荷量
単位
3
m /日
―
mg/l
mg/l
マキタ
管理基準値
―
5.8~8.6
10 未満
10 未満
mg/l
10 未満
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
kg/日
Kg/日
0.2 未満
1 未満
300 未満
1 未満
2 未満
2 未満
8.8 以下
1.32 以下
実
最大
績
最小
―
7.5
7.8
2.8
―
6.7
5.1
0.5 未満
平均
81
7.1
6.7
1.3
4
1 未満
2.4
0.01 未満
0.1 未満
30 未満
0.12
0.1 未満
0.1 未満
2.18
0.0067
0.01 未満
0.1 未満
30 未満
0.06
0.1 未満
0.1 未満
0.7
0.0008
0.01 未満
0.1 未満
30 未満
0.09
0.1 未満
0.1 未満
1.4
0.003
◆総排水量の推移
グラフが示すとおり、総排水量は2009年度から微増傾向にあります。
総排水量
[千m3]
70
厚木事業所(下水道)
60
岡崎工場(排水処理場)
50
本社(下水道)
40
30
20
10
0
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
※本社・厚木事業所の排水量は、実測できないため、水資源投入量の値をそのまま使用しています。
※厚木事業所は、2009年8月で閉鎖しました。
- 27 -
Environmental Report 2012
4.生産子会社への展開
子会社の環境パフォーマンス
当社グループは、2009年度末までに全世界の生産拠点にて環境の国際規格ISO14001
の認証を取得(2012 年操業のタイ工場は今後取得予定)しています。
各生産子会社合計の2011年度の環境パフォーマンスは、CO2総排出量が45,726トン
で8%増加しましたが、売上高原単位では0.5%削減できました。水使用量は13%増(売上高
原単位では4%増)となりました。廃棄物埋立処分量は12%増(再資源化率は93.8%)とな
りました。
■ 2011年度生産子会社環境パフォーマンス
省エネ・地球温暖化
生産子会社
(工場)
マキタ沼津
アメリカ
ブラジル
イギリス
ドイツ
牧田(昆山)
牧田(中国)
ルーマニア
総
計
エネルギ
ー使用
量・原油
換算
(kl/年)
974
601
排出物
CO 2
排出量
(t/年)
CO2 排出
量増減・
前年度比
(%)
1,678
1,599
-25
-18
再資
源化
率
(%)
総
発生量
(t/年)
313
1,089
埋立
処分
量
(t/年)
90.0
91.9
31
88
水資源
化学物質
水使用量
(m3/年)
工程で使用する
化学物質
取扱量
(t/年)
70,303
3,430
14.8
-
511
128
33
725
95.5
32
5,829
6.9
1,356
924
1,495
7,838
2,825
2,072
5,454
29,431
10
4
38
7
1,651
334
536
5,300
94.2
100
100
91.4
95
0
0
456
5,642
3,782
62,280
209,558
12.0
0.3
1,500
2,540
17
1,352
100
0
12,420
20.7
15,198
45,726
8
11,300
93.8
703
373,243
117.1
CO 2排出量の推移
千m3/年
800
45,000
700
1,000
40,000
水資源投入量の推移
廃棄物最終(埋立)処分量の推移
t/年
1,200
t/年
50,000
マキタ沼津
マキタ一宮
アメリカ
カナダ
ブラジル
イギリス
ドイツ
牧田(昆山)
牧田(中国)
ルーマニア
600
35,000
800
500
30,000
600
25,000
400
20,000
300
400
15,000
200
10,000
200
100
5,000
0
0
'07 '08 '09 '10 '11
年度
62.6
0
'07 '08 '09 '10 '11
年度
'07 '08 '09 '10 '11
年度
※ カナダ工場は’09年1月で生産を終了しています。
※ マキタ一宮は‘07年12月で生産を終了しています。
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Environmental Report 2012
5.トピックス
◆空調への地中熱利用(ドイツ販売子会社)
2011年1月に新築移転したマキタ・ヴェルクツォイク G.m.b.H.(ドイツ)は、ドイツの新
エネルギー法に対応した地熱ヒートポンプ工事を行い、地中熱を利用した冷暖システムの導入や自
然光を取り入れた省エネを実現した建物になっています。
(オランダの販売子会社でも同様の取り組みを行なっています。)
■社屋外観
◆照明の LED 化
本社・岡崎工場・日進事業所の屋外灯を LED 照明
に変更し、照明電力の削減に取り組んでいます。
◆塗装ノズル等の洗浄用シンナーのリサイクル
製品塗装ラインの塗装ノズルやポンプ等の洗浄に使用するシンナーを、リサイクル品へ変更する
取り組みをしています。これにより、今まで廃棄物として処理していた使用済シンナーもリサイク
ル品の原料として再使用します。
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Environmental Report 2012
ホームページでもご覧いただけます。
株式会社マキタでは、
インターネット・ホームページにお
いて環 境 活 動に関する情 報を常 時 公 開しています。
本報告書や「製品環境データシート」についても、順次、
下記ホームページで紹介致しますので是非ご覧ください。
URL:http://www.makita.co.jp/
お問い合わせ先
環境・保全室 環境グループ
〒446−8502 愛知県安城市住吉町3丁目11番8号
TEL:
(0566)
97−1710 FAX:
(0566)
97−1735 E-mail : [email protected]
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