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【小学校算数】概要・課題・改善の方向

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【小学校算数】概要・課題・改善の方向
【小学校算数】概要・課題・改善の方向
本市の概要
【区分及び領域】
主として「知識」に関する問題(A)
□「数と計算」の平均正答率
・全国平均に比べ、下回っている。
□「量と測定」の平均正答率
・全国平均に比べ、下回っている。
□「図形」の平均正答率
・全国平均とほぼ同程度であるが、やや
下回っている。
□「数量関係」の平均正答率
・全国平均とほぼ同程度であるが、やや
下回っている。
小
学
校
算
数
主として「活用」に関する問題(B)
□「数と計算」の平均正答率
・全国平均を下回っている。
□「量と測定」の平均正答率
・全国平均とほぼ同程度であるが、やや
下回っている。
□「図形」の平均正答率
・全国平均とほぼ同程度であるが、やや
下回っている。
□「数量関係」の平均正答率
・全国平均とほぼ同程度であるが、やや
下回っている。
今回の調査における課題
改善の方向
●小数や分数などの数
の意味と表し方、計
算の意味や計算の仕
方などについて理解
し、正しく計算する
こと。
○既習と関連付けなが
ら、数と計算の意味
や仕組みについて理
解を深め、習熟を図
る指導の充実。
●基本的な平面図形の
面積を計算で求める
など、量の測定の仕
方について理解を深
め、確実に測定する
こと。
●構成する要素に着目
しながら図形を観察
して的確にとらえる
こと。
●交換法則や結合法則、
分配法則を活用する
など、計算の工夫に
ついて理解し、適切
に用いることや、数
量の関係を式で簡潔
に表したり、それを
よんだりすること。
分 類
学習指導要領の
領域
問題形式
区 分
○算数的活動と、式や
図、言葉を関連付け
ながら面積の求め方
を考えるなど、量の
測定の仕方について
の理解を深め、習熟
を図る指導の充実。
○ものの形について観
察したり、構成した
りする活動を通して、
基本的な図形につい
ての理解を深める指
導の充実。
○目的に応じて数を合
成・分解するなど、
多面的な数の見方を
計算の工夫に生かし
たり、新しい問題場
面に活用したりする
指導の充実。
全国との 全国との
比較(A) 比較(B)
数と計算
下回っている 下回っている
量と測定
下回っている ほぼ同程度
図形
ほぼ同程度 ほぼ同程度
数量関係
ほぼ同程度 ほぼ同程度
選択式
ほぼ同程度 ほぼ同程度
短答式
下回っている ほぼ同程度
記述式
ほぼ同程度
※「ほぼ同程度」は、全国の平均正答率と比較して±3ポイントの範
囲内。
27
指導改善事例
【小学校算数】 数と計算
【改善の方向】
既習と関連付けながら、数と計算の意味や仕組みについて理解を深め、習熟を図る指導の充実
【「数と計算」について】
整数、小数及び分数の意味やそれらの数の
表し方について理解できるようにしたり、数
の相等や大小の関係などを具体的な場面を通
して理解できるようにしたりして、数につい
ての感覚を豊かにすることが重要である。
≪ポイント≫
・十進位取り記数法の仕組みが分かる。
・加減乗除の意味について理解し、それらの
計算の仕方を考え、適切に用いる。
・計算の結果を見積もり、計算の仕方を考え
ることや結果の確かめに生かす。
・数学的な考え方を高め、活動の楽しさや数
理的な処理のよさに気付く。
【改善に向けての学習活動例】
・積み木を用いて、たし算やひき算の仕方を
考える。
・たくさんの物を10や100のかたまりにして
数え、十進位取り記数法をとらえる。
・アレイ図や面積図などを用いて計算の意味
や計算方法を説明する。
・整数や小数、分数を同じ数直線上に表して
その関係をとらえたり、二量の関係から立
式したりする。
・自分で問題文を作ることによって、計算の
意味理解を深める。
・補充的な問題や発展的な問題などをコース
別にして選択しながら習熟を図る。
授業展開例
【第1学年 ひきざん】
◆積み木を操作したり、その操作を図や言葉
で説明したりする活動を通して、計算の仕
方の理解をねらいとした授業。
●みかんが13こあります。□こ食
べるとのこりはいくつでしょう。
★主な活動
・□の中にいろいろな数字を入れ、既習と未
習に分け、学習の見通しをもつ。
・「13-8や13-4は難しいね。」「どうやっ
て引くのかな。」
・積み木などを使って引き方を表現する。
・操作を図や式、言葉などで説明する。
まず、10−4=6(ひいて)
次に、06+3=9(たして)
残った積み木の
色が違うよ。
まず、13−3=10(ひいて)
次に、10−1=09(ひいて)
数の引き方が
違うんだね。
・自分とは違う方法も積み木でやってみる。
◎定着と習熟
・ここで分かった引き方を使って、他の問題
を解決し、習熟を図る。
28
【第5学年 小数のかけ算・小数のわり算】
◆学習状況や興味・関心などに応じたコース
別学習を通して、楽しく習熟を図ることを
ねらいとした授業。
●いろいろな問題にチャレンジして、
小数の達人をめざそう。
★主な活動
※教師は、小数のかけ算とわり算における一
人一人の学習状況を把握しておく。
・最初に、コース選択のよりどころとなるよ
うな問題にチャレンジし、自分自身でコー
スを選択する。
・学習状況から、必要に応じてコース選択の
アドバイスを受ける。
《コース例》
・計算の仕方コース ・計算熟練コース ・計算の仕方を確かめ、じっくり習熟するコース ・いろいろな問題にチャレンジして習熟するコース
◎定着と習熟
・学習の状況に応じて、いろいろな問題に取
り組み、はっきりしないことを確かめたり、
自分の力を確かなものにしたりする。
授業展開例 「数と計算」
4年 図などを活用して小数のひき算の仕方を考えることで、小数の意味理解を深める。
単元名
はしたの大きさの表し方を考えよう
11時間扱い(本時6/11)
9月中旬
◇今回の調査では、小数の計算において、整数同士の計算部分までは正しく計算できたものの、小数点
の扱いを間違う誤答が多く見られた。これは、計算の仕方と意味がきちんと結び付いていないためだ
と思われる。小数の意味をしっかり理解し、計算の仕方を図などを活用して意味と結び付けながら身
に付けていくことが大切である。
【本時の目標】
・図などを使って、繰り下がりのある小数のひき算の仕方を考えようとする。(関心・意欲・態度)
・10分の1の位までの減法の筆算の仕方を理解し、その計算をすることができる。(表現・処理)
学習内容・活動等
展 開 例
前時までに、小数の意味や簡単な小数のたし算・
ひき算の仕方を行ってきている。
改善のポイント
問題提示
小数の意味を確か
にする (整数)―(小数)
の問題を提示して、
小数の意味の分かり
直しができるように
する。
改善のポイント
十進位取り記数法
のよさを実感する
図や数直線などを基
に、整数の場合と同
じように繰り下がり
のひき算ができるこ
とを確かめる。
改善のポイント
3ℓの水のうち、1.7ℓ使いました。のこりは何ℓで
しょう。
・図や数直線を使えば、できそう。
・繰り下がりがありそう。
・1ℓ使ったら残りが2ℓ、2ℓ使ったら残りが1ℓだか
ら、答えは、1ℓから2ℓの間だね。
個の解決→発表と検討
筆算なら…
図や数直線で考えたら・・・
1
0.1
1 1
0
意味と
筆算の
仕方を
関連付
ける。
1
1
2
3
・0.1がいくつ分かで考えたら・・・
・3は、0.1が30
・1.7は、0.1が17だから・・・
3
−1.7
・小数点をそ
ろえる。
・単位(位)を
そろえる。
改善のポイント
ひき算の仕方をまとよう。
ノートに学びの足
跡を残す
・繰り下がりのある小数のひき算も整数のひき算と同
じように、筆算で計算できるね。
・位をきちんとそろえて計算しよう。
自分の考え方を、図
や言葉などで書いた
り、振り返りをした
りする。
図で考えたり、0.1をもとにしたりすると、小数の
ひき算ができるよ。筆算とも結び付いたよ。
解決の見通しをも
つ これまでの学習内容
を基にして、自分が
どんな方法で解決し
ていくか見通しをも
ったり、答えの見積
もりをたてて考えた
りする。
改善のポイント
計算の意味と筆算
の仕方を結び付け
る 筆算と図や0.1を基
にした考えなどと比
べながら、計算の意
味と筆算が結び付く
ようにする。また、
筆算のやり方を確か
めていく中で、小数
点をそろえることの
必要性を理解する。
◎定着と習熟
・今日の分かったことは…(自己評価)
29
指導改善事例
【小学校算数】 量と測定
【改善の方向】
算数的活動と、式や図、言葉を関連付けながら面積の求め方を考えるなど、量の測定の仕方につ
いての理解を深め、習熟を図る指導の充実
【「量と測定」について】
日常の実生活で出会う様々な量の意味を理
解し、量を測定することができるようにする
とともに、量の大きさについての感覚を豊か
にすることが重要である。
≪ポイント≫
・感覚的な量のとらえ方から数値で表現する
過程をとおして単位の有用性に気付く。
・目的に応じて、単位や計器を適切に選択する。
・量を予測、測定、作るなどの活動を通して、
量の大きさについての感覚を豊かにする。
【改善に向けての学習活動例】
・自分なりに量を表現し伝える活動をとおし
て、「誰にでも伝わる」「比較できる」た
めにそろえた「単位」の必要性を感じる。
・量は常に「何のいくつ分」で表現している
ということを、以前に学習した「量と測定」
の学習と関連付けて意識する。
・見積りを立ててから測定することによって
単位の理解を深め、大きさの感覚を養う。
・面積、体積については「公式」を活用する
ことによって何を計算で求めているのかを
常に意識させる。
授業展開例
【第1学年 どちらが長い】
◆任意単位を決めることによって数で長さを
表す活動の場面で、「何のいくつ分」で表
現したのかを明確にしながら、適切な単位
を考えることをねらいとした授業。
●つくえのよこの長さとたての長さは、
どちらがどれだけ長いでしょう。
★主な活動
・これまでの方法(直接比較)が使えないわ
けを考える。
・どれだけ長いかをはっきりさせるために、
指やえんぴつなどを使って長さを比べる。
えんぴつの
12本分だ!
私のえんぴつ
だと8本分!
・1つ分を同じ長さにそろえるとはっきり
する。
・みんなが同じ物を使うと、もっとはっき
りする。
◎定着と習熟
・同じ長さの物で、いろいろな長さを表す。
30
【第6学年 立体のかさの表し方を考えよう】
◆一辺が1cmの立方体のいくつ分で立方体や
直方体の体積を求められることの理解をね
らいとした授業。
●どちらが大きいかな。大きさの表
し 方を考えて比べよう。
★主な活動
・これまでの
2cm
3cm
4cm
3cm
学習をもと
にして、箱
3cm
3cm
の大きさは
「何のいく
つ分」ととらえるとよいのか考える。
面積を1cm2のいくつ分で表したように・・・。
どんな単位のいく
つ分にできるかな。
小さい箱がいくつあ
るかで比べてみよう。
1辺が1㎝の立方体の数で比べると、正確
に表すことができる。
◎定着と習熟
・いろいろな立体のかさを体積の単位で表す。
(必要に応じて1cm3の積み木で確かめる。)
授業展開例 「量と測定」
5年 三角形の「面積の意味」と「公式の意味」を関連付けて理解を深める。
単元名
面積の求め方を考えよう
13時間扱い(本時9/13)
11月下旬
◇今回の調査では、面積の公式を活用することに課題が見られた。三角形の面積の意味と、それを求め
る計算(式)の意味をしっかり関連付けながら、面積の公式の理解を確かにすることが重要である。
【本時の目標】
・長方形や平行四辺形の面積の求め方を生かして三角形の面積を求めようとする。(関心・意欲・
態度)
・「1cm2のいくつ分」で面積を表現するということを意識しながら、既習の図形に変形する意味
と、面積を求める式を関連付けて考えることができる。(数学的な考え方)
学習内容・活動等
展 開 例
改善のポイント
考えを表現し説明
する どんな図形に、どの
ように直したのかを
明確にする。また、
それはなぜかという
自分なりの根拠を明
らかにする。
改善のポイント
話し合う観点を明
確にする 共通点と相違点を意
識しながら考えを聞
き合う。
前時までに平行四辺形の面積の求め方を学習し、
公式についても理解している。
1cm
問題提示
1cm
A
三角形の面積の求め方を考えよう
B
・平行四辺形のときのように、
面積を求められる形に直して考えよう。
・どんな形に直すと求められるかな。
・計算で面積を求められるかな。
C
図形の変形と式を
関連付ける 図形の変形の仕方の
みではなく式と関連
付けて考える。
測定に対する見通
しをもつ 必要な長さを自分で
選んで測定する。
個の解決→発表と検討
長方形にして
平行四辺形
にして 高さが半分
面積が2倍に
・面積を求める式は・・・
4×8÷2 8×4÷2 8×(4÷2)
形を直した考え方と式のつながりを考えよう。
改善のポイント
改善のポイント
・形は違うけど、式にはどれも÷2がある。
・高さが半分だから÷2になっている。
・面積を2倍にして、最後に半分にするから÷2だ。
改善のポイント
考え方を板書で構
造化する 板書を基にして、「÷
2」の考え方の違い
を明確にする。
平行四辺形や長方形に直して考えれば、三角形の
面積も計算で求められる。
◎定着と習熟
・ノートに、三角形の面積の求め方についての説明を書
く。
31
指導改善事例
【小学校算数】 図形
【改善の方向】
ものの形について観察したり、構成したりする活動を通して、基本的な図形についての理解を深
める指導の充実
【「図形」について】
作業的・体験的な活動などを通して、基本
的な図形について理解し、図形についての豊
かな感覚を育てることが重要である。
≪ポイント≫
・図形の構成要素に着目して共通な性質を取
り出し、定義を明確にする。
・定義に基づいて図形を弁別したり、構成し
たり、定義に当てはまる図形を集めたり、
図形の性質を見出したりして、図形の理解
を深める。
・具体物などの観察、図形の構成・分解など
により、豊かな感覚を育てる。
【改善に向けての学習活動例】
・立方体の展開図にはのりしろが何か所必要
か考えながら、面と面のつながりに着目す
るなど、構成要素に着目して図形をとらえる。
・「3本の直線で囲むのは、すきまを空けな
いということ」など、図形の定義や性質を
操作と関連付けて言葉で表現する。
・図形を敷き詰めたり、積み重ねたりする作
業的・体験的な活動を通して、図形の定義
や性質を実感的に理解する。
・日常生活の中に見られる形と、学習した図
形を関連付ける。
授業展開例
【第2学年 形に名前をつけよう】
◆平面図形に親しみ、理解の基礎となる経験
を豊かにするとともに、三角形や四角形の
概念を理解することをねらいとした授業
●四角形を2つに分けて、三角形や
四角形を作ろう。
★主な活動
・実際にはさみで2つに切って図形を作り、
切り方とできた図形について発表する。
かどとかど
で切ると…。
直線と直線
で切ると…。
三角形が2つにな
るんだ。
三角形と四
角形になる
のは…。
●工作用紙で直方体の箱を作ろう。
★主な活動
・直方体を切り開いた時の形を予想しよう。
・直方体を切り開いて、形を確かめて参考に
しよう。
あれ、いろいろ
な形になるよ。
展開図はどうな
るのかな。
四角形が2つのと
きもある。
かどが増えない切り方と増える切り方でで
きる形がちがうね。
◎定着と習熟
・三角形を2つに切って、できた図形につい
て発表する。
32
【第6学年 立体を調べよう】
◆展開図を観察し、直方体の構成について、
考えることをねらいとした授業
・同じ大きさの長方形が2つずつある。
・どれも長方形になっている。
・一番作りやすそうな十字の形の展開図をか
いて、直方体の箱を作ってみよう。
◎定着と習熟
・他の形の展開図で、直方体の箱を作る。
授業展開例 「図形」
3年 操作活動を通して、箱の形の構成要素について理解を深める。
単元名
箱を作ろう
4時間扱い(本時4/4)
2月中旬
◇今回の調査では、図形の定義や性質を理解し活用する問題で課題が見られた。ものの形についての観
察や構成などの算数的な活動を保障し、図形の性質を実感を伴って理解することが重要である。
【本時の目標】
・粘土玉とひごの数を考えながら箱の形を作ろうとする。(関心・意欲・態度)
・粘土玉とひごを用いて箱の形を作ることから、構成要素の数、長さの相等関係に着目している。(数
学的な考え方)
展 開 例
改善のポイント
箱の形について構
成要素を新たな視
点として観察する
提示された箱の形(直
方体)を面や辺、頂
点に着目して観察し
なければならない課
題を設定し(ひごと
粘土玉の数に着目)、
箱の形の定義と性質
の見方を深める。
学習内容・活動等
前時までに箱の形の学習を通して、立体と平面の
関係、面の形や数について理解してきている。
体験をとおして立
体を理解する 問題提示
ひごと粘土を使って、箱の形(直方体)を作ろう。
ひごと粘土玉はいくつ用意するといいかな。
個の解決
3cmのひご □本
4cmのひご □本
5cmのひご □本
粘土玉0cm □個
・ひごの長さを間違うと箱の形ができないよ。
・粘土玉は8こ必要だ。
・ひごはどの長さも4本ずつだ。
発表と検討
粘土玉は、頂
点の数で8個
だね。
改善のポイント
ひごも8本で
いいかな。
ひごと粘土玉
の数と種類
ひごが8本だ
と、箱になら
ないよ。
ひごや粘土玉で直方
体を作ったり、完成
した立体を観察した
りするなど、図形を
実際に構成する作業
的・体験的な活動を
行い、実感を伴った
理解を図る。
改善のポイント
立方体を組み立て
る活動を通して、
構成要素の理解を
深める ひごの長さを
全部同じにす
ひごと粘土玉で直方
るとできない。
体を作った体験を、
立方体を構成する活
粘土玉の数と、ひごの長さの種類と本数がはっき
動に生かす。また、
り分かったよ。箱の形の辺と同じ長さのひごが必
直方体と立方体の相
要だ。
違点や共通点を考え
る活動をとおして、
◎定着と習熟
それぞれの構成要素
・さいころの形(立方体)の場合について、辺の長さ
の理解を深める。
や数と関連付けて、粘土玉とひごの数を考える。
33
指導改善事例
【小学校算数】 数量関係
【改善の方向】
目的に応じて数を合成・分解するなど、多面的な数の見方を計算の工夫に生かしたり、新しい問
題場面に活用したりする指導の充実
【「数量関係」について】
各領域の内容を理解したり、活用したりす
る際に用いられる数学的な考え方や方法、数
量や図形について調べたり、表現したりする
方法を身に付けることが重要である。
≪ポイント≫
・数量や図形の変化や対応の規則性に着目し
て問題を解決する。
・具体的な場面に対応させながら、事柄や関
係を式に表す。式を通して場面などの意味
をよみとる。式を用いて自分の考えを説明
する。式で処理し考えを進める。
・データを、目的に応じて収集し、分類整理し、
表現できるようにする。
【改善に向けての学習活動例】
・日常生活の中からデータを集めて表に表し
たり、事象と対応させて表の妥当性を確か
めたり、伴って変わる二つの数量の対応や
変化の特徴を調べたりする。
・二つの数量の関係を言葉の式で表したり、□、
△などを用いて表したり、計算結果の大小
を判断し、説明したりする。
・百分率の意味を理解し、日常の場面と関連
付けた問題の解決に用いたり、円グラフや
帯グラフを用いて表したりする。
・「29×10」を「30×10−1×10」として
計算するなど、数を柔軟に見て計算する。
授業展開例
【第3学年 見やすく整理しよう】
◆目的に応じて資料を分類・整理し、棒グラ
フに表すことの理解と定着を図る授業。
●しりょうを見やすく整理しよう。
【第4学年 どのように変わるかな】
◆図や表を活用して、伴って変わる二つの数
量の関係について、考察することをねらい
とした授業。
●二つの量のかわり方や関係を調べよう。
★主な活動
・スポーツ集会を行うためのアンケートをと
ろう。⇒カードに書き、黒板に貼る。
ごちゃごちゃして
遊びごとに数えた
見づらいなら
ら?
・「正」の字で表
した数を数字に
直して見やすい
表にする。
ドッジボール
サッカー
ポートボール
ハンドベース
鬼ごっこ
その他
10
12
4
9
2
1
見たときに順位がぱっと分かるように棒の
長さで表してみよう(棒グラフをかく)
34
★主な活動
・正方形の一辺の長さとまわりの長さの関係
を考える。
・表にして関係を調べる。
一辺の長さ(cm)
まわりの長さ(cm)
一辺の長さが増
えたら、周りの
長さも増える。
1
4
2
8
3
12
4
16
4㎝ずつ増えている。
「一辺の長さ×4=
周りの長さ」になる
・目盛りや表題について理解する。
・二つの数量の関係を説明し、理解を深める。
◎定着と習熟
・自分で資料を集め、それを整理して棒グラ
フに表す。
◎定着と習熟
・一辺の長さが20㎝や50cmのときの周りの
長さを求める。
授業展開例 「数量関係」
6年 表やグラフをかき、変化の規則性を見つけることによって理解を深める。
単元名
変わり方を調べよう
10時間扱い(本時7・8/10)
1月下旬
◇今回の調査では、問題場面から的確にデータを集めることができない状況が見られ、課題となった。
伴って変わる2つの数量の対応や変化の特徴を調べたり、事象と対応させて表の妥当性を確かめたり
する活動を十分に行うことが大切である。
【本時の目標】
・比例の関係をグラフに表し、その特徴をとらえようとする。(関心・意欲・態度)
・比例でない表とグラフとの比較から比例についてより理解を深める。(知識・理解)
展 開 例
学習内容・活動等
前時までに比例の意味や性質を学び、表やグラフ
をかき、2つの数量は比例であるかどうかという判
断はできるようになっている。
改善のポイント
比較することで理
解を深める 問題提示
「正方形の一辺の長さと周りの長さの関係」と「正
方形の一辺の長さと面積の関係」を調べてみよう。
一見同じような2量
個の解決→発表と検討
の関係を取り上げ、
比例の表・グラフと ・どちらも一方が増えると、もう一方も増えている
そうでないものの比 ので、比例だろうか。
・表に表して、変化の様子を調べる。
較から、比例につい
ての理解を一層深め 【正方形の一辺の長さと周りの長さ】A ○×4=□
一辺の長さ(cm) 1
2
3
4
5
6
7
8
ていく。
周りの長さ(cm) 4
8
12
16
20
24
28
2
4
3
9
4
16
5
25
6
36
7
49
2つの事象の表から
既習の比例の表の特
徴があるかどうか判
断する。その際、表
の関係だけでなく、
○と□を使いながら
式に表し、比例関係
にあるものの性質の
理解を確実にする。
改善のポイント
8
64
・周りの長さの変化Aは比例だ。Bは比例ではない
のかな。
・グラフをかいて調べてみよう。
A
比例か比例でない
か判断する 32
【正方形の一辺の長さと面積】B ○×○=□
一辺の長さ(cm) 1
面積(cm2)
1
改善のポイント
B
・Aは比例だけど、Bは比例のグラフではないぞ。
グラフの意味を明
らかにする グラフから点と点の
間にも数の組み合わ
せが存在する連続的
な直線になっている
ことを理解し、数量
の変化の様相を一目
でつかむよさを味わ
うようにする。
0の点を通り、直線になるグラフは比例であると
いえる。そうでないものは、比例ではない。
◎定着と習熟
・Bが比例でない理由を文章でノートに書く。
35
Fly UP