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概要(PDFファイル:185.8KB)
大阪広域水道企業団 経営・事業等評価委員会
第3回アセットマネジメント部会
第3
回アセットマネジメント部会 議事概要
開催日時:平成25年11月1日(金) 15:00~16:40
場
所:ホテル プリムローズ大阪 2階 羽衣の間
出席委員:貝戸委員、河野委員、小林委員
議事
資産の維持管理・更新の考え方及びその見直しについて
点検・診断データの把握活用、劣化予測、
ライフサイクルコストの最小化、補修・更新基準年数等の検証
【議事概要】
事務局: 資料1について説明。
~委員からの意見なし~
事務局: 資料2について説明。
部会長: 資料3とも関係しているように思うが、まず、資料2について何かご意見などはある
か。
委
員: 資料2の左側のフロー図だが、それぞれの持っている資産に応じてパターン分けすれ
ばいいと思うが、一部自己矛盾があるように思う。例えば時間計画保全は、状態監視
が困難な項目だと思うが、フロー図の中に日常点検、点検結果の判断、補修の判断と
なっているが、これは状態を把握していることになっている。よって、時間計画保全
は完全に自己矛盾している。二つ目は①の状態監視保全について、水道関係の施設は
これでいいかもしれないが、一般的には日常点検を実施し、点検結果を判断するが、
そこで持っている情報は非常に少ない。例えば橋梁などは目視点検を実施し、問題が
あれば詳細点検を実施のうえ補修を行うかどうかを決める。よってフロー図の「補修
が必要かどうかの判断」そのものが詳細点検である。しかし、そのさらに下に詳細点
検があることが、一般的にはどうかという気がする。
また、
「①状態監視保全」
「②時間計画保全」
「③事後保全」という言葉の使い方だが、
一般的に橋梁や道路での使い方は、
「状態は常に監視する」、その後の補修や対応の仕
方を「事後保全」や「予防保全」という呼び方をしている。今回のように一つの表の
中に記載するのは一般的なものとは違うような気がする。これは単に決め事なので水
道はこれでいくほうが分かりやすいならば、それで構わない。
次に右側の「見直しの視点」がよく分からない。この中の考え方の見直しは計画の修
正ということか。「維持管理状況の確認・見直し」ということがよく理解できなかっ
た。
事務局: 資料2の左頁でご説明した現状の資産については①~③の手法で概ね維持管理してき
ており、その中で日常点検・詳細点検は過去から実施しているが、点検頻度や点検項
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目が施設毎に統一されていなかったり、同一施設でも所属ごとに微妙に点検実施内容
が異なったりしているため、その辺りを今後、統一していき、「土木構造物ならばこ
うする」など一定のルール作りがまず必要と考えている。
委
員: それは統一する必要はあるのか。例えば道路でいえば、舗装と橋梁は点検の期間もや
り方も全く違う。
事務局: 施設が異なるものではなく、例えば「同じ浄水池」を点検する場合でも各事業所で微
妙に項目が異なっていることがあるため、同じ施設に対しては同じ視点の点検が必要
であると考えている。また、構造物が異なればそれに必要な点検を実施していく必要
性があるため、そこは統一して点検データも定量的に蓄積していく必要があるため、
「ルールの作成」と記載している。
委
員: では、見直しではなく、ルールの統一ということか。
事務局: 表現が間違っていたかもしれないが、そのとおりである。
委
員: 左頁については先ほどの委員と同意見である。「①状態監視保全」は他の構造物の場
合と比較して少し違和感がある。この中に記載している「補修」は軽微な補修を想定
しているか。
事務局: そのとおり。いわゆる更新レベルのものではなく、軽微な補修をイメージしている。
委
員: あくまでも日常の点検で把握できるものを対象としているという認識でよいか。また、
「①状態監視保全」フローの中で≪点検結果の判断≫を行い、問題なしとなった場合、
通常の日常点検のループに戻っていくのが自然な形ではないか。問題がなかっても詳
細点検を実施するフローになっているが。
また、「③事後保全」のフローで≪補修が可能か≫で不可能な場合は更新に進んでい
るが、可能な場合は通常の日常点検ループにつながっているので、可能な場合はその
間に補修の項目が必要ではないか。
次に右頁だが、これは点検データを集めて実情に則した更新年数に反映していくとい
う認識で良いか。下図ではミクロマネジメントに反映が二つでているが、これで良い
のか。
事務局: 記載ミスである。(ミクロマネジメントに反映→更新需要の見直しに反映)
部会長: 各委員から指摘のあったとおり、少し修正の必要がある。まず、「①状態監視保全」
のフローでは、定期点検の判断で問題があり、その次に詳細点検が必要かどうか判断
し、詳細点検の実施ということか。詳細点検の実施のあとはどうか。
事務局: 詳細点検が必要かどうかの判断をしたうえで、詳細点検の結果で各施設の余寿命の予
測が可能なものは予測を実施し、今の更新基準年数のさらなる延伸ができるのかどう
かを判断していきたい。
部会長: 更新が不要となった場合、全て放っておくのか。
事務局: 直ちに更新が不要ということであれば、日常点検を繰り返し実施し、その都度の点検
結果に応じて詳細点検を実施していく形になる。継続して使用可能ならば、そのまま
の状態で使用継続となる。
委
員: 現時点で更新が不要であるけれど、集中的に監視するなど「要注意」「要監視」など
のフローがあってもいいと思う。
部会長: 日常点検ではなく、もう少し頻度を増やすようなことはどのように記載するか。
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委
員: 人間ドックの場合と同じで、日常・定期点検を人間ドックに例えるならば、血液検査
などで特に異常がなければ、また来年。ということになる。しかし、問題があれば、
その原因について細かく調査し、そこで問題がなければまた来年となるが、さらに問
題があれば薬の処方となり、それが「補修」に相当すると考えられる。
しかし、その問題点が深刻なものであれば来年ではなく来月という流れになる。そう
いうところを図中にうまく示せるかどうかである。
事務局: もう少し詳細な設備に応じたフロー図が本来なら必要かもしれないが、資料2のフロ
ーは一般的なものとして記述しているため、省略しすぎたものになっている。実際に
は、例えばモーターの絶縁診断などで少し問題があれば毎年点検を実施するなどの対
応をしている。
特に異常がなければ数年に 1 回の実施という形になっていることから、
もう少し分かりやすいようにこのフロー図を見直しする。
部会長: フロー図にある余寿命の予測は非常に難しい。予測可能か。
委
員: 非常に難しいため、橋梁では余寿命の予測は行っていない。塩害など非常に劣化が早
いものなどの予測は行うが、それ以外はほとんど実施していない。不可能である。
部会長: 信頼性・経済性・技術動向を踏まえた判断というのは、費用的な話での判断か。
事務局: 最新の知見を活用し、まだまだ活用できるとの判断ができれば、使用継続するが、そ
の基準から判断しても更新が必要ということになれば、更新していく。将来的にもう
一歩進んだ判断基準が出てくれば活用するということである。
部会長: 阪神高速は「更新と大規模補修」という 2 種類の考え方に分けているが、水道におい
て大規模補修という概念はあるか。更新という考え方しかないか。
事務局: ここにある補修というものは、パッキンやベアリングの交換など小さな補修と、例え
ばポンプにおけるインペラやケーシングの取替えが必要な場合は、大規模補修にする
のか、更新するのかの検討が必要。その際、更新する方がポンプ全体の効率が上がる
場合などが考えられ、その状況により選択肢が異なる。
判断基準は初期投資とランニングコストを考慮のうえ、ここでいう経済性や高効率ポ
ンプの採用など技術動向等の判断基準の選択肢を記載している。先ほども言ったが、
内容については省略しているところが多く、フロー図の中が自己矛盾しているところ
もあるため、そこはもう少し検討させていただきたい。
委
員: 少なくても「時間計画保全」は、スタートし、更新基準年数に到達すれば「更新」と
すべき。
部会長: 管路の維持管理・更新の考え方はどれか。「時間計画保全」か。
事務局: 小口径は、我々が定めている更新基準年数により更新していく「時間計画保全」と考
えている。
部会長: しかし、漏水等が発生すればそれとは関係なしに更新していくことになる。日常点検
は漏水チェックのことを言っているのか。
事務局: 管路でいうと漏水が発生しているかどうかを地上からの点検、送水圧力の変動という
ようなところを日常からしっかり点検している。
部会長: 漏水のチェックを日常点検としているのか。
事務局: 管路の巡視は日ごろから実施している。
事務局: 通常、管路は歩いて地上から巡視点検を行っているが、システムとして完成はしてい
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ないが例えば漏水が発生したときや、管の切替え時に掘削した管路のボルトの老朽度
状況や管切断時に撤去管内部の錆瘤状況などの確認はできている。そのようなチャン
スをとらえて日常的にデータを集める行為は担当者レベルで実施している。そういう
意味では日常的に管内部を調査できる機会もある。
部会長: 今の話は「状態監視保全」であり、「時間計画保全」ではないですね。厳密には区別
することは難しいとは思うが、今の話では小口径の管路も状態監視の対象にするとい
うことか。
事務局: 今は管路の議論となっているが、管路に関する詳細は資料4に記載している。
部会長: 資料2は今実施しているものをどのように見直すかを書いているという理解で良いか。
当面はこれで進めるということであるが、「状態監視保全」の中で更新基準年数はど
のように扱うのか。
事務局: 現在、定めている更新基準年数を見直すことができるのかどうかを、日常点検等を通
じてデータの蓄積を進めて検証していくということ。
委
員: そういう意味ではなく、左頁の「状態監視保全」のフローで出てくる更新基準年数は
どこで使用しているのかということ。基本的には「状態監視保全」は更新年数を決め
ずに、状態が良ければ継続使用し、悪ければ補修、決定的に悪ければ更新するという
ことであるので、そこに更新基準年数を決めなくてもよい。「時間計画保全」は状態
が監視できないので決まった年数がくれば更新していくというもの。
事務局: 「状態監視保全」はあくまでも状態監視保全なので継続して監視し続けていくもので
ある。更新基準年数の扱い方としては、経営面を考慮した更新需要を算出するための
ものである。
委
員: そうであるならば、用語の使い分けをしないといけない。「期待寿命」などの言葉に
しないといけない。
事務局: 表現が適切ではなかったと思う。その区別をするために、点線で囲んだ表現にしてい
たが表現方法は直すこととする。
部会長: 「更新基準年数の見直し」のフローはこれからの概算費用を算出するために使うだけ
であり、以前はマクロマネジメントという表現ではなかったか。
事務局: アセットマネジメントの実施体制に関する「マクロマネジメント」と混同するため、
表現の修正を行った。
部会長: 右側(維持管理状況の確認・見直し)は実際の現場での対応の話、左側(更新基準年
数の見直し)は計画を作るための年間予算を算出し経営をシミュレーションするため
に必要という二つのマネジメントを示しているということか。例えばネットワークレ
ベル・施設レベルなどという表現はないか。道路でもネットワークレベルでのアセッ
トマネジメントであるとか、施設レベルでのアセットマネジメントというような使い
方をしていて、ネットワークレベルで年間必要予算が概ねどの程度かを見積もる話と、
施設では個別対応でどこを補修するのかなどを使い分けている。水道ではどのような
使い分けをしているかは調べる必要があると思う。
事務局: そのイメージで、再度、表現方法は検討する。
部会長: 残りの説明をお願いする。
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事務局: 資料3について説明。
委
員: ミクロマネジメントとマクロマネジメントが完全にごっちゃになっている。更新需要
を算出するときに寿命を計算するのは、中性化でなくても経験則でも何を理由にして
更新してもよい。それと1個1個の構造物が中性化などで劣化した場合の寿命とは完
全に別物にすべき。よってミクロマネジメントの中で更新基準年数という表現は問題
だと思う。あくまで更新需要を算出するための寿命については「期待寿命」という形
で定義するほうがよい。例えば橋梁においては、劣化で更新するのは3割程度で、あ
とは道路の付け替えなど、別の機能的なもので更新を行っている。おそらく水道も劣
化で更新するのではなく、浄水処理方法の変更などで更新する場合が多いのではない
か。その辺りをしっかり区分するべき。
事務局: おっしゃるとおり、表現については、更新基準年数と期待寿命というのは区分けする
べきだと考える。ただ期待寿命についても、大阪広域水道企業団は大阪府水道部時代
からも 60 年程度しか経過していないため、不足している現状である。
委
員: よって企業団に限らず、他の水道事業体の実績や研究などを調査して整理していくべ
き。
事務局: ミクロマネジメントでの更新基準年数は整理を進めてきたが、他の水道事業体や研究
などを見ても、実績も多くなく、経験則的な整理はされていない状況だと思われる。
老朽化のみの更新は少なく、耐震化や機能向上によるものが多いのが実態である。
委
員: 結局中性化がポイントとなるので、鉄筋の被りが重要となるが、水道施設の場合、鉄
筋の被りは施工上、しっかり監理されているのか。また、すり減りについては、どの
程度のスピードで進行しているのか。
事務局: 鉄筋の被りについては、50mm に設定としているが、実際は水に接する浄水池などで
は 100mm で設定している。一般の水道施設に付随する水に接しない施設については、
50mm を確保している。
委
員: 50mm で設計していて、実際も 50mm で施工されているのか。
事務局: 設計で 50mm であれば、実際も 50mm 確保している。
委
員: 過去の施設もそうなのか。土木であればここ 15 年ぐらいはきっちり施工されている
が、それ以前はきっちり施工されていない事例も多いと思うが。
事務局: 確かに昔の施設ではきっちり施工されていない施設もある。またすり減りについては、
現状では状況を把握しているというだけで、すり減りの具体的な進行速度については
把握していない。すり減りの状況を発見した時点ですぐに補修してしまっている。
委
員: すり減りというのを監視項目に入れないといけないほどよくあることなのか。
事務局: すり減りについては、通常程度の水が接する部分については、特に問題がないと思わ
れる。しかし浄水場の中で砂ろ過地など、摩擦抵抗の大きい浄水処理にかかる部分の
水槽部分ではかなりすり減りが進行しており、鉄筋が部分的に露出していることもあ
る状況。
部会長: 今後は1つ1つの施設の検討、ミクロマネジメントの検討を行っているということか。
今、全資産に対してどの程度実施できているのか。
事務局: 全体に対してどの程度できているのかはわからない。
部会長: ざっくりしたものでよい。下水道できっちりできているのは5%か10%ぐらいで、
5
その程度だと思うが。
事務局: 水道施設も水づくり、水送りの基幹的な施設や設備の点検は行っているが、余り重要
ではない小配管、バルブ、それ以外にも建築付帯的な階段、柵など見ていないものが
多い。全部の資産のうち、個人的には2割程度だと思う。
部会長: 2割できていれば非常に優秀、普通はもっとひどいと思う。公表資料ではなく、手元
資料でよいので、その辺りを整理して重点的なものを出して委員会で議論していくと
いう方向性でよいと思う。全部は到底できない。
事務局: 企業団の中でも重要な資産なのに、保全を実施していないところもあると思うので、
整理していきたい。
部会長: そういうふうに整理していくため、だいたい事故が起こった箇所というのは重要なと
ころではないところで起こる場合が多い。
事務局: 企業団においても、昔は、例えば床排水ポンプは回ってさえいればよい。壊れたら補
修すればよい。という考えのもと維持管理を行っていたが、排水ポンプが壊れたおか
げで、地下施設が水びたしになり、重要な施設まで影響が及びそうになった事例があ
った。それ以来、床排水ポンプについても点検・維持管理するようにしている。
部会長: そういう議論をしないといけないと思う。
委
員: マクロマネジメントに関連して、全体の更新需要を見積もっていった際に、ある年度
に集中する場合がある。それらを前倒しするとかの検討を行う場合が多いが、今回も
それを実施していく予定か。
事務局: 計画的に事業を実施していくには、更新需要について平準化していく必要がある。全
体の試算結果次第だが、最終的には平準化については行っていく。
部会長: 試算結果を見ると、積残しは相当出ているのか。
事務局: 法定耐用年数を既に過ぎている資産は多い。
部会長: そうであれば初年度にものすごい額の更新需要が出ているということになる。
事務局: 例えば管路については、法定耐用年数は40年で、すでに耐用年数を過ぎている資産
が多い。しかし実際はきっちり使用できているし、漏水等も発生していない。更新基
準年数についても同様。
委
員: 状態監視保全にして、ある程度実態がつかめてくると長寿強化が図れるということか。
事務局: それとは別に耐震化という課題もある。更新基準年数に達していなくても耐震化は進
めていく必要がある。これは寿命とは関係ないが、事業推進と費用とのバランスが重
要になる。
部会長: 管路は鋳鉄管か。
事務局: 企業団の管路は、ほぼダクタイル鋳鉄管。
部会長: ダクタイル鋳鉄管でも40年は大丈夫とは思うが、あまり長くはもたない。
事務局: 企業団における過去の検討結果では、長いものであれば80年ぐらいもつということ
で、それを更新需要年数としている。
部会長: 当面の更新需要の多くを占めるのは管路とポンプか。
事務局: だいたい管路で更新需要全体の4割ぐらいを占めている。
部会長: しかもそれらの更新が迫ってきており、問題が出てきているという状況か。
事務局: そうである。管路については、土壌に大きく影響されるため、老朽化が早めに進んだ
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部分については、更新を進めているが、まだ更新を実施できていない管路が多くある。
またダウンサイジングがあっても、更新需要が管路は大きく減らない。
部会長: その辺がどうしていくかの大きなポイントになると思われる。
事務局: 資料4、資料5について説明。
委
員: 6ページの機械・電気設備は、状態監視保全なのか、時間計画保全になるのか。
事務局: 資産によって変えている。先程、調査結果で説明させていただいたが、大型ポンプ設
備などについては、状態監視保全という形をとっている。
委
員: そうすると、この更新基準年数は不要ではないか。
事務局: 状態監視保全という意味ではそういうことになる。しかし、更新需要を算定していく
という意味合いでは、必要と考えている。
委
員: 資料6ページ、2の(今回の見直しについて)、現状と課題の箱の中の②ところに適
切な維持管理が行われたうえで設定されるとあるが、適切な維持管理とは、どういう
ことがあるのか。例えば、無停電電源装置の蓄電池の適切な維持管理とはどういうも
のか。
事務局: 例えば、無停電の電池で鉛電池であれば、液の劣化による、定期的な液換えの必要が
あったり、電極の清掃が必要であるため、こうしたことを維持管理として行うもの。
他に簡単な例を挙げると、パッキンやオイルの定期的な交換である。パッキンが劣化
すれば、隙間より湿気が入り込み腐食が進むことから、消耗品を定期的に交換するも
のである。
委
員: そうしたことを行っていても、小さな部品については、時期が来れば交換するのか。
事務局: そのとおりである。小さなポンプであれば、パッキン交換を実施しても、ベアリング
が消耗してくるとなれば、汎用品のため分解補修よりも、買換え、余寿命を延ばした
方が経済的となる。しかし、大型ポンプとなれば、特注となることから時間とコスト
がかかり、丁寧な手入れ(補修)を行う方が結果的に安価となるため、状態監視を行
っている。使用状態から、寿命があとどれくらいなのかというものではなく、振動の
増加や軸受温度上昇気味などが出てくれば、時系列に並べて必要に応じてオーバーホ
ールを行っている。この「オーバーホールで点検した際にケーシングがボロボロにな
っている」ことや「インペラーに穴が開きかけている」という症状であれば、オーバ
ーホールではなく、更新を検討していくという対応をしている。
委
員: データを蓄積し、更新基準年数を見直すという話であったが、非常に難しい話になっ
てくる。
事務局: この資料に記載しているのは、現在の更新基準年数である。今のところはデータがな
いことから、現更新基準年数を採用し、マクロの将来の需要については、これに限っ
てもよいのではないか。ただし、実際の保全方式は、状態監視で行きたいと考えてい
る。少し、ダブルスタンダードな考え方であるが、更新需要の算出を行う上では、や
はり一定基準を定める必要がある。
委
員: 特に小さな管路、例えば5ページの右上の時間計画保全であれば、点検結果の判断と
あるが、実際の判断は行わないのではないか。ほとんどが、スタートからいきなり更
新となる。基準更新年数が経過すれば更新を行うことになるのではないか。そういう
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ことであれば、データを取得する時は、更新時しかないため、「管がどのくらい傷ん
でいるのか」を取らなければならないが、現場を見ている中では、そうしたことをせ
ずに更新している。そのような状況であれば、いつまでたっても更新年数を見直すこ
とができない。
事務局: この資料では、小口径については、時間計画保全で進めていきたいと思っている。40
年であれば 40 年で更新という形で進めていきたい。大口径、中口径については、更
新費用も高額になることから、先程、説明させていただいた、土壌調査や外面の腐食
度合の調査を計画的に実施していく必要性があると考えている。
委
員: 例えば小口径の更新にはどれくらいの費用がかかるのかわからないが、仮に、影響が
大きいのであれば、交換(更新)時にサンプリングを行い「延長する」のか「短縮す
る」のかは、データを取得しなければ、永遠に変わらない。
事務局: 大口径のものが、そのまま当てはまらないが、腐食が年間何ミリくらい進むというこ
とを掴めば、小口径についても、概ね類推は可能ではないかと考えている。それによ
り、40 年と仮定したものが、将来的には 30 年又は 50 年というように見直しできるの
ではないかと考えている。
委
員: マクロマネジメントに関しては、全体を通じて同じ意見になるのかもしれないが、管
路の基本的なことについて伺いたい。埋設管の劣化や損傷の原因というのは、腐食性
土壌か否かという部分が大きくなってくると思うが、基本的にこの腐食性土壌か否か
という状況は把握しているのか。
事務局: 一般的な土質分布図があることから、ある程度は把握できている。ただし、我々の埋
設管のところがジャストポイントで、例えば海成粘土層で貫いているかどうかまでは、
現実的には掘削してみないと分からない部分もある。
委
員: 管路の寿命というのは、メーカーが出している想定耐用年数というものがあると思う。
これは、普通に使えば想定寿命より延びるもと考えられ、短くなる場合は、腐食性土
壌かどうかというものではないかと思う。例えば腐食性土壌用の管厚が厚くなったも
のはないのか。
事務局: 腐食土壌用はないが、昨今、管路の周りにビニールのようなポリエチレンスリーブを
管の周りに巻くことにより、一定、耐食性が担保されているということと、最近では
「100 年管路」という管外面に特殊塗装を施した管材も新しい製品として販売されて
いる。
部会長: 管路は、どの順番で交換(更新)してもよいものなのか。慣例として「河川の改修で
は下流からでないと駄目」のようなルールは無いのか。
事務局: 基本的には、上流から順次更新となる。実際は、漏水が頻発している区間を優先する
といった対応は行っているが、上流が停止すると下流も影響を受けることから、基本
は上流から行うものである。
部会長: 基本ルール(上流から更新)は、現計画に盛り込まれていないということか。
事務局: そのとおり。現在のところは、資産の取得年度から起算した更新年度で更新を行って
いることから、上流から順次とはなっていない。
部会長: しかし、上流側の優先度か高いという認識でよいか。
事務局: そのとおり。
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部会長: そうであれば、計画的に(上流から)ということにならないか。上流側も状態監視保
全で対応するということか。
事務局: そのとおり。
事務局: 先程の説明のとおり、耐震化という別の要因もあるので別で更新する場合もある。
部会長: 例えば、この設備は、どの程度故障すれば緊急度が高くなるのか。実際には、故障→
発注→新しいものが届くまでの時間が相当長くなるが、その間はどのように対応する
のか。代替機があると考えてよいか。
事務局: 設備には予備機を設けているため、予備機で対応する。そうしなければ、送水できな
くなる。
部会長: そうであれば、基本的には壊れてから発注することで大丈夫か。しかし、中央監視制
御装置はそういう訳にはいかないのではないか。
事務局: そのとおり。中央監視制御装置については、壊れる前に更新していきたいと考えてい
る。取替部品がなくなると対応できなくなる。
部会長: この資料の中でもそういったメリハリがあると思う。その中でも、一番費用がかかる
のは、中央監視制御装置ではないのか。
事務局: 中央監視制御装置だけではなく、受配電、大型ポンプ・モーターといったものが費用
がかかると言える。
部会長: その中でも代替がきかないものは、中央監視制御装置という認識でよいか。
事務局: そのとおり。
部会長: そうであれば、これだけが(更新基準年数が)短いという訳ではないのか。
事務局: 例えば電気計装設備であれば、科学の発展が早く、すぐに取り替えるという対応にな
るが、そのあたりは、メーカーヒアリングも取り入れながら決定していきたい。
部会長: このあたりも、少し、メリハリを付けて整理いただきたい。結局は部品が壊れてもス
ペアなどの備蓄対応はしていない。メーカーに問い合わせても、「部品がない」と言
われてしまう。
事務局: 計算機については、過去にはカードなどの予備品などがあったが、今はそういう対応
が難しくなっている。
部会長: しかし、この部分が止まったら困るという整理は必要ではないか。他のポンプ、モー
ターは予備機で対応できる。
事務局: 細かな話になるが、過去は小ポンプをあまり使わなかったことから予備機が少ない。
ところが現在では、水需要が減少してきていることから、大、中、小のポンプがあれ
ば、中、小をよく使うことになる。今は状況が変化し、中、小の予備機がないポンプ
が重要になっている。そのため、寿命とは関係なく大型ポンプを更新し、小型ポンプ
を据えていくことも必要だと考えている。そうしなければ、運用できない。
委
員: この小型ポンプというのは、特殊製品か汎用品か。
事務局: 小型といってもかなり大きく、特別高圧で運転するようなポンプである。いわゆる水
道用の特注ポンプとなっている。
委
員: いわゆる汎用品をうまく使いこなすことは可能か。
事務局: 汎用品では対応不可である。
委
員: 監視施設の工場を見学した際、大型なグラパネがあるが使っていない。パソコン数台
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が配備されており、操作していた。
事務局: 過去には大型のグラパネが設置され操作していたが、現在は、パソコンで操作するも
のが多い。
部会長: 設備、機械のコストは大きい。
事務局: そのとおりである。土木構造物よりもサイクルが早くコストもかかる。
部会長: 次回の進め方はどうするのか。
事務局: 最終ページの参考資料のスケジュールに記載のとおり考えている。
事務局: 次回については、参考資料のとおり、当初の第5回を第4回に変更し、12 月頃を1
月頃に変更しての開催を予定しており、中長期の更新需要の算出であるとか、将来見
通しの点検、重要度、優先度の設定をお示ししたいと考えている。日程については、
各委員と調整させていただき、開催日を決定したいと考えているが、1月中旬もしく
は下旬を予定しているのでよろしくお願いしたい。
また、今回、ご指摘いただいた点については、マクロマネジメント、ミクロマネジ
メントの呼び方、名称の決定方法等については、検討のうえ、開催前にお伺いし、説
明したいと考えている。
事務局: アセットマネジメント部会を一言で言うならば、将来に必要となる維持管理更新費用
がどうなるのかを確認するというものである。その前提として、大阪広域水道企業団
としてのアセットマネジメントの考え方をはっきりさせて試算することが大きな趣
旨だと思っている。
仮に説明するのが試算Aとする。この試算Aを求めるときに企業団のアセットマネ
ジメントの考え方をどうするのかというものが議論になってくると思う。この考え方
を従来の考え方で出てくる試算Bを作り、それを基に議論していくことになる。
この試算Bについては、データの整理から職員が頑張って作ったものであるが、あ
まりにも粗雑すぎる。というのは、現在の施設規模は 233 万トンあるが、将来の平成
41 年には、150 万トンという施設にするというダウンサイジングを行う考え方がある
が、時間がなく、この中にあまり盛り込まれていないまま試算が出たものである。
また、その試算は驚かせるだけの数字であまり意味がない。
対案となるA案がない。やはり、A案とB案を二つ並べてどうしていくのかという
部分を議論するべきではないのかということで、夏に開催すべきところを少し待って
いただいた。本日、お示しした考え方が最終結論ではないが、もし、ご了解いただけ
るのであれば、A案とB案を比較して方法を詰めていきたい。この部分が次回の中身
になってくると思う。どちらにせよ、このデータが十分でない。今後、維持管理技術
がどのように進歩するかわからない中で、どのような計算を行ってもあくまで試算で
あるが、やはり、一定の考え方を持つことがアセットマネジメントだと思っているの
で、今後ともよろしくお願いしたい。
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Fly UP