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江戸川区食育推進計画(PDF:2154KB)

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江戸川区食育推進計画(PDF:2154KB)
江戸川区食育推進計画
みんなが一緒に
学んで作って
楽しく食べよう
江 戸 川 区
日曜日のお手伝い
江戸川区立上小岩第二小学校 4 年
冨田 佳奈 さん
この絵は、日曜日にいつもいそがしいお母さんに休
んでもらうために、お父さんと料理を作っている所で
す。
できた料理をお母さんは「おいしい!」と言って喜
んで食べてくれます。
今度は、私ひとりで料理にちょうせんしたいです。
東京都/東京都教育委員会/心の東京革命推進協議会
平成20年度 体験記事業 「食事と家族のふれあい」
ふれあい賞
はじめに
「食」は、赤ちゃんから熟年者まで、全ての人に欠かすことのできな
い命の源であり「生きる力」の礎と言えます。すべての区民が生涯にわ
たって、健康で豊かな人生を送るためには、一人ひとりが食に関心を持
ち、毎日の生活における食の役割を認識し、健康的な食生活を実践する
ことが大切となります。
食育基本法において「食育」とは、様々な経験を通じて食に関する知
識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができ
る人間を育てることとされ、食育は生きるうえでの基本であって、知育、
徳育、体育の基礎となるべきものと位置付けられています。
近年、豊かで便利な食生活がもたらされている一方で、ライフスタイ
ルの多様化などに伴って、私たちの食生活は、大きく変化しています。
食生活リズムの乱れ、食の大切さに対する意識の希薄化、栄養バランス
の偏りなどによる肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などが見ら
れ、それらの健康に及ぼす影響が危惧されています。また、地域の食文
化や伝統の継承、食の安全・安心の確保など健全な食生活を営むことが、
今改めて重要な課題となっています。
この現状を踏まえ、江戸川区の食育推進計画は、これまでの食育の取
り組みを体系化し、啓発中心型、体験中心型、参画協働型、調査研究と
することで様々な方たちが総合的かつ効果的に実践しやすいように構成
されています。
また、
「進んで学んでみよう」
「わくわく作ってみよう」
「楽しく食べ
よう」の基本目標のもと実践することで、「すべての区民が食生活を楽
しみ、生涯にわたり心身ともに健康で豊かな人生を送る」ことを目指す
計画としております。
この計画を着実に推進するためには、家庭、学校、地域、医療機関、
生産者、事業者等の食に関わる関係団体、区などが連携していくことが
重要となります。
今後は、食育推進ネットワークを構築して、施策の成果や関係者の取
り組み状況を共有しながら協働し総合的な区民運動として推進してまい
ります。
最後になりましたが、本計画の策定にあたり、相模女子大学栄養科学
部講師 吉岡由紀子先生にご指導、ご助言を賜り、区民の皆様並びに関
係機関・団体の皆様からのご意見により本計画の充実が期せられました
ことに感謝の意を表します。
平成 21 年 3 月
江戸川区長 多田正見
目
次
第1章 計画策定の基本的な考え方
………………………………………………… 1
1 計画策定の趣旨
2 計画の位置づけ
3 計画の期間
第2章 食をめぐる現状と課題
………………………………………………………… 4
1 食生活リズムの乱れ …………………………………………………………………… 4
(1)朝食を毎日食べている人の割合
(2)朝食を食べなくなった時期
(3)朝食を食べない理由
2 「食」の大切さに対する意識の希薄化 ………………………………………………… 7
(1)家族と一緒に食事をする割合
(2)食育の認知度
3 栄養バランスの偏り …………………………………………………………………… 9
(1)栄養バランス
(2)食品群の摂取状況
(3)栄養素等摂取状況
4 肥満とやせの傾向 ………………………………………………………………………11
(1)1歳6か月児と3歳児 (2)小学生と中学生
(3)成人
5 地域の食文化や伝統の継承 ……………………………………………………………14
6 脅かされる食の安全・安心 ……………………………………………………………14
第3章 食育の目指す姿と目標
…………………………………………………………16
1 進んで学んでみよう
2 わくわく作ってみよう
3 楽しく食べよう
*食育の推進にあたっての指標
第4章 食育の具体的な取り組み方法と主な内容
…………………………18
1 啓発中心型 ………………………………………………………………………………18
(1)食を通じた基本的な生活習慣の確立
(2)食に関する意識や関心の向上
(3)生活習慣病の改善・予防のための食習慣づくり
(4)食に関する情報の提供
(5)食文化の継承
(6)食の安全・安心の確保
(7)環境にやさしい食生活の推進
2 体験中心型 ………………………………………………………………………………19
(1)楽しく食べる体験
(2)生産・調理の体験
3 参画協働型 ………………………………………………………………………………19
(1)地産地消の推進
(2)家庭・学校・地域・関連機関等との協働
(3)食育推進運動の展開
4 調査研究 …………………………………………………………………………………20
(1)調査研究の実施
*食育の取り組み一覧
第5章 主な取り組みの紹介 ………………………………………………………………22
1 啓発中心型 ………………………………………………………………………………23
(1)しっかり食べよう朝ごはん普及啓発活動 (2)生きた教材の給食
(3)離乳食講習会 (4)生活習慣病予防イベント
(5)食文化を大切にした給食
2 体験中心型 ………………………………………………………………………………28
(1)親子料理教室 (2)熟年男性料理栄養教室
(3)野菜作り体験 (4)中高生料理講座
3 参画協働型 ………………………………………………………………………………32
(1)学校給食への食材の提供 (2)食育推進委員会
(3)家庭・地域との連携 (4)健康づくり協力店
(5)食の安全・安心フォーラム
第6章 計画の着実な推進に向けて
…………………………………………………37
食育推進ネットワーク ………………………………………………………………………37
1 区の役割
2 区民の役割
3 家庭の役割
4 保育園・幼稚園・学校・共育プラザ・健康サポートセンター等の役割
5 地域の役割
6 職場の役割
7 生産者・食品関連事業者の役割
8 医療機関の役割
9 地域栄養士団体の役割
10 ボランティア団体の役割
* 食育推進ネットワーク概念図
資料編…………………………………………………………………………………………………………40
食育基本法
第1章
計画策定の基本的な考え方
1 計画策定の趣旨
すべての区民が生涯にわたって、心身ともに健康で豊かな人生を送るためには、一人ひとり
が食に関心を持ち、毎日の生活における食の役割を認識し、健康的な食生活を実践することが
大切です。
国においては食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進すること等を目的に「食育基本法」
が平成17年 6 月に制定され、平成18年 3 月には「食育推進基本計画」が策定されました。また、
東京都においても平成18年 9 月に「東京都食育推進計画」が策定され、食育の取り組みを進め
ています。
区内では、これまでも食をテーマとしたさまざまな取り組みが行われてきましたが、食育を
総合的かつ体系的に推し進めていくためには、今後も、家庭、学校、職場、地域、食の関係団体、
区等が協力し、情報を共有しながら食育に関する施策を展開していくことが重要です。
こうした、食育に関する幅広い取り組みを効果的に推進するために本計画を策定します。
2 計画の位置づけ
本計画は、食育基本法第18条の規定に基づく「市町村食育推進計画」であり、江戸川区の特
色を生かした食育の推進を図るための基本的な考え方と具体的な施策の展開を示しています。
「江戸川区長期計画」を上位計画とし、食に係る分野の現状と課題をあきらかにしました。推
進にあたっては、本区の関連計画等と連携・調和を図りながら、総合的な区民運動として展開
します。
1
第1章
計画策定の基本的な考え方
江戸川区食育推進計画の位置づけ
江戸川区長期計画
「えどがわ新世紀デザイン」
年
18
6
3
月策定
17
江戸 川区 食育 推進 計 画
平成
食 育 推 進 基 本 計 画 食 育 基 本 法 平 成 年 月 制 定
法第18条
市町村食育
推進計画
主 な 関 連 計 画
◎江戸川区生活習慣アクションプラン
(健康江戸川21)
連携
◎江戸川区熟年しあわせ計画
◎江戸川区次世代育成支援行動計画
◎江戸川区男女共同参画推進計画
◎江戸川区長期計画
区民と区がともに達成すべき江戸川区のまちづくりの将来目標を明らかにするとともに、目標達成
のための方法について基本的な考え方や基本的施策を示すものです。区の計画の策定や事業の実施に
あたっての指針としての役割を持ち、「共育・協働」を基本理念としています。
◎江戸川区生活習慣アクションプラン(健康江戸川21)
江戸川区が進める「区民主役の健康づくり」の中核をなすものです。
この生活習慣アクションプランでは、江戸川区民全体の健康状況を示すとともに、健康な毎日を送
るために、生活の中で実行していただきたいことを提案しています。また、
健康づくりへの意識を高め、
継続を支援していくための、江戸川区としての取り組みを示しています。
2
計画策定の基本的な考え方
第1章
◎江戸川区熟年しあわせ計画
老人福祉法第20条の 8 の規定に基づく「区市町村老人福祉計画」であり、江戸川区の熟年者保健福
祉施策の充実を図るための計画です。介護サービスの円滑な実施を図る江戸川区介護保険事業計画を
内包しており、両計画一体となって、熟年者施策を総合的に推進していきます。
◎江戸川区次世代育成支援行動計画
次世代育成支援対策推進法第8条第1項の規定に基づく「市町村行動計画」であり、平成17年度か
らの10年間の集中的・計画的な取組を推進します。
「江戸川区長期計画」の理念をさらに具体化し、
次代を担う子どもたちが健やかに生まれ、夢をもって豊かに育つまちをつくるために、家庭・地域・
事業者・区が力をあわせてめざす方向性と具体的な目標を定めるものです。
◎江戸川区男女共同参画推進計画
男女共同参画社会基本法第14条第 3 項に規定する「市町村男女共同参画計画」であり、「男女が平
等で、互いに尊重し、喜びも責任も分かち合い、家庭、職場、学校、地域などのあらゆる分野において、
性別にとらわれることなく、その能力と個性を発揮できる地域社会」を将来のあるべき姿として定め、
その実現に向けた、区民、事業者、区等が取り組むべき内容を具体的に示したものです。計画では、
「生
涯を通じた健康支援」として食育及び生活習慣病の予防に取り組むこととしています。
3 計画期間
本計画の期間は、平成21年度から平成25年度までの 5 年間とします。
(なお、状況の変化を
踏まえ、必要に応じ見直しをします。)
食 育 と は
「食育」とは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全
な食生活を実践することができる人間を育てること(食育基本法より)とされています。 食
育は生きる上での基本であって知育、徳育、体育の基礎となるべきものと位置づけられています。
そのために家庭・学校・地域・区が一体となって取り組みます。
3
第2章
食をめぐる現状と課題
豊かで便利な食生活が実現する一方で、「食」をめぐる状況が、近年変わってきており、その健康
に及ぼす影響が多方面から危惧されています。食生活リズムの乱れ、食に対する意識の希薄化、栄養
バランスの偏り、肥満とやせの問題、食の安全への不安等、望ましい食生活が失われつつあり、健全
な食生活を営むことが、今、改めて重要な課題となっています。江戸川区民の「食」の現状を同様の
視点でみてみました。
1 食生活リズムの乱れ
(1)朝食を毎日食べている人の割合
保育園
朝食を毎日食べている 保育園児
0%
20%
40%
60%
80%
1 ∼ 5 歳児平均
100%
91.2%
【平成18年 江戸川区立保育園朝食アンケートから n=690人】
保育園では、約 9 割の児童が毎日朝食を食べています。
朝食を毎日食べている 小学校 6 年生・中学校 3 年生
小学校・中学校
0%
20%
40%
60%
80%
江戸川区
小学校 6 年生
中学校 3 年生
東京都
小学校 6 年生
中学校 3 年生
全
国
小学校 6 年生
中学校 3 年生
100%
87.4%
76.1%
87.7%
80.0%
87.1%
81.1%
【平成20年 4 月22日実施 全国学力学習状況調査から 小学校 6 年生n=5979名、中学校 3 年生n=4608名】
小学校 6 年生では、全国より0.3ポイント上回っていますが、東京都より0.3ポイント下回っています。
中学校 3 年生では、全国より 5 ポイント、東京都より3.9ポイント下回っており、大きな課題があります。
4
食をめぐる現状と課題について
成 人
第2章
朝食を毎日食べている 成人男女(18・19歳を含む) 注 1
0%
20%
40%
60%
80%
100%
80.0%
18・19歳
40.0%
43.3%
20∼29歳
63.6%
68.7%
30∼39歳
79.5%
男
66.4%
女
40∼49歳
85.4%
70.3%
50∼59歳
82.9%
84.8%
60∼69歳
88.3%
88.2%
70歳以上
93.4%
【平成20年 江戸川区世論調査結果から n=1408人】
(注 1 )江戸川区世論調査結果については、男性及び女性の“18・19歳”については「n」が少ない
ため、具体的なコメントは行わず参考資料とします。
朝食を毎日食べている人の割合は、保育園児が一番多く、小学生・中学生と成長するにしたがい、
食べている割合が少なくなり、20歳代は特に少なく男性では 5 人に 2 人しか朝食を食べていない状況
でした。
5
第2章
食をめぐる現状と課題について
(2)朝食を食べなくなった時期
小学生の頃から
4.5%
70歳以上
60∼69歳
0.9%
50∼59歳
2.2%
4.0%
40∼49歳
8.9%
30∼39歳
11.6%
20∼29歳
27.7%
成人男女 224 人
中学生の
頃から
12.1%
高校生の頃から
14.3%
高校を卒業
した頃から
13.8%
※ 18・19 歳を含む
【平成20年 江戸川区世論調査結果から n=1408人】
(3)朝食を食べない理由
その他 5.4%
食べたり、準備する
ことが面倒である
3.6%
以前から食べる
習慣がない
12.1%
成人男女 224 人
無回答
1.8%
時間がない
25.9%
減量(いわゆる
ダイエットのため) 朝食を食べるより
寝ていたい
食欲がわかない
3.6%
18.3%
29.5%
※ 18・19 歳を含む
【平成20年 江戸川区世論調査結果から n=1408人】
朝食を食べなくなった時期は、
「20歳代から」が最も多く、次いで「高校生から」「高校を卒業した
頃」「中学生の頃」となっています。
食べない理由も「食欲がわかない」
「時間がない」
「朝食を食べるより寝ていたい」が70%を超え、
生活時間の変化が影響を与えていると考えられます。
学校給食が終了し、食生活が不規則になりがちな高校生や20歳代の、朝食を食べる人の割合を増加
させる必要があります。
朝食を食べると基礎代謝が高まり、体温や血糖値が上がり、脳が活発に働き始めます。反対に食べ
ないと午前中のエネルギー供給が不十分となり集中力に欠けたり、意欲がわかないこともあります。
活力ある一日を過ごすために、幼いころから「早寝早起き朝ごはん」の習慣を身につけることが大切
です。
6
食をめぐる現状と課題について
第2章
2 「食」の大切さに対する意識の希薄化
(1)家族と一緒に食事をする割合
①家の人と普段(月∼金曜日)、朝食を一緒に食べている割合
家の人と朝食を一緒に食べている
60%
40%
朝
47.5%
27.2%
20%
0%
43.5%
42.1%
26.0%
24.3%
小学校 6 年生 中学校 3 年生
小学校 6 年生 中学校 3 年生
小学校 6 年生 中学校 3 年生
江 戸 川 区
東 京 都
全 国
【平成20年 4 月22日実施 全国学力学習状況調査から 小学校 6 年生n=5979名、中学校 3 年生n=4608名】
小学校 6 年生では、全国より5.4ポイント、東京都より 4 ポイント上回っています。また、中学校 3
年生では、全国より2.9ポイント、東京都より1.2ポイント上回っています。
②家の人と普段(月∼金曜日)、夕食を一緒に食べている割合
家の人と夕食を一緒に食べている
80%
60%
夕
67.9%
68.8%
63.1%
53.0%
40%
49.4%
54.5%
20%
0%
小学校 6 年生 中学校 3 年生
小学校 6 年生 中学校 3 年生
小学校 6 年生 中学校 3 年生
江 戸 川 区
東 京 都
全 国
【平成20年 4 月22日実施 全国学力学習状況調査から 小学校 6 年生n=5979名、中学校 3 年生n=4608名】
小学校6年生では、全国より0.9ポイント下回っていますが、東京都より4.8ポイント上回っていま
す。また、中学校 3 年生では、全国より1.5ポイント下回っていますが、東京都より3.6ポイント上回っ
ています。
7
第2章
食をめぐる現状と課題について
子どもがひとりで食事する“孤食”家族で一緒に食卓を囲んでもそれぞれ好きな食べ物を別々に食
べる“個食”も増えています。また、家庭では食を通じた家族のコミュニケーションの機会が減少し、
家族の会話の中で絆を深める団らんの場、子どもの健康的な心身を育む場としての機能低下等も指摘
されるようになってきています。
(2)食育の認知度
「食育」を知っている人 成人男女(18・19歳を含む)
80%
69.3
%
60%
40%
20%
48.2
%
46.6
%
26.7
%
33.3
%
36.7
%
男
73.6
%
45.5
%
38.8
%
51.3
%
女
56.6
%
50.6
%
38.1
%
37.6
%
0%
18・19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60∼69歳
70歳以上
【平成20年 江戸川区世論調査結果から n=1408人】
(注 1 )江戸川区世論調査結果については、男性及び女性の“18・19歳”については「n」が少ない
ため、具体的なコメントは行わず参考資料とします。
「食育を知っている人」の割合は、男性は女性に比べ各年代ともに少なくなっています。特に20歳
代は男女ともに少なく、男性は 4 割弱でした。
食育を区民運動として推進し、その成果を上げるためには、「関心をもつ」ことや言葉を「知る」
だけでなく、より多くの区民が食をめぐる問題意識を共有し、食育の意義や必要性等を理解し、「楽
しく食べる体験」や「食育実践への参画」などの行動に移すことが第一歩です。
家庭での食事は、家族と食卓を囲む中で食に関する知識やマナー、食を選択する力を学んだり、食
に関するコミュニケーションを深めます。乳幼児期からの発達に応じ、楽しくおいしく食べる習慣が
豊かな人間性を育むことから、子どもの食生活の大部分を担う家庭の教育力を高めることが大事です。
8
食をめぐる現状と課題について
第2章
3 栄養バランスの偏り
(1)栄養バランス
①考えて食べている人(成人)
栄養バランスについて 20∼69歳成人男性
考えて
いる
0%
20%
20∼
16.6%
29歳
30∼
39歳
23.8%
40∼
49歳
少し考え
ている
40%
60%
56.5%
50∼
59歳
57.3%
35.5%
60∼
69歳
52.5%
43.3%
考えて
いない
45.4%
考えて
いる
80% 100%
0%
20∼
29歳
26.8%
59.6%
29.2%
栄養バランスについて 20∼69歳成人女性
16.6%
30∼
39歳
13.5%
40∼
49歳
11.9%
50∼
59歳
11.4%
60∼
69歳
少し考え
ている
20%
40%
27.7%
60%
考えて
いない
80% 100%
62.0%
39.6%
10.2%
56.4%
4.0%
42.8%
54.5%
2.7%
45.2%
52.6%
2.3%
45.3%
2.8%
51.9%
【平成19年江戸川区民健康診査結果から n=33437人】
「栄養バランスを考えて食べている人」の割合は年代が高くなるほど増えており、女性は男性に比
べ各年代ともに多くなっています。特に20歳代から30歳代にかけては、男性の約1.5倍と多くなって
います。
(ハローベビー教室(母親学級)受講生)
)
②朝食で主食・主菜・副菜をそろえて食べている人の割合(
朝食で主食・主菜・副菜をそろえて食べている人(全体)
7.4%
欠食をしている人
23人
主食・主菜・副菜を
19.7%
そろえて食べている人
61人
主食・主菜・副菜を
そろえて食べていない人
72.8%
225人
【平成20年 ハローベビー教室受講生食事診断から n=309人】
※本調査での「欠食」は、「何も食べない」「嗜好飲料のみ」「錠剤・カプセル・顆粒状ビタミン・ミ
ネラル・栄養ドリンク剤のみ」の場合の合計です。
9
第2章
食をめぐる現状と課題について
(2)食品群の摂取状況
平均摂取量(g)
食品群の摂取状況
300
主食・主菜・副菜をそろえている人の平均摂取量
主食・主菜・副菜をそろえていない人の平均摂取量
250
目標摂取量 200g
238.9
200
150
205.1
183.4
169.5
100
海藻の目標摂取量 20g
140.5
129.1
93.8
75.3
50
25.3
16.9
0
緑黄色野菜
淡色野菜
乳製品
果物
海藻
【平成20年 ハローベビー教室受講生食事診断から n=309人】
(3)栄養素等摂取状況
① 主食・主菜・副菜をそろえている人
② 主食・主菜・副菜をそろえていない人
栄養素などの摂取状況
エネルギー
脂肪
カルシウム
鉄分
適正
①
31.1%
16.4%
52.5%
②
32.4%
14.7%
52.9%
多い
少ない
①
1.6%
96.7%
1.6%
②
3.1%
96.0%
0.9%
72.1%
①
52.9%
②
①
27.9%
47.1%
9.8%
②
0%
90.2%
1.8%
98.2%
20%
40%
60%
80%
100%
【平成20年 ハローベビー教室受講生食事診断から n=309人】
妊婦では、朝食を「欠食している人」は7.4%でした。また、
「朝食を食べている人」の中でも「主食・
主菜・副菜をそろえて食べている人」は、19.7%でした。
「主食・主菜・副菜をそろえて食べていな
い人」は、そろえて食べている人と比べると、ほとんどの食品摂取量が少なく、栄養素等では脂肪を
除き、鉄やカルシウムなどは不足傾向にあります。
朝食の欠食は、栄養素・食品摂取量の低下も招きやすく、栄養バランスの悪化につながります。妊
娠期は、胎児と母体の栄養管理、家族の食事を見直すきっかけとなります。この時期に食の意識を高め、
生涯を通して実践していけるようにアプローチすることを、さらに充実していく必要があります。
10
食をめぐる現状と課題について
第2章
4 肥満とやせの傾向
(1)1 歳 6 か月児と 3 歳児
1 歳 6 か月児
2.0%
肥満傾向
3 歳児
4.0%
肥満傾向
12.0%
やせ気味
14.0%
やせ気味
86.0%
普通
82.0%
普通
【平成19年10月 江戸川区乳幼児健康診査から n=361人】
(注 2 )カープ指数
(K)
:乳幼児の発育状況を判断する目安として使います。身長と体重のデータをも
とに算定し、数字で表したものです。
計算式 体重(g)
÷身長
(㎝)
÷身長
(㎝)
×100
カープ指数(K)分類
1 歳 6 ヶ月児
3 歳児
やせ気味
14.5以下
14.5以下
普通
14.6∼18.9
14.6∼17.9
肥満傾向
19.0以上
18.0以上
(2)小学生と中学生
小1
■ 肥満傾向者の割合 男子
5%
男子
江戸川区
東京都
小1
1.91%
1.34%
小2
2.11%
1.87%
小3
2.82%
2.70%
小4
4.10%
3.62%
小5
4.50%
4.35%
小6
4.24%
4.37%
中1
3.14%
2.85%
中2
2.51%
2.34%
中3
3.85%
2.53%
中3
小2
4%
3%
2%
1%
中2
小3
0%
小4
中1
小6
江戸川区
小5
東京都
11
第2章
食をめぐる現状と課題について
ᑠ
■ 肥満傾向者の割合 女子
㸣
女子
江戸川区
東京都
小1
0.80%
1.18%
小2
1.21%
1.48%
小3
1.93%
1.77%
小4
2.31%
2.18%
小5
2.92%
2.27%
小6
1.89%
2.24%
中1
1.38%
1.65%
中2
2.05%
1.77%
中3
2.20%
1.85%
୰
ᑠ
㸣
㸣
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୰
㸣
ᑠ
୰
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Ụᡞᕝ༊
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【平成19年 東京都の学校保健統計書から】
「肥満傾向」の者(学校医により肥満傾向で特に注意を要すると判定された者)の割合は、小学校
1 年生男子は1.9%(東京都は1.3%)
、女子は0.8%(東京都は1.2%)です。以降、小学校 5 年生に至
るまで増加しており、特に男子においてその傾向は顕著に認められます。また、すべての学年におい
て男子の「肥満傾向」が女子の割合より高くなっています。
(3)成 人
①肥満傾向の割合
BMI 25.0以上の人 20∼69歳成人男女 (注 3 )
40%
744人
812人
30%
20%
36.4%
32.2%
217人
10%
259人
33.1%
33.9% 476人
908人
186人
1027人
9.4%
10.8%
女
593人
1271人
24.6%
男
25.3%
21.0%
15.1%
0%
20∼29歳
30∼39歳
40∼49歳
50∼59歳
60∼69歳
①やせの割合
BMI 18.4以下の人 20∼69歳成人男女 (注 3 )
40%
男
女
30%
422人
20%
10%
0%
1604人
21.4%
60人
6.8%
20∼29歳
629人
69人 16.9%
38人
2.7%
1.9% 10.5%
30∼39歳
40∼49歳
47人
494人
8.1%
2.6%
50∼59歳
35人
4.6%
115人
6.1%
60∼69歳
【平成19年 江戸川区健康診査結果から n=33434人】
12
食をめぐる現状と課題について
第2章
成人では、肥満の割合が各年代とも女性より男性に多く、やせは20・30歳代の女性に多くみられ
ます。これらの背景には不規則な食事習慣、無理なダイエット・栄養バランスの偏りなどの影響が考
えられます。
③肥満と生活習慣病
BMI別 有所見割合 40∼69歳成人男性 n =17909人
BMI
18.5∼
24.9
25.0
以上
異常なし
高血糖
高血圧
脂質異常
高血糖+
高血圧
17.0%
9.4%
19.0%
8.6%
14.9%
6.8% 4.4%
14.0%
8.6%
14.3%
7.2%
高血糖+ 高血圧+
高脂血 脂質異常
6.7%
高血糖+
高血圧+
脂質異常
13.3%
11.1%
18.1%
26.6%
BMI別 有所見割合 40∼69歳成人女性 n =36934人
BMI
18.5∼
24.9
25.0
以上
13.1%
異常なし
高血糖
33.7%
11.0%
5.6%
21.8%
6.6%
高血圧
20.1%
15.1%
高血糖+
高血糖+ 高血糖+ 高血圧+ 高血圧+
高血圧
高脂血 脂質異常 脂質異常
脂質異常
9.7%
7.5%
5.4%
15.1%
4.5% 7.4%
6.2%
17.3%
【平成19年江戸川区民健康診査・節目健診・熟年健診結果から n=54843人(40∼69歳)
】
異常所見なし
異常所見 1 つあり
異常所見 2 つあり
異常所見 3 つあり
(注3)BMI(Body Mass Index)
:身長と体重のデータをもとに算定する成人の体格判定方法。
(体格指数)
肥満を知る目安として使われます。
計算式:体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
BMI・判定
18.4以下・やせ
18.5以上 24.9以下・ふつう
25.0以上・肥満
BMI25.0以上の肥満が認められた40歳から69歳までの男性の93%、女性の87%に高血圧、脂質異常、
高血糖のいづれかが認められ、BMIがふつうの範囲の人よりメタボリックシンドロームのリスクが高
くなります。メタボリックシンドロームを放置すると動脈硬化が進み、脂質異常症、高血圧症、糖尿
病に進展し、やがて脳卒中、心筋梗塞にかかりやすくなります。 糖尿病などの生活習慣病を予防するためには内臓脂肪型肥満にならないことが大切であり、適正体
重を維持するために、適切な食事習慣と運動習慣を身につけ、生涯にわたる健康づくりを行うことが
大切です。
13
第2章
食をめぐる現状と課題について
5 地域の食文化や伝統の継承
四季の変化がはっきりしている日本では、地方ごと、季節ごとに様々な食材が利用され、工夫を加
えながら調理、継承されてきました。
小松菜の発祥の地は、江戸川区小松川です。古くから知られた農産物の一つとして、みんなで育て、
収穫するとともに、家庭や学校給食などで味わうことで、伝統の味を継承しています。さらに、行事
食や郷土料理等も盛んに行われています。
食育を進めるにあたっては、お米を中心に水産物、畜産物、野菜等栄養バランスに優れた、日本型
食生活の良い点を再評価、継承するとともに、さらなる工夫を加えていくような取り組みが重要です。
小松菜の作付面積と収穫量
作付面積
収穫量
全 国
5,650ha
90,800t
江戸川区
170ha
3,230t
1ha当たりの収穫量は江戸川区19t
に対し、全国平均では16tであり、区
の生産効率が高いことがわかります。
市区町村別の収穫量は現在でも全国
第二位です。
【第54次東京農林水産統計年報 平成18年より】
6 脅かされる食の安全・安心
我が国の食料自給率は、カロリーベース(注 4 )で40%(平成19年度、農林水産省発表)と低い
水準にあり、区民の食卓は輸入食品無しには成り立たなくなっています。
こうした中で、昨今、基準を超える農薬(※)や抗菌剤、カビ毒が検出されるなど、輸入食品の安
全性への問題が浮き彫りにされています。一方、国内では、加工食品の原材料偽装や賞味期限改ざん
などの事件が相次いで発覚しています。また、食中毒では近頃のグルメブームを反映し、区内でも食
肉の生食によるカンピロバクター食中毒(注 5 )などが多発傾向にあります。
そのために、区は栄養成分や食品の安全性に関する正確な情報を提供していくと同時に、生産、製造、
加工、流通、販売の各段階において食の安全・安心の確保に向けた取り組みを行う必要があります。
また、食品衛生協会等食品関係団体とより一層の連携を進めることも大事です。
今、区民一人ひとりが正しい知識をもち、多くの食に関する情報の中から自らの判断で正しい情報
を選択していくことが求められています。
※食品衛生法による残留農薬基準
食中毒発生件数と患者数
平成18年
平成19年
江戸川区
東京都
全国
江戸川区
東京都
全国
事件数
4件
114件
1,491件
6件
83件
1,289件
患者数
104人
2,614人
39,026人
25人
2,050人
33,477人
【江戸川保健所生活衛生課】
14
食をめぐる現状と課題について
第2章
食の安全安心に関する区民からの相談件数
変質
異物混入
有症苦情
施設・取扱い不良
その他
計
平成18年度
9件
16件
42件
16件
17件
100件
平成19年度
20件
36件
63件
25件
34件
178件
【江戸川保健所生活衛生課】
(注 4 )カロリーベース
食料自給率とは、私達が食べている食料のうち、どのくらいが日本で作られているかという割合の
ことです。食料の重さは、米、野菜、魚など、どれをとっても重さが異なります。重さが異なる全て
の食料を足し合わせ計算するために、その食料に含まれるカロリーを用いて計算した自給率の値を
「カロリーベース総合食料自給率」といいます。
150
フランス
128
125
アメリカ
112
(%)
100
122
ドイツ
104
80
英国
84
75 68
70
スイス
60
49
50 46
韓国
46
46
40
日本
25
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2003
【農林水産省ホームページより 食料自給率の推移についてhttp://www.maff.go.jp/j/use/link.html】
主な先進国と比べると、アメリカ128%、フランス122%、ドイツ84%、英国70%となっており、
我が国の食料自給率は主要な先進国の中で最低の水準となっています。
(注 5 )カンピロバクター食中毒
鶏や豚、牛などの家畜の腸管内に分布する食中毒菌です。潜伏時間が 2 日から 7 日と長く、腹痛や
下痢、発熱といった症状を呈します。最近では、「ささみ」や「レバー」などの生食や中心部までよ
く熱を通さず食べることで食中毒が増えています。
15
第3章
食育の目指す姿と目標
江戸川区の食育は、「すべての区民が食生活を楽しみ生涯にわたり心身ともに健康で豊かな人生を
送ること」を目指します。そのためには、まず区民が食に関するさまざまなことを知り、食材を自分
で扱い、食の楽しみを共有することからはじめ、生涯にわたり望ましい食生活を実践する力を身につ
け、健全な心と体を養うことが大切です。
第 2 章で示した課題、江戸川区の食育の目的をふまえ、計画の推進にあたっては、
“みんなが一緒
に学んで・作って・楽しく食べよう”を合言葉に区民一人ひとりが、わかりやすいところから取り組
めるよう、次の三つの柱を基本目標とします。
1 進んで学んでみよう
「食」について、自分から興味や関心を持って、主体的に進んで学び、より良い生活習慣を実践し
ていく区民を目指します。
2 わくわく作ってみよう
食物や食事を、楽しみながら自ら作ってみて、作物を作ってくれる人や食事を作ってくれる人に対
する感謝の気持を育みます。
3 楽しく食べよう
じっくりと食事を楽しみ、他者とのコミュニケーションを楽しみながら食事を味わいます。
食事のバランス
をとる
食の安全安心
を知る
伝統的な食
文化を知る
食事を作る
規則正しい食生活
を身につける
食のマナーを
身につける
すべての区民が食生
作物を作る
活を楽しみ、生涯に
わたり心身ともに
むし歯の予防
をする
健康で豊かな人
生を送る
食物や生産者に
対する感謝の気
持ちを持つ
よく噛む
味わう
コミュニケーション
食卓を囲む
16
食育の目指す姿と目標
第3章
食育の推進にあたっての指標
すべての区民が食生活を楽しみ、
生涯にわたり心身ともに健康で豊かな人生を送る
指 標
基 本 目 標
備 考
事 項
進んで
学んでみよう
自分から興味や関
心を持って、主体
的に進んで学び、
より良い生活習慣
を実践していくよ
うな区民を目指し
ます。
現 状
平成25年度
(平成20年度)
朝食を毎日食べて
いる区民の割合
P4∼5のとお
り
食育を知っている
区民の割合
P8のとおり
→
栄養バランスにつ
いて考えている区
民の割合
P9のとおり
→
むし歯のない3歳
児の割合
3歳児:82.3%
→
やせと肥満の割合
P11∼13のと
おり
→
→
わくわく
作ってみよう
調理を伴う教室数
と延参加者数
98回1667人
→
楽しみながら自ら作
ってみて、作物を作
ってくれる人や食事
を作ってくれる人に
対する感謝の気持を
育みます。
区民農園や公園等
区民が自ら栽培・
収穫体験ができる
場所
42カ所
→
1269世帯
→
家の人と普段、朝
食を一緒に食べる
人の割合
P7のとおり
→
健康づくり協力店
の登録数(※2)
165店
→
楽しく
食べよう
ふれあい農園等
(※1)で農作物を
収穫した家族数
じっくりと食事を
楽しみ、他者との
コミュニケーショ
ンを楽しみながら
食事を味わいます。
平成19年度3歳児歯科健
診結果
食育講習会・料理教室、
熟年男性料理栄養教室、
こころの専門グループ
ワーク
平成19年度健康づくり協
力店登録数
※ 1 区内農家が耕作・栽培した農作物の収穫体験ができる農園。このことを通して農作物を作る人
達等への感謝の気持ちを培うことができます。
※ 2 健康づくりのための栄養情報を提供している、メニューや弁当・惣菜に栄養成分表示をしてい
る店です。
17
第4章
食育の具体的な取り組み方法と主な内容
健康的な食生活を実践していくためには、家庭のみならず学校、地域等が互いに連携して目標を実
践していくことが必要です。これまでも区では健康や教育、保育、農政などを担う部門がそれぞれの
特長を生かしながら食育活動を進めてきており、また、各種団体や民間事業所においても食育に取り
組んできました。
さらに民間団体や事業所と行政が協働し、食の重要性を再認識し、学習、体験、参画等の活動を通
じてさらに充実した取り組みの輪を広げていきます。
食育の取り組み方法を「みんながわかりやすい方法」及び、「目標を達成するために区民が楽しく
主体的に実践しやすい方法」の視点から啓発中心・体験中心・参画協働・調査研究の 4 つに分類しま
した。
また、職住近接の街、地域に根差した都市農業、溢れる地域力等の江戸川区の特性を生かしながら、
生涯にわたり好ましい食生活を続け、豊かな人間関係を育むように区民一人ひとりが主役となり食育
の推進をしていきます。
1 啓発中心型
望ましい生活習慣に関する知識の普及に努めるとともに、伝統的な食材をはじめとし、さまざまな
食材とそのなかに含まれる栄養の量とバランスなどを学びます。さらに、食の安全・安心等に関する
情報提供を行います。
(1)食を通じた基本的な生活習慣の確立
子どもたちが、早寝、早起きをして朝ごはんをしっかり食べるという生活リズムを身につけること
ができるよう、家庭への普及啓発活動を推進していきます。
(2)食に関する意識や関心の向上
私たちが健康的な食生活を送るうえで、どのような食べ物の種類があり、どれだけ食べたらよいの
か、そのバランスを知ることは欠かせません。特に、妊産婦や乳幼児は生涯にわたる健康づくりの基
盤を確保するため、栄養指導の充実をはかります。これらのことから、食事バランスガイド(注 6 )
の普及を図っていきます。また、食の生産・流通を学ぶことで、食に対する感謝の気持ちを持ち、食
への関心を高めていきます。
(3)生活習慣病の改善・予防のための食習慣づくり
食べ物と健康の関係についての正しい知識を持つことで、生活習慣病等の予防・改善をするために、
食の観点からの啓発活動等を推進します。
(4)食に関する情報の提供
関連機関等と連携し、区民が食育を実践することができるよう、食を楽しみながら作ったり食べた
りできる機会やイベント等を活用し、食に関する情報を提供していきます。
また、よくかんで食べるためには、子どものころからのむし歯予防も大切であり、すべての年代に
向けた口腔疾患の予防活動を展開します。あわせて口腔機能の発達支援と維持の重要性をアピールし
ていきます。
18
食育の具体的な取り組み方法と主な内容
第4章
(5)食文化の継承
日本の伝統ある食文化の継承を推進するため、子どものころから食文化を学び、ふれる機会を積極
的に提供していきます。
(6)食の安全・安心の確保
区では、毎年、
「江戸川区食品衛生監視指導計画」を策定し、食に対する安全・安心の確保に努め
ています。
また、食の安全性に対する区民の意識と理解を深めるため、日頃からあらゆる機会を通じて食に関
する情報提供を行います。
(7)環境にやさしい食生活の推進
「買いすぎない、作りすぎない、食べ残さない」の「 3 ない」を「もったいない」として実践する
よう普及啓発をするとともに、生ゴミを減らす取り組みを推進します。
(注 6 )食事バランスガイド
食事バランスガイドは、健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成12年
3 月)を具体的に行動に結びつけるものとして、平成17年 6 月に農林水産省と厚生労働省により決定
されました。「食事の基本」を身につけるための望ましい食事のとり方やおおよその量をわかりやす
く示したものです。
運動
•───
1日分
水・お茶
料 理 例
1つ分 =
=
=
=
ごはん小盛り1杯 おにぎり1個
5 7 主食(ごはん、パン、麺)
∼
•──── つ(SV)
野菜、
きのこ、
2つ分 =
=
=
ごはん中盛り1杯
野菜料理5皿程度
1つ分=
うどん1杯
=
=
=
野菜サラダ きゅうりとわかめの 具たくさん ほうれん草の
酢の物
味噌汁
お浸し
2つ分 =
スパゲッティー
もりそば1杯
=
=
=
ひじきの煮物
きのこソテー
煮豆
=
=
野菜の煮物
・
菓子
嗜
ロールパン2個
ごはん
(中盛り)
だったら4杯程度
( )
いも、
海藻料理
5∼6 副菜
•───────── つ(SV)
1.5つ分 =
食パン1枚
芋の煮っころがし
野菜炒め
肉、魚、卵、
好
飲料
( 大豆料理 )
3 5 主菜
∼
•────────────── つ(SV)
肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度
1つ分 =
納豆
目玉焼き一皿
=
=
3つ分 =
2 牛乳・乳製品
•────────────────── つ(SV)
2つ分 =
=
=
冷奴
楽しく適度に
ハンバーグステーキ
豚肉のしょうが焼き
まぐろとイカの刺身
鶏肉のから揚げ
=
=
=
2つ分 =
牛乳コップ半分 チーズ1かけ スライスチーズ1枚 ヨーグルト1パック
•───────────────────────
魚の天ぷら
牛乳だったら1 本程度
1つ分 =
厚生労働省・農林水産省決定
=
=
焼き魚
牛乳瓶1本分
2 果物
つ(SV) みかんだったら2個程度
2 体験中心型
普段、調理経験の少ない子ども・中高校生や厨房に縁がなかった男性なども、実際に食材を選びな
がら料理を作る機会を増やすことが大切です。また、食物を作り育てる体験は、喜び、気づきなどを
通して食に対する感謝の気持ちを育みます。
19
第4章
食育の具体的な取り組み方法と主な内容
(1)楽しく食べる体験
①親子がともに調理をしたり、食事を楽しんだりする場を増やしていきます。また、様々な給食を通
じた体験活動を充実していきます。これらのことを通してコミュニケーションが図られ、子どもた
ちの心の安定ももたらされていきます。また、マナーや作法などの基礎を身につけることにもつな
がります。
②熟年男性が自身の食生活に気を配り元気に暮らすとともに、料理や食事の楽しさを再発見する機会
を充実させ、地域での仲間づくりの輪を広げていきます。
(2)生産・調理の体験
区民農園や学校農園などで安全な農作物を栽培・収穫する体験や、その農作物を使った調理体験が
できる機会を提供していきます。
3 参画協働型
本区が目指す食育をより強力に推し進めるには、関係機関と多くの区民が協働し、食に関する意識
や活動を区全域で高めていく必要があります。家庭や学校、地域等が、
世代を越えて食を楽しみながら、
仲間づくりや食を通した健康づくりを推進します。
(1)地産地消の推進
江戸川区の代表的な農産物である小松菜を始めとした農作物の直売や小松菜関連商品の開発を通じ
てブランド化を確立していきます。地産地消を推進し、生産者と消費者との信頼関係を構築し、学校
給食を通して食や農業への理解と関心を深めます。
(2)家庭、学校、地域、関連機関等との協働
保育園や学校での食に関する指導内容を家庭と共有しつつ、家庭や地域へ必要な情報を提供し、そ
れぞれの場面での実践に結び付けていきます。また、地域における健康づくりの機会をとらえ、食育
の周知を図るとともに、関連する事業者と協力し、食事バランスガイドや栄養成分表示、栄養情報提
供を行う健康づくり協力店を増やしていきます。さらに、区内農家が耕作・栽培した農作物を自ら収
穫する体験を通じて、農作物の食の安全を生産者と共有しながら、農作物を作る人達への感謝の気持
ちを培います。
(3)食育推進運動の展開
学校、家庭、地域等で楽しみながら食育が実践されるよう、
「江戸川区食育推進スローガン」や「食
育月間」また、「食育の日」などを設け、地域行事の機会を捉え、食育の情報発信をすることにより
食育推進運動を展開します。
4 調査研究
(1)調査研究の実施
区民世論調査や国民健康・栄養調査等アンケートや対面調査を随時、また継続的に実施し、その結
果をフィードバックしながら本区の食育推進に生かします。
20
食育の具体的な取り組み方法と主な内容
第4章
−− 食育の取り組み一覧 −−
江戸川区が目指す食育
取り組みの方法
主な内容
取り組み
・しっかり食べよう朝ごはん普及啓発活動
食を通した基本
的生活習慣の
・支援者研修(生活リズムの向上公開講座)
確立
・生活リズムの確立の普及
すべての区
民が食生活を楽
しみ、生涯にわた
り心身ともに健康
で豊かな人生を
送る
食に関する意識
や関心の向上
スローガン
啓発中心型
みんなが
一緒に学んで
作って楽しく
食べよう
基本目標
実施部署
保育課
指導室
健康サービス課
・食に関する指導
・支援者研修(食育リーダー研修)
指導室
・支援者研修(栄養士・調理師)講習会
・生きた教材となる給食
学務課
・保育園給食を通じた「食への関心」を高める
保育課
活動
・食育講座
健全育成課
・ハローベビー教室・離乳食講習会
・乳児、1.6歳、 3 歳児健診、乳幼児経過観察
・区民、地域まつり・新生児妊産婦訪問指導
・子育てひろば
健康サービス課
・受託健診時の健康講座・骨粗鬆症予防教室
生活習慣病改善
・生活習慣病予防イベント
予防のための
・健康応援セミナー「アンダー40」
習慣づくり
・ファミリーヘルス健康講座・栄養相談
健康サービス課
・歯ッピー教室・歯ウツー教室
食に関する情報
・保育園歯みがき指導
提供
・リハビリ相談・家事リハビリ体験教室
健康サービス課
食文化の継承
学務課
・食文化を大切にした給食
食の安全・安心 ・夏休み図書館イベント
生活衛生課
の確保
・食品衛生講習会(消費者向け、食品業者向け)
環境にやさしい
・「もったいない」の実践の普及啓発
食生活の推進
進んで
学んでみよう
楽しく食べる
体験
体験中心型
生産・調理の
体験
わくわく
作ってみよう
関係部署
・保育園給食を通じた体験活動
保育課
・親子料理教室
健全育成課
・わくわくクッキング講座・熟年男性料理栄養
健康サービス課
教室・こころの専門グループワーク
・鶴岡米の共同購入
学務課
・栽培、収穫、加工体験
保育課
・野菜作り体験・中高生料理講座
健全育成課
・区民農園
産業振興課
・小松菜給食
学務課
地産地消の推進 ・学校給食への食材の提供
・農産物の直販、小松菜関連商品の開発、ブラ 産業振興課
ンド化の推進
楽しく
食べよう
参画協働型
・食育推進委員会
指導室
・家庭・地域との連携
学務課
・家庭・地域との連携
健全育成課
・ふれあい農園
産業振興課
家庭・学校・
地域・関連機関 ・健康づくり協力店・栄養成分表示・ファミリ
ーヘルス推進員との地域講座・歯科衛生士ボ
との協働
健康サービス課
ランティア
・地域活動栄養士会・給食施設栄養士会
・食の安全・安心フォーラム・食品衛生大会
・食品衛生街頭相談
・プロが教える料理教室(消費者懇談会)
食育推進運動の
・地域への食育情報発信
展開
調査研究
調査研究の実施
・江戸川区民世論調査
・国民健康・栄養調査
生活衛生課
関係部署
関係部署
21
第5章
主な取り組みの紹介
江戸川区で行われている取り組みの内容の一部を、「啓発中心型」「体験中心型」「参画協働型」に
わけて紹介します。
・しっかり食べよう朝ごはん普及啓発活動
・生きた教材の給食
啓発中心型
・離乳食講習会
・生活習慣病予防イベント
・食文化を大切にした給食
・親子料理教室
体験中心型
・熟年男性料理栄養教室
・野菜作り体験
・中高生料理講座
・学校給食への食材の提供
・食育推進委員会
参画協働型
・家庭地域への連携
・健康づくり協力店
・食の安全・安心フォーラム
22
主な取り組みの紹介
第5章
しっかり食べよう朝ごはん普及啓発活動 子ども家庭部
啓発中心型
【 取り組み内容 】
園児向け食育講座
「はやね・はやおき・朝ごはん」に代表
エプロンシアター、ペープサートを用い、
される望ましい生活習慣。朝ごはんを食べ
食育キャラクターの登場するストーリーで
ることと充実した内容の朝ごはんを目指し
朝食の大切さ、栄養バランス、食品群の分
ています。
け方を学びます。終了後、園児が父母にお
食育キャラクター
朝食が大切だということ、栄養バランス
を良くすることが園児にもわかりやく親し
話しを伝えること、キャラクターシールを
使って家で実践の確認をすることを約束し
ます。
みやすく学べるようキャラクターを作成し
家庭でのエピソード
ました。
・お話聞きました。
(80%)
・赤と黄色、緑をそろえて食べるんだよ。
ぱくどん
子どもたちに朝ごはん
を食べることをすすめ
ている。
・ママ、緑がないよ。食事にチェックが入
ります。
・食事のときにこれは何色?と子どもから
クイズがでます。答えられるように食品
群をもっと知りたいです。
・パパは知らないからと言ってお話をして
ぱくぱくとりお
いました。
◎ あかべえ
園生活の中で
血や肉になる食べ物を
応援している。
・ポスターの掲示
・食育キャラクターのぬり絵、折り紙
・しっかり食べよう朝ごはんの歌
◎ きさく
体温や働く力になる食
べ物を応援している。
・食育キャラクターをモチーフにした装飾
や手作りおもちゃ
・給食食材の食品群分け
家庭へ
◎ みどすけ
ビタミン・ミネラルを多く含み
体の調子を整える食ベ物を応援
している。
・しっかり食べよう朝ごはんポスターと給
食便り配布
・給食サンプルケース展示
・食育キャラクターをデザインした運動会
*園児も保護者も学んで実践*
参加賞を配布
保護者向け食育講座
地域へ
朝食の大切さ、手軽に作る朝食の工夫、栄
・区民まつり、地域まつり、子育てフェス
養バランスのとり方について学びます。
ティバル等での紹介
参加者の声
・さっそく今朝レシピをとりいれて朝ごは
んに出しました。
23
第5章
主な取り組みの紹介
啓発中心型
生きた教材の給食
小中学校
【 取り組み内容 】
バイキング給食
黄色:おもにエ
ネルギーとなり、
バイキング給食は、いろいろな料理の中
体を動かすもと
になる
から、栄養バランスなどを考えて自分で料
理を選び、皿に盛りつけます。
ね ら い
①自分の適量を知り、栄養バランスの
とれた食事を選択する能力を身につ
ける。
赤色:おもに血
や肉となり、体
をつくるもとに
なる
②自分勝手な行動を慎み、友達への思
いやりの心を育てる。
③みんなで楽しく食事をする。
緑色:おもに体
の調子を整え、
病気をしないよ
うにする
④感謝の気持ちを持って食事をする。
バイキング給食の前には、栄養士の事前
指導があります。食事のバランスやバイキ
ングの際の約束を学習してから実際のバイ
キング給食にのぞみます。
主食(黄色)
・主菜(赤色)
・副菜(緑色)
をそろえて選べるかな?
日々の給食がお手本です ! !
バイキングのほかにも
○セレクト給食
(2∼3種類の料理
からあらかじめ選
ぶ給食)
○お弁当給食
(野外で食べるお弁当にした給食)
食べたあとには、
バランスよく料
理を選ぶことが
できたか、ワー
クシートを使っ
て確認します。
24
○マナー給食
(マナーを学ぶフルコースの給食)
などもあります。
主な取り組みの紹介
啓発中心型
離乳食講習会
第5章
健康部
【 取り組み内容 】
離乳食は、赤ちゃんの食の自立へのスタ
ートです。
お母さんやお父さんをはじめとするご家
族が自信を持って離乳食が進められ、子育
ての楽しさが感じられるよう講習をします。
【内 容】
離乳食の進め方と食べ方の目安
― 講話と調理実演・試食 ―
・離乳食の役割
☆「離乳食の悩み解消相談」を電話や来所、子育
てひろばなどで行っています。
・月齢に適した咀しゃくのポイント
・離乳食の固さと大きさ
・離乳食づくり 調理のポイント
・離乳食の献立 2007年 3 月
「授乳・離乳食の支援ガイド」刷新
(厚生労働省)
・大人の食事からの取り分け離乳食
・離乳食のQ&A
次の点が変更されました。
1 離乳食の開始時期は「 5 か月∼ 6 か月
ごろ」
2 離乳食の完了は「12か月∼18か月ご
ろ」
3 離乳食の準備として果汁などは、すす
めなくてもよい。(スプーンや乳以外
への味ならしの練習は、離乳食が始ま
ってからでよい)
19年度母子栄養相談内容別統計より
【 対 象 】 4 ∼ 5 か月児の保護者
【 会 場 】各健康サポートセンター
【 参加者状況 】 [19年度]
103回 2563人
【 参加者からの質問 】
乳児 438件
離乳食
219件
ミルク嫌いなど
57件
卒乳など
33件
他
129件
・離乳食の味付け
・1回の離乳食の量
幼児 253件
・食べてよいもの、悪いもの
ムラ食い
37件
・フォローアップミルクの特徴
食べない
39件
好き嫌い
28件
・ベビーフードの活用
・イオン飲料の特徴
・青皮魚の与え方 など
他
149件
25
第5章
主な取り組みの紹介
啓発中心型
生活習慣病予防イベント
【 取り組み内容 】
みんなで楽しくメタボリック予防
健康部
講演会では動脈硬化を進行させるメタボ
リックシンドローム(腹部肥満に加えて糖
代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を合併し
生活習慣の中でも食事は量、質ともに健
た状態)についてわかりやすく説明があり、
康に大きく影響することは周知のとおりで
肥満予防の食事などについて詳しくお聞き
す。生活習慣病を予防するメタボリックシ
しました。
ンドローム予防イベントを開催し、実演や
試食などを通じて楽しく学べる場を提供し
ました。 19年度開催状況
日 時: 平成19年10月30日㈫
10:00∼16:00
会 場: グリーンパレス
参集者: 1,050人
内 容
○講演会「メタボリックシンドロームの克
服に向けて」
参加者へのアンケート結果では「わかり
やすく、日々の生活に取り入れたい」との
講師 東京慈恵医科大学 准教授 回答が多く好評でした。また、
「野菜たっ
横田 邦信氏 ぷりメニュー」の実演では小松菜のかにあ
○調理実演・試食(定員50名× 2 回)
んかけ、きのこごはん、おろしサラダが紹
「野菜たっぷりメニュー」
介されました。種類が増えるこの時期の地
○運動実習(定員50名)
場産野菜料理を知りつつ、楽しく試食しま
楽しくエクササイズ
した。また、おいしく食べて健康づくりを
○展示・クイズラリー・パズル
するためには「歯と口の健康」も大切です。
「食育コーナー」
唾液の出を良くする健口(けんこう)体
食事バランスガイド、簡単朝食メニュー
操の実習がありました。 レシピ、健康づくり協力店、しっかり噛
運動不足の傾向を改善し、脂肪を貯めな
んで生活習慣病予防、野菜量あてクイズ
い体をつくる実習コーナーも多くの参加者
など
があり、運動後の爽快感を体験されていま
○健康チェックコーナー
した。
腹囲・体脂肪・血圧の測定
このイベントではファミリーヘルス推進
員のほか栄養士や歯科衛生士などの多くの
健康ボランティアの協力をいただきまし
た。今後も生活習慣病予防の取り組みを通
じて食育が地域に広がることを願って、こ
の取り組みを充実させていきます。
26
主な取り組みの紹介
啓発中心型
食文化を大切にした給食
【 取り組み内容 】
第5章
小中学校
沖 縄:クワジューシー
ゴーヤチャンプル
沖縄県
郷土料理給食
学校給食では、日本各地の郷土食を献立
に取り入れています。
昔の人たちが地域や季節によって工夫し
て生みだしてきた産物や料理を日本の文化
として大切にし、これからも食べ続けてい
きたいものです。
北海道:いか飯
北海道
小松菜給食
江戸川区の地場産物である小松菜を積極
的に使用しています。昔から伝わる「小松
菜のおひたし」やこれからも伝えてほしい
「小松菜まんじゅうや小松ナン」など様々
な料理があります。
◀小松菜まんじゅう
秋 田:きりたんぽ汁
青 森:帆立ごはん
小松菜
クッキー
▼
東 京:深川飯
小松ナン▶
千 葉:菜の花ごはん
ピーナッツあえ
山 梨:ほうとう
愛 媛:たこめし
瀬戸揚げ
◀小松菜カレーパン
愛媛県
日本の郷土料理給食・小松菜給食の
ほかに、韓国のビビンバやインドネシ
アのナシゴレン、ロシアのピロシキな
どを取り入れた世界の料理給食もあり
ます。お昼の放送で郷土や世界の音楽
を流しながら食事をします。
また、年中行事にちなんだ行事食も
献立に取り入れています。
27
第5章
主な取り組みの紹介
親子料理教室
体験中心型
文化共育部
講座で配布される手作りのプリントは、
【 取り組み内容 】
区内6館にある共育プラザ「子育て支援
事業」は、 6 館それぞれが地域の子育てを
しているお母さん方の自主的な活動を支援
しています。
料理の内容は勿論、その他にも「朝ごはん
のいいこと」「朝ごはんおまけレシピ」な
ど内容も豊富でとても参考になるものでし
た。
共育プラザ南篠崎では、「食育」の一環
手作りの
チラシと
配布資料
として「親子deクッキング講座」を行い
ました。これは日ごろからプラザを利用し
ているお母さん方より、「以前の仕事の経
験を生かし、同じ子育てをしているお母さ
ん方に子どもと一緒に料理をする楽しさを
伝えたい」という提案でした。
料理の仕事をしたことのあるお母さんを
中心に、募集ポスター、チラシ、当日のプ
講座終了後には、企画のお母さん方で反
リント作成、材料の買出し、そして当日の
省会を持ち、「親子で楽しく」をモットー
講座のアシスタント…と、それぞれの得意
に内容の充実に向け意見交換をしていまし
分野を生かし 6 人のお母さんが交代で、楽
た。回数を重ねるごとに講座はとても段取
しく進めていきました。
りもよく進めることができ、それは参加す
毎回募集開始とともに定員となり、締め
るお母さん方にも伝わるのか、集合も、講
切り後には惜しむ声も数多くありました。
座内でも、とても協力的で、毎回時間内に
終了することができました。
同じ子育てをしているママたちの企画は
何よりも説得力があり、とても身近で参加
お母さんと
者の意欲も違います。時間の限られた中で
一緒に!
の企画に携わるママたちが快く企画してく
れるその気持ちを大切に、そしてその他
にも企画しようとするお母さん方に、これ
からもプラザでは支援を続けていきたいと
思っています。
はい
チーズ!
「スイ-トポテト」
「エッグ&ハムサンド+
野菜スープ」
「人参とオレンジのゼリー+
バナナケーキ」など毎回開催される内容も
栄養面を中心に設定されていました。何よ
りも子供が一緒に作れるよう調理方法が工
夫されていて、毎回参加していたお母さん
も、そして職員の私たちも勉強になりまし
た。
28
主な取り組みの紹介
熟年男性料理栄養教室
体験中心型
第5章
健康部
【 取り組み内容 】
3 日間の教室をとおし、バランスの良い
食事の実践や、ごはんの炊き方・だしのと
り方・野菜の切り方などの調理の基本を学
びます。
(年 2 回 3 日制で実施)
実習献立
1 日目 ごはん・みそ汁
平成20年度の受講生アンケートより
ぶりの照り焼き雪山風
小松菜のお浸し・果物
【参加動機】
2 日目 カレーライス・キャベツサラダ・
フルーツヨーグルト
● 広報をみて自主的に
76.3%
● 家族に勧められて
23.7%
3 日目 チャーハン・春雨スープ・大根サ
ラダ・果物 【参加理由】※重複回答
栄養講話
食事バランスガイドの活用 1・2・3
低栄養予防・栄養数え歌 など
【 対 象 】
● 興味があった
45.8%
● 将来のため
40.7%
● 今、必要だから
20.3%
● 料理が好きだから
11.9%
など
調理経験の少ない60歳以上の男性
【参加者の声】
広報えどがわで募集
● 教室に参加して、自信と興味が持てた
【 実施会場 】
グリーンパレス・
ので今後も続けたい。
西区民館
● 魚料理・煮物など、いろいろな献立の
【 20年度参加人数 】
レパートリーを増やしたい。
延人数 176人
(グリーンパレス106人・
平均年齢 69歳
西70人)
● 料理の細かい動作が参考になった。
● 煮物料理・魚料理・洋風の献立をもっ
と知りたい。
● 糖尿病などの病人食を習いたい。
● 包丁の使い方がわかった。
● 後片付けの仕方がわかった。
● 今後もこのような料理講習会を開催し
てほしい。
など
29
第5章
主な取り組みの紹介
体験中心型
野菜作り体験
文化共育部
共育プラザ農園クラブ事業
【 取り組み内容 】
センター江戸川分場(19年度「野菜の知
共育プラザは中高生の活動支援・子育て
識」
、20年度「病害虫の対策」
)
、生産者農
支援の拠点として地域力を活かし共育・協
家を訪ね“小松菜”栽培について学習する
働の理念のもと地域社会・異世代との交流
※収穫祭/都立篠崎公園にて栽培作物を使
を織りまぜ事業を展開しています。中高生
った屋外パーテイーを実施する。(協力者
支援は区内に 6 施設ある各共育プラザの特
を招待し交流)※懇談会/食育をテーマに
長を活かした事業を実施しています。また、
中高生農園クラブ員が意見交換 (共育
共育プラザ一体化事業として、農園クラブ・
プラザごとに収穫した食材でお菓子づくり
防災サミット・10代の挑戦・プラザ劇団
等に挑戦し食べ比べ)
の4つの事業を共育プラザを利用する中高
※各共育プラザ/地域の方を招き中高生農
生が主役となり事業を進めています。この
園クラブ員が考えたレシピで、収穫した野
うち、食育をテーマとした共育プラザ中高
菜を使った試食会等を実施しています。
生農園クラブ事業について紹介します。
栽培作物 小松菜、ほうれん草、きゅうり、
すいか、ジャガイモ、さつまいも、たまね
目的 食の生産者か
ら野菜づくり等を学
び、農業を体験する
ことにより、食を大
切にし、食育への関
心を高めます。
期間 平成19年 4 月
∼( 2 期/年)
場所 江戸川区鹿骨
育てた野菜を収穫
学習会
4 -15(鹿骨第四区民
農 園 の 3 区 画45㎡)
参加 区内在住または在学の中学生・高
校生(中高生農園クラブ員)
協力 地域サポーター
(農園経験者)、同農園利用者、東京都農林
総合研究センター江戸川分場、生産者農家、
学校キャンプ推進会CAMPKIDS
活動内容 栽培期間/一年を 2 期に分け、
春∼夏・秋∼冬の作物を耕作※栽培品目/
ぎ、スナップえんどう、
苺、とうもろこし、
中高生の希望とサポーターの助言を受けて
枝豆、トマト、きゅうり、ゴーヤ、ナス、
選定。一部、栽培実験を試みる。
ポップコーンとうもろこし、落花生、ウリ、
※農園活動/共育プラザ単位交代で農園活
モロヘイヤ、大根、カブ、水菜、チンゲン
動日を定め地域サポーターが指導(活動で
菜、人参、ミニ人参、ブロッコリー等
きない日は同農園利用者が水やり等で協力)
※収穫/収穫した中高生が調理し食す
他の活動 学習会/東京都農林総合研究
30
収穫祭
実験栽培 蕎麦、聖護院大根、冬の露地
栽培での苺、小松菜の露地栽培とトンネル
栽培の比較等をします。
主な取り組みの紹介
体験中心型
中高生料理講座
【 取り組み内容 】
第5章
文化共育部
を講師に迎えて、サンマのさばき方を教
区内に 6 館ある共育プラザは、「中学生・
えてもらい、合わせてサンマの「大葉巻揚
高校生の活動支援」「子育て支援」「世代間
げ」、
「高圧甘露煮」の二品を作りました。
交流」の 3 つの事業を進めています。
出刃包丁を握り、おっかなびっくりで三枚
また、6 館それぞれに特色を持っていて、
におろしましたが、家庭ではなかなかでき
「音楽」や「ダンス」
「クラフト」
「IT」な
ない貴重な体験となりました。
どの活動を通して、健全育成を図っていま
本日の献立
す。
共育プラザ平井では、IHヒーターをはじ
めさまざまな調理器具を揃えた部屋があっ
て、友だちと誘いあってお菓子を作ったり、
軽食を作ったりと料理することの楽しさを
体験できます。
魚の扱い方
の講義
食育の話に
耳を傾ける
サンマを
さばいて
います
ほかに、
「鯛ごはん」
「すまし汁」
「デザー
ト」まで作り、おいしく、楽しい時間はあっ
という間に過ぎ、大満足の一日になりまし
中高生自らが「食」について考える習慣
た。
を身につけ、生涯を通じて健全で安心な食
また、料理を作るだけでなく講師の先生
生活を実現していくための基礎知識、技術
に食育の話もしていただきました。「食べ
を学んでほしい、と「中高生料理講座」を
物の大切さやおいしく食べることの大事
開催しています。
さ」、
「食事をバランスよく摂ることの必要
性」
「明るい食卓が心を育てること」など・
・
たくさんのことを学ぶよい機会になりまし
た。
さる 5 月に実施した「中高生料理講座∼
朝食を摂らない、野菜を食べない・・な
さかなの巻∼・魚をさばいてみよう」の紹
ど、若い人たちを取り巻く食事情は、決し
介をします。
て好ましいとは言えないのが現状です。こ
参加者は、中学生 1 名、高校生 7 名(う
れからもこの講座を通して、仲間作りと、
ち男子 1 名)の計 8 名。ベテラン魚屋さん
楽しく・おいしい食育を進めていきます。
31
第5章
主な取り組みの紹介
参画協働型
学校給食への食材の提供
生活振興部
【 取り組み内容 】
JA東京スマイル江戸川地区青年部が中
心になって、区内の農業生産者が学校給食
に小松菜を提供しています。
また、農業生産者が直接学校へ出向き、
農業や小松菜に関する講話を行うなどの活
動も行っています。
平 成19年11月15日 平 成21年 3 月11日
に、江戸川区立全小中学校106校で給食に
区内産小松菜を使用したメニューを提供す
る「全校一斉小松菜給食の日」を実施しま
した。
この取り組みでは、小松菜を提供するだ
けではなく、児童達に、種まきの体験をし
てもらったり、各学校に小松菜料理のレシ
ピや小松菜の由来を紹介したパンフレット
を配布するなどの活動を行いました。また、
実施当日にも、農業生産者が学校に出向い
て講話を行い、その後、児童達と一緒に小
松菜給食を味わいました。
【 成 果 】
・区内産小松菜の学校給食への提供は、平
成16年に事業がスタートした当時は 9
校だけでしたが、その後順次校数を増や
し、現在は61校にまで事業が拡大して
います。
・
「全校一斉小松菜給食の日」実施後に栄
養士を対象にしたアンケート調査では約
97%の学校が「成功またはほぼ成功し
た」と答え、約89%の学校が「毎年また
は機会があればやってほしい」と回答が
ありました。
【 今後にむけて 】
・江戸川区の農業生産者は、主に鹿骨・篠
崎地区をはじめとする区の東側に集中し
ているため、地理的な問題から小松菜の
提供ができていない学校もあります。
これらの学校へも小松菜を提供できるよ
う、宅配便での配送を含め、生産者と学
校側との調整を行い、全校実施に向けて
研究を行っていきます。
こまつなくん
32
主な取り組みの紹介
食育推進委員会
参画協働型
【 取り組み内容 】
第5章
指導室
【 保護者向けリーフレット 】
食育推進委員会設置の趣旨
次のような内容が
載っています。
○学校における食育の在り方を明確に
○生活習慣病予防
し、食に関する指導のより一層の充
○小松菜発祥の地
実を目指す。
○食事のマナー
○家庭・地域等様々な分野において、
○江戸川区産の野
多様な主体から食を学ぶ機会を提供
菜
する。
○30回噛んで食べ
ること
○全校において食育の指導体制を整備
○小松菜レシピ
し、食育年間指導計画に基づき、食
育を推進する。
食育推進委員会の構成
学識経験者
地域代表
(大学教授)
(民生・主任児童委員)
保護者代表
(幼・小・中PTA連合協議会代表)
関係機関代表
医師会代表 歯科医師会代表
JA東京スマイル代表
健康サポートセンター代表
学校・幼稚園代表
小学校・中学校・幼稚園長会代表
栄養士代表 養護教諭代表
調理師代表
食育推進委員会の内容
平成19年度
【 教員向けリーフレット 】
次のような内容が
載っています。
○子供たちの食を
めぐる現状
○江戸川区の食育
の推進状況
・生産者とのか
かわり
・地産地消
・小松菜一斉給
食デー
○教師向け・保護者向けリーフレット
の作成
○食育指導事例集(幼稚園・小学校・
中学校)の作成
平成20年度
○食育指導事例集(幼稚園・小学校・
中学校)の作成
○食育関連資料の活用方法
【 食育指導事例集 】
○幼稚園、小学校、中学校で実践されてい
るモデルとなる食に関する指導事例を集
め、まとめています。
33
第5章
主な取り組みの紹介
家庭・地域との連携
参画協働型
【 取り組み内容 】
小中学校
料理講習会
熟年者とのふれあい給食
日頃よりお世話になっている地域の熟年
者の方々や祖父母の方々を学校に招き給食
小岩地区や葛西地区では、地区の小・中
学校の栄養士が連携して、夏休みに学校の
家庭科室で料理講習会を実施しています。
を食べます。
昔の遊びや生活、地域の様子の話を伺う
など、会食をとおして心の交流と親睦を深
めます。
栄養士の説明を聞いて、レッツクッキング ! !
メニュー
・スクエアエッグトースト
・裏ワザスコーン
・小松菜サラダ
園児とのふれあい給食
次年度入学する園児を招き給食を食べま
す。
園児との交流給食は、在校生の新入生を
迎える自覚や思いやりの心を育てます。園
児は、学校給食の体験により、入学への期
待を膨らませます。
ふれあい給食実績校数
34
小学校
中学校
19年度
43校
4校
18年度
42校
2校
17年度
39校
2校
16年度
38校
2校
15年度
39校
1校
親子で協力して作ります。「包丁に気を付
けて!」
「今度、家でも作ってみようね。
」
∼小岩A地区親子クッキング∼
各学校では、家庭や地域に向けて、
給食だよりや献立表を発行して食に関
する情報を発信しているほか、給食試
食会や親子給食を実施しています。
主な取り組みの紹介
参画協働型
健康づくり協力店
【 取り組み内容 】
外食をする時、惣菜を買う時に、区民一
人ひとりが自分に合った食事を選択できる
ように、栄養成分表示や栄養情報を表示し、
区民の健康づくりに役立てるように、環境
第5章
健康部
2 栄養成分表示
飲食店のメニューやコンビニ等のお弁当
や惣菜に、エネルギー・たんぱく質や塩分
などの栄養成分を表示しています。
づくりに力をいれています。 1 栄養情報提供
スーパー等の野菜・惣菜コーナーに大人
が 1 日に食べてほしい野菜の量を表示して
います。また、飲食店に、
「野菜たっぷり
のメニューがある」「ご飯の量が選べる」
《 表示方法 》
メニュー とんかつ定食 700円
エネルギー 1000kcal
塩 分 3.5g
などのシールをメニューに表示しています。
【 協力店舗 】
公共施設内飲食店・日本そば店
《野菜コーナー》
寿司店・ミニストップ
大人が 1 日に食べてほしい野菜350g
を、いろいろ組み合わせて紹介。
( 2 人で700g)
《惣菜コーナー》 野菜料理として、1人が1日に食べ
る 5 ∼ 6 品の料理を紹介
【 協力店舗 】
スーパーヤマイチ
スーパー中村屋
スーパーワイズマート・他
3 栄養表示活用リーフレット
区民に栄養成分表示や栄養情報提供のお
店を知らせ、買い物の時から、活用できる
ように、配布しています。
【 協力店舗数 】
176店舗:H20年 9 月現在
【 協力店窓口 】
各健康サポートセンター・栄養士と生活
衛生課食品衛生係が表示等についてご相談
をお受けしています。
35
第5章
主な取り組みの紹介
参画協働型
食の安全・安心フォーラム
健康部
【 取り組み内容 】
江戸川区特産の「小松菜」を中心に、食
品が生産から食卓にのぼるまでの「安全・
安心」について区民といっしょに考えます。
平成19年の発表内容
①食品衛生法による加工食品・小松菜の検
査状況(残留農薬等)
①参加団体による各種取り組みの発表
②会場参加者との意見交換
③小松菜料理の試食
④パネル・展示物
⑤参加団体
江戸川保健所
江戸川区消費者センター
②JAS法による原産地表示
③生産農家での小松菜等への農薬や肥料の
使用実態
④食品製造業者、販売業者の品質管理や衛
生管理への取り組みについて
⑤栄養バランスのとれた小松菜等の調理方
法について
東京農政事務所
農業改良普及センター
区内生産農家
食品製造業者・販売者
参加者の声
「食の安全に関する取り組みがよくわかり
ました。
」
「消費者も食品を選ぶ力と責任を持つ必要
があると思いました。
」
「製造者・販売者等が一堂に集まって話し
合う重要さがわかりました。
」
など
36
第6章
計画の着実な推進に向けて
計画を着実に推進するため、区民、家庭、職場、地域、保育園、幼稚園、学校、医療機関、生産者・
事業者等、食に関わる関係団体さらにボランティア団体等と、区が連携することが重要となります。
食育推進ネットワークを構築して、施策の成果や関係者の取り組み状況を把握し、情報を共有しなが
ら協働して推進していきます。
食育推進ネットワーク
1 区の役割
区と区民が一体となった食育活動を推進するため、環境、文化、産業、福祉、健康、教育等の
各分野における取り組みを総合的、一体的に進めていきます。
都や他の自治体、生産者、企業等と連携しながら、多くの区民が関心を持つ区民運動として推
進していきます。
( 1 )食育推進ネットワークづくりを進めます。
①(仮称)江戸川区食育推進連絡会を設置します。
医療関係者、教育・保育関係者、生産者、食品関係団体、栄養士団体、ボランティア団体、行
政関係者からなる連絡会です。今後、計画に基づいた取り組みが円滑に行われているか、評価
や必要な方向づけ等を行っていきます。
②食育推進会議を設けます。
進捗状況の確認、より効果的な食育に関する施策の検討や評価を行っていきます。
③栄養士連絡会を設けます。
実際の食育現場における情報交換を行うとともに、相互の連携・協力を図りながら食育を進め
ていきます。
( 2 )学校の役割
①食育リーダーを選任し、食に関する全体計画の作成、家庭への情報発信、地域との連絡調整な
どの中心となり、食育を推進します。
②食育年間指導計画に基づき食育を推進します。
③生活リズム向上プロジェクトチームを設置し、生活リズム向上公開講座を行い、望ましい生活
習慣や望ましい食習慣を育成します。
④栽培活動を通して食への感謝の心を育みます。
⑤学校給食を生きた教材として食育を推進します。
( 3 )保育園においては保育指針を基本とした食育を推進します。
( 4 )共育プラザ、子ども家庭支援センター、健康サポートセンター等において食育を推進します。
( 5 )家庭、保育園、幼稚園、学校、地域等が連携した食育を推進します。
( 6 )食育活動を推進する人材の育成と団体を支援します。
( 7 )食環境の整備をします。
・飲食店等の栄養成分表示や栄養情報提供の協力店を増やします。
( 8 )食品衛生監視指導計画に基づき食の安全・安心の確保を促進します。
( 9 )都や他の自治体、広域的に活動する団体との連携を図ります。
37
第6章
計画の着実な推進に向けて
2 区民の役割
( 1 )「進んで学んでみよう・わくわく作ってみよう・楽しく食べよう」の実践に努めます。
( 2 )「食」に関心を持ち、様々な情報を適切に選択・判断し、積極的に活用します。
( 3 )食品や食材を選び、調理し、味わう等食育活動の体験をします。
3 家庭の役割
食生活の大部分を担う家庭の役割は、
食育を推進する上で最も大切な場であり、
食育の原点です。
( 1 )家庭で食育を推進します。
①家族そろって食卓を囲んだり、
行事食を楽しむ等、
食を通じたコミュニケーションを心掛けます。
②望ましい生活習慣や食習慣について学ぶ機会を積極的に持ち、
「早寝早起き朝ごはん」を実践
します。
③食事のマナーや食に対する感謝の気持ちを育みます。
( 2 )保育園・学校・地域における食育活動への参加・協力に努めます。
4 保育園、幼稚園、学校、共育プラザ等の役割
1 の区の役割( 2 )∼( 5 )を参照
5 地域の役割
「食」に対する関心と理解を深め、地域一体となった食育運動が展開されることが理想です。
町会・自治会、子ども会等の日々の活動に食育の視点を入れて推進していきます。
6 職場の役割
従業員の健康を保つため、健康診断結果に基づく食生活指導、栄養バランスの良いメニューや
健康情報の提供をします。
7 生産者、食品関係団体の役割
生産者等と消費者の距離を縮めるため、情報の提供や交流を積極的に行うとともに、生産・製
造・加工・流通・販売の各段階において、食の安全・安心の確保に努めます。
8 医療機関の役割
関係諸団体や行政等と連携を密にしながら、食と健康に関する啓発や指導を行います。
9 地域栄養士団体の役割
食育に関し専門的知識の習得に努め、各施設等との連携のもと、地域への食に関する普及啓発
や相談等の活動をします。
10 ボランティア団体の役割
各種のボランティア団体は、関係諸団体や行政等との連携を図りながら、食に関する意識や関
心を高める啓発、楽しく食べる体験などの活動を実践していきます。
38
計画の着実な推進に向けて
第6章
食育推進ネットワーク概念図
江戸川区食育推進連絡会
39
第6章
計画の着実な推進に向けて
資料編
・対流を進め、「食」に関する消費者と生産者との信
頼関係を構築して、地域社会の活性化、豊かな食文化
の継承及び発展、環境と調和のとれた食料の生産及び
食育基本法
消費の推進並びに食料自給率の向上に寄与することが
〔平成十七年六月十七日号外法律第六十三号〕
期待されている。
国民一人一人が「食」について改めて意識を高め、
前文
第一章 総則(第一条─第十五条)
第二章 食育推進基本計画等(第十六条─第
自然の恩恵や「食」に関わる人々の様々な活動への感
十八条)
第三章 基本的施策(第十九条─第二十五条)
第四章 食育推進会議等(第二十六条─第三
十三条)
附則
によって、心身の健康を増進する健全な食生活を実践
謝の念や理解を深めつつ、「食」に関して信頼できる
情報に基づく適切な判断を行う能力を身に付けること
するために、今こそ、家庭、学校、保育所、地域等を
中心に、国民運動として、食育の推進に取り組んでい
くことが、我々に課せられている課題である。さらに、
食育の推進に関する我が国の取組が、海外との交流等
を通じて食育に関して国際的に貢献することにつなが
ることも期待される。
二十一世紀における我が国の発展のためには、子ど
ここに、食育について、基本理念を明らかにしてそ
もたちが健全な心と身体を培い、未来や国際社会に向
の方向性を示し、国、地方公共団体及び国民の食育の
かって羽ばたくことができるようにするとともに、す
推進に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、
べての国民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生
この法律を制定する。
き生きと暮らすことができるようにすることが大切で
第一章 総則
ある。
子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を
(目的)
身に付けていくためには、何よりも「食」が重要であ
第一条 この法律は、近年における国民の食生活をめ
る。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、
ぐる環境の変化に伴い、国民が生涯にわたって健全
知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付け
な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育
るとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識
を推進することが緊要な課題となっていることにか
と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践
んがみ、食育に関し、基本理念を定め、及び国、地
することができる人間を育てる食育を推進することが
方公共団体等の責務を明らかにするとともに、食育
求められている。もとより、食育はあらゆる世代の国
に関する施策の基本となる事項を定めることにより、
民に必要なものであるが、子どもたちに対する食育は、
食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、も
心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生
って現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生
涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性をは
活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目
ぐくんでいく基礎となるものである。
的とする。
一方、社会経済情勢がめまぐるしく変化し、日々忙
(国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成)
しい生活を送る中で、人々は、毎日の「食」の大切さ
第二条 食育は、食に関する適切な判断力を養い、生
を忘れがちである。国民の食生活においては、栄養の
涯にわたって健全な食生活を実現することにより、
偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度
国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資する
の痩(そう)身志向などの問題に加え、新たな「食」
ことを旨として、行われなければならない。
の安全上の問題や、「食」の海外への依存の問題が生
(食に関する感謝の念と理解)
じており、「食」に関する情報が社会に氾(はん)濫
第三条 食育の推進に当たっては、国民の食生活が、
する中で、人々は、食生活の改善の面からも、「食」
自然の恩恵の上に成り立っており、また、食に関わ
の安全の確保の面からも、自ら「食」のあり方を学ぶ
る人々の様々な活動に支えられていることについて、
ことが求められている。また、豊かな緑と水に恵まれ
感謝の念や理解が深まるよう配慮されなければなら
た自然の下で先人からはぐくまれてきた、地域の多様
ない。
性と豊かな味覚や文化の香りあふれる日本の「食」が
(食育推進運動の展開)
失われる危機にある。
第四条 食育を推進するための活動は、国民、民間団
こうした「食」をめぐる環境の変化の中で、国民の
体等の自発的意思を尊重し、地域の特性に配慮し、
「食」に関する考え方を育て、健全な食生活を実現す
地域住民その他の社会を構成する多様な主体の参加
ることが求められるとともに、都市と農山漁村の共生
と協力を得るものとするとともに、その連携を図り
40
計画の着実な推進に向けて
第6章
つつ、あまねく全国において展開されなければなら
び関係団体(以下「教育関係者等」という。)は、
ない。
食に関する関心及び理解の増進に果たすべき重要な
(子どもの食育における保護者、教育関係者等の役
割)
第五条 食育は、父母その他の保護者にあっては、家
庭が食育において重要な役割を有していることを認
役割にかんがみ、基本理念にのっとり、あらゆる機
会とあらゆる場所を利用して、積極的に食育を推進
するよう努めるとともに、他の者の行う食育の推進
に関する活動に協力するよう努めるものとする。
識するとともに、子どもの教育、保育等を行う者に
2 農林漁業者及び農林漁業に関する団体(以下「農
あっては、教育、保育等における食育の重要性を十
林漁業者等」という。)は、農林漁業に関する体験
分自覚し、積極的に子どもの食育の推進に関する活
活動等が食に関する国民の関心及び理解を増進する
動に取り組むこととなるよう、行われなければなら
上で重要な意義を有することにかんがみ、基本理念
ない。
にのっとり、農林漁業に関する多様な体験の機会を
(食に関する体験活動と食育推進活動の実践)
積極的に提供し、自然の恩恵と食に関わる人々の活
第六条 食育は、広く国民が家庭、学校、保育所、地
動の重要性について、国民の理解が深まるよう努め
域その他のあらゆる機会とあらゆる場所を利用して、
食料の生産から消費等に至るまでの食に関する様々
るとともに、教育関係者等と相互に連携して食育の
推進に関する活動を行うよう努めるものとする。
な体験活動を行うとともに、自ら食育の推進のため
(食品関連事業者等の責務)
の活動を実践することにより、食に関する理解を深
第十二条 食品の製造、加工、流通、販売又は食事の
めることを旨として、行われなければならない。
提供を行う事業者及びその組織する団体(以下「食
(伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配意
品関連事業者等」という。)は、基本理念にのっと
及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢
り、その事業活動に関し、自主的かつ積極的に食育
献)
の推進に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体
第七条 食育は、我が国の伝統のある優れた食文化、
地域の特性を生かした食生活、環境と調和のとれた
が実施する食育の推進に関する施策その他の食育の
推進に関する活動に協力するよう努めるものとする。
食料の生産とその消費等に配意し、我が国の食料の
(国民の責務)
需要及び供給の状況についての国民の理解を深める
第十三条 国民は、家庭、学校、保育所、地域その他
とともに、食料の生産者と消費者との交流等を図る
の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっと
ことにより、農山漁村の活性化と我が国の食料自給
り、生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努める
率の向上に資するよう、推進されなければならない。
とともに、食育の推進に寄与するよう努めるものと
(食品の安全性の確保等における食育の役割)
第八条 食育は、食品の安全性が確保され安心して消
する。
(法制上の措置等)
費できることが健全な食生活の基礎であることにか
第十四条 政府は、食育の推進に関する施策を実施す
んがみ、食品の安全性をはじめとする食に関する幅
るため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置
広い情報の提供及びこれについての意見交換が、食
を講じなければならない。
に関する知識と理解を深め、国民の適切な食生活の
(年次報告)
実践に資することを旨として、国際的な連携を図り
第十五条 政府は、毎年、国会に、政府が食育の推進
つつ積極的に行われなければならない。
(国の責務)
に関して講じた施策に関する報告書を提出しなけれ
ばならない。
第九条 国は、第二条から前条までに定める食育に関
第二章 食育推進基本計画等
する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっ
とり、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的
(食育推進基本計画)
に策定し、及び実施する責務を有する。
第十六条 食育推進会議は、食育の推進に関する施策
(地方公共団体の責務)
の総合的かつ計画的な推進を図るため、食育推進基
第十条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、食育
本計画を作成するものとする。
の推進に関し、国との連携を図りつつ、その地方公
2 食育推進基本計画は、次に掲げる事項について定
共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定
めるものとする。
し、及び実施する責務を有する。
一 食育の推進に関する施策についての基本的な方
(教育関係者等及び農林漁業者等の責務)
第十一条 教育並びに保育、介護その他の社会福祉、
医療及び保健(以下「教育等」という。)に関する
職務に従事する者並びに教育等に関する関係機関及
針
二 食育の推進の目標に関する事項
三 国民等の行う自発的な食育推進活動等の総合的
な促進に関する事項
41
第6章
計画の着実な推進に向けて
四 前三号に掲げるもののほか、食育の推進に関す
導的立場にある者の食育の推進において果たすべき
る施策を総合的かつ計画的に推進するために必要
役割についての意識の啓発その他の食育に関する指
な事項
導体制の整備、学校、保育所等又は地域の特色を生
3 食育推進会議は、第一項の規定により食育推進基
かした学校給食等の実施、教育の一環として行われ
本計画を作成したときは、速やかにこれを内閣総理
る農場等における実習、食品の調理、食品廃棄物の
大臣に報告し、及び関係行政機関の長に通知すると
再生利用等様々な体験活動を通じた子どもの食に関
ともに、その要旨を公表しなければならない。
する理解の促進、過度の痩(そう)身又は肥満の心
4 前項の規定は、食育推進基本計画の変更について
準用する。
身の健康に及ぼす影響等についての知識の啓発その
他必要な施策を講ずるものとする。
(都道府県食育推進計画)
(地域における食生活の改善のための取組の推進)
第十七条 都道府県は、食育推進基本計画を基本とし
第二十一条 国及び地方公共団体は、地域において、
て、当該都道府県の区域内における食育の推進に関
栄養、食習慣、食料の消費等に関する食生活の改善
する施策についての計画(以下「都道府県食育推進
を推進し、生活習慣病を予防して健康を増進するた
計画」という。)を作成するよう努めなければなら
め、健全な食生活に関する指針の策定及び普及啓発、
ない。
地域における食育の推進に関する専門的知識を有す
2 都道府県(都道府県食育推進会議が置かれている
る者の養成及び資質の向上並びにその活用、保健所、
都道府県にあっては、都道府県食育推進会議)は、
市町村保健センター、医療機関等における食育に関
都道府県食育推進計画を作成し、又は変更したとき
する普及及び啓発活動の推進、医学教育等における
は、速やかに、その要旨を公表しなければならない。
食育に関する指導の充実、食品関連事業者等が行う
(市町村食育推進計画)
食育の推進のための活動への支援等必要な施策を講
第十八条 市町村は、食育推進基本計画(都道府県食
ずるものとする。
育推進計画が作成されているときは、食育推進基本
(食育推進運動の展開)
計画及び都道府県食育推進計画)を基本として、当
第二十二条 国及び地方公共団体は、国民、教育関係
該市町村の区域内における食育の推進に関する施策
者等、農林漁業者等、食品関連事業者等その他の事
についての計画(以下「市町村食育推進計画」とい
業者若しくはその組織する団体又は消費生活の安定
う。)を作成するよう努めなければならない。
及び向上等のための活動を行う民間の団体が自発的
2 市町村(市町村食育推進会議が置かれている市町
に行う食育の推進に関する活動が、地域の特性を生
村にあっては、市町村食育推進会議)は、市町村食
かしつつ、相互に緊密な連携協力を図りながらあま
育推進計画を作成し、又は変更したときは、速やかに、
ねく全国において展開されるようにするとともに、
その要旨を公表しなければならない。
関係者相互間の情報及び意見の交換が促進されるよ
第三章 基本的施策
(家庭における食育の推進)
第十九条 国及び地方公共団体は、父母その他の保護
う、食育の推進に関する普及啓発を図るための行事
の実施、重点的かつ効果的に食育の推進に関する活
動を推進するための期間の指定その他必要な施策を
講ずるものとする。
者及び子どもの食に対する関心及び理解を深め、健
2 国及び地方公共団体は、食育の推進に当たっては、
全な食習慣の確立に資するよう、親子で参加する料
食生活の改善のための活動その他の食育の推進に関
理教室その他の食事についての望ましい習慣を学び
する活動に携わるボランティアが果たしている役割
ながら食を楽しむ機会の提供、健康美に関する知識
の重要性にかんがみ、これらのボランティアとの連
の啓発その他の適切な栄養管理に関する知識の普及
携協力を図りながら、その活動の充実が図られるよ
及び情報の提供、妊産婦に対する栄養指導又は乳幼
う必要な施策を講ずるものとする。
児をはじめとする子どもを対象とする発達段階に応
じた栄養指導その他の家庭における食育の推進を支
援するために必要な施策を講ずるものとする。
(生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のと
れた農林漁業の活性化等)
第二十三条 国及び地方公共団体は、生産者と消費者
(学校、保育所等における食育の推進)
との間の交流の促進等により、生産者と消費者との
第二十条 国及び地方公共団体は、学校、保育所等に
信頼関係を構築し、食品の安全性の確保、食料資源
おいて魅力ある食育の推進に関する活動を効果的に
の有効な利用の促進及び国民の食に対する理解と関
促進することにより子どもの健全な食生活の実現及
心の増進を図るとともに、環境と調和のとれた農林
び健全な心身の成長が図られるよう、学校、保育所
漁業の活性化に資するため、農林水産物の生産、食
等における食育の推進のための指針の作成に関する
品の製造、流通等における体験活動の促進、農林水
支援、食育の指導にふさわしい教職員の設置及び指
産物の生産された地域内の学校給食等における利用
42
計画の着実な推進に向けて
第6章
その他のその地域内における消費の促進、創意工夫
第二十七号の三に掲げる事務を掌理するもの(次
を生かした食品廃棄物の発生の抑制及び再生利用等
号において「食育担当大臣」という。
)
必要な施策を講ずるものとする。
(食文化の継承のための活動への支援等)
第二十四条 国及び地方公共団体は、伝統的な行事や
作法と結びついた食文化、地域の特色ある食文化等
二 食育担当大臣以外の国務大臣のうちから、内閣
総理大臣が指定する者
三 食育に関して十分な知識と経験を有する者のう
ちから、内閣総理大臣が任命する者
我が国の伝統のある優れた食文化の継承を推進する
2 前項第三号の委員は、非常勤とする。
ため、これらに関する啓発及び知識の普及その他の
(委員の任期)
必要な施策を講ずるものとする。
第三十条 前条第一項第三号の委員の任期は、二年と
(食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、
研究、情報の提供及び国際交流の推進)
第二十五条 国及び地方公共団体は、すべての世代の
する。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任
期間とする。
2 前条第一項第三号の委員は、再任されることがで
国民の適切な食生活の選択に資するよう、国民の食
きる。
生活に関し、食品の安全性、栄養、食習慣、食料の
(政令への委任)
生産、流通及び消費並びに食品廃棄物の発生及びそ
第三十一条 この章に定めるもののほか、食育推進会
の再生利用の状況等について調査及び研究を行うと
議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定め
ともに、必要な各種の情報の収集、整理及び提供、
る。
データベースの整備その他食に関する正確な情報を
(都道府県食育推進会議)
迅速に提供するために必要な施策を講ずるものとす
第三十二条 都道府県は、その都道府県の区域におけ
る。
る食育の推進に関して、都道府県食育推進計画の作
2 国及び地方公共団体は、食育の推進に資するため、
海外における食品の安全性、栄養、食習慣等の食生
成及びその実施の推進のため、条例で定めるところ
により、都道府県食育推進会議を置くことができる。
活に関する情報の収集、食育に関する研究者等の国
2 都道府県食育推進会議の組織及び運営に関し必要
際的交流、食育の推進に関する活動についての情報
な事項は、都道府県の条例で定める。
交換その他国際交流の推進のために必要な施策を講
(市町村食育推進会議)
ずるものとする。
第三十三条 市町村は、その市町村の区域における食
第四章 食育推進会議等
(食育推進会議の設置及び所掌事務)
育の推進に関して、市町村食育推進計画の作成及び
その実施の推進のため、条例で定めるところにより、
市町村食育推進会議を置くことができる。
第二十六条 内閣府に、食育推進会議を置く。
2 市町村食育推進会議の組織及び運営に関し必要な
2 食育推進会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
事項は、市町村の条例で定める。
一 食育推進基本計画を作成し、及びその実施を推
附 則
進すること。
二 前号に掲げるもののほか、食育の推進に関する
重要事項について審議し、及び食育の推進に関す
る施策の実施を推進すること。
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超
えない範囲内において政令で定める日から施行する。
〔平成一七年七月政令二三五号により、平成一七・七・
(組織)
一五から施行〕
第二十七条 食育推進会議は、会長及び委員二十五人
(内閣府設置法の一部改正)
以内をもって組織する。
第二条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。
(会長)
第四条第一項に次の一号を加える。
第二十八条 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
十七 食育の推進を図るための基本的な政策に関す
2 会長は、会務を総理する。
る事項
3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名す
第四条第三項第二十七号の二の次の一号を加える。
る委員がその職務を代理する。
二十七の三 食育推進基本計画(食育基本法(平成
(委員)
十七法律第六十三号)第十六条第一項に規定するも
第二十九条 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
のをいう)の作成及び推進に関すること。
一 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第
〔次のよう略〕
九条第一項に規定する特命担当大臣であって、同
項の規定により命を受けて同法第四条第一項第
十七号に掲げる事項に関する事務及び同条第三項
43
江戸川区食育推進計画
(平成21年度∼平成25年度)
発行日/平成21年 3 月
編集・発行
江戸川区健康部
〒132 - 8507
江戸川区中央 4 ‒ 24 ‒ 19
電話 03 ‒ 5661 ‒ 2466
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