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茶 (PDF:355KB)

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茶 (PDF:355KB)
第6章
茶
【要約】
茶は貿易管理法上、関税割当制度がある。食品法上は「品質規格管理食品」であり、事前に食品登
録番号の取得および製造国からの GMP 製造基準適合証明書が必要である。
最近の日本食人気の定着で、茶、特に緑茶、抹茶(挽茶)がタイ国内でも知られており、スーパー等
の量販店で緑茶の葉茶、挽茶が出回っている。主に日本産、中国・台湾産、国産が出回っている。
英名:Tea
学名:Allium Sativum
タイ名:Chaa (緑茶は Chaa Kiaw)
1.品目の定義
HS4 桁分類: HS0902
HS6 桁分類の品目は第 2 部「重点グループの HS 範囲」に掲載している。
HS コードの分類は次のようになっている。
HS コード分類:
0902.10.10.000:
緑茶の茶葉(正味重量が 3kg 以下のも直接包装にしたもの)
0920.10.90.000:
緑茶の挽茶(正味重量が 3kg 以下のも直接包装にしたもの)
0902.10.90.001:
香味付けのみ(正味重量が 3kg 以下のも直接包装にしたもの)
0902.10.90.090:
緑茶のその他の挽茶(正味重量が 3kg 以下のも直接包装にしたもの)
0902.20.10.001:
緑茶の香味付けのみの茶葉(正味重量が 3kg を超えるもの)
0902.20.10.090:
緑茶のその他の茶葉(正味重量が 3kg を超えるもの)
0902.20.90.001:
緑茶の香味付けのみの挽茶(正味重量が 3kg を超えるもの)
0902.20.90.090:
緑茶のその他の挽茶(正味重量が 3kg を超えるもの)
HS 番号
品目
統計
HS Code
分類
“Tea, whether or not flavoured.”
0902
茶(香味を付けてあるかないかを問わない。)
- Green tea (not fermented) in immediate packings of a content not exceeding 3
kg
0902.10
0902.10.10
0902.10.90
0902.10.90
000
001
緑茶(発酵していないもので、正味重量が 3 キログラム以下の直接包装にしたものに
限る。)
- - Leaves 茶葉
- - Other その他のもの
Only flavoured 香味のみ
142
0902.10.90
090
0902.20
0902.20.10
0902.20.10
0902.20.10
0902.20.90
0902.20.90
0902.20.90
001
090
001
090
Other その他のもの
- Other green tea (not fermented)
その他の緑茶(発酵していないものに限る。)
- - Leaves 茶葉
Only flavoured 香味のみ
Other その他のもの
- - Other その他のもの
Only flavoured 香味のみ
Other その他のもの
注)HS0902 は、植物学上の茶属(genus Thea)の潅木から得られる紅茶、烏龍茶、緑茶などの
茶葉、粉茶を指す。茶飲料や調整品のインスタントティーは HS2101 に分類される。
2.輸出の可否
輸出は「可」
3.手続き全体の流れ
(1)フローチャート
輸入前
食品輸入業務許可申請
(輸入業者が未取得の場合)
(保健省食品医薬品局)
関税割当または割当外輸入の申請 (商務省外国貿易局)
(保健省食品医薬品局)
食品登録番号の取得
輸入時
輸入通関申請 (各税関)
関税審査
植物検疫審査 (各税関内植物検疫事務所)
食品衛生審査 (各港の食品医薬品局事務所)
輸入後
輸入業者及び小売店側の商品検査(品質・規格等)
小売店等での行政検査(モニタリング検査)
(自主検査)
(食品医薬品局)
(2)留意点
・食品法上、貿易管理法上での輸入手続きがある。
・食品法上、輸入業者は事前に食品輸入業務許可書を取得しておく必要がある。
・茶は貿易管理上から貿易規制品目(関税割当品目)に該当するため、割当内または割当
外に関わらず事前に商務省外国貿易局で申請の手続きをしなければならない。
・茶は食品法の食品分類上で「品質規格管理食品」に属するため、事前に食品登録番号の
取得が必要である。また申請時と輸入時に製造国からの GMP 製造基準適合証明書の提出が
必要である。
(次項参照)
・輸入時の食品衛生検査は必要書類が備わっていれば、書類及び目視検査で終了する。
143
・食品医薬品局の行政検査は必要に応じて残留化学物質などのモニタリング調査が実施さ
れる。
4.輸入制度・輸入規制
(1)輸入手続き(所管官庁とその窓口、手順、必要書類、所要日数、注意事項など)
① 関税割当制度(商務省による貿易管理規制)
所管官庁:商務省外国貿易局(Ministry of Commerce, Department of Foreign Trade)
1979 年輸出入法及び商務省関連告示に基づき、茶(葉茶・挽茶)
(HS0902)は貿易管理品
目となっており、関税割当制度が適用されている。そのため、割当枠内・枠外でも事前の
輸入許可が必要である。2008 年の割当数量は 625t、うち葉茶が 187.5t、挽茶が 437.5t
である。関税率は 30%、割当枠外の関税率は 90%となっている。
手続きについては、「精米」(前述)と同じ。
②保健省食品医薬品局での輸入手続き
茶は「品質規格管理食品」に該当し、以下の手続きが必要である。
a) 食品輸入業務許可(食品を輸入する業者が所得する業務許可)
輸入手続については「精米」
(前述)と同じ。
(第 2 部「保健省食品医薬品局の輸入手続き」
参照)
b)食品登録番号の取得
輸入前に食品登録/食品詳細申告書(Sor Bo 5)を食品医薬品局に申請し食品登録番号(通
称:オーヨーマーク)を取得しておかなければならない。
(手続きの詳細については第 2 部「保健省食品医薬品局の輸入手続き」参照)
c) GMP 製造基準適合証明書の提出
食品登録番号取得の申請の際、および輸入時に GMP 製造基準適合証明書の提出が必要で
ある。
GMP 製造基準適合証明書は日本の各都道府県の保健所からの製造許可(営業許可)書で代
行が可能である。
(手続きの詳細については第 2 部「保健省食品医薬品局の輸入手続き」を参照のこと。)
③植物検疫
加熱加工がされていない茶葉については、商品の状態により植物検疫の対象となること
があるが、一般的に通常の包装パックの商品形態の場合は対象とならない。
(2)輸入許可のための要件
①食品衛生規則
(a)品質基準
144
「茶」については保健省告示 196 号(1997 年)「茶」でその品質が定められている。
ここでは茶葉、インスタントティー、茶飲料について定められ、茶葉については次の
とおりである。
茶葉の品質基準:
1)水分は茶葉重量の 8%以下
2)灰分は茶葉乾燥重量の 4%以上、8%以下
3)水溶性灰分は灰分の 45%以上
4)熱湯による抽出物は茶葉乾燥重量の 32%以上
5)カフェイン含有量は茶葉重量の 1.5%以上
6)色素を加えていないこと
7)香り茶の場合、使用される香料は人体に影響のないものであるとし、かつ食品医
薬品が承認している香料であること。
(b)重金属および汚染物質
保健省告示 No.98(1986 年)及び No.273(2003 年)で食品中に含まれる重金属及び汚染物
質で食品中に次の含量を超えてはならないとされている。
保健省告示 No.98(1986 年)及び No.273(2003 年)に基づく残留基準値
最大残留基準値
(食品1kg 当たり mg)
250
100
20
1
0.5
20
(水産物以外は総砒素 2mg)
(水産物は無機砒素 2mg)
スズ
亜鉛
銅
鉛
水銀
アフラトキシン
砒素
注:砒素は保健省告示第 273 号で改訂された数値
なお、上記)以外の化学物質については Codex の基準に従う必要があり、輸入の際に随時
保健省の担当官がモニタリング調査を実施している。
②残留農薬
保健省告示第 288 号(2005 年)で 11 種類の化学物質について最大許容残留値(MRL)
および 5 種類の化学物質について不可避的原因による生じた許容残留値(ERL)を規定し
ている。その他の化学物質については Codex の基準に従う必要があり、さらに農業・協同
組合省が告示で国内での使用を禁止している農薬については不可避的原因の許容残留値
(ERL)を規定する化学物質を除いては、残留してはならない。輸入時には、保健省の担
当官がモニタリング検査を実施している。茶については、MRL は規定されておらず、ERL
145
は次のとおりとなっている。
茶の ERL
不可避的原因による残留上限値(ERL):
食品の種類
- 飲料に使用される作物
不可避的な原因(外部的要因)により生じた残留毒素の上限
(食品 1 ㎏あたりの㎎)
ヘプタクロル
DDT
エンドリン
クロルデン
アルドリン及
(heptachlor)
(endrin)
(chlordane)
びディルドリン
(aldrin and
dieldrin)
0.2
0.025
0.01
0.01
0.05
③ 使用禁止農薬
農業・協同組合省農業局では 1992 年危険化学薬剤法に基づく第 4 種危険化学物質として
使用が禁止される農薬は現在 96 種類となっている。その他、農業局では使用禁止ではない
が危険な薬剤として監視している 11 種類の化学薬剤をリスト化している。
(96 種類の使用禁止農薬リストについては第 2 部の「残留化学物質及び農薬禁止リスト」
を参照のこと。)
5.販売時の規制・手続き
(1)販売手続き
該当する規制はない。
(2)販売許可のための要件
該当する規制はない。
6.表示方法
(1)法律に基づく義務表示および手続き
食品法に基づく保健省告示第 194 号(2000 年)
「ラベルについて」及び第 252 号「ラベル
について(第 2 版)」において、食品医薬品委員会が表示をしなくても良いと例外を認めた
場合を除き、すべての食品に対して定められた事項を表示することを義務付けている。同
告示においては「特定管理食品」、
「品質規格管理食品」および「表示管理食品」
(いわゆる
「一般食品」以外)と「一般食品」によって義務表示項目が異なり、
「一般食品」以外の食
品は各食品の告示規定にも従う必要があり、さらに食品医薬品局が別で定めた場合はそれ
に従う必要がある。
義務表示項目については①消費者に直接販売する食品、②レストラン等の調理者または
食品販売者向け食品③その他、工場などに販売する食品、に分類される。
なお、消費者に直接販売される食品の表示には「消費者の誤解を生じない」表示をする
146
必要があり、また、外国語併記でも構わないがタイ語による記載が義務付けられている。
(表示に関連する告示は第 2 部「表示について」を参照のこと。)
茶の場合は「一般食品」以外の品質規格管理食品になるため、その場合は以下の表示項
目が必要である。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
(15)
表示項目
食品名
食品登録番号
輸入者の名前および住所並びに製造国名
メトリック法による食品量
(4.1) 個体の食品は、正味の重量を表示すること。
(4.2) 液体の食品は、正味の体積を表示すること。
(4.3) 半固体、半液体の食品は、正味の重量または体積を表示すること。
(4.4) その他の食品は賞味の重量を表示すること。
(4.5) 液体または水に具などの小片が混ぜられ、明確に分離できる食品は、具の重量(drained
weight) を表示すること。
主要成分
全体の重量に対する主要成分のおよそのパーセンテージを多いものから順に記すこと。
ただし、次の場合は除く
(a) ラベルの総面積が 35 平方センチメートルより小さい食品。しかし、この食品については、
包装の上に主要成分を表示しなければならない。
(b) 食品添加物や香料、調味料、着色料を除いて主要成分が 1 種類のみの食品
もし使用している場合、「保存料使用」と表示すること。
もし使用している場合、「天然着色料使用」または「合成着色料使用」と表示すること。
もし使用している場合、「.....を調味料として使用」と表示すること。
(空白の部分には、使用した
調味料の名前を記載)
もし使用している場合、「.....を砂糖の代わりに甘味料として使用」と表示すること。(空白の部分
には、砂糖の代わりに使用した甘味料の名前を記載)を 2mm 以上の文字で背景と対比色で表示するこ
と。
もし使用している場合、場合に応じて「天然香料」「天然に似せた香料」「合成香料」「天然調味料」
「天然に似せた調味料」と表示すること。
製造年月日または製造年月、賞味期限の年月日または食品の品質を維持できる期限の年月日
これらを「製造」、
「賞味期限」または「~までに賞味すること」などと書いて次のように表示する
こと。
(11.1)保存期間が 90 日以内の食品の場合、賞味期限年月日
(11.2)保存期間が 90 日を超える食品の場合、製造年月または賞味期限年月日。
(11.3)食品医薬品委員会が告示で規定した食品の場合、製造年月日および賞味期限年月日。
(11.1)、(11.2)、(11.3)の記載に基づく表示は、日月年の順に従って表示しなければならない。また、
月の表示には文字を用いてもよい。なお、賞味期限年月日は「年月日までに賞味すること」で代用で
きる。
適切な保存方法(もしあれば)
調理法(もしあれば)
乳児または幼児あるいは特定の者を対象としている食品の場合、必要な注意書きまたは使用方法。
その他食品医薬品局が告示で規定した食品の場合、食品医薬品局が規定した表示。
また、食品の分類に関係なく、レストラン等の調理者または食品販売者向け食品の場合
も、上表の項目を記載しなければならないが、(5)~(10)および(12)~(15)の詳細を示した書
類がある場合は、(1)~(4)および(11) を表示するのみでよい。 さらにその他、工場などに販
売する食品の場合は、(1)~(4)のみでよく、また英語表記でも構わない。
147
(2)法律に基づく任意表示および手続き
栄養成分表示をする場合は、1998 年 3 月 20 日付保健省告示第 182 号「栄養成分表示」、
2001 年 6 月 21 日付同省告示第 219 号「栄養成分表示(第 2 版)」に従って表示する必要が
ある。
(栄養成分表示をタイ語で表記する場合は、日本での分析と異なることもあり、タイ国内
の検査機関を利用し、同告示で定められた様式に従い表示しなければならない。
)
(同告示の仮訳は第 2 部「その他の主な食品衛生規則」を参照のこと。)
(3)業界自主表示および手続き
特に該当するものはなし。
(4)「食の安心・安全」表示に関する基準・認定制度
a) 食の安心・安全についてタイ政府が実施している認定制度とその表示
特に該当する認定制度はない。
b) 食の安心・安全について業界、生産団体等が独自に実施している認定制度とその表示
特に該当する認定制度はない。
c) わが国での認定マーク等の表示・販売に対する規制、等
特に該当する規制はない。
7.税制度
(1)関税
タイの輸入関税は申告評価制度であり、関税率は、基本税率(MFN)のほか、WTO 税率、
タイ政府が譲許する Discount 税率、その他二国間(自由貿易協定等)
、多国間(AFTA 等)
などの種類がある。日本の場合は、WTO 税率または Discount 税率あるいは 2007 年 11 月に
発効した日タイ経済連携協定税率(JTEPA)の税率の適用を受けることができる。
なお、JTEPA 適用税率の権利を得るには日本からの原産地証明書(Certificate of Origin
C/O)が輸入時に必要となる。
茶(茶葉、茶粉)については関税割当品目であり、税率は次のとおりとなっている。
茶(茶葉、茶粉)の税率
HS 番号
Heading
Sub
Code
Code
0902.10.10
000 - - Leaves
0902.10.90
001 Only flavored tea
0902.10.90
090 Other
0902.20.10
001 Only flavored tea
品目
148
関税率
0902.20.10
090
0902.20.90
001
0902.20.90
090
基本税率(MFN)
0902.10.10
00
0902.10.90
00
0902.20.10
00
0902.20.90
00
WTO 税率
0902.10.10
00
0902.10.90
00
0902.20.10
00
0902.20.90
00
Other
Only flavored tea
Other
- - Leaves
Only flavored tea
Only flavored tea
Only flavored tea
60%
60%
60%
60%
- - Leaves
割当内
割当外
- - Other
割当内
割当外
- - Leaves
割当内
割当外
- - Other
割当内
割当外
30%
90%
30%
90%
30%
90%
30%
90%
Discount 税率
0902.10.10
01
- - Only flavored tea
29
- - Other
0902.10.90
01
- - Only flavored tea
29
- - Other
0902.20.10
01
- - Only flavored tea
29
- - Other
0902.20.90
01
- - Only flavored tea
29
- - Other
(注)関税割当数量:葉茶 187.50t、粉茶 437.50t
30%
60%
30%
60%
30%
60%
30%
60%
JTEPA 関税率
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
年度
年度
年度
年度
年度
年度
年度
年度
年度
年度
年度
11/1/07 4/1/08 4/1/09 4/1/10 4/1/11 4/1/12 4/1/13 4/1/14 4/1/15 4/1/16- 4/1/17
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
3/31/08 3/31/09 3/31/10 3/31/11 3/31/12 3/31/13 3/31/14 3/31/15 3/31/16 3/31/17
0902.10.10.00
(0902.10.10.000)
- - Leaves
0902.10.90.00
(0902.10.90.001)
Only flavored tea
(0902.10.90.090)
Other
0902.20.10.00
(0902.20.10.001)
Only flavored tea
(0902.20.10.090)
Other
0902.20.90.00
(0902.20.90.001)
Only flavored tea
(0902.20.90.090)
Other
27.27%
24.55%
21.82%
19.09%
16.36%
13.64%
10.91%
8.18%
5.45%
2.73%
無税
27.27%
24.55%
21.82%
19.09%
16.36%
13.64%
10.91%
8.18%
5.45%
2.73%
無税
27.27%
24.55%
21.82%
19.09%
16.36%
13.64%
10.91%
8.18%
5.45%
2.73%
無税
27.27%
24.55%
21.82%
19.09%
16.36%
13.64%
10.91%
8.18%
5.45%
2.73%
無税
(注)関税割当内での税率である。
2008 年 1 月時点
149
(2)付加価値税(VAT)
輸入額と関税額の合計に付加価値税(VAT)7%が課税される。
(3)その他
特になし
8.国内流通・取引慣行等
(1)国内マーケット事情
商品特性
タイの最北部、 標高 1000 メートル以上の山岳地帯に、 冷涼な気候を利用した茶の産地
がある。 特にチェンライ県のメーサロン地域が有名で台湾から導入された技術により、 製
造された緑茶は、 香り高く、 甘みがあるとして人気がある。大手製茶製造会社を含む数
社の農園、製茶工場がある。タイで栽培されている茶は主にアッサム種と中国種であり、
近年の緑茶ブームで中国種の生産が多くなっている。主に国内へ販売しているが、一部 EU
や中東諸国へ輸出されている。
マーケット事情
タイの輸入規制として非 WTO 加盟国からの輸入に対して、国内産の茶を一定量買い付け
なければならないといういわゆるローカルコンテンツ規則が採用されているが、中国の
WTO 加盟により、国内生産者は最大の輸入国である中国からの輸入品の脅威にさらされ、
国内の製茶業も品質向上に努めている。
輸入緑茶はタイの税関では3kg以下と3kg以上の包装に区分されており、3kg以下に
おいては日本産の需要は大きいが、3kg以上の包装においては中国産が圧倒的に強く日本
産のシェアはわずかである。3kg以下の包装で日本産が高いシェアを得ている理由は、原
産地や品質にこだわるエンドユーザー向けの商品であり、質の高い包装などで、他国産と
の差別化が図れているためと考えられる。
タイ国内で近年、緑茶飲料が急速に市場を拡大している商品であり、蜂蜜、レモン果汁、
砂糖と調合して甘味をつけるなど様々な種類の商品が販売され、清涼飲料の中で最も人気
のある商品の一つとなっている。レストラン、ホテル、飲料チェーンでは緑茶または緑茶
をアレンジしたメニューを多数品揃え、大手スーパーでも紅茶や中国茶と同様に箱詰めで
多数陳列している。緑茶飲料で無糖のものはまだ人気が定着しておらず、庶民の食生活に
緑茶の茶葉を使用する習慣はないが、緑茶ブームにより飲料メーカー、食品加工産業での
需要は伸びている。これまでタイでは緑茶を飲む習慣がなかったことを考えると、この3
~4 年の緑茶市場の変化は目覚しいものがある。また、抹茶も普及しつつある。
(2)流通経路
国内で生産された茶は現地製茶業者へ卸され、製茶され直接小売業者へ流通するか、卸
150
売業者を通じてバンコクおよび各地方に出荷されている。また現地製茶業者は委託生産
(OEM)しており、その委託先を通じて各地に出荷されている。
輸入の場合は製茶業者が直接輸入する場合や、輸入業者が直接小売業者または卸売業者
に販売している。
輸出業者
製茶業者
輸入業者
卸売業者
卸売業者
小売業者
(スーパー、専門店、飲食業者)
消費者
(3)新規参入の留意点
茶葉は関税割当品目であり、また食品衛生上の観点から食品登録や製造基準の適合証明
が必要など事前の手続きなど多く注意を要する。国内では「Japanese Tea」と銘打った現地
産や中国産も出回っていることもあり、こうした国内および中国などの近隣国で生産され
る商品との差別化が必要である。タイにおいて特に緑茶の消費が今後とも続くことは間違
いないと思われるため、日本の食味、包装などの品質をもってブランドイメージを確立し
ていくことが必要である。
9.サンプル輸出
サンプルとして限度を超えない量において「可」。個人消費の携帯持ち込みは担当官の裁
量に委ねられるが、概ね 10 ㎏程度が認められる。また販売以外の目的、例えば見本市出展
等、また飲食店用の使用については事前申請により、数量等の条件はあるが、輸入は可能
である。(第 2 部「各種輸入手続き」参照)
10.関連企業・団体概要リスト
輸入茶に関連する団体は特に存在しない。
日本のお茶を輸入する主な輸入業者は次のとおりである。
151
Name
Daisho (Thailand) Co., Ltd.
Aoi
Sojitz (Thailand) Co.,Ltd.
Srichokchai Supermarket
Ltd.,Part
Yokkaichi (Thailand) Co.,
Ltd
Address
Unit A-B and C3, 14th Fl. No.947 Moo 12 ,
Thosapol Land Building 3, Bangna-Trad Rd,
Bangna, Bangkok 10260
132/10-11 Silom, Suriyaworng, Bang Rak,
Bangkok 10500
19th Floor, Q. House Lumpini Building,1 South
Sathorn Rd, Tungmahamek, Sathorn, Bangkok
10120
83/5 5 Rom Klao, Klongsamprawet,
Latkrabang, Bangkok 10520
888/187-189 Mahatun Plaza ,Ploenchit ,
Pathum Wan, Bangkok 10330
Tel: - Fax: - URL
Tel. 0-2744-1450,1,3
Fax.0-2744-1452
Tel : 0-2235-2322
TEL:0-2227-9200
FAX:0-2227-9320
Tel : 0-2906-8899
Tel : 0-2253-6782
Taiyo Stanless Spring
( Thailand) Co,.Ltd,.
51 Moo 7 , Sukhmvit, North
KlongToey,Wattana, Bangkok 10110
Tel : 0-2255-3233
Nature Best Foods Co.,Ltd
Tel : 0-2215-0624
NST Food Ingredients
Co.,Ltd
128/212 Phayathai Plaza 19 Fl, Phayathai
Rd, Phayathai, Ratchathevi, Bangkok
10400
736 Mahachai, Wangburapaphirom,Phra
Nakorn, Bangkok 10200
Surasak Import Export
Commercial Co.,Ltd.
1887 Moo4、Serithai Rd, Klongkum,
Bungkum, Bangkok, 10240
Tel : 0-2540-4123
Fax : 0-2540-4148
Mika Ltd., Partnership
808/10 Soi Sukhumvit 55 Thonglor, Sukhumvit
Rd, Klongton-Nua, Wattana, Bangkok 10110
Tel. 0-2381-6188,
0-2392-3282
Raming Tea Co.,Ltd
151 Moo 3, Thasala, Mueang, Chiang Mai
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Sea Horse Public Company
Limited
199 Moo 3 Chana -Songkla Rd, Thungwang,
Mueang, Songkla 90000
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Sumitomo Electric Sintered
Components(T)
Amatanakorn Industrial Estate 700/471
Moo7 , Donhua-roh, Mueang, Chonburi 20000
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Thai Yamazaki Co,Ltd
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UCC Ueshima Coffee
(Thailand) Co., Ltd
Green Place Blud.,2th Fl,.104 Soi Langsuan,
Lumpini, Partumwam, Bangkok 10330
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Fujilloy (Thailand) Ltd
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152
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