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分析個票NO.5 (PDF:234kB

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分析個票NO.5 (PDF:234kB
整理番号
5
出願番号
特許権者
発明の名称
物体検知センサ
特願2007-023278
特許番号
特許第5037961号
国立大学法人大阪大学(大阪府吹田市山田丘1番1号)
株式会社十川ゴム(大阪府大阪市西区南堀江四丁目2番5号)
◎技術の概要
センサを駆動するための回路や電源をコンパクトにできる物体検知センサ
◎技術動向
従来から、様々な分野において人や物の接触を検知するためのセンサが広く使用されている。センサ
を形成するセンサ素子としては、静電容量センサ、静電誘導センサや圧電センサ等が知られている。こ
れらの各種センサにおいては、感度はともかく設置場所の観点からコンパクトである方が望ましい。特
に電子機器の、ウェアラブル化や多機能化のためにも小型・薄型化が求められている。また、センサ素
材の工夫により、駆動するための電源を別途必要としない製品も多く、センサ部分の電子回路を簡略化
でき、製品設計時の自由度が向上するなど利点も多い。
こうしたセンサは、人感センサや重量センサなどとして利用され、たとえば不審者の侵入や工場など
大型機械の周辺の進入禁止区域に、人が入ると機械が自動停止させるなどの分野に利用されてきた。ま
た、介護医療用途としても、無線や有線送信機と接続したセンサをベッドや車いすなどに設置し、離床、
落下等を検知する形でも利用されており、今後の活用分野も広いものと思われる。
◎分析・評価
本技術は、ゴム等の素材自体がセンサスイッチとなるため、スイッチとして仕上げる際も外観を薄く
仕上げることができる。そのため、例えば外装として使用しているゴムをスイッチとして利用できるた
め、デザイン上も違和感なく外装に組み込むことも可能な点が評価できる。また物理的に押し込むスイ
ッチボタンの表面に、新たなスイッチを構成することができるので、1つのスイッチボタンに複数の機
能を付与し多機能化が図れる。
ただし、ゴムであるため、繰り返しの使用により、変形、変質等素材の劣化が予想される点を考慮す
る必要ある。また、特許権者はピエゾセンサーを板状のシリコーンゴムに組み込むことには成功した
が、導電性について課題がある。
◎適用先要素技術候補
【適用先要素技術①:ロボットのハンド(適用先分野:ロボット製造業)】
今後、工場のみならず店舗や家庭などロボットが活用される範囲は広がってきていると言える。また、
単純な作業だけではなく繊細かつ複雑な作業をするために、ロボットが物をつかむ際のハンドなどは、
接触状態がわかるようなセンサを取り付ける必要がある。センサを高機能とするためには複数のセンサ
を取り付け、センサ自体の大きさによりロボットの形状が大きくなり、作業性が劣ることなどが考えら
れる。
本技術のセンサは基準電位をグランド電位とすれば、物体検知センサを動作させるための他の電源を
不要とすることができるため、物体検知センサの構成をコンパクトにすることができる。形状に制約の
あるこうしたロボットに用いるセンサとして有用かと考えられる。
センサの機能として素材を判別する機能があるため、様々な物に触れるロボット分野での活用が考え
られる。また、家庭や医療現場など実際に人と接する分野での活用が予想される。より人の肌に近いロ
ボットであることが好ましい。人の肌に近い素材としてシリコーンゴムやポリウレタンが挙げられるが、
本技術はシリコーンゴムを検出部としてセンサを構成することが可能である。機械であるロボットに、
人肌に近いシリコーンゴムなどを使用できるため、より親しみすく、また、センサ自体をより簡素に構
成でき、ロボット等に納める際にもサイズ等の制約がない。さらにセンサを覆っていてもセンサの検知
に影響はないため、汚れや水に濡れる部位に使用することもできる。
【適用先要素技術②:高機能スイッチボタン(適用先分野:ビデオ機器製造業、デジタルカメラ製
造業、携帯電話機・PHS電話機製造業、電子計算機製造業(パーソナルコンピュータを除く))】
本技術は、新たにボタン部品として取り付ける必要がなく、外装材などと使用しているシリコーンゴ
ムやポリウレタンなどを直接検出部とすることができる。新たに部品を取り付ける手間もなく、部品点
数を減らすことができ、コスト工程ともに削減できると思われる。また、高機能となる電子機器は必然
とボタンの数も多くなる傾向にある。一方よりシンプルなデザインとするため、なるべくボタンの数を
減らし目立たなくした製品も見られる。例えばスマートフォンのボタンなどのように、ひとつのボタン
に指紋認証とスイッチの両方の機能が割り当てられている。
物理的なスイッチの上を覆う形で本技術のセンサを用いれば、スイッチに指を置いた時点の機能と、
実際にスイッチを押して得られる機能の組み合わせにより、より多くのパターンの機能をスイッチに付
与できるものと思われる。
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