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妊娠 32 週未満の早産期前期破水における新生児予後に影響する周産期

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妊娠 32 週未満の早産期前期破水における新生児予後に影響する周産期
氏
名:藤原
ありさ
論 文 名 : Perinatal management of preterm premature ruptured membranes
affects neonatal prognosis
( 妊 娠 32 週 未 満 の 早 産 期 前 期 破 水 に お け る 新 生 児 予 後 に 影 響 す る
周産期管理方針の検討)
区
分: 乙
論
文
内
容
の
要
旨
背景
日 本 に お け る 早 産 率 は 5- 6% で 、 前 期 破 水 は 原 因 の 約 30% を 占 め 、 周 産 期 の 罹
病 や 新 生 児 予 後 の 悪 化 に 関 連 す る 。 早 産 期 前 期 破 水 症 例 に 対 す る 妊 娠 管 理 方 針 の コンセンサス
は 未 だ 明 確 で な く 、特 に 34 週 未 満 の 前 期 破 水 症 例 で は 待 機 的 な 管 理 を 行 う べ き か 、即 時
娩出とするべきかについて意見が分かれている。
新 生 児 の 予 後 は 分 娩 週 数 に 最 も 影 響 を 受 け る た め 、 米 国 産 婦 人 科 学 会 は 妊 娠 33
週以下の破水症例では待機管理を推奨しているが、絨毛膜羊膜炎の危険度が高い場合は
未熟性に関係なく分娩誘発が選択される。
目的
早産期前期破水で新生児の長期的発達予後に影響を与える要因を明らかにする 。
方法
4 つ の 3 次 周 産 期 センターの 診 療 録 情 報 を 用 い た 。2000 年 か ら 2010 年 の 期 間 に 、妊 娠
25 週 か ら 31 週 の 間 に 早 産 期 前 期 破 水 を 生 じ 、母 体 に ステロイドを 投 与 し た 後 、妊 娠 26 週 か
ら 31 週 の 間 で 分 娩 に 至 っ た 92 症 例 を 対 象 と し て 、 症 例 対 照 研 究 を 行 っ た 。 新 生 児 の 神
経 学 的 後 障 害 及 び 新 生 児 死 亡 に 関 す る リスク因 子 の 抽 出 を 行 い 、そ の 結 果 を も と に 後 方 視 的
コホート研 究 を 行 っ た 。 本 研 究 プロトコールは 九 州 大 学 病 院 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 得 て 行 っ た 。
結果
神 経 学 的 後 障 害 お よ び /ま た は 新 生 児 死 亡 し た 症 例 を Neurologic deficit and/or
Neonatal death( ND)群( 18 例 )、神 経 学 的 に 正 常 で あ っ た 症 例 を Neurologically normal
( NN) 群 ( 74 例 ) と し 、 待 機 管 理 さ れ た 患 者 は そ れ ぞ れ 94%、 73%で あ っ た (p-値 0.07)。
神経学的予後不良を目的変数とした多変量解析で、待機管理は児の神経学的後障害や死
亡 の 独 立 し た リスク因 子 で あ っ た ( オッズ比 16.4) 。
待 機 管 理 群 の 予 後 不 良 な 新 生 児 は 全 例 、 破 水 か ら 14 日 以 内 に 娩 出 と な り 、 15 日
以上妊娠延長可能な症例は予後良好であった。
結論
早 産 期 前 期 破 水 で は 破 水 か ら 14 日 以 内 の 待 機 管 理 は 新 生 児 予 後 不 良 と 関 連 し て
いた。児の予後に影響を与える子宮内炎症の存否や、子宮内炎症なく長期間の妊娠期間
延長が可能な症例を予測することは現状困難であることから、待機管理の選択には慎重
を期すべきである。
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