Comments
Description
Transcript
PDFダウンロード - ベネッセ教育総合研究所
第3回乳幼児の父親についての調査 テーマ別分析 ベネッセ教育総合研究所 次世代育成研究室 テーマ 1.父親の生活スタイルに合わせたワークライフバランスの様子 今回の調査結果からは、未就園児・幼稚園児の父親、保育園児の父親それぞれの生活スタイルに合わ せて、父親がワークライフバランスに取り組んでいる様子がうかがえる。(※首都圏の父親、2014 年) ●保育園児の父親の様子● ◇出産・産後の休みは、出産当日~出産後 8 週までは半数以上、出産後 9 週以降で 21.6%が取得 (0~3 歳児)。 (図1) ◇仕事からの帰宅時間は早く、家事・育児への関わりが高い(図2、図5)。 ◇一方で、 「子どもと接していると子どもの様子にイライラする」「子育てを精一杯やっているのに、 評価されない」と感じている(図3)。 ◇子育ての情報源は、妻、自分や妻の親、インターネット、職場の友人・知人、園の先生、園の友人・ 知人など、選択率が 10%を超え、多岐にわたる(図6)。 ◇仕事と家庭以外の活動では、4~6 歳になると、PTA、自治体活動にも参加。参加意向も高い (図表省略) 。 ●未就園児(0~3 歳)・幼稚園児(4~6 歳)の父親の様子● ◇出産・産後の休みは、出産当日~産後 8 週までの期間に集中している(0~3 歳児)。(図1) ◇妻との関係では、コミュニケーションをとり、支え合っている傾向(「子どものことについて妻と毎 日話している」、「妻と自分は互いに心の支えになっている」/0~3 歳児)。(図4) ◇父親としての不安は、子どもの教育費用、育児費用が多い(図表省略)。 図1いつ頃休みをとったか 未就園児の父親(0~3歳)1096 図2 帰宅時間 保育園児の父親(0~3歳)385 未就園児の父親(0~3歳)1096 41.5 (%) 39.0 29.5 25.1 22.3 21.5 19.4 18.3 31.4 21.6 18.2 18.4 12.3 1.3 0.5 出産当日 産後8週まで 産後9週以降 2.32.9 (%) 16.6 14.7 11.0 7.3 12.2 出産前 保育園児の父親(0~3歳)385 4.55.0 5.4 2.9 4.14.5 その他 ※無職、その他を除く 図3 ⽗親の⼦育て観 (%) 未就園児の父親(0~3歳)1096 保育園児の父親(0~3歳)385 幼稚園児の父親(4~6歳)709 保育園児の父親(4~6歳)253 40.6 子どもと接していると、子どもの様子にイライ ラする ※「よくある」「ときどきある」の合計 49.7 50.7 60.1 30.6 自分なりに子育てを精一杯やっているのに、 評価されない 36.1 29.1 34.8 -1- 図4 妻との関係(0〜3歳) 未就園児の父親(0~3歳)1096 保育園児の父親(0~3歳)385 子どものことについて妻と毎日話している 子ども以外のことについて妻と毎日話している 25.7 20.8 10.9 9.4 12.0 12.2 自分の仕事・生活上の悩みを妻に相談している 妻の(仕事)・生活上の悩みの相談に乗っている 妻と二人だけでよく出かける 38.0 31.4 2.9 4.4 自分は妻に必要とされている 19.5 妻と自分は、互いに心の支えになっている 22.9 20.8 24.0 ※「とてもあてはまる」の% 図5 家事・育児の関わり(0~3歳) 未就園児の父親(0~3歳)1096 (%) 保育園児の父親(0~3歳)385 84.6 90.5 83.1 85.0 73.0 66.1 86.0 81.1 66.5 53.4 53.5 50.6 44.6 40.2 50.1 36.1 21.3 17.1 15.6 9.7 55.3 41.8 35.7 29.0 34.0 27.0 14.3 7.3 7.6 6.3 ※「毎⽇する」「週に3〜5 回する」の合計。 *は「いつもする」「ときどきする」の合計。「該当しない」を除く。 図6 ⼦育ての情報源 未就園児の⽗親 保育園児の⽗親 幼稚園児の⽗親 保育園児の⽗親 (0〜3歳)1096 (0〜3歳)385 (4〜6歳)709 (4〜6歳)253 1位 妻 妻 妻 妻 2位 インターネット インターネット インターネット インターネット 3位 ⾃分の親 ⾃分の親 ⾃分の親 ⾃分の親 4位 妻の親 妻の親 妻の親 妻の親 5位 職場の友⼈・知⼈ 職場の友⼈・知⼈ 職場の友⼈・知⼈ 職場の友⼈・知⼈ 6位 書籍・ムック 園(⼩学校)の先⽣ 園(⼩学校)の友⼈・知⼈園(⼩学校)の友⼈・知⼈ 7位 ⾃分のきょうだい ⼩児科医 学⽣時代の友⼈・知⼈ 園・⼩学校の先⽣ 8位 ⼩児科医 書籍・ムック 特にない 9位 児童館や⼦育て広場 園(⼩学校)の友⼈・知⼈書籍・ムック 学⽣時代の友⼈・知⼈ 10位 学⽣時代の友⼈・知⼈ ⾃分のきょうだい ⼩児科医 11位 雑誌 学⽣時代の友⼈・知⼈ テレビ ※22 項より複数回答 ⾃分のきょうだい 書籍・ムック 近所の⼈ ※網がけは 10%以上の項⽬ -2- ベネッセ教育総合研究所 テーマ2.子どもの誕生前後の父親のかかわり 1. 出産への立ち会い: 2005 年から経年で増加し、64.6%が立ち会っている。 図1.出産への立ち会い した したくなかったけれどした したかったけれどできなかった しようと思わなかったし、しなかった (%) 2005年(2,956) 2009年(4,574) 2014年(2,398) 46.6 1.0 55.2 28.2 0.9 60.6 24.2 23.7 4.0 20.2 21.6 13.7 ※経年比較のため、20~45 歳の父親のみ。 2. 出産後4か月間の父親のサポート:妻の出産後4か月間の時期に、父親はさまざまな家事・育児や妻のケア に取り組んでいる(図 2) 。出産後のサポートをより多岐に取り組んだ父親は、日常の家事・育児についてもよ り頻繁に取り組んでいる傾向が見られる(図 3)。また、妻とのコミュニケーションや絆もより良好である(図 4・ 図 5) 。子育てのスタート期から、父親が家事・育児、妻のケアに取り組めるような風土が必要である。 図2. 出産後4か月の間に取り組んだこと(複数回答) (%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 赤ちゃんのおむつをかえた 74.2 赤ちゃんを抱いてあやした 69.9 ゴミを出した 67.6 配偶者の話し相手になった 66.2 赤ちゃんの沐浴をした 63.6 配偶者の悩みや不安を聞いた 59.2 家の掃除・片付けをした 58.2 赤ちゃんの写真や動画を撮った 58.0 食材や日用品、赤ちゃん用品などの買い物に行った 57.5 赤ちゃんにミルクを飲ませた 57.1 配偶者をいたわったり、励ましたりした 56.7 赤ちゃんの寝かしつけをした 55.5 洗濯をした 51.4 配偶者が休息する時間を作るようにした 51.0 食事を作った 42.7 家に早く帰るようにした 40.9 配偶者の肩をもんだり、マッサージをしてあげた 40.5 育児についての情報を調べた 35.7 上のお子さんの育児をした その他 特にない 31.2 0.6 3.7 ※首都圏・20~49歳の父親2,645名の%。 -3- ベネッセ教育総合研究所 図3. 産後サポートと日常の家事・育児頻度得点平均 家事・育児得点(平均値) 21.7 産後サポート高群(1,440) 16.4 産後サポート低群(1,205) ※20~49歳の父親の回答。 ※産後サポート高群:出産後4か月間のサポート(図3)が11~20項目、低群:同0~10項目。 ※日常の家事・育児頻度得点:家事・育児9項目についての頻度を得点化して合算した(ほとんど毎日する」= 7点、「週に3~5日する」=4点、「週に1~2会する」=1.5点、「ほとんどしない」=0点として算出。) 図4.子どものことについて妻と毎日話している とてもあてはまる まああてはまる あまりあてはまらない まったくあてはまらない (%) 産後サポート高群(1,440) 40.1 49.6 9.6 0.7 産後サポート低群(1,205) 18.4 58.8 19.2 3.7 ※20~49歳の父親の回答。 ※産後サポート高群:出産後4か月間のサポート(図3)が11~20項目、低群:同0~10項目。 図5.妻と自分は、互いに心の支えになっている とてもあてはまる まああてはまる あまりあてはまらない まったくあてはまらない (%) 産後サポート高群(1,440) 25.3 56.3 15.8 2.6 産後サポート低群(1,205) 13.4 55.4 24.1 7.1 ※20~49歳の父親の回答。 ※産後サポート高群:出産後4か月間のサポート(図3)が11~20項目、低群:同0~10項目。 -4-